JP2011169340A - スプロケットおよび伝動装置 - Google Patents

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【課題】歯のピッチに影響を与えることなく一定周期の衝突音の発生を抑制し、騒音を減少させるとともに、製造が容易で安定してチェーンが掛架されるスプロケットおよび伝動装置を提供すること。
【解決手段】チェーンCHが掛架されて噛み合う複数の歯を備えたスプロケットにおいて、前記歯のピッチ円上の基準ピッチが、チェーンの基準ピッチより小さく設定され、前記複数の歯が、歯先の高さの異なる歯を含んでいること。
【選択図】図1

Description

本発明は、チェーンが掛架されて噛み合う複数の歯を備えたスプロケットおよび該スプロケットを用いた伝動装置に関し、特に、ローラチェーン、ブシュチェーン、ローラやブシュを有さないピンのみのブシュレスチェーン等のチェーンを巻き掛けて動力伝達を行うとき、チェーンがスプロケットに噛み合う際に発生する騒音を抑制したスプロケットおよび該スプロケットを用いた伝動装置に関するものである。
従来、一般的なDOHC型、すなわち、シリンダーヘッドに吸排気弁を駆動する二本のカムシャフトを備えたエンジンにおける夕イミングシステムとして用いられる伝動装置100は、図1に示すように、駆動スプロケット110、従動スプロケット120、従動スプロケット130に掛架されたチェーンCHにより動力を伝達するように構成されている。
チェーンCHの緩み側の従動スプロケット120と駆動スプロケット110との間には、テンショナTと協動して循環走行するチェーンCHに摺接して適切な張力を付与するとともに走行中のチェーンCHの振動、横振れを防止するための滑り機能を備えた緩み側のチェーンガイド101が配置されている。
一方、チェーンCHの張り側の従動スプロケット130と駆動スプロケット110との間には、走行軌道を所定のスパン長さ(従動スプロケット130の噛外れ点〜駆動スプロケット110の噛始め点に至る軌道の長さ)にガイド規制する張り側のチェーンガイド102からなるガイド機構が用いられている。
緩み側のチェーンガイド101は、エンジンの躯体の内壁に取付ボルト、取付ピン等の軸支手段Bで揺動可能に取り付けられており、テンショナTにより緩み側のチェーンガイド101のシュー部分をチェーンCHに向けて付勢されている。
一方、張り側のチェーンガイド102は、エンジンの躯体の内壁に取付ボルト、取付ピン等の固定手段B1、B2により固設されており、循環走行するチェーンCHの走行軌道をガイド規制している。
このような伝動装置100のそれぞれのスプロケットは、図8に示すように、チェーンCHが掛架されて噛み合う複数の歯511を備えており、駆動スプロケット510、従動スプロケット520、従動スプロケット530(スプロケットの径、歯数は従動スプロケットが駆動スプロケットの倍となるが、説明のため同じ図で代用する。)が常に所定の位相関係となるようにチェーンCHによって回転が伝達されることで、夕イミングシステムとして機能する。
それぞれのスプロケット510、520、530の歯511の形状は、ローラチェーン用あるいはサイレントチェーン用等、掛架されるチェーンCHの種類に応じた標準的な形状のもの(以下「標準歯」という。)が用いられている。
スプロケットとチェーンは、一般的に、スプロケットの歯のピッチ円上の基準ピッチがチェーンの基準ピッチより小さくなるような公差を持つようにそれぞれ製造されており、チェーンCHがスプロケット510、520、530と噛み合い始める際には、歯511の側面とチェーンCHのローラあるいはプレート歯が最初に接触して衝突音を発生することとなる。
したがって、図8に示すような、標準歯である複数の歯511を均等なピッチで配置したスプロケット510、520、530を使用した場合、衝突音を発するタイミングが全ての歯511で同じタイミングとなるため、回転数に応じて一定周期の衝突音が発生し、伝動装置100全体の騒音が大きくなるという問題があった。
