JP2011161860A - 透明熱可塑性樹脂シートの製造方法 - Google Patents

透明熱可塑性樹脂シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トルク変動やスクリュ鳴きが発生せずに、安定して低異物の透明熱可塑性樹脂シートを製造する方法を提供する。
【解決手段】溶融押出機を用いて透明熱可塑性樹脂を溶融押出し、押出された溶融物を押出成形してシートを製造する方法において、下記(i)〜(iii)の条件を満足するシートの製造方法。
(i)溶融押出機のスクリュが2個以上のエレメントで構成されており、かかるエレメントの接合部端面の表面粗さが、JISB0601に定義された中心線平均粗さ(Ra)1.6a以下、最大高さ(Rmax)6.3S以下であること
(ii)溶融押出機のスクリュが2個以上のエレメントで構成されており、スクリュのニーディングゾーンまでのかかるエレメントのうち、スクリュピッチ(フライト間距離とスクリュの直径比)が1.5以上のものがエレメント全体の4割以上であること
(iii)溶融押出機の樹脂溶融部より上流側のスクリュエレメントの材質がステンレスであり、35%塩酸浸漬試験の試験結果が、350g/m・h以下であること
【選択図】なし

Description

本発明は、着色及びゲル化物等の異物量が極めて少なく、かつ光学的劣化が少ない熱可塑性樹脂シートを安定して生産可能な透明熱可塑性樹脂シートの製造方法に関する。
近年、種々の熱可塑性樹脂が開発され、透明性に優れたポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、非晶性環状ポリオレフィン樹脂等の透明熱可塑性樹脂は光学分野の成形材料に好ましく使用されている。
これらの用途においては樹脂中の異物の大きさや異物量、色相の良し悪しが収率や製品の品質の良し悪しに大きく影響を及ぼす。特に光学拡散板の製造においては色相の変化や基板中の異物(塵埃や炭化物など)が信頼性に対して極めて大きな影響を与える。したがって、基板を構成する透明熱可塑性樹脂に対しては色相変化が少なく、異物の量が極めて少ないことが要求されている。
このため従来は、樹脂ペレット中の異物を精製過程や造粒過程等において異物の低減化を図っており、例えば特許文献1には、熱可塑性樹脂溶液と水とを遠心分離して、樹脂溶液相を分離し回収することにより異物量を低減した熱可塑性樹脂を得る方法が開示されている。また、特許文献2には、溶融状態のポリカーボネート樹脂をポリマーフィルターで濾過することにより異物量を低減する方法が開示されている。また、特許文献3には、溶融押出ししたポリカーボネート樹脂を冷却する際、電気伝導度が小さく、異物量が少ない冷却水を用いて、異物量の少ないポリカーボネート樹脂ペレットを製造する方法が提案されている。
一方、熱可塑性樹脂ペレットの製造に用いる溶融押出機は、一台で溶融粘度の異なる同種の樹脂や異種の熱可塑性樹脂に対応することができるように、単軸または二軸溶融押出機のスクリュを数分割から数十分割のエレメントに分割し、それぞれの樹脂の特性に合ったスクリュ形状に変更できるように、かかるエレメントを組み合わせて対応する方法がとられることが多い。しかしながら、エレメントを組み合わせたスクリュを用いると着色物質及びゲル物質等の異物が発生することが少なくない。この着色物質やゲル物質は異物サイズが大きく、上述したように、シートの光学特性に対して極めて大きな影響を与える。
これに対し、特許文献4では、スクリュエレメント接合部端面の表面粗さと最大高さを一定の範囲以下とすることによって異物量が極めて少ない透明熱可塑性樹脂ペレットを生産する方法を与えている。
しかし、この手法ではスクリュに耐腐食性の低い材質を用いると応力によるスクリュの間隙腐食が発生し異物のコンタミが発生、低異物化に支障をきたす事が長期連続生産により明らかとなった。
また、確かにかかるスクリュを用いたシートの生産は可能ではあるが、構成により樹脂押出し時のトルク変動やスクリュ振動によるスクリュ鳴きが発生し、安定生産の支障になるのみならず、スクリュの金属疲労や老朽化を招いていた。
さらに、添加物や樹脂内包物由来の腐食ガスにより、スクリュ素材として用いられる金属によっては、腐食が発生し、品質安定化に支障をきたす事が判った。
特公平07−021007号公報 特開平05−239334号公報 特開平09−254151号公報 特開2000−351115号公報
上記従来の方法においては、低異物透明熱可塑性樹脂シートを安定供給するには十分とは云えなかった。
本発明の目的は、トルク変動やスクリュ鳴きが発生せずに、安定して低異物の透明熱可塑性樹脂シートを製造する方法を提供することにある。
本発明者は、2個以上のエレメントで構成されたスクリュを敷設した溶融押出機で溶融押出しして、透明熱可塑性樹脂シートを得る際に、スクリュ構成によりトルク変動やスクリュ鳴きが発生する事に着目し、低異物かつトルク変動やスクリュ鳴きが発生しない構成および特定のスクリュの材質を用いることによって低異物透明熱可塑性樹脂シートが得られる事を見出すことに成功した。
すなわち、本発明によれば、
1.溶融押出機を用いて透明熱可塑性樹脂を溶融押出し、押出された溶融物を押出成形してシートを製造する方法において、下記(i)〜(iii)の条件を満足するシートの製造方法、
