JP2011180359A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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雅志 三井
Tokuo Koma
徳夫 小間
Tatsuo Uchida
龍男 内田
Takahiro Ishinabe
隆宏 石鍋
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Abstract

【課題】散乱フィルムに対しその正面又はその近傍での輝度を高め、しかもボケを防止した電気光学装置と、これを備えた電子機器を提供する。
【解決手段】対向して配置された一対の基板間に電気光学材料が設けられ、一対の基板のうちの一方の基板側に散乱フィルム16が設けられ、一対の基板のうちの他方の基板側に反射板14が設けられてなる電気光学装置(液晶表示装置)である。散乱フィルム16は、入射する光を透過し、反射体14から反射した光を拡散すると共に、その表面に直交する基準面52に対して一方の側をマイナス側、他方の側をプラス側とすると、入射する光がマイナス側となるように配置され、かつ、その拡散角度範囲が散乱フィルムの法線方向を0度とすると、マイナス側の所定角度からプラス側の所定角度となる拡散特性を有して形成されている。一方の基板の板厚は、0.2mm以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気光学装置及び電子機器に関する。
電気光学装置の一つである液晶表示装置は、軽量、薄型という特徴を有しているため、携帯情報端末用のディスプレイをはじめとして様々な用途に広く用いられている。液晶表示装置は、数ボルトの実効電圧で液晶分子を駆動させることにより光の透過強度を変化させて表示を行うが、液晶それ自体は非発光物質であるため他に何らかの光源を必要とし、しかも駆動電力に比べ非常に大きな光源用電力が必要となる。そこで、液晶表示素子の下側に反射板を備えて周囲光を利用して表示させる反射型液晶表示装置とすることにより、消費電力が極めて低く液晶本来の特徴を活かした表示装置が実現可能となる。
しかし、反射型液晶表示装置は周囲光を利用して表示するため、表示装置への入射光の正反射方向のみにしか明るさが得られないという課題を有している。このような背景のもとに、特定の角度からの光は散乱し、その他の角度からの光は透過する特殊な拡散フィルムからなる散乱フィルム(指向性散乱フィルム)を用い、視角依存性の少ない特性を有する反射型液晶表示装置(反射型液晶表示素子)が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特許第3209718号公報 特許第3219377号公報 特許第3219733号公報 特許第3238887号公報
しかしながら、前記特許文献に係る散乱フィルムは、正面での輝度が低く、暗くなってしまうといった課題がある。例えば、拡散範囲が0度以上45度以下である散乱フィルムを用いた場合、この散乱フィルムの拡散特性は、通常、拡散角度と輝度との相関を表す図10のグラフに示すように、台形の両脚部及び上底となる線に近似されて表される。すなわち、この散乱フィルムの法線に対して例えば30度で光が入射すると、入射光は、その入射角度にほとんど依存することなく、図10に示したように散乱フィルムの法線に対して0度程度以上45度程度以下の角度範囲で拡散する。ただし、厳密には、0度や45度で拡散する光の強度(輝度)は低くなる。したがって、観測される可能性が高い位置である正面(0度)での輝度が低くなってしまう。
このような課題に対し、拡散範囲がマイナス側(例えばマイナス10度やマイナス5度)にまで拡げられた散乱フィルムを用いることが考えられる。しかし、この散乱フィルムを反射型液晶表示装置に適用した場合、図11に示すように正面(0度、散乱フィルムの法線方法)近傍であるマイナス5度から0度の範囲では、散乱フィルムFへの入射時に拡散が起こるだけでなく、反射板55で反射した後の、散乱フィルムFからの出射時にも拡散が起きてしまうことがある。その結果、図12に示すようにやはり正面付近(特にマイナス5度から0度の範囲)での輝度が低くなり、暗くなってしまう。