上記問題を解決するために、スプロケットの歯のピッチを変化させてチェーンCHのローラあるいはプレート歯がスプロケットの歯と接触するタイミングを変化させて一定周期の衝突音の発生を抑制し、伝動装置100全体の騒音を減少させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−184996号公報(第5乃至6頁、第2、3図)
しかしながら、歯のピッチを変化させたスプロケットは、スプロケット製造時から設計されている必要があるため、適用する伝動装置の構造や回転数等の諸元に応じて異なるスプロケットを設計、製造する必要があり、製造コストが高騰するという問題があった。
また、歯のピッチを変化させたスプロケットを使用した場合、チェーンが掛架される範囲でも歯のピッチが異なるため、チェーンのローラあるいはプレート歯とスプロケットの歯底との関係が不安定となり、チェーンに振動や張力の変動を与えて逆に騒音の発生要因となる虞があるという問題があった。
さらに、周期的な張力変動を吸収する等の他目的でスプロケットの歯のピッチを周期的に変化させた場合には、チェーンCHのローラあるいはプレート歯がスプロケットの歯と接触するタイミングを一定周期の衝突音の発生を抑制するために最適に変化させることができないという問題があった。
本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、歯のピッチに影響を与えることなく一定周期の衝突音の発生を抑制し、騒音を減少させるとともに、製造が容易で安定してチェーンが掛架されるスプロケットおよび伝動装置を提供することである。
本請求項1に係る発明は、チェーンが掛架されて噛み合う複数の歯を備えたスプロケットにおいて、前記歯のピッチ円上の基準ピッチが、チェーンの基準ピッチより小さく設定され、前記複数の歯が、歯先の高さの異なる歯を含んでいることにより、前記課題を解決するものである。
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたスプロケットの構成に加えて、前記複数の歯が、標準高さの標準歯あるいは標準歯より歯先の低いカット歯で構成されていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
本請求項3に係る発明は、請求項2に記載されたスプロケットの構成に加えて、前記カット歯が、歯先をピッチ円より高い位置に有する高カット歯と、歯先をピッチ円より低い位置に有する低カット歯とを有することにより、前記課題をさらに解決するものである。
本請求項4に係る発明は、請求項2または請求項3に記載されたスプロケットの構成に加えて、前記カット歯が、歯先をピッチ円より低い位置に有する低カット歯と、該低カット歯よりも歯先をさらに低い位置に有する小カット歯とを有することにより、前記課題をさらに解決するものである。
本請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたスプロケットの構成に加えて、前記高さの異なる歯が、不規則に配置されていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
本請求項6に係る発明は、チェーンと該チェーンが掛架されて噛み合う複数の歯を備えた複数のスプロケットとからなる伝動装置において、前記複数のスプロケットの少なくとも1つが、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスプロケットからなることにより、前記課題を解決するものである。
本請求項7に係る発明は、請求項6に記載された伝動装置の構成に加えて、前記スプロケットの標準歯あるいは高カット歯が、前記チェーンが掛架される範囲に少なくとも1つ存在するように配置されていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
本請求項1に係る発明は、チェーンが掛架されて噛み合う複数の歯を備えたスプロケットにおいて、歯のピッチ円上の基準ピッチがチェーンの基準ピッチより小さく設定され、複数の歯が、歯先の高さの異なる歯を含んでいることにより、チェーンがスプロケットと噛み合い始める際にチェーンのローラあるいはプレート歯が最初に接触する歯の側面の位置を、高さの異なる歯で異ならせることができるため、接触するタイミングが分散され一定周期の衝突音の発生を抑制し、騒音を減少させることができる。
