JP2011168639A - 予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気加熱を行わずに、高い熱効率が期待されるディーゼルエンジンと同程度の圧縮比で圧縮自己着火を可能とし、更には排出ガス中のNOx及びPMの排出量を軽油等の従来燃料では達成し得ないレベルまで低減することも可能な予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物を提供する。
【解決手段】セタン価が35以上50以下で、リサーチ法オクタン価が30以上60以下で、硫黄分が7質量ppm以下で、15℃での密度が0.68〜0.78g/cmで、90容量%留出温度が200℃以下で、10容量%留出温度と50容量%留出温度と90容量%留出温度との平均値が180℃以下で、炭素数4〜6のノルマルパラフィン分が15容量%以上で、水素/炭素比(H/C比)が1.9以上であることを特徴とする予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料と空気とが予混合された予混合気の圧縮自己着火燃焼により運転させる予混合圧縮自己着火式エンジン用の燃料組成物に関し、特には、燃料と空気との予混合気の形成を促進し、良好なエンジン熱効率が期待される圧縮比での運転を可能とし、従来の燃料と比べて排出ガス中の窒素酸化物及び粒子状物質の排出量を大幅に低減し、更には低燃費化をも達成することが可能な予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物に関するものである。
自動車から排出される窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)は、大気中におけるこれら有害成分濃度に一定の寄与があるため、大気環境改善の観点から、これら有害排出ガス成分の削減が強く求められている。一方、地球温暖化防止のためには、化石燃料の燃焼で排出されるCOの削減が必要であり、エンジンからのCO排出の削減、即ち、燃料消費効率(燃費)の向上が強く求められている。このため、自動車等の駆動源として広く使用されている内燃機関には、有害ガス成分の排出削減とCOの排出削減を同時に達成する必要があり、昨今、その対応技術として、予混合圧縮自己着火式エンジンが注目されている。
予混合圧縮自己着火式エンジンとは、燃料噴射時期を従来のディーゼルエンジンよりも早いタイミングで噴射することにより着火までの予混合期間を設けて燃料と空気とを均質に混合し、又はガソリンエンジンのように燃料を吸気ポートへ噴射し空気と予め混合して均質な混合気を形成することにより、燃焼室内で圧縮自己着火させるエンジンである。従って、燃焼時、部分的に高い温度の領域ができず、PMやNOxの排出レベルを低く抑えることが可能となり、また従来型の燃焼方式であるディーゼルエンジンと同程度の低燃費及び高熱効率を達成することも可能である(非特許文献1)。一方で、ディーゼルエンジンの従来燃料である軽油は、重質な留分を含む為、混合気の形成を阻害し、不均一な予混合気によるNOx排出量の増加やシリンダー壁への付着による潤滑油の希釈等の弊害を起こすことがある。また、火花点火式エンジンの従来燃料であるガソリンは、アンチノック性が高い為、予混合圧縮自己着火燃焼を行うには、圧縮時の温度を通常のガソリンエンジン以上に高める必要があり、吸気加熱、高圧縮比、高温既燃ガスを利用する手法等、様々な手法が検討されているが(非特許文献2)、摩擦損失の増加等による熱効率低下の要因となっている。
島崎直基他,上死点近傍燃料噴射による予混合ディーゼル燃焼コンセプト,自動車技術会論文集,Vol.36,No.3,p.31−36(2005) 外薗徹他,ガソリンHCCIエンジンの開発,自動車技術会 学術講演会前刷集,No.25−08,p1−6(2008)
そこで、本発明の目的は、燃料と空気との予混合気の圧縮自己着火燃焼により運転させる予混合圧縮自己着火式エンジンにおいて、吸気加熱を行わずに、高い熱効率が期待されるディーゼルエンジンと同程度の圧縮比で圧縮自己着火を可能とし、更には排出ガス中のNOx及びPMの排出量を軽油等の従来燃料では達成し得ないレベルまで低減することも可能な予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の蒸留性状を有し、セタン価(CN)及びリサーチ法オクタン価(RON)が特定の範囲にある上、炭素数4〜6のノルマルパラフィン分及び水素/炭素比(H/C比)が高い燃料組成物が予混合圧縮自己着火式エンジンに好適であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、セタン価が35以上50以下で、リサーチ法オクタン価が30以上60以下で、硫黄分が7質量ppm以下で、15℃での密度が0.68〜0.78g/cmで、90容量%留出温度が200℃以下で、10容量%留出温度と50容量%留出温度と90容量%留出温度との平均値が180℃以下で、炭素数4〜6のノルマルパラフィン分が15容量%以上で、水素/炭素比(H/C比)が1.9以上であることを特徴とする。
