JP2011163671A - 受液器及びそれを用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機に流入する液冷媒量を抑制するとともに、圧縮機に必要量の返油が効率的に実行できる受液器、及び、その受液器を用いた信頼性の高い冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】冷媒と油が密度逆転し、非相溶もしくは弱相溶の油を適用し、アキュムレーター10は、油回収穴4eを第1返油孔5よりも高い位置に形成し、出口管3の開口端部から連通孔4iまでの流路を多孔管40の油回収穴4から連通孔4iまでの流路と独立させている。
【選択図】図1

Description

この発明は、冷凍サイクル装置の一構成要素として使用される受液器及びその受液器を一構成要素として用いた冷凍サイクル装置に関するものである。
通常、空気調和装置等の冷凍サイクル装置では、冷媒回路内において運転条件の変化によって冷媒不足が生じないように余剰冷媒を一時的に貯留する受液器を設置している。受液器としては、たとえば、圧縮機の吸入側に配置され、蒸発器から流出した冷媒を一時的に貯留するアキュムレーターや、中圧状態の冷媒が導通する位置に配置され、凝縮器から流出した冷媒あるいは蒸発器から流出した冷媒を一時的に貯留するレシーバー等がある。
そのうちのアキュムレーターには、運転中の余剰冷媒を溜める機能の他、液冷媒流出量を圧縮機の液バック耐力(圧縮機へ液冷媒が流入することを液バックと称し、液バック率=液冷媒流出量/冷媒循環流量を限界値以下とする)以内に抑えながら、圧縮機から冷媒とともに吐出されてしまった冷凍機油をアキュムレーター内部に多量に溜めることなく確実に圧縮機に返油する機能と、が要求される。余剰冷媒量は、圧縮機の運転周波数等によっても変動するが、低蒸発温度条件においては、冷媒循環流量が少なく、余剰冷媒量が多くなる傾向があり、高蒸発温度条件においては、冷媒循環量が多く、余剰冷媒量が少なくなる傾向がある。
そのようなアキュムレーターとして、U字形状の出口管の曲がり部に返油孔を設け、出口管の上流側に一端を接続し且つ他端をアキュムレーターの下部に開口させた返油管を設けたものが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。また、別のアキュムレーターとして、出口管の上下方向に沿って複数の油回収穴を設けたものが開示されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開平7−12431(第7頁、第10図) 実公平5−39409号公報(第4頁、第1図)
従来のアキュムレーターを冷凍サイクル装置に組み込み、低蒸発温度域で油密度が冷媒密度より小さくなり且つ非相溶性もしくは弱相溶性となる油を冷凍機油として適用すると、アキュムレーター内で液冷媒上層部に分離した冷凍機油を圧縮機に戻すことができず、圧縮機の摺動部の焼き付きを生じてしまうという問題がある。
また、特許文献2に記載されているアキュムレーターは、どの余剰冷媒高さにおいても液冷媒上層に分離した冷凍機油を回収できるようした出口管にアキュムレーターの容器底部近傍から容器上部に渡って複数の油回収穴を形成している。そのため、特許文献2に記載されているアキュムレーターは、容器下部の油回収穴ほど液ヘッドの影響を受けることになり、流量が増す構造となっている。すなわち、特許文献2に記載されているアキュムレーターを組み込んだ冷凍サイクル装置においては、アキュムレーターに余剰冷媒が多量に滞留し、液冷媒上層に冷凍機油が層分離する低蒸発温度条件では、液冷媒層にある油回収穴から圧縮機への液バック量が増加し、圧縮機の摺動部に多量の液冷媒が供給され、軸受の耐久性が低下してしまうという問題がある。
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、圧縮機に流入する液冷媒量を抑制するとともに、圧縮機に必要量の返油が効率的に実行できる受液器、及び、その受液器を用いた信頼性の高い冷凍サイクル装置を提供することを目的としている。
本発明に係る受液器は、密閉容器と、前記密閉容器内に開口する入口管と、前記密閉容器の底部近傍に第1返油孔を有する出口管と、下端部を閉塞し、上下方向に沿って複数個の油回収穴が形成されている多孔管と、前記多孔管に形成された最下部の油回収穴の近傍又はこの油回収穴より下流側に設けられ、上記多孔管と上記出口管を連結する連通孔と、を有し、前記油回収穴のうち最下部に位置する油回収穴を前記第1返油孔よりも高い位置に形成し、前記出口管の開口端部から前記連通孔までの流路を前記多孔管の前記油回収穴から前記連通孔までの流路と独立させていることを特徴とする。
本発明に係る受液器は、密閉容器と、前記密閉容器内に開口する入口管と、前記密閉容器内に開口する出口管と、下端部を閉塞し、上下方向に沿って複数個の油回収穴が形成されている多孔管と、前記多孔管に形成された最下部の油回収穴の近傍又はこの油回収穴より下流側に設けられ、上記多孔管と上記出口管を連結する連通孔と、上端部を前記出口管と連結し、下端部を前記密閉容器底部近くに開口する第2返油管と、を有し、前記油回収穴のうち最下部に位置する油回収穴を前記第1返油孔よりも高い位置に形成し、前記出口管の開口端部から前記連通孔までの流路を前記多孔管の前記油回収穴から前記連通孔までの流路と独立させていることを特徴とする。
