JP2011171001A - 車両用灯具 - Google Patents

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【課題】車両用灯具の大型化に際して重量化の抑制に寄与できるような、軽量のエクステンションを備えた車両用灯具を提供することにある。
【解決手段】ハウジング2と前面レンズ3で形成された灯室4内にエクステンション9を備えた車両用灯具1において、熱可塑性樹脂の樹脂基材からなり肉厚が0.1〜1.0mmの範囲にあるエクステンション9を前面レンズ3に固定するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用灯具にするものであり、詳しくは、車両用灯具の大型化に際して重量化の抑制に寄与できるような、軽量のエクステンションを備えた車両用灯具に関する。
前面レンズとハウジングで形成された密閉空間からなる灯室内に、光源と、光源から出射された光を反射して反射光を前面レンズ側に向けるリフレクタとを備えた光源ユニット、或いは、光源と、光源から出射した光を反射するリフレクタと、リフレクタによる反射光の一部を遮蔽するシェードと、シェードで遮蔽されなかった光を投影する投影レンズとを備えた所謂プロジェクタ型の光源ユニット等の光源ユニットが収容された車両用灯具において、灯具内を外部から前面レンズを通して観視したときに、光源ユニット以外の隙間から後方に位置するハウジングや内蔵物等が見えないようにメタリック調の光輝反射処理を施したエクステンションで塞ぎ、目隠し効果による見栄えの向上及び光輝反射面の配設による商品性の向上が図られる。
灯室内にエクステンションを配設した具体的な例としては、図9((a)は断面図、(b)は(a)の部分拡大図)に示す構成の車両用灯具が提案されている。
それは、ランプボディ80と、レンズ81と、エクステンションリフレクタ82とで灯室83を形成し、灯室83内に光源のバルブ84とリフレクタ85とを備えた光源ユニット86を収容したものである。
このとき、レンズ81の外縁部87のテーパ面87aとエクステンションリフレクタ82の外辺部88のテーパ面88aがレーザ溶着されてレンズ81とエクステンションリフレクタ82が一体化されると共に、ランプボディ80のシール溝89にエクステンションリフレクタ82のシール脚90が内挿されて剥離可能なホットメルトゲル91によって接着されてランプボディ80とエクステンションリフレクタ82が一体的に接続されている。つまり、レンズ81とランプボディ80がエクステンションリフレクタ82を介して取着された構成とされるものである。
車両用灯具をこのような構成とすることにより、灯具内を外部からレンズ81を通して観視したときに、レンズ81とエクステンションリフレクタ82の溶着部分Xのうちレンズ81を通して見える部分の面積を小さくすることができ、見栄えの向上を図ることができる。また、レンズ81が一体的に接続されたエクステンションリフレクタ82をランプボディ80から容易に取り外すことができるため、レンズ81が破損した場合のレンズ交換を容易に行うことができる。とされるものである。
なお、上述したように、光輝反射処理を施されたエクステンションリフレクタ82はランプボディ80とリフレクタ85の間の隙間を塞ぐ機能も有しており、見栄えの向上及び商品性の向上の効果を奏するものとなる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−50686号公報
ところで、上記構成の車両用灯具におけるエクステンションリフレクタ82は、上述のようにレンズ81とランプボディ80を取着する機能を有しており、車両走行時の振動や衝撃に対するレンズ81とランプボディ80の取着の十分な耐性を確保するためにはエクステンションリフレクタ82を頑強な部材で構成する必要がある。
そのためには、エクステンションリフレクタ82を形成する樹脂部材の厚みを厚くすることで頑強化を図ることができるが、樹脂部材の厚みが厚くなるとエクステンションリフレクタ82の重量が増し、車両用灯具を重量化させることになる。
また、車両用灯具が多機能化して大型化すると、それに伴ってエクステンションリフレクタ82の配設範囲も拡大し、車両用灯具が益々重量化することになる。
