JP2011177011A - 充電状態調整装置、それを備えたバッテリシステム、電動車両、移動体、電力貯蔵装置および電源装置ならびに充電状態調整処理プログラム - Google Patents

充電状態調整装置、それを備えたバッテリシステム、電動車両、移動体、電力貯蔵装置および電源装置ならびに充電状態調整処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】充電時または放電時に複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を大きくすることを可能にする充電状態調整装置、それを備えたバッテリシステム、電動車両、移動体、電力貯蔵装置および電源装置ならびに充電状態調整処理プログラムを提供する。
【解決手段】直列接続された複数のバッテリセルの電圧が電圧測定部により測定され、複数のバッテリセルに流れる電流が電流測定部により測定される。測定された複数のバッテリセルの電圧および複数のバッテリセルに流れる電流に基づいて充電時または放電時に各バッテリセルに流すことが可能な上限充電電流値および上限放電電流値が算出される。算出された上限充電電流値C[i]が充電側基準値Caveよりも小さくかつ算出された上限放電電流値D[i]が放電側基準値Daveよりも大きいバッテリセルが選択され、選択されたバッテリセルが放電されることにより充電状態が調整される。
【選択図】図5

Description

本発明は、充電状態調整装置、それを備えたバッテリシステム、電動車両、移動体、電力貯蔵装置および電源装置ならびに充電状態調整処理プログラムに関する。
電動自動車等の移動体の駆動源として、充放電が可能なバッテリモジュールが用いられる。このようなバッテリモジュールは、例えば複数のバッテリセル(単電池)が直列に接続された構成を有する。
近年、複数のバッテリセルとしてリチウムイオン電池を用いたバッテリモジュールが開発されている。リチウムイオン電池では、ニッケル水素電池に比べて過充電および過放電により特性の劣化が生じやすい。
また、複数のバッテリセルには充放電特性にばらつきがあり、特性劣化にもばらつきがある。そのため、各バッテリセルの過充電および過放電を防止するためには、各バッテリセルの充放電を個々に制御することが望ましい。
そこで、複数のバッテリセルの残容量(任意の状態でバッテリセルに蓄積されている電荷量)を検出し、検出された残容量に基づいて各バッテリセルの残容量を均等化する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−284253号公報
特許文献1に記載された電池モジュールにおいては、複数のバッテリセルの開放電圧値に基づいて各バッテリセルの残容量の調整量が算出され、複数のバッテリセルの残容量が均等化される。しかしながら、充電時および放電時に各バッテリセルに流すことが可能な電流の値については考慮されていない。
本発明の目的は、充電時または放電時に複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を大きくすることを可能にする充電状態調整装置、それを備えたバッテリシステム、電動車両、移動体、電力貯蔵装置および電源装置ならびに充電状態調整処理プログラムを提供することである。
複数のバッテリセルからなるバッテリモジュールの充電時に、充電器からバッテリモジュールに大きな電流を供給することができれば、充電時間を短縮することができる。また、バッテリモジュールの放電時に、バッテリモジュールから負荷に大きな電流を供給することができれば、バッテリモジュールの用途が拡大する。例えば、バッテリモジュールを高回転型のモータの駆動源として用いることが可能となる。
しかしながら、各バッテリセルの劣化を防止するために、充電時における各バッテリセルの端子電圧の上限値および放電時における各バッテリセルの端子電圧の下限値が定められている。それにより、充電時および放電時に各バッテリセルに流すことが可能な電流の値(以下、上限電流値と呼ぶ)が定まる。
複数のバッテリセルが直列接続されている場合には、複数のバッテリセルに流れる電流の値は等しくなる。そのため、複数のバッテリセルの上限電流値が異なる場合には、複数のバッテリセルに流すことが可能な電流は、複数のバッテリセルの上限電流値のうち最も小さい上限電流値に制限される。
上記のように、充電時および放電時にバッテリモジュールに流すことが可能な電流を大きくすることが望まれる。しかしながら、特許文献1に記載されているような従来の均等化の方法によれば、バッテリモジュールに流すことが可能な電流を十分に大きくすることができない。そこで、本発明者は、上記検討結果に基づいて以下の発明を案出した。
本発明に係る充電状態調整装置は、直列接続された複数のバッテリセルの充電状態の調整処理を行う充電状態調整装置であって、各バッテリセルの電圧を測定する電圧測定部と、複数のバッテリセルに流れる電流を測定する電流測定部と、各バッテリセルの充電状態を調整する調整回路と、調整回路を制御する制御部とを備え、制御部は、電圧測定部により測定された各バッテリセルの電圧および電流測定部により測定された電流に基づいて、各バッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を上限電流値として算出し、複数のバッテリセルについて算出される上限電流値のうち少なくとも最小の上限電流値が増加するように、バッテリセルの充電状態を調整回路により調整するものである。
この充電状態調整装置においては、複数のバッテリセルについて算出される上限電流値のうち少なくとも最小の上限電流値が増加するように各バッテリセルの充電状態が調整される。複数のバッテリセルに流すことが可能な電流は、複数のバッテリセルの上限電流値のうち最小の上限電流値に制限される。したがって、最小の上限電流値が増加することにより、充電時または放電時に複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を大きくすることが可能となる。
なお、本発明において、調整処理とは、複数のバッテリセルの充電状態を変化させる処理である。
制御部は、複数のバッテリセルについて算出される上限電流値のうち基準値よりも小さい上限電流値を有するバッテリセルを選択し、選択されたバッテリセルの上限電流値が基準値以上になるように選択されたバッテリセルの充電状態を調整回路により調整してもよい。
この場合、複数のバッテリセルの上限電流値が基準値以上になる。これにより、複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を基準値以上にすることができる。
制御部は、電圧測定部により測定された各バッテリセルの電圧および電流測定部により測定された電流に基づいて、充電時に各バッテリセルの端子電圧が予め定められた上限電圧値より大きくならないようにまたは放電時に各バッテリセルの端子電圧が予め定められた下限電圧値よりも小さくならないように各バッテリセルの上限電流値を算出してもよい。
充電時に複数のバッテリセルに流れる電流がそれぞれ算出された上限電流値以下である場合には、複数のバッテリセルの端子電圧が上限電圧値よりも大きくならない。または、放電時に複数のバッテリセルに流れる電流がそれぞれ算出された上限電流値以下である場合には、複数のバッテリセルの端子電圧が下限電圧値よりも小さくならない。それにより、複数のバッテリセルの劣化が防止される。
制御部は、電圧測定部により測定された電圧および電流測定部により測定された電流に基づいて各バッテリセルの内部抵抗を算出し、上限電圧値および下限電圧値の少なくとも一方、電圧測定部により測定される電圧ならびに算出された内部抵抗に基づいて各バッテリセルの上限電流値を算出してもよい。
この場合、電圧測定部により測定された電圧および電流測定部により測定された電流に基づいて各バッテリセルの内部抵抗が算出され、複数のバッテリセルについてそれぞれ算出された内部抵抗に基づいて複数のバッテリセルの上限電流値が算出される。それにより、複数のバッテリセルの内部抵抗にばらつきがある場合でも、充電時に各バッテリセルの端子電圧が上限電圧値より大きくならず、または放電時に各バッテリセルの端子電圧が下限電圧値よりも小さくならない。
したがって、複数のバッテリセルの内部抵抗にばらつきがある場合でも、充電時または放電時に複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を大きくすることが可能となる。
制御部は、さらに、複数のバッテリセルの放電時または充電時における各バッテリセルの電圧の変化に基づいて各バッテリセルの上限電流値を算出してもよい。
この場合、複数のバッテリセルに流す電流を算出された上限電流値以下にすることにより、複数のバッテリセルの充電時または放電時に各バッテリセルの電圧が変化する場合でも、各バッテリセルの端子電圧が上限電圧値または下限電圧値を超えることが防止される。その結果、複数のバッテリセルの信頼性が向上する。
調整回路は、各バッテリセルを放電させる放電回路および各バッテリセルを充電する充電回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。調整回路が放電回路を含む場合には、各バッテリセルを放電させることにより各バッテリセルの充電状態を調整することができる。また、調整回路が充電回路を含む場合には、各バッテリセルを充電することにより、各バッテリセルの充電状態を調整することができる。
本発明に係るバッテリシステムは、直列接続された複数のバッテリセルと、複数のバッテリセルの充電状態の調整処理を行う上記の発明に係る充電状態調整装置とを備えるものである。
このバッテリシステムにおいては、複数のバッテリセルの充電状態が上記の発明に係る充電状態調整装置により調整処理される。それにより、最小の上限電流値が増加することにより、充電時または放電時に複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を大きくすることが可能となる。その結果、バッテリシステムの特性が向上する。
本発明に係る電動車両は、直列接続された複数のバッテリセルと、複数のバッテリセルの充電状態の調整処理を行う上記の発明に係る充電状態調整装置と、複数のバッテリセルの電力により駆動されるモータと、モータの回転力により回転する駆動輪とを備えるものである。
この電動車両においては、複数のバッテリセルからの電力によりモータが駆動される。そのモータの回転力によって駆動輪が回転することにより、電動車両が移動する。
また、この電動車両においては、複数のバッテリセルの充電状態が上記の発明に係る充電状態調整装置により調整処理される。それにより、最小の上限電流値が増加することにより、充電時または放電時に複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を大きくすることが可能となる。
したがって、充電時間の短縮が可能となり、またはモータの高回転化が可能となる。その結果、電動車両の走行性能を向上させることが可能となる。
本発明に係る移動体は、直列接続された複数のバッテリセルと、複数のバッテリセルの充電状態の調整処理を行う上記の充電状態調整装置と、移動本体部と、複数のバッテリセルからの電力を移動本体部を移動させるための動力に変換する動力源とを備えるものである。
この移動体においては、複数のバッテリセルからの電力が動力源により動力に変換され、その動力により移動本体部が移動する。
また、この移動体においては、複数のバッテリセルの充電状態が上記の発明に係る充電状態調整装置により調整処理される。それにより、最小の上限電流値が増加することにより、充電時または放電時に複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を大きくすることができる。
したがって、充電時に複数のバッテリセルへ大きな電流を流すことにより充電時間の短縮が可能となる。または、放電時に複数のバッテリセルへ大きな電流を流すことができるので、動力源に高い電力を供給して高い動力を得ることができる。その結果、移動体の移動性能を向上させることが可能となる。
本発明に係る電力貯蔵装置は、上記のバッテリシステムと、バッテリシステムの複数のバッテリセルの充電または放電に関する制御を行う第2の制御部とを備えるものである。
この電力貯蔵装置においては、第2の制御部により、バッテリシステムの複数のバッテリセルの充電または放電に関する制御が行われる。それにより、複数のバッテリセルの劣化、過放電および過充電を防止することができる。
