JP2011178882A - 水性顔料分散組成物、インクジェットインキ、インクジェット記録方法および記録物 - Google Patents

水性顔料分散組成物、インクジェットインキ、インクジェット記録方法および記録物 Download PDF

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Shigehiro Tanaka
重弘 田中
Yukari Ishibashi
由香利 石橋
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Abstract

【解決課題】インクジェットインキに用いたときに、カーボンブラック顔料の分散性に優れるとともに光学濃度、光沢性および耐マーカー性に優れる水性顔料分散組成物を提供する。
【解決手段】自己分散型カーボンブラック顔料(A)と、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の少なくとも一部の不飽和基にポリビニル基が結合してなるビニル変性エポキシエステル樹脂(B)とが、水性媒体(C)中に分散してなることを特徴とする水性顔料分散組成物であり、好ましくは、上記ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)の固形分酸価が10〜150mgKOH/gである水性顔料分散組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性顔料分散組成物、インクジェットインキ、インクジェット記録方法および記録物に関する。
近年、水性インキはその安全性と環境負荷が少ないことから幅広い分野で有機溶剤系インキに取って代わってきており、特にビジネス用途では、オフィス等において各種印刷に使用されるインキとして臭いのない水性色材が必要不可欠になっている。
オフィス等において利用されるインキの代表例として、インクジェットプリンター用のインキ(インクジェットインキ)が挙げられる。
インクジェット記録方法を採用したインクジェットプリンターは、微細なノズルヘッドからインク液滴を吐出して、文字や画像を紙等の記録媒体の表面に記録するものであり、代表的な記録方式としてバブルジェット(登録商標)方式とピエゾ方式とがある。前者はノズルヘッドまで導いたインクをヒーターで瞬間的に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張でインク液を断続的に吐出して行う方式であり、後者は電歪素子(圧電素子)を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインク液滴を断続的に吐出して記録する方式である。
インクジェットインキのうち、黒色インキは、主に文書印刷を目的としてオフィス等で多用されており、各プリンターの記録方式、記録速度に最適化された水性黒色顔料インキが数多く提供されている。
ここで、カーボンブラック等の黒色顔料は、粒子間の凝集力に比べて他の物質、例えば水、有機溶剤、有機高分子等との親和性が弱いために、通常の混合または分散条件では、均一に混合または分散することが極めて困難であることから、インクジェットインキとしては、黒色顔料の表面を親水化して、水性媒体に対する分散性を向上させたものが知られている(例えば、特許文献1(特開平08−003498号公報)参照)。
しかしながら、特許文献1記載の方法では、普通紙に印字した場合に紙の内部にインク組成物が浸透してしまうことから、画像濃度が低下したり裏映りを生じたり、記録紙がカールする等の課題を生じていた。特に、近年、インクジェットプリンターの印刷速度の高速化に伴い、単位時間あたりのインキ吐出量が増える傾向にあるため、従来の水性黒色顔料では十分な画像濃度が得られない場合があった。
また、インクジェットインキとしては、カーボンブラック顔料表面に、各種の界面活性剤や樹脂等からなる分散剤を吸着させたり、顔料表面全体を該分散剤で被覆して、固体状または液体状の他成分との親和性を高めたものが知られている(例えば、特許文献2(特開平08−218015号公報)参照)。
しかしながら、特許文献2に記載されているような、顔料表面に分散剤を吸着させてなる従来の水系顔料インキにおいては、ノズルヘッドに設けられた細いノズルからインキが吐出される際に、強い剪断力が加わって分散剤が離脱したり、長期保存中に分散剤が離脱したりする等して顔料の分散状態が不安定になり、保存安定性の悪化を引き起こしてしまう。また、顔料全体を分散剤で被覆してマイクロカプセル化した場合には、保存安定性に優れる反面、画像濃度が大きく低下してしまう。
一方、自己分散型カーボンブラック顔料と水分散性樹脂粒子を含むインクジェットインキとして、樹脂粒子の含有量や自己分散型カーボンブラック顔料の粒子径を規定したものが提案されている(特許文献3(特開2004−35718号公報)参照)。特許文献3記載の方法によれば、普通紙に印字した際に滲みや裏映り等の発生を抑制し、光学濃度値(OD値)や吐出安定性に優れたインクジェットインキが得られるとされている。
特開平08−003498号公報 特開平08−218015号公報 特開2004−35718号公報
しかしながら、本発明者等が検討したところ、特許文献3記載のインクジェットインキは、自己分散型カーボンブラック顔料の分散性、光学濃度値(OD値)、光沢性、耐マーカー性等の諸特性を必ずしも十分に満足するものでないことが判明した。
従って、本発明は、インクジェットインキ等に用いたときに、光学濃度、光沢性および耐マーカー性に優れるとともにカーボンブラック顔料の分散性に優れた水性顔料分散組成物を提供するともに、インクジェットインキ、該インクジェットインキを用いたインクジェット記録方法および記録物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記技術課題を解決すべく、鋭意検討を重ねたところ、自己分散型カーボンブラック顔料(A)と、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の少なくとも一部の不飽和基にポリビニル基が結合してなるビニル変性エポキシエステル樹脂(B)とが、水性媒体(C)中に分散してなることを特徴とする水性顔料分散組成物により、上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)自己分散型カーボンブラック顔料(A)と、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の少なくとも一部の不飽和基にポリビニル基が結合してなるビニル変性エポキシエステル樹脂(B)とが、水性媒体(C)中に分散してなることを特徴とする水性顔料分散組成物、
(2)上記ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)の固形分酸価が10〜150mgKOH/gである上記(1)に記載の水性顔料分散組成物、
(3)上記(1)または(2)に記載の水性顔料分散組成物を含有してなることを特徴とするインクジェトインキ、
(4)上記(3)に記載のインクジェトインキをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録することを特徴とするインクジェット記録方法、および
(5)上記(3)に記載のインクジェトインキをインクジェット方式で記録媒体に吐出して記録されてなることを特徴とする記録物、
を提供するものである。