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、全芳香族分が0.5〜20容量%で、オレフィン分が15容量%以下で、飽和分が75容量%以上であることが好ましい。
本発明によれば、特定の蒸留性状を有し、セタン価(CN)及びリサーチ法オクタン価(RON)が特定の範囲にある上、炭素数4〜6のノルマルパラフィン分及び水素/炭素比(H/C比)が高い燃料組成物を予混合圧縮自己着火式エンジンに用いることにより、吸気加熱等によって圧縮時の温度を上昇させることが必要なく、ディーゼルエンジンと同程度の圧縮比(14〜20)での圧縮自己着火を達成し、高い熱効率でエンジンを運転することができる。また、燃料と空気との予混合気の形成を促進することで、軽油等の従来燃料では達成できないレベルまで排出ガス中のNOx及びPMの排出量を低減することも可能となる。
更に、本発明の燃料組成物は、高負荷や過渡運転等、予混合圧縮自己着火燃焼に適さない運転条件において、電気モータや従来型圧縮自己着火燃焼を組み合わせたハイブリッド機関や、又は発電を目的としたエンジンに対して適用可能である。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、燃料と空気を均質に予混合してなる予混合気を燃焼室で圧縮自己着火させるタイプのエンジンに適した燃料である。なお、予混合圧縮自己着火とは、燃料と空気との予混合気を吸気ポートにて形成させるか又は燃料を燃焼室に噴射する時期を圧縮上死点前20クランク角度以前とすることで均質な混合気を形成させて圧縮自己着火させる燃焼形態を指す。
ここで、本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、セタン価が35以上50以下で、リサーチ法オクタン価が30以上60以下で、硫黄分が7質量ppm以下で、15℃での密度が0.68〜0.78g/cmで、90容量%留出温度が200℃以下で、10容量%留出温度と50容量%留出温度と90容量%留出温度との平均値が180℃以下で、炭素数4〜6のノルマルパラフィン分が15容量%以上で、水素/炭素比(H/C比)が1.9以上であることを特徴とする。
<セタン価(CN)>
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、セタン価が35以上50以下であることが必要である。本発明の燃料組成物は、セタン価が50以下であるため、予混合圧縮自己着火燃焼において、着火遅れ期間が十分に確保され、燃料と空気との混合気の均質化を促進することができ、排出ガスに含まれるNOxとPMの両方を同時に低減することに寄与することができる。また、セタン価が35以上であるため、安定した圧縮自己着火燃焼が可能である。なお、本発明の燃料組成物において、セタン価は36以上48以下であることが好ましく、38以上46以下であることが更に好ましい。ここで、セタン価(CN)は、JIS K2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」に準じた方法によって測定されるものである。
<リサーチ法オクタン価(RON)>
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、リサーチ法オクタン価(RON)が30以上60以下であることが必要であり、好ましくは35以上55以下であり、更に好ましくは35以上50以下である。リサーチ法オクタン価(RON)は、燃料の自己着火のしにくさを表す指標であるが、予混合圧縮自己着火燃焼においては、適切な時期で自己着火することが必要であることから、リサーチ法オクタン価(RON)は、上記特定した範囲内にあることが必要である。ここで、リサーチ法オクタン価(RON)は、JIS K2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」に準じた方法によって測定されるものである。
