JP2011173214A - 中ぐり加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油や熱などの影響を受けにくく、動作の信頼性が高い中ぐり加工装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る中ぐり加工装置は、主軸2と工具ホルダー1との間に設けられ、この工具ホルダーを軸線から傾斜させる傾動ユニット4と、主軸内で軸線方向に往復動可能なドローバー7と、主軸を前記軸線回りに回転させる第1の駆動手段と、ドローバーを前記軸線方向に往復動させる第2の駆動手段と、を備えている。傾動ユニット4は、軸線方向においてドローバー7と工具ホルダー1との間に連結され、主軸2の一端部との間に隙間を介して配置される基部42と、主軸2の一端部において軸線から径方向に離れた位置に固定された固定部44と、基部42と固定部44とを径方向に連結する連結部43と、を備え、固定部44及び連結部43の少なくとも一方が弾性変形可能に構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、非円形加工が可能な中ぐり加工装置に関する。
従来より、中ぐり加工を行うための種々の装置が提案されてきたが、近年は、一般的な円形の穴のみならず、非円形の穴を形成するための中ぐり加工が要望されている。例えば、特許文献1の中ぐり加工装置は、棒状に延びる工具ホルダーの先端に設けられた工具を、圧電素子によって径方向に突出させている。そして、圧電素子によって工具の突出長さを調整しながら、工具ホルダーを軸回りに回転させることで、非円形の穴を形成する中ぐり加工を行っている。
特開平11−179605号公報
しかしながら、上記装置では、工具の突出長さの調整に圧電素子を用いているため、種々の問題がある。例えば、加工中に用いられる潤滑油や熱によって、圧電素子が損傷するおそれがある。また、工具ホルダーは高速で回転するため、圧電素子に対して安定した制御信号を送ることが難しいという問題もある。その結果、高精度の加工を期待できない可能性がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、潤滑油や熱などの影響を受けにくく、動作の信頼性が高い中ぐり加工装置を提供することを目的とする。
本発明に係る中ぐり加工装置は、中空の主軸と、所定の軸線回りに前記主軸を回転自在に支持するテーブルと、棒状に延び、前記主軸とともに同軸で回転する工具ホルダーと、前記工具ホルダーの先端部に設けられ、径方向に突出する工具と、前記主軸と工具ホルダーとの間に設けられ、当該工具ホルダーを前記軸線から傾斜させる傾動ユニットと、前記主軸内で前記軸線方向に往復動可能なドローバーと、前記主軸を前記軸線回りに回転させる第1の駆動手段と、前記ドローバーを前記軸線方向に移動させる第2の駆動手段と、を備え、前記傾動ユニットは、前記軸線方向において前記ドローバーと工具ホルダーとの間に連結され、前記主軸の一端部との間に隙間を介して配置される基部と、前記主軸の一端部において前記軸線から径方向に離れた位置に固定された固定部と、前記基部と固定部とを径方向に連結する連結部と、を備え、前記固定部及び連結部の少なくとも一方が弾性変形可能に構成されている。
この構成によれば、ドローバーを軸線方向に移動させて、傾動ユニットの基部を主軸側に引っ張ると、固定部及び連結部の少なくとも一方が弾性変形するため、基部に連結された工具ホルダーを軸線から傾斜させることができる。一方、ドローバーの引っ張り力を解除すると、弾性により固定部または連結部が元の形状に復帰するため、これとともに基部も元の位置に戻り、工具ホルダーが軸線に沿う位置に復帰する。このように工具ホルダーを傾斜させることで、工具を径方向に移動させることができるため、非円形の穴を形成する中ぐり加工を行うことができる。以上のように、本発明においては、ドローバーによる引っ張りにより、機械的に工具を径方向に移動させている。そのため、従来例のような圧電素子を用いて工具を移動させるのに比べ、潤滑油や熱が加工動作に影響を与えるのを抑制することができ、動作の信頼性を高めることができる。その結果、加工精度を向上することができる。
