JP2011174449A - 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮機構部へのスパッタ侵入を防ぎ、スパッタが原因で起こる摺動の噛り、焼付けによるロック事故などを防止して、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供する。また、信頼性の高い冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】本密閉型圧縮機は圧縮機構部及び電動機部を収容するケーシングを複数個のケーシング部材に分割して、これらケーシング部材のケース開口部の端面を突合わせ、突合わされるケース開口部の少なくとも一方にプロジェクションを全周に渡り形成し、突合せ抵抗溶接によりケーシングを形成する密閉型圧縮機において、溶接で飛散するスパッタがケーシング内部及び圧縮機構部に侵入することを防ぐための封止手段を備える。また、本冷凍サイクル装置は上記密閉型圧縮機を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】本密閉型圧縮機は圧縮機構部及び電動機部を収容するケーシングを複数個のケーシング部材に分割して、これらケーシング部材のケース開口部の端面を突合わせ、突合わされるケース開口部の少なくとも一方にプロジェクションを全周に渡り形成し、突合せ抵抗溶接によりケーシングを形成する密閉型圧縮機において、溶接で飛散するスパッタがケーシング内部及び圧縮機構部に侵入することを防ぐための封止手段を備える。また、本冷凍サイクル装置は上記密閉型圧縮機を備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置に係り、特にケーシング接合構造を改良した密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置に関する。
一般に小型サイズの密閉型圧縮機は、小型で肉薄のケーシング内に圧縮機構部と電動機部を収容してなる。
このようなケーシングの製造において、ケーシング接合にマグ溶接を用いると、溶接時の熱によるケーシングの変形の影響が高いため、プロジェクション溶接が用いられている。
従来のプロジェクション溶接は、ケーシングを構成する円筒形状の筒体と蓋体を接合する際、筒体及び蓋体の端面にプロジェクション(突起)を形成し、これら端部同士に均一な力がかかるように加圧しながら、互いに接合する筒体と蓋体間に電流を流して機械的に一体化する、いわゆる突合せ抵抗溶接が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、筒体及び蓋体に大径端部を設け、ここを溶接部分にした突合せ抵抗溶接が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1、2に記載の溶接方法では、溶接時に発生するスパッタ(溶接時に飛散する微粒子)がケーシングの内外に飛散してしまい、このようなケーシングを用いた密閉型圧縮機を冷凍サイクル装置に組込んで使用した場合、スパッタが圧縮機構部へ侵入することがあり、このスパッタが原因で摺動の噛り、焼付けによるロック事故などが発生し、密閉型圧縮機の信頼性が低下する問題があった。
また、このような密閉型圧縮機を組込んだ冷凍サイクル装置は信頼性に欠ける問題があった。
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、圧縮機構部へのスパッタ侵入を防ぎ、スパッタが原因で起こる摺動の噛り、焼付けによるロック事故などを防止して、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
また、信頼性の高い冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明に係る密閉型圧縮機は、圧縮機構部及び電動機部を収容するケーシングを複数個のケーシング部材に分割して、これらケーシング部材同士を突合わせ、突合わされるケーシング部材の少なくとも一方にプロジェクションを形成し、突合せ抵抗溶接によりケーシングを形成する密閉型圧縮機において、溶接で飛散するスパッタが前記ケーシング内部に侵入することを防ぐための封止手段を備えたことを特徴とする。
本発明に係る密閉型圧縮機によれば、圧縮機構部へのスパッタ侵入を防ぎ、スパッタが原因で起こる摺動の噛り、焼付けによるロック事故などを防止して、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
