以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、3つのリール3L、3C、3Rから構成される可変表示装置2が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図3参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「BAR」、「7」、「JAC」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」、「リプレイ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。右のリール3Lについて、「チェリー」の図柄は、互いに7コマ間隔で描かれている。リール3L、3C、3Rのいずれについても、「リプレイ」、「ベル」は、5コマ以内の間隔で描かれている。中のリール3Cについての「スイカ」と、右のリール3Rについての「JAC」も、5コマ以内の間隔で描かれている。
リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。可変表示装置2には、上中下段それぞれ3本の横方向の入賞ラインと、2本の対角線方向の入賞ラインの合計5本の入賞ラインが設定される。但し、遊技状態が後述するレギュラーボーナスにあるときには、中段の横方向の入賞ラインのみが適用される。この入賞ラインの何れかに後述する役の表示態様が導出されたときに、当該役に入賞となる。
リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図3参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LP(図3参照)とが設けられている。リール3L、3C、3Rに描かれた図柄と、リール3L、3C、3Rの停止制御については、さらに詳しく後述するものとする。
可変表示装置2の下側であって、スロットマシン1の前面側ほぼ中央位置には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、大きさ的にも可変表示装置2よりも大きく、しかも遊技者(平均的な身長のものを想定)がスロットマシン1の前に座ったときに遊技者の目線の高さになる位置に設けられているので、可変表示装置2によりも視認容易になっている。
液晶表示器4は、遊技状態や当選フラグの設定状況等に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4への画像の表示による演出として、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rの回転/停止に合わせた仮想リールによる演出用図柄の変動表示/停止がある。液晶表示器4に表示される画像による演出で、後述するボーナス告知及びボーナス予告が行われる。ボーナス告知及びボーナス予告は、仮想リールの視認性を妨げない態様で行われる。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
液晶表示器4の左側には、上からペイアウト表示部21と、クレジット表示部22と、ボーナス告知部36と、リプレイ表示部32と、スタート表示部30と、投入指示表示部29と、ヒット表示部34とが設けられている。ペイアウト表示部21は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器51(図3参照)によって構成され、後述する小役に入賞した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図3参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。
ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図3参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス入賞、及びビッグボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図3参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図3参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図3参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ヒット表示部34は、HITランプ54(図3参照)が点灯状態となることで、遊技状態が後述するレギュラーボーナスまたはビッグボーナスにあることを示す。
液晶表示器4の右側には、入賞表示部25a〜25dが設けられている。入賞表示部25a〜25dは、入賞表示ランプ45a〜45d(図3参照)が点滅状態となることで、可変表示装置2に対応する入賞の表示結果が導出されたことを示す。
また、液晶表示器4の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図3参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図3参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図3参照)またはMAXBETスイッチ46(図3参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。
メダル投入口13からのメダルの投入、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15の操作により各ゲームで設定できる賭け数は、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)では1であり、それ以外の遊技状態では3である。レギュラーボーナス中は、MAXBETボタン15が操作されても、賭け数として1が設定される。遊技状態に応じた賭け数が設定されると、スタートレバー11が操作受付可能となり、ゲームを開始させることができる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図3参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rと、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18とが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図3参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図3参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図3参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図3参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図3参照)が発した光が照射される。
可変表示装置2の左右には、それぞれ演出手段としてのスピーカ7L、7Rが設けられている。スピーカ7L、7Rは、入賞時、ビッグボーナス突入時、及びレギュラーボーナス突入時における効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75E(図3参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Eが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Eは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Eの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。遊技効果表示部5A〜5Eは、入賞した役の種類に応じて発光することがある。
図3は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104、外部出力基板105、及び演出中継基板106に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図3では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。CPU111が取り扱うデータの1ワードは、8ビット(1バイト)であり、RAM112、ROM113のアドレスも、8ビット単位で割り付けられている。
RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。RAM112とROM113のアドレスの割り当ては、メーカにおける開発用機種とホールに納入される量産機種とで異なる。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
RAM112は、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU111には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが設けられている。リフレッシュレジスタは、1ワード分の大きさである8ビットからなり、そのうちの下位7ビットがCPU111がROM113から命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。
乱数発生回路115は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数には、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数が使用される。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信する。これらのコマンドは、それぞれ8ビットで構成される。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ペイアウト表示器51、クレジット表示器52、投入指示ランプ59、スタートランプ60、リプレイランプ62、HITランプ54、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63R、入賞表示ランプ45a〜45dが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、RAM112に設定された当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。
演出中継基板106は、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106は、この状態を調べることによって遊技制御基板101や演出制御基板102を調べなくても、遊技制御基板101の制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75E、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、蛍光灯6、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部120は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。
リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、メダルIN信号、及びメダルOUT信号を、当該外部装置に出力する。これに加えて、当選状況信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号を外部装置に出力するものであってもよい。
次に、遊技制御基板101のRAM112の構成について説明する。図4は、RAM112の記憶領域の構成を示す図である。図示するように、RAM112には、重要ワーク112−1、一般ワーク112−2、特別ワーク112−3、設定値ワーク112−4、非保存ワーク112−5、スタック領域112−6、及びパリティ格納領域112−7を含む複数の記憶領域が設けられている。
これらの記憶領域のうち、特に、設定値ワーク112−4は、後述する内部当選の当選確率を定める設定値を格納する領域であり、パリティ格納領域112−7は、電源の遮断時においてRAMパリティを格納する領域である。後述する当選フラグ格納ワーク及び入賞フラグ格納ワークは、一般ワーク112−2に設けられ、特別役一時格納ワーク及び一般役一時格納ワークは、重要ワーク112−1に設けられている。一般ワーク112−2は1ゲーム毎にクリアされるが、重要ワーク112−1は1ゲーム毎にクリアされない。また、RAM112は、停電時においてもバックアップ電源により電力が供給され、記憶されているデータが保持されるようになっている。
上記スロットマシン1においては、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、設定スイッチ91による設定値の変更操作について説明する。設定値を変更するためには、設定キースイッチ92をON状態としてからメインスイッチ94によりスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定値を変更せずにスロットマシン1を起動する場合には、設定キースイッチ92をOFF状態としてメインスイッチ94により電源をONすればよい。
設定キースイッチ92をON状態として電源をONすると、設定値の変更操作が可能な設定変更モードなる。設定変更モードにおいて、設定スイッチ91が操作されると、設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートレバー11が操作されてから設定キースイッチ92がOFFされると、変更後の確定した設定値が設定値ワーク112−4に記憶される。そして、遊技の進行が可能な状態に移行する。
遊技の進行が可能な状態であるときには、スロットマシン1におけるゲームが1ゲームずつ順次進行するが、各ゲームで行われる内部抽選において設定値ワーク112−4に格納された設定値が正常範囲(1〜6)にあるかどうかを判定する。設定値が正常範囲にない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
また、遊技制御基板101のCPU111が電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理を実行する。電断割込処理では、RAM112のパリティ格納領域112−7に格納されているデータ以外の全てのデータに基づいてRAMパリティを計算し、パリティ格納領域112−7に格納する処理を行うようになっている。ここにRAMパリティとは、データ列(各アドレスにおいて同一位置のビット)を足し合わせた総和の最下位ビットのことである。
そして、遊技制御基板101の制御部110の起動時において、RAM112に記憶されているデータのうちのパリティ格納領域112−7に格納されているデータ以外の全てのデータに基づいてRAMパリティを計算し、パリティ格納領域112−7に格納されているRAMパリティと比較する。この比較結果が一致した場合には、RAM112に記憶されている状態に基づいて電源断前の状態に復帰させる。
一方、RAMパリティの比較結果が一致しなかった場合には、ここでもRAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。RAM異常エラー状態は、他のエラー状態とは異なり、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93を操作しても解除されないようになっており、設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されることで解除されるようになっている。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、特別遊技状態(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。図5(a)は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類と可変表示装置2における図柄の組み合わせを説明する図である。
レギュラーボーナスは、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常の遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM112に設定される(次に説明するビッグボーナス中に提供された場合を含む)。
ビッグボーナス(1)は、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「7−7−7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「BAR−7−7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームと称されるゲームを行うことができる。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM112に設定される。ビッグボーナスは、遊技者に払い出したメダルの枚数が465枚を越えたときに終了する。ここでは、1ゲーム当たりの最大払出枚数が15枚なので、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数の上限は、480枚となる。
後述する内部抽選においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していても、「7」と「BAR」のいずれもがリール3L、3C、3Rの全てについて5コマ以内の間隔で配置されているわけではないので、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングが適正ないタイミングでなければ、これらの役に入賞することはない。もっとも、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているとき(持ち越しの場合を含む)において、他の役にも重複して当選している場合、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングによりレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)を導出できるときには、他の当選している役よりも、こちらを優先して導出させる。
JACINは、ビッグボーナス中の小役ゲームにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「リプレイ−リプレイ−JAC」の組み合わせが揃ったときに入賞となるが、小役ゲーム以外の遊技状態では、この組み合わせが揃ったとしてもJACIN入賞とならない。JACIN入賞すると、ビッグボーナスの中で前述したレギュラーボーナスが提供されることとなり、ビッグボーナス中フラグに併せてレギュラーボーナス中フラグもRAM112に設定される。左と中のリール3L、3Cについての「リプレイ」、右のリール3Rについての「JAC」は、いずれも5コマ以内の間隔で配置されているので、後述する内部抽選においてJACIN当選したときには、必ずJACIN入賞するものとなっている。
スイカは、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ライン(5本または1本)に「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。中のリール3Cについての「スイカ」は必ず5コマ以内の間隔で配置されているが、左と右のリール3L、3Rについて「スイカ」が5コマ以内の間隔で配置されていると限らないので、後述する内部抽選においてスイカに当選しても、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングが適正なタイミングでなければ、スイカに入賞させることはできない。なお、この実施の形態では、レギュラーボーナスにおいてスイカに当選するときにはメダルの払出枚数がより多く、取りこぼしもないスイカベルにも必ず当選するので、レギュラーボーナスでスイカに入賞することはない。
ベルは、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ライン(5本または1本)に「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。リール3L、3C、3Rのいずれも「ベル」は5コマ以内の間隔で配置されているので、後述する内部抽選においてベルに当選したときには、必ずベルに入賞するものとなっている(但し、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の導出が優先される場合を除く)。なお、この実施の形態では、レギュラーボーナスにおいてベルに当選するときにはメダルの払出枚数がより多く、取りこぼしもないスイカベルにも必ず当選するので、レギュラーボーナスでベルに入賞することはない。
スイカベルは、レギュラーボーナスにおいて入賞ライン(1本)に「ベル−スイカ−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。左と右のリール3L、3Rに付いての「ベル」と中のリール3Cについての「スイカ」は必ず5コマ以内の間隔で配置されているため、後述する内部抽選においてスイカベルに当選していれば、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに関わらずに、スイカベルに入賞させることができる(但し、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の導出が優先される場合を除く)。スイカベルは、スイカ、ベルまたはチェリーA〜チェリーGと重複して当選しているときであっても、メダルの払出枚数が多いので、スイカ、ベルまたはチェリーA〜チェリーGに優先して導出される。
チェリーAは、レギュラーボーナス以外の遊技状態で入賞ライン(5本)のいずれかにおいて、左のリール3Lに「チェリー」の図柄が導出され、且つ右のリール3Rにも「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となる。チェリーBは、レギュラーボーナス以外の遊技状態で入賞ライン(5本)のいずれかにおいて、左のリール3Lに「チェリー」の図柄が導出され、且つ右のリール3Rに「BAR」の図柄が導出されたときに入賞となる。同様に、チェリーC、チェリーD、チェリーE、チェリーF、チェリーGでは、右のリール3Rについての図柄が、それぞれ「7」、「JAC」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベル」となる。チェリーA〜チェリーGのいずれも、中のリール3Cに導出される図柄の種類を問わないが、図柄の種類を問わないことを「ANY」で表すものとする。