本発明によれば、インクジェットインキに用いたときに、光学濃度、光沢性および耐マーカー性に優れるとともにカーボンブラック顔料の分散性に優れた水性顔料分散組成物を提供するともに、インクジェットインキ、該インクジェットインキを用いたインクジェット記録方法および記録物を提供することができる。
<水性顔料分散組成物>
先ず、本発明の水性顔料分散組成物について説明する。
本発明の水性顔料分散組成物は、自己分散型カーボンブラック顔料(A)と、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の少なくとも一部の不飽和基にポリビニル基が結合してなるビニル変性エポキシエステル樹脂(B)とが、水性媒体(C)中に分散してなることを特徴とするものである。
本発明の水性顔料分散組成物において、自己分散型カーボンブラック顔料(A)とは、少なくとも一種の親水性基がカーボンブラック顔料の表面に直接、若しくは他の原子団を介して結合したものであって、水中に懸濁して分散液とした際に界面活性剤や高分子化合物を添加することなく安定した分散状態を保持することができ、その分散液の表面張力がほとんど水と同等の値を示すものを意味する。
本出願書類において、自己分散型カーボンブラック顔料(A)には、上記親水性基を対イオンで中和したものも含むものとする。
本発明の水性顔料分散組成物においては、自己分散型カーボンブラック顔料(A)を用いることにより、インクジェットインキに用いた際にオリフィスからのインクの吐出安定性のより一層の向上を図ることができる。
自己分散型カーボンブラック顔料(A)を構成するカーボンブラックとしては、ガスファーネスブラックやオイルファーネスブラックと称されるファーネスト法で製造されるファーネスブックや、チャネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラックと称されるコンタクト法で製造されるものや、アセチレンブラック、サーマルブラックと称されるサーマル法で製造されるものを挙げることができ、これ等のカーボンブラックは、炭素含有量が高く、無定形構造に由来する黒色度が高く、ピーチブラックやランプブラック等に比較して乾燥速度が速く、保存安定性が高く、安価であることから、好ましく使用することができる。
上記カーボンブラックのうち、ファーネスブラックやチャネルブラック等の超微細カーボンブラックを用いると、得られる水性顔料分散組成物をインクジェットインキに用いたときに、高解像度で印刷品質に優れるものを得ることができるため好ましく、生産性等の点から、ファーネスブラックがより好ましい。
カーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積(NSA)が50m/g以上であるものが好ましく、50〜300m/gであるものがより好ましく、80〜250m/gであるものがさらに好ましい。また、カーボンブラックとしては、DBP吸収量が50cm/100g以上であるものが好ましく、50〜200cm/100gであるものがより好ましく、80〜180cm/100gであるものがさらに好ましい。
カーボンブラックのNSAおよびDBP吸収量が上記範囲内にあることにより、本発明の水性顔料分散組成物をインクジェットインキに用いたときに、水性媒体に対する優れた分散性や、インク性能を発揮することができる。
なお、本出願書類において、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2に規定される「ゴム用カーボンブラック−基本特性−第2部、比表面積の求め方−窒素吸着法、単点法」に従って測定した値を意味し、DBP吸収量は、JIS K 6217−4に規定される「ゴム用カーボンブラック−基本特性−第4部、DBP吸収量の求め方」に従って測定した値を意味する。
また、カーボンブラックの一次粒子径は、10〜70nmであることが好適であり、15〜43nmであることがより好適であり、18〜30nmであることがさらに好適である。なお、本出願書類において、カーボンブラックの一次粒子径は、電子顕微鏡観察による算術平均径(数平均)を意味する。
本発明の水性顔料分散組成物において、自己分散型カーボンブラック顔料(A)としては、上記カーボンブラックの表面に、種々の酸化剤を用いた酸化処理やジアゾニウム塩のカップリング反応により、親水性基として、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、リン酸エステル基等の酸性基を設けたものを挙げることができ、親水性基としてカルボキシル基と水酸基とを設けたものが好適である。
酸化剤を用いてカーボンブラック顔料の表面を酸化する方法としては、上記カーボンブラックを、高温下で遊離酸素と接触させて酸化する方法や、オゾン、NO等によって酸化する方法や、臭素及び水によって常圧下又は加圧下で処理する方法や、過酸化水素水、硝酸、硫酸等の酸化性の溶液で酸化する方法や、これらの方法を組合せた方法を挙げることができる。上記表面処理して酸化した顔料をさらに対イオンで中和してもよい。
上述した方法によって、表面に酸性基を有する顔料を得ることができるが、表面に酸性基を有する顔料としては、市販品を用いることもでき、自己分散型カーボンブラックとして市販されているAquaBlack(登録商標)162、AquaBlack(登録商標)164(いずれも東海カーボン(株)製)、CAB−O−JET200、CAB−O−JET300、CAB−O−JET400(いずれもキャボット・スペシャリティ社製)等を挙げることができる。
自己分散型カーボンブラック顔料(A)の平均粒径は、50〜180nmであることが好適であり、60〜150nmであることがより好適であり、70〜120nmであることがさらに好適である。なお、本出願書類において、上記平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定された、体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(平均粒径D50)を意味する。
本発明の水性顔料分散組成物において、自己分散型カーボンブラック顔料(A)の含有割合は、固形分換算したときに、2〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましく、4〜20質量%であることがさらに好ましい。
本発明の水性顔料分散組成物は、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の少なくとも一部の不飽和基にポリビニル基が結合してなるビニル変性エポキシエステル樹脂(B)を含む。
不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂は、エポキシ樹脂(b1)のエポキシ基または水酸基と不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(b2)のカルボキシル基とを脱水エステル化反応してなるものを挙げることができる。
エポキシ樹脂(b1)としては、分子中にエポキシ基を1.5〜3個有するエポキシ樹脂が適当であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリオキシアルキレン型エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン樹脂等から選ばれる一種以上を使用することができる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロン850、1050、2050、3050、4050、7050(以上DIC社製)、エピコート828、1001、1002、1003、1004、1007(以上ジャパンエポキシレジン社製)等から選ばれる一種以上が挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロン830、835(DIC社製)、エピコート806、807(以上ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−740、775(以上DIC社製)等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えばユノックス201、289(以上ユニオンカーバイト社製)等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン型エポキシ樹脂としては、例えばエポライト40E、200E、400E(以上共栄社化学社製)等が挙げられる。