上述のように、本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、セタン価及びリサーチ法オクタン価を特定の範囲に調整することで、吸気加熱を行わずにディーゼルエンジンと同程度の圧縮比にて圧縮自己着火を起こすことが可能となり、エンジン熱効率を大幅に向上させることができる。
<硫黄分>
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、硫黄分が7質量ppm以下である。ここで、本発明の燃料組成物は、硫黄分が7質量ppm以下であるため、燃焼生成物である硫黄酸化物が少なく、環境負荷の低減に寄与できる。また、硫黄分は、排出ガス浄化触媒を被毒するので、硫黄分の低減は、排出ガス浄化触媒の性能の維持を通じても、環境負荷の低減に寄与できる。更に、NOx吸蔵還元触媒を装着した車両においては、該触媒の硫黄被毒の再生に燃料を使用するので、硫黄分の低減は、燃費の向上にも寄与する。そして、これらの効果は、硫黄分が低い程顕著であるため、本発明の燃料組成物中の硫黄分は、好ましくは5質量ppm以下であり、更に好ましくは2質量ppm以下である。なお、該硫黄分は、JIS K2541−6「硫黄分試験方法(紫外蛍光法)」に規定された方法で測定されるものである。
<密度>
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、15℃での密度が0.68〜0.78g/cmであることが必要である。燃料組成物の15℃での密度をこの範囲にすることにより、燃費を良好に維持でき、排出ガス性状を最適化することが出来る。該密度は、燃費及び排出ガス性状を更に向上させる観点から、好ましくは0.70〜0.76g/cmであり、更に好ましくは0.71〜0.75g/cmである。該密度は、JIS K2249「原油及び石油製品密度試験方法」に規定された方法で測定されるものである。
<蒸留性状>
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、90容量%留出温度(T90)が200℃以下であることが必要であり、好ましくは190℃以下であり、更に好ましくは185℃以下である。本発明の燃料組成物は、90容量%留出温度(T90)が200℃以下であるため、冷機時の運転性が向上し、燃焼室内のデポジット形成を抑制し、且つ排出ガスに含まれる可溶性有機成分(Soluble Organic Fraction)の排出を抑制することができ、その結果、PM排出量の低減に寄与できる。
また、本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、10容量%留出温度(T10)と50容量%留出温度(T50)と90容量%留出温度(T90)との平均値が180℃以下であることが必要である。予混合圧縮自己着火燃焼では、排出ガス中のNOx及びPMを同時低減することが期待されるが、予混合の形成を更に促進しながら、排出ガス中のNOx及びPMの排出量を軽油等の従来燃料では達成し得ないレベルまで低減するためには、10容量%留出温度(T10)と50容量%留出温度(T50)と90容量%留出温度(T90)との平均値を180℃以下にすることが必要であり、好ましくは160℃以下であり、特に好ましくは140℃以下である。
なお、これらの蒸留性状は、JIS K2254「石油製品−蒸留試験方法」に規定された方法により求められるものである。
<ノルマルパラフィン分>
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、炭素数4〜6のノルマルパラフィン分が15容量%以上であることが必要であり、好ましくは16容量%以上であり、更に好ましくは18容量%以上である。本発明の燃料組成物は、炭素数4〜6のノルマルパラフィン分が15容量%以上であるため、冷機時での燃料/空気混合気の着火性を低下させることなく、良好な始動性、運転性を維持することができる。また、特に制限はないが、冷機時での着火時期制御適正化の観点から、炭素数4〜6のノルマルパラフィン分は50容量%以下が好ましく、より好ましくは45容量%以下、特に好ましくは40容量%以下である。なお、これらノルマルパラフィン分は、JIS K2536−2「石油製品−成分試験法(ガスクロマトグラフによる全成分の求め方)」に規定された方法により求められるものである。
<水素/炭素比(H/C比)>