また、散乱フィルムを、図11に示したように該散乱フィルムFに対して光が入射するときに拡散することなく、出射するときにのみ拡散するように、散乱フィルムを光入射側に対して配置することで、正面又はその近傍での輝度が向上すると考えられる。
ところが、その場合には、光源が複数あったり、入射する光が拡散光であったりすると、表示画像にボケが生じる可能性が高くなってしまう。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、散乱フィルムに対しその正面又はその近傍での輝度を高め、しかもボケを防止した電気光学装置と、これを備えた電子機器を提供することを目的としている。
前記目的を達成するため本発明の電気光学装置は、対向して配置された一対の基板間に電気光学材料が設けられ、前記一対の基板のうちの一方の基板側に散乱フィルムが設けられ、前記一対の基板のうちの他方の基板側に反射体が設けられてなり、前記散乱フィルムは、入射する光を透過し、前記反射体から反射した光を拡散すると共に、該散乱フィルムの表面に直交する基準面に対して一方の側をマイナス側、他方の側をプラス側とすると、前記入射する光がマイナス側となるように配置され、かつ、その拡散角度範囲が前記散乱フィルムの法線方向を0度とすると、前記マイナス側の所定角度から前記プラス側の所定角度となる拡散特性を有して形成されてなり、前記一方の基板の板厚が、0.2mm以下であることを特徴としている。
この電気光学装置によれば、散乱フィルムとして、該散乱フィルムの表面に直交する基準面に対して一方の側をマイナス側、他方の側をプラス側とすると、光入射側がマイナス側となるように配置され、かつ、その拡散角度範囲がマイナス側の所定角度からプラス側の所定角度となる拡散特性を有して形成されたものを用い、さらに、反射体で反射した後の出射時にのみ拡散する方向に貼ることで、散乱フィルムに対する正面又はその近傍での輝度が大幅に向上する。
また、散乱フィルムに近い側となる一方の基板の板厚を0.2mm以下としているので、反射体を反射した光の散乱フィルムまでの光路の距離が短くなる。したがって、光源が複数ある場合や、入射する光が拡散光である場合でも、表示画像にボケが生じることが抑制される。
また、前記電気光学装置において、前記散乱フィルムは、その拡散特性が、拡散角度と輝度との相関を表すグラフにおいて、ほぼ輝度が一定になって拡散角度と輝度との相関が第1の直線に近似される第1の範囲と、この第1の範囲における前記拡散角度が0度に近くなる側において、ほぼ輝度が一定に変化して拡散角度と輝度との相関が第2の直線に近似される第2の範囲と、を有し、前記第1の直線と前記第2の直線との交点が、前記拡散角度がマイナスとなる位置にあるものであるのが好ましい。
このようにすれば、散乱フィルムの、0度で拡散する光の輝度が第1の範囲になって高くなる。したがって、散乱フィルムの正面又はその近傍での輝度が向上する。
また、前記電気光学装置においては、前記散乱フィルムの外側に、有機ELフロントライトが設けられているのが好ましい。
このようにすれば、太陽光や室内灯などの外部光源がない場合でも、有機ELフロントライトの光によって表示を行うことが可能になる。
また、前記電気光学装置においては、前記散乱フィルムは、第1の方向から入射する光を透過し、第2の方向から入射する光を拡散する特性を有し、前記第1の方向が前記マイナス側となるように配置されており、前記有機ELフロントライトは、その光が、前記第1の方向から前記散乱フィルムに入射されるように配置されていることが好ましい。
また、本発明の電子機器は、前記の電気光学装置を備えたことを特徴としている。
この電子機器によれば、前述したように散乱フィルムに対する正面又はその近傍での輝度が大幅に向上し、しかも表示画像にボケが生じることが抑制された電気光学装置を備えているので、この電子機器自体も優れた表示性能を有するものとなる。
本発明に係る液晶表示装置の一実施形態を模式的に示す側断面図である。 散乱フィルムの構成を模式的に示す要部拡大図である。 (a)(b)は散乱フィルムの作用を説明するための模式図である。 散乱フィルムの拡散特性を示すグラフである。 (a)(b)は散乱フィルムの作用を説明するための模式図である。 (a)(b)は散乱フィルムの拡散特性を示すグラフである。 本発明に係る液晶表示装置の他の実施形態を模式的に示す側断面図である。 有機ELフロントライトの概略構成を示す平面図である。 本発明の電子機器に係る携帯電話の概略構成図である。 散乱フィルムの拡散特性を示すグラフである。 散乱フィルムの作用を説明するための模式図である。 散乱フィルムの拡散特性を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明の電気光学装置としての、液晶表示装置の一実施形態を示す図であって、この液晶表示装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。
