図1は、本発明のいくつかの側面に従う光美容装置100のいくつかの基本的な構成要素の概略図である。領域110は、患者の皮膚のある領域であり、その上において、選択された光美容処理が実行される。皮膚領域110は、表皮層120と真皮層130との間内に基底層140を有する。一般に、光美容処理は、表皮層120又は真皮層130内に位置するターゲット領域を処理することを含む。例えば、脱毛の場合、毛嚢160の球150を加熱することが望ましいかもしれない。あるいは、球150の一部のみ、例えば、乳頭と小胞(毛嚢)との間の基底膜152が加熱され得る。
本発明のいつくかの実施形態において、装置100の主要なサブシステムは、ハンドピース170と、ベースユニット120と、ハンドピース170をベースユニット120に連結するコード126とを含む。ベースユニット120は、出力制御電子機器回路122及び電磁放射(EMR)源125に対する電源124を含み得る。電源124は、コード126を介してハンドピース170に連結され得る。コード126は、好ましくは軽量でフレキシブルである。あるいは、後述の図21に関連して説明されるように、コード126は省かれ得、また、ベースユニット120は、ハンドピース170内に配置された再充電可能な電源(例えばバッテリー又はコンデンサー)のための充電ステーションとして使用され得る。いくつかの実施形態において、ベースユニット120は、ハンドピース170内に再充電可能な電源及びACアダプターを組み込むことにより、完全に除去され得る。
ハンドピース170は、患者の皮膚と接触するように構成された処理ヘッド180(単にヘッドともいう)と、患者の皮膚にわたるどの方向へもヘッド180を移動させるべくオペレーターが把持し得るハンドル190とを含む。例えば、ヘッド180は、皮膚にわたって前方向105へと押され得、又は後方向106へと引かれ得る。一般に、所与のストロークの間、ヘッド180の移動中、ヘッド180と患者の皮膚110との間の接触は維持される。ハンドピース170は、患者の皮膚領域110にわたって機械的に駆動され得、又は手動走査され得る。良好な熱的及び光学的接触を保証するため、ヘッド180と皮膚110とのしっかりした接触が好ましい。より詳細に後述されるように、本発明のいくつかの実施形態において、ヘッド180及び/又は皮膚領域110は、該ヘッドに対する損傷を防ぎ、また皮膚損傷(例えば傷)の発生を低減するため、受動的又は能動的な冷却装置によって冷却される。
模範的な実施形態において、源125は、ハンドピース170内、例えばヘッド180内に配置される。あるいは、源125は、ベースユニット120内に配置されて、光ファイバー128を介してヘッド180に連結される。光ファイバー128は、患者の皮膚へと光を送り届けるため、ハンドル190を通って伸長し得、又は、ヘッド180に別の方法で連結され得る。
いくつかの実施形態において、制御部122は、ライン132を通じてヘッド180から情報、例えば、ヘッド180と皮膚110の接触に関連する情報、患者の皮膚上におけるヘッド180の運動の速度、及び/又は皮膚の温度を受け取る。制御部122は、制御信号をヘッド180へとライン132を通じて送り得る。ライン132は、ハンドル190を通ってヘッド180に連結されるか又は別の方法で該ヘッドに連結され得るケーブルの一部であり得る。制御部122は、源125の操作を制御するために出力を発生させもし得、また、該源から情報を受け取りもし得る。制御部122は、選択された出力装置119の制御もし得る。該出力装置としては、例えば、音声出力装置(例えばブザー)、光学出力装置、感覚出力装置(例えばバイブレーター)、又はオペレーターに対する他のフィードバック制御がある。オペレーターの好みに応じて、他の一般的に用いられる出力装置も使用され得る。いくつかの実施形態において、出力装置119は、ハンドピース170内に配置される。
図2Aは、本発明のいくつかの側面に従う、患者の皮膚領域110における光美容処置の実行に使用するための照明システム200の一例の側面図である。図2Bは、図2Aの2B−2B’線に沿う患者の照射を受けた皮膚領域110の概略上面図である。本発明の模範的な実施形態において、EMR源204を含むシステム200は、EMR源が皮膚面110近くに位置付けられるように、光美容装置のヘッド(例えば、図1のヘッド180)内に設置される。
実行される処理に応じて、源204は、単一波長、複数波長で又はある波長帯域において放射するように構成され得る。源204は、コヒーレント光源であり得、その例として、ルビー、アレキサンドライト、又は、他の固体レーザー、ガスレーザー、ダイオードレーザーバーもしくは他の適当なレーザー光源がある。あるいは、源204は、非コヒーレント光であり得、その例として、LED、アークランプ、フラッシュランプ、蛍光灯、ハロゲンランプ、ハライドランプ、又は他の適当なランプがある。
複数の光学素子から成る光学システム206は、面207を有し、該面は、EMR源204からの放射を送るためのものであり、かつ、患者の皮膚110に接触させるためのものである。光学システム206の更なる詳細は、図12〜16に関連して後述される。句「光学システム」は、本書面中では、光美容処置の実行に適したいかなるタイプの光学的放射をも送信するためのシステムを指すために用いられる。
いくつかの実施形態において、源204は、x方向に伸長した寸法を有する(例えば、該光源は、実質的に直線状である。)。当業者は、複数の点光源が、実質的な直線状源を形成するために結合され得ることを理解するであろう。その上、比較的小さい直線状源は、単一のより長い連続的直線状源、又は一もしくは複数の途切れを有するより長い直線状源を形成するために結合され得る。例えば、源204は、1cm長の放射ライン(emission line)及び数ミクロンの幅を有するダイオードレーザーバーであり得る。随意的に、源204は、2cm又は3cm長の放射ラインを作り出すため、X方向に沿う線に配置される二本又は三本のバーを含み得る。
あるいは、直線状源は、ライン幅が広がった源を形成するため、y方向に互いに隣接して配置され得る。システム200は、一又は複数の源204と同様の又は該源204とは異なる構成の一又は複数の追加の源205を含み得る。二つの源を有する実施形態において、源204及び源205は、同一の又は異なる波長範囲で照射し得る。
複数のEMR源204、205を有する実施形態において、ある所与の処理では、選択された源のみを作動させることが望ましいかもしれない。例えば、異なる波長を放射する(複数の)源を有する実施形態において、ある用途、例えば脱毛の場合、選択された一又は複数の源のみを作動させることが好ましいであろうし、また、他のある用途、例えば座瘡処理又は皮膚の若返りでは、選択された一又は複数の他の源を作動させることが好ましいであろう。源はある波長で放射を発するものとして述べたが、当業者は、どのような放射源でも有限の波長範囲にわたって光を作り出し、従って、指定の波長がより広い範囲の一部であり得ることを理解するであろう。
放射源204は、パルス波源又は持続波(連続波(CW))源であり得る。脱毛のような大領域範囲を要する用途では、CWダイオードレーザーバーが好ましいであろう。種々の皮膚障害の処理のための、持続波(CW)光源を利用する方法は、Altshuler等の米国特許第6,273,884号B1、タイトル「Methods and Apparatus for Dermatology Treatment(皮膚科学処理のための方法及び装置)」に記載され、その内容は参照により本書面中に組み込まれる。この特許のいくつかの側面は、接触光学送出システムと組み合わせたCW光源の使用を教示し、該接触光学送出システムは、目標とした生物学的組織に正確な温度上昇を引き起こすため、皮膚面にわたって手動走査されるか又は機械的に駆動される(すなわち連続的接触走査(CCS))。
ほとんどの業務用のダイオードレーザーバーは、5000時間以上の寿命を呈示するが、本発明に従う用途では、10〜100時間の寿命を要求するに過ぎないであろう。従って、本発明のいくつかの実施形態において、源204は、放射出力を高め、従って該ダイオードレーザーをより高温で動作させるために電流で過度に働かされ得、これにより寿命を犠牲にする。
本発明での使用に適したダイオードレーザーバーは、790〜980nmの波長又は他の適当な波長で放射するダイオードレーザーを含む。本発明のいくつかの側面での使用に適したダイオードレーザーバーの源(出所)の例には、カリフォルニア州サンタクララのコヒーレント社(Coherent Inc.)、又はカリフォルニア州マウンテンヴューのSpectra Physicsが含まれる。源204、205の上記例は模範的であり、当然のことながら、本発明の側面は、現在入手可能であるか又はまだ開発されていない適当なEMR源を使用する装置類を含む。
本発明のいくつかの実施形態、例えば、低出力であるか又は患者の皮膚の小領域の処理である実施形態では、LEDは、光源204、205として使用され得る。LEDは、広範囲の放射波長で利用可能である。上述のダイオードレーザー源と同様に、異なる波長で放射する複数のLEDが、単一の光学システムに使用可能である。LEDの典型的な寿命は、50,000時間の範囲である、レーザーダイオードと同様に、より大きい光出力(光学倍率)を発生させるために、LEDを過度に働かせて、寿命を犠牲にすることが可能であろう。高出力密度を要する用途では、反射集信機(例えば放物面反射体)が、皮膚面でのスポットサイズを縮小するために使用可能である。
広帯域源(例えば、低出力ハロゲンランプ、アークランプ及びハライドランプ)は、源204、205として使用可能な別の種類の光源である。一又は複数の光学フィルター240及び242は、ある所与の用途に所定の波長帯域を与えるために使用可能である。複数のランプは、高出力を発生させるために結合され得、また、LEDの場合と同様に、集信機が、皮膚面でのスポットサイズを縮小するために使用され得る。いくつかの実施形態において、いくつかの異なる種類の光源が、光美容装置(例えば、図1の装置100)に組み込まれ得る。
システム200のいくつかの実施形態において、ビームスプリッター230は、源204からの放射を分割し、EMRの第1部分及びEMRの第2部分を形成する。該第1部分及び第2部分は、フィルター240及び242によってそれぞれフィルター処理され得る。フィルター処理後、該第1及び第2部分は、同じか又は異なる波長範囲を有し得る。第1及び第2部分の機能は、同じであるか又は異なり得る。例えば、EMRの第2部分の機能は、EMRの第1部分による処理の準備において、患者の皮膚110を予熱するためであり得る。あるいは、EMRの第1部分及び第2部分の両方が処理を与え得る。
図2Bを参照して、いくつかの実施形態において、光学システム206(図2A)は、患者の皮膚110における第1軸線211に沿う放射の第1領域210を形成するように構成される。放射の第1領域210は、源204(図2A)からの少なくとも電磁放射の第1部分から形成される。いくつかの実施形態において、第2軸線221に沿う放射の第2領域220が患者の皮膚110に形成される。放射の第2領域220は、放射源204からの電磁放射の第2部分から形成され得る。あるいは、放射220の第2領域は、第2放射源205(図2A)からの光から形成され得る。
本発明のいくつかの側面において、第1軸線211及び第2軸線221は平行である。しかしながら、他の実施形態において、軸線211、221は平行ではない。システム206は、第2領域220からある選択された距離の第1領域210を形成するように構成され得、又は、放射の第1部分が放射の第2部分の少なくとも一部と重なり合うように構成され得る。随意的に、システム206は、上記第1部分及び第2部分を実質的に線として形成する(例えば焦点を合わせて又は平行にして)ように構成される。光学システム200は、皮膚面において一又は複数の光の線を作り出すように構成され得、各線は、1〜300mm長及び0.1〜10mm幅を有する。ビームの非点収差は、0.01〜0.5の範囲であり得る。用語「非点収差」は、本書面中では、ビーム長に対するビーム幅の比を意味するように定義される。また、随意的に、システム206は、患者の皮膚110における追加の軸線(図示せず)に沿う放射の一又は複数の追加の領域を形成するように構成され得る。該放射の追加領域は、放射源204又は205からの電磁放射の対応追加部分から形成されるか、又は、一又は複数の追加の放射源からの放射の対応追加部分から形成される。