また、この電力貯蔵装置においては、複数のバッテリセルの充電状態が上記の発明に係る充電状態調整装置により調整処理される。それにより、最小の上限電流値が増加することにより、充電時または放電時に複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を大きくすることができる。そのため、充電時に複数のバッテリセルへ大きな電流を流すことにより電力貯蔵装置の充電時間の短縮が可能になる。また、放電時に複数のバッテリセルへ大きな電流を流すことにより複数のバッテリセルから高い電力を出力することが可能となる。したがって、電力貯蔵装置の用途が拡大される。
本発明に係る電源装置は、外部に接続可能な電源装置であって、上記の電力貯蔵装置と、電力貯蔵装置の第2の制御部により制御され、電力貯蔵装置の複数のバッテリセルと外部との間で電力変換を行う電力変換装置とを備えるものである。
この電源装置においては、複数のバッテリモジュールと外部との間で電力変換装置により電力変換が行われる。電力変換装置が電力貯蔵装置の第2の制御部により制御されることにより、複数のバッテリセルの充電または放電に関する制御が行われる。それにより、複数のバッテリモジュールの劣化、過放電および過充電を防止することができる。
また、この電源装置においては、複数のバッテリセルの充電状態が上記の発明に係る充電状態調整装置により調整処理される。それにより、最小の上限電流値が増加することにより、充電時または放電時に複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を大きくすることができる。そのため、充電時に複数のバッテリセルへ大きな電流を流すことにより電源装置の充電時間の短縮が可能になる。また、放電時に複数のバッテリセルへ大きな電流を流すことにより複数のバッテリセルから高い電力を出力することが可能となる。したがって、電源装置の用途が拡大される。
本発明に係る充電状態調整処理プログラムは、直列接続された複数のバッテリセルの充電状態の調整処理を行う充電状態調整装置が備えるコンピュータにより実行可能な充電状態調整処理プログラムであって、各バッテリセルの電圧を取得する処理と、複数のバッテリセルに流れる電流を取得する処理と、取得された各バッテリセルの電圧および取得された電流に基づいて、各バッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を上限電流値として算出する処理と、複数のバッテリセルについて算出される上限電流値のうち少なくとも最小の上限電流値が増加するように、各バッテリセルの充電状態を調整する処理とを、コンピュータに実行させるものである。
この充電状態調整プログラムにおいては、複数のバッテリセルについて算出される上限電流値のうち少なくとも最小の上限電流値が増加するように各バッテリセルの充電状態が調整される。複数のバッテリセルに流すことが可能な電流は、複数のバッテリセルの上限電流値のうち最小の上限電流値に制限される。したがって、最小の上限電流値が増加することにより、充電時または放電時に複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を大きくすることが可能となる。
なお、本発明において、調整処理とは、複数のバッテリセルの充電状態を変化させる処理である。
本発明に係る充電状態調整処理方法は、直列接続された複数のバッテリセルの充電状態の調整処理を行う充電状態調整方法であって、各バッテリセルの電圧を取得するステップと、複数のバッテリセルに流れる電流を取得するステップと、取得された各バッテリセルの電圧および取得された電流に基づいて、各バッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を上限電流値として算出するステップと、複数のバッテリセルについて算出される上限電流値のうち少なくとも最小の上限電流値が増加するように、各バッテリセルの充電状態を調整するステップとを備えるものである。
この充電状態調整方法においては、複数のバッテリセルについて算出される上限電流値のうち少なくとも最小の上限電流値が増加するように各バッテリセルの充電状態が調整される。複数のバッテリセルに流すことが可能な電流は、複数のバッテリセルの上限電流値のうち最小の上限電流値に制限される。したがって、最小の上限電流値が増加することにより、充電時または放電時に複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を大きくすることが可能となる。
なお、本発明において、調整処理とは、複数のバッテリセルの充電状態を変化させる処理である。
本発明によれば、充電時または放電時に複数のバッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を大きくすることが可能となる。
第1の実施の形態に係る充電状態調整装置を備えるバッテリシステムの構成を示すブロック図である。 図1の充電状態調整装置の具体的な構成例を示すブロック図である。 複数のバッテリセルの開放電圧、下限電圧値および上限電圧値の関係を示す図である。 複数のバッテリセルの上限充電電流値および上限放電電流値のばらつきを説明するための図である。 バッテリECUによる充電状態調整処理のフローチャートである。 バッテリECUによる充電状態調整処理のフローチャートである。 バッテリセルの上限充電電流値および上限放電電流値の算出処理を示すフローチャートである。 バッテリセルの上限充電電流値および上限放電電流値の算出処理を示すフローチャートである。 バッテリセルの開放電圧とSOCとの関係の例を示す図である。 バッテリセルの等価回路図である。 第2の実施の形態に係る充電状態調整装置の具体的な構成例を示すブロック図である。 第2の実施の形態に係る充電状態調整装置の処理を説明するための図である。 第2の実施の形態に係る充電状態調整処理の一部の処理を示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係る電動自動車の構成を示すブロック図である。 第4の実施の形態に係る電源装置の構成を示すブロック図である。
〔1〕第1の実施の形態
以下、第1の実施の形態に係る充電状態調整装置、バッテリシステムおよび充電状態調整処理プログラムについて図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態に係る充電状態調整装置は、電力を駆動源とする電動車両に搭載されるバッテリシステムの構成要素の一部として用いられる。以下では、この充電状態調整装置が複数のバッテリセルの充電状態を変化させる調整処理を行う例を説明する。
電動車両には、ハイブリッド電動車両、バッテリ電動車両およびプラグインハイブリッド電動車両等が含まれる。本実施の形態においては、電動車両はハイブリッド電動車両である。
以下の説明では、満充電状態でのバッテリセルに蓄積される電荷量を満充電容量と呼ぶ。また、任意の状態でバッテリセルに蓄積されている電荷量を残容量と呼ぶ。さらに、バッテリセルの満充電容量に対する残容量の比率をSOC(充電率)と呼ぶ。本実施の形態においては、バッテリセルの充電状態としてバッテリセルのSOCを用いる。
(1)バッテリシステムの構成
図1は、第1の実施の形態に係る充電状態調整装置を備えるバッテリシステムの構成を示すブロック図である。本実施の形態において、バッテリシステム500は、複数(図1の例では2個)のバッテリモジュール100およびバッテリ電子制御ユニット(以下、バッテリECUと呼ぶ。)101を含み、バス104を介して電動車両の主制御部300に接続されている。
主制御部300は、例えば中央演算処理装置(CPU)およびメモリ、またはマイクロコンピュータからなり、バッテリシステム500および電動車両が備えるモータ等を制御する。なお、このモータは、電動車両の走行時に推進力を発生する。
主制御部300には始動指示部301が接続されている。始動指示部301は電動車両の始動を指示するスタートキーを含む。運転者によりスタートキーがオンされると、主制御部300は、上記のモータに対して電力が供給可能となるようにバッテリシステム500を制御する。これにより、電動車両の走行が可能となる。
バッテリシステム500の複数のバッテリモジュール100は、電源線501を通して互いに接続されている。各バッテリモジュール100は、複数(図1の例では18個)のバッテリセル10、サーミスタ12、電圧測定部20、温度測定部31、電流測定部32および調整ユニット40を有する。
各バッテリモジュール100において、複数のバッテリセル10は複数のバスバー11により直列接続されている。各バッテリセル10は二次電池である。本例では、二次電池としてリチウムイオン電池が用いられる。
両端部に配置されるバッテリセル10は、バスバー11を介して電源線501に接続されている。これにより、バッテリシステム500においては、複数のバッテリモジュール100の全てのバッテリセル10が直列接続されている。バッテリシステム500から引き出される電源線501は、電動車両のモータ等の負荷に接続される。
複数のバッテリセル10は、調整ユニット40を介して電圧測定部20に接続されている。電圧測定部20は、バッテリECU101に接続される。
電圧測定部20は、複数のバッテリセル10の端子電圧を測定し、バッテリECU101に与える。電圧測定部20は、測定された複数のバッテリセル10の端子電圧をデジタル値としてバッテリECU101に与えてもよい。また、電圧測定部20は、測定された複数のバッテリセル10の端子電圧をマルチプレクス(多重化)してバッテリECU101に与えてもよい。
サーミスタ12は、複数のバッテリセル10の近傍に設けられ、温度測定部31に接続される。温度測定部31は、バッテリECU101に接続される。温度測定部31は、サーミスタ12により複数のバッテリセル10の温度を測定し、バッテリECU101に与える。
電流測定部32は、バッテリECU101に接続される。電流測定部32は、複数のバッテリセル10に流れる電流を測定し、バッテリECU101に与える。
本実施の形態において調整ユニット40は、バッテリECU101により制御され、複数のバッテリセル10を放電させることにより複数のバッテリセル10のSOCを調整するために用いられる。電圧測定部20および調整ユニット40の具体例については後述する。
図1のバッテリシステム500においては、サーミスタ12、電圧測定部20、温度測定部31、電流測定部32、調整ユニット40およびバッテリECU101により充電状態調整装置200が構成される。
バッテリECU101は、バス104を介して主制御部300に接続されている。上述のように、バッテリECU101には、電圧測定部20から複数のバッテリセル10の端子電圧が与えられる。これにより、バッテリECU101は、各バッテリモジュール100の残容量(複数のバッテリセル10の残容量)を検出し、検出結果を主制御部300に与える。さらに、バッテリECU101は、本実施の形態に係る充電状態調整処理時に、後述の図5のステップS4で算出される充電側基準値Caveおよび放電側基準値Daveを制御部300に与える。
始動指示部301のスタートキーがオンされている場合、主制御部300は、例えば運転者によるアクセルペダル(図示せず)の操作量および与えられた放電側基準値Daveに基づいて、放電電流が放電側基準値Daveを超えないように各バッテリモジュール100を放電させる。これにより、モータ(図示せず)に供給される電力が調整され、電動車両の動力(例えばモータの回転速度)が制御される。また、各バッテリモジュール100の残容量が少なくなると、主制御部300は、与えられた充電側基準値Caveに基づいて電源線501に接続された図示しない発電装置を制御することにより、充電電流が充電側基準値Caveを超えないように各バッテリモジュール100(複数のバッテリセル10)を充電する。
本実施の形態において、発電装置は例えば上記の電源線501に接続された上記のモータである。この場合、モータは、電動車両の加速時にバッテリシステム500から供給された電力を図示しない駆動輪を駆動するための動力に変換し、電動車両の減速時に回生電力を発生する。この回生電力により各バッテリモジュール100が充電される。
このように、始動指示部301のスタートキーがオンされると、スタートキーがオフされるまでの間、残容量に応じて各バッテリモジュール100の充放電が繰り返される。
