JP2011166680A - 無線通信システム及び無線通信中継装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水上(海洋、湖沼、河川等)を隔てて配置される複数の通信所と、それらの間に配置され、通信所同士の無線通信を中継する中継装置2とを備える無線通信システムであって、中継装置2は、アンテナ2mを備えたバルーン(飛行体)2bと、水上に浮遊しながらバルーン2bを係留すると共に、バルーン2bのアンテナ2mで受信した信号を当該アンテナ2bから中継送信する制御部2c(中継処理手段)を備えるブイ(水上浮遊体)2aとを備えるように構成した。
【選択図】図3
Description
しかし、通信所同士が直接通信可能な距離には限界がある。そのため、長距離伝送を行う場合は通信所と通信所の間に中継装置が必要になるが、通信所同士が海洋や湖沼、河川などの水上を隔てて配置されている場合、中継装置を設置することができない。この場合、例えば通信所と通信所の間に船舶を停泊させるたり、ヘリコプターなどを飛行させて中継することが考えられる。しかし、船舶やヘリコプターを中継に使用することは、コストや必要人員を勘案すると簡便な手法とは言えない。
図1は、本願発明に係る無線通信システムの概要を例示する図である。
図1に示すように、本願発明に係る無線通信システムは、洋上に浮かぶ離島間を結ぶ通信インフラとして使用されるものであり、島Aと島Bにそれぞれ配置された通信所1−1,1−2を備える。通信所1−1と通信所1−2は、海洋(水上)を隔てて配置され、その距離は本実施例では約250kmとする。
尚、通信所1は、必ずしも島(地上)に配置される必要はなく、船舶などであってもよい。
また、通信所1と中継装置2は、衛星Sとの間にアップリンク及びダウンリンクが形成され、衛星Sを介して通信することができる。尚、通信所A,Bには、中継装置2以外にも、その他の通信所が無線接続される。
Positioning System)1b、カメラ(赤外線カメラやEM-CCDカメラなど)1c、表示部(ディスプレイ)1d、操作者が操作するキーボードやマウスなどの指示入力部1eを備える。制御部1aは、CPUやメモリなどを備え、各種処理を実行する。制御部1aには、GPS1b、カメラ1c、表示部1d、指示入力部1eが接続される。
中継装置2(具体的にはブイ2a)は、制御部2c、位置検出手段としてのGPS(Global
Positioning System)2d、波高計2e、風力・風向計2f、発光部2g、拡声装置(スピーカ)2hを備える。制御部2cは、CPUやメモリなどを備え、各種処理を実行する。制御部2cには、GPS2d、波高計2e、風力・風向計2f、発光部2g、拡声装置2hが接続される。また、バルーン2bには、カメラ(撮像手段)2iが設置される。
このように、中継装置2は発電部2y1を備えるため、長期間の運用が可能となる。
尚、図では発電部2y1をブイ2aに設置するようにしたが、発電部2y1が太陽光発電や風力発電の場合は、発電部2y1をバルーン2bに設置してもよい。
また、通信所1、及び、中継装置2で使用する第1のチャネルは、使用周波数帯域が5GHzであり、通信距離(直接通信距離)はバルーン2bの浮上時(高度200m)で約100km、バルーン2bの回収時(高度10m程度m)で約10km、スループット(上り/下り)は6Mbpsの無線チャネルであり、後述するアドホック通信に利用される。
これに対し、通信所1及び中継装置2で使用する第2のチャネルは、衛星Sを介して通信を行う衛星通信回線であり、通信可能距離(範囲)は第1のチャネルよりも大きく、通信所1および中継装置2が存在する地域をカバーする。
尚、個別ステータス表示エリア33に表示する中継装置2の選択は、主表示エリア31に表示されている通信所1または中継装置2のマークを指示入力部1eから選択する(例えばマウスでクリックする)、あるいは、中継装置ステータス表示エリア32に表示されている中継装置2の番号をクリックすることで行うことができる。