図3は、光美容処置の実行に使用するための照明システム300の別の例の側面図であり、これは、患者の皮膚110のある領域に二つの放射領域311、316を形成することができるものである。システム300において、単一の光学システム206(図2)の代わりに、二つの光学システム310、315それぞれが、対応する放射領域311、316(例えば、放射領域210、220)をもたらす。該線をもたらすのに使用される放射は、二つの源304、305から、又は図2に関連して上述した単一の分割された源からであり得る。
図4は、処理の(複数の)アイランドの形成に適した照明システム400の一例の上面図である。システム400は、複数の源410(例えば、線又は円形スポットの照明を照射する慣用のレーザーダイオード)を含み、各源は、光を皮膚のある領域上へと向けるための対応する光学システム415を有する。図示のシステムは、皮膚の領域内において処置の(複数)アイランドを有する焦点スポットの正方(又は任意の形状の)行列を作り出すために使用され得る。本書面中に用いられる用語「アイランド」は、指定の処理領域であって他の指定の処理領域から分離された領域を意味するように定義され、ここでは、二つ又は三つ以上の領域間の上記他の指定の処理領域が、該指定の処理を成し遂げるために必要な量より少ない量の放射を受けるようにされる。照射のアイランドは、Andersonによる2001年12月27日付け米国予備特許出願第10/033,302号、タイトル「EMR処理のための方法及び装置」においてより詳細に論じられている。その内容は参照により本書面中に組み込まれる。
高出力源を利用する本発明に従う光美容装置の実施形態では、消費者に対する傷及び他の障害を避けるため、該源からの廃熱の管理が重要である。例えば、ハンドピース内にダイオードレーザーバーを含む光美容装置の場合、電気エネルギーの60%までが、非光学的廃熱において消散され得る。傷を避けるための熱の除去に加えて、熱の除去は、源の過熱や源の寿命の短縮を防ぐために重要である。
図5は、本発明の側面に従うヘッド500の一実施形態の概略側断面図である。ヘッド500は照明システムを含み、該システムは、EMR源(例えばダイオードレーザーバー510)と光学システム520とを含む。ヘッド500は、光学素子を保護すると共に光美容装置のオペレーターを保護するため、ハウジング内に設置され得る。ハウジングは、不明瞭にならないように省略される。図5において、ダイオードレーザーバー510は、電磁放射源(例えば、図2の源204)として動作し、また、一又は複数の放射領域(例えば、図2の210、220)を形成するために使用され得る。ダイオードレーザーバー510は、陽極515と陰極516との間に設置される。電極515、516は、ダイオードレーザーバー510に対し電力を供給し、また、優れた導電率を有するどのような適当な材料からでも成り得る。いくつかの実施形態において、電極515、516は、ダイオードレーザーバー510と熱的接触し、また、良好な熱伝導率を有して、廃熱をダイオードレーザーバー510から引き離す。例えば、電極515及び516は、アルミニウム又は銅から成り得る。
随意的に、ダイオードレーザーバー510からの廃熱は、電極515及び516を介してヒートシンク530へと移され得る。ヒートシンク530は、ダイオードバー510から廃熱を引き離すため、良好な熱伝導率を有するどのような材料からも成り得る。例えば、ヒートシンク530は、アルミニウム又は銅から成り得る。ヒートシンク530は、空気流を含む既知のどのような適当な方法によっても冷却され得る。随意的に、冷却は、ヒートシンク530へフィン(図示せず)を付加することにより、高められ得る。あるいは、ヒートシンク530は、図6〜11に関連して後述される一又は複数の熱除去方法によって冷却され得る。また、随意的に、ヒートスプレッダー522が、電極515、516とヒートシンク530との間に設けられ得る。ヒートスプレッダー522は、電極515、516及びヒートシンク530に熱的に連結される。ヒートスプレッダー522は、良好な熱伝導率を有するどのような適当な材料からも成り得る。好ましくは、ヒートスプレッダー522は電気的絶縁性である。ダイヤモンド及び炭素繊維が、ヒートスプレッダーとしての使用に適した二つの材料例である。
いくつかの実施形態において、電極515、516は、廃熱をダイオードレーザーバー510から引き離すヒートシンクであるように構成される。従って、ヒートシンク530及びヒートスプレッダー522は省かれ得る。そのような実施形態において、電極515及び516は、良好な熱伝導率及び導電率を示すいかなる材料からも成り得る。随意的に、一又は複数の熱センサー524(例えば、熱電対、サーミスター)は、後述される冷却システムに使用するため、患者の皮膚が示す温度(例えば、光学システム520と電極516との境界面における温度)を監視するために使用され得る。
ダイオードレーザーバー510は、バー510と電極515及び516との間の良好な電気的接触を維持することができるどのような方法によっても電極515、516に固定され得る。廃熱の移送が望まれる実施形態において、良好な熱的及び電気的接触を実現するどのような適当な方法をも使用され得る。一実施形態において、ダイオードレーザーバー510は、二つの電極515及び516間に留められる。スプリング又は他の適当な機構が、電極515、516間にダイオードレーザーバー510をしっかりと留めるために使用され得る。別の実施形態において、ダイオードレーザーバー510は、熱伝導性/電導性エポキシ樹脂によって所定位置に留められる。別の実施形態において、ダイオードレーザーバー510は、低温はんだ(In又はAu/Snはんだ等)で所定位置にはんだ付けされる。自動式はんだ付けは、ダイオードレーザーバー510と電極515及び516との間に置かれたインジウム予成形品を用い、かつ、ダイボンダを用いて熱を加えて、はんだ及びダイオードバーを加熱、圧縮、及び次いで冷却するようにして実現され得る。随意的に、BeOのような高熱電導率及び低導電率の材料から成るスペーサー525が、電極515及び516間に電気的絶縁を与えるために含まれ得る。
本発明のいくつかの側面によれば、光学システム520は、ダイオードレーザーバー510からの光を患者の皮膚へとつなげる。光学システム520は、空隙511だけダイオードレーザーバー510から分離され得る。模範的な光学システム520は、図12〜15に関連してより詳しく後述される。本発明のいくつかの側面に従う実施形態において、光学システム520は、患者の皮膚のある領域と接触するように構成され、光学面521は、患者の皮膚に冷却を与えるため、冷却される。
いくつかの実施形態において、ダイオードレーザーバー510及び光学システム520の冷却は、単一の冷却システムを用いて達成される。例えば、電極515、516は、寸法Aに沿って光学システム520に熱的に連結され得る。従って、ダイオードレーザーバー510及び光学システム520の両方は、電極515、516を直接又は、電極515、516に熱的に連結されるヒートシンク530の冷却を介して冷却することによって冷却され得る。寸法Aは、一般的に、おおよそ1mm〜10mmの間である。光学源と光学システムの同時の冷却に関する更なる詳細は、1999年12月28日付けの米国出願第09/473,910号において与えられる。その内容は参照により、本書面中に組み込まれる。
皮膚の接触冷却は、例えばメラニンが顕著な吸収を示す波長での皮膚に対する高流束量放射の送出の間、患者の表皮を保護するために用いられ得る。ヘッド500のいくつかの実施形態において、光学システム520は、患者の皮膚と接触するように構成されたサファイア素子を、これが良好な光透過率及び熱伝導率を有するため、含み得る。上述したように、光学システム520は、処理中に、サファイア素子から熱を除去するために冷却され得る。随意的に、光美容装置での処理の前に、作用している波長で透過性のあるローションが皮膚に塗られ得る。好ましくは、ローションは、光学面521を通る皮膚からの熱の除去を高めるため、熱伝導性を有する。好ましくは、ローションはまた、皮膚にわたる光学システム520の滑り運動を助長し、また、皮膚への放射の効果的な光学的結びつきを与えるため、接触面520と皮膚110との間の屈折率の整合を有する。
ローションはまた、EMR源(例えばレーザーダイオード510)による照射に応答して変質される光学的特性(例えば、色又は反射率)を有するローションを選択することにより、どの皮膚領域が処理されていたのかを示すために使用され得る。例えば、ローションが最初、ある所定の色である場合、照射後、それは透明(又は異なる色)になるであろう。処理領域を非処理領域と区別する機能は、広い表面領域にわたって行われる脱毛のような処理には特に重要である。
図5はまた、ダイオードバー510及び光学システム520をヒートシンク530を介して冷却するためのシステムの一実施形態を示す。図5において、熱吸収性液体は、ヒートシンク530から熱的に連結される熱伝導性導管540を通って流れる。例えば、一実施形態において、該液体として水が使用される。随意的に、水は、水道水のような冷水の源を取り付けることによって供給され得る。図1を参照して、水は、適当な配管を有するハンドル190を通じて供給され得る。あるいは、閉回路冷却ループが、該液体から熱を除去する熱交換器(図示せず)を有する。該熱交換器は、ハンドル190又はベースユニット120に設置され得る。
再び図5を参照して、導管540は、ヒートシンク530の一又は複数の面の少なくとも一部、例えば面542を覆う。単一の平面導管は、ヒートシンク530の一又は複数の面の全体を覆い得る。あるいは、ヒートシンク530の面の一部をそれぞれが覆う複数の導管が使用され得る。あるいは、一又は複数の導管540は、電極515、516の少なくとも一部を覆い得る。冷却は、ヒートシンク530又は直接電極515、516に対し適用されるので、ヒートシンク(例えば面542)の面、電極の面、又は、熱が除去される他の適当な面は、以下において「冷却面」と称される。冷却面は外側面として示されるが、当然のことながら冷却面は、ヒートシンク又は電極を通じて導管に露出する面のような内側面であり得る。
図6Aは、蒸発(気化)冷却を用いる冷却システム600の一実施形態の側断面図である。図6において、相変化液は、一又は複数のスプレージェット610及び620から冷却面623上へとスプレーされる。該液は、冷却面から吸収される熱に応答して蒸発する液体のような、どのような適当な蒸発液でもあり得る。いくつかの実施形態において、該液は、当該液体が冷却面623から吸収される熱に応答して沸騰するようにヒートシンクに向けられる低温沸点液体である。いくつかの実施形態において、該液体は、他のどのような適当な液体(例えばフレオン(商標)又は液体窒素)も使用可能であるが、テトラフルオロエタン(沸点26℃)、CO2(沸点78℃)である。いくつかの実施形態において、該液体は、スプレージェット610及び620で噴霧される。
随意的に、該液体は、ベースユニット又はハンドルに設けられた容器625に収容され得る。好ましくは、容器625は、ユーザーが自分で交換可能なように、ユーザーによって容易にアクセス可能である。導管626は、液体をスプレージェット610及び620へと移送するために用いられる。冷却流の量は、弁627によって調整され、該弁は、あるシステム(例えば、図5のシステム500)に存在する熱の量に関する情報を用いて、手動により又は電気的に制御され得る。例えば、センサー(例えば、図5のセンサー524)は、弁627内のフィードバック制御されるソレノイドを制御するために使用され得る。随意的に、各スプレージェット610及び620は、弁とスプレージェットの組合せであり得、これは、別個の弁627の必要性をなくす。
随意的に、蒸発がそこから生じる冷却面623は、表面積を拡大するためにテクスチャード加工とされ(木目を付けられ)得、そこから液体は蒸発され得る。蒸発面の三角形状の構成(木目)615が示されるが、表面積を拡大するためのどのような適当な形状も導入され得る。図示の三角形状構成615は、直線状の溝パターン、同心円の溝パターン又は他の適当な溝パターンの一部であり得る。他の木目構成は、複数の突出部(例えば、冷却面から半球状、円柱状又はピラミッド状に突出するもの)を含む。随意的に、カラー630は、スプレージェット610、620及びヒートシンク530を囲み、該スプレーを収容するために使用され得る。
