JP2011155841A - 不透明液状物質の殺菌装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 牛乳等を紫外線を照射して殺菌することのできる不透明液状物質の殺菌装置を提供する
【解決手段】 バルククーラー1内に貯留する牛乳等をポンプ装置2で吸い上げ、所定角度に傾斜したスロープ3上において薄膜状に流下させる。スロープ3上には紫外線ランプ3が配置されており、薄膜状の牛乳には紫外線ランプ7から紫外線が照射され殺菌処理される。殺菌処理後の牛乳は導液路5aを通過して再びバルククーラー1内に戻される。
【選択図】 図1
【解決手段】 バルククーラー1内に貯留する牛乳等をポンプ装置2で吸い上げ、所定角度に傾斜したスロープ3上において薄膜状に流下させる。スロープ3上には紫外線ランプ3が配置されており、薄膜状の牛乳には紫外線ランプ7から紫外線が照射され殺菌処理される。殺菌処理後の牛乳は導液路5aを通過して再びバルククーラー1内に戻される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、紫外線ランプを利用して、牛乳等の不透明液状物質に紫外線を照射することによりウイルスを不活化して、これを殺菌することのできる不透明液状物質の殺菌装置に関する。
本発明に係る不透明液状物質のひとつとして牛乳が挙げられる。我国では、牛乳を殺菌する場合、食品衛生法の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)により、62℃〜65℃で30分間加熱するか、またはこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌すること」と定められている。
上記加熱殺菌の方法としては、低温保持殺菌法(LTLT法)や高温保持殺菌法(HTLT法)、高温短時間法(HTST法)や超高温短時間殺菌法(UHT法)、また、超高温滅菌法(UHT法)が知られている。
ところで、牛乳を家畜(子牛等)の餌として利用する場合、上記食品衛生法の規定の対象とはならないが、この場合も一般的に、牛乳を貯留するバルククーラーから当該牛乳を一旦取り出し、上記加熱法により殺菌処理後、冷却してから家畜(子牛等)に授乳させていた。
しかし、上記殺菌処理は作業負担が重く、相当程度の時間も要することから、これに代わる殺菌方法の提案が望まれていた。また、加熱殺菌方法は、牛乳の脂肪分が分離したり成分に変質が生じる場合もあり、これらの問題を生じない殺菌方法の提案が好ましい。
そこで、上記要請に適う殺菌方法として、紫外線を利用した殺菌処理が種々提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1記載の発明は、石英等、紫外線を透過する材料で作られた円筒の外周に紫外線光源を配して、円筒の内面に殺菌無菌化する液体を流下させることにより、円筒の内面に液体の超薄膜を形成する。液体の超薄膜には、円筒を透過した紫外線が曝露されて、液体に含まれる微生物やウイルス等を殺菌する。
この方法によれば、不透明な液体の全ての部分に紫外線を照射することができ、信頼できる殺菌効果を得ることができる。
上記殺菌方法は、牛乳等有色の液体においては、紫外線の透過率が悪く、特に、紫外線ランプから照射される波長を254nmとする紫外線は、有色の液体に対して透過性が悪いことに鑑み、液体を超薄膜として流し、これを殺菌することに特徴を有する。
然るに、牛乳等有色液体を石英等からなる円筒内面に流下させた場合、有色液体が円筒内面に付着,残留し、次第に紫外線の透過率を低下させる問題があった。特に牛乳等油分の多い液体を流下させた場合は、円筒内面に膜を形成し、これにより、円筒に対する紫外線の透過率は著しく低下し、結果、液体の殺菌効果は低下して、信頼に足る殺菌処理が実現できなくなっていた。
この問題を解決するためには、メンテナンスによって円筒内面を定期的に清掃する必要があるが、当該作業に費やす作業者の負担を考慮すると好ましくない。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みて、長期の殺菌処理においても殺菌効果を持続し、定期的なメンテナンスを極力不要とし、信頼性のある殺菌処理を施すことのできる不透明液体物質の殺菌装置を提供するものである。