ドローバーを移動させる第2の駆動手段は種々の構成をとることができる。例えば、第2の駆動手段を、ドローバーに対して軸線回りに回転自在に連結されたボールネジと、主軸に対して軸線方向移動不能で、かつ、軸線回りへの回転を不能とするようにテーブル上に支持され、ボールネジに螺合するナットと、ボールネジを回転駆動する軸方向モータとで構成することができる。この構成によれば、軸方向モータによりボールネジを回転させると、これに連結されたドローバーが軸線方向に移動する。これにより、ドローバーが傾動ユニットの基部を引っ張り、工具ホルダーを軸線に対して傾斜させることができる。その際に、ドローバーの引っ張り力はナットを介して主軸で受けられるため、主軸には軸線方向の力が作用しない。このため、主軸の支持を行う軸受には負荷が掛かることはないので加工精度を安定させることができる。
ところで、中ぐり加工中に生じる熱は工具ホルダーを通じてドローバー周辺の各部に伝播し、各部の膨張・収縮による歪がドローバーを経由して工具の原位置を狂わせ、加工精度の低下の原因となる可能性がある。そこで、第2の駆動手段に、テーブル上に配置され、ナットを軸線方向に移動自在に案内する支持部と、主軸に前記軸線方向移動不能に遊嵌したユニットとを設け、さらに連結ユニットと支持部との固定及び当該固定の解除を行う解除ユニットを設けることにより、上記問題を解決することができる。
すなわち、上記のように第2の駆動手段を構成すると、次の効果を得ることができる。まず、解除ユニットにおいて、連結ユニットと支持部とを固定した場合、ナットは、連結ユニットを介して主軸と固定されているため、軸線モータを駆動すると、ボールネジがテーブルに対して回転する。これにより、ドローバーを軸線方向に移動させることができる。一方、解除ユニットにおいて、連結ユニットと支持部との固定を解除すると、支持部すなわちナットが連結ユニットに対して相対移動可能となるため、加工時の熱による歪を吸収して工具を設定した原位置にリセットすることができ、長時間の加工でも加工精度が低下するのを防止することができる。
上記傾動ユニットにおいて、基部に、軸線と直交する直交軸線回りに回転自在に支持された軸部材を設けることができる。そして、ドローバーと工具ホルダーとを、軸部材を介して連結することができる。
この構成によれば、基部が弾性変形する際にドローバーをこじることなく主軸2内を真っ直ぐ変位させつつ、連結部を支点として工具ホルダを揺動させることができる。よって、主軸内で回転中心位置からドローバーの回転がブレて(アンバランスになって)主軸に振動が発生するようなことはなく加工精度を均一に保つことができる。
また、傾動ユニットに、基部を挟んで、固定部とは径方向の反対側に配置されたバランス部材をさらに設けることができる。そして、このバランス部材は、固定部及び連結部と同等の重量とすることができる。このように、基部を挟んで、固定部及び連結部の反対側にバランス部材を配置すると、主軸の一端部における径方向の重量バランスが保たれる。その結果、主軸を安定的に回転させることができる。
本発明に係る中ぐり加工装置によれば、潤滑油や熱などの影響を受けにくく、動作の信頼性を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る中ぐり加工装置の断面図である。 図1の中ぐり加工装置により加工が可能な穴の形状を示す斜視図である。 図3は主軸の前端近傍の断面図である。 傾動ユニットの分解斜視図である。 図3のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 図6のC−C線断面図である。
以下、本発明に係る中ぐり加工装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態の中ぐり加工装置の断面図、図2はこの中ぐり加工装置により加工が可能な穴の形状を示す斜視図である。なお、以下では、説明の便宜のため、図1を基準として、この図の左側を「前」または「先」、右側を「後」、上下の方向を「上下」として、他の図面の説明も行うこととする。