始動指示部301のスタートキーがオンされた場合、バッテリECU101は、後述するメモリ101b(図2)に所定の時間間隔(例えば、100msec間隔)で電圧測定部20から与えられる複数のバッテリセル10の端子電圧、温度測定部31から与えられる複数のバッテリセル10の温度、および電流測定部32から与えられる複数のバッテリセル10に流れる電流の値を記憶する。
バッテリECU101は、後述する充電状態調整処理プログラムを実行することにより、メモリ101bに記憶された端子電圧および電流の値に基づいて、複数のバッテリセル10の充電状態調整処理を行う。
図2は、図1の充電状態調整装置200の具体的な構成例を示すブロック図である。図2では、主として電圧測定部20、調整ユニット40およびバッテリECU101の構成を説明するため、図1の温度測定部31および電流測定部32の図示を省略する。
図2の例では、電圧測定部20は、マルチプレクサ20a、A/D(アナログ/デジタル)変換器20bおよび複数の差動増幅器20cを含む。また、調整ユニット40は、抵抗Rおよびスイッチング素子SWからなる複数の直列回路SCを含む。
電圧測定部20の複数の差動増幅器20cは、複数のバッテリセル10にそれぞれ対応付けられる。各差動増幅器20cは2つの入力端子および出力端子を有する。各差動増幅器20cの2つの入力端子は、対応するバッテリセル10を挟んで隣り合う2つのバスバー11に導体線52を介して電気的に接続される。各差動増幅器20cは、2つの入力端子に入力された電圧を差動増幅し、増幅された電圧を出力端子から出力する。
複数の差動増幅器20cの出力電圧はマルチプレクサ20aに与えられる。マルチプレクサ20aは、複数の差動増幅器20cの出力電圧を順次A/D変換器20bに出力する。A/D変換器20bは、マルチプレクサ20aの出力電圧をデジタル値に変換し、変換されたデジタル値を端子電圧としてバッテリECU101に与える。このようにして、A/D変換器20bから複数のバッテリセル10の端子電圧が順次バッテリECU101に与えられる。
調整ユニット40の複数の直列回路SCも、複数のバッテリセル10にそれぞれ対応付けられる。各直列回路SCは、対応するバッテリセル10を挟んで隣り合う2つのバスバー11に導体線52を介して電気的に接続される。スイッチング素子SWのオンおよびオフは、バッテリECU101により制御される。
バッテリECU101は、タイマ101a、メモリ101b、および中央演算処理装置(CPU)101cを含む。なお、バッテリECU101は、メモリ101bおよびCPU101cに代えてマイクロコンピュータを含んでもよい。タイマ101aは、後述する取得時間を計測するために用いられる。メモリ101bには、後述する充電状態調整処理を行うための充電状態調整処理プログラムが記憶されるとともに、充電状態調整処理に用いられる種々の情報が記憶される。種々の情報には、上述の複数のバッテリセル10の端子電圧、複数のバッテリセル10の温度、および複数のバッテリセル10に流れる電流の値が含まれる。
CPU101cは、メモリ101bに記憶された充電状態調整処理プログラムを実行することにより、後述する複数のバッテリセル10の上限電流値を算出するとともに調整ユニット40の動作を制御する。これにより、複数のバッテリセル10の充電状態調整処理が行われる。詳細は後述する。
(2)バッテリセルの上限電圧値、下限電圧値および上限電流値
各バッテリセル10には、予め端子電圧の下限値(以下、下限電圧値と呼ぶ)および上限値(以下、上限電圧値と呼ぶ)が定められている。
図3は、複数のバッテリセル10の開放電圧、下限電圧値および上限電圧値の関係を示す図である。図3において、縦軸は電圧を表す。図3の例では、下限電圧値および上限電圧値ならびに3つのバッテリセル10の開放電圧が示されている。以下の説明では3つのバッテリセル10を識別するために、それらのバッテリセル10をそれぞれ第1のバッテリセル10[1]、第2のバッテリセル10[2]および第3のバッテリセル10[3]と呼ぶ。
図3の例では、第1のバッテリセル10の開放電圧V[1]、第2のバッテリセル10の開放電圧V[2]、および第3のバッテリセル10の開放電圧V[3]がそれぞれ異なる。
バッテリモジュール100の充電時には、第1〜第3のバッテリセル10[1]〜10[3]の端子電圧が上限電圧値VHを超えないように、充電器からバッテリモジュール100に供給される電流を制限する必要がある。また、バッテリモジュール100の放電時には、第1〜第3のバッテリセル10[1]〜10[3]の端子電圧が下限電圧値VLを超えないように、バッテリモジュール100から負荷に供給される電流を制限する必要がある。
上限電圧値VHと第1〜第3のバッテリセル10[1]〜10[3]の開放電圧V[1]〜V[3]との差はそれぞれVC1、VC2およびVC3である。また、第1〜第3のバッテリセル10[1]〜10[3]の開放電圧V[1]〜V[3]と下限電圧値VLとの差はそれぞれVD1、VD2およびVD3である。
第1のバッテリセル10[1]、第2のバッテリセル10[2]および第3のバッテリセル10[3]の充電時の内部抵抗値をそれぞれZC[1]、ZC[2]およびZC[3]とする。また、第1のバッテリセル10[1]、第2のバッテリセル10[2]および第3のバッテリセル10[3]の放電時の内部抵抗値をそれぞれZD[1]、ZD[2]およびZD[3]とする。
充電時に、第1のバッテリセル10[1]、第2のバッテリセル10[2]および第3のバッテリセル10[3]に流すことが可能な電流値(以下、上限充電電流値と呼ぶ)をそれぞれC[1]、C[2]およびC[3]とする。また、放電時に、第1のバッテリセル10[1]、第2のバッテリセル10[2]および第3のバッテリセル10[3]に流すことが可能な電流値(以下、上限放電電流値と呼ぶ)をそれぞれD[1]、D[2]およびD[3]とする。
上限充電電流値C[1]〜C[3]は次式により求められる。
C[1]=VC1/ZC[1] …(c1)
C[2]=VC2/ZC[2] …(c2)
C[3]=VC3/ZC[3] …(c3)
上限放電電流値D[1]〜D[3]は次式により求められる。
D[1]=VD1/ZD[1] …(d1)
D[2]=VD2/ZD[2] …(d2)
D[3]=VD3/ZD[3] …(d3)
ここで、第1〜第3のバッテリセル10[1]〜10[3]の充電時の内部抵抗値ZC[1]〜ZC[3]が異なり、第1〜第3のバッテリセル10[1]〜10[3]の放電時の内部抵抗値ZD[1]〜ZD[3]が異なるものとする。
この場合、第1〜第3のバッテリセル10[1]〜10[3]の開放電圧V[1]〜V[3]を一定の値に調整しても、上限充電電流値C[1]〜C[3]は等しくならない。同様に、第1〜第3のバッテリセル10[1]〜10[3]の開放電圧V[1]〜V[3]を一定の値に調整しても、上限放電電流値D[1]〜D[3]は等しくならない。
本実施の形態に係る充電状態調整装置200では、後述するように、上限充電電流値C[1]〜C[3]のばらつきが小さくなり、上限放電電流値D[1]〜D[3]のばらつきが小さくなるように充電状態調整処理が行われる。
図4は、複数のバッテリセル10の上限充電電流値および上限放電電流値のばらつきを説明するための図である。図4において、縦軸は電流を表す。図4の例では、図3で説明した3つのバッテリセル10の上限充電電流値および上限放電電流値が示されている。上限充電電流値は正の値で表され、上限放電電流値は負の値で表される。以下の説明では、上限充電電流値の大きさおよび上限放電電流値の大きさを絶対値で表す。
第1〜第3のバッテリセル10[1]〜10[3]の上限充電電流値C[1]〜C[3]は上式(c1)〜(c3)から算出される。また、第1〜第3のバッテリセル10[1]〜10[3]の上限放電電流値D[1]〜D[3]は上式(d1)〜(d3)から算出される。
図4の例では、第2のバッテリセル10[2]の上限充電電流値C[2]、第1のバッテリセル10[1]の上限充電電流値C[1]、および第3のバッテリセル10[3]の上限充電電流値C[3]はこの順で小さくなる。この場合、図4の矢印IA1で示すように、充電時にバッテリモジュール100に流すことが可能な電流の上限値は最小の上限充電電流値C[3]に制限される。
一方、第3のバッテリセル10[3]の上限放電電流値D[3]、第1のバッテリセル10[1]の上限放電電流値D[1]、および第2のバッテリセル10[2]の上限放電電流値D[2]はこの順で小さくなる。この場合、図4の矢印IA2で示すように、放電時にバッテリモジュール100に流すことが可能な電流の上限値は最小の上限放電電流値D[2]に制限される。
そのため、上限充電電流値C[1],C[2],C[3]のばらつきが大きい場合には、充電時に複数のバッテリセル10に流すことが可能な電流の上限値が小さくなる。また、上限放電電流値D[1],D[2],D[3]のばらつきが大きい場合には、放電時に複数のバッテリセル10に流すことが可能な電流の上限値が小さくなる。
したがって、従来の均等化方法のように、開放電圧値に基づいて複数のバッテリセル10[1],10[2],10[3]の残容量を均等化した場合、複数のバッテリセル10[1],10[2],10[3]の開放電圧を均等化することはできても、上限充電電流値C[1],C[2],C[3]および上限放電電流値D[1],D[2],D[3]のばらつきを小さくすることはできない。
そこで、本実施の形態では、後述するように、複数のバッテリセル10の端子電圧および複数のバッテリセル10に流れる電流に基づいて、各バッテリセル10の内部抵抗値を算出する。そして、算出された内部抵抗値に基づいて複数のバッテリセル10の上限充電電流値および上限放電電流値を算出する。このようにして、複数のバッテリセル10の内部抵抗値に基づいて各バッテリセル10の上限充電電流値および上限放電電流値を算出する。
さらに、算出された上限充電電流値のばらつきを低減するために、複数のバッテリセル10から一部のバッテリセル10を選択し、選択したバッテリセル10の放電を行う。これにより、上限充電電流値のばらつきを小さくすることができるとともに、最小の上限充電電流値を大きくすることができる。
例えば、図4に示すように、第1〜第3のバッテリセル10[1],10[2],10[3]の上限充電電流値C[1],C[2],C[3]の平均値を充電側基準値Caveとする。充電側基準値Caveよりも小さい上限充電電流値C[3]を有する第3のバッテリセル10[3]を放電させる。それにより、第3のバッテリセル10[3]の開放電圧が下降し、上限電圧値VHと第3のバッテリセル10[3]の開放電圧との差が増加する。その結果、第3のバッテリセル10[3]の上限充電電流値C[3]が充電側基準値Caveまで上昇する。
また、第1〜第3のバッテリセル10[1],10[2],10[3]の上限放電電流値D[1],D[2],D[3]の平均値を放電側基準値Daveとする。上記の場合、放電側基準値Daveよりも大きい上限放電電流値D[3]を有する第3のバッテリセル10[3]が放電することにより、第3のバッテリセル10[3]の開放電圧が下降し、第3のバッテリセル10[3]の開放電圧と下限電圧値との差が減少する。その結果、第3のバッテリセル10[3]の上限放電電流値D[3]は放電側基準値Daveまで低下する。
これにより、図4の矢印IA3で示すように、充電時に複数のバッテリセル10[1],10[2],10[3]に流すことが可能な電流の上限値を大きくすることができる。なお、この場合、図4の矢印IA4で示すように、放電時に複数のバッテリセル10[1],10[2],10[3]に流すことが可能な電流の上限値は第2のバッテリセル10[2]の上限放電電流値に制限される。
(3)充電状態調整処理
図5および図6は、バッテリECU101による充電状態調整処理のフローチャートである。図5および図6の例では、始動指示部301のスタートキーがオンされたとき、および始動指示部301のスタートキーがオンされてから所定の時間が経過するごとに充電状態調整処理が開始される。初期状態においては、図2の全てのスイッチング素子SWがオフされている。
なお、始動指示部301のスタートキーがオンされてから所定の時間が経過するごとに充電状態調整処理が開始される場合、所定の時間は複数のバッテリセル10の充放電特性および劣化特性のばらつきを考慮して、例えば数時間に設定する。
以下の説明において、変数iは自然数であり、バッテリモジュール100を構成する複数のバッテリセル10の番号を表す。定数Nはバッテリモジュール100を構成する複数のバッテリセル10の最大個数(本例では、18)を表す。
