JP2011158594A - 電子打楽器用の打撃検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】打撃有無の特定の感度を向上させると共に打撃位置を迅速に特定できるようにする。
【解決手段】ベース体21の裏面に、センサ部SN1、SN2が、中心位置P1を挟んで中心位置P1から等距離に、極力近接して配置され、平面視において、半径が打撃面22aの半径の半分であって打撃面22aと同心の円27の領域内に十分に収まるよう配設されている。実際の打撃において、CPU10は、出力ピークVaddが所定値を超えた場合に打撃が有ったと判断すると共に、出力ピークVaddの大きさからその打撃強さを特定する。さらに、その打撃により出力された出力ピークVaddと出力ピークV1とから比Vadd/V1を演算し、比Vadd/V1の値に対応する領域を、今回の打撃位置であると特定する。
【選択図】図6
【解決手段】ベース体21の裏面に、センサ部SN1、SN2が、中心位置P1を挟んで中心位置P1から等距離に、極力近接して配置され、平面視において、半径が打撃面22aの半径の半分であって打撃面22aと同心の円27の領域内に十分に収まるよう配設されている。実際の打撃において、CPU10は、出力ピークVaddが所定値を超えた場合に打撃が有ったと判断すると共に、出力ピークVaddの大きさからその打撃強さを特定する。さらに、その打撃により出力された出力ピークVaddと出力ピークV1とから比Vadd/V1を演算し、比Vadd/V1の値に対応する領域を、今回の打撃位置であると特定する。
【選択図】図6
Description
本発明は、打撃部に配設したセンサで打撃検出を行う電子打楽器用の打撃検出装置に関する。
従来、打撃面を有する打撃部の裏側等にピエゾセンサ等の振動検出センサを配設し、打撃部に対する打撃による振動を検出して打撃検出を行うようにした電子打楽器が知られている。また、打撃部であるパッドの中心から離間したパッドの端部に、打撃検出装置として振動検出センサである電子変換器を2個配設し、両電子変換器の出力信号から打撃位置を検出するものも知られている(下記特許文献1)。
この電子打楽器では、打撃位置に近い側の電子変換器の出力信号の振幅がより大きくなることを利用して、両電子変換器の出力信号のピーク振幅値の差に基づいて打撃位置を検出するようにしている。
しかしながら、上記特許文献1の電子打楽器では、打撃が検出されるためには両電子変換器から検出信号が出力される必要があり、打撃位置から遠い側の電子変換器が反応するまで、打撃検出ができない。ここで、いずれの電子変換器もパッドの端部に位置し、離間しているため、例えば、一方の電子変換器の近くが打撃された場合、他方の電子変換器までの距離が長くなる。そのため、打撃検出に長い時間を要し、打撃検出に遅れを生じるという問題があった。また、両電子変換器から等距離であるパッド中心が打撃されたとしても、パッド中心から両電子変換器まではパッドの半径分の距離があるため、最も速く打撃検出を行える状況においても、その打撃検出は速いとはいえない。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、打撃有無の特定の感度を向上させると共に打撃位置を迅速に特定することができる電子打楽器用の打撃検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の電子打楽器用の打撃検出装置は、打撃面(22a)を有する円形の打撃部(22)と、前記打撃部における、半径が該打撃部の半分であって該打撃部と同心の円(27)の領域内に配設され、該打撃部に対する打撃による振動に応じた出力信号を発生させる複数の振動検出センサ(SN)と、前記複数の振動検出センサの出力信号の加算値に基づいて前記打撃部に対する打撃の有無を特定すると共に、前記複数の振動検出センサの出力信号の加算値と前記複数の振動検出センサのうち1つの振動検出センサの出力信号とに基づいて前記打撃部に対する打撃の位置を特定する打撃特定手段(10)とを有することを特徴とする。