本実施形態では、一例として、エンジンのピストンを加工対象であるワークWとし、このピストンのピン穴を加工する中ぐり加工装置について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る中ぐり加工装置は、棒状に延びる工具ホルダー1と、この工具ホルダー1を軸線回りに回転させる主軸2とを備えており、これらがテーブル3上に配置されている。この工具ホルダー1の軸線Xは、ワークWのピン穴に予め設けられた下穴の中心軸Y(図2参照)とほぼ一致している。そして、工具ホルダー1の先端には、軸線方向に突出する工具11が着脱自在に取り付けられており、この工具11の径方向変位を制御プログラムによってコントロールすることで、下穴の内壁面を所望の形状に加工する。本実施形態では、図2に示すように、下穴100の内壁面を加工し、断面が非円形のトランペット型のピン穴200を加工する。
主軸2は、テーブル上に配置されたハウジング21内に回転自在に収容されており、ハウジング21から前端部及び後端部が突出している。ハウジング21内には、主軸モータ(図示省略)が配置されており、この主軸モータによって、主軸2が軸線回りに回転駆動される。主軸2の前端部には、後述する傾動ユニット4を介して工具ホルダー1が取り付けられている。一方、主軸2の後端部には、工具ホルダー1を径方向に操作するための駆動ユニット(第2の駆動手段)が配置されており、ハウジング21とともに、テーブル3上に配置されている。また、テーブル3は、基台6上にレール61を介して配置されており、基台6に対して前後方向に移動可能となっている。そして、基台6の後端部には、テーブル3を前後方向に移動させるための前後進モータ62が配置されている。これにより、テーブル3上の工具ホルダー1をワークWに対して、近接離間させることができる。
次に、主軸の前端部近傍の構成について、図3から図5も参照しつつ説明する。図3は主軸の前端近傍の断面図、図4は傾動ユニットの分解斜視図、図5は図3のA−A線断面図である。
図3に示すように、工具ホルダー1は、傾動ユニット4を介して主軸2の前端部に取り付けられている。主軸2は、中空に形成されており、その内部には、軸線方向に往復動可能なドローバー7が挿通されている。ドローバー7の先端は、傾動ユニット4に接続されている。図3及び図4に示すように、傾動ユニット4は、主軸2の先端面に取り付けられる円板41を有しており、この円板41の中心穴411からドローバー7の先端部が突出している。そして、ドローバー7の先端部は、直方体状の基部42に挿入されている。基部42は、円板41の表面から軸線方向にわずかに隙間tをおいて配置されており、連結部43及び固定部44によって円板41に支持されている。より詳細に説明すると、円板41には、円弧状に形成され、軸線方向に前側に向かって突出する固定部44が取り付けられている。この固定部44は、複数のボルト441によって円板41の周縁部に沿うように固定されている。そして、この固定部44の先端からは、円板41の中心に向かって径方向に延びる板状の連結部43が一体的に取り付けられている。この連結部43の末端に基部42が設けられている。すなわち、基部42は、固定部44及び連結部43を介して、円板41に固定されている。なお、隙間tにはOリングなどの弾性材が介在させることができる。
図4及び図5に示すように、基部42の内部には、軸線と直交する直交軸線Zに沿って延びる軸部材45が設けられている。軸部材45は、その両端の軸部45aに設けられた軸受452を介して基部42に取り付けられているため、基部Xの内部で直交軸線回りに回転可能となっている。また、軸部材45の直交軸線Z方向の中心部には、軸線X方向に貫通孔451が形成されており、この貫通孔451にドローバー7の先端が挿通されている。そして、基部42を挟み込むように、基部42の先端側に差し込んだボルト421をドローバー7の先端に螺着することによって、ドローバー7が固定されている。また、図3に示すように、この基部42の先端面には、ブラケット12を介して工具ホルダー1が取り付けられている。ところで、連結部43及び固定部44は金属で形成され、連結部43の厚みd1によって、微少な力加減に応じて弾性変形可能となっている。そのため、ドローバー7を後側へ引っ張ると、連結部43の周辺を支点として基部42が隙間tを埋めるように主軸2側へ引き寄せられ、これによって連結部43が弾性変形をして屈曲する。一方、ドローバー7を引っ張る力を取り除くと、弾性力により、連結部43が元の形状に復帰する。