図1中符号1は液晶表示装置であり、この液晶表示装置1は、液晶セル2を備えて構成されたものである。液晶セル2は、対向配置された第1基板(一方の基板)10と第2基板(他方の基板)11との間に液晶層12を充填し、さらに第1基板10の内面に透明電極13を形成し、第2基板11の内面に反射板(反射体)14を形成した液晶セル2を有したものである。
表示側となる液晶セル2の第1基板10側には、第1基板10から順に、その外面側に視野角補償フィルム(位相差板)15、散乱フィルム16、位相差板17、偏光板18が設けられている。
このような構成のもとに液晶表示装置1は、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードを採用したものとなっている。ただし、本発明の液晶表示装置はECBモードに限定されることなく、TN(Twisted Nematic)モードや、VAN(Vertical Aligned Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、OCB(Optical Compensated Bend)モード等を採用することができるのはもちろんである。なお、その場合には、カラーフィルターや偏光板、反射体を兼用する電極など、従来公知な構成要素を付加することで、各種のモードに対応させることができる。
前記液晶セル2を構成する第1基板10、第2基板11は、本実施形態ではいずれもガラス基板によって形成されている。特に第1基板10は、透明なガラス基板によって形成され、その板厚が0.2mm以下、例えば0.2mmに形成されている。
透明電極13は、インジウム・錫・オキサイド(ITO)などによって形成されたものである。反射板14は、第2基板11の内面に例えば銀が蒸着されたことで形成された、金属膜からなるものである。なお、この反射膜14を直接電極としても用いてもよく、別に形成した電極に、銀やアルミニムを蒸着して反射膜(反射体)として機能させてもよい。
これら透明電極13や反射膜14の内面には配向膜(図示せず)が形成されており、これら配向膜は公知の配向処理がなされている。
第1基板10と第2基板11とは、その間にビーズ等のスペーサー(図示せず)が配され、さらにそれぞれの内面の外周部間にシール材(図示せず)が設けられて貼設されている。そして、これら第1基板10及び第2基板11とシール材とに囲まれた空隙内に液晶が充填され、液晶層12が形成されている。
視野角補償フィルム(位相差板)15は、視野角特性やコントラストを確保するためのもので、NHフィルムやWVフィルム等の位相差板として機能する光学フィルムからなっている。
また、表示側の最外部を構成する偏光板18と位相差板17とは、液晶セル2側に円偏光が入射するように構成されたものである。
位相差板17と視野角補償フィルム15との間に配置された散乱フィルム16は、拡散範囲が予め設定された所定の角度範囲になるように形成された前方散乱フィルムである。本実施形態では、マイナス5度からプラス45度の角度範囲に、拡散範囲を有するものが用いられている。なお、このような前方散乱フィルムとしては、例えば住友化学工業株式会社社製のルミスティ(商品名)が用いられる。
この散乱フィルム16は、例えば図2に示すように、屈折率の異なる複数の樹脂層(例えば樹脂層50A、50B)が交互に積層され、さらにこれら樹脂層50A、50B間の界面51が、散乱フィルム16の表面(又は裏面)に対し所定の角度で傾斜して形成されている。