請求項1記載の発明は、不透明液状物質を貯留するバルククーラーと、該バルククーラーから前記不透明液状物質を揚液するポンプ装置と、該ポンプ装置にて揚液した不透明液状物質を薄膜状に流すスロープと、該スロープから流下する前記不透明液体物質を前記バルククーラー内へ戻す導液路を備え、前記スロープ上には、これと一定距離隔てて、薄膜状に流れる不透明液状物質に紫外線を照射する殺菌装置を備えて構成されること特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記殺菌装置は、紫外線ランプと、これを囲繞して紫外線を透過する収容ケースから構成されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記殺菌装置は、前記収容ケースに不透明液状物質が付着することを風力により防止する送風装置を具備して構成されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の発明において、前記バルククーラーは、貯留する不透明液状物質を当該バルククーラー内で攪拌する攪拌装置を備えて構成されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、バルククーラーから揚液した不透明液状物質をスロープ上に薄膜状にして流下させつつ紫外線ランプを利用して殺菌処理するため、不透明液状物質全体を効果的に殺菌できるとともに、長期間の使用継続によっても不透明液状物質への紫外線の照射率を低下させることはない。
請求項2記載の発明によれば、紫外線ランプを紫外線を透過する収容ケースで囲繞する構成であるので、不透明液状物質が跳ね等により紫外線ランプに付着することを防止できる。
請求項3記載の発明によれば、不透明液状物質が跳ね等により、紫外線ランプの収容ケースに付着することを送風装置による送風によって極力抑制することができるので、紫外線ランプから不透明液状物質へ照射される紫外線の照射量が低下することを防止できる。
請求項4記載の発明によれば、不透明液状物質を貯留するバルククーラー内の液体を攪拌装置によって攪拌することにより、バルククーラー内の液体全体をポンプ装置によって満遍なく揚液することができ、液体全体を均一に殺菌処理することができる。
以下、本発明の実施の形態について図1を用いて説明する。図1は本発明に係る不透明液状物質の殺菌装置Aを示すものである。
図1において、1は牛乳等の不透明液体物質(以下、牛乳等という)を貯留するバルククーラーであり、乳牛から搾られた、牛の体温に近い生乳を急速に冷却して細菌の増殖を抑制し、乳質の劣化を防止することができる。
2はバルククーラー1に貯留する牛乳等を高所へ揚液するポンプ装置であり、3はポンプ装置2により揚液された牛乳等を所定の傾斜角度を施して低所へ流下させるスロープである。
4はスロープ3を薄膜状に流れる牛乳等を紫外線で殺菌処理する殺菌装置であり、5はスロープ3上で殺菌されて流下した牛乳等をバルククーラー1内へ再び戻す導液路5aを形成する流通管である。
6はバルククーラー1内に貯留した牛乳等を攪拌する攪拌羽根6aを供えた攪拌装置である。
前記殺菌装置4は、紫外線を発する紫外線ランプ7と、石英等、紫外線を透過する材質よりなり、紫外線ランプ7全体を囲繞する収容ケース8から構成されており、また、当該殺菌装置4の近傍には、収容ケース8の下面に所定の風力を供給する送風装置9が具備されている。
つづいて、前記不透明液状物質の殺菌装置Aにて牛乳等の不透明液体を殺菌処理する場合の動作について説明する。殺菌装置Aによって牛乳等を殺菌する場合、まず、バルククーラー1にて冷却,貯留された牛乳等をポンプ装置2で揚液する。ポンプ装置2で揚液された牛乳等は、ポンプ装置2上端近傍に設置されたスロープ3上に排出され、スロープ3の一定角度にしたがって下方へ流下する。
このとき、スロープ3上には牛乳等が薄膜状に流れることとなる。また、スロープ3上には紫外線ランプ7を備えて構成される殺菌装置4が配設されており、スロープ3上を流れる薄膜状の牛乳等には、当該殺菌装置4から紫外線が照射される。
これにより、牛乳等にはその全面において、殺菌装置4から紫外線が照射され、牛乳等内のウイルスを不活化し、これを殺菌することができる。
殺菌された牛乳等は、スロープ3下端近傍に配置された液受5b内に流下し、流通管5の導液路5a内を通って、再び、バルククーラー1内に戻される。
バルククーラー1内に戻された牛乳等は、攪拌装置6の攪拌羽根6aの回転動作によってバルククーラー1内で攪拌される。この一連の動作を繰り返すことにより、バルククーラー1内に貯留された牛乳等を均一に殺菌処理することが可能となる。
また、前記スロープ3上において紫外線殺菌するに際し、スロープ3上で牛乳等が殺菌装置4側へ跳ねた場合、紫外線ランプ7は収容ケース8にて完全に囲繞されているので、牛乳等が紫外線ランプ7に付着することはない。
また、殺菌装置4には送風装置9が備えられており、収容ケース8の下面に所定風量で送風されているので、スロープ3上で跳ねた牛乳等を当該送風装置9の送風作用により吹き飛ばし、牛乳等が収容ケース8に付着することを防止している。
仮に跳ねた牛乳等が収容ケース8に付着した場合であっても、送風装置9による送風によって付着した牛乳等を即時に吹き飛ばすことも可能である。
したがって、牛乳等の殺菌処理を長期間継続した場合でも、牛乳等に照射される紫外線量を低下させることはなく、また、収容ケース9を清掃する等、メンテナンスの回数を飛躍的に減少させることが可能となる。
以上説明したように、本発明の不透明液状物質の殺菌装置Aは、スロープ3上にて薄膜状に牛乳等の不透明液状物質を流すことにより、透過性の悪い不透明液体であっても充分な殺菌処理を実現することができ、また、バルククーラー1内を攪拌することにより、貯留する不透明液状物質全体を均一に殺菌処理することが可能となる。