また、基部42を挟んで、固定部44とは径方向に反対側の端部には、バランス部材46が配置されている。このバランス部材46は、主軸2を安定的に回転させるために設けられたものであり、固定部44及び連結部43と同等の重量を有している。より詳細に説明すると、図3及び図4に示すように、バランス部材46は、固定部44及び連結部43それぞれとほぼ同様の形状をなす、バランス固定部461及びバランス突出部462とで構成されている。そして、バランス固定部461は、上記固定部44と同様の形状をしており、円板41において、上記固定部44とは反対側の周縁部に複数のボルト463によって固定されている。また、バランス突出部462は、板状に形成され、バランス固定部461の先端部から基部42に向かって延びている。但し、基部42との間には、わずかな隙間sが形成されている。このとき、連結部43とバランス突出部462とが同等の重量となるように、バランス突出部462の厚みd2は、上記隙間sの容積だけ、連結部43の厚みd1よりも大きくなっている。
続いて、ドローバーを操作する駆動ユニットについて図6も参照しつつ説明する。図6は、図1のB−B線断面図である。
図6に示すように、駆動ユニット5は、ドローバー7の後端部に取り付けられるボールネジ51と、このボールネジ51を回転させるための軸方向モータ52とを備えている。ボールネジ51は、ドローバー7の後端部に軸受511を介して軸線回りに回転可能に取り付けられるとともに、テーブル3上に配置されたナット53に螺合している。また、ボールネジ51と軸方向モータ52との間には、スプライン軸541とこれに取り付けられたスリーブ体542とからなる公知のボールスプライン軸受54が配置されている。そして、スプライン軸541がボールネジ51に連結されるとともに、軸方向モータ52にスリーブ体542が連結されて出力回転を伝達する。これにより、軸方向モータ52が駆動すると、スプライン軸541によりボールネジ51が回転された際に直進運動に変換され、ボールネジ51とともに、ドローバー7が軸線方向Xに移動する。そして、ドローバー7の軸線方向Xの移動は、ボールスプライン軸受54において吸収される。
次に、ナット及びその周辺部材の構成について図7も参照しつつ説明する。図7は、図6のC−C線断面図である。
図7に示すように、ナット53は、単一のブロック55の中心部に嵌合され連結されており、ブロック55はテーブル3上に軸線方向に配置された一対のレール551に沿って、移動可能となっている。すなわち、ナット53はブロック55と一体となって、テーブル3上を前後方向に移動可能となっている。また、ブロック55には、軸線方向に延びる貫通孔552がナット53を挟んで左右方向に一対形成されており、この貫通孔552内に向かって、鉛直方向に進退するピストン56が設けられている。このピストン56はブロック55の上面に設置した電気油圧(電気空圧)アクチュエータ56aによって進退操作される。
図6に示すように、主軸2の後端部には、軸受25を介して連結ユニット8が主軸2の回転を許容しつつ軸方向移動不能に取り付けられている。この連結ユニット8は、主軸2を挟んで左右方向に延びる一対の延長部81と、各延長部81から軸線方向(後方)へ延びる棒状の連結棒82とで構成されている。そして、各連結棒82は、上述したブロック55に形成された各貫通孔552に挿入されており、ピストン56によって押圧されるようになっている。各連結棒82の上部には、平坦面821が形成されており、この平坦面821にピストン56の先端が押しつけられるようになっている。ピストン56で連結棒82を押圧した場合、連結棒82はブロック55の貫通孔552内に軸線方向移動不能に固定され、これにより、ナット53が、連結ユニット8を介して主軸2に固定される。