本発明に係る受液器は、密閉容器と、前記密閉容器内に開口する入口管と、前記密閉容器内に開口する出口管と、一端を前記密閉容器の外部における前記出口管と連結し、上下方向に沿って複数個の油回収穴が形成されている多孔管と、一端を前記密閉容器の外部における前記出口管と連結し、他端を前記密閉容器底部に開口する第1返油管と、を有し、前記第1返油管から前記出口管の連結部までの流路を前記多孔管から前記出口管の連結部までの流路と独立させていることを特徴とする。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、上記の受液器、圧縮機、凝縮器、絞り装置、及び、蒸発器を少なくとも搭載していることを特徴とする。
本発明に係る受液器によれば、密閉容器内の上下空間で各温度条件の滞留状態にマッチした返油を実現することができる。また、本発明に係る冷凍サイクル装置によれば、上記の受液器を搭載しているので、圧縮機への返油を高効率で実行でき、圧縮機の摺動部の焼き付き等を抑制でき、信頼性の高いものとなる。
本発明の実施の形態1に係るアキュムレーターの断面構成例を模式的に示す概略縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係るアキュムレーターを用いた冷凍サイクル装置の基本的な冷媒回路構成を模式的に示す回路構成図である。 図2で示す冷媒回路中に示した記号A〜Eにおける冷媒状態をP−h線図上に示したものである。 本発明の実施の形態1に係るアキュムレーターの冷媒と冷凍機油の流動パターンを説明するための説明図である。 冷凍サイクル装置に使用する冷凍機油及び冷媒の密度特性の一例を表すグラフである。 蒸発温度が変化した際のアキュムレーター内での代表的な流動パターンを説明するための説明図である。 本発明の実施の形態2に係るアキュムレーターの断面構成例を模式的に示す概略縦断面図である。 本発明の実施の形態2に係るアキュムレーターの別の断面構成例を模式的に示す概略縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係るアキュムレーターに設けられる第2返油管と出口管との接続部分周辺を模式的に示す拡大縦断面図である。 本発明の実施の形態4に係るアキュムレーターに設けられる第2返油管と出口管との接続部分周辺を模式的に示す拡大縦断面図である。 本発明の実施の形態5に係るアキュムレーターに設けられる第2返油管と出口管との接続部分周辺を模式的に示す拡大縦断面図である。 本発明の実施の形態6に係るアキュムレーターの断面構成例を模式的に示す概略縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るアキュムレーター10の断面構成例を模式的に示す概略縦断面図である。図1に基づいて、アキュムレーター10の構成及び動作について説明する。なお、図1では、アキュムレーター10内に液冷媒7と冷凍機油8を貯留している状態を例に示している。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。さらに、図1を含め、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。
実施の形態1に係るアキュムレーター10は、たとえば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和装置、冷凍装置、給湯器等の冷凍サイクル装置(図2で説明する)を構成する要素機器の1つとして搭載されるものである。このアキュムレーター10は、図示省略の圧縮機の吸入側に配置され、運転中の余剰冷媒を溜める機能、液冷媒流出量を圧縮機の液バック耐力以内に抑えながら、及び、圧縮機から冷媒とともに吐出されてしまった冷凍機油を圧縮機に返油する機能を有している。
図1に示すように、アキュムレーター10は、圧力容器である密閉容器1に配管(入口管2、出口管3)が連接されて構成されている。なお、図1では、密閉容器1の内部に液冷媒7及び冷凍機油8が二層分離して貯留されている状態を図示している。密閉容器1の内部で分離・貯留される液冷媒7及び冷凍機油8について図4で詳細に説明する。
入口管2は、密閉容器1の上部に連接され、密閉容器1内で略L字形状に曲げられており、端部が密閉容器1の上部空間に開口している。出口管3は、密閉容器1の上部に連接され、密閉容器1内で略U字形状に曲げられており、開口端部である冷媒ガス入口3aが密閉容器1の上部空間に開口している。この出口管3の曲がり部(紙面で表す密閉容器1の底部近傍部分)には、第1返油孔5が形成されている。
また、出口管3には、複数個の油回収穴4(油回収穴4a〜4e)が上下方向に沿って配設され、下端を閉塞した多孔管40が連結されている。多孔管40と出口管3とは、最下部の油回収穴4eの近傍又は多孔管40の下流側に設けられている連通孔4iで連結されている。油回収穴4のうち、最下部に位置する油回収穴4(図1では油回収穴4e)は、第1返油孔5より高く、密閉容器1内に貯留する最大余剰液冷媒高さより低い位置に形成している。ここで、出口管3の冷媒ガス入口3aから連通孔4iまでの流路と、多孔管40の油回収穴4から連通孔4iまでの流路と、は独立するようになっている。
さらに、出口管3には、第2返油管6が連結されている。この第2返油管6は、上端部が出口管3の上部に連結し、下端部が密閉容器1の底部近傍に開口している。なお、連通孔4iや油回収穴4a〜4eは、たとえばオリフィス構造とし、基本的には断面形状を円形とするとよい。ただし、連通孔4iや油回収穴4a〜4eの断面形状を円形に限定するものではない。
