以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る冷水機の外観斜視図であり、図2は冷水機の全体構成を概略的に示したブロック図である。この冷水機は、シンクSを備えた冷水機本体Aの内部に、水回路10、冷凍回路20及び電気制御装置30を備えている。水回路10は、本発明に係る水路としての水道管40に接続される管11を有する。水道管40は、地中に埋め込まれている部分(図示せず)と、地上に露出した部分とを有し、図2の矢印aの方向に上水を連続的に冷水機に供給するようになっている。
管11は、管11内に導かれた上水を冷却する熱交換器50(詳しくは後述する)を通過して、冷却された冷水を水回路10の外部へ導くように配置されている。管11には、熱交換器50の上流位置にて減圧弁12が介装され、熱交換器50の下流位置にて電動弁13が介装されている。減圧弁12は、水道管40を介して供給される上水を所定圧まで減圧する。すなわち、減圧弁12は、水道管40を介して供給される水の圧力を減圧して、出力側の水の圧力を所定の圧力に安定させる。電動弁13は、バルブ開度を制御するための電動モータを内蔵し、バルブ開度の制御により管11内を流れて水回路10から外部へ取出される冷水の流量(単位時間当たりの水量)を制御する。管11には、温度センサ14,15及び流量センサ16も設けられている。
温度センサ14は、本発明の給水温度センサに相当するもので、熱交換器50と減圧弁12の間の位置(すなわち熱交換器50の上流位置)にて管11に組付けられ、管11内を流れて熱交換器50で冷却される前の上水の温度を給水温度T1として検出する。温度センサ15は、本発明の冷水温度センサに相当するもので、熱交換器50と管11の出水口部11aの間の位置(すなわち熱交換器50の下流位置)にて管11に組付けられ、熱交換器50により冷却された後に管11内を流れて外部に取出される冷水の温度を冷水温度T2として検出する。流量センサ16は、熱交換器50と減圧弁12の間の位置にて管11に介装され、管11内を流れる水の流量Fを検出する。なお、管11内を流れる水の流量は管11のいずれの部分でも同一であるので、この流量センサ16は、前記位置に限らず、管11内のいずれの位置に介装してもよい。
冷凍回路20は、圧縮機21、凝縮器22、キャピラリ23及び蒸発器24を配管25により前記順に接続してなり、図示の矢印bの方向に冷媒を循環させる。圧縮機21は、電動モータを内蔵し、電気制御装置30により駆動制御されて、高温高圧の冷媒ガスを吐出する。凝縮器22は、圧縮機21から吐出された高温高圧の冷媒ガスを放熱液化して、キャピラリ23に供給する。キャピラリ23は、毛細管で構成されており、冷媒の圧力を低下させて所定の低圧に保つ。
蒸発器24は、熱交換器50内に配置され、供給された冷媒を蒸発させて熱交換器50内に配置されている管11の一部を冷却する。この場合、熱交換器50内においては、管11に対する蒸発器24の接触面積がなるべく大きくなるように構成されており、例えば熱交換器50内に配置された管11の部分11bを比較的長く構成するとともに、管11の部分11bの外周上に蒸発器24の配管を何重にも巻き回すように構成されている。これにより、管11内を流れる水は、熱交換器50内にて蒸発器24により冷却される。
電気制御装置30は、操作パネル31、制御回路32及び駆動回路33を備えている。操作パネル31には、図3に示したように、出水止水スイッチ34,アップスイッチ34a、ダウンスイッチ34b、タイマスイッチ35、取消スイッチ36、表示器37、冷却ランプ38a及びタイマランプ38bが配置されている。
出水止水スイッチ34は、電動弁13の開閉操作のためのものであり、押圧することにより電動弁13が開閉して下流側に対する出水の状態と止水の状態とが変更される。また、圧縮機21の作動中に出水止水スイッチ34を押圧することにより圧縮機21の作動は停止する。アップスイッチ34a及びダウンスイッチ34bは、本発明に係る開度設定スイッチを構成するもので、アップスイッチ34aは電動弁13の開度を大きくするためのものであり、ダウンスイッチ34aは電動弁13の開度を小さくするためのものである。アップスイッチ34aの表面には、「UP」の文字と三角形が示され、ダウンスイッチ34aの表面には、「DOWN」の文字と逆三角形が示されている。アップスイッチ34a及びダウンスイッチ34bの操作により、後述する図7に示した電動弁13の設定開度が「1」から「10」の範囲で変更される。
タイマスイッチ35は、押圧操作されていくことにより、予め設定されたいくつかの時間のうちの一つを順次選択していく。この場合、例えば、5分、10分、20分・・・60分等、10分以降は10分ずつ長くなる時間を設定しておき、タイマスイッチ35を押圧していくことにより、いずれかの時間を選択して設定できるようにする。そして、選択された時間が最長時間になった後には、再度5分に戻るようにする。取消スイッチ36は、タイマスイッチ35の操作により設定された設定時間による動作を取り消すためのスイッチである。
表示器37は、温度センサ15が検出する冷水温度T2を表示するためのものであるが、アップスイッチ34a及びダウンスイッチ34bが操作されているときには、電動弁13の開度に対応する値(図7に示した設定開度)を点滅表示し、タイマスイッチ35が操作されているときには、設定時間の数値を点滅表示する。また、作業者に、アップスイッチ34a、ダウンスイッチ34b及びタイマスイッチ35を操作することを促す際には、複数の横線が断続的に横方向に並んだ待機画像(「−−−」)を表示し、管11内を流れる水の流量が設定開度に応じた量にならないときや、水温が予め設定された範囲から外れたときには、エラー表示などをする。冷却ランプ38aは、LEDで構成されており、圧縮機21が作動しているときに点灯して冷却運転中であることを示す。タイマランプ38bも、LEDで構成されており、冷水機がタイマスイッチ35によって設定された設定時間による動作状態に設定されているときに点灯して設定時間が経過中であることを示す。
制御回路32は、CPU32a,ROM32b,RAM32c、時計回路32d、書込み可能な不揮発性メモリ32eなどからなるコンピュータ装置により構成されていて、操作パネル31の出水止水スイッチ34、アップスイッチ34a、ダウンスイッチ34b、タイマスイッチ35、取消スイッチ36、表示器37、冷却ランプ38a及びタイマランプ38bに接続されるとともに、電動弁13、温度センサ14,15、流量センサ16及び駆動回路33にも接続されている。
