JP2011154461A - 環境情報管理システム、環境情報管理方法、および環境情報管理プログラム - Google Patents

環境情報管理システム、環境情報管理方法、および環境情報管理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数のセンサが物品の周りに存在する場合でも、物品の環境に最も近いと考えられる環境情報を提供可能とする。
【解決手段】環境情報の参照対象となる物品および期間の指定を入力部22を介してユーザから受け付け、該当期間において該当参照対象物品に関係づけされた他物品ないし搬送物品である関係物品、当該関係物品ないし前記参照対象物品を収容していた場所である関係場所、の少なくともいずれかの情報を関係情報データベース32で取得し、ここで取得した前記関係物品ないし前記関係場所に関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベース32で特定し、ここで特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報を環境情報履歴データベース30から取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部23に出力する環境情報管理システム1に係る。
【選択図】図1

Description

本発明は、環境情報管理システム、環境情報管理方法、および環境情報管理プログラムに関するものであり、具体的には、複数のセンサが物品の周りに存在する場合でも、物品の環境に最も近いと考えられる環境情報を提供可能とし、また、大量の環境情報を収集する場合においても、それぞれのアクセスユーザごとにアクセス可能とする技術等に関する。
近年、様々な分野へのセンサに対するニーズが拡大している。例えば物流分野では、物流貨物に温度等を計測できるセンサを取りつけて、貨物の状態管理やトレーサビリティを実現している。ただし、貨物1つずつに対しセンサをそれぞれ取り付けようとすると、センサを用意するための投資が膨大なものになってしまう。このような課題に対し、物品を輸送・保管する倉庫などの場所や什器にセンサを設置し、そのセンサが計測した情報を物品の移動履歴と組み合わせることで、物品の環境情報を取得する技術などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、センサにて計測した環境情報を物流業者自らが参照し活用する他、貨物の荷主にも公開することで、荷主は自分が委託した貨物がどのような環境で輸送されたかの確認や、温度管理が必要な貨物の場合ではその範囲内で正確に輸送されたかの確認が可能になる。この場合、荷主の貨物に該当する環境情報のみを提供し、他の該当しない環境情報については参照させないようにする必要がある。このような課題に対し、各アクセスユーザの各データに対するアクセス権をそれぞれ記憶し、データアクセスの要求があった際に、前記アクセス権に基づき、アクセスユーザが要求データにアクセスしてよいかどうかを判定することで、データへのアクセス制御を可能とする技術などが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−335494号公報 特開2003−36207号公報
従来技術によれば、物品が移動した場所のセンサが計測した環境情報と物品の移動履歴とから、物品の環境情報を取得するとしているが、一言で「場所」といっても物品を置く棚から、その棚を配置する部屋、部屋が集合した倉庫等の建物など、構造やサイズも様々な階層レベルが含まれる。また、什器についても同様に、ケース、パレット、コンテナなど様々な階層レベルがある。これらそれぞれにセンサが設置される場合など、複数のセンサが物品の周りに存在する状況であれば、どのセンサの計測値が実際の物品の環境に最も近いものなのか容易には判断できない。そこで、本発明の第一の目的は、複数のセンサが物品の周りに存在する場合でも、物品の環境に最も近いと考えられる環境情報を提供可能な技術を提供することにある。
また、従来技術によれば、各ユーザの各データに対するアクセス権を保持しておき、ユーザからの要求時にその値を参照してアクセスの可否を判定するとしている。ただしセンサの計測値は場合によっては数十秒に1回、など計測頻度が多く、そのため計測値データも大量になりやすい。計測値データ1つ1つに対しユーザごとのアクセス権を設定することは膨大な手間がかかるとともに、データ量もさらに増加することになる。また、計測値データを一定期間等である程度纏め、それに対しアクセス権を設定することも考えられるが、物流業務では物品の出入りのタイミングはそれぞれ物品ごとに異なるため、荷主によって参照するデータの期間はバラバラであり、登録時に纏めた単位が必ずしも参照する単位に合致するとは限らない。
そこで、本発明の第二の目的は、環境情報のように大量の計測値データを収集し参照する場合においても、アクセスユーザに対し適切にアクセス制御を行える技術を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の環境情報管理システムは、複数のセンサが計測した温度や湿度などの環境情報を管理するコンピュータシステムであって、以下の各部を備えている。すなわち、本発明の環境情報管理システムは、各センサの計測環境に所在する、物品、各物品の梱包や積載を担う搬送物品、および物品ないし搬送物品を収容する構造物内外の場所、の各間の階層関係と当該階層関係が維持されている期間とに関する情報を保持する関係情報データベースと、各センサが計測した環境情報をその測定時刻に対応付けて保持する環境情報履歴データベースと、を格納した記憶部を備えている。
また、前記環境情報管理システムは、環境情報の参照対象となる物品および期間の指定を入力部を介してユーザから受け付け、該当期間において該当参照対象物品に関係づけされた他物品ないし搬送物品である関係物品、当該関係物品ないし前記参照対象物品を収容していた場所である関係場所、の少なくともいずれかの情報を関係情報データベースで取得し、ここで取得した前記関係物品ないし前記関係場所に関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベースで特定し、ここで特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報を環境情報履歴データベースから取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部に出力する処理部を備えている。
また、本発明の環境情報管理方法は、各センサの計測環境に所在する、物品、各物品の梱包や積載を担う搬送物品、および物品ないし搬送物品を収容する構造物内外の場所、の各間の階層関係と当該階層関係が維持されている期間とに関する情報を保持する関係情報データベースと、各センサが計測した環境情報をその測定時刻に対応付けて保持する環境情報履歴データベースと、を格納した記憶部を備え、複数のセンサが計測した温度や湿度などの環境情報を管理するコンピュータシステムが、以下の処理を実行することを特徴とする。