好ましくは、前記打撃特定手段は、前記複数の振動検出センサの出力信号を加算した信号のピーク値(Vadd)と前記1つの振動検出センサの出力信号のピーク値(V1)との比に基づいて前記打撃部に対する打撃の位置を特定する(請求項2)。好ましくは、前記複数の振動検出センサは、互いに近接して配設される(請求項3)。好ましくは、前記複数の振動検出センサは、前記打撃部の中心(P1)から等距離において等間隔に配設される(請求項4)。
好ましくは、前記複数の振動検出センサには、前記打撃部の中心を挟んで等距離に配設されて一対を成す振動検出センサが含まれ、前記打撃特定手段は、前記一対の振動検出センサの出力信号の加算値と該一対の振動検出センサのうち一方の振動検出センサの出力信号とに基づいて、該一対の振動検出センサを結び前記打撃部の中心を通る直線の方向における打撃の位置を特定する(請求項5)。好ましくは、前記打撃特定手段は、前記複数の振動検出センサの出力信号の加算値に基づいて打撃の強さを特定する(請求項6)。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1によれば、打撃有無の特定の感度を向上させると共に打撃位置を迅速に特定することができる。
請求項2によれば、演算処理が簡単である。
請求項3によれば、打撃有無検出の遅れを小さくすることができる。
請求項4によれば、打撃部の中心を基準とした均一な位置検出が可能となる。
請求項5によれば、一対の振動検出センサを結ぶ直線の方向における打撃位置の特定が正確となる。
請求項6によれば、打撃の強さの感度よく特定することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(a)は、本発明の一実施の形態に係る電子打楽器用の打撃検出装置が適用される1つのドラムパッドを模式的に示した平面図である。図1(b)は、本ドラムパッドの側面図である。
このドラムパッドは、電子ドラム用に構成される。ドラムパッドとして利用される対象としては、例えば、スネアドラム、タムタム、シンバル等が挙げられるが、これらに限られない。本電子打楽器の全体は図示しないが、同じ構成のドラムパッドが複数備えられる。各ドラムパッドが担当する音色を異ならせることで、同一構成のものでもドラムセットにおける種々のドラム音の発生を実現することができる。
図1(a)に示すように、ドラムパッドは、アルミニウム等の金属で成り円盤状のベース体21と、ベース体21の上側に配設される円盤状のパッド部22とを含んでいる。パッド部22の表面が、不図示のスティックで打撃される円形の打撃面22aとなる。ベース体21の裏側には複数のセンサ部SNが配設される。本実施の形態では、2つのセンサ部SN1、SN2がベース体21の裏面に配設されている。
打撃面22aにおいて、打撃面22aに平行な2次元の方向を特定するために、以降、便宜上、図1(a)の縦方向をY方向、横方向をX方向と呼称する。センサ部SN1、SN2は、打撃面22aの中心位置P1を通るY方向の直線上に直列的に配置され、中心位置P1を挟んで中心位置P1から等距離に配置されている。センサ部SN1とセンサ部SN2とは、後述するように、打撃位置をより迅速に特定するために、互いに極力近接して配置されており、平面視において、半径が打撃面22aの半径の半分であって打撃面22aと同心の円27の領域内に十分に収まるよう配設されている。
各センサ部SNは、圧電素子でなるいわゆるピエゾセンサである。各センサ部SNは、打撃部であるパッド部22の振動をベース体21を介して検出し、その振動に応じた信号を出力する。図1(c)は、本打撃検出装置の電気接続を示す回路図である。センサ部SN1とセンサ部SN2とは電気的に直列接続されている。そして、センサ部SN1とセンサ部SN2との間の接続ラインに接続された出力ライン23から、センサ部SN1の電圧出力信号が取り出される。また、センサ部SN2の、センサ部SN1の反対側の出力ライン24から、センサ部SN1の出力とセンサ部SN2の出力とを加算したものに相当する電圧出力信号(加算値)が取り出される。
図2は、本電子打楽器における打撃検出装置を含む制御機構のブロック図である。図2に示すように、この電子打楽器は、記憶装置2、ROM3、RAM4、操作入力部5、A/D変換器6、表示部7、楽音発生部8、タイマ17、及び各種インターフェイス9が、バス11を介してCPU10にそれぞれ接続されて構成される。タイマ17はCPU10にも接続される。また、A/D変換器6には、上記した複数のセンサ部SN(SN1、SN2)からの信号が入力される。
