JP2011180385A - 感放射線性組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents

感放射線性組成物及びレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二重露光によるパターンニングに用いられ、上層膜を別途形成する必要がなく、水等の液浸露光プロセスにも好適に用いられることが可能であり、第一のレジスト層を形成するために好適に用いられる感放射線性組成物を提供すること。
【解決手段】第一の感放射線性組成物を用いて第一のレジストパターンを形成する工程(1)と、第一のレジストパターンを、レジストパターン不溶化樹脂組成物を用いて第二の感放射線性組成物に対して不溶化させる処理をする工程(2)と、第二の感放射線性組成物を用いて第二のレジストパターンを形成する工程(3)と、を含むレジストパターン形成方法の工程(1)で用いられる、(A)酸解離性基を有する繰り返し単位(1)を含む重合体と、(E)フッ素原子を有する繰り返し単位を含む重合体と、(C)感放射線性酸発生剤と、(D)溶剤と、を含有する感放射線性組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は感放射線性組成物及びレジストパターン形成方法に関する。更に詳しくは、二重露光によるパターンニングに用いられ、上層膜を別途形成する必要がなく、水等の液浸露光プロセスにも用いられることが可能であり、第一のレジスト層を形成するために好適に用いられる感放射線性組成物及びそれを用いたレジストパターン形成方法に関する。
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では0.10μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィ技術が必要とされている。今後は更に微細なパターン形成(例えば、線幅が45nm程度の微細なレジストパターン)が要求される。このような微細なパターン形成を達成させるための手段として、露光装置の光源波長の短波長化(ArFエキシマレーザー(波長193nm))や、レンズの開口数(NA)を増大させること等が考えられる。しかしながら、光源波長の短波長化には、新たに高額の露光装置が必要となる。また、レンズの開口数(NA)の増大には、解像度と焦点深度がトレードオフの関係にあるため、解像度を上げても焦点深度が低下するという問題がある。
最近、このような問題を解決可能とするリソグラフィ技術として、液浸露光(リキッドイマージョンリソグラフィ)法という方法が報告されている。しかしながら、液浸露光法による露光技術の進歩も45nmハーフピッチ(hp)までが限界といわれており、更に微細な加工を必要とする32nmhp世代へ向けた技術開発が行われている。近年、そのようなデバイスの複雑化、高密度化要求に伴い、ダブルパターンニング(DP)或いはダブルエクスポージャー(DE)といった疎ラインパターン或いは孤立トレンチパターンの半周期ずらした重ね合わせによって32nmLSをパターンニングする技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
32nmLSをパターンニングする技術の一例として、非特許文献2には、1:3のピッチの32nmラインを形成し、エッチングによりSiO等のハードマスク(以下、「HM」ともいう)を加工した後、更に一層目のレジストパターンと半周期ずらした位置で、同様に1:3のピッチの32nmラインを形成し、エッチングにより再度HMを加工することで、最終的に1:1のピッチの32nmラインを形成することが開示されている。
SPIE.Proc,Vol.6153 p.61531K−1−K−7(2006) 3rd International Symposium on Immersion Lithography PO−11
しかしながら、いくつかの提案されたプロセスはあるものの、このような液浸露光プロセスを用いた二重露光によるパターンニングに好適に用いられる具体的な材料の提案は未だなされていないのが現状である。また、提案されたプロセスにおいて、一層目のレジストパターンを形成した後、二層目のレジストパターンを形成する際に、一層目のレジストパターンが変形する場合があり、ラインの精度に問題を生ずる場合があった。
更には、第一の感放射線性組成物で形成された第一のレジスト層、又は第二の感放射線性組成物で形成された第二のレジスト層を液浸露光する際、通常レジスト層から液浸液への溶出に由来するレンズ汚染を避けるために液浸用上層膜を形成する必要があった。しかし、液浸用上層膜を形成する場合、工程数増加に伴うスループットの悪化等の問題がある。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、二重露光によるパターンニングに用いられ、上層膜を別途形成する必要がなく、水等の液浸露光プロセスにも好適に用いられことが可能であり、第一のレジスト層を形成するために好適に用いられる感放射線性組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、フッ素原子を有する繰り返し単位を有する重合体を構成成分として含有させることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す感放射線性組成物及びレジストパターン形成方法が提供される。
[1]第一の感放射線性組成物を用いて、基板上に第一のレジストパターンを形成する工程(1)と、前記第一のレジストパターンを、レジストパターン不溶化樹脂組成物を用いて第二の感放射線性組成物に対して不溶化させる処理をする工程(2)と、前記第二の感放射線性組成物を用いて、前記工程(2)で処理された基板上に第二のレジストパターンを形成する工程(3)と、を含むレジストパターン形成方法の前記工程(1)で用いられる、(A)酸解離性基を有する繰り返し単位(1)を含む重合体と、(F)フッ素原子を有する繰り返し単位を含む重合体と、(C)感放射線性酸発生剤と、(D)溶剤と、を含有する感放射線性組成物。
[2]前記繰り返し単位(1)が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位である前記[1]に記載の感放射線性組成物。
Figure 2011180385
(前記一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Rは、相互に独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示すか、或いはいずれか2つのRが相互に結合し、それぞれが結合している炭素原子と共に形成される員数が4〜20の2価の脂環式炭化水素基又はその誘導体を示し、残りのRが炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を示す。)
[3]前記重合体(F)が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位及び下記一般式(3)で表される繰り返し単位の少なくともいずれかを含む前記[1]又は[2]に記載の感放射線性組成物。
Figure 2011180385
(前記一般式(2)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Rは、単結合、又は炭素数1〜20の2価の直鎖状、分岐状若しくは環状の、飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。Rは、フッ素原子で置換されたメチレン基、又は炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のフルオロアルキレン基を示す。Rは、水素原子又は1価の有機基を示す。)
Figure 2011180385
(前記一般式(3)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Rは、連結基を示す。Rは、少なくとも1つ以上のフッ素原子を有する、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を示す。)
[4]前記重合体(F)が、酸不安定基を有する繰り返し単位を更に含む前記[1]〜[3]のいずれかに記載の感放射線性組成物。
[5]前記重合体(F)の含有割合が、前記第一の感放射線性組成物に含有される重合体の合計100質量%に対して、1〜30質量%である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の感放射線性組成物。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の感放射線性組成物を用いて、基板上に第一のレジストパターンを形成する工程(1)と、前記第一のレジストパターンを、レジストパターン不溶化樹脂組成物を用いて第二の感放射線性組成物に対して不溶化させる処理をする工程(2)と、前記第二の感放射線性組成物を用いて、前記工程(2)で処理された基板上に第二のレジストパターンを形成する工程(3)と、を含むレジストパターン形成方法。
[7]前記第一のレジストパターンが、ライン部分及びスペース部分を有し、前記第二のレジストパターンが、ライン部分及びスペース部分を有し、前記第一のレジストパターンの前記ライン部分と、前記第二のレジストパターンの前記ライン部分とが相互に交差するように、前記第二のレジストパターンを形成する前記[6]に記載のレジストパターン形成方法。
[8]前記第一のレジストパターンが、ライン部分及びスペース部分を有し、前記第二のレジストパターンが、ライン部分及びスペース部分を有し、前記第一のレジストパターンの前記ライン部分と、前記第二のレジストパターンの前記ライン部分とが平行になるように、前記第二のレジストパターンを形成する前記[6]に記載のレジストパターン形成方法。
[9]前記工程(1)が、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の感放射線性組成物を前記基板上に塗布して第一のレジスト層を形成し、加熱した後、直ちに露光処理をして前記第一のレジストパターンを形成する工程である前記[6]〜[8]のいずれかに記載のレジストパターン形成方法。
[10]前記工程(3)が、前記第二の感放射線性組成物を前記第一のレジストパターンが形成された基板上に塗布して第二のレジスト層を形成し、加熱した後、直ちに露光処理をして前記第二のレジストパターンを形成する工程である前記[6]〜[9]のいずれかに記載のレジストパターン形成方法。
本発明の感放射線性組成物は、二重露光によるパターンニングに用いられ、上層膜を別途形成する必要がなく、水等の液浸露光プロセスにも好適に用いられることが可能であり、第一のレジスト層を形成するために好適に用いられるという効果を奏するものである。
また、本発明のレジストパターン形成方法によれば、二重露光によるパターンニングにおいて、第二のレジストパターンを形成するための露光の際に、第一のレジストパターンが感光してアルカリ可溶性となることがなく、第一のレジストパターンを保持したまま第二のレジストパターンを形成することができ、更には第一のレジストパターンの線幅変動を抑制することができ、液浸露光プロセスにも好適に採用されうるという効果を奏する。
本発明に係るレジストパターン形成方法の工程(1)における、基板上に第一のレジストパターンを形成した後の状態の一例を示す断面図である。 本発明に係るレジストパターン形成方法の工程(2)における、第一のレジストパターンを不溶化レジストパターンとした後の状態の一例を示す断面図である。 本発明に係るレジストパターン形成方法の工程(2)における、第一のレジストパターンを不溶化レジストパターンとした後の状態の一例を示す模式図である。 本発明に係るレジストパターン形成方法の工程(3)における、不溶化レジストパターン上に第二のレジスト層を形成した後の状態の一例を示す断面図である。 本発明に係るレジストパターン形成方法の工程(3)における、第二のレジストパターンを形成した後の状態の一例を示す模式図である。 本発明に係るレジストパターン形成方法の工程(3)における、第二のレジストパターンを形成した後の状態の他の例を示す模式図である。 本発明に係るレジストパターン形成方法の工程(3)における、第二のレジストパターンを形成した後の状態の他の例を示す側面図である。 本発明に係るレジストパターン形成方法の工程(3)における、第二のレジストパターンを形成した後の状態の更に他の例を示す模式図である。 本発明に係るレジストパターン形成方法の工程(3)における、第二のレジストパターンを形成した後の状態の更に他の例を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に含まれることが理解されるべきである。
I.レジストパターン形成方法:
本発明のレジストパターン形成方法は、工程(1)〜(3)を含む方法である。本発明のレジストパターン形成方法の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本明細書中「ラインパターン」とは、レジストパターンがライン部分とスペース部分を有するライン・アンド・スペースパターンをいう(以下、「LS」ともいう)。
1.工程(1):
工程(1)は、図1に示すように、後述する本発明の感放射線性組成物(以下、「第一の感放射線性組成物」ともいう)を用いて、基板10上に第一のレジストパターン1を形成する工程である。より具体的には、先ず、第一の感放射線性組成物を用いて基板上に第一のレジスト層を形成する。次に、所定の領域に所定パターンのマスクを介し、任意に、水等の液浸液を介して放射線の照射による露光を行い、第一のレジスト層にアルカリ現像部を形成する。その後、現像することにより、基板上にライン部分及びスペース部分を有する、例えば、1L3S(1ラインに対して3ライン分のスペース)の第一のレジストパターンを形成する。
また、工程(1)は、第一の感放射線性組成物を基板上に塗布して第一のレジスト層を形成し、加熱した後、直ちに露光処理をして第一のレジストパターンを形成する工程であることが好ましい。なお、本明細書中「直ちに」という文言は、時間的な先後をいうのではなく、上層膜形成工程等の他の工程を行わないことをいう。そのため、第一のレジスト層を形成した後、直ちに露光処理をして第一のレジストパターンを形成することで、上層膜形成のために使用する材料の節約や工程数の削減、スループットの向上が可能である。
(1)第一のレジスト層の形成:
第一のレジスト層は、第一の感放射線性組成物を基板上に塗布することで形成することができる。塗布する方法は特に限定されるものではなく、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって行うことができる。なお、形成される第一のレジスト層の厚さは特に限定されるものではないが、通常、10〜1000nmであり、10〜500nmであることが好ましい。
また、第一の感放射線性組成物を塗布した後、必要に応じて、プレベーク(以下、「PB」ともいう)することによって塗膜中の溶剤を揮発させても良い。PBの加熱条件は、第一の感放射線性組成物の配合組成によって適宜選択されるが、通常、30〜200℃程度であり、50〜150℃であることが好ましい。
(i)第一の感放射線性組成物:
第一の感放射線性組成物は、後述する本発明の感放射線性組成物である。
(ii)基板:
基板としては特に限定されるものではなく、例えば、シリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知の基板を使用することができる。また、第一の感放射線性組成物の潜在能力を最大限に引き出すために、例えば、特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されているように、使用される基板上に有機系或いは無機系の反射防止膜を形成しておくこともできる。
(2)露光:
第一のレジスト層の所定領域に、所定パターンのマスクを介して、放射線の照射による露光を行い、第一のレジスト層にアルカリ現像部を形成する。なお、露光の際に、任意に水やフッ素系不活性液体等の液浸液を介しても良い。
露光に使用される放射線としては、第一の感放射線性組成物に含有される感放射線性酸発生剤(C)の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等から適宜選定される。これらの中でも、ArFエキシマレーザー(波長193nm)やKrFエキシマレーザー(波長248nm)で代表される遠紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザー(波長193nm)による遠紫外線が特に好ましい。また、露光量等の露光条件は、第一の感放射線性組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選定される。
更に、露光後に加熱処理(以下、「PEB」ともいう)を行うことが好ましい。PEBを行うことにより、第一の感放射線性組成物中の酸解離性基又は酸不安定基の解離反応を円滑に進行させることができる。PEBの加熱条件は、第一の感放射線性組成物の配合組成によって適宜選択されるが、通常、30〜200℃であり、50〜170℃であることが好ましい。
(3)第一のレジストパターンの形成:
第一のレジスト層を現像液で現像することにより、アルカリ現像部が溶解して、ライン部分及びスペース部分を有する、例えば、1L3S(1ラインに対して3ライン分のスペース)の第一のレジストパターンを形成することができる。なお、現像液で現像した後は、一般に、水で洗浄し、乾燥させる。
現像液の好適例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液がある。
アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10質量%以下である。アルカリ性水溶液の濃度が10質量%超であると、非露光部も現像液に溶解するおそれがある。なお、本願における「アルカリ不溶性又はアルカリ難溶性」とは、レジストパターンを形成する際に行われるアルカリ現像条件下で、重合体から形成した被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質をいう。
また、アルカリ性水溶液には、有機溶媒を添加することもできる。有機溶媒の使用割合は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下であることが好ましい。使用割合が100容量%超であると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなる場合がある。更に、アルカリ性水溶液には、界面活性剤等を適量添加しても良い。
2.工程(2):
工程(2)は、工程(1)で形成した第一のレジストパターンを、レジストパターン不溶化樹脂組成物を用いて後述する第二の感放射線性組成物に対して不溶化させる処理をする工程である。図2は、本発明に係るレジストパターン形成方法における、工程(2)の一例を示す模式図である。図2に示すように、工程(1)で形成した第一のレジストパターン上に、レジストパターン不溶化樹脂組成物を塗布し、ベーク又はUVキュア後、洗浄して、第一のレジストパターンの表面が不溶膜5で被覆されており、第二の感放射線性組成物に対して不溶なレジストパターン(以下、「不溶化レジストパターン」ともいう)3とする。
より具体的には、先ず、工程(1)で形成した第一のレジストパターン上に、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によってレジストパターン不溶化樹脂組成物を塗布する。この際、第一のレジストパターンの表面が覆われるようにレジストパターン不溶化樹脂組成物を塗布する。
次に、ベーク又はUVキュアする。このベーク又はUVキュアによって、第一のレジストパターンと塗布したレジストパターン不溶化樹脂組成物を反応させる。ベーク条件はレジストパターン不溶化樹脂組成物の含有組成によって適宜選択されるが、通常、30〜200℃であり、好ましくは50〜170℃である。一方、UVキュアに際しては、Arランプ、KrClランプ、Krランプ、XeClランプ、Xeランプ(ウシオ電機社製)等のランプを使用することができる。
最後に、適宜冷却した後、第一のレジストパターンを形成する場合と同様に現像処理を行えば、例えば、図3に示すような、第一ライン部分3aと第一スペース部分3bを有するライン・アンド・スペースパターンである不溶化レジストパターン3を形成することができる。不溶化レジストパターン3(第一ライン部分3a)は、第二の感放射線性組成物に対して不溶又は難溶である。なお、現像後、更に必要に応じてPEB又はUVキュアによる不溶化レジストパターン3の硬化を複数回行っても良い。
不溶化レジストパターンは、工程(3)において、第二の感放射線性組成物を塗布、露光及び現像しても、そのパターン形状が残存するものである。但し、塗布したレジストパターン不溶化樹脂組成物の厚み等に応じて、パターン線幅は若干変化しても良い。
なお、レジストパターン不溶化樹脂組成物としては、例えば、水酸基を有する樹脂とアルコール溶剤を含有し、ベークにより不溶化する性質を有するものがある。より具体的には、水酸基を有する樹脂、炭素数1〜8の1価のアルコール、及び必要に応じて架橋剤を含有するものを挙げることができる。
水酸基を有する樹脂として具体的には、一般式(4)で表される化合物に由来する繰り返し単位を有する樹脂を挙げることができる。また、水酸基を有する樹脂は、他の繰り返し単位を有するものであってもよい。
Figure 2011180385
(一般式(4)中、Rは、相互に独立に、水素原子、又はメチル基を示す。Rは、単結合、又は直鎖状、分岐状若しくは環状の2価の炭化水素基を示す。qは、1又は2を示す。)
炭素数1〜8の1価のアルコールとして具体的には、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ヘプタノール、2−メチル−2−ヘプタノール、2−メチル−3−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、2,3−ジメチル−3−ヘプタノール等を挙げることができる。
架橋剤の具体例としては、一般式(5)で表される基を有する化合物を含むものや、二以上の環状エーテルを反応性基として有する化合物を含むものを挙げることができる。
Figure 2011180385
(一般式(5)中、R10及びR11は、水素原子、又は一般式(6)で表される基を示す。但し、R10及びR11の少なくともいずれかは一般式(6)で表される基である。)
Figure 2011180385
(一般式(6)中、R12及びR13は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜6のアルコキシアルキル基を示すか、或いはR12及びR13が相互に結合して形成される員数が2〜10の環を示す。R14は、水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
3.工程(3):
工程(3)は、第二の感放射線性組成物を用いて、工程(2)で処理された基板上に第二のレジストパターンを形成する工程である。より具体的には、先ず、第二の感放射線性組成物を用いて不溶化レジストパターンが形成された基板上に第二のレジスト層を形成する。次に、所定パターンのマスクを介し、任意に、水等の液浸液を介して、放射線の照射による露光を行い、第二のレジスト層にアルカリ現像部を形成する。その後、現像することにより、基板上にライン部分及びスペース部分を有する第二のレジストパターンを形成する。
また、工程(3)は、第二の感放射線性組成物を基板上に塗布して第二のレジスト層を形成し、加熱した後、直ちに露光処理をして第二のレジストパターンを形成する工程であることが好ましい。これは、第二のレジスト層を形成した後、直ちに露光処理をして第二のレジストパターンを形成することで、上層膜形成のために使用する材料の節約や工程数の削減、スループットの向上が可能であるからである。
(1)第二のレジスト層の形成:
図4は、本発明に係るレジストパターン形成方法の工程(3)における、不溶化レジストパターン上に第二のレジスト層を形成した後の状態の一例を示す断面図である。図4に示すように、第二のレジスト層12は、第二の感放射線性組成物を不溶化レジストパターン3が形成された基板10上に塗布することで形成することができる。塗布する方法は特に限定されるものではなく、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって行うことができる。なお、第二のレジスト層の厚さは特に限定されないが、通常、10〜1000nmであり、10〜500nmであることが好ましい。
また、第二の感放射線性組成物を塗布した後、必要に応じて、PBすることによって塗膜中の溶剤を揮発させても良い。このPBの加熱条件は、第二の感放射線性組成物の配合組成によって適宜選択されるが、通常、30〜200℃程度であり、好ましくは50〜150℃である。
第二の感放射線性組成物は、後述する第二の感放射線性組成物である。なお、第一の感放射線性組成物と第二の感放射線性組成物とに含有される溶剤は、同じ溶剤であっても良く、異なる溶剤であっても良い。これは、工程(2)を行うことで、第一のレジストパターンが、第二の感放射線性組成物に対して不溶な不溶化レジストパターンとなっているために、第一のレジストパターンとミキシングすることなく第二のレジスト層を形成することができるからである。
(2)露光:
次いで、この工程(3)では、第二のレジスト層が形成された基板上を所定パターンのマスクを介して放射線の照射による露光を行い、第二のレジスト層にアルカリ現像部を形成する。露光の際に、任意に水やフッ素系不活性液体等の液浸液を介しても良い。なお、露光条件等は、工程(1)で前述した露光条件等と同様である。
(3)第二のレジストパターンの形成:
露光後、現像することにより第二のレジストパターンを形成することができる。なお、現像方法については、工程(1)で前述した現像方法と同様である。
このように工程(1)〜(3)を行うことで、例えば、図5に示すように、基板10上に、不溶化レジストパターン3の第一のライン部分3aと第二のレジストパターン2の第二のライン部分2aが平行になるように1L1Sのレジストパターンを形成することができる。
また、例えば、図6や図7に示すように、工程(3)で形成される第二のレジストパターン22の第二のライン部分22aを、不溶化レジストパターン3の第一のスペース部分3bに碁盤状に形成すれば(即ち、第二のライン部分22aと第一のライン部分3aが相互に交差するように形成すれば)、不溶化レジストパターン3の第一のライン部分3aと、第二のレジストパターン22の第二のライン部分22aによって区画されたパターンを有するレジストパターン(コンタクトホールパターン15)を形成することもできる。
更に、例えば、図8及び図9に示すように、工程(3)で形成される第二のレジストパターン32の第二のライン部分32aと、不溶化レジストパターン3の第一のライン部分3aとが、相互に交差するように第一のライン部分3a上に形成することもできる。
本発明のレジストパターン形成方法は、図6〜図9に示すように、不溶化レジストパターンのライン部分と、第二のレジストパターンのライン部分とが相互に交差するように、第二のレジストパターンを形成する方法や、図5に示すように、不溶化レジストパターンの第一のライン部分と、第二のレジストパターンの第二のライン部分とが平行になるように、第二のレジストパターンを形成する方法が好ましい。
II.感放射線性組成物:
感放射線性組成物は、露光により感放射線性酸発生剤から発生した酸の作用によって、組成物中に存する酸解離性基又は酸不安定基が解離してカルボキシル基を生じ、その結果、露光部がアルカリ現像液に対して溶解性が高くなり、アルカリ現像液によって溶解、除去されて、レジストパターンを形成することができるものである。以下、第一のレジスト層を形成する際に使用され、本発明の感放射線性組成物である第一の感放射線性組成物と、第二のレジスト層を形成する際に使用される第二の感放射線性組成物について別途記載する。
1.第一の感放射線性組成物:
第一の感放射線性組成物は、(A)酸解離性基を有する繰り返し単位(1)を含む重合体(以下、「重合体(A)」ともいう)と、(F)フッ素原子を有する繰り返し単位を含む重合体(以下、「重合体(F)」ともいう)と、(C)感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(C)」ともいう)と、(D)溶剤と、を含有するものである。
なお、本明細書にいう「酸不安定基」と「酸解離性基」は、酸によって解離する基をいい、特別異なる基をいうのではない。酸不安定基又は酸解離性基を有するアルカリ現像液に不溶又は難溶な重合体が、酸の作用により解離してカルボキシル基となり、アルカリ現像液に可溶な重合体となる。