エポキシ化ポリブタジエン樹脂としては、例えばPB3600(ダイセル化学社製)、BF―1000(アデカアーガス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂(b1)の中、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明の水性顔料分散組成物は、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)がエポキシ樹脂(b1)に由来するエポキシ骨格を有することにより、インクジェットインキに用いたときに優れた耐マーカー性を発揮すると考えられる。
不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(b2)は、不飽和脂肪酸を必須成分として含み飽和脂肪酸を任意成分として含むものを意味する。
このような不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸としては、油脂由来の不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸、炭素数8〜30の分岐状又は直鎖状の不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸を挙げることができる。
油脂由来の不飽和脂肪酸または飽和脂肪酸としては、椰子油脂肪酸、トール油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、大豆油脂肪酸(大豆脂肪酸とも称され、大豆油を加水分解して得られる脂肪酸を意味する)、なたね油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、亜麻仁油脂肪酸、桐油脂肪酸等を挙げることができる。
油脂由来の不飽和脂肪酸または飽和脂肪酸のうち、ヨウ素価120〜200の大豆油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸等の半乾性油、乾性油の脂肪酸が好ましく、これ等の脂肪酸を使用すること事によって、後述するポリビニル基を不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の不飽和基に容易にグラフト共重合させることができる。
炭素数8〜30の分岐状又は直鎖状の不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸としては、炭素数8のオクタン酸、炭素数10のデカン酸、炭素数12のラウリン酸、炭素数14のミリスチン酸、炭素数16のパルミチン酸、炭素数18のステアリン酸、炭素数20のアラキジン酸等の飽和脂肪酸、炭素数16のパルミトレイン酸、炭素数18のオレイン酸、炭素数18のリノール酸、α−リノレン酸γ−リノレン酸、炭素数20のエイコサトリエン酸、アラキドン酸、イコサペンタエン酸、炭素数22のドコセン酸(エルカ酸)等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。
不飽和脂肪酸または脂肪酸としては、二塩基酸であってもよい。二塩基酸としては、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸等のコハク酸の誘導体、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ダイマー酸等の脂肪族二塩基酸や、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸等の芳香族多塩基酸またはその無水物や、無水ヒドロフタル酸、ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多塩基酸またはその無水物等から選ばれる1種以上の多塩基酸あるいは酸無水物を挙げることができる。
特にドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸等のコハク酸の誘導体は、後述するポリビニル基ではなく不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂骨格にカルボキシル基を導入することができるため、好ましく用いることができる。
不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(b2)は、不飽和脂肪酸を3〜100質量%含むものが好ましく、5〜90質量%含むものがより好ましく、7〜80質量%含むものがさらに好ましい。
不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の生成反応、すなわちエポキシ樹脂(b1)と不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(b2)とのエステル化反応は、例えば、攪拌機、窒素吹込管、環流管およびエステル化反応により生じる縮合水を系外に取りだすデカンターを備えた反応器により行うことができ、180〜250℃の温度雰囲気下、1〜20時間で反応を終了させることが好ましい。反応温度が180℃未満では反応時間が長くなって反応効率が低下してしまい、反応温度が250℃を超えると、不飽和脂肪酸の不飽和基による重合反応を生じる場合がある。
上記エステル化反応は、溶媒不存在下または反応に関与しない溶剤の存在下で行うことが好ましい。
エポキシ樹脂(b1)由来の水酸基と不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(b2)由来のカルボキシル基との脱水エステル化反応により生じる反応水を系外に留去する上では、反応系内にトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物を反応物の3〜10%加えて反応を進めることが好ましい。
上記エステル化反応においては、必要に応じて反応触媒を用いてもよく、反応触媒としては、ジブチル錫ジサクシネート、ジブチル錫ジラウリレート、酸化錫等の錫系触媒、チタン酸プロピル、チタン酸ブチル等のチタン酸アルキル触媒、オクチル酸ズルコニウム、トリフェニルホスフィン等の触媒が挙げられる。また、上記エステル化反応においては、必要に応じて着色防止剤(酸化防止剤)を用いてもよく、着色防止剤(酸化防止剤)としては、トリアルキルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト等を挙げることができる。
このように、エポキシ樹脂(b1)由来のエポキシ基または水酸基と不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(b2)由来のカルボキシル基との脱水エステル反応により不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂を得ることができる。