(i)溶融押出機のスクリュが2個以上のエレメントで構成されており、かかるエレメントの接合部端面の表面粗さが、JISB0601に定義された中心線平均粗さ(Ra)1.6a以下、最大高さ(Rmax)6.3S以下であること
(ii)溶融押出機のスクリュが2個以上のエレメントで構成されており、スクリュのニーディングゾーンまでのかかるエレメントのうち、スクリュピッチ(フライト間距離とスクリュの直径比)が1.5以上のものがエレメント全体の4割以上であること
(iii)溶融押出機の樹脂溶融部より上流側のスクリュエレメントの材質がステンレスであり、35%塩酸浸漬試験の試験結果が、350g/m・h以下であること
2.スクリュが、スクリュの直径に対し0.1kgf・m/mm以上の力でエレメントを締付けたものである前項1記載のシートの製造方法、
3.溶融押出機のダイスからシートが接触する冷却ロールの出口迄の空域が、JIS規格B 9920−1989に定義された清浄度クラス7以下である前項1または2記載のシートの製造方法、および
4.透明熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂である前項1〜3のいずれか1項に記載のシートの製造方法、
が提供される。
本発明の製造方法で得られる異物量が低減された透明熱可塑性樹脂シートは、例えば携帯電話用の保護パネルや各種ディスプレイの前面板、バイク用風防、自動車や建設機械の透明窓、ディスプレイ内部の光拡散板といった、透明性と低異物性が要求される様々な用途に好適に用いる事ができ、本発明の奏する工業的効果は格別である。
本発明の実施例におけるシート(光拡散板)の平均輝度の評価装置の断面簡略図である。 本発明の実施例におけるシート(光拡散板)の平均輝度の評価装置の平面簡略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において「異物」とは原料から透明熱可塑性樹脂を製造し、ペレットを得るまでのあらゆる工程において種々の経由から混入する汚染物質のことであり、例えば使用原料(モノマー、溶剤など)に含まれる不純物やダスト、製造設備に付着しているダストまたは成形過程で発生する炭化物、着色物質、ゲル化物など塩化メチレンに不溶な全ての成分を示す。
本発明に用いる溶融押出機のスクリュは、2個以上のエレメントで構成されており、或るエレメントとそれに隣接する他のエレメントとの接合部端面の表面粗さが、それぞれJISB0601に定義された中心線平均粗さ(Ra)1.6a以下であり、0.8a以下が好ましく、0.4a以下がより好ましく、且つ最大高さ(Rmax)6.3S以下であり、3.2S以下が好ましく、1.6S以下がより好ましい。中心線平均粗さ(Ra)が1.6aを超えるか、または、最大高さ(Rmax)が6.3Sを超えると、得られる透明熱可塑性樹脂シート中に着色物質やゲル化物等の異物が発生し、異物量も増大するので好ましくない。溶融押出機内には、樹脂の未溶融ゾーンと溶融ゾーンが存在するが、特に樹脂の溶融ゾーンに在るエレメント同士の接合部端面の表面粗さが上記範囲を満たすことが必須である。ここで、着色物質とは、押出機内の滞留によるヤケに起因する着色した物質であり、ゲル化物とは、高温状態で発生する溶媒に溶解しない茶色の物質を意味する。
また、溶融押出機に使用される上記エレメントを、スクリュの直径に対し好ましくは0.1kgf・m/mm以上、より好ましくは0.1〜3kgf・m/mm、さらに好ましくは0.15〜2.5kgf・m/mm、特に好ましくは0.2〜2kgf・m/mmの力で締め付けることが望ましい。エレメントの締め付け力が、0.1kgf・m/mm以上になると、樹脂の滞留等が起こり難くなり着色物質やゲル化物等の異物が発生し難くなり好ましい。
また、スクリュの混練部分までのエレメントのうち、スクリュピッチ(フライト間距離とスクリュの直径比)が1.5以上のものが、エレメント全体の4割以上であり、好ましくは6割以上であり、より好ましくは7割以上である。スクリュピッチが1.5以上のものが4割未満(スクリュピッチが1.5未満のものが6割超)の場合、原料搬送時にバックフローを発生し、スクリュ鳴きの原因となり、また、トルク変動の原因となるため、好ましくない。
本発明において使用されるスクリュの樹脂溶融部より上流側のスクリュエレメントの材質はステンレスであり、かつ35%塩酸浸漬試験結果は350g/m・h以下であり、好ましくは200g/m・h以下であり、より好ましくは100g/m・h以下である。該試験結果が350g/m・hを越える場合、スクリュに腐食が発生し、折損の原因になるのみならず、樹脂中にSUS錆をコンタミさせるため、好ましくない。
なお、35%塩酸浸漬試験は、試料の表面を耐水研磨紙で400番まで研磨し、アセトンで脱脂処理を行い、次いで処理したシートを35%塩酸溶液に室温で3時間浸漬し、精密天秤により試験前後の重量変化を測定し、腐食度(g/m・h)を求めることができる。
本発明においては、溶融押出機のダイスから冷却ロールの入り口迄の空域、好ましくは冷却ロールの出口迄の空域がJIS規格B 9920−1989に定義された清浄度クラスで7以下であることが望ましい。さらに設備の容易さと経済的な面から清浄度クラスで2〜7がより好ましく、2〜6が特に好ましい。清浄度クラスが7以下の場合は、得られる透明熱可塑性樹シート中の異物量が少なくなり好ましい。