内部抽選においてチェリーA〜チェリーGにも当選しているときには、左のリール3Lの上段または下段に「チェリー」の図柄が停止していれば(レギュラーボーナス以外では中段に停止することはない)、右のリール3Rについて「チェリー」が7コマ以内で配置されているので、上段または下段のいずれかに「チェリー」が停止してチェリーAに入賞する。チェリーAに入賞せずにチェリーB〜チェリーGに入賞となることはない。ここで、右のリール3Rの上段または下段に「チェリー」が停止したときには、下段または上段に「JAC」、「リプレイ」、「ベル」のいずれかが停止するので、チェリーAに入賞したときには、同時にチェリーD、チェリーEまたはチェリーGのいずれかの入賞となる。
内部抽選においてチェリーB〜チェリーGに当選しているときには、左のリール3Lの上段または下段に「チェリー」の図柄が停止していても(レギュラーボーナス以外では中段に停止することはない)、右のリール3Rの上段と下段のいずれにも「チェリー」が停止することはない。この場合、右のリール3Rの上段及び下段に停止した図柄に応じて、チェリーB〜チェリーGのうちの2つに同時に入賞することとなる。
もっとも、左のリール3Lについて「チェリー」の図柄は7コマ以内で配置されているとは限らないので、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングによっては、チェリーA〜チェリーGまたはチェリーB〜チェリーGに当選していても、これを取りこぼすこともある。なお、レギュラーボーナスにおいてチェリーA〜チェリーGに当選するときには、メダルの払出枚数がより多く、取りこぼしもないスイカベルにも必ず当選するので、レギュラーボーナスでチェリーA〜チェリーGに入賞することはない。
チェリーA〜チェリーGのいずれに入賞したときにも、1入賞ラインにつき2枚のメダルが払い出される。レギュラーボーナス以外の遊技状態では左のリール3Lの上段または下段に「チェリー」が停止し、2つの入賞ラインでチェリーA〜チェリーGのうちの2つに入賞となるので、合計4枚のメダルが払い出される。通常の遊技状態においてチェリーAに入賞したときには、次のゲームから100ゲームの間だけ(但し、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまでに限る)、遊技状態がRTに制御される。チェリーB〜チェリーGに入賞しても、遊技状態がRTに制御されることはない。後述するように、チェリーAとともにチェリーB〜チェリーGにも当選しているときには、メダルの払出枚数は同じであっても、RTへの制御を伴うチェリーAの方が優先して導出される。
リプレイは、通常の遊技状態またはRTにおいて入賞ライン(5本)のいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナスやビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナス)では、この組み合わせが揃ったとしてもリプレイ入賞とならない。リール3L、3C、3Rのいずれについても「リプレイ」は、5コマ以内の間隔で配置されているので、後述する内部抽選においてリプレイに当選したときには、それぞれ必ずリプレイ入賞するものとなっている。
リプレイ入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭け数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭け数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0〜16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。内部抽選における当選は、排他的なものであり、1ゲームにおいて複数が同時に当選することはない。
図5(b)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM113に予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて定められた役を示すものとなる。各ゲームにおける遊技状態において抽選対象となる役が参照される。ここで、複数の役が同時に抽選対象となる場合もある。
遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、スイカベル+スイカ、スイカベル+ベル、スイカベル、スイカベル+チェリーA〜チェリーGが内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がビッグボーナス中の小役ゲームにあるときには、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカ、JACIN、スイカ、ベル、チェリーA〜チェリーG、チェリーB〜チェリーGが内部抽選の対象役として順に読み出される。
通常の遊技状態にあるときには、レギュラーボーナス+スイカ、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)+スイカ、ビッグボーナス(2)、スイカ、ベル、チェリーA〜チェリーG、チェリーB〜チェリーG、リプレイ(通常)が内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRTにあるときには、レギュラーボーナス+スイカ、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)+スイカ、ビッグボーナス(2)、ベル、チェリーA〜チェリーG、チェリーB〜チェリーG、リプレイ(RT)が内部抽選の対象役として順に読み出される。なお、リプレイ(通常)とリプレイ(RT)は、後述する判定値数の格納領域が異なるので当選確率が異なるものとなるが、他の点については共通している。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。判定値数は、ROM113に予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。図5(c)は、役別テーブルの例を示す図である。判定値数は、その値が256以上のものとなるものもあり、1ワード分では記憶できないので、判定値数毎に2ワード分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。各抽選対象役の賭け数に応じた判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカは、レギュラーボーナス以外のいずれの遊技状態でも内部抽選の対象となる役である。これらの役の共通フラグの値は1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、及びビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態またはRTで内部抽選の対象となる役である。これらの役については、共通フラグの値が0となっており、設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。JACINは、ビッグボーナス中の小役ゲームでのみ内部抽選の対象となる役である。この役の共通フラグの値は1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
スイカ、ベル、チェリーA〜チェリーG及びチェリーB〜チェリーGは、レギュラーボーナス以外のいずれの遊技状態でも内部抽選の対象となる役である。スイカ及びベルについては、共通フラグが1となっており、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。チェリーA〜チェリーG及びチェリーB〜チェリーGについては、共通フラグが0となっており、それぞれの賭け数に対応して設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
リプレイ(通常)は、通常の遊技状態で内部抽選の対象となる役である。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。リプレイ(RT)は、RTでのみ内部抽選の対象となる役である。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。スイカベル+スイカ、スイカベル+ベル、スイカベル、スイカベル+チェリーA〜チェリーGは、レギュラーボーナスで内部抽選の対象となる役である。これらの役の共通フラグも1であり、設定値に関わらず共通の格納アドレスが登録されている。
図6は、役別テーブルに登録されたアドレスに基づいて取得される判定値数の記憶領域を示す図である。この判定値数の記憶領域は、開発用の機種ではRAM112に、量産機種ではROM113に割り当てられたアドレス領域に設けられている。
例えば、アドレスADD+0は、内部抽選の対象役がレギュラーボーナス+スイカであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+14は、内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)+スイカであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+28は、内部抽選の対象役がビッグボーナス(2)+スイカであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。
アドレスADD+2は、内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって設定値が1のときに参照されるアドレスであり、このときには、ここに格納された値である11が判定値数として取得される。アドレスADD+4、ADD+6、ADD+8、ADD+10、ADD+12は、それぞれ内部抽選の対象役がレギュラーボーナスであって設定値が2〜6のときに参照されるアドレスである。レギュラーボーナスについては、設定値に応じて個別に判定値数が記憶されているが、同一の判定値数が記憶されているので、いずれの設定値においてもレギュラーボーナスの当選確率は同じとなっている。レギュラーボーナス+スイカは、設定値1〜6に共通した判定値数となっているので、チェリーとの重複当選の場合を含めても、レギュラーボーナスの当選確率は設定値に関わらず同じとなる。
また、アドレスADD+16、ADD+18、ADD+20、ADD+22、ADD+24、ADD+26は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+30、ADD+32、ADD+34、ADD+36、ADD+38、ADD+40は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(2)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。ビッグボーナス(1)、(2)については、設定値に応じて個別に判定値数が記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、設定値に応じてビッグボーナス(1)、(2)の当選確率が異なることとなる。
また、アドレスADD+42は、内部抽選の対象役がJACINであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスであり、設定値に関わらずに、それぞれ4431が判定値数として取得される。アドレスADD+44は、内部抽選の対象役がスイカであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+46は、内部抽選の対象役がスイカベル+スイカであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+48は、内部抽選の対象役がベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+50は、内部抽選の対象役がスイカベル+ベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+52は、内部抽選の対象役がスイカベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+78は、内部抽選の対象役がスイカベル+チェリーA〜チェリーGであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。
設定値が1〜6のいずれの場合においても共通して、スイカベル+スイカ、スイカベル+ベル、スイカベル及びスイカベル+チェリーA〜チェリーGの判定値数を加算すると16384となる。従って、遊技状態がレギュラーボーナスに制御されているときには、スイカまたはベルと重複当選する場合も含めれば、必ずスイカベルに当選することとなる。
アドレスADD+54、ADD+56、ADD+58、ADD+60、ADD+62、ADD+64は、内部抽選の対象役がチェリーA〜チェリーGであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+66、ADD+68、ADD+70、ADD+72、ADD+74、ADD+76は、内部抽選の対象役がチェリーB〜チェリーGであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。チェリーA〜チェリーG、チェリーB〜チェリーGのいずれも、設定値に応じて異なる判定値数が記憶されているので、設定値に応じて当選確率が異なることとなる。
アドレスADD+80は、内部抽選の対象役がリプレイ(通常)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+82は、内部抽選の対象役がリプレイ(RT)であって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+82には、アドレスADD+80よりも大きな値が登録されているので、RTにおけるリプレイ当選確率は、通常の遊技状態におけるリプレイ当選確率よりも高くなる
次に、内部抽選用の乱数の取得について、図7を参照して詳しく説明する。内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により乱数発生回路115から乱数を抽出し、これをCPU111がソフトウェアによって加工することによって取得されるものとなる。内部抽選用の乱数を取得するときには、ボーナス告知ランプ66を点灯するか否かを決定する告知決定用の乱数も取得される。なお、乱数発生回路115の発生する乱数の最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第15ビットと呼ぶものとする。
図7(a)は、乱数発生回路115の構成を詳細に示すブロック図である。図示するように、乱数発生回路115は、パルス発生回路115aと、下位カウンタ115bと、上位カウンタ115cとから構成されている。下位カウンタ115b及び上位カウンタ115cは、いずれも8ビット(1バイト)のカウンタであり、下位カウンタ115bが第0ビット〜第7ビット、上位カウンタ115cが第8ビット〜第15ビットの合計で16ビットのデータ信号を出力する。
パルス発生回路115aは、CPU111の動作クロックの周波数よりも高く、その整数倍とはならない周波数(互いに素とすることが好ましい)でパルス信号を出力する。パルス発生回路115aの出力するパルス信号が下位カウンタ115bにクロック入力される。
下位カウンタ115bは、パルス発生回路115aからパルス信号が入力される度に第0ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。正論理を適用するものとすると、Hレベルの論理値が1でLレベルの論理値が0に対応する。負論理の場合は、論理値が1の場合をLレベル、論理値が0の場合をHレベルと読み替えればよい。第0ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第0ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第1ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第m−1ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。また、第7ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第7ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に桁上げ信号を出力する。下位カウンタ115bの出力する桁上げ信号が上位カウンタ115cにクロック入力される。
上位カウンタ115cは、下位カウンタ115bから桁上げ信号が入力される度に第8ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。第9ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第9ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
下位カウンタ115bのデータ信号を下位8ビットとし、上位カウンタ115cのデータ信号を上位8ビットとした16ビットのデータ信号の論理値は、パルス発生回路115aがパルス信号を出力する度に、0(0000h)→1(0001h)→2(0002h)→…→65535(FFFFh)と値が更新毎に連続するように更新され、最大値の65535(FFFFh)の次は初期値の0(0000h)へと値が循環して、乱数発生回路115から出力されるものとなる。
サンプリング回路116は、ラッチ回路から構成され、CPU111からのサンプリング指令(スタートレバー11の操作時)に基づいて、乱数発生回路115からそのときに出力されている16ビットのデータ信号をラッチし、ラッチしたデータ信号を出力する。CPU111は、I/Oポート114を介してサンプリング回路116から入力されたデータ信号に対応した数値データを、乱数発生回路115が発生する乱数として抽出するものとなる。なお、以下では、乱数発生回路115から出力されるデータ信号は、その論理値に応じた乱数として説明するものとする。
図7(b)は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの説明図である。乱数発生回路115から抽出された乱数は、CPU111が有する16ビットの汎用レジスタ111GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路115から抽出された乱数が汎用レジスタ111GRに格納されると、CPU111は、他の汎用レジスタまたはRAM112の作業領域を用いて、汎用レジスタ111GRの下位バイト(下位カウンタ115bから抽出した値)と、上位バイトの値(上位カウンタ115cから抽出した値)とを入れ替える。
次に、CPU111は、抽出された乱数に対して上位バイトと下位バイトとが入れ替えられた乱数の値を、8080hと論理積演算をする。CPU111の処理ワードは1バイトなので、実際には上位バイトと下位バイトとについて順次論理積演算を行うものとなる。この論理積演算によって第15ビットと第7ビットは常に1となる。さらに、CPU111は、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。
CPU111は、このときに汎用レジスタ111GRに格納されている値を、内部抽選用の乱数として取得してRAM112の所定の領域に記憶させ、これに各役の判定値数を順次加算していくものとなる。内部抽選用の乱数の第15ビットと第14ビットは常に1となるので、内部抽選用の乱数は、14ビット(16384)の大きさを有する乱数ということになり、実質的に0〜16383の値をとるものとなる。
なお、乱数発生回路115からの乱数の抽出から加工を終了するまでの間は、CPU111に対する割り込みが禁止される。CPU111に対して割り込みが発生することによって、当該割り込み処理ルーチンで汎用レジスタ111GRの内容が書き換えられてしまうのを防ぐためである。
図8は、内部抽選の結果を格納する領域と、入賞を管理する領域とを説明する図である。つまり、RAM112には、図8(a)に示す当選フラグ格納ワーク(3バイト)と、図8(b)に示す特別役一時格納ワーク(1バイト)と、図8(c)に示す一般役一時格納ワーク(1バイト)と、図8(d)に示すインデックス検索ワーク(1バイト)と、図8(e)に示す入賞フラグ格納ワーク(3バイト)とが設けられている。
ここで、当選フラグ格納ワークと入賞フラグ格納ワークは、一般ワーク112−2に設けられているので必ず1ゲームの終了時においてクリアされるが、特別役一時格納ワークは、重要ワーク112−1に設けられているので1ゲーム毎にクリアされることはない。また、当選フラグ格納ワークと入賞フラグ格納ワークで「未使用」となっているビットは、いずれの役にも対応しないビットであり、その値は常に0となる(但し、不正入賞の反転のために当選フラグ格納ワークのデータを反転したときを除く)。
内部抽選において当選と判定された抽選対象役の当選フラグが、まず、当選フラグ格納ワークに設定されるものとなる。ここで、当選フラグが設定されるとは、対応するビットが0から1に変化することである。例えば、レギュラーボーナスに当選したときには、当選フラグ格納ワークの上位バイトの最上位ビットにあるレギュラーボーナス当選フラグが設定される。レギュラーボーナス+スイカに当選したときには、当選フラグ格納ワークにレギュラーボーナス当選フラグとスイカ当選フラグの2つが設定される。チェリーA〜チェリーGに当選したときには、チェリーA当選フラグ、チェリーB当選フラグ、チェリーC当選フラグ、チェリーD当選フラグ、チェリーE当選フラグ、チェリーF当選フラグ、チェリーG当選フラグの7つが設定される。
内部抽選によって特別役(レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2))の当選フラグが当選フラグ格納ワークに設定されたとき、当選フラグの設定された特別役に対応した数値が特別役一時格納ワークに書き込まれる。通常の遊技状態またはRTにおいて特別役一時格納ワークに特別役の当選を示すデータ(すなわち、0以外のデータ)が書き込まれていれば、特別役の抽選は行われず、その内容が書き換えられることはない。この場合、特別役一時格納ワークの値に応じて当選フラグ格納ワークにレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されるものとなる。
