JP2011163680A - 熱源水供給システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱源装置2にて加熱された熱源水N1を複数の熱需要家に順に供給して熱源装置2に戻す熱源水循環ライン4において複数の熱需要家に供給する熱源水N1よりも低温の熱源水N1が通流する低温通流部位には、太陽熱回収装置51にて回収した太陽熱を有する熱媒体N3と熱源水N1とを熱交換させる太陽熱熱交換器52が備えられ、複数の熱需要家に給水する水N4と太陽熱回収装置51にて回収した太陽熱を有する熱媒体N3とを熱交換させる給水予熱熱交換器54と、太陽熱回収装置51にて回収した太陽熱を有する熱媒体N3を太陽熱熱交換器52に通流する第1通流状態と給水予熱熱交換器54に通流する第2通流状態とに切換自在な通流状態切換手段20,57とが備えられている。
【選択図】図1
Description
また、複数の熱需要家の熱需要を賄うために、熱源水循環ラインの熱源水の温度は比較的高温に維持されていることから、この比較的高温の熱源水を太陽熱にて加熱するためには、十分な太陽熱が回収されている(即ち、比較的高温の熱が得られている)必要がある。しかしながら、上述の如く、冬季等には、十分な太陽熱を回収することができず、太陽熱を用いて熱源水を加熱できなくなる。
以上のことから、単に、太陽熱を回収した熱媒体にて熱源水を加熱するだけでは、熱媒体にて熱源水を加熱できなくなることがあり、熱源水を加熱するための熱源として、太陽熱を用いることは難しいものとなっていた。
前記熱源水循環ラインにおいて複数の熱需要家に供給する熱源水よりも低温の熱源水が通流する低温通流部位には、太陽熱回収装置にて回収した太陽熱を有する熱媒体と熱源水とを熱交換させる太陽熱熱交換器が備えられ、複数の熱需要家に給水する水と前記太陽熱回収装置にて回収した太陽熱を有する熱媒体とを熱交換させる給水予熱熱交換器と、前記太陽熱回収装置にて回収した太陽熱を有する熱媒体を前記太陽熱熱交換器に通流する第1通流状態と前記給水予熱熱交換器に通流する第2通流状態とに切換自在な通流状態切換手段とが備えられている点にある。
また、夏季以外等、十分な太陽熱を回収できないときには、通流状態切換手段が第2通流状態に切り換えて、太陽熱を回収した熱媒体にて複数の熱需要家に給水する水を予熱することができる。
また、熱源水温度調整手段が低温調整状態に切り換えると、低温用目標温度範囲内の熱源水を熱需要家に供給するので、低温通流部位を通流する熱源水の温度は、高温調整状態に切り換えたときよりも低温となる。そこで、例えば、夏季等には、熱源水温度調整手段を低温状態に切り換えておくことで、通流状態切換手段を第1通流状態に切り換えたときに、太陽熱熱交換器での熱源水の温度をより低くでき、熱媒体と熱源水との温度差をより大きくして、太陽熱を回収した熱媒体にて熱源水を効率よく加熱することができる。
〔第1実施形態〕
この熱源水供給システムは、図1に示すように、熱源水N1を貯留する熱源水タンク1と、熱源水N1を加熱する熱源装置2と、熱源水タンク1に熱源水N1を給水する給水手段3と、熱源装置2にて加熱された熱源水N1及び熱源水タンク1に貯留されている熱源水N1を複数の熱需要家に順に供給して熱源装置2に戻す熱源水循環ライン4とを備えている。そして、複数の熱需要家の夫々には、熱源水循環ライン4の取り込み箇所B1から熱源水N1を取り込んでその取り込んだ熱源水N1を熱源水循環ライン4の取り込み箇所B1よりも熱源水N1の流れ方向の下流側の戻し箇所B2に戻すとともに、取り込んだ熱源水N1が有する熱を給湯箇所や暖房端末等の熱消費部に供給する熱供給装置5が備えられている。これにより、熱源装置2を共用の熱源として、エネルギー効率の向上を図りながら、各熱需要家における熱供給装置5での熱消費を実現可能としている。
熱源装置2は、例えば、都市ガスを燃料とするガスエンジンや燃料電池を備えて熱と電気とを発生する熱電併給装置である。そして、熱電併給装置にて発生した熱を回収した排熱搬送流体N2を循環させる排熱搬送流体循環路6が備えられ、その排熱搬送流体循環路6には、熱電併給装置にて発生した熱を回収した排熱搬送流体N2と熱源水N1とを熱交換させる排熱熱交換器7と、排熱搬送流体N2を循環させる排熱搬送流体循環ポンプ8とが備えられている。