続いて、上記のように構成された中ぐり加工装置の動作について説明する。まず、上述したピストン56により、連結棒82を押圧し、ナット53と主軸2とを固定する。次に、加工対象となるワークWを、ワーク保持ユニット9に固定する。続いて、ワークWの下穴100の中心軸Yと工具ホルダー1の軸線Xを一致させた後、前後進モータ62を駆動して、工具ホルダー1をワークWに近接させる。これに続いて、主軸モータを駆動しながら、工具ホルダー1を下穴100に挿入する。そして、図外の制御プログラムにより軸方向モータ52の駆動を制御して工具ホルダー1を軸線Xから傾かせる。こうして、工具11が1回転するまでの間にそれぞれの角度に応じて径方向位置を変化させつつ、工具11を軸線方向に移動させることによって断面が非円形の穴を形成することができる。
この動作についてさらに詳細に説明する。ナット53が、連結ユニット8を介して主軸2に固定される状態で、図6に示すように、軸方向モータ52を駆動すると、スリーブ体542が回転し、これとともにスプライン軸541も回転する。この回転はボールネジ51に伝達され、ボールネジ51が軸線X回りに回転する。このとき、ナット53は静止しているため、ボールネジ51の回転運動が直進運動に変換される。その結果、ボールネジ51は後退し、ドローバー7が後側に引っ張られる。このとき、ドローバー7はナット53を介して主軸2を支えにして引っ張るため、主軸2には軸線方向の外力は作用せず、主軸2をハウジング21に回転自在に支持する軸受(図示せず)には負荷が掛からず加工精度が安定する。ドローバー7は、その先端側に配した傾動ユニット4を介して、主軸2とともに回転しているが、ボールネジ51とは軸受511によって回転可能に連結されているため、回転しながら、ボールネジ51によって引っ張られる。そして、ドローバー7の先端は、傾動ユニット4の基部42に接続されているため、基部42が後側に引き寄せられる。これによって、工具ホルダー1が軸線Xから傾き、工具11が径方向外方に移動する。このとき、傾動ユニット4の連結部43は、弾性変形して後側へ屈曲する。
一方、軸方向モータ52の駆動を停止するか、あるいはトルクを取り去るように逆回転すると、ボールネジ51が上記と反対側に回転し、ドローバー7が前進する。これによって、傾動ユニット4の基部42に作用する引っ張り力が解除され、連結部43の弾性により、基部42は元の位置に復帰する。こうして、工具ホルダー1は、軸線Xに沿って延びる初期状態に戻り、工具11も径方向内方に戻る。このとき、基部42には、軸部材45が直交軸線Z回りに軸受452を介して回転自在に支持され、この軸部材45の中心にドローバー7が固定されているため、基部42を弾性変形させる際にはドローバー7をこじることなく主軸2内を真っ直ぐ移動する。したがって主軸2の回転中はドローバー7は常にその回転中心に位置するので主軸2に振動が発生せず加工精度を均一に保つことができる。
このように、ドローバー7を往復動させると、工具11が径方向に往復動するため、これを所望の通りに主軸2の一回転あたりの任意角度に応じて移動距離を変化させることで、図2に示すように、下穴100には非円形の内壁面200が形成される。なお、工具11が径方向に移動する距離は、例えば、0.1〜0.2mmとすることができる。
ところで、中ぐり加工中に生じる熱は工具11から工具ホルダー1を通じてドローバー7、ボールネジ51、ナット53などあらゆる部位に伝播し、各部の膨張・収縮による歪がドローバー7を経由して工具11の原位置を狂わせ、加工精度の低下の原因となる可能性がある。これを防止するには、次のような動作を行う。
軸方向モータ52を駆動停止させた状態で、1つのワークを加工し終わって次のワークに対して加工を始める前、何個かのワークを加工した後、ボールネジ51の表面温度が規定値を越えたときなど、任意のタイミングで電気油圧(電気空圧)アクチュエータ56aを駆動させ、上述したピストン56による連結棒82の押圧を解除する。これにより、ブロック55が連結ユニット8に対する拘束が解かれるため、ナット53はブロックとともにレール551上でフリーとなる。よって、ドローバー7に作用する、熱による膨張・収縮の歪はブロック55の軸線方向移動により吸収され、工具11は設定した原位置にリセットされるので、長時間の中ぐり加工において、加工精度が低下するのを防止することができる。