すなわち、本発明の環境情報管理方法は、コンピュータシステムが、環境情報の参照対象となる物品および期間の指定を入力部を介してユーザから受け付ける処理と、該当期間において該当参照対象物品に関係づけされた他物品ないし搬送物品である関係物品、当該関係物品ないし前記参照対象物品を収容していた場所である関係場所、の少なくともいずれかの情報を関係情報データベースで取得する処理と、前記取得した前記関係物品ないし前記関係場所に関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベースで特定する処理と、前記特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報を環境情報履歴データベースから取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部に出力する処理と、を実行することを特徴とする。
また、本発明の環境情報管理プログラムは、各センサの計測環境に所在する、物品、各物品の梱包や積載を担う搬送物品、および物品ないし搬送物品を収容する構造物内外の場所、の各間の階層関係と当該階層関係が維持されている期間とに関する情報を保持する関係情報データベースと、各センサが計測した環境情報をその測定時刻に対応付けて保持する環境情報履歴データベースと、を格納した記憶部を備え、複数のセンサが計測した温度や湿度などの環境情報を管理するコンピュータシステムに、以下の処理を実行させることを特徴とする。
すなわち、本発明の環境情報管理プログラムは、コンピュータシステムに、環境情報の参照対象となる物品および期間の指定を入力部を介してユーザから受け付ける処理と、該当期間において該当参照対象物品に関係づけされた他物品ないし搬送物品である関係物品、当該関係物品ないし前記参照対象物品を収容していた場所である関係場所、の少なくともいずれかの情報を関係情報データベースで取得する処理と、前記取得した前記関係物品ないし前記関係場所に関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベースで特定する処理と、前記特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報を環境情報履歴データベースから取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部に出力する処理と、を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、複数のセンサが物品の周りに存在する場合でも、物品の環境情報に最も近い環境情報を提供することが可能になる。また、大量の環境情報を収集する場合においても、それぞれのアクセスユーザごとにアクセス可能とする環境情報の選別・判定を行うアクセス制御を実現することができる。
本実施形態の環境情報管理システムを含むネットワーク構成を示す図である。 本実施形態の環境情報管理システムの構成例を示す図である。 本実施形態の移動履歴DBが保持するテーブル例を示す図である。 本実施形態の環境情報履歴DBが保持するテーブル例を示す図である。 本実施形態のマスタDBが保持するテーブル例を示す図である。 本実施形態の関係情報DBが保持するテーブル例を示す図である。 本実施形態における物品、搬送物品、場所の階層関係と各間の距離に関する説明図である。 本実施形態における環境情報管理方法の処理手順例1を示すフロー図である。 本実施形態における環境情報管理方法の処理手順例2を示すフロー図である。 本実施形態におけるセンサ選択処理についての説明図である。 本実施形態における環境情報参照画面の一例を示す説明図である。 本実施形態における環境情報管理方法の処理手順例3を示すフロー図である。 本実施形態における環境情報参照画面の一例を示す説明図である。 他の実施形態における環境情報管理システムを含むネットワーク構成を示す図である。 他の実施形態における物品、搬送物品、場所の階層関係と各間の距離に関する説明図である。 他の実施形態における環境情報管理方法の処理手順例1を示すフロー図である。 他の実施形態における環境情報管理方法の処理手順例2を示すフロー図である。 他の実施形態における環境情報管理方法の処理手順例3を示すフロー図である。
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の環境情報管理システムを含むネットワーク構成図である。図1に示す環境情報管理システム1(以下、システム1)は、複数のセンサが物品の周りに存在する場合でも、物品の環境に最も近いと考えられる環境情報を提供可能とし、また、大量の環境情報を収集する場合においても、それぞれのアクセスユーザごとにアクセス可能とするコンピュータシステムである。ここでは一例として、本実施形態の環境情報管理システム1を、物流貨物管理に適用した状況を想定している。
ここでの環境情報管理システム1は、物品たる貨物5の移動履歴情報や環境情報を管理し、各種情報をユーザに提供するサーバ1で構成されている。またこのサーバ1が接続されたネットワーク2には、倉庫などの物流拠点やトラックなどの輸送手段に設置されるリーダアンテナやセンサ類など各種機器も通信可能に接続されている。前記サーバ1に加えて、これら機器類とネットワーク2を含めて環境情報管理システムととらえてもよい。
こうした環境情報管理システム1は、1つ乃至複数の物流業者や貨物5の荷主に対し、拠点や貨物5の周囲環境の温度、湿度、照度などの環境情報を提供するサービスを実現する。そのため前記サーバ1は、荷主向けに貨物5の移動履歴等の情報を提供する物流業者のデータセンタ等や、もしくは、前記物流業者から情報提供業務等を委託されたサービスプロバイダのデータセンタ等に設置されることを想定できる。
貨物5を取り扱う物流拠点に設置されるセンサ機器としては、例えば、物流拠点内の各フロアや部屋ごとに温度や湿度などの環境情報を計測するフロア環境センサ3がある。また、各フロアや部屋には棚15等の什器が設置されている場合があり、それにも同様の環境情報を計測する棚環境センサ4が設置されている。これらのセンサ3、4はネットワークインターフェイスなどの適宜な通信手段でもって前記ネットワーク2に接続されており、例えば、環境情報を計測する度にその値と計測日時を、センサ固有のID(以下、センサIDと記す)とともにサーバ1へ送信することになる(所定期間分の環境情報を、具備したメモリなどの記憶手段に蓄積しておいて、定期的にサーバ1に送信するとしても勿論よい)。また同様に、貨物5(或いは、パレット10、棚15など)に取り付けられたRFIDタグ6のIDを読み取るリーダアンテナ7、8が前記物流拠点内のフロアごとに存在している。このリーダアンテナ7、8は、RFIDタグ6から読み取った内容と読取日時、およびリーダアンテナ固有のID(以下、リーダIDと記す)の各情報をネットワーク2を経由してサーバ1へ送信する(所定期間分の読み取り情報等を、具備したメモリなどの記憶手段に蓄積しておいて、定期的にサーバ1に送信するとしても勿論よい)。