また、歯のピッチを別の目的で別個に最適に定めることができるため、チェーンのローラあるいはプレート歯とスプロケットの歯底との関係が安定し、チェーンに振動や張力の変動を与えることはない。
本請求項2に係る発明のスプロケットは、請求項1に係る発明のスプロケットが奏する効果に加えて、複数の歯が、標準高さの標準歯あるいは標準歯より歯先の低いカット歯で構成されていることにより、カット歯を標準歯の歯先を一定量カットして製造することができるため、標準スプロケットからの加工が容易であり、適用する伝動装置の構造や回転数等の諸元に応じて任意に加工すれば良く、異なるスプロケットを設計、製造する必要がなく、容易に製造することができる。
さらに、カット歯は標準歯の歯先を一定量カットして製造されているため、スプロケットを軽量化することができる。
本請求項3に係る発明のスプロケットは、請求項2に係る発明のスプロケットが奏する効果に加えて、カット歯が、歯先をピッチ円より高い位置に有する高カット歯と、歯先をピッチ円より低い位置に有する低カット歯とを有することにより、チェーンがスプロケットと噛み合い始める際にチェーンのローラあるいはプレート歯が最初に接触する歯の側面の位置を標準歯、高カット歯、低カット歯でさらに多様に異ならせることができるため、一定周期の衝突音の発生をさらに抑制し、騒音を減少させることができる。
本請求項4に係る発明のスプロケットは、請求項2または請求項3に係る発明のスプロケットが奏する効果に加えて、カット歯が、歯先をピッチ円より低い位置に有する低カット歯と、該低カット歯よりも歯先をさらに低い位置に有する小カット歯とを有することにより、チェーンがスプロケットと噛み合い始める際にチェーンのローラあるいはプレート歯が最初に接触する歯の側面の位置を標準歯、低カット歯、小カット歯でさらに多様に異ならせることができるため、一定周期の衝突音の発生をさらに抑制し、騒音を減少させることができるとともに、カット歯の歯先が低くスプロケットをより軽量化することができる。
また、チェーンのローラあるいはプレート歯が最初にカット歯の側面に接触した後、歯底に向かうまでの距離が短くなることにより、摩擦抵抗や摩擦に伴う騒音が軽減される。
本請求項5に係る発明のスプロケットは、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る発明のスプロケットが奏する効果に加えて、高さの異なる歯が、不規則に配置されていることにより、チェーンがスプロケットと噛み合い始める際にチェーンのローラあるいはプレート歯が最初に接触するタイミングをランダムに分散させることができるため、一定周期の衝突音の発生をさらに抑制し、騒音を減少させることができる。
本請求項6に係る発明は、チェーンと該チェーンが掛架されて噛み合う複数の歯を備えた複数のスプロケットとからなる伝動装置において、複数のスプロケットの少なくとも1つが請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスプロケットからなることにより、伝動装置の構造や回転数等の諸元に応じたスプロケットを採用して一定周期の衝突音の発生を抑制し、騒音を減少させることにより、伝動装置全体の騒音を軽減することができる。
本請求項7に係る発明の伝動装置は、請求項6に係る発明の伝動装置が奏する効果に加えて、スプロケットの標準歯あるいは高カット歯が、チェーンが掛架される範囲に少なくとも1つ存在するように配置されていることにより、チェーンが掛架される範囲で歯飛びを起こすことがなく安定して回転を伝達することができる。
本発明の一実施例である伝動装置の概略図。 本発明の第1実施例であるスプロケットの側面図。 図1の一部拡大図。 図1の動作説明図。 本発明の第2実施例であるスプロケットの側面図。 図5の一部拡大図。 本発明の第3実施例であるスプロケットの一部拡大図。 従来のスプロケットの側面図。
本発明のスプロケットは、チェーンが掛架されて噛み合う複数の歯を備えたスプロケットにおいて、歯のピッチ円上の基準ピッチがチェーンの基準ピッチより小さく設定され、複数の歯が、歯先の高さの異なる歯を含んでおり、一定周期の衝突音の発生を抑制し、騒音を減少させるとともに、製造が容易で安定してチェーンが掛架されるという効果を発揮するものであれば、その具体的な実施態様は如何なるものであっても何ら構わない。