相変化液は、光美容装置に電力を供給するか及び/又は該装置を制御するために使用される電子機器回路644を冷却するためにも使用さ得る。特に、光美容装置の電力を制御するために使用されるパワー電界効果トランジスター(FET)は、大量の熱を発生させる。慣例的に、パワーFETは、比較的大きいヒートシンク、及び熱を除去するファンを用いて冷却されている。そのようなシステムは、大きくかつ重くなりがちである。本発明に従う冷却システムは、別の冷却方法を提供する。
随意的に、EMR源によって発生される熱を除去するために液体を供給する相変化液導管626の一部は、相変化液の一部をスプレージェット640へと向けるように構成され得る。スプレージェット640は、相変化液の一部を冷却面(例えば、ヒートシンク642の面)上へと向ける。熱センサー646(例えばサーミスター)は、例えば弁650を制御することによって、冷却面上へと放出される液体量を制御するために使用され得る。
図6Bは、流れる冷却液605を利用するヘッド内で使用するための冷却システム650の別の実施形態の概略図である。図6Bにおいて、高圧液体は、容器655(例えば、1〜5気圧下のテトラフルオロエタン)内に保たれ、ノズル660を通って冷却面665上へと放出される。ノズル660から放出された液体607は、液滴又は液流の形態であり得る。いくつかの実施形態において、該液体は、液滴の乏しい空気力学特性(すなわち、高い抵抗)を克服するため、流れとして放出され、従って、冷却システム650の熱除去特性を改善する。上述したように、冷却面665は、良好な熱の導体(例えば、銅又は銀)であるどのような材料でもあり得る。好ましくは、冷却面665は、液体655が面665から垂れるのではなく該面から蒸発するよう十分大きな寸法を有するように選択される。
ノズル660から発射される液体607は、冷却面665上へと放出され、冷却面665上に流れる液体605を形成する。ノズル660及び冷却面665は、ノズル660から放出される液体607が、ノズル660と冷却面665との間の全距離で液体の流れ(細流(stream))であり、面665に突き当たるやいなや、冷却面665において流れる液体を形成するように選択され得る。あるいは、ノズル660及び冷却面665は、ノズル660から放出された液体607が、冷却面665において集約して流れる液体を形成する前に、ノズル660と冷却面665との間で液滴のスプレーを形成し得るように選択され得る。ノズル660から放出される液体が高圧下にあるので、冷却面665における流れる液体は、比較的高速度Vで冷却面665にわたって流れる。
冷却面665上における流れる液体605の形成は、液滴(すなわち、流れない液体)が冷却面665に形成される従来の冷却システムに比べて、面665からの熱除去を高めるために使用され得る。例えば、改善された熱除去は、液滴(従来システムで形成されるような)が、選定された量の熱除去を実現しかつ維持するために十分な数又は密度に形成されないという事実を起因とし得る。
図6Cは、冷却液655を利用しかつ冷却室684を有するヘッドに使用するための冷却システム670の別の実施形態の概略図である。ヘッド670は、側壁675とカバー680を有し、カバー680は、ノズル660からの液体655が入るための口682を有する。側壁675及びカバー680は、室684を形成する。口682は、蒸発した冷却液のための排気口としての役割も果たし得る。矢印686で示されるように、側壁675及びカバー680は、液体655の方向を、カバー680から冷却面665へと戻るように変える。側壁675は、側壁675に接触する液体が冷却面665から熱を除去し得るように、好ましくは、冷却面665に熱的に連結されるように選択される。随意的に、側壁675は、側壁675に接触する液体が熱を除去し得るように、冷却面665と一体化され得る。いくつかの実施形態において、冷却液が冷却面665に達する可能性を高めるため、カバー680が冷却液に対し乏しい熱伝導率及び乏しい湿潤特性を有することが好ましいであろう。例えば、いくつかの実施形態において、カバー680は、重合体又は有機ガラスから成る。室684は、側壁及びカバーを有しかつこれらがその間にある角度を成すものとして図示されるが、該室は連続的な曲率を有するように形成され得る。
口682は、蒸発した液体655の排気口として働くので、口の領域(面積)Sは、室684内に維持された圧力を決定する。いくつかの実施形態において、口682は、冷却面665上に放出される液体の速度を落とさせる背圧を防ぐのに十分大きな面積Sを有するように選択される。しかしながら、口682は、カバー680が液体の大部分の方向を変えて冷却面665へと戻し、かつ、室684内の圧力を維持して液体があまりにも素早く蒸発することを防ぐようにすることを可能にするよう十分小さくなるように選択され得る。例えば、口面積Sは、ノズルの面積の約100〜200倍であり得る。いくつかの実施形態において、冷却液は、大気圧以下の圧力に対し摂氏−26度未満の沸点を有する液体であるように選択される。
図6Dは、冷却液を利用するレーザーヘッド690の実施形態の側断面図であり、ここでは、排気口692が液体が室696へと入るための口694とは分けられる。室696は、冷却面688、側壁693及びカバー695で境界が定められる。冷却面688は、連結板(詳細は後述される)を介して源525及び光学システム520に熱的に連結される。ノズル698からの冷却液は、テクスチャード加工された(木目のある)冷却面688上へと噴出される。冷却面688と直接接触しない冷却液の一部は、矢印686に示されるように、側壁693及びカバー695によって方向が変えられる。
随意的に、カバー695は、液体の方向を冷却面688へと変えるその機能を高める共鳴振動数(共鳴周波数)を有するように選択され得る。また、随意的に、液体の運動エネルギーを減少させる手段(例えばプロペラ、図示せず)が、液体を冷却するために、ノズル698と冷却面688との間に配置され得る。
図7は、皮膚面110と接触するためのヘッド700の実施形態の側断面図である。ヘッド700は、電極515、516内にチャネル730及び731を有する。蒸発による冷却は、電極515、516の底面及びチャネル730、731の面に沿って生じ得、従って、ヘッド700の冷却表面積を拡大する。好ましくは、チャネル730及び731の位置は、ダイオードレーザーバー510に近い。一実施形態において、チャネル730、731は、ダイオードレーザーバー510の全長に沿って(すなわち、方向xに沿って)設けられる。いくつかの実施形態において、チャネル730、731は、スプレーを受けるため、スプレージェット610の近くに設置される。チャネル730及び731は、矩形断面、又は冷却を改善するのに適した他のどのような断面をも有し得る。例えば、開口740、742は、スプレージェット610からのスプレーを受け入れるために、フレアーであり得る。ダイオードバー510の全長に沿って延長する単一のチャネルの代わりとして、一連の(複数)チャネルが、ダイオードレーザーバー510の全長に沿って、ダイオードレーザーバー510の一側部又は両側部に配置され得る。
図8は、冷却システム800の別の実施形態の側断面図である。図8において、液体は、冷却面823から熱を除去するために使用されるが、該液体は、スプレー形態では用いられない。図示の模範的な実施形態において、液体はリザーバ825から出て、冷却面823内に設けられた複数のチャネル832内へと流れる。複数の各チャネル832の長さは、源510の長手方向に延長する。該液体は、冷却面823と熱的又は物理的に接触するようにされる。
随意的に、該液体は、冷却面823から吸収される熱に応答して蒸発する低沸点液体であり得る。弁833は、該液体の状態を制御するために使用され得る。著しい冷却が望まれる場合、弁833は開放され、また、平衡状態より小さい圧力が該液体にかけられ、蒸発を助長する。圧力降下は、液体を沸騰させ、これは、冷却面823から熱を除去する。チャネル832は、光源510の長手と平行な方向に延長するように図示され、また、チャネルは矩形断面を有するように図示されるが、一又は複数の種々の方向に整列された他の形状のチャネル832もあり得、それは本発明の範囲内である。フィードバック信号は、制御弁833におけるソレノイドを制御するため、熱センサー(例えば、図5のセンサー524)から得られ得る。
図9は、皮膚面110に接触させるためのヘッド900の別の模範的な実施形態の側断面である。ヘッド900は、固体団塊(固体団塊(相変化固体ともいう))834と物理的に接触するようにされる冷却面923を有する冷却システムを備えている。固体団塊834の少なくとも一部は、冷却面923から吸収される熱に応答して相を変える。該相変化は、固体から液体又は固体から気体であり得る。いくつかの実施形態において、該固体は、ほぼ−10℃〜+30℃の融解温度を有する。しかし、いくつかの用途において、この範囲外の相変化、特にこの範囲より下の相変化をこうむる物質も利用され得る。
いくつかの実施形態において、固体団塊は、ユーザーが自分で交換可能なように、装置ハンドピース(例えば、図1のハンドピース170)内に都合良く配置される。該固体団塊は、ユーザーの手との接触を避け、及び/又は、室温への露出をさせないように溶解を最小化するため、絶縁スリーブに収容される。図示の実施形態において、温度制御は、固体団塊を冷却面923と接触させかつ該接触を断つために手動的又は電気的に制御されるソレノイド又はスプリング835を用いて実現され得る。
相変化冷却システムの一実施形態において、相変化固体は氷である。この実施形態において、ユーザーは、彼/彼女の冷凍庫内に一又は複数の氷結アイスブロックを保ち得る。ユーザーが光美容装置を操作したい場合、氷結アイスブロックは、該装置内に挿入され得る。別の実施形態において、著しく低い融解点を有するドライアイスも、より高い冷却能力を達成するために使用され得る。当然のことながら、アイスブロックは、水、又はユーザーの皮膚を処理するために一もしくは複数の添加剤を有する水を含有し得る。
いくつかの実施形態において、市販入手できる有機化合物(例えば、パラフィン蝋ベースの材料、脂肪酸、架橋ポリエチレン)が、相変化固体として使用され得る。適当なパラフィン蝋材料の例としては、Rubitherm株式会社製のRT25を含む。RT25は、27.7℃の融解点を有する。別の実施形態において、20〜35℃の範囲の融解点を有するグリースが、相変化固体として使用され得る。別の実施形態において、15〜50℃の範囲内又は50℃以上の融解点を示すように調整されるGa又はGa合金(例えば、Ga/In、Ga/In/SnもしくはGa/In/Sn/Zn)が、固体団塊として使用される。Ga/合金において、Ga(40.6W/m*K)及びIn(81.6W/m*K)の比較的高い熱伝導率は、廃熱を合金容積じゅうにわたって広げるのに役立つであろう。使い捨ての相変化冷却カートリッジは、相変化固体を収容するために使用され得る。例えば、相変化固体は、一度使用したら捨てられるか、又は、再投入可能であり得る(すなわち、一又は複数回の再固体化)。
図10は、冷却システムを有するヘッド1000の実施形態であり、該冷却システムには、冷却のため、吸熱性化学反応が用いられる。適当な反応の例は、吸熱反応を引き起こす、水に導入された硝酸アンモニウム(NH4NO3)又は塩化アンモニウム(NH4Cl)である。例えば、200mlの水が200gのアンモニウムと混合される場合、ほぼ−5℃の温度が達成され得、従って熱の吸収を許容する。
図10において、吸熱反応は反応室1050内で起こり、該反応室は、冷却面1023と熱的に連結される。いくつかの実施形態において、反応室1050は、良好な熱伝導率を有する材料を介して冷却面1023に連結され得る。いくつかの実施形態において、該機構は、水の第1の室と塩化アンモニウムの別の(第2の)室と分離する薄膜1051を含む。いくつかの実施形態において、膜1051は、反応を開始するために破られ得、反応室は、使い捨て容器であり得る。例えば、ユーザーは、膜を破るため、フレキシブルなプラスチック反応室に力を加え得、これにより、該装置の電源を入れる前にコールド液のリザーバを作り出す。あるいは、該膜は、第1及び第2の室の内容物の相互作用を可能にするため、除去されか、又は既知のどのような手段によっても他の態様で操作され得る。