上記溶融押出機のダイスから冷却ロールの入り口迄の空域を清浄度クラス7以下とする方法としては、少なくとも溶融押出機のダイスから冷却ロールの出口迄が、ガラス製、木製、プラスチック製、金属製、モルタル、プラスチック等の材質で仕切られ、ダーティーな環境から隔離された、清浄度クラス7以下の空間または部屋に設置する方法が好ましく採用される。かかる空間または部屋の大きさは、溶融押出機の操作等が十分できる大きさが好ましく、例えば、ダイスから縦横0.5〜10m程度の広さで、高さが床面から0.5〜8m程度の範囲が好ましく使用される。
本発明において、溶融押出機で溶融押出された溶融物の形状はシートである。
また、本発明においては、透明熱可塑性樹脂を溶融押出機を用いて溶融押出しするが、かかる溶融押出機としては単軸押出機または二軸押出機のいずれも使用できるが、好ましくは二軸押出機を用いる。かかる押出機はベント付で、スクリュとダイスの間に濾過精度0.2〜5μmのフィルターを付設した押出機が好ましく用いられる。スクリュとダイスの間に付設するフィルターはディスク状、キャンドル状、またはリーフディスク状の金属フィルターが好ましく用いられる。
<透明熱可塑性樹脂>
本発明の対象とする透明熱可塑性樹脂は、赤外光または可視光を透過しうる樹脂であり、具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、非晶性環状ポリオレフィン樹脂等が挙げられ、その中でもポリカーボネート樹脂が最も好ましい。これらの樹脂はペレットを製造する工程が共通する。以下、ポリカーボネート樹脂を例に挙げて説明する。
ポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面縮重合法または溶融法で反応させて得られるものである。ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4′−ジヒドロキシジフェニルエステル等があげられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
なかでもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ましく使用される。
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
界面重縮合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
また、かかる重合反応において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノール又は低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式(1)で表される単官能フェノール類を示すことができる。
Figure 2011161860
[式中、Aは水素原子、炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキル基あるいはアリールアルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。]
上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられる。
これらの末端停止剤は、得られたポリカーボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ましくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ましく、また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
溶融法による反応は、通常二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には系を10〜0.1Torr程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
カーボネートエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m―クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせ使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10−9〜1×10−3当量、より好ましくは1×10−8〜5×10−4当量の範囲で選ばれる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(M)で1.0×10〜10.0×10が好ましく、1.1×10〜4.5×10がより好ましく、1.2×10〜3.0×10が特に好ましい。かかる粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり成形歪みが発生せず好ましい。かかる粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
本発明の製造方法で得られる透明熱可塑性樹脂シートには、熱安定剤(リン酸エステル、亜リン酸エステル等)、離型剤(脂肪酸エステル等)、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤等の改質改良剤を適宜添加して用いることができる。
