JP2011165365A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、環境問題に配慮した材料を使用しながらも、無効電力を低減し、高効率化を実現したPDPを提供することを目的としている。
【解決手段】上記の課題を解決するために、本発明のプラズマディスプレイパネルは、一方の基板上に表示電極と誘電体層とが形成されたプラズマディスプレイパネルであって、誘電体層が、鉛成分およびビスマス成分を実質的に含有せず、SiO2からなるフィラー成分を含むことを特徴とする。ここで、フィラー成分の誘電率が4以下であることが望ましく、誘電体層のガラス成分とフィラー成分との屈折率の差が0.1以内であることが望ましい。
【選択図】なし
【解決手段】上記の課題を解決するために、本発明のプラズマディスプレイパネルは、一方の基板上に表示電極と誘電体層とが形成されたプラズマディスプレイパネルであって、誘電体層が、鉛成分およびビスマス成分を実質的に含有せず、SiO2からなるフィラー成分を含むことを特徴とする。ここで、フィラー成分の誘電率が4以下であることが望ましく、誘電体層のガラス成分とフィラー成分との屈折率の差が0.1以内であることが望ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、表示デバイスなどに用いるプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)は、高精細化、大画面化の実現が可能であることから、100インチクラスのテレビなどが製品化されている。近年、PDPは従来のNTSC方式に比べて走査線数が2倍以上のハイディフィニションテレビへの適用が進んでいるとともに、環境問題に配慮して鉛成分を含まないPDPも製品化されている。
PDPは、基本的には、前面板と背面板とで構成されている。前面板は、フロート法による硼硅酸ナトリウム系ガラスのガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状の透明電極とバス電極とで構成される表示電極と、この表示電極を覆ってコンデンサとしての働きをする誘電体層と、この誘電体層上に形成された酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層とで構成されている。一方、背面板は、ガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状のアドレス電極と、アドレス電極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体層上に形成された隔壁と、各隔壁間に形成された赤色、緑色および青色それぞれに発光する蛍光体層とで構成されている。
前面板と背面板とはその電極形成面側を対向させて気密封着され、隔壁によって仕切られた放電空間にNe−Xeの放電ガスが55kPa〜80kPaの圧力で封入されている。PDPは、表示電極に映像信号電圧を選択的に印加することによって放電させ、その放電によって発生した紫外線が各色蛍光体層を励起して赤色、緑色、青色の発光をさせてカラー画像表示を実現している。
表示電極のバス電極には導電性を確保するための銀電極が用いられ、誘電体層としては酸化鉛を主成分とする低融点ガラスが用いられているが、近年の環境問題への配慮から誘電体層として鉛成分を含まない例が開示されている(例えば、特許文献1など参照)。
PDPは、環境問題への配慮として低消費電力化の取り組みが進んでいる。消費電力を下げる手段の一つとして、前面板にコンデンサとしての働きをする誘電体層の誘電率を下げることがあげられる。
PDPを表示させるためには前面板電極からの放電が必要であるが、放電に必要な電力を投入しても、実際には放電に寄与できない無効な電力が存在し、前面板誘電体の誘電率を下げることによって、この無効な電力を削減することが可能となる。
本発明は、このような課題を解決して、環境問題に配慮した材料を使用しながらも、無効電力を低減し、高効率化を実現したPDPを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のPDPは、一方の基板上に表示電極と誘電体層とが形成されたPDPであって、誘電体層が、鉛成分およびビスマス成分を実質的に含有せず、SiO2からなるフィラー成分を含むことを特徴とする。ここで、フィラー成分の誘電率が4以下であることが望ましく、誘電体層のガラス成分とフィラー成分との屈折率の差が0.1以内であることが望ましい。
以上のように、本発明によれば、環境問題に配慮した材料を使用しながらも、無効電力を低減し、高効率化を実現したPDPを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態におけるPDPについて図面を用いて説明する。