なお、前記リーダアンテナのうちゲート型リーダアンテナ7は、各フロアや部屋における貨物5の入庫口と出庫口にそれぞれ設置されている。このゲート型リーダアンテナ7からサーバ1に送られるデータには、該当ゲート型リーダアンテナ7を一意に示すリーダIDと、ゲート型リーダアンテナ7で読み取った(貨物5の)RFIDタグ6のIDとが含まれており、したがって、どの貨物5がどのゲート型リーダアンテナ7を通過したか=どのフロアや部屋へ入庫もしくは出庫したのか、がサーバ側で把握可能となる。また、前記リーダアンテナのうちハンディ型リーダアンテナ8は、作業者による貨物5(やパレット10、棚15等)のRFIDタグ6の読取り作業に利用され、貨物5のIDや当該貨物5が置かれた場所のID(例えば棚15を識別するIDなど。以下、場所IDと記す)を貨物5等が付帯するRFIDタグ6から読み取ってサーバ1に送信する。また、貨物5の輸送手段(例:自動車や船舶等の輸送機関)には、その運転手などが使用する携帯端末9が設置されており、この携帯端末9はやはりネットワーク2を介してサーバ1と接続されている。
当然ながら、前記フロア環境センサ3、棚環境センサ4、ゲート型リーダアンテナ7、ハンディ型リーダアンテナ8、携帯端末9らは、ネットワーク2を介してサーバ1と通信するため、演算手段、プログラム等を格納した記憶手段、ネットワークインターフェイスなどの通信手段をそれぞれ有している。
また、貨物5には、例えば荷札としてRFIDタグ6が貼付されており、そのRFIDタグ6の記憶領域には貨物固有のID(以下、貨物IDと記す)が書き込まれている。一般的に、貨物出荷の際には同じ出荷先の貨物ごとにパレット10に積載され、輸送手段に載せて目的地まで輸送される。このパレット10にもRFIDタグ11とパレットセンサ12が取り付けられており、RFIDタグ11の記憶領域には貨物5の場合と同様に固有のID(以下、パレットIDと記す)が書き込まれている。このパレットIDは貨物IDと同様、前記リーダアンテナで読み取られる。一方、パレットセンサ12はネットワーク2に接続されていないため、計測した環境情報をその計測日時とともに内部メモリに蓄積する。貨物5が目的地などの拠点に到着したら、携帯端末9や図示しない現場の端末等とUSB等の適宜なインターフェースにより接続して内部メモリの蓄積情報をセンサIDとともに携帯端末9等に送信する。他方、携帯端末9等は収集した蓄積情報をネットワーク2を経由してサーバ1に送信することになる。
本実施形態では、上記のように棚15やフロアなどの場所、およびパレット10やコンテナなどの輸送什器にセンサが取り付けられており(ただし貨物5には直接取り付けていない)、このセンサが計測した温度や湿度などの環境情報を、貨物5の荷主などに提供することを想定する。
続いて、前記サーバ1の構成について詳述する。図2は、サーバ1の機能ブロック図である。サーバ1は、演算処理を行う際に用いられる記憶部としてのメモリ25と、前記演算処理を行う処理部としての演算処理装置を少なくとも備えるコンピュータとして構成される。なお、前記メモリ25は、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。演算処理は、CPU24(Central Processing Unit)によって構成される演算処理装置が、メモリ上のプログラムを実行することで実現される。また、前記サーバ1は、通信のためのネットワークインタフェースを通信部21として備える。
前記通信部21は、前記リーダアンテナ7、8から受信した貨物5、パレット10等の移動履歴の情報(例:貨物ID、リーダID、読取日時を含む)およびセンサ3、4、携帯端末9から受信した環境情報(例:センサID、環境情報、計測日時を含む)のCPU24への送信を行う。また、入力部22はユーザからのデータ入力等を受け付け、CPU24へ送信する。出力部23はCPU24にて生成した画面の出力などを行う。
前記CPU24は通信部21および入力部22から受信した情報をメモリ25に展開し、メモリ25上の各種プログラムを実行して情報の加工やデータベース(以下、DBと記す)への登録等を行う。また同様に、メモリ25上の各種プログラムを実行してDBから情報を検索・取得し、メモリ25に展開して必要に応じて加工し、出力部23への送信等を行う。前記CPU24が実行するプログラムとしては、データをDBに登録する登録プログラム26と、DB登録済のデータを検索して参照する参照プログラム27、マスタ情報を管理するマスタ管理プログラム28がある。登録プログラム26のサブプログラムとして、移動履歴を登録する移動履歴登録プログラム261、環境情報を登録する環境情報登録プログラム262、関係情報を登録する関係情報登録プログラム263などがある。同様に、参照プログラム27のサブプログラムとして、移動履歴参照プログラム271、環境情報参照プログラム272、関係情報参照プログラム273などがある。これらのプログラムは通常ファイルとしてハードディスク等の適宜なストレージ(サーバ1が具備)に格納されており、必要に応じてメモリ25上に展開される。各プログラムが実現する機能の詳細については後述する。
−−−データ構造例−−−
次に、本実施形態のサーバ1が用いるデータベースにおけるデータ構造例について説明する。前記サーバ1は、自身の備える、或いはネットワーク経由で利用可能なハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置において、移動履歴DB29、環境情報履歴DB30、マスタDB31、および関係情報DB32を備えている。
前記移動履歴DB29は、物品たる貨物5が搬送物品たるパレット10等に梱包、積載された時刻と、各貨物5ないし各パレット10等が所定場所(棚15やフロア、部屋など)に所在した時刻を移動履歴として保持するデータベースである。この移動履歴DB29は、イベントテーブル29a、および状態テーブル29bを含んでいる。
前記イベントテーブル29aのデータ構成例を図3(a)に示す。このイベントテーブル29aにおいて1つのレコードが1つのイベント=貨物やパレットの入出庫等を表し、各レコードは、イベント発生場所を識別する場所ID29a1、場所への貨物等の「入」と「出」を表す入出29a2、移動した貨物/パレットを識別するモノID29a3、移動イベントが発生した日時を表す日時29a4、などの情報をそれぞれ保持する。
例えば、前記リーダアンテナ7、8にて貨物5、パレット10等のRFIDタグ6、11が読み取られ、前記リーダアンテナからサーバ1に移動情報(日時の情報含む)が送信されたとする。この場合、前記通信部21が前記移動情報を受信した際に、前記CPU24は、前記登録プログラム26における移動履歴登録プログラム261をメモリ25にロードして実行することにより、前記移動情報に応じたレコードをイベントテーブル29aに追加登録することとなる。
前記移動履歴登録プログラム261は、リーダアンテナから送信されてきた移動情報中のリーダIDを基に、図示しないリーダ管理マスタDB(例:各リーダアンテナのリーダIDと、該当リーダアンテナが設置されている場所の場所ID、リーダアンテナが入庫口と出庫口のどちらのものかの情報とが対応付けされたデータベース)から、該当リーダアンテナが設置されている場所の場所ID29a1と、入庫口、出庫口のいずれに対応したリーダアンテナかの情報を取得する。前記移動履歴登録プログラム261は、ここで取得した場所ID29a1と、入庫口、出庫口のいずれに対応したリーダアンテナかの情報=入出29a2、日時情報=日時29a4とを対応付けてレコードを生成し、前記イベントテーブル29aに登録することとなる。