(1)重合体(A):
重合体(A)は、酸解離性基を有する繰り返し単位(1)を含む重合体である。第一の感放射線性組成物は、重合体(A)を含有することで、酸の作用によりアルカリ現像液に対して溶解する第一のレジスト層を形成することができる。なお、繰り返し単位(1)としては、一般式(1)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2011180385
(一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。Rは、相互に独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示すか、或いは、いずれか二つのRが相互に結合して形成される員数が4〜20の2価の脂環式炭化水素基又はその誘導体を示し、残りのRが炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を示す。)
一般式(1)中、Rとして表される基のうち、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等がある。
また、炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタンや、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類等に由来する脂環族環からなる基;これらの脂環族環からなる基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又はシクロアルキル基で置換した基等がある。
更に、いずれか二つのRが相互に結合して形成される炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基又はその誘導体としては、例えば、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等に由来する脂環族環からなる基;これらの脂環族環からなる基を前記と同様に、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又はシクロアルキル基で置換した基等がある。
一般式(1)中、−C(Rとして表される基の好適例としては、t−ブチル基、1−n−(1−エチル−1−メチル)プロピル基、1−n−(1,1−ジメチル)プロピル基、1−n−(1,1−ジメチル)ブチル基、1−n−(1,1−ジメチル)ペンチル基、1−(1,1−ジエチル)プロピル基、1−n−(1,1−ジエチル)ブチル基、1−n−(1,1−ジエチル)ペンチル基等の脂環族環を有しない基;1−(1−メチル)シクロペンチル基、1−(1−エチル)シクロペンチル基、1−(1−n−プロピル)シクロペンチル基、1−(1−i−プロピル)シクロペンチル基、1−(1−メチル)シクロヘキシル基、1−(1−エチル)シクロヘキシル基、1−(1−n−プロピル)シクロヘキシル基、1−(1−i−プロピル)シクロヘキシル基、1−(1−メチル−1−(2−ノルボルニル))エチル基、1−(1−メチル−1−(2−テトラシクロデカニル))エチル基、1−(1−メチル−1−(1−アダマンチル))エチル基、2−(2−メチル)ノルボルニル基、2−(2−エチル)ノルボルニル基、2−(2−n−プロピル)ノルボルニル基、2−(2−i−プロピル)ノルボルニル基、2−(2−メチル)テトラシクロドデカニル基、2−(2−エチル)テトラシクロドデカニル基、2−(2−n−プロピル)テトラシクロドデカニル基、2−(2−i−プロピル)テトラシクロドデカニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−プロピル−2−アダマンチル基等の脂環族環を有する基;これらの脂環族環を有する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基や、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の炭素数4〜20のシクロアルキル基で置換した基等がある。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシルエステル等が特に好ましい。なお、重合体(A)は、繰り返し単位(1)を1種のみ含むものであっても良く、2種以上含むものであっても良い。
また、重合体(A)は、繰り返し単位(1)と、一般式(7−1)〜(7−5)及び式(7−6)からなる群より選択される少なくとも一つのラクトン構造を有する繰り返し単位、又は下記一般式(8)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(4)」ともいう)と、を含むものであることが好ましい。
Figure 2011180385
(一般式(7−1)中、R15は、水素原子又は炭素数1〜4の置換若しくは非置換のアルキル基を示す。pは、1〜3の整数を示す。一般式(7−4)及び(7−5)中、R16は、水素原子又はメトキシ基を示す。一般式(7−2)及び(7−3)中、Aは、単結合又はメチレン基を示す。mは、0又は1を示す。一般式(7−3)及び(7−5)中、Bは、酸素原子又はメチレン基を示す。)
一般式(7−1)中、R15として表される基のうち、炭素数1〜4の置換又は非置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等がある。
Figure 2011180385
(一般式(8)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。複数のR17は、相互に独立に、水素原子、又は炭素数1〜5の鎖状炭化水素基を示す。Dは、単結合、炭素数1〜30の2価若しくは3価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の2価若しくは3価の脂環式炭化水素基、又は炭素数6〜30の2価若しくは3価の芳香族炭化水素基を示す。但し、Dが3価の場合、Dに含まれる炭素原子2つが環状炭酸エステルを構成する炭素原子と結合して環構造が形成される。nは、2〜4の整数を示す。)
一般式(8)で表される繰り返し単位を与える単量体は、例えば、Tetrahedron Letters,Vol.27,No.32 p.3741(1986)、Organic Letters,Vol.4,No.15 p.2561(2002)等に記載された従来公知の方法により合成することができる。
一般式(8)で表される繰り返し単位の特に好ましい例としては、下記一般式(8−1)〜(8−22)で表される繰り返し単位を挙げることができる。尚、下記一般式(8−1)〜(8−22)中のRは、一般式(8)中のRと同義である。
Figure 2011180385
繰り返し単位(1)の含有割合は、重合体(A)が含有する繰り返し単位の合計100mol%に対して、20〜90mol%であることが好ましく、20〜80mol%であることがより好ましく、20〜70mol%であることが更に好ましい。繰り返し単位(1)の含有割合がこの範囲内である場合には、塗布後の撥水性確保と、PEB後の現像液に対する接触角の上昇との両立という観点から特に有効である。
また、繰り返し単位(4)の含有割合は、重合体(A)が含有する繰り返し単位の合計100mol%に対して、通常80mol%以下であり、20〜80mol%であることが好ましく、30〜70mol%であることが更に好ましい。繰り返し単位(4)の含有割合がこの範囲内である場合には、前進接触角と後退接触角との差を小さくするという観点から特に有効である。なお、重合体(A)は、繰り返し単位(4)を1種のみ含むものであっても良く、2種以上含むものであっても良い。
また、重合体(A)は、繰り返し単位(1)及び繰り返し単位(4)以外の繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位」ともいう)を1種以上含むものであっても良い。他の繰り返し単位としては、例えば、一般式(9)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(5)」ともいう)、一般式(10)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(6)」ともいう)等がある。
Figure 2011180385
(一般式(9)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。Zは、単結合又は炭素数1〜3の2価の有機基を示す。Wは、炭素数7〜20の置換又は非置換の多環型脂環式炭化水素基を示す。但し、多環型脂環式炭化水素基が置換基を有する場合、置換基としては炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数4〜20の環状のアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、又はオキソ基が挙げられる。)
Figure 2011180385
(一般式(10)中、R18は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、又はヒドロキシメチル基を示す。R19は、2価の有機基を示す。)
一般式(9)中、Wとして表される炭素数7〜20の置換又は非置換の多環型脂環式炭化水素基としては、例えば、下記式(9a)〜(9e)に示す、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(9a)、ビシクロ[2.2.2]オクタン(9b)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(9c)、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン(9d)、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(9e)等のシクロアルカン類に由来する炭化水素基等がある。
Figure 2011180385
シクロアルカン類に由来する炭化水素基が置換基を有している場合、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の炭素数4〜20のシクロアルキル基等がある。なお、置換基はこれらのアルキル基に限定されるものではなく、ヒドロキシル基、シアノ基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、オキソ基であっても良い。
一般式(10)中、R18として表される基のうち、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等がある。
一般式(10)中、R19として表される2価の有機基としては、2価の炭化水素基が好ましく、鎖状又は環状の2価の炭化水素基が更に好ましい。なお、アルキレングリコール基、アルキレンエステル基等であっても良い。
2価の有機基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基又は1,2−プロピレン基等のプロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、イコサレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の鎖状炭化水素基;
1,3−シクロブチレン基等のシクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基等のシクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基等のシクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基等のシクロオクチレン基等の炭素数3〜10のシクロアルキレン基等の単環式炭化水素環基;1,4−ノルボルニレン基又は2,5−ノルボルニレン基等のノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等のアダマンチレン基等の2〜4環式の炭素数4〜30の炭化水素環基等の架橋環式炭化水素環基等を挙げることができる。これらの中でも、2,5−ノルボルニレン基を含む炭化水素基、1,2−エチレン基、プロピレン基が好ましい。
なお、R19が2価の脂肪族環式炭化水素基を含む場合には、ビストリフルオロメチル−ヒドロキシ−メチル基(−C(CFOH)と、2価の脂肪族環式炭化水素基との間にスペーサーとして炭素数1〜4のアルキレン基を配置することが好ましい。
また、繰り返し単位(5)及び(6)以外の他の繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(7)」ともいう)としては、不飽和カルボン酸の有橋式炭化水素骨格を有するカルボキシル基含有エステル類;有橋式炭化水素骨格をもたない(メタ)アクリル酸エステル類;不飽和カルボン酸の有橋式炭化水素骨格をもたないカルボキシル基含有エステル類;有橋式炭化水素骨格を有する多官能性単量体;有橋式炭化水素骨格をもたない多官能性単量体等の重合性不飽和結合が開裂した単位等がある。これらの中でも、有橋式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル類の重合性不飽和結合が開裂した繰り返し単位等が好ましい。なお、重合体(A)は、繰り返し単位(5)〜(7)を1種のみ含むものであっても良く、2種以上含むものであっても良い。
(2)重合体(F):
重合体(F)は、フッ素原子を有する繰り返し単位を含むものである。また、一般式(2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(2)」ともいう)及び一般式(3)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(3)」ともいう)の少なくともいずれかを含むものであることが好ましい。第一の感放射線性組成物は、重合体(F)を含有することで、レジスト被膜を形成した際に、被膜中の重合体(F)の撥油性により、その分布がレジスト被膜表面で高くなる傾向がある。そのため、液浸露光時において、レジスト被膜中の酸発生剤や酸拡散制御剤等が、水等の液浸液に溶出してしまうことを抑制することができる。また、この重合体(F)の撥水性により、レジスト被膜と液浸液との後退接触角が高くなる。そのため、液浸液に由来する水滴が、レジスト被膜上に残り難く、高速でスキャン露光を行ってもウォーターマーク等の、液浸液に起因する欠陥の発生を抑制することができる。