上述したように、中継装置2はバルーン2bを浮上させたときの通信距離以下の間隔(より詳しくは、バルーン2bを浮上させたときの通信距離以下であり、かつ、バルーン2bを回収したときの通信距離以上の間隔)で配置される。
そのため、バルーン2bを回収した中継装置2は第1のチャネルを使用したアドホック通信の対象外となることから、バルーン2bの浮上指示信号を受信できないおそれがある。そこで、浮上指示信号及び回収指示信号は、第2のチャネル(衛星回線)を用いて送信する。尚、浮上指示信号のみ第2のチャネルを使用し、回収指示信号は第1のチャネル(アドホック通信)を使用してもよい。
また、中継装置2の配置間隔を、バルーン2bを浮上させたときの通信距離以下であり、かつ、バルーン2bを回収したときの通信距離以上とした場合には、バルーン2bの浮上、回収により、アドホック通信に使用する中継装置2を適宜選択することができ、気象条件や電源、アラームの状態等に応じた運用が可能となる。
ステップ5で送信したのが浮上指示信号であれば、通信ネットワークの表示画面に丸で表示されていた中継装置2が二重丸の表示に変更され、そのステータスが中継装置ステータス表示エリア32に追加される。
一方、ステップ5で送信したのが回収指示信号であれば、次回のステータス情報収集信号は当該中継装置2には到達せず、通信所1はステータス情報を収集することはできない。この場合であっても、以前に取得した当該中継装置2の位置情報を保持しておき、当該中継装置を通信ネットワークの表示画面で丸によって表示する。また、新たなステータス情報が取得できなかったことをもって、当該中継装置2のステータス情報を中継装置ステータス表示エリア32から削除する。
ここで、アドホックプロトコルの停止を行うのは、上述したように、バルーン2bを回収すると通信距離が不足してアドホック通信の対象外となるためである。
すなわち、通信所1からアドホック通信にて送信されたデータは、バルーン2bが浮上しているときにアンテナ2mで受信され、制御部2cで中継に必要な処理が施された後、アンテナ2mから次の中継装置2あるいは通信所1に中継送信される。
また、発電部2y1により、電源部2y2の蓄電池を充電することができるため、長期間の運用が可能となる。
この映像送信指示信号を受信した通信所1または中継装置2は、カメラ1cまたはカメラ2iで撮像した画像のデータを指示元である通信所1に送信する。
また、図示は省略するが、通信所1にはカメラのパン・チルトボタンやズームボタンが設けられ、それらの操作に応じ、カメラ1c,2iへの制御信号が上記した映像送信指示信号と共に送信される。
これにより、例えば中継装置2から送信されてきた映像から当該中継装置2付近に不審者を確認したときに、当該不審者に対する発光や音声による威嚇をすることができる。また、海上交通の状態を表示した結果、ある中継装置の近傍に航行中の船舶を発見した場合に、発光や音声による衝突防止の注意喚起を行うことができる。
これにより、通信を行うべき通信所同士が海洋や湖沼、河川などの水上を隔てて配置されている場合であっても、通信所同士の通信を簡便に実現することができる。
尚、上記の実施例にあっては、バルーン2bにアンテナ2mと無線部2kを設置するようにしたが、バルーン2bに設置するのはアンテナ2mだけであってもよい。また、バルーン2bに、さらに送受信回路2jを設置してもよい。
また、バルーン2bにアンテナ2mを設置して当該アンテナ2mで送受信するようにしたが、送信用と受信用のアンテナを設置するようにしてもよい。
また、飛行体はバルーンに限定されるものではなく、飛行船や気球などであってもよい。
また、水上浮遊体はブイに限定されるものではなく、簡易ボートなどであってもよい。
これにより、例えば気象条件が悪化したときにバルーン2bを回収させ、破損を防止することができる。
また、中継装置2の配置間隔を、バルーン2bを浮上させたときの通信距離以下であり、かつ、バルーン2bを回収したときの通信距離以上とした場合には、バルーン2bの浮上、回収により、アドホック通信に使用する中継装置2を適宜選択することができ、気象条件や電源、アラームの状態等に応じた運用が可能となる。