不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の油長は20〜70が好ましく、30〜60がより好ましい。
油長とは、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂全体に占める油成分(不飽和脂肪酸および飽和脂肪酸)の質量割合(質量%)を意味する。上記油長は、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂を得る際に反応に供したエポキシ樹脂量および不飽和脂肪酸を含む脂肪酸量から算出することができる。
不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の油長が上記範囲内にあることにより、後述するように、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の不飽和基に対してビニルモノマーを重合させてポリビニル基を結合させる際に、無溶剤下で反応させた場合でも反応液の粘度上昇を抑制することができ、耐マーカー性(擦過性)等の塗膜性能に優れたインクジェットインキを提供することができる。
エポキシ樹脂(b1)由来のエポキシ基または水酸基と不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(b2)由来のカルボキシル基との脱水エステル反応により得られた不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂においては、実際には、エポキシ樹脂(b1)と不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(b2)との脱水エステル反応により縮合水が生じ、エステル化反応後の系全体の質量は仕込み量(反応前の質量)より減るために、エステル化反応前後で油長も相違することになる。しかしながら、通常、エポキシエステル樹脂の縮合水による減量は小さいために無視され、仕込み時の油脂分ここでは脂肪酸の質量分率で表される。
また、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂全体に占める不飽和脂肪酸の含有割合は5〜50質量%が好ましい。不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂全体に占める不飽和脂肪酸の含有割合も、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂を得る際に反応に供したエポキシ樹脂量および不飽和脂肪酸を含む脂肪酸量から算出することができる。
本発明の水性顔料分散組成物においては、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)の骨格成分として、不飽和脂肪酸または脂肪酸由来の側鎖(長鎖炭化水素基)を有する不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂を用いていることから、これらの側鎖により自己分散型カーボンブラック顔料(A)との親和性を向上させ、自己分散型カーボンブラック顔料(A)表面に対する濡れ性を向上させることができる。このように、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)が被膜を形成する際、自己分散型カーボンブラック顔料(A)の表面を均質に覆うことが可能となるため、光学濃度(OD値)や光沢性に優れたインクジェットインキを提供できると考えられる。
本発明の水性顔料分散組成物において、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)は、上記不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の少なくとも一部の不飽和基にポリビニル基が結合してなるものである。
上記ポリビニル基は、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の少なくとも一部の不飽和基に対して、ビニルモノマー(b3)を重合してなるものを挙げることができる。
なお、本出願書類において、ビニルモノマー(b3)には、2種以上のビニルモノマーが共重合したダイマーやオリゴマーも含むものとする。
ビニルモノマー(b3)としては、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の不飽和基と共重合可能なモノマーから選ばれる一種以上であれば特に制限されないが、分子中にビニル基と酸性基とを含むものが好ましい。
ビニルモノマー(b3)としては、アクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等や、二塩基酸であるイタコン酸、マレイン酸、フマル酸のカルボキシル基の一方だけがアルキルエステルになっているハーフエステル酸ビニルモノマーや、βヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステルの水酸基と、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物との反応によって得られる分子中にカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する酸ビニルモノマーや、アクリル酸ダイマーや、(メタ)アクリル酸とεカプロラクトン等のカプロラクトン類を付加して得られるビニルモノマーや、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステルの水酸基と、燐酸モノエステルからなるビニルモノマー等が挙げられる。
上記ビニルモノマーを用いてポリビニル基を形成した場合、後述するように、酸価が所定範囲内にあるビニル変性エポキシエステル樹脂(B)を得やすくなり、酸価が所定範囲内にあるビニル変性エポキシエステル樹脂(B)を含むことにより、自己分散型カーボンブラック顔料(A)の分散性に優れた水性顔料分散組成物とすることができる。
また、ビニルモノマー(b3)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ドコサニル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートや、スチレン、p−tert―ブチルスチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマーや、製品名ベオバ9(ネオナノン酸ビニルエステル)、製品名ベオバ10(ネオデカン酸ビニルエステル)、ジャパンケムテック社製バーサティック酸ビニル等のビニルモノマーを挙げることができる。