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図である。PDPの基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。図1に示すように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる前面板2と、背面ガラス基板11などよりなる背面板10とが対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着されている。封着されたPDP1内部の放電空間16には、NeおよびXeなどの放電ガスが55kPa〜80kPaの圧力で封入されている。
図1は本発明の実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図である。PDPの基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。図1に示すように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる前面板2と、背面ガラス基板11などよりなる背面板10とが対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着されている。封着されたPDP1内部の放電空間16には、NeおよびXeなどの放電ガスが55kPa〜80kPaの圧力で封入されている。
前面板2の前面ガラス基板3上には、走査電極4および維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6とブラックストライプ(遮光層)7が互いに平行にそれぞれ複数列配置されている。前面ガラス基板3上には表示電極6と遮光層7とを覆うようにコンデンサとしての働きをする誘電体層8が形成され、さらにその表面に酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層9が形成されている。
また、背面板10の背面ガラス基板11上には、前面板2の走査電極4および維持電極5と直交する方向に、複数の帯状のアドレス電極12が互いに平行に配置され、これを下地誘電体層13が被覆している。さらに、アドレス電極12間の下地誘電体層13上には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔壁14間の溝にアドレス電極12毎に、紫外線によって赤色、青色および緑色にそれぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布して形成されている。走査電極4および維持電極5とアドレス電極12とが交差する位置に放電セルが形成され、表示電極6方向に並んだ赤色、青色、緑色の蛍光体層15を有する放電セルがカラー表示のための画素になる。
図2は、本発明の実施の形態におけるPDPの誘電体層8の構成を示す前面板2の断面図である。図2は図1と上下反転させて示している。図2に示すように、フロート法などにより製造された前面ガラス基板3に、走査電極4と維持電極5よりなる表示電極6とブラックストライプ7がパターン形成されている。走査電極4と維持電極5はそれぞれインジウムスズ酸化物(ITO)や酸化スズ(SnO2)などからなる透明電極4a、5aと、透明電極4a、5a上に形成された金属バス電極4b、5bとにより構成されている。金属バス電極4b、5bは透明電極4a、5aの長手方向に導電性を付与する目的として用いられ、銀(Ag)材料を主成分とする導電性材料によって形成されている。
誘電体層8は、前面ガラス基板3上に形成されたこれらの透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bとブラックストライプ7を覆って形成し、さらに誘電体層8上に保護層9を形成している。
次に、PDPの製造方法について説明する。まず、前面ガラス基板3上に、走査電極4および維持電極5と遮光層7とを形成する。これらの透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bは、フォトリソグラフィ法などを用いてパターニングして形成される。透明電極4a、5aは薄膜プロセスなどを用いて形成され、金属バス電極4b、5bは銀(Ag)材料を含むペーストを所望の温度で焼成して固化している。また、遮光層7も同様に、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や黒色顔料をガラス基板の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成することにより形成される。