図11は、導管1110及び排気口1120を有する装置100の実施形態の側断面図である。図11において、排気口1120に入る液体又は気体は、処理中、皮膚領域1130を事前に又はその後に冷却するために皮膚領域1130へと向けられる。例えば、冷却面530上へとスプレーされる上記冷却液の一部、又は該液の蒸発から生じる気体は、導管1110に入り得、また、口1120にによって皮膚上へとスプレーされ得る。該液体の一部は、濃縮され蒸発するか、又は単なる余分な液体であり得る。上述したように、水道水が冷却(又は図9に関連して述べたような氷の相変化冷却器)に利用される場合、水が冷却面530を冷却するために使用された後、水の一部を転用することが可能となり得る。いくつかの実施形態において、相変化冷却システムから生じた気体からの圧力は、患者の皮膚上へとローションを駆り立てるために使用され得る。図示の実施形態は、冷却液の一部を、これが面530の冷却に使用された後に転用することを示すが、いくつかの実施形態において、冷却液の一部は、冷却面530を冷却するのに使用されることなく、皮膚上へと直接噴出され得る。
随意的に、一又は複数の添加剤が、皮膚へのスプレーの前に(例えば、冷却ローションを形成するため)導管1112を介して液体に加えられ得る。該添加剤は、ハンドピース又はベースユニットにおけるカートリッジ(図示せず)内に保管され得る。いくつかの実施形態において、「シャワー効果」を実現するため、ヒートシンクを出る水の全部が、皮膚上へと排出され得る。蒸発液体の別の使用として、気体、液体又はローションの別の源(すなわち、冷却システムからの独立)は、ハンドピース又はベースユニットのカートリッジに保管され、かつ、ハンドピースが皮膚面にわたって移動する間、分配され得る。
不明確化を防ぐため、本発明の側面で使用するための光学システムの以下の模範的実施形態は、単一の電磁放射源に関連して説明される。しかしながら、上述したように、一又は複数の源が、一又は複数の放射領域を形成するために使用され得る。後述の模範的な光学システムにおいて、光学倍率を有する各面は、第1軸(例えばy軸)に沿う出力、及び、第1軸に垂直な軸(すなわちx軸)に沿うゼロ光学倍率を有する。すなわち、(複数)レンズは、円筒(円柱)状である。後述する実施形態は平面曲率又は円筒(円柱)曲率を有するが、他の屈折又は回折の光学的設計も本発明の範囲内である。
図12Aは、本発明のいくつかの側面に従う光美容装置での使用に適した単一素子光学システム1200の実施形態の一例の側面図である。光学システム1200は、電磁放射源1220(例えばレーザーダイオードバー)から患者の皮膚110へと光を伝送するための素子1210を含む。素子1210は、入力面1211と、患者の皮膚に接触するように構成された出力面1212とを有する。
源1220は、素子1210の入力面1211に近接して連結される(例えば1mmの離隔)。近接した連結は、光の大部分が、レーザーダイオード源の高発散速軸に沿って患者の皮膚へと送られることを可能にする。いくつかの実施形態において、入力面1211は、反射防止(AR)コーティングを有する。
上述したように、素子1210は、作動波長において実質上透過性を有する材料から成り、好ましくは、処理される皮膚面から熱を除去するために熱伝導性がある材料(例えばサファイア)から成る。いくつかの実施形態において、素子1210の横方向側部1213は、作動波長において反射性を有する材料(例えば銅、銀又は金)で被覆される。加えて、源1220と入力面1211との間の空間1221は、面1211における入射光の強さを高めるため、反射性材料で包囲され得る。
一実施形態において、光学素子1210は、サファイア板である(すなわち、面1211及び1212は平面で、光学倍率を有しない)。光学システム1200の別の実施形態において、光学面1212は、円筒曲率を有し(図12に示されるように)、また、入射光を面1212に集束するように選択される。例えば、一実施形態において、面1212は、ほぼ3mmの曲率半径を有する。このシステムは、高い処理フルエンスを要求する皮膚組織を処理するために使用され得る。例えば、図13のレンズ系は、毛嚢の幹細胞、皮脂腺、下漏斗、維管束組織、入れ墨又はコラーゲンを狙うように使用され得る。
いくつかの実施形態において、横方向面1213は、ほぼ5〜50mmの範囲の長さLを有し、また、断面幅(x方向で測定される)及び高さ(y方向で測定される)は、源1220から光を集めるように選択される。例えば、素子1210に近接連結された二つの1cmダイオードレーザーバーから成る源では、断面幅は2cmに選定され、断面高さは2cmである。
図示されるように、光学素子1210は、源1220からの光の一部を、横方向面1213に反射することなく面1212へと直接伝送し(模範的光線1230)、また、源1220からの光の一部は、面1212に到達する前に横方向面1213から反射される(模範的光線1232)。全反射を用いて源からの光の一部を面へと向ける素子1210のような要素は、本書面中、「導波管」ともいう。
随意的に、先端反射体1222が、皮膚外へと散乱される光の方向を皮膚内へと向け戻すために付加され得る(光子リサイクリングと呼ばれる)。近赤外線(near-IR)における波長では、皮膚面における入射光の40%〜80%が皮膚外へと散乱される。当業者は、散乱量が皮膚の色素沈着に部分的に依存することを理解するであろう。先端反射体1222を用いて皮膚外へと散乱する光を皮膚へと戻すように方向を変えることにより、システム1200によって与えられる実効(有効)フルエンスは、二倍以上まで高められ得る。一実施形態において、先端反射体1222は、素子1210の上方横方向面及び下方横方向面から総計3mm伸長する。いくつかの実施形態において、先端反射体1222は、光を皮膚へと反射させる銅、金又は銀のコーティングを有する。
反射コーティングは、皮膚から反射された光/散乱された光にさらされる該装置のどの非伝達面にも適用され得る。当業者は理解するであろうように、これらの面の位置及び有効性は、光源の選択された焦点合わせ形態及び位置に依存する。光子リサイクリングは、Altshuler等による2000年8月9日付け米国出願第09/634,981号、タイトル「Heads for Dermatology Treatment」、及び、1999年3月12日付け出願第09/268,433号において更に論述されている。これらの内容は参照により本書面中に組み込まれる。図12Bは、図12Aに示されるような源1220及び素子1210を有するそのような光学システム1200の実施形態の一例の光線跡である。
図13は、本発明のいくつかの側面に従う光美容装置での使用に適した二部品円柱状光学システム1300の実施形態の一例の側面図である。ここにおいて、素子1210と共にコリメーター1310が使用される。図13において、速軸コリメーター1310は、光学源1220に非常に近接して(例えば0.09mm)連結される。一実施形態において、コリメーター1310は、全長1.5mmで、平面入力面1311と、コリメーター1310の出力を視準する(平行にする)ある曲率を有する出力面1312とを有する。コリメーター1310は、放射ビームを創生し、これは、出力面1312でのY次元において実質上視準される。例えば、コリメーター1310は、ドイツ国ドルトムントのLimo株式会社製のモジュール番号S−TIH53のレンズであり得る。
視準されたビームは、光学素子1210の入力面1211上へと放射される。上述したように、素子1210は板であり得、又は、皮膚における散乱を補償するために弱く集束していてもよい(例えば、出力面1212は、3mmと同程度の曲率半径を有し得る)。このシステムは、高度処理フルエンスを要する皮膚組織の処理のために使用され得る。例えば、図13のレンズ系は、毛嚢の幹細胞、皮脂腺、下漏斗、脈管、入れ墨又はコラーゲンを狙うために使用され得る。図13Bは、図13Aに示されるような源1220、コリメーター1310及び素子1210を有するそのような光学システム1300の実施形態の一例の光線跡である。
図14Aは、本発明のいくつかの側面に従う光美容装置での使用に適した二部品円柱状光学システム1400の実施形態の別の例の側面図である。光学システム1400において、源1220から光を放射するため、速軸コリメーター1310の面1312から0.1mmに設置された図13の速軸コリメーター1310が使用される。素子1420は、曲率1mmの入力面1421と、平面出力面1422とを有し、全長が1mmである。システム1400は、面1422からほぼ1mm(すなわち、面1422が患者の皮膚と接触するように構成される実施形態では、皮膚面下1mm)に光の焦点を合わせる。一実施形態において、素子1310及び1420の高さは、1.5mmに選定される。いくつかの実施形態において、レンズ1420はサファイアから成る。このシステムは、高処理フルエンスを要する浅い皮膚組織を狙うために使用され得る。例えば、図14のレンズ系は、乾癬、皮脂腺、毛幹又は毛幹細胞を狙うために使用され得る。図14Bは、図14Aに示されるような源1220、コリメーター1310及び素子1420を有するそのような光学システム1400の実施形態の一例の光線跡である。
図15Aは、本発明のいくつかの側面に従う光美容装置での使用に適した二部品円柱状光学システム1500の別の例の側面図である。図15は光学システム1500を示し、これは、例えば、図14の光学システム1400よりも深くダイオード光の焦点を合わせるために使用され得る。例えば、光学システム1500は、皮膚の深部組織(例えば、毛球、深い血管、皮下脂肪)を狙うため、皮膚面下ほぼ2mm(すなわち、面1522から2mm)にダイオード光の焦点を合わせ得る。
システム1500は、源1220から光を放射する二部品対称レンズ系である。第1素子1510は、源1220からほぼ1.4mmに設置され、また、平面である入力面1511と、曲率2.5mmの出力面1512とを有する。従って、レンズ1510は、光源1522からの光を疑似(準)視準(quasi-collimate)する。第2レンズ1520は、曲率2.5mmの入力面1521と、平面出力面1522とを有する。従って、レンズ1522は、疑似視準される光の焦点を皮膚面下2mmに合わせる。図示の実施形態において、光学システムにおける収差は、出力面1522における実質上均一(すなわち「平頂」)な空間光学強度分布を実現するために平衡にされる。該平頂強度分布は、円柱面1522を横断する平面における球面収差によって実質上決定される。いくつかの実施形態において、レンズ1510及び1520はサファイアから成る。図15Bは、図15Aに示されるような源1220、素子1510及び素子1520を有するそのような光学システム1500の実施形態の一例の光線跡である。
図16Aは、光美容処置を実行するためのヘッド1600の模範的実施形態の概略図である。ヘッド1600は、記載を容易にするためにハウジングなしで示される。上述したように、ヘッド1600は、患者の皮膚領域に沿って、一般に方向1602又は方向1604に移動される。
ヘッド1600は、EMR源1630から光を伝送するために光学システム206を含む。電極1620は、EMR源1630を作動させる。電気絶縁体1650は、電極1620間の電気的接触を防ぐため、電極1620間に設置され得る。電極1620は、患者の皮膚との接触面積を減少させるため、テーパーが付けられ得る。
図16Bは、光美容処置を実行するためのヘッド1650の模範的実施形態の概略図であり、これは、光美容処置中に筋肉刺激を行う機能をも提供する。電気的筋肉刺激は、周知の理学療法であり、いくつかの光美容処置の効果を高め得る。
例えば、電気的筋肉刺激は、皺又はセリュライトの処置の効能を高めるために使用され得る。
一実施形態において、電気的刺激を送り出すための二つの電極1610は、光学システム206の反対側に設置され、ヘッド1600の一部上において、光美容処理中(すなわち、システム206によるEMRの送出中)、患者の皮膚と接触するように設計される。一の電極1610は、光学システム206の前に患者の皮膚のある領域と接触し、他の電極1610は光学システム206の後に皮膚領域と接する。