CPU32aは、図4A乃至図4Cに示すメインプログラム及び図5,6に示すサブルーチンのプログラムを実行する。ROM32b又は不揮発性メモリ32eは、前記プログラムを記憶している。また、ROM32b又は不揮発性メモリ32eには、開度制御データテーブルが用意されている。開度制御テーブルには、電動弁13の開度を設定制御するための開度制御データであって、電動弁13の不連続な複数段階の開度にそれぞれ対応した複数の開度制御データが記憶されている。この電動弁13の開度は、作業者によるアップスイッチ34a及びダウンスイッチ34bの操作により切り換えられるもので、例えば図7に示すように、「1」〜「10」の10段階に切り換えられる。また、図7は、電動弁13の「0」を含む複数段階の設定開度に対応して、電動弁13を流れる流量をそれぞれ例示している。RAM32cは、前記プログラムの実行中、変数を一時的に記憶する。時計回路32dは、時間を計測する。
前述した各装置を備えた冷水機本体Aは、図1に示したように、4本の脚部17を備えた矩形の箱状体で構成されており、上面に凹部からなるシンクSが形成されている。そして、冷水機本体Aの上面後部には、上方に延びる上壁部18が形成されており、この上壁部18の正面右側に操作パネル31が表面を前方に向けて設置されている。また、管11の下流側部分は、冷水機本体Aの上面後部における左側の角部から上方に延びたのちに湾曲して下方に延びており、出水口部11aはシンクSに対向している。そして、シンクSの後壁上部には、オーバーフローした冷水を外部に放出するための放出口19が形成されている。
次に、上記のように構成した冷水機の動作を説明する。この冷水機においては、図示しない電源スイッチを投入すると、CPU32aは、図4A乃至図4Cのメインプログラムの実行を開始する。このメインプログラムの実行は図4AのステップS10にて開始され、CPU32aは、ステップS12にて初期設定処理を実行する。この初期設定処理においては、不揮発性メモリ32eに記憶されていて電動弁13の前回の開度及び冷水機の前回の作動時間を表すデータ値が、設定開度SL及び設定時間STとして設定される。なお、設定開度SL及び設定時間STは、RAM32cに記憶されていて、プログラムの実行によって利用される変数である。また、電動弁13の前回の開度及び冷水機の前回の作動時間を表すデータ値が不揮発性メモリ32eに記憶されていない場合には、予め決められている初期値が設定開度SL及び設定時間STとして設定される。次に、CPU32aは、表示器37に、複数の横線からなる待機画像「−−−」を表示することにより、作業者に電動弁13の開度に対応する設定開度や冷水機を作動させる設定時間を入力することを促す。
前記ステップS14の処理後、CPU32aは、ステップS16〜S22からなる循環処理を実行する。ステップS16においては、アップスイッチ34a又はダウンスイッチ34bが押圧操作されたか否かが判定される。ステップS18においては、タイマスイッチ35が押圧操作されたか否かが判定される。ステップS20においては、取消スイッチ36が押圧操作されたか否かが判定される。ステップS22においては、出水止水スイッチ34が押圧操作されたか否かが判定される。なお、この初期においては、電動弁13は全閉状態にあり、管11内には上水は流れていない。アップスイッチ34a、ダウンスイッチ34b、タイマスイッチ35、取消スイッチ36及び出水止水スイッチ34のいずれのスイッチも押圧操作されなければ、CPU32aは、S16〜S22にてそれぞれ「No」と判定して、ステップS16〜S22からなる循環処理を繰り返し実行し続ける。
作業者がアップスイッチ34a又はダウンスイッチ34bを押圧操作すると、CPU32aは、ステップS16にて「Yes」と判定して、ステップS24にて開度設定ルーチンを実行する。開度設定ルーチンは図5に詳細に示されており、その実行がステップS200にて開始される。この実行開始後、CPU32aは、ステップS202にて、現在の設定開度SLを表示器37に点滅表示させる。初期においては、この表示器37に点滅表示される値は、前記ステップS12にて初期設定された値である。なお、ステップS202にて点滅表示される値は、ステップS16の判定時にアップスイッチ34aを押圧操作していてもダウンスイッチ34aを押圧操作していても同じ値である。
また、この表示器37に点滅表示される値は、図7に示すように、管11内を通過する水の流量に対応して「1」〜「10」の10段階の1つを示す値とする。ここでは、電動弁13が全閉して流量が0L/分となる場合に対応する設定開度は「0」としている。なお、前記及び後述する「L」はリットルである。そして、電動弁13が最小開度だけ開いて流量が0.9L/分となる場合に対応する設定開度を「1」として、電動弁13が全開して流量が8.0L/分となる場合に対応する設定開度を「10」とし、設定開度が「1」から「10」の間で大きくなるほど徐々に実際の電動弁13の開度が大きくなり、それに従って水の流量も多くなるようにしている。冷水機の作動時には、電動弁13の開度は、「1」〜「10」の範囲に設定され、初期値としてはこの範囲のいずれかの値が用いられる。
前記ステップS202の処理後、CPU32aは、ステップS204にて第1タイマをリセット、すなわち第1タイマ値TM1を「0」に設定する。この第1タイマ値TM1は、時計回路32dが所定の短時間を計測するごとに実行される図示しないタイマプログラムにより、所定の短時間ごとにカウントアップされて前記リセットからの経過時間を表す。また、後述する第2乃至第8タイマ値TM2〜TM8に関しても、詳しい説明は省略するが、前記第1タイマ値TM1と同様に機能する。
前記ステップS204の処理後、CPU32aは、ステップS206〜S210からなる循環処理を実行する。ステップS206においては、アップスイッチ34aが押圧操作されたか否かが判定される。ステップS208においては、ダウンスイッチ34aが押圧操作されたか否かが判定される。ステップS210においては、第1タイマ値TM1が予め決められた所定の短時間TM10(例えば、3秒)以上であるか否か、すなわち第1タイマ値TM1のリセット(すなわち前述したアップスイッチ34a又はダウンスイッチ34bの押圧操作)から所定の短時間TM10が経過したか否かが判定される。なお、この所定の短時間TM10は、作業者が引き続きアップスイッチ34a又はダウンスイッチ34bを操作する意志があるかどうかを確認するための時間である。アップスイッチ34a及びダウンスイッチ34bも押圧操作されず、第1タイマ値TM1が前記所定の短時間TM10未満であれば、CPU32aは、ステップS206〜S210にてそれぞれ「No」と判定して、ステップS206〜S210からなる循環処理を繰り返し実行し続ける。この間、表示器37には、ステップS202で点滅表示された設定開度SLが継続して点滅表示される。