そこで、本発明は上記問題に鑑みて創案なされたもので、その目的とするところは、車両用灯具の大型化に際して重量化の抑制に寄与できるような、軽量のエクステンションを備えた車両用灯具を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載された発明は、ハウジングと前面レンズで形成された灯室内にエクステンションを備えた車両用灯具であって、前記エクステンションは、肉厚が0.1〜1.0mmの範囲にある樹脂基材からなると共に前記前面レンズに固定されており、前記エクステンションが固定された前記前面レンズが前記ハウジングに固定されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載された発明は、請求項1において、前記エクステンションは、該エクステンションの外周に沿う環状の外縁部が前記前面レンズの外周に沿う環状の外縁部に溶着固定、接着固定またははねじ止め固定の何れかにより固定されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に記載された発明は、請求項1又は請求項2において、前記樹脂基材は、熱可塑性樹脂による真空成形法、圧縮成形法およびマッチモールド成形法の何れかの成形法で形成されていることを特徴とするものである。
本発明の車両用灯具は、ハウジングと前面レンズで形成された灯室内にエクステンションを備えた車両用灯具において、樹脂基材からなり肉厚が0.1〜1.0mmの範囲にあるエクステンション9を前面レンズ3に固定するようにした。
その結果、エクステンションが軽量であることにより、車両用灯具が大型化してもそれに伴う重量化を抑制することができ、車両全体の軽量化に大いに寄与するものとなった。
本発明の実施例1に係わる実施形態の正面図である。 図1のA−A断面図である。 図2の部分詳細図である。 エクステンションの製造工程の説明図である。 前面レンズとハウジングの固定方法の説明図である。 同じく、前面レンズとハウジングの固定方法の説明図である。 実施例2の説明図である。 実施例3の説明図である。 従来例の説明図である。
以下、この発明の好適な実施形態を図1〜図8を参照しながら、詳細に説明する(同一部分については同じ符号を付す)。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限られるものではない。
図1は実施例1の正面図、図2は図1のA−A断面図、図3は図2の部分拡大図である。
本実施例の車両用灯具1は、互いに対向する側に開口と光源挿着孔を備えたハウジング2と、ハウジング2の開口を塞ぐように配置された前面レンズ3とで密閉空間からなる灯室4が形成され、灯室4内に、ハウジング2の光源挿着孔に挿着された光源のバルブ5と、ハウジング2の光源挿着孔の周囲から立ち上がってバルブ5の側方を覆うように配設されたリフレクタ6を備えた光源ユニット7が収容されており、光源ユニット7はバルブ5から出射された光がリフレクタ6で反射されて反射光が前面レンズ3側に向うような光路形成手段を構成している。
それと同時に、灯室4内には、ハウジング2とリフレクタ6との間の隙間8を塞ぐように光輝反射処理を施したエクステンション9が配設されており、外部から前面レンズ3を通して灯室4内を観視したときに、後方に位置するハウジング2や内蔵物等が見えないようにして良好な見栄えを確保すると共に、光沢あるメタリック調の光輝感によって高級感を醸し出す機能を有している。
この場合、エクステンション9は前面レンズ3に固定され、エクステンション9が固定された前面レンズ3がハウジング2に固定されて前面レンズとハウジングが一体化されている。そのため、エクステンション9は頑強な部材で構成する必要はなく、肉薄の樹脂部材で形成することが可能となる。
そこで、エクステンション9は、ポリカーボネート系樹脂などの熱可塑性樹脂が用いられ、例えば、真空成形法による成形後、成形品の表面に金属反射膜が成膜される。以下に、その製造工程を図4を参照して説明する。
まず、(a)加熱工程において、材料の熱可塑性樹脂からなる樹脂シート10を保持枠11に固定し、樹脂シート10を加熱して軟化させる。
次に、(b)のモールド工程において、樹脂シート10の下方に位置する型12が上昇して樹脂シート10を押し上げる。すると、型12と樹脂シート10の間に隙間13が生じる。
次に、(c)の成形工程において、型12と樹脂シート10の隙間13にある空気を排気して減圧し、型12に樹脂シート10を密着させて冷却する。
次に、(d)の離型工程において、型12を下降させて成形品14を型12から剥離し、取り外す。
次に、(e)の切断工程において、成形品14の不要な部分をプレス加工により切断除去してエクステンション9の基材15を得る。
最後に、(f)の成膜工程において、基材15の表面上に樹脂によるアンダーコート層を成膜し、その上にアルミニウムなどによる金属反射膜を蒸着成膜し、更にその上に樹脂によるトップコート層を成膜して、光輝反射処理16が施されたエクステンション9が完成する。