例えば、複数の中継装置2のうち、一つの中継装置2のバルーン2bを浮上させて通信を行う一方で、他の中継装置2はバルーン2bを回収し、その間に発電部2y1による充電を行うようにしてもよい。具体的な運用としては、バルーン2bを浮上中の中継装置2で電源切れなどのアラームが発生した場合、他の任意の中継装置2に対してバルーン2bの浮上指示信号を送信し、当該中継装置2を使用した通信の成立後、アラームが発生した中継装置2に対してバルーン2bの回収指示信号の送信を行う。これらの処理は、通信所1から手動で行ってもよいし、自動で行ってもよい。自動で行う場合には、中継装置2のバルーン2bの浮上と回収を制御する通信所1を、予め決定しておく。
これにより、電源の消耗した中継装置2を交互に充電を行うことができ、長期の運用が可能となる。また、中継装置2に故障が発生した場合でも、通信回線を維持したままメンテナンスや交換を行うことができる。
これにより、通信所1では、水上に配置した中継装置2の位置を容易に把握することができ、通信経路を構築する上での中継装置2の過不足等を確認することができる。また、水上の中継装置2が潮流などで移動したことも確認することができ、通信経路のメンテナンスや中継装置2の撤収を行う上でも有用である。
これにより、信号の送受信(中継送信)を実行可能な中継装置2を把握することができる。
これにより、中継装置2の配置や設置数が変更されても、経路構築が可能となる。また、経路が自動的に形成されるため、中継装置2の配置(設置)作業が容易になる。
これにより、バルーン2bを回収して第1のチャネル(アドホック通信)の通信距離が不足したとしても、中継装置2に対して浮上指示信号を送信することができる。尚、浮上指示信号または回収指示信号は、信号のデータ量としては少なく、また、頻繁には送信されないと考えられるため、衛星回線のトラフィック増を招くこともない。
これにより、アドホック通信に使用する中継装置2を適宜選択することができ、気象条件や電源、アラームの状態等に応じた運用が可能となる。
これにより、通信を行うべき通信所同士が海洋や湖沼、河川などの水上を隔てて長距離離間している場合であっても、通信所同士の通信を簡便に実現することができる。
尚、上記の実施例にあっては、バルーン2bにアンテナ2mと無線部2kを設置するようにしたが、バルーン2bに設置するのはアンテナ2mだけであってもよい。また、バルーン2bに、さらに送受信回路2jを設置してもよい。
また、バルーン2bにアンテナ2mを設置して当該アンテナ2mで送受信するようにしたが、送信用と受信用のアンテナを設置するようにしてもよい。
また、飛行体はバルーンに限定されるものではなく、飛行船や気球などであってもよい。
また、水上浮遊体はブイに限定されるものではなく、簡易ボートなどであってもよい。
これにより、例えば気象条件が悪化したときにバルーン2bを回収させ、破損を防止することができる。
これにより、通信所1では、水上に配置した中継装置2の位置を容易に把握することができ、通信経路を構築する上での中継装置2の過不足等を確認することができる。また、水上の中継装置2が潮流などで移動したことも確認することができ、通信経路のメンテナンスを行う上でも有用である。
Claims (10)
- 水上を隔てて配置される複数の通信所と、前記複数の通信所の間に配置され、前記通信所同士の無線通信を中継する無線通信中継装置とを備える無線通信システムであって、
前記無線通信中継装置は、
アンテナを備えた飛行体と、
水上に浮遊しながら前記飛行体を係留すると共に、前記飛行体のアンテナで受信した信号を前記飛行体のアンテナから中継送信する中継処理手段を備える水上浮遊体と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。 - 前記飛行体は前記水上浮遊体にケーブルで係留され、
前記通信所は、操作者からの前記飛行体の浮上または回収の指示を入力する指示入力部と、前記飛行体の浮上または回収の指示が入力されたとき、前記無線通信中継装置に対して前記飛行体の浮上指示信号または回収指示信号を送信する浮上・回収指示信号送信手段とを備え、
