JP2011162456A - 芳香族ケトン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】医薬中間体として有用な芳香族ケトン化合物を簡便に高収率で得る方法を提供する。
【解決手段】好ましくは、4−クロロ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸および4−メトキシ安息香酸等が挙げられるカルボン酸化合物と、2−メチルインドール、2−ブチル−5−ニトロベンゾフランおよび2−メチルベンゾチオフェンで表される芳香族化合物とを五塩化リンおよびルイス酸触媒の存在下に反応させて得られる式(3):
(式中、R1、R2は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換基がそれぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜4のアルキル基であるカルボン酸アミド基、スルホンアミド基またはトリフルオロメチル基を示す。R3は炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を、Xは窒素原子、酸素原子または硫黄原子を示す。)で表される芳香族ケトン化合物の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】好ましくは、4−クロロ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸および4−メトキシ安息香酸等が挙げられるカルボン酸化合物と、2−メチルインドール、2−ブチル−5−ニトロベンゾフランおよび2−メチルベンゾチオフェンで表される芳香族化合物とを五塩化リンおよびルイス酸触媒の存在下に反応させて得られる式(3):
(式中、R1、R2は、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換基がそれぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜4のアルキル基であるカルボン酸アミド基、スルホンアミド基またはトリフルオロメチル基を示す。R3は炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を、Xは窒素原子、酸素原子または硫黄原子を示す。)で表される芳香族ケトン化合物の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、抗不整脈薬等に用いられる医薬品の合成用中間体として有用な芳香族ケトン化合物の製造方法に関する。
芳香族ケトン化合物の製造方法として、例えば、下式のように、トリクロロメチルシランを用いて、芳香族ケトン化合物を得る方法(特許文献1)が知られている。
特許文献1に記載の製造方法では、触媒として使用するトリクロロメチルシランが高価で入手がしにくく、芳香族ケトン化合物を製造するには工業的に有利でなく経済的な方法ではなかった。従って、本発明の目的は、触媒として安価で入手しやすい五塩化リンを使用し工業的に有利に、簡易かつ経済的に芳香族ケトン化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明は、式(1):
以下、本発明を詳細に説明する。
前記式(1)で表されるカルボン酸化合物において、R1で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、ヨウ素原子、塩素原子および臭素原子が、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ基等が、置換基がそれぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜4のアルキル基であるカルボン酸アミド基としては、例えば、メチルアミド基、エチルアミド基、n−プロピルアミド基およびイソプロピルアミド基等が、置換基がそれぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜4のアルキル基であるスルホンアミド基としては、例えば、メチルスルホンアミド基、エチルスルホンアミド基、n−プロピルスルホンアミド基およびイソプロピルスルホンアミド基等が挙げられる。
前記式(1)で表されるカルボン酸化合物の具体例としては、例えば、4−クロロ安息香酸、2,5−ジブロモ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、4−フルオロ−3−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジブロモ−4−メチル安息香酸、2,3−ジメチル安息香酸、2,4,5−トリメチル安息香酸、4−エチル安息香酸、4−メトキシ安息香酸、2,3−ジメトキシ安息香酸、3−メトキシ−4−メチル安息香酸、4−ニトロ安息香酸、3−ブロモ−5−ニトロ安息香酸、3,4−ジニトロ安息香酸、3−メチル−4−ニトロ安息香酸、4−アミノ安息香酸、3−アセトアミド安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、2−アセトアミド−6−ニトロ安息香酸、5−アセトアミド−2−ニトロ安息香酸、2−(アミノスルホニル)安息香酸、5−(アミノスルホニル)−2,3−ジメトキシ安息香酸、2−(トリフルオロメチル)安息香酸、3−(トリフルオロメチル)安息香酸、4−(トリフルオロメチル)安息香酸、2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)安息香酸、3−(トリフルオロメチル)−5−ニトロ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。
これらの中でも、入手が容易等の観点から、4−クロロ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸および4−メトキシ安息香酸であることが好ましい。
前記式(2)で表される芳香族化合物において、R2で示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、ヨウ素原子、塩素原子および臭素原子が、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ基等が、置換基がそれぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜4のアルキル基であるカルボン酸アミド基としては、例えば、メチルアミド基、エチルアミド基、n−プロピルアミド基およびイソプロピルアミド基等が、置換基がそれぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜4のアルキル基であるスルホンアミド基としては、例えば、メチルスルホンアミド基、エチルスルホンアミド基、n−プロピルスルホンアミド基およびイソプロピルスルホンアミド基等が挙げられる。
また、R3で示される炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基およびtert−ブチル基等が、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基およびブトキシ基等が挙げられる。
