JP2011169267A - 縦軸風車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 発電機に連結された縦主軸3の周囲に、支持腕5を介して縦長ブレード6を垂直に配設し、支持腕5は、縦主軸3を支点とし、遠心部に定めた力点にブレード6を配してなる縦軸風車1において、前記発電機のコギングトルクに抗して、前記支持腕5を回転させるために必要な力点における回転力が、目標とする風速における回転力値の最小として計測される位置を力点として、ブレード6が配設されてなる縦軸風車1。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ブレードの位置が、縦軸風車における回転効率と大きく関わることを認識し、ブレードの位置決め理論、翼弦長の割出し理論を確立し、更にブレードの支持腕の構造の改良により、縦軸風車のブレードの回転効率を高め、特に、低風速でも、効果的に発電し得るようにした縦軸風車を提供することを目的としている。
発電機に連結した縦主軸に固定された回転体に、仮の長い支持腕を装着して、縦主軸を支点とし、支持腕の力点にフレードを配設するものとして、支持腕に対して、例えばバネ秤で回転方向へ引いて負荷をかける。例えば支持腕を動かすために、200gの負荷を要したときは、その位置にブレードを配設すると、ブレードは200g以上のトルクを出せなければ風車を起動することが出来ない。
更に遠心方向へ移動して、その位置で支持腕を動かすために例えば50gの負荷を要したときは、その位置にブレードを配設すると、ブレードに対して50g以上の風のトルクを得なければ、ブレードは回転しない。
この負荷が10gの時には、風速により10g以上のトルクがあれば起動する。従って、例えば風速0.5m/sでも、縦軸風車を回転させることが可能である。これにより力点を探り、起動風速、及びブレードの面積が決まってくるが、低風速で起動させるには、半径が小さいほど効率が悪いことは言うまでもない。
半径をブレードの枚数で割って翼弦長を決めると、10g以下の負荷で支持腕を動かすことのできる位置に、大きなブレードを取付けると良いことになる。この位置では、起動させるために、ほとんどトルクを要しないことになり、そこへ風力エネルギーがかかり、翼面積×風速の3乗というトルクが得られるため、半径の大きな風車ほど低風速で起動できることになり、風速があがれば更に3乗でブレードのトルクは大きくなる。
従って、例えば風速0.5m/sでも、縦軸風車は起動することができることになり、いったん回転すると、ほとんど失速を起さなくなる。
すなわち、発電機のコギングトルク及び増速負荷に対しては、ブレードの位置が発電機の主軸に近ければ、回転させるための負荷が大きく、主軸から遠ざかれば、梃子の原理の作用により、ブレードに当る風力は小さくても容易に回転する。
一般的に、5kw/hの発電機の増速負荷では、ブレードが主軸から2m以上離れれば回転させることが可能である。これにより、発電機の大きさから、ブレードの回転半径を検討し、設置場所における風況から、ブレードの好ましい受風面積を容易に検討することができる。
このように、受風面積の広いブレードが、発電機のコギングトルク及び増速負荷の抑止力の影響を受けにくい位置にあるので、風速の低い風によっても、容易に回転をして、発電効率を高める。
ブレードの横断平面形が、前縁部が厚く、後縁部へかけて次第に薄くした略魚形とし、最大翼厚を、例えば弦長の20%〜30%とすると、従来では抵抗になるとされていたが、ブレードの内外面に沿って通過する気流は、コアンダ効果によって、前縁に負圧を生じさせ、かつ、後縁部に通過した高速気流が、後域の気圧を高めて気圧の差を造り、後方へ流動した気流による反作用により、ブレードの回転効率は高められる。
かつ翼弦中心線が、ブレードの回転トラック上に重なる形状として、ない外形を、翼弦中心を境とする対称形としてあるので、回転時の抵抗は小さい。
この場合、支持腕の縦断面が、翼弦中心線の上下で対称形に形成されているので、支持腕の片面方向へ、飛行機の翼のような揚力が生じることがなく、回転方向への前進力が生じる。
支持腕は、中心線を中心として、上下が対称に形成され、前縁が厚く後縁にかけて、次第に薄く形成されているので、回転時に支持腕に当る気流は、コアンダ効果により高速で後縁を通過し、その反動として、支持腕を回転する前方向に押出すので、ブレードの回転効率は補助的に高められる。
また上下対称の1対の支持腕が、上下対称的に傾斜しているので、回転時に各支持腕に沿って基部から遠心方向へ移動する気流は、従来の水平な支持腕におけるよりも、高速となり、定時間内において高速となり、その結果水平な支持腕のそれよりも、定時間内における流量が増加する。増加した流量はブレードに当り、ブレードの後縁に沿って反回転方向へ通過し、その反動で、ブレードを回転する前方向へ押出し、回転効率は高められる。