また例えば、前記リーダアンテナにて、貨物5が積載されたパレット10のRFIDタグ11の読み取り作業が実行されていたとする。この時、パレット10のRFIDタグ6から読み取られたパレットのIDと日時が前記リーダIDに加えて移動情報として、前記リーダアンテナからサーバ1に送信される。一方、このサーバ1の前記移動履歴登録プログラム261は、後述する関係情報DB32にて前記パレット10のIDをキーに検索を行い、この関係情報DB32より該当パレット10に積載されている貨物5の情報を検索・取得する。そして、イベントテーブル29aにおける前記レコードにてモノID29a3として、“P003”(=パレットのID)、“M001”(=貨物5のID)などを登録する。勿論、前記リーダアンテナによって、パレット10だけでなく積載されている貨物5のRFIDタグ6の読み取り作業も行われ、サーバ1がリーダアンテナからパレット10と貨物5の情報の両方を取得した場合、関係情報DB32における検索等を行わずにイベントテーブル29aでのモノID29a3の登録をするとしてもよい。
続いて、状態テーブル29bの例を図3(b)に記す。この状態テーブル29bは、1つのレコードが1つのモノの現在もしくは過去の所在場所を表し、モノID29b1、場所ID29b2、その場所に入った日時を表す開始日時29b3、その場所から出た日時を表す終了日時29b4、などを保持する。終了日時29b4がnullのレコードは、現在もその場所に該当のモノが所在していることを意味する。前記移動履歴登録プログラム261が、前記イベントテーブル29aにて入出29a2=「入」のレコードを追加した際、この状態テーブル29bにおいて、前記イベントテーブル29aでの追加レコードと場所ID、モノIDが共通で、日時29a4を開始日時29b3とし、終了日時29b4が空欄のレコードを追加する。他方、前記イベントテーブル29aにて前記「入」のレコードに対応して入出29a2が「出」のレコードが追加された場合=該当物が所定の場所から出て行った場合、前記移動履歴登録プログラム261は、前記状態テーブル29bにおいて、前記終了日時29b4を空欄とした前記レコードにおいて、終了日時29b4として、前記「出」のレコードの日時29a4の情報を登録することとなる。こうして移動履歴DB29は生成されていくこととなる。
図4は環境情報履歴DB30のデータ構造例について示す図である。環境情報履歴DB30は、各センサが計測した環境情報をその測定時刻に対応付けて保持するデータベースである。この環境情報履歴DB30における各レコードは、1つのセンサの1つの環境情報種別の1計測値を表し、環境情報を計測したセンサのセンサID301、計測した日時を表す日時302、温度、湿度、照度などといった環境情報種別303、計測値304などの情報を保持する。各センサは予め設定された計測間隔にて環境情報を計測し、その都度もしくは複数の計測値を纏めてサーバ1に環境履歴情報として送信する。サーバ1の通信部21はこの環境履歴情報を受信し、CPU24が環境情報登録プログラム262をメモリ25にロードして実行し、前記環境情報に応じたレコードの追加登録をすることとなる。
続いてマスタDB31について説明する。図5はマスタDB31の構成例を示す図である。マスタDB31は各種マスタ情報を保持するDBであり、センサマスタ31a、モノマスタ31b、場所マスタ31c、ユーザマスタ31dを含んでいる。
センサマスタ31aのテーブルの例を図5(a)に記す。このセンサマスタ31a(センサマスタデータベース)は、各センサが計測した環境情報に対する参照権限を有するユーザの情報と、各センサが計測した環境情報を参照対象物品の環境情報として提供してよい前記階層関係上の物品等の範囲を示す、該当センサからの距離上限値を保持するマスタである。このセンサマスタ31aにおける各レコードは、各センサに一意に対応し、センサID31a1、そのセンサが計測可能な環境情報の種別を表す環境情報種別31a2、センサの情報およびセンサが計測した環境情報の登録権限を有したユーザを表す識別子である登録権限31a3、センサの情報およびセンサが計測した環境情報の参照権限を有したユーザを表す識別子である参照権限31a4、および環境情報として提供してよい前記階層関係上の物品等の範囲を示す参照可能距離上限31a5の各情報を保持する。前記登録権限31a3、前記参照権限31a4、および前記参照可能距離上限31a5については後述する。このセンサマスタ31aでのレコードは、センサが新規に導入された際などに、サーバ1の入力部22を通じて所定の管理者等より登録要求(当然、登録に必要な情報は含まれている)を受け付け、これに応じてサーバ1がマスタ管理プログラム28を実行して、追加登録する。
次にモノマスタ31bについて説明する。モノマスタ31bの構成例を図5(b)に示す。このモノマスタ31b(物品マスタデータベース)は、前記移動履歴DB29における各物品の移動履歴に対する参照権限を有するユーザの情報を保持するものであり、当該モノマスタ31bにおける各レコードは、1つの貨物5やパレット10などの「モノ」に対応したものであり、貨物ID“M001”やパレットID“P004”などのモノID31b1、貨物/パレットの種別を表す種別31b2、登録権限31b3、参照権限31b4の各情報を保持する。前記登録権限31b3、および前記参照権限31b4については後述する。このレコードは、物流拠点等で貨物5の輸送依頼の受任やパレット10の新規導入に応じて、該当貨物5やパレット10に対しRFIDタグ6、11の貼付等がなされる際、サーバ1の入力部22を通じて所定の管理者による登録要求(当然、登録に必要な情報は含まれている)を受け付けたことに対応して、サーバ1がマスタ管理プログラム28を実行して追加登録の処理をすることとなる。
次に場所マスタ31cについて説明する。図5(c)は場所マスタ31cの構成例を示す図である。この場所マスタ31cにおける各レコードは、拠点やフロア、部屋、棚15といった「場所」に一意に対応するものであり、場所を特定するために登録時に予め振られたIDたる場所ID31c1、場所の種別を表す種別31c2、参照権限31c3などの情報を保持する。種別31c2は棚15、棚15が配置された部屋、部屋が所在するフロア、各フロアを有する建物など「場所」の種類を表すものである。参照権限31c3については後述する。新規に物流拠点を設立した際やフロア拡張時、部屋増設時、棚15等を設置した際などに、サーバ1が入力部22を通じて物流拠点の管理者などより登録要求(当然、登録に必要な情報は含まれている)を受け付けて、マスタ管理プログラム28を実行し、この場所マスタ31cにおけるレコードの追加登録をすることとなる。