また、特別役一時格納ワークにいずれかの特別役の当選を示すデータが書き込まれているときであっても、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカの判定値数は取得されるが、実際上はスイカのみが抽選対象役となり、特別役一時格納ワークの内容が更新されることはない。特別役一時格納ワークのデータは、特別役に入賞したときに0にクリアされる。
小役ゲームにおいても、レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカの判定値数は取得されるが、実際上はスイカのみが抽選対象役となる。また、小役ゲームでは、特別役としてJACINに当選し、JACINに対応した4が特別役一時格納ワークに書き込まれることがあるが、前述した通りJACINには取りこぼしなく入賞するので、当該ゲーム限りで特別役一時格納ワークのデータがクリアされるものとなる。
また、内部抽選によって一般役(小役またはリプレイ)の当選フラグが当選フラグ格納ワークに設定されたとき、当選フラグの設定された一般役に対応した数値が一般役一時格納ワークに書き込まれる。一般役一時格納ワークのデータは、各ゲームにおける内部抽選の結果によって当選フラグ格納ワークの中位バイト及び下位バイトに設定された一般役の当選フラグに応じて、ゲーム毎に上書き更新されるものとなる。つまり、前回以前のゲームでの内部抽選の結果に応じたデータがここに書き込まれることはない。
インデックス検索ワークには、その上位4ビットに特別役一時格納ワークのデータが、下位4ビットに一般役一時格納ワークのデータが書き込まれ、この内容は、当該ゲームにおける当選フラグの設定状況、すなわち当選フラグ格納ワークのデータにそのまま対応したものとなる。後述する停止制御テーブルを作成する際には、インデックス検索ワークのデータに従ってROM113に格納されているテーブルインデックスが参照される。
入賞フラグ格納ワークは、当選フラグ格納ワークと同様の構成を有しており、可変表示装置2の表示結果としていずれかの入賞ライン上に入賞となる役の表示態様が導出されると、対応する入賞フラグが設定されるものとなる。ここでも、入賞フラグが設定されるとは、対応するビットが0から1に変化することである。例えば、いずれかの入賞ライン上に「BAR−BAR−BAR」の図柄組み合わせが導出された場合には、入賞フラグ格納ワークにレギュラーボーナス入賞フラグが設定される。「チェリー−ANY−チェリー」の図柄組み合わせが導出された場合には、入賞フラグ格納ワークにチェリーA入賞フラグが設定される。
入賞フラグ格納ワークに入賞フラグが設定されると、当選フラグ格納ワークのデータと入賞フラグ格納ワークのデータとを用いて、当選していない役の不正入賞がなかったか否かが判定される。具体的には、当選フラグ格納ワークの各ビットのデータを全て論理反転し、これと入賞フラグ格納ワークのデータとをビット毎に論理積演算する。そして、論理積演算の結果が0であれば、不正入賞はなかったと判定されることとなり、0でなければ、不正入賞が発生したと判定される。
例えば、レギュラーボーナス当選フラグとリプレイ当選フラグが設定されている状態でリプレイ図柄が入賞ライン上に導出された場合を考える。論理反転前の当選フラグ格納ワークのデータは、「10000000 10000000 00000000」である。可変表示装置2の表示結果を調べた後の入賞フラグ格納ワークのデータは、「00000000 10000000 00000000」であり、当選フラグ格納ワークのデータを論理反転した「01111111 01111111 11111111」とビット毎に論理積演算すると、その結果は、「00000000 00000000 00000000」となり、不正入賞が発生していないことが分かる。
また、リプレイ当選フラグのみが設定されている状態でレギュラーボーナス図柄が入賞ライン上に導出された場合を考える。論理反転前の当選フラグ格納ワークのデータは、「00000000 10000000 00000000」である。可変表示装置2の表示結果を調べた後の入賞フラグ格納ワークのデータは、「10000000 00000000 00000000」であり、当選フラグ格納ワークのデータを論理反転した「11111111 01111111 11111111」とビット毎に論理積演算すると、その結果は、「10000000 00000000 00000000」となり、不正入賞が発生していることが分かる。
次に、リール3L、3C、3Rの停止制御について説明する。CPU111は、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM113に格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、停止ボタン12L、12C、12Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作された停止ボタン12L、12C、12Rに対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止させる制御を行う。
図9は、ROM113に格納されたテーブルインデックスを示す図である。図示するように、テーブルインデックスには、内部当選状況別に、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスが格納されている。内部当選状況は、図8(a)に示す当選フラグ設定ワークに従って判断されるのではなく、図8(d)に示すインデックス検索ワークに従って判断される。すなわち、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスは、インデックス検索ワークのデータがとり得る値と対応づけて登録されている。
このように内部当選状況が異なったりする場合でも、同一の制御が適用される場合においては、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。ここで、テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す引込コマ数データと、リールの停止状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスとからなる。
リールの停止状況に応じて参照される引込コマ数データは、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているか、左リール3Lのみ停止しているか、中リール3Cのみ停止しているか、右リール3Rのみ停止しているか、左、中リール3L、3Cが停止しているか、左、右リール3L、3Rが停止しているか、中、右リール3C、3Rが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、リール3L、3C、3Rの内のいずれかが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合がある。
テーブル作成用データには、それぞれの状況について、参照すべき引込コマ数データのアドレスが回転中のリール別に登録されている。それぞれの状況に応じて参照すべき引込コマ数データのアドレスは、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて特定でき、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な引込コマ数データを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の引込コマ数データが適用される場合においては、引込コマ数データのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の引込コマ数データが参照されることとなる。
また、引込コマ数データは、停止操作が行われたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。リールモータ3ML、3MC、3MRには、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ3ML、3MC、3MRを168ステップ駆動させることでリール3L、3C、3Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜21の領域番号が割り当てられている(図10参照)。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1〜21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、引込コマ数データには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、引込コマ数データを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
図10は、停止制御テーブルの例を示す図である。停止制御テーブルは、前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される。停止制御テーブルには、図10に示すように、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(この実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)で停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されている。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームにおける内部当選状況、すなわちインデックス検索ワークのデータに応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。そして取得した先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリール3L、3C、3Rが回転中の状態に対応する各リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して全てのリール3L、3C、3Rについて停止制御テーブルを作成する。
また、リール3L、3C、3Rのうちのいずれか1つが停止したとき、またはいずれか2つが停止したときには、リール回転開始時に取得した先頭アドレス、すなわちそのゲームにおける内部当選状況、すなわちインデックス検索ワークのデータに応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの引込コマ数データのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの引込コマ数データを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、CPU111が停止ボタン12L、12C、12Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
停止ボタン12L、12C、12Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域(図の停止操作ポイント)から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域(図の停止ポイント)が停止基準位置(この実施の形態では、下段図柄の領域)に停止することとなる。
また、テーブルインデックスには、一の内部当選状況、すなわちインデックス検索ワークの一のデータに対応するテーブル作成用データの格納領域の先頭アドレスとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の内部当選状況に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する引込コマ数データが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の内部当選状況、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、内部当選状況、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
また、テーブルインデックスには、いずれかの役に当選している場合に対応して、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、ハズレの場合に対応して、いずれの役も揃わないように引き込む引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納されている。このため、いずれかの役に当選している場合には、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行われる。一方、ハズレの場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルが作成され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
また、テーブルインデックスには、特別役と小役が同時に当選した場合や、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(1)+ベルなど)に対応して、当選した特別役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した特別役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した小役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる。
また、テーブルインデックスには、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合(ビッグボーナス(1)+リプレイなど)に対応して、再遊技役を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。なお、再遊技役を構成する図柄である「リプレイ」は、リール3L、3C、3Rのいずれについても5コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合には、遊技者による停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
また、テーブルインデックスには、複数種類の小役に同時に当選している(レギュラーボーナス以外の遊技状態においてチェリーA〜チェリーG、チェリーB〜チェリーG、レギュラーボーナスにおいてスイカベル+スイカなど)場合には、当選している小役のうち遊技者に最も有利な小役(メダルの払出枚数が多いスイカベル、RTが付加されるチェリーA(メダルの払出枚数とRTとの比較では、メダルの払出枚数の多い方が有利な小役と扱われる))を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、最も有利な小役を最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、他の種類の小役(チェリーB〜チェリーG、スイカ)を4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められたテーブル作成用データのアドレスが格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役のうち遊技者に最も有利な小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で最も有利な小役の図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している他の種類の小役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、当選している小役のうち遊技者に最も有利な小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、最も有利な小役の図柄を引き込めない場合にのみ、他の種類の小役に入賞させることが可能となる。
例えば、チェリーA〜チェリーGに当選しているときのリール制御を具体的に説明すると、左のリール3Lについて1番及び21番〜13番の図柄が下段に位置するときに停止操作がされた場合には、13番または18番の「チェリー」を上段または下段に停止させるように引き込み制御が行われる。右のリール3Rについては停止操作タイミングに関わらず1番、8番または15番の「チェリー」を上段または下段に停止させるよう引き込み制御が行われる。チェリーB〜チェリーGに当選しているときのリール制御は、左のリール3LについてはチェリーA〜チェリーGに当選しているときと同じであるが、右のリール3Rについては停止操作タイミングに関わらず1番、8番または15番の「チェリー」を上段または下段に停止させないよう蹴飛ばし制御が行われる。
次に、遊技制御基板101のCPU111が演出制御基板102に送信するコマンドについて説明する。CPU111は、各回のゲームの進行状況に応じて各種のコマンドを送っているが、この実施の形態で説明する演出を行うために必要なコマンドとして、内部抽選が行われた後に送られる当選状況通知コマンド、リール3L、3C、3Rの回転が開始したときに送られるリール回転コマンド、リール3L、3C、3Rの回転が停止したときにそれぞれ送られるリール停止コマンド、可変表示装置2に表示結果が導出された後に送られる入賞情報コマンド、1ゲームの終了後で次のゲームに移行する前に送られる遊技状態コマンドがある。
当選状況通知コマンドは、RAM112における当選フラグの設定状況を示すものである。リール回転コマンドは、リールの回転開始を示すものである。リール停止コマンドは、停止したリールの種類及び導出された図柄を示すものである。入賞情報コマンドは、入賞の有無及び入賞の種類を示すものである。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態(通常、RT、第2RT、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中の小役ゲームかそうでないかの別まで)、ビッグボーナス中の小役ゲーム)を示すものである。
演出制御基板102のCPU121は、このように遊技制御基板101のCPU111から送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしている。CPU121の制御により実行される演出として、特に液晶表示器4において行われる演出としては、仮想リールの変動/停止により可変表示装置2に導出された図柄に対応した表示態様を導出させる演出と、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の告知及び予告がある。
仮想リールは、例えば「BAR」、「7」、「JAC」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」といった図柄を所定の配列(リール3L、3C、3Rにおける図柄の配列とは異なる)で配置したものが可変表示装置2のリール3L、3C、3Rに対応して3つ表示されるものとなる。仮想リールは、リール3L、3C、3Rが回転開始すると変動を開始し、リール3L、3C、3Rの回転が停止すると変動を停止する。もっとも、仮想リールの停止には、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rのような190ミリ秒の最大停止遅延時間という制約はない。
液晶表示器4の仮想リールも、それぞれ上中下の三段で図柄を表示するものである。もっとも、仮想リールにおいて入賞の表示態様であるかどうかを示す入賞ラインは、上中下の横方向に1本ずつと、対角線に2本の合計5本が設けられている。このような形の入賞ラインは、この実施の形態にかかるスロットマシン1以外で可変表示装置の入賞ラインとして最も多く採用されている形態のものである。液晶表示器4の仮想リールには、可変表示装置2の入賞ラインに導出された図柄に応じた図柄を、いずれかの入賞ライン上に導出させるものである。
例えば、可変表示装置2の表示結果によりJACIN入賞したときとリプレイ入賞したときには「JAC」が仮想リールの入賞ライン上に揃えられる。これらは、取りこぼしがなく、リプレイとレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)との重複当選の場合でもリプレイの方が優先されるので、当選状況通知コマンドによりJACINまたはリプレイに当選しているときには、予め導出すべき図柄を決めておき、仮想リールの停止を制御することができる。同様に停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングに関わらずに可変表示装置2に導出される図柄の態様が決まっている場合には、予め導出すべき図柄を決めておき、仮想リールの停止を制御することができる。
また、スイカ、ベルに入賞したときには、それぞれ「スイカ」、「ベル」が仮想リールの入賞ライン上に揃えられる。スイカベルに入賞したときも、「スイカ」が仮想リールの入賞ライン上に揃えられる。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)との重複当選の場合は、「ベル」と「7」または「BAR」をダブルテンパイさせることを予め決めておき、そして、可変表示装置2の第3リールに停止した図柄に応じて仮想リールに図柄を導出させればよい。チェリーA〜チェリーGのいずれに入賞したときも、「チェリー」が左の仮想リールに導出される。チェリーA〜チェリーGのいずれに入賞したかに関わらず、中と右の仮想リールには、任意の図柄が導出される。
可変表示装置2の表示結果によりレギュラーボーナス入賞したときには「BAR」が仮想リールの入賞ライン上に揃えられる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときには「7」が仮想リールの入賞ライン上に揃えられる。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているときには、リール3L、3C、3Rについて実際に停止した図柄に応じて仮想リールの停止が制御されることとなる。
ところで、通常の遊技状態またはRTにおいてベルまたはリプレイに当選しているときには、取りこぼすことなくこれらの役に入賞させることができる。取りこぼしのあり得るスイカ、チェリーA〜チェリーG、チェリーB〜チェリーGの当選確率は低く、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選確率も低い。従って、通常の遊技状態及びRTにおいては、停止ボタン12L、12C、12Rの操作について遊技者が目押し(回転するリール3L、3C、3Rに表示されている図柄に応じてタイミングを図って停止操作すること)をする必要性がほとんどない。