次に、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆うように前面ガラス基板3上に誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体ペースト層(誘電体材料層)を形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって塗布された誘電体ペースト表面がレベリングされて平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆う誘電体層8が形成される。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料、バインダおよび溶剤を含む塗料である。次に、誘電体層8上に酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層9を真空蒸着法により形成する。以上の工程により前面ガラス基板3上に所定の構成物(走査電極4、維持電極5、遮光層7、誘電体層8、保護層9)が形成され、前面板2が完成する。
一方、背面板10は次のようにして形成される。まず、背面ガラス基板11上に、銀(Ag)材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などによりアドレス電極12用の構成物となる材料層を形成し、それを所望の温度で焼成することによりアドレス電極12を形成する。次に、アドレス電極12が形成された背面ガラス基板11上にダイコート法などによりアドレス電極12を覆うように誘電体ペーストを塗布して誘電体ペースト層を形成する。その後、誘電体ペースト層を焼成することにより下地誘電体層13を形成する。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料とバインダおよび溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体層13上に隔壁材料を含む隔壁形成用ペーストを塗布して所定の形状にパターニングすることにより、隔壁材料層を形成した後、焼成することにより隔壁14を形成する。ここで、下地誘電体層13上に塗布した隔壁用ペーストをパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いることができる。次に、隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上および隔壁14の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布し、焼成することにより蛍光体層15が形成される。以上の工程により、背面ガラス基板11上に所定の構成部材を有する背面板10が完成する。
このようにして所定の構成部材を備えた前面板2と背面板10とを走査電極4および維持電極5とアドレス電極12とが直交するように対向配置して、その周囲をガラスフリットで封着し、放電空間16にNe、Xeなどを含む放電ガスを封入することによりPDP1が完成する。
次に、前面板2の誘電体層8について詳細に説明する。前述したように、誘電体層は、高耐電圧を要求されるが、一方で高光透過率を有することを要求される。この特性は誘電体層に含まれるガラス成分の組成に大きく左右される。
従来、このような誘電体層を形成する方法として、ガラス粉体成分と樹脂を含む溶剤、可塑剤、分散剤などから成るバインダ成分で構成されたペーストをスクリーン印刷法やダイコート法などを用いて、電極を形成した前面ガラス基板上に塗布し、乾燥後450℃から600℃程度で焼成する方法や、前記ペーストをフィルム上に塗布、乾燥して、電極を形成した前面板に転写し、450℃から600℃程度で焼成する方法が知られている。
これまでは、前記450℃から600℃程度での焼成を可能にするために、誘電体層に含まれるガラス成分には20重量%以上の酸化鉛が含まれていたが、近年、環境への配慮のため、ガラス中に鉛成分を実質的に含有せず、0.5から40重量%程度のBi2O3を含有している。
先に述べたように誘電体ガラスにおいて鉛成分の代替材料として、Bi2O3を加えているが、Bi2O3の添加量を増加させることで誘電体ガラスの軟化点を下げることができ、製造プロセスに様々な利点がある。しかしながら、Bi系の材料が高価であることから、Bi2O3の添加量を増加させることは、使用する原材料のコスト増加を招くことになる。そこでさらにBi系の材料の代替材料として、Li、Na、K、RbおよびCs等から選ばれるアルカリ金属の酸化物を含む技術例がある。また、Biは原子量が209と大きい元素であり、今後のPDPの特性向上に求められる低誘電率ガラスを考慮すると、原子量の大きいガラスの含有率を低減する必要がある。
これに対して、本発明の実施の形態ではK2O、Li2O、Na2Oの内2種類を含有している。これは以下の理由に基づいている。一般的なPDPの前面ガラス基板3には前記K2OとNa2Oが多く含まれている。そして誘電体層8を550℃以上といった高温で焼成する場合、誘電体ガラスに含まれるK2O、Li2Oと前面ガラス基板3に含まれるNa2Oとでアルカリ金属のイオン(Li+、Na+、K+)の交換作用が起こる。ところがLi+とNa+とK+ではそれぞれガラス基板の熱膨張係数への寄与が異なる。そのため、誘電体層8の焼成にてイオン交換が起こった場合、前面ガラス基板3の誘電体層8近傍の熱収縮量と、前面ガラス基板3の誘電体層8近傍以外の部分の熱収縮量とに差が生じ、その結果誘電体層8を形成した前面ガラス基板3が大きく反ってしまうことになる。