続いて、ユーザマスタ31dについて説明する。図5(d)はユーザマスタ31dの構成例を示した図である。このユーザマスタ31dにおける各レコードは、本システムのユーザに一意に対応するものであり、ユーザを識別するためのユーザID31d1、そのユーザに付与されるアクセス権限を表す付与アクセス権限31d2などの情報を保持する。輸送業者などシステム1のユーザを登録する場合に、サーバ1が適宜な管理者等による登録指示(当然、登録に必要な情報が含まれている)を入力部22を通して受け付けて、ユーザマスタ31dにおけるレコードを追加登録することとなる。また、ユーザである輸送業者らが、貨物輸送を委託してきた荷主に対し環境情報の提供を行うとして、荷主等に関してレコードを追加登録することもできる。なお、付与アクセス権限31d2については後述する。
次に、関係情報DB32について説明する。図6は関係情報DB32の構成例を示す図である。この関係情報DB32は、各センサと、センサの計測環境に所在する、貨物5などの物品、各物品の梱包や積載を担うパレット10等の搬送物品、および物品ないし搬送物品を収容する棚15や部屋、フロア、物流拠点の建屋など構造物内外の場所、の各間の階層関係と当該階層関係が維持されている期間とに関する情報を保持するデータベースである。いわば、この関係情報DB32は、センサ3、4、12→貨物5→パレット10→棚15→部屋→フロア→物流拠点の建屋、などのような互いの親子関係、包含関係に関する情報を保持するDBと言える。
前記関係情報DB32におけるレコードは、センサとパレット、パレットと貨物といった「モノ」と「モノ」、或いは、棚とフロア、フロアと建屋といった「場所」と「場所」、のように互いの存在位置に関して結びついた各関係に一意に対応するものであり、「モノ」や「場所」らの間の親子関係や包含関係の上位となるモノ・場所のIDを表す上位ID321、同じく下位となるモノ・場所のIDを表す下位ID322、関係が開始された日時を表す開始日時323、関係が終了した日時を表す終了日時324、関係の種別を表す関係種別325、などの情報を保持する。
前記階層関係上の上位、下位について言えば、例えば、パレット10に1つ乃至複数の貨物5を積載した場合、パレット10が上位、貨物5が下位となる。また、物流拠点の建屋とその建屋内のフロアや部屋との場合は、建屋が上位、フロア/部屋が下位となる。また、フロアと棚などの場合も同様に、フロアが上位、棚が下位となる。パレット10やフロアにセンサを設置した場合は、パレットやフロアが上位、センサが下位となる。
前記開始日時323に情報が設定されていて、前記終了日時324がnullであるレコードは、その関係が現在も継続中であることを表す。勿論、終了日時324が設定されたレコードは、該当の関係が終了(例えば、あるパレット10が所定の棚15から出庫された状態など)していることを表している。
この関係情報DB32におけるレコードの登録処理の状況として以下のような例が想定できる。例えば、パレット10に貨物5が積載されているとする。この関係の場合、作業者に扱われたハンディ型リーダアンテナ8が、読み取り対象である貨物5とパレット10のRFIDタグ6、11の読み取り動作を行い、その読み取り情報をサーバ1に送信する。一方、サーバ1では関係情報登録プログラム263を実行し、ハンディ型リーダアンテナ8から受信した情報が含むID(=貨物とパレットのIDが含まれているはずである)をモノマスタ31bに照合して該当IDの有無をチェックすることで、読み取り対象が貨物5やパレット10などの「モノ」であることを確認する。また、前記サーバ1における関係情報登録プログラム263は、「モノ」に対応したものと確認できた前記貨物5とパレット10のIDらに、例えば、関係種別「積載」を付加して関係情報DB32のレコード登録をする。なお、リーダアンテナにて1つ乃至複数の貨物5とパレット10のRFIDタグ6、11を読取り、同時に読み取った貨物IDとパレットIDを移動情報とともにサーバ1へ送信することで、受信情報をサーバ1が移動履歴の登録と纏めて登録することも可能である。
一方、センサ12とパレット10の関係を示すレコードは、センサ12がパレット10に取り付けられた際に、作業者等によるセンサIDとパレットIDの入力をサーバ1が入力部22より受け付けて、前記関係情報登録プログラム263が、前記受け付けたIDをマスタDB31(のセンサマスタ31aとモノマスタ31b)に照合することで、前記IDらがセンサと「モノ」に対応したものであることを確認する。前記関係情報登録プログラム263は、前記確認ができた前記センサ12とパレット10のIDらに、例えば、関係種別「センサ設置」を付加して関係情報DB32のレコード登録をする。
また、物流拠点の建屋とフロアなど「場所」間の関係を示すレコードは、拠点運用開始時やフロアレイアウト変更時などに、作業者らによる場所IDの入力を、サーバ1が入力部22より受け付けて、前記サーバ1の関係情報登録プログラム263が、例えば、関係種別「場所」を付加して関係情報DB32に登録する。他方、場所とセンサとの間の関係を示すレコードは、センサ設置時などに設置対象となった場所を示す場所IDとセンサIDの入力を、サーバ1が入力部22より受け付けて、前記サーバ1の関係情報登録プログラム263が、例えば、関係種別「センサ設置」を付加して関係情報DB32に登録をする。
なお、前記サーバ1が保持するDBおよびプログラムのうち、一部のDBおよびプログラムは、ネットワーク上の別のサーバが保持するとしてもよい。例えば、サーバ1と相互に情報参照・取得が可能なマスタ管理サーバをネットワーク2上に用意し、マスタDB31とマスタ管理プログラム28はこのマスタ管理サーバが保持する、としてもよい。
また、上記の例ではサーバ1にて入力部22と出力部23を備えるとしたが、これら入出力を専用に行う現場ごとに所定端末を用意してネットワーク2と接続し、その端末を用いて作業者は情報の入出力を行うとしてもよい。この場合、前記端末は入出力用クライアント向けプログラムを保持し実行するか、ブラウザを備えてサーバ1が作成する画面をブラウザ経由で参照して入出力を行う、などの方法が考えられる。
また、上記の例では、センサ用とモノ用と場所用とでそれぞれ別のマスタのテーブルを用意したが、これらを1つのIDテーブルとして纏めてもよい。
また、上記の例では、「モノ」と「モノ」、「場所」と「場所」との関係は関係情報DB32で、「モノ」と「場所」との関係は移動履歴DB29の状態テーブル29bで保持するとしたが、状態テーブル29bの内容も関係情報DB32で保持するとしてもよい。この場合、上位ID321には場所IDが、下位ID322にはモノIDが、関係種別325には「モノ」と「場所」の関係であることを示す値がそれぞれ登録されることとなる。
−−−階層関係上の「距離」について−−−
ここで、以降の説明で使用する、モノとモノ、場所と場所、モノと場所との「距離」について定義しておく。ここでいう「距離」とは、モノ間もしくは場所間、またはモノと場所との間の相対的な近さ・遠さを定量値で表したものである。図7を用いてこの「距離」について説明する。まずモノ間の距離について説明する。貨物IDが“M001”の貨物が、パレットID“P002”のパレットに積載されている場合、関係情報DB32には上位ID321が“P002”、下位ID322が“M001”とした関係情報が格納されている。この場合、“M001”と“P002”の間の距離は「1」である。同様に、パレット“P002”がコンテナ“C006”に積載されている場合、“C006”と“P002”との距離も「1」であるため、“M001”と“C006”との距離はこれらを足し合わせて「2」となる。