チェリーA〜チェリーGまたはチェリーB〜チェリーGに当選しているときにおいて、左のリール3Lについて「チェリー」を導出させるためには停止ボタン12Lの操作について目押しをする必要があるが、右のリール3Rについての目押しは必要ない。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)については、リール3L、3C、3Rのいずれにも目押しが必要であるが、この場合の目押しは、後述するボーナス告知やボーナス予告がされたときに行えば十分である。
目押しをする必要がないのであれば、遊技者は、結果的にどのような役に入賞したかだけが分かればよく、それならば仮想リールだけを見ていても十分に遊技を進められるものとなる。ボーナス告知やボーナス予告がされたとき以外に目押しをするにしても、左のリール3Lについてだけ行えば十分であり、左のリール3Lの表示態様だけでは、チェリーA〜チェリーGのいずれかに入賞したことは分かっても、チェリーAに入賞したかどうかは分からない。従って、このスロットマシン1で遊技を進めるために遊技者が見ていなければならないのは、仮想リールの他には左のリール3Lだけである。
右のリール3Rを停止させた結果として可変表示装置2にチェリーAの表示態様が導出されても、仮想リールに導出される図柄の表示態様はチェリーB〜チェリーGが導出されたときと変わらないので、可変表示装置2におけるチェリーAの導出を遊技者が見逃しやすい。メダルの払出枚数もチェリーAとチェリーB〜チェリーGの場合で変わることはなく、RTへの制御も内部的なものでしかない。このため、可変表示装置2にチェリーAが導出され、遊技状態がRTに制御されたことを遊技者が見逃しやすいものとなっている。
次に、ボーナス告知及びボーナス予告について説明する。ボーナス告知とは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している旨の確定的な報知であり、これらの役に当選しているときにのみ行われる。ボーナス予告とは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している可能性がある旨を示す報知であり、これらの役に当選しているときにも当選していないときにも行われるが、これらの役に当選しているときの方が行われる確率が高い。
遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにあるときには、そもそもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選することはないので、ボーナス告知やボーナス予告が行われることはない。通常の遊技状態またはRTでも、既にボーナス告知が行われているときには、さらにボーナス告知やボーナス予告を行うことはない。通常の遊技状態またはRTにおいて未だボーナス告知が行われていないときに、ボーナス告知またはボーナス予告を行うかを決定する告知/予告決定抽選が行われる。
告知決定抽選に当選すると、RAM122に告知フラグが設定されるともに、液晶表示器4においてボーナス告知が行われる。ボーナス告知は、いずれかのゲームの開始時において一旦行われると、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまで継続して行われる。予告決定抽選に当選すると、RAM122に予告フラグが設定されるともに、液晶表示器4においてボーナス予告が行われる。ボーナス予告は、ゲームの開始時において行われた後、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したかどうかに関わらず、当該ゲーム限りで終了させられる。
なお、遊技状態がRTにあるときには、告知決定抽選は行われず、予告決定抽選のみが行われる。すなわち、遊技状態がRTにある間にボーナス告知が行われることはない。RTにおいてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選した場合には、当該RTが終了したゲームにおいてボーナス告知が行われるものとなる。
なお、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)は、ベルまたはリプレイと同時に当選することはない。ベルまたはリプレイに入賞したときに前回のゲームでハズレであったような場合には、ボーナス予告がされてもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していないことが予測されてしまう。従って、ボーナス予告を行う旨は、ベルまたはリプレイに当選していないことを条件として決定するものとしてもよい。また、ボーナス予告を行う旨は、特にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)よりも優先して導出されるリプレイに当選していないことを条件として決定するものとしてもよい。
なお、ボーナス告知、或いはボーナス予告が行われていることを演出制御基板102のCPU121が判断可能なものとするため、RAM122には、ボーナス告知が行われていることを示す告知フラグ、及びボーナス予告が行われていることを示す予告フラグを設定する領域が設けられている。また、RAM122には、遊技制御基板101から受信した当選状況通知コマンドが示す各役の当選状況、入賞情報コマンドが示す入賞情報を保存するための領域、遊技状態コマンドが示す遊技状態を保存するための領域(2ゲーム分)もそれぞれ設けられている。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、CPU111を含む制御部110が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワーク112−4に格納されており、RAM112に格納されたデータに異常がないことが条件となる。
図11は、遊技制御基板101のCPU111が実行する起動処理を示すフローチャートである。この起動処理は、遊技制御基板101のリセット回路からリセット信号が入力されて制御部110が起動されたときに行われる処理である。なお、リセット信号は、電源投入時及び制御部110の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴う制御部110の起動時及び制御部110の不具合に伴う再起動時に行われる処理となる。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、スタックポインタ等を初期化し(ステップS101)、RAM112へのアクセスを許可する(ステップS102)。そして、設定キースイッチ92がONの状態か否かを判定する(ステップS103)。設定キースイッチ92がONでなければ、RAM112に記憶されているデータのうちパリティ格納領域112−7を除く全てのデータに基づいてRAMパリティを計算する(ステップS104)。
次に、ここで計算したRAMパリティがパリティ格納領域112−7に格納されているRAMパリティ、すなわち前回の電源断時に計算して格納されたRAMパリティと比較し(ステップS105)、双方のRAMパリティが一致したか否か、すなわちRAMに格納されているデータが正常か否かを判定する(ステップS106)。なお、この実施例では、RAMパリティによるRAM112が正常か否かの判定は、起動処理においてのみ行われるようになっている。
ステップS106においてRAMパリティが一致していなければ、RAM112に格納されているデータが正常ではないので、図13に示すRAM異常エラー処理に移行する。RAMパリティが一致していれば、RAM112に格納されているデータが正常であるので、スタック領域112−6に格納されているレジスタを復帰し(ステップS107)、割込禁止を解除して(ステップS108)、電源断前の処理に戻る。
また、ステップS103において設定キースイッチ92がONの状態であれば、スタック領域112−6のうち使用中の領域を除いてRAM112に格納されているデータを全て初期化(設定値ワーク112−4以外は0、設定値ワーク112−4は0に書き換える)し(ステップS109)、割込禁止を解除して(ステップS110)、図12に示す設定変更処理に移行する(ステップS111)。そして、設定変更処理の終了後、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図12は、CPU111がステップS111で実行する設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。設定変更処理では、まず、設定変更モード中である旨を示す設定変更中フラグをRAM112の所定の領域にセットし(ステップS201)、設定値ワーク112−4に格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワーク112−4の値は1に書き換えられているので、ここでは1である)を読み出す(ステップS202)。
その後、設定スイッチ91及びスタートスイッチ41の操作の検出待ちの状態となる(ステップS203、S204)。ステップS203において設定スイッチ91の操作が検出されると、ステップS202において読み出した設定値に1を加算し(ステップS205)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち正常範囲を越えたか否かを判定する(ステップS206)。加算後の設定値が7でなければ、再びステップS203、S204の設定スイッチ91及びスタートスイッチ41の操作の検出待ちの状態に戻る。加算後の設定値が7であれば、設定値を1に補正して(ステップS207)、再びステップS203、S204の設定スイッチ91及びスタートスイッチ41の操作の検出待ちの状態に戻る。
ステップS204においてスタートスイッチ41の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値を設定値ワーク112−4に格納して設定値を確定する(ステップS208)。その後、設定キースイッチ92がOFFの状態となるまで待機する(ステップS209)。そして、ステップS209において設定キースイッチ92がOFFの状態になったと判定されると、ステップS201でセットした設定変更中フラグをクリアする(ステップS210)。そして、図11のフローチャートに復帰すると、遊技の進行が可能な状態となってゲーム制御処理に移行する。
図13は、遊技制御基板101のCPU111が実行するRAM異常エラー処理を詳細に示すフローチャートである。RAM異常エラー処理では、ペイアウト表示器51を制御してRAM異常エラーコードをペイアウト表示部21に表示した後(ステップS301)、いずれの処理を行わないループ処理に移行する。
上記のように起動処理においては、設定キースイッチ92がONの状態でない場合に、電源断時に計算したRAMパリティと起動時に計算したRAMパリティとを比較することで、RAM112に記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM異常エラー処理に移行する。RAM異常エラー処理では、RAM異常エラーコードをペイアウト表示部21に表示させた後、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。
RAMパリティが一致しなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラー処理に移行すると、設定キースイッチ92がONの状態で起動し、割込禁止が解除されるまでは、電源が遮断しても電断割込処理は行われない。すなわち、電断割込処理において新たにRAMパリティが計算されて格納されることはないので、制御部110が起動しても設定キースイッチ92がONの状態で起動した場合を除き、常にRAMパリティは一致することがないので、制御部110を起動させてゲームを開始(再開)させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラー状態に一度移行すると、設定キースイッチ92がONの状態で起動し、設定変更処理が行われて設定スイッチ91の操作により新たな設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわち、RAM異常エラー状態に移行した状態では、設定スイッチ91の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを開始(再開)させることが可能となる。なお、RAM異常エラー以外のエラー状態では、RAMパリティの不一致の問題がないため、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93の操作でのみゲームの進行が不能な状態を解除し、ゲームを再開させることができる。
以上のように遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームのついて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものであるが、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へのコマンドの送信は、本発明の説明に必要なものだけを説明し、そうでないコマンドの送信については、説明を省略する。
図14は、遊技制御基板101のCPU111が1ゲーム毎に行うゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS401)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS402)。ここで、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたを含む)にあるときには、賭け数として1が設定されると(これより大きな賭け数は設定されない)、スタートレバー11が操作有効となる。それ以外の遊技状態にあるときには、賭け数として3が設定された後、スタートレバー11が操作有効となる。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭け数(この実施の形態では3)が自動設定され(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)、そのままスタートレバー11が操作有効となる。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS403)。抽選処理では、RAM112における当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる(ステップS404)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。リール3L、3C、3Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とする。その後、停止ボタン12L、12C、12Rが遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。なお、リール回転処理の詳細については後述する。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS402のBET処理で設定した賭け数に応じた入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS405)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS406)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(例えば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグの消去など)も行われる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS403の抽選処理について詳しく説明する。図15は、CPU111がステップS403で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、RAM112の設定値ワーク112−4に記憶されている設定値を読み出し(ステップS501)、読み出した設定値が本来とり得るべき値である1以上6以下の範囲にあるかどうかを判定する(ステップS502)。読み出した設定値が1以上6以下の範囲になければ、RAM異常エラーとなり、図12に示したRAM異常エラー処理を行うものとする。
読み出した設定値が1以上6以下の範囲にあれば、乱数取得処理を行い、サンプリング指令を出力することにより乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116に抽出させ、抽出された乱数を内部抽選用の乱数に加工して、RAM112の内部抽選用の乱数の格納領域に記憶させる(ステップS503)。なお、乱数取得処理の詳細については後述する。
次に、現在の遊技状態に対応して、図5(b)の遊技状態別当選役テーブルに登録されている抽選対象役を順番に読み出す(ステップS504)。次に、読み出した抽選対象の役について図5(c)の役別テーブルに登録されている共通フラグの設定状況を取得する(ステップS505)。この結果、共通フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS506)。
共通フラグが設定されていれば、読み出した抽選対象役について図5(c)の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS507)。そして、ステップS509の処理に進む。共通フラグが設定されていなければ、RAM112に設定されている設定値を読み出し、抽選対象の役について読み出した設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS508)。そして、ステップS509の処理に進む。
ステップS509では、ステップS507またはS508で取得した判定値数をRAM112の判定領域に記憶された内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS510)。
オーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態において抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていないものがあるかどうかを判定する(ステップS511)。未だ処理対象としていないものがあれば、ステップS504の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていないものがなければ、ステップS520の処理に進む。
オーバーフローが生じた場合には、直前のステップS504で読み出した抽選対象役がレギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカまたはビッグボーナス(2)+スイカのいずれかであるかどうかを判定する(ステップS512)。レギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカまたはビッグボーナス(2)+スイカのいずれかである場合には、現在の遊技状態が小役ゲーム中であるかどうかを判定する(ステップS513)。
小役ゲーム中でなければ、特別役一時格納ワークの値が0であるかどうか、すなわち前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、またはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されているかどうかを判定する(ステップS514)。特別役格納ワークの値が0であれば、読み出した抽選対象役に応じてレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグを当選フラグ格納ワークに設定するとともに、スイカ当選フラグを当選フラグ格納ワークに設定する(ステップS515)。そして、ステップS520の処理に進む。
ステップS513で現在の遊技状態が小役ゲームであった場合、またはステップS514で特別役一時格納ワークの値が0でなかった場合には、スイカ当選フラグのみをRAM112に設定する(ステップS516)。そして、ステップS520の処理に進む。
ステップS512で抽選対象役がレギュラーボーナス+スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ及びビッグボーナス(2)+スイカのいずれでもなかった場合には、抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかであるかどうかを判定する(ステップS517)。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかである場合には、特別役一時格納ワークの値が0であるかどうかを判定する(ステップS518)。
特別役一時格納ワークの値が0でなければ、そのままステップS520の処理に進む。ステップS517で抽選対象役がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれでもないか、ステップS518で特別役一時格納ワークの値が0であれば、抽選対象役の当選フラグを当選フラグ格納ワークに設定する。ここで抽選対象役がチェリーA〜チェリーGであれば、チェリーA、チェリーB、チェリーC、チェリーD、チェリーE、チェリーF及びチェリーGの7つの当選フラグを当選フラグ格納ワークに設定する。チェリーB〜チェリーGであれば、チェリーB、チェリーC、チェリーD、チェリーE、チェリーF及びチェリーGの6つの当選フラグを当選フラグ格納ワークに設定する。スイカベル+スイカ、またはスイカベル+ベルであれば、スイカベル当選フラグに重ねて、スイカ当選フラグまたはベル当選フラグを設定する。スイカベル+チェリーA〜チェリーGであれば、スイカベル当選フラグ、チェリーA、チェリーB、チェリーC、チェリーD、チェリーE、チェリーF及びチェリーGの8つの当選フラグを当選フラグ格納ワークに設定する(ステップS519)。そして、ステップS520の処理に進む。
ステップS520では、当選フラグ格納ワークの中位バイト及び下位バイト、すなわち一般役の当選フラグの設定状況に応じた値を一般役一時格納ワークに格納する。次に、当選フラグ格納ワークの上位バイトが0であるかどうか、すなわち今回のゲームではレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも当選していないかどうかを判定する(ステップS521)。当選フラグ格納ワークの上位バイトが0でなければ、当選フラグ格納ワークの上位バイト、すなわち特別役の当選フラグの設定状況に応じた値を特別役一時格納ワークに格納する(ステップS522)。そして、ステップS525の処理に進む。