前記ステップS206〜S210からなる循環処理中、アップスイッチ34aが押圧操作されると、CPU32aは、ステップS206にて「Yes」と判定して、ステップS212に進む。ステップS212においては、設定開度SLが最大設定開度である「10」に達しているか否かが判定される。設定開度SLが「10」に達していれば、CPU32aは、ステップS212にて「Yes」と判定して、ふたたびステップS206〜S210からなる循環処理を実行する。一方、設定開度SLが「10」に達していなければ、CPU32aは、ステップS212にて「No」と判定して、ステップS214にて設定開度SLに「1」を加算する。これにより、電動弁13の設定開度SLが1段階だけ上昇される。その後、CPU32aは、ステップS202に戻り、前述のように、設定開度SLが表示器37に点滅表示されるように制御する。したがって、表示器37には、前記1段階だけ上昇された設定開度SLが点滅表示され始める。前記ステップS202の処理後、前述したステップS204の処理により、第1タイマ値TM1がふたたび「0」にリセットされる。これにより、第1タイマ値TM1は、ふたたび「0」から時間経過に従ってカウントアップされ始める。
また、前記ステップS206〜S210からなる循環処理中、ダウンスイッチ34bが押圧操作されると、CPU32aは、ステップS208にて「Yes」と判定して、ステップS216に進む。ステップS216においては、設定開度SLが最小設定開度である「1」に達しているか否かが判定される。設定開度SLが「1」に達していれば、CPU32aは、ステップS216にて「Yes」と判定して、ふたたびステップS206〜S210からなる循環処理を実行する。一方、設定開度SLが「1」に達していなければ、CPU32aは、ステップS216にて「No」と判定して、ステップS218にて設定開度SLから「1」を減算する。これにより、電動弁13の設定開度SLが1段階だけ下降される。この場合も、その後、CPU32aは、ステップS202に戻り、前述のように、設定開度SLが表示器37に点滅表示されるように制御する。したがって、表示器37には、前記1段階だけ下降された設定開度SLが点滅表示され始める。前記ステップS202の処理後、前述したステップS204の処理により、第1タイマ値TM1がふたたび「0」にリセットされる。これにより、第1タイマ値TM1は、ふたたび「0」から時間経過に従ってカウントアップされ始める。
前記のように、ステップS206〜S210からなる循環処理中、作業者がアップスイッチ34a及びダウンスイッチ34bを押圧操作することにより、設定開度SLが変更される。そして、ステップS206〜S210からなる循環処理中、アップスイッチ34a又はダウンスイッチ34bの押圧操作から所定の短時間TM10(例えば、3秒)が経過すると、CPU32aは、ステップS210にて「Yes」すなわち第1タイマ値TM1が所定の短時間TM10以上であると判定して、ステップS220にてこの開度設定ルーチンの実行を終了する。
この開度設定ルーチンの実行終了後、CPU32aは、図4Aのメインプログラムの実行に戻り、ステップS26にて、表示器37に待機画像「−−−」を表示させる。
また、前記ステップS16〜S22の循環処理中、作業者がタイマスイッチ35を押圧操作すると、CPU32aは、ステップS18にて「Yes」と判定して、ステップS28にて時間設定フラグをセットする。この時間設定フラグは、作業者が冷水機の運転動作を設定時間STが経過した後に自動的に停止させるモードを選んだことを表すものである。そして、この時間設定フラグがセットされない(すなわちリセットされている)場合には、出水止水スイッチ34が操作されるまで冷水機の運転動作が継続する。
前記ステップS28の処理後、CPU32aは、ステップS30にて時間設定ルーチンを実行する。この時間設定ルーチンは図6に詳細に示されており、その実行がステップS300にて開始される。この実行開始後、CPU32aは、ステップS302にて、現在の設定時間STを表示器37に点滅表示させる。初期においては、この表示器37に点滅表示される値は、前記ステップS12にて初期設定された値である。前記ステップS302の処理後、CPU32aは、ステップS304にて第2タイマをリセット、すなわち第2タイマ値TM2を「0」に設定する。前述のように、この第2タイマ値TM2も、「0」からカウントアップされ始めて前記リセットからの経過時間を表す。
前記ステップS304の処理後、CPU32aは、ステップS306,S308からなる循環処理を実行する。ステップS306においては、タイマスイッチ35が押圧操作されたか否かが判定される。ステップS308においては、第2タイマ値TM2が予め決められた所定の短時間TM20(例えば、3秒)以上であるか否か、すなわち第2タイマ値TM2のリセット(すなわち前述したタイマスイッチ35の押圧操作)から所定の短時間TM20が経過したか否かが判定される。なお、この所定の短時間TM20は、作業者が引き続きタイマスイッチ35を操作する意志があるかどうかを確認するための時間である。タイマスイッチ35が押圧操作されず、第2タイマ値TM2が前記所定の短時間TM20未満であれば、CPU32aは、ステップS306,S308にてそれぞれ「No」と判定して、ステップS306,S308からなる循環処理を繰り返し実行し続ける。この間、表示器37には、ステップS302で点滅表示された設定時間STが継続して点滅表示される。