場所と場所との間の場合も同様に、例えば、棚IDが“L004”の棚15が、フロアID“F005”のフロアに設置されている場合、関係情報DB32には上位ID321が“F005”、下位ID322が“L004”とした関係情報が格納されている。この場合、“F005”と“L004”の間の距離は「1」である。同様に、フロア“F005”が例えば建屋“B001”に存在している場合、“F005”と“B001”との距離も「1」であるため、“L004”と“B001”との距離はこれらを足し合わせて「2」となる。
次に、モノと場所との間の距離について説明する。ある時点に貨物“M001”が場所ID“L004”の棚に置かれた場合、移動履歴DB29において、場所ID“L004”、入出“入”、モノID“M001”となっているレコードを保持している。この場合、“M001”と“L004”との距離は「1」である。“L004”の上位階層で“L004”からの距離が「1」であるフロア“F005”と“M001”との距離は、モノ間・場所間の距離と同様、これらを足し合わせて「2」となる。以上の方法により、サーバ1はモノ間・場所間、モノ-場所間の距離を算出することができる。
−−−処理手順例(アクセス制御なし)−−−
以下、本実施形態における環境情報管理方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する環境情報管理方法に対応する各種動作は、前記システム10を構成するサーバ1のメモリ等に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
図8は、本実施形態における環境情報管理方法の処理手順例1を示すフロー図である。このフロー図は、貨物5の荷主など環境情報を参照したいユーザに対し、特にアクセス制御を行わずに、指定された貨物5に関係するセンサを指定の距離の範囲で検索し、その中から最も指定の貨物5に近い距離のセンサを特定してその環境情報を提供する際の、サーバ1が実行した前記参照プログラム27のフローチャートを示したものである。
まず、ユーザがサーバ1の入力部22を用いて、環境情報を参照したい貨物5(=参照対象となる物品)の貨物ID、参照対象の期間と、指定の貨物5から参照対象とするセンサまでの距離の上限値(範囲)を入力したとする。サーバ1は前記入力部22を介してこれら入力情報を参照要求として受け付ける(S101)。
なお、前記参照対象の期間は、開始日時と終了日時(もしくは現在まで)の2つの情報を含むものとする。また前記距離の上限値は、例えば「2」以内など、指定の貨物IDから数えて、指定の上限値内に該当する距離のモノ・場所に取付されたセンサが計測した環境情報のみを参照対象とすることを意味する。
前記参照要求を受け付けたサーバ1において、前記参照プログラム27は、ユーザ指定の貨物ID(以下、指定IDと記す)に関して、指定の期間の全てまたは一部および距離の上限値内で、関係するセンサを検索・取得するセンサ取得処理に移る(S102)。センサ取得処理のフローチャートを図9に示す。以下、この図に沿って「センサ取得処理」について説明する。
ここで前記参照プログラム27は、まず前記指定IDを検索対象IDとして(メモリ等の所定領域に)セットする(S000)。なお、前記参照プログラム27は、前記ステップS101でユーザから受け付けた距離の上限値の数だけ、ステップS005までの処理を繰り返す。前記ユーザから受け付けた距離の上限値が「0」の場合は、ステップS005までの処理は行わない(S001→S006)。
前記参照プログラム27は、前記関係情報参照プログラム273を呼び出し、前記ステップS101で受け付けた指定期間の全てまたは一部で、受け付けた指定IDが下位ID322となっているレコードを関係情報DB32から検索する(S002)。前記参照プログラム27は、前記ステップS002にて該当するレコードが検索できた場合(S003:Yes)、処理をステップS004へ、他方、1つもレコードが検索できなかった場合(S003:No)、繰り返し処理を抜けてステップS006へ処理を遷移させる(S003)。
前記ステップS003にて、該当するレコードが有ると判定した場合(S003:YES)、前記参照プログラム27は、該当レコードから上位ID321の情報を全て取得し、前記指定IDからの距離と合わせてメモリ25に保持する(S004)。例えば、指定IDが“M001”(=貨物ID)であった時、図6の関係情報DB32では、上位IDとして“P002”(=パレットID)を取得できることになる。また、この場合の「距離」は、「貨物」と「パレット」の間であるから、「1」となる。当然ながら、サーバ1は図7に例示したような、モノや場所の各間における距離について定義情報を適宜な記憶手段から利用でき、IDの種別間で距離を特定できる。さらにこのステップS004にて、前記参照プログラム27は、関係のあった期間と前記ステップS101の指定期間のANDを算出する。例えば、指定IDが“M001”であった時、図6の関係情報DB32では、パレット“P002”と貨物“M001”とが関係を維持している期間の情報として、“09/1/6 9:00:00”なる開始日時323のデータを取得できることになる。この場合、終了日時324のデータがnullであるから、関係は維持されたままとなっていることがわかる。また、前記ステップS101の指定期間が例えば、“09/1/6 15:00以降”であれば、前記開始日時“09/1/6 9:00:00”とのANDは、“09/1/6 15:00以降”と算出できる。
前記ステップS001からステップS005までの処理を再度行う場合、前記参照プログラム27は、その処理時点での上位ID321を検索対象IDにセットし、同様の処理を繰り返すこととなる。例えば、指定ID“M001”の上位ID“P002”を取得した後のループとしては、“P002”を検索対象IDにセットにし、前記ステップS101で受け付けた指定期間の全てまたは一部で、受け付けた指定IDが下位ID322となっているレコードを関係情報DB32から検索することとなる。
なお、前記ステップS003にて、複数レコードが該当すると判定した場合、前記参照プログラム27は、その上位ID321すべてを検索対象IDにセットし、それぞれの上位IDについて前記ステップS001からステップS005までの処理を行う(S004)。前記参照プログラム27は、以上の処理を距離の上限値の範囲内の限りにおいて行う(S005)。
