JP2011178624A - TiO2を含有するシリカガラス体の製造方法 - Google Patents

TiO2を含有するシリカガラス体の製造方法 Download PDF

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喬宏 三森
Tomotaka Ogawa
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Abstract

【課題】比較的短時間の熱処理で脈理が抑制されたTiO2−SiO2ガラス体を得ることができるTiO2−SiO2ガラス体の製造方法の提供。
【解決手段】(a)TiO2−SiO2ガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質TiO2−SiO2ガラス体を得る工程、(b)前記多孔質TiO2−SiO2ガラス体を真空雰囲気下、または、不活性ガス雰囲気下で、1300℃以上で熱処理することにより、前記多孔質TiO2−SiO2ガラス体を緻密化する工程、(c)前記緻密化されたTiO2−SiO2ガラスを成型容器内に設置し、前記成型容器内で前記TiO2−SiO2ガラスを軟化点以上の温度で加圧成型する工程、および、(d)前記加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスを1600℃以上の温度で10時間以上保持する工程を有する、TiO2−SiO2ガラス体の製造方法であって、前記(c)工程におけるTiO2−SiO2ガラスの加圧方向が、前記(a)工程におけるTiO2−SiO2ガラス微粒子の堆積方向と一致し、加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスの厚みが、加圧成型前の該TiO2−SiO2ガラスの厚みの0.6倍未満であることを特徴とするTiO2−SiO2ガラス体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、TiO2を含有するシリカガラス(以下、本明細書では、TiO2−SiO2ガラスと記す)体の製造方法に関し、特にEUVリソグラフィ用の露光装置の光学系部材として用いられるTiO2−SiO2ガラス体の製造方法に関する。
なお、本発明でいうEUV(Extreme Ultra Violet)光とは、軟X線領域または真空紫外域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。
従来から、光リソグラフィ技術においては、ウェハ上に微細な回路パターンを転写して集積回路を製造するための露光装置が広く利用されている。集積回路の高集積化および高機能化に伴い、集積回路の微細化が進み、露光装置には深い焦点深度で高解像度の回路パターンをウェハ面上に結像させることが求められ、露光光源の短波長化が進められている。
このような流れにあって、露光光源としてEUV光(極端紫外光)のうち代表的には波長13nmの光を用いたリソグラフィ技術が、回路パターンの線幅が32nm以降の世代にわたって適用可能と見られ注目されている。EUVリソグラフィ(以下、「EUVL」と略する)の像形成原理は、投影光学系を用いてマスクパターンを転写する点では、従来のフォトリソグラフィーと同じである。しかし、EUV光のエネルギー領域では光を透過する材料が無いために、屈折光学系は用いることができず、光学系はすべて反射光学系となる。
EUVL用露光装置の光学系部材(EUVL用光学部材)はフォトマスクやミラーなどであるが、(1)基材、(2)基材上に形成された反射多層膜、(3)反射多層膜上に形成された吸収体層、から基本的に構成される。反射多層膜としては、Mo層と、Si層と、を交互に積層させたMo/Si反射多層膜を形成することが検討され、吸収体層には、成膜材料として、TaやCrが検討されている。EUVL用光学部材の製造に用いられる基材(EUVL用光学基材)としては、EUV光照射の下においても歪みが生じないよう低熱膨張係数を有する材料が必要とされ、低熱膨張係数を有するガラス等が検討されている。
金属ドーパントを含めることでガラス材料の熱膨張係数を下げることが知られており、特に、金属ドーパントとしてTiO2を含む石英ガラス体、すなわち、TiO2−SiO2ガラス体は、金属ドーパントを含まない石英ガラスよりも小さい熱膨張係数を有する超低熱膨張材料として知られ、また石英ガラス中のTiO2含有量によって熱膨張係数を制御できるために、熱膨張係数が0に近いゼロ膨張ガラスが得られる。したがって、TiO2−SiO2ガラス体はEUVL用光学基材としての可能性がある。
このようなTiO2−SiO2ガラス体は、スート法や直接法によって得られた多孔質TiO2−SiO2ガラス体を熱処理により緻密化させることによって得られる。
