JP2011179323A - ノックセンサ取付位置の適合方法、適合装置、制御装置、及びシリンダブロック - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ノックセンサ取付位置およびフィルタとウィンドウの適合値の最適化により、複雑な制御装置を用いず、高いノック検出性の実現を目的としている。
【解決手段】このため、筒内圧センサとノックセンサと処理装置を備え、取付位置から候補の選定を行うノックセンサ取付位置の適合方法において、各センサ波形を同時測定するステップ、波形に対して時系列の周波数特性を算出するステップ、周波数特性に基づく適合値の候補の選定を複数の取付位置について行うステップ、最適な取付位置を選択するステップを有する。適合装置において、処理装置は、波形測定手段と周波数分析手段と適合値設定手段と取付位置適合手段を有する。処理装置は、フィルタとクランク角ウィンドウを用いてノックセンサの波形からノック検出と点火時期制御を行う。処理装置は、シリンダブロックの最適な取付位置にノックセンサを取り付ける。
【選択図】図1
【解決手段】このため、筒内圧センサとノックセンサと処理装置を備え、取付位置から候補の選定を行うノックセンサ取付位置の適合方法において、各センサ波形を同時測定するステップ、波形に対して時系列の周波数特性を算出するステップ、周波数特性に基づく適合値の候補の選定を複数の取付位置について行うステップ、最適な取付位置を選択するステップを有する。適合装置において、処理装置は、波形測定手段と周波数分析手段と適合値設定手段と取付位置適合手段を有する。処理装置は、フィルタとクランク角ウィンドウを用いてノックセンサの波形からノック検出と点火時期制御を行う。処理装置は、シリンダブロックの最適な取付位置にノックセンサを取り付ける。
【選択図】図1
Description
この発明はノックセンサ取付位置の適合方法、適合装置、制御装置、及びシリンダブロックに係り、特にエンジンのシリンダブロック表面に設置されるノックセンサの取付位置を適合させる技術に関するものである。
エンジンにノックが発生すると、エンジン特有の複数の共鳴周波数を持った振動が発生する。
このノックを検出するために、エンジンのシリンダブロック表面にノックセンサを設置している。
このとき、精度の高いノック検出を行うためには、ノックセンサの取付位置が重要となっている。
このノックを検出するために、エンジンのシリンダブロック表面にノックセンサを設置している。
このとき、精度の高いノック検出を行うためには、ノックセンサの取付位置が重要となっている。
ところで、従来の一般的なノック制御では、シリンダブロック表面に設置されたノックセンサで振動を検出し、これにノック特有の周波数のみを取り出すためのバンドパスフィルタ、およびノックの発生時間帯の振動波形のみを取り出すためのウインドウ処理を行い、得られた波形の最大値や積分値をノック強度の指標として、ノックの発生が認められた場合には点火時期をリタードさせることによりノックを抑制する。
このとき、様々な機械的振動が混在する振動波形からノックに起因する振動を精度良く抽出し、ノックの発生を正確に検知するには、ノックセンサの取付位置が重要となる。
また、その取付位置に対して最適なバンドパスフィルタの通過周波数およびウィンドウの抽出時間帯を設定することが重要となる。
このとき、様々な機械的振動が混在する振動波形からノックに起因する振動を精度良く抽出し、ノックの発生を正確に検知するには、ノックセンサの取付位置が重要となる。
また、その取付位置に対して最適なバンドパスフィルタの通過周波数およびウィンドウの抽出時間帯を設定することが重要となる。
従来、ノックセンサで検出されるシリンダブロック表面の振動特性のみを評価して、ノックセンサ取付位置の最適化が行われることが多いが、その場合はノックに起因する振動あるいは機械的振動のどちらを検出したのかを特定する術が無いという不都合がある。
結果として、ノックセンサ取付位置が最適とはならず、ノックを精度良く検知できないことによりノックを十分に抑制できず、エンジンの耐久性の低下や運転者にノック音が聞こえることによる製品品質の低下、または機械的振動を誤検知して点火時期をリタードさせてしまうことによる出力および燃費性能の低下や排気温度の過度の上昇を招いていた。
結果として、ノックセンサ取付位置が最適とはならず、ノックを精度良く検知できないことによりノックを十分に抑制できず、エンジンの耐久性の低下や運転者にノック音が聞こえることによる製品品質の低下、または機械的振動を誤検知して点火時期をリタードさせてしまうことによる出力および燃費性能の低下や排気温度の過度の上昇を招いていた。
このような問題に対し、ノックセンサを補機類やタイミングチェーン等の振動源から遠ざけた位置に取り付けて、機械的振動による影響を低減する方法が上記の特許文献1に開示されている。
しかし、この特許文献1に示されているものは、機械的振動の影響を低減する方法のみであり、燃焼室内で発生したノックによる圧力変動の検出性を向上させる具体的な方法は開示されていない。
しかし、この特許文献1に示されているものは、機械的振動の影響を低減する方法のみであり、燃焼室内で発生したノックによる圧力変動の検出性を向上させる具体的な方法は開示されていない。
この発明は、上述した問題点を解決し、ノックセンサ取付位置の最適化およびその位置におけるフィルタとウィンドウの適合値の最適化により、複雑なノック制御装置を用いることなく、高いノック検出性を実現することを目的としている。
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、エンジンの気筒内部の圧力を検知する筒内圧センサと、前記エンジンの側壁の任意の位置に取り付けて振動を検知する複数のノックセンサと、これら筒内圧センサと複数のノックセンサとから出力させる検知信号を波形信号として測定し処理する処理装置とを備え、その処理に基づいて複数のノックセンサの取付位置から候補の選定を行うノックセンサ取付位置の適合方法において、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を同時測定するステップと、これら測定された波形それぞれに対して時系列の周波数特性を算出するステップと、この算出された周波数特性に基づく適合値の候補の選定を複数のノックセンサのそれぞれの取付位置について行うステップと、最終的にそれらの取付位置の中から最適な取付位置を選択するステップとを有することを特徴とする。
また、エンジンの気筒内部の圧力を検知する筒内圧センサと、前記エンジンの側壁の任意の位置に取り付けて振動を検知する複数のノックセンサと、これら筒内圧センサと複数のノックセンサとから出力させる検知信号を波形信号として測定し処理し、その波形信号の処理に基づいて複数のノックセンサの取付位置から候補の選定が可能な処理装置とを備えるノックセンサ取付位置の適合装置において、前記処理装置は、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を同時に測定する波形測定手段と、(筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を記録可能な記録装置と、)これら測定された波形それぞれに対して時系列の周波数特性を算出する周波数分析手段と、この算出された周波数特性に基づく適合値の候補の選定を複数のノックセンサのそれぞれの取付位置について行う適合値設定手段と、この適合値設定手段からの出力に基づき最終的に適合条件の候補の中から最良な適合値を選定するノック検出性評価指標算出手段とを有することを特徴とする。
更に、請求項5ないし8に記載された前記処理装置によって選定された最適な取付位置に前記ノックセンサを取り付けて設け、前記処理装置によって最適な取付位置における適合条件の最良適合値として求められたフィルタとクランク角ウィンドウを用いて前記ノックセンサによって検出される波形からノック検出するとともに点火時期制御することを特徴とする。
更にまた、請求項5ないし8に記載された前記処理装置によって選定された最適な取付位置に前記ノックセンサを取り付けて設けたことを特徴とする。
また、エンジンの気筒内部の圧力を検知する筒内圧センサと、前記エンジンの側壁の任意の位置に取り付けて振動を検知する複数のノックセンサと、これら筒内圧センサと複数のノックセンサとから出力させる検知信号を波形信号として測定し処理し、その波形信号の処理に基づいて複数のノックセンサの取付位置から候補の選定が可能な処理装置とを備えるノックセンサ取付位置の適合装置において、前記処理装置は、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を同時に測定する波形測定手段と、(筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を記録可能な記録装置と、)これら測定された波形それぞれに対して時系列の周波数特性を算出する周波数分析手段と、この算出された周波数特性に基づく適合値の候補の選定を複数のノックセンサのそれぞれの取付位置について行う適合値設定手段と、この適合値設定手段からの出力に基づき最終的に適合条件の候補の中から最良な適合値を選定するノック検出性評価指標算出手段とを有することを特徴とする。
更に、請求項5ないし8に記載された前記処理装置によって選定された最適な取付位置に前記ノックセンサを取り付けて設け、前記処理装置によって最適な取付位置における適合条件の最良適合値として求められたフィルタとクランク角ウィンドウを用いて前記ノックセンサによって検出される波形からノック検出するとともに点火時期制御することを特徴とする。
更にまた、請求項5ないし8に記載された前記処理装置によって選定された最適な取付位置に前記ノックセンサを取り付けて設けたことを特徴とする。
以上詳細に説明した如くこの発明によれば、エンジンの気筒内部の圧力を検知する筒内圧センサと、前記エンジンの側壁の任意の位置に取り付けて振動を検知する複数のノックセンサと、これら筒内圧センサと複数のノックセンサとから出力させる検知信号を波形信号として測定し処理する処理装置とを備え、その処理に基づいて複数のノックセンサの取付位置から候補の選定を行うノックセンサ取付位置の適合方法において、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を同時測定するステップと、これら測定された波形それぞれに対して時系列の周波数特性を算出するステップと、この算出された周波数特性に基づく適合値の候補の選定を複数のノックセンサのそれぞれの取付位置について行うステップと、最終的にそれらの取付位置の中から最適な取付位置を選択するステップとを有する。
また、エンジンの気筒内部の圧力を検知する筒内圧センサと、前記エンジンの側壁の任意の位置に取り付けて振動を検知する複数のノックセンサと、これら筒内圧センサと複数のノックセンサとから出力させる検知信号を波形信号として測定し処理し、その波形信号の処理に基づいて複数のノックセンサの取付位置から候補の選定が可能な処理装置とを備えるノックセンサ取付位置の適合装置において、前記処理装置は、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を同時に測定する波形測定手段と、これら測定された波形それぞれに対して時系列の周波数特性を算出する周波数分析手段と、この算出された周波数特性に基づく適合値の候補の選定を複数のノックセンサのそれぞれの取付位置について行う適合値設定手段と、この適合値設定手段からの出力に基づき最終的に適合条件の候補の中から最良な適合値を選定するノック検出性評価指標算出手段とを有する。
従って、ノック周波数とノック発生時間の全体の傾向を把握し、詳細にノック検出性の評価を行う適合値の候補を絞り込むことで適合工数の削減が可能となる。
更に、前記処理装置によって最適な取付位置における適合条件の最良適合値として求められたフィルタとクランク角ウィンドウを用いて前記ノックセンサによって検出される波形からノック検出するとともに点火時期制御する。
更にまた、前記処理装置によって選定された最適な取付位置に前記ノックセンサを取り付けて設けたことを特徴とする。
従って、エンジンのシリンダブロックの最適な位置にノックセンサを取り付け、その位置における最適なフィルタおよびウィンドウ条件を用いることにより高いノック制御性を得ることができる。
また、エンジンの気筒内部の圧力を検知する筒内圧センサと、前記エンジンの側壁の任意の位置に取り付けて振動を検知する複数のノックセンサと、これら筒内圧センサと複数のノックセンサとから出力させる検知信号を波形信号として測定し処理し、その波形信号の処理に基づいて複数のノックセンサの取付位置から候補の選定が可能な処理装置とを備えるノックセンサ取付位置の適合装置において、前記処理装置は、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を同時に測定する波形測定手段と、これら測定された波形それぞれに対して時系列の周波数特性を算出する周波数分析手段と、この算出された周波数特性に基づく適合値の候補の選定を複数のノックセンサのそれぞれの取付位置について行う適合値設定手段と、この適合値設定手段からの出力に基づき最終的に適合条件の候補の中から最良な適合値を選定するノック検出性評価指標算出手段とを有する。
従って、ノック周波数とノック発生時間の全体の傾向を把握し、詳細にノック検出性の評価を行う適合値の候補を絞り込むことで適合工数の削減が可能となる。
更に、前記処理装置によって最適な取付位置における適合条件の最良適合値として求められたフィルタとクランク角ウィンドウを用いて前記ノックセンサによって検出される波形からノック検出するとともに点火時期制御する。
更にまた、前記処理装置によって選定された最適な取付位置に前記ノックセンサを取り付けて設けたことを特徴とする。
従って、エンジンのシリンダブロックの最適な位置にノックセンサを取り付け、その位置における最適なフィルタおよびウィンドウ条件を用いることにより高いノック制御性を得ることができる。
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1〜図27はこの発明の第1実施例を示すものである。
図2において、1はノックセンサ取付位置の適合装置である。
この適合装置1は、エンジン2の気筒内部の圧力を検知する筒内圧センサ3と、前記エンジン2の側壁の任意の位置に取り付けて振動を検知する複数のノックセンサ4、例えば3個のノックセンサ4x、4y、4zと、これら筒内圧センサ3と複数のノックセンサ4x、4y、4zとから出力させる検知信号を波形信号として測定し処理し、その波形信号の処理に基づいて複数のノックセンサ4x、4y、4zの取付位置から候補の選定が可能な処理装置5とを備えている。
このとき、前記筒内圧センサ3は、この説明において多気筒の4気筒#1、#2、#3、#4を想定しているため、各気筒#1、#2、#3、#4の圧力を検知する第1〜第4筒内圧センサ3a、3b、3c、3dからなる。
また、前記適合装置1は、図2に示す如く、前記エンジン2に連絡される一方、マッチングツールとしてのECUデータ書込装置6が接続される制御装置(「ECU」ともいう。)7を備えている。
前記処理装置5は、図2に示す如く、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を同時に測定する波形測定手段8と、記録装置9と、適合手段10とを有している。
このとき、波形測定手段8は、図示しないパーソナルコンピュータ(「PC」ともいう。)に接続可能なデータレコーダ(図示せず)を使用する。
更に、前記記録装置9は、PCの図示しないハードディスク(「HDD」ともいう。)やデータレコーダのメモリ(図示せず)などからなる。
つまり、前記エンジン2に各気筒の燃焼室(図示せず)内の圧力変動を検出する前記第1〜第4筒内圧センサ3a、3b、3c、3dを取り付けられている。
前記エンジン2のシリンダブロック2aには、このシリンダブロック2a表面の振動を検出する複数の前記ノックセンサ4x、4y、4zが取り付けられている。
また、前記エンジン2にはクランクシャフトおよびカムシャフトの回転角を夫々検出するクランク角センサ11およびカム角センサ12が取り付けられている。
つまり、図2に示す如く、前記筒内圧センサ3は各気筒#1、#2、#3、#4の燃焼室内の圧力変動を検出し、前記ノックセンサ4はシリンダブロック2a表面の振動を検出し、前記クランク角センサ11はクランクシャフト(図示せず)の回転角を検出するとともに、前記カム角センサ12はカムシャフト(図示せず)の回転角を検出する。
そして、前記エンジン2を、適合を行いたい所定の条件で(例えば回転数、負荷を調整して)運転し、これらの4種のセンサで検出した波形を前記波形測定手段8で同時測定し、前記記録装置9に記録し保存するものである。
また、前記適合手段10は、記録波形に複数の処理を行い、ノックセンサ取付位置の最適化を行う。
この適合手段10では、各ノックセンサ取付位置の候補に対し、各測定条件で適合値の最適化を行うため、同時測定した波形の測定条件(エンジン回転数と気筒)を測定波形から判定する必要がある。
エンジン回転数は前記クランク角センサ11により判定可能であり、気筒はクランク角センサ11と前記カム角センサ12とにより判定可能である。