CPU10は、本装置全体の制御を司る。ROM3は、CPU10が実行する制御プログラムや各種テーブルデータ等を記憶する。RAM4は、演奏データ、テキストデータ等の各種入力情報、各種フラグやバッファデータ及び演算結果等を一時的に記憶する。タイマ17は、タイマ割り込み処理における割り込み時間や各種時間を計時する。記憶装置2は、フラッシュメモリ等で構成され、自動演奏データ等を記憶するほか、上記制御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムを記憶することもできる。
操作入力部5は、各種操作子を含む。表示部7は、LCD等で構成され、各種情報を表示する。楽音発生部8は、不図示のサウンドシステム及びスピーカを含み、A/D変換器6から入力されるセンサ部10からの検出信号に基づいてマニュアル演奏による楽音も発生させるほか、記憶装置2に記憶された自動演奏データに基づいて自動再生を行うことができる。各種インターフェイス9には、MIDII/F(インターフェイス)のほか、有線または無線用のネットワークI/F等が含まれる。
主に、CPU10、タイマ17、A/D変換器6、センサ部SN、記憶装置2、ROM3及びRAM4が、本願発明における「打撃検出装置」として機能する。
図3は、中心位置P1が打撃された場合において実測された出力ライン23の出力波形と出力ライン24の出力波形とを重ねて示した図である。センサ部SN1の単独出力波形W1が出力ライン23からの電圧出力信号(単位V)の波形である。直列接続されたセンサ部SN1、SN2の電圧出力を加算した出力波形(以下、「加算出力波形Wadd」と称する)が、出力ライン24からの電圧出力信号の波形である。
仮に、センサ部SN1とセンサ部SN2の各々について、単独で電圧出力を取り出せるようにライン接続した場合において、時間軸を同じくして両者の電圧出力信号を加算した波形は、加算出力波形Waddと同じものとなる。
センサ部SN1、SN2は近接しているので、中心位置P1が打撃された場合は、加算出力波形Waddと単独出力波形W1の位相がほぼ一致する。そして、加算出力波形Waddは、単独出力波形W1の振幅を2倍したものとほぼ同じとなり、仮にセンサ部SN2の単独の出力が得られるようにしていたとすれば、センサ部SN1、SN2を加算したものとほぼ同じとなる。
単独出力波形W1、加算出力波形Waddのいずれも最初の波が最大の振幅を有し、これら最大振幅値が「出力ピーク値」となる。両者は位相がほぼ一致しているので、加算出力波形Waddの出力ピークVaddは、単独出力波形W1の出力ピークV1のほぼ2倍となる。
本実施の形態では、CPU10は、出力ピークVaddから打撃トリガ、すなわち打撃面22aに対する打撃有無を検出すると共にその打撃の強さを検出する。打撃位置については、加算出力波形Waddの出力ピークVaddと単独出力波形W1の出力ピークV1とから検出する。具体的には、比Vadd/V1の値から打撃位置を特定する。比Vadd/V1は理論上、1〜2の範囲の値をとる。詳細は後述するが、概略的には、比Vadd/V1が「2」に近いほど打撃位置が中心位置P1に近く、「1」に近いほど打撃位置が中心位置P1から遠いと把握される。
図4は、センサ部SN1、SN2が単独で電圧信号を取り出せるよう接続した場合における、打撃位置と、打撃位置の違いによる各センサ部SNの出力波形及び加算出力波形Waddを示す図である。図4(b)、(d)、(f)、(h)では、打撃面22a上の打撃位置PHがそれぞれ異なっている。打撃位置PHは、図4(b)では打撃面22aの中心位置P1であるが、図4(d)、(f)、(h)の順に、Y方向に沿って中心位置P1から離れた位置となっている。
図4(a)、(c)、(e)、(g)は、それぞれ図4(b)、(d)、(f)、(h)に示す打撃位置PHで打撃された場合の出力信号波形を示す。縦軸の縮尺が共通でない点に留意されたい。これらの例では、センサ部SN1、SN2のそれぞれ単独での電圧出力(V)を実測した波形(ピエゾ1、2)と両者を加算した加算出力波形Wadd(直列)とが重ねて示されている。上記したように、加算出力波形Wadd(直列)については、出力ライン24から取り出された信号波形と実質的に同等である。