このような構成のもとに散乱フィルム16は、図3(a)に示すように該散乱フィルム16の表面に直交する基準面52に対して一方の側から、前記界面51の傾く方向と同じ方向(第2の方向)に光が入射すると、この入射光は散乱フィルム16を透過する際に、前記した拡散範囲で拡散するようになっている。また、本実施形態の液晶表示装置1では、散乱フィルム16の後方に反射板14(反射体)が存在しているため、入射光は反射板14で反射して再度散乱フィルム16を透過するが、その際には、反射光(出射光)は散乱フィルム16の界面51の傾く方向と交差する方向(第1の方向)で該散乱フィルム16に入るため、この反射光は拡散を起こすことなくそのまま出射する。したがって、図3(a)に示した状態では、図3(a)中矢印で模式的に示すように、散乱フィルム16に対する入射時には拡散が起きるものの、出射時には拡散が起きないようになっている。
一方、図3(b)に示すように散乱フィルム16の表面に直交する基準面52に対して他方の側から、前記界面51の傾く方向と交差する方向で光が入射すると、この入射光は散乱フィルム16を透過する際に拡散を起こすことなくそのまま入射する。また、この入射光が反射板14で反射した反射光(出射光)は、散乱フィルム16の界面51が傾く方向と同じ方向で該散乱フィルム16に入るため、この反射光は前記した拡散範囲で拡散するようになる。したがって、図3(b)に示した状態では、図3(b)中矢印で模式的に示すように、散乱フィルム16に対する入射時には拡散が起きないものの、出射時には拡散が起きるようになっている。
そこで、本実施形態では散乱フィルム16を、図3(b)に示したようにこれに対する入射時には拡散が起きず、出射時に拡散が起きるように配置している。
すなわち、図1に示した液晶表示装置1において、その散乱フィルム16の表面、つまりこれに平行な偏光板18の表面に直交させて、仮想の基準面19を配置する。なお、この基準面19については、図3(a)、(b)に示したように、散乱フィルム16を構成する樹脂層50A、50B(図2参照)の、該散乱フィルム16表面における界面51の長さ方向と、平行になるように配置する。
そして、この基準面19に対して一方の側をマイナス(−)側、他方の側をプラス(+)側とする。また、このように散乱フィルム16のマイナス側、プラス側は、液晶表示装置1に対する観測者の方向に対応させる。すなわち、図1においてプラス(+)側や0度又はその近傍の箇所に観測者(観測者の視点)Pが位置するようにする。したがって、このプラス(+)側が液晶表示装置1における表示面の下側、マイナス(−)側が表示面の上側になるように、液晶表示装置1を構成する。また、このように構成することで、観測者Pと反対の側となるマイナス(−)側に、光源(太陽や室内灯など)Sが位置するようにする。
このような構成のもとで、散乱フィルム16は、図3(b)に示す基準面52に対し、光源Sが配置されたマイナス(−)側からの入射光に対して、入射時には拡散することなく、その反射光の出射時にのみ、拡散するようになっている。また、前述したようにこの散乱フィルム16は、その拡散範囲が、マイナス5度からプラス45度の角度範囲になっているので、マイナス(−)側から入射した光の反射光(出射光)は、散乱フィルム16を出射する際、図3(b)中矢印Rで示すように、前記基準面52と平行な面52aに対してマイナス5度からプラス45度の角度範囲で拡散する。
ここで、この拡散範囲がマイナス5度からプラス45度である散乱フィルム16についての、拡散角度と輝度との相関を表すグラフ(拡散特性を示すグラフ)を、図4に示す。図4のグラフに示すように、この散乱フィルム16は、前記基準面52に対して例えば30度で光が入射すると、入射光は、その入射角度にほとんど依存することなく、図4に示したようにその拡散範囲がマイナス5度程度以上45度程度以下となる。ただし、厳密には、マイナス5度や45度で拡散する光の輝度が低くなる。
しかしながら、図10に示した拡散特性を有する拡散範囲が0度からプラス45度である散乱フィルムと比較すると、この図10に示した散乱フィルムでは、前述したように観測される可能性が高い位置である正面(0度)での輝度が低くなっているのに対し、図4に示した散乱フィルム16では、正面(0度)での輝度が十分に高くなっている。したがって、このような散乱フィルム16を用いることで、正面から見たときの表示品質が十分に向上したものとなる。
また、散乱フィルム16に対し、図1に示したようにマイナス(−)側に光源Sが位置するようにし、これによって光源Sからの入射光は入射時には拡散することなく、反射板14で反射した反射光が散乱フィルム16を出射するときにのみ、拡散するようにしているので、図12に示したように正面付近(特にマイナス5度から0度の範囲)での輝度が低くなり、したがって、0度又はその近傍の箇所に観測者(観測者の視点)Pが位置する場合に、表示が暗くなって視認されるといった不都合も防止される。
