JP2011175707A - 信号検出方法及び信号検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウォブル信号に含まれた所定のMSK変調成分の検出に優れた信号検出方法を提供すること。
【解決手段】信号検出方法は、光ディスクのウォブルトラックから検出されたウォブル信号を入力し、前記ウォブル信号及び基準コサイン波からコサイン相関検波信号を生成し、前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、第1の無変調領域に対応した第1の無変調成分を検出し、前記第1の無変調成分に対応したウォブル数をカウントし、カウント結果に応じて第1の期間にわたりゲート信号を生成し、前記ゲート信号生成の前記第1の期間における前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、前記第1の期間より短い第2の期間に対応した所定ウォブル数で構成された第1のMSK(Minimum Shift Keying)変調領域に対応した第1のMSK変調成分を検出する。
【選択図】図11
【解決手段】信号検出方法は、光ディスクのウォブルトラックから検出されたウォブル信号を入力し、前記ウォブル信号及び基準コサイン波からコサイン相関検波信号を生成し、前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、第1の無変調領域に対応した第1の無変調成分を検出し、前記第1の無変調成分に対応したウォブル数をカウントし、カウント結果に応じて第1の期間にわたりゲート信号を生成し、前記ゲート信号生成の前記第1の期間における前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、前記第1の期間より短い第2の期間に対応した所定ウォブル数で構成された第1のMSK(Minimum Shift Keying)変調領域に対応した第1のMSK変調成分を検出する。
【選択図】図11
Description
本発明は、例えば、光ディスクに形成されたウォブルトラックから検出されたウォブル信号に反映された所定の信号成分を検出する信号検出技術に関する。
物理アドレスに対応してウォブルされたトラックが形成された光ディスクが知られている。この種の光ディスクを再生する光ディスク装置は、光ディスクのウォブルトラックからウォブル信号を検出し、ウォブル信号から物理アドレスを検出し、物理アドレスに基づき光ディスクのトラックに記録されたデータを再生する。光ディスクに記録されたデータを正確に再生するためには、物理アドレスの正確な検出は重要であり、物理アドレス等を正確に検出する技術が開示されている(特許文献1参照)。
上記したように、物理アドレスの正確な検出は重要であり、より正確に物理アドレスを検出する技術が要望されている。ウォブル信号に含まれた所定の信号成分を正確に検出することにより、物理アドレスを正確に検出することができる。
本発明の目的は、ウォブル信号に含まれた所定のMSK変調成分の検出に優れた信号検出方法及び信号検出装置を提供することにある。
本発明の一実施形態に係る信号検出方法は、光ディスクのウォブルトラックから検出されたウォブル信号を入力し、前記ウォブル信号及び基準コサイン波からコサイン相関検波信号を生成し、前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、第1の無変調領域に対応した第1の無変調成分を検出し、前記第1の無変調成分に対応したウォブル数をカウントし、カウント結果に応じて第1の期間にわたりゲート信号を生成し、前記ゲート信号生成の前記第1の期間における前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、前記第1の期間より短い第2の期間に対応した所定ウォブル数で構成された第1のMSK(Minimum Shift Keying)変調領域に対応した第1のMSK変調成分を検出する。
本発明の一実施形態に係る信号検出装置は、光ディスクのウォブルトラックから検出されたウォブル信号を入力する入力手段と、前記ウォブル信号及び基準コサイン波からコサイン相関検波信号を生成する第1の生成手段と、前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、第1の無変調領域に対応した第1の無変調成分を検出する第1の検出手段と、前記第1の無変調成分に対応したウォブル数をカウントするカウント手段と、カウント結果に応じて第1の期間にわたりゲート信号を生成する第2の生成手段と、前記ゲート信号生成の前記第1の期間における前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、前記第1の期間より短い第2の期間に対応した所定ウォブル数で構成された第1のMSK(Minimum Shift Keying)変調領域に対応した第1のMSK変調成分を検出する第2の検出手段と、を備える。
本発明によれば、ウォブル信号に含まれた所定のMSK変調成分の検出に優れた信号検出方法及び信号検出装置を提供できる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図2A及び図2Bは、Blu-ray Disc-R/-REなどの光ディスクの物理フォーマットの一例を示す図である。光ディスクは、物理アドレスデータに対応してウォブルされたトラックを備えている。この種の光ディスクを再生したり、この種の光ディスクにデータを記録したりする光ディスク装置は、ウォブルトラックからウォブル信号成分を検出し、ウォブル信号成分を復調し、物理アドレスデータを取得することができる。つまり、光ディスク装置は、ウォブルトラックから物理アドレスデータを取得し、物理アドレスデータに基づき、指定位置のトラックのデータを再生したり、指定位置のトラックに対してデータを記録したりすることができる。
Blu-ray Discのトラックのウォブルには、MSK(Minimum Shift Keying)変調とSTW(Saw Tooth Wobble)変調を組み合わせたアドレッシングが反映されている。MSK変調とは、位相が連続したFSK(Frequency Shift Keying)変調のうちの変調指数が0.5のもので、ウォブル基本波に対して局所的に位相変化させた波形を生成する変調方式である。STW変調とは、ウォブル基本波に対して2倍の高調波を加算または減算し、ノコギリ波形状のような波形を生成する変調方式である。