しかしながら、上述した方法で製造されるTiO2−SiO2ガラス体の難点の1つは、該ガラス体が脈理を有することである(特許文献1参照)。脈理とは、該ガラス体を用いて作製されたEUVL用光学部材の光透過に悪影響を及ぼす、該ガラス体中に存在する層状の組成の不均一(組成分布)である。脈理は数ppb/℃の熱膨張係数の変動と相関する組成変動を測定するマイクロプローブにより測定することができる。
TiO2−SiO2ガラス体を用いて作製されたEUVL用光学部材において、表面粗さ(PV値)を数ナノメートルのレベルに仕上げる際に脈理が強く影響する場合があることがわかった。EUVL用光学部材の光学面は、表面粗さ(PV値)を非常に小さくすることが必要であるので問題である。ここで、EUVL用光学部材の光学面とは、該EUVL用光学部材を用いてフォトマスクやミラーを作製する際に、反射多層膜が形成される成膜面を指す。なお、該光学面の形状は、EUVL用光学部材の用途によって異なる。フォトマスクの製造に用いられるEUVL用光学部材の場合、該光学面は通常平面である。一方、ミラーの製造に用いられるEUVL用光学部材の場合は曲面であることが多い。
したがって、EUVL用光学部材として用いられるTiO2−SiO2ガラス体は、脈理が存在しないことが好ましい。
特許文献1には、TiO2−SiO2ガラスを、1600℃を超える温度で72〜288時間の範囲の間熱処理することによって、該TiO2−SiO2ガラス中の脈理を減少させることができるとされているが、長時間の熱処理を要することから、TiO2−SiO2ガラス体を製造する際の歩留まりが低下する。またリードタイムも長くなるので、製造条件としては好ましくない。
特開2007−186412号公報
上記した従来技術の問題点を解決するため、本発明は、比較的短時間の熱処理で脈理が抑制されたTiO2−SiO2ガラス体を得ることができるTiO2−SiO2ガラス体の製造方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、
(a)TiO2−SiO2ガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質TiO2−SiO2ガラス体を得る工程、
(b)前記多孔質TiO2−SiO2ガラス体を真空雰囲気下、または、不活性ガス雰囲気下で、1300℃以上で熱処理することにより、前記多孔質TiO2−SiO2ガラス体を緻密化する工程、
(c)前記緻密化されたTiO2−SiO2ガラスを成型容器内に設置し、前記成型容器内で前記TiO2−SiO2ガラスを軟化点以上の温度で加圧成型する工程、および、
(d)前記加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスを1600℃以上の温度で10時間以上保持する工程を有する、TiO2−SiO2ガラス体の製造方法であって、
前記(c)工程におけるTiO2−SiO2ガラスの加圧方向が、前記(a)工程におけるTiO2−SiO2ガラス微粒子の堆積方向と一致し、加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスの厚みが、加圧成型前の該TiO2−SiO2ガラスの厚みの0.6倍未満であることを特徴とするTiO2−SiO2ガラス体の製造方法を提供する。
本発明のTiO2−SiO2ガラス体の製造方法において、前記(c)工程において、1500℃以上の温度でTiO2−SiO2ガラスを加圧成型することが好ましい。
また、本発明は、TiO2−SiO2ガラス体の製造方法により得られるTiO2−SiO2ガラス体をEUVリソグラフィ(EUVL)用光学基材として使用する方法を提供する。
本発明によれば、比較的短時間の熱処理で脈理が抑制されたTiO2−SiO2ガラス体を得ることができるため、EUVL用光学部材用のTiO2−SiO2ガラスの製造方法として好適である。
以下、本発明のTiO2−SiO2ガラス体の製造方法について説明する。
(a)工程
(a)工程は、火炎加水分解法(例えば、VAD法)により実施することができる。
VAD法を用いる場合、ガラス形成原料であるSi前駆体およびTi前駆体を火炎加水分解させて得られるTiO2−SiO2ガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質TiO2−SiO2ガラス体を形成させる。ガラス形成原料としては、ガス化可能な原料であれば特に限定されないが、Si前駆体としては、SiCl4、SiHCl3、SiH2Cl2、SiH3Clなどの塩化物、SiF4、SiHF3、SiH22などのフッ化物、SiBr4、SiHBr3などの臭化物、SiI4などのヨウ化物といったハロゲン化ケイ素化合物、またRnSi(OR)4-n(ここにRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数)で示されるアルコキシシランが挙げられ、またTi前駆体としては、TiCl4、TiBr4などのハロゲン化チタン化合物、またRnTi(OR)4-n(ここにRは炭素数1〜4のアルキル基、nは0〜3の整数)で示されるアルコキシチタンが挙げられる。また、Si前駆体およびTi前駆体として、シリコンチタンダブルアルコキシドなどのSiとTiの化合物を使用することもできる。