センサ部SN1、SN2は近接しているので、中心位置P1が打撃された場合(図4(b))は、センサ部SN1、SN2の出力波形は位相が互いにほぼ一致する。そして、加算出力波形Waddは、各出力波形を加算したものと同等となる(図4(a))。センサ部SN1、SN2の各最大振幅値が「出力ピーク値」となる。両波形は位相がほぼ一致しているので、加算出力波形Waddの出力ピークVaddは、センサ部SN1、SN2の単独の出力ピークを加算したものであって、1つのセンサ部SNの出力ピークのほぼ2倍となる。この場合、比Vadd/V1はほぼ「2」となる。
しかし、中心位置P1から少し離れた位置であって、センサ部SN1の配置位置とほぼ同じ位置が打撃されると(図4(d))、センサ部SN1の反応に対してセンサ部SN2の反応が少し遅れる。その結果、両出力波形の位相がずれて、加算出力波形Waddにおいて、最初の波の振幅は最大であるものの、センサ部SN1、SN2の各出力ピークの2倍には至らず、それよりも低くなる(図4(c))。
打撃位置PHが中心位置P1からより離れると(図4(f)、(h))、センサ部SN1、SN2の出力波形の位相ずれが大きくなり、加算出力波形Waddの出力ピークVaddもそれに応じて小さくなっていく(図4(e)、(g))。
このように、まず、センサ部SN1、SN2がY方向に沿って配置されている場合において、加算出力波形Waddの出力ピークVaddと単独出力波形W1の出力ピークV1との比較によって、Y方向における打撃位置PHが把握できることがわかる。次にこれを説明する。
図5は、本ドラムパッドの打撃面22aのほぼ4分の1の領域を示す平面図である。同図において、センサ部SN1、SN2の各中心位置Ps1、Ps2を結ぶ線分は中心位置P1を通る。加算出力波形Waddの出力ピークVaddを実測するに当たって、図5に示す打撃面22aの4分の1の領域において、実測に適用する打撃位置として、中心位置P1に加えて、X方向及びY方向に等間隔な打撃位置P2〜P15を定めた。位置P1〜P4はX方向に沿って直線上に位置する。位置P1、P5、P9、P13は、Y方向に沿って直線上に位置する。位置P5〜P8、位置P9〜P12、位置P13〜P15はそれぞれ位置P1〜P4に平行な直線上に位置する。
図6(a)は、位置P1〜P15において打撃したときの加算出力波形Waddの出力ピークVaddの実測データを立体的に表した図である。縦軸が出力ピークVadd(V)である。図6(a)では、打撃位置を特定するための領域が複数に区分けされている。図6(b)は、出力ピークVaddと単独出力波形W1の出力ピークV1の各実測データを、横軸に打撃位置、縦軸に電圧値をとって示した図である。ここで、単独出力波形W1、加算出力波形Waddは、図1(c)に示す出力ライン23、24からそれぞれ取り出される電圧信号の波形である。
図6(a)において、例示すると、位置P1、P5、P9、P13のX、Y方向の座標は、それぞれ(0、0)、(0、−32)、(0、−64)、(0、−96)である(単位はmm)。位置P5、P6、P7、P8のX、Y方向の座標は、それぞれ(0、−32)、(−32、−32)、(−64、−32)、(−96、−32)である。
なお、この実測では、打撃面22aの4分の1の領域、すなわち、X、Y方向の座標が共にマイナス(−)である領域に限った。これ以外の3つの領域における中心位置P1に関する対称位置の出力ピークVaddは、それらの対称性から同一であるとして定めた。
図6(b)に示す値から演算すれば、位置P1、P5、P9、P13における比Vadd/V1の値は、位置P1を最大として順に小さくなることがわかる。すなわち、中心位置P1を通るY方向においては、端部にいくほど比Vadd/V1の値が小さくなることがわかる。一方、位置P1〜P4についてみると、比Vadd/V1の値はほとんど変わらない。これは、いずれの位置も2つのセンサ部SN1、SN2から等距離にあるからである。