これに対し、本発明の実施の形態のように、K2O、Li2O、Na2Oの内2種類を含有する場合、上記の交換作用が起こったとしても、熱収縮量に差が生じにくく、前面ガラス基板3の反りを低減することができる。この結果、誘電体ガラスに含まれるBi2O3のモル%で表現した含有量は5%以下に低減させることが可能となり、かつ前面ガラス基板3の反りを低減することも可能となった。
また、K2Oは必ず含み、かつLi2OあるいはNa2Oのいずれか又はその両者を含むことが望ましい。これによってイオン交換が生じたとしても前面ガラス基板3の熱膨張係数は大きく変化することはなく、その結果誘電体層8を形成した前面ガラス基板3が大きく反ることを防ぐことが可能となる。
特に、誘電体ガラスに含まれるK2Oのモル%で表現される含有量が、誘電体ガラスに含まれるLi2OとNa2Oのモル%で表現される含有量の合計よりも多くすることで、前面ガラス基板3の熱膨張係数の変化を確実に抑制して、前面ガラス基板3が大きく反ることはない。
このように、K2O、Li2OおよびNa2Oは誘電体ガラスの軟化点を下げることが可能であるが、一方で、K2O、Li2OおよびNa2Oで表されるアルカリ金属の酸化物は前記表示電極を構成する銀電極から拡散される銀イオンの還元作用を促進して、銀のコロイドがより多く形成され、誘電体層の着色や気泡の発生という現象が起こり、PDPの画像品質の劣化や誘電体層の絶縁不良の発生に至るという課題がある。
そこで、本発明の実施の形態では、誘電体層8にMgOを含有している。このようにMgOを含有していることで、誘電体ペーストに含有しているバインダなどを原因とする気泡の発生を抑制することができ、絶縁性が向上するとともに、金属バス電極4b、5bの着色を低減することができる。MgOの含有量が、0.3モル%より少なければ、上記効果が得られず、また1.0モル%より多ければ、誘電体層8の透過率が悪化(以下、失透と称する)する。
従来技術では気泡の発生を抑制するために、Mo、Wなどを添加する技術もあるが、この場合、失透する不具合が生じてしまう。しかしながらMgOを上記範囲で添加した場合はこのような現象が発生しない。
そして、本発明の実施の形態における誘電体層8は、SiO2を35〜50モル%含有している。このようにSiO2の含有率を高くすることで、誘電体層8の破壊強度が増し、PDPの信頼性向上につながるためである。また、SiO2の含有率が高いことは、結果として誘電体層中のガラスの軟化速度を遅くする働きがある。その結果、誘電体層中に発生する気泡成長を抑制する働きがあり、誘電体層8の品質向上につながる。なお、SiO2の含有量が35モル%より少なくなると上記効果は得られない。また、SiO2の含有率の増加は、焼成温度の上昇につながるという弊害があるため、50モル%以下とすることが望ましい。
ここで破壊強度評価としては、誘電体層と隔壁の衝突による誘電体層およびガラス基板の強度の評価を行った。作製したPDPの前面板に直径10mmの鉄球を低い高さから順次落下させて、前面板が破損した高さを記録して破壊高さとして示した。その破壊高さがある基準値よりも高いか否かで判断する。
ところで、このようにSiO2を添加することによって誘電体層の誘電率が低下すると共に、破壊強度を増加することが可能となるが、一方でガラス軟化点が上昇するため、必要な焼成温度が上昇してしまう。
例えば、誘電体層の焼成温度は、ガラス基板への影響を考慮する必要があり、600℃程度が上限となる。ところが、誘電体層の誘電率を低下させるため、SiO2の添加量を多くした場合、この焼成温度範囲では、誘電体層の焼結が不十分な状態となり、誘電体層の透過率が悪化する。
これに対して、本発明の実施の形態では、さらなる誘電体層の低誘電率化を実現するため、誘電体層に低誘電率のフィラー成分を添加している。フィラー成分としては、誘電率2〜4の粉末状のアルミナ、アルミニウム、亜鉛、マグネシウムをなどの元素や酸化物、またはこれらを含有する酸化珪素化合物を用い、これらを上記の樹脂を含む溶剤中に分散させる。添加量はガラス成分の10重量%程度が最適である。
本発明においては、高い透過率を得るための、ガラス成分とフィラー成分との選定が重要となる。透過性を得るには、焼成後に形成される誘電体層における、ガラス成分・フィラー成分間の界面にて光の拡散が起きないようにする必要がある。本発明の実施の形態では上記界面での光の拡散を防止するため、以下の2点のいずれかの技術を採用している。
まず1点目は、ガラス成分とフィラー成分の屈折率の差を0.1以下としている点である。本発明の実施の形態では、ガラス成分の屈折率を1.4〜1.6の範囲とし、フィラー成分の屈折率を1.4〜1.6の範囲とした。誘電率4以下で、かつ屈折率が1.4〜1.6の範囲にあるフィラー成分としては、溶融石英、水晶、シロキサン合成による酸化珪素などが該当する。これにより、温度600℃にて焼成した誘電体層であって、透過率70%以上を確保することができた。