また、ビニルモノマー(b3)としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−ブトキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、ω―アルコキシアルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類や、N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノ(メタ)アクリレート等の三級アミノ基を有するモノマー、アクリロイルモロホリン、N,N―ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基を有するモノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有モノマーや、これら水酸基含有モノマーにεカプロラクトンを付加したεカプロラクトン変性水酸基含有モノマーや、ビニルアセトアセテート、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等の活性メチレン基を有するモノマーや、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のシリル基を有するモノマーや、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有するモノマーや、2−イソシアナートプロペン、2−イソシアナートエチルビニルエーテル、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α、α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。
また、ビニルモノマー(b3)としては、ポリオキシエチレンエーテルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンエーテルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレンエーテルグリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレンエーテル(メタ)アクリレートや、ポリオキシアルキレンエーテルジオールのモノビニルエーテル等一方の末端基がビニル基で、反対の分子末端が水酸基であるポリオキシアルキレンビニルエーテルや、上記ポリオキシアルキレンエーテル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンビニルエーテルのビニル基と反対側の分子末端基がメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ラウリロキシ、ステアリロキシ等のアルコキシエーテル末端のモノマーや、上記ポリオキシアルキレンエーテル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンビニルエーテルのビニル基と反対側の分子末端基がフェニル、ノニルフェニル末端のモノマー等が挙げられる。
ビニルモノマー(b3)がポリオキシアルキレンエーテル鎖を有するものである場合、ポリオキシアルキレンエーテル鎖はオキシエチレンエーテル、オキシプロピレンエーテル、オキシブチレンエーテル等の2種以上のエーテルのブロック共重合、ランダム共重合で得られたものであってよく、ポリカプロラクトン等のラクトン類との共重合鎖でもよい。
ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)は、分子中に酸性基またはその中和塩を含むものであることが好ましく、この場合、以下に記載するビニル変性エポキシエステル樹脂(B)の酸価を所望範囲に調整しやすくなる。分子中に酸性基またはその中和塩を含むビニル変性エポキシエステル樹脂(B)としては、酸性基を有する不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂や酸性基を有するビニルモノマー(b3)を用いて作製することができる。
上記酸性基を有するビニルモノマー(b3)としては、末端カルボキシル基を含むものが好ましい。
ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)の固形分酸価は10〜150mgKOH/gであることが好ましく、15〜120mgKOH/gであることがより好ましく、20〜100mgKOH/gであることがさらに好ましい。ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)の固形分酸価が上記範囲内にあることにより、本発明の水性顔料分散組成物をインクジェットインキに用いたときに自己分散型カーボンブラック顔料(A)の分散性を向上することができる。
上述したように、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)は、不飽和脂肪酸等の脂肪酸由来の側鎖を有するために、自己分散型カーボンブラック顔料(A)に濡れ易くなって顔料表面を均一に覆うと考えられる。そして、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)は、不飽和脂肪酸由来の側鎖にさらに酸性基に富んだポリビニル基を結合してなるものであるため、水性顔料分散組成物中で顔料を被覆しつつ、酸性基の陰イオンにより相互に反発力を生じて高い分散性を発揮すると考えられる。
ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)は、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の少なくとも一部の不飽和基に対し、上記ビニルモノマー(b3)から選ばれる一種以上を共重合することにより作製することができる。
エポキシ樹脂(b1)と不飽和脂肪酸を含む脂肪酸(b2)とを反応させて不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂を作製した後、引き続き同一反応容器を用いて不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の不飽和基に対してビニルモノマー(b3)の重合を行う場合、予め不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂液の粘度を下げておくことが好ましいが、上記エステル化反応が通常高温反応であることから沸点が100℃以上の高沸点溶媒を加えて、粘度調整することが好ましい。
不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の不飽和基に対するビニルモノマー(b3)の共重合、すなわち不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の不飽和基に対するビニルモノマーのグラフト共重合は、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂液を含む反応容器中に対して重合開始剤とビニルモノマーを滴下して、100〜150℃の温度下、2〜20時間重合反応することが好ましい。
不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂量とビニル変性に用いるビニルモノマー(b3)量の割合は、得られるビニル変性エポキシエステル樹脂(B)の質量に対するビニルポリマーの質量割合(ビニル変性率)が15〜60%であることが好ましい。
また、ビニルモノマー(b3)の種類と反応量は、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)の固形分酸価が10〜150mgKOH/gとなるように調整することが好ましく、15〜120mgKOH/gとなるように調整することがより好ましく、20〜100mgKOH/gとなるように調整することがさらに好ましい。
酸価を上記範囲に制御するという観点から、ビニルモノマー(b3)として、アニオン型モノマーの他に、ノニオン型やカチオン型のモノマーを用いてもよいが、カチオン型モノマーの対イオンは酸になるため、印刷機や塗装機の金属部分が錆びる恐れがあることから、極力使用しないことが好ましい。