このように位置P1〜P15で実測した結果、出力ピークVaddと出力ピークV1とから演算した比Vadd/V1の値は、図6(a)で色分けされた同じ色の領域においてはほぼ同じとなることがわかった。従って、比Vadd/V1の値から、主にY方向における打撃位置の領域が複数段階で特定できるようになっている。実測箇所が多いほど、領域の区分が細かく正確となる。実測値と領域との関係は予めROM3等に格納されている。
かかる構成において、打撃面22aに対する実際の打撃において、CPU10は、出力ピークVaddが所定値を超えた場合に打撃が有ったと判断すると共に、出力ピークVaddの大きさからその打撃強さを特定する。さらに、その打撃により出力された出力ピークVaddと出力ピークV1とから比Vadd/V1を演算する。そして、ROM3を参照し、比Vadd/V1の値に対応する領域を、今回の打撃位置であると特定する。
CPU10は、特定した打撃位置及び打撃強さに応じて、発音させるべき音色、音量の情報を生成し、それを楽音発生部8(図2参照)に伝える。楽音発生部8は、特定された打撃位置に応じた音色で、特定された打撃強さに応じた音量のドラム音を発生させる。なお、打撃位置、打撃強さに応じて、どの楽音パラメータを制御するかは、この例に限られない。
なお、この例では、同一の位置Pが打撃面22aの4分割された領域にそれぞれ存在することになるが、打撃位置による音色等の楽音制御は中心位置P1からの距離が重要であるので、円周方向の位置の違いはあまり問題とならない。
このように、加算出力波形Waddの出力ピークVaddは、常に単独出力波形W1の出力ピークV1の1倍以上であって、通常の打撃によれば出力ピークV1より大きい。そのため、出力ピークVaddから打撃有無及び打撃強さを特定することは、単独出力波形W1の出力ピークV1のみから特定することに比べれば容易となり、検出感度として向上することになる。
一方、打撃位置の特定に関しては、2つのセンサ部SN1、SN2の双方の反応を待たなければならない点では上記した従来の電子打楽器(特開昭62−501653号公報)と同じである。しかしながら、本実施の形態では、従来の電子打楽器のようにセンサ部SNに相当する電子変換器がパッドの端部に離間して配置されるのではなく、中心位置P1に近く且つ両者が近接して配置されている。そのため、いかなる打撃位置であっても、センサ部SNまでの距離が打撃面22aの半径分より長くなることはない。しかも、中心位置P1の近くが打撃される多くの場面においては、双方のセンサ部SNが打撃位置に近いことになる。これらから、打撃位置の特定にかかる時間が短縮される。
従って、本実施の形態によれば、打撃有無及び打撃強さの特定の感度を向上させると共に打撃位置を迅速に特定することができる。
また、打撃位置の特定は、比Vadd/V1の演算処理で済むので、演算処理が簡単である。さらに、センサ部SN1、SN2を電気的に直列に接続し(図1(c))、両センサSNの電圧出力信号を加算した信号に相当するものを出力ライン24から直接に取り出せるので、構成が簡単である。
ところで、センサ部SN1、SN2は、ベース体21の裏面に直接配設したが、これに限られない。例えば、図7(a)、(b)に示すように、台座25、26を介して片持ち状態で配設固定してもよい。これにより、各センサ部SNの感度が向上する。
また、本実施の形態では、センサ部SNは2個設けたが、3個以上を設けてもよい。その場合でも、中心位置P1から等距離において円周方向に等間隔に配設すれば、中心位置P1を基準とした2次元の均一な位置検出が可能となる。この場合は、実測した各位置Pにおける出力ピークVaddと出力ピークV1とから演算した比Vadd/V1の値を、各位置Pに対応付けられたテーブルとして予めROM3等に格納しておくのがよい。そして、実際の打撃において、比Vadd/V1を演算し、演算した値に最も近い値を、ROM3の上記テーブルから検索する。そして、検索した値に対応する位置Pを、今回の打撃位置であると特定すればよい。この場合、出力ピークVaddはすべてのセンサ部SNの出力ピークの加算値であり、V1値はそれらのうち所定の1つのセンサ部SNの出力ピークである。実測に採用する打撃位置を極力多くすることで、より細かく正確な位置の特定が可能になる。