熱伝導性電気絶縁体1615(例えば、BeOもしくはダイヤモンド又は他の適当な材料から成る)は、電極1610間の電気的接触を防ぐために使用され得、電極1610は電気的刺激を与え、また、電極1620はEMR源1630を作動させる。電気絶縁体1650は、電極1620間の電気的接触を防ぐため、電極1620間に配置され得る。
ハンドピースが皮膚面にわたって走査されている間、電極1610を介して患者の皮膚へ一定の電流(又はパルス電流)を与えることにより、同時に、筋肉刺激及び電磁気的処理が実現され得る。いくつかの実施形態において、電極は、皮膚を通じて無線周波数(RF)電流を供給し得る。あるいは、電極1610は、DC電流又はマイクロ波領域を供給し得る。いくつかの実施形態において、EMR放射で処理される皮膚の一部を選択的に加熱するため、皮膚は、RF電流又はマイクロ波領域で走査され得る。皮膚の予熱は、EMR源1630の出力を低減可能にする。
図17Aは、本発明のいくつかの側面に従う装置の一実施形態の一例の概略で図あり、これは、光学素子1704(例えば図12の素子1210)と患者の皮膚1701の面との間の接触を確認する。目の安全に供するため、光美容装置のいくつかの実施形態において、接触センサーが、電磁気的処理源(例えば、図5の源510)を、患者の皮膚と接触した時のみ作動させるために使用される。
図17Aにおいて、照明源1702(例えば、処理源とは別個のダイオードレーザー又はLED)が、素子1704から数ミリメーター(例えば5mm)離れて取り付けられ、患者の皮膚1701に向けられる。随意的に、照明源1702は、光を素子1704を通って皮膚面1701に向けるために取り付けられ得る。源1702は、処理源510と同じ波長で放射を発し得るが、好ましくは、処理源510とは異なる波長で放射を発する。検出器1712は、皮膚面1701から反射又は散乱される照明源からの光を検出するために設置される。随意的に、フィルター1708が、源1702から光を選択的に送ると共に、処理源510に対応する光の波長及び他の無関係な光の波長を除去するために付加され得る。
皮膚接触が乏しいか又は全く無い場合、源1702からの比較的多量の放射光は、皮膚面1701から光学システム1704を通って検出器1712へと反射又は散乱するであろう。図17Bに示されるように、素子1740が皮膚面1701と良好に接触している場合、皮膚における散乱及び吸収は、照明源1702からの光を減衰させるであろうし、また、比較的少量の放射が検出器1712に達するであろう。従って、検出器1712の出力を測定する電子的手段(例えば比較器)を使用し、かつ適切な閾値を選択することにより、該処理源は、検出器1712の出力が該閾値未満の場合にのみ作動するように構成され得る。随意的に、源1702及び/又は検出器1712は、ベースユニットに設けられ得、また、一又は複数の光ファイバーが、ハンドピースからの光を該源又は検出器につなぐために使用され得る。
別の実施形態において、検出器1712は、素子1740と皮膚面1701との接触を確認するため、処理源からの光を検出する。そのようなシステムにおいて、源510からの光は、素子1704を通って検出器1712へと皮膚面1701により散乱又は反射される。放射フィルター1708は、この散乱され及び反射された放射を検出器1712へと選択的に伝送し得る。この実施形態において、処理源510は、皮膚面1701とのしっかりした接触がなされるまで、低出力で目に安全なモードに維持される。皮膚面1701と素子1704との接触が無いか又は乏しい場合、検出器1712の出力は、比較的低い。しかしながら、素子1704が皮膚面1701と良好に接触している場合、検出器1701の出力は比較的高い。従って、処理源510は、検出器1712の出力が閾値レベルを上回った場合にのみ発射するように構成され得る。
あるいは、源1702及び検出器1712の代わりに、光学コンピュータシステムマウスにある標準光学接触検出器が使用され得、例えば、カリフォルニア州フレモントのLogitech製のCordLess Mouseman(登録商標)における光学接触システムである。
接触を確認する光学的方法の代わりとして、電気的方法が、素子1704と患者の皮膚1701間の接触を検知するために使用可能である。図17Cはハンドピースの断面図であり、該ハンドピースは、その一部に設けられた二つの電気接点1720を有し、素子1704が皮膚1701と接触する際に、これら接点1720も皮膚1701と接触するようにされる。接触は、接点間の抵抗(又は静電容量)を測定することにより求められ得る。処理源510は、接点1720間の抵抗(又は静電容量)が選定された範囲(すなわち、皮膚に対する典型的な範囲)内である場合に作動されるであろう。別の実施形態において、接点1720は、皮膚面1701との接触を検知する磁気センサーであり得る。別の実施形態において、接点は、皮膚面1701との接触を検出する機械的センサーであり得る。例えば、一又は複数のスプリング式のピン又はボタンが、素子1704が皮膚と接する際に該ピン又はボタンが押し下げられるように設けられ得る。素子1704の周囲に設けられる複数のセンサー、ピン、ボタン又は他の機械的センサーは、素子1704正面の全面が皮膚と良好に接触したことを保証することを助長するために使用され得る。あるいは、接点1720は、皮膚面1701との接触を確認する慣用のロードセルであり得る。抵抗又は静電容量の測定に対処する接点、センサー、ピン、ボタン又は他の機械的センサーは、接触が皮膚とであって別の面、例えば鏡面又はカウンタートップとではないことを保証することが好ましいであろう。
別の実施形態において、一又は複数の温度センサーが、皮膚面1701との接触を確認するために使用される。典型的な皮膚面温度は、30〜32℃の範囲内であり、従って、温度センサーは、患者の皮膚と接触する装置面の近くに設けられ得、また、接触は、測定温度が選定された範囲(例えば、23〜27℃)内であった場合に生じたと決定され得る。あるいは、接触は、温度センサーが接触のある温度対時間勾配表示を測定した場合に生じたと決定され得る。更に別の実施形態において、ローションが皮膚上に分配される場合(図11に関連して既述)、皮膚接触は、スプレージェット1120内の圧力センサーを使用することにより、検出され得る。該圧力センサーは、皮膚上へとローションを射出するために必要な圧力を測定するであろう。ハンドピースが皮膚と良好に接触する場合にのみ、比較的高い圧力がローションを分配するために与えられるであろう。
接触センサーの設計は、Henry Zenzieによる2001年4月30日付け出願の米国出願第09/847,043号、タイトル「Contact Detecting Method and Apparatus for an Optical Radiation Handpiece(光学放射ハンドピースのための接触検出方法及び装置)」により詳細に記述され、その内容は参照により本書面中に組み込まれる。
ハンドピースは、指定の速度範囲内で患者の皮膚にわたって好ましく走査される。ハンドピースがあまりに遅く移動される場合(典型的な最低制限速度は、用途により5〜25mm/sであろう)、光の放射線量が多くなりすぎて、望ましくない熱的損傷が生じ得る。これに対して、ハンドピースがあまりに早く移動される場合(典型的な最高制限速度は、用途により応じて50〜500mm/sであろう)、処理効能を実現するには光放射線量が少なすぎる。従って、ハンドピースがこの速度範囲内で走査される場合にのみ、ハンドピースは、処理のための電磁放射を発する。脱毛/成長遅延に対する光美容ハンドピースの操作のための模範的な速度範囲は、10〜500mm/sであり、これは、一般のカミソリが皮膚上を進行する速度とほぼ等しい速度範囲に相当する。
図18Aは、ハンドピース速度を測定するための運動センサー1820を有するハンドピース1800の一実施形態の破断側面図である。運動センサー1820は、ハンドピースが動かないままの場合、又は皮膚1810にわたる運動が遅すぎるかもしくは早すぎる場合に、処理源(例えば図2の源510)の強度がそれぞれ下げられるかもしくは高められるか、又は該源の電源が切られるように、該処理源に対しフィードバック制御を与えることにより、皮膚1810に対する損傷を防ぐように使用され得る。随意的に、処理源は、出力の低減に代えて不能にされ得る。一実施形態において、ホイール1821は、ハンドピース1800が皮膚1810に対し移動しながら該ホイールが回転して、ハンドピース速度が測定され得るように、皮膚1810と物理的接触をなすように配置される。
ハンドピース1800は、ハンドピースが許容できる速度範囲内又は該範囲外にある場合、オペレーターに知らせるように構成され得る。例えば、触覚インジケータ(例えばバイブレーター)は、ハンドピース速度が所望範囲内又は外にある場合にハンドピースを振動させるように構成され得る。あるいは、視覚インジケータ1804(例えばLED)又は聴覚インジケータ(例えば電子ブザー)が、ハンドピース速度が所望範囲内又は外であることをオペレーターに知らせるために使用され得る。いくつかの実施形態において、複数のインジケータ1806(例えば、異なる色を有する複数のLED又は異なる音の複数のインジケータ)が、ハンドピース速度が速すぎたりあるいは遅すぎたり又は所望範囲内であることをオペレーターに知らせるために使用され得る。
図18Bは、少なくとも一つのホイール1821を有する運動センサーシステムの実施形態の一例の概略図である。好ましくは、光学システム206の全皮膚接触面が、患者の皮膚に均一な照明を与えるために受容できる範囲内の速度で移動することを保証するため、光学システム206の反対側に第2のホイール1821が付加設置される。
一実施形態において、各外部ホイール1821は、外周に穿孔を有する対応する補助内部ホイール1822に連結される。源1830は、対応する検出器1832の方向に光を放出し、それにより、ホイール1821が回転するにつれ、補助ホイール1822の穿孔が、源1830から放出された光を交互に伝達及び阻止する。その結果、ハンドピース1800(図18A)が患者の皮膚にわたって移動する際、検出器1832は、パルスの連鎖を有する信号を生成する。
当業者は、患者の皮膚にわたるハンドピースの速度が、パルスが発生する速度に比例することを理解するであろう。制御部1834は、パルスレートをハンドピース速度に関連付ける。上記の穿孔のある補助ホイール設計は、標準コンピュータシステムマウス設計、例えば、カリフォルニア州フレモントのLogitec社製の3Bth Wheel Mousenにおけるマウスホイールと類似し、これは、ハンドピース速度を測定する装置の単なる一例であり、他の多くの装置があり得、かつ本発明のこの側面の範囲内にある。例えば、別の実施形態において、ハンドピース速度に比例する電圧を発生させるため、単純な電気モーターがホイール1821に連結される。
図19は、ハンドピース速度を測定するための運動センサーを有する別の光学装置1900を示す。装置1900において、光源1902(例えば、赤外線LED)は送信ファイバー1904に連結される。光検出器1910(例えば、安価なCCDカメラ又はダイオードセンサー)は、受信ファイバー1906の端部に連結される。装置1900において、送信ファイバー1904及び受信ファイバー1906の端部は、皮膚1908に接触する単一のファイバー端部1909を形成するように共に結合される。送信ファイバー1904によりファイバー端部1908を通って皮膚面1908上へと放出される光の一部は、皮膚面1908から反射又は散乱され、また、ファイバー端部1909を通って受信ファイバー1906で受信され、かつ検出器1910で検出される。皮膚面1908が半断続的組織を有するので(例えば、毛嚢、血管、腺のような同様組織間の間隔はほぼ不断の組織である)、検出器出力は、ハンドピース速度に依存する割合で調整(変調)される。当業者は、ハンドピース速度が、調整された検出器出力から計算され得ることを理解するであろう。随意的に、送信ファイバー/受信ファイバーの第1及び第2組が光学システム206の両側に設けられるように、ファイバー端部1911を通じて共に結合された第2の送信ファイバー1905及び受信ファイバー1907が付加され得、これにより、光学システム206の全皮膚接触面が、患者の皮膚に均一な照明を与える許容範囲内で皮膚にわたって移動することを保証する。