本発明の製造方法で得られる透明熱可塑性樹脂シートは、異物量が低減されており、その異物量としては、透明熱可塑性樹脂シート中の0.5μm以上の異物量が好ましくは50000個/g以下、より好ましくは30000個/g以下、さらに好ましくは10000個/g以下である。また、着色物質は、500時間程度連続して溶融押出を行った際に、実質的に発生しないことが好ましい。
前記熱可塑性樹脂製シートには、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で他の成分、例えば光拡散剤、蛍光増白剤、熱安定剤、離型剤、紫外線吸収剤、ブルーイング剤、難燃剤、難燃助剤等の添加剤を必要に応じてその発現量配合してもよい。
<光拡散剤>
熱可塑性樹脂シートに光拡散剤を含有させる方法において使用される光拡散剤は微粒子状であり、例えばガラス微粒子に代表される無機微粒子、ポリスチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂等からの有機微粒子が挙げられ、なかでも有機微粒子が好ましい。
かかる有機微粒子としては、架橋した有機微粒子が好ましく、その製造過程において少なくとも部分的に架橋されており、熱可塑性樹脂の加工過程において実用的に変形せず、微粒子状態を維持しているものである。即ち、熱可塑性樹脂の成形温度(例えばポリカーボネート樹脂の成形温度は約350℃)まで加熱しても熱可塑性樹脂中に溶融しない微粒子がより好ましく、具体的には架橋した(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂の有機微粒子である。特に好適な具体例として、部分架橋したメタクリル酸メチルをベースとしたポリマー微粒子、ポリ(ブチルアクリレート)のコア/ポリ(メチルメタクリレート)のシェルを有するポリマー、ゴム状ビニルポリマーのコアとシェルを含んだコア/シェルモノホルジーを有するポリマー[例えばローム・アンド・ハーズ・カンパニー製商品名パラロイドEXL−5136]、架橋シロキサン結合を有するシリコーン樹脂[例えば東芝シリコーン(株)製トスパール120]が挙げられる。
上記微粒子状の光拡散剤の平均粒径は好ましくは0.1〜50μmであり、より好ましくは0.5〜30μmであり、さらに好ましくは1〜20μmのものである。かかる光拡散剤の粒径は、コールカウンター法で測定した重量平均粒径であり、その測定器は株式会社日科機の粒子数・粒度分布アナライザーMODEL Zmである。重量平均粒子径が0.1μm未満であると十分な光拡散性が得られず面発光性が劣り、50μmを越えると十分な光拡散性が得られず面発光性が劣り、十分な光拡散効果を得るためには配合量が多くなり、光透過性が損なわれ、また輝度ムラが大きくなる欠点がある。
熱可塑性樹脂と光拡散剤との配合割合は、熱可塑性樹脂と光拡散剤との合計を100重量%としたとき、熱可塑性樹脂99.95〜80重量%および光拡散剤0.05〜20重量%の割合が好ましく、熱可塑性樹脂99.9〜90重量%および光拡散剤0.1〜10重量%の割合がより好ましく、熱可塑性樹脂99.8〜93重量%および光拡散剤0.2〜7重量%の割合が特に好ましい。光拡散剤の配合量が0.05重量%より少ないと光拡散性が不足し光源が透けて見えることがある。一方、光拡散剤の配合量が20重量%を越えると光線透過率が低下し、必要な輝度が得られなくなることがある。
<蛍光増白剤>
蛍光増白剤は、樹脂の色調を白色あるいは青白色に改善し、且つシートを光拡散板として使用する際の輝度を向上させる効果がある。ここで蛍光増白剤は、光線の紫外部のエネルギーを吸収し、このエネルギーを可視部に放射する作用を有するものである。
蛍光増白剤としては、例えばスチルベンゼン系、ベンズイミダゾール系、ベンズオキサゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系化合物等が挙げられる。なかでも、ベンズオキサゾール系化合物およびクマリン系化合物が好ましい。これらの蛍光増白剤は1種もしくは2種以上を併用することができる。具体的には、日本化薬(株)製カヤライトOS(CI Fluorescent Brightener 219:1、ベンズオキサゾール系化合物)、ハッコールケミカル(株)製ハッコールPSR(クマリン系化合物)、イーストマンケミカル社製EASTOBRITE OB−1などを挙げることができる。
蛍光増白剤の配合割合は使用される熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.0001〜3重量部であり、より好ましくは0.0002〜0.5重量部であり、さらに好ましくは0.0003〜0.1重量部であり、特に好ましくは0.0005〜0.05重量部である。上記範囲で蛍光増白剤を配合することにより面発光性が十分で発光面の色調の改良効果が得られ、色調(色相)のムラがなく好ましい。
<熱安定剤>
熱安定剤は、熱可塑性樹脂の成形時における分子量の低下や色相の悪化を防止するために使用することができる。かかる熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられる。
具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクダデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオキソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイト、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。
なかでもトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリメチルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイトが好ましい。
これらの熱安定剤は、1種もしくは2種以上を混合して用いてもよい。かかる熱安定剤の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましい。
<離型剤>
離型剤は、押出成形時に金属ロールからのシートの離型性を改良する目的等で使用される。離型剤としては、脂肪酸エステル化合物を使用することができ、かかる脂肪酸エステルとしては、炭素数1〜20の一価または多価アルコールと炭素数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましい。かかる一価または多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネート、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられ、なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートが好ましく用いられる。かかる脂肪酸エステルの使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましい。
<紫外線吸収剤>
熱可塑性樹脂より形成されたシートは、光源から長時間紫外線領域〜可視光領域の種々の波長分布、強度の光を断続的あるいは連続で照射を受けることにより変色し易い。この変色を防止するために、紫外線吸収剤が好ましく使用される。
シートに含有される紫外線吸収剤としては、該紫外線吸収剤として具体的には、ベンゾフェノン系では、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドライドレイトベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン等があげられる。トリアジン系紫外線吸収剤では、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールがあげられる。
ベンゾトリアゾール系では、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾールがあげられる。
環状イミノエステル系では、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−ナフタレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)があげられる。
好ましくは、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)フェニルベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)であり、より好ましくは、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)等があげられる。
紫外線吸収剤の割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは0.01〜2重量部であり、より好ましくは0.02〜1重量部であり、さらに好ましくは0.05〜0.8重量部であり、特に好ましくは0.1〜0.5重量部である。紫外線吸収剤の含有量が2重量部を超えると、本発明のシートが好適に使用される光拡散板において変質を起こすことがある。
また、シートが紫外線吸収剤を含有する保護膜を有することができる。かかる場合におけるシート中の紫外線吸収剤の割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して好ましくは0〜0.5重量部であり、より好ましくは0〜0.3重量部である。
本発明の製造方法で得られる異物量が低減された透明熱可塑性シートは、例えば携帯電話用の保護パネルや各種ディスプレイの前面板、バイク用風防、自動車や建設機械の透明窓、ディスプレイ内部の光拡散板といった、透明性と低異物性が要求される様々な用途に好適に用いる事ができる。
以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。なお、評価方法は以下の通りである。
(1)生産時のスクリュトルク
溶融押出し開始後30分以上経過してから、安定した状態においてのスクリュトルクの変動量を評価した。トルク変動が少ない場合(6%未満)を◎、許容内ではあるが多い場合(6%以上10%未満)を○、許容できない場合(10%以上)を×として評価した。
(2)生産時のスクリュ鳴き
溶融押出し開始後30分以上経過してから、安定した状態においてのスクリュの鳴きが聞こえるかどうかを評価した。音が無い時を○、発生する時を×として評価した。
(3)液晶ディスプレイ装着時の画像評価
10.4型直下型バックライトユニットに縦231mm、横321mm、厚さ2mmのシート(光拡散板)を組み込み、液晶ディスプレイを目視で見た時、ディスプレイ全面の色調が良化して見える時は◎、ディスプレイ全面の色調の変化が無い場合を○、ディスプレイの画像が暗くなりかつ色調が変化する箇所がある場合を×とした。