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、CO排出量の低減の観点から、水素/炭素比(H/C比)が1.9以上であることが必要であり、好ましくは2.0以上であり、更に好ましくは2.1以上である。また、本発明の燃料組成物は、発熱量を維持し燃料消費量の低下を防ぐという観点から、水素/炭素比(H/C比)が、好ましくは2.4以下であり、更に好ましくは2.3以下、特に好ましくは2.25以下である。該H/C比は、有機元素分析により水素(H)分と炭素(C)分を測定して、H/C比(モル比)を求めるものである。
<芳香族分>
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、全芳香族分が20容量%以下であることが好ましい。燃料組成物中の全芳香族分が高すぎると、PMの排出量が増加し、また発熱量が増加することで窒素酸化物の排出量も増加することがあるため、燃料組成物中の全芳香族分は好ましくは20容量%以下であり、更に好ましくは16容量%以下であり、特に好ましくは10容量%以下である。一方、燃料組成物中の全芳香族分が低すぎても発熱量が低下して燃料消費量が増加することがあるため、本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、全芳香族分が好ましくは0.5容量%以上であり、更に好ましくは0.7容量%以上であり、特には1容量%以上である。なお、芳香族分は、蒸留性状の終点が315℃以下の供試燃料についてはJIS K2536−1「石油成分−成分試験法」に規定された方法で測定されるものであり、また、蒸留性状の終点が315℃を超える供試燃料についてはJPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」に規定された方法で測定されるものである。
<オレフィン分>
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、オレフィン分が15容量%以下であることが好ましい。燃料組成物中のオレフィン分が高すぎると、燃料貯蔵時の酸化安定性が低下し、スラッジの生成等による燃料品質が低下することがあるため、オレフィン分は好ましくは15容量%以下であり、更に好ましくは10容量%以下であり、特に好ましくは6容量%以下である。なお、オレフィン分は、蒸留性状の終点が315℃以下の供試燃料についてはJIS K2536−1「石油成分−成分試験法」に規定された方法で測定されるものであり、また、蒸留性状の終点が315℃を超える供試燃料についてはJPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」に規定された方法で測定されるものである。
<飽和分>
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、飽和分が75容量%以上であることが好ましい。本発明の燃料組成物の飽和分が75容量%以上である場合、圧縮自己着火に必要な自己着火性を大幅に向上させることができる。また、排出ガスに含まれるPMやNOxの排出低減の他、更にCOの排出低減にも寄与できる。該飽和分は、更に好ましくは85容量%以上であり、特に好ましくは94容量%以上である。なお、飽和分は、蒸留性状の終点が315℃以下の供試燃料についてはJIS K2536−1「石油成分−成分試験法」に規定された方法で測定されるものであり、また、蒸留性状の終点が315℃を超える供試燃料についてはJPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」に規定された方法で測定されるものである。
<燃料組成物の調製>
本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物は、上述の通り、所定の性状を有していれば、その基材は特に限定されることがなく、例えば常圧蒸留装置で分留した直留ナフサ、直留灯油や直留軽油留分を水素化脱硫した基材や、直留ナフサを改質させてリサーチ法オクタン価を向上させた改質ナフサ、重質軽油を流動接触分解装置で製造した接触分解ガソリンを水素化脱硫した基材、直留残渣油を熱分解させて製造した熱分解ナフサ、熱分解軽油を水素化脱硫させた基材、又は液化石油ガス(LPG)留分の付加反応により製造されるアルキレートガソリン等を基材としてブレンドすることにより調製することができる。
<添加剤>