図2は、実施の形態1に係るアキュムレーター10を用いた冷凍サイクル装置Aの基本的な冷媒回路構成を模式的に示す回路構成図である。図2に基づいて、実施の形態1に係るアキュムレーター10を用いた冷凍サイクル装置Aの回路構成及び動作について説明する。冷凍サイクル装置Aは、室外ユニット(熱源機)100と、室内ユニット(負荷側ユニット)200と、が配管接続されて構成されている。
[室外ユニット100]
室外ユニット100は、たとえば建物の屋上等の室外に設置され、室内ユニット200に温熱又は冷熱を供給する機能を有している。この室外ユニット100には、少なくとも圧縮機55と、流路切替手段である四方弁52と、室外熱交換器(熱源側熱交換器)53と、アキュムレーター10と、が直列に接続されて搭載されている。なお、室外ユニット100には、室外熱交換器53に空気を強制的に供給するためのファン等の送風機を室外熱交換器53の近傍位置に設けるとよい。
圧縮機55は、冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にするものである。四方弁52は、室内ユニット200の運転モードに応じて冷媒の流れを切り替えるものである。室外熱交換器53は、運転モードに応じて蒸発器や放熱器(凝縮器)として機能し、図示省略の送風機から供給される空気と空調用冷媒との間で熱交換を行ない、冷媒を蒸発ガス化又は凝縮液化するものである。アキュムレーター10は、圧縮機55の吸入側に配置され、余剰冷媒を貯留するものである。
[室内ユニット200]
室内ユニット200は、たとえば居住空間等の空調対象空間に設置され、室外ユニット100からの温熱又は冷熱の供給を受けて空調対象空間の暖房又は冷房を行なう機能を有している。室内ユニット200には、少なくとも膨張弁57と、室内熱交換器(負荷側熱交換器)59と、が直列に接続されて搭載されている。なお、室内ユニット200には、室内熱交換器59に空気を強制的に供給するためのファン等の送風機を室内熱交換器59の近傍に設けるとよい。
膨張弁57は、冷媒を減圧して膨張させるものである。この膨張弁57は、開度が可変に制御可能なもの、たとえば電子式膨張弁等で構成するとよい。室内熱交換器59は、放熱器(凝縮器)や蒸発器として機能し、図示省略の送風機から供給される空気と空調用冷媒との間で熱交換を行ない、空調用冷媒を凝縮液化又は蒸発ガス化するものである。なお、膨張弁57及び室内熱交換器59は、直列に接続されている。
ここで、冷凍サイクル装置Aの運転動作について説明する。まず、室内ユニット200で冷房運転を行なう場合を図2及び図3を参照しながら説明する。図3は、図2で示す冷媒回路中に示した記号A〜Eにおける冷媒状態をP−h線図上に示したものである。室内ユニット200で冷房運転を行なう場合では、室外ユニット100の四方弁52が第1口52aと第2口52bが連通し、第3口52cと第4口52dが連通するように設定される(図3中実線で示している)。なお、図3では、縦軸が冷媒圧力を、横軸が比エンタルピーを、それぞれ表している。図3に示す点A→点Eが、図2における回路図の点A〜点Eに対応している。
また、使用する冷媒としては、臨界温度(約31℃)以上で超臨界状態となるCO2 を想定しており、この場合の冷媒状態を図3のP−h線図に表している。また、冷凍機油としては、低蒸発温度域で油密度が液冷媒密度より小さくなり、かつ、非相溶性もしくは弱相溶性となるものを封入しているものとする。なお、冷媒をCO2 に限定するものではない。
低温・低圧の冷媒が圧縮機55によって圧縮され、高温・高圧のガス冷媒となって吐出される。圧縮機55から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、四方弁52の第1口52aから第2口52bを通り(状態A)、室外熱交換器53に流入する。そして、室外熱交換器53で被加熱媒体(たとえば室外空気)に放熱し(状態B)、液冷媒となる。室外熱交換器53から流出した液冷媒は、室外ユニット100から流出し、室内ユニット200に流入する。
室内ユニット200に流入した液冷媒は、膨張弁57で減圧されてから室内熱交換器59に流入する(状態C)。室内熱交換器59に流入した冷媒は、空調対象空間の熱負荷を処理する。つまり、室内熱交換器59に流入した冷媒は、室内空気から吸熱することで、室内空気を冷却しながら、低温・低圧のガス冷媒となる。その後、室内ユニット200からも流出し、室外ユニット100に流入する。室外ユニット100に流入した冷媒は、四方弁52の第4口52dから第3口52cを通って、アキュムレーター10の入口管2を経由して密閉容器1内に流入する(状態D)。このとき、アキュムレーター10に流入した冷媒と冷凍機油は、アキュムレーター10内で気液分離された後、圧縮機55に流入する(状態E)。
図3に示すスーパーヒートが圧縮機55に吸入される冷媒の状態を表している。スーパーヒートがとれる場合は、アキュムレーター10に流入する冷凍機油と冷媒は、冷凍機油とガス冷媒の混合状態となっている。そして、ガス冷媒は、アキュムレーター10に連接されている入口管2から出口管3を経由して圧縮機55に吸引される。スーパーヒートがとれない場合は、冷凍機油と液冷媒、ガス冷媒(2相流)の混合状態となっている。そして、ガス冷媒は、アキュムレーター10に連接されている入口管2から出口管3を経由して圧縮機55に吸引される。一方、冷凍機油と液冷媒は、第1返油孔5と、第2返油管6もしくは多孔管40を通って、出口管3に流入し、圧縮機55に吸引される。