基材としては石英ガラス製の種棒(例えば特公昭63−24937号公報記載の種棒)を使用できる。また棒状に限らず板状の基材を使用してもよい。
(b)工程
(b)工程では(a)工程で得られた多孔質TiO2−SiO2ガラス体を、圧力100 Pa以下の真空雰囲気下、または、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で1300℃以上の温度、好ましくは1300〜1500℃の温度範囲で熱処理することによって、多孔質TiO2−SiO2ガラス体を緻密化させる。
(c)工程
(c)工程では、(b)工程で緻密化されたTiO2−SiO2ガラスを成型容器内に設置し、成型容器内でTiO2−SiO2ガラスを軟化点以上の温度で加圧成型する。
本発明のTiO2−SiO2ガラス体の製造方法では、(c)工程におけるTiO2−SiO2ガラスの加圧方向が、(a)工程におけるTiO2−SiO2ガラス微粒子の堆積方向と一致し、加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスの厚みが、加圧成型前の該TiO2−SiO2ガラスの厚みの0.6倍未満となるように加圧成型を行う。この理由について以下に述べる。
上述したように、脈理とは、TiO2−SiO2ガラス体を用いて作製されたEUVL用光学部材の表面形状ひいては反射に悪影響を及ぼす、該ガラス体中に存在する層状の組成の不均一(組成分布)である。TiO2−SiO2ガラス体に層状の組成の不均一(組成分布)が生じるのは、(a)工程において、TiO2−SiO2ガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質TiO2−SiO2ガラス体を得るからであり、脈理をなす組成の不均一(組成分布)の層の厚み方向と、TiO2−SiO2ガラス微粒子の堆積方向と、は概ね一致する。
このためTiO2−SiO2ガラスの加圧方向を(a)工程におけるTiO2−SiO2ガラス微粒子の堆積方向と一致させて加圧成型を実施することによって、脈理をなす組成の不均一(組成分布)の層の厚みを減少させることができる。
脈理をなす組成の不均一(組成分布)の層の厚みを減少させることによって、続いて実施する(d)工程において、TiO2−SiO2ガラス中の脈理を減少させるのに要する時間を、特許文献2に記載されているような従来の熱処理に比べて短縮することができる。この理由は以下の通り。
(d)工程や特許文献2に記載の熱処理によって、TiO2−SiO2ガラスの脈理が減少するのは、熱処理を実施することによって、脈理をなす組成の不均一(組成分布)の層中のTiO2が拡散し、該層における組成の不均一(組成分布)が改善されるためである。
ここで、加圧成型によって、脈理をなす組成の不均一(組成分布)の層の厚みを減少させると、該層における単位距離当たりのTiO2の濃度勾配が増加するので、該層におけるTiO2の拡散係数が増加する。この結果、該層中のTiO2が拡散しやすくなる。
また、加圧成型によって、脈理をなす組成の不均一(組成分布)の層の厚みを減少させた場合、該層の表面積、具体的には、該層の厚み方向に対して垂直方向の表面積が増加する。これによっても、該層中のTiO2が拡散しやすくなる。
このように、本発明のTiO2−SiO2ガラス体の製造方法では、加圧成型によって、脈理をなす組成の不均一(組成分布)の層のTiO2が拡散しやすい状態にしてから(d)工程の熱処理を実施することにより、特許文献2に記載に記載されているような従来の熱処理に比べて短時間の熱処理でTiO2−SiO2ガラス中の脈理を減少させることができる。
本発明のTiO2−SiO2ガラス体の製造方法において、上述した作用、すなわち、加圧成型によって、脈理をなす組成の不均一(組成分布)の層中のTiO2を拡散しやすくさせる作用、によってTiO2−SiO2ガラスの脈理を減少させるのに要する熱処理時間を減少させるためには、加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスの厚みが、加圧成型前の該TiO2−SiO2ガラスの厚みの0.6倍未満となるように加圧成型を行う必要がある。
加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスの厚みが、加圧成型前の該TiO2−SiO2ガラスの厚みの0.6倍以上の場合、脈理をなす組成の不均一(組成分布)の層の厚みの減少が少ないため、上述した作用が十分発揮されず、TiO2−SiO2ガラスの脈理を減少させるのに要する熱処理時間を減少させることができない。
本発明のTiO2−SiO2ガラス体の製造方法において、加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスの厚みが、加圧成型前の該TiO2−SiO2ガラスの厚みの0.5倍未満となるように加圧成型を行うことが好ましく、0.3倍未満となるように加圧成型を行うことがより好ましい。