各測定条件に対し、ノック発生状態とノック非発生状態とのそれぞれについて、後述する相関係数が問題なく算出できる測定波形の数を設定して、ノックが発生するタイミングで各センサの波形を同時測定する。
ノック発生状態とノック非発生状態との切り替えは、前記ECUデータ書込装置6を用いて前記制御装置7のデータを変更し、点火時期や空燃比を変化させて行う。
追記すれば、「ノック発生状態」とは、図5において(a)ノック発生波形と(b)ノック非発生波形とが混在する状態である。
つまり、ノックが発生するタイミングの複数サイクルのうち、ある確率でノックが発生する状態のことである。このとき、発生するノック強度は一定ではない。
また、「ノック非発生状態」とは、ノックが発生するタイミングの複数サイクルでノックが発生せず、図5(b)のノック非発生波形が継続して出現する状態のことである。
図2において、1はノックセンサ取付位置の適合装置である。
この適合装置1は、エンジン2の気筒内部の圧力を検知する筒内圧センサ3と、前記エンジン2の側壁の任意の位置に取り付けて振動を検知する複数のノックセンサ4、例えば3個のノックセンサ4x、4y、4zと、これら筒内圧センサ3と複数のノックセンサ4x、4y、4zとから出力させる検知信号を波形信号として測定し処理し、その波形信号の処理に基づいて複数のノックセンサ4x、4y、4zの取付位置から候補の選定が可能な処理装置5とを備えている。
このとき、前記筒内圧センサ3は、この説明において多気筒の4気筒#1、#2、#3、#4を想定しているため、各気筒#1、#2、#3、#4の圧力を検知する第1〜第4筒内圧センサ3a、3b、3c、3dからなる。
また、前記適合装置1は、図2に示す如く、前記エンジン2に連絡される一方、マッチングツールとしてのECUデータ書込装置6が接続される制御装置(「ECU」ともいう。)7を備えている。
前記処理装置5は、図2に示す如く、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を同時に測定する波形測定手段8と、記録装置9と、適合手段10とを有している。
このとき、波形測定手段8は、図示しないパーソナルコンピュータ(「PC」ともいう。)に接続可能なデータレコーダ(図示せず)を使用する。
更に、前記記録装置9は、PCの図示しないハードディスク(「HDD」ともいう。)やデータレコーダのメモリ(図示せず)などからなる。
つまり、前記エンジン2に各気筒の燃焼室(図示せず)内の圧力変動を検出する前記第1〜第4筒内圧センサ3a、3b、3c、3dを取り付けられている。
前記エンジン2のシリンダブロック2aには、このシリンダブロック2a表面の振動を検出する複数の前記ノックセンサ4x、4y、4zが取り付けられている。
また、前記エンジン2にはクランクシャフトおよびカムシャフトの回転角を夫々検出するクランク角センサ11およびカム角センサ12が取り付けられている。
つまり、図2に示す如く、前記筒内圧センサ3は各気筒#1、#2、#3、#4の燃焼室内の圧力変動を検出し、前記ノックセンサ4はシリンダブロック2a表面の振動を検出し、前記クランク角センサ11はクランクシャフト(図示せず)の回転角を検出するとともに、前記カム角センサ12はカムシャフト(図示せず)の回転角を検出する。
そして、前記エンジン2を、適合を行いたい所定の条件で(例えば回転数、負荷を調整して)運転し、これらの4種のセンサで検出した波形を前記波形測定手段8で同時測定し、前記記録装置9に記録し保存するものである。
また、前記適合手段10は、記録波形に複数の処理を行い、ノックセンサ取付位置の最適化を行う。
この適合手段10では、各ノックセンサ取付位置の候補に対し、各測定条件で適合値の最適化を行うため、同時測定した波形の測定条件(エンジン回転数と気筒)を測定波形から判定する必要がある。
エンジン回転数は前記クランク角センサ11により判定可能であり、気筒はクランク角センサ11と前記カム角センサ12とにより判定可能である。
各測定条件に対し、ノック発生状態とノック非発生状態とのそれぞれについて、後述する相関係数が問題なく算出できる測定波形の数を設定して、ノックが発生するタイミングで各センサの波形を同時測定する。
ノック発生状態とノック非発生状態との切り替えは、前記ECUデータ書込装置6を用いて前記制御装置7のデータを変更し、点火時期や空燃比を変化させて行う。
追記すれば、「ノック発生状態」とは、図5において(a)ノック発生波形と(b)ノック非発生波形とが混在する状態である。
つまり、ノックが発生するタイミングの複数サイクルのうち、ある確率でノックが発生する状態のことである。このとき、発生するノック強度は一定ではない。
また、「ノック非発生状態」とは、ノックが発生するタイミングの複数サイクルでノックが発生せず、図5(b)のノック非発生波形が継続して出現する状態のことである。
そして、前記記録装置9は、図4に示す如く、ノック発生時及びノック非発生時における前記筒内圧センサ3からの検知信号を記録する第1記録部13と、ノック発生時及びノック非発生時における複数の前記ノックセンサ4からの検知信号を記録する第2記録部14とを備えている。
また、前記処理装置5は、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を同時に測定する前記波形測定手段8と、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形とを記録可能な前記記録装置9と、これら測定された波形それぞれに対して時系列の周波数特性を算出する周波数分析手段15と、この算出された周波数特性に基づく適合値(「適合条件」とも換言できる。)の候補の選定を複数のノックセンサ4のそれぞれの取付位置について行う適合値設定手段(「適合条件設定手段」とも換言できる。)16と、この適合値設定手段16からの出力に基づき最終的に適合条件の候補の中から最良な適合値を選定する取付位置適合手段17(ノック検出性評価指標算出手段としても良い)とを有する。
従って、ノック周波数とノック発生時間の全体の傾向を把握し、詳細にノック検出性の評価を行う適合条件の候補を絞り込むことで適合工数の削減が可能となる。
詳述すれば、図4から明らかなように、前記適合手段10は、6つの前記周波数分析手段15と、前記適合値設定手段16と、振動強度算出手段18と、圧力変動強度算出手段19と、相関係数算出手段20と、前記取付位置適合手段17とを備えている。
そして、前記周波数分析手段15は、前記記録装置9の第1記録部13からノック発生時及びノック非発生時における前記筒内圧センサ3からの検知信号と、第2記録部14から複数のノック発生時及びノック非発生時における複数の前記ノックセンサ4からの検知信号とを入力する。
前記適合値設定手段16は、周波数分析手段15に接続されている。
前記振動強度算出手段18は、前記記録装置9と適合値設定手段16とに接続されている。
前記圧力変動強度算出手段19は、前記記録装置9に接続されている。
前記相関係数算出手段20は、前記振動強度算出手段18と圧力変動強度算出手段19とに接続されている。
前記取付位置適合手段17は、前記相関係数算出手段20に接続されている。
つまり、前記記録装置9内の筒内圧センサ波形とm箇所の前記ノックセンサ4で検出されたノックセンサ波形を用いて、図4に示す如く、ノックセンサ取付位置の最適化を行う前記適合手段10を構成する。
従って、ノック周波数とノック発生時間の全体の傾向を把握し、詳細にノック検出性の評価を行う適合条件の候補を絞り込むことで適合工数の削減が可能となる。
詳述すれば、図4から明らかなように、前記適合手段10は、6つの前記周波数分析手段15と、前記適合値設定手段16と、振動強度算出手段18と、圧力変動強度算出手段19と、相関係数算出手段20と、前記取付位置適合手段17とを備えている。
そして、前記周波数分析手段15は、前記記録装置9の第1記録部13からノック発生時及びノック非発生時における前記筒内圧センサ3からの検知信号と、第2記録部14から複数のノック発生時及びノック非発生時における複数の前記ノックセンサ4からの検知信号とを入力する。
前記適合値設定手段16は、周波数分析手段15に接続されている。
前記振動強度算出手段18は、前記記録装置9と適合値設定手段16とに接続されている。
前記圧力変動強度算出手段19は、前記記録装置9に接続されている。
前記相関係数算出手段20は、前記振動強度算出手段18と圧力変動強度算出手段19とに接続されている。
前記取付位置適合手段17は、前記相関係数算出手段20に接続されている。
つまり、前記記録装置9内の筒内圧センサ波形とm箇所の前記ノックセンサ4で検出されたノックセンサ波形を用いて、図4に示す如く、ノックセンサ取付位置の最適化を行う前記適合手段10を構成する。
前記処理装置5は、同時測定された複数のノックセンサ波形におけるそれぞれの取付位置および適合値の候補に対応する振動強度を算出する前記振動強度算出手段18と、筒内圧センサ波形に対し可聴域あるいは広帯域のフィルタまたはその他の通過帯域を持つフィルタを用いてそれぞれの波形領域に応じた複数の圧力変動強度を算出する前記圧力変動強度算出手段19と、この複数の圧力変動強度と複数の振動強度との相関係数を算出する前記相関係数算出手段20とを有する。
従って、圧力変動強度算出時に前記筒内圧センサ3では検出が不完全なノック共鳴モードを考慮することで、相関係数算出の精度が向上する。
また、可聴域と広帯域ノック、その他のノックを定義することで、可聴ノック音による品質の問題や広帯域ノックによる耐久性の問題、その他のノックによる問題に、それぞれ個別に対処することが可能である。
従って、圧力変動強度算出時に前記筒内圧センサ3では検出が不完全なノック共鳴モードを考慮することで、相関係数算出の精度が向上する。
また、可聴域と広帯域ノック、その他のノックを定義することで、可聴ノック音による品質の問題や広帯域ノックによる耐久性の問題、その他のノックによる問題に、それぞれ個別に対処することが可能である。
前記処理装置5によって選定された最適な取付位置に前記ノックセンサ4を取り付けて設け、前記処理装置5によって最適な取付位置における適合条件の最良適合値として求められたフィルタとクランク角ウィンドウを用いて前記ノックセンサ4によって検出される波形からノック検出するとともに点火時期制御する前記制御装置7とする。
従って、最適な位置にノックセンサ4を取り付け、その位置における最適なフィルタおよびウィンドウ条件を用いることにより高いノック制御性を得ることができる。
従って、最適な位置にノックセンサ4を取り付け、その位置における最適なフィルタおよびウィンドウ条件を用いることにより高いノック制御性を得ることができる。
前記処理装置5によって選定された最適な取付位置に前記ノックセンサ5を取り付けて設けたシリンダブロック2aとする。
従って、前記エンジン2のシリンダブロック2aの最適な位置にノックセンサ5を取り付け、その位置における最適なフィルタおよびウィンドウ条件を用いることにより高いノック制御性を得ることができる。
従って、前記エンジン2のシリンダブロック2aの最適な位置にノックセンサ5を取り付け、その位置における最適なフィルタおよびウィンドウ条件を用いることにより高いノック制御性を得ることができる。
追記すれば、この発明は、ノックセンサ取付位置の最適化およびその位置におけるフィルタ・ウィンドウ(「適合値」とも換言できる。)の最適化により、高いノック検出性を実現するものである。
適合値の最適化は、ノックセンサ取付位置の各候補に対し、エンジン回転数別・気筒別に実施する。
ここで、説明の理解を容易とするために、以下の(A)〜(C)までの3つの前提を設ける。
(A)エンジン回転数・気筒の組合せ(以下、「測定条件」という。)の数をk個とし、測定条件の識別番号をi(i=1〜k)とする。
例えば、4気筒エンジンで回転数を5段階に分けて適合値の最適化を行う場合、測定条件の数は20個(k=20)となる。
(B)ノックセンサ取付位置の候補数をmとし、取付位置の候補の識別番号をj(j=1〜m)とする。
(C)適合値の候補数をnとし、適合値の候補の識別番号をr(r=1〜n)とする。
また、図1に示すノックセンサ取付位置の最適化方法を処理フローチャート順に説明する。
(1)図1の処理(101)において、
K個の各測定条件について、前記筒内圧センサ3で検出される燃焼室内の圧力変動とm箇所に設置されたノックセンサ4で検出されるシリンダブロック2a表面の各振動を同時に測定する。
これにより、後述する相関係数の算出が可能となる。
(2)図1の処理(102)において、
K個の各測定条件について、筒内圧センサ波形とm箇所に設置されたノックセンサ4で検出された各ノックセンサ波形について時系列の周波数分析を行う。
(3)図1の処理(103)において、
i番目の測定条件、j番目の取付位置の候補に関する前記筒内圧センサ3およびノックセンサ4の時系列の周波数分析より、その組合せ(i、j)に対応する複数の適合値の候補を選定する(i=1〜k、j=1〜m)。
選定する複数の適合値の候補は全ての各組合せで異なっても良いが、以下の本文では簡略な説明とするために、全ての各組合せに共通のn個の適合値の候補を選定したとして説明を進める。
(4)図1の処理(104)において、
i番目の測定条件、j番目の取付位置の候補に設置されたノックセンサ4で検出されたノックセンサ波形、r番目の候補から、それらの組合せに対応するノックセンサ5で検出される振動の大きさである振動強度Ik(i、j、r)を算出する(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
振動強度Ik(i、j、r)は、振動強度の指標を表す複数の値の集合である。
(5)図1の処理(105)において、
耳に聞こえるノックと定義される可聴域ノックと圧力変動そのものが大きいノックと定義される広帯域ノックとを定義して、i番目の測定条件の筒内圧センサ波形から2つのノックの定義に対応する前記筒内圧センサ3で検出される圧力変動の大きさである圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)を算出する(i=1〜k)。
圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)は、それぞれ圧力変動強度を表す複数の値の集合である。
前記筒内圧センサ3で検出が不完全なノック共鳴モードが存在する場合には、その影響を考慮する。
また、可聴域、広帯域ノック以外にノックの定義が複数あっても構わない。
(6)図1の処理(106)において、
振動強度Ik(i、j、r)と可聴域ノックに対応する圧力変動強度Ich(i)から相関係数Ch(i、j、r)を、振動強度Ik(i、j、r)と広帯域ノックに対応する圧力変動強度Icw(i)から相関係数Cw(i、j、r)をそれぞれ算出する(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
(7)図1の処理(107)において、
相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)から、i番目の測定条件、j番目の取付位置の候補、r番目の適合値の候補に関するノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
(8)図1の処理(108)において、
(k x m x n)個の全てのノック検出性評価指標In(i、j、r)を総合的に比較し、ノックセンサ取付位置およびその位置での適合値を最適化する。
適合値の最適化は、ノックセンサ取付位置の各候補に対し、エンジン回転数別・気筒別に実施する。
ここで、説明の理解を容易とするために、以下の(A)〜(C)までの3つの前提を設ける。
(A)エンジン回転数・気筒の組合せ(以下、「測定条件」という。)の数をk個とし、測定条件の識別番号をi(i=1〜k)とする。
例えば、4気筒エンジンで回転数を5段階に分けて適合値の最適化を行う場合、測定条件の数は20個(k=20)となる。
(B)ノックセンサ取付位置の候補数をmとし、取付位置の候補の識別番号をj(j=1〜m)とする。
(C)適合値の候補数をnとし、適合値の候補の識別番号をr(r=1〜n)とする。
また、図1に示すノックセンサ取付位置の最適化方法を処理フローチャート順に説明する。
(1)図1の処理(101)において、
K個の各測定条件について、前記筒内圧センサ3で検出される燃焼室内の圧力変動とm箇所に設置されたノックセンサ4で検出されるシリンダブロック2a表面の各振動を同時に測定する。
これにより、後述する相関係数の算出が可能となる。
(2)図1の処理(102)において、
K個の各測定条件について、筒内圧センサ波形とm箇所に設置されたノックセンサ4で検出された各ノックセンサ波形について時系列の周波数分析を行う。
(3)図1の処理(103)において、
i番目の測定条件、j番目の取付位置の候補に関する前記筒内圧センサ3およびノックセンサ4の時系列の周波数分析より、その組合せ(i、j)に対応する複数の適合値の候補を選定する(i=1〜k、j=1〜m)。
選定する複数の適合値の候補は全ての各組合せで異なっても良いが、以下の本文では簡略な説明とするために、全ての各組合せに共通のn個の適合値の候補を選定したとして説明を進める。
(4)図1の処理(104)において、
i番目の測定条件、j番目の取付位置の候補に設置されたノックセンサ4で検出されたノックセンサ波形、r番目の候補から、それらの組合せに対応するノックセンサ5で検出される振動の大きさである振動強度Ik(i、j、r)を算出する(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