当選フラグ格納ワークの上位バイトが0であれば、特別役一時格納ワークの値が0であるかどうか、すなわち前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されていないかどうかを判定する(ステップS523)。特別役一時格納ワークの値が0でなければ、その値に応じてレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグを当選フラグ格納ワークの上位バイトに設定する(ステップS524)。そして、ステップS525の処理に進む。特別役一時格納ワークの値が0であれば、そのままステップS525の処理に進む。
ステップS525では、特別役一時格納ワークの値をアキュムレータに書き込む。特別役一時格納ワークに格納されている値を、CPU111のアキュムレータに書き込む。さらに、アキュムレータの下位4ビットの値を上位4ビットにシフトする(ステップS526)。次に、一般役一時格納ワークに格納されている値を、アキュムレータに格納されている値に加算し、これをアキュムレータに格納する(ステップS527)。そして、アキュムレータに格納されている値をインデックス検索ワークに格納する(ステップS528)。
さらに、当選フラグ格納ワークまたはインデックス検索ワークの示す各役の当選フラグの設定状況に応じて当選状況通知コマンドを生成し、これを演出制御基板102に送信する(ステップS529)。そして、抽選処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS503の乱数取得処理について詳しく説明する。図16は、CPU111がステップS503で実行する乱数取得処理を詳細に示すフローチャートである。乱数取得処理では、まず、CPU111に対する割り込みを禁止する(ステップS601)。次に、サンプリング回路116にサンプリング指令を出力し、乱数発生回路115が発生している乱数をラッチさせ、ラッチさせた乱数の値をI/Oポート114から入力して、これを抽出する。乱数発生回路115から抽出された乱数の値は、汎用レジスタ111GRに格納される(ステップS602)。
次に、汎用レジスタ111GRに格納された乱数の下位バイトの値と上位バイトの値を、RAM112の作業領域を用いて互いに入れ替える(ステップS603)。次に、汎用レジスタ111GRに格納された乱数の値を8080hと論理積演算する(ステップS604)。さらに上位バイト(第15〜第8ビット)を1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。このときに汎用レジスタ111GRに格納された値が内部抽選用の乱数として取得され、RAM112の所定の領域に保存される(ステップS605)。そして、ステップS601で禁止した割り込みを許可してから(ステップS606)、乱数取得処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
次に、ステップS403のリール回転処理について詳しく説明する。図17は、CPU111がステップS403で実行するリール回転処理を詳細に示すフローチャートである。リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(例えば、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(ステップS701)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。ウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムの計時を新たに開始する(ステップS702)。
次に、リールモータの回転開始時のワーク初期化コードをレジスタに設定し、リールの回転を開始させる(ステップS703)。このとき、リール3L、3C、3Rが回転開始したことを示すリール回転コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS704)。
その後、インデックス検索ワークの値に応じたテーブルインデックスを参照して、テーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データに基づいて、当該ゲームの遊技状態、内部当選状況、他のリールの停止状況に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に作成する(ステップS705)。また、停止準備完了時のワーク初期化コードをレジスタに設定する(ステップS706)。これにより、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が有効となる。
次に、停止ボタン12L、12C、12Rのいずれかの有効な操作が検出されたか否かを判定する(ステップS707)。いずれの停止ボタンの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ3SL、3SC、3SRによりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定する(ステップS708)。リール回転エラーが発生していなければ、さらに投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入が検出された場合に判定されるエラー)が発生したか否か、及び払出エラー(メダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出が検出された場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定する(ステップS709、S710)。ステップS708〜ステップS710においていずれのエラーの発生も判定されなければ、ステップS707の処理に戻る。
また、ステップS709において投入エラーの発生が判定された場合、またはステップS710において払出エラーの発生が判定された場合には、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS711)、所定のエラー処理に移行する(ステップS712)。そして、エラーが解除された場合には、再びステップS707の処理に戻る。
また、ステップS708においてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS713)、所定のエラー処理に移行する(ステップS714)。これに伴い、リール3L、3C、3Rの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びステップS703の処理に戻り、リール3L、3C、3Rの回転が再開する。
ステップS707において停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出された場合には、操作された停止ボタンに対応するリールモータ(3ML、3MC、3MRのいずれか)における、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定する(ステップS715)。ここで、取得したステップ数に対応した図柄を停止予定図柄として示すリール停止コマンドを生成し、演出制御基板102に送信する(ステップS716)。
その後、操作された停止ボタンに対応するリール(3L、3C、3Rのいずれか)の回転が停止するまで待機する(ステップS717)。そして、操作された停止ボタンに対応するリール(3L、3C、3Rのいずれか)の回転が停止すると、リール3L、3C、3Rの全てが停止したか否かを判定し(ステップS718)、全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止していなければ、ステップS705の処理に戻る。全てのリール3L、3C、3Rの回転が停止していれば、リール回転処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
以上のようにリール回転処理では、リール3L、3C、3Rの回転が開始した後、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。また、RAM112のデータが破壊されていて元の状態に復帰できない場合は、この限りではない。
次に、上記したステップS405の入賞判定処理について詳しく説明する。図18は、CPU111がステップS405で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、可変表示装置2の表示結果のいずれかの入賞ライン上に導出された役図柄に応じた入賞フラグをRAM112の入賞フラグ格納ワークに設定する。例えば、可変表示装置2の入賞ライン上にレギュラーボーナス図柄が揃っている場合には、入賞フラグ格納ワークの上位バイトの最上位ビットの値が1となり、他のビットの値が0となる(ステップS801)。
次に、RAM112の当選フラグ格納ワークの各ビットの値を反転する。例えば、レギュラーボーナス当選フラグのみが設定されていた場合には、当選フラグ格納ワークの上位バイトの最上位ビットの値が0となり、他のビットの値が1となる。そして、当選フラグ格納ワークのデータと入賞フラグ格納ワークのデータとをビット毎に論理和演算する(ステップS802)。そして、ステップS802の論理和演算の結果が0となったかどうかを判定する(ステップS803)。
ステップS802の論理和演算の結果が0となっていない場合には、当選フラグの設定されていなかった役に入賞してしまったということになる。この場合には、所定のエラー処理に移行する。このエラー処理については、本発明と直接的な関係がないため、詳細な説明を省略する。
ステップS802の論理和演算の結果が0となっていた場合には、入賞フラグ格納ワークにリプレイの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイ入賞したかどうかを判定する(ステップS804)。リプレイ入賞していれば、リプレイゲーム中フラグをRAM112に設定する(ステップS805)。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭け数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS817の処理に進む。
リプレイ入賞していなければ、入賞フラグ格納ワークにビッグボーナス(1)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(1)入賞したかどうかを判定する(ステップS806)。ビッグボーナス(1)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、特別役一時格納ワークの値を0に初期化する。また、RAM112のRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS807)。そして、ステップS817の処理に進む。
ビッグボーナス(1)入賞していなければ、入賞フラグ格納ワークにビッグボーナス(2)の入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス(2)入賞したかどうかを判定する(ステップS808)。ビッグボーナス(2)入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、特別役一時格納ワークの値を0に初期化する。また、RAM112のRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS809)。そして、ステップS817の処理に進む。
ビッグボーナス(2)入賞していなければ、入賞フラグ格納ワークにレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、レギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS810)。レギュラーボーナス入賞していれば、レギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、特別役一時格納ワークの値を0に初期化する。また、RAM112のRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS811)。そして、ステップS817の処理に進む。
レギュラーボーナス入賞もしていなければ、入賞フラグ格納ワークにJACINの入賞フラグが設定されているかどうかにより、JACIN入賞したかどうかを判定する(ステップS812)。JACIN入賞していれば、レギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、特別役一時格納ワークの値を0に初期化する(ステップS813)。そして、ステップS817の処理に進む。
JACIN入賞もしていなければ、入賞フラグ格納ワークにチェリーAの入賞フラグが設定されているかどうかにより、チェリーA入賞したかどうかを判定する(ステップS814)。チェリーA入賞していれば、RAM112にレギュラーボーナス中フラグ及びビッグボーナス中フラグのいずれも設定されてなく、且つRAM112のRTカウンタの値が0であるかどうかにより、今回のゲームにおける遊技状態が通常の遊技状態であるかどうかを判定する(ステップS815)。
今回のゲームにおける遊技状態が通常の遊技状態であれば、RAM112のRTカウンタの初期値として101をセットする。ここで、初期値として101をセットするには、次のゲームが開始されるまでにステップS912(後述)でRTカウンタの値が1減算されてしまうので、その分を加味してRTのゲーム数として100ゲームを確保するためである(ステップS816)。そして、ステップS817の処理に進む。リプレイ入賞もしていなければ、そのままステップS817の処理に進む。
ステップS817では、入賞フラグ格納ワークに設定されている入賞フラグ(但し、ハズレの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類、及び当該入賞に伴って払い出されるメダルの枚数を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS406の払出処理について詳しく説明する。図19は、CPU111がステップS406で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、入賞フラグ格納ワークにスイカ、ベル、チェリーのいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS901)。小役入賞していなければ、そのままステップS903の処理に進む。
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルを順次払い出す。但し、データとして蓄積されるクレジットの数が50に達するまでは、メダルを払い出す代わりにクレジットの数を増加させる(ステップS902)。そして、ステップS903の処理に進む。
ステップS903では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであったかどうかを判定する。但し、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのビッグボーナス(1)入賞またはビッグボーナス(2)入賞であって、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであった訳ではないので、ビッグボーナス中フラグが設定されていても、ビッグボーナス中であったと判定されない。当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスでなかった場合には、ステップS907の処理に進む。
ビッグボーナス中であったと判定された場合には、RAM112に設けられたカウンタにより当該ビッグボーナスが開始してからのメダルの払い出し総数をカウントする(ステップS904)。このカウントの結果、メダルの払い出し総数が465枚を越えたかどうかを判定する(ステップS905)。メダルの払い出し総数が465枚を越えていなければ、ステップS907の処理に進む。
メダルの払い出し総数が465枚を越えた場合には、RAM112に設定されているビッグボーナス中フラグを消去すると共に、メダルの払い出し総数をカウントするためのカウンタの値を0に初期化する(ステップS906)。そして、ステップS910の処理に進む。
ステップS907では、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナスで提供された場合を含む)であったかどうかを判定する。但し、レギュラーボーナスまたはJACINの入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのレギュラーボーナス入賞またはJACIN入賞であって、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった訳ではないので、レギュラーボーナス中フラグが設定されていても、レギュラーボーナス中であったと判定されない。
当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった場合には、RAM112に設けられたカウンタにより、当該レギュラーボーナスが開始してから(ビッグボーナスでは、その中で新たなレギュラーボーナスが開始してから)の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントする(ステップS908)。このカウントの結果、当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となったかどうかを判定する(ステップS909)。
当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となった場合には、ステップS910の処理に進む。当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となってなく、且つ当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12ともなっていない場合には、ステップS913の処理に進む。ステップS910では、RAM112に設定されているレギュラーボーナス中フラグを消去すると共に、レギュラーボーナス中の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントするためのカウンタの値をいずれも0に初期化する。そして、ステップS913の処理に進む。
ステップS907で当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスでなかった場合には、RAM112のRTカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS911)。RTカウンタの値が0でなければ、RTカウンタの値を1だけ減算して(ステップS912)、ステップS913の処理に進む。RTカウンタの値が0であれば、そのままステップS913の処理に進む。
ステップS913では、当選フラグ格納ワークに設定されている当選フラグと入賞フラグ格納ワークに設定されている入賞フラグを全て消去する。この処理は、一般ワーク112−2を1ゲーム毎にクリアする処理で実現される。なお、今回のゲームにおいてレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが設定されていて、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しなかった場合でも、特別役一時格納ワークの値はクリアされないので、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが次のゲームに持ち越されることとなる。一方、一般役一時格納ワークの値は、必ず次のゲームの内部抽選の結果に応じて書き換えられるので、一般役の当選フラグが、次のゲームに持ち越されることはない。
次に、RAM112におけるビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグ、並びにRTカウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS914)。そして、払出処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。ここで図14のフローチャートに復帰した場合は、今回の1ゲームにおける処理が終了となる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、RT、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、遊技状態が仮想リールによる図柄の変動表示を含む独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102側の制御により行われる演出の処理について説明する。
図20は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS1001)。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS1002)。
受信したコマンドの種類がステップS529で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、さらに、受信した当選状況通知コマンドが示す当選フラグの設定状況をRAM122の所定の領域に保存する(ステップS1003)。次に、前回のゲームでRAM122に保存した遊技状態(すなわち、今回のゲームにおける遊技状態)がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにあることを示しているかどうかを判定する(ステップS1004)。
ビッグボーナス及びレギュラーボーナスのいずれにもない場合には、RAM122に告知フラグが設定されているかどうかにより、既にボーナス告知が行われているかどうかを判定する(ステップS1005)。ボーナス告知が行われていれば、そのままステップS1001の処理に戻る。ステップS1004でビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにあったときも、そのままステップS1001の処理に戻る。
ステップS1005でボーナス告知が行われていなければ、例えばソフトウェア乱数機能により抽選した乱数により、ボーナス告知を行うか否か、及びボーナス予告を行うか否かを決定する告知/予告決定抽選を行う。ボーナス告知を行うものと決定するのは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選していることが大前提となるが、遊技状態がRTに制御されている場合には、いずれにしてもボーナス告知を行わない。すなわち、遊技状態がRTに制御されている場合には、ボーナス予告を行うか否かを決定する予告決定抽選のみが行われる(ステップS1006)。