前記ステップS306,S308からなる循環処理中、タイマスイッチ35が押圧操作されると、CPU32aは、ステップS306にて「Yes」と判定して、ステップS310に進む。ステップS310においては、CPU32aは設定時間STを変更する。この設定時間STの変更においては、例えば5分、10分、20分・・・60分の時間値が、タイマスイッチ35の押圧操作ごとに前記順に繰り返し選択されて設定時間STとして順次設定されていく。具体的には、前回の設定時間STが5分であれば、タイマスイッチ35の押圧操作時に、設定時間STは10分に切り換えられる。前回の設定時間STが10分であれば、タイマスイッチ35の押圧操作時に、設定時間STは20分に切り換えられる。前回の設定時間STが60分であれば、タイマスイッチ35の押圧操作時に、設定時間STは5分に切り換えられる。その後、CPU32aは、ステップS302に戻り、前述のように、設定時間STが表示器37に点滅表示されるように制御する。したがって、表示器37には、前記切り換えられた設定時間STが点滅表示され始める。前記ステップS302の処理後、前述したステップS304の処理により、第2タイマ値TM2がふたたび「0」にリセットされる。これにより、第2タイマ値TM2は、ふたたび「0」から時間経過に従ってカウントアップされ始める。このように、ステップS306,S308からなる循環処理中、作業者がタイマ35を押圧操作することにより、設定時間STが変更される。
また、前記ステップS306,S308からなる循環処理中、タイマスイッチ35の押圧操作から所定の短時間TM20(例えば、3秒)が経過すると、CPU32aは、ステップS308にて「Yes」すなわち第2タイマ値TM2が所定の短時間TM20以上であると判定して、ステップS312にてこの時間設定ルーチンの実行を終了する。
この時間設定ルーチンの実行終了後、CPU32aは、図4Aのメインプログラムの実行に戻り、ステップS32にて、表示器37に待機画像「−−−」を表示させる。
また、前記ステップS16〜S22の循環処理中、作業者が取消スイッチ36を押圧操作すると、CPU32aは、ステップS20にて「Yes」と判定して、ステップS34にて時間設定フラグをリセットする。これにより、前記ステップS28にて時間設定フラグがセットされても、取消スイッチ36の押圧操作により、時間設定フラグはふたたびリセットされる。
また、前記ステップS16〜S22の循環処理中、作業者が出水止水スイッチ34を押圧操作すると、CPU32aは、ステップS22にて「Yes」と判定して、ステップS36にて電動弁13を設定開度SLまで開かせる。この場合、CPU32aは、設定開度SLに対応した開度制御データをROM32b又は不揮発性メモリ32e内の開度制御データテーブルから読み出して、前記読み出した開度制御データに応じて電動弁13の開度を設定制御する。電動弁13の開度が設定開度SLに設定されると、管11内には水道管40を介した上水が流れ込み始める。この場合、管11に流れる水の流量は、設定開度SLに依存する。すなわち、設定開度SLが大きければ、管11内を流れて出水口部11aを介して外部に取出される水の流量は大きい(図7参照)。一方、設定開度SLが小さければ、管11内を流れて出水口部11aを介して外部に取出される水の流量は小さい。
また、水道管40から管11内に流れる水は、管11内の上流側部分で、減圧弁12によって減圧されることで、流量が安定する。すなわち、水道管40を流れる水の圧力は、管11から離れた部分では最低圧が200〜300kPaであるが、末端(管11付近)では100kPa以下になることがある。このため、管11内の上流側部分では、例えば、図8に示したように、時間とともに水圧が変動する。本実施形態では、冷水機の使用範囲での最大流量を確保するために必要な最低限の圧力を50kPaとして、減圧弁12によって減圧弁12の直後の水圧が50kPaに安定するようにしている。
前記ステップS36の処理後、CPU32aは、ステップS38にて第3タイマをリセット、すなわち第3タイマ値TM3を「0」に設定する。前述のように、この第3タイマ値TM3も、「0」からカウントアップされ始めて前記リセットからの経過時間を表す。次に、CPU32aは、ステップS40にて、時間設定フラグを参照して、時間設定がされているか否かを判定する。前記ステップS28の処理によって時間設定フラグがセットされていて、時間設定有りであれば、CPU32aは、ステップS40にて「Yes」と判定して、ステップS42にてタイマランプ38bを点灯させて、ステップS44に進む。また、初期状態又は前記ステップS34の処理によって時間設定フラグがリセットされていて、時間設定有りでなければ、CPU32aは、ステップS40にて「No」と判定して、ステップS44にてタイマランプ38bを消灯させる。
前記ステップS42,S44の処理後、CPU32aは、ステップS46にて、流量センサ16によって検出された流量Fを入力して、入力した流量Fが予め決められた所定の小さな流量F0以上であるかを判定する。この流量F0は、図7に示した設定開度が「1」のときの流量0.9L/分よりも小さく、例えば0.7L/分である。したがって、検出流量Fが、流量F0未満であれば、断水等により水道管40からの給水が途絶えたり、電動弁13に異常が生じたりして、設定開度SLに応じた給水が行われていないものと判断する。この場合、給水の流量は正常であって、流量Fが流量F0(0.7L/分)以上であれば、CPU32aは、ステップS46にて「Yes」と判定して、ステップS48にて温度センサ15から冷水温度T2を入力して、入力した冷水温度T2を表示器37に表示させる。
前記ステップS48の処理後、CPU32aは、ステップS50にて、温度センサ14によって検出された給水温度T1を入力して、入力した給水温度T1が予め決められた所定の低温T10以上であるかを判定する。この所定の低温T10は、供給される上水を冷却する必要があるか否かを判断する温度であり、例えばそれよりも低い場合には上水を冷却する必要ない8℃に設定されている。
図9に、冷水機の運転例として、季節ごとの給水温度における、冷水温度に対する設定開度を示している。図9によれば、給水温度は、夏季であれば26℃、春秋季であれば18℃、冬季であれば10℃程度である。そして、夏季であれば、設定開度を「1」にすれば冷水温度は6.3℃まで下がるが、設定開度を「10」にすると冷水温度は23.3℃までしか下がらない。また、冬季であれば、設定開度を「8」にすれば冷水温度は4.7℃まで下がり、設定開度を「10」にしても冷水温度は7.1℃まで下がる。そして、春秋季であれば、設定開度を「4」にすれば冷水温度は5.2℃まで下がり、設定開度を「10」にすると冷水温度は15.1℃まで下がる。このような状態であるため、例えば、冬季においては、給水温度が8℃未満で給水を冷却する必要がない場合や、冷水機の作動開始からすぐに、水温が8℃未満になってその状態が続く場合もあり、このような場合には、冷水機を作動させなかったり、作動を停止させたりして、水道からの水を直接用いてもよい。