振動強度Ik(i、j、r)は、振動強度の指標を表す複数の値の集合である。
(5)図1の処理(105)において、
耳に聞こえるノックと定義される可聴域ノックと圧力変動そのものが大きいノックと定義される広帯域ノックとを定義して、i番目の測定条件の筒内圧センサ波形から2つのノックの定義に対応する前記筒内圧センサ3で検出される圧力変動の大きさである圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)を算出する(i=1〜k)。
圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)は、それぞれ圧力変動強度を表す複数の値の集合である。
前記筒内圧センサ3で検出が不完全なノック共鳴モードが存在する場合には、その影響を考慮する。
また、可聴域、広帯域ノック以外にノックの定義が複数あっても構わない。
(6)図1の処理(106)において、
振動強度Ik(i、j、r)と可聴域ノックに対応する圧力変動強度Ich(i)から相関係数Ch(i、j、r)を、振動強度Ik(i、j、r)と広帯域ノックに対応する圧力変動強度Icw(i)から相関係数Cw(i、j、r)をそれぞれ算出する(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
(7)図1の処理(107)において、
相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)から、i番目の測定条件、j番目の取付位置の候補、r番目の適合値の候補に関するノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
(8)図1の処理(108)において、
(k x m x n)個の全てのノック検出性評価指標In(i、j、r)を総合的に比較し、ノックセンサ取付位置およびその位置での適合値を最適化する。
ここで、前記周波数分析手段15について追記する。
この周波数分析手段15では、測定条件を選択した後、ノック発生状態の筒内圧センサ波形とm箇所に関するノックセンサ波形、ノック非発生状態の筒内圧センサ波形とm箇所に関するノックセンサ波形に対して、時系列の周波数分析を行う。
前記周波数分析手段15による時系列の周波数分析用処理のフローチャートを図9に開示する。
この図9の時系列の周波数分析用処理のフローチャートにおいては、図6に示す如く、測定波形1つ1つに対して時系列にウィンドウ(この例では、クランク角10度おきに(a)〜(f)までの6つのウィンドウを設定、ウィンドウ幅はクランク角30度)を設定し、FFTやDFTを用いて図7のようにウィンドウ別に周波数特性を求める。
次に、一例として図8に示すように、i番目の測定条件に関する前記筒内圧センサ3と3つの前記ノックセンサ4x、4y、4z(この例では、(1)〜(3)までの3箇所)の全サイクルの波形、つまり相関係数が問題なく算出できるように設定した測定波形数の全波形の周波数分析結果を各ウィンドウで平均し、それぞれの結果についてノック発生状態とノック非発生状態とで比較する形とする。
この処理を前記k個の測定条件で行うことで、ノック周波数とノック発生時間の全体の傾向を把握することができ、後述する前記適合値設定手段16で詳細に適合値の候補を絞り込むことができる。
この周波数分析手段15では、測定条件を選択した後、ノック発生状態の筒内圧センサ波形とm箇所に関するノックセンサ波形、ノック非発生状態の筒内圧センサ波形とm箇所に関するノックセンサ波形に対して、時系列の周波数分析を行う。
前記周波数分析手段15による時系列の周波数分析用処理のフローチャートを図9に開示する。
この図9の時系列の周波数分析用処理のフローチャートにおいては、図6に示す如く、測定波形1つ1つに対して時系列にウィンドウ(この例では、クランク角10度おきに(a)〜(f)までの6つのウィンドウを設定、ウィンドウ幅はクランク角30度)を設定し、FFTやDFTを用いて図7のようにウィンドウ別に周波数特性を求める。
次に、一例として図8に示すように、i番目の測定条件に関する前記筒内圧センサ3と3つの前記ノックセンサ4x、4y、4z(この例では、(1)〜(3)までの3箇所)の全サイクルの波形、つまり相関係数が問題なく算出できるように設定した測定波形数の全波形の周波数分析結果を各ウィンドウで平均し、それぞれの結果についてノック発生状態とノック非発生状態とで比較する形とする。
この処理を前記k個の測定条件で行うことで、ノック周波数とノック発生時間の全体の傾向を把握することができ、後述する前記適合値設定手段16で詳細に適合値の候補を絞り込むことができる。
前記適合値設定手段16について追記する。
この適合値設定手段16では、前記周波数分析手段15で得られた結果をもとに、基本的にノックセンサ波形においてノック発生状態とノック非発生状態との差が明確に現れている周波数とクランク角範囲から適合値(フィルタとウィンドウ)の候補を設定する。
まず、i番目の測定条件、3箇所の前記ノックセンサ4x、4y、4z(この例では、(1)〜(3)までの3つ)から得られた図8の周波数分析結果から、適合値の候補を設定する例を示す。
図8の筒内圧センサ波形の周波数分析結果と図10のノック共鳴モードからノック周波数は、
約8[kHz](ρ10モード)
約13[kHz](ρ20モード)
約15[kHz](ρ01モード)
約17[kHz](ρ30モード)
の4つと判断できる。
この判断の一例を図11のフローチャートにて開示する。
但し、約13[kHz]と約17[kHz]とのモードは、前記筒内圧センサ3で検出が不完全なノック共鳴モードであるため、図8のスケールでは見えない。
図8のノックセンサ(1)の周波数分析結果からノック発生状態で現れる周波数ピークは、
約7〜8[kHz];10〜80[°CA ATDC]
約13[kHz] ;10〜40[°CA ATDC]
約17[kHz] ;10〜40[°CA ATDC]
の3つであり、これらが前記筒内圧センサ3の周波数分析結果からノックを入力源とする応答であると判断できる。
一方、
約13[kHz] ;40[°CA ATDC]以降、
約17[kHz] ;40[°CA ATDC]以降
は、ノック発生状態とノック非発生状態との周波数ピークの強度の差が小さいので、ノイズの影響が大きいことが判る。
この判断のフローチャートの一例を図12に開示する。
同様にして、ノックセンサ(2)におけるノック発生状態の周波数ピークは、図8より、
約7〜8[kHz] ;10〜60[°CA ATDC]
約12〜13[kHz];10〜60[°CA ATDC]
約16〜17[kHz];10〜60[°CA ATDC]
の3つ、ノックセンサ(3)におけるノック発生状態の周波数ピークは、
約8[kHz] ;10〜60[°CA ATDC]
約17[kHz];10〜50[°CA ATDC]
の2つと判断できる。
これらのノック周波数とノック発生期間の傾向から、i番目の測定条件における3箇所のノックセンサ(1)〜(3)に関する適合値の候補は、一例として図13のように設定することができる。
以上のように、i番目の測定条件と同様に、k個の各測定条件についても適合値の候補を設定する。
前記適合値設定手段16では、各測定条件で別個に図13に示すような適合値の候補の設定が可能であるが、ノック制御仕様によっては、適合値の設定自由度に制限があるので、適合値の候補を設定する際はその点を考慮する。
上述の「適合値の設定自由度に制限」とは、ノック制御仕様によっては、全エンジン回転数で共通の適合値、全気筒で共通の適合値などの制限が設けられている、ことを指している。
なお、この発明においては、理解を容易とするために、測定条件、ノックセンサ取付位置の候補の全ての各組合せについて共通のn個の適合値の候補を設定した、として説明を進める。
この適合値設定手段16では、前記周波数分析手段15で得られた結果をもとに、基本的にノックセンサ波形においてノック発生状態とノック非発生状態との差が明確に現れている周波数とクランク角範囲から適合値(フィルタとウィンドウ)の候補を設定する。
まず、i番目の測定条件、3箇所の前記ノックセンサ4x、4y、4z(この例では、(1)〜(3)までの3つ)から得られた図8の周波数分析結果から、適合値の候補を設定する例を示す。
図8の筒内圧センサ波形の周波数分析結果と図10のノック共鳴モードからノック周波数は、
約8[kHz](ρ10モード)
約13[kHz](ρ20モード)
約15[kHz](ρ01モード)
約17[kHz](ρ30モード)
の4つと判断できる。
この判断の一例を図11のフローチャートにて開示する。
但し、約13[kHz]と約17[kHz]とのモードは、前記筒内圧センサ3で検出が不完全なノック共鳴モードであるため、図8のスケールでは見えない。
図8のノックセンサ(1)の周波数分析結果からノック発生状態で現れる周波数ピークは、
約7〜8[kHz];10〜80[°CA ATDC]
約13[kHz] ;10〜40[°CA ATDC]
約17[kHz] ;10〜40[°CA ATDC]
の3つであり、これらが前記筒内圧センサ3の周波数分析結果からノックを入力源とする応答であると判断できる。
一方、
約13[kHz] ;40[°CA ATDC]以降、
約17[kHz] ;40[°CA ATDC]以降
は、ノック発生状態とノック非発生状態との周波数ピークの強度の差が小さいので、ノイズの影響が大きいことが判る。
この判断のフローチャートの一例を図12に開示する。
同様にして、ノックセンサ(2)におけるノック発生状態の周波数ピークは、図8より、
約7〜8[kHz] ;10〜60[°CA ATDC]
約12〜13[kHz];10〜60[°CA ATDC]
約16〜17[kHz];10〜60[°CA ATDC]
の3つ、ノックセンサ(3)におけるノック発生状態の周波数ピークは、
約8[kHz] ;10〜60[°CA ATDC]
約17[kHz];10〜50[°CA ATDC]
の2つと判断できる。
これらのノック周波数とノック発生期間の傾向から、i番目の測定条件における3箇所のノックセンサ(1)〜(3)に関する適合値の候補は、一例として図13のように設定することができる。
以上のように、i番目の測定条件と同様に、k個の各測定条件についても適合値の候補を設定する。
前記適合値設定手段16では、各測定条件で別個に図13に示すような適合値の候補の設定が可能であるが、ノック制御仕様によっては、適合値の設定自由度に制限があるので、適合値の候補を設定する際はその点を考慮する。
上述の「適合値の設定自由度に制限」とは、ノック制御仕様によっては、全エンジン回転数で共通の適合値、全気筒で共通の適合値などの制限が設けられている、ことを指している。
なお、この発明においては、理解を容易とするために、測定条件、ノックセンサ取付位置の候補の全ての各組合せについて共通のn個の適合値の候補を設定した、として説明を進める。
前記振動強度算出手段18について追記する。
この振動強度算出手段18では、i番目の測定条件において、j番目のノックセンサ取付位置の候補で検出されたノックセンサ波形を用いて、r番目の適合値の候補に対応する振動強度Ik(i、j、r)を算出する(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
この振動強度算出手段18による処理のフローチャートを図15に開示する。
この図15のフローチャートの補足説明に示すように、振動強度Ik(i、j、r)は振動強度の指標を表す複数の値の集合である。
そして、振動強度Ik(i、j、r)の指標は、使用するノック制御に合わせて選択する。
一般的には、図14に示すように、最大値や積分値が用いられる。
この振動強度算出手段18では、i番目の測定条件において、j番目のノックセンサ取付位置の候補で検出されたノックセンサ波形を用いて、r番目の適合値の候補に対応する振動強度Ik(i、j、r)を算出する(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
この振動強度算出手段18による処理のフローチャートを図15に開示する。
この図15のフローチャートの補足説明に示すように、振動強度Ik(i、j、r)は振動強度の指標を表す複数の値の集合である。
そして、振動強度Ik(i、j、r)の指標は、使用するノック制御に合わせて選択する。
一般的には、図14に示すように、最大値や積分値が用いられる。
前記圧力変動強度算出手段19について追記する。
この圧力変動強度算出手段19では、ノック発生状態の筒内圧センサ波形に、図16(a)に示す可聴域ノックの周波数帯域と図16(b)に示す広帯域ノックの周波数帯域をそれぞれ抽出できるフィルタを用いたフィルタ処理、および適切なウィンドウ処理を行い、例として図17に示すような最大値や積分値を用いたi番目の測定条件における可聴域ノックおよび広帯域ノックに対応する圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)(以下、単に「圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)」という。)を求める。
この圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)は、k個の各測定条件について算出する(i=1〜k)。
前記圧力変動強度算出手段19による処理のフローチャートを図19に開示する。
この図19のフローチャートの補足説明に示すように、圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)は、圧力変動強度を表す複数の値の集合である。
圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)を算出する際のフィルタ(可聴域・広帯域のフィルタ)およびウィンドウは、各測定条件により変更しても良いが、圧力変動として検出されるノック周波数とノック発生タイミングが各測定条件によりほとんど変化しない場合は、フィルタとウィンドウとは各測定条件で同じ設定とすれば良い。
可聴域ノックを抽出するフィルタは、実験時のノック強度評価方法として一般的な聴感評価との整合性確保、および製品段階において窓を開けた状態での走行時などにノック音がドライバーに聞こえることによる品質の問題への対応性を評価する。
広帯域ノックを抽出するフィルタは、圧力波形そのものが大きいノックによる耐久性の問題への対応性を評価する。
前記筒内圧センサ3では、検出が不完全なノック共鳴モードが存在する場合について、圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)の算出方法を図18に開示する。
この図18は図8の筒内圧センサ3の時系列周波数分析のウィンドウ(b)を拡大したものである。
各ノック周波数8、13、15、17[kHz]に対応する圧力変動強度をSn(S1、S2、S3、S4、図18ではn=1〜4)とする。
圧力変動強度Snは、各ノック周波数を抽出できるフィルタ処理および適切なウィンドウ処理後、最大値や積分値などとして算出する。
この圧力変動強度Snに掛かる重み係数αn(図18ではn=1〜4)とし、可聴域ノックに関連する圧力変動強度をS1、S2とし、広帯域ノックに関連する圧力変動強度をS1〜S4とすると、圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)はそれぞれ以下の式1と式2とで表すことができる。
重み係数αnは、前記筒内圧センサ3での検出度合いに応じて適切な値とする。
例えば、ノック周波数13、17[kHz]は、前記適合値設定手段16で述べたように筒内圧センサ3で検出が不完全なノック共鳴モードであるので、それぞれの検出度合いに応じてα2S2とα4S4との重み係数α2とα4とをα1とα3より小さい値とすれば、検出が不完全なノック共鳴モードの存在を考慮して圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)を算出することができる。
この圧力変動強度算出手段19では、ノック発生状態の筒内圧センサ波形に、図16(a)に示す可聴域ノックの周波数帯域と図16(b)に示す広帯域ノックの周波数帯域をそれぞれ抽出できるフィルタを用いたフィルタ処理、および適切なウィンドウ処理を行い、例として図17に示すような最大値や積分値を用いたi番目の測定条件における可聴域ノックおよび広帯域ノックに対応する圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)(以下、単に「圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)」という。)を求める。
この圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)は、k個の各測定条件について算出する(i=1〜k)。
前記圧力変動強度算出手段19による処理のフローチャートを図19に開示する。
この図19のフローチャートの補足説明に示すように、圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)は、圧力変動強度を表す複数の値の集合である。
圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)を算出する際のフィルタ(可聴域・広帯域のフィルタ)およびウィンドウは、各測定条件により変更しても良いが、圧力変動として検出されるノック周波数とノック発生タイミングが各測定条件によりほとんど変化しない場合は、フィルタとウィンドウとは各測定条件で同じ設定とすれば良い。
可聴域ノックを抽出するフィルタは、実験時のノック強度評価方法として一般的な聴感評価との整合性確保、および製品段階において窓を開けた状態での走行時などにノック音がドライバーに聞こえることによる品質の問題への対応性を評価する。
広帯域ノックを抽出するフィルタは、圧力波形そのものが大きいノックによる耐久性の問題への対応性を評価する。
前記筒内圧センサ3では、検出が不完全なノック共鳴モードが存在する場合について、圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)の算出方法を図18に開示する。
この図18は図8の筒内圧センサ3の時系列周波数分析のウィンドウ(b)を拡大したものである。
各ノック周波数8、13、15、17[kHz]に対応する圧力変動強度をSn(S1、S2、S3、S4、図18ではn=1〜4)とする。
圧力変動強度Snは、各ノック周波数を抽出できるフィルタ処理および適切なウィンドウ処理後、最大値や積分値などとして算出する。
この圧力変動強度Snに掛かる重み係数αn(図18ではn=1〜4)とし、可聴域ノックに関連する圧力変動強度をS1、S2とし、広帯域ノックに関連する圧力変動強度をS1〜S4とすると、圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)はそれぞれ以下の式1と式2とで表すことができる。
例えば、ノック周波数13、17[kHz]は、前記適合値設定手段16で述べたように筒内圧センサ3で検出が不完全なノック共鳴モードであるので、それぞれの検出度合いに応じてα2S2とα4S4との重み係数α2とα4とをα1とα3より小さい値とすれば、検出が不完全なノック共鳴モードの存在を考慮して圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)を算出することができる。
前記相関係数算出手段20について追記する。
この相関係数算出手段20では、図20に示すように、i番目の測定条件、j番目のノックセンサ取付位置、r番目の適合値の候補に対応する振動強度Ik(i、j、r)と、i番目の測定条件に対応する圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)に関する2つの相関図より、可聴域ノックおよび広帯域ノックに関する2つの相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)が得られる(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
なお、上述の「相関図」とは、同時に計測した筒内圧センサ波形とノックセンサ波形より算出した圧力変動強度と振動強度から作成された、相関図である。そして、相関図のプロット数は、相関係数が問題なく算出できるように設定した測定波形の数に一致する。
前記相関係数算出手段20による処理のフローチャートを図21に開示する。
例えば、図20に示す如く、相関係数のCw(i、j、r)よりCh(i、j、r)が大きな値であれば、i番目の測定条件、j番目のノックセンサ取付位置に対しては設定したr番目の適合値の候補(フィルタ・ウィンドウ)は、可聴域ノックの方が広帯域ノックより検出性が良いことを示している。
この相関係数算出手段20では、図20に示すように、i番目の測定条件、j番目のノックセンサ取付位置、r番目の適合値の候補に対応する振動強度Ik(i、j、r)と、i番目の測定条件に対応する圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)に関する2つの相関図より、可聴域ノックおよび広帯域ノックに関する2つの相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)が得られる(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
なお、上述の「相関図」とは、同時に計測した筒内圧センサ波形とノックセンサ波形より算出した圧力変動強度と振動強度から作成された、相関図である。そして、相関図のプロット数は、相関係数が問題なく算出できるように設定した測定波形の数に一致する。
前記相関係数算出手段20による処理のフローチャートを図21に開示する。
例えば、図20に示す如く、相関係数のCw(i、j、r)よりCh(i、j、r)が大きな値であれば、i番目の測定条件、j番目のノックセンサ取付位置に対しては設定したr番目の適合値の候補(フィルタ・ウィンドウ)は、可聴域ノックの方が広帯域ノックより検出性が良いことを示している。
前記取付位置適合手段17について追記する。
この取付位置適合手段17では、2つの相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)からi番目の測定条件、j番目のノックセンサ取付位置、r番目の適合値の候補に対応するノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
以下の図22の式3のように、2つの相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)の和をノック検出性評価指標In(i、j、r)としても良いが、低回転では品質に関わる可聴域ノック、高回転では耐久性に関わる広帯域ノックが問題となるケースが多く、品質と耐久性とのどちらを重視するべきかを回転数に応じて対しすることが望ましい。
このような場合、以下の図22の式4のように、2つの相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)に回転数依存の重み係数βh、βwをそれぞれ掛けて算出したものをノック検出性評価指標In(i、j、r)とする。
回転数依存の重み係数βh、βwは、例えば以下の図22の式5、式6のように、適合回転数により可変とすれば良い。
算出した全てのノック検出性評価指標In(i、j、r)を総合的に比較し、ノックセンサ取付位置の最適化およびその位置における適合値の最適化を行う。
実際には、制御仕様により適合値の設定自由度に差があり、全測定条件において最もノック検出性評価指標の高い取付位置が選定できるとは限らず、測定条件により取付位置の優劣の傾向が異なる場合も考えられる。
そのような場合は、全測定条件において平均的にノック検出性評価指標の高い適合値を選定するか、あるいは実際の運転状況で重要な条件(例えば、CVT車であれば、エンジン回転数を低く保ち、それにより負荷は高くなるため、低回転域のノック制御性が重要)において、ノック検出性評価指標が高い適合値を選定すれば良い。
前記取付位置適合手段17による処理のフローチャートを図23に開示する。
この取付位置適合手段17では、2つの相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)からi番目の測定条件、j番目のノックセンサ取付位置、r番目の適合値の候補に対応するノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
以下の図22の式3のように、2つの相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)の和をノック検出性評価指標In(i、j、r)としても良いが、低回転では品質に関わる可聴域ノック、高回転では耐久性に関わる広帯域ノックが問題となるケースが多く、品質と耐久性とのどちらを重視するべきかを回転数に応じて対しすることが望ましい。
実際には、制御仕様により適合値の設定自由度に差があり、全測定条件において最もノック検出性評価指標の高い取付位置が選定できるとは限らず、測定条件により取付位置の優劣の傾向が異なる場合も考えられる。
そのような場合は、全測定条件において平均的にノック検出性評価指標の高い適合値を選定するか、あるいは実際の運転状況で重要な条件(例えば、CVT車であれば、エンジン回転数を低く保ち、それにより負荷は高くなるため、低回転域のノック制御性が重要)において、ノック検出性評価指標が高い適合値を選定すれば良い。
前記取付位置適合手段17による処理のフローチャートを図23に開示する。
また、前記取付位置適合手段17は、ノック検出性評価指標の算出と、このノック検出性評価指標を用いて適合値(適合条件)の候補の中から最良適合値の選定とを行う。
従って、2つまたはそれ以上の相関係数に重み係数を掛けてノック検出性評価指標を算出することで、可聴域(品質)および広帯域(耐久性)ノック、またはその他の問題の原因となるノックのいずれかを重視することが可能となる。
更に、前記取付位置適合手段17は、夫々の取付位置における最良適合値どうしを比較して最適な取付位置を決定する。
従って、最良適合値(フィルタおよびウィンドウ)を選定した上でのノックセンサ取付位置の最適化が可能となる。
従って、2つまたはそれ以上の相関係数に重み係数を掛けてノック検出性評価指標を算出することで、可聴域(品質)および広帯域(耐久性)ノック、またはその他の問題の原因となるノックのいずれかを重視することが可能となる。
更に、前記取付位置適合手段17は、夫々の取付位置における最良適合値どうしを比較して最適な取付位置を決定する。
従って、最良適合値(フィルタおよびウィンドウ)を選定した上でのノックセンサ取付位置の最適化が可能となる。
以上、説明したノックセンサ取付位置の前記適合装置1により、この適合装置1は、前記エンジン2の気筒内部の圧力を検知する筒内圧センサ3と、前記エンジン2の側壁の任意の位置に取り付けて振動を検知する複数のノックセンサ4と、これら筒内圧センサ3と複数のノックセンサ4とから出力させる検知信号を波形信号として測定し処理する処理装置5とを備え、その処理に基づいて複数のノックセンサ4の取付位置から候補の選定を行うノックセンサ取付位置の適合方法において、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を同時測定するステップと、これら測定された波形それぞれに対して時系列の周波数特性を算出するステップと、この算出された周波数特性に基づく適合値の候補の選定を複数のノックセンサ4のそれぞれの取付位置について行うステップと、最終的にそれらの取付位置の中から最適な取付位置を選択するステップとを有する。
従って、ノック周波数とノック発生時間の全体の傾向を把握し、詳細にノック検出性の評価を行う適合値の候補を絞り込むことで適合工数の削減が可能となる。
詳述すれば、上述のノックセンサ取付位置の適合方法においては、ノックセンサ取付位置の最適化およびその位置におけるフィルタとウィンドウの適合値の最適化により、複雑なノック制御装置を用いることなく、高いノック検出性を実現するための方法として、図1に示す適合方法とした。
従って、ノック周波数とノック発生時間の全体の傾向を把握し、詳細にノック検出性の評価を行う適合値の候補を絞り込むことで適合工数の削減が可能となる。
詳述すれば、上述のノックセンサ取付位置の適合方法においては、ノックセンサ取付位置の最適化およびその位置におけるフィルタとウィンドウの適合値の最適化により、複雑なノック制御装置を用いることなく、高いノック検出性を実現するための方法として、図1に示す適合方法とした。
この適合方法においては、同時測定された複数のノックセンサ波形におけるそれぞれの取付位置および適合値の候補に対する振動強度を算出するステップと、筒内圧センサ波形に対し可聴域フィルタや広帯域フィルタ(あるいは類似の通過帯域を持つフィルタでもよい)を用いてそれぞれの波形領域に応じた複数の圧力変動強度を算出するステップと、この複数の圧力変動強度と複数の振動強度との相関係数を算出するステップとを最終的に選択するステップの前に行う。
従って、圧力変動強度算出時に、前記筒内圧センサ3では検出が不完全なノック共鳴モードを考慮することで、相関係数算出の精度を向上させることができる。
また、可聴域と広帯域ノック、その他のノックを定義することで、可聴ノック音による品質の問題や広帯域ノックによる耐久性の問題、その他のノックによる問題に、それぞれ個別に対処することが可能である。
従って、圧力変動強度算出時に、前記筒内圧センサ3では検出が不完全なノック共鳴モードを考慮することで、相関係数算出の精度を向上させることができる。
また、可聴域と広帯域ノック、その他のノックを定義することで、可聴ノック音による品質の問題や広帯域ノックによる耐久性の問題、その他のノックによる問題に、それぞれ個別に対処することが可能である。
次に、最終的に選択するステップの前に、相関係数を用いて式4によりノック検出性評価指標を算出するステップと、このノック検出性評価指標を用いて適合値(適合条件)の候補の中から最良適合値を選定するステップとを有する。
従って、2つまたはそれ以上の相関係数に重み係数を掛けてノック検出性評価指標を算出することで、可聴域(品質)および広帯域(耐久性)ノック、またはその他の問題の原因となるノックのいずれかを重視することが可能となる。
従って、2つまたはそれ以上の相関係数に重み係数を掛けてノック検出性評価指標を算出することで、可聴域(品質)および広帯域(耐久性)ノック、またはその他の問題の原因となるノックのいずれかを重視することが可能となる。
そして、最終的に選択するステップでは、夫々の取付位置における最良適合値どうしを比較して最適な取付位置を決定する。
従って、最良適合値(フィルタおよびウィンドウ)を選定した上でのノックセンサ取付位置の最適化が可能となる。
従って、最良適合値(フィルタおよびウィンドウ)を選定した上でのノックセンサ取付位置の最適化が可能となる。
ここで、筒内圧センサ波形とノックセンサ波形とを同時計測したデータから、ノックセンサ取付位置の最適化およびその位置における適合値の最適化を行うまでの実施例を説明する。
一例として、エンジン回転数2400rpm、2番気筒#2の1つの測定条件、2つの適合値の候補を用いて、図24に示す3箇所のノックセンサ取付位置の候補から最良取付位置を選定する。
このとき、それぞれの識別番号について以下のように定める。
測定条件(2400rpm、2番気筒#2)の識別番号:i=6
ノックセンサ(1)、(2)、(3)の取付位置の候補の識別番号:j=1、2、3
適合値の候補(1)−1、(1)−2、(2)−1、(2)−2、(3)−1、(3)−2の識別番号:r=1、2
一例として、エンジン回転数2400rpm、2番気筒#2の1つの測定条件、2つの適合値の候補を用いて、図24に示す3箇所のノックセンサ取付位置の候補から最良取付位置を選定する。
このとき、それぞれの識別番号について以下のように定める。
測定条件(2400rpm、2番気筒#2)の識別番号:i=6
ノックセンサ(1)、(2)、(3)の取付位置の候補の識別番号:j=1、2、3
適合値の候補(1)−1、(1)−2、(2)−1、(2)−2、(3)−1、(3)−2の識別番号:r=1、2
前記周波数分析手段15により、図8に示す筒内圧センサ波形とノックセンサ波形に関する周波数分析結果が得られる。
前記適合値設定手段16では、図10のノック共鳴モードと図8の筒内圧センサ波形とノックセンサ波形の周波数分析結果より、図13に示すノックセンサ(1)〜(3)に関する適合値の候補が選定される。
但し、この発明の実施例では、図13の適合値の候補を更に絞り、以下のように2つの適合値の候補(3)−1、(3)−2を設定した。
適合値の候補(3)−1:フィルタ中心周波数8.0[kHz]、
ウィンドウ10〜40[°CA ATDC]
適合値の候補(3)−2:フィルタ中心周波数17.0[kHz]、
ウィンドウ10〜40[°CA ATDC]
但し、この発明の実施例では、図13の適合値の候補を更に絞り、以下のように2つの適合値の候補(3)−1、(3)−2を設定した。
適合値の候補(3)−1:フィルタ中心周波数8.0[kHz]、
ウィンドウ10〜40[°CA ATDC]
適合値の候補(3)−2:フィルタ中心周波数17.0[kHz]、
ウィンドウ10〜40[°CA ATDC]
前記振動強度算出手段18では、振動強度Ik(i、j、r)を算出する。
この発明の実施例では、具体的に、全6個の振動強度Ik(6、1、1)、Ik(6、1、2)、Ik(6、2、1)、Ik(6、2、2)、Ik(6、3、1)、Ik(6、3、2)を算出する。
この発明の実施例では、具体的に、全6個の振動強度Ik(6、1、1)、Ik(6、1、2)、Ik(6、2、1)、Ik(6、2、2)、Ik(6、3、1)、Ik(6、3、2)を算出する。
前記圧力変動強度算出手段19により、可聴域ノックおよび広帯域ノックに対応する圧力変動強度Ich(6)、Icw(6)を算出する。
図18は図8の前記筒内圧センサ3の周波数分析結果(クランク角40[°CA ATDC])を拡大したものである。
図18において、約8、13、15、17[kHz]の各ノック周波数に対する圧力変動強度をS1、S2、S3、S4とする。
、図18中の約13、17[kHz]の周波数ピークのゲインは非常に小さく、前記筒内圧センサ3では検出な不可能なノック共鳴モードと見なせる。