(c)工程では、TiO2−SiO2ガラスの軟化点以上の温度で加圧成型を実施する。加圧成型時の温度がTiO2−SiO2ガラスの軟化温度よりも低いと、ガラスの粘度が高いため、実質的に成型を行うことができない。軟化温度はガラスの種類によって異なるが、TiO2−SiO2ガラスの場合、1500℃以上である。
但し、加圧成型時の温度が高すぎると、SiO2の昇華が生じる可能性があるので、1800℃以下であることが好ましい。加圧成型時の温度は、より好ましくは1600〜1770℃である。なお、(c)工程における加圧成型時の温度は、(b)工程における熱処理温度よりも高い。
(c)工程において、TiO2−SiO2ガラスの加圧成型は、不活性雰囲気中、例えば、アルゴン雰囲気中、で実施する。雰囲気圧力が0.01MPa未満であるとSiO2の昇華が生じる可能性があるので、0.01MPa以上の不活性ガス雰囲気が好ましい。
なお、(c)工程におけるTiO2−SiO2ガラスの加圧方向を(a)工程におけるTiO2−SiO2ガラス微粒子の堆積方向と一致させるには、以下の手順で加圧成型を実施すればよい。
TiO2−SiO2ガラスを成型容器内に設置するときに、(a)工程におけるTiO2−SiO2ガラス微粒子の堆積方向が成型容器の底面に対して略垂直となるように設置する。次いで、TiO2−SiO2ガラスを上方から加圧して加圧成型を実施する。
(d)工程
(d)工程では、(c)工程により加圧成型されたTiO2−SiO2ガラスを1600℃以上の温度で10時間以上保持することによって、TiO2−SiO2ガラス中の脈理を減少させる。(d)工程の実施によって、TiO2−SiO2ガラス中の脈理を減少する理由については上述した通りである。
(d)工程において、TiO2−SiO2ガラスを保持する温度は、1650℃以上が好ましく、1700℃以上がより好ましい。また、発泡の発生を抑えるべく、1800℃以下とするのが好ましい。なお、(d)工程における保持温度は、(b)工程における加圧成型時の温度より高くすることが好ましい。TiO2−SiO2ガラスを保持する時間は、20時間以上が好ましく、40時間以上がより好ましい。また、歩留まりを考慮すると、200時間以下が好ましく、70時間以下がより好ましい。
なお、(d)工程を実施する雰囲気は、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガス100%の雰囲気下、これらの不活性ガスを主成分とする雰囲気下、または空気雰囲気下で、圧力は減圧または常圧が好ましい。
本発明のTiO2−SiO2ガラス体の製造方法によれば、比較的短時間の熱処理で脈理が抑制されたTiO2−SiO2ガラス体を得ることができるため、マスクブランクやミラーといったEUVL用光学基材の製造方法として好適である。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、例1〜3は実施例であり、その他は比較例である。
[例1]
本例では、以下の手順でTiO2−SiO2ガラス体を製造した。
TiO2−SiO2ガラスのガラス形成原料であるTiCl4とSiCl4を、それぞれガス化させた後に混合させ、酸水素火炎中で加熱加水分解(火炎加水分解)させることで得られるTiO2−SiO2ガラス微粒子を基材に堆積・成長させて、多孔質TiO2−SiO2ガラス体を形成した((a)工程)。
得られた多孔質TiO2−SiO2ガラス体はそのままではハンドリングしにくいので、基材に堆積させたままの状態で、大気中1200℃にて6時間保持したのち、基材から外した。
その後、多孔質TiO2−SiO2ガラス体をモリブデンを主成分とする金属製の電気炉に設置し、室温にて1300Paまで減圧した後、1450℃まで昇温した後、この温度で4時間保持しTiO2−SiO2ガラス体を緻密化させた((b)工程)。
(b)工程で緻密化させたTiO2−SiO2ガラスを、(a)工程におけるTiO2−SiO2ガラス微粒子の堆積方向が成型容器の底面に対して略垂直方向となるように、グラファイト製の成型容器内に設置し、TiO2−SiO2ガラスを上方から加圧した。この状態で成型容器を炉内に設置し、不活性雰囲気中(Ar雰囲気0.1MPa)、1725℃で加圧成型した((c)工程)。加圧成型の実施前後でTiO2−SiO2ガラスの厚みを測定したところ、加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスの厚みは、加圧成型前の該TiO2−SiO2ガラスの厚みの0.22倍であった。
加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスを不活性雰囲気中(Ar雰囲気0.1MPa)、1740℃にて10時間保持した後、放冷してTiO2−SiO2ガラス体を得た((d)工程)。