重合開始剤としては、1時間半減期が100℃以上のラジカル開始剤を用いて行うことが好ましく、例えば、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−アミルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキサイドから選ばれる一種以上を挙げることができる。
重合開始剤の使用量は、ビニルモノマー(b3)100質量部に対し、0.5〜10質量部であることが好ましい。
本発明の水性顔料分散組成物をインキジェットインキに使用するためには、上記ビニルモノマーの共重合反応は、臭気の少ない高沸点溶媒の存在下または無溶剤下で行うことが好ましい。
得られた共重合反応物は、対イオンで中和することが好ましい。
ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)中の酸性基に対する対イオンとしては、塩基性化合物を挙げることができ、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、2−アミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムハイドロオキサイド等から選ばれる一種以上が挙げられる。
本発明の水性顔料分散組成物をインクジェットインキに使用する場合、印刷時に塗膜から対イオンが蒸散することで塗膜の耐水性が向上する。このため、対イオンとしては、アンモニア、トリエチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール等の揮発性の塩基性化合物が好ましい。
このようにして得られたビニル変性エポキシエステル樹脂(B)は、適宜上記中和処理を行った後、水性媒体中に分散して分散液とすることが好ましい。水性媒体としては、水または水を主成分としてエタノールやエーテルを含むものを挙げることができる。
ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)の水性媒体への分散は、ビニル変性エポキシエステル樹脂に対イオン化合物を80〜125℃の温度下で加えて均一に撹拌した後、水等の水性媒体を加えて、95℃以下の温度下で分散する方法が挙げられる。
また、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)を沸点50〜90℃の溶剤に溶かし、さらに対イオン化合物を加えて水等の水性媒体に50〜90℃の温度下で分散、乳化させた後に、溶剤を減圧溜去する方法が挙げられる。
ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)を水性媒体へ分散させる際は、常圧下あるいは加圧下において機械的な剪断力を加えてもよく、機械的な剪断力を加える装置としては、例えばディスパー、ホモミクサー、スタティックミクサー、マイクロフルイダイザー、キャビトロン等を挙げることができる。
また、ビニル変性エポキシエステル樹脂の中和物を水に分散する際に、分散安定性を向上させる目的で、インクジェットインキに使用した際の塗膜の耐水性を下げない範囲で公知の乳化剤を加えてもよい。上記耐水性の低下を抑制するためには、乳化剤の使用量は極力少なくするか使用しないことが望ましい。
本発明の水性顔料分散組成物は、自己分散型カーボンブラック顔料(A)と、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)とが、水性媒体(C)に分散してなるものである。
本発明の水性顔料分散組成物において、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)に対する自己分散型カーボンブラック顔料(A)の固形分質量比、(自己分散型カーボンブラック顔料(A)/ビニル変性エポキシエステル樹脂(B))は、0.1〜3.0であることが好ましく、0.15〜1.5であることがより好ましく、0.2〜1.0であることがさらに好ましい。なお、上記質量比は、自己分散型カーボンブラック顔料(A)やビニル変性エポキシエステル樹脂(B)が水分散液の状態にある場合には、固形分換算したときの質量比を意味する。
ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)に対する自己分散型カーボンブラック顔料(A)の質量比が上記範囲内にあることにより、自己分散型カーボンブラック顔料(A)の分散安定性を向上させることができ、本発明の水性顔料分散組成物をインクジェットインキに用いたときに、光学濃度(OD値)、光沢性、耐マーカー性を向上することができる。
水性媒体(C)としては、水または水を主成分としてエタノールやエーテルを含むものを挙げることができる。
本発明の水性顔料分散組成物を調製する方法としては、特に制限されないが、上述したビニル変性エポキシエステル樹脂(B)の水性媒体分散液に対し、自己分散型カーボンブラック顔料(A)または自己分散型カーボンブラック顔料(A)の水性媒体分散液を加え、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)に対する自己分散型カーボンブラック顔料(A)の質量比が所望範囲内になるように水性媒体(C)を加える方法を挙げることができる。
本発明の水性顔料分散組成物は、光沢性および光学濃度に優れるとともに、カーボンブラック顔料の分散性に優れることから、インクジェットインキに好適に使用することができる。
<インクジェットインキ>
次に、本発明のインクジェットインキについて説明する。
本発明のインクジェットインキは、本発明の顔料分散組成物を含有してなることを特徴とするものである。
本発明のインクジェットインキは、本発明の顔料分散組成物に加えて、例えば、
公知任意の湿潤剤(乾き防止剤)、防腐剤、防黴剤、粘度調整剤、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、造膜温度調整剤等を含んでもよい。
湿潤剤(乾き防止剤)としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、メチルペンタンジオール、ヘキシレングリコール等のグリコール類や、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレンエーテルグリコール或いはこれらのモノアルキルエーテルや、ジアルキルエーテル、モノアルキルエーテルモノアセテートや、グリセリン、グリセリンモノアルキルエーテル等のグリセリン誘導体や、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン等が挙げられる。
防腐剤、防黴剤としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、 ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(Avecia社製のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセル GXL、プロキセルXL−2、プロキセルLV、プロキセルUltra10、又はDensilP、DensilDN等)等が挙げられる。
pH調整剤としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリン等のアミン類及びそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等の無機塩類、水酸化アンモニウム、4級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアン モニウム等)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩類その他燐酸塩等が挙げられる。