システム1900において、各送信ファイバー1904、1905は対応する受信ファイバー1906、1907に連結される。あるいは、送信ファイバー及び対応する受信ファイバーは、別個の分離した点で皮膚に接触する(すなわち、送信ファイバー及び対応する受信ファイバーは、皮膚において連結されない)。そのような実施形態において、皮膚に接触している上記両ファイバーの端部は、組織層によって散乱される光子が確実に検出され得るどのような間隔分でも離され得る。そのような実施形態において、受信ファイバーへとつなげられる光が、散乱光子の量が、正確に検出されないほど少ない信号を発生する程度まで低減される場合、ファイバースペースにおける上限が生じる。
ハンドピース速度を測定するための光学装置が記述されたが、当然のことながら、速度測定の他の方法も本発明のこの側面の範囲内にある。例えば、ハンドピースが皮膚に対し移動する際、皮膚の電気的(静電容量及び抵抗)/磁気的特性の時間依存性を記録することにより、ハンドピース速度を測定する電磁気的装置である。あるいは、ある物体が皮膚面に沿って引きずられながら発する音の周波数スペクトル又は振幅が測定され得、その結果得られた情報は、速度の計算に用いられ得る。その理由は、音響スペクトルは、速度に依存するからである。あるいは、ハンドピース速度を測定するために熱センサーを使用することである。これは、ハンドピースが皮膚に沿って移動する方向に沿うある距離だけ離された二つのセンサーを使用する(例えば、一つは光学システムの前、一つはその後ろ)。そのような実施形態において、第1のセンサーは、ハンドピース速度とは無関係に、未処理の皮膚の温度を監視し、また、第2のセンサーが、照射後の皮膚温度を監視する。ハンドピース速度が遅くなるほど、皮膚の一定面積に送出されるフルエンス(流束量)は大きくなる。これは、結果として、第2検出器で測定されるより高い皮膚温度をもたらす。従って、当該速度は、二つのセンサー間の温度差に基づいて計算され得る。
熱的特性を用いるハンドピース速度の測定のための別のシステムは、ハンドピースが皮膚に沿って移動する方向に沿う熱センサーから選択された距離に設置される熱源(例えば、処理源又は皮膚のある領域を加熱する別の手段)を使用する。そのような実施形態において、ハンドピース速度は、熱センサーで測定された温度から求められ得る。低ハンドピース速度では、熱は、皮膚を通じて熱源から熱センサーへと伝わるのに十分な時間を有するであろう。しかしながら、高速では、熱は、熱センサーに到達する時間がないであろう。従って、熱センサーで測定された高い皮膚温度は、低速度を示し、一方、低い皮膚温度は高速度を示すであろう。
速度センサーの別の実施形態において、光学装置は、ドップラー偏移技術を用いてハンドピース速度を測定するために使用される。そのようなシステムにおいて、プローブレーザーからの光の波長は、皮膚上に放出され、速度は、光の反射部分の偏移された周波数によって求められる。
上記実施形態のいずれでも、速度センサーは、接触センサー(例えば、図17A〜17Cに関連して上述されたような接触センサー)と共に使用され得る。ハンドピースの一実施形態において、接触及び速度の両方は同一の構成要素(素子)で求められる。例えば、慣用のコンピュータの光学マウスにおいて使用されるような光学−マウス−型センサーは、接触及び速度の両方を求めるのに使用され得る。そのようなシステムにおいて、CCD(又はCMOS)アレイセンサーは、皮膚面を連続的に映す(映像化する)ために使用される。既述したような皮膚の特徴の特定の組の速度を追跡することにより、ハンドピース速度が測定され得、また、アレイセンサーによって受信される光信号の強さが、皮膚と接触するやいなや増加するので、接触は、信号強度を監視することにより求められ得る。その上、CCD又はCMOS素子のような光学センサーは、皮膚から反射される光に基づいて、皮膚の色素沈着レベル又は皮膚の種類を検出及び測定するために使用され得る。
本発明のいくつかの実施形態において、運動センサーが、放射源出力を制御するために、フィードバックループ又はルックアップ表と共に使用される。例えば、放射されたレーザー出力は、ルックアップ表に従ってハンドピース速度に比例して高められ得る。この方法において、ハンドピース速度の範囲でハンドピースが移動するという事実にもかかわらず、固定した皮膚温度が選択された深さにおいて維持され得る(すなわち、皮膚面における一定のフラックスを維持することにより)。一定の皮膚温度を特定の深さで実現するために使用される出力は、米国特許出願第09/634,981号に更に詳細に記載されており、これは参照により本書面中に組み込まれる。あるいは、処理後の皮膚温度が監視され得、また、フィードバックループが、レーザー出力を変えることにより、皮膚面において実質上一定のフルエンスを維持するために使用され得る。皮膚温度は、慣用の熱センサー又は非接触中赤外線光学センサーのいずれかを使用することにより、監視され得る。上記運動センサーは模範的なものである。運動の検出は、音(例えばドップラー情報の使用)のような他の手段によって実現され得る。
上記実施形態は、オペレーターによって移動されるようなハンドピース速度を監視するシステムに関連して述べられたが、ハンドピースは、ハンドピースを皮膚に沿って制御された所定の速度で移動させる並進台に取り付けられ得る。そのような実施形態において、該装置は、選択された皮膚領域を処置するために患者に対し配置され、また、該並進台は、必要に応じ次の領域へと移動され得る。
図20は、内蔵型の光美容装置のいくつかの側面を示すハンドピース2000の一実施形態の一例の概略である。ハンドピース2000は、光学源2055と、電源2047と、光学システム2044と、冷却システム2046と、速度及び/又は接触センサー2048とを含む。該装置は、皮膚2043のある領域と接触して示される。光学システム2044は、光源2055からの光を皮膚処理領域2043へとつなぐ。
冷却システム2046は、相変化冷却器又は他の適当な冷却システムであり得る。いくつかの実施形態において、冷却システム2046は、ヒートシンク2045(又は電極又は他の冷却面、図示せず)と良好な熱的接触をしている。電源2047(例えばバッテリー又はコンデンサー)は、光学源2055に電流を供給する。接触及び/又は速度センサー2048は、上述したように安全で効果的な処理を確実なものとする。接触及び速度センサーは単一の構成要素として図示されるが、当然のことながら、該接触及び速度センサーは、別々の構成要素であってもよく、また、既述した複数の各種のセンサーが存在し得る。制御電子機器回路2049は、 process data from contact接触/速度センサー2048又は他のセンサー(例えば熱センサー)からのデータを処理し、光学源2055及び冷却システム2046を制御する。冷却システム2046は、熱接触板2050を介して処理前に冷却され得る。電源2047は、電気接点2051を介して充電され得る。オン/オフボタン2052は電力を制御する。ハウジング2053は、一又は複数の上記要素を封入し、保護し又は取り付けるために使用され得る。
随意的に、脱毛装置2054は、実質的に皮膚面上に全く毛が伸びていないことを確実にするよう、光学源2055からの光による照射の前に毛を除去するために設けられ得る。例えば、脱毛装置2054は、かみそり刃(例えば、安全かみそり、カートリッジかみそり)、電気かみそり、毛が面に付着してハンドピースがユーザーの皮膚に沿って移動するにつれて引き抜かれるストリッピング装置(例えば、Happy Lady株式会社製Epilady(登録商標)のような装置)、毛を研削する研磨装置、又は、毛を溶かす化合物であり得る。脱毛装置は、該脱毛装置がユーザーによって容易に交換できるように使い捨てに作成され得る。固い毛の例において、一又は複数の刃を有するかみそりが使用され得る。しかしながら、細い毛の例では、研磨紙が使用され得る。固い毛を有する体の個所では、最初に、一又は複数の光美容処理の後、細い毛を有し得る。従って、かみそり刃が、最初のいくつかの処理に使用され得、研磨紙がその後の処理に使用され得る。いくつかの実施形態において、研磨紙は、光美容装置のストロークと共に皮膚に沿って単に移動され得、他の実施形態では、該紙は、振動機構(例えばモーター)によって振動され得る。
図21は、ハンドピース2000をドッキングさせるためのハンドピースドッキングステーション2100の実施形態の一例の概略である。ドッキングステーション2100は、ハウジング2155に収容される。電源2156は、電気接点2051を介してバッテリー/コンデンサー2047を充電する。冷却材料2046は、冷却機2157(例えばペルチエ素子)で冷却される。例えば、冷却機2157は、相変化液を凝縮するか又は相変化固体を凍結させることにより、冷却システムを再チャージするために使用され得る。ヒートシンク2058は、冷却機2157によって作り出された熱を放散する。ヒートシンク2058は、熱の除去のために気体、液体又は固体(相変化)の媒体を利用し得、又は、単に室温への露出によって冷却されるフィンであり得る。臍帯2159は、電力を電気アウトレットからドッキングステーションへと供給するワイヤーを包含し、また、ヒートシンク2058の水冷のための管材料を更に含み得る。内蔵型の光美容装置及びハンドピースドッキングステーションは、G. Altshuler等による2000年12月28日付けの米国出願第60/292,827号、タイトル「EMR処理のための方法及び装置(Method and Apparatus forEMRTreatment)」に更に詳細に記述され、その内容は参照により本書面中に組み込まれる。
光美容装置のいくつかの実施形態では、一又は複数の交換可能な構成要素を有することが有利である。例えば、ハンドピースが落下しそうであるか又はそうでなくても乱用されそうであるいくつかの実施形態において、一又は複数の光学システムをハンドピースから着脱可能にすることが有利であろう。加えて、それぞれ異なる光学源又は光学システムを必要とする種々の処理(例えば、色素沈着障害除去の処理及び脱毛を達成するための処理)を成し遂げるため、交換可能な光学部品は、ユーザーが同一のハンドピースで異なる利用を行うことを許容するであろう。その上、限られた寿命を有する光源又は電源を使用するシステムでは、有効寿命の最後で光源の交換が望まれるであろう。
図22は、着脱可能なヘッド2210を有するハンドピース2200の一実施形態の一例の概略である。ハンドピース2200は、ヘッド2210に連結されるハンドル2220を有する。ハンドル2220は、既知のどのような結合方法を用いてもヘッド2210に連結され得る。好ましくは、ヘッド2210は、交換可能な部品の使用を助長する光学部品(例えば、図16Aのヘッド1600)を含む。
図23は、製造の容易さ及び/又はユーザーの取り替えの容易さに適した一又は複数の部品を有するモジュラーハンドピース2300の実施形態の一例の概略である。例えば、ハンドピース2300は、ヘッド組立体2310(光学システムを含む)、冷却組立体2320及び動力組立体2330の組立及び/又は交換を容易にする。好ましくは、モジュラーハンドピース2300は、組立て時にヘッド組立体2310が動力組立体2330の接続動力プラグと接触するように構成される。
図24は、源2410(例えば、二つのダイオード−レーザー−バー)を含む光学組立体2400を示す概略図である。源2410は、ユーザーが交換可能な使い捨てのカートリッジ内に組み込まれ得、これは、電極2412、ヒートシンク2430、光学システム2420及び連結板2440を含む。連結板2440は、光学システム2420、源2410及びヒートシンク2430を固定するために使用され得る。好ましくは、源2410の固定機構は、源2410を光学システム2420と自動的に位置合わせさせるように構成される。好ましくはまた、連結板は、光学システム2420からの熱を伝導するために良好な熱伝導率を有する材料(例えば銅)から成る。源2410及び光学システム2420の位置合わせを簡単にするため、源2412は、素子2420にしっかりと取り付けられ得る。