次に、この告知/予告決定抽選においてボーナス告知を行うこと、またはボーナス予告を行うことが決定されたかどうかを判定する(ステップS1007)。ボーナス告知もボーナス予告も行わないことが決定された場合には、そのままステップS1001の処理に戻る。ボーナス告知またはボーナス予告を行うことが決定された場合には、該抽選にて決定された態様で液晶表示器4においてボーナス告知またはボーナス予告を行う(ステップS1008)。
次に、ここで行ったのがボーナス告知であったかボーナス予告であったかを判定する(ステップS1009)。ボーナス告知であった場合には、RAM122に告知フラグを設定して(ステップS1010)、ステップS1001の処理に戻る。ボーナス予告であった場合には、RAM122に予告フラグを設定して(ステップS1011)、ステップS1001の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS705で送信されたリール回転コマンドであった場合には、まず、前回のゲームで受信したリール停止コマンドに基づいてRAM122に保存した可変表示装置2における図柄の表示態様を示す情報をクリアする(ステップS1012)。さらに、仮想リールを液晶表示器4に表示させて、仮想リールによる図柄の変動表示を開始させる(ステップS1013)。そして、ステップS1001の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS716でリール3L、3C、3Rの回転が停止させられる度に送信されたリール停止コマンドであった場合には、当該リール停止コマンドが示すリール3L、3C、3Rに導出された図柄を示す情報をRAM122の所定の領域に保存する(ステップS1014)。さらに、RAM122に保存した当選フラグの設定状況を示す情報とリール3L、3C、3Rの停止状況を示す情報とを参照して、停止されたリール3L、3C、3Rに合わせて3つのうちのいずれかの仮想リールを停止させ、可変表示装置2に導出された図柄に対応した図柄を仮想リールに導出させる(ステップS1015)。そして、ステップS1001の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS817で送信された入賞情報コマンドであった場合には、受信した入賞情報コマンドが示す入賞情報をRAM122に保存する(ステップS1016)。ここで、何らかの役の入賞が発生していた場合には、当該入賞した役の種類に応じた態様で晶表示器4に画像を表示し、スピーカ7L、7R、7Uから音声を出力させ、遊技効果LED75A〜75Mを点灯させ、リールランプ3LPを点灯させるなど、入賞した役の種類に応じて定められた演出を実行する(ステップS1017)。
次に、RAM122に告知フラグが設定されているかどうかにより、液晶表示器4にてボーナス告知を行っているかどうかを判定する(ステップS1018)。ボーナス告知を行っていれば、受信した入賞情報コマンドがレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS1019)。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の入賞を示していれば、ここで当該ボーナス告知を終了させ、RAM122に設定されている告知フラグを消去する(ステップS1020)。そして、ステップS1001の処理に戻る。ステップS1015でレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれにも入賞していなかった場合には、そのままステップS1001の処理に戻る。
ステップS1030でボーナス告知を行っていなかった場合には、RAM122に予告フラグが設定されているかどうかにより、液晶表示器4においてボーナス予告を行っているかどうかを判定する(ステップS1021)。ボーナス予告を行っていれば、ここで当該ボーナス予告を終了させ、RAM122に設定されている予告フラグを消去する(ステップS1022)。そして、ステップS1001の処理に戻る。ボーナス予告を行っていなければ、そのままステップS1025の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS914で送信された遊技状態コマンドであった場合には、まず、受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態をRAM122に保存する。ここで、RAM122には過去2回分の遊技状態を保存する領域があるため、前回の遊技状態をシフトして、今回受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態を保存する(ステップS1023)。
次に、今回のゲームで保存した遊技状態と前回のゲームで保存した遊技状態とを比較して、今回のゲーム限りでRTが終了となったかどうかを判定する(ステップS1024)。今回のゲーム限りでRTが終了となったのでない場合、すなわち前回以前のゲームから既にRTとなっていなかったか、次のゲームでもRTが継続する場合には、そのままステップS1001の処理に戻る。
今回のゲーム限りでRTが終了となっていた場合には、ステップS1003で保存した当選状況がレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を示しているかどうかを判定する(ステップS1025)。レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)のいずれの当選も示していなければ、そのままステップS1001の処理に戻る。
レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかの当選を示していれば、液晶表示器4においてボーナス告知を行う。また、既にボーナス告知を行った旨を示す告知フラグをRAM122に設定する(ステップS1026)。そして、ステップS1001の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(本発明と関係ないので、詳細は省略)を実行する(ステップS1027)。その後、ステップS1001の処理に戻る。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、通常の遊技状態においてチェリーAに入賞すると、遊技状態がRTに制御される。RTの遊技状態は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しない限り、100ゲームの間継続するものとなっている。もっとも、可変表示装置2にチェリーAの表示態様が導出される以外に、遊技状態がRTに制御されたことを特定可能な如何なる情報も遊技者に報知されることはない。
スロットマシン1における各ゲームの結果は、リール3L、3C、3Rから構成される可変表示装置2に導出された表示態様によって示されるものであるが、可変表示装置2の表示態様に対応した表示態様が液晶表示器4に表示される仮想リールによっても示される。液晶表示器4は、可変表示装置2よりも大きく、遊技者の目線の高さに近くて視認しやすいものである。
ここで、可変表示装置2を構成するリール3L、3C、3Rの停止には、停止ボタン12L、12C、12Rの操作から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で停止しなければならないという制約が課されているが、液晶表示器4に表示される仮想リールの停止に対しては、このような制約が課されていない。このため、液晶表示器4の仮想リールを停止させるときには、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rを停止させるときには不可能な多様な演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、ベル、リプレイには取りこぼしがない。チェリーA〜チェリーGに入賞させるために左のリール3Lに対して目押しが必要となるが、チェリーA〜チェリーGのうちでRTへの制御を伴うチェリーAに入賞させるために右のリール3Rを目押ししなければならないということはない。リール3L、3C、3Rの全てに目押しが必要となるレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)の当選確率は低いので、レギュラーボーナス以外の遊技状態では、ボーナス告知やボーナス予告がされた場合を除いて、左のリール3L以外は、ほぼ目押しをしなくても遊技を進めることができるものとなる。また、液晶表示器4の仮想リールには可変表示装置2の表示結果に対応した表示態様が導出されるので、左のリール3Lを除いては可変表示装置2そのものを見る必要もなくなっている。
一方、遊技状態をRTに制御する契機となるチェリーAの表示態様が可変表示装置2に導出されたときに、液晶表示器4の仮想リールに導出される表示態様は、チェリーB〜チェリーGの表示態様が導出されたときに仮想リールに導出される図柄の組み合わせと変わりがなく、他にRTに制御された旨を示す演出を行うこともない。このため、可変表示装置2へのチェリーAの表示態様の導出を遊技者に気づかせないようにすることができ、RTへの制御を察知されないようにすることができる。また、チェリーAに入賞したときも、チェリーB〜チェリーGに入賞したときもメダルの払出枚数は変わらないので、払い出されたメダルの数によってチェリーAの入賞かチェリーB〜チェリーGの入賞かを区別することもできず、さらにRTへの制御を察知されないようにすることができる。
しかも、可変表示装置2に表示されたチェリーAの表示態様も、チェリーB〜チェリーGの表示態様との違いは、右のリール3Rに導出された図柄だけである。メダルの払出枚数も同じであり、可変表示装置2に導出された表示態様を見たときに、仮に目押しの必要であった左のリール3Lへの「チェリー」の導出を認識できたとしても、右のリール3Rに導出された図柄の違いを認識できない限り、遊技者にはチェリーA〜チェリーGのいずれかの表示態様の導出が分かるのみで、チェリーAの表示態様の導出が分からない。チェリーAもチェリーB〜チェリーGも、中のリール3Cについての図柄の種類を問わない。
従来の多くのスロットマシンで、左のリール3Lに「チェリー」の図柄が導出されたことによって、中と右のリール3C、3Rに導出された図柄の種類を問わずに小役入賞となる役を適用している。このような従来のスロットマシンでの遊技に慣れた遊技者にとっては、左のリール3Lの図柄が「チェリー」で共通するチェリーAとチェリーB〜チェリーGの区別がつきにくい。チェリーA〜チェリーGのいずれもが中のリール3Cの図柄の種類を問わないことも表示態様の種類を豊富にするとともに、従来のスロットマシンの場合と共通しているので、チェリーAとチェリーB〜チェリーGとの区別をつきにくくさせる。このため、実際には可変表示装置2の表示結果としてチェリーAが導出されているときでも、これが遊技者にとって分かりにくいものとなるので、RTへの制御を察知されにくいようにすることができる。
チェリーAの入賞により遊技状態がRTに制御されると、リプレイ当選確率が高くなり、リプレイ入賞が頻繁に発生することとなるので、可変表示装置2へのチェリーAの表示態様の導出を遊技者が見逃していたとしても、遊技状態がRTにあると想像がつくようになる。液晶表示器4の仮想リールへのチェリーの導出(或いは左のリール3Lへの「チェリー」の図柄の導出)だけは遊技者が認識できているものと考えると、仮想リールへチェリーが導出される(或いは左のリール3Lへ「チェリー」の図柄が導出される)ことでRT抽選が行われ、その結果によって遊技状態がRTに制御されたような印象を遊技者に与えることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、通常の遊技状態からRTに遊技状態を制御する契機となるチェリーAは、チェリーB〜チェリーGよりも優先して導出されると言っても、停止ボタン12Lの操作タイミングによっては左のリール3Lに「チェリー」を導出させることができないので、当選していても取りこぼすことがある。このため、RTへの制御に対して技術介入性が損なわれることはなく、さらに遊技の興趣を向上させることができる。RT移行抽選を別個に行う必要がないので、処理負荷が大きくなりすぎることもない。
内部抽選では、チェリーA〜チェリーGの7種類か、チェリーB〜チェリーGの6種類が同時に抽選対象となっているが、当選フラグ格納ワークにおける当選フラグは、チェリーA、チェリーB、チェリーC、チェリーD、チェリーE、チェリーF、チェリーGのそれぞれで別個に設定されるものとなっている。例えば、チェリーA〜チェリーGに当選した場合は、チェリーA当選フラグ、チェリーB当選フラグ、チェリーC当選フラグ、チェリーD当選フラグ、チェリーE当選フラグ、チェリーF当選フラグ及びチェリーG当選フラグの7つの当選フラグが設定されるものとなる。一方、入賞フラグ格納ワークに設定される入賞フラグも、チェリーA、チェリーB、チェリーC、チェリーD、チェリーE、チェリーF、チェリーGのそれぞれで別個に定められている。
このように異なる表示態様に対して、別個の当選フラグ、別個の入賞フラグを定めることによって、例えば、この実施の形態にかかるスロットマシン1の仕様を利用して新たなスロットマシンを設計する場合において、当該新たなスロットマシンでチェリーAのみを入賞役として定め、チェリーB〜チェリーGを入賞役として定めない場合でも、容易に設計変更が行えるようになる。左のリール3Lに「チェリー」が導出されたことのみでチェリーの入賞となり、これとRTの制御が関係ないスロットマシンにも、チェリーB〜チェリーGを抽選対象とする部分の削除と、チェリーAの導出でRTに制御される部分を削除するだけで設計変更できる。
これに対して、特開平6−327809号公報に記載されているように、異なる表示態様に共通した当選フラグを定める(この実施の形態では、チェリーA〜チェリーGで共通の当選フラグと、チェリーB〜チェリーGで共通した当選フラグを定めることになる)場合、左のリール3Lに「チェリー」が導出されたことのみでチェリーの入賞とする場合の変更箇所は比較的少ないものの、チェリーAのみを入賞役として定めるには、大幅な設計変更が必要となってしまう。
さらに、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、当選フラグの設定されていない役の不正入賞が発生していないかどうかをチェックするため、当選フラグ格納ワークと同一形態の入賞フラグ格納ワークを用意し、可変表示装置2の入賞ライン上に図柄の揃った役に対応した入賞フラグを設定している。そして、当選フラグ格納ワークのデータを論理反転させた後、入賞フラグ格納ワークのデータとビット毎に論理積演算をしている。これにより、不正入賞の判定が容易に行えるようになる。
ここで、不正入賞の判定を行うために当選フラグ格納ワークのデータを論理反転させることで当選フラグ格納ワークの内容が書き換わってしまうため、当選フラグ格納ワークを一般ワーク112−2に設けて、そのデータを1ゲーム毎にクリア、すなわち全ての当選フラグを1ゲーム毎に消去するものとしている。もっとも、リール制御の選択のためにも用いるものではあるが、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選をその入賞まで更新されない特別役一時格納ワークに書き込んでいる。これにより、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグを入賞するまで持ち越すことができるようになる。
しかも、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ以外の当選フラグのみを1ゲーム毎に消去するのではなく、当選フラグ格納ワーク全体を含む一般ワーク112−2を1ゲーム毎にクリアしている。このため、RAM112の一般ワーク112−2と他のワークにまたがって当選フラグ格納ワークを用意する必要がなく、設計時において当選フラグ格納ワークの置かれた位置の見通しが良くなる。さらに、リプレイや小役の当選フラグのみをビット単位で消去するという処理も必要ないので、処理が容易になる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1においては、仮想リールの表示以外の演出として、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している旨を確定的に報知するボーナス告知や、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選している可能性がある旨を報知するボーナス予告が行われている。このボーナス告知やボーナス予告により、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選に対する遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、RTの遊技状態は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しない限り、100ゲームの間継続する。すなわち、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しただけでは、RTが終了することはないので、100ゲームの継続期間というRTの利益を遊技者が失わないで済む。一方、RTで100ゲームを消化したときにおいてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していれば、必ずボーナス告知が行われるものとなる。これにより、RTの終了するゲームでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)への当選の期待感を遊技者に与えることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、ビッグボーナスは、消化ゲーム数に関わらず、メダルの払い出し枚数が465枚を越えると終了するものとなっている。ここでビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナスを含む)中のゲームでは、リプレイが内部抽選の対象役として定められていないので、リプレイ入賞することがない。リプレイは、遊技者の手持ちのメダルを減らさないものであるがメダルの払い出しを伴わないので、ビッグボーナスの終了条件となる払い出しメダル枚数に影響しない。つまり、ビッグボーナス中にリプレイ入賞させても不必要にビッグボーナスのゲーム数を増やすだけのものとなってしまうので、リプレイをビッグボーナスにおける内部抽選の対象役として定めないことで、ビッグボーナスの遊技状態を無駄に長引かせることがなく、遊技を効率よく進めることができるようになる。
また、ビッグボーナスにおいて小役ゲームからレギュラーボーナスに遊技状態を移行させるためのJACINの表示態様は、「リプレイ−リプレイ−JAC」の組み合わせにより構成され、他の役の表示態様として使用されていないものである。このため、可変表示装置2に導出された表示態様と入賞となる役との関係が明確になり、遊技者にとっては遊技性が分かりやすいものとなる。
リール3L、3C、3Rの回転は、停止ボタン12L、12C、12Rの操作がストップスイッチ42L、42C、42Rで検出されてから190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で停止されることとなるが、この間に4コマを引き込むことができるので、停止すべき図柄は5コマの範囲から選ぶことができる。JACIN、ベル、スイカまたはリプレイに当選しているときには、これを取りこぼすことがない。
特に遊技状態がレギュラーボーナスに制御されている場合には、スイカ、ベルまたはチェリーA〜チェリーGに重複当選する場合を含めると、100%の確率でスイカベルに当選することとなる。スイカベルは、取りこぼしの生じ得ない役であり、しかも、スイカ、ベルまたはチェリーA〜チェリーGとの重複当選の場合にも優先して導出される役である。さらに、スイカベルは、スイカ、ベルまたはチェリーA〜チェリーGよりも入賞時におけるメダルの払出枚数の多い役であり、遊技状態がレギュラーボーナスに制御されているとき(ビッグボーナス中でレギュラーボーナスに制御されているときを含む)にしか当選しない、すなわち入賞することがあり得ない役である。
これにより、遊技状態がレギュラーボーナスに制御されているときには、遊技者が全く目押しをしなくても済むようになり、簡単に遊技を進められるようになるとともに、賭け数の設定に用いるメダルの量を最小限に抑えて規定枚数のメダルの払出を受けることができるようになる。また、遊技状態がレギュラーボーナスに制御されているときには、可変表示装置2の表示結果として常にスイカベルが導出されているので、可変表示装置2の表示結果によってもレギュラーボーナスに制御されていることが遊技者にとって分かり易いものとなる。一方、レギュラーボーナス以外の通常遊技状態や小役ゲームではスイカベルに入賞することはなく、1回の小役入賞による遊技者の手持ちのメダルの増加幅が大きくならないので、レギュラーボーナス以外の遊技状態では、レギュラーボーナスに比べて、いわゆる出玉の変化が大きくなり過ぎることがない。
また、停止操作位置(リール基準位置からのステップ数に対して割り当てられた領域)に対して停止位置(表示結果)が一意的に定められた複数の停止制御テーブルのうち、全てのリールが回転中においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われる。一方、いずれかのリールが既に停止している場合においては、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようになっており、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置(表示結果))の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。このため、従来のように一の内部当選状態に対して複数の停止制御テーブルからいずれか1つの停止制御テーブルを内部抽選とは異なる抽選(例えばリール制御の振分抽選など)などによりさらに選択する必要がなく、リールを停止させる際の制御が複雑化することがない。
上記したように遊技状態毎に役別テーブルに登録されている各抽選対象役の判定値数の格納先のアドレスは、設定値に応じて異なっている場合もあるが、設定値に関わらずに当選確率を同一とするものとした役については、設定値に関わらずに判定値数が共通化して格納されるものとなる。このように判定値数を共通化して格納することで、そのために必要な記憶容量が少なくて済むようになる。もっとも、役別テーブルにおいて、内部抽選の対象役と設定されている賭け数とが同じで設定値に応じて参照される判定値数を格納したアドレスが異なっていても、異なるアドレスにおいて格納されている判定値数が同じである場合がある。