給水温度T1が所定の低温T10(例えば、8℃)以上であれば、CPU32aは、ステップS50にて「Yes」と判定して、ステップS52〜S56の処理を実行する。ステップS52においては、CPU32aは、駆動回路33を介して圧縮機21の作動を開始させる。これによって、圧縮機21の電動モータは一定の速度で駆動され、管11内の給水は、熱交換器50内を通過する間に冷却される。ステップS54においては、CPU32aは、冷却ランプ38aを点灯させる。これによって、冷水機が冷却運転中であることが示される。ステップS56においては、CPU32aは、第4タイマをリセット、すなわち第4タイマ値TM4を「0」に設定する。これにより、この第4タイマ値TM4も、「0」からカウントアップされ始めて、前記リセットからの経過時間すなわち冷水機の冷却運転開始からの時間を表す。
一方、流量センサ16によって検出された流量Fが流量F0(0.7L/分)未満であれば、CPU32aは、ステップS46にて「No」と判定して、ステップS58にて、第3タイマ値TM3が予め決められた所定の小さな時間TM30(例えば、5秒)以上であるか、すなわち電動弁13を設定開度SLまで開いてから前記所定の小さな時間TM30が経過したか否かを判定する。この場合、第3タイマ値TM3が前記所定の小さな時間TM30未満であれば、CPU32aは、ステップS58にて「No」と判定してステップS46,S58からなる循環処理を繰り返し実行する。そして、この循環処理中にも、流量センサ16によって検出された流量Fが一旦流量F0以上になれば、CPU32aは、ステップS46にて「Yes」と判定してステップS48以降に進む。これに対して、流量センサ16によって検出された流量Fが流量F0未満である状態が前記所定の短い時間TM30以上続くと、CPU32aは、ステップS58にて「Yes」と判定し、ステップS60,S62の処理を実行して、図4BのステップS102にてこのメインプログラムの実行を終了する。
ステップS60においては、CPU32aは、表示器37にエラー表示として、「E1」を表示させる。この「E1」は、断水等により水道管40からの給水が途絶えたり、電動弁13に異常が生じたりしている状態を示している。これにより、作業者は、冷水機の前記異常を認識できる。ステップS62においては、CPU32aは、電動弁13を全閉状態に制御する。これにより、冷水機の作動は停止する。
また、ステップS50の判定処理の際、温度センサ14によって検出された給水温度T1が所定の低温T10(8℃)未満であると、CPU32aは、ステップS50にて「No」と判定して、ステップS64にて、第3タイマ値TM3が予め決められた所定時間TM31(例えば、60秒)以上であるか、すなわち電動弁13を設定開度SLまで開いてから前記所定時間TM31が経過したか否かを判定する。この所定時間TM31は、外部からの給水の温度が充分に安定して検出される時間に設定されている。第3タイマ値TM3が前記所定時間TM31未満であれば、CPU32aは、ステップS64にて「No」と判定してステップS50,S64からなる循環処理を繰り返し実行する。そして、この循環処理中にも、温度センサ14によって検出された温度T1が一旦前記所定の低温T10以上になれば、CPU32aは、ステップS50にて「Yes」と判定してステップS52以降に進む。これに対して、温度センサ14によって検出された温度T1が前記所定の低温T10未満である状態が前記所定時間TM31以上続くと、CPU32aは、ステップS64にて「Yes」と判定し、ステップS66,S62の処理を実行して、図4BのステップS102にてこのメインプログラムの実行を終了する。
ステップS66においては、CPU32aは、表示器37に「冷却の必要ない」旨を表示させる。これは、水道管40から供給される上水の温度が充分に低いことを作業者に知らせるためである。言い換えれば、作業者に冷水機を使用することなく、水道管40から供給される上水を直接使用することを薦めるためである。ステップS62においては、前述したとおり、CPU32aは、電動弁13を全閉状態に制御して、冷水機の作動を停止させる。
前記ステップS56の処理後、CPU32aは、図4BのステップS68〜S72及び図4CのステップS74〜S80からなる循環処理を繰り返し実行する。ステップS68においては、CPU32aは、温度センサ15によって検出された冷水温度T2を入力して表示器37に表示する。ステップS70においては、CPU32aは、温度センサ15によって検出された冷水温度T2を入力して、入力した冷水温度T2が所定の低温T20未満であるかを判定する。この所定の低温T20は、これ以上の冷却が必要されないと同時に、これ以上冷却を続けると冷水機に異常が発生する虞がある温度であり、例えば5℃である。ステップS72においては、CPU32aは、流量センサ16によって検出された流量Fを入力して、入力した流量Fが前述した所定の小さな流量F0(0.7L/分)未満であるかを判定する。
ステップS74においては、CPU32aは、アップスイッチ34a又はダウンスイッチ34bが押圧操作されたか否かを判定する。ステップS76においては、時間設定有りか否か、すなわち時間設定フラグがセットされているかリセットされているかを判定する。今、前述したステップS28の処理によって時間設定フラグがセットされていれば、CPU32aは、ステップS76にて「Yes」と判定して、ステップS78に進む。ステップS78においては、第4タイマ値TM4が設定時間ST以上であるか否か、すなわち冷却運転の開始から設定時間STが経過したか否かを判定する。冷却運転の開始から設定時間STが経過していなければ、CPU32aは、ステップS78にて「No」と判定して、ステップS80に進む。また、時間設定フラグがセットされていなければ、CPU32aは、ステップS76にて「No」と判定して、ステップS80に進む。ステップS80においては、CPU32aは、出水止水スイッチ34が押圧操作されたか否かを判定する。