また、本発明に係る冷凍サイクル装置によれば、信頼性の高い冷凍サイクル装置が実現される。
本発明に係る密閉型圧縮機及び冷凍サイクル装置の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1に示すように、本第1実施形態に係る冷凍サイクル装置41は、第1実施形態の密閉型圧縮機1と、凝縮器42と、膨張装置43と、蒸発器44とを備える。
本第1実施形態の密閉型圧縮機1は、ケーシング2を備え、このケーシング2内には電動機部3と回転軸4を介して回転される圧縮機構部5が収容されている。
ケーシング2は複数個、例えば円筒形状のケーシング本体を形成するケーシング部材、例えば、筒体23と、この筒体23の上部開口22を塞ぐ上部蓋体21と、筒体23の下部開口24を塞ぐ下部蓋体25からなり、上部蓋体21が上部開口22に、平板状の下部蓋体25が下部開口24に各々接合されている。
この接合は図2に示すような溶接部を形成して行われる。
この接合は図2に示すような溶接部を形成して行われる。
すなわち、上部蓋体21の蓋端面26の略中央部には、断面が二等辺台形状のプロジェクション(突起)27がリング状に形成され、両側部には水平に延びる平坦部28、29が形成されている。
一方、筒体23の筒体端面30には、プロジェクション27に対向し、このプロジェクション27と略同じ幅を持つ断面が扁平長方体形状の溝部31がリング状に設けられ、両端には平坦部28、29と平行に延びる平坦部32、33が形成されている。
そして、溶接前、上部蓋体21を筒体23に押付け、溝部31の底部31aがプロジェクション27の頂部27aに当接させた状態では、プロジェクション27の高さと溝部31の深さの差により、蓋端面26と筒体端面30間にわずかな間隙gが形成される。
このような溶接部構造を用いて突合せ抵抗溶接を行う。
そして、上部蓋体21を筒体23に押付けた状態で、筒体23、上部蓋体21間に大きな電流を流す。
そして、上部蓋体21を筒体23に押付けた状態で、筒体23、上部蓋体21間に大きな電流を流す。
電流が流されると、プロジェクション27に電流が集中し、頂部27aと底部31aが加熱と同時に加圧接合(溶接)される。
なおこのとき、平坦部28、29及び平坦部32、33間には間隙gが形成されているので、平坦部28、29及び平坦部32、33間には電流が流れない。
図3に示すように、この加圧接合に伴い、頂部27aの高さが順次減じ、平坦部28、29及び平坦部32、33が当接して、プロジェクション27と溝部31間に接合と略同時に封止空間Sが形成される。
従って、溶接時に発生するスパッタは、溶接と略同時に形成される封止空間Sによって、閉じ込められ、ケーシング内に飛散することがない。
これにより、圧縮機構部へのスパッタ侵入を防ぎ、スパッタが原因で起こる摺動の噛り、焼付けによるロック事故などを防止して、信頼性を向上させることができる。
ここで、溶接部の具体的構成について説明する。
例えば、プロジェクション27の高さは2.0mm、溝部31の深さは1.5mmにする。プロジェクション27の頂部27aと溝部31の底部31aを突合せ、抵抗溶接を実施する。
例えば、プロジェクション27の高さは2.0mm、溝部31の深さは1.5mmにする。プロジェクション27の頂部27aと溝部31の底部31aを突合せ、抵抗溶接を実施する。
接合後はプロジェクション27が高さ0.5mm(間隔gに相当)だけ潰れる設計であり、溶接前に未接触の状態にあった平坦部28、29及び平坦部32、33が互いに重なることで封止空間Sが形成され、ケーシング内側方向へ飛散したスパッタを封止空間Sに閉じ込める。
次に、本発明に係る密閉型圧縮機の第2実施形態について説明する。
本第2実施形態は、第1実施形態がプロジェクションと溝部を用い両者間に封止空間を形成するのに対して、蓋端面及び筒体端面の両端面の外側近傍にプロジェクションを形成し、これらプロジェクションより内側に封止空間を設ける。
本第2実施形態は、第1実施形態がプロジェクションと溝部を用い両者間に封止空間を形成するのに対して、蓋端面及び筒体端面の両端面の外側近傍にプロジェクションを形成し、これらプロジェクションより内側に封止空間を設ける。
例えば、図4に示すように、第2実施形態の密閉型圧縮機は、溶接部となる蓋端面26及び筒体端面30の外周側近傍に、各々プロジェクション27、34がリング状に形成され、このプロジェクション27、34より内周側で略中央には各々逆二等辺台形状の溝部35、36が形成され、さらに、溝部35、36より内周側には、各々平坦部28、32が形成される。
