JP2011180195A - 現像方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、高温高湿や低温低湿といった環境下での高速印刷において長期使用した際であっても、安定した画像が得られる現像方法を提供することにある。
【解決手段】 軸芯体と、前記軸芯体の外周に設けられた弾性層と、前記弾性層の外周に設けられ、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂を主成分とし、表面に凸部を形成するための樹脂粒子を含有する表面層とを有するトナー担持体と、
トナー粒子に、少なくともシリカ微粉体を外添したトナーとを用いる現像方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法などを利用した記録方法に用いられる現像方法に関するものである。詳しくは、複写機、プリンター、ファクシミリ等に利用し得る画像記録装置に用いられる現像方法に関するものである。
近年、プリンターの技術動向はマシンの小型化、高速化、高画質化、長寿命化(長期使用にわたって安定した画像が得られる)の方向に進んでおり、家庭からオフィスを問わず様々な使用用途・使用環境下にて用いられるようになってきた。
前記状況の中、高温高湿環境から低温低湿環境に至るまで多岐にわたる環境下においても長期使用した際に安定した画像を提供しうる現像方法が求められている。
このような中、トナー担持体の特性改善は、多岐にわたる使用環境下において画質低下の少ない高耐久性を達成する為の一つの手段である。
トナー担持体に求められる特性としては、一般的に(1)トナーへの均一で且つ高い帯電付与性、(2)均一なトナー搬送性が挙げられる。
これらの特性を改善する為に、トナー担持体の軸芯体の外周に弾性層を有し、更にその外周に樹脂表面層を有し、樹脂表面層中に樹脂微粒子を分散させることが効果的であることが知られている。
無機微粉末が固着した樹脂粒子を用いることでトナー担持体中での樹脂粒子の分散性を著しく向上させ、その結果、様々な環境下での耐久性が向上し、長期使用時の濃度低下や帯電性能変化を抑制する方法が報告されている(例えば特許文献1)。
しかしながら、前記トナー担持体を現在求められているより厳しい環境下において高速・高寿命プリンターに適用したところ、トナー及びトナー担持体に著しく負荷がかかる長期使用後においていまだ課題を有していることがわかった。
即ち、更なる高速印刷での長期使用による外部ストレスが加わった場合に、トナー担持体表面層より無機微粉末が固着した樹脂粒子が剥がれ落ちることによって、長期にわたって安定したトナー帯電性、トナー搬送性が得がたくなる傾向にあった。
また、近年のトナーは低温定着性能が求められており、更なる高速印刷での長期使用によって、トナー規制部材とトナー担持体の周擦熱と外部ストレスがトナーに加わった場合には、トナー規制部材、またはトナー担持体へトナー融着が発生することがある。
特に高温高湿環境下においては、トナー規制部材とトナー担持体との間での周擦によるトナーの温度上昇が著しく、前記現象が顕著に見られる傾向にあった。
これら解決のためには、現像担持体とトナーの各々の改良だけでは求められる性能を達成するのが困難であった。
即ち、更なる高速印刷であっても多岐にわたる環境下において長期にわたり安定した画質を達成することが求められているのが実状である。
特登録03087994号公報
本発明の目的は、上記課題を解決することにある。
即ち、多岐にわたる環境下での高速印刷においても、長期使用した際に安定した画像が得られる現像方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の構成により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、トナー規制部材でトナー担持体上のトナーを規制する工程、静電潜像担持体上の静電潜像を前記トナー担持体上のトナーを用いて現像する工程を少なくとも有する現像方法であって、
前記トナー担持体は、軸芯体と、前記軸芯体の外周に設けられた弾性層と、前記弾性層の外周に設けられ、トナー担持体表面に凸部を形成するための樹脂粒子を含有する表面層とを有しており、
前記表面層は、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂を主成分とし、
i)前記表面層がウレタン樹脂を主成分とする場合は、前記樹脂粒子がウレタン樹脂粒子であり、
ii)前記表面層がアクリル樹脂を主成分とする場合は、前記樹脂粒子がアクリル樹脂粒子であり、
前記樹脂粒子は無機微粒子によって表面が被覆されており、前記樹脂粒子の前記無機微粒子による被覆率が10乃至90%であり、
前記トナーは、トナー粒子に、少なくともシリカ微粉体を外添したトナーであり、下式
A=(トナー粒子1.00gに対する表面シリカ量(g))/(トナーの理論比表面積(m/g))
で定義される表面シリカ指数Aが1.5×10−2乃至6.0×10−2であることを特徴とする現像方法に関する。
本発明により、高温高湿や低温低湿といった環境下での高速印刷において長期使用した際であっても、安定した画像を提供しうる現像方法を得ることができる。
すなわち、高温高湿環境下における長期間にわたる高速印字においても、トナーがトナー規制部材やトナー担持体に融着することなく、安定した画像を得ることが可能な現像方法を得ることができる。
トナーの表面処理工程において使用される表面処理装置(概略的断面図)の一例を示す。 図1に示す表面処理装置のトナー供給口及び気流噴射部材の概略的断面図を示す。
以下、本発明の実施の形態を示して、本発明を詳細に説明する。
トナー担持体表面層の樹脂粒子に無機微粒子を固着させることによって、トナー担持体製造時の樹脂粒子の分散性を向上することが可能になり、より均一に樹脂粒子を表面層内に分散させることができる。その結果、より均一なトナー搬送が可能になる。
一方で、単純に無機微粒子を固着させた樹脂粒子においては、現在のような高速高寿命プリンターにおいては、トナー担持体に加わる負荷が大きく、大量の枚数を印刷した際に表面層より樹脂粒子が剥がれ落ちることによる画像欠陥が発生しやすい傾向にあった。
本発明者らは鋭意検討の結果、樹脂粒子と表面層の組成、及び樹脂粒子の被覆率を制御することによって樹脂粒子の分散性と剥がれ落ち抑制の両立が可能になることを見出した。
本発明を達成するためには、樹脂粒子の前記無機微粒子による被覆率が10乃至90%であることが必須であり、より好ましくは30乃至80%である。被覆率が10%よりも小さい場合は無機微粒子被覆による効果を十分に得ることができない。また、被覆率が90%よりも大きい場合は、樹脂粒子が剥がれ落ちることによる画像欠陥が発生しやすい。その結果、トナー担持体のトナー搬送が不均一になり、ハーフトーン画像ムラが発生するようになる。
しかしながら、本発明者らの検討により樹脂粒子の前記無機微粒子による被覆率が10乃至90%を満たすだけでは樹脂粒子の分散性と剥がれ落ち抑制の両立は不十分であることがわかった。
本発明において、トナー担持体の表面層は、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂を主成分としており、前記結着樹脂がウレタン樹脂を主成分とする場合は、前記樹脂粒子がウレタン樹脂粒子であり、前記結着樹脂がアクリル樹脂を主成分とする場合は、前記樹脂粒子がアクリル樹脂粒子であることが重要である。
具体的なメカニズムは明確になっていないが、表面層と樹脂粒子がこのような組み合わせの場合、トナー担持体中の表層樹脂と樹脂粒子との界面での密着性が向上するためと考えられる。この理由は、化学結合が生じるためか、親和性が高いことによるものと思われる。そのため、トナー担持体に加わる負荷が大きい高速高寿命プリンターであっても、樹脂粒子の剥がれ落ちが抑制されると考えられる。
さらに検討を行っていくと、本発明で用いるトナー担持体と組み合わせて、表面シリカ量を制御したトナーを使用することで、これまでにない高いレベルの画像安定性を発揮できることが明らかになった。特に従来までのトナー担持体とトナーを用いた現像方法では解決が困難であった高速印刷時の高温高湿環境下での長期使用時に発生するスジ状の画像弊害が大幅に軽減されることがわかった。
スジ状の画像弊害は、高温多湿環境下において高速印刷を行った際にトナー規制部材とトナー担持体上に担持されたトナーがトナー規制部材との周擦を受けることで高温になり、トナー規制部材、またはトナー担持体に融着することで発生すると考えられている。