従って、圧力変動強度S2、S4に対する重み係数α2、α4を0とし、可聴域ノックおよび広帯域ノックに対応する周波数帯域を考慮すると、圧力変動強度Ich(6)、Icw(6)を算出する式は、以下の図18中の式1’と式2’となる。
図18は図8の前記筒内圧センサ3の周波数分析結果(クランク角40[°CA ATDC])を拡大したものである。
図18において、約8、13、15、17[kHz]の各ノック周波数に対する圧力変動強度をS1、S2、S3、S4とする。
、図18中の約13、17[kHz]の周波数ピークのゲインは非常に小さく、前記筒内圧センサ3では検出な不可能なノック共鳴モードと見なせる。
従って、圧力変動強度S2、S4に対する重み係数α2、α4を0とし、可聴域ノックおよび広帯域ノックに対応する周波数帯域を考慮すると、圧力変動強度Ich(6)、Icw(6)を算出する式は、以下の図18中の式1’と式2’となる。
前記相関係数算出手段20では、圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)と振動強度Ik(i、j、r)との各々の相関図から、可聴域ノックおよび広帯域ノックに関する2種類の相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)が得られる。
この発明の実施例では、一例として、ノックセンサ(1)の取付位置の候補に関する以下の4項目の相関図を図25に示す。
また、この発明の実施例で得られる全12個の相関係数Ch(6、1、1)、CW(6、1、1)、………、Ch(6、3、2)、CW(6、3、2)を図26の項目「圧力変動強度」に示す。
図25(a):圧力変動強度Ich(6)と振動強度Ik(6、1、1)の相関図(相関係数:Ch(6、1、1))
図25(b):圧力変動強度Icw(6)と振動強度Ik(6、1、1)の相関図(相関係数:Cw(6、1、1))
図25(c):圧力変動強度Ich(6)と振動強度Ik(6、1、2)の相関図(相関係数:Ch(6、1、2))
図25(d):圧力変動強度Icw(6)と振動強度Ik(6、1、2)の相関図(相関係数:Cw(6、1、2))
この発明の実施例では、一例として、ノックセンサ(1)の取付位置の候補に関する以下の4項目の相関図を図25に示す。
また、この発明の実施例で得られる全12個の相関係数Ch(6、1、1)、CW(6、1、1)、………、Ch(6、3、2)、CW(6、3、2)を図26の項目「圧力変動強度」に示す。
図25(a):圧力変動強度Ich(6)と振動強度Ik(6、1、1)の相関図(相関係数:Ch(6、1、1))
図25(b):圧力変動強度Icw(6)と振動強度Ik(6、1、1)の相関図(相関係数:Cw(6、1、1))
図25(c):圧力変動強度Ich(6)と振動強度Ik(6、1、2)の相関図(相関係数:Ch(6、1、2))
図25(d):圧力変動強度Icw(6)と振動強度Ik(6、1、2)の相関図(相関係数:Cw(6、1、2))
前記取付位置適合手段17では、2つの相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)からノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する。
この発明の実施例では、図22の式4により12個の相関係数Ch(6、1、1)、Cw(6、1、1)、………、Ch(6、3、2)、CW(6、3、2)から6個のノック検出性評価指標In(6、1、1)、………、In(6、3、2)を算出する。
ここで、使用したエンジンの最大回転数(Rmax)と最小回転数(Rmin)とをそれぞれ以下のようにする。
Rmax=6000(rpm)
Rmin=600(rpm)
また、適合回転数(Ra)は、
Ra=2400(rpm)
なので、回転数依存の重み係数βh、βwは、図22の式5及び式6より、以下のようになる。
βh=4200/6000
βw=2400/6000
このとき、上記の重み係数βh、βwの値と図26の項目「圧力変動強度」に示した相関係数Ch(6、1、1)、CW(6、1、1)、………、Ch(6、3、2)、CW(6、3、2)の値をそれぞれ図22の式4に代入すると、図27に示すノック検出性評価指標In(6、1、1)、………、In(6、3、2)の値が求まる。
この図27よりノック検出性評価指標は、
In(6、3、1)=0.89
が最も高い値であるので、エンジン回転数2400(rpm)、2番気筒#2で発生するノックを検出ためのノックセンサ最良取付位置および最良適合値として、ノックセンサ(3)の取付位置および適合値の候補(3)−1を採用すれば良い。
この発明の実施例では、図22の式4により12個の相関係数Ch(6、1、1)、Cw(6、1、1)、………、Ch(6、3、2)、CW(6、3、2)から6個のノック検出性評価指標In(6、1、1)、………、In(6、3、2)を算出する。
ここで、使用したエンジンの最大回転数(Rmax)と最小回転数(Rmin)とをそれぞれ以下のようにする。
Rmax=6000(rpm)
Rmin=600(rpm)
また、適合回転数(Ra)は、
Ra=2400(rpm)
なので、回転数依存の重み係数βh、βwは、図22の式5及び式6より、以下のようになる。
βh=4200/6000
βw=2400/6000
このとき、上記の重み係数βh、βwの値と図26の項目「圧力変動強度」に示した相関係数Ch(6、1、1)、CW(6、1、1)、………、Ch(6、3、2)、CW(6、3、2)の値をそれぞれ図22の式4に代入すると、図27に示すノック検出性評価指標In(6、1、1)、………、In(6、3、2)の値が求まる。
この図27よりノック検出性評価指標は、
In(6、3、1)=0.89
が最も高い値であるので、エンジン回転数2400(rpm)、2番気筒#2で発生するノックを検出ためのノックセンサ最良取付位置および最良適合値として、ノックセンサ(3)の取付位置および適合値の候補(3)−1を採用すれば良い。
次に、作用を説明する。
先ず、図1のノックセンサ取付位置の適合方法の処理内容のフローチャートに沿って説明する。
このノックセンサ取付位置の適合方法の処理内容用のプログラムがスタートすると、前記波形測定手段8で各測定条件について筒内圧センサ波形と各ノックセンサ波形を同時測定する処理(101)を行う。
そして、この処理(101)によって、ノックに起因する振動の特定が可能となる。
また、前記波形測定手段8で各測定条件について筒内圧センサ波形と各ノックセンサ波形を同時測定する処理(101)の後には、前記周波数分析手段15により各測定条件について筒内圧センサ波形と各ノックセンサ波形の時系列の周波数分析を行う処理(102)に移行する。
この処理(102)によって、周波数分析手段15は、ノック発生状態で測定した筒内圧センサ波形、ノック非発生状態で測定した筒内圧センサ波形、ノック発生状態で測定した各取付位置候補のノックセンサ波形、ノック非発生状態で測定した各取付位置候補のノックセンサ波形に対して時系列の周波数分析を行う。
図9に開示した前記周波数分析手段15による時系列の周波数分析用処理のフローチャートは後述する。
なお、この図9の時系列の周波数分析用処理のフローチャートにおいては、図6に示す如く、同時測定したクランク角センサ波形を用いて測定波形1つ1つに対して時系列にウィンドウ(この例では、クランク角10度おきに6つのウィンドウを設定、ウィンドウ幅はクランク角30度)を設定し、FFTやDFTを用いて図7のように周波数特性を求める。
このとき、ウィンドウ幅や間隔、および隣り合うウィンドウを重ね合わせるどうかについては限定しない。
最後に、全サイクルの測定波形の周波数分析結果をウィンドウ毎に平均し、図8のように前記筒内圧センサ3と各取付位置候補の前記ノックセンサ4x、4y、4z(この例では、(1)〜(3)までの3箇所)のそれぞれについてノック発生状態と非発生状態との結果を比較する形とする。
そして、前記周波数分析手段15により各測定条件について筒内圧センサ波形と各ノックセンサ波形の時系列の周波数分析を行う処理(102)の後には、前記適合値設定手段16で周波数分析の結果から測定条件、ノックセンサ取付位置候補の全ての各組合せに対応する適合値の選定を行う処理(103)に移行する。
つまり、前記周波数分析手段15による処理(102)の結果からノック周波数とノック発生時間の全体の傾向を把握することができるため、この処理(103)において、前記適合値設定手段16で詳細にノック検出性の評価を行う適合条件の候補を絞り込むことができる。
この周波数分析手段15による時系列の周波数分析の処理を全ての測定条件について行う。
結果として、図8のような周波数分析結果は測定条件毎に求める。
このとき、上述の処理(102)及び処理(103)においては、適合工数の削減が可能となる。
前記適合値設定手段16で周波数分析の結果から測定条件、ノックセンサ取付位置候補の全ての各組合せに対応する適合値の選定を行う処理(103)の後には、前記振動強度算出手段18で測定条件、ノックセンサ取付位置候補、適合値の候補の全ての各組合せに対応する振動強度Ik(i、j、k)を算出する処理(104)に移行する。
この処理(104)において、振動強度算出手段18は、前の適合値設定手段16にて選定した適合条件の候補それぞれについて、ノック発生状態で測定した各取付位置候補のノックセンサ波形から振動強度を算出する。
適合条件の候補を4つ選定した場合は、1つの波形に対して振動強度も4つの値が算出される。
図15に開示した振動強度算出手段18による処理のフローチャートは後述する。
図14に、図13のノックセンサ(1)の適合候補(1)−1を用いた振動強度算出の例を示す。
ノック発生状態で測定したノックセンサ波形に通過帯の中心周波数が7.5[kHz]のフィルタ処理、続いて抽出範囲が10〜80[°CA ATDC]のウィンドウ処理を行い、その結果得られた波形から振動強度を算出する。
前記振動強度算出手段18で測定条件、ノックセンサ取付位置候補、適合値の候補の全ての各組合せに対応する振動強度Ik(i、j、r)を算出する処理(104)の後には、前記圧力変動強度算出手段19により各測定条件で筒内圧センサ波形から可聴域ノックおよび広帯域ノックに対応する圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)を算出する処理(105)に移行する。
この処理(105)において、圧力変動強度算出手段19は、ノック発生状態およびノック非発生状態で測定した筒内圧センサ波形に、図16(a)に示す可聴域フィルタおよび図16(b)に示す広帯域フィルタを用いてそれぞれの圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)を算出する。
図19に開示した前記圧力変動強度算出手段19による処理のフローチャートは後述する。
前記圧力変動強度算出手段19により各測定条件で筒内圧センサ波形から可聴域ノックおよび広帯域ノックに対応する圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)を算出する処理(105)の後には、前記相関係数算出手段20で、処理(104)からの前記振動強度算出手段18による振動強度Ik(i、j、r)と処理(105)からの前記圧力変動強度算出手段19による圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)とから各々の相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)を算出する処理(106)に移行する。
この処理(106)において、相関係数算出手段20は、図20に示すように、i番目の測定条件、j番目のノックセンサ取付位置、r番目の適合値の候補に対応する振動強度Ik(i、j、r)と、i番目の測定条件に対応する圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)に関する2つの相関図より、可聴域ノックおよび広帯域ノックに関する2つの相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)が得られる(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
図21に開示した前記相関係数算出手段20による処理のフローチャートは後述する。
前記相関係数算出手段20で、処理(104)からの前記振動強度算出手段18による振動強度Ik(i、j、r)と処理(105)からの前記圧力変動強度算出手段19による圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)とから各々の相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)を算出する処理(106)の後には、前記取付位置適合手段17で、前記相関係数算出手段20による相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)から各々のノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する処理(107)に移行する。
この処理(107)において、前記取付位置適合手段17は、図22の式4により12個の相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)、………、Ch(6、3、2)、CW(6、3、2)から6個のノック検出性評価指標In(6、1、1)、………、In(6、3、2)を算出する。
図23に開示した前記取付位置適合手段17による処理のフローチャートは後述する。
前記取付位置適合手段17で、前記相関係数算出手段20による相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)から各々のノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する処理(107)の後には、前記適合装置1で、全てのノック検出性評価指標In(i、j、r)を比較してノックセンサ取付位置を最適化する処理(108)に移行する。
この処理(108)において、前記適合装置1は、(k x m x n)個の全てのノック検出性評価指標In(i、j、r)を総合的に比較し、ノックセンサ取付位置およびその位置での適合値を最適化する。
このノックセンサ取付位置の適合方法の処理内容用のプログラムがスタートすると、前記波形測定手段8で各測定条件について筒内圧センサ波形と各ノックセンサ波形を同時測定する処理(101)を行う。
そして、この処理(101)によって、ノックに起因する振動の特定が可能となる。
また、前記波形測定手段8で各測定条件について筒内圧センサ波形と各ノックセンサ波形を同時測定する処理(101)の後には、前記周波数分析手段15により各測定条件について筒内圧センサ波形と各ノックセンサ波形の時系列の周波数分析を行う処理(102)に移行する。
この処理(102)によって、周波数分析手段15は、ノック発生状態で測定した筒内圧センサ波形、ノック非発生状態で測定した筒内圧センサ波形、ノック発生状態で測定した各取付位置候補のノックセンサ波形、ノック非発生状態で測定した各取付位置候補のノックセンサ波形に対して時系列の周波数分析を行う。
図9に開示した前記周波数分析手段15による時系列の周波数分析用処理のフローチャートは後述する。
なお、この図9の時系列の周波数分析用処理のフローチャートにおいては、図6に示す如く、同時測定したクランク角センサ波形を用いて測定波形1つ1つに対して時系列にウィンドウ(この例では、クランク角10度おきに6つのウィンドウを設定、ウィンドウ幅はクランク角30度)を設定し、FFTやDFTを用いて図7のように周波数特性を求める。
このとき、ウィンドウ幅や間隔、および隣り合うウィンドウを重ね合わせるどうかについては限定しない。
最後に、全サイクルの測定波形の周波数分析結果をウィンドウ毎に平均し、図8のように前記筒内圧センサ3と各取付位置候補の前記ノックセンサ4x、4y、4z(この例では、(1)〜(3)までの3箇所)のそれぞれについてノック発生状態と非発生状態との結果を比較する形とする。
そして、前記周波数分析手段15により各測定条件について筒内圧センサ波形と各ノックセンサ波形の時系列の周波数分析を行う処理(102)の後には、前記適合値設定手段16で周波数分析の結果から測定条件、ノックセンサ取付位置候補の全ての各組合せに対応する適合値の選定を行う処理(103)に移行する。
つまり、前記周波数分析手段15による処理(102)の結果からノック周波数とノック発生時間の全体の傾向を把握することができるため、この処理(103)において、前記適合値設定手段16で詳細にノック検出性の評価を行う適合条件の候補を絞り込むことができる。
この周波数分析手段15による時系列の周波数分析の処理を全ての測定条件について行う。
結果として、図8のような周波数分析結果は測定条件毎に求める。
このとき、上述の処理(102)及び処理(103)においては、適合工数の削減が可能となる。
前記適合値設定手段16で周波数分析の結果から測定条件、ノックセンサ取付位置候補の全ての各組合せに対応する適合値の選定を行う処理(103)の後には、前記振動強度算出手段18で測定条件、ノックセンサ取付位置候補、適合値の候補の全ての各組合せに対応する振動強度Ik(i、j、k)を算出する処理(104)に移行する。