また、本発明の伝動装置は、チェーンと該チェーンが掛架されて噛み合う複数の歯を備えた複数のスプロケットとからなる伝動装置において、前記複数のスプロケットの少なくとも1つが、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスプロケットからなり、一定周期の衝突音の発生を抑制し、騒音を減少させるとともに、製造が容易で安定してチェーンが掛架されるという効果を発揮するものであれば、その具体的な実施態様は如何なるものであっても何ら構わない。
以下に、本発明のスプロケットおよび伝動装置について図面を基づいて説明する。
本発明の一実施例である伝動装置100は、シリンダーヘッドに吸排気弁を駆動する二本のカムシャフトを備えたエンジンにおける夕イミングシステムとして用いられ、駆動スプロケット110、従動スプロケット120、従動スプロケット130に掛架されたチェーンCHにより動力を伝達するように構成されており、駆動スプロケット110、従動スプロケット120あるいは従動スプロケット130の歯の形状以外の構成は、図1を基に先に説明した従来例と同様である。
また、チェーンCHはローラチェーンである。
本発明の第1実施例である駆動スプロケット110(あるいは従動スプロケット120、従動スプロケット130)は、図2、図3に示すように、チェーンCHが掛架されて噛み合う歯先の高さの異なる複数の歯を全周に等ピッチで備えている(スプロケットの径、歯数は従動スプロケットが駆動スプロケットの倍となるが、説明のため同じ図で代用する。)。
歯先の高さの異なる歯は、一般的に用いられるJIS標準の歯型を有する標準歯111、標準の歯型を歯先がピッチ円Pより高い位置となるようにカットした高カット歯112、および、標準の歯型を歯先がピッチ円Pより低い位置となるようにカットした低カット歯113からなり、それぞれの歯の歯先の歯側面とつながるコーナーは曲面状に面取されている。
標準歯111、高カット歯112および低カット歯113は、駆動スプロケット110(あるいは従動スプロケット120、従動スプロケット130)の周方向にランダムに配置されるとともに、伝動装置100に使用する際に、標準歯111あるいは高カット歯112が、チェーンが掛架される範囲(図1に示すθ1、θ2、θ3)に少なくとも1つ存在するように配置されている。
以上のように構成された駆動スプロケット110(あるいは従動スプロケット120、従動スプロケット130)にチェーンCHのローラRが噛み合う際の動作について説明する。
一般的にチェーン伝動装置は、スプロケットのピッチ円が基準ピッチよりマイナス方向の公差、チェーンが基準ピッチよりプラス方向の公差を持つように製造されるため、本実施例においても、図4に示すように、駆動スプロケット110(あるいは従動スプロケット120、従動スプロケット130)の歯のピッチ円上の基準ピッチSPはチェーンCHのローラRの基準ピッチCPより小さい(図面では誇張しているが、実際は僅かである。)。
したがって、駆動スプロケット110(あるいは従動スプロケット120、従動スプロケット130)にチェーンCHの先行するローラRが歯底に着座した状態で、それに続くローラが最初に次の駆動スプロケット110(あるいは従動スプロケット120、従動スプロケット130)の歯に接触する時、歯の側面に接触することとなる。
このとき、図4に示すように、接触する歯が標準歯111の場合はR1の位置(荒点線で示す)、接触する歯が高カット歯112の場合はR2の位置(実線で示す)、接触する歯が低カット歯113の場合はR3の位置(細点線で示す)、でそれぞれ最初に接触するため、チェーンCHのローラRが接触するタイミングが3通りに分散されることとなる。
そして、図2に示すように、駆動スプロケット110(あるいは従動スプロケット120、従動スプロケット130)の全周にわたり標準歯111、高カット歯112、低カット歯113がランダムに配置されることにより、接触するタイミングが分散され一定周期の衝突音の発生を抑制し、騒音を減少させることができる。