特に、従来までのトナー担持体においては樹脂粒子の剥がれ落ちた凹部分にトナーが溜まり、周擦を受け続けることや、樹脂粒子がトナー担持体表面に露出することによって、トナー担持体へのトナー融着が起こりやすい傾向にあった。
具体的なメカニズムはわかっていないが、本発明において高温高湿環境下での高速印刷時のトナー融着が抑えられる理由として以下のように推測している。本発明のトナー担持体においては樹脂粒子の剥がれ落ちが抑制されるだけでなく、樹脂粒子が露出したとしても、無機微粒子が樹脂粒子表面をある程度被覆していると考えている。無機微粒子で被覆された樹脂粒子は、長期使用のストレスにより樹脂粒子が露出したとしても無機微粒子がある程度存在することで樹脂粒子母体とトナーとの直接的な接触を抑制し、トナーの融着を抑制する効果があると考えている。
さらに、本発明のトナーは表面シリカ指数が大きい点が大きな特徴である。表面シリカ指数はトナー表面に存在するシリカ量を示している指数であり、単純な外添工程で外添されたシリカの量だけで決定されるものではない。
シリカは、熱伝導率が小さいため、表面シリカ指数が大きいと周擦時のトナー粒子にかかる熱量は小さくなり、トナーのトナー規制部材及びトナー担持体への融着が進行しにくくなると考えている。また、トナー表面積あたりのシリカ量が大きいため、長期使用によってもトナー粒子が露出されにくい。そのため、樹脂粒子表面の樹脂粒子母体が露出している部分とトナー粒子同士の接触までも抑制することになり、比較的熱融着が起こりやすい樹脂粒子とトナー粒子の樹脂同士の融着が抑えられると考えている。
一方で、本発明のトナーは、表面シリカ指数が大きく、長期使用してもトナー表面にはシリカが存在する。そのため、露出した樹脂粒子表面の無機微粉体との相互作用により、高温高湿といった流動性が得がたい環境下であっても、従来までにない良好な流動性を発揮すると考えられる。その結果、摩擦による熱の発生が小さくなりトナーに対する熱的なダメージが小さくなり、長期にわたる高速印刷時においてもトナー規制部材及びトナー担持体へのトナー融着を大幅に改善できると推測している。さらには、本発明の構成では長期にわたり良好なトナー流動性が可能になるため、高温高湿環境下に放置した後であっても、トナーが良好にトナー担持体とトナー規制部材の間を流動することで迅速にトナーが帯電すると考えられる。その結果、画像の白地部分にも帯電不良トナーが印字されてしまう所謂カブリといった問題を抑制することが可能になっていると予測している。
このように、本発明では、トナーとトナー担持体とが良好に相互作用することで、高温高湿環境下での高速印刷時においても従来までの現像方法では得られない画像安定効果が得られていると考えている。
本発明のトナーにおいて表面シリカ指数Aが1.5×10−2乃至6.0×10−2であり、好ましくは3.0×10−2乃至5.5×10−2である。表面シリカ指数Aが1.5×10−2より小さい場合、トナー表面のシリカ量が少ないため、高温高湿環境下での長期印刷時に適度な流動性と適度な耐久性を保てない傾向にある。また、表面シリカ指数Aが6.0×10−2よりも大きい場合、トナー表面へシリカを充分に固定し難くなる傾向にあり、長期印刷時に画像弊害を起こしやすい。表面シリカ指数が本発明の範囲内であれば、本発明の効果を達成することが可能である。表面シリカ指数を本範囲にするためには表面シリカ部数及びトナー表面積を適宜変更することで達成可能である。本発明において適度な流動性を維持するためにシリカ微粉体をトナー粒子に外添することが必須であり、表面シリカ部数を変化させるためには、外添時のシリカ添加量を変化することが一手段として挙げられる。但し、単純に外添時のシリカ添加量を増量するだけではトナー粒子表面にシリカ微粉体が充分に固定されないため、長期にわたって良好な画像安定性を得がたくなる傾向にある。
シリカ微粉体をトナーに外添する場合の好ましい添加量としては、トナー粒子100.00質量部に対し0.05乃至3.00質量部である。外添時のシリカ微粉体の添加量が0.05質量部未満の場合、トナーの流動性が維持できず、トナーにかかる負荷が増加する傾向にある。外添時のシリカ微粉体の添加量が3.00質量部を超える場合、シリカ微粉体がトナーから遊離しやすくなり、トナー担持体、規制部材にシリカ微粉体が融着することで、画像弊害が生じる場合がある。
本発明を満たす表面シリカ指数を達成するためには、シリカ微粉体をトナー表面に固着させるなど、シリカ微粉体をトナー粒子表面に固定する手段を単純な外添工程の他に併用しても良く、固定する手段としては公知の如何なる手段を利用しても構わない。一例を示すと、シリカ微粉体を一度外添(プレ外添工程)した後に、熱処理などを行いシリカをトナー粒子に固着(熱処理工程)させ、更に、シリカを外添(外添工程)することでシリカの固定を達成しながら、表面シリカ指数を高くする手段が挙げられる。
また、トナー粒子中にシリカ微粉体を添加することも表面シリカ指数を高くする一つの手段である。この方法によって、添加シリカの全てをトナー粒子表面に存在させることは困難であるものの、添加したシリカの一部分は表面に存在するため、結果として表面シリカ指数を高くすることが可能である。
これら手段を利用することで、単純な外添では制限される量以上のシリカをトナー表面に存在させることが可能になる。
また、前記トナーの平均円形度は0.950以上であることが好ましい。平均円形度が0.950より小さいと長期印刷時に適度な流動性を維持することができないため、トナーがトナー規制部材とトナー担持体との周擦によってダメージを受け、トナー融着などの画像弊害につながる傾向にある。
前記トナーは、気相中にて熱による球形化処理を経たものであることが好ましい。熱による処理をすることで、より高い水準の平均円形度が達成可能であると共に、平均円形度では表せない微小なレベルでの表面の荒れを減らすことも可能になり、長期に渡り適度な流動性を維持することが可能である。また、熱球形化処理前に前述したプレ外添工程を行った場合、シリカ微粉体のトナー粒子表面への固定が可能になり、本発明の効果を得やすくなる傾向にある。
本発明の現像方法についてさらに説明する。
本発明における現像方法においては、トナーを表面に担持しながら静電潜像担持体上に搬送するトナー担持体と、トナー担持体表面に担持されたトナーを介してトナー担持体に当接するように設けられ、トナー担持体表面のトナーの付着量を規制するトナー規制部材とを用いる。
前記トナー担持体に対するトナー規制部材の圧接圧は、0.05乃至1.00N/cmであることが好ましい。当接圧が上記の範囲内である場合、トナーに対してより良好な帯電を付与することができ、また過度のトナーの劣化を抑制することができる。
本発明におけるトナー担持体は、導電性軸芯体の外周上に、弾性層と表面層とを有する。
導電性軸芯体は、トナー担持体の電極及び支持部材として機能する。その材質としては、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属又は合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂などが挙げられる。軸芯体の外径は通常4〜10mm程度である。
弾性層の樹脂基材としては、具体的には、以下のものを挙げることができる。ポリウレタン、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、適度な弾性を有しながら圧縮永久歪みが小さいシリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、これらポリシロキサンの共重合体等が挙げられる。これらの1種を、あるいはこれらの2種以上を必要に応じて組み合わせて用いることができる。
弾性層に導電性を付与するために導電性物質を添加してもよい。導電性物質としては、電子導電性物質、イオン導電性物質などいずれのものであってもよい。電子導電性物質としては、「ケッチェンブラックEC」(商品名、ライオン(株)製)、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したカラーインク用カーボンを例示することができる。その他、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物を挙げることができる。これらの導電性物質は1種を、あるいはこれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、少量で導電性を制御しやすいことから導電性カーボン、ゴム用カーボン、カラーインク用カーボン等のカーボンブラックが好ましい。イオン導電性物質としては、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等の無機化合物;変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルアンモニウムアセテート等の有機化合物を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を併用することができる。