なお、室内ユニット200で暖房運転を行なう場合には、四方弁52が破線のように切り換えられ、その結果、室外熱交換器53とアキュムレーター10が連通し、圧縮機55の吐出側と室内熱交換器59とが連通する。暖房運転時も、スーパーヒートの状態に対するアキュムレーター10に流入する冷凍機油と冷媒の挙動は、冷房運転時と同様である。
図4は、実施の形態1に係るアキュムレーター10の冷媒と冷凍機油の流動パターンを説明するための説明図である。図5は、冷凍サイクル装置Aに使用する冷凍機油及び冷媒の密度特性の一例を表すグラフである。図4及び図5に基づいて、アキュムレーター10の動作を説明する。なお、図4(a)がアキュムレーター10全体の流動パターンを模式的に示しており、図4(b)がアキュムレーター10の多孔管40の下端部周辺を模式的に示している。また、図4では、点線矢印がガス冷媒の流れを、黒塗り矢印が冷凍機油の流れを、白抜き矢印が液冷媒の流れを、それぞれ表している。さらに、図4では、油回収穴4cと油回収穴4dの間で、液冷媒7と冷凍機油8とが二層分離している状態を例に示している。
冷凍サイクル装置Aに使用する冷凍機油としては、たとえば図5に示すような密度特性をもち、かつ、非相溶もしくは弱相溶性となるもの(たとえば、HAB油(ハードアルキルベンゼン油)やPAG(ポリアルキレングリコール)等)を適用すればよい。このような性質のものを冷凍機油として用いれば、低蒸発温度域においてアキュムレーター10内で冷凍機油と余剰冷媒とが油濃度の高い液層と油濃度の低い液層とに層分離し滞留することになる。以降、油濃度の高い液層を冷凍機油8、油濃度の低い液層を液冷媒7と称し、冷凍機油と冷媒の流れを説明する。
圧縮機55から吐出された冷凍機油と冷媒は、冷凍サイクル内を循環し、アキュムレーター10の入口管2からアキュムレーター10内に流入する。図4(a)に示すように、冷凍機油と冷媒が、アキュムレーター10に流入すると、冷凍機油と液冷媒は、密閉容器1の上部空間で気液分離され、密閉容器1の下部に滞留される。蒸発温度が低い条件では、冷凍サイクル回路を流れる冷媒の循環流量が少なく、多量の余剰冷媒がアキュムレーター10内に滞留することになる。そして、冷凍機油の密度と、液冷媒の密度と、が逆転する蒸発温度(図5に示す密度逆転温度(冷媒の種類、冷凍機油の種類で異なる))以下になると、冷凍機油8の密度が液冷媒7の密度より小さくなるため、液冷媒7の上層に分離し、冷凍機油8が滞留する。
出口管3に冷媒が流れると、出口管3の動圧損と管摩擦損失が生じ、出口管3の内外に圧力差が生じる。このときの第1返油孔5、第2返油管6上端、及び、連通孔4iに作用する圧力差をそれぞれ、ΔP1 、ΔP2 、ΔP3 とすると、下記式(1)〜(3)で表すことができる。式(1)〜(3)において、k1 〜k3 は、出口管3入口から各穴までの長さ、管径、流れる流体密度によって変化する係数を示している。また、Gg は、冷媒の流量を示している。
Figure 2011163671
Figure 2011163671
Figure 2011163671
第1返油孔5からは液冷媒が吸い込まれる。このときの流量G1 は、下記式(4)で表される。式(4)において、C1 は第1返油孔5の流量係数を、ρr は密閉容器1内に滞留する液冷媒7の密度を、ρo は密閉容器1内に滞留する冷凍機油8の密度を、hr は密閉容器1内に滞留する液冷媒7の高さを、ho は密閉容器1内に滞留する冷凍機油8の高さを、gは重力加速度を、それぞれ示している。なお、C1 は、液冷媒の粘度の関数である。
Figure 2011163671
第2返油管6からも液冷媒が吸い込まれる。このときの流量G2 は、下記式(5)で表される。式(5)において、C2 は第2返油管6の流量係数を、Lは第2返油管6の長さを、それぞれ示している。なお、C2 は第2返油管6の内径、第2返油管6の長さ、液冷媒の粘度の関数である。また、式(5)のそれ以外の変数は、式(4)と同様である。
Figure 2011163671
液冷媒が第2返油管6から吸い込まれて出口管3に流入するには、第1返油孔5より第2返油管6の高さ分だけの液ヘッドを持ち上げる必要がある。したがって、冷媒循環流量が小さい条件ではΔP2 が小さく、第2返油管6の上端からは液冷媒が出口管3に流出しない。
次に多孔管40内の冷凍機油及び冷媒の流れについて説明する。
図4(b)に示すように、多孔管40に設けた油回収穴4cからは冷凍機油が多孔管40内に流入し、油回収穴4d及び油回収穴4eからは液冷媒が多孔管40内に流入する。そして、多孔管40内では冷凍機油と液冷媒とが混合された状態になって連通孔4iに流れ込み、出口管3に流入することになる。
油回収穴4cに着目すると、ここでの冷凍機油の流量G4Cは、下記式(6)で表される。式(6)において、右辺第1項は多孔管40外の液高さを、右辺カッコ内は多孔管40内の圧力を、C4Cは油回収穴4cの流量係数を、それぞれ示している。右辺カッコ内の第1項は連通孔4iを流れる混合液の流動圧損を表し、Gmix は連通孔4iの流量を、k4 は連通孔4iの径や密度、粘度によって変化する係数を、それぞれ示している。右辺カッコ内の第2項は多孔管40内の液ヘッドを表し、ρinは多孔管40内の混合液密度を、hinは多孔管40内の混合液高さを、それぞれ示している。右辺カッコ内の第3項は多孔管40内の混合液高さhin分の摩擦損ΔP4Cを示している。
Figure 2011163671