また、本発明の液晶表示装置(電気光学装置)1では、前記したように図1に示した第1基板10の板厚が、0.2mm以下(例えば0.2mm)に形成されている。このようにしたことで、液晶セル2の反射板14と散乱フィルム16との間の距離が、従来に比べ格段に短くなっている。すなわち、従来では液晶セル2における第1基板10の板厚は、0.5mm〜0.6mm程度となっており、これに対して本発明では0.2mm以下としているので、液晶セル2の反射板14と散乱フィルム16との間の距離も、0.3mm以上短くなっている。なお、反射板14と散乱フィルム16との間には、液晶層12や視野角補償フィルム15等が配置されているが、液晶層12の厚さは数μm(2〜4μm)、視野角補償フィルム15の厚さは数十μm(40〜50μm)以下であり、したがって第1基板10の厚さ(板厚)に比べて十分に小さいものとなっている。
このように反射板14と散乱フィルム16との間の距離を短くしたことで、例えば室内灯などの光源が複数ある場合や、入射する光が拡散光である場合でも、散乱フィルム16を出射する光による表示画像に、ボケが生じることが抑制される。
すなわち、反射板14と散乱フィルム16との間の距離が従来のように長く、したがって光路が長いと、図5(a)に示すように複数(図5(a)では二つ)の光源Sからそれぞれに画素Gを反射した光が、それぞれ散乱フィルム16の別の箇所に再度入射し、ここで拡散することで、それぞれの拡散光の一部が観測者Pに観測されてしまう。その結果、表示がボケた状態で視認されてしまうことがある。
これに対して、本実施形態のように第1基板10の板厚を0.2mm以下とし、反射板14と散乱フィルム16との間の距離を短くしたことにより、複数の光源Sからそれぞれに画素Gを反射した光は、図5(b)に示すように散乱フィルム16に再度入射する際、それぞれの反射光が図5(b)に示したように別の位置に入射することなく、ほとんど同じ位置に入射するようになる。したがって、表示画像にボケが生じることが抑制される。
ここで、第1基板10の板厚と表示のボケの有無を調べた結果を以下に示す。
図1に示した構成において、板厚が0.6mm、0.3mm、0.2mmの第1基板10を用い、その他は全て同じにして3種類の液晶表示装置を作製した。
これら3種類の液晶表示装置を駆動させて表示を行わせ、ボケの有無を目視で調べたところ、板厚が0.6mmの第1基板10を用いたものではボケがはっきりと認められ、板厚が0.3mmの第1基板10を用いたものではボケが僅かに認められ、板厚が0.2mmの第1基板10を用いたものではボケが認められなかった。
したがって、第1基板10の板厚を0.2mm以下にすれば、前述のボケを抑制できること確認された。
また、前記実施形態では、散乱フィルム16として、拡散範囲がマイナス5度からプラス45度であるものを用いたが、本発明はこれに限定されることなく、拡散角度範囲がマイナス側の所定角度からプラス側の所定角度となる拡散特性を有して形成されていれば、使用可能である。具体的には、マイナス側の所定角度が−1度〜−10度程度であり、プラス側の所定角度が+40度〜+50度程度である拡散範囲のものが、好適に用いられる。
ただし、その場合にも、その拡散特性が、拡散角度と輝度との相関を表すグラフにおいて、ほぼ輝度が一定になって拡散角度と輝度との相関が第1の直線に近似される第1の範囲と、この第1の範囲における前記拡散角度が0度に近くなる側において、ほぼ輝度が一定に変化して拡散角度と輝度との相関が第2の直線に近似される第2の範囲と、を有し、前記第1の直線と前記第2の直線との交点が、前記拡散角度がマイナスとなる位置にあるものを用いるのが望ましい。
すなわち、拡散角度と輝度との相関で表される拡散特性は、模式的に示した図10、図4のグラフのようにきれいな台形形状にはならず、例えば拡散範囲がマイナス5度からプラス45度のものでは、図6(a)に示すようなグラフとなる。なお、図6(a)は30度の入射角で光が入射したときの拡散角度と輝度との相関を示している。図6(a)に示すように、入射角30度に対する全反射域(拡散角度が30度)にはピークは現れるものの、それ以外の領域では略台形状(台形の両脚分及び上底部)の線に近似されるようになる。