これら導電性物質は、弾性層を所望とする体積抵抗率にするのに必要な量で用いられる。導電性物質は、例えば、樹脂基材100.0質量部に対して0.5乃至50.0質量部の範囲で用いることができ、より好ましくは1.0乃至30.0質量部の範囲で用いることができる。
また、弾性層の電気抵抗は1×10Ω以上、1×1013Ω以下であることが好ましく、より好ましくは1×10Ω以上、1×1012Ω以下である。
また、弾性層のAsker−C硬度は25°乃至70°であることが好ましく、より好ましくは30°乃至60°が好適である。この範囲に設定することにより、感光体との接触ニップ幅を安定的に確保できる。Asker−C硬度の測定は、ゴム材硬度の測定法に従い、具体的には、基準規格アスカーC型SRIS(日本ゴム協会規格)0101に従って別途作製した試験片を用いて、アスカーゴム硬度計(高分子計器社製)により測定した。
弾性層の製造方法としては以下の方法が挙げられる。適宜接着剤などを塗布した導電性軸芯体の外周に弾性層を作製する。弾性層の作製方法には、導電性軸芯体を配した成型金型のキャビティ内に弾性層成形用の組成物を注入し、加熱や、活性エネルギー線の照射等により反応硬化又は固化させ、導電性軸芯体と一体化して作製する方法がある。また予め、弾性層成形用組成物を用いて別途成形したスラブやブロックから、切削加工等により、所定の形状及び寸法のチューブ状を切り出し、これに導電性軸芯体を圧入して導電性軸芯体上に弾性層を作製してもよい。さらに、弾性層を切削や研磨処理によって所定の外径に調整してもよい。
トナー担持体の表面層は、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂を主成分とし、表面に凸部を形成するための樹脂粒子を含有する。
前記表面層はウレタン樹脂またはアクリル樹脂を主成分としていれば良く、その他の樹脂としては特に制限されない。使用される現像システムに応じたトナー帯電量を得ることができるように適宜選択して用いればよい。また、ウレタン樹脂が主成分であると本発明の効果を得やすくなる点で特に好ましい。
ウレタン樹脂の原料はポリオールとイソシアネート、必要に応じて鎖延長剤から構成される。ウレタン樹脂の原料たるポリオールとしては以下のものが例として挙げられる。ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、及びこれらの混合物。ウレタン樹脂の原料たるイソシアネートとしては例として以下のものが挙げられる。トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート及びこれらの混合物。ウレタン樹脂の原料たる鎖延長剤としては以下のものが挙げられる。エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオールの如き2官能低分子ジオール;トリメチロールプロパンの如き3官能低分子トリオール、及びこれらの混合物。
アクリル樹脂としては、以下のものが例として挙げられる。ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリアクリル酸ブチル、スチレン−アクリル共重合樹脂。
表面層に分散され、表面に凸部を形成するための樹脂粒子は、表面層の主成分の種類によって適した種類の樹脂粒子が選択される。即ち、前記表面層がウレタン樹脂を主成分とする場合は、前記樹脂粒子がウレタン樹脂粒子であり、前記表面層がアクリル樹脂を主成分とする場合は、前記樹脂粒子がアクリル樹脂粒子であることが必須である。これら樹脂粒子は前記樹脂粒子が主成分であれば本発明の効果を得ることが可能ではあるが、その存在比率が高いほど本発明の効果を得やすくなる傾向にある。
前記ウレタン樹脂粒子のウレタン樹脂としては、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリカーボネートウレタン、アクリル系ウレタン、など表面層のウレタン樹脂と接着可能なウレタン樹脂であれば特に制限はない。
前記アクリル樹脂粒子のアクリル樹脂としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレートなど表面層のアクリル樹脂と接着可能なアクリル樹脂であれば特に制限はない。
前記樹脂粒子の製造方法は特に限定することがなく、懸濁重合法や乳化重合法、粉砕法などの公知の製造方法が使用可能である。
樹脂粒子の平均粒子径としては、2μm乃至30μmの範囲で好適に用いることができる。特に、表面層の凸部を形成し、安定したトナー搬送性を得るためには、平均粒子径5μm乃至18μmの範囲のものがより好ましい。ここで、樹脂粒子の平均粒子径とは、個数基準のメジアン径であり、後で述べるトナー粒子のメジアン径の測定と同様の方法で測定することができる。
樹脂粒子は表面層中に無機微粒子で被覆された状態で存在している。無機微粒子としては、例えば、SiO、Al、TiO、SrTiO、CeO、CrO、ZnO、MgO等の如き酸化物;Si等の如き窒化物;SiC等の如き炭化物;CaSO、BaSO等の如き硫酸塩;CaCO等の如き炭酸塩等が挙げられる。これらの無機微粒子は必要に応じて疎水化や親水化などの表面処理を施してもかまわない。これらの中で特にSiOは、樹脂粒子が露出した際においてもトナーにより適正な流動性と帯電性を付与できる点で好ましい。これらの無機微粒子は1種類で用いても良く、複数種類併用しても良い。
無機微粒子の平均1次粒子径としては、5nm以上、200nm以下であることが、樹脂粒子に対する被覆性が良好となることから好ましい。さらに、少量添加で効果的に被覆できることから、5nm以上、50nm以下であることがより好ましい。ここで、無機微粒子の平均1次粒子径は、個数基準の平均粒子径であり、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて測定することができる。
無機微粒子の添加量は樹脂粒子100質量部に対して0.01乃至1.00質量部であることが好ましい。上記の添加量であれば、十分な添加効果が得られる。
樹脂粒子に対して無機微粒子を被覆させる方法としては、本発明の範囲内の被覆率を達成することが可能であれば、特に限定することはなく、樹脂粒子と無機微粒子を混合し付着させる手法や樹脂粒子の合成中に無機微粒子を添加する方法などが例示される。その中でも効率よく樹脂粒子を被覆する観点では樹脂粒子と無機微粒子を混合することによって、付着させることが好ましい。その際には、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等を用いて被覆させることが可能である。
以下に、トナーについて説明する。
トナーに用いられる結着樹脂としては、公知の樹脂を用いることが可能である。例えば、ポリスチレン;スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリエステル樹脂;スチレン系共重合体とポリエステル樹脂とが化学的に結合したハイブリッド樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独もしくは混合して用いても良い。
スチレン系共重合体に用いる重合性モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。例えば、スチレン;α−メチルスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きモノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如きポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、の如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチルの如きアクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。さらに、マレイン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸等が挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