源2410をその有効寿命の最後で取り替えるのに加え、複数のハンドピースを購入する必要なしに異なる美容処理で使用するため、光源2410のユーザーによる取り替えを容易にすることも望ましいであろう。更に、皮膚の種類、毛の種類、及び/又は処理される皮膚領域の位置(例えば、腋の下、ビキニ、脚、顔)に基づいて光源2410のユーザーによる交換を容易にすることも望ましいであろう。
図25は、本発明のいくつかの側面を示す光美容装置2500の一例の概略である。装置2500は、ヘッド2580及びハンドル2590を有する。ヘッド2580は、患者の皮膚に放射の第1領域(例えば、図3の領域311)を形成する第1光学システム2510(例えば、図3の光学システム310)と、放射の第2領域(例えば、図3の領域316)を形成する第2光学システム2515(例えば、図3の光学システム315)を有する。図3に関連して上述したように、第1領域及び第2領域を形成する放射は、単一の分離源又は二つの源(源は図示せず)から生じ得る。装置2500はまた、ホイール2521(例えば、図18のホイール1821に対応する)と、光学システム2510の反対側に設けられた第2ホイール2522(例えば、図18のホイール1822に対応する)とを有する運動センサーシステムを含み、これは、光学素子2510の面に接触する皮膚全体が、患者の皮膚に実質上均一な照明を供給するように受容可能な範囲内の速度で移動することを保証する。
図26Aは、皮膚の湾曲領域(例えば、顎、背又は腕)の処理に向けられた本発明の側面を示す光美容ヘッド2600の一例の概略である。ヘッド2600は、電磁放射を送出するための二つの枢動(回転)伝達システム2610及び2620を含む。ヘッド2600の構成要素は、ハウジング2630内に実質上収容され、コード2640を介してベースユニット(図示せず)に接続される。ハウジング2630は、説明を容易にするため、透明なワイヤーフレームとして図示される。ヘッド2600の構成要素の寸法は、それらが使用される身体部分に従って選択され得、種々の身体部分の処理を許容するため、複数のヘッドがコード2640に接続可能であり得る。あるいは、各ヘッドは、各コードがベースユニット内へ差し込まれ、かつ取り外されるように、固定コードを有し得る。
図26Bは、湾曲面を扱うヘッドの二つの伝達システム2610及び2620の一実施形態の概略である。伝達システム2610及び2620は、それらの相対的位置付けを示すため、ハウジングなしで図示される。図26Bは、湾曲した皮膚領域との接触の維持を助長するため、伝達システムが少なくとも一方向に枢動する点を図示する。例えば、伝達システム2610及び2620は、互いに対しある角度(例えば、5−30度)で取り付けられ得、また、軸X及びX’周りに回転可能に取り付けられ得る。
図27は、本発明に従うハンドピース2700のいくつかの側面の実施形態を図示する概略である。ハンドピース2700は、ハンドル2702及びヘッド2704を有するハウジング2710を含む。ハンドピース2700は、ヘッド組立体2710(光学システムを含む)、冷却組立体2720及び動力組立体2730を含む。
図28は、本発明の少なくともいくつかの側面に従う美容装置2800の一実施形態の概略図である。装置2800は、ハンドピース2810と、ベースユニット2820と、ハンドピース2810をベースユニット2820に連結するコード2826とを含む。ハンドピース2810は、患者の皮膚(図示せず)に沿ってヘッド2830を移動されるため、オペレーターに把持され得る。ヘッド2830は、上記したようないずれのヘッドでもあり得、また、光美容処理、例えば後述するいずれかの処理を成し遂げるのに適した他のどのようなヘッドでもあり得る。
以下は、本発明に従う装置及び方法を用いて実現可能な処理例の記述である。しかしながら、記載の処理は模範的なもの、これらに限定することは企図されない。本発明に従う装置及び方法は、汎用性があり、また、既知のどのような処理にも又は未だ発達していない処理にも適用され得る。
模範的な処理機構は、望ましくない美容状態の原因である組織内の発色団による光の吸収、又は該組織の近傍の発色団による光の吸収を含む。処理は、回復不能な損傷を与える温度を下回る、ターゲット組織の限定された加熱により、又は回復不能な損傷をもたらすように加熱することにより(例えば変性)、成し遂げられ得る。処理は、熱に対する生物学的応答の直接的な刺激により、又は、生物学的応答が熱によって間接的に実現されるようなカスケード現象の誘導によって成し遂げられ得る。処理は、上記機構のいずれかの組合せからもたらされ得る。随意的に、冷却、DC又はAC(RF)電流、物理的振動、又は他の物理的刺激/活動が、処理効率を高めるために処理領域又は隣接領域に適用され得る。処理は、1回のセッションからもたらされ得、又は、複数回のセッションが、所望の臨床効果を達成するために使用され得る。
本発明の一又は複数の側面に従う装置は、種々の光学的範囲において動作し得る。例えば、皮膚へと送られる電磁放射は、380〜1900nmの範囲内の波長を有し得る。送出される光の出力は、0.001〜300W/cmの範囲であり得、また、模範的な走査速度は、0.1〜500mm/sec.を含む。望ましい放射特性は、適切なLED、ランプ及びダイオードレーザー、又は現在入手可能かもしくは未だ開発されていない他の適当な光源のいずれによっても実現され得る。
放射線脱毛は、本発明の側面に従う装置及び方法によって実行され得る美容処理である。脱毛の場合、熱的破壊のための主要なターゲットは、毛球であり、好ましくは、毛球の毛基質、毛乳頭又は基底膜である。脱毛処理では、毛幹及び毛嚢にあるメラニンがターゲットとなる発色団である。毛球がメラニンを含み、従って、熱的に処理され得るのに対し、毛球内の乳頭と毛幹内の基質との間に育毛通信路を与える基底膜は、最も密度の高いメラニンを含み、選択的にターゲットとされ得る。
0.6〜1.2μmの波長が脱毛に一般的に使用される。出力、速度及び焦点合わせ形態の適当な組合せにより、異なる毛に関連したターゲット(例えば、球、基質、基底膜、幹細胞)は、周辺の真皮が損傷を受けないままである間に、変性温度まで加熱され得る。ターゲットとされる毛嚢及び表皮の両方はメラニンを含むので、表皮接触冷却と長いパルス幅との組合せが、表皮の損傷を防ぐために使用され得る。脱毛のより詳しい説明は、Rox Anderson等による同時係属の2002年3月12日付けの特許出願第60/363,871号、タイトル「育毛制御のための方法及び装置(METHOD AND APPARATUS FOR HAIR GROWTH CONTROL)」に記載され、これは、参照により本書面中に組み込まれる。
脱毛はしばしば広い領域にわたって要求され(例えば、背中及び両足)、そのため、処理時間を短くするためには、要求される出力も、それに応じて大きい(20〜500Wのオーダー)。現世代のダイオードバーは、800nmで40〜60Wの発光が可能であり、そのため、それは、本発明に従う光美容装置のいくつかの実施形態においての使用に効果的なものとなる。
育毛管理の模範的方法は、毛嚢の低出力照射と、毛幹の浅い物理的抜き取り及び/又は体からの毛嚢の完全なもしくは不完全な物理的抜き取りとの組合せによって実現され得る。いくつかの実施形態によれば、照射は、毛嚢におけるメラニン又は他の内因性もしくは外因性発色団によって吸収される波長範囲で発光する光源により、毛嚢を含む皮膚の一部を照らすことによって実現される。物理的抜き取りは、機械的に、電気機械的に又は他の適当な技術によって行われ得る。この処理は、一時的な毛の減少又は永久的な毛の減少のいずれにも使用され得る。
本発明に従う育毛管理の第1の模範的実施形態は、最初に、毛を物理的に除去する工程と(「脱毛」)、次に、上述したように皮膚を照射する工程とを含む。いくつかの実施形態によれば、脱毛は、毛嚢から主に毛幹を除去するように調整され得る。あるいは、脱毛は、角質化した領域へと至り得る。この脱毛は、電気機械的脱毛又はワキシングによって行われ得る。
光処理は、例えば、上述した光美容装置の実施形態の一つを使用して実行可能である。これらの実施形態によれば、光は、毛基質のメラニンによって吸収され得、熱的損傷の結果、育毛速度は遅れ又は完全に止められる。
随意的に、脱毛後で照射前に、除去された毛に対応する空の毛嚢を埋めるため、局所的ローションが処理領域の皮膚に塗られ得る(例えばハンドピースを介して)。いくつかの実施形態において、透明ローションは、照射される皮膚領域に光を向ける導波管効果を与えるのに適した範囲の屈折率を有するように選択される。好ましくは、ローションの屈折率は、水の屈折率(すなわち、水の化学添加物によってほぼ1.33)よりも高い。いくつかの実施形態において、ローションの屈折率は、真皮の屈折率(すなわち、ほぼ1.4)よりも高い。いくつかの実施形態において、ローションの屈折率は、内根鞘の屈折率(すなわち、ほぼ1.55)よりも高い。内根鞘の屈折率より高い屈折率の実施形態において、皮膚面における入射光は、著しい減衰を伴わずに毛基質へと直接送られ得る。
皮膚を照らすために用いられる有効パルス長は、照射源の走査速度によって割られたビームサイズによって与えられる。例えば、50〜100mm/sの走査速度で移動する2mmのビームサイズは、20〜60msの有効パルス長を与える。250W/cmの出力密度では、有効フルエンスは5〜10J/cm2であり、これは、高屈折率なローションを使用することなしに、装置によって送出される光のフルエンスをほぼ2倍にする。
いくつかの実施形態において、ローションのpHは、マトリックス細胞の変性閾値を低下するように調整され得る。そのような実施形態において、毛基質を傷つけるため、従って育毛管理を与えるために、より低い出力が必要である。随意的に、ローションは、源から発せられた光の著しい吸収を伴う分子又はイオン又は原子によってドープされ得る。ローションによる毛嚢における光の吸収の増加のため、毛基質を加熱する著しい照射を供給するために、より低い出力の照射源が使用され得る。
本発明に従う育毛管理の方法の第2の模範的実施形態は、まず皮膚に照射する工程と、次いで上述したように毛を物理的に除去する工程とを含む。最初に皮膚を照らすことにより、毛嚢に対する毛幹の結合又は真皮に対する毛嚢の結合が弱くされる。その結果、機械的又は電気機械的な脱毛がより容易に成し遂げられ得(例えば、ソフトワキシング又は電気機械的脱毛器を使用することにより)、また、痛みが減じられ得る。
照射は、皮膚又は皮下脂肪に対する毛球の結合を弱め得る。そのため、脱毛単独に比べ、皮膚から著しく高い割合の毛嚢を引き抜くことを可能にする。毛球の直径が外根鞘の直径に近いので、毛球と共に毛を引く抜くことは、幹細胞を含む毛嚢全体を永久に破壊し得る。従って、最初の照射及び次の脱毛により、新しい育毛が遅らされるか又は終わらせられ得る。
セリュライトの処理は、本発明の側面に従う装置及び方法によって扱われ得る美容問題の別の例である。特有のセリュライトの窪みの形成は、貧血及びリンパ循環に端を発し、これは次いで細胞老廃物の除去を抑制する。例えば、細胞内空間における除去されていない死んだ細胞は、徐々に脂質を漏出させ得る。結合組織損傷及びその後の小結節の形成は、毒素及び細胞老廃物の継続的蓄積によって生じる。
以下はセリュライトに対する二つの模範的処理であり、いずれも血流及び線維芽細胞増の両方を刺激することを目的とする。最初の模範的処理において、熱的損傷の局所的領域は、皮膚面下2〜10mmに焦点を合わせるように設計された光学システムと組み合わせて、近赤外スペクトル範囲において(例えば650〜1850nmの範囲内の波長において)発光する処理源を用いて作り出される。一実施形態において、1〜100Wの出力密度を有する光が皮膚面に送られ、該装置は、皮膚下5mmの距離において45℃の温度を作り出す速度で操作される。冷却は、傷の形成を減らすよう、表皮に対する損傷を回避するか又は低減するために適用され得る。皮膚下の選択された距離での選択された温度の実現の更なる詳細は、2000年8月9日付けの米国特許出願09/634,691号に記載され、その内容は参照により本書面中に組み込まれている。処理は、組織の圧縮、組織のマッサージ、又は組織にわたるマルチパスを含み得る。