Figure 2011180385
(一般式(2)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Rは、単結合、又は炭素数1〜20の2価の直鎖状、分岐状若しくは環状の、飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。Rは、フッ素原子で置換されたメチレン基、又は炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のフルオロアルキレン基を示す。Rは、水素原子又は1価の有機基を示す。)
Figure 2011180385
(一般式(3)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Rは、連結基を示す。Rは、少なくとも1つ以上のフッ素原子を有する、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を示す。)
一般式(2)中、Rとして表される基のうち、炭素数1〜20の2価の直鎖状又は分岐状の、飽和又は不飽和の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基に由来する2価の炭化水素基等がある。
また、2価の環状の、飽和又は不飽和の炭化水素基としては、例えば、炭素数3〜20の脂環式炭化水素や芳香族炭化水素に由来する基がある。脂環式炭化水素として、具体的には、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等のシクロアルカン類等を挙げることができる。また、芳香族炭化水素として、具体的には、ベンゼン、ナフタレン等を挙げることができる。
尚、一般式(2)中、Rとして表される基のうち、炭化水素基は、上述の非置換の炭化水素基における少なくとも1つの水素原子を、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又はシクロアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、酸素原子等の1種又は2種以上により置換された基であってもよい。
また、一般式(2)中、Rとして表される基の具体的な例としては、下記の構造(a1)〜(a27)で表される基等を挙げることができる。尚、構造(a1)〜(a27)における「*」は結合部位を示す。
Figure 2011180385
特に、一般式(2)におけるRとしては、メチレン基、エチレン基、1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基又はそれから誘導される基等が好ましい。
一般式(2)中、Rとして表されるフッ素原子で置換されたメチレン基又は炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のフルオロアルキレン基としては、例えば、下記式(X−1)〜(X−8)等の構造で表される基がある。
Figure 2011180385
特に、繰り返し単位(2)は、式(2−1)〜(2−6)で表される化合物に由来する繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2011180385
一般式(3)中、Rとして表される連結基としては、例えば、単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、スルホニルアミド基、ウレタン基等がある。
一般式(3)中、Rとして表される基のうち、少なくとも一つ以上のフッ素原子を有する炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−(2−メチルプロピル)基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1−(2−メチルブチル)基、1−(3−メチルブチル)基、2−(2−メチルブチル)基、2−(3−メチルブチル)基、ネオペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−(2−メチルペンチル)基、1−(3−メチルペンチル)基、1−(4−メチルペンチル)基、2−(2−メチルペンチル)基、2−(3−メチルペンチル)基、2−(4−メチルペンチル)基、3−(2−メチルペンチル)基、3−(3−メチルペンチル)基等の直鎖状又は分岐状のアルキル基の部分フッ素化或いはパーフルオロアルキル基等がある。
また、少なくとも一つ以上のフッ素原子を有する炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基又はその誘導体としては、例えば、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、1−(1−シクロペンチルエチル)基、1−(2−シクロペンチルエチル)基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、1−(1−シクロヘキシルエチル)基、1−(2−シクロヘキシルエチル基)、シクロヘプチル基、シクロヘプチルメチル基、1−(1−シクロヘプチルエチル)基、1−(2−シクロヘプチルエチル)基、2−ノルボルニル基等の脂環式炭化水素基の部分フッ素化或いはパーフルオロアルキル基等がある。
繰り返し単位(2)や繰り返し単位(3)を与える好ましい単量体としては、トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6,6−オクタフルオロヘキシル)(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
繰り返し単位(2)及び繰り返し単位(3)の含有割合は、重合体(B)に含まれる繰り返し単位の合計100mol%に対して、1〜60mol%であることが好ましく、5〜50mol%であることがより好ましく、10〜45mol%であることが更に好ましい。含有割合が60mol%超であると、解像度不足となる場合がある。
なお、繰り返し単位(3)の含有割合は、重合体(B)に含まれる繰り返し単位の合計100mol%に対して、通常、5mol%以上であり、好ましくは10mol%以上であり、更に好ましくは15mol%以上である。5mol%未満であると、70°以上の後退接触角を達成できなかったり、レジスト被膜からの酸発生剤(C)等の溶出を抑制できなかったりする場合がある。
また、重合体(F)は、酸不安定基を有する繰り返し単位を更に含むことが好ましい。酸不安定基を有する繰り返し単位としては特に限定されるものではなく、「(1)重合体(A)」に記載した繰り返し単位(1)等がある。なお、重合体(F)は、繰り返し単位(1)を1種のみ含むものであっても良く、2種以上含むものであっても良い。繰り返し単位(1)の含有割合は、重合体(F)に含まれる繰り返し単位の合計100mol%に対して、好ましくは10〜90mol%であり、より好ましくは10〜80mol%であり、更に好ましくは20〜70mol%である。含有割合が10mol%未満であると、アルカリ現像部の解像性が劣化する場合がある。一方、90mol%超であると、アルカリ現像部の現像性が悪化するおそれがある。
重合体(F)は、上述の繰り返し単位(1)〜(3)以外の繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位」ともいう)を含むものであってもよい。他の繰り返し単位としては、「(1)重合体(A)」にて記載した、繰り返し単位(4)や繰り返し単位(6)がある。
繰り返し単位(4)の含有割合は、重合体(F)に含まれる繰り返し単位の合計100mol%に対して、5〜70mol%であることが好ましく、5〜65mol%であることがより好ましく、10〜60mol%であることが更に好ましい。5mol%未満であると、レジストとしての現像性及びプロセスマージンが低下するおそれがある。
繰り返し単位(6)の含有割合は、重合体(F)に含まれる繰り返し単位の合計100mol%に対して、30mol%以下であることが好ましく、25mol%以下であることがより好ましい。30mol%超であると、レジストパターンのトップロスが生じ、パターン形状が悪化するおそれがある。
(各重合体の調製方法)
各重合体は、例えば、前述した各繰り返し単位を与える重合性不飽和単量体を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合することにより調製することができる。
重合に使用される溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン、ブロモヘキサン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等のエーテル類等がある。なお、これらの溶媒は1種単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
(重合体の物性値)
各重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう)は特に限定されるものではないが、それぞれ、1,000〜100,000であることが好ましく、1,000〜30,000であることがより好ましく、1,000〜20,000であることが更に好ましい。Mwが1,000未満であると、第一のレジスト層の耐熱性が低下するおそれがある。一方、100,000超であると、アルカリ現像部の現像性が低下するおそれがある。
また、各重合体のMwと、各重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算の数平均分子量(以下、「Mn」ともいう)との比(Mw/Mn)は、それぞれ、通常、1〜5であり、1〜3であることが好ましい。
また、各重合体には、調製する際に用いられる単量体に由来する低分子量成分が含まれる場合がある。この低分子量成分の含有割合は、各重合体100質量%(固形分換算)に対して、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.07質量%以下であり、更に好ましくは0.05質量%以下である。低分子量成分の含有割合が0.1質量%以下であると、液浸露光時に接触した水等の液浸液への溶出物の量を少なくすることができる。また、レジスト保管時にレジスト中に異物が発生することが少なく、レジスト塗布時においても塗布ムラが発生することが少なく、レジストパターン形成時における欠陥の発生を十分に抑制することができる。
なお、本明細書中、「低分子量成分」とは、モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマーをいい、具体的には、Mwが500以下の成分をいう。低分子量成分は、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組合せ等により除去することができる。また、分析は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により行うことができる。
更に、各重合体は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないものであることが好ましい。不純物を少なくすることにより、形成する第一のレジスト層の感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等を更に改善することができるからである。各重合体の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組合せ等がある。
(3)感放射線性酸発生剤(C):
感放射線性酸発生剤(C)とは、露光により酸を発生するものをいう。第一の感放射線性組成物が酸発生剤(C)を含有することで、露光により発生した酸の作用によって、重合体中に存在する酸解離性基又は酸不安定基、具体的には繰り返し単位(1)が有する酸解離性基を解離させ(保護基を脱離させ)、その結果、アルカリ現像部がアルカリ現像液に易溶性となり、レジストパターンを形成することができる。なお、酸発生剤(C)としては、一般式(11)で表される化合物(以下、「酸発生剤(1)」ともいう)を含むものが好ましい。なお、酸発生剤(C)は、酸発生剤(1)を1種単独で含んでも良く、2種以上を含んでも良い。
酸発生剤(C)の含有量は、レジストとしての感度及び現像性を確保する観点から、重合体(A)100質量部に対して、通常、0.1〜20質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部である。含有量が0.1質量部未満であると、感度及び現像性が低下する傾向がある。一方、20質量部超であると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンが得られ難くなる傾向にある。
(i)酸発生剤(1):
酸発生剤(1)は、一般式(11)で表される化合物である。
Figure 2011180385
(一般式(11)中、R20は、水素原子、フッ素原子、水酸基、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、又は炭素数2〜11の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシカルボニル基を示す。R21は、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルカンスルホニル基を示す。R22は、相互に独立に、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示すか、或いは二つのR22が相互に結合して形成されるイオウカチオンを含む員数が2〜10の2価の基を示す。但し、フェニル基、ナフチル基、及び炭素数2〜10の2価の基は置換基を有しても良い。kは、0〜2の整数を示す。rは、0〜10の整数(好ましくは0〜2の整数)を示す。Xは、一般式(12−1)〜(12−4)で表されるアニオンを示す。)
Figure 2011180385