ポリエステル樹脂を構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分が挙げられる。これらのモノマー成分としては公知のものを用いることができる。
例えば、2価以上のアルコールモノマー成分として、以下のものが挙げられる。2価アルコールモノマー成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコールモノマー成分としては、ソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。また、その他のモノマーとしては、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類等が挙げられる。
2価のカルボン酸モノマー成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6乃至18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸モノマー成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸等が挙げられる。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40℃以上、90℃以下が、熱風による表面処理を行う場合、トナー同士の合一を防ぐことができ、好ましい。更に好ましくは、45℃以上85℃以下である。
また、トナーに用いられるワックスとしては、公知のものを用いることができる。具体的には、以下のものが例示される。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニルエステルワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの。
特に好ましく用いられるワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックス及び脂肪酸とアルコールのエステルであるエステル化物が挙げられる。
また、上記トナーに用いられるワックスは、示差走査熱量分析(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、温度30℃以上、200℃以下の範囲に存在する最大吸熱ピークのピーク温度が45℃以上、140℃以下の範囲にあることが好ましい。更に好ましくは65℃以上、120℃以下の範囲であり、特に好ましくは65℃以上、100℃以下の範囲である。
上記ワックスの含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して3.0質量部以上、20.0質量部以下であることが好ましい。より好ましくは、3.0質量部以上、15.0質量部以下であり、更に好ましくは3.0質量部以上、10.0質量部以下である。
トナーとしてのガラス転移温度(Tg)は、40℃以上90℃以下が好ましく、軟化温度(Tm)は、80℃以上150℃以下が、保存性、低温定着性、耐高温オフセット性を両立させる上で好ましい。また、熱風による表面処理を行う場合、効率よく球形化が可能で、かつ、トナー同士の合一を防ぐことができ、好ましい。
また、着色剤としては、例えば、以下のものを用いることができる。尚、着色剤を用いる場合には、顔料単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点から好ましい。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調整したものが挙げられる。
マゼンタトナー用着色顔料しては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。マゼンタトナー用染料としては、公知の油溶染料や塩基性染料が挙げられる。
シアントナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
上記着色剤の使用量は、結着樹脂100.0質量部に対して好ましくは0.1質量部以上30.0質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上20.0質量部以下であり、さらに好ましくは3.0質量部以上15.0質量部以下である。
トナーには、その帯電性を安定させるために公知の荷電制御剤をトナー粒子に内部添加或いは外部添加して用いることができる。荷電制御剤は、荷電制御剤の種類や他のトナー構成材料の物性等によっても異なるが、内部添加する場合には、トナー中の樹脂100.0質量部当たり0.1〜10.0質量部であることが好ましく、0.1〜5.0質量部以下であることがより好ましい。
上記負帯電性の荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ダイカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。一方、正帯電性の荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
トナーの流動性、転写性、帯電安定性などを向上させる目的で、トナー粒子に、外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機で混合して用いることが可能である。
外添剤としてはシリカ微粉体等の公知のものが使用できる。
シリカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ又はヒュームドシリカ、及び水ガラスから製造される湿式シリカが挙げられる。
乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタン他の如き金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体であっても良い。
前記シリカ微粉体のBET比表面積は30乃至400m/gが好ましい。BET比表面積が上記の範囲内であれば、耐久後であっても良好な流動性が得られる。
シリカ微粉体を疎水化処理することによって、トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上、高湿環境下での特性の向上を達成することができるので、疎水化処理されたシリカ微粉体を用いることが好ましい。無機微粉体の疎水化処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で或いは併用して用いられても良い。その中でも、シリコーンオイルにより処理された無機微粉体が好ましい。より好ましくは、無機微粉体をカップリング剤で疎水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオイルにより処理した疎水化処理無機微粉体が高湿環境下でもトナー粒子の帯電量を高く維持し、安定した画像を提供することができる点でよい。
シリカ微粉体以外にも下記微粉末を好適に用いることが可能である。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;酸化チタン微粉末、アルミナ微粉末;それらをシラン化合物、及び有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施したもの。上記酸化チタン微粉末であれば、硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物、例えばチタンアルコキシド,チタンハライド,チタンアセチルアセトネートの低温酸化(熱分解,加水分解)により得られる酸化チタン微粉末が用いられる。結晶系としてはアナターゼ型,ルチル型,これらの混晶型,アモルファスのいずれのものも用いることができる。上記アルミナ微粉末であれば、バイヤー法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法、水中火花放電法、有機アルミニウム加水分解法、アルミニウムミョウバン熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、塩化アルミニウムの火焔分解法により得られるアルミナ微粉末が用いられる。