前記参照プログラム27は、さらに関係情報参照プログラム273を呼び出し、以上の繰り返し処理で取得した上位ID全てと、前記ステップS101の指定IDそれぞれについて、これらのIDが上位ID321となっており、下位ID322にセンサID(図6の例では、“SS”を含むもの)があるレコードで、前記ステップS004で算出した期間の全てまたは一部に該当するレコードを関係情報DB32で検索する(S006)。下位IDがセンサIDであるかどうかの判定は、関係情報DB32の関係種別325が“センサ設置”であるかの確認か、或いはIDがセンサマスタ31aのレコードにあるかを検索して確認するか、いずれの手法でもよい。検索により該当するレコードがあった場合、前記関係情報参照プログラム273は、そのレコードからセンサIDを取得する。また、サーバ1はマスタ管理プログラム28を呼び出して、前記取得したセンサIDをキーにしてセンサマスタ31aから該当する環境情報種別31a2を参照し、前記ステップS101で指定を受けた環境情報種別と一致するか判定する。ここで一致した場合、前記参照プログラム27は、前記マスタ管理プログラム28から該当センサIDの情報を得てメモリ25に保持するとともに、前記ステップS004で算出した期間のAND結果と、当該ステップで検索した該当レコードが示す期間とのANDをさらに算出する(S006)。
以上の処理によりサーバ1は、ユーザから指定された貨物IDと指定期間の全てまたは一部に、階層関係上直接もしくは間接的に、関係情報DB32にて関係づけられているモノIDを取得し、そのモノに取付されているセンサと、そのセンサと指定IDが関係のあった期間、センサと指定IDとの距離(つまりはセンサが設置されているモノと指定IDに対応したモノとの階層関係上の距離)を取得できる。
続いて、前記参照プログラム27は、前記ステップS001からステップS005までの処理で取得したモノID(指定IDを含む)それぞれに対して、S015までの処理を行う(S007)。ここで参照プログラム27は、移動履歴参照プログラム271を呼び出し、移動履歴DB29の状態テーブル29bから繰り返し処理対象のモノIDに該当するレコードで、指定期間(ただし指定IDでない場合は指定IDと関係のあった期間と指定期間とのAND)中の全てまたは一部に開始日時・終了日時の期間の全てまたは一部が該当するレコードを検索する。この検索で該当するレコードがあった場合、参照プログラム27は、そのレコードが含む場所ID29b2を取得し、あわせて上記指定期間とレコードが示す期間とのANDを算出し、メモリ等に保持する(S008)。
以下、ステップS014までの処理は、このステップS008で取得した全ての場所IDに対して行う。図7の例において、例えば、場所IDとして“L004”が取得できる。
以下、参照プログラム27は、前記ステップS101で指定を受けた「上限値」より、繰り返し処理対象のモノIDと指定IDとの間の距離および「1」を引いた値を繰り返しの回数値として、ステップS013までの処理を繰り返す(S009)。当然、前記上限値が「0」の場合はステップS013までの処理は行わない。ここで、「上限値」より、繰り返し処理対象のモノIDと指定IDとの間の距離に加えて、「1」を引いたのは、図7の貨物“M001”と棚“L004”との関係のように、モノとそのモノがあった場所との関係の距離として「1」をカウントするためである。
前記参照プログラム27は関係情報参照プログラム273を呼び出し、ステップS008で算出した期間の全てまたは一部で、ステップS008で取得した場所IDが下位ID322となっているレコードを関係情報DB32から検索する(S010)。このステップS010にて該当するレコードが検索できた場合(S011:Yes)、参照プログラム27は処理をステップS012へ、該当するレコードが検索できなかった場合(S011:No)は、繰り返し処理を抜けてステップS014へ処理を遷移させる。
前記ステップS011で該当するレコードが有ると判定した場合、前記参照プログラム27は、該当レコードから上位ID321を取得し、この上位IDと指定IDとの距離を算出し、上位IDと算定した距離の情報をあわせてメモリ25に保持する。さらに、該当レコードにおける関係のあった期間と、前記ステップS008で得た期間とのANDを算出する(S012)。前記ステップS009の繰り返し条件を満たし、ステップS007からステップS013までの処理を再度行う場合、参照プログラム27は、その上位IDをステップS008の場所IDに置き換えて同様の処理を繰り返すこととなる。複数レコードが該当する場合は、その上位IDすべてに対し同様に置き換えて同様の処理を繰り返す。図7の例だと、“L004”の上位IDとして“F005”が得られる。
参照プログラム27は、以上のステップS009からの処理を、ステップS009で算出した数の範囲内の限りにおいて行う(S013)。ただし、ステップS010における「S008で算出した期間」を、ステップS012で算出した期間に置き換えて処理を行う。
前記参照プログラム27は、さらに関係情報参照プログラム273を呼び出し、以上の繰り返し処理で取得した上位ID全てと、ステップS008で得た場所IDそれぞれについて、これらのIDが上位ID321となっており、下位ID322にセンサIDがあるレコードで、ステップS012で算出した期間の全てまたは一部に該当するレコードを関係情報DB32で検索する。この検索で該当するレコードがあった場合、関係情報参照プログラム273は、そのレコードからセンサIDを取得し、マスタ管理プログラム28にてそのセンサIDを基にセンサマスタ31aから環境情報種別31a2を参照し、ユーザ指定の環境情報種別と一致するか判定する。ここで一致と判定した場合、参照プログラム27は関係情報参照プログラム273から該当センサIDをメモリ25に保持するとともに、ステップS012で算出した期間のANDと、関係情報DB32における該当レコードの期間とのANDをさらに算出する(S014)。
参照プログラム27は、以上のステップS007から処理を、ステップS001からステップS005までの処理で取得したモノID(指定IDを含む)の数だけ行う(S015)。
以上の処理により、ユーザから指定された貨物IDおよび指定期間の全てまたは一部に関係づけられているモノIDに対して、そのモノが所在した場所と、その場所の上位に関係づけられている場所を取得し、その場所に取付されているセンサを特定できる。同時に、該当センサIDと指定IDとが関係のあった期間と、センサIDと指定IDとの階層関係上の距離(つまりはセンサが設置されている場所と指定IDに対応したモノ等との距離)を取得できる。以上が、センサ取得処理S102の処理の流れである。
ここで図8のフローに戻り、ステップS103以降について説明する。サーバ1の参照プログラム27は、ステップS102の前記センサ取得処理にて特定したセンサとそのセンサが指定ID(に対応したモノ等)と関係のあった期間、および両者の階層関係上の距離から、期間ごとに指定IDの対象と最も距離の近いセンサを選択する(S103)。
このステップS103における参照プログラム27の処理を図10の例を用いて説明すると、“09/1/1 0:00:00”から“09/1/2 10:00:00”までの期間は、貨物“M100”から距離が「1」である棚“L101”のセンサ“SS113”を、“09/1/2 10:00:00”から“10:10:00”までの間は、貨物“M100”から距離が「2」であるフロア“F103”のセンサ“SS111”を、“09/1/2 10:10:00”から“09/1/4 12:00:00”までの期間は、貨物“M100”から距離が「1」である棚“L102”のセンサ“SS114”を、“09/1/4 12:00:00”から“13:00:00”までの期間は、貨物“M100”から距離が「2」であるフロア“F103”のセンサ“SS111”を、“09/1/4 13:00:00”から“09/1/7 16:00:00”までの期間は、貨物“M100”から距離が「1」であるパレット“P104”のセンサ“SS120”を、“09/1/7 16:00:00”から“09/1/8 0:00:00”までの期間は、貨物“M100”から距離が「2」であるフロア“F106”のセンサ“SS112”を選択する。