1つの物理アドレスデータは、1つのADIP(Address In Pregroove)ワードに対応する。図2Bは、ADIPワードの一例を示す図である。1つのADIPワードは、連続した83個のADIPユニットを含み、24ビットのアドレス情報と、12ビットの補助データ、リファレンス領域、誤り訂正符号などから構成されている。1つのADIPユニットは、56ウォブルで構成される。図2Aは、各種ADIPユニットの一例を示す図である。例えば、図2Aに示すData_0は、56ウォブルで“0”を表している。同様に、図2Aに示すData_1は、56ウォブルで“1”を表している。
図1は、第1実施形態に係る信号検出装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、信号検出装置は、ウォブルPLL回路1、MSK検出/STW検出/物理アドレス検出回路2、及びカウンタ回路3を備えている。
ウォブルPLL回路1は、A/Dコンバータ11、位相検出部12、位相制御部13、D/Aコンバータ14、VCO15を備えている。A/Dコンバータ11は、光ディスクから検出されたウォブル信号をデジタル信号へ変換し、デジタル信号へ変換されたウォブル信号を入力する。位相検出部12は、現在の入力ウォブル信号と前の入力ウォブル信号との位相を比較する。位相制御部13は、位相比較結果に基づき、位相が±90°以上異なる場合には前値をHoldする。また、位相制御部13は、ループ補償も行なう。
また、上記した位相検出部12は、入力ウォブル信号と基準コサイン波/基準サイン波/基準2倍サイン波との1ウォブル単位の積分演算を行ない、それぞれコサイン相関検波信号、サイン相関検波信号、2倍サイン相関検波信号を生成する。サイン相関検波信号は、位相誤差信号としてPLL処理に使用され、入力ウォブル信号に対して位相追従した単一クロックが生成される。コサイン相関検波信号は、主にMSKパターンの検出、及び物理アドレスの検出に使用される。
MSK検出/STW検出/物理アドレス検出回路2は、オフセット補償部21、STW検出部22、MSK検出部23、物理アドレス検出部24を備えている。オフセット補償部21は、隣接トラックからの位相干渉を受け変動したウォブル信号の振幅レベルを補正する。STW検出部22は、オフセット補償部21で補正したウォブル信号からSTW変調信号を検出する。MSK検出部23は、オフセット補償部21で補正したウォブル信号からMSK変調信号を検出する。物理アドレス検出部24は、MSK変調信号又はSTW変調信号から物理アドレスを検出し、この物理アドレスのエラーを検出し、エラーを訂正する。
カウンタ回路3は、カウンタ管理部31を備える。カウンタ管理部31は、1ウォブル周期をカウントするウォブル周期カウンタ、ADIPユニット周期をカウントするADIPカウンタ、ADIPワード周期をカウントするADIPワードカウンタ、及び物理アドレスの信頼性確保用の物理アドレスカウンタを含み、これらカウンタによりカウントされるカウント値を管理する。なお、MSK検出/STW検出/物理アドレス検出回路2により検出されたMSK信号及び物理アドレスにより、各カウント値が補正される。この補正により、カウント値とウォブルとの同期が取られる。
図3は、第1実施形態の信号検出装置を構成する位相検出部12、オフセット補償部21、STW検出部22の一例を示すブロック図である。位相検出部12は、フィルター121、基準コサイン波生成部122、積分器123、基準2倍サイン波生成部124、及び積分器125を備えている。オフセット補償部21は、+値ホールド部211、−値ホールド部212、閾値生成部213、閾値選択部214、オフセット補正部215、216を備えている。STW検出部22は、STW0/STW1検出部221、値ホールド部222を備えている。
位相検出部12の積分器123は、フィルター121によりフィルタリング処理された入力ウォブル信号と基準コサイン波生成部122により生成された基準コサイン波との積分により、コサイン相関検波値を生成する。また、積分器125は、フィルター121によりフィルタリング処理された入力ウォブル信号と基準2倍サイン波生成部124により生成された基準2倍サイン波との積分により、2倍サイン相関検波値を生成する。
オフセット補償部21(オフセット補正部215、216)は、閾値生成部213により生成され、且つ閾値選択部214により選択された閾値に基づき、2倍サイン相関検波値を補正する。この補正により、ウォブル信号が受けていた位相干渉の影響が低減される。例えば、所定トラックから検出されたウォブル信号は、この所定トラックに隣接する隣接トラックによる位相干渉の影響を受けることが知られている。位相干渉の影響により、ウォブル信号の振幅レベルが変動すると、ウォブル信号に含まれるSTW0信号およびSTW1信号を誤検出してしまうことがある。そこで、上記した補正により、ウォブル信号の振幅レベルを補正することができる。
STW検出部22のSTW0/STW1検出部221は補正2倍サイン相関検波値から、STW0信号およびSTW1信号を検出する。これにより、STW0信号及びSTW1信号を精度良く検出することができる。STW0信号及びSTW1信号の検出について後で詳しく説明する。
図4は、コサイン相関検波値および2倍サイン相関検波値の算出の一例を説明するための図である。
基準コサイン波(a)とMSK信号(b)との信号相関に基づき、コサイン相関検波値(c)が得られる。コサイン相関検波値(c)は、MSK信号(b)に含まれた無変調成分に対応したノーマルウォブル信号と、MSK信号(b)に含まれたMSK変調成分に対応したMSK変調ウォブル信号とを含む。ノーマルウォブル信号は、プラス値の振幅レベルで比較的安定している。MSK変調ウォブル信号は振幅レベルが大きく減少し、MSK変調ウォブル信号の真中の振幅レベルはマイナス値となり、その振幅レベルの絶対値は、ノーマルウォブル信号の振幅レベルの絶対値とほぼ等しい。
基準コサイン波(a)とSTW0信号(d)又はSTW1信号(e)との信号相関に基づき、コサイン相関検波値(f)が得られる。コサイン相関検波値(f)の振幅レベルは、多少減少又は増加するのみである。つまり、基準コサイン波(a)とSTW0信号(d)との信号相関により得られるコサイン相関検波値(f)と、基準コサイン波(a)とSTW1信号(e)との信号相関により得られるコサイン相関検波値(f)は、ほぼ同じとなってしまう。そのため、コサイン相関検波値(f)から、STW0信号とSTW1信号とを区別するのは難しい。