そして、平坦部28、32間には間隙gが形成されるように、プロジェクション27、34の高さが調整される。
図5に示すように、溶接後は、プロジェクション27、34間で接合され、平坦部28、32間が気密的に当接し、溝部35、36により封止空間Sが形成される。
これにより、第1実施形態と同様の効果が得られるとともに、本第2実施形態では蓋端面と筒体端面の形状を統一化できるため、加工コストを抑えることができる。
他の構成は図1に示す密閉型圧縮機と変わらないので、説明は省略する。
他の構成は図1に示す密閉型圧縮機と変わらないので、説明は省略する。
また、本発明に係る密閉型圧縮機の第3実施形態について説明する。
本第3実施形態は、第2実施形態が筒体端面及び蓋端面の両端面の外周側近傍にプロジェクションを形成し、このプロジェクションより内周側に封止空間を設けるのに対して、蓋端面を平坦にし、筒体端面の外周側近傍にプロジェクションを形成し、このプロジェクションより内周側に封止空間を設ける。
例えば、図6に示すように、第3実施形態の密閉型圧縮機は、溶接部となる上部蓋体21の蓋端面26は平坦面をなし、筒体23の筒体端面30の外周側近傍には、プロジェクション34がリング状に形成され、このプロジェクション34より内周側で略中央には二等辺台形状の溝部36が形成され、さらに、この溝部36より内周側には、平坦部32が形成される。
そして、蓋端面26と平坦部32間には間隙gが形成されるように、プロジェクション27の高さが調整される。
図7に示すように、溶接後は、プロジェクション34と蓋端面26間で接合され、蓋端面26と平坦部32間が気密的に当接し、溝部36に封止空間Sが形成される。
これにより、第1実施形態と同様の効果が得られるとともに、蓋端面がシンプルな平坦面であるため、第2実施形態よりもさらに加工コストを抑えることができる。
また、本第3実施形態は平板状の下部蓋体25を下部開口24に接合する場合にも適用できる。
また、本第3実施形態は平板状の下部蓋体25を下部開口24に接合する場合にも適用できる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機の第4実施形態について説明する。
本第4実施形態は、第2実施形態が筒体端面及び蓋端面の両端面の外周側近傍にプロジェクションを形成し、これらプロジェクションより内周側に封止空間を設けるのに対して、封止空間は拡径された溶接部と、溶接の際にケーシング部材の内側全周に配置された絶縁材との間に形成される。
本第4実施形態は、第2実施形態が筒体端面及び蓋端面の両端面の外周側近傍にプロジェクションを形成し、これらプロジェクションより内周側に封止空間を設けるのに対して、封止空間は拡径された溶接部と、溶接の際にケーシング部材の内側全周に配置された絶縁材との間に形成される。
例えば、図8に示すように、第4実施形態の密閉型圧縮機は、溶接部となる筒体23と上部蓋体21の開口部が拡径され、蓋端面26及び筒体端面30の略中央部には、各々プロジェクション27、34がリング状に形成され、封止空間Sは、溶接の際に上部蓋体21と筒体23の内側全周に配置された絶縁材6との間に形成される。
図9に示すように、絶縁材6は拡径部同士を互いに突合わせることでできたケース内部空間s0に、剛体、あるいは弾性体の絶縁材6を全周に亘り挟込んだ状態で接合し、絶縁材の変形を利用して絶縁材を固定することで封止空間Sを形成する。
第1実施形態において、封止空間Sを形成させるためのプロジェクションの潰れ代は、加圧力、充電電圧、電流等の接合条件により自在に変更できるが、接合強度に関わるために取扱いが高度になる。
これに対して、本第4実施形態では封止空間に関係なく、接合強度に着目したプロジェクションを形成できる。さらに、溶接の際はケース開口部の筒体端面全体(全面積)を溶接面として有効利用できるため、板厚の薄いケースの場合などにおいても溶接強度を容易かつ十分確保できる。
本密閉型圧縮機の製造方法は、電動機部3と圧縮機構部5を一体に組立てた後、予め第3実施形態の溶接部を用いて、下部蓋体25を筒体23の下部開口24に接合し、しかる後、電動機部3及び圧縮機構部5を収容し、電動機部3を筒体23に嵌合支持する。その後、第1〜4実施形態の溶接部を用いて、上部蓋体21を筒体23に接合する。
また、本密閉型圧縮機の他の製造方法は、電動機部3と圧縮機構部5を一体に組立てた後、予め第1〜4実施形態の溶接部を用いて、上部蓋体21を筒体23に接合し、電動機部3及び圧縮機構部5を収容し、電動機部3を筒体23に嵌合支持する。その後、第3実施形態の溶接部を用いて、下部蓋体25を筒体23の下部開口24に接合する。