図5および図6に示すように、始動指示部301のスタートキーがオンされると、バッテリECU101は、タイマ101aに0をセットする(ステップS1)。それにより、タイマ101aの計測値が0になる。この時点からの経過時間がタイマ101aにより計測される。
上述のように、始動指示部301のスタートキーがオンされた場合、メモリ101bには、所定の時間間隔で電圧測定部20から与えられる複数のバッテリセル10の端子電圧が記憶される。また、メモリ101bには、所定の時間間隔で電流測定部32から与えられる複数のバッテリセル10の充電時および放電時に流れる電流の値が記憶される。
そこで、バッテリECU101は、複数のバッテリセル10の端子電圧および複数のバッテリセル10に流れる電流の値をメモリ101bから取得する(ステップS2)。
具体的には、バッテリECU101は、直前に記憶された複数のバッテリセル10の端子電圧と、その記憶時点から所定時間前に記憶された複数のバッテリセル10の端子電圧とをメモリ101bから取得する。
次に、バッテリECU101は、取得された複数のバッテリセル10の端子電圧および複数のバッテリセル10に流れる電流の値に基づいて、複数のバッテリセル10の上限充電電流値および上限放電電流値を算出する(ステップS3)。この処理の詳細は後述する。
そして、バッテリECU101は、複数のバッテリセル10の上限充電電流値に基づいて充電側基準値Caveを算出し、複数のバッテリセル10の上限放電電流値に基づいて放電側基準値Daveを算出する(ステップS4)。充電側基準値Caveおよび放電側基準値Daveは、例えば相加平均により算出される。
続いて、バッテリECU101は、変数iの値を1に設定し(ステップS5)、i番目のバッテリセル10の上限充電電流値C[i]が充電側基準値Caveよりも小さくかつi番目のバッテリセル10の上限放電電流値D[i]が放電側基準値Daveよりも大きいか否かを判定する(ステップS6)。
上限充電電流値C[i]が充電側基準値Caveよりも小さくかつ上限放電電流値D[i]が放電側基準値Daveよりも大きい場合、バッテリECU101は、i番目のバッテリセル10に対応するスイッチング素子SWをオンさせる(ステップS7)。これにより、i番目のバッテリセル10が放電されることにより、i番目のバッテリセル10の開放電圧が下降し、その上限充電電流値C[i]が充電側基準値Caveに近づくように変化する。
なお、ステップS6の時点でi番目のバッテリセル10に対応するスイッチング素子SWがオンしている場合、そのスイッチング素子SWはオン状態で維持される。
一方、上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]が上記の条件を満たさない場合、バッテリECU101は、i番目のバッテリセル10に対応するスイッチング素子SWをオフさせる(ステップS8)。この場合、i番目のバッテリセル10の上限充電電流値C[i]は変化しない。
なお、ステップS6の時点でi番目のバッテリセル10に対応するスイッチング素子SWがオフしている場合、そのスイッチング素子SWはオフ状態で維持される。
次に、バッテリECU101は、変数iに1を加算する(ステップS9)。例えば、充電状態調整処理が開始されてからバッテリECU101が最初にステップS5からステップS9の処理に進む場合、変数iの値は2となる。
続いて、バッテリECU101は、変数iが定数Nよりも大きいか否かを判定する(ステップS10)。変数iが定数N以下である場合、バッテリECU101は、ステップS6の処理に戻る。
一方、変数iが定数Nよりも大きい場合、すなわち変数iが定数Nを超えた場合、バッテリECU101は、タイマ101aの計測値が、予めメモリ101bに記憶された取得時間Tに達したか否かを判定する(ステップS11)。すなわち、バッテリECU101は、ステップS1の処理から取得時間Tが経過したか否かを判定する。なお、取得時間Tは、例えば2秒以上10秒以下に設定することができる。
取得時間Tが経過しない場合、バッテリECU101は、本ステップS11の処理を繰り返す。一方、取得時間Tが経過すると、バッテリECU101は、全てのスイッチング素子SWがオフしているか否かを判定する(ステップS12)。
全てのスイッチング素子SWがオフしている場合、バッテリECU101は、充電状態調整処理を終了する。一方、全てのスイッチング素子SWがオフしていない場合、バッテリECU101は、ステップS1の処理に戻る。
これにより、全てのバッテリセル10の上限充電電流値が充電側基準値Cave以上となる。したがって、充電時に複数のバッテリセル10に流すことが可能な電流の上限値が充電側基準値Cave以上になる。その結果、充電時に複数のバッテリセル10に流すことが可能な電流の上限値を大きくすることができる。
上記のステップS6,S7,S8において、バッテリECU101は、上限充電電流値C[i]が充電側基準値Caveよりも小さくかつ上限放電電流値D[i]が放電側基準値Daveよりも大きい場合に対応するスイッチング素子SWをオンさせ、それ以外の場合に対応するスイッチング素子SWをオフさせている。
これに限らず、バッテリECU101は、上限放電電流値D[i]にかかわらず、上限充電電流値C[i]が充電側基準値Caveよりも小さい場合に対応するスイッチング素子SWをオンさせ、それ以外の場合に対応するスイッチング素子SWをオフさせてもよい。この場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
上記では、始動指示部301のスタートキーがオンされたときおよび始動指示部301のスタートキーがオンされてから所定の時間が経過するごとに充電状態調整処理が開始されるが、これらに限定されない。充電状態調整処理は、始動指示部301のスタートキーがオフされたときに開始されてもよいし、始動指示部301のスタートキーがオフされてから所定の時間が経過するごとに開始されてもよい。
(4)上限充電電流値および上限放電電流値の算出
上記ステップS3におけるバッテリセル10の上限充電電流値および上限放電電流値の算出処理の詳細を説明する。
図7および図8は、バッテリセル10の上限充電電流値および上限放電電流値の算出処理を示すフローチャートである。以下の説明では、バッテリセル10の充電時の内部抵抗値を充電側内部抵抗値と呼び、バッテリセル10の放電時の内部抵抗値を放電側内部抵抗値と呼ぶ。
まず、バッテリECU101は、上記ステップS2の処理により取得した複数のバッテリセル10に流れる電流の値に基づいて充電側内部抵抗値が算出可能であるか否かを判定する(ステップS101)。
具体的には、バッテリECU101は、メモリ101bに直前に記憶された複数のバッテリセル10に流れる電流の値と、その記憶時点から所定時間前に記憶された複数のバッテリセル10に流れる電流の値との差、すなわち複数のバッテリセル10に流れる電流の所定時間当たりの変化量ΔIを算出する。
そして、バッテリECU101は、直前に記憶された複数のバッテリセル10に流れる電流の値をInとし、その記憶時点から所定時間前に記憶された複数のバッテリセル10に流れる電流の値をIpとした場合に、下記式(I1),(I2),(I3)の関係が満たされることにより充電側内部抵抗値が算出可能であると判定し、式(I1),(I2),(I3)の関係が満たされない場合に充電側内部抵抗値が算出不可能であると判定する。なお、下記式(I1)において、値δは予め定められる値である。
ΔI>δ …(I1)
In>0 …(I2)
Ip>0 …(I3)
ここで、変化量ΔIが小さい場合には充電側内部抵抗値の算出精度が低下する。そこで、充電側内部抵抗値の算出精度を考慮して、値δは例えば10Aに設定される。
充電側内部抵抗値が算出可能である場合、バッテリECU101は、複数のバッテリセル10の端子電圧および複数のバッテリセル10に流れる電流の値に基づいて全てのバッテリセル10の充電側内部抵抗値を算出する(ステップS102)。
例えば、充電時に複数のバッテリセル10に流れる電流の所定時間当たりの変化量をΔIとし、充電時におけるi番目のバッテリセル10の端子電圧の所定時間当たりの変化量をΔV[i]とした場合に、バッテリECU101は、下記式(1)によりi番目のバッテリセル10の充電側内部抵抗値をZCn[i]として算出する。
ZCn[i]=ΔV[i]/ΔI …(1)
ここで、充電側内部抵抗値および放電側内部抵抗値は、経時的に緩やかに変化する。そこで、バッテリECU101は、算出された各バッテリセル10の充電側内部抵抗値ZCn[i]を用いて重み付け加算処理を行う(ステップS103)。
本実施の形態では、充電状態調整処理が行われるごとに、上限充電電流値および上限放電電流値を算出するために用いられる充電側内部抵抗値および放電側内部抵抗値が、それぞれZC[i]およびZD[i]として、後述するステップS120の処理によりメモリ101bに記憶される。
上述のように、充電状態調整処理は始動指示部301のスタートキーがオンされてから所定時間が経過するごとに実行される。そこで、現在の充電状態調整処理の直前の充電状態調整処理時にメモリ101bに記憶されたi番目のバッテリセル10の充電側内部抵抗値をZCp[i]とし、スムージング係数をαとした場合に、バッテリECU101は、下記式(2)により重み付け加算処理を行うことにより、上限充電電流値を算出するために用いる充電側内部抵抗値をZC[i]として取得する。
ZC[i]=(ZCn[i]×α)+(ZCp[i]×(1−α)) …(2)
なお、上記式(2)において、αは0以上1以下である。
上記の重み付け加算処理後、バッテリECU101は、ステップS105に進む。なお、ステップS101において、充電側内部抵抗値ZC[i]が算出不可能である場合、バッテリECU101は、予めメモリ101bに記憶されている充電側内部抵抗値ZCp[i]を、現在の充電側内部抵抗値ZC[i]として取得し(ステップS104)、次のステップS105に進む。
なお、初回の充電状態調整処理時においては、メモリ101bに充電側内部抵抗値ZCp[i]は記憶されていない。そこで、例えば予め複数のバッテリセル10の充電側内部抵抗値を測定し、測定された充電側内部抵抗値をZCp[i]としてメモリ101bに記憶しておく。これにより、予めメモリ101bに記憶された充電側内部抵抗値ZCp[i]に基づいて上記のステップS103,S104の処理を行うことができる。
ステップS105において、バッテリECU101は、上記ステップS101と同様に、取得した複数のバッテリセル10に流れる放電時の電流の値に基づいて放電側内部抵抗値が算出可能であるか否かを判定する。
具体的には、バッテリECU101は、放電時における複数のバッテリセル10に流れる電流の所定時間当たりの変化量ΔIを算出する。そして、バッテリECU101は、直前に記憶された複数のバッテリセル10に流れる電流の値をInとし、その記憶時点から所定時間前に記憶された複数のバッテリセル10に流れる電流の値をIpとした場合に、下記式(I4),(I5),(I6)の関係が満たされることにより放電側内部抵抗値が算出可能であると判定し、式(I4),(I5),(I6)の関係が満たされない場合に放電側内部抵抗値が算出不可能であると判定する。なお、下記式(I4)において、値δは予め定められる値である。
ΔI>δ …(I4)
In<0 …(I5)
Ip<0 …(I6)
ここで、ステップS101と同様に、放電側内部抵抗値の算出精度を考慮して、値δは例えば10Aに設定される。
放電側内部抵抗値が算出可能である場合、バッテリECU101は、複数のバッテリセル10の端子電圧および複数のバッテリセル10に流れる電流の値に基づいて全てのバッテリセル10の放電側内部抵抗値を算出する(ステップS106)。
例えば、放電時に複数のバッテリセル10に流れる電流の所定時間当たりの変化量をΔIとし、放電時におけるi番目のバッテリセル10の端子電圧の所定時間当たりの変化量をΔV[i]とした場合に、バッテリECU101は、下記式(3)によりi番目のバッテリセル10の放電側内部抵抗値をZDn[i]として算出する。
ZDn[i]=ΔV[i]/ΔI …(3)
そして、バッテリECU101は、算出された各バッテリセル10の放電側内部抵抗値ZDn[i]を用いて重み付け加算処理を行う(ステップS107)。