そこで、第1実施形態の信号検出装置は、基準2倍サイン波(g)により、ウォブル信号からSTW0信号及びSTW1信号を検出する。つまり、基準2倍サイン波(g)とSTW0信号(h0)を含むウォブル信号との信号相関に基づき、2倍サイン相関検波値(i0)が得られる。また、基準2倍サイン波(g)とSTW1信号(h1)を含むウォブル信号との信号相関に基づき、2倍サイン相関検波値(i1)が得られる。2倍サイン相関検波値(i0)はマイナス値の振幅レベルを含み、2倍サイン相関検波値(i1)はプラス値の振幅レベルを含む。このことから、STW0信号及びSTW1信号を検出することができる。
図5は、隣接トラックによる位相干渉の影響を受けたウォブル信号、及び物理アドレス誤検出の一例を説明するための図である。
CAV方式の光ディスクの所定トラックの基準位相とこの所定トラックに隣接する隣接トラックの基準位相とは同位相となる。このため、CAV方式の光ディスクの所定トラックから検出されたウォブル信号は、隣接トラックによる位相干渉の影響を受け難い。そのため、ウォブル信号の振幅変動はほとんどなく、隣接トラックの影響のないウォブル信号(j)が得られる。隣接トラックの影響のないウォブル信号(j)の振幅レベルは、ほぼ一定となる。よって、このウォブル信号(j)からノイズ等の要因を除くと、このウォブル信号(j)から算出されるコサイン相関検波値(k)のMSK変調成分の振幅レベルは、“0”を基準にほぼプラスレベルとマイナスレベルで等しくなる。そこで、“0”を基準として、コサイン相関検波値(k)からMSK変調成分を正しく検出することができる。
しかし、CLV方式の光ディスクの所定トラックの基準位相とこの所定トラックに隣接する隣接トラックの基準位相とは同位相ではない。このため、CLV方式の光ディスクの所定トラックから検出されたウォブル信号は、隣接トラックによる位相干渉の影響を受け易い。そのため、ウォブル信号の振幅が大きく変動することがある。さらに信号に対するノイズの比率が大きいディスクでは、ウォブル信号の振幅がさらに大きく変動することがある。このような隣接トラックの影響を受けたウォブル信号(l)から算出されるコサイン相関検波値(m)のMSK変調成分の振幅レベルは、“0”を基準にプラスレベルとマイナスレベルで等しくならない。つまり、“0”を基準として、コサイン相関検波値(m)からMSK変調成分を検出しようとすると、MSK変調成分を誤検出してしまうことがある。
ウォブル信号(l)の左側の第1のMSK変調成分は、コサイン相関検波値(m)において十分なマイナス値として表れているが、ウォブル信号(l)の右側の第2のMSK変調成分は、コサイン相関検波値(m)において若干のマイナス値として表れている。このため、第2のMSK変調成分が、極性反転した信号として誤検出されてしまうことがある。
特に、図4で説明した基準2倍サイン波から生成された2倍サイン相関検波値(i0)に含まれるSTW0変調信号、及び2倍サイン相関検波値(i1)に含まれるSTW1変調信号の振幅レベルは非常に小さく、これらSTW0変調信号及びSTW1変調信号は誤検出される可能性が高い。
図6は、閾値の生成及びこの閾値によるMSK変調成分の検出の一例を説明するための図である。例えば、図5に示すウォブル信号(l)の右側の第2のMSK変調成分を正しく検出する方法について説明する。ウォブル信号(l)の右側の第2の変調成分は、コサイン相関検波値(m)において若干のマイナス値として表れている。このため、第2のMSK変調成分を正しく検出できない場合がある。
確実にMSK変調成分の信号を検出するには、“0”を基準値としたプラス/マイナスの判定ではなく、コサイン相関検波値の変動に対応した閾値によるプラス/マイナスの判定が必要である。そこで、第1実施形態の信号検出装置のオフセット補償部21は、ADIP周期に対応したADIPカウンタのカウント値を使用し、MSK信号の前の非MSK変調成分の1ウォブルとMSK信号の1ウォブルとの平均値から閾値を生成する。例えば、MSK信号の直前の非MSK変調成分の1ウォブル(55番目のウォブル)とMSK信号の1ウォブル(0番目、1番目、又は2番目のウォブル)との平均値から閾値を生成する。固定位置の二つのウォブルの平均により閾値を生成するための回路は、比較的容易に構成することができ、しかも比較的小規模な構成ですむ。なお、MSK信号の前の非MSK変調成分が、モノトーンウォブルであっても、モノトーンウォブルでなくても目的の閾値を生成することができる。言い換えると、MSK信号の前の非MSK変調成分が、モノトーンウォブルであっても、STW0又はSTW1に対応したウォブルであっても、目的の閾値を生成することができる。それは、モノトーンのパターンに対応したコサイン相関検波値とSTW0又は1のパターンに対応したコサイン相関検波値が、それほど大きく違わないからである。
既に説明したように、ADIPワードは、連続した83個のADIPユニットにより構成されている。つまり、ADIPワードは、図2Aに示す各種のADIPユニット(Monotone、Reference、Sync_0、Sync_1、Sync_2、Sync_3、Data_0、Data_1などのADIPユニット)が83個連続している。即ち、55番目の1ウォブルの次に0番目の1ウォブルが続く。よって、0番目〜2番目の3ウォブルに対応したMSK信号の直前の非MSK変調成分の1ウォブルは、55番目の1ウォブルとなる。或いは、55番目の1ウォブルの替わりに3番目〜11番目のいずれかの1ウォブル(無変調成分の1ウォブル)利用することもできる。
図2Aに示すように、各ADIPユニットの先頭位置(0番目〜2番目のウォブル)は、必ずMSK信号を含む。MSK検出部23は、ADIP周期に合わせたADIPカウンタによるカウント値に基づき、ADIPユニットの先頭位置のMSK信号を推測することができる。例えば、オフセット補償部21は、ADIPカウンタのカウント値が55の時の値を“+値”、ADIPカウンタのカウント値が1の時の値を“−値”とし、“+値”と“−値”の平均値((+値)+(−値))/2)を閾値とする。このように、固定位置のウォブル(55番目のウォブルと1番目のウォブル)から閾値を算出するため、第1実施形態の信号検出装置の回路設計を簡単化することができる。