この場合、基材15の光輝反射処理16が施される面の環状の外周縁部には、外周に沿って予め所定の幅でマスキングが施されており、マスキングされた部分以外の領域に光輝反射処理が施される。つまり、成形品は外周縁部に、光輝反射処理が施されないで基材15が外周に沿って環状に露出した非光輝反射処理部17を有している。
なお、上記工程において樹脂成形に真空成形法を用いたのは、型の製作期間が短く、且つ製作コストが安く、大型サイズの薄肉成形が可能である、などといった真空成形法の特徴を生かして薄肉のエクステンション9を得るためであり、エクステンション9の肉厚は、具体的には0.1〜1.0mmの範囲とすることが望ましい。
現在、車両用灯具に使用されているアウターカバー(アウターレンズ)はポリカーボネートもしくはアクリルの射出成形品が多用されており、その透過部分の肉厚は2mm程度とされている。これは、車両用灯具の強度およびレンズ成形性を考慮して必要な厚みだからと考えられる。
一方、エクステンションの場合には、アウターカバーに比したときにアウターカバーと同程度の強度などは不要となる。そこで、アウターカバーと同程度の肉厚の2mmとする場合に比べて、1/2以下の重量とする軽量化が可能な1mm以下の厚みとしている。
エクステンションの肉厚を1mmより厚くした場合には、車両用灯具全体の軽量化のメリットが乏しいが、1mm以下とすると、成形時間の簡略化および軽量化の双方のメリットが得られるからである。より好ましくは、0.1mmから0.5mmが好適である。0.1mmから0.5mmとすることで、重量比で2mm程度の射出成形品によるエクステンションに比べて1/4以下とすることができるからである。
さらに、真空成形法による成形を行う場合において、高額な真空成形装置を用いなくても、肉厚を薄くすることで製造コストを低減することができ得るからである。なお、0.1mmよりも薄くした場合には、エクステンションを透過してハウジング内面が観視され得るからである。
上記工程を経て製作されたエクステンション9は、灯室4内に収容されて灯具1の一部を構成するものであるが、以下に灯室4内における配設方法を図3を参照して説明する。
灯室4を形成するハウジング2と前面レンズ3は、ハウシング2の開口端部に環状に設けられたシール溝18に前面レンズ3の端部から立ち上がってハウジング2側に突出する環状のシールリブ19の先端部が内挿されてその隙間にホットメルト20が充填され、互いに接着固定されている。
これにより、ハウジング2と前面レンズ3がホットメルト20を介して一体化されると共に、ハウジング2と前面レンズ3で形成された灯室4内に塵埃や水分等が侵入するのを防止する構造となっている。
エクステンション9は、光輝反射処理が施された面の外周縁部の基材が外周に沿って環状に露出した非光輝反射処理部17が前面レンズ3のシールリブ19の内側(灯室側)に溶着されて固定されている。
エクステンション9の溶着はハウジング2に一体化する前の前面レンズ3に行うものであり、エクステンションの光輝反射処理が施された面の外周縁部の、基材が外周に沿って環状に露出した部分(面)を前面レンズ3の環状のシールリブ19の内面に当接させた状態で治具等の保持手段を用いて保持し、当接部21に前面レンズ3側又はエクステンション9側からレーザ光を照射して溶着するものである。
そのうち、前面レンズ3側からレーザ光を照射する場合は図5のように、前面レンズ3のシールリブ19の外側(灯室と反対側)からシールリブ19を通して見える当接部21に向けてレーザ光を照射する。すると、レーザ光はシールリブ19を通過してエクステンション9の当接部21の表面に到達し、レーザ光を吸収して加熱溶融される。
この加熱溶融熱は、シールリブ19の、エクステンション9の加熱溶融部に接触する部分(当接部)21伝導されて同様にシールリブ19が加熱溶融される。その結果、エクステンション9とシールリブ19の溶融部同士が溶着することにより、前面レンズ3にシールリブ19を介してエクステンション9が固定される。
一方、エクステンション9側からレーザ光を照射する場合は図6のように、エクステンション9の当接部21に向けて照射されたレーザ光は直接エクステンション9に吸収されて加熱溶融し、その加熱溶融熱がシールリブ19の、エクステンション9の加熱溶融部に接触する部分(当接部)21伝導されて同様にシールリブ19を加熱溶融する。その結果、エクステンション9とシールリブ19の溶融部同士が溶着することにより、前面レンズ3にシールリブ19を介してエクステンション9が固定される。
上記、前面レンズ3に対するレーザ光によるエクステンション9の溶着は、エクステンション9が薄肉で軽量であり、且つエクステンション9の外周縁部の全周が前面レンズ(のシールリブ19)3に溶着されていることから、溶着部22の幅を狭めても溶着の信頼性を損なうことない。そのため、溶着工程における作業時間を短縮することができ、生産効率を高めることが可能となる。