上述のように、本実施形態に係る密閉型圧縮機によれば、圧縮機構部へのスパッタ侵入を防ぎ、スパッタが原因で起こる摺動の噛り、焼付けによるロック事故などを防止して、信頼性の高い密閉型圧縮機が実現される。
また、本発明に係る密閉型圧縮機を用いることにより、信頼性の高い冷凍サイクル装置が実現される。
1…密閉型圧縮機、2…ケーシング、21…上部蓋体、22…上部開口、23…筒体、24…下部開口、25…下部蓋体、26…蓋端面、27…プロジェクション(突起)、27a…頂部、28、29…平坦部、30…筒体端面、31…溝部、32、33…平坦部、31a…底部、3…電動機部、4…回転軸、41…冷凍サイクル装置、42…凝縮器、43…膨張装置、44…蒸発器、5…圧縮機構部、g…間隙。
Claims (5)
- 圧縮機構部及び電動機部を収容するケーシングを複数個のケーシング部材に分割して、これらケーシング部材同士を突合わせ、突合わされるケーシング部材の少なくとも一方にプロジェクションを形成し、突合せ抵抗溶接によりケーシングを形成する密閉型圧縮機において、
溶接で飛散するスパッタが前記ケーシング内部に侵入することを防ぐための封止手段を備えたことを特徴とする密閉型圧縮機。 - 前記封止手段は、溶接部の内周側に形成した封止空間であることを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。
- 前記封止空間は、突合わされる前記ケーシング部材の開口部の端面に形成されることを特徴とする請求項2に記載の密閉型圧縮機。
- 前記ケーシング部材は、開口部が拡径され、前記封止空間は、拡径された開口部と、溶接の際にケーシング部材の内側全周に配置された絶縁材との間に形成されることを特徴とする請求項2に記載の密閉型圧縮機。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と蒸発器とを備えたことを特徴とする冷凍サイクル装置。
Priority Applications (1)
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JP2010040772A JP2011174449A (ja) | 2010-02-25 | 2010-02-25 | 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置 |
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JP2010040772A JP2011174449A (ja) | 2010-02-25 | 2010-02-25 | 密閉型圧縮機および冷凍サイクル装置 |
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Cited By (3)
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CN104801872A (zh) * | 2015-05-04 | 2015-07-29 | 河南鸿昌电子有限公司 | 一种半导体致冷件焊接机 |
CN107923417A (zh) * | 2015-08-21 | 2018-04-17 | 株式会社爱德克斯 | 储压器 |
CN114526236A (zh) * | 2022-04-01 | 2022-05-24 | 广东美芝精密制造有限公司 | 下端盖、压缩机壳体、压缩机和温控设备 |
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2010
- 2010-02-25 JP JP2010040772A patent/JP2011174449A/ja active Pending
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CN104801872B (zh) * | 2015-05-04 | 2017-04-05 | 河南鸿昌电子有限公司 | 一种半导体致冷件焊接机 |
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CN107923417B (zh) * | 2015-08-21 | 2019-12-10 | 日本发条株式会社 | 储压器 |
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