図6に示すように、Data_0のパターンであれば、ADIPカウンタのカウント値が14〜16のときに得られる信号が、MSK信号となる。“0”を基準値としたプラス/マイナスにより、MSK信号を検出しようとすると、ADIPカウンタのカウント値が14〜16のときに得られる信号をMSK信号として検出できないことがある。それは、ADIPカウンタのカウント値が14〜16のときに得られるコサイン相関検波値が十分なマイナス値になっていないからである。そこで、第1実施形態の信号検出装置のMSK検出部23は、上記した閾値を使用することにより、図6に示すようなコサイン相関検波値からでも、確実にMSK信号を検出することができる。
図7は、閾値及び2倍サイン相関検波値によるSTW0及びSTW1の検出の一例を説明するための図である。閾値の生成手法は、上記説明した通りである。閾値を使用することにより、図7に示すように、STW検出部22は、2倍サイン相関検波値から閾値より小さい値として、STW0信号を検出することができる。また、STW検出部22は、2倍サイン相関検波値から閾値より大きい値として、STW1信号を検出することができる。なおSTW0信号及びSTW1信号の検出位置は、ADIPカウンタのカウント値が18〜55のうちの何れかのカウント値に対応した位置であれば良い。また、第1実施形態の信号検出装置のSTW検出部22は、MSK信号とSTW0信号又はSTW1信号の検出結果を照合して、より正確にData_0又はData_1を検出することもできる。
上記したように、第1実施形態の信号検出装置は、入力ウォブル信号を2倍サイン波により積分し、2倍サイン相関検波値を生成し、さらに、入力ウォブル信号のMSK変調成分及び無変調成分から閾値(オフセット補正)を求め、この閾値を利用して2倍サイン相関検波値からSTW0信号又はSTW1信号を検出する。これにより、入力ウォブル信号から、正確に、STW0信号又はSTW1信号を検出することができ、その結果、正しい物理アドレスを検出することができる。
例えば、図7に示すように、閾値は、MSK変調成分に対応したウォブル信号(例えば図6に示す1番目のウォブル)と非MSK変調成分に対応したウォブル信号(例えば図6に示す55番目)の平均値である。このような閾値(2値の平均値)算出のための回路構成は比較的小さく容易に実現できる。
また、第1実施形態の信号検出装置は、1つのADIPユニットのMSK変調成分(例えば1番目のウォブル)と非MSK変調成分(55番目のウォブル或いは3番目〜11番目の何れか一つのウォブルなど)とから閾値を算出し、算出した閾値によりこのADIPユニットのSTW0信号又はSTW1信号を検出することができる。つまり、第1実施形態の信号検出装置は、リアルタイムに信号波形の変動に追従することができ、より正確にSTW0信号又はSTW1信号を検出することができる。隣接トラックからのクロストークの影響はリアルタイムに変動するため、このようなリアルタイムに信号波形の変動に追従した信号検出は極めて有効である。
上記した第1実施形態によれば、以下の信号検出装置及び信号検出方法を提供することができる。
(1)第1実施形態の信号検出方法は、光ディスクのウォブルトラックから検出されたウォブル信号を入力し、前記ウォブル信号及び基準n倍サイン波(n>0)からn倍サイン相関検波信号を生成し、前記ウォブル信号の第1の位置に含まれるMSK(Minimum Shift Keying)変調成分、及び前記MSK変調成分より前の第2の位置に含まれる無変調成分から生成された閾値に基づき、前記n倍サイン相関検波信号から、第1のSTW(Saw Tooth Wobble)変調成分又は第2のSTW変調成分を検出する、というものである。
(2)上記(1)に記載の第1実施形態の信号検出方法は、さらに以下の要件を満たす。前記基準n倍サイン波は、基準2倍サイン波であり、前記n倍サイン相関検波信号は、2倍サイン相関検波信号である。
(3)上記(1)に記載の第1実施形態の信号検出方法は、さらに、カウンタにより前記ウォブル信号を構成する複数のウォブルをカウントし、前記ウォブル信号の前記第1の位置の第1のウォブルに反映された前記MSK変調成分及び前記第2の位置の第2のウォブルに反映された前記無変調成分を検出する、というものである。
(4)上記(3)に記載の第1実施形態の信号検出方法は、さらに、前記MSK変調成分及び前記無変調成分の平均値に対応した前記閾値を検出する、というものである。
(5)上記(4)に記載の第1実施形態の信号検出方法は、さらに、前記n倍サイン相関検波信号から、前記閾値を超える前記第1のSTW変調成分又は前記閾値を下回る前記第2のSTW変調成分を検出する、というものである。
(6)上記(3)に記載の第1実施形態の信号検出方法は、さらに以下の要件を満たす。各種のアドレスユニットは、a個(a:自然数)のウォブルにより構成され、さらに、各種のアドレスユニットを構成する前記第1の位置の前記第1のウォブルは、前記MSK変調成分に対応したMSK変調ウォブルであり、前記第2の位置の前記第2のウォブルは、前記無変調成分に対応したモノトーンウォブルであり、アドレスワードは、b個(b:自然数)の前記アドレスユニットにより構成されている。その上で、上記(3)に記載の第1実施形態の信号検出方法は、前記アドレスワードに対応した前記ウォブル信号から、第1のデータに対応した第1のアドレスユニットに含まれた前記第1のSTW変調成分又は第2のデータに対応した第2のアドレスユニットに含まれた前記第2のSTW変調成分を検出する。
(7)第1実施形態の信号検出装置は、光ディスクのウォブルトラックから検出されたウォブル信号を入力する入力手段と、前記ウォブル信号及び基準n倍サイン波(n>0)からn倍サイン相関検波信号を生成する生成手段と、前記ウォブル信号の第1の位置に含まれるMSK(Minimum Shift Keying)変調成分、及び前記MSK変調成分より前の第2の位置に含まれる無変調成分から生成された閾値に基づき、前記n倍サイン相関検波信号から、第1のSTW(Saw Tooth Wobble)変調成分又は第2のSTW変調成分を検出する検出手段と、を備える。
次に、本発明の第2実施形態に係る信号検出装置及び信号検出方法について説明する。なお、第2実施形態の内容のうち、第1実施形態と共通する内容は省略することがある。
図8は、第2実施形態に係る信号検出装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、信号検出装置は、ウォブルPLL回路1、MSK検出/物理アドレス検出回路2、及びカウンタ回路3を備えている。