具体的には、ステップS103の処理と同様に、現在の充電状態調整処理の直前の充電状態調整処理時にメモリ101bに記憶されたi番目のバッテリセル10の放電側内部抵抗値をZDp[i]とし、スムージング係数をαとした場合に、バッテリECU101は、下記式(4)により重み付け加算処理を行うことにより、上限放電電流値を算出するために用いる放電側内部抵抗値をZD[i]として取得する。
ZD[i]=(ZDn[i]×α)+(ZDp[i]×(1−α)) …(4)
なお、式(4)において、αは0以上1以下である。
上記の重み付け加算処理後、バッテリECU101は、ステップS109に進む。なお、ステップS101において、放電側内部抵抗値ZD[i]が算出不可能である場合、バッテリECU101は、予めメモリ101bに記憶されている放電側内部抵抗値ZDp[i]を、現在の放電側内部抵抗値ZD[i]として取得し(ステップS108)、次のステップS109に進む。
ここでも、初回の充電状態調整処理時においては、メモリ101bに放電側内部抵抗値ZDp[i]は記憶されていない。そこで、例えば予め複数のバッテリセル10の放電側内部抵抗値を測定し、測定された放電側内部抵抗値をZDp[i]としてメモリ101bに記憶しておく。これにより、予めメモリ101bに記憶された放電側内部抵抗値ZDp[i]に基づいて上記のステップS107,S108の処理を行うことができる。
ステップS109において、バッテリECU101は、ステップS103またはステップS104の処理により取得された充電側内部抵抗値ZC[i]、およびステップS107またはステップS108の処理により取得された放電側内部抵抗値ZD[i]をメモリ101bに記憶する。
ここで、メモリ101bには、予め複数のバッテリセル10の上限電圧値VHおよび下限電圧値VLが記憶されている。
バッテリECU101は、ステップS109でメモリ101bに記憶された充電側内部抵抗値ZC[i]と上限電圧値VHとに基づいて各バッテリセル10の上限充電電流値C[i]を算出するとともに、ステップS109でメモリ101bに記憶された放電側内部抵抗値ZD[i]と下限電圧値VLとに基づいて各バッテリセル10の上限放電電流値D[i]を算出する(ステップS110)。
例えば、バッテリECU101は、上述のステップS2で取得されたi番目のバッテリセル10の直前の端子電圧をV[i]とした場合に、下記式(5)により上限充電電流値C[i]を算出する。
C[i]=(VH−V[i])/ZC[i] …(5)
また、バッテリECU101は、上限充電電流値C[i]と同様に、下記式(6)により上限放電電流値D[i]を算出する。
D[i]=(V[i]−VL)/ZC[i] …(6)
上記のようにして、複数のバッテリセル10の上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]が算出される。
上述のように、充電側内部抵抗値が算出可能であるか否かの判定時に用いられる式(I1)および放電側内部抵抗値が算出可能であるか否かの判定時に用いられる式(I4)には、値δが含まれる。上記では、これらの2つの判定時に値δが10Aに設定される例を説明したが、2つの判定時において、δには互いに異なる値が設定されてもよい。
なお、ステップS101において、充電側内部抵抗値が算出可能であるか否かの判定は、上記に限らず変化量ΔIに加えて各バッテリセル10の端子電圧の所定時間当たりの変化量ΔVcを用いて行ってもよいし、変化量ΔVcのみを用いて行ってもよい。
変化量ΔVcのみを用いる場合、バッテリECU101は、i番目のバッテリセル10の端子電圧の所定時間当たりの変化量をΔVc[i]とした場合に、下記式(II1)の関係が満たされることによりi番目のバッテリセル10の充電側内部抵抗値が算出可能であると判定し、式(II1)の関係が満たされない場合にi番目のバッテリセル10の充電側内部抵抗値が算出不可能であると判定する。なお、下記式(II1)において、値γは予め定められる0以上の値である。
ΔVc[i]>γ …(II1)
ここで、変化量ΔVc[i]が小さい場合には充電側内部抵抗値の算出精度が低下する。そこで、充電側内部抵抗値の算出精度を考慮して、値γは例えば100mVに設定される。
ステップS105においても、放電側内部抵抗値が算出可能であるか否かの判定は、上記に限らず変化量ΔIに加えて各バッテリセル10の端子電圧の所定時間当たりの変化量ΔVcを用いて行ってもよいし、変化量ΔVcのみを用いて行ってもよい。
変化量ΔVcのみを用いる場合、バッテリECU101は、i番目のバッテリセル10の端子電圧の所定時間当たりの変化量をΔVc[i]とした場合に、下記式(II2)の関係が満たされることによりi番目のバッテリセル10の放電側内部抵抗値が算出可能であると判定し、式(II2)の関係が満たされない場合にi番目のバッテリセル10の放電側内部抵抗値が算出不可能であると判定する。なお、下記式(II2)において、値γは予め定められる0以上の値である。
ΔVc[i]<−γ …(II2)
ここで、変化量ΔVc[i]が小さい場合には放電側内部抵抗値の算出精度が低下する。そこで、放電側内部抵抗値の算出精度を考慮して、値γは例えば100mVに設定される。
上述のように、充電側内部抵抗値が算出可能であるか否かの判定時に用いられる式(II1)および放電側内部抵抗値が算出可能であるか否かの判定時に用いられる式(II2)には、値γが含まれる。上記では、これらの2つの判定時に値γが100mVに設定される例を説明したが、2つの判定時において、γには互いに異なる値が設定されてもよい。
(5)上限充電電流値および上限放電電流値の他の算出方法
上記の例では、ステップS110の処理で式(5)および式(6)を用いて上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]を算出する例を説明したが、これに限らず以下の方法により上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]を算出することもできる。
例えば、複数のバッテリセル10の開放電圧は、モータに電力を供給するための放電(以下、負荷放電と呼ぶ。)時、および回生電力による充電(以下、負荷充電と呼ぶ。)時に変化する。この場合、上限充電電流値および上限放電電流値の算出時には、負荷放電または負荷充電が所定時間M継続されるときの開放電圧の変化量を考慮することが望ましい。
そこで、負荷充電が所定時間M継続されることにより変化するバッテリセル10の開放電圧の変化量ΔVtを考慮しつつ上限充電電流値C[i]を算出する。負荷充電時には変化量ΔVtは正の値となるが、以下では変化量ΔVtの大きさを絶対値で表す。この場合、バッテリECU101は、例えば下記式(7)により上限充電電流値C[i]を算出する。
C[i]=(VH−V[i]−ΔVt)/ZC[i] …(7)
また、負荷放電が所定時間M継続されることにより変化するバッテリセル10の開放電圧の変化量ΔVtを考慮しつつ上限放電電流値D[i]を算出する。負荷放電時には変化量ΔVtは負の値となるが、ここでも変化量ΔVtの大きさを絶対値で表す。この場合、バッテリECU101は、例えば下記式(8)により上限放電電流値D[i]を算出する。
D[i]=(V[i]−VL+ΔVt)/ZC[i] …(8)
ここで、複数のバッテリセル10の負荷充電または負荷放電が所定時間M継続されることにより変化する開放電圧の変化量ΔVtは、各バッテリセル10の開放電圧とSOCとの関係に基づいて求めることができる。
図9は、バッテリセル10の開放電圧とSOCとの関係の例を示す図である。図9に示すように、バッテリセル10の開放電圧およびSOCは曲線で示される一定の関係を有する。
SOCは、バッテリセル10の満充電容量に対する残容量の比率である。そのため、バッテリセル10の満充電容量が既知である場合には、負荷充電時または負荷放電時にバッテリセル10に流れる電流の値およびその負荷充電時間または負荷放電時間に基づいて残容量の変化量を算出することにより、バッテリセル10のSOCの変化量ΔSOCtを算出することができる。
そこで、例えばバッテリセル10の満充電容量および図9の関係を示すテーブルを予めメモリ101bに記憶しておく。これにより、図9に示すように、負荷充電時間または負荷放電時間におけるバッテリセル10のSOCの変化量ΔSOCtを算出し、算出結果と図9の関係とに基づいて開放電圧の変化量ΔVtを求めることができる。
上記のように算出される上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]によれば、負荷放電または負荷充電により各バッテリセル10の開放電圧が変化した場合でも、各バッテリセル10の端子電圧が上限電圧値VHまたは下限電圧値VLを超えることが防止される。これにより、バッテリモジュール100の信頼性が向上する。
また、所定時間Mは取得時間Tよりも長く設定することが好ましい。この場合、各バッテリセル10において、負荷充電または負荷放電が取得時間T継続されることにより変化する開放電圧の変化量ΔVtは、負荷充電または負荷放電が所定時間M継続されることにより変化する開放電圧の変化量ΔVtよりも小さくなる。
そのため、負荷充電時または負荷放電時に開放電圧が変化しても、各バッテリセル10に流れる電流がステップS3の処理で算出された上限充電電流値および上限放電電流値を超えない限り、各バッテリセル10の端子電圧は上限電圧値VHおよび下限電圧値VLを超えない。したがって、バッテリモジュール100の信頼性がより向上する。
バッテリセル10の開放電圧とSOCとの関係はバッテリセル10の温度に依存して変化する。したがって、バッテリECU101は、図1の温度測定部31から与えられる複数のバッテリセル10の温度に基づいて、図9の関係を補正してもよい。この場合、負荷充電時間または負荷放電時間における開放電圧の変化量ΔVtをより正確に求めることができるので、上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]を正確に算出することが可能となる。それにより、バッテリモジュール100の信頼性がさらに向上する。
以下の方法により上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]を算出することもできる。
図10は、バッテリセル10の等価回路図である。図10の等価回路は、キャパシタンス成分C1と抵抗成分R1との並列回路10a、キャパシタンス成分C2および電源PSを含む。並列回路10aおよびキャパシタンス成分C2は電源PSに直列に接続される。
図10の等価回路に基づいて負荷充電時および負荷放電時におけるバッテリセル10の開放電圧の過渡的変化を予め算出し、この過渡的変化から上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]を算出してもよい。この場合、上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]を正確に算出することが可能となる。
(6)効果
上記のように、本実施の形態に係る充電状態調整装置200においては、全てのバッテリセル10の上限充電電流値が充電側基準値Cave以上となるように各バッテリセル10の充電状態が調整される。複数のバッテリセル10の最小の上限充電電流値が増加することにより、充電時に複数のバッテリセル10に流すことが可能な電流の上限値を十分に大きくすることが可能となる。
その結果、バッテリモジュール100の充電時に充電器からバッテリモジュール100に大きな電流を供給することが可能となることにより、充電時間を短縮することができる。
〔2〕第2の実施の形態
第2の実施の形態に係る充電状態調整装置200、バッテリシステム500および充電状態調整処理プログラムについて第1の実施の形態に係る充電状態調整装置200、バッテリシステム500および充電状態調整処理プログラムと異なる点を説明する。本実施の形態の他の構成および動作は、第1の実施の形態の構成および動作と同じである。
(1)充電状態調整装置の構成および動作
図11は、第2の実施の形態に係る充電状態調整装置200の具体的な構成例を示すブロック図である。図11においても、図1の温度測定部31および電流測定部32の図示を省略する。
図11の充電状態調整装置200において、調整ユニット40の複数の直列回路SCには、図2の抵抗Rに代えて電源PSが設けられる。したがって、図11の例では、複数の直列回路SCは、電源PSおよびスイッチング素子SWからなる。