そこで、前記ピークを除いた略台形における上底部分となる、ほぼ輝度が一定になって拡散角度と輝度との相関が第1の直線に近似される範囲を、第1の範囲E1とする。また、この第1の範囲E1における拡散角度が0度に近くなる側において、前記略台形における一方の脚部分となる、ほぼ輝度が一定に変化して拡散角度と輝度との相関が第2の直線に近似される範囲を、第2の範囲E2とする。
そして、図6(b)に示すように、これら各範囲における前記第1の直線L1と前記第2の直線L2との交点Qの拡散角度が、マイナスとなる位置にある散乱フィルムを用いるのが望ましい。
このようにすれば、散乱フィルムの、0度で拡散する光の輝度が、第1の範囲E1になることで高くなる。したがって、図10に示した従来の散乱フィルムに比べ、散乱フィルムの正面又はその近傍での輝度が格段に向上する。
以上に説明したように、本実施形態の液晶表示装置1にあっては、散乱フィルム16として、該散乱フィルム16の表面に直交する基準面19に対して一方の側をマイナス側、他方の側をプラス側とすると、光入射側がマイナス側となるように配置され、かつ、その拡散角度範囲がマイナス側の所定角度からプラス側の所定角度となる拡散特性を有して形成されたものを用い、さらに、反射板14で反射した後の出射時にのみ拡散する方向に貼ることで、散乱フィルム16に対する正面又はその近傍での輝度が大幅に向上し、表示品質に優れたものとなる。
また、散乱フィルムに近い側となる一方の基板の板厚を0.2mm以下としているので、反射板14を反射した光の散乱フィルム16までの光路の距離が短くなる。したがって、光源が複数ある場合や、入射する光が拡散光である場合でも、表示画像にボケが生じることが抑制され、表示品質が向上したものとなる。
なお、このような液晶表示装置1にあっては、画素内にメモリーを備えているのが好ましく、このように構成することにより、消費電力の低減化を図ることができる。
図7は、本発明の電気光学装置としての、液晶表示装置の他の実施形態を示す図であって、この液晶表示装置の概略構成を模式的に示す側断面図である。
図7に示した液晶表示装置が図1に示した液晶表示装置1と異なるところは、前記偏光板18の外面側、すなわち散乱フィルム16の外側に、有機ELフロントライト20を設けた点である。
この有機ELフロントライト20は、有機ELパネルからなるもので、その発光方向を液晶セル2側に向けて、偏光板18上に貼設されたものである。
すなわち、この有機ELフロントライト20は、図8に示すように一対の透明基板間に有機EL素子からなる点光源21をグリッド状に多数アレイ配置してなるものである。点光源21を形成する有機EL素子は、一対の透明基板のうちの一方に形成された陽極(図示せず)と、他方に形成された陰極(図示せず)とを有し、これら陽極・陰極間に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等の各有機機能層を積層して形成された、公知の構成からなるものである。
なお、前記一対の基板のうちの、外側(液晶セル2と反対の側)に位置する基板には、点光源21に対応する位置に、有機EL素子で発光した光が液晶セル2側に向かうことなく、直接出射しないように遮光層(図示せず)が設けられている。ただし、点光源(有機EL素子)21は、前記したようにグリッド状に配置されており、それぞれが十分に小さく(小面積に)形成されているので、これら点光源21に対応する遮光層は、観測者にはほとんど視認されないようになっている。したがって、液晶セル2で形成され、散乱フィルム16で拡散されて形成された表示が、ほぼそのままで有機ELフロントライト20を透過し、観測者に視認されるようになっている。
また、点光源(有機EL素子)21は、それぞれ適宜な導光構造(図示せず)を有し、これによって前記偏光板18に対し、所定の向きに発光光を入射させるようになっている。すなわち、これら点光源21は、前記散乱フィルム16に対して、図1に示した基準面19のマイナス側から光を入射させるように、その導光構造が形成されている。
したがって、図7に示した液晶表示装置にあっては、太陽光や室内灯などの外部光源がない場合でも、有機ELフロントライト20の光によって表示を行うことが可能になっている。また、有機ELフロントライト20からの光が、散乱フィルム16に対してマイナス側から光を入射させるようになっているので、散乱フィルム16は、光の入射時に拡散することなく、反射板14で反射した後の出射時にのみ拡散するようになり、したがって、散乱フィルム16に対する正面又はその近傍での輝度が大幅に向上し、表示品質に優れたものとなる。