(4)シート(光拡散板)の平均輝度
10.4型直下型バックライトユニットに縦173mm、横224mm、厚さ2mmのシート(光拡散板)を組み込み、5000時間連続点灯させた後、光拡散板の9点の輝度(cd/m)をトプコン(株)製の輝度計BM−7で測定し、その平均値を求めた。評価装置を図1及び図2に示した。
(5)ポリカーボネートシート中の異物量
溶融押出し開始後30時間目にサンプリングしたポリカーボネートシート100gを塩化メチレン1000mlに溶解した溶液を用いて、ハイアックロイコ社製の異物測定器で0.5μm以上の異物量を測定し、シリコーン樹脂を添加している場合は、その量を引いた後、異物が10000個以下であれば◎、10000個を超え50000個以下であれば○、50000個を超えれば×とした。
(6)35%塩酸浸漬試験
35%塩酸浸漬試験は、以下のような手順で行った。すなわち、試料の表面を耐水研磨紙で400番まで研磨し、アセトンで脱脂処理を行った。このシートを35%塩酸溶液に室温で3時間浸漬し、精密天秤により試験前後の重量変化を測定し、腐食度(g/m・h)を求めた。
[実施例1]
(A)ビスフェノールAとホスゲンから得た粘度平均分子量24,300のポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製]99.7重量%、架橋シリコーン樹脂[東芝シリコーン(株)製トスパール120重量平均粒径2μm]0.3重量%からなるポリカーボネート樹脂組成物100重量部に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[ケミプロ化成(株)製ケミソーブ79]0.2重量部を添加混合した。
(B)次に26個のエレメントの構成をスクリュのニーディングゾーンまでのエレメントのうち、スクリュピッチ(フライト間距離とスクリュの直径比)が1.5のものが全体の8割、1.25のものが全体の2割からなり、それぞれの隣接するエレメント同士の接合部端面の表面粗さがJISB0601に定義された中心線平均粗さ(Ra)0.2a、最大高さ(Rmax)0.8Sであり、且つエレメントの素材がSUS630(35%塩酸浸漬試験結果が90g/m・h)であり、スクリュの直径に対し0.30kgf・m/mmで締付けたスクリュを用いて、押出機温度250〜300℃、ダイス温度260〜300℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持し、二軸溶融押出機のダイスから冷却ロールの出口迄の空域がJIS規格B 9920−1989に定義された清浄度クラス5の条件下で、厚さ2mm、幅1,000mmのポリカーボネート樹脂製シートを押出して、トルク変動及び音鳴り、シートの画像を評価した。その結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1の(A)において、ポリカーボネート樹脂98.6重量%および架橋シリコーン樹脂1.4重量%に変更した以外は実施例1と同様の方法で押出した。その結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の(B)シートを製造する方法において、スクリュピッチ(フライト間距離とスクリュの直径比)が1.25のものを全体の7割、1.5のものを全体の3割とした以外は、実施例1と同様の方法で押出した。その結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1の(B)シートを製造する方法において、スクリュピッチ(フライト間距離とスクリュの直径比)が1.25のものを全体の8割、1.5のものを全体の2割とした以外は、実施例1と同様の方法で押出した。その結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1の(B)シートを製造する方法において、スクリュピッチ(フライト間距離とスクリュの直径比)が1.0のものを全体の8割、1.5のものを全体の2割とした以外は、実施例1と同様の方法で押出した。その結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1の(B)シートを製造する方法において、それぞれの隣接するエレメント同士の接合部端面の表面粗さがJISB0601に定義された中心線平均粗さ(Ra)0.4a、最大高さ(Rmax)1.6Sのスクリュで、エレメントをスクリュの直径に対し0.30kgf・m/mmで締付けたスクリュを用いた以外は実施例1と同様の方法で押出し、該シ−トの画像・平均輝度・異物量評価を行った。測定結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1の(B)シートを製造する方法において、それぞれの隣接するエレメント同士の接合部端面の表面粗さがJISB0601に定義された中心線平均粗さ(Ra)1.6a、最大高さ(Rmax)6.3Sのスクリュで、エレメントをスクリュの直径に対し0.30kgf・m/mmで締付けたスクリュとする以外は実施例1と同様の方法で押出した。