各直列回路SCは、対応するバッテリセル10を挟んで隣り合う2つのバスバー11に導体線52を介して電気的に接続される。スイッチング素子SWのオンおよびオフは、バッテリECU101により制御される。スイッチング素子SWがオンされることにより、そのスイッチング素子SWに対応するバッテリセル10が充電される。
図12は、第2の実施の形態に係る充電状態調整装置200の処理を説明するための図である。図12において、縦軸は電流を表す。図12の例では、図4の例と同様に、図3で説明した3つのバッテリセル10の上限充電電流値および上限放電電流値が示されている。上限充電電流値は正の値で表され、上限放電電流値は負の値で表される。以下の説明においても、上限充電電流値の大きさおよび上限放電電流値の大きさを絶対値で表す。
第1の実施の形態で説明したように、第1〜第3のバッテリセル10[1]〜10[3]の上限充電電流値C[1]〜C[3]は上式(c1)〜(c3)から算出される。また、第1〜第3のバッテリセル10[1]〜10[3]の上限放電電流値D[1]〜D[3]は上式(d1)〜(d3)から算出される。
図12の例においても、矢印IA1で示すように、充電時にバッテリモジュール100に流すことが可能な電流の上限値は最小の上限充電電流値C[3]に制限される。また、図12の矢印IA2で示すように、放電時にバッテリモジュール100に流すことが可能な電流の上限値は最小の上限放電電流値D[2]に制限される。
本実施の形態では、上限放電電流値D[1]〜D[3]のばらつきを小さくして放電時にバッテリモジュール100に流すことが可能な電流の上限値を大きくするために、放電側基準値Daveよりも小さい上限放電電流値D[1],D[2]を有する第1および第2のバッテリセル10[1],10[2]を充電する。
それにより、第1のバッテリセル10[1]の開放電圧が上昇し、上限電圧値VHと第1のバッテリセル10[1]の開放電圧との差が減少する。また、第2のバッテリセル10[2]の開放電圧が上昇し、上限電圧値VHと第2のバッテリセル10[2]の開放電圧との差が減少する。その結果、第1および第2のバッテリセル10[1],10[2]の上限充電電流値C[1],C[1]が放電側基準値Daveまで上昇する。
これにより、図12の矢印IA4で示すように、放電時に複数のバッテリセル10[1],10[2],10[3]に流すことが可能な電流の上限値を大きくすることができる。なお、この場合、図12の矢印IA3で示すように、充電時に複数のバッテリセル10[1],10[2],10[3]に流すことが可能な電流の上限値は第3のバッテリセル10[3]の上限充電電流値に制限される。
図13は、第2の実施の形態に係る充電状態調整処理の一部の処理を示すフローチャートである。第2の実施の形態に係る充電状態調整処理では、ステップS6の処理を除き第1の実施の形態と同様の処理(図5および図6)が行われる。
図13に示すように、ステップS6において、バッテリECU101は、i番目のバッテリセル10の上限充電電流値C[i]が充電側基準値Caveよりも大きくかつi番目のバッテリセル10の上限放電電流値D[i]が放電側基準値Daveよりも小さいか否かを判定する(ステップS6)。
上限充電電流値C[i]が充電側基準値Caveよりも大きくかつi番目のバッテリセル10の上限放電電流値D[i]が放電側基準値Daveよりも小さい場合、バッテリECU101は、i番目のバッテリセル10に対応するスイッチング素子SWをオンさせる(ステップS7)。これにより、i番目のバッテリセル10が充電されることにより、i番目のバッテリセル10の開放電圧が上昇し、その上限放電電流値D[i]が放電側基準値Daveに近づくように変化する。
一方、上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]が上記の条件を満たさない場合、バッテリECU101は、i番目のバッテリセル10に対応するスイッチング素子SWをオフさせる(ステップS8)。この場合、i番目のバッテリセル10の上限放電電流値D[i]は変化しない。
上記のように、ステップS6,S7,S8の処理により、全てのバッテリセル10の上限放電電流値が放電側基準値Dave以上となる。したがって、放電時に複数のバッテリセル10に流すことが可能な電流の上限値が放電側基準値Dave以上になる。その結果、放電時に複数のバッテリセル10に流すことが可能な電流の上限値を大きくすることができる。
ステップS6,S7,S8において、バッテリECU101は、上限充電電流値C[i]の大きさが充電側基準値Caveよりも大きくかつ上限放電電流値D[i]の大きさが放電側基準値Daveよりも小さい場合に対応するスイッチング素子SWをオンし、それ以外の場合に対応するスイッチング素子SWをオフしている。
これに限らず、バッテリECU101は、上限充電電流値C[i]にかかわらず、上限放電電流値D[i]の大きさが放電側基準値Daveよりも小さい場合に対応するスイッチング素子SWをオンし、それ以外の場合に対応するスイッチング素子SWをオフしてもよい。この場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
本実施の形態においても、所定時間M連続して負荷放電または負荷充電されるときの開放電圧の変化量ΔVtを考慮して上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]を算出することが望ましい。
この場合においても、バッテリECU101は、上記式(7),(8)により上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]を算出することができる。これにより、バッテリモジュール100の信頼性が向上する。
上記の他、図10の等価回路に基づいてバッテリセル10の開放電圧の過渡的変化を予め算出し、この過渡的変化から上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]を算出してもよい。この場合においても、上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]をより正確に算出することが可能となる。それにより、バッテリモジュール100の信頼性がより向上する。
(2)効果
上記のように、本実施の形態に係る充電状態調整装置200においては、全てのバッテリセル10の上限放電電流値が放電側基準値Dave以上となるように各バッテリセル10の充電状態が調整される。したがって、放電時に複数のバッテリセル10に流すことが可能な電流の上限値を十分に大きくすることが可能となる。
その結果、バッテリモジュール100の放電時に、バッテリモジュール100から電動車両のモータ等の負荷に大きな電流を供給することができるので、バッテリモジュール100の用途が拡大する。この場合、電動車両に充電状態調整装置200とともに高回転型のモータを搭載することも可能となる。
〔3〕第3の実施の形態
以下、第3の実施の形態に係る電動車両について説明する。本実施の形態に係る電動車両は、第1または第2の実施の形態に係る充電状態調整装置200を備える。なお、以下では、電動車両の一例として電動自動車を説明する。
(1)構成および動作
図14は、第3の実施の形態に係る電動自動車の構成を示すブロック図である。図14に示すように、本実施の形態に係る電動自動車600は、車体610を備える。車体610に、図1の主制御部300および始動指示部301、図2または図11のバッテリシステム500、電力変換部601、モータ602、駆動輪603、アクセル装置604、ブレーキ装置605、ならびに回転速度センサ606が設けられる。モータ602が交流(AC)モータである場合には、電力変換部601はインバータ回路を含む。バッテリシステム500には、充電状態調整装置200が設けられている。
バッテリシステム500は、電力変換部601を介してモータ602に接続されるとともに、主制御部300に接続される。
主制御部300には、バッテリシステム500を構成するバッテリECU101(図2または図11)から複数のバッテリモジュール100(図1)の残容量、バッテリモジュール100を流れる電流値、ならびに充電状態調整処理時に算出された充電側基準値Caveおよび放電側基準値Daveが与えられる。また、主制御部300には、アクセル装置604、ブレーキ装置605および回転速度センサ606が接続される。主制御部300は、例えばCPUおよびメモリ、またはマイクロコンピュータからなる。さらに、主制御部300には図1の始動指示部301が接続されている。
アクセル装置604は、電動自動車600が備えるアクセルペダル604aと、アクセルペダル604aの操作量(踏み込み量)を検出するアクセル検出部604bとを含む。
始動指示部301のスタートキーがオンの状態で、運転者によりアクセルペダル604aが操作されると、アクセル検出部604bは、運転者により操作されていない状態を基準としてアクセルペダル604aの操作量を検出する。検出されたアクセルペダル604aの操作量が主制御部300に与えられる。
ブレーキ装置605は、電動自動車600が備えるブレーキペダル605aと、運転者によるブレーキペダル605aの操作量(踏み込み量)を検出するブレーキ検出部605bとを含む。スタートキーがオンの状態で、運転者によりブレーキペダル605aが操作されると、ブレーキ検出部605bによりその操作量が検出される。検出されたブレーキペダル605aの操作量が主制御部300に与えられる。回転速度センサ606は、モータ602の回転速度を検出する。検出された回転速度は、主制御部300に与えられる。
上記のように、主制御部300には、バッテリモジュール100の残容量(複数のバッテリセル10の残容量)、バッテリモジュール100を流れる電流値、充電側基準値Cave、放電側基準値Dave、アクセルペダル604aの操作量、ブレーキペダル605aの操作量、およびモータ602の回転速度が与えられる。主制御部300は、これらの情報に基づいてバッテリモジュール100の充放電制御および電力変換部601の電力変換制御を行う。例えば、アクセル操作に基づく電動自動車600の発進時および加速時には、放電電流が放電側基準値Daveを超えないようにバッテリシステム500から電力変換部601にバッテリモジュール100の電力が供給される。
さらに、スタートキーがオンの状態で、主制御部300は、与えられたアクセルペダル604aの操作量に基づいて、駆動輪603に伝達すべき回転力(指令トルク)を算出し、その指令トルクに基づく制御信号を電力変換部601に与える。
上記の制御信号を受けた電力変換部601は、バッテリシステム500から供給された電力を、駆動輪603を駆動するために必要な電力(駆動電力)に変換する。これにより、電力変換部601により変換された駆動電力がモータ602に供給され、その駆動電力に基づくモータ602の回転力が駆動輪603に伝達される。
一方、ブレーキ操作に基づく電動自動車600の減速時には、モータ602は発電装置として機能する。この場合、電力変換部601は、モータ602により発生された回生電力をバッテリモジュール100の充電に適した電力に変換し、バッテリモジュール100に与える。それにより、充電電流が充電側基準値Caveを超えないようにバッテリモジュール100が充電される。
上記に対して、スタートキーがオンまたはオフの状態で、バッテリシステム500の充電状態調整装置200により複数のバッテリセル10(図1)の充電状態調整処理が行われる。
(2)効果
上記のように、本実施の形態に係る電動自動車600のバッテリシステム500には、第1または第2の実施の形態に係る充電状態調整装置200が設けられる。これにより、充電時または放電時に複数のバッテリセル10に流すことが可能な電流の上限値を十分に大きくすることが可能となる。
その結果、バッテリモジュール100の充電時に充電器からバッテリモジュール100に大きな電流を供給することが可能となることにより、充電時間を短縮することができる。または、バッテリモジュール100の放電時に、バッテリモジュール100からモータ602に大きな電流を供給することができるので、バッテリモジュール100の用途が拡大する。この場合、電動自動車600に高回転型のモータを搭載することも可能となる。
(3)他の移動体
上記では、図2または図11のバッテリシステム500が電動車両に搭載される例について説明したが、バッテリシステム500が船、航空機または歩行ロボット等の他の移動体に搭載されてもよい。