式(6)から、多孔管40は、連通孔4iの径(k4 )を変化させることで油回収穴4cからの冷凍機油流量と液冷媒流量とを調整できることが分かる。なお、油回収穴4d、油回収穴4eからの流量も同様の方法で求められることは言うまでもない。
図6は、蒸発温度が変化した際のアキュムレーター10内での代表的な流動パターンを説明するための説明図である。図6に基づいて、蒸発温度が変化した際のアキュムレーター10内での冷凍機油と冷媒の流動パターンについて説明する。図6では、蒸発温度を横軸として表している。図6(a)が蒸発温度が低い条件における流動パターンを、図6(b)が蒸発温度が0℃周辺における流動パターンを、図6(c)が蒸発温度が高い条件における流動パターンを、それぞれ表している。また、図4と同様に、点線矢印がガス冷媒の流れを、黒塗り矢印が冷凍機油の流れを、白抜き矢印が液冷媒の流れを、それぞれ表している。
図6(a)に示す条件では、蒸発温度が密度逆転温度より低くなり、余剰冷媒量が多く、液冷媒が第1返油孔5と多孔管40を介してアキュムレーター10から流出する。一方、第2返油管6においては、出口管3で生じる圧損が小さいため、第2返油管6の高さ分の液冷媒を持ち上げることができず、液冷媒が出口管3に流出しない。液冷媒7の上層に分離する冷凍機油8は、たとえば油回収穴4cを介して多孔管40に流入し、出口管3を経て圧縮機55に吸い込まれる。なお、圧縮機55から流出する冷凍機油の量は、冷媒循環流量が小さいほど少なく、低蒸発温度条件での返油が行なえる径に油回収穴4と連通孔4iを設計しておけばよく、そうすれば多孔管40からの液冷媒流出量を抑制できる。
図6(b)に示す条件では、蒸発温度が密度逆転温度より高くなり、液冷媒7の下層に冷凍機油8が分離する。つまり、図6(a)に示す条件比べて、冷媒循環量が増え、余剰冷媒量は少なくなる。したがって、第2返油管6下端には冷凍機油が滞留されることになり、第1返油孔5あるいは第2返油管6で返油を行なうことができる。図6(b)では、第2返油管6の高さ分の冷凍機油を持ち上げることができない例を示している。そのため、濃度の高い冷凍機油は、第1返油孔5から流入し、出口管3を経て圧縮機55に吸入される。
液冷媒7の層には、多孔管40下方の油回収穴4eが浸漬し、比較的少量の液冷媒が流入する。なお、冷媒循環流量が増加した際の液バック率への影響は、簡単のため、第1返油孔5を例に説明すると、上記式(1)及び式(4)から、(液バック率)∝(k1 +液ヘッド/Gg 20.5となる。したがって、冷媒循環流量が増加した際の液バック率は減少し、影響はさらに小さくなる傾向がある。
図6(c)に示す条件では、蒸発温度がさらに高くなり、密閉容器1内には冷凍機油のみが滞留する。このような条件のときは、液ヘッドは小さいが、冷媒循環流量が多く、圧縮機55からの油流出量も多くなる。そして、圧損は流速の2乗に比例して大きくなるため、冷媒循環量が多くなると第1返油孔5と第2返油管6に大きな吸引力が作用し、両方から返油が行なえるようになる。
図6(b)及び図6(c)に示す条件で、第1返油孔5の孔径をできるだけ小さくし、密閉容器1に滞留する液ヘッドの影響を小さくすれば、第2返油管6で返油を行なうように設計することができる。このようにすれば、図6(a)に示す条件での第1返油孔5からの液冷媒流出量を低減できる効果がある。第1返油孔5の孔径は、穴径が小さいと異物による詰まりが発生する可能性が高いことや微細的加工が必要になる場合もあるため、たとえば通常0.8mm〜1.5mm程度の穴径にする。
図6では、蒸発温度によってアキュムレーター10内の余剰冷媒量が変化する場合を例に説明したが、余剰冷媒量は、圧縮機55の運転周波数や接続される室内ユニット200の台数によっても変動する。そのため、油回収穴4を設ける範囲や個数は、最大余剰冷媒高さから密度逆転温度より少し高い蒸発温度(たとえば、密度逆転温度数K〜10K)における最小余剰冷媒高さをカバーする範囲内で決定するとよい。油回収穴4の範囲や個数を最小限に抑えることで、返油能力を確保しつつ、多孔管40からの液冷媒流入量を抑制することが可能となる。
仮に、油回収穴4を密閉容器1の上部から底面近傍まで多数設けた場合、多孔管40に流入する液冷媒量が増加する。そうなると、連通孔4iの流動圧損(上記式(6)の第2項:k4mix 2 )が大きくなって、油回収穴4からの返油能力(油流量G4C)が低下してしまう。逆に、返油能力を確保するために、連通孔4iの径を大きくしたり(k4 を小さくする)、連通孔4iに作用する圧力差(ΔP3 )を大きくしたりすると、液冷媒の流出量が増大してしまうことになる。
実施の形態1では、図5に示すように、低蒸発温度域で油密度が液冷媒密度より小さくなり、かつ、非相溶性もしくは弱相溶性となる冷凍機油を用いた場合を例に示したが、これに限定するものではない。すなわち、相溶性の冷凍機油でも、低温条件で一時的に油濃度の高い層が油濃度の低い層の上に二層分離する場合(たとえば、冷凍サイクル装置Aを停止していたような場合)があるため、相溶性の冷凍機油に実施の形態1の特徴事項を適用しても同様の効果が期待できる。