現在、冷水温度T2が所定の低温T20(5℃)未満でなく、流量Fが所定の小さな流量F0(0.7L/分)未満でなく、アップスイッチ34a又はダウンスイッチ34bが押圧操作されることなく、時間設定がなく又は時間設定があっても第4タイマ値TM4が設定時間STに達することなく、かつ出水止水スイッチ34が押圧操作されなければ、ステップS70〜S80にてそれぞれ「No」と判定されて、CPU32aは、ステップS68〜S80の循環処理を実行し続ける。この状態では、ステップS24,S36の処理によって電動弁13の開度が設定開度SLに設定された状態で、ステップS52の処理によって圧縮機21の作動が開始されて、冷水機は、水道管40を介して供給される上水を冷却して管11の出水口部11aからシンクSに供給し続ける。そして、この場合、ステップS68の処理によって、温度センサ15によって時間経過に従って検出される冷水温度T2が表示器37に表示され続ける。
前記ステップS68〜S80の循環処理中、冷水温度T2が所定の低温T20(5℃)未満になると、CPU32aは、ステップS70にて「Yes」と判定してステップS82に進む。ステップS82においては、CPU32aは、設定開度SLに「1」を加算することにより設定開度SLを1段階大きくし、電動弁13の開度を前記1段階大きくした設定開度STに設定制御する。この場合も、CPU32aは、設定開度SLに対応した開度制御データをROM32b又は不揮発性メモリ32e内の開度制御データテーブルから読み出して、読み出した開度制御データに応じて電動弁13の開度を制御する。次に、CPU32aは、ステップS84にて、第5タイマをリセットすなわち第5タイマ値TM5を「0」に設定し、ステップS86,S88からなる循環処理を実行する。
ステップS86においては、CPU32aは、温度センサ15によって検出された冷水温度T2を入力して、入力した冷水温度T2が前記所定の低温T20(5℃)以上であるか否かを判定する。ステップS88においては、CPU32aは、第5タイマ値TMが所定の時間T50(例えば、10秒)以上であるか否か、すなわち前記ステップS82による電動弁13の開度の設定制御後に所定の時間T50が経過したか否かを判定する。このステップS86,S88からなる循環処理中、冷水温度T2が前記所定の低温T20(5℃)以上になれば、CPU32aは、ステップS86にて「Yes」と判定して、前記ステップS68〜S80の循環処理に戻る。これは、冷水温度T2が低くなり過ぎた場合に、電動弁13の設定開度SLが自動的に増加されて。給水量の増加により、冷水温度T2が若干上昇したいことを意味する。その結果、冷水温度T2が低くなり過ぎて、冷水機に支障が生じることが自動的に防止される。
一方、電動弁13の設定開度SLを1段階大きくしてから所定の時間T10(10秒)が経過しても、冷水温度T2が前記所定の低温T20以上にならない場合、前記ステップS86,S88からなる循環処理中、CPU32aはステップS88にて「Yes」と判定して、ステップS90以降に進む。ステップS90においては、CPU32aは、表示器37にエラー表示として、「E2」を表示させる。この「E2」は、電動弁13に異常が生じて開度が切り換えらなかったなどの異常により給水温度T2が上昇しなかった状態を示している。これにより、作業者は、冷水機の前記異常を認識できる。
前記ステップS90の処理後、CPU32aは、ステップS92にて駆動回路33を介して圧縮機21の作動を停止させ、ステップS94にて冷却ランプ38aを消灯させる。次に、CPU32aは、ステップS96にて、第6タイマをリセットすなわち第6タイマ値TM6を「0」に設定する。そして、CPU32aは、ステップS98にて、第6タイマ値TM6が予め定めた所定時間TM60(例えば、3秒)以上になるまで「No」と判定して、第6タイマ値TM6が予め定めた所定時間TM60に達するまで待つ。そして、第6タイマ値TM6が予め定めた所定時間TM60以上になると、CPU32aは、ステップS98にて「Yes」と判定して、ステップS100にて電動弁13を全閉状態に設定して、ステップS102にてこのメインプログラムの実行を終了する。
前記ステップS68〜S80の循環処理中、管11内を流れる流量が減少して、流量センサ16によって検出された流量Fが所定の小さな流量F0(0.7L/分)未満になると、CPU32aは、ステップS72にて「Yes」と判定してステップS104に進む。ステップS104においては、CPU32aは、第7タイマをリセットすなわち第7タイマ値TM7を「0」に設定する。そして、CPU32aは、ステップS106,S108からなる循環処理を実行する。
ステップS106においては、CPU32aは、流量センサ16によって検出された流量Fを入力して、入力した流量Fが所定の小さな流量F0(0.7L/分)未満であるか否かを判定する。ステップS108においては、CPU32aは、第7タイマ値TMが所定の短時間T70(例えば、2秒)以上であるか否か、すなわち前記ステップS104による第7タイマのリッセトから所定の短時間T70が経過したか否かを判定する。このステップS106,S108からなる循環処理中、流量センサ16によって検出された流量Fが所定の小さな流量F0(0.7L/分)以上になると、CPU32aは、ステップS106にて「No」と判定して、前記ステップS68〜S80からなる循環処理に戻る。これは、何らかの理由で流量F0未満になったが、その後、自動的に冷水機の流量Fが正常に戻ったことを意味する。したがって、この場合には、冷水機は前述した冷却運転を続行し続ける。
一方、流量センサ16によって検出された流量Fが所定の小さな流量F0(0.7L/分)未満である状態が、所定の短時間T70(2秒)以上継続すると、ステップS106,S108からなる循環処理中、CPU32aは、ステップS108にて「Yes」、すなわち第7タイマ値TM7は所定の短時間T70以上であると判定して、ステップS110に進む。ステップS110においては、CPU32aは、前述したステップS60と同様に、表示器37にエラーE1を表示させる。このステップS110の処理後、CPU32aは、前述したステップS92〜S100の処理を実行して、圧縮器21の作動を停止し、冷却ランプ38aを消灯し、かつ電動弁13の開度を全閉状態に設定して、ステップS102にてメインプログラムの実行を終了する。