また、紫外線ランプ7を石英等からなる紫外線を透過可能な収容ケース8にて囲繞することにより、不透明液状物質に対する紫外線の照射に支障をきたすことなく、スロープ3上で跳ねた前記液状物質が紫外線ランプ7に付着することを確実に防止することができる。
さらに、収容ケース8近傍には、送風装置9が備えられ、収容ケース8の下面を送風する構成であるので、スロープ3上で跳ねた前記液状物質が収容ケース8に付着することを防止し、万一、付着した場合であっても送風作用によりこれを確実に吹き飛ばし、収容ケース8の透明性を長期にわたって確保することができ、紫外線の殺菌効率を低下させることはない。
紫外線を照射して牛乳等の不透明液状物質を殺菌することのできる殺菌装置を提供するものである。
1 バルククーラー
2 ポンプ装置
3 スロープ
4 殺菌装置
5 流通管
5a 導液路
5b 液受
6 攪拌装置
6a 攪拌羽根
7 紫外線ランプ
8 収容ケース
9 送風装置
A 不透明液状物質の殺菌装置
2 ポンプ装置
3 スロープ
4 殺菌装置
5 流通管
5a 導液路
5b 液受
6 攪拌装置
6a 攪拌羽根
7 紫外線ランプ
8 収容ケース
9 送風装置
A 不透明液状物質の殺菌装置
Claims (4)
- 不透明液状物質を貯留するバルククーラーと、該バルククーラーから前記不透明液状物質を揚液するポンプ装置と、該ポンプ装置にて揚液した不透明液状物質を薄膜状に流すスロープと、該スロープから流下する前記不透明液体物質を前記バルククーラー内へ戻す導液路を備え、前記スロープ上には、これと一定距離隔てて、薄膜状に流れる不透明液状物質に紫外線を照射する殺菌装置を備えて構成されること特徴とする不透明液状物質の殺菌装置。
- 前記殺菌装置は、紫外線ランプと、これを囲繞して紫外線を透過する収容ケースから構成されることを特徴とする請求項1記載の不透明液状物質の殺菌装置。
- 前記殺菌装置は、前記収容ケースに不透明液状物質が付着することを風力により防止する送風装置を具備して構成されることを特徴とする請求項2記載の不透明液状物質の殺菌装置。
- 前記バルククーラーは、貯留する不透明液状物質を当該バルククーラー内で攪拌する攪拌装置を備えて構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の不透明液状物質の殺菌装置。
Priority Applications (1)
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JP2010017529A JP2011155841A (ja) | 2010-01-29 | 2010-01-29 | 不透明液状物質の殺菌装置 |
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JP2010017529A JP2011155841A (ja) | 2010-01-29 | 2010-01-29 | 不透明液状物質の殺菌装置 |
Publications (1)
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JP (1) | JP2011155841A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101569585B1 (ko) * | 2013-12-03 | 2015-11-16 | 전종술 | 자외선 살균장치 |
JP2016141137A (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-08 | 紀州技研工業株式会社 | インクジェットプリンタ |
JP2018019670A (ja) * | 2016-08-05 | 2018-02-08 | 株式会社トクヤマ | 液体の殺菌方法及び殺菌装置 |
JP2018064586A (ja) * | 2017-12-25 | 2018-04-26 | 株式会社トクヤマ | 液体の殺菌装置 |
JP2018068313A (ja) * | 2017-12-25 | 2018-05-10 | 株式会社トクヤマ | 液体の殺菌方法 |
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2010
- 2010-01-29 JP JP2010017529A patent/JP2011155841A/ja active Pending
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JP2016141137A (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-08 | 紀州技研工業株式会社 | インクジェットプリンタ |
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