この処理(104)において、振動強度算出手段18は、前の適合値設定手段16にて選定した適合条件の候補それぞれについて、ノック発生状態で測定した各取付位置候補のノックセンサ波形から振動強度を算出する。
適合条件の候補を4つ選定した場合は、1つの波形に対して振動強度も4つの値が算出される。
図15に開示した振動強度算出手段18による処理のフローチャートは後述する。
図14に、図13のノックセンサ(1)の適合候補(1)−1を用いた振動強度算出の例を示す。
ノック発生状態で測定したノックセンサ波形に通過帯の中心周波数が7.5[kHz]のフィルタ処理、続いて抽出範囲が10〜80[°CA ATDC]のウィンドウ処理を行い、その結果得られた波形から振動強度を算出する。
前記振動強度算出手段18で測定条件、ノックセンサ取付位置候補、適合値の候補の全ての各組合せに対応する振動強度Ik(i、j、r)を算出する処理(104)の後には、前記圧力変動強度算出手段19により各測定条件で筒内圧センサ波形から可聴域ノックおよび広帯域ノックに対応する圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)を算出する処理(105)に移行する。
この処理(105)において、圧力変動強度算出手段19は、ノック発生状態およびノック非発生状態で測定した筒内圧センサ波形に、図16(a)に示す可聴域フィルタおよび図16(b)に示す広帯域フィルタを用いてそれぞれの圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)を算出する。
図19に開示した前記圧力変動強度算出手段19による処理のフローチャートは後述する。
前記圧力変動強度算出手段19により各測定条件で筒内圧センサ波形から可聴域ノックおよび広帯域ノックに対応する圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)を算出する処理(105)の後には、前記相関係数算出手段20で、処理(104)からの前記振動強度算出手段18による振動強度Ik(i、j、r)と処理(105)からの前記圧力変動強度算出手段19による圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)とから各々の相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)を算出する処理(106)に移行する。
この処理(106)において、相関係数算出手段20は、図20に示すように、i番目の測定条件、j番目のノックセンサ取付位置、r番目の適合値の候補に対応する振動強度Ik(i、j、r)と、i番目の測定条件に対応する圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)に関する2つの相関図より、可聴域ノックおよび広帯域ノックに関する2つの相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)が得られる(i=1〜k、j=1〜m、r=1〜n)。
図21に開示した前記相関係数算出手段20による処理のフローチャートは後述する。
前記相関係数算出手段20で、処理(104)からの前記振動強度算出手段18による振動強度Ik(i、j、r)と処理(105)からの前記圧力変動強度算出手段19による圧力変動強度Ich(i)、Icw(i)とから各々の相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)を算出する処理(106)の後には、前記取付位置適合手段17で、前記相関係数算出手段20による相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)から各々のノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する処理(107)に移行する。
この処理(107)において、前記取付位置適合手段17は、図22の式4により12個の相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)、………、Ch(6、3、2)、CW(6、3、2)から6個のノック検出性評価指標In(6、1、1)、………、In(6、3、2)を算出する。
図23に開示した前記取付位置適合手段17による処理のフローチャートは後述する。
前記取付位置適合手段17で、前記相関係数算出手段20による相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)から各々のノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する処理(107)の後には、前記適合装置1で、全てのノック検出性評価指標In(i、j、r)を比較してノックセンサ取付位置を最適化する処理(108)に移行する。
この処理(108)において、前記適合装置1は、(k x m x n)個の全てのノック検出性評価指標In(i、j、r)を総合的に比較し、ノックセンサ取付位置およびその位置での適合値を最適化する。
図9に開示した前記周波数分析手段15による周波数分析用フローチャートを説明する。
この周波数分析手段15による周波数分析用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(201)すると、測定条件(i=1〜k)を選択する処理(202)に移行する。
そして、この処理(202)においては、回転数、気筒によって測定条件を選択する。
このとき、測定条件として負荷を追加しても良い。
この測定条件(i=1〜k)を選択する処理(202)の後には、波形の種類を選択する処理(203)に移行する。
つまり、この処理(203)においては、「筒内圧センサと各ノックセンサ、各々ノック発生/非発生」、追記すれば、ノック発生状態の筒内圧センサ波形と各ノックセンサ波形、およびノック非発生状態の筒内圧センサ波形と各ノックセンサ波形の4種類を選択する。
上述の波形の種類を選択する処理(203)の後には、一波形に対して時系列にウィンドウを設定し周波数分析を行う処理(204)に移行する。
この処理(204)においては、前記周波数分析手段15で、ノック発生状態の筒内圧センサ波形、ノック非発生状態の筒内圧センサ波形、ノック発生状態の各ノックセンサ波形、ノック非発生状態の各ノックセンサ波形に対して時系列の周波数分析を行う。
一波形に対して時系列にウィンドウを設定し周波数分析を行う処理(204)の後には、全サイクルの波形の周波数分析が完了したか否かの判断(205)に移行する。
このとき、全サイクルの波形は、相関係数が問題なく算出できるように設定した測定波形数の全波形を指す。
そして、判断(205)がNOの場合には、上述の一波形に対して時系列にウィンドウを設定し周波数分析を行う処理(204)に戻る。
判断(205)がYESの場合には、各ウィンドウについて、全サイクルの波形の周波数分析結果を平均する処理(206)に移行する。
この各ウィンドウについて、全サイクルの波形の周波数分析結果を平均する処理(206)の後には、全種類の波形の(筒内圧、ノックセンサ、各々ノック発生/非発生)周波数分析が完了したか否かの判断(207)に移行する。
このとき、選択する波形は、
2+取付位置候補X2種類
であり、ノック発生状態の筒内圧センサと取付位置候補の数のノックセンサ波形およびノック非発生状態の筒内圧センサ波形と取付位置候補の数のノックセンサ波形、図8の例であれば、
2+3X2=8
となる。
そして、全種類の波形の(筒内圧、ノックセンサ、各々ノック発生/非発生)周波数分析が完了したか否かの判断(207)において、この判断(207)がNOの場合には、上述の波形の種類を選択する処理(203)に戻る。
判断(207)がYESの場合には、全測定条件(回転数、気筒)の周波数分析が完了したか否かの判断(208)に移行する。
このとき、回転数6段階、4気筒エンジンならば、測定条件の数は、
6X4=24
となる。
また、全測定条件の(回転数、気筒)周波数分析が完了したか否かの判断(208)において、この判断(208)がNOの場合には、上述の測定条件を選択する処理(202)に戻る。
判断(208)がYESの場合には、前記周波数分析手段15による周波数分析用プログラムのエンド(「処理終了」ともいう。)(209)に移行する。
この周波数分析手段15による周波数分析用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(201)すると、測定条件(i=1〜k)を選択する処理(202)に移行する。
そして、この処理(202)においては、回転数、気筒によって測定条件を選択する。
このとき、測定条件として負荷を追加しても良い。
この測定条件(i=1〜k)を選択する処理(202)の後には、波形の種類を選択する処理(203)に移行する。
つまり、この処理(203)においては、「筒内圧センサと各ノックセンサ、各々ノック発生/非発生」、追記すれば、ノック発生状態の筒内圧センサ波形と各ノックセンサ波形、およびノック非発生状態の筒内圧センサ波形と各ノックセンサ波形の4種類を選択する。
上述の波形の種類を選択する処理(203)の後には、一波形に対して時系列にウィンドウを設定し周波数分析を行う処理(204)に移行する。
この処理(204)においては、前記周波数分析手段15で、ノック発生状態の筒内圧センサ波形、ノック非発生状態の筒内圧センサ波形、ノック発生状態の各ノックセンサ波形、ノック非発生状態の各ノックセンサ波形に対して時系列の周波数分析を行う。
一波形に対して時系列にウィンドウを設定し周波数分析を行う処理(204)の後には、全サイクルの波形の周波数分析が完了したか否かの判断(205)に移行する。
このとき、全サイクルの波形は、相関係数が問題なく算出できるように設定した測定波形数の全波形を指す。
そして、判断(205)がNOの場合には、上述の一波形に対して時系列にウィンドウを設定し周波数分析を行う処理(204)に戻る。
判断(205)がYESの場合には、各ウィンドウについて、全サイクルの波形の周波数分析結果を平均する処理(206)に移行する。
この各ウィンドウについて、全サイクルの波形の周波数分析結果を平均する処理(206)の後には、全種類の波形の(筒内圧、ノックセンサ、各々ノック発生/非発生)周波数分析が完了したか否かの判断(207)に移行する。
このとき、選択する波形は、
2+取付位置候補X2種類
であり、ノック発生状態の筒内圧センサと取付位置候補の数のノックセンサ波形およびノック非発生状態の筒内圧センサ波形と取付位置候補の数のノックセンサ波形、図8の例であれば、
2+3X2=8
となる。
そして、全種類の波形の(筒内圧、ノックセンサ、各々ノック発生/非発生)周波数分析が完了したか否かの判断(207)において、この判断(207)がNOの場合には、上述の波形の種類を選択する処理(203)に戻る。
判断(207)がYESの場合には、全測定条件(回転数、気筒)の周波数分析が完了したか否かの判断(208)に移行する。
このとき、回転数6段階、4気筒エンジンならば、測定条件の数は、
6X4=24
となる。
また、全測定条件の(回転数、気筒)周波数分析が完了したか否かの判断(208)において、この判断(208)がNOの場合には、上述の測定条件を選択する処理(202)に戻る。
判断(208)がYESの場合には、前記周波数分析手段15による周波数分析用プログラムのエンド(「処理終了」ともいう。)(209)に移行する。
図11の前記適合値設定手段16におけるノック周波数の判断用フローチャートに沿って説明する。
この適合条件設定手段16におけるノック周波数の判断用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(301)すると、前記筒内圧センサ3の周波数分析結果から周波数ピークを抽出する処理(302)に移行する。
そして、この筒内圧センサ3の周波数分析結果から周波数ピークを抽出する処理(302)の後には、周波数ピークの強度について、ノック発生状態とノック非発生状態との差を算出する処理(303)に移行する。
処理(303)において、周波数ピークの強度について、ノック発生状態とノック非発生状態との差を算出した後には、ノック発生状態とノック非発生状態との差が規定値より大きいか否かの判断(304)に移行する。
そして、このノック発生状態とノック非発生状態との差が規定値より大きいか否かの判断(304)において、判断(304)がNOの場合には、後述するノックではないと判断する処理(308)に移行する。
判断(304)がYESの場合には、ピーク周波数を算出する処理(305)を経て、ピーク周波数がノック共振モードに相当するか否かの判断(306)に移行する。
このピーク周波数がノック共振モードに相当するか否かの判断(306)において、判断(306)がNOの場合には、このノックでないと判断する処理(308)に移行する。
判断(306)がYESの場合には、ノックであると判断する処理(307)に移行する。
この適合条件設定手段16におけるノック周波数の判断用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(301)すると、前記筒内圧センサ3の周波数分析結果から周波数ピークを抽出する処理(302)に移行する。
そして、この筒内圧センサ3の周波数分析結果から周波数ピークを抽出する処理(302)の後には、周波数ピークの強度について、ノック発生状態とノック非発生状態との差を算出する処理(303)に移行する。
処理(303)において、周波数ピークの強度について、ノック発生状態とノック非発生状態との差を算出した後には、ノック発生状態とノック非発生状態との差が規定値より大きいか否かの判断(304)に移行する。
そして、このノック発生状態とノック非発生状態との差が規定値より大きいか否かの判断(304)において、判断(304)がNOの場合には、後述するノックではないと判断する処理(308)に移行する。
判断(304)がYESの場合には、ピーク周波数を算出する処理(305)を経て、ピーク周波数がノック共振モードに相当するか否かの判断(306)に移行する。
このピーク周波数がノック共振モードに相当するか否かの判断(306)において、判断(306)がNOの場合には、このノックでないと判断する処理(308)に移行する。
判断(306)がYESの場合には、ノックであると判断する処理(307)に移行する。
図12の前記適合値設定手段16における適合値の候補選定の判断用フローチャートに沿って説明する。
この適合値設定手段16における適合値の候補選定の判断用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(401)すると、前記ノックセンサ4の周波数分析結果から周波数ピークを抽出する処理(402)に移行する。
そして、このノックセンサ4の周波数分析結果から周波数ピークを抽出する処理(402)の後には、周波数ピークの強度について、ノック発生状態とノック非発生状態との差を算出する処理(403)に移行する。
処理(403)において、周波数ピークの強度について、ノック発生状態とノック非発生状態との差を算出した後には、ノック発生状態とノック非発生状態との差が規定値より大きいか否かの判断(404)に移行する。
そして、このノック発生状態とノック非発生状態との差が規定値より大きいか否かの判断(404)において、判断(404)がNOの場合には、後述する適合値の候補から除外(ノイズの影響大)する処理(408)に移行する。
判断(404)がYESの場合には、ピーク周波数を算出する処理(405)を経て、ピーク周波数が筒内圧センサ3のピーク周波数に対応しているか否かの判断(406)に移行する。
このピーク周波数が筒内圧センサ3のピーク周波数に対応しているか否かの判断(406)において、判断(406)がNOの場合には、適合値の候補から除外(ノイズの影響大)する処理(408)に移行する。
判断(406)がYESの場合には、適合値の候補に設定する処理(407)に移行する。
この適合値設定手段16における適合値の候補選定の判断用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(401)すると、前記ノックセンサ4の周波数分析結果から周波数ピークを抽出する処理(402)に移行する。
そして、このノックセンサ4の周波数分析結果から周波数ピークを抽出する処理(402)の後には、周波数ピークの強度について、ノック発生状態とノック非発生状態との差を算出する処理(403)に移行する。
処理(403)において、周波数ピークの強度について、ノック発生状態とノック非発生状態との差を算出した後には、ノック発生状態とノック非発生状態との差が規定値より大きいか否かの判断(404)に移行する。
そして、このノック発生状態とノック非発生状態との差が規定値より大きいか否かの判断(404)において、判断(404)がNOの場合には、後述する適合値の候補から除外(ノイズの影響大)する処理(408)に移行する。
判断(404)がYESの場合には、ピーク周波数を算出する処理(405)を経て、ピーク周波数が筒内圧センサ3のピーク周波数に対応しているか否かの判断(406)に移行する。
このピーク周波数が筒内圧センサ3のピーク周波数に対応しているか否かの判断(406)において、判断(406)がNOの場合には、適合値の候補から除外(ノイズの影響大)する処理(408)に移行する。