ウォブルPLL回路1は、A/Dコンバータ11、位相検出部12、位相制御部13、D/Aコンバータ14、VCO15を備えている。A/Dコンバータ11は、光ディスクから検出されたウォブル信号をデジタル信号へ変換し、デジタル信号へ変換されたウォブル信号を入力する。位相検出部12は、現在の入力ウォブル信号と前の入力ウォブル信号との位相を比較する。位相制御部13は、位相比較結果に基づき、位相が±90°以上異なる場合には前値をHoldする。また、位相制御部13は、ループ補償も行なう。
また、上記した位相検出部12は、入力ウォブル信号と基準コサイン波/基準サイン波との1ウォブル単位の積分演算を行ない、それぞれコサイン相関検波信号、サイン相関検波信号を生成する。サイン相関検波信号は、位相誤差信号としてPLL処理に使用され、入力ウォブル信号に対して位相追従した単一クロックが生成される。コサイン相関検波信号は、主にMSKパターン(MSK変調成分)の検出、及び物理アドレスの検出に使用される。
MSK検出/物理アドレス検出回路2は、オフセット補償部21、MSK検出部23、物理アドレス検出部24を備えている。オフセット補償部21は、隣接トラックからの位相干渉を受け変動したウォブル信号の振幅レベルを補正する。MSK検出部23は、オフセット補償部21で補正したウォブル信号からMSK変調成分を検出する。物理アドレス検出部24は、MSK変調成分から物理アドレスを検出し、この物理アドレスのエラーを検出し、エラーを訂正する。
カウンタ回路3は、カウンタ管理部31を備える。カウンタ管理部31は、1ウォブル周期をカウントするウォブル周期カウンタ、ADIPユニット周期をカウントするADIPカウンタ、ADIPワード周期をカウントするADIPワードカウンタ、及び物理アドレスの信頼性確保用の物理アドレスカウンタを含み、これらカウンタによりカウントされるカウント値を管理する。なお、MSK検出/物理アドレス検出回路2により検出されたMSK変調成分及び物理アドレスにより、各カウント値が補正される。この補正により、カウント値とウォブルとの同期が取られる。
図9は、第2実施形態に係る信号検出装置を構成する位相検出部12、オフセット補償部21、MSK検出部23の一例を示すブロック図である。位相検出部12は、フィルター121、基準コサイン波生成部122、及び積分器123を備えている。オフセット補償部21は、+値ホールド部211、−値ホールド部212、閾値生成部213、閾値選択部214、オフセット補正部215を備えている。MSK検出部23は、信号レベル判定部231、2値化処理部232、モノトーンカウンタ233、ゲート生成部234、MSK検出部235を備えている。
位相検出部12の積分器123は、フィルター121によりフィルタリング処理された入力ウォブル信号と基準コサイン波生成部122により生成された基準コサイン波との積分により、コサイン相関検波値を生成する。
オフセット補償部21(オフセット補正部215)は、閾値生成部213により生成され、且つ閾値選択部214により選択された閾値に基づき、コサイン相関検波値を補正する。この補正により、ウォブル信号が受けていた位相干渉の影響が低減される。例えば、所定トラックから検出されたウォブル信号は、この所定トラックに隣接する隣接トラックによる位相干渉の影響を受けることが知られている。位相干渉の影響により、ウォブル信号の振幅レベルが変動すると、ウォブル信号に含まれるMSKを誤検出してしまうことがある。そこで、上記した補正により、ウォブル信号の振幅レベルを補正することができる。補正されたウォブル信号から、SYNCパターン(Sync_0、Sync_1、Sync_2、Sync_3)の先頭に位置するMSK変調成分を正しく検出することができる。SYNCパターンの先頭に位置するMSK変調成分の検出について後で詳しく説明する。
図10は、コサイン相関検波値の算出の一例を説明するための図である。
基準コサイン波(a)と入力ウォブル信号(b)との信号相関に基づき、コサイン相関検波値(c)が得られる。コサイン相関検波値(c)は、入力ウォブル信号(b)に含まれた無変調成分に対応したノーマルウォブル信号(モノトーンウォブル信号)と、入力ウォブル信号(b)に含まれたMSK変調成分に対応したMSK変調ウォブル信号とを含む。ノーマルウォブル信号は、図10の入力ウォブル信号(b)に含まれたMSK変調成分の前後の信号である。MSK変調ウォブル信号は振幅レベルが大きく減少し、MSK変調ウォブル信号の真中の振幅レベルはマイナス値となり、その振幅レベルの絶対値は、ノーマルウォブル信号の振幅レベルの絶対値とほぼ等しい。
基準コサイン波(a)と入力ウォブル信号(d)又は(e)との信号相関に基づき、コサイン相関検波値(f)が得られる。コサイン相関検波値(f)のSTW振幅レベルは、モノトーンウォブルに比べ多少減少する。例えば、6ビット精度のA/DコンバータでA/D変換し、10ビット精度のコサイン相関検波値を算出した場合、30〜40程度の振幅レベル差が検出される。なお、基準コサイン波(a)と入力ウォブル信号(d)との信号相関により得られるコサイン相関検波値(f)と、基準コサイン波(a)と入力ウォブル信号(e)との信号相関により得られるコサイン相関検波値(f)は、ほぼ同じとなってしまう。そのため、コサイン相関検波値(f)から、STW0信号とSTW1信号とを区別するのは難しい。
第2実施形態の信号検出装置は、上記したようなコサイン相関検波値(f)の小さな振幅レベル変化を高精度に検出し、この振幅レベル変化の検出結果に基づきモノトーンウォブル信号を高精度に検出し、さらに、モノトーンウォブル信号の連続性を検出し、連続性の検出結果に基づきSYNCパターン(Sync_0、Sync_1、Sync_2、Sync_3)の先頭部分のMSK変調領域に対応したMSK変調成分を高精度に検出することができる。
図11は、MSK信号検出用の保護ゲートを使用し、SYNCパターンの先頭位置のMSK変調成分を検出する処理の一例を説明するための図である。
図2Aに示すように、Sync_0、Sync_1、Sync_2、Sync_3、Data_0、及びData_1は、MSK変調領域を含み、MSK検出部23が、MSK変調領域に対応したMSK変調成分を検出する。MSK変調成分の誤検出は、物理アドレスの誤検出につながることがある。そのため、正確にMSK変調成分を検出する必要がある。