以上のように、実施の形態1に係るアキュムレーター10によれば、油濃度の高い層と油濃度の低い層とが逆転する場合にも、密閉容器1内の上下空間で各温度条件の滞留状態にマッチした返油を実現することができる。すなわち、実施の形態1に係るアキュムレーター10によれば、広い運転範囲で液冷媒流出を抑制しながら圧縮機55への高効率な返油が実現できることになる。したがって、アキュムレーター10を備えた冷凍サイクル装置Aによれば、圧縮機55の摺動部の焼き付き等を高効率で抑制でき、信頼性の高いものとなる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係るアキュムレーター10Aの断面構成例を模式的に示す概略縦断面図である。図8は、実施の形態2に係るアキュムレーター10Aの別の断面構成例を模式的に示す概略縦断面図である。図7及び図8に基づいて、実施の形態2に係るアキュムレーター10Aの特徴事項について説明する。なお、図7及び図8では、アキュムレーター10A内に液冷媒7と冷凍機油8を貯留している状態を例に示している。なお、実施の形態2では、実施の形態1と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。
実施の形態2に係るアキュムレーター10Aは、第1返油孔5に第1返油管9を接続している点、第2返油管6を設けていない点で実施の形態1に係るアキュムレーター10と相違している。第1返油孔5の径は、この第1返油孔5で返油能力が十分ある場合、密度逆転温度以下の蒸発温度条件では、できるだけ小径化するのが望ましい。しかしながら、第1返油孔5の形成は、微細穴加工が必要となる場合もあり、大量生産には不向きとなることや目詰まりなどが生じる恐れがある。
そこで、アキュムレーター10Aでは、第1返油孔5に第1返油管9を接続することで管摩擦による流路抵抗をつけて、第1返油孔5を通常の穴加工としても、液冷媒7の上層に冷凍機油8が分離するときの液冷媒流出量を低減できるようにしている。実施の形態2に係るアキュムレーター10Aでは、第1返油管9を設けた状態を例に示したが、第1返油管9の代わりにメッシュフィルターや変形穴など、流路抵抗が大きくなる構造のものであればよく、同様の効果がある。
なお、アキュムレーター10Aには、第2返油管6を設けていないが、第2返油管6を設けることを否定するものではなく、第2返油管6を設けた場合でも同様である。また、実施の形態1に係るアキュムレーター10、及び、実施の形態2に係るアキュムレーター10Aでは、第1返油孔5を設けた状態を例に示したが、図8に示すアキュムレーター10Aの別の構成例のように第1返油孔5を設けずに、第2返油管6のみを接続させるような構成としてもよい。
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係るアキュムレーターに設けられる第2返油管6と出口管3との接続部分周辺を模式的に示す拡大縦断面図である。図9に基づいて、実施の形態3に係るアキュムレーターの特徴事項について説明する。なお、実施の形態3では、実施の形態1及び実施の形態2と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明するものとする。
実施の形態3に係るアキュムレーターは、第2返油管6を流れる冷凍機油の流量を調整する第2返油孔6aを出口管3側に設けている点で実施の形態1に係るアキュムレーター10及び実施の形態2に係るアキュムレーター10Aと相違している。実施の形態1に係るアキュムレーター10及び実施の形態2に係るアキュムレーター10Aでは、第2返油管6と出口管3との接続部の開口断面を第2返油管6の流路断面と同程度としていた。それに対し、実施の形態3に係るアキュムレーターでは、第2返油管6を流れる冷凍機油の流量を調整する第2返油孔6aを出口管3側に設けている。第2返油孔6aの流路断面は、第2返油管6の流路断面よりも小さく設計されている。
これにより、第2返油管6の長さや第2返油管6の径を変更することなく、冷凍機油の流量調整を行なえるので、部品共通化により、コストを低減できる効果がある。
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4に係るアキュムレーターに設けられる第2返油管6と出口管3との接続部分周辺を模式的に示す拡大縦断面図である。図10に基づいて、実施の形態4に係るアキュムレーターの特徴事項について説明する。なお、実施の形態4では、実施の形態1〜実施の形態3と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1〜実施の形態3との相違点を中心に説明するものとする。
実施の形態4に係るアキュムレーターは、第2返油管6下端を閉塞し、第2返油管6の側面(下端側の側面)の一部に第3返油孔6cを設けている点で実施の形態1〜実施の形態3に係る各アキュムレーターと相違している。実施の形態1に係るアキュムレーター10及び実施の形態2に係るアキュムレーター10Aでは、第2返油管6の下端を開口している。また、実施の形態3に係るアキュムレーターでは、第2返油管6の下端を開口しているとともに、流量調整用の第2返油孔6aを出口管3に設けている。それに対し、実施の形態4に係るアキュムレーターでは、第2返油管6下端を閉塞し、第2返油管6に第3返油孔6cを設けている。第3返油孔6cの流路断面は、第2返油管6の流路断面よりも小さい範囲内で設計すれば、第2返油孔6aと同様の流量調整機能を持たせることができる。
これにより、出口管3に比べて小さな部品である第2返油管6に第3返油孔6cを設けるので、組立工程の効率化が図れ、組立コストを低減できる効果がある。また、起動減圧時に第2返油管6内に滞留する冷凍機油に溶け込んでいる冷媒が発泡した場合にも、出口管3に接続する開口部が大きく、発泡ガスが速やかに抜けて、冷凍機油を吸入できるので、圧縮機55への返油を速やかに行なえる効果がある。なお、第3返油孔6cの形成位置を図示している部分に限定するものではない。