その評価結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1の(B)シートを製造する方法において、それぞれの隣接するエレメント同士の接合部端面の表面粗さがJISB0601に定義された中心線平均粗さ(Ra)1.6a、最大高さ(Rmax)6.3Sのスクリュで、エレメントをスクリュの直径に対し0.30kgf・m/mmで締付けたスクリュを用い、二軸溶融押出機のダイスから冷却ロール出口迄の空域がJIS規格B 9920−1989に定義された清浄度クラス8の条件下、とする以外は実施例1と同様の方法で押出した。その評価結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1の(B)シートを製造する方法において、それぞれの隣接するエレメント同士の接合部端面の表面粗さがJISB0601に定義された中心線平均粗さ(Ra)1.6a、最大高さ(Rmax)6.3Sのスクリュで、エレメントをスクリュの直径に対し0.60kgf・m/mmで締付けたスクリュを用い、二軸溶融押出機のダイスから冷却ロール出口迄の空域がJIS規格B 9920−1989に定義された清浄度クラス8の条件下、とする以外は実施例1と同様の方法で押出した。その結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1の(B)シートを製造する方法において、それぞれの隣接するエレメント同士の接合部端面の表面粗さがJISB0601に定義された中心線平均粗さ(Ra)6.3a、最大高さ(Rmax)12.5Sのスクリュで、エレメントをスクリュの直径に対し0.60kgf・m/mmで締付けたスクリュとする以外は実施例1と同様の方法で押出した。その結果を表1に示す。
[実施例7]
商品名パンライトL−1250WQ(帝人化成株式会社製)粘度平均分子量24,300のポリカーボネート樹脂100重量部に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[ケミプロ化成(株)製ケミソーブ79]0.2重量部を添加混合した粉粒体を、26個のエレメントで構成されたスクリュのニーディングゾーンまでのうち、エレメントのスクリュピッチ(フライト間距離とスクリュの直径比)が1.5のものが全体の8割、1.25のものを全体の2割からなり、それぞれの隣接するエレメント同士の接合部端面の表面粗さがJISB0601に定義された中心線平均粗さ(Ra)0.2a、最大高さ(Rmax)0.8Sであり、且つエレメントをスクリュの直径に対し0.30kgf・m/mmで締付けたスクリュを用いて、押出機温度250〜300℃、ダイス温度260〜300℃でベント部の真空度を26.6kPaに保持し、二軸溶融押出機のダイスから冷却ロールの出口迄の空域がJIS規格B 9920−1989に定義された清浄度クラス5の条件下で、厚さ2mm、幅1,000mmのポリカーボネート樹脂製シートを押出して、トルク変動及び音鳴りを評価した。その結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例1の(B)シートを製造する方法において、スクリュエレメントの素材がSUS420J2(35%塩酸浸漬試験結果が320g/m・h)とする以外は実施例1と同様の方法で押出した。その評価結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例1の(B)シートを製造する方法において、スクリュエレメントの素材がSKD11(35%塩酸浸漬試験結果が400g/m・h以上)とする以外は実施例1と同様の方法で押出した。その評価結果を表1に示す。
Figure 2011161860
本発明の製造方法で得られる透明熱可塑性シートは、例えば携帯電話用の保護パネルや各種ディスプレイの前面板、バイク用風防、自動車や建設機械の透明窓、ディスプレイ内部の光拡散板といった、透明性と低異物性が要求される様々な用途として有用である。
1.シート(拡散板)
2.白色反射樹脂板
3〜10.光源(冷陰極管)
11〜19.測定点

Claims (4)

  1. 溶融押出機を用いて透明熱可塑性樹脂を溶融押出し、押出された溶融物を押出成形してシートを製造する方法において、下記(i)〜(iii)の条件を満足するシートの製造方法。
    (i)溶融押出機のスクリュが2個以上のエレメントで構成されており、かかるエレメントの接合部端面の表面粗さが、JISB0601に定義された中心線平均粗さ(Ra)1.6a以下、最大高さ(Rmax)6.3S以下であること
    (ii)溶融押出機のスクリュが2個以上のエレメントで構成されており、スクリュのニーディングゾーンまでのかかるエレメントのうち、スクリュピッチ(フライト間距離とスクリュの直径比)が1.5以上のものがエレメント全体の4割以上であること
    (iii)溶融押出機の樹脂溶融部より上流側のスクリュエレメントの材質がステンレスであり、35%塩酸浸漬試験の試験結果が、350g/m・h以下であること
  2. スクリュが、スクリュの直径に対し0.1kgf・m/mm以上の力でエレメントを締付けたものである請求項1記載のシートの製造方法。
  3. 溶融押出機のダイスからシートが接触する冷却ロールの出口迄の空域が、JIS規格B 9920−1989に定義された清浄度クラス7以下である請求項1または2記載のシートの製造方法。
  4. 透明熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載のシートの製造方法。
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