判断(406)がYESの場合には、適合値の候補に設定する処理(407)に移行する。
図15の前記振動強度算出手段18における振動強度算出処理用のフローチャートに沿って説明する。
この振動強度算出手段18における振動強度算出処理用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(501)すると、測定条件(i=1〜k)を選択する処理(502)に移行する。
そして、この処理(502)においては、回転数、気筒によって測定条件を選択する。
なお、この処理(502)において、測定条件として負荷を追加しても良い。
この測定条件(i=1〜k)を選択する処理(502)の後には、前記ノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)を選択する処理(503)に移行し、このノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)を選択する処理(503)の後に、適合値の候補(r=1〜n)を選択する処理(504)に移行する。
そして、この適合値の候補(r=1〜n)を選択する処理(504)の後には、ノック発生状態の振動1波形に対してフィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(505)に移行する。
このノック発生状態の振動1波形に対してフィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(505)の後には、振動強度Ik(i、j、r)を算出(最大値、積分値など)する処理(506)に移行する。
上述の処理(505)及び処理(506)は、図14に示すように行われ、振動1波形に対して1つの振動強度(積分値など)が算出される。
そして、振動強度Ik(i、j、r)を算出(最大値、積分値など)する処理(506)の後には、全サイクルの波形の処理が完了したか否かの判断(507)に移行する。
この全サイクルの波形の処理が完了したか否かの判断(507)おいて、全サイクルの波形の処理が完了すると、振動強度Ik(i、j、r)は全サイクル数分の振動強度の集合となる。
なお、「全サイクルの波形」とは、相関係数が問題なく算出できるように設定した測定波形数の全波形を指す。
上述の全サイクルの波形の処理が完了したか否かの判断(507)おいて、判断(507)がNOの場合には、上述のノック発生状態の振動1波形に対してフィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(505)に戻る。
判断(507)がYESの場合には、適合値の全候補の処理が完了したか否かの判断(508)に移行する。
そして、この適合値の全候補の処理が完了したか否かの判断(508)において、判断(508)がNOの場合には、上述の適合値の候補(r=1〜n)を選択する処理(504)に戻る。
判断(508)がYESの場合には、ノックセンサ取付位置の全候補の処理が完了したか否かの判断(509)に移行する。
このノックセンサ取付位置の全候補の処理が完了したか否かの判断(509)において、判断(509)がNOの場合には、上述のノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)を選択する処理(503)に戻る。
判断(509)がYESの場合には、全測定条件の(回転数、気筒)処理が完了したか否かの判断(510)に移行する。
この全測定条件の(回転数、気筒)処理が完了したか否かの判断(510)において、判断(510)がNOの場合には、上述の測定条件(i=1〜k)を選択する処理(502)に戻る。
判断(510)がYESの場合には、前記振動強度算出手段18における振動強度算出処理用プログラムのエンド(「処理終了」ともいう。)(511)に移行する。
この振動強度算出手段18における振動強度算出処理用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(501)すると、測定条件(i=1〜k)を選択する処理(502)に移行する。
そして、この処理(502)においては、回転数、気筒によって測定条件を選択する。
なお、この処理(502)において、測定条件として負荷を追加しても良い。
この測定条件(i=1〜k)を選択する処理(502)の後には、前記ノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)を選択する処理(503)に移行し、このノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)を選択する処理(503)の後に、適合値の候補(r=1〜n)を選択する処理(504)に移行する。
そして、この適合値の候補(r=1〜n)を選択する処理(504)の後には、ノック発生状態の振動1波形に対してフィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(505)に移行する。
このノック発生状態の振動1波形に対してフィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(505)の後には、振動強度Ik(i、j、r)を算出(最大値、積分値など)する処理(506)に移行する。
上述の処理(505)及び処理(506)は、図14に示すように行われ、振動1波形に対して1つの振動強度(積分値など)が算出される。
そして、振動強度Ik(i、j、r)を算出(最大値、積分値など)する処理(506)の後には、全サイクルの波形の処理が完了したか否かの判断(507)に移行する。
この全サイクルの波形の処理が完了したか否かの判断(507)おいて、全サイクルの波形の処理が完了すると、振動強度Ik(i、j、r)は全サイクル数分の振動強度の集合となる。
なお、「全サイクルの波形」とは、相関係数が問題なく算出できるように設定した測定波形数の全波形を指す。
上述の全サイクルの波形の処理が完了したか否かの判断(507)おいて、判断(507)がNOの場合には、上述のノック発生状態の振動1波形に対してフィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(505)に戻る。
判断(507)がYESの場合には、適合値の全候補の処理が完了したか否かの判断(508)に移行する。
そして、この適合値の全候補の処理が完了したか否かの判断(508)において、判断(508)がNOの場合には、上述の適合値の候補(r=1〜n)を選択する処理(504)に戻る。
判断(508)がYESの場合には、ノックセンサ取付位置の全候補の処理が完了したか否かの判断(509)に移行する。
このノックセンサ取付位置の全候補の処理が完了したか否かの判断(509)において、判断(509)がNOの場合には、上述のノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)を選択する処理(503)に戻る。
判断(509)がYESの場合には、全測定条件の(回転数、気筒)処理が完了したか否かの判断(510)に移行する。
この全測定条件の(回転数、気筒)処理が完了したか否かの判断(510)において、判断(510)がNOの場合には、上述の測定条件(i=1〜k)を選択する処理(502)に戻る。
判断(510)がYESの場合には、前記振動強度算出手段18における振動強度算出処理用プログラムのエンド(「処理終了」ともいう。)(511)に移行する。
図19の前記圧力変動強度算出手段19における圧力変動強度算出処理用のフローチャートに沿って説明する。
この圧力変動強度算出手段19における圧力変動強度算出処理用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(601)すると、測定条件(i=1〜k)を選択する処理(602)に移行する。
そして、この処理(602)においては、回転数、気筒によって測定条件を選択する。
なお、この処理(602)において、測定条件として負荷を追加しても良い。
この測定条件(i=1〜k)を選択する処理(602)の後には、ノック発生状態の筒内圧1波形に対して可聴域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(603)に移行する。
このノック発生状態の筒内圧1波形に対して可聴域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(603)において、可聴域フィルタを図16(a)に開示している。
また、ノック発生状態の筒内圧1波形に対して可聴域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(603)の後には、圧力変動強度Ich(i)を算出(最大値、積分値など)する処理(604)に移行する。
この圧力変動強度Ich(i)を算出(最大値、積分値など)する処理(604)は、最大値、積分値などに関して、図17に示すように処理される。
更に、圧力変動強度Ich(i)を算出(最大値、積分値など)する処理(604)の後には、同じ筒内圧1波形に対して広帯域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(605)に移行する。
この同じ筒内圧1波形に対して広帯域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(605)において、広帯域フィルタを図16(b)に開示している。
更にまた、同じ筒内圧1波形に対して広帯域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(605)の後には、圧力変動強度Icw(i)を算出(最大値、積分値など)する処理(606)に移行する。
この圧力変動強度Icw(i)を算出(最大値、積分値など)する処理(606)は、最大値、積分値などに関して、図17に示すように処理される。
そして、筒内圧1波形に対して2つの圧力変動強度(積分値など)が算出される。
上述の圧力変動強度Icw(i)を算出(最大値、積分値など)する処理(606)の後には、全サイクルの波形の処理が完了したか否かの判断(607)に移行する。
この全サイクルの波形の処理が完了したか否かの判断(607)おいて、全サイクルの波形の処理が完了すると、圧力変動強度Ich(i)およびIcw(i)はそれぞれ全サイクル数分の圧力変動強度の集合となる。
なお、「全サイクルの波形」とは、相関係数が問題なく算出できるように設定した測定波形数の全波形を指す。
そして、全サイクルの波形の処理が完了したか否かの判断(607)において、判断(607)がNOの場合には、上述のノック発生状態の筒内圧1波形に対して可聴域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(603)に戻る。
判断(607)がYESの場合には、全測定条件の(回転数、気筒)処理が完了したか否かの判断(608)に移行する。
この全測定条件の(回転数、気筒)処理が完了したか否かの判断(608)において、判断(608)がNOの場合には、上述の測定条件(i=1〜k)を選択する処理(602)に戻る。
判断(608)がYESの場合には、前記圧力変動強度算出手段19における圧力変動強度算出処理用プログラムのエンド(「処理終了」ともいう。)(609)に移行する。
この圧力変動強度算出手段19における圧力変動強度算出処理用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(601)すると、測定条件(i=1〜k)を選択する処理(602)に移行する。
そして、この処理(602)においては、回転数、気筒によって測定条件を選択する。
なお、この処理(602)において、測定条件として負荷を追加しても良い。
この測定条件(i=1〜k)を選択する処理(602)の後には、ノック発生状態の筒内圧1波形に対して可聴域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(603)に移行する。
このノック発生状態の筒内圧1波形に対して可聴域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(603)において、可聴域フィルタを図16(a)に開示している。
また、ノック発生状態の筒内圧1波形に対して可聴域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(603)の後には、圧力変動強度Ich(i)を算出(最大値、積分値など)する処理(604)に移行する。
この圧力変動強度Ich(i)を算出(最大値、積分値など)する処理(604)は、最大値、積分値などに関して、図17に示すように処理される。
更に、圧力変動強度Ich(i)を算出(最大値、積分値など)する処理(604)の後には、同じ筒内圧1波形に対して広帯域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(605)に移行する。
この同じ筒内圧1波形に対して広帯域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(605)において、広帯域フィルタを図16(b)に開示している。
更にまた、同じ筒内圧1波形に対して広帯域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(605)の後には、圧力変動強度Icw(i)を算出(最大値、積分値など)する処理(606)に移行する。
この圧力変動強度Icw(i)を算出(最大値、積分値など)する処理(606)は、最大値、積分値などに関して、図17に示すように処理される。
そして、筒内圧1波形に対して2つの圧力変動強度(積分値など)が算出される。
上述の圧力変動強度Icw(i)を算出(最大値、積分値など)する処理(606)の後には、全サイクルの波形の処理が完了したか否かの判断(607)に移行する。
この全サイクルの波形の処理が完了したか否かの判断(607)おいて、全サイクルの波形の処理が完了すると、圧力変動強度Ich(i)およびIcw(i)はそれぞれ全サイクル数分の圧力変動強度の集合となる。
なお、「全サイクルの波形」とは、相関係数が問題なく算出できるように設定した測定波形数の全波形を指す。
そして、全サイクルの波形の処理が完了したか否かの判断(607)において、判断(607)がNOの場合には、上述のノック発生状態の筒内圧1波形に対して可聴域フィルタおよびウィンドウ処理を行う処理(603)に戻る。
判断(607)がYESの場合には、全測定条件の(回転数、気筒)処理が完了したか否かの判断(608)に移行する。
この全測定条件の(回転数、気筒)処理が完了したか否かの判断(608)において、判断(608)がNOの場合には、上述の測定条件(i=1〜k)を選択する処理(602)に戻る。
判断(608)がYESの場合には、前記圧力変動強度算出手段19における圧力変動強度算出処理用プログラムのエンド(「処理終了」ともいう。)(609)に移行する。
図21の前記相関係数算出手段20における処理用のフローチャートに沿って説明する。
この相関係数算出手段20における処理用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(701)すると、振動強度Ik(i、j、r)の(i、j、r)の組合せを選択する処理(702)に移行する。
そして、この処理(702)においては、振動強度Ik(i、j、r)について、(i、j、r)の組合せを選択する。
このとき、i、j、rは以下のように設定する。
i:測定条件(i=1〜k)
j:ノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)
r:適合値の候補(r=1〜n)
この振動強度Ik(i、j、r)の(i、j、r)の組合せを選択する処理(702)の後には、全サイクルの波形の振動強度Ik(i、j、r)と圧力変動強度Ich(i)より相関係数Ch(i、j、r)を算出する処理(703)に移行する。
このとき、「全サイクルの波形」とは、相関係数が問題なく算出できるように設定した測定波形数の全波形を指す。
また、全サイクルの波形の振動強度Ik(i、j、r)と圧力変動強度Ich(i)より相関係数Ch(i、j、r)を算出する処理(703)の後には、全サイクルの波形の振動強度Ik(i、j、r)と圧力変動強度Icw(i)より相関係数Cw(i、j、r)を算出する処理(704)に移行する。
そして、全サイクルの波形の振動強度Ik(i、j、r)と圧力変動強度Icw(i)より相関係数Cw(i、j、r)を算出する処理(704)の後には、(i、j、r)の全ての組合せの処理が完了したか否かの判断(705)に移行する。
この(i、j、r)の全ての組合せの処理が完了したか否かの判断(705)において、判断(705)がNOの場合には、上述の振動強度Ik(i、j、r)の(i、j、r)の組合せを選択する処理(702)に戻る。
判断(705)がYESの場合には、前記相関係数算出手段20における処理用プログラムのエンド(「処理終了」ともいう。)(706)に移行する。
この相関係数算出手段20における処理用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(701)すると、振動強度Ik(i、j、r)の(i、j、r)の組合せを選択する処理(702)に移行する。