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5に係るアキュムレーターに設けられる第2返油管6と出口管3との接続部分周辺を模式的に示す拡大縦断面図である。図11に基づいて、実施の形態5に係るアキュムレーターの特徴事項について説明する。なお、実施の形態5では、実施の形態1〜実施の形態4と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1〜実施の形態4との相違点を中心に説明するものとする。
実施の形態5に係るアキュムレーターは、第2返油管6の上端部6d(略直角に曲げられた出口管3との連結側端部)を出口管3内に突き出すようにして第2返油管6と出口管3とを接続している点で実施の形態1〜実施の形態4に係る各アキュムレーターと相違している。実施の形態1〜実施の形態4に係る各アキュムレーターでは、第2返油管6の端部と出口管3の側面の一部とを接続するようにしていた。それに対し、実施の形態5に係るアキュムレーターでは、第2返油管6の上端部6dを出口管3内に突き出すようにしている。
これにより、第2返油管6の上端部6dに圧損が発生し、吸引力が増加することになる。したがって、出口管3の径を縮小したり、第2返油管6の出口管3に接続する位置を吸引力の大きい下流側に変更する(第2返油管6の長さが長くなる)ことなく、第2返油管6からの冷凍機油の流量を増すことができ、部品共通化により、コストを低減できる効果がある。なお、上端部6dの出口管3内における突き出し長さを特に限定するものではなく、出口管3の流路断面に応じて設定すればよい。
実施の形態6.
図12は、本発明の実施の形態6に係るアキュムレーター10Bの断面構成例を模式的に示す概略縦断面図である。図12に基づいて、実施の形態6に係るアキュムレーター10Bの特徴事項について説明する。なお、図12では、アキュムレーター10B内に液冷媒7と冷凍機油8を貯留している状態を例に示している。なお、実施の形態6では、実施の形態1〜実施の形態5と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1〜実施の形態5との相違点を中心に説明するものとする。
実施の形態6に係るアキュムレーター10Bは、アキュムレーター10B内部の二層分離検知制御手段(図示省略)を設け、第1返油管9及び多孔管40を密閉容器1外部で出口管3と連結し、密閉容器1とそれぞれの連結部との間に、二層分離検知制御手段により開閉制御される第1開閉弁21及び第2開閉弁22を設けている点で実施の形態1〜実施の形態5に係る各アキュムレーターと相違している。
二層分離検知制御手段は、密閉容器1内で冷凍機油8(冷凍機油濃度の高い層)が液冷媒7(冷凍機油濃度の低い層)上層に分離するのを冷媒の温度や圧力により検知する機能を有している。第1開閉弁21は、二方弁等で構成され、二層分離検知制御手段により開閉が制御されることで、密閉容器1の外部において第1返油管9と出口管3との連結・遮断を実行するものである。第2開閉弁22は、二方弁等で構成され、二層分離検知制御手段により開閉が制御されることで、密閉容器1の外部において多孔管40と出口管3との連結・遮断を実行するものである。
アキュムレーター10Bでは、二層分離検知制御手段が、冷凍機油8が液冷媒7の上層に分離していると判断すると、第2開閉弁22を開放、第1開閉弁21を閉止するように制御する。一方、二層分離検知制御手段が、冷凍機油と冷媒とが相溶状態であると判断したり、二層分離しても油濃度の高い層が密閉容器底部に滞留していると判断したりすると、第2開閉弁22を閉止、第1開閉弁21を開放するように制御する。
このような構成とすることにより、アキュムレーター10Bでは、冷凍機油が液冷媒上層に層分離する低蒸発温度域においては、第1返油管9からの液冷媒流出がなく、多孔管40からの液冷媒流出のみとなる。また、アキュムレーター10Bでは、相溶状態や二層分離しても油濃度の高い層が密閉容器下層に滞留する条件において、多孔管40に設けた油回収穴4から液冷媒が流出しない。そのため、圧縮機摺動部の焼き付きなどない信頼性の高い冷凍サイクル装置を得られる効果がある。
1 密閉容器、2 入口管、3 出口管、3a 冷媒ガス入口、4 油回収穴、4a 油回収穴、4b 油回収穴、4c 油回収穴、4d 油回収穴、4e 油回収穴、4i 連通孔、5 第1返油孔、6 第2返油管、6a 第2返油孔、6c 第3返油孔、6d 上端部、7 液冷媒、8 冷凍機油、9 第1返油管、10 アキュムレーター、10A アキュムレーター、10B アキュムレーター、21 第1開閉弁、22 第2開閉弁、40 多孔管、52 四方弁、52a 第1口、52b 第2口、52c 第3口、52d 第4口、53 室外熱交換器、55 圧縮機、57 膨張弁、59 室内熱交換器、100 室外ユニット、200 室内ユニット、A 冷凍サイクル装置。

Claims (18)

  1. 密閉容器と、
    前記密閉容器内に開口する入口管と、
    前記密閉容器内に開口する出口管と、
    前記出口管に連結し、前記密閉容器内の底部近傍に開口する第1返油構造と、
    下端部を閉塞し、上下方向に沿って複数個の油回収穴が形成されている多孔管と、
    前記多孔管に形成された最下部の油回収穴の近傍又はこの油回収穴より下流側に設けられ、上記多孔管と上記出口管を連結する連通孔と、を有し、