上記微粉末も、その表面がカップリング剤やシリコーンオイルによって疎水化処理をされていることがより好ましい。微粉末の表面の疎水化処理方法は、微粉末と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的、または物理的に処理する方法である。
上記外添剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m/g以上、好ましくは50m/g以上のものが特性付与の観点から好ましい。外添剤の添加量は、トナー粒子100.00質量部に対して0.02質量部以上8.00質量部以下が好ましく、より好ましくは0.05質量部以上4.00質量部以下である。
次に、トナーを製造する手順について説明する。
トナーの製造方法は特性を達成可能なものであれば特に限定することがなく、公知の製造方法が使用可能である。
トナー製造方法として一般的な粉砕法を例にして以下に説明する。粉砕法のトナー製造方法では、結着樹脂、及びワックス、並びに任意の材料を溶融混練し、これを冷却して粉砕し、必要に応じて粉砕物の球形化処理、表面処理、及び分級処理を行い、これに外添剤を混ぜることによって製造することが可能である。
上記の表面処理としては、例えば図1で表される熱風により表面処理を行う表面処理装置を用いることができる。分級工程は、表面処理の前であっても、後であってもよい。
また、前述したように、シリカ微粉体及び外添剤を予め混合した後、熱風により表面処理を行っても良い。
表面処理装置の概略を、図1、図2を用いて説明する。
図1は表面処理装置の一例を示した断面図であり、図2は気流噴射部材の一例を示した断面図を示す。
トナー供給口100から供給されたトナー114は、エア供給ノズル115から噴射されるインジェクションエアにより加速され、その下方にある気流噴射部材102へ向かう。図2に示すように、気流噴射部材102からは拡散エア110が噴射され、この拡散エア110によりトナーが上方及び外側へ拡散する。この時、インジェクションエアの流量と拡散エアの流量とを調節することにより、トナーの拡散状態をコントロールすることができる。更に、トナーの融着防止を目的として、トナー供給口100の外周、表面処理装置外周及び移送配管116外周には冷却ジャケット106が設けられている。尚、該冷却ジャケットには冷却水(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を通水することが好ましい。また、拡散エアにより拡散したトナーは、熱風供給口101から供給された熱風により、表面が処理される。この時、熱風供給口内温度Cは100℃以上450℃以下であることが好ましい。上記の温度範囲であれば、均一に近い状態に処理することができ、且つ粒子の合一を抑制することができる。熱風により表面処理されたトナーは、装置上部外周に設けた冷風供給口103から供給される冷風により冷却される。この時、装置内の温度分布管理、トナーの表面状態をコントロールする目的で、装置の本体側面に設けた第二の冷風供給口104から冷風を導入しても良い。第二の冷風供給口104の出口はスリット形状、ルーバー形状、多孔板形状、メッシュ形状等を用いる事ができ、導入方向は中心方向へ水平、装置壁面に沿う方向が、目的に応じて選択可能である。この時、上記冷風供給口内及び第二の冷風供給口内の温度E(℃)は−50℃以上10℃以下であることが好ましい。また、上記冷風は除湿冷風であることが好ましい。具体的には、絶対水分量が5g/m以下であることが好ましい。
次に、図2を用いて、表面処理装置内に具備した気流噴射部について説明する。図2は気流噴射部材の一例を示した断面図である。図2に示すとおり、トナー供給口100上部から定量供給機により供給されたトナーは、同管内でインジェクションエアにより加速され出口部へ向かい、装置内に設置された気流噴射部材102からの拡散エアにより外側へ拡散する。尚、気流噴射部材102の下端はトナー供給口100から5mm以上150mm以下の位置に装備されている。気流噴射部材の下端が上記の位置に配置されていると、高い処理能力を確保できるうえ、各粒子に対して均一な処理を行うことができる。また、トナー供給口100の外周には、結露防止を目的とした気流供給口111を、トナー供給口100と冷却ジャケット106の間に設けても良い。この結露防止のための気流は、拡散エア、又は上記冷風、第二の冷風と共通の供給機から導入しても良く、取り入れ口を開放として、外気を取り入れても良い。また、緩衝エアとして取り入れ口を閉鎖した状態で装置を運転する事も可能である。
また、必要に応じて、例えば奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムを用いて更に表面処理及び球形化処理を行ってもよい。このような場合では必要に応じて風力式篩のハイボルター(新東京機械社製)等の篩分機を用いても良い。
更に、外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
次に本発明における各種物性の測定方法について説明する。
<無機微粉体による樹脂粒子の被覆率の算出>
トナー担持体の表面層を導電性軸芯体に対して垂直方向にカミソリ刃で切り出し、可視光硬化型アクリル樹脂により包埋した。
次に、クライオシステム(商品名:「REICHERT−NISSEI−FCS」、ライカ社製)によりダイヤモンドナイフ装着のウルトラミクロトーム(商品名:「EM−ULTRACUT・S」、ライカ社製)でトリミング/面出し、超薄切片を作成した。
その後、透過型電子顕微鏡(商品名:「JEM−2100」、日本電子社製)で加速電圧200kVにて観察を行った。1つの画像に表層樹脂と樹脂粒子の界面における稜線の長さが2.0μm以上になるように、倍率を調整して写真を撮影し、その画像を用いて以下のようにして被覆率を求めた。
上記のように得られた透過電子顕微鏡(TEM)像より、表層樹脂と樹脂粒子の界面における稜線の長さ(L)を測定する。
次に無機微粒子が存在し、直接表層樹脂と樹脂粒子が接触していない前記稜線部分の長さの和(l)を測定する。そして下記式により被覆率を求める。
被覆率(%)=(l/L)×100 (式)
この測定方法により、トナー担持体の画像領域において任意の表面層50箇所の被覆率を算出し、その相加平均値を本発明における被覆率とする。尚、表層樹脂と樹脂粒子の界面に存在する物質はEDAX(非分散型X線分析装置)により元素分析を行った。
<表面シリカ部数の測定>
本発明では、トナー全体のシリカ部数と表面シリカを除去したトナーのシリカ部数との差から表面シリカ部数を算出している。
表面のシリカを除去するためには下記の手順を行う。尚、下記処理にてトナー表面のシリカのみが充分に除去できることは確認済みである。
ガラス製の200ml三角フラスコ中に10mol/lの水酸化ナトリウム水溶液100mlとトナー5gを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。上記トナー分散液をマグネットスターラーを使用して1時間攪拌する。発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。前記トナー分散液を入れた三角フラスコを前記超音波分散器にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、三角フラスコ内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整し、60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。更に、上記トナー分散液をマグネットスターラーを使用して4時間攪拌する。上記トナー分散液を濾過し、得られた濾物をイオン交換水200mlで2回洗浄する。その後、真空乾燥機にて40℃、1日間乾燥を行う。上記処理品とトナーとのシリカ部数の差からトナー表面シリカ部数が算出できる。
シリカ部数の算出には蛍光X線が使用可能である。蛍光X線の測定は、JIS K 0119−1969に準ずるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。尚、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中に、トナー又は上記処理品を物約4gを入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ約2mm、直径約39mmに成型したペレットを用いる。上記条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からその濃度を算出する。