(一般式(12−1)及び(12−2)中、R23は、フッ素原子又は置換されていても良い炭素数1〜12の炭化水素基を示す。一般式(12−1)中、qは、1〜10の整数を示す。一般式(12−3)及び(12−4)中、R24は、相互に独立に、フッ素原子で置換された炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示すか、或いは二つのR24が相互に結合して形成される、フッ素原子で置換された員数が2〜10の2価の有機基を示す。但し、フッ素原子で置換された炭素数2〜10の2価の有機基はフッ素原子以外の置換基を有しても良い。)
また、酸発生剤(C)は、酸発生剤(1)以外の感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(2)」ともいう)を含むものであっても良い。
(ii)酸発生剤(2):
酸発生剤(2)としては、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等がある。なお、酸発生剤(C)は、酸発生剤(2)を1種単独で含んでも良く、2種以上を含んでも良い。
また、酸発生剤(2)を使用する場合、その使用割合は、酸発生剤(C)100質量%に対して、通常、80質量%以下であり、好ましくは60質量%以下である。
(4)溶剤(D):
溶剤(D)としては、例えば、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状又は分岐状のケトン類;シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類の他、
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トルエン、キシレン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等がある。
これらの中でも、直鎖状又は分岐状のケトン類、環状のケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
第一の感放射線性組成物は、溶剤(D)を1種単独で含有していても良く、2種以上含有していても良い。また、溶剤(D)の使用量は、第一の感放射線性組成物の全固形分濃度が、通常、1〜50質量%となる量であり、好ましくは1〜25質量%となる量である。
(5)添加剤:
第一の感放射線性組成物は、必要に応じて、酸拡散制御剤、脂環族添加剤、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤を含有しても良い。
(i)酸拡散制御剤:
酸拡散制御剤は、露光により酸発生剤(C)から生じる酸の第一のレジスト層中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する作用を有する成分である。このような酸拡散制御剤を含有することにより、第一の感放射線性組成物の貯蔵安定性が向上する。また、レジストとしての解像度が更に向上するとともに、露光から露光後の加熱処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
酸拡散制御剤としては、例えば、ジエチルアミンやトリエチルアミン等のアミン化合物;N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミンやN−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン等のアミド基含有化合物;メチルウレアや1,1−ジメチルウレア等のウレア化合物、ピラジンやピラゾール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノールN−t−ブトキシカルボニルピロリジン等の含窒素複素環化合物等がある。
また、酸拡散制御剤として、前述した酸拡散制御剤の他に、露光により感光し、塩基を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。
(光崩壊性塩基)
光崩壊性塩基の一例として、露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物がある。このようなオニウム塩化合物の具体例としては、一般式(13)で表されるスルホニウム塩化合物や、一般式(14)で表されるヨードニウム塩化合物を挙げることができる。
Figure 2011180385
(一般式(13)中のR25〜R27、及び一般式(14)中のR28〜R29は、相互に独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、又はハロゲン原子を示す。また、一般式(13)及び(14)中、Zは、OH、R30−COO、R30−SO (但し、R30は、アルキル基、アリール基、又はアルカリール基を示す)、又は一般式(15)で表されるアニオンを示す。)
Figure 2011180385
(一般式(15)中、R31は、フッ素原子で置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基を示す。nは、1又は2を示す。)
光崩壊性塩基の具体例としては、トリフェニルスルホニウムサリチレートやトリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート等を挙げることができる。
これらの酸拡散制御剤は、1種単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。酸拡散制御剤の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、0.001〜15質量部であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.05〜5質量部であることが更に好ましい。含有量が15質量部超であると、レジストとしての感度が低下する場合がある。一方、0.001質量部未満であると、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下する場合がある。
(ii)脂環族添加剤:
脂環族添加剤は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を更に改善する作用を示す成分である。脂環族添加剤としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等がある。
(iii)界面活性剤:
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等がある。
(iv)増感剤:
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(C)に伝達し、それにより酸の生成量を増加させる作用を示すもので、第一の感放射線性組成物のみかけの感度を向上させる効果を有する。増感剤としては、例えば、カルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類がある。
(v)他の添加剤:
第一の感放射線性組成物は、前述した添加剤以外の添加剤(以下、「他の添加剤」ともいう)を含有しても良い。他の添加剤としては、アルカリ可溶性樹脂、酸解離性の保護基を有する低分子のアルカリ溶解性制御剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等がある。また、染料或いは顔料を含有させることにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和することができる。更に、接着助剤を含有させることにより、基板との接着性を改善することができる。
第一の感放射線性組成物は、各構成成分を溶剤(D)に溶解した後、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって塗工液として調製し、基板上に塗布することができる。
2.第二の感放射線性組成物:
第二のレジスト層を形成する際に用いられる第二の感放射線性組成物は、酸の作用によりアルカリ可溶性となる樹脂(a)(以下、「樹脂(a)」ともいう)と、溶剤(b)と、を含有する組成物である。
(1)樹脂(a):
樹脂(a)は、酸の作用によりアルカリ可溶性となるアルカリ不溶性又はアルカリ難溶性の樹脂であれば特に限定されないが、一般式(16)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(8)」ともいう)と、繰り返し単位(1)と、を含むものが好ましい。なお、第二の感放射線性組成物は、樹脂(a)を1種単独で含有しても良く、2種以上を含有しても良い。
Figure 2011180385
(一般式(16)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。R32は、単結合、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基を示す。)
(i)繰り返し単位(8):
繰り返し単位(8)を与える単量体の好適例としては、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ブチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸2−((5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプチル)エステル、(メタ)アクリル酸3−((8−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル)エステル等がある。なお、重合体(a)は、繰り返し単位(8)を1種のみ含むものであっても良く、2種以上含むものであっても良い。
(ii)繰り返し単位(1):
繰り返し単位(1)は、第一の感放射線性組成物に記載した重合体(A)に含まれる繰り返し単位(1)と同様のことがいえる。
(iii)他の繰り返し単位:
樹脂(a)は、繰り返し単位(8)及び繰り返し単位(1)以外にも、他の繰り返し単位を含むものであっても良い。
(樹脂(a)に含まれる各繰り返し単位の割合)
樹脂(a)に含まれる繰り返し単位(8)の割合は、樹脂(a)に含まれる繰り返し単位の合計100mol%に対して、30〜90mol%であることが好ましく、30〜80mol%であることがより好ましく、40〜80mol%であることが更に好ましい。繰り返し単位(8)の割合が30mol%未満であると、樹脂(a)の溶剤(b)への溶解性が低下するおそれがある。一方、90mol%超であると、アルカリ現像部の解像性が劣化するおそれがある。
樹脂(a)に含まれる繰り返し単位(1)の割合は、樹脂(a)に含まれる繰り返し単位の合計100mol%に対して、10〜70mol%であることが好ましく、10〜60mol%であることがより好ましく、20〜60mol%であることが更に好ましい。繰り返し単位(1)の割合が10mol%未満であると、アルカリ現像部の解像性が劣化するおそれがある。一方、70mol%超であると、アルカリ現像部の現像性が悪化するおそれがある。
樹脂(a)に含まれる他の繰り返し単位の割合は、樹脂(a)に含まれる繰り返し単位の合計100mol%に対して、50mol%以下であることが好ましく、40mol%以下であることがより好ましい。
(樹脂(a)の調製方法)
樹脂(a)は、例えば、各繰り返し単位を与える重合性不飽和単量体を用いて、前述の重合体(A)又は重合体(F)と同様にして調製することができる。
(樹脂(a)の物性値)
樹脂(a)のMwは特に制限されないが、1,000〜100,000であることが好ましく、1,000〜30,000であることがより好ましく、1,000〜20,000であることが更に好ましい。樹脂(a)のMwが1,000未満であると、第二のレジスト層を形成した場合に、その耐熱性が低下するおそれがある。一方、100,000超であると、アルカリ現像部の現像性が低下するおそれがある。また、樹脂(a)のMwとMnとの比(Mw/Mn)は、通常、1〜5であり、好ましくは1〜3である。
また、樹脂(a)においても、調製する際に用いられる単量体に由来する低分子量成分が含まれる場合がある。低分子量成分の含有割合は、樹脂(a)100質量%(固形分換算)に対して、0.1質量%以下であることが好ましく、0.07質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下であることが更に好ましい。低分子量成分の含有割合が0.1質量%以下である場合、液浸露光時に接触した水等の液浸液への溶出物の量を少なくすることができる。更に、レジスト保管時にレジスト中に異物が発生することがなく、レジスト塗布時においても塗布ムラが発生することなく、レジストパターン形成時における欠陥の発生を十分に抑制することができる。
また、樹脂(a)は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないものであることが好ましい。このように不純物を少なくすることにより、第二のレジスト層の感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等を更に改善することができる。なお、樹脂(a)の精製法としては、前述と同様の方法を挙げることができる。
(2)溶剤(b)
溶剤(b)としては、特に制限されないが、樹脂(a)を溶解し、第一のレジストパターンを溶解しないものが好ましい。例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートやシクロヘキサノン等がある。溶剤(b)の使用量は、第二の感放射線性組成物の全固形分濃度が、通常、1〜50質量%となる量であり、好ましくは1〜25質量%となる量である。
(3)感放射線性酸発生剤:
第二の感放射線性組成物は、通常、感放射線性酸発生剤を含有するものである。感放射線性酸発生剤としては、前述の第一の感放射線性組成物における酸発生剤(C)と同様のことがいえる。なお、第一の感放射線性組成物に含有される酸発生剤(C)と、第二の感放射線性組成物に含有される感放射線性酸発生剤は、同一であっても良く、異なっていても良い。
感放射線性酸発生剤の含有量は、レジストとしての感度及び現像性を確保する観点から、樹脂(a)100質量部に対して、通常、0.1〜20質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部である。含有量が0.1質量部未満であると、感度及び現像性が低下する傾向がある。一方、20質量部超であると、放射線に対する透明性が低下して、矩形の第二のレジストパターンを得られ難くなる傾向がある。
(4)添加剤:
第二の感放射線性組成物は、添加剤を含有しても良い。なお、この添加剤としては、第一の感放射線性組成物において前述した酸拡散制御剤等の各種の添加剤と同様のことがいえる。
第二の感放射線性組成物が添加剤として酸拡散制御剤を含有する場合、その含有量は、樹脂(a)100質量部に対して、0.001〜15質量部であることが好ましく、0.01〜10質量であることがより好ましく、0.05〜5質量部であることが更に好ましい。含有量が15質量部超であると、レジストとしての感度が低下することがある。一方、0.001質量部未満であると、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
第二の感放射線性組成物は、各構成成分を溶剤(b)に溶解した後、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって塗工液として調製し、基板上に塗布することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]:東ソー社製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」2本、商品名「G3000HXL」1本、商品名「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
[低分子量成分の残存割合(%)]:ジーエルサイエンス社製の商品名「Intersil ODS−25μmカラム」(4.6mmφ(直径)×250mm)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:アクリロニトリル/0.1%リン酸水溶液の分析条件で、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。なお、低分子量成分はモノマーを主成分とする成分をいい、より具体的には分子量1,000未満の成分、好ましくはトリマーの分子量以下の成分をいう。
13C−NMR分析]:日本電子社製の商品名「JNM−EX270」を使用し、測定溶媒としてCDClを使用して分析した。
[パターンの評価]:走査型電子顕微鏡(商品名「S−9380」、日立計測器社製)を使用し、評価用基板Bに形成された不溶化レジストパターンについては、第一のレジストパターンが残存している場合を「○」と評価し、消失した場合を「×」と評価した。また、評価用基板Cに形成された第二のレジストパターンについて、実施例11〜27及び比較例1は、評価用基板B(種類1〜15又は20)で形成された不溶化レジストパターン間に、50nmライン/200nmピッチ(50nm1L/3S)のライン・アンド・スペースパターンが追加形成された場合を「○」と評価し、(i)不溶化レジストパターンが消失、(ii)第二のレジストパターン形成されなかった、又は(iii)第二のレジストパターンが形成されていても不溶化レジストパターンに溶け残りがあった場合を「×」と評価した。更に、実施例28〜31は、評価基板B(種類16〜19)で形成された不溶化レジストパターンと第二のレジストパターンで、48nmホール/96nmピッチ(48nm1H/1S)のコンタクトホールが形成された場合を「○」と評価し、(i)不溶化レジストパターンが消失、(ii)第二のレジストパターン形成されなかった、又は(iii)第二のレジストパターンが形成されていても不溶化レジストパターンに溶け残りがあった場合を「×」と評価した。
[トップロスの評価]:評価用基板Cを形成した際に、不溶化レジストパターンの高さが70nm以上の場合を「○」と評価し、70nm未満の場合を「×」と評価した(但し、実施例28〜31は除く。)。
[LWRの評価]:評価用基板Cを形成した際に、32点測定した線幅のバラツキの3σの値をLWRと定義し、不溶化レジストパターンのLWRが5nm未満の場合を「○」と評価し、5nm以上の場合を「×」と評価した(但し、実施例28〜31は除く。)。
[後退接触角(°)の測定]:第一の感放射線性組成物又は第二の感放射線性組成物をSi基板上に、商品名「CLEAN TRACK ACT8」(東京エレクトロン社製)にてスピンコートし、100℃で60秒間プレベーク(PB)を行い、膜厚100nmの被膜を形成した。その後、速やかに、商品名「DSA−10」(KRUS社製)を用いて、室温23℃、湿度45%、常圧の環境下で、次の手順により後退接触角を測定した。まず、DSA−10のウェハステージ位置を調整し、この調整したステージ上に基板をセットする。次いで、針に水を注入し、セットした基板上に水滴を形成可能な初期位置に針の位置を微調整する。その後、この針から水を排出させて基板上に25μLの水滴を形成し、一旦、この水滴から針を引き抜き、再び初期位置に針を引き下げて水滴内に配置する。続いて、10μL/minの速度で90秒間、針によって水滴を吸引すると同時に液面と基板との接触角を毎秒1回測定する(合計90回)。このうち、接触角の測定値が安定した時点から20秒間の接触角についての平均値を算出して後退接触角とした。
(合成例1:重合体(A−1))
式(L−1)で表される化合物53.93g(50mol%)、式(L−2)で表される化合物10.69g(10mol%)、及び式(L−3)で表される化合物35.38g(40mol%)を200gの2−ブタノンに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」という)5.58gを更に投入して単量体溶液を調製した。100gの2−ブタノンを投入した1000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、撹拌しながら80℃に加熱し、調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷することにより、30℃以下に冷却した後、2000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を、400gのメタノールを用いてスラリー上で2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末の重合体(A−1)を得た(74g、収率74%)。得られた重合体(A−1)のMwは6,900であり、Mw/Mnは1.70であり、低分子量成分の残存割合は0.03%であった。また、13C−NMR分析の結果、それぞれの繰り返し単位の含有率(mol比)は、L−1/L−2/L−3=53.0/9.8/37.2であった。重合体(A−1)を、酸解離性基を有する樹脂(A−1)とする。
Figure 2011180385
(合成例2:重合体(A−2))
式(L−2)で表される化合物の代わりに式(L−4)で表される化合物39.14g(37mol%)を使用したこと、式(L−1)で表される化合物50.16g(50mol%)を使用したこと、及び式(L−3)で表される化合物10.70g(13mol%)を使用したこと以外は、合成例1と同様にして重合体(A−2)を得た(78g、収率78%)。得られた重合体(A−2)のMwは5,200であり、Mw/Mnは1.62であり、低分子量成分の残存割合は0.03%であった。また、13C−NMR分析の結果、それぞれの繰り返し単位の含有率(mol比)は、L−1/L−4/L−3=50.0/37.0/13.0であった。重合体(A−2)を、酸解離性基を有する樹脂(A−2)とする。
Figure 2011180385
(合成例3:重合体(A−3))
式(L−2)で表される化合物の代わりに式(L−5)で表される化合物9.72g(10mol%)を使用したこと、式(L−1)で表される化合物54.51g(50mol%)を使用したこと、及び式(L−3)で表される化合物35.76g(40mol%)を使用したこと以外は、合成例1と同様にして重合体(A−3)を得た(71g、収率71%)。得られた重合体(A−3)のMwは8,100であり、Mw/Mnは1.69であり、低分子量成分の残存割合は0.04%であった。また、13C−NMR分析の結果、それぞれの繰り返し単位の含有率(mol比)は、L−1/L−5/L−3=53.6/9.8/36.6であった。重合体(A−3)を、酸解離性基を有する樹脂(A−3)とする。
Figure 2011180385
(合成例4:重合体(A−4))
式(L−2)で表される化合物の代わりに式(L−6)で表される化合物24.42g(15mol%)を使用したこと、式(L−3)で表される化合物の代わりに式(L−7)で表される化合物30.40g(40mol%)を使用したこと、及び式(L−1)で表される化合物45.18g(45mol%)を使用したこと以外は、合成例1と同様にして重合体(A−4)を得た(75g、収率75%)。得られた重合体(A−4)のMwは6,100であり、Mw/Mnは1.73であり、低分子量成分の残存割合は0.04%であった。また、13C−NMR分析の結果、それぞれの繰り返し単位の含有率(mol比)は、L−1/L−6/L−7=44.1/15.5/40.4であった。重合体(A−4)を、酸解離性基を有する樹脂(A−4)とする。
Figure 2011180385
(合成例5:重合体(A−5))
式(L−2)で表される化合物の代わりに式(L−4)で表される化合物35.60g(35mol%)を使用したこと、式(L−3)で表される化合物の代わりに式(L−8)で表される化合物16.17g(15mol%)を使用したこと、及び式(L−1)で表される化合物48.23g(50mol%)を使用したこと以外は、合成例1と同様にして重合体(A−5)を得た(72g、収率72%)。得られた重合体(A−5)のMwは8,200であり、Mw/Mnは1.78であり、低分子量成分の残存割合は0.03%であった。また、13C−NMR分析の結果、それぞれの繰り返し単位の含有率(mol比)は、L−1/L−4/L−8=50.0/36.9/13.1であった。重合体(A−5)を、酸解離性基を有する樹脂(A−5)とする。
Figure 2011180385
(合成例6:重合体(A−6))
式(L−2)で表される化合物の代わりに式(L−7)で表される化合物28.40g(35mol%)を使用したこと、式(L−3)で表される化合物の代わりに式(L−8)で表される化合物18.00g(15mol%)を使用したこと、及び式(L−1)で表される化合物53.60g(50mol%)を使用したこと以外は、合成例1と同様にして重合体(A−6)を得た(73g、収率73%)。得られた重合体(A−6)のMwは7,100であり、Mw/Mnは1.40であり、低分子量成分の残存割合は0.01%であった。また、13C−NMR分析の結果、それぞれの繰り返し単位の含有率(mol比)は、L−1/L−7/L−8=50.0/35.2/14.8であった。重合体(A−6)を、酸解離性基を有する樹脂(A−6)とする。
(合成例7:重合体(A−7))
式(L−2)で表される化合物の代わりに式(L−8)で表される化合物52.78g(50mol%)を使用したこと、式(L−3)で表される化合物を用いないこと、及び式(L−1)で表される化合物47.22g(50mol%)を使用したこと以外は、合成例1と同様にして重合体(A−7)を得た(65g、収率65%)。得られた重合体(A−7)のMwは5,500であり、Mw/Mnは1.35であり、低分子量成分の残存割合は0.01%であった。また、13C−NMR分析の結果、それぞれの繰り返し単位の含有率(mol比)は、L−1/L−8=55.2/44.8であった。重合体(A−7)を、酸解離性基を有する樹脂(A−7)とする。
(合成例8:重合体(F−1))
先ず、単量体成分として化合物(M−3)25mol%、化合物(M−1)60mol%、及び化合物(M−4)15mol%と、重合開始剤(ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(MAIB))を50gのメチルエチルケトンに溶解した単量体溶液を準備した。仕込み時の単量体成分の合計量は50gに調製した。尚、各単量体のmol%は単量体全量に対するmol%を表し、重合開始剤の使用割合は、単量体と重合開始剤の合計量に対して、8mol%とした。
一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mLの三つ口フラスコにメチルエチルケトン50gを加え、30分間窒素パージを行った。その後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱した。次いで、準備した単量体溶液をフラスコ内に、滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間熟成させ、30℃以下になるまで冷却して重合体溶液を得た。その後、重合体溶液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンでその重合溶液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次いで、30gの蒸留水を投入した後、攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液とした。このプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液中の重合体成分を重合体(F−1)とする。この重合体(F−1)は、Mwが6500であり、Mw/Mnが1.7であり、13C−NMR分析の結果、各単量体に由来する各繰り返し単位の含有率(mol比)は、(M−3)/(M−1)/(M−4)=26.6:58.2:15.2の共重合体であった。
(合成例9〜15:重合体(F−2)〜(F−8))
表1に示す種類及び仕込み量の化合物(単量体)を用いること以外は、前述の重合体(F−1)と同様にして重合体(F−2)〜(F−8)を得た。尚、表2には、重合体(F−1)〜(F−8)の13C−NMR分析の結果による各繰り返し単位の含有率(mol比)、重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)を併記した。
Figure 2011180385
Figure 2011180385
なお、合成例8〜15で使用した化合物の種類を以下に示す。
Figure 2011180385
Figure 2011180385
(実施例1〜8及び比較例1:第一の感放射線性組成物の調製)
表3に示す配合処方に従って第一の感放射線性組成物(1)〜(9)を調製した。なお、各組成物の後退接触角を表3に併記する。
Figure 2011180385
(第二の感放射線性組成物の調製)
表4に示す配合処方に従って第二の感放射線性組成物(10)〜(16)を調製した。なお、各組成物の後退接触角を表4に併記する。