給水手段3は、熱源水タンク1の下部に熱源水N1を供給する給水路にて構成されており、例えば給水圧や給水ポンプの作動により熱源水N1を熱源水タンク1に給水している。ここで、給水手段3にて熱源水タンク1に給水した熱源水N1を熱源水循環ライン4に補給するので、補給手段が、熱源水タンク1及び給水手段3にて構成されている。
熱源水循環ライン4は、往き部位4aにて順序付けられた各熱需要家に熱源水N1を供給するとともに、戻り部位4bにて各熱需要家を一巡した後の熱源水N1を熱源装置2及び熱源水タンク1に戻すシングルループ配管にて構成されている。熱源水タンク1と排熱熱交換器7とは、往き部位4a及び戻り部位4bの夫々に接続され、並列状態で設けられている。熱源水タンク1の上部は往き部位4aに接続され且つ熱源水タンク1の下部は戻り部位4bに接続されている。これにより、熱源水循環ライン4は、熱源水タンク1の下部から取り出した熱源水N1を排熱熱交換器7にて加熱し、その加熱した熱源水N1を熱源水タンク1の上部に戻す循環路としても作用するように構成されている。つまり、熱源水循環ライン4に備えられた第2熱源水循環ポンプ10を作動させることで、熱源水タンク1の下部から取り出した熱源水N1を排熱熱交換器7にて加熱し、その加熱した熱源水N1を熱源水タンク1の上部に戻すことができる。このようにして、熱源装置2は、熱源水タンク1に貯留されている熱源水N1を加熱自在に構成されている。
熱源水循環ライン4には、排熱熱交換器7に加えて、太陽熱回収装置51にて回収した太陽熱を有する熱媒体N3(例えば温水)にて熱源水N1を加熱する太陽熱熱交換器52が設けられている。太陽熱熱交換器52は、熱源水循環ライン4の戻り部位4bにおいて第3熱源水温度センサT3と第2熱源水循環ポンプ10との間に配設されており、熱源水循環ライン4において複数の熱需要家に供給したのち熱源装置2に熱源水N1を戻す戻り部位4bに配設されている。これにより、熱源水循環ライン4において複数の熱需要家を一巡して低温となった熱源水N1が通流する低温通流部位に太陽熱熱交換器52を配設することができ、太陽熱熱交換器52において熱媒体N3と熱源水N1との温度差を極力大きくして熱源水N1を効率よく加熱することができる。
熱媒体循環路53には、太陽熱熱交換器52と並列状態で給水予熱熱交換器54が設けられている。つまり、熱媒体循環路53は、その途中にて分岐したのち合流する第1分岐合流部位53aと第2分岐合流部位53bとを並列状態で備えており、第1分岐合流部位53aに太陽熱熱交換器52が備えられ、第2分岐合流部位53bに給水予熱熱交換器54が備えられている。
熱媒体循環路53において第1分岐合流部位53aと第2分岐合流部位53bとの分岐箇所には、太陽熱回収装置51にて太陽熱を回収した熱媒体N3を第1分岐合流部位53aに通流させて太陽熱熱交換器52に通流させる第1通流状態(図中実線矢印参照)と、太陽熱回収装置51にて太陽熱を回収した熱媒体N3を第2分岐合流部位53bに通流させて給水予熱熱交換器54に通流させる第2通流状態(図中点線矢印参照)とに切換自在な通流状態切換用三方弁57が備えられている。
熱源水循環ライン4には、排熱熱交換器7及び太陽熱熱交換器52に加えて、熱源水N1を加熱する補助加熱装置11が設けられている。補助加熱装置11は、排熱熱交換器7及び熱源水タンク1と並列状態になるように、戻り部位4bと往き部位4aとを接続する分岐循環路12に設けられている。分岐循環路12には、補助加熱装置11への熱源水N1の供給を断続するともに、その供給量を制御する通流制御弁13が設けられている。補助加熱装置11は、例えば、ガスバーナを燃焼させて熱源水N1を加熱するように構成されている。
熱源水供給システムの運転を制御する運転制御装置20が設けられている。運転制御装置20は、熱源装置2、排熱搬送流体循環ポンプ8、第1熱源水循環ポンプ9、第2熱源水循環ポンプ10、通流制御弁13、補助加熱装置11、太陽熱回収装置51、通流状態切換用三方弁57の夫々の作動を各別に制御するように構成されている。運転制御装置20には、第1熱源水温度センサT1、第2熱源水温度センサT2、第3熱源水温度センサT3、第1熱源水流量センサR1、第2熱源水流量センサR2の夫々の検出情報が入力されるように構成されている。また、図示は省略するが、太陽熱回収装置51には、太陽熱を回収した熱媒体N3の温度を検出する熱媒体温度検出センサが備えられており、その熱媒体温度検出センサの検出情報も運転制御装置20に入力されるように構成されている。