得られたTiO2−SiO2ガラス体における組成分布を確認するため、該ガラス体におけるTiO2含有量のばらつき(σ(TiO2))(wt%)を以下の手順で求めた。
サンプル(15mm×15mm×3mm)を15mm×15mm面が脈理方向(堆積方向と垂直方向)に対して垂直になるように切り出し、厚み1mmまで鏡面研磨してカーボンスパッタコーティングを施した。このサンプルを、EPMA(JEOL製 JXA8900)にセットし、TiおよびSiの特性X線からTiO2およびSiO2の濃度を測定した。測定範囲は脈理方向に対して垂直に1000μmの距離で、電子線の条件は加速電圧:25kV、電流:30nAとし、位置分解能を5μmとした。このデータの変動を、標準偏差σとして求めた。
その結果、σ(TiO2)は0.078wt%であった。
また、得られたTiO2−SiO2ガラス体について、脈理の応力のばらつき(σ(応力))(MPa)を以下の手順で求めた。
サンプル(15mm×15mm×3mm)を15mm×15mm面が脈理方向(堆積方向と垂直方向)に対して垂直になるように切り出し、厚み1mmまで鏡面研磨した。このサンプルを複屈折イメージングシステム Abrio−IMにセットし脈理方向に対して垂直に1000μmの距離で複屈折を測定し、応力に換算した。波長条件は546nmで、位置分解能を0.98μmとした。
その結果、σ(応力)は0.027MPaであった。
[例2]
(d)工程において、加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスを不活性雰囲気中(Ar雰囲気0.1MPa)、1740℃にて60時間保持した後、大気放冷してTiO2−SiO2ガラス体を得た以外は例1と同様の手順を実施した。
得られたTiO2−SiO2ガラス体のσ(TiO2)は0.074wt%であった。
[例3]
(c)工程におけるTiO2−SiO2ガラスへの加圧力を変えて加圧成型を実施し、加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスの厚みが、加圧成型前の該TiO2−SiO2ガラスの厚みの0.45倍であった以外は例1と同様の手順を実施した。
得られたTiO2−SiO2ガラス体のσ(TiO2)は0.106wt%であり、σ(応力)は0.048MPaであった。
[例4]
(c)工程において、TiO2−SiO2ガラスを加圧することなしに成型を実施し、成型後のTiO2−SiO2ガラスの厚みが、加圧成型前の該TiO2−SiO2ガラスの厚みの0.9倍であった以外は例1と同様の手順を実施した。
得られたTiO2−SiO2ガラス体のσ(TiO2)は0.229wt%であり、σ(応力)は0.085MPaであった。
例1,2と、例4と、の比較から、本発明にしたがって加圧成型を実施した後のTiO2−SiO2ガラスを熱処理することにより、10時間という比較的短時間の熱処理によってTiO2−SiO2ガラスの脈理を大幅に減少させることができることが確認された。また、例1,2の比較から、10時間という比較的短時間の熱処理によってTiO2−SiO2ガラスの脈理が十分減少し、特許文献1に記載されているような従来の熱処理のように長時間熱処理する必要がないことが確認された。

Claims (3)

  1. (a)TiO2−SiO2ガラス微粒子を基材に堆積、成長させて多孔質TiO2−SiO2ガラス体を得る工程、
    (b)前記多孔質TiO2−SiO2ガラス体を真空雰囲気下、または、不活性ガス雰囲気下で、1300℃以上で熱処理することにより、前記多孔質TiO2−SiO2ガラス体を緻密化する工程、
    (c)前記緻密化されたTiO2−SiO2ガラスを成型容器内に設置し、前記成型容器内で前記TiO2−SiO2ガラスを軟化点以上の温度で加圧成型する工程、および、
    (d)前記加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスを1600℃以上の温度で10時間以上保持する工程を有する、TiO2−SiO2ガラス体の製造方法であって、
    前記(c)工程におけるTiO2−SiO2ガラスの加圧方向が、前記(a)工程におけるTiO2−SiO2ガラス微粒子の堆積方向と一致し、加圧成型後のTiO2−SiO2ガラスの厚みが、加圧成型前の該TiO2−SiO2ガラスの厚みの0.6倍未満であることを特徴とするTiO2−SiO2ガラス体の製造方法。
  2. 前記(c)工程において、1500℃以上の温度でTiO2−SiO2ガラスを加圧成型する請求項1に記載のTiO2−SiO2ガラス体の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により得られるTiO2−SiO2ガラス体をEUVリソグラフィ(EUVL)用光学基材として使用する方法。
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