なお、本発明の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物には、低温流動性向上剤、耐摩耗性向上剤、セタン価向上剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、腐食防止剤等の公知の燃料添加剤を添加してもよい。例えば、低温流動性向上剤としては、エチレン共重合体などを用いることができるが、特には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどの飽和脂肪酸のビニルエステルが好ましく用いられる。耐摩耗性向上剤としては、例えば長鎖脂肪酸(炭素数12〜24)又はその脂肪酸エステルが好ましく用いられ、10〜500質量ppm、好ましくは50〜100質量ppmの添加量で十分に耐摩耗性が向上する。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<供試燃料の調製>
以下の供試燃料に対して、上記の方法で性状分析を行った。結果を表1〜2に示す。
・実施例1:直留ナフサを改質させたリフォーメートガソリン(RF)を44容量%、蒸留範囲が160〜195℃のNAソルベントNAS−3(日油株式会社製)を40容量%、流動接触分解装置により重質軽油を分解させて製造した分解ナフサを16容量%混合して調製した。
・実施例2:直留ナフサを80容量%、上記NAソルベントNAS−3(日油株式会社製)を20容量%混合して調製した。
・実施例3:直留ナフサを50容量%、上記NAソルベントNAS−3(日油株式会社製)を45容量%、炭素数14〜16のノルマルパラフィンSHNP(株式会社ジャパンエナジー製)を5容量%混合して調製した。
・実施例4:上記NAソルベントNAS−3(日油株式会社製)を50容量%、蒸留範囲が150〜210℃のナフテン/パラフィン系溶剤であるエクゾールD40(東燃ゼネラル石油株式会社製)を5容量%、直留ナフサを40容量%、分解ナフサを5容量%混合して調製した。
・比較例1:市販のレギュラーガソリンを準備した。
・比較例2:市販の2号軽油を準備した。
・比較例3:市販の灯油を準備した。
Figure 2011168639
Figure 2011168639
<エンジン試験>
次に、上記供試燃料について、予混合圧縮自己着火燃焼でのエンジン試験を想定し、エンジン定常条件におけるエンジン出口直後の排出ガス性状としてスモーク(煤)値(%)、窒素酸化物(NOx)の排出量(g/kWh)、燃費の代替パラメータとして二酸化炭素(CO)の排出量(g/kWh)を測定した。得られた数値を比較例3の供試燃料(市販灯油)を基準にして相対評価で示した。これらの結果を表3に示す。なお、○は基準に対して良好で、△は基準と同等で、×は基準に対して劣っていることを示す。また、供試エンジン諸元と想定したエンジン定常条件を下記に示す。
<供試エンジン諸元>
・4気筒 四サイクル直噴式エンジン
・排気量:約2L
・吸気:自然吸気(吸気加熱無し)
・燃料噴射システム:コモンレールシステム
・圧縮比:約17
<運転条件(予混合圧縮自己着火燃焼)>
・負荷:15%
・回転数:1200rpm
・噴射圧力:60MPa
・噴射開始時期:25CA BTDC
・EGR率:20%
Figure 2011168639
表3の結果から、本発明の燃料組成物である実施例1〜4の供試燃料は、比較例1の供試燃料と比較して、吸気加熱等による圧縮時の混合気温度の上昇を行わない、ディーゼルエンジンと同程度の高い熱効率が期待される圧縮比の供試エンジンにおいて予混合圧縮自己着火燃焼が可能であり、また、比較例2及び3の供試燃料と比較して、NOx排出量、スモーク(PM)排出量、CO排出量を低減できることが分かる。なお、比較例1の供試燃料は、自己着火性が低すぎるため、上記運転条件においては圧縮自己着火を起こさず、燃焼が成立しなかった。

Claims (2)

  1. セタン価が35以上50以下で、リサーチ法オクタン価が30以上60以下で、硫黄分が7質量ppm以下で、15℃での密度が0.68〜0.78g/cmで、90容量%留出温度が200℃以下で、10容量%留出温度と50容量%留出温度と90容量%留出温度との平均値が180℃以下で、炭素数4〜6のノルマルパラフィン分が15容量%以上で、水素/炭素比(H/C比)が1.9以上であることを特徴とする予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物。
  2. 全芳香族分が0.5〜20容量%で、オレフィン分が15容量%以下で、飽和分が75容量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の予混合圧縮自己着火式エンジン用燃料組成物。
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