粘度調整剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ザンサンガム(キサンタンガム)等の増粘多糖類、アラビアゴム、伊藤製油製ポリエーテルポリウレタン系ER−3、ER−90等を挙げることができる。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤を挙げることができる。アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩等を挙げることができ、ノニオン系界面活性剤としては、サーフィノール61、82、104、440、465、485(以上いずれも商品名、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)等のアセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等を挙げることができ、カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
消泡剤としては、ビックケミー社製シリコン系消泡剤BYK-1612及びBYK-1615、非シリコン(ポリマー系)消泡剤BYK-011およびBYK-012や、日信化学工業製アセチレンジオール系オルフィンAF−103、AF−104、AK−02、サーフィノールDF−37、サーフィノールDF−58等を挙げることができる。
造膜温度調整剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリオキシアルキレンエーテルグリコールのモノアルキルエーテルや、ジアルキルエーテル、モノアルキルエーテルモノアセテートや、プロピレングリコール−モノブチルエーテル、プロピレングリコール−モノヘキシルエーテル、プロピレングリコール−モノヘプチルエーテル、プロピレングリコール−モノブチルエーテル、プロピレングリコール−モノ −2−エチルヘキシルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルや、ジプロピレングリコール−モノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコール−モノヘプチルエーテル等のプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールのモノアルキルエーテル、ジアルキルエーテル、モノアルキルエーテルモノアセテート、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン等を挙げることができる。
本発明のインクジェットインキは、公知任意の方法で調製することができる。
例えば、本発明に係る水性顔料分散組成物を攪拌しながら、湿潤剤(乾き防止剤)、防腐剤、防黴剤、粘度調整剤、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、造膜温度調整剤等を添加、攪拌し、公知任意の濾過方法により濾過することに製造することができる。
本発明のインクジェットインキは、本発明の水性顔料分散組成物を含有してなるものであるため、カーボンブラック顔料の分散性に優れ、優れた光沢性および光学濃度特性を発揮することができる。
<インクジェット記録方法および記録物>
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェットインキをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録することを特徴とするものである。
また、本発明の記録物は、本発明のインクジェットインキをインクジェット方式で記録媒体に吐出して記録されてなることを特徴とするものである。
本発明のインクジェットインキの詳細については、上述したとおりである。
インクジェット方式としては、公知の方法を採用することができ、バブルジェット(登録商標)方式やピエゾ方式の何れの方式も採用することができる。
また、インクジェットインキを吐出する記録媒体も公知の物を挙げることができ、例えば、インクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に対してインクジェットインキを吐出して所望の情報または画像を形成することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1〜実施例4、比較例1〜比較例2)<水性顔料分散体の製造例>
酸性官能基が導入された自己分散型カーボンブラック顔料(A)の水分散液として、AquaBlack(登録商標)162(東海カーボン(株)製、固形分濃度15質量%、自己分散型カーボンブラック顔料(A)の平均粒径(D50)100nm、DBP吸油量115cm/100g、窒素吸着比表面積170m/g)を使用した。
また、上記AquaBlack(登録商標)162のカルボキシル基量を以下の方法で測定したところ、780μmol/gであった。
<カルボキシル基量の測定方法>
0.976mol/dmの炭酸水素ナトリウム0.5dmに、AquaBlack(登録商標)162を2g添加して、6時間振騰した後、カーボンブラックを反応液からろ過分離し、濾液を0.05mol/dmの水酸化ナトリウム水溶液にて中和滴定し、カルボキシル基量を定量した。
不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の一部の不飽和基にポリビニル基が結合してなるビニル変性エポキシエステル樹脂(B)の水分散液として、DIC社製ウォーターゾールEFD−5560、ウォーターゾールEFD−5580、ウォーターゾールS−352を使用した。これ等の特性を表1に示す。
Figure 2011178882
水性媒体(C)としてイオン交換水を使用し、実施例1〜実施例4においては、自己分散型カーボンブラック顔料(A)と、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)と、水性媒体(C)とを、それぞれ表2に示す質量部づつ加えて、各水性顔料分散組成物を作製した。
また、比較例1においては、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)に代えてアクリル樹脂の水分散液(大成ファインケミカル社製、アクリットSE2223L、固形分濃度41.1質量%、粘度72mPa、pH7.16)を用い、比較例2においては、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)に代えてスチレンアクリル樹脂の水分散液(東洋インキ製造社製、トクリルBCX−9572、固形分濃度50.0質量%、粘度2000mPa、pH8.1)を用い、それぞれ表2に示す質量部づつ加えて、各水性顔料組成物を作製した。
Figure 2011178882
(実施例5〜実施例8、比較例3〜比較例4)
<インクジェットインキの製造例>
表3に示すように、実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例2で得られた水性顔料分散組成物に対し、それぞれ、グリセリンを5質量部、2−ピロリドンを5質量部、エタノールを2質量部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル3質量部、オルフィンE1010(日新化学工業社製)1質量部、1,2−ヘキサンジオール5質量部、プロキセルXL−2(アビシア社製)0.3質量部をさらに加えて、各インクジェットインキを作製した。