以下に、トナー中のシリカ部数の算出方法を具体的に示す。
トナー粒子100.00質量部に対して、シリカ(SiO)微粉末を0.10質量部となるように添加し、コーヒーミルを用いて充分混合する。同様にして、シリカ微粉末を1.00質量部、5.00質量部、10.00質量部となるようにトナー粒子とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とする。
それぞれの試料について、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにして検量線用の試料のペレットを作製し、PETを分光結晶に用いた際に回折角(2θ)=109.08°に観測されるSi−Kα線の計数率(単位:cps)を測定する。この際、X線発生装置の加速電圧、電流値はそれぞれ、24kV、100mAとする。得られたX線の計数率を縦軸に、各検量線用試料中のシリカ部数を横軸として、一次関数の検量線を得る。
次に、分析対象のトナーを錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにしてペレットとし、そのSi−Kα線の計数率を測定する。そして、上記の検量線からトナー粒子1.00質量部に対するシリカ部数を求める。
ここで得られたトナーのシリカ部数と処理品のシリカ部数の差から、トナー粒子1.00質量部に対するトナー表面シリカ部数が算出可能である。
<トナー粒子の個数基準のメジアン径D50tの測定>
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。
そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。
この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。
超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、個数基準のメジアン径D50tを算出する。尚、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」がトナーの個数基準のメジアン径D50tである。
<トナーの理論比表面積の測定>
トナーの粒子径分布より求められる理論比表面積(m/g)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定は、前述のトナーの個数基準のメジアン径D50tの測定と同様とする。測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、後述のように理論比表面積を算出する。まず、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面において以下の結果を算出させる。測定されたトナーサンプルの粒子径分布(個数統計値)の測定結果において以下の16チャンネルに分割して各レンジの範囲内の粒子径の個数%を算出する。
CH レンジ DIF%(個数%)
1 1.587乃至2.000μm N
2 2.000乃至2.520μm N
3 2.520乃至3.175μm N
4 3.175乃至4.000μm N
5 4.000乃至5.040μm N
6 5.040乃至6.350μm N
7 6.350乃至8.000μm N
8 8.000乃至10.079μm N
9 10.079乃至12.699μm N
10 12.699乃至16.000μm N10
11 16.000乃至20.159μm N11
12 20.159乃至25.398μm N12
13 25.398乃至32.000μm N13
14 32.000乃至40.317μm N14
15 40.317乃至50.797μm N15
16 50.797乃至64.000μm N16
次に各レンジの粒子径範囲の粒子は、全て各レンジのちょうど中間値の粒子径を有する比重1.00(g/cm)の真球粒子と仮定して(例えば1.587乃至2.000μmのレンジの粒子は全て1.7935μmと仮定する)各レンジの粒子の粒子1個当たりの表面積と各レンジの粒子の個数%から、測定したトナー1.00gあたりのトナー理論比表面積(m/g)を算出する。つまり、あるレンジの中間の粒子の半径をRn(m)、そのレンジの個数%をNn(個数%)として、該当する全レンジについて計算していくと、トナーの粒子径分布より求められる理論比表面積は下式より算出される。
理論比表面積=
{Σ(4πRn×Nn)}/[Σ{(4/3)πRn×Nn×1.00×10−6}]
(式中、n=1乃至16)
<表面シリカ指数の測定>
表面シリカ指数Aは式(1)に示したように、前述した表面シリカ部数をトナー1.00gあたりのトナー理論表面積で除することで算出される。
A=(トナー粒子1.00gに対する表面シリカ量(g))/(トナーの理論比表面積(m/g)) 式(1)
<トナーの平均円形度の測定>
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512の画像処理解像度(一画素あたり0.37μm×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200乃至1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。測定には、対物レンズとして「UPlanApro」(倍率10倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
以下に実施例をもって本発明を説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
<樹脂粒子母体(1)の作製例>
あらかじめ窒素ガスで充分に置換し、乾燥させた2Lオートクレーブを用意した。該オートクレーブに、3官能のポリプロピレンポリオール「MN−400」(商品名、三井武田化学ポリウレタン社製 水酸基価235mgKOH/g)700gとへキサメチレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製)1000gを仕込んだ。次に、窒素ガスにて上方置換させた後密閉し、120℃で20時間撹拌して反応させた。その後減圧下で未反応のヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、トルエンを加えて不揮発分90質量%の合成物(1)を得た。この合成物(1)のNCO%は9.1%であった。
次に、2L撹拌機付きセパラブルフラスコに水900gを仕込み、この中に「メトローズ90SH−100」(商品名、信越化学工業社製)32gを溶解して分散媒を調製した。そして、この分散媒を500rpm撹拌下において、合成物(1)261gをトルエン112gで希釈した溶液を加え、懸濁液を調製した。そのまま撹拌下において懸濁液を60℃に昇温させ、1.5時間反応させた。その後室温まで冷却し、固液分離し、水で充分洗浄した後70℃、20時間乾燥して、平均一次粒子径6.2μmのエーテルウレタンである樹脂粒子母体(1)を得た。
<樹脂粒子母体(2)の作製例>
アクリル樹脂として旭化成ケミカルズ(株)製のデルペット60N 100質量部をヘンシェルミキサーにより十分予備混合し、二軸押出し混練機で任意のバレル温度にて溶融混練した。冷却後ハンマーミルを用いて粗粉砕し、第一段階として機械式粉砕方式による微粉砕機で10μm以下の粒径に微粉砕した。さらに、第二段階として、微粉砕物を粉砕条件を変更した機械式粉砕機より更に粉砕処理し、得られた微粉砕物を熱球形化装置によって任意の温度にて熱球形化処理した。その後、得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級機(日鉄鉱業社製エルボージェット分級機)により分級し、平均1次粒子径6.5μmのアクリル樹脂粒子である樹脂粒子母体(2)を得た。
<樹脂粒子(1)の作製例>
以下の材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて回転数4000rpmの条件で5分間混合工程を行い樹脂粒子(1)を得た。
樹脂粒子母体(1) 100.0質量部