標準歯111、高カット歯112、低カット歯113のそれぞれの個数や配置は、伝動装置の伝動装置の構造や回転数等の諸元に応じて適宜選択すれば良く、その際、歯先がピッチ円Pより低い位置となる低カット歯113はチェーンCHに過大な負荷がかかった場合、歯飛びを起こす危険性が高いため、歯先がピッチ円Pより高い位置となる標準歯111あるいは高カット歯112が、必ずチェーンCHが掛架される範囲(図1に示すθ1、θ2、θ3)に少なくとも1つ存在するように個数や配置を選択することで、歯飛びを防止することができる。
本発明の第2実施例である駆動スプロケット210(あるいは従動スプロケット220、従動スプロケット230)は、図5、図6に示すように、チェーンCHが掛架されて噛み合う歯先の高さの異なる複数の歯を全周に等ピッチで備えている(スプロケットの径、歯数は従動スプロケットが駆動スプロケットの倍となるが、説明のため同じ図で代用する。)。
歯先の高さの異なる歯は、一般的に用いられるJIS標準の歯型を有する標準歯211、および、標準の歯型を歯先がピッチ円Pより低い位置となるようにカットした低カット歯213からなり、それぞれの歯の歯先の歯側面とつながるコーナーは曲面状に面取されている。
標準歯211および低カット歯213は、駆動スプロケット210(あるいは従動スプロケット220、従動スプロケット230)の周方向にランダムに配置されるとともに、伝動装置100に使用する際に、標準歯211が、チェーンが掛架される範囲(図1に示すθ1、θ2、θ3)に少なくとも1つ存在するように配置されている。
以上のように構成された駆動スプロケット210(あるいは従動スプロケット220、従動スプロケット230)にチェーンCHのローラRが噛み合う際は、前述した実施例1と同様の作用によって、チェーンCHのローラRが接触するタイミングが2通りに分散され、全周にわたり標準歯211、低カット歯213がランダムに配置されることにより、接触するタイミングが分散され一定周期の衝突音の発生を抑制し、騒音を減少させることができるとともに、カットする歯が低カット歯213の1種類のみとなるため、製造が容易となる。
また、実施例1と同様に歯先がピッチ円Pより高い位置となる標準歯211が、必ずチェーンCHが掛架される範囲(図1に示すθ1、θ2、θ3)に少なくとも1つ存在するように個数や配置を選択することで、歯飛びを防止することができる。
本発明の第3実施例である駆動スプロケット310(あるいは従動スプロケット320、従動スプロケット330)は、図7に示すように、チェーンCHが掛架されて噛み合う歯先の高さの異なる複数の歯を全周に等ピッチで備えている(スプロケットの径、歯数は従動スプロケットが駆動スプロケットの倍となるが、説明のため同じ図で代用する。)。
歯先の高さの異なる歯は、一般的に用いられるJIS標準の歯型を有する標準歯311、標準の歯型を歯先がピッチ円Pより高い位置となるようにカットした高カット歯312、標準の歯型を歯先がピッチ円Pより低い位置となるようにカットした低カット歯313、および、標準の歯型を歯先が低カット歯313よりも歯先をさらに低い位置となるようにカットした小カット歯314からなり、それぞれの歯の歯先の歯側面とつながるコーナーは曲面状に面取されている。
標準歯311、高カット歯312、低カット歯313および小カット歯314は、駆動スプロケット310(あるいは従動スプロケット320、従動スプロケット330)の周方向にランダムに配置されるとともに、伝動装置100に使用する際に、標準歯311あるいは高カット歯312が、チェーンが掛架される範囲(図1に示すθ1、θ2、θ3)に少なくとも1つ存在するように配置されている。
以上のように構成された駆動スプロケット310(あるいは従動スプロケット320、従動スプロケット330)にチェーンCHのローラRが噛み合う際は、前述した実施例1と同様の作用によってに、チェーンCHのローラRが接触するタイミングが4通りに分散され、全周にわたり標準歯311、高カット歯312、低カット歯313および小カット歯314がランダムに配置されることにより、接触するタイミングがさらに多様に分散され一定周期の衝突音の発生を抑制し、騒音を減少させることができる。