前記式(2)で表される芳香族化合物の具体例としては、例えば、2−メチル−4−ブロモインドール、2−ブチル−4−クロロインドール、2−エチル−4−フルオロインドール、2−メチルインドール、1,2−ジメチルインドール、2,3−ジメチルインドール、2,5−ジメチルインドール、2−エチルインドール、2−ブチルベンゾフラン、2−メチル−4−メトキシインドール、2−メチル−5−メトキシインドール、2−メチル−4−ニトロインドール、2−メチル−4−アミノインドール、5−アミノ−2−メチルインドール、4−フルオロ−5−ヒドロキシ−2−メチルインドール、2−メチル−インドール−3−アセトアミド、2−メチルベンゾフラン、2−ブチル−5−ニトロベンゾフラン、2−プロピル−4−ニトロベンゾフラン、2−メチルベンゾチオフェンおよび2−エチルベンゾチオフェン等が挙げられる。
これらの中でも、入手が容易等の観点から、2−メチルインドール、2−ブチル−5−ニトロベンゾフランおよび2−メチルベンゾチオフェンであることが好ましい。
前記芳香族化合物の使用割合は、特に限定されないが、収率を向上させる観点および経済性の観点から、前記カルボン酸化合物1モルに対して、0.5〜10モルであることが好ましい。
本発明において用いられる五塩化リンの使用割合は、特に限定されないが、収率を向上させる観点及び経済性の観点から、前記カルボン酸化合物1モルに対して、0.5〜10モルであることが好ましい。
本発明において用いられるルイス酸触媒としては、例えば、塩化鉄、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化ジルコニウム、塩化スズ、塩化ビスマス、塩化ガリウム、塩化ヨウ素および塩化ホウ素等が挙げられる。
これらルイス酸触媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらルイス酸触媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ルイス酸触媒の使用割合は、特に限定されないが、収率を向上させる観点および経済性の観点から、前記カルボン酸化合物1モルに対して、0.5〜10モルであることが好ましい。
カルボン酸化合物と芳香族化合物を反応させる際に用いられる反応溶媒としては、例えば、ニトロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、モノクロルベンゼンおよび1,2−ジクロロエタン等が挙げられる。
前記反応溶媒の使用量は、特に限定されないが、前記カルボン酸化合物100重量部に対して、通常、100〜10000重量部である。
カルボン酸化合物と芳香族化合物を反応させる際の反応温度は、0〜100℃であることが好ましく、20〜60℃であることがより好ましい。反応温度が、0℃未満の場合、反応速度が遅くなりすぎるおそれがあり、100℃を超える場合、副反応が起こるおそれがある。反応時間は、特に限定されないが、通常、1〜40時間である。
前記式(3)で表される芳香族ケトン化合物の具体例としては、例えば、2−メチル−3−(4−クロロベンゾイル)インドール、2,5−ジメチル−3−(4−ニトロベンゾイル)インドール、2−エチル−3−(3−メチル−4−ニトロベンゾイル)インドール、5−メトキシ−2−メチル−3−(4−メトキシベンゾイル)インドール、4−フルオロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−3−(2,3−ジヒドロキシベンゾイル)インドール、2−メチル−4−ニトロ−3−(4−アセトアミドベンゾイル)インドール、5−アミノ−2−メチル−3−(2−アミノスルホニルベンゾイル)インドール、2,5−ジメチル−3−(3−トリフルオロメチルベンゾイル)インドール、2−メチル−3−(2,5−ジブロモベンゾイル)ベンゾフラン、2−ブチル−3−(4−フルオロ−3−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾフラン、2−ブチル−3−(4−ヒドロキシベンゾイル)−5−ニトロベンゾフラン、2−メチル−3−(4−メトキシベンゾイル)ベンゾチオフェンおよび2−エチル−3−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾチオフェン等が挙げられる。
かくして得られた芳香族ケトン化合物は、分液し、分液後の油層を晶析後、濾過する方法等の常法により単離することができる。
医薬品の合成用中間体として有用な芳香族ケトン化合物を工業的に簡便な方法により高収率で得ることができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。
実施例1
攪拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた100mL容の四つ口フラスコに、4−ヒドロキシ安息香酸691mg(0.005モル)、塩化鉄811mg(0.005モル)、五塩化リン1.46g(0.007モル)およびニトロベンゼン5.0gを仕込み、55℃に維持して、攪拌しながら2−n−ブチル−5−ニトロベンゾフラン1.10g(0.005モル)およびニトロベンゼン5.00gからなる混合溶液を2時間かけて滴下した後、さらに同温度で15時間攪拌した。この反応液にメタノール7gを添加し、水を加えて分液後、晶析を行い、2−n−ブチル−3−(4‐ヒドロキシベンゾイル)−5−ニトロベンゾフラン1.19gを得た。2−n−ブチル−5−ニトロベンゾフランに対する収率は70%であった。
攪拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた100mL容の四つ口フラスコに、4−ヒドロキシ安息香酸691mg(0.005モル)、塩化鉄811mg(0.005モル)、五塩化リン1.46g(0.007モル)およびニトロベンゼン5.0gを仕込み、55℃に維持して、攪拌しながら2−n−ブチル−5−ニトロベンゾフラン1.10g(0.005モル)およびニトロベンゼン5.00gからなる混合溶液を2時間かけて滴下した後、さらに同温度で15時間攪拌した。この反応液にメタノール7gを添加し、水を加えて分液後、晶析を行い、2−n−ブチル−3−(4‐ヒドロキシベンゾイル)−5−ニトロベンゾフラン1.19gを得た。2−n−ブチル−5−ニトロベンゾフランに対する収率は70%であった。
Claims (2)
- 式(1):
- 前記ルイス酸触媒が、塩化鉄、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化ジルコニウム、塩化スズ、塩化ビスマス、塩化ガリウム、塩化ヨウ素および塩化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の芳香族ケトン化合物の製造方法。
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JP2010024515A JP2011162456A (ja) | 2010-02-05 | 2010-02-05 | 芳香族ケトン化合物の製造方法 |
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