図2に示すように、熱供給装置5は、熱源水循環ライン4の取り込み箇所B1に上流端部が接続されて熱源水循環ライン4の取り込み箇所B1よりも熱源水N1の流れ方向の下流側の戻し箇所B2に下流端部が接続された熱源水通流路21と、その熱源水通流路21の途中部位から分岐された給湯路22とを備えている。これにより、熱源水循環ライン4を通流する熱源水N1の一部が常時熱源水通流路21に通流自在となっており、熱源水通流路21に熱源水循環ライン4から熱源水N1を取り入れている。そして、この熱源水通流路21への熱源水N1の通流により給湯路22には熱源水循環ライン4の熱源水N1の圧力が常時かかっており、その圧力により給湯路22に対して熱源水N1を供給自在となっている。したがって、熱供給装置5は、熱源水循環ライン4から熱源水N1の少なくとも一部を常時取り込んで、その取り込んだ熱源水N1を熱消費部としての給湯栓等の給湯箇所23に給湯自在に構成されている。
また、熱供給制御装置は、熱消費運転として、浴槽32のリモコン等から追焚開始要求があるとふろ循環ポンプ31を作動させることで、第2熱交換器26において熱源水循環ライン4から取り込んだ熱源水N1にて浴槽水を加熱し、その加熱された浴槽水を浴槽32に循環供給して浴槽水の追焚運転を行う。そして、熱供給制御装置は、浴槽32のリモコン等から追焚停止要求があったり追焚開始から設定時間が経過すると、ふろ循環ポンプ31を作動停止させて追焚運転を終了する。
図1に戻り、運転制御装置20による運転について説明する。
運転制御装置20は、熱源装置2にて加熱された熱源水N1及び熱源水タンク1に貯留されている熱源水N1を熱源水循環ライン4にて循環させる熱源水循環運転を行う。この熱源水循環運転では、運転制御装置20が、熱源装置2、排熱搬送流体循環ポンプ8、第1熱源水循環ポンプ9、及び、第2熱源水循環ポンプ10を作動させて、排熱熱交換器7での排熱搬送流体N2による熱源水N1の加熱を行えるようにするとともに、その排熱熱交換器7にて加熱された熱源水N1及び熱源水タンク1に貯留されている熱源水N1を熱源水循環ライン4にて循環させる。また、運転制御装置20は、太陽熱回収装置51を作動させており、太陽熱熱交換器52において熱媒体N3にて熱源水N1を加熱可能としている。
FQ1=Fset+Ft+Ff
ここで、FQ1が目標流量であり、Fsetが基準流量(例えば、50戸の集合住宅を仮定した場合は30〜60リットル/min、もう少し戸数が少ない場合は40〜50リットル/min)であり、Ftが温度降下による補正流量であり、Ffが流量降下による補正流量である。
Ta>65℃の場合
Ft=(65−Ta)×1×a
Ta<60℃の場合
Ft=(60−Ta)×2×a
ここで、Taは熱源水循環ライン4の戻り部位4bにて熱源装置2に戻す熱源水N1の温度であり、具体的には第2熱源水温度センサT2の検出温度である。aは温度を流量に換算するための定数である。
Ff=(FQ2−FQ3)/1.5
ここで、FQ2は熱源水循環ライン4にて複数の熱需要家に供給する熱源水N1の流量であり、具体的には第1熱源水流量センサR1の検出流量である。FQ3は熱源水循環ライン4の戻り部位4bにて熱源装置2に戻す熱源水N1の流量であり、具体的には第2熱源水流量センサR2の検出流量である。
具体的には、例えば、冬季では、太陽熱熱交換器52に供給される熱源水N1の温度(第3熱源水温度センサT3の検出温度)が60℃程度であるが、給水の補給により太陽熱熱交換器52に供給される熱源水N1の温度(第3熱源水温度センサT3の検出温度)が60℃よりも低くなるので、太陽熱回収装置51に備えられた熱媒体温度検出センサの検出温度が60℃以上であると、通流状態切換用三方弁57を第1通流状態に切り換え、太陽熱回収装置51に備えられた熱媒体温度検出センサの検出温度が60℃未満であると、通流状態切換用三方弁57を第2通流状態に切り換えることができる。また、夏季では、後述する如く、熱源水循環ライン4にて複数の熱需要家に供給する熱源水N1の温度を低温用目標温度範囲内に調整する低温調整状態に切り換えることで、複数の熱需要家に供給する熱源水N1の温度を低くしており(例えば60℃程度)、太陽熱熱交換器52に供給される熱源水N1の温度(第3熱源水温度センサT3の検出温度)が例えば40℃程度となる。よって、太陽熱回収装置51に備えられた熱媒体温度検出センサの検出温度が45℃以上であると、通流状態切換用三方弁57を第1通流状態に切り換え、太陽熱回収装置51に備えられた熱媒体温度検出センサの検出温度が45℃未満であると、通流状態切換用三方弁57を第2通流状態に切り換えることができる。