2点目としては、ガラス成分・フィラー成分の界面(粒界)を小さくする点である。本発明の実施の形態では、ガラス成分およびフイラー成分の粒径を可視領域の1/5以下とすることで、550nmの入射光に対し、十分な透過率を有した誘電体層の形成が可能となる。
以上の組成成分からなる誘電体材料を、湿式ジェットミルやボールミルで平均粒径が0.1μm以下となるように粉砕して誘電体材料粉末を作製する。次にこの誘電体材料粉末50重量%〜65重量%と、バインダ成分35重量%〜50重量%とを三本ロールでよく混練してダイコート用あるいは印刷用の誘電体層用ペーストを作製する。
バインダ成分はエチルセルロースあるいはアクリル樹脂1重量%〜20重量%を含むターピネオールあるいはブチルカルビトールアセテートである。また、ペースト中には、必要に応じて可塑剤としてフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリブチルを添加し、分散剤としてグリセロールモノオレート、ソルビタンセスキオレヘート、ホモゲノール(Kaoコーポレーション社製品名)、アルキルアリル基のリン酸エステルなどを添加して印刷性を向上させてもよい。
そして、この誘電体層用ペーストを用い、表示電極6を覆うように前面ガラス基板3にダイコート法あるいはスクリーン印刷法で印刷して乾燥させ、その後、誘電体材料の軟化点より少し高い温度の575℃〜590℃で焼成する。
また、誘電体層8の膜厚が小さいほどパネル輝度の向上と放電電圧を低減するという効果は顕著になるので、絶縁耐圧が低下しない範囲内であればできるだけ膜厚を小さく設定するのが望ましい。このような条件と可視光透過率の観点から、本発明の実施の形態では、誘電体層8の膜厚を41μm以下に設定している。
なお、以上に述べた各材料組成の含有量数値は、誘電体材料では±0.05モル%程度の測定誤差が存在し、焼成後の誘電体層では±0.1モル%程度の測定誤差が存在する。これらの誤差を含めた数値範囲の含有量での材料組成においても、本発明と同様の効果は得られる。また、鉛成分、ビスマス成分について「実質的に含有しない」というのは、不純物等で鉛成分またはビスマス成分を含んだ誘電体層についても本願発明に相当すると考える。
以上述べてきたように、本発明のPDPは、環境に配慮しかつ高信頼性を有するPDPを実現して大画面の表示デバイスなどに有用である。
1 PDP
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4a,5a 透明電極
4b,5b 金属バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7 ブラックストライプ(遮光層)
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
11 背面ガラス基板
12 アドレス電極
13 下地誘電体層
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電空間
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4a,5a 透明電極
4b,5b 金属バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7 ブラックストライプ(遮光層)
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
11 背面ガラス基板
12 アドレス電極
13 下地誘電体層
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電空間
Claims (3)
- 一方の基板上に表示電極と誘電体層とが形成されたプラズマディスプレイパネルであって、前記誘電体層が、鉛成分およびビスマス成分を実質的に含有せず、SiO2からなるフィラー成分を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
- 前記フィラー成分の誘電率が4以下であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 前記誘電体層のガラス成分とフィラー成分との屈折率の差が0.1以内であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010023886A JP2011165365A (ja) | 2010-02-05 | 2010-02-05 | プラズマディスプレイパネル |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010023886A JP2011165365A (ja) | 2010-02-05 | 2010-02-05 | プラズマディスプレイパネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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