一般に開発段階においては、少なくとも一部の役について設定値に応じて判定値数を調整しながら(すなわち、内部抽選の当選確率を調整しながら)、シミュレーションを行っていくものとしている。当初の判定値数として、設定値に応じて異なる判定値数を登録しておいたが、シミュレーションにより調整を行った結果として、設定値が異なる場合の判定値数が同一になる場合もある。当初の判定値数として、設定値に応じて同一の判定値数を登録しておいたが、シミュレーションの結果により当初から登録してあった判定値数がそのまま用いられる場合もある(シミュレーションの結果により当初とは異なる判定値数すなわち、設定値に応じて異なる判定値数となる場合もある)。そして、それぞれの場合におけるシミュレーションで適切な結果の得られた判定値数を、量産用の機種に設定する判定値数として選ぶものとしている。
ここで、シミュレーションにより調整された判定値数が結果として設定値に関わらずに同じになったとしても、その開発段階でのアドレス割り当てと同じアドレスの割り当てで判定値数をROM113に記憶して、そのまま量産用の機種とすることができる。このため、量産用の機種において判定値数の格納方法を開発用の機種から変更する必要がなく、最初の設計段階から量産用の機種に移行するまでの開発を容易に行うことができるようになる。
また、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、その加算の結果がオーバーフローしたか否かによって、それぞれの役の当選の有無を判定するものとしている。このため、各役の判定値数をそのまま用いて内部抽選を行うことができる。なお、実際の当選判定を行う前に当選判定用テーブルを生成する場合にはループ処理が2回必要になるが、この実施の形態によれば、抽選処理におけるループ処理が1回で済むようになり、抽選処理全体での処理効率が高いものとなる。
また、通常遊技状態またはRTにおける判定値数には、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、またはビッグボーナス(2)と、スイカとの両方を抽選対象とするものが登録されている。ここで、前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグのいずれも持ち越されていない、すなわち特別役一時格納ワークの値が0であれば、内部抽選用の乱数の値によっては、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、またはビッグボーナス(2)と、スイカの両方に当選となる。
ここで、抽選対象の一方の役であるスイカの当選に基づいて設定されたスイカ当選フラグに基づいて、可変表示装置2の表示結果により「スイカ」の小役に入賞したとしても、依然としてレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグのいずれかが設定されているという可能性もある。このため、「スイカ」の小役に入賞したときであっても、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、またはビッグボーナス(2)の当選も遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、乱数取得処理によって取得される内部抽選用の乱数は、サンプリング回路116により乱数発生回路115から抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工してから使用するものとしている。乱数発生回路115は、パルス発生回路115aのパルス信号の周波数で高速に更新して乱数を発生しているが、ソフトウェアにより加工した後の内部抽選用の乱数では、その加工によって更新の周期性が失われるものとなる。
これに対して、内部抽選では各役に対応した判定値数を内部抽選用の乱数の値に順次加算していくことにより行うため、各役を当選とする内部抽選用の乱数の値は、固まってしまうこととなる。これに対して、ソフトウェアによる加工で内部抽選用の乱数の周期性を失わせ、その値をバラつかせることによって、遊技者による狙い打ちを可能な限り防ぐことができる。
しかも、乱数発生回路115のカウンタ115b、115cの値を更新させるためにパルス発生回路115aが発生するパルス信号の周波数は、CPU111の動作クロックの周波数よりも高く、整数倍ともなっていない。このため、乱数発生回路115が発生する乱数の更新が、CPU111が行う処理と同期しにくくなる。しかも、パルス発生回路115aのパルス信号の周波数の方を高くすることで、乱数発生回路115が発生する乱数の更新速度を非常に速いものとすることができる。
一方、ソフトウェアによる乱数の加工は、サンプリング回路116により乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイトと下位バイトとを入れ替え、第15、第7ビットをマスクした後、上位バイトをビットシフトするだけでよい。従って、16ビット(実際にはマスクされて14ビット)という比較的大きな乱数であっても、周期性を失わせるために必要な加工の処理に要する負荷がそれほど大きくならず、容易に取得することができる。このように大きな乱数が取得できることで、内部抽選における確率設定を細かく行うことができるようになる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、RAM112に記憶されているデータに異常が生じた場合には、RAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち、RAM112に記憶されているデータに異常が生じても、スロットマシン1により自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行われるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、内部抽選において抽選対象の役に当選とするか否かを決定する際に、設定値ワーク112−4に格納されている設定値が適正な値(1〜6の範囲の値)でなければ、デフォルトの設定値(例えば、設定1)に基づく確率で当選とするか否かを決定するのではなく、この場合にもRAM異常エラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化されると共に、設定変更モードに移行し、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわち内部抽選において抽選対象となる役に当選とするか否かの決定を適正に行うことができない場合も、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、RAM112に記憶されたデータに異常が生じるのは、停電時や制御部110が暴走する等、制御に不具合が生じて制御を続行できないときがほとんどである。これらの状態から復旧して制御部110が起動するときにおいてのみデータが正常か否かの判断を行うようになっているので、RAM112に記憶されたデータが正常か否かの判定をデータに異常が生じている可能性が高い状況においてのみ行うことができる。すなわち、RAM112に記憶されたデータに異常が生じている可能性の低い状況では、当該判定を行わずに済み、制御部110の負荷を軽減させることができる。
また、特に電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力により実行される電断割込処理において、RAM112に記憶されているデータに基づいてRAMパリティを計算してパリティ格納領域112−7にセットし、次回起動時において、その際に計算して得られたRAMパリティをパリティ格納領域112−7に格納されていたRAMパリティと比較して、RAM112のデータが正常であるか否かを判定している。このように電源が遮断されたときに生じる電圧低下信号の入力時と起動時のRAMパリティを比較するのみでRAM112のデータが正常か否かを判定できるので、当該判定を正確且つ簡便に行うことができる。
また、RAM112のデータに異常が生じて、ゲームの進行が不能化された場合には、ゲームの進行が不能化された状態を解除する条件となる設定値の変更操作が有効となる設定変更モード(設定変更処理)へ移行することに伴って、RAM112に記憶されているデータが初期化される。このため、RAM112のデータに異常が生じたことに伴うデータの初期化と設定値の選択・設定に伴うデータの初期化とを1度で行うことができるので、無駄な処理を省くことができる。
さらに、制御部110の起動時には、RAM112のデータが正常であるか否かを判定する前に、設定キースイッチ92がONの状態であるか否かを判定し、その時点で設定キースイッチ92がONの状態であると判定した場合には、RAM112のデータが正常であるか否かの判定は行わずに、設定変更モードに移行する。こうしてRAM112のデータが正常であるか否かの判定を行わずに新たに設定値が選択・設定されることにより、無駄な処理を省くことができるようになる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rにより図柄を変動表示させる他に、これよりも視認容易に設けられた液晶表示器4に表示される仮想リールにより演出用図柄を変動表示させるスロットマシン1を例として本発明を説明した。もっとも、チェリーAとチェリーB〜チェリーGの表示態様は比較的区別しがたいものであるので、液晶表示器4の位置に概略液晶表示器4の大きさで構成される可変表示装置を設けるものとしてもよい。仮想リールの表示は必要ない。この場合でも、遊技者がチェリーAの入賞を見逃してしまうことが十分に考えられるため、本発明の効果を得られるものとなる。
上記の実施の形態では、RTへの制御を伴うチェリーAに入賞したときも、RTへの制御を伴わないチェリーB〜チェリーGに入賞したときも、1入賞ライン当たり2枚のメダルが払い出されるものとしていた。もっとも、チェリーAに入賞したときのメダルの払出枚数とチェリーB〜チェリーGに入賞したときのメダルの払出枚数とは、異なっていてもよい。ここで、チェリーA〜チェリーGに当選しているときにチェリーAを優先して導出させるためには、チェリーAに入賞したときにおけるメダルの払出枚数を、チェリーB〜チェリーGに入賞したときにおけるメダルの払出枚数以上にすればよい。
なお、チェリーAに入賞したときのメダルの払出枚数とチェリーB〜チェリーGに入賞したときのメダルの払出枚数とを異なる枚数とする場合には、前者を2枚、後者を1枚とすることが好ましい。この場合、チェリーAに入賞したときは、同時にチェリーB〜チェリーGのいずれかに入賞し、合計3枚のメダルが払い出されることとなる。一方、チェリーA以外のチェリーB〜チェリーGの2つに入賞したときには、合計2枚のメダルが払い出されることとなる。通常の遊技状態では、賭け数の設定に3枚のメダルを消費しているので、ゲームの開始時点で蓄積されているクレジットの数は最大でも47枚ということになる。メダルの払出枚数が3枚でも2枚でも、それはクレジットへ蓄積されるだけのものとなって、スロットマシン1の外部にメダルが排出されることがないので、メダルの払出枚数の違いによってチェリーAへの入賞を遊技者に気づかせにくくすることができるからである。
上記の実施の形態では、右のリール3Rについて「チェリー」の図柄が7コマ間隔で配置されているため、チェリーA〜チェリーGに当選しているときには、停止ボタン12Rの操作タイミングに関わらず「チェリー」の図柄を上段または下段に停止させることができ、左のリール3Lについて「チェリー」を導出させることができる限り、必ずチェリーAに入賞するものとなっていた。もっとも、右のリール3Rにおける図柄配列を「チェリー」の図柄が8コマ以内で配置された箇所を含むものとしてもよい。
ここで、チェリーA〜チェリーGに当選しているときには、停止ボタン12Lの操作タイミングにより「チェリー」を上段または下段に停止させることができれば、これを導出させるものとして、左のリール3Lについて「チェリー」を導出させることができる限り、必ずチェリーAに入賞させるものとすることができる。右のリール3Rについて「チェリー」を導出させることができなければ、それ以外の図柄を右のリール3Rの上段及び下段に停止させ、チェリーB〜チェリーGのうちの2つに入賞させるものとすることができる。
この場合、チェリーB〜チェリーGのうちの2つに入賞した場合でも、チェリーA〜チェリーGに当選していて、当選していたチェリーAを取りこぼしたのか、そもそもチェリーAに当選していなかったのが遊技者に分からないので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。もっとも、チェリーAに当選している場合には、チェリーAをチェリーB〜チェリーGに優先して導出させるため、リール制御が容易となるとともに、遊技者に損をさせることはない。
上記の実施の形態では、RTの移行を伴うチェリー(チェリーA)の表示態様を「チェリー−ANY−チェリー」とし、RTの移行を伴わないチェリー(チェリーB〜チェリーG)の表示態様を「チェリー−ANY−BAR/7/JAC/リプレイ/スイカ/ベル」としていた(“/”は、チェリーB〜チェリーGにそれぞれ対応する図柄を分けて示すものである)。これに対して、RTの移行を伴うチェリーの表示態様を「チェリー−ANY−チェリー/BAR」(リプレイA、リプレイB)、RTの移行を伴わないチェリーの表示態様を「チェリー−ANY−7/JAC/リプレイ/スイカ/ベル」(リプレイC〜リプレイG)としてもよい。この場合、リプレイA〜リプレイGが抽選対象となる場合と、リプレイC〜リプレイGが抽選対象となる場合があればよい。
また、RTの移行を伴うチェリーの表示態様を「チェリー−チェリー−ANY」、RTの移行を伴わないチェリーの表示態様を「チェリー−BAR/7/リプレイ/スイカ/ベル−ANY」としてもよい。RTの移行を伴うチェリーの表示態様を「ANY−チェリー−チェリー」とし、RTの移行を伴わないチェリーの表示態様を「BAR/7/リプレイ/スイカ/ベル−ANY−チェリー」としてもよい。
また、RTの移行を伴うチェリーの表示態様を「チェリー−チェリー−チェリー」とし、RTの移行を伴わないチェリーの表示態様を「チェリー−チェリー−BAR/7/JAC/リプレイ/スイカ/ベル」としてもよい。RTの移行を伴うチェリーとRTの移行を伴わないチェリーとで、左と右のリール3L、3Rについての「チェリー」を共通化させた場合や、中と右のリール3C、3Rについての「チェリー」を共通化させたものも可能である。RTの移行を伴うチェリーの表示態様を「チェリー−チェリー−チェリー」とし、RTの移行を伴わないチェリーの表示態様を「チェリー−BAR/7/リプレイ/スイカ/ベル−BAR/7/JAC/リプレイ/スイカ/ベル」としてもよい。
リール3L、3C、3Rのうちで特定の1または2のリールにおいて、RTの移行を伴う場合も伴わない場合も特定の種類の図柄が導出された表示態様となることで共通していて、他の1または2のリール(特定のリールを2つとした場合は他の1のリール)において、特定のリールにおいて特定の種類の図柄が導出された入賞ライン上に第1の種類の図柄(複数種類あっても可)が導出されたときにRTへの移行を伴う小役となり、第1種類の図柄とは異なる第2種類の図柄(必ずしも残りの全種類とする必要はない)が導出されたときにRTへの移行を伴わない小役となるのであればよい。
特定のリールを2つとした場合において、RTの移行を伴う小役の表示態様が異なる特定のリールでは異なる種類のものとなることとしてもよい。例えば、左と中のリール3L、3Cを特定リールとして適用した場合に、RTの移行を伴う小役の表示態様を「チェリー−ベル−チェリー」、RTの移行を伴わない小役の表示態様を「チェリー−ベル−BAR/7/JAC/リプレイ/スイカ/ベル」としてもよい。特定のリールを1つとした場合において、他の2つのリールに図柄の種類を問わずに小役入賞とするリールがないならば、RTの移行を伴う小役の表示態様が入賞ライン上において異なるリールでは異なる種類のものとなることとしてもよい。例えば、左のリール3Lを特定のリールとして適用した場合、RTの移行を伴う小役の表示態様を「チェリー−ベル−チェリー」、RTの移行を伴わない小役の表示態様を「チェリー−BAR/7/リプレイ/スイカ/チェリー−BAR/7/JAC/リプレイ/スイカ/ベル」としてもよい。
上記の実施の形態では、可変表示装置2にチェリーAの表示態様が導出される以外、遊技状態がRTに制御される(制御された)ことを遊技者が外部から認識可能に報知することはなかった。これに対して、チェリーAの入賞により遊技状態がRTに制御された後、所定の条件が成立したときに遊技状態がRTに制御されている旨を報知するものとしてもよい。RTに制御されている旨を報知する場合でも、RT残りゲーム数(または消化ゲーム数)を報知しない方が好ましい。
例えば、RTの遊技状態においてリプレイ入賞(取りこぼしがないのでリプレイ当選と同義になる)が3ゲーム続いたことを契機として、遊技状態がRTに制御されている旨を報知してもよい。RT報知の条件となるリプレイ入賞の連続回数は、2ゲームまたは4ゲーム以上としてもよい。さらに、RTにおけるリプレイ入賞の発生が所定の条件を満たせば、リプレイ入賞が完全に連続している場合に限らなくてもよい。
例えば、1ゲームだけリプレイ入賞しなかった場合はカウントの対象としないリプレイ入賞の断続であってもよい。例えば、リプレイ→非リプレイ→リプレイ→非リプレイ→リプレイと入賞が断続して発生した場合もRT報知を行う条件とすることができる。また、最近の所定ゲーム数の間に発生したリプレイ入賞の回数が所定回数となった場合をRT報知を行う条件とすることもできる。例えば、最近の4ゲーム中3ゲームでリプレイ入賞が発生したことを条件とするなら、リプレイ→リプレイ→非リプレイ→リプレイとなった場合もRT報知を行うものとすることができる。このような場合、必要に応じてRAM122に保存される入賞情報のゲーム数を増やせばよい。
このようなリプレイ入賞の履歴に基づいてRT報知を行うものとする場合、判断対象となる履歴は、遊技状態がRTに制御された後の履歴に限るものとしても、RTに制御される前からの履歴を含むものとしてもよい。例えば、最近の4ゲーム中3ゲームでリプレイ入賞が発生したことを条件とする場合にリプレイ→リプレイ→RT→リプレイの順で可変表示装置2の表示結果が導出されたものとすると、前者の場合は、RT入賞の後のリプレイ入賞ではRT報知がされないが、後者の場合は、RT入賞の後のリプレイ入賞でRT報知がされるものとなる。
なお、このようなリプレイ入賞の履歴の判断は、RTに制御されているときに限って実行される処理としても、RTに制御されているか否かに関わらずに実行される処理としてもよい。後者の場合は、リプレイ入賞の履歴がRT報知の契機として定められた条件を満たすと判断した後、遊技状態がRTにあるかどうかを判断して、RTに制御されているならRT報知を行うものとすればよい。
さらに、リプレイ入賞の発生とは無関係に遊技状態がRTに制御されている旨を報知することがあってもよい。例えば、遊技制御基板101から送られてくるコマンドにより演出制御基板102のCPU121が特定できる限り、RT残りゲーム数が20ゲーム未満となったことでRTに制御されている旨を報知してもよい。さらに、RT残りゲーム数が20ゲーム以上50ゲーム未満であるときには、RT報知抽選に当選したことを条件としてRT報知を行い、RT残りゲーム数が20ゲーム未満となったときには必ずRT報知を行うものとしてもよい。RT残りゲーム数に関わらずに行われる抽選に当選したことを条件にRT報知を行うものとしてもよい。ここで、RT残りゲーム数に応じてRT報知抽選の当選確率を変えるものとしてもよい。
上記の実施の形態のようにRTゲーム数が固定であれば、RT残りゲーム数を基準とすることはRT消化ゲーム数を基準とするのと同義となるが、RTゲーム数が可変であれば、RT残りゲーム数を基準としてRT報知を行っても、RT消化ゲーム数を基準としてRT報知を行ってもよい。さらに、3ゲーム以上続けてハズレが続かなくなったことなど、リプレイ以外の役の当選および/または入賞が所定の条件を満たしたときに報知を行うものとしてもよい。リプレイ以外の役の当選および/または入賞と、RT残りゲーム数またはRT消化ゲーム数を組み合わせてもよく、さらには抽選を組み合わせて、RT報知を行うものとしてもよい。
さらに、RTの遊技状態でリプレイ入賞が3ゲーム続いた(上記したような別の条件に代えてもよい。以下、この段落の説明において同じ)ときにRTに制御されている旨の報知を所定の態様の演出で行うものとした場合、通常の遊技状態でリプレイ入賞が3ゲーム続いたときにも、RTに制御されている旨の報知と同様の態様の演出を行うものとするが、演出の最終結果としてRTに制御されていない旨を報知してもよい。この場合、通常の遊技状態でたまたまリプレイ入賞が3ゲーム続いた場合でも、演出によってRTに遊技状態が制御されていることを遊技者に期待させることができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、RTの継続ゲーム数は100ゲーム(但し、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまで)であった。もっとも、RTの継続ゲーム数は、100ゲームに限るものではない。RTの継続ゲーム数は、予め固定されたゲーム数とするのではなく、例えば、抽選により決定される可変のゲーム数としてもよい。
上記の実施の形態では、他の小役よりも多い15枚のメダルの払い出しを伴うスイカベルは、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときのみ内部抽選の対象となり、他の小役との重複当選の場合を含めて必ず当選するものとなっていた。また、メダルの払出枚数が最大となる小役は、スイカベルの1種類であった。しかしながら、レギュラーボーナス以外の遊技状態であっても、メダルの払出枚数が最大となる小役も抽選対象となるものとしてもよい。例えば、上記の実施の形態では、レギュラーボーナス以外の遊技状態における抽選対象の役として、スイカの代わりにスイカベルを適用してもよい。レギュラーボーナス以外の遊技状態で抽選対象となる小役には、レギュラーボーナスで抽選対象となるメダルの払出枚数が最大となる種類の小役が含まれていても、含まれていなくてもよい。
上記の実施の形態では、遊技状態がレギュラーボーナスに制御されているゲームでは、スイカまたはベルと同時に当選する場合を含めて、必ずスイカベルに当選するものとしていた。しかしながら、上記のように入賞したゲーム数をレギュラーボーナスの終了条件として規定した場合には、遊技状態がレギュラーボーナスに制御されているゲームにおいてスイカベル以外の役に単独で当選することがないのであれば、スイカベルにも当選せずにハズレとなることがあってもよい。この場合には必ずしもレギュラーボーナスにおいて賭け数の設定に消費されるメダルの数を最小とすることはできないが、払出メダル枚数はレギュラーボーナス毎に常に最大とすることができるので、遊技者の得られる利益を小さくしてしまうことがない。