この第2実施形態は、上記第1実施形態において太陽熱熱交換器52の設置位置についての別実施形態であり、その他の構成については、上記第1実施形態と同様である。そこで、以下、本発明に係る熱源水供給システムの全体構成の一部のみを示した図3に基づいて、第2実施形態について説明するが、上記第1実施形態と異なる構成である太陽熱熱交換器52の設置位置を中心に説明し、その他の構成については説明を省略する。
(1)上記第1及び第2実施形態では、第1通流状態と第2通流状態との切り換えについて、太陽熱回収装置51にて回収した太陽熱を有する熱媒体N3の温度と太陽熱熱交換器52に供給される熱源水N1の温度との大小関係に基づいて、第1通流状態と第2通流状態とに切り換えているが、例えば、夏季には第1通流状態に切り換え、夏季以外には第2通流状態に切り換えることもできる。また、昼間には第1通流状態に切り換え、朝や晩には第2通流状態に切り換えることもでき、第1通流状態と第2通流状態とに切り換えるための条件については適宜変更が可能である。
このように、熱供給装置5については、熱源水循環ライン4から取り込んだ熱源水N4を利用して熱消費部への熱供給を行うものであればよい。
2 熱源装置
4 熱源水循環ライン
5 熱供給装置
9,10,20 熱源水温度調整手段
20,57 通流状態切換手段
23 給湯箇所
29 熱消費部(暖房端末)
32 熱消費部(浴槽)
51 太陽熱回収装置
52 太陽熱熱交換器
54 給水予熱熱交換器
N1 熱源水
N3 熱媒体
N4 複数の熱需要家に給水する水
Claims (6)
- 熱源装置にて加熱された熱源水を複数の熱需要家に順に供給して前記熱源装置に戻す熱源水循環ラインを備え、各熱需要家には、前記熱源水循環ラインから熱源水を取り込んでその取り込んだ熱源水を前記熱源水循環ラインの取り込み箇所よりも熱源水の流れ方向の下流側に戻すとともに、取り込んだ熱源水を利用して熱消費部への熱供給を行う熱供給装置が備えられている熱源水供給システムであって、
前記熱源水循環ラインにおいて複数の熱需要家に供給する熱源水よりも低温の熱源水が通流する低温通流部位には、太陽熱回収装置にて回収した太陽熱を有する熱媒体と熱源水とを熱交換させる太陽熱熱交換器が備えられ、
複数の熱需要家に給水する水と前記太陽熱回収装置にて回収した太陽熱を有する熱媒体とを熱交換させる給水予熱熱交換器と、前記太陽熱回収装置にて回収した太陽熱を有する熱媒体を前記太陽熱熱交換器に通流する第1通流状態と前記給水予熱熱交換器に通流する第2通流状態とに切換自在な通流状態切換手段とが備えられている熱源水供給システム。 - 前記熱源水循環ラインの前記低温通流部位は、複数の熱需要家に供給したのち前記熱源装置に熱源水を戻す部位に設定されている請求項1に記載の熱源水供給システム。
- 前記熱源水循環ライン内の熱源水の減少に伴って熱源水を補給する補給手段を備え、前記熱源水循環ラインの前記低温通流部位は、前記熱源水循環ラインに前記補給手段により熱源水を補給する部位に設定されている請求項1に記載の熱源水供給システム。
- 前記熱源水循環ライン内の熱源水の減少に伴って熱源水を補給する補給手段を備え、前記熱供給装置は、前記熱源水循環ラインから取り込んだ熱源水を前記熱消費部としての給湯箇所に給湯自在に構成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の熱源水供給システム。
- 前記通流状態切換手段が、前記太陽熱回収装置にて回収した太陽熱を有する熱媒体の温度が前記太陽熱熱交換器に供給される熱源水の温度よりも高いと、前記第1通流状態に切り換え、前記熱媒体の温度が前記熱源水の温度以下であると、前記第2通流状態に切り換える請求項1〜4の何れか1項に記載の熱源水供給システム。
- 前記熱源水循環ラインにて複数の熱需要家に供給する熱源水の温度を高温用目標温度範囲内に調整する高温調整状態と低温用目標温度範囲内に調整する低温調整状態とに切換自在な熱源水温度調整手段が備えられている請求項1〜5の何れか1項に記載の熱源水供給システム。
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