そして、この処理(702)においては、振動強度Ik(i、j、r)について、(i、j、r)の組合せを選択する。
このとき、i、j、rは以下のように設定する。
i:測定条件(i=1〜k)
j:ノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)
r:適合値の候補(r=1〜n)
この振動強度Ik(i、j、r)の(i、j、r)の組合せを選択する処理(702)の後には、全サイクルの波形の振動強度Ik(i、j、r)と圧力変動強度Ich(i)より相関係数Ch(i、j、r)を算出する処理(703)に移行する。
このとき、「全サイクルの波形」とは、相関係数が問題なく算出できるように設定した測定波形数の全波形を指す。
また、全サイクルの波形の振動強度Ik(i、j、r)と圧力変動強度Ich(i)より相関係数Ch(i、j、r)を算出する処理(703)の後には、全サイクルの波形の振動強度Ik(i、j、r)と圧力変動強度Icw(i)より相関係数Cw(i、j、r)を算出する処理(704)に移行する。
そして、全サイクルの波形の振動強度Ik(i、j、r)と圧力変動強度Icw(i)より相関係数Cw(i、j、r)を算出する処理(704)の後には、(i、j、r)の全ての組合せの処理が完了したか否かの判断(705)に移行する。
この(i、j、r)の全ての組合せの処理が完了したか否かの判断(705)において、判断(705)がNOの場合には、上述の振動強度Ik(i、j、r)の(i、j、r)の組合せを選択する処理(702)に戻る。
判断(705)がYESの場合には、前記相関係数算出手段20における処理用プログラムのエンド(「処理終了」ともいう。)(706)に移行する。
図23の前記取付位置適合手段17における処理用のフローチャートに沿って説明する。
この取付位置適合手段17における処理用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(801)すると、測定条件(i=1〜k)を選択する処理(802)に移行する。
そして、この処理(802)においては、回転数、気筒によって測定条件を選択する。
なお、この処理(802)において、測定条件として負荷を追加しても良い。
この測定条件(i=1〜k)を選択する処理(802)の後には、前記ノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)を選択する処理(803)に移行し、このノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)を選択する処理(803)の後に、適合値の候補(r=1〜n)を選択する処理(804)に移行する。
そして、この適合値の候補(r=1〜n)を選択する処理(804)の後には、相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)よりノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する処理(805)に移行する。
この相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)よりノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する処理(805)の後には、適合値の全候補の処理が完了したか否かの判断(806)に移行する。
そして、この適合値の全候補の処理が完了したか否かの判断(806)において、判断(806)がNOの場合には、上述の適合値の候補(r=1〜n)を選択する処理(804)に戻る。
判断(806)がYESの場合には、ノックセンサ取付位置の全候補の処理が完了したか否かの判断(807)に移行する。
このノックセンサ取付位置の全候補の処理が完了したか否かの判断(807)において、判断(807)がNOの場合には、上述のノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)を選択する処理(803)に戻る。
判断(807)がYESの場合には、全測定条件の(回転数、気筒)処理が完了したか否かの判断(808)に移行する。
この全測定条件の(回転数、気筒)処理が完了したか否かの判断(808)において、判断(808)がNOの場合には、上述の測定条件(i=1〜k)を選択する処理(802)に戻る。
判断(808)がYESの場合には、全てのノック検出性評価指標In(i、j、r)を比較する処理(809)に移行する。
そして、この全てのノック検出性評価指標In(i、j、r)を比較する処理(809)の後には、最良のノックセンサ取付位置を選定する処理(810)に移行し、その後に、前記取付位置適合手段17における処理用プログラムのエンド(「処理終了」ともいう。)(811)に移行する。
この取付位置適合手段17における処理用プログラムがスタート(「処理開始」ともいう。)(801)すると、測定条件(i=1〜k)を選択する処理(802)に移行する。
そして、この処理(802)においては、回転数、気筒によって測定条件を選択する。
なお、この処理(802)において、測定条件として負荷を追加しても良い。
この測定条件(i=1〜k)を選択する処理(802)の後には、前記ノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)を選択する処理(803)に移行し、このノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)を選択する処理(803)の後に、適合値の候補(r=1〜n)を選択する処理(804)に移行する。
そして、この適合値の候補(r=1〜n)を選択する処理(804)の後には、相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)よりノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する処理(805)に移行する。
この相関係数Ch(i、j、r)、Cw(i、j、r)よりノック検出性評価指標In(i、j、r)を算出する処理(805)の後には、適合値の全候補の処理が完了したか否かの判断(806)に移行する。
そして、この適合値の全候補の処理が完了したか否かの判断(806)において、判断(806)がNOの場合には、上述の適合値の候補(r=1〜n)を選択する処理(804)に戻る。
判断(806)がYESの場合には、ノックセンサ取付位置の全候補の処理が完了したか否かの判断(807)に移行する。
このノックセンサ取付位置の全候補の処理が完了したか否かの判断(807)において、判断(807)がNOの場合には、上述のノックセンサ取付位置の候補(j=1〜m)を選択する処理(803)に戻る。
判断(807)がYESの場合には、全測定条件の(回転数、気筒)処理が完了したか否かの判断(808)に移行する。
この全測定条件の(回転数、気筒)処理が完了したか否かの判断(808)において、判断(808)がNOの場合には、上述の測定条件(i=1〜k)を選択する処理(802)に戻る。
判断(808)がYESの場合には、全てのノック検出性評価指標In(i、j、r)を比較する処理(809)に移行する。
そして、この全てのノック検出性評価指標In(i、j、r)を比較する処理(809)の後には、最良のノックセンサ取付位置を選定する処理(810)に移行し、その後に、前記取付位置適合手段17における処理用プログラムのエンド(「処理終了」ともいう。)(811)に移行する。
図28はこの発明の第2実施例を示すものである。
この第2実施例において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
この第2実施例において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
第2実施例の特徴とするところは、可聴域ノックの定義のみでノックセンサ取付位置の最適化を行う場合に、エンジン2の近くにマイク21を設置し、筒内圧センサの波形の代わりに、マイク21の波形を計測して処理を行う点にある。
すなわち、図28に示す如く、前記エンジン2の近傍にマイク21を配設し、このマイク21を前記処理装置5の波形測定手段8に接続して設けるとともに、ノックセンサ4やクランク角センサ11、カム角センサ12をも前記波形測定手段8に接続して設けるものである。
また、可聴域ノックと広帯域ノックとの2種類のノックの定義以外に、他の複数のノックを定義しても構わない。
例えば、新たに「耳に聞こえないノック」を定義すると、図18に示す各ノック周波数に対する圧力変動強度S1〜S4のうちS3、S4を考慮すればよく、そのノックの定義に対する圧力変動強度は、式2(「2式」とも記載する。)においてα1、α2を0とすれば良い。
また、新たに導入したノックの定義の数だけ算出される相関係数の数も増えるので、増えた分の相関係数とそれらに対する重み係数を考慮した項を、ノック検出性評価指標を求める図22の式4の右辺に第3項以降として追加すれば良い(図22の式4’参照。)。
さすれば、可聴ノック音による品質の問題や広帯域ノックによる耐久性の他にも、ノックが生じることによる問題点への対応性を評価することが可能となる。
すなわち、図28に示す如く、前記エンジン2の近傍にマイク21を配設し、このマイク21を前記処理装置5の波形測定手段8に接続して設けるとともに、ノックセンサ4やクランク角センサ11、カム角センサ12をも前記波形測定手段8に接続して設けるものである。
また、可聴域ノックと広帯域ノックとの2種類のノックの定義以外に、他の複数のノックを定義しても構わない。
例えば、新たに「耳に聞こえないノック」を定義すると、図18に示す各ノック周波数に対する圧力変動強度S1〜S4のうちS3、S4を考慮すればよく、そのノックの定義に対する圧力変動強度は、式2(「2式」とも記載する。)においてα1、α2を0とすれば良い。
また、新たに導入したノックの定義の数だけ算出される相関係数の数も増えるので、増えた分の相関係数とそれらに対する重み係数を考慮した項を、ノック検出性評価指標を求める図22の式4の右辺に第3項以降として追加すれば良い(図22の式4’参照。)。
さすれば、可聴ノック音による品質の問題や広帯域ノックによる耐久性の他にも、ノックが生じることによる問題点への対応性を評価することが可能となる。
1 ノックセンサ取付位置の適合装置
2 エンジン
2a シリンダブロック
3 筒内圧センサ
3a、3b、3c、3d 第1〜第4筒内圧センサ
4 ノックセンサ
4x、4y、4z 3個のノックセンサ
#1、#2、#3、#4 気筒
5 処理装置
6 ECUデータ書込装置
7 制御装置(「ECU」ともいう。)
8 波形測定手段
9 記録装置
10 適合手段
11 クランク角センサ
12 カム角センサ
13 第1記録部
14 第2記録部
15 周波数分析手段
16 適合値設定手段
17 取付位置適合手段
18 振動強度算出手段
19 圧力変動強度算出手段
20 相関係数算出手段
2 エンジン
2a シリンダブロック
3 筒内圧センサ
3a、3b、3c、3d 第1〜第4筒内圧センサ
4 ノックセンサ
4x、4y、4z 3個のノックセンサ
#1、#2、#3、#4 気筒
5 処理装置
6 ECUデータ書込装置
7 制御装置(「ECU」ともいう。)
8 波形測定手段
9 記録装置
10 適合手段
11 クランク角センサ
12 カム角センサ
13 第1記録部
14 第2記録部
15 周波数分析手段
16 適合値設定手段
17 取付位置適合手段
18 振動強度算出手段
19 圧力変動強度算出手段
20 相関係数算出手段
Claims (10)
- エンジンの気筒内部の圧力を検知する筒内圧センサと、前記エンジンの側壁の任意の位置に取り付けて振動を検知する複数のノックセンサと、これら筒内圧センサと複数のノックセンサとから出力させる検知信号を波形信号として測定し処理する処理装置とを備え、その処理に基づいて複数のノックセンサの取付位置から候補の選定を行うノックセンサ取付位置の適合方法において、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を同時測定するステップと、これら測定された波形それぞれに対して時系列の周波数特性を算出するステップと、この算出された周波数特性に基づく適合値の候補の選定を複数のノックセンサのそれぞれの取付位置について行うステップと、最終的にそれらの取付位置の中から最適な取付位置を選択するステップとを有することを特徴とするノックセンサ取付位置の適合方法。
- 同時測定された複数のノックセンサ波形におけるそれぞれの取付位置および適合値の候補に対する振動強度を算出するステップと、筒内圧センサ波形に対し可聴域および広帯域のフィルタまたはその他の通過帯域を持つフィルタを用いてそれぞれの波形領域に応じた複数の圧力変動強度を算出するステップと、この複数の圧力変動強度と複数の振動強度との相関係数を算出するステップとを最終的に選択するステップの前に行うことを特徴とする請求項1に記載のノックセンサ取付位置の適合方法。
- 最終的に選択するステップの前に、相関係数を用いて式4によりノック検出性評価指標を算出するステップと、このノック検出性評価指標を用いて適合値の候補の中から最良適合値を選定するステップとを有することを特徴とする請求項2に記載のノックセンサ取付位置の適合方法。
- 最終的に選択するステップでは、夫々の取付位置における最良適合値どうしを比較して最適な取付位置を決定することを特徴とする請求項3に記載のノックセンサ取付位置の適合方法。
- エンジンの気筒内部の圧力を検知する筒内圧センサと、前記エンジンの側壁の任意の位置に取り付けて振動を検知する複数のノックセンサと、これら筒内圧センサと複数のノックセンサとから出力させる検知信号を波形信号として測定し処理し、その波形信号の処理に基づいて複数のノックセンサの取付位置から候補の選定が可能な処理装置とを備えるノックセンサ取付位置の適合装置において、前記処理装置は、筒内圧センサ波形と複数のノックセンサ波形を同時に測定する波形測定手段と、これら測定された波形それぞれに対して時系列の周波数特性を算出する周波数分析手段と、この算出された周波数特性に基づく適合値の候補の選定を複数のノックセンサのそれぞれの取付位置について行う適合値設定手段と、この適合値設定手段からの出力に基づき最終的に適合条件の候補の中から最良な適合値を選定する取付位置適合手段とを有することを特徴とするノックセンサ取付位置の適合装置。
- 前記処理装置は、同時測定された複数のノックセンサ波形におけるそれぞれの取付位置および適合値の候補に対応する振動強度を算出する振動強度算出手段と、筒内圧センサ波形に対し可聴域と広帯域とを含むノック定義を用いてそれぞれの波形領域に応じた複数の圧力変動強度を算出する圧力変動強度算出手段と、この複数の圧力変動強度と複数の振動強度との相関係数を算出する相関係数算出手段とを有することを特徴とする請求項5に記載のノックセンサ取付位置の適合装置。
- 前記取付位置適合手段は、ノック検出性評価指標の算出と、このノック検出性評価指標を用いて適合値の候補の中から最良適合値の選定とを行うことを特徴とする請求項5に記載のノックセンサ取付位置の適合装置。
- 前記取付位置適合手段は、夫々の取付位置における最良適合値どうしを比較して最適な取付位置を決定することを特徴とする請求項7に記載のノックセンサ取付位置の適合装置。
- 請求項5ないし8に記載された前記処理装置によって選定された最適な取付位置に前記ノックセンサを取り付けて設け、前記処理装置によって最適な取付位置における適合条件の最良適合値として求められたフィルタとクランク角ウィンドウを用いて前記ノックセンサによって検出される波形からノック検出するとともに点火時期制御することを特徴とする制御装置。
- 請求項5ないし8に記載された前記処理装置によって選定された最適な取付位置に前記ノックセンサを取り付けて設けたことを特徴とするシリンダブロック。
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JP2013185553A (ja) * | 2012-03-09 | 2013-09-19 | Suzuki Motor Corp | ノック検出装置 |
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WO2020045026A1 (ja) * | 2018-08-30 | 2020-03-05 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 信号処理装置及びエンジン制御装置 |
-
2010
- 2010-02-26 JP JP2010041305A patent/JP2011179323A/ja active Pending
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US11261811B2 (en) | 2018-08-30 | 2022-03-01 | Hitachi Astemo, Ltd. | Signal processing device, and engine control device |
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