そこで、第2実施形態に係る信号検出装置は、図2A及び図2Bに示すADIPワードの物理フォーマットの構成及びモノトーンウォブルの無変調領域の連続性に基づき、Sync_0、Sync_1、Sync_2、及びSync_3の先頭に位置するMSK変調領域に対応したMSK変調成分を正確に検出する。Sync_0、Sync_1、Sync_2、及びSync_3の先頭に位置する少なくとも一つのMSK変調領域に対応したMSK変調成分が正確に検出できれば、ADIPワードの物理フォーマットに従い、正確にData_0及びData_1の位置を検出することができ、物理アドレスの正確な検出が可能となる。
第2実施形態に係る信号検出装置は、ADIPワードの物理フォーマットの構成及びモノトーンウォブルの無変調領域の連続性に基づき、Sync_0、Sync_1、Sync_2、及びSync_3の先頭に位置するMSK変調領域に対応したMSK変調成分を検出するためのゲート信号を生成する。さらに、信号検出装置は、このゲート信号の生成期間においてMSK変調成分を検出し、このゲート信号の生成期間に検出されたMSK変調成分を、Sync_0、Sync_1、Sync_2、及びSync_3の先頭に位置するMSK変調成分と判定する。なお、信号検出装置は、Sync_0、Sync_1、Sync_2、及びSync_3の先頭に位置する4つのMSK変調領域に対応し、4つのSYNCを区別する必要はない。
ADIPワードの物理フォーマットの構成上、Sync_0、Sync_1、Sync_2、及びSync_3(第2のパターン)の前にはモノトーンウォブル(第1のパターン)が位置し、モノトーンウォブルは、MSK変調領域に対応したMSK変調成分、及び無変調領域に対応した無変調成分を含む。モノトーンウォブルを構成する1番目(ウォブルナンバー0)のウォブルから3番目(ウォブルナンバー2)のウォブルまでの3ウォブルがMSK変調領域に対応し、4番目(ウォブルナンバー3)のウォブルから56番目(ウォブルナンバー55)のウォブルまでの53ウォブルが無変調領域に対応する。
一方、Sync_0中の最も長い無変調領域は、30番目(ウォブルナンバー29)のウォブルから56番目(ウォブルナンバー55)のウォブルまでの27ウォブルである。Sync_1中の最も長い無変調領域は、32番目(ウォブルナンバー31)のウォブルから56番目(ウォブルナンバー55)のウォブルまでの25ウォブルである。Sync_2中の最も長い無変調領域は、34番目(ウォブルナンバー33)のウォブルから56番目(ウォブルナンバー55)のウォブルまでの23ウォブルである。Sync_3中の最も長い無変調領域は、36番目(ウォブルナンバー35)のウォブルから55番目(ウォブルナンバー55)のウォブルまでの21ウォブルである。
つまり、27ウォブルの連続無変調領域に対応した連続無変調成分を検出した時点では、検出した連続無変調成分が、Sync_0中の連続無変調成分なのか、モノトーンウォブル中の連続無変調成分なのか区別することは難しい。しかし、28ウォブル以上の連続無変調領域に対応した連続無変調成分を検出した時点で、検出した連続無変調成分が、モノトーンウォブル中の連続無変調成分であると判断することができる。
第2実施形態に係る信号検出装置は、オフセット補償部21で補正した補正ウォブル信号(補正コサイン相関検波信号)に基づき、MSK変調領域に対応したMSK変調成分を検出する。つまり、図11に示すように、第2実施形態に係る信号検出装置は、隣接トラックから位相干渉の影響を受けたウォブル信号を補正した補正ウォブル信号(補正コサイン相関検波信号)に基づき、MSK変調領域に対応した無変調成分のウォブル数をカウントし、カウント結果に基づき所定期間にわたりゲート信号を生成し、ゲート信号生成期間においてMSK変調成分を検出し、検出したMSK変調成分をSYNC中の先頭に位置するMSK変調領域に対応したMSK変調成分と判定する。なお、オフセット補償部21によるウォブル信号の補正(補正コサイン相関検波信号の生成)については、第1実施形態で説明した通りである。
さらに詳しく説明すると、モノトーンカウンタ233は、信号レベル判定部231による信号レベル(MSK変調成分又は無変調成分の検出結果)に基づき、MSK変調領域の後続の無変調領域(無変調成分)に対応したウォブル数をカウントする。モノトーンカウンタ233は、無変調領域が途切れると(信号レベルが閾値を下回ると)カウント値をクリアし(カウント値を0に設定し)、再び検出された無変調領域に対応したウォブル数をカウントする。これによりモノトーンカウンタ233のカウント値が非常に大きい値になることはなく、モノトーンカウンタ233の回路規模を比較的小さくすることができ、隣接トラックの位相干渉の影響を小さくすることが可能となる。
ゲート生成部234は、第1のウォブル数(例えば51ウォブル(カウント値50))をカウントしてから、カウント値がクリアされ、再び第2のウォブル数(例えば3ウォブル(カウント値2))をカウントするまでのカウント期間に対応してゲート信号を生成する。なお、第1のウォブル数は、28ウォブル(カウント値27)から53ウォブル(カウント値52)までの任意の値を設定することができる。また、第2のウォブル数も、第2のMSK変調領域の前(Data_1の前の12ウォブル目)までの任意の値を設定することができる。
MSK検出部235は、補正コサイン相関検波信号のレベル変化に基づき、MSK変調成分を検出し、MSK検出信号を生成する。さらに、MSK検出部235は、ゲート信号の生成期間中のMSK検出信号の生成に対応して、SYNCの先頭位置のMSK変調領域に対応したMSK変調成分を検出したことを示すSYNC先頭MSK検出信号を生成する。つまり、信号検出装置は、ゲート信号の生成期間に検出されたMSK変調成分を、Sync_0、Sync_1、Sync_2、又はSync_3の先頭位置のMSK変調領域に対応したMSK変調成分と判定することができる。つまり、信号検出装置は、上記した第1のウォブル数をカウントしてから第2のウォブル数をカウントするまでのカウント期間に対応して生成されたゲート信号に基づき、SYNCの先頭位置のMSK変調領域に対応したMSK変調成分を確実に検出することができる。