縦軸風車1における発電筐体2には、図示しない発電機と、その付属の増速機、及びブレーキ等が配設され、発電機に連結して立設された縦主軸3の上部には、回転体4が装着されている。回転体4には放射方向を向く、複数の支持腕5が装着され、その先端部には、縦長のブレード6が垂直に配設されている。
しかし、我国においては、風況のよい場所でも、風速7m/s以下のところが多く、かつその継続性も小さい。
また、ブレードの翼弦長が小さいと、高速回転をするので、大きな力を得られるとしているが、発電量は、風車の回転数とトルクの積であるから、回転トルクの小さなブレードが高速回転をしても、必ずしも大きな出力は得られない。
しかも、ブレード6が配設される位置は、発電機におけるコギングトルクの抑制を受けにくい個処であるので、回転効率を大にすることができる。
仮に傾斜支持腕51が、上向き或いは下向きの迎角を持っていると、回転に伴って抵抗となり、ブレーキ作用が生じるが、または傾斜支持腕51の上下面に気圧差が生じて、振動が生じる。
実験の結果、最大厚さが弦長の20%以下では、傾斜支持腕51の前縁から後縁へかけて通過する気流による、コアンダ効果による加速度が上昇しにくく、30%を超えると、傾斜支持腕51、51に作用する気流の抵抗が大きくなり、コアンダ効果は小となって回転力が低下する。
また、傾斜支持腕51、51は、上下対称の1対となっているので、上下の中間においては、遠心力により、傾斜支持腕51、51から離れて、ブレード6方向へ拡散され、ブレード6に当ると、図4におけるW矢示方向へ流れ、その反動として、ブレード6を回転する方向の前方向へ押す。
弦長の25%では、10.6%の増加を示し、弦長の30%では、10.2%の増加、弦長の35%では、9.7であった。
従って、傾斜支持腕51、51の最大厚さは、その弦長の25%〜30%であることが好ましい。
この実施例2は、ブレード6の上下方向の長さが長いときに、ブレード6の中間部が、遠心力によって外方へ湾曲することを防止するために、この中間部に水平支持腕52を配設したものである。
2.発電筐体
3.縦主軸
4.回転体
4A.ベアリング
4B.蓋体
5.支持腕
51.傾斜支持腕
52.水平支持腕
6.ブレード
6A.主部
6B.内向傾斜部
7.磁石
8.発電コイル
9.基台
10.支柱
10A.ベアリング
11.支柱
12.横枠
12A.ベアリング
13.支持枠体
a、b、c、d.力点
C.ブレードの翼弦中心線
C1.支持腕の翼弦線
M.ばね秤
R.回転方向
S.支持腕における気流
T.回転円弧
V.遠心力
X コギングトルクリの作用点
Claims (5)
- 発電機に連結された縦主軸の周囲に、支持腕を介して縦長ブレードを垂直に配設し、支持腕は、縦主軸を支点とし、遠心部に定めた力点にブレードを配してなる縦軸風車において、前記発電機のコギングトルクに抗して、前記支持腕を回転させるために必要な力点における回転力が、目標とする風速における回転力値の最小として計測される位置を力点として定め、ブレードが配設されてなることを特徴とする縦軸風車。
- 前記ブレードの弦長を、回転半径をブレード数で割った数値相当に設定し、その横断平面形を、前縁部が厚く、後縁部へかけて次第に薄くした略魚形とし、かつ翼弦中心線が、ブレードの回転円弧上に重なる形状とし、翼弦中心線を境とした内外形を対称形としてなることを特徴とする、請求項1に記載の縦軸風車。
- 前記支持腕の縦断面を、前縁部を厚くし後縁部へかけて次第に薄くした略魚形とし、水平とした厚さ中心線を挾んで、上下対称形に形成し、支持腕の最大厚は、基部から先端部へかけて、次第に薄く設定してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の縦軸風車。
- 前記支持腕は、平面視で基部から遠心方向へ次第に弦長を大として、基部の厚さを厚く、遠心方向へ次第に薄く形成してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の縦軸風車。
- 前記支持腕を、縦主軸に装着される回転体の周囲に、放射方向へ向けて配設され、かつ同一方向において上下対称の1対の傾斜支持腕とし、その各先端部を、上下で相反する方向へ離反する傾斜状として、ブレードに固定してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の縦軸風車。
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