    前記油回収穴のうち最下部に位置する油回収穴を前記第1返油孔よりも高い位置に形成し、
    前記出口管の開口端部から前記連通孔までの流路を前記多孔管の前記油回収穴から前記連通孔までの流路と独立させている
    ことを特徴とする受液器。
  2. 前記第1返油構造は、
    前記出口管に設けたオリフィスである
    ことを特徴とする請求項1に記載の受液器。
  3. 前記第1返油構造は、
    前記出口管に連結する返油管である
    ことを特徴とする請求項1に記載の受液器。
  4. 上端部を前記出口管と連結し、下端部を前記密閉容器底部近くに開口する第2返油管を設け、
    (第2返油管と出口管との連結部高さ)>(第1返油構造高さ)としている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の受液器。
  5. 前記出口管と前記第2返油管との連結部分に、前記第2返油管を流れる冷凍機油の流量を調整する第2返油孔を設けている
    ことを特徴とする請求項4に記載の受液器。
  6. 上端部を前記出口管と連結し、下端部を閉塞し、下端側近傍に前記第2返油管を流れる冷凍機油の流量を調整する第3返油孔を有する第2返油管を設けている
    ことを特徴とする請求項4に記載の受液器。
  7. 前記第2返油管の連結側端部を前記出口管内に突き出すように前記出口管と前記第2返油管とを連結している
    ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の受液器。
  8. 密閉容器と、
    前記密閉容器内に開口する入口管と、
    前記密閉容器内に開口する出口管と、
    下端部を閉塞し、上下方向に沿って複数個の油回収穴が形成されている多孔管と、
    前記多孔管に形成された最下部の油回収穴の近傍又はこの油回収穴より下流側に設けられ、上記多孔管と上記出口管を連結する連通孔と、
    上端部を前記出口管と連結し、下端部を前記密閉容器底部近くに開口する第2返油管と、を有し、
    前記油回収穴のうち最下部に位置する油回収穴を前記第2返油管の開口高さよりも高い位置に形成し、
    前記出口管の開口端部から前記連通孔までの流路を前記多孔管の前記油回収穴から前記連通孔までの流路と独立させている
    ことを特徴とする受液器。
  9. 密閉容器と、
    前記密閉容器内に開口する入口管と、
    前記密閉容器内に開口する出口管と、
    一端を前記密閉容器の外部における前記出口管と連結し、上下方向に沿って複数個の油回収穴が形成されている多孔管と、
    一端を前記密閉容器の外部における前記出口管と連結し、他端を前記密閉容器底部に開口する第1返油管と、を有している
    ことを特徴とする受液器。
  10. 前記第1返油管の開口高さより高い位置で上端部を前記出口管と連結し、下端部を前記密閉容器底部近くに開口する第2返油管を設けている
    ことを特徴とする請求項9に記載の受液器。
  11. 前記密閉容器の外部における前記第1返油管と前記出口管との接続部分のいずれかに第1開閉弁を設けている
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の受液器。
  12. 前記密閉容器の外部における前記多孔管と前記出口管との接続部分のいずれかに第2開閉弁を設けている
    ことを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の受液器。
  13. 前記密閉容器内に滞留する冷凍機油と冷媒の状態を冷媒の圧力及び温度の少なくとも一つで検知して、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁の開閉を制御する二層分離検知制御手段を設けた
    ことを特徴とする請求項12に記載の受液器。
  14. 前記二層分離検知制御手段は、
    液冷媒の上層に冷凍機油の層があると判断すると、前記第2開閉弁を開放、前記第1開閉弁を閉止し、冷凍機油と冷媒とが相溶状態であると判断したり、液冷媒の下層に冷凍機油の層があると判断したりすると、前記第2開閉弁を閉止、前記第1開閉弁を開放するように制御する
    ことを特徴とする請求項13に記載の受液器。
  15. 蒸発温度が所定値よりも低くなると油密度が冷媒密度より小さくなり、かつ、非相溶性もしくは弱相溶性となる冷凍機油を使用している
    ことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の受液器。
  16. 高圧側において超臨界状態となる冷媒を使用している
    ことを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の受液器。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の受液器、圧縮機、凝縮器、絞り装置、及び、蒸発器を少なくとも搭載している
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  18. 前記受液器がアキュムレーター又はレシーバーである
    ことを特徴とする請求項17に記載の冷凍サイクル装置。
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