バッテリシステム500が搭載された船は、例えば、図14の車体610の代わりに船体を備え、駆動輪603の代わりにスクリューを備え、アクセル装置604の代わりに加速入力部を備え、ブレーキ装置605の代わりに減速入力部を備える。運転者は、船体を加速させる際にアクセル装置604の代わりに加速入力部を操作し、船体を減速させる際にブレーキ装置605の代わりに減速入力部を操作する。この場合、バッテリモジュール100の電力によりモータ602が駆動され、モータ602の回転力がスクリューに伝達されることにより推進力が発生し、船体が移動する。
同様に、バッテリシステム500が搭載された航空機は、例えば、図14の車体610の代わりに機体を備え、駆動輪603の代わりにプロペラを備え、アクセル装置604の代わりに加速入力部を備え、ブレーキ装置605の代わりに減速入力部を備える。バッテリシステム500が搭載された歩行ロボットは、例えば、図14の車体610の代わりに胴体を備え、駆動輪603の代わりに足を備え、アクセル装置604の代わりに加速入力部を備え、ブレーキ装置605の代わりに減速入力部を備える。
このように、バッテリシステム500が搭載された移動体においては、バッテリモジュール100からの電力が動力源(モータ)により動力に変換され、その動力によって移動本体部(車体、船体、機体または胴体)が移動する。したがって、充電時に複数のバッテリセル10へ大きな電流を流すことにより充電時間の短縮が可能となる。または、放電時に複数のバッテリセル10へ大きな電流を流すことにより動力源に高い電力を供給して高い動力を得ることができる。その結果、移動体の移動性能を向上させることが可能となる。
〔4〕第4の実施の形態
以下、第4の実施の形態に係る電源装置について説明する。
(1)構成および動作
本実施の形態に係る電源装置は、第1または第2の実施の形態に係る充電状態調整装置200を備える。図15は、第4の実施の形態に係る電源装置の構成を示すブロック図である。
図15に示すように、電源装置700は、電力貯蔵装置710および電力変換装置720を備える。電力貯蔵装置710は、バッテリシステム群711およびコントローラ712を備える。バッテリシステム群711は複数のバッテリシステム500を含む。各バッテリシステム500は、直列に接続された複数のバッテリモジュール100(図1)を含む。複数のバッテリシステム500は互いに並列に接続されてもよく、または互いに直列に接続されてもよい。
コントローラ712は、例えばCPUおよびメモリ、またはマイクロコンピュータからなる。コントローラ712は、各バッテリシステム500に含まれるバッテリECU101(図1)に接続される。各バッテリシステム500のバッテリECU101(図1)から複数のバッテリモジュール100(図1)の残容量(複数のバッテリセル10の残容量)、バッテリモジュール100を流れる電流値、ならびに充電状態調整処理時に算出された充電側基準値Caveおよび放電側基準値Daveがコントローラ712に与えられる。コントローラ712は、各バッテリECU101から与えられたバッテリモジュール100の残容量、バッテリモジュール100を流れる電流値、ならびに充電状態調整処理時に算出された充電側基準値Caveおよび放電側基準値Daveに基づいて電力変換装置720を制御する。
すなわち、コントローラ712は、図1の主制御部300と同様に、バッテリモジュール100の残容量ならびに充電状態調整処理時に算出された充電側基準値Caveおよび放電側基準値Daveに基づいて各バッテリモジュール100(複数のバッテリセル10)の充電および放電を制御する。
電力変換装置720は、DC/DC(直流/直流)コンバータ721およびDC/AC(直流/交流)インバータ722を含む。DC/DCコンバータ721は入出力端子721a,721bを有し、DC/ACインバータ722は入出力端子722a,722bを有する。DC/DCコンバータ721の入出力端子721aは電力貯蔵装置710のバッテリシステム群711に接続される。DC/DCコンバータ721の入出力端子721bおよびDC/ACインバータ722の入出力端子722aは互いに接続されるとともに電力出力部PU1に接続される。DC/ACインバータ722の入出力端子722bは電力出力部PU2に接続されるとともに他の電力系統に接続される。電力出力部PU1,PU2は例えばコンセントを含む。電力出力部PU1,PU2には、例えば種々の負荷が接続される。他の電力系統は、例えば商用電源または太陽電池を含む。電力出力部PU1,PU2および他の電力系統が電源装置に接続される外部の例である。
DC/DCコンバータ721およびDC/ACインバータ722がコントローラ712によって制御されることにより、バッテリシステム群711の放電および充電が行われる。
バッテリシステム群711の放電時には、バッテリシステム群711から与えられる電力がDC/DCコンバータ721によりDC/DC(直流/直流)変換され、さらにDC/ACインバータ722によりDC/AC(直流/交流)変換される。
DC/DCコンバータ721によりDC/DC変換された電力が電力出力部PU1に供給される。また、DC/ACインバータ722によりDC/AC変換された電力が電力出力部PU2に供給される。このように、電力出力部PU1から外部に直流の電力が出力され、電力出力部PU2から外部に交流の電力が出力される。さらに、DC/ACインバータ722により交流に変換された電力が他の電力系統に供給されてもよい。
バッテリシステム群711の放電時に、コントローラ712は、与えられた残容量に基づいてバッテリシステム群711の放電を停止するか否かを判定し、判定結果に基づいて電力変換装置720を制御する。具体的には、バッテリシステム群711に含まれる複数のバッテリセル10(図1)のうちいずれかのバッテリセル10の残容量が予め定められたしきい値よりも小さくなると、コントローラ712は、バッテリシステム群711の放電が停止されるようにDC/DCコンバータ721およびDC/ACインバータ722を制御する。これにより、各バッテリセル10の過放電が防止される。
さらに、バッテリシステム群711の放電時に、コントローラ712は、各バッテリシステム500のバッテリECU101から与えられる放電側基準値Daveに基づいて、各バッテリシステム500の放電電流が放電側基準値Daveを超えないように電力変換装置720を制御する。これにより、各バッテリシステム500の複数のバッテリセル10の劣化が防止される。
また、上記の充電状態調整処理により、複数のバッテリセル10に流すことが可能な電流の上限値を大きくすることができる。これにより、放電時に複数のバッテリセルへ大きな電流を流すことにより複数のバッテリセル10から高い電力を出力することが可能となる。したがって、電源装置700の用途が拡大される。
一方、バッテリシステム群711の充電時には、他の電力系統から与えられる交流の電力がDC/ACインバータ722によりAC/DC(交流/直流)変換され、さらにDC/DCコンバータ721によりDC/DC(直流/直流)変換される。DC/DCコンバータ721からバッテリシステム群711に電力が与えられることにより、バッテリシステム群711に含まれる複数のバッテリセル10(図1)が充電される。
バッテリシステム群711の充電時に、コントローラ712は、与えられた残容量に基づいてバッテリシステム群711の充電を停止するか否かを判定し、判定結果に基づいて電力変換装置720を制御する。具体的には、バッテリシステム群711に含まれる複数のバッテリセル10(図1)のうちいずれかのバッテリセル10の残容量が予め定められたしきい値よりも大きくなると、コントローラ712は、バッテリシステム群711の充電が停止されるようにDC/DCコンバータ721およびDC/ACインバータ722を制御する。これにより、各バッテリセル10の過充電が防止される。
さらに、バッテリシステム群711の充電時に、コントローラ712は、各バッテリシステム500のバッテリECU101から与えられる充電側基準値Caveに基づいて各バッテリシステム500の充電電流が充電側基準値Caveを超えないように電力変換装置720を制御する。これにより、各バッテリシステム500の複数のバッテリセル10の劣化が防止される。
また、上記の充電状態調整処理により、複数のバッテリセル10に流すことが可能な電流の上限値を大きくすることができる。これにより、充電時に複数のバッテリセルへ大きな電流を流すことにより電源装置700の充電時間の短縮が可能になる。
なお、電源装置700と外部との間で互いに電力を供給可能であれば、電力変換装置720がDC/DCコンバータ721およびDC/ACインバータ722のうちいずれか一方のみを有してもよい。また、電源装置700と外部との間で互いに電力を供給可能であれば、電力変換装置720が設けられなくてもよい。
本実施の形態において、各バッテリシステム500のバッテリECU101は、例えば所定の時間が経過するごとに充電状態調整処理を行う。各バッテリシステム500のバッテリECU101は、充電状態調整処理を行うごとに上記のステップS4で算出される充電側基準値Caveおよび放電側基準値Daveをコントローラ712に与える。
なお、上記の電源装置700においては、バッテリシステム群711の各バッテリシステム500にバッテリECU101を設ける代わりに、コントローラ712がバッテリシステム群711内の複数のバッテリセル10に対して充電状態調整処理を行ってもよい。
この場合、コントローラ712は、各バッテリシステム500に含まれる電圧測定部20(図1)、温度測定部31(図1)および電流測定部32(図1)に接続される。電圧測定部20(図1)、温度測定部31(図1)および電流測定部32(図1)から検出された電圧、電流および温度がコントローラ712に与えられる。コントローラ712は、与えられた電圧、電流および温度に基づいて各バッテリセル10(図1)の残容量を算出する。また、コントローラ712は、充電状態調整処理を行うごとに各バッテリシステム500における充電側基準値Caveおよび放電側基準値Daveを算出し、算出された充電側基準値Caveおよび放電側基準値Daveに基づいて電力変換装置720を制御する。
これにより、バッテリシステム群711の複数のバッテリシステム500にバッテリECU101を設ける必要がないので、バッテリシステム500の構成が単純化し、バッテリシステム500の組み立てが容易化する。
(2)効果
上記のように、本実施の形態に係る電源装置700においては、各バッテリセル10の残容量、各バッテリシステム500の充電状態調整処理時に算出された充電側基準値Caveおよび放電側基準値Daveに基づいて各バッテリモジュール100(複数のバッテリセル10)の充電および放電がコントローラ712により制御される。それにより、バッテリシステム群711に含まれる各バッテリセル10の劣化が防止されるとともに、過放電および過充電が防止される。
電源装置700には、第1または第2の実施の形態に係る充電状態調整装置200が設けられる。これにより、バッテリシステム群711の充電時または放電時に複数のバッテリセル10に流すことが可能な電流の上限値を十分に大きくすることが可能となる。
その結果、バッテリシステム群711の充電時に充電器からバッテリシステム群711に大きな電流を供給することにより充電時間を短縮することが可能となる。また、バッテリシステム群711の放電時に、バッテリシステム群711の複数のバッテリセル10へ大きな電流を流すことにより複数のバッテリセル10から高い電力を出力することが可能となる。したがって、電源装置700の用途が拡大する。
〔5〕他の実施の形態
(1)上述のように、第1の実施の形態では、充電状態調整処理時に複数のバッテリセル10のうちの一部のバッテリセル10が放電される。また、第2の実施の形態では、充電状態調整処理時に複数のバッテリセル10のうちの一部のバッテリセル10が充電される。
これに限らず、充電状態調整処理時には複数のバッテリセル10の充電および放電が行われてもよい。例えば図2または図11の調整ユニット40において、各バッテリセル10に対応する直列回路SCに、抵抗Rおよび電源PSを含む回路を設ける。さらにこの回路に、対応するバッテリセル10に対して抵抗Rおよび電源PSのいずれかを選択的に接続させることができるスイッチング素子SWを設ける。
この場合、充電状態調整処理時にはスイッチング素子SWを制御することにより、複数のバッテリセル10に対して選択的に充電および放電を行うことができる。それにより、一度の充電状態調整処理により、複数のバッテリセル10の上限充電電流値および上限放電電流値をそれぞれ充電側基準値Caveおよび放電側基準値Daveに均一化することができる。