また、溶着部22が前面レンズ3の、ハウジング2側に突出するシールリブ19に沿って形成されるため、前面レンズ3を通して観視したときに溶着部22の面積が小さく、殆ど目立たない。特に、シールリブ19がハウジング2側に向って細くなるようなテーパを有する場合は、前面レンズ3を介して観視したときに溶着部22がシールリブ19のテーパ部に隠れて見えなくなり、観視者に溶着部22の存在を意識させることがない。
更に、エクステンション9が軽量であることにより、車両用灯具1が大型化してもそれに伴う重量化を抑制することができ、車両全体の軽量化に大いに寄与するものである。
真空成形法として、メス型(凹形の型)を使用するストレート法に限るものではない。ドレープ法、エアースリップ法、リバースドロー法、プラグアシスト法(補助プラグ法)やプラグアシストリバースドロー法などでもよい。特に、雄型(凸形の型)を使用し型で熱可塑性樹脂シートを突き上げてから真空で引いて型に吸いつけて成形するドレープ法を用いるとエクステンションの凹部の肉厚の均一性もストレート法に比して向上することができ好適である。また、圧縮成形(圧縮空気圧成形)やマッチモールド成形もフィルム状のエクステンションを成形するのに好適であり、これらの成形法の中から選択した何れかの方法で成形したエクステンションを用いることが好適である。
図7は、実施例2の部分拡大図である。実施例2は上記実施例1に対して、前面レンズ3にエクステンション9を溶着固定する場所が異なる。その他、エクステンションの製作方法及び光輝反射処理方法、エクステンションと前面レンズの溶着方法などは実施例1と同様である。
この場合、エクステンション9の外周縁部の全周が前面レンズ3の本体部23に溶着されており、溶着部22がハウジング2の開口端部の前方に前面レンズ3に略平行な方向を向いて位置している。そのため、前面レンズ3を介して観視したときに溶着部22全面が見えることになるが、後方のハウジング2の開口端部の暗部に重なって目立つことはなく、見た目の違和感を与えることはない。
図8は、実施例3の部分拡大図である。実施例3は上記実施例1に対して、前面レンズ3にエクステンション9を固定する方向が異なる。その他、エクステンションの製作方法及び光輝反射処理方法は実施例1と同様であるが、光輝反射処理はエクステンション全面に亘って施してもかまわない。
本実施例は、前面レンズ3の本体部23の外周縁部側の内側(灯室側)に、外周に沿って略等間隔で貫通しないねじ切り部24を有しており、エクステンション9の外周縁部に外周に沿って略等間隔でねじ挿通孔25が設けられている。
そして、エクステンション9のねじ挿通孔25に挿通したねじ26を、前面レンズ3のねじ切り部24に螺合することにより、エクステンション9が前面レンズ3にねじ止め固定されている。
この固定方法によると、溶着工程による作業時間に対してねじ止め作業の時間を短縮できるため、作業の効率化により生産性を高めることができる。また、ねじ26に変えて接着剤を介して固定することでねじ26を用いる場合より軽量化を図ることができる。
1… 車両用灯具
2… ハウジング
3… 前面レンズ
4… 灯室
5… バルブ
6… リフレクタ
7… 光源ユニット
8… 隙間
9… エクステンション
10… 樹脂シート
11… 保持枠
12… 型
13… 隙間
14… 成形品
15… 基材
16… 光輝反射処理
17… 非光輝反射処理部
18… シール溝
19… シールリブ
20… ホットメルト
21… 当接部
22… 溶着部
23… 本体部
24… ねじ切り部
25… ねじ挿通孔
26… ねじ

Claims (3)

  1. ハウジングと前面レンズで形成された灯室内にエクステンションを備えた車両用灯具であって、
    前記エクステンションは、肉厚が0.1〜1.0mmの範囲にある樹脂基材からなると共に前記前面レンズに固定されており、前記エクステンションが固定された前記前面レンズが前記ハウジングに固定されていることを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記エクステンションは、該エクステンションの外周に沿う環状の外縁部が前記前面レンズの外周に沿う環状の外縁部に溶着固定、接着固定またははねじ止め固定の何れかにより固定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記樹脂基材は、熱可塑性樹脂による真空成形法、圧縮成形法およびマッチモールド成形法の何れかの成形法で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両灯灯具。
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