上記の実施の形態では、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)と、スイカとを同時に抽選対象としていた。これを含めて、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)といった特別役の抽選と、非特別役(小役、リプレイ)の抽選は、同じ流れの中で行うものとしていた。これに対して、特別役の抽選と非特別役の抽選とは、別々に行うものとしてもよい。
図21は、この変形例において適用される当選判定用テーブルを模式的に示す図である。図22は、この変形例において適用される抽選処理を詳細に示すフローチャートである。これ以外の構成及び処理については、上記の実施の形態にかかるスロットマシン1と同一であるものとする。
図21に示すように、当選判定用テーブルとしては、遊技状態別の小役当選判定用テーブルとボーナス当選判定用テーブルがあり、ROM113に予め格納されている。小役当選判定用テーブル及びボーナス当選判定用テーブルは、いずれも設定値に応じて用意され、抽選処理においては設定値に応じたものが用いられるものとなっているが、ここでは、図示を省略している。なお、小役ゲームにおけるJACINは、特別役であるが、通常の遊技状態またはRTにおけるレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のように当選フラグの持ち越しがないので、小役当選判定用テーブルに判定値の範囲が登録されるものとなっている。
ここで、図21(a)に示すように、通常の遊技状態にあって前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されていないときには、通常の遊技状態に対応した小役テーブル(1)とボーナス当選判定用テーブルの双方を用いて、内部抽選が行われる。なお、図21(a)において、斜線を付している範囲は、内部抽選用の乱数の値がこの範囲の値であれば、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)とスイカに重複して当選となる範囲である。
一方、通常の遊技状態にある場合であっても、前回以前のゲームからレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されているときには、図21(b)に示すように、通常の遊技状態に対応した小役テーブル(1)のみが用いられて、内部抽選が行われる。
なお、遊技状態がRTにあるときにも、通常の遊技状態の場合と同じ手法により内部抽選が行われるが、RTにおいて用いられる小役テーブルでは、通常の遊技状態の小役テーブルでハズレとなっている範囲であってボーナステーブルでハズレとなっている範囲に重複する範囲に、リプレイに当選となる判定値の範囲が含まれる。ボーナステーブルは、通常の遊技状態、RTで共通して用いられる。
遊技状態が小役ゲームにあるとき、或いはレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、そもそもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)の抽選を行わないので、図21(c)、(d)にそれぞれ示すように、小役ゲームに対応した小役テーブル(2)のみ、或いはレギュラーボーナスに対応した小役テーブル(3)のみが用いられて、内部抽選が行われる。
図22に示す抽選処理において、ステップS1101〜S1103の処理と、ステップS1102で設定値が1以上6以下の範囲にないと判定されたときにRAM異常エラー処理に移行する点については、上記の実施の形態における抽選処理(図15のステップS501〜S503)と同じである。また、当該ゲームにおける抽選結果が確定した後の処理(ステップS1114〜S1123)の処理についても、図15のステップS520〜S529の処理と同じである。
ステップS1103において内部抽選用の乱数を取得した後、現在の遊技状態(通常、RT、小役ゲーム、またはレギュラーボーナス)と設定値に応じて用意された小役当選判定用テーブルを、内部抽選に用いる当選判定用テーブルとして設定する(ステップS1104)。次に、設定した小役当選判定用テーブルに登録されている各役の当選となる判定値と、ステップS1103で取得した内部抽選用の乱数の値とを順次比較し(ステップS1105)、設定した小役当選判定用テーブルに登録されているいずれかの役に当選したかどうかを判定する(ステップS1106)。
いずれかの役に当選した場合には、当選した役の当選フラグを当選フラグ格納ワークに設定するここで、チェリーA〜チェリーGに当選した場合は、チェリーA当選フラグ、チェリーB当選フラグ、チェリーC当選フラグ、チェリーD当選フラグ、チェリーE当選フラグ、チェリーF当選フラグ及びチェリーG当選フラグを重複して設定する。チェリーB〜チェリーGに当選した場合は、チェリーB当選フラグ、チェリーC当選フラグ、チェリーD当選フラグ、チェリーE当選フラグ、チェリーF当選フラグ及びチェリーG当選フラグを重複して設定する(ステップS1107)。そして、ステップS1108の処理に進む。いずれの役にも当選しなかった場合には、そのままステップS1108の処理に進む。
ステップS1108では、RAM112にレギュラーボーナス中フラグまたはビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナス(小役ゲーム)であるかどうかを判定する。現在の遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであれば、そのままステップS1114の処理に進む。
現在の遊技状態がレギュラーボーナスでもビッグボーナスでもなければ、通常の遊技状態またはRTのいずれかであるが、この場合には、特別役一時格納ワークの値が0であるかどうかを判定する(ステップS1109)。特別役一時格納ワークの値が0でなければ、前回のゲームからのレギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグの持ち越しとなるので、そのままステップS1114の処理に進む。
特別役一時格納ワークの値が0であれば、設定値に応じたボーナス当選判定用テーブルを、内部抽選に用いる当選判定用テーブルとして設定する(ステップS1110)。次に、設定したボーナス当選判定用テーブルに登録されている各役の当選となる判定値と、ステップS1103で取得した内部抽選用の乱数の値とを順次比較し(ステップS1111)、設定したボーナス当選判定用テーブルに登録されているいずれかの役に当選したかどうかを判定する(ステップS1112)。いずれかの役に当選した場合には、当選した役の当選フラグを当選フラグ格納ワークに設定し(ステップS1113)、ステップS1114の処理に進む。いずれの役にも当選しなかった場合には、そのままステップS1114の処理に進む。
このように特別役と非特別役とで別個の当選判定用テーブルを用意しておき、通常の遊技状態またはRTにおいて内部抽選用の乱数の値が特別役に当選となる値に対応するとともに非特別役(ここでは、スイカ)にも当選となる値に対応するときには、特別役と非特別役とに同時に当選することとなる。この場合、小役やリプレイなどの非特別役の当選フラグに基づいて、可変表示装置2の表示結果が小役やリプレイの入賞(ここでは、スイカの入賞)となったとしても、なおも特別役にも当選していたという可能性がある。これにより、特別役の当選に対する遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、内部抽選の結果として特別役に当選しなくても、小役やリプレイには当選しているという可能性があるので、遊技者の期待感の維持を図ることができる。さらに、通常の遊技状態またはRTにおいて、前回以前のゲームにおける内部抽選の結果で既に特別役一時格納ワークの値が0となっていれば、小役当選判定用テーブルとボーナス当選判定用テーブルの双方を用いて内部抽選を行うが、特別役一時格納ワークの値が0となっていなければ、小役当選判定用テーブルのみを用いて内部抽選を行えばよいこととなる。これにより、通常の遊技状態及びRTにおける内部抽選を簡単な処理で行うことができるようになる。
この変形例では、特別役の当選の判定に用いる内部抽選用の乱数も非特別役の当選の判定に用いる内部抽選用の乱数も同一のものであったが、互いに別々の乱数を用いるものとしてもよい。また、特別役一時格納ワークの値が0であるか否かに関わらず、通常の遊技状態またはRTにおいては小役当選判定用テーブルとボーナス当選判定用テーブルの両方を用いて抽選を行うようにし、特別役一時格納ワークの値が0でないときにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したときには、その当選を無効とするものとしてもよい。
上記の実施の形態では、役別テーブルに登録されたアドレスに記憶された判定値数を内部抽選用の乱数に加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じたときに、当該役に当選するものとしていた。これに対して、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
上記の実施の形態では、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状況に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状況に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、3つのリール3L、3C、3Rのうち一部が既に停止されている場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようになっていた。ここで、停止済みのリールの停止位置の代わりに、当該リールを停止させるために停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときの位置(すなわち、当該リールのステップ数)を適用するものとしてもよい。この場合も、上記の実施の形態における停止制御テーブルの選択と同様に、リールを停止させる際の制御が複雑化することがないという効果を得ることができる。
上記の実施の形態では、乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイト全体を下位バイトで置換し、下位バイト全体を上位バイトで置換するという入れ替えを行っていた。これに対して、乱数発生回路115から抽出した乱数のビットのうちの特定のビットのデータを他のビットのデータ(但し、マスクされる第7、第15ビット以外)で置換するだけであってもよい。また、乱数発生回路115から抽出した乱数の値を、そのまま内部抽選用の乱数として取得するものとしてもよい。さらに、上記の実施の形態とは異なる方法により内部抽選用の乱数に加工するものとしてもよい。
図23は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS503、S1103)の第1の変形例の説明図である。この第1の変形例でも、乱数発生回路115から抽出された乱数は、CPU111が有する16ビットの汎用レジスタ111GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路115から抽出された乱数が汎用レジスタ111GRに格納されると、CPU111は、さらに内部のリフレッシュレジスタ111Rの値を加工用の乱数として抽出する。CPU111は、汎用レジスタ111GRの上位バイトの値(上位カウンタ115cから抽出した値)にリフレッシュレジスタ111Rから抽出した加工用の乱数を加算する。汎用レジスタ111GRの下位バイトの値(下位カウンタ115bから抽出した値)は、そのままにしておく。
次に、CPU111は、汎用レジスタ111GRの値、すなわち上位バイトに加工用の乱数を加算した値を、8080hと論理積演算をする。さらに、CPU111は、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。CPU111は、このときに汎用レジスタ111GRに格納されている値を内部抽選用の乱数として取得し、これに判定値数を順次加算していくものとなる。
図24は、乱数発生回路115から抽出した乱数をCPU111がソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理(ステップS503、S1103)の第2の変形例の説明図である。この例でも、乱数発生回路115から抽出された乱数は、CPU111が有する16ビットの汎用レジスタ111GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路115から抽出された乱数が汎用レジスタ111GRに格納されると、CPU111は、さらに内部のリフレッシュレジスタ111Rの値を加工用の乱数として抽出する。CPU111は、汎用レジスタ111GRの上位バイトの値(上位カウンタ115cから抽出した値)にリフレッシュレジスタ111Rから抽出した加工用の乱数を加算する。また、汎用レジスタ111GRの下位バイトの値(下位カウンタ115bから抽出した値)にもリフレッシュレジスタ111Rから抽出した加工用の乱数を加算する。
次に、CPU111は、汎用レジスタ111GRの値、すなわち上位バイト及び下位バイトにそれぞれ加工用の乱数を加算した値を、8080hと論理積演算をする。さらに、CPU111は、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。CPU111は、このときに汎用レジスタ111GRに格納されている値を内部抽選用の乱数として取得し、これに判定値数を順次加算していくものとなる。
以上説明した第1、第2の変形例では、リフレッシュレジスタ111Rの値を加工用の乱数として抽出し、これを乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイト(第2変形例では、さらに下位バイト)に加算して、乱数の加工を行うものとしている。ここで適用した乱数の加工には、少なくとも加工用の乱数を上位バイトに加算する処理を含んでいる。これにより、内部抽選用の乱数のバラツキを大きくすることができ、遊技者による狙い打ちを可能な限り防ぐことができる。
また、加工用の乱数をリフレッシュレジスタ111Rから抽出するものとしたことで、加工用の乱数を生成する手段として特別な構成が必要ない。しかも、リフレッシュレジスタ111Rの値は、CPU111の命令フェッチ毎に更新されるもので、その更新間隔は一定しないので、ランダム性の高い乱数を加工用の乱数として抽出することができる。そして、加工用の乱数のランダム性が高いことから、これを用いて生成される内部抽選用の乱数のランダム性も高くなる。
なお、上記第1、第2の変形例において、乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイト(及び下位バイト)にリフレッシュレジスタ111Rから抽出した値を加算していたが、リフレッシュレジスタ111R以外でハードウェアまたはソフトウェアにより周期的に更新される値を加算してもよい。また、リフレッシュレジスタ111Rから抽出した値(或いは、リフレッシュレジスタ111Rに代わるものの値)を加算するのではなく、減算や、論理和、論理積などの論理演算を行ってもよい。
また、上記の実施の形態で示した上位バイトと下位バイトとの入れ替えのようなビットの置換を、第1、第2の変形例に併用するものとしてもよい。上記第1、第2の変形例においても、乱数発生回路115からの乱数の抽出から加工を終了するまでの間は、汎用レジスタ111GRの内容が書き換えられてしまうのを防ぐため、CPU111に対する割り込みが禁止されるものとなる。
また、第2の変形例においては、乱数発生回路115から抽出した乱数の上位バイトと下位バイトにそれぞれ加算する加工用の乱数を、リフレッシュレジスタ111Rから異なるタイミングで別々に抽出してもよい。上位バイトに加算する加工用の乱数を更新する手段と、下位バイトに加算する加工用の乱数を更新する手段とを別々に用意し、それぞれから上位バイト用、下位バイト用の加工用の乱数を抽出する手段を設けるものとしてもよい。この場合において、上位バイト用の加工用の乱数を更新する手段と下位バイト用の加工用の乱数を更新する手段の一方をリフレッシュレジスタ111Rによって構成するものとすることができる。
なお、上記の実施の形態、及び第1、第2の変形例のいずれにおいても、第7、第15ビットがマスクされて、内部抽選用の乱数が生成されるものとしていた。すなわち、内部抽選用の乱数の値は、14ビットにより表されるもので、0〜16383の範囲をとるものであった。もっとも、第7ビット、第15ビットのマスクを行うことなく、16ビットにより表される値をそのまま内部抽選用の乱数として適用することもできる。この場合、内部抽選用の乱数がとり得る値の範囲に応じて、内部抽選の対象役毎の判定値数をROM113に登録しておくものとすればよい。
一方、上記の実施の形態、及び第1、第2の変形例のように第7、第15ビットをマスクして内部抽選用の乱数を生成するものとした場合には、当該マスクした2ビットにより表される数値を、内部抽選とは別の決定(例えば、演出の種類の選択など)を行うための乱数として適用することができる。これにより、乱数発生回路115から抽出した乱数の全てのビットを有効に用いることができる。
上記の実施の形態では、乱数発生回路115が発生する乱数、すなわちハードウェア乱数機能により抽出した乱数をソフトウェアにより加工する場合に本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、上記したソフトウェアによる乱数の加工は、ソフトウェアにより周期的に更新される乱数に適用してもよい。例えば、制御部110を構成するマイクロコンピュータとは第1のマイクロコンピュータにおいてタイマ割り込みなどにより周期的に更新される乱数を、CPU111が第2のマイクロコンピュータに指示を送って抽出させ、I/Oポート114を介してCPU111に入力して、汎用レジスタ111GRに格納するものとすることができる。第2のマイクロコンピュータの機能は、制御部110を構成するマイクロコンピュータに含まれていてもよい。この場合にも、加工後に取得される乱数の値をバラつかせることができるようになり、遊技者による狙い打ちの防止の効果を図ることができる。
上記の実施の形態では、判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、或いはビッグボーナス(2)といった役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあり得ない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、判定値数は、設定値1〜6の全体に共通して記憶されているか、設定値1〜6のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1〜6の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、例えば、設定値1〜3については判定値数が共通、設定値4〜6については判定値数が共通のものとすることもできる。
上記の実施の形態では、小役ゲーム、通常の遊技状態またはRTにおいては、賭け数として3を設定することのみによりゲームを開始させることができた。これに対して、小役ゲーム、通常の遊技状態またはRTにおいても、賭け数として1を設定してゲームを開始させることをできるようにしたり、さらには賭け数として2を設定してゲームを開始させることをできるようにしてもよい。
小役ゲーム、通常の遊技状態並びにRTで賭け数として1または2が設定されていたときには、賭け数として3が設定されたときよりも内部抽選における小役の当選確率を低下させるともに、小役に入賞したときの払い出しメダル枚数を増加させることができる。また、小役ゲーム、通常の遊技状態及びRTにおいて賭け数として1、2、または3のいずれも設定できるスロットマシンでは、判定値数は、設定値1〜6の全体に共通して記憶される役があるだけではく、賭け数1〜3の全体に共通して記憶される役があるものとしてもよい。この場合は、賭け数に応じても判定値数の記憶領域を小さくすることができ、さらに記憶容量の削減を図ることができる。
上記の実施の形態では、遊技状態がビッグボーナスにある場合において、まず小役ゲームに制御し、さらに小役ゲームでのJACIN当選に基づいてJACIN入賞することで、遊技状態をビッグボーナス中のレギュラーボーナスに制御するものとしていた。もっとも、ビッグボーナス)における遊技状態をレギュラーボーナスに制御する条件はこれに限るものではなく、例えば、スタートレバー11の操作時にRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、これを設定してレギュラーボーナスに制御するものとしてもよい。つまり、ビッグボーナスは、払出メダル枚数が規定枚数に達するまで、レギュラーボーナスの繰り返しにより提供されるものとすることができる。
上記の実施の形態では、当選フラグの設定状況に基づいてリール制御テーブルを予め選択し、リール3L、3C、3Rの停止時においてリール制御テーブルを参照して図柄の停止位置を決定し、当該停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンにも本発明を適用することができる。
コントロール方式では、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときに、対応するリール3L、3C、3Rについてその時点で表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(表示されている図柄と引き込み分を含めて合計5コマの範囲)に、当選フラグの設定されている役の図柄があるかどうかを判定する。当選フラグの設定されている役の図柄(重複当選時には、導出が優先される役の図柄から判断する)があれば、当該役を入賞させるための図柄を選択して入賞ライン(既に停止しているリールがあるときには、停止しているリール上の図柄とともに入賞の表示態様を構成可能な入賞ライン)上に導出させる。そうでなければ、いずれの役にも入賞させないための図柄を選択して導出させる。すなわち、このコントロール方式によりリール3L、3C、3Rの停止を制御する場合も、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されてから最大停止遅延時間の範囲で図柄を停止させることにより導出可能となる表示態様であって当選フラグの設定状況に応じた表示態様が、可変表示装置2の表示結果として導出されるものとなる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
上記の実施の形態では、賭け数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭け数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭け数を設定するものに相当する。