実施例4〜実施例7で作製したインクジェットインキは、自己分散型カーボンブラック顔料(A)の濃度が5質量%、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)に対する自己分散型カーボンブラック顔料(A)の固形分質量比(自己分散型カーボンブラック顔料(A)/ビニル変性エポキシエステル樹脂(B))が5/5となるように調製したものである。また、実施例8で作製したインクジェットインキは、自己分散型カーボンブラック顔料(A)の濃度が4質量%、ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)に対する自己分散型カーボンブラック顔料(A)の固形分質量比(自己分散型カーボンブラック顔料(A)/ビニル変性エポキシエステル樹脂(B))が4/5となるように調製したものである。
比較例3で作製したインクジェットインキは、自己分散型カーボンブラック顔料(A)の濃度が5質量%、アクリル樹脂に対する自己分散型カーボンブラック顔料(A)の固形分質量比(自己分散型カーボンブラック顔料(A)/アクリル樹脂)が5/5となるように調製したものである。また、比較例4で作製したインクジェットインキは、自己分散型カーボンブラック顔料(A)の濃度が5質量%、スチレンアクリル樹脂に対する自己分散型カーボンブラック顔料(A)の固形分質量比(自己分散型カーボンブラック顔料(A)/アクリル樹脂)が5/5となるように調製したものである。
Figure 2011178882
実施例4〜実施例8および比較例3〜比較例4で作製したインクジェットインキにおける、分散安定性、黒色度(OD値)、光沢、耐マーカー性を以下に記載する方法で評価した。結果を表4に示す。
<分散安定性>
各インクジェットインキを、密閉式ガラス瓶に入れインキュベーターおいて70℃で2週間保存したときの、インクジェットインキの粘度(mPa・s)およびインキ中の自己分散型カーボンブラック顔料(A)の平均粒径(nm)の経時変化をそれぞれ測定して、以下の基準により評価した。
なお、インキジェットインキ中の自己分散型カーボンブラック顔料(A)の平均粒径D50は、粒度分布測定装置(マイクロトラック社製、UPA−150)を用いて測定した。また、インクジェットインキの粘度は、E型粘度計(東機産業社製TV20型粘度計)を用いて測定した。
(評価基準)
○: 測定当初の粘度に対する1週間経過時における粘度の変化率と測定当初の平均粒径D50に対する1週間経過時における平均粒子径D50の変化率がいずれも10%以内であり、測定当初の粘度に対する2週間経過時における粘度の変化率と測定当初の平均粒径D50に対する2週間経過時における平均粒子径D50の変化率がいずれも10%以内である。
△: 測定当初の粘度に対する1週間経過時における粘度の変化率と測定当初の平均粒径D50に対する1週間経過時における平均粒子径D50の変化率がいずれも10%以内であるが、測定当初の粘度に対する2週間経過時における粘度の変化率と測定当初の平均粒径D50に対する2週間経過時における平均粒子径D50の変化率がいずれも10%を超え20%以下である。
×: 測定当初の粘度に対する1週間経過時における粘度の変化率と測定当初の平均粒径D50に対する1週間経過時における平均粒子径D50の変化率がいずれも10%を超える。
<黒色度(OD値)>
各インクジェットインキを用い、セイコーエプソン社製インクジェットプリンターEM−930Cにより、720dpiの解像度でベタ印字を行い、X−rite Inc.製反射型光学濃度計(model 361T)によって黒色度(OD値)を測定した。
普通紙ゼロックスP、ゼロックス4200,ゼロックス4024の3種の普通紙に印字されたベタ部分のOD値の平均が、OD値1.2以上を○とし、1.1以上1.2未満を△とし、1.1未満を×とした。
<光沢>
各インクジェットインキを用い、エプソン社製インクジェットプリンターPX−V600により、1440dpi解像度でエプソン社製写真紙(光沢紙)にベタ印刷面を行い、BYK Gardner社製光沢計(micro−gross60°)にて60度グロスを測定した。
光沢度60以上を○とし、光沢度45以上60未満を△とし、45未満を×とした。
<耐マーカー性>
各インクジェットインキを用い、セイコーエプソン社製インクジェットプリンターEM−930Cにより、720dpiの解像度で普通紙ゼロックス4200に印字し、印字してから一分後と五分後にコクヨ蛍光マーカーPitash-αにより印字部分から非印字部分に線を引き、目視で印字部のかすれや非印字部の汚れの有無を観察して、以下の基準により評価した。
○:印字してから一分後と五分後のいずれの場合も印字部のかすれや非印字部の汚れが無い。
△:印字してから一分後には印字部のかすれや非印字部の汚れがあるが五分後には無い。
×:印字してから一分後及び五分後のいずれの場合にも印字部のかすれや非印字部の汚れがある。
Figure 2011178882
表3および表4より、実施例5〜実施例8で得られたインクジェットインキは、自己分散型カーボンブラック顔料(A)の分散安定性に優れ、黒色度(OD値)、光沢性、耐マーカー性に優れるものであることが分かる。これに対して、ビニル変性エステル樹脂(B)を用いないで作製した比較例3〜比較例4のインクジェットインキは、自己分散型カーボンブラック顔料(A)の分散安定性に劣るとともに、黒色度(OD値)、光沢性、耐マーカー性が何れも劣るものであることが分かる。
本発明によれば、インクジェットインキに用いたときに、光沢性および光学濃度に優れるとともに、カーボンブラック顔料の分散性に優れた水性顔料分散組成物を提供できるとともに、インクジェットインキ、該インクジェットインキを用いたインクジェット記録方法および記録物を提供することができる。

Claims (5)

  1. 自己分散型カーボンブラック顔料(A)と、不飽和脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の少なくとも一部の不飽和基にポリビニル基が結合してなるビニル変性エポキシエステル樹脂(B)とが、水性媒体(C)中に分散してなることを特徴とする水性顔料分散組成物。
  2. 前記ビニル変性エポキシエステル樹脂(B)の固形分酸価が10〜150mgKOH/gである請求項1に記載の水性顔料分散組成物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の水性顔料分散組成物を含有してなることを特徴とするインクジェトインキ。
  4. 請求項3に記載のインクジェトインキをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
  5. 請求項3に記載のインクジェトインキをインクジェット方式で記録媒体に吐出して記録されてなることを特徴とする記録物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102775852A (zh) * 2012-08-13 2012-11-14 东莞市允诚涂料有限公司 一种水性发泡油墨及其制备方法
JP2016017126A (ja) * 2014-07-08 2016-02-01 東洋インキScホールディングス株式会社 水性インクジェット用インキ

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