前記水上浮遊体は、前記ケーブルを巻き取るケーブル巻取部と、前記通信所から送信された前記浮上指示信号または前記回収指示信号を受信したとき、当該信号の指示に応じて前記ケーブル巻取部を制御して前記飛行体の浮上または回収を行う係留制御手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記通信所は、操作者からの前記無線通信中継装置の位置情報の収集指示を入力する指示入力部と、前記位置情報の収集指示が入力されたとき、前記無線通信中継装置に対して位置情報収集信号を送信する位置情報収集信号送信手段とを備え、
前記無線通信中継装置は、自己の位置を検出する位置検出手段と、前記通信所から送信された前記位置情報収集信号を受信したとき、前記位置検出手段で検出した位置情報を前記通信所に送信する位置情報送信手段とを備え、
前記通信所はさらに、前記無線通信中継装置から送信された位置情報を受信したとき、当該位置情報を表示部に表示する表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信システム。 - 前記通信所は、操作者からの前記無線通信中継装置の位置情報の収集指示を入力する指示入力部と、前記位置情報の収集指示が入力されたとき、前記無線通信中継装置に対して位置情報収集信号を送信する位置情報収集信号送信手段とを備え、
前記無線通信中継装置は、自己の位置を検出する位置検出手段と、前記通信所から送信された前記位置情報収集信号を受信したとき、前記位置検出手段で検出した位置情報を前記通信所に送信する位置情報送信手段とを備え、
前記通信所はさらに、前記無線通信中継装置から送信された位置情報を受信したとき、当該位置情報を、前記飛行体が浮上中であるか回収中であるかを示す情報と共に表示部に表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。 - 前記複数の通信所の間には、前記無線通信中継装置が複数配置されると共に、前記通信所と前記無線通信中継装置は、アドホックプロトコルによる経路構築手段を備えることを特徴とする請求項1から4に記載の無線通信システム。
- 前記通信所は、前記無線通信中継装置で前記飛行体のアンテナを使用して中継させるべきデータを送信するときは第1のチャネルを使用する一方、前記浮上指示信号または前記回収指示信号を送信するときは前記第1のチャネルよりも通信可能距離の大きい第2のチャネルを使用することを特徴とする請求項2または4に記載の無線通信システム。
- 前記無線通信中継装置は、前記通信所との距離、及び、他の無線通信中継装置との距離が、前記飛行体を浮上させた状態における前記第1のチャネルの通信距離以下で、かつ、前記飛行体を回収させた状態における前記第1のチャネルの通信距離以上となるように配置されることを特徴とする請求項6に記載の無線通信システム。
- 水上を隔てて配置された複数の通信所の間に配置され、前記通信所同士の無線通信を中継する無線通信中継装置であって、
アンテナが設置された飛行体と、
水上に浮遊しながら前記飛行体を係留すると共に、前記飛行体のアンテナで受信した信号を前記飛行体のアンテナから送信する中継処理を行う中継処理手段を有する水上浮遊体と、
を備えることを特徴とする無線通信中継装置。 - 前記飛行体は前記水上浮遊体にケーブルで係留され、
前記水上浮遊体は、前記ケーブルを巻き取るケーブル巻取部と、前記通信所からの指示に応じて前記ケーブル巻取部を制御して前記飛行体の浮上と回収を行う係留制御手段とを備えることを特徴とする請求項8に記載の無線通信中継装置。 - 前記無線通信中継装置は、自己の位置を検出する位置検出手段と、前記通信所からの指示に応じ、前記位置検出手段で検出した位置情報を前記通信所に送信する位置情報送信手段とを備えることを特徴とする請求項8または9に記載の無線通信中継装置。
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