また、実施例1と同様に歯先がピッチ円Pより高い位置となる標準歯211あるいは高カット歯212が、必ずチェーンCHが掛架される範囲(図1に示すθ1、θ2、θ3)に少なくとも1つ存在するように個数や配置を選択することで、歯飛びを防止することができる。
以上説明したように、本発明は歯のピッチに影響を与えることなく一定周期の衝突音の発生を抑制し、騒音を減少させるとともに、製造が容易で安定してチェーンが掛架されるという顕著な効果を発揮するものであり、その効果は甚大である。
なお、上記実施例のスプロケットは、歯先をカットしない標準歯111、211、311を有しているが、全ての歯が歯先をカットしたカット歯で構成されても良く、その場合、さらにスプロケット全体を軽量化することができる。
また、上記実施例では、シリンダーヘッドに吸排気弁を駆動する二本のカムシャフトを備えたエンジンにおける夕イミングシステムとして用いられる伝動装置を示したが、いかなる用途に用いられる伝動装置であっても良い。
また、伝動装置の有するスプロケットの数はいかなる数であっても良く、本発明のスプロケットが、その一部に用いられても全部に用いられても良い。
伝動装置の複数の本発明のスプロケットを用いた場合、その歯の種類や配置は同じものを使用しても良く、異なる歯の種類や配置を持つものを使用したも良い。
また、本発明のスプロケットは、チェーンの振動や張力負荷の影響を排除するために歯のピッチや歯底位置等を変更したスプロケットであっても良い。
さらに、本発明のスプロケットは、サイレントチェーンのプレート歯と噛み合うスプロケットであっても良く、その場合、標準歯、カット歯の全てがピッチ円より歯先の位置が低くても良い。
100 ・・・伝動装置
101 ・・・チェーンガイド
102 ・・・チェーンガイド
110、210、310、510 ・・・駆動スプロケット
111、211、311、511 ・・・標準歯
112、 312 ・・・高カット歯
113、213、313 ・・・低カット歯
314 ・・・小カット歯
120、220、320、520 ・・・従動スプロケット(緩み側)
130、230、330、530 ・・・従動スプロケット(張り側)
CH ・・・チェーン
T ・・・テンショナ
B ・・・固定手段
R ・・・ローラ
P ・・・ピッチ円

Claims (7)

  1. チェーンが掛架されて噛み合う複数の歯を備えたスプロケットにおいて、
    前記歯のピッチ円上の基準ピッチが、チェーンの基準ピッチより小さく設定され、
    前記複数の歯が、歯先の高さの異なる歯を含んでいることを特徴とするスプロケット。
  2. 前記複数の歯が、標準高さの標準歯あるいは標準歯より歯先の低いカット歯で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスプロケット。
  3. 前記カット歯が、歯先をピッチ円より高い位置に有する高カット歯と、歯先をピッチ円より低い位置に有する低カット歯とを有することを特徴とする請求項2に記載のスプロケット。
  4. 前記カット歯が、歯先をピッチ円より低い位置に有する低カット歯と、該低カット歯よりも歯先をさらに低い位置に有する小カット歯とを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のスプロケット。
  5. 前記高さの異なる歯が、不規則に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスプロケット。
  6. チェーンと該チェーンが掛架されて噛み合う複数の歯を備えた複数のスプロケットとからなる伝動装置において、
    前記複数のスプロケットの少なくとも1つが、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスプロケットからなることを特徴とする伝動装置。
  7. 前記スプロケットの標準歯あるいは高カット歯が、前記チェーンが掛架される範囲に少なくとも1つ存在するように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の伝動装置。
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