第2の模範的処理において、近赤外光(例えば、700〜l300nmの範囲内の波長で発光する発光ダイオードnm)を発する処理源が、皮膚面下2〜10mmの距離に光の焦点を合わせるために使用され、真皮/皮下脂肪温度を熱的損傷閾値(例えば、42〜60℃の範囲内の温度)の十分下の温度まで高める。第2の模範的処理によれば、加熱は、脂肪分解(すなわち、脂肪の破壊)の速度を高め、脂肪細胞のアポトーシス(すなわち、プログラム細胞死)を引き起こし得る。随意的に、局所的脂肪分解クリームが、第2模範的処理と組み合わせて使用され得る。真皮/皮下脂肪における上昇した温度分布は、クリームの溶け込みを高め、従ってその効能を増長する。非常に長い熱的緩和時間により(すなわち、1分以上)、通常の皮膚面温度を維持しながら、ある領域の複数走査(マルチスキャン)処理が所望の脂肪の加熱を実現し得る。上記模範的処理は、脂肪代謝の活性化及び脂肪の低減のために使用され得る。
座瘡は、本発明の側面に従う装置及び方法を用いて処理され得る別のとても一般的な皮膚障害である。座瘡は、皮脂腺からの皮脂が毛嚢を介して皮膚面に到達できない場合に生じ、また、細菌感染は毛嚢内に起こる。光美容処理は、伝統的処理(例えば、局所的及び口腔投薬)に代わるものである。
以下は、本発明に従う座瘡を処理する模範的方法である。各模範的方法において、実際の処理領域は、比較的小さいであろうから(顔面の座瘡の処理と仮定すれば)、低出力CW源が使用され得る。最初のあり得る処理は、皮脂生成を防ぐため、皮脂腺を選択的に損傷させることである。皮脂腺は、皮膚面下ほぼ1mmに位置する。この深さに焦点を作り出し、かつ、脂質によって選択的に吸収される波長(例えば、0.92、1.2及び1.7μm近傍)を用いることにより、直接の熱的破壊が可能になる。例えば、熱的破壊をもたらすため、皮膚面下ほほ1mmにおいて45〜65℃の温度が引き起こされる。その際、2000年8月9日付けの米国特許出願09/634,691号に記載されるいずれの方法も使用される。その内容は参照により本書面中に組み込まれている。
随意的に、(図4に関連して上記されたような)焦点の線形マトリックス(線形行列)が、損傷のアイランドを作り出すために使用され得る。皮脂腺の正確な位置は知られていないかもしれないので、焦点のマトリックスを伴う各処理は、いくつかの損傷されている皮脂腺をもたらす。従って、該領域を複数回処理することにより、膨大な数の皮脂腺が損傷される。
座瘡のための別の処理は、皮脂生成及びアポトーシス(プログラム細胞死)の中止を実現するため、熱的変性温度より低い温度まで(例えば、45〜65℃の温度まで)皮脂腺を加熱することを含む。そのような選択温度は、周囲の細胞に対する皮脂生成の原因である細胞の低熱閾値を利用し得る。別の座瘡の処理は、皮脂腺への血液供給の熱的破壊(例えば、60〜95℃の温度まで血液を加熱することによる)である。
座瘡の上記処理では、皮脂腺は、インドシアニングリーン(ICG、800mn近くで吸収)又はメチレンブルー(630nm近くで吸収)のような化合物を用いることにより、近赤外線に対し高感度化され得る。あるいは、フォトフリンのような非熱光力学的治療剤が皮脂腺の好感度化に使用され得る。いくつかの実施形態において、単クローン抗体(MAB)のような生化学的キャリアが、これらの感作化合物を直接皮脂腺へと選択的に与えるために使用され得る。
上記処置は、座瘡のための処理として記述されたが、該処理は皮脂腺の損傷/破壊(及び、従って皮脂生成量の低減)を含むので、該処理は、過度な油性肌の扱いにも使用され得る。
座瘡を処理する別の光ベース方法は、座瘡と関連する特有の炎症の原因であるバクテリア(P. acnes)の熱的破壊を含む。バクテリアの破壊は、P. Acnes に貯蔵されたポルフィリンを狙うことによって達成され得る。
プロトポルフィリン、コプロポルフィリン及び亜鉛とキレートしたプロトポルフィリのようなポルフィリンは、それらの代謝産物としての嫌気性バクテリアによって合成される。ポルフィリンは、400〜700nmの可視スペクトル領域における光を吸収する。その吸収の最も強いピークは、415nm付近である。選択された波長範囲において十分な強度で光を供給することにより、吸収からもたらされる熱は、バクテリアの死を引き起こす。例えば、望ましい効果は、皮膚面下0.2〜1mmに焦点を合わせ、かつ皮膚面での出力密度が0.01〜10W/cmであるように設計された光学システムを使用し、360〜700nmの範囲の波長で発光する処理源を用いることにより実現され得る。
座瘡を処理するための更に別の技術は、皮脂を妨げられずに流出させるよう、感染した毛嚢の開口を拡大するために光を用いることを含む。該技術の一実施形態において、毛嚢開口に優先的に蓄積するローション(例えば、有機無機色素又は吸収微粒子を有する脂質一定ローション)が皮膚面に塗られる。処理源波長は、該ローションの吸収帯域に整合される。例えば、ICGがドープされたローションの場合、源波長は、790〜810nmである。例えば、皮膚面であるフルエンス(例えば、1〜100W/cm)を発生させて、漏斗/下漏斗において45〜100℃の温度を生じさせる光学システムを使用することにより、毛嚢開口は広げられ得、また、皮脂は、コメド(すなわち、ブラックヘッド)の形成を防ぐため、毛嚢外に流れて下漏斗の作り変えが許容される。
伝統的な除去CO2レーザー皮膚再表面化の代わりとして現在使用されている非除去皺処理は、本発明の側面に従う装置及び方法によって実行可能な別の美容処理である。非除去皺処理は、繊維芽細胞を熱的に刺激し、新しいコラーゲンの堆積を起こすため、表皮を冷却すると同時に真皮の上層に光を送出することによって実現される。
皺処理において、主要な発色団は水であるため、0.8〜2μmの波長が、処理放射の波長に適する。顔面の皺のみが一般的な美容の関心なので、処理領域は、比較的狭く、また、必要な有効範囲速度(cm2/sec)もそれに応じて低く、更に比較的低出力の処理源が使用され得る。表皮冷却と組み合わせてサブ面焦点合わせを与える光学システムが、所望の効果を達成するために使用され得る。上真皮温度の正確な管理が重要である。温度が高すぎると、誘起された表皮の熱的損傷が過剰となり、温度が低すぎると、新しいコラーゲンの堆積量が最小となる。速度センサー(手動走査ハンドピースの場合)又は機械的駆動が、上真皮温度を正確に制御するために使用され得る。あるいは、非接触中間赤外熱センサーが、真皮温度を監視するために使用され得る。
血管障害(例えば、ポートワイン母斑、酒さ、クモ状静脈)は、本発明の側面に従う装置及び方法によって処理可能な別の美容問題を提供する。血管障害の処理では、ターゲット発色団はこれらの障害における血液である。模範的な処理波長は、皮相の血管障害では0.4〜0.6μmであり、深い血管障害では0.6〜1.3μmである。クモ状静脈の場合、ターゲット組織の比較的大きなサイズ及びそれに対応する長い熱緩和時間は、熱的破壊を達成し、かつ表皮を保存するため、長時間にわたるエネルギーの多量の沈着を必要とする。その上、積極的な表皮の冷却(特に黒い皮膚種IV〜VIの患者の場合)が、表皮の損傷を防ぐために使用され得る。CW源の使用は、障害の処理に有利である。その理由は、脱毛と同様に、ターゲット組織(静脈壁)の一部がほとんど血液を含まず、熱拡散によって損傷されるにちがいないからである。
老化班のような色素性障害は、それらの組織におけるメラニンを含む細胞を選択的に狙うことによって除去され得る。これらの障害は、皮膚面下100〜200μmの深さに焦点を合わせる光学システムを使用することにより、位置が特定され得、また、0.4〜1.1μmの範囲の波長で狙われ得る。個々のメラニン生成細胞は小さく、短い熱緩和時間であるので、浅いサブ面焦点合わせが変性温度に達するのに役立つ。
腋の下の臭いの除去は、本発明の側面に従う装置及び方法によって処理可能な別の問題である。そのような処理では、漏出分泌腺/離出分泌腺によって選択的に吸収される波長を有する源が、漏出分泌腺/離出分泌腺を熱的に損傷するために使用される。随意的に、感作化合物が損傷を高めるために使用され得る。
入れ墨除去は、本発明の側面に従う装置及び方法によって実現可能な別の処置である。入れ墨除去のための慣用装置は、美容入れ墨除去のため、短パルス(10〜50ns)Qスイッチのルビー、アレキサンドライト、Nd:YAG及び周波数2倍のNd:YAGを含む。一般に、源波長は、除去される入れ墨の色に基づいて選択される(例えば、グリーンレーザーは、入れ墨の赤部分を除去するために使用される。)。インク粒子が現に個々の細胞へ組み込まれているので、入れ墨除去のための熱的処理の一実施形態は、細胞の破裂を引き起こし、それにより、該インクを放出する。
入れ墨除去に使用するための本発明の側面に従う装置の模範的な実施形態は、CW源と、インク粒子含有細胞を破裂させるため、該細胞が存在する深さ(例えば150〜700μm)に処理源からの放射をしっかりと焦点合わせするように選択された光学システムとを使用する。あるいは、該細胞をそれらの熱変性温度以下に加熱し、アポトーシスを引き起こさせることも可能であろう。アポトーシスを引き起こすように設計された実施形態の場合、治療は、細胞が損傷を受ける領域と、中間の非照射の領域とを作り出すため、ハンドピースが皮膚面に沿って連続的に走査されながら、準連続モードで放射源を作動させることによって高められ得る。いくつかの実施形態において、速度センサーからのフィードバックが、レーザー放射を制御して、ハンドピース速度とは独立に等間隔の損傷ラインを作り出すように使用され得る。入れ墨を完全に除去するためには、複数の処理が必要であろう。
いくつかの慣用の比較的費用のかかる入れ墨除去装置において、0.532μmで放射するQスイッチ周波数2倍Nd:YAGは、1.064μmで放射する発光する(Nd:YAG)及び0.755μmで放射するアレキサンドライトレーザーと組み合わされる。該レーザーは、種々の入れ墨インク色を含む細胞を狙うように選択的に操作される。本発明の側面に従うモジュールの実施形態は、上記システムに代わる比較的低コストなものを提供する。例えば、本発明の実施形態は、別個の波長もしくは波長帯域で放射する光学源又は単一源と、源から発生した光の波長を変える光学部品との使用を可能にするように構成され得る。特に、0.755μmに近い波長を実現するため、0.808μmダイオードレーザーバーが使用され得る。また、Nd:YAG結晶モジュールがハンドピース内に装入され得、これは、1.064に近い波長を作り出すため、ダイオードレーザーバーによって励起されるであろう。また、0.532μmに近い波長を作り出すよう、SHG結晶が、1.064μm波長の放射を発するレーザーダイオードの周波数を2倍にするために使用され得る。あるいは、Nd:YCOBのような自ら周波数を2倍にする結晶が使用され得る。
低強度治療(LIT)は、本発明の側面に従う装置及び方法によって実現可能な別の処置である。LITは、傷の処理、手根管症候群の処理のため、又は育毛を刺激し、もしくは生化学的反応を促進するために使用され得る。LITに一般に使用される出力密度及び波長(630〜820nm)は、ダイオードレーザー又はLED処理源を用いて実現され得る。随意的に、一又は複数の上記処理が獣医学的LIT用途に使用され得る。
目立つ妊娠線及び傷の除去又は低減は、本発明の側面に従う装置及び方法を使用して達成され得る処置である。非除去皮膚再表面化と同様に、上記処置を実現するためには、上真皮において薄い熱的に損傷を受けた層を作り出すことにより、コラーゲンの沈着及び傷の治療を刺激することが可能であり得る。
いぼの除去は、本発明の側面に従う装置及び方法を用いて実現可能な別の処置である。いぼの除去は、血液吸収域(0.5〜0.8μm)の光を作り出す源を使用して達成され得る。この波長は、ヘモグロビンによって選択的に吸収され、これは、いぼの血液供給を止めるように見える。
乾癬は、本発明の側面に従う装置及び方法によって処理可能な皮膚の不調である。乾癬を処理するように構成された本発明の模範的実施形態は、800nm近く波長で放射する。随意的に、一又は複数の光力学薬のような感作剤又はICG/メチレンブルーが使用され得る。処理は、週に数回適用され得、また、処理のアイランド(又はライン)を含むいくつかの異なる方法で与えられ得る。本発明の側面に従う装置及び方法の更なる用途は、局所的投薬の送出及び皮膚への美容的下準備の容易化を含む。
本発明の概念及び多くの模範的実施形態を記述したが、本発明が種々の方法で実施され得ることが当業者には明らかであり、また、当業者には変更及び改変が容易に生じる。従って、上記例は、限定されることを企図しない。本発明は、請求の範囲及びその等価による必要に応じてのみ限定される。