Figure 2011180385
なお、表3及び表4で用いた酸発生剤(C)、酸拡散制御剤、及び溶剤(D)の種類を以下に記す。
(酸発生剤(C))
(C−1):4−ノナフルオロ−n―ブチルスルホニルオキシフェニル・ジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(C−2):トリフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(C−3):1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(C−4):トリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート
(酸拡散制御剤)
(E−1):(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノールN−t−ブトキシカルボニルピロリジン
(E−2):トリフェニルスルホニウムサリチレート
(E−3):トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート
(溶剤(D))
(D−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(D−2):γ−ブチロラクトン
(D−3):シクロヘキサノン
(合成例16:水酸基を有する樹脂(B−1))
p−ヒドロキシメタクリルアニリド(以下、「(m−1)」という)62.13g、p−t−ブトキシスチレン(以下、「(m−2)」という)37.87g、AIBN10.21gをイソプロピルアルコール(以下、「IPA」という)300gに溶解し、還流条件(82℃)にて6時間重合反応を行なった。反応容器を流水にて冷却した後、重合溶液に対して酢酸エチル200g、IPA140g、メタノール140gを加えて均一化し、そこに水を600g加えて1時間静置した。下層に沈降した粘性のポリマーを回収し、50℃の温度にて真空乾燥して共重合体(B−1)を得た(収率70%)。共重合体(B−1)のMwは8,500であり、Mw/Mnは2.08であった。また、13C−NMR分析の結果、それぞれの繰り返し単位の含有率(mol比)は、(m−1)/(m−2)=55.4/44.6であった。この共重合体(B−1)を、水酸基を有する樹脂(B−1)とする。
Figure 2011180385
(合成例17:水酸基を有する樹脂(B−2))
(m−1)17.62g、(m−2)10.22g、2−(((トリフルオロメチル)スルホニル)アミノ)エチル−1−メタクリレート(以下、「(m−3)」という)2.16g、及びAIBN2.18gを90gのIPAに溶解し、還流条件(82℃)にて6時間重合反応を行なった。反応容器を流水にて冷却した後、重合溶液に対して酢酸エチル60g、IPA42g、メタノール42gを加えて均一化し、そこに水を180g加えて1時間静置した。下層に沈降した粘性のポリマーを回収し、50℃の温度にて真空乾燥して共重合体(B−2)を得た(収率77%)。共重合体(B−2)のMwは5,800であり、Mw/Mnは1.50であった。また、13C−NMR分析の結果、それぞれの繰り返し単位の含有率(mol比)は、(m−1)/(m−2)/(m−3)=54.2/41.3/4.5であった。この共重合体(B−2)を、水酸基を有する樹脂(B−2)とする。
Figure 2011180385
(合成例18:水酸基を有する樹脂(B−3))
(m−1)17.8g、(m−2)10.3g、式(m−4)で表される単量体(以下、「(m−4)」という)2.1g、及びAIBN2.18gを90gのIPAに溶解し、還流条件(82℃)にて6時間重合反応を行なった。反応容器を流水にて冷却した後、重合溶液に対して酢酸エチル60g、IPA42g、メタノール42gを加えて均一化し、そこに水を180g加えて1時間静置した。下層に沈降した粘性のポリマーを回収し、50℃の温度にて真空乾燥して共重合体(B−3)を得た(収率65%)。共重合体(B−3)のMwは7,600であり、Mw/Mnは1.53であった。また、13C−NMR分析の結果、それぞれの繰り返し単位の含有率(mol比)は、(m−1)/(m−2)/(m−4)=60.2/35.0/4.8であった。この共重合体(B−3)を、水酸基を有する樹脂(B−3)とする。
Figure 2011180385
(合成例19:水酸基を有する樹脂(B−4))
(m−1)30.66g、(m−2)15.25g、式(m−5)で表される単量体(以下、「(m−5)」という)4.10g、及びAIBN3.70gを150gのIPAに溶解し、還流条件(82℃)にて6時間重合反応を行なった。反応容器を流水にて冷却した後、重合溶液に対して酢酸エチル100g、IPA70g、メタノール70gを加えて均一な溶液とし、更に水を300g加えて1時間静置した。下層に沈降した粘性のポリマーを回収し、50℃にて真空乾燥させて重合体(B−4)を得た(収率68%)。得られた重合体(B−4)のMwは8,200であり、Mw/Mnは1.50であった。また、13C−NMR分析の結果、それぞれの繰り返し単位の含有率(mol比)は、(m−1)/(m−2)/(m−5)=55.2/35.5/9.3であった。この共重合体(B−4)を、水酸基を有する樹脂(B−4)とする。
Figure 2011180385
(レジストパターン不溶化樹脂組成物の調製)
表5に示す配合処方の水酸基を有する樹脂、架橋剤、溶剤の混合物を孔径0.03μmのフィルターを使用して濾過することにより、レジストパターン不溶化樹脂組成物を調製した。
Figure 2011180385
なお、表5で省略した架橋剤、及び溶剤の種類を以下に記す。
(架橋剤)
G−1:商品名「ニカラックMX−750」(日本カーバイド社製)
G−2:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
G−3:商品名「OXIPA」(宇部興産社製)
G−4:ペンタエリスリトールトリアクリレート
(溶剤)
D−4:1−ブタノール
D−5:4−メチル−2−ペンタノール
D−6:3−メチル−1−ブタノール
(合成例20:樹脂Iの調製)
ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル46.95g(85mol%)、及び開始剤2,2’−アゾビス−(2−メチルプロピオン酸メチル)6.91gをIPA100gに溶解させた単量体溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mLの三つ口フラスコにIPA50gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージの後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱した。そして、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた単量体溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を行った後、ビニルスルホン酸3.05g(15mol%)のIPA溶液10gを30分かけて滴下した。その後、更に1時間反応を行った後、30℃以下に冷却して、共重合液を得た。
次いで、得られた共重合液を150gに濃縮した後、分液漏斗に移した。この分液漏斗にメタノール50gとn−ヘキサン600gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。この下層液をIPAで希釈して100gとし、再度、分液漏斗に移した。その後、メタノール50gとn−ヘキサン600gを分液漏斗に投入して、分離精製を実施し、分離後、下層液を回収した。回収した下層液を4−メチル−2−ペンタノールに置換し、全量を250gに調整した。調整後、水250gを加えて分離精製を実施し、分離後、上層液を回収した。回収した上層液は、4−メチル−2−ペンタノールに置換して樹脂溶液とした。尚、4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料(樹脂溶液)の固形分濃度は、樹脂溶液0.3gをアルミ皿に計量し、ホットプレート上で140℃×1時間加熱した後、樹脂溶液の加熱前の質量と残渣(加熱後)の質量により算出した。この固形分濃度は、上層膜形成用組成物溶液の調製と収率計算に利用した。
得られた樹脂溶液に含有されている共重合体の、Mwは11060であり、Mw/Mnは1.55であり、収率は75%であった。また、この共重合体に含有される、ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチルに由来する繰り返し単位、及びビニルスルホン酸に由来する繰り返し単位の含有率は、95:5(mol%)であった。この共重合体を樹脂Iとする。尚、樹脂Iを用いて膜を形成した際における水との後退接触角は、商品名「DSA−10」(KRUS社製)を用いて室温23℃、湿度45%、常圧の環境下で、40°未満であった。
(合成例21:樹脂IIの調製)
ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキシエチル46.95g(85mol%)の代わりにメタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル46.95g(85mol%)を用いたこと以外は合成例20と同様にして樹脂溶液を調製した。
得られた樹脂溶液に含有されている共重合体のMwは9760であり、Mw/Mnは1.51であり、収率は65%であった。また、この共重合体に含有される、メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステルに由来する繰り返し単位、及びビニルスルホン酸に由来する繰り返し単位の含有率は、95:5(mol%)であった。この共重合体を樹脂IIとする。尚、樹脂IIを用いて膜を形成した際における水との後退接触角を樹脂Iの時と同様に測定したところ69.0°であった。
(合成例22:樹脂IIIの調製)
2,2−アゾビス(2−メチルイソプロピオン酸メチル)25.0gをメチルエチルケトン25.0gに溶解させた混合溶液を準備した。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた2000mLの三つ口フラスコに、メタクリル酸(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)エステル104.6g、メタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル195.4g、及びメチルエチルケトン575.0gを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージ後、フラスコ内をマグネティックスターラーで撹拌しながら80℃になるように加熱した。そして、滴下漏斗を用い、予め準備しておいた混合体溶液を5分かけて滴下し、360分間熟成させた。その後、30℃以下に冷却して共重合液を得た。
次いで、得られた共重合液を600gに濃縮し後、分液漏斗に移した。この分液漏斗にメタノール193g、及びn−ヘキサン1542gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。回収した下層液にメチルエチルケトン117g、及びn−ヘキサン1870gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。更に回収した下層液にメタノール93g、メチルエチルケトン77g、及びn−ヘキサン1238gを投入し、分離精製を実施した。分離後、下層液を回収した。回収した下層液を4−メチル−2−ペンタノールに置換し、この溶液を蒸留水にて洗浄して再度4−メチル−2−ペンタノールに置換して樹脂溶液とした。尚、4−メチル−2−ペンタノールに置換した後の試料(樹脂溶液)の固形分濃度は、樹脂溶液0.3gをアルミ皿に計量し、ホットプレート上で140℃×1時間加熱した後、樹脂溶液の加熱前の質量と残渣(加熱後)の質量により算出した。この固形分濃度は、上層膜形成用組成物溶液の調製と収率計算に利用した。
得られた樹脂溶液に含有されている共重合体の、Mwは10200であり、Mw/Mnは1.65であり、収率は65%であった。また、この共重合体に含有されるメタクリル酸(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)エステルに由来する繰り返し単位、及びメタクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステルに由来する繰り返し単位の含有率は、39.5:60.5(mol%)であった。この共重合体を樹脂IIIとする。尚、樹脂IIIを用いて膜を形成した際における水との後退接触角を樹脂Iの時と同様に測定したところ82.0°であった。
(液浸用上層膜形成用組成物αの調製)
樹脂I20部、樹脂II73部、樹脂III7部、溶剤(炭素数4〜10のアルコール)として、4−メチル−2−ペンタノール2240部、及びジイソアミルエーテル560部を混合し、2時間撹拌した後、孔径200nmのフィルターでろ過することにより、固形分濃度4%の上層膜形成用組成物溶液を調製した。これを液浸用上層膜形成用組成物αとする。
調製した第一の感放射線性組成物、レジストパターン不溶化樹脂組成物及び液浸用上層膜形成用組成物αを用いて、以下に示すようにして評価用基板A,Bを作製した。なお、第一の感放射線性組成物及びレジストパターン不溶化樹脂組成物の種類、並びに加熱条件(PB及びPEB)又はUVキュアの条件に関しては表6に示す。
(評価用基板Aの作製)
12インチシリコンウェハ上に、下層反射防止膜(商品名「ARC29A」、ブルワーサイエンス社製)を、コータ/デベロッパ(商品名「CLEAN TRACK ACT12」、東京エレクトロン社製、以下、「コータ/デベロッパ(1)」ともいう)を使用してスピンコートした後、PB(205℃、60秒)を行うことにより膜厚77nmの塗膜を形成した。コータ/デベロッパ(1)を使用して第一の感放射線性組成物をスピンコートし、PBした後、冷却(23℃、30秒)することにより膜厚90nmの塗布膜を形成した。次いで、ArF液浸露光装置(商品名「S610C」、NIKON社製)を使用し、NA:1.30、Dipoleの光学条件にて、マスクを介して露光した。コータ/デベロッパ(商品名「Lithius Pro−i」、東京エレクトロン社製、以下、「コータ/デベロッパ(2)」ともいう)のホットプレート上でPEBをし、冷却(23℃、30秒)した後、現像カップのGPノズルにて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液としてパドル現像(10秒間)し、超純水でリンスした。2000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、26nmライン/104nmピッチの第一のレジストパターンが形成された評価用基板Aを得た。