前記ステップS68〜S80の循環処理中、アップスイッチ34a又はダウンスイッチ34bが押圧操作されると、CPU32aは、ステップS74にて「Yes」と判定して、ステップS112にて前述した図5の開度設定ルーチンを実行する。この開度設定ルーチンの実行により、作業者によるアップスイッチ34a又はダウンスイッチ34bの押圧操作により、電動弁13の設定開度SLが変更される。前記ステップS112の開度設定ルーチンの実行後、CPU32aは、ステップS114にて、電動弁13の開度を前記設定した設定開度SLに設定制御する。この場合も、前記設定開度SLに対応した開度制御データをROM32b又は不揮発性メモリ32e内の開度制御データテーブルから読み出して、読み出した開度制御データを用いて電動弁13の開度を開度制御データに応じた設定開度SLに制御する。このステップS114の処理後、CPU32aは、前記ステップS68〜S80の循環処理に戻ってこの循環処理を実行し続ける。
前記ステップS68〜S80の循環処理中、時間設定有り(すなわち、時間設定フラグがセットされており)、かつ第4タイマ値TM4が設定時間STに達すると(すなわち、冷水機の運転開始から設定時間STが経過すると)、制御回路78にてステップS76,S78にて共に「Yes」と判定して、ステップS116にタイマランプ38bを消灯させ、ステップS118に進む。また、前記ステップS68〜S80の循環処理中、出水止水スイッチ34が押圧操作されると、CPU32aは、ステップS80にて「Yes」と判定して、ステップS118に進む。ステップS118においては、CPU32aは、駆動回路33を介して圧縮機21の作動を停止させる。そして、CPU32aは、ステップS120にて冷却ランプ38aを消灯させ、ステップS122にて表示器37に待機画像「−−−」を表示させる。
次に、CPU32aは、ステップS124にて、第8タイマをリセットすなわち第8タイマ値TM8を「0」に設定する。そして、CPU32aは、ステップS126にて、第8タイマ値TM8が予め定めた所定時間TM80(例えば、3秒)以上になるまで「No」と判定して、第8タイマ値TM8が予め定めた所定時間TM80に達するまで待つ。そして、第8タイマ値TM8が予め定めた所定時間TM80以上になると、CPU32aは、ステップS126にて「Yes」と判定して、ステップS128にて電動弁13を全閉状態に設定する。その後、CPU32aは、ステップS130にて、RAM32cに記憶されている現在の設定開度SL及び設定時間STを、不揮発性メモリ32eに前回開度及び前回時間として記憶しておく。この不揮発性メモリ32eへの記憶により、次回の冷水機の作動開始時に前回の冷水機の作動終了時の設定開度SL及び設定時間STが利用可能となる。
前記ステップS130の処理後、CPU32aは、図4Aのステップ16に戻り、前述したステップS16〜S22からなる循環処理がふたたび実行される。これにより、冷水機の出水動作は一旦停止するが、ステップS16〜S22からなる循環処理により、設定開度SL、設定時間ST及び時間設定フラグが変更されるとともに、冷水機の出水動作も再開される。なお、このステップS16〜S22からなる循環処理中、図示しない電源スイッチがオフされれば、冷水機の作動は完全に停止する。また、電動弁13の開度の設定時には、作業者は、図9に示した表を参考として、設定時間SLを設定することにより、季節に応じて、冷水温度T2に対応した開度を設定することができる。そして、前述した処理により、冷水機のシンクSには、適度に冷却された冷水が溜まり、溢れた冷水は、放出口19から外部に放出される。このため、作業者は、シンクS内の冷水を用いて、各種の食品を冷却したり、洗浄したりすることができる。
上述のように、上記実施形態による冷水機では、出水止水スイッチ34を操作することにより電動弁13を設定開度SLまで開いた状態で、温度センサ14によって検出された給水温度T1が所定の低温T1(8℃)以上で、かつ流量センサ16によって検出された検出流量Fが所定の小さな流量(0.7L/分)以上であることを条件に、圧縮機21を作動させて冷却運転が開始され、管11内を通る水が冷却される。そして、この水の冷却は、再度、出水止水スイッチ34を操作したときか、又はタイマスイッチ35により時間を設定した場合には、その設定時間STが経過した後に停止する。
そして、上記実施形態による冷水機においては、作業者によるアップスイッチ34a又ダウンスイッチ34bの操作に応じて、ステップS24及びステップS112の開度設定ルーチンの実行により、電動弁13の開度が予め決められた不連続な複数段階の開度のうちのいずれか一つの開度SLに設定される。そして、ステップS36,S114の開度設定制御処理により、前記設定開度SLに対応した開度制御データを用いて、電動弁13の開度が前記設定開度SLに設定制御される。これにより、作業者は、電動弁13の開度を大きくしたり小さくしたりすることができる。また、アップスイッチ34a又ダウンスイッチ34bを用いて行われる開度の段階的な設定は、電動弁13すなわち管11内を通過する水の流量を段階的に変更することを意味する。したがって、冷水温度を上昇させるときには、電動弁13の開度を大きくし、冷水温度を下降させるときには、電動弁13の開度を小さくする。このため、例えば、電動弁13の開度を水の流量に対応させて10段階に区分して、各段階を1〜10の数値で示し、アップスイッチ34a又ダウンスイッチ34bを用いて開度を各段階を示す数値に設定すると、管11内を通過する水の流量は、略その数値が示す開度に応じた量になる。
このように動作する上記実施形態に係る冷水機によれば、簡単な操作で、好適な温度の冷水を取り出すことができる。また、管11における電動弁13の上流側には、減圧弁12が設けられており、この減圧弁12によって水路40から供給される水の圧力は減圧弁12の下流側で所定の低圧に安定する。このため、電動弁13は、安定した圧力で送られてくる水の流量を的確かつ段階的に調整することができるようになり、水温の調整が簡単かつ的確にできるようになる。また、電動弁13の開度の調整は開度制御データを用いて段階的に行われるため、電動弁13の開度設定制御が簡単になり、冷水機が安価につく。
また、上記実施形態に係る冷水機によれば、温度センサ15によって検出された冷水温度T2が所定の低温T20(5℃)未満になったとき、ステップS70,S82の処理により、電動弁13の開度が1段階大きい側に変更される。管11内を流れる冷水の冷水温度T2が低下して所定の低温T20未満になっても、作業者が気付かずにアップスイッチ32aを操作しない場合もある。このようなときに、電動弁13の開度が1段階大きい側に変更されるので、水の流量が多くなって冷水温度T2が上昇する。これにより、冷水温度T2が低くなり過ぎて、冷水機に支障が生じることを自動的に防止できる。