以上のように、本実施形態によれば、ドローバー7による引っ張りにより、機械的に工具11を径方向に移動させている。そのため、例えば、圧電素子のような電子素子を用いて工具を移動させるのに比べ、潤滑油や熱が加工動作に影響を与えるのを抑制することができる。その結果、動作の信頼性を高めることができ、加工精度を向上することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、傾動ユニットの連結部が弾性変形により屈曲可能としているが、基部が主軸側へ引き寄せられた後に、弾性により元の位置に復帰すればよいため、連結部及び固定部の少なくとも一方が弾性変形可能な材料で形成されていればよい。また、ドローバーを往復動させるには、軸方向モータと回転/直線運動変換機構(ボールネジ及びナット)の組み合わせ以外にも、リニア・アクチュエータなど種々の手段を用いることができる。また、本発明に係る中ぐり加工装置は、上述したピストンのピン穴の加工のみならず、通常の円形のほか、非円形の内壁面を形成すべき中ぐり加工全般に用いることができる。
1 工具ホルダー
11 工具
2 主軸
3 テーブル
4 傾動ユニット
42 基部
43 連結部
44 固定具
45 軸部材
46 バランス部材
5 駆動ユニット(第2の駆動手段)
51 ボールネジ
52 軸方向モータ
53 ナット
55 ブロック(支持部)
56 ピストン(解除ユニット)
7 ドローバー
8 連結ユニット

Claims (5)

  1. 中空の主軸と、
    所定の軸線回りに前記主軸を回転自在に支持するテーブルと、
    棒状に延び、前記主軸とともに同軸で回転する工具ホルダーと、
    前記工具ホルダーの先端部に設けられ、径方向に突出する工具と、
    前記主軸と工具ホルダーとの間に設けられ、当該工具ホルダーを前記軸線から傾斜させる傾動ユニットと、
    前記主軸内で前記軸線方向に往復動可能なドローバーと、
    前記主軸を前記軸線回りに回転させる第1の駆動手段と、
    前記ドローバーを前記軸線方向に往復動させる第2の駆動手段と、
    を備え、
    前記傾動ユニットは、
    前記軸線方向において前記ドローバーと工具ホルダーとの間に連結され、前記主軸の一端部との間に隙間を介して配置される基部と、
    前記主軸の一端部において前記軸線から径方向に離れた位置に固定された固定部と、
    前記基部と固定部とを径方向に連結する連結部と、を備え、
    前記固定部及び連結部の少なくとも一方が弾性変形可能に構成されている、中ぐり加工装置。
  2. 前記第2の駆動手段は、
    前記ドローバーに対して前記軸線回りに回転自在に連結されたボールネジと、
    前記主軸に対して前記軸線方向移動不能で、かつ、前記軸線回りへの回転を不能とするように前記テーブル上に支持され、前記ボールネジに螺合するナットと、
    前記ボールネジを回転駆動する軸方向モータと、
    を備えている、請求項1に記載の中ぐり加工装置。
  3. 前記第2の駆動手段は、
    前記テーブル上に配置され、前記ナットを前記軸線方向に移動自在に案内する支持部と、
    前記主軸上に前記軸線方向移動不能に遊嵌した連結ユニットと、
    前記連結ユニットと前記支持部との固定及び当該固定の解除を行う解除ユニットと、
    をさらに備えている、請求項2に記載の中ぐり加工装置。
  4. 前記基部は、前記軸線と直交する直交軸線回りに回転自在に支持された軸部材を有しており、
    前記ドローバーと工具ホルダーとは、前記軸部材を介して連結されている、請求項1から3のいずれかに記載の中ぐり加工装置。
  5. 前記傾動ユニットは、
    前記基部を挟んで、前記固定部とは径方向の反対側に配置されたバランス部材をさらに備え、
    前記バランス部材は、前記固定部及び連結部と同等の重量である、請求項1から4のいずれかに記載の中ぐり加工装置。
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