次に、前記構成の液晶表示装置を備える電子機器について説明する。
図9は、本発明の液晶表示装置を備える電子機器である携帯電話機を示す外観斜視図である。本実施形態における電子機器は、図9に示すような携帯電話機300であって、本体部301と、これに開閉可能に設けられた表示体部302とを有する。表示体部302の内部には表示装置303が配置されており、電話通信に関する各種表示が表示画面304において視認可能となっている。また、本体部301には操作ボタン305が配列されている。
そして、表示体部302の一端部には、アンテナ306が伸縮自在に取り付けられている。また、表示体部302の上部に設けられた受話部307の内部には、スピーカ(図示略)が内蔵されている。さらに、本体部301の下端部に設けられた送話部308の内部には、マイク(図示略)が内蔵されている。ここで、表示装置303には、図1又は図7に示した液晶表示装置が用いられている。
したがって、この携帯電話機300にあっては、表示装置303に対しその正面又はその近傍での輝度が高められ、しかもボケが防止されて表示品質が格段に高められた、優れたものとなる。
また、本発明の電子機器としては、携帯電話機以外にも、例えば電子ノート、パーソナルコンピュータ、電子ブック、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末等などを挙げることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1…液晶表示装置(電気光学装置)、10…第1基板(一方の基板)、11…第2基板(他方の基板)、12…液晶層、14…反射板(反射体)、16…散乱フィルム、19…基準面、20…有機ELフロントライト、21…点光源、52…基準面、P…観測者、S…光源、G…画素、E1…第1の範囲、E2…第2の範囲、L1…第1の直線、L2…第2の直線、Q…交点

Claims (5)

  1. 対向して配置された一対の基板間に電気光学材料が設けられ、前記一対の基板のうちの一方の基板側に散乱フィルムが設けられ、前記一対の基板のうちの他方の基板側に反射体が設けられてなり、
    前記散乱フィルムは、入射する光を透過し、前記反射体から反射した光を拡散すると共に、該散乱フィルムの表面に直交する基準面に対して一方の側をマイナス側、他方の側をプラス側とすると、前記入射する光がマイナス側となるように配置され、かつ、その拡散角度範囲が前記散乱フィルムの法線方向を0度とすると、前記マイナス側の所定角度から前記プラス側の所定角度となる拡散特性を有して形成されてなり、
    前記一方の基板の板厚が、0.2mm以下であることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記散乱フィルムは、その拡散特性が、拡散角度と輝度との相関を表すグラフにおいて、ほぼ輝度が一定になって拡散角度と輝度との相関が第1の直線に近似される第1の範囲と、この第1の範囲における前記拡散角度が0度に近くなる側において、ほぼ輝度が一定に変化して拡散角度と輝度との相関が第2の直線に近似される第2の範囲と、を有し、前記第1の直線と前記第2の直線との交点が、前記拡散角度がマイナスとなる位置にあるものであることを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
  3. 前記散乱フィルムの外側に、有機ELフロントライトが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記散乱フィルムは、第1の方向から入射する光を透過し、第2の方向から入射する光を拡散する特性を有し、前記第1の方向が前記マイナス側となるように配置されており、
    前記有機ELフロントライトは、その光が、前記第1の方向から前記散乱フィルムに入射されるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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