(2)上記実施の形態に係るバッテリシステム500においては、全てのバッテリセル10がバスバー11および電源線501を介して直列接続されている。これに限らず、バッテリシステム500は、直列接続された複数のバッテリセル10を含むバッテリモジュール100が並列接続された構成を有してもよい。
この場合においても、全てのバッテリセル10に対応して抵抗Rまたは電源PSおよびスイッチング素子SWからなる複数の直列回路SCを設け、全てのバッテリセル10の端子電圧および全てのバッテリセル10に流れる電流を測定することにより上記と同様の充電状態調整処理を行うことができる。なお、この場合、複数のバッテリモジュール100に流すことができる電流の上限値の和が、バッテリシステム500に流すことができる電流の上限値となる。
また、バッテリシステム500は、並列接続された複数のバッテリセル10を含むバッテリモジュール100が直列接続された構成を有してもよい。この場合においても、全てのバッテリセル10に対応して抵抗Rまたは電源PSおよびスイッチング素子SWからなる複数の直列回路SCを設け、全てのバッテリセル10の端子電圧および全てのバッテリセル10に流れる電流を測定することにより上記と同様の充電状態調整処理を行うことができる。なお、この場合、一のバッテリモジュール100を構成する複数のバッテリセル10に流すことができる電流の上限値の和が、当該バッテリモジュール100に流すことができる電流の上限値となる。
(3)上記実施の形態においては、複数のバッテリセル10の充電状態としてSOCを用いる例を説明したが、これらに代えて複数のバッテリセル10の残容量、開放電圧、放電深度(DOD)、電流積算値および蓄電量差のうちのいずれかを充電状態として用いてもよい。
バッテリセル10の残容量は、例えば各バッテリセル10のSOCを算出した後、算出されたSOCに予め測定された満充電容量を乗算することにより得られる。バッテリセル10の開放電圧は、電圧測定部20により測定することができる。
放電深度は、バッテリの満充電容量に対する充電可能容量(バッテリの満充電容量から残容量を減算した容量)の比率であり、(100−SOC)%で表すことができる。バッテリセル10の放電深度は、各バッテリセル10のSOCを算出した後、算出されたSOCを100から減算することにより得られる。
また、電流積算値は、例えば複数のバッテリセル10の各々について充電または放電時の所定期間中に流れる電流を検出し、その検出値を積算することにより得られる。この場合、複数のバッテリセル10の各々に流れる電流を検出するための電流検出部が設けられる。
さらに、蓄電量差は、例えば上記実施の形態と同様に各バッテリセル10のSOCを算出した後、算出されたSOCと予め定められた基準SOC(例えば、SOC50%)との差を算出することにより得られる。
(4)上記の実施の形態では、充電状態調整装置、バッテリシステムおよび充電状態調整処理プログラムを電動車両に用いる例を説明したが、充電状態調整装置、バッテリシステムおよび充電状態調整処理プログラムは、充放電が可能な複数のバッテリセルを備える民生機器に用いることもできる。
〔6〕請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、充電状態調整装置200が充電状態調整装置の例であり、複数のバッテリセル10が複数のバッテリセルの例であり、電圧測定部20が電圧測定部の例であり、電流測定部32が電流測定部の例であり、バッテリシステム500がバッテリシステムの例であり、モータ602がモータの例であり、駆動輪603が駆動輪の例であり、モータ602、駆動輪603、スクリュー、プロペラおよび歩行ロボットの足が動力源の例である。
また、調整ユニット40が調整回路の例であり、バッテリECU101が第1の制御部およびコンピュータの例であり、電動自動車600が電動車両の例であり、電動自動車600、船、航空機および歩行ロボットが移動体の例であり、車体610、船の船体、航空機の機体および歩行ロボットの胴体が移動本体部の例であり、コントローラ712が第2の制御部の例であり、電源装置700が電源装置の例であり、電力貯蔵装置710が電力貯蔵装置の例であり、電力変換装置720が電力変換装置の例である。
また、上限充電電流値C[i]および上限放電電流値D[i]の少なくとも一方が上限電流値の例であり、充電側基準値Caveおよび放電側基準値Daveの少なくとも一方が基準値の例であり、充電側内部抵抗値ZC[i]および放電側内部抵抗値ZD[i]の少なくとも一方が内部抵抗の例であり、バッテリセル10の開放電圧の変化量ΔVtが充電状態の調整時における各バッテリセルの電圧の変化の例である。
また、図2の抵抗Rを含む直列回路SCが放電回路の例であり、図11の電源PSを含む直列回路SCが充電回路の例である。
また、図5および図13のステップS2が各バッテリセルの電圧を取得する処理の例ならびに複数のバッテリセルに流れる電流を取得する処理の例であり、図5および図13のステップS3が各バッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を上限電流値として算出する処理の例であり、図5および図13のステップS6,S7,S8が各バッテリセルの充電状態を調整する処理の例である。
また、制御部300またはコンピュータ712による制御であって、放電電流が放電側基準値Daveを超えないようにバッテリモジュール100を放電する制御、充電電流が充電側基準値Caveを超えないようにバッテリモジュール100を充電する制御、バッテリセル10の残容量がしきい値よりも小さくなるときに放電を停止する制御、およびバッテリセル10の残容量しきい値よりも大きくなるときに充電を停止する制御が、バッテリシステムの複数のバッテリセルの充電または放電に関する制御の例である。
請求項の各構成要素として、上記実施の形態に記載された構成要素の他、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。
本発明は、電力を駆動源とする種々の移動体、電力の貯蔵装置またはモバイル機器等に有効に利用することができる。
10 バッテリセル
10a 並列回路
11 バスバー
12 サーミスタ
20 電圧測定部
20a マルチプレクサ
20b アナログ/デジタル変換器
20c 差動増幅器
31 温度測定部
32 電流測定部
40 調整ユニット
52 導体線
100 バッテリモジュール
101 バッテリECU
101a タイマ
101b メモリ
101c CPU
104 バス
200 充電状態調整装置
300 主制御部
301 始動指示部
500 バッテリシステム
501 電源線
600 電動自動車
601 電力変換部
602 モータ
603 駆動輪
604 アクセル装置
604a アクセルペダル
604b アクセル検出部
605 ブレーキ装置
605a ブレーキペダル
605b ブレーキ検出部
606 回転速度センサ
610 車体
700 電源装置
710 電力貯蔵装置
711 バッテリシステム群
712 コントローラ
720 電力変換装置
721 DC/DCコンバータ
721a,721b,722a,722b 入出力端子
722 DC/ACインバータ
C1,C2 キャパシタンス成分
Cave 充電側基準値
C[i] 上限充電電流値
Dave 放電側基準値
D[i] 上限放電電流値
M 時間
PS 電源
PU1,PU2 電力出力部
R 抵抗
R1 抵抗成分
SC 直列回路
SW スイッチング素子
T 取得時間
ZC[i] 充電側内部抵抗値
ZD[i] 放電側内部抵抗値
ΔVt 開放電圧の変化量

Claims (12)

  1. 直列接続された複数のバッテリセルの充電状態の調整処理を行う充電状態調整装置であって、
    各バッテリセルの電圧を測定する電圧測定部と、
    前記複数のバッテリセルに流れる電流を測定する電流測定部と、
    各バッテリセルの充電状態を調整する調整回路と、
    前記調整回路を制御する第1の制御部とを備え、
    前記第1の制御部は、
    前記電圧測定部により測定された各バッテリセルの電圧および前記電流測定部により測定された電流に基づいて、各バッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を上限電流値として算出し、前記複数のバッテリセルについて算出される上限電流値のうち少なくとも最小の上限電流値が増加するように、バッテリセルの充電状態を前記調整回路により調整することを特徴とする充電状態調整装置。
  2. 前記第1の制御部は、前記複数のバッテリセルについて算出される上限電流値のうち基準値よりも小さい上限電流値を有するバッテリセルを選択し、選択されたバッテリセルの上限電流値が基準値以上になるように前記選択されたバッテリセルの充電状態を前記調整回路により調整することを特徴とする請求項1記載の充電状態調整装置。
  3. 前記第1の制御部は、前記電圧測定部により測定された各バッテリセルの電圧および前記電流測定部により測定された電流に基づいて、充電時に各バッテリセルの端子電圧が予め定められた上限電圧値より大きくならないようにまたは放電時に各バッテリセルの端子電圧が予め定められた下限電圧値よりも小さくならないように各バッテリセルの前記上限電流値を算出することを特徴とする請求項1または2記載の充電状態調整装置。
  4. 前記第1の制御部は、前記電圧測定部により測定された電圧および前記電流測定部により測定された電流に基づいて各バッテリセルの内部抵抗を算出し、前記上限電圧値および前記下限電圧値の少なくとも一方、前記電圧測定部により測定される電圧ならびに前記算出された内部抵抗に基づいて各バッテリセルの前記上限電流値を算出することを特徴とする請求項3記載の充電状態調整装置。
  5. 前記第1の制御部は、さらに、前記複数のバッテリセルの放電時または充電時における各バッテリセルの電圧の変化に基づいて各バッテリセルの前記上限電流値を算出することを特徴とする請求項4記載の充電状態調整装置。
  6. 前記調整回路は、各バッテリセルを放電させる放電回路および各バッテリセルを充電する充電回路のうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の充電状態調整装置。
  7. 直列接続された複数のバッテリセルと、
    前記複数のバッテリセルの充電状態の調整処理を行う請求項1〜6のいずれかに記載の充電状態調整装置とを備えることを特徴とするバッテリシステム。
  8. 直列接続された複数のバッテリセルと、
    前記複数のバッテリセルの充電状態の調整処理を行う請求項1〜6のいずれかに記載の充電状態調整装置と、
    前記複数のバッテリセルの電力により駆動されるモータと、
    前記モータの回転力により回転する駆動輪とを備えることを特徴とする電動車両。
  9. 直列接続された複数のバッテリセルと、
    前記複数のバッテリセルの充電状態の調整処理を行う請求項1〜6のいずれかに記載の充電状態調整装置と、
    移動本体部と、
    前記複数のバッテリセルからの電力を前記移動本体部を移動させるための動力に変換する動力源とを備える、移動体。
  10. 請求項7記載のバッテリシステムと、
    前記バッテリシステムの前記複数のバッテリセルの充電または放電に関する制御を行う第2の制御部とを備える、電力貯蔵装置。
  11. 外部に接続可能な電源装置であって、
    請求項10記載の電力貯蔵装置と、
    前記電力貯蔵装置の前記第2の制御部により制御され、前記電力貯蔵装置の前記複数のバッテリセルと前記外部との間で電力変換を行う電力変換装置とを備える、電源装置。
  12. 直列接続された複数のバッテリセルの充電状態の調整処理を行う充電状態調整装置が備えるコンピュータにより実行可能な充電状態調整処理プログラムであって、
    各バッテリセルの電圧を取得する処理と、
    前記複数のバッテリセルに流れる電流を取得する処理と、
    前記取得された各バッテリセルの電圧および前記取得された電流に基づいて、各バッテリセルに流すことが可能な電流の上限値を上限電流値として算出する処理と、
    前記複数のバッテリセルについて算出される上限電流値のうち少なくとも最小の上限電流値が増加するように、各バッテリセルの充電状態を調整する処理とを、前記コンピュータに実行させることを特徴とする充電状態調整処理プログラム。
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