シリカ1(トクヤマ社製 レオロシールMT−10(平均1次粒子径15nm))
0.30質量部
<樹脂粒子(2)乃至(8)、(10)、(11)の作製>
表1に記載の樹脂粒子母体、無機微粒子を用い、表2に記載の条件にする以外は樹脂粒子1の作製と同様にして樹脂粒子(2)乃至(8)、(10)、(11)を得た。
尚、表1中のシリカ2、チタニア、アルミナとして、以下のものを用いた。
シリカ2:日本アエロジル社製 OX50(平均1次粒子径30nm)
チタニア:テイカ社製 AMT−100(平均1次粒子径6nm)
アルミナ:日本アエロジル社製 AEROXIDE Alu C(平均1次粒子径13nm)
<樹脂粒子(9)の作製例>
樹脂粒子母体(1)に無機微粒子を添加・混合しないものを樹脂粒子(9)とした。
Figure 2011180195
<ポリオール化合物(1)の合成例>
メチルエチルケトン(MEK)79.6質量部にポリテトラメチレングリコール(商品名:「PTG1000SN」、保土谷化学社製)100.0質量部と4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:「コスモネートPH」、三井化学ポリウレタン社製)19.4質量部とを段階的に混合した。窒素雰囲気下75℃にて4.5時間反応させ、重量平均分子量Mw=12000、水酸基価22mgKOH/gのポリエーテルポリウレタンポリオール(1)のMEK溶液を得た。
<ポリオール化合物(2)の合成例>
メチルエチルケトン(MEK)79.6質量部にポリエステルポリオール(商品名:「P−1010」、クラレ社製)100.0質量部と4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:「コスモネートPH」、三井化学ポリウレタン社製)19.4質量部とを段階的に混合した。窒素雰囲気下75℃にて4.5時間反応させ、重量平均分子量Mw=11000、水酸基価21mgKOH/gのポリエステルポリウレタンポリオール(2)のMEK溶液を得た。
<イソシアネート化合物(1)の合成例>
窒素雰囲気下にて、ポリテトラメチレングリコール(商品名:「PTG1000SN」、保土谷化学社製)100.0質量部とポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:「ミリオネートMR−200」、日本ポリウレタン工業社製)69.6質量部を80℃で2時間加熱反応した。その後、ブチルセロソルブ 72.7質量部を加えた。
さらに、反応物温度50℃の条件下、2−ブタノンオキシム(Ardrich社製)を25.8質量部滴下し、重量平均分子量Mw=38000のイソシアネート化合物(1)のブチルセロソルブ溶液を得た。
<導電性軸芯体の作製例>
導電性軸芯体として、SUS304製の直径6mmの芯金にプライマ−(商品名:「DY35−051」、東レダウコーニングシリコーン社製)を塗布し、温度150℃にて30分間焼付けた。
<弾性層の作製例>
次に、導電性軸芯体を金型に配置し、液状導電性シリコーンゴム(東レダウコーニングシリコーン社製、ASKER−C硬度45度、体積抵抗率1×10Ω・cm)を金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを150℃で15分間加硫し、金型から脱型した後、200℃で2時間加熱して硬化反応を完結させた。このようにして導電性軸芯体の外周に直径12mmの弾性層を設けた。
<表面層結着樹脂含有塗料の作製例(1)>
以下の材料を撹拌モーターにより混合撹拌し、総固形分が30質量%になるようにMEKに溶解して、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層結着樹脂含有塗料(1)を得た。
ポリオール化合物(1) 62.0質量部(固形分として)
イソシアネート化合物(1) 38.0質量部(固形分として)
カーボンブラック(商品名:「MA100」、三菱化学社製) 20.0質量部
<表面層結着樹脂含有塗料の作製例(2)>
以下の材料を撹拌モーターにより混合撹拌し、総固形分が30質量%になるようにMEKに溶解して、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層結着樹脂含有塗料(2)を得た。
ポリオール化合物(2) 62.0質量部(固形分として)
イソシアネート化合物(1) 38.0質量部(固形分として)
カーボンブラック(商品名:「MA100」、三菱化学社製) 20.0質量部
<表面層結着樹脂含有塗料の作製例(3)>
以下の材料を撹拌モーターにより混合撹拌し、総固形分が30質量%になるようにMEKに溶解して、混合した後、サンドミルにて均一に分散し、表面層結着樹脂含有塗料(3)を得た。
アクリル樹脂(ヒタロイド3001;日立化成工業株式会社) 100.0質量部
イソシアネート化合物(コロネートL;日本ポリウレタン株式会社)12.0質量部
カーボンブラック(商品名:「MA100」、三菱化学社製) 20.0質量部
<トナー担持体の作製例(1)>
表面層結着樹脂含有塗料(1) 100質量部にウレタン樹脂粒子(1)を25質量部添加し、サンドミルにて均一に分散した後に、前記弾性層の上に浸漬塗工した。乾燥後、温度140℃にて2時間加熱硬化することで弾性層の外周に膜厚6.0μmの表面層を設けた。得られたトナー担持体をトナー担持体(1)とする。
<トナー担持体の作製例(2)乃至(13)>
トナー担持体の作製例(1)における表面層結着樹脂含有塗料および樹脂粒子を表2に記載のものを使用する以外は同様にして、トナー担持体(2)乃至(13)を得た。
Figure 2011180195
<トナー粒子の製造例(1)>
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン29質量部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン31質量部、テレフタル酸20.5質量部、無水トリメリット酸3.5質量部、フマル酸26質量部及び酸化ジブチル錫をガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を四つ口フラスコに取りつけ、この四つ口フラスコをマントルヒーター内に設置した。窒素雰囲気下195℃で3.5時間反応を進め、ポリエステル樹脂(1)を得た。得られたポリエステル樹脂(1)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた分子量分布測定により得られたピーク分子量(Mp)は6,700、示差走査熱量分析装置を用いてASTM D3418−82に準じて測定されたガラス転移温度(Tg)は64℃であった。
次に下記に示す材料及び製法を用いて評価用トナーを作製した。
・上記ポリエステル樹脂(1) 100.00質量部
・C.I.Pigment Blue15:3 5.00質量部
・負荷電性制御剤(オリエント化学工業社製:ボントロンE88)0.60質量部
・ワックス(日本精蝋製:HNP−10) 5.00質量部
・シリカ微粉体(AEROSIL社製 RX200) 3.00質量部
・ジビニルベンゼン 0.30質量部
上記処方をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、温度120℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて粉砕した。さらにコアンダ効果を利用した多分割分級機(日鉄鉱業社製エルボージェット分級機)により分級を行い、トナー粒子(1)を得た。得られたトナー粒子(1)の個数基準のメジアン径D50tは7.1μmであった。
<トナー粒子の製造例(2)>
シリカ微粉体を添加しない以外はトナー粒子の製造例(1)と同様にして、トナー粒子(2)を得た。得られたトナー粒子(2)の個数基準のメジアン径D50tは7.5μmであった。
<トナー粒子の製造例(3)>
機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)による粉砕条件と分級条件とを変更する以外はトナー粒子の製造例(1)と同様にしてトナー粒子(3)を得た。得られたトナー粒子(3)の個数基準のメジアン径D50tは9.7μmであった。
<トナーの製造例(1)>