また、上記実施形態に係る冷水機によれば、前記ステップS70,S82の処理によって電動弁13の開度が1段階大きい側に設定された後に、所定の時間(10秒)が経過しても、温度センサ15によって検出された冷水温度T2が所定の低温T20から上昇しないとき、ステップSS86,S88,S92,S100の処理により、冷水機の作動が停止される。このように冷水温度T2が所定の低温T20から上昇しないことは、電動弁13に故障が生じたり、水路40に断水が生じたりして、電動弁13の設定開度に応じた水の供給ができなくなった場合に生じるものである。そして、このような場合に、冷水機の作動が停止されるので、冷水機に異常が発生したまま冷水機が作動し続けことを防止できる。
また、上記実施形態に係る冷水機によれば、冷水機の通常の冷却動作時には、ステップS68の処理により、温度センサ15によって検出された冷水温度T2が表示器37に継続的に表示される。一方、アップスイッチ34a又ダウンスイッチ34bの操作によって電動弁13の開度が設定されているステップS24,S112の開度設定ルーチンの実行時には、ステップS202の処理により、表示器37に、冷水温度T2に代えて電動弁13の開度が表示される。したがって、作業者は、冷水機の作動中に、表示器37を見ることにより、冷水機の冷水温度T2を確認することができる。また、アップスイッチ34a又ダウンスイッチ34bの操作によって電動弁13の開度を設定しているときには、表示器37を見ることにより、電動弁13の開度も確認できる。これにより、冷水温度T2を確認したうえで、電動弁13の開度を見ながらアップスイッチ34a又ダウンスイッチ34bを操作することができ、電動弁13の開度の設定操作がし易くなる。
また、上記実施形態に係る冷水機によれば、温度センサ14によって検出された給水温度T1が所定の低温T10(8℃)未満であるとき、ステップS50,S62の処理により、冷水機の作動が停止される。したがって、水路40から供給される水の温度が十分に低温で冷却する必要がない場合には、冷水機の作動が停止されることになる。これにより、作業者は、冷水機を不必要に作動させることなく、水路から直接水を取り込んで使用することができるようになる。
また、上記実施形態に係る冷水機によれば、流量センサ16によって検出された水の流量Fが所定の小さな流量F0(0.7L/分)未満であるとき、ステップS46,S62、S72,S92,S100の処理により、冷水機の作動が停止される。管11内を流れる水の流量Fが所定の小さな流量F0未満になることは、電動弁13に故障が生じたり、水路40に断水が生じたりして、設定開度に応じた水の供給ができなくなった場合に生じる。したがって、このような異常が冷水機に発生した場合にも、冷水機の作動が停止されるので、冷水機に異常が発生したまま冷水機が作動し続けることを防止できる。
また、上記実施形態に係る冷水機によれば、アップスイッチ34a又ダウンスイッチ34bの操作により設定された設定開度SLは、ステップS130の処理により、冷水機の作動停止後も不揮発性メモリ32eに前回開度として記憶され、冷水機の新たな作動開始時には、ステップS12の処理により読み出されて利用される。したがって、冷水機を新たに作動させる度に、アップスイッチ34a又ダウンスイッチ34bを操作して電動弁13の開度を初期値から変更させて設定しなくても、前回作動させた条件又は前回作動させた条件と近い条件で、冷水機を再度簡単に作動させ易くなり、電動弁13の開度の設定操作が簡単になる。
また、上記実施形態に係る冷水機によれば、ステップS30の時間設定ルーチンの実行により、冷水機の作動時間がタイマスイッチ35の操作に応じて設定時間STとして設定される。そして、冷水機の作動開始から設定時間STが経過すると、ステップS78,S118,S128の処理により、冷水機は自動的に停止される。また、この設定開度SLは、ステップS130の処理により、冷水機の作動停止後も不揮発性メモリ32eに前回時間として記憶され、冷水機の新たな作動開始時には、ステップS12の処理により読み出されて利用される。したがって、冷水機を新たに作動させる度に、タイマスイッチ35を操作して冷水機の作動時間を初期値から変更させて設定しなくても、前回作動させた条件又は前回作動させた条件と近い条件で、冷水機を再度簡単に作動させ易くなり、冷水機の作動時間の設定操作が簡単になる。
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、給水温度T1、冷水温度T2及び流量Fと比較される所定値T10,T20,F0、及び第1乃至第8タイマ値TM1〜TM8と比較される所定値TM10〜TM80,TM31の具体的な値を例示した。しかし、これらの具体的な値はあくまでも、例示的な値であり、冷水機の構成、冷水機の周囲の環境、冷水機の用途等により若干変更されるものである。特に、ステップS86にて冷水温度T2と比較される所定値T20は、電動弁13の開度を大きくした後に、冷水温度T2が上昇したことを検出するもので、上記実施形態で例示した値5℃より若干大きいことは充分に考えられることである。
上記実施形態において、表示器37に設定開度SL及び設定時間STを表示する際には、ステップS202,S302の処理により点滅表示にした。しかし、これは表示器37における冷水温度T2との表示態様を異ならせるものであり、前記点滅表示に代えて、設定開度SL及び設定時間STの表示色を、冷水温度T2の表示色と異ならせるようにしてもよい。また、設定開度SL及び設定時間STの表示における明度、大きさ、形状などを、冷水温度T2の表示における明度、大きさ、形状などと異ならせるようにしてもよい。
上記実施形態において、ステップS68〜S80からなる循環処理中すなわち冷水機の冷却運転動作中、電動弁13の設定開度SLを変更することは可能であるが、設定時間STに従った動作モードと従わない動作モードとの間で冷水機の動作モードを変更すること、及び設定時間STを変更することは可能ではない。しかし、これに代えて、前記冷水機の冷却運転動作中であっても、前記冷水機の動作モードを変更すること、及び設定時間STを変更することを可能とすることもできる。この場合、図4AのステップS18,S20,S28〜S34の処理を、前記ステップS68〜S80の循環処理に追加するとよい。