また、構成を簡単にする観点からは、中心位置P1を挟んで配置される一対のセンサ部SNを用いて、それらを通る直線上における打撃位置だけを特定するようにしてもよい。この場合において、センサ部SNを複数対設けてもよい。例えば、図7(c)に示すように、一対のセンサ部SN1、SN2はY方向に沿って設けると共に、もう一対のセンサ部SN3、SN4はY方向に直交するX方向に沿って設ける。そして、センサ部SN1、SN2では、比Vadd/V1から、打撃位置のY方向の座標だけを特定する。それと並行して、センサ部SN3、SN4では、打撃位置のX方向の座標だけを特定する。これらにより、打撃面22aにおける打撃位置の2次元座標が特定できる。センサ部SNが一対だけの構成(図1)に比し、打撃位置の特定が細かく、正確になる。
ところで、センサ部SNを複数配設するに際し、打撃位置の特定を迅速に行えるようにする観点からは、半径が打撃面22aの半径の半分であって打撃面22aと同心の円27の領域内に十分に収まるよう配設されるのがよい。好ましくは、互いが可能な限り近接しているのがよく、接触していてもよい。ただし、打撃位置の検出を最低限可能にする観点に限れば、各センサ部SNを中心位置P1から等距離に配設することは必須でない。
なお、上記したように、センサ部SN1、SN2の電圧出力信号を加算した信号に相当する加算出力波形Waddを出力ライン24から取り出せるようにしたが、センサ部SN1、SN2の単独の電圧出力信号を取り出せるように電気接続し、両電圧出力信号を加算処理することで、実質的に加算出力波形Waddを得るようにしてもよい。
この観点から、センサ部SNはピエゾセンサに限られず、振動に応じた信号を出力するものであればよい。例えば、構成の簡単化、検出速度または精度を考慮しないとすれば、静電センサ、光センサ、空気圧センサ等も採用可能である。
10 CPU(打撃特定手段)、 22 パッド部(打撃部)、 22a 打撃面、 27 円、 SN センサ部(振動検出センサ)、 P1 中心位置 、 V1 出力ピーク、 Vadd 出力ピーク
Claims (6)
- 打撃面を有する円形の打撃部と、
前記打撃部における、半径が該打撃部の半分であって該打撃部と同心の円の領域内に配設され、該打撃部に対する打撃による振動に応じた出力信号を発生させる複数の振動検出センサと、
前記複数の振動検出センサの出力信号の加算値に基づいて前記打撃部に対する打撃の有無を特定すると共に、前記複数の振動検出センサの出力信号の加算値と前記複数の振動検出センサのうち1つの振動検出センサの出力信号とに基づいて前記打撃部に対する打撃の位置を特定する打撃特定手段とを有することを特徴とする電子打楽器用の打撃検出装置。 - 前記打撃特定手段は、前記複数の振動検出センサの出力信号を加算した信号のピーク値と前記1つの振動検出センサの出力信号のピーク値との比に基づいて前記打撃部に対する打撃の位置を特定することを特徴とする請求項1記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
- 前記複数の振動検出センサは、互いに近接して配設されたことを特徴とする請求項1または2記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
- 前記複数の振動検出センサは、前記打撃部の中心から等距離において等間隔に配設されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
- 前記複数の振動検出センサには、前記打撃部の中心を挟んで等距離に配設されて一対を成す振動検出センサが含まれ、前記打撃特定手段は、前記一対の振動検出センサの出力信号の加算値と該一対の振動検出センサのうち一方の振動検出センサの出力信号とに基づいて、該一対の振動検出センサを結び前記打撃部の中心を通る直線の方向における打撃の位置を特定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
- 前記打撃特定手段は、前記複数の振動検出センサの出力信号の加算値に基づいて打撃の強さを特定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子打楽器用の打撃検出装置。
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