例えば、MSK変調領域(3ウォブル)と同じ区間にわたり、ゲート信号を生成した場合、ウォブルスリップなどでMSK変調成分の検出を逃してしまうことがある。また、ゲート信号の生成区間を長くしすぎると、SYNCの先頭位置のMSK変調領域以外のMSK変調領域に対応したMSK変調成分を検出してしまう。そこで、第2実施形態の信号検出装置のゲート生成部234は、上記したように、第1のウォブル数(28ウォブル〜53ウォブル)をカウントしてから、カウント値がクリアされ、再び第2のウォブル数(1ウォブルから9ウォブル)をカウントするまでのカウント期間に対応してゲート信号を生成する。これにより、ゲート信号生成区間は、MSK変調領域(3ウォブル)より長い適切な長さとなる。
図12は、STW変調領域(STW0変調領域又はSTW1変調領域)のウォブル信号をカウントせず、SYNCパターンの先頭MSK変調を検出処理しない一例を説明するための図である。
STW変調領域に対応したコサイン相関検波値と、無変調領域に対応したコサイン相関検波値とはレベル差があり、信号レベル判定部231は、レベル差に基づき、STW変調領域に対応したコサイン相関検波値と無変調領域に対応したコサイン相関検波値とを区別することができる。例えば、6ビット精度のA/DコンバータでA/D変換し、10ビット精度のコサイン相関検波値を算出した場合、30〜40程度の振幅レベル差を検出することができる。また、STW変調領域に対応したコサイン相関検波値の最大値を閾値としてこの閾値以上を無変調領域として判定することができる。或いは、無変調領域に対応したコサイン相関検波値の最小値を閾値としてこの閾値以下をSTW変調領域として判定することができる。
このようにして、信号レベル判定部231は、MSK変調成分を正確に判定できるだけでなく、無変調成分及びSTW変調成分を正確に判定することができ、モノトーンカウンタ233は、無変調領域に対応したウォブル数をカウントし、STW変調領域(STW変調成分)に対応したウォブル数はカウントしない。例えば、図12に示すように、STW変調領域に対応したウォブル数はカウントアップせずに、カウント値をホールドし、MSK変調領域ではカウント値をクリアする。これにより、Reference、Data_0、Data_1はSTW変調領域を含むが、STW変調領域に対応したウォブル数はカウントアップされない。
上記したように、MSK検出部235は、補正コサイン相関検波信号のレベル変化に基づき、MSK変調成分を検出し、MSK検出信号を生成する。さらに、MSK検出部235は、ゲート信号の生成期間中のMSK検出信号の生成に対応して、SYNCの先頭位置のMSK変調領域に対応したMSK変調成分を検出したことを示すSYNC先頭MSK検出信号を生成する。ところが、上記したように、STW変調領域に対応したウォブル数はカウントアップされないため、STW変調領域の後のMSK変調領域に対応して、ゲート信号は生成されない。よって、MSK検出部235は、補正コサイン相関検波信号のレベル変化に基づき、MSK変調成分を検出し、MSK検出信号を生成しても、ゲート信号が生成していないことから、SYNC先頭MSK検出信号を生成しない。このようにして、信号検出装置は、SYNCの先頭のMSK変調領域以外のMSK変調領域に対応したMSK変調成分が、SYNCの先頭のMSK変調領域に対応したMSK変調成分として、誤検出されるのを防止することができる。
よって、SYNCの先頭のMSK変調領域に対応したMSK変調成分(ウォブルナンバー0〜2)を正確に検出することができ、これにより、各同期カウンタ(例えばカウンタ31)のカウント値とウォブル信号とを正確に同期させることができ、物理アドレスなどを早期に正確に検出することが可能となる。なお、図12を参照し、STW変調領域の検出に対応してカウント値をホールドするケースについて説明したが、STW変調領域の検出に対応してカウント値をクリアしても良い。
上記した第2実施形態に係る信号検出装置によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1)信号検出装置は、入力ウォブル信号から無変調領域に対応した無変調成分を検出し、無変調成分に対応したウォブル数をカウントし、カウント結果に応じて所定期間(第1のウォブル数をカウントしてから第2のウォブル数をカウントする期間)にわたりゲート信号を生成し、ゲート信号の生成に応じてMSK変調領域を検出する。これにより、モノトーンウォブル中の無変調領域の後続のMSK変調領域に対応したMSK変調成分を正確に検出することができる。つまり、SYNCの先頭位置のMSK変調領域に対応したMSK変調成分を正確に検出することができる。これにより、SYNCの誤検出を低減することができる。つまり、信号検出装置は、SYNCの検出信頼性向上を図ることができる。
(2)上記により、信号検出装置は、早期に正確にSYNCを検出することができ、これにより物理フォーマットの各信号の同期を早期に取ることができ、これにより早期に正確に物理アドレスを検出することができる。
(3)上記したように、信号検出装置は、SYNCの先頭位置のMSK変調領域に対応したMSK変調成分と、SYNCの先頭位置以外のMSK変調領域に対応したMSK変調成分とを区別して検出することができる。例えば、SYNCの先頭には3ウォブルで構成されたMSK変調領域が配置され、SYNCの先頭以外にも3ウォブルで構成されたMSK変調領域が配置されているが、信号検出装置は、SYNCの先頭位置のMSK変調領域に対応したMSK変調成分と、SYNCの先頭位置以外のMSK変調領域に対応したMSK変調成分とを区別して検出することができる。よって、第2実施形態の信号検出装置による信号検出処理を適用しない場合、SYNCの先頭位置のMSK変調領域に対応したMSK変調成分と、SYNCの戦闘位置以外のMSK変調領域に対応したMSK変調成分とを区別して検出しようとすると、検出処理が複雑になり、SYNCの先頭位置のMSK変調領域に対応したMSK変調成分を誤検出する可能性が生じる。第2実施形態の信号検出装置は、SYNC別(Sync_0、Sync_1、Sync_2、Sync_3)の検出回路を必要とせずに、SYNCの先頭位置のMSK変調領域に対応したMSK変調成分を比較的小規模な回路構成で実現することができる。つまり、第2の実施形態の信号検出装置を低コストで構成することができる。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…ウォブルPLL回路、2…MSK検出/STW検出/物理アドレス検出回路、3…カウンタ回路、11…A/Dコンバータ、12…位相検出部、13…位相制御部、14…D/Aコンバータ、15…VCO、21…オフセット補償部、22…STW検出部、23…MSK検出部、24…物理アドレス検出部、31…カウンタ管理部、121…フィルター、122…基準コサイン波生成部、123…積分器、124…基準2倍サイン波生成部、125…積分器、211…+値ホールド部、212…−値ホールド部、213…閾値生成部、214…閾値選択部、215…オフセット補正部、221…STW0/STW1検出部、222…値ホールド部、231…信号レベル判定部、232…2値化処理部、233…モノトーンカウンタ、234…ゲート生成部、235…MSK検出部