トナー粒子(1)を図1で示す表面処理装置において、熱処理を行った。運転条件はフィード量=5kg/hrであった。また、熱風温度C=260℃、熱風流量=6m/min、冷風(絶対水分量:2g/m)、第二の冷風温度E=5℃、冷風流量=5m/min、第二の冷風流量=1m/min、ブロワー風量=20m/min、インジェクションエア流量=1m/min、拡散エア=0.4m/minであった。さらにコアンダ効果を利用した多分割分級機(日鉄鉱業社製エルボージェット分級機)により分級を行い、平均円形度0.985の粒子を得た。
得られた粒子100.0質量部に対し、2.5質量部のシリカ微粉体(日本AEROSIL社製 RX200)を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて回転数4000rpmの条件で5分間混合工程を行い、トナー(1)を得た。
<トナーの製造例(2)>
トナー粒子(2)100.0質量部に対し、2.5質量部のシリカ微粉体(日本AEROSIL社製 RX200)を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて回転数4000rpmの条件で5分間混合工程を行った。
次いで、得られた粒子に対し、図1で示す表面処理装置を用いて熱処理を行った。
運転条件はフィード量=5kg/hrであった。また、熱風温度C=260℃、熱風流量=6m/min、冷風(絶対水分量:2g/m)、第二の冷風温度E=5℃、冷風流量=5m/min、第二の冷風流量=1m/min、ブロワー風量=20m/min、インジェクションエア流量=1m/min、拡散エア=0.4m/minであった。さらにコアンダ効果を利用した多分割分級機(日鉄鉱業社製エルボージェット分級機)により分級を行い、平均円形度0.981の粒子を得た。
得られた粒子100.0質量部に対し、3.0質量部のシリカ微粉体(日本AEROSIL社製 RX200)を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて回転数4000rpmの条件で5分間混合工程を行い、トナー(2)を得た。
<トナーの製造例(3)、(9)>
表3に示したシリカ添加部数でトナーを作製する以外は、トナーの製造例(1)と同様にしてトナー(3)、(9)を得た。得られたトナー物性を表3に記す。
<トナーの製造例(4)、(10)>
表3に示したシリカ添加部数でトナーを作製する以外は、トナーの製造例(2)と同様にしてトナー(4)、(10)を得た。得られたトナー物性を表3に記す。
<トナーの製造例(5)>
トナー粒子(1)の代わりにトナー粒子(3)を使用して、表3に示したシリカ添加部数でトナーを作製する以外は、トナーの製造例(1)と同様にしてトナー(5)を得た。得られたトナー物性を表3に記す。
<トナーの製造例(6)、(8)>
熱処理時の熱風温度を変更する以外は、トナーの製造例(2)と同様にしてトナー(6)、(8)を得た。得られたトナー物性を表3に記す。
<トナーの製造例(7)>
トナー粒子(2)に対し、表面改質装置ファカルティ(ホソカワミクロン社製)を用いて球形化及び微粉除去を行う作業を2回繰り返し、平均円形度0.951の粒子を得た。
得られた粒子100.0質量部に対し、2.5質量部のシリカ微粉体(日本AEROSIL社製 RX200)を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて回転数4000rpmの条件で5分間混合工程を行い、トナー(7)を得た。
Figure 2011180195
<実施例1>
画像形成装置としては市販のレーザープリンタLBP−3700(HP社製)の改造機(プロセススピードを250mm/sとし、トナー規制部材に現像バイアスに対して−200Vのブレードバイアスを印加できるように改造したもの)を使用した。評価は、画像出力用カートリッジのトナー担持体を上記トナー担持体(1)に取り替え、且つトナーとして上記トナー(1)を170g充填したものをシアンステーションに装着し、画像評価を実施した。尚、シアンステーション以外は通常の製品のカートリッジを装着して評価を行った。評価環境としては、常温常湿環境(N/N:温度23.5℃、湿度60.0%RH)と高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃、湿度80.0%RH)での評価を行った。
画像評価項目は下記の通りであり、画像評価は初期と紙上に1%となる印字率の画像を2万枚印字した後に行った。印字の際には2枚印刷するごとに7秒間の休止期間を設けた。
また、評価紙としてLETTERサイズのXEROX4200紙(XEROX社製、75g/m)を使用した。得られた評価結果を表5に示す。
<スジ状の画像弊害>
スジ状の画像弊害はハーフトーン(30H)画像で評価を行った。尚、30H画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hをベタ白とし、FFHをベタ黒とする時のハーフトーン画像である。
ランクA:画像上にスジ状の弊害が見られない。
ランクB:画像上にスジ状の画像欠陥が3本以下である。
ランクC:画像上にスジ状の画像欠陥が4本以上ある。
<放置後カブリ>
各環境下において、印刷初期と20000枚印刷した後に、高温高湿環境にて電源を切ったマシンの中にカートリッジを入れたまま2日間放置した。その後、LETTERサイズのHP Photo Paper(HP社製、220g/m)に全面白画像をプロセススピード:30mm/sで出力した。画出しを行っていない紙の5箇所の反射率(%)を、アンバーフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定し、これら平均値を紙の平均反射率とする。次いで、全面白画像の5箇所の反射率(%)を測定し、これら平均値を全面白画像の平均反射率とする。前記全面白画像の平均反射率と前記紙の平均反射率の差からカブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを下記に判断基準に基づいて評価した。尚、本現象は帯電不良が原因で起こるため、帯電量が最も低下し本現象が起こりやすい高温高湿環境下にて評価を行った。
ランクA:カブリ濃度1.0%未満
ランクB:カブリ濃度1.0%以上、3.0%未満
ランクC:カブリ濃度3.0%以上
<ハーフトーン均一性>
印刷初期と20000枚印刷した後にハーフトーン(30H)画像を形成し、この画像を目視にて観察し、前記画像のドットの再現性について以下の基準に基づき評価した。
ランクA:画像の均一性が非常に優れ、極めて鮮明な画像
ランクB:画像の均一性に優れ、良好な画像
ランクC:実用的には問題の無い画質
<実施例2乃至15、比較例1乃至7>
実施例1においてトナー及びトナー担持体を表4に記載の通り変更する以外は同様にして、上記の画像評価を行った。評価結果を表5に記す。
Figure 2011180195
Figure 2011180195
1 トナー担持体
2 導電性軸芯体
3 弾性層
4 表面層
100 トナー供給口
101 熱風供給口
102 気流噴射部材
103 冷風供給口
104 第二の冷風供給口
106 冷却ジャケット
110 拡散エア
111 結露防止を目的とした気流供給口
112 複数の穴を持つ拡散部材
114 トナー
115 エア供給ノズル
116 移送配管

Claims (1)

  1. トナー規制部材でトナー担持体上のトナーを規制する工程、静電潜像担持体上の静電潜像を前記トナー担持体上のトナーを用いて現像する工程を少なくとも有する現像方法であって、
    前記トナー担持体は、軸芯体と、前記軸芯体の外周に設けられた弾性層と、前記弾性層の外周に設けられ、トナー担持体表面に凸部を形成するための樹脂粒子を含有する表面層とを有しており、
    前記表面層は、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂を主成分とし、
    i)前記表面層がウレタン樹脂を主成分とする場合は、前記樹脂粒子がウレタン樹脂粒子であり、
    ii)前記表面層がアクリル樹脂を主成分とする場合は、前記樹脂粒子がアクリル樹脂粒子であり、
    前記樹脂粒子は無機微粒子によって表面が被覆されており、前記樹脂粒子の前記無機微粒子による被覆率が10乃至90%であり、
    前記トナーは、トナー粒子に、少なくともシリカ微粉体を外添したトナーであり、下式で定義される表面シリカ指数Aが1.5×10−2乃至6.0×10−2であることを特徴とする現像方法。
    A=(トナー粒子1.00gに対する表面シリカ量(g))/(トナーの理論比表面積(m/g))
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