但し、評価基板A(16)〜(19)については、48nmライン/96nmピッチの第一のレジストパターンを形成した。また、評価基板A(20)については露光前に、液浸用上層膜形成用組成物αをコータ/デベロッパ(1)を使用してスピンコートした後、PB(90℃、60秒)を行なうことにより膜厚90nmの塗膜を形成した。その後、評価基板A(1)〜(15)と同様に露光、現像およびリンスを行い、26nm/104nmピッチの第一のレジストパターンが形成された評価基板Aを得た。
(評価用基板Bの作製)
得られた評価用基板Aの第一のレジストパターン上に、レジストパターン不溶化樹脂組成物をコータ/デベロッパ(1)を使用してスピンコートし、膜厚150nmとなるように塗布した後、洗浄前のPB(130℃、60秒)を行った。コータ/デベロッパ(1)を使用し、23℃の冷却プレートで30秒冷却した後、現像カップのLDノズルにて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液としてパドル現像(60秒間)し、超純水でリンスした。2000rpm、15秒間振り切りでスピンドライし、洗浄後のPB(165℃、60秒)を行い、不溶化レジストパターンが形成された評価用基板Bを得た。
Figure 2011180385
(実施例9〜29、比較例2)
得られた評価用基板Bの不溶化レジストパターン上に、第二の感放射線性組成物を用いて以下に示すようにして評価用基板Cを作製した。作製した評価用基板Cを用いて、それぞれのパターンの評価、トップロスの評価、及びLWRの評価を行った。なお、評価基板Bの種類、第二の感放射線性組成物の種類、及び加熱条件(PB及びPEB)に関しては表7に示す(但し、実施例26〜29はトップロスの評価、及びLWRの評価は行っていない。)。
(評価用基板Cの作成)
実施例9〜25及び比較例2は、得られた評価用基板Bの不溶化レジストパターン上に、第二の感放射線性組成物をコータ/デベロッパ(1)を使用してスピンコートし、PBした後、冷却(23℃、30秒)して、膜厚70nmの第二のレジスト層を形成した。ArF液浸露光装置を使用し、NA:1.30、Dipoleの光学条件にて、マスクを介して、第一のレジストパターンのスペース部分を第一のレジストパターンと平行に露光した。コータ/デベロッパ(2)のホットプレート上でPEBをし、冷却(23℃、30秒)した後、現像カップのGPノズルにて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液としてパドル現像(10秒間)し、超純水でリンスした。2000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、第二のレジストパターンが形成された評価用基板Cを得た。実施例26〜29については、第一のレジストパターンに対して直交するように、マスクを介して48nm1L/1Sの第二のレジストパターンを形成したこと以外は、実施例9〜25及び比較例2と同様に行った。
Figure 2011180385
表7に示すとおり、第一の感放射線性組成物として本発明の感放射線性組成物を用いた場合、液浸用上層膜を用いる場合と比較して、パターンの評価、トップロスの評価、LWRの評価を損なうことなく、工程対比でスループットを改善することができることがわかる。
(実施例30〜32)
以下の様にして得られた評価用基板B’の不溶化レジストパターン上に、以下に示す第二の感放射線性組成物を用いて評価用基板Dを作製し、解像度の評価を行った。なお、解像度の評価は、第二のレジストパターン形成後のライン・アンド・スペースの線幅(nm)により評価した。
(評価用基板Dの作製)
評価用基板A、B、Cと同様の手順で、評価用基板Dを作製した。先ず、評価用基板Aの作製と同じ方法にて、12インチシリコンウェハ上に、下層反射防止膜をコータ/デベロッパ(1)を使用してスピンコートした後、PB(205℃、60秒)を行うことにより膜厚77nmの塗膜を形成した。コータ/デベロッパ(1)を使用して表3に記載の第一の感放射線性組成物(2)をスピンコートし、PB(115℃、60秒)した後、冷却(23℃、30秒)することにより膜厚90nmの塗布膜を形成した。次いで、ArF液浸露光装置(商品名「S610C」、ニコン社製)を使用し、NA:1.30、Dipoleの光学条件にて、マスクを介して露光した。コータ/デベロッパ(2)のホットプレート上でPEB(115℃、60秒)をし、冷却(23℃、30秒)した後、現像カップのGPノズルにて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液としてパドル現像(10秒間)し、超純水でリンスした。2000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、20nmライン/88nmピッチのライン・アンド・スペースパターンの第一のレジストパターンが形成された評価用基板A’を得た。
次に評価用基板Bの作製と同じ方法にて、表5に記載のレジストパターン不溶化樹脂組成物(C)をコータ/デベロッパ(1)を使用してスピンコートし、膜厚150nmとなるように塗布した後、洗浄前のPB(130℃、60秒)を行った。コータ/デベロッパ(1)を使用し、23℃の冷却プレートで30秒冷却した後、現像カップのLDノズルにて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液としてパドル現像(60秒間)し、超純水でリンスした。2000rpm、15秒間振り切りでスピンドライし、洗浄後のPB(165℃、90秒)を行い、不溶化レジストパターンが形成された評価用基板B’を得た。
その後、得られた評価用基板B’の上に、表4に記載の第二の感放射線性組成物(10)、(11)、又は(16)を、それぞれコータ/デベロッパ(1)を使用してスピンコートし、PB(100℃、60秒)した後、冷却(23℃、30秒)して、膜厚70nmの塗布膜を形成した。次いで、ArF液浸露光装置を使用し、NA:1.30、Dipoleの光学条件にて、マスクを介して不溶化レジストパターンのスペース部分に第一のレジストパターンと平行に22nmライン/88nmピッチのライン・アンド・スペースパターンが形成されるよう露光した。コータ/デベロッパ(1)のホットプレート上でPEB(85℃、60秒)した後、冷却(23℃、30秒)し、現像カップのLDノズルにて、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液としてパドル現像(30秒間)し、超純水でリンスした。2000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、第二のレジストパターンが形成された各評価用基板Dを得た(それぞれを実施例30〜32とし、感度は、それぞれ21、20、20(mJ/cm)であった。)。
[解像度の評価]:走査型電子顕微鏡(商品名「S−9380」、日立計測器社製)を使用し、各評価用基板Dに形成されたレジストパターンの寸法を測定した。結果、第二の感放射線性組成物(10)、(11)、又は(16)を使用したどの評価用基板Dも22nmのライン・アンド・スペースパターンが形成されていた。
上述の実施例30〜32の結果に示す通り、第一の感放射線性組成物に本発明の感放射線性組成物を用いた場合、22nmの線幅のライン・アンド・スペースパターンを形成することができることがわかる。
本発明の感放射線組成物を用いたレジストパターン形成方法によれば、波長限界を超えるパターンを良好かつ経済的に形成することができるので、今後ますます微細化が進行するとみられる集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野で極めて好適に使用することができる。
1:第一のレジストパターン、2:第二のレジストパターン、2a:第二のライン部分、22b:第二のスペース部分、3:不溶膜、3a:第一のライン部分、3b:第一のスペース部分、5:不溶化レジストパターン、10:基板、12:第二のレジスト層、22:第二のレジストパターン、22a:第二のライン部分、22b:第二のスペース部分、15:コンタクトホールパターン、32:第二のレジストパターン、32a:第二のライン部分、32b:第二のスペース部分。

Claims (10)

  1. 第一の感放射線性組成物を用いて、基板上に第一のレジストパターンを形成する工程(1)と、
    前記第一のレジストパターンを、レジストパターン不溶化樹脂組成物を用いて第二の感放射線性組成物に対して不溶化させる処理をする工程(2)と、
    前記第二の感放射線性組成物を用いて、前記工程(2)で処理された基板上に第二のレジストパターンを形成する工程(3)と、を含むレジストパターン形成方法の前記工程(1)で用いられる、
    (A)酸解離性基を有する繰り返し単位(1)を含む重合体と、(F)フッ素原子を有する繰り返し単位を含む重合体と、(C)感放射線性酸発生剤と、(D)溶剤と、を含有する感放射線性組成物。
  2. 前記繰り返し単位(1)が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位である請求項1に記載の感放射線性組成物。
    Figure 2011180385
    (前記一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Rは、相互に独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示すか、或いはいずれか2つのRが相互に結合し、それぞれが結合している炭素原子と共に形成される員数が4〜20の2価の脂環式炭化水素基又はその誘導体を示し、残りのRが炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を示す。)
  3. 前記重合体(F)が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位及び下記一般式(3)で表される繰り返し単位の少なくともいずれかを含む請求項1又は2に記載の感放射線性組成物。
    Figure 2011180385
    (前記一般式(2)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Rは、単結合、又は炭素数1〜20の2価の直鎖状、分岐状若しくは環状の、飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。Rは、フッ素原子で置換されたメチレン基、又は炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐状のフルオロアルキレン基を示す。Rは、水素原子又は1価の有機基を示す。)
    Figure 2011180385
    (前記一般式(3)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。Rは、連結基を示す。Rは、少なくとも1つ以上のフッ素原子を有する、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を示す。)
  4. 前記重合体(F)が、酸不安定基を有する繰り返し単位を更に含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の感放射線性組成物。
  5. 前記重合体(F)の含有割合が、前記第一の感放射線性組成物に含有される重合体の合計100質量%に対して、1〜30質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の感放射線性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の感放射線性組成物を用いて、基板上に第一のレジストパターンを形成する工程(1)と、
    前記第一のレジストパターンを、レジストパターン不溶化樹脂組成物を用いて第二の感放射線性組成物に対して不溶化させる処理をする工程(2)と、
    前記第二の感放射線性組成物を用いて、前記工程(2)で処理された基板上に第二のレジストパターンを形成する工程(3)と、を含むレジストパターン形成方法。
  7. 前記第一のレジストパターンが、ライン部分及びスペース部分を有し、
    前記第二のレジストパターンが、ライン部分及びスペース部分を有し、
    前記第一のレジストパターンの前記ライン部分と、前記第二のレジストパターンの前記ライン部分とが相互に交差するように、前記第二のレジストパターンを形成する請求項6に記載のレジストパターン形成方法。
  8. 前記第一のレジストパターンが、ライン部分及びスペース部分を有し、
    前記第二のレジストパターンが、ライン部分及びスペース部分を有し、
    前記第一のレジストパターンの前記ライン部分と、前記第二のレジストパターンの前記ライン部分とが平行になるように、前記第二のレジストパターンを形成する請求項6に記載のレジストパターン形成方法。
  9. 前記工程(1)が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感放射線性組成物を前記基板上に塗布して第一のレジスト層を形成し、加熱した後、直ちに露光処理をして前記第一のレジストパターンを形成する工程である請求項6〜8のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法。
  10. 前記工程(3)が、前記第二の感放射線性組成物を前記第一のレジストパターンが形成された基板上に塗布して第二のレジスト層を形成し、加熱した後、直ちに露光処理をして前記第二のレジストパターンを形成する工程である請求項6〜9のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法。
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