Claims (10)
- 光ディスクのウォブルトラックから検出されたウォブル信号を入力し、
前記ウォブル信号及び基準コサイン波からコサイン相関検波信号を生成し、
前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、第1の無変調領域に対応した第1の無変調成分を検出し、
前記第1の無変調成分に対応したウォブル数をカウントし、
カウント結果に応じて第1の期間にわたりゲート信号を生成し、
前記ゲート信号生成の前記第1の期間における前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、前記第1の期間より短い第2の期間に対応した所定ウォブル数で構成された第1のMSK(Minimum Shift Keying)変調領域に対応した第1のMSK変調成分を検出する、
ことを特徴とする信号検出方法。 - 第1のウォブル数をカウントしてから第2のウォブル数をカウントするまでの前記第1の期間にわたりゲート信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の信号検出方法。
- 前記第1の無変調成分の検出状態から未検出状態へ遷移した場合、前記第1の無変調成分に対応したウォブル数のカウント結果をリセットすることを特徴とする請求項1に記載の信号検出方法。
- 前記ウォブル信号は、物理アドレスに対応し、
前記物理アドレスは、前記第1のウォブル数より大きい第3のウォブル数で構成された第1のパターン及び第2のパターンを含み、
前記第1のパターンは、前記第1のウォブル数より大きく前記第3のウォブル数より小さい第4のウォブル数で構成された前記第1の無変調領域を含み、
前記第2のパターンは、前記第1のMSK変調領域を含み、
前記ゲート信号生成の前記第1の期間における前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、前記第1のパターンの後続の前記第2のパターンに含まれた前記第1のMSK変調領域に対応した前記第1のMSK変調成分を検出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の信号検出方法。 - 前記第1のパターンは、前記所定ウォブル数で構成された第2のMSK変調領域を含み、
前記ゲート信号生成の前記第1の期間における前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、前記第2のMSK変調領域と異なる位置に配置された前記第1のMSK変調領域に対応した前記第1のMSK変調成分を検出する、
ことを特徴とする請求項4に記載の信号検出方法。 - 前記第2のパターンは、先頭位置に前記第1のMSK変調領域を含み、先頭位置と異なる位置に前記所定ウォブル数で構成された第3のMSK変調領域を含み、
前記ゲート信号生成の前記第1の期間における前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、前記第2のMSK変調領域及び前記第3のMSK変調領域と異なる位置に配置された前記第1のMSK変調領域に対応した前記第1のMSK変調成分を検出する、
ことを特徴とする請求項5に記載の信号検出方法。 - 前記第2のパターンは、前記第1のMSK変調領域及び前記第1のウォブル数より短い第5のウォブル数で構成された第2の無変調領域を含み、
前記第2の無変調領域に対応したウォブル数をカウントしても前記第1のウォブル数に達しないことから、前記第2の無変調領域のカウント結果に応じて前記ゲート信号を生成しないことを特徴とする請求項4に記載の信号検出方法。 - 前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、前記第1のMSK変調領域に対応した前記第1のMSK変調成分、前記第1の無変調領域に対応した前記第1の無変調成分、及びSTW(Saw Tooth Wobble)変調領域に対応したSTW変調成分を検出し、
前記第1の無変調成分に対応したウォブル数をカウントする、
ことを特徴とする請求項1に記載の信号検出方法。 - 前記STW変調領域の検出に応じてカウント値をホールド又はリセットすることを特徴とする請求項8に記載の信号検出方法。
- 光ディスクのウォブルトラックから検出されたウォブル信号を入力する入力手段と、
前記ウォブル信号及び基準コサイン波からコサイン相関検波信号を生成する第1の生成手段と、
前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、第1の無変調領域に対応した第1の無変調成分を検出する第1の検出手段と、
前記第1の無変調成分に対応したウォブル数をカウントするカウント手段と、
カウント結果に応じて第1の期間にわたりゲート信号を生成する第2の生成手段と、
前記ゲート信号生成の前記第1の期間における前記コサイン相関検波信号の信号レベル変化に基づき、前記第1の期間より短い第2の期間に対応した所定ウォブル数で構成された第1のMSK(Minimum Shift Keying)変調領域に対応した第1のMSK変調成分を検出する第2の検出手段と、
を備えたことを特徴とする信号検出装置。
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JP2010039189A JP2011175707A (ja) | 2010-02-24 | 2010-02-24 | 信号検出方法及び信号検出装置 |
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JP2004014087A (ja) * | 2002-06-11 | 2004-01-15 | Sony Corp | ディスク記録媒体、ディスク製造方法、ディスクドライブ装置 |
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