このとき、指定IDの対象から同じ距離で複数のセンサが特定できている場合には、前記参照プログラム27は、「場所」と「モノ」のどちらに取付されたセンサを優先するか、もしくはより長い期間、指定IDと関係づいているか、などの選択基準(予め設定されてサーバ1のメモリ等に保持)によりマッチする方を選択する。もしくは、ユーザの参照要求時にオプションとして所定の条件設定を受け付けて、1つのセンサを選択する。
続いて前記参照プログラム27は、環境情報参照プログラム272を呼び出し、前記ステップS103にて選択した各センサのセンサIDと、ステップS101でユーザから受け付けていた期間および環境情報種別の情報を基に、環境情報履歴DB30から該当センサに関するレコードを検索し、検索した各レコードより計測値304の情報を取得する(S104)。なお、前記参照プログラム27は、このステップS104の処理にて、前記ステップS103で選択したセンサ全ての該当レコードを環境情報履歴DB30から取得する一方で、取得したレコードで日時302が同一のものがあれば、その計測値304の平均値を算出して計測値を得るとしてもよい。
次に、前記参照プログラム27は、前記ステップS104にて取得した計測値、および前記ステップS102のセンサ取得処理にて取得した移動履歴情報、関係情報を、参照要求を行ったユーザの端末(ネットワーク2に接続されている)や出力部23の画面等に出力する(S105)。このときの出力画面例を図11に示す。この画面例では、前記「期間」が示す日時を横軸に、計測値を縦軸にしたグラフ表示と、指定の貨物IDに関わるイベントの情報(例:関係情報DB32から得られる関係種別325に基づく、棚15やフロアでの入出、パレット10での積載、など)、および計測を行ったセンサに関する情報(例:センサIDとセンサの設置先、期間に関する一覧表など)について、表示されている。当然ながら、サーバ1の記憶装置にはこうした画面を構成するための画面データのフォーマット等が保持されており、前記ステップS105を実行するにあたって、参照プログラム27は前記画面フォーマットを読み出して、これに必要なデータを設定して画面を生成することとなる。
以上が、アクセス制御を行わずに、ユーザ指定の貨物の環境情報を提供する際の環境情報管理システム1が実行する処理の流れである。
なお、以上の処理ではセンサ取得処理(S102)中のステップS006およびステップS014にて、指定の環境情報種別を計測するセンサを抽出するとしたが、センサ取得処理(S102)では環境情報種別に関わらず全ての種別のセンサを取得し、ステップS103にて指定の環境情報種別に該当するセンサのみを抽出する、としてもよい。
また、以上の処理ではセンサとそれを取付したモノ・場所との関係は、モノ・場所が上位、センサが下位としたが、どちらを上位または下位と定義してもよい。ステップS006およびステップS014での検索をそれに合わせて行えばよい。
また、以上の処理では、ステップS103にて、指定IDの対象と最も距離の近いセンサを選択し、以降の処理ではそのセンサの計測値のみを出力するとしたが、計測した日時がセンサ間で異なる場合などでは、該当する全てのセンサの計測値を出力する、としてもよい。
以上の処理により、環境情報管理システム1のユーザは貨物1つ1つにセンサを取付しなくとも、パレット10や棚15、部屋など貨物5より大きな単位のモノ・場所に取り付けたセンサを活用して、貨物の輸送・保管時の環境情報を参照することが可能になる。
また、以上の処理により、参照対象の貨物5から最も距離の近いセンサを選択してその環境情報を取得し提供することで、複数のセンサが貨物5の環境に存在する際に、参照対象の貨物5が置かれた環境に最も近いセンサの環境情報をユーザ側に提供することが可能になる。
また、以上の処理により、環境情報の履歴に加え、対象とする貨物5のイベント情報を合わせてユーザ側に提供することで、例えば、基準値を超えた温度変化など環境情報の異常が検知された際に該当貨物がどこにあったのか、誰の責任範囲だったのか、をユーザは一目で把握することが可能になる。
−−−アクセス権限とアクセス制御について−−−
次に、環境情報に関するアクセス権限とアクセス制御について説明する。ここで、環境情報管理システムたる前記サーバ1が保持する環境情報等について参照を行うユーザについては、予め、ユーザ登録時に環境情報等に対するアクセス権限が付与されるものとする。その結果、図5(d)のユーザマスタ31dにて示すように、登録済みのユーザ毎に、付与されたアクセス権限の識別子である付与アクセス権限31d2の情報が設定される。例えば図5(d)のユーザマスタ31dにおけるユーザ“E001”は物流業者を想定し、付与されたアクセス権限の識別子は“AC001”である。また、ユーザ“U010”は貨物“M001”の荷主を想定し、付与されたアクセス権限の識別子は“AC010”である。
センサマスタ31a等を用いた環境情報履歴DB30のアクセス制御について、図5(a)を例に用いて説明する。本実施例におけるセンサは、物流拠点やパレット10など、物流業者が用意し使用する場所・モノに設置・取付するため、例としてセンサも物流業者が用意すると想定している。そのため、センサの情報やセンサが計測した環境情報についても、物流業者が所有するものである。図5(a)のセンサマスタ31aにおける登録権限31a3は、該当するセンサが計測した計測値を環境情報履歴DB30に登録する権限を表すアクセス権限の識別子を意味する。例えば、センサID“SS001”は物流業者“E001”が用意し設置したものとすると、センサ“SS001”の計測値を環境情報履歴DB30に登録する権限は物流業者“E001”が所有するため、登録権限31a3には前記物流業者“E001”に対応した“AC001”が設定される。
同様に、前記センサマスタ31aにおける参照権限31a4は、該当するセンサが計測した全計測値を環境情報履歴DB30から参照する権限を表すアクセス権限の識別子を意味する。この権限をどう設定するかはセンサ所有者である物流業者の考え方によるが、一般的には、同じサービスを利用する他の物流業者や物流委託依頼元の荷主でないユーザには情報提供しないと考えられる。また、依頼元の荷主であっても、その貨物に関係のない場所や期間の環境情報までを提供する必要はない。そこで、全計測値の参照が認められる参照権限31a4は物流業者“E001”の権限の識別子である“AC001”を設定する。
ただしこうした設定内容であれば荷主が環境情報を参照できないため、参照可能距離上限31a5を設定することで荷主にも情報提供を行えるようにする。これは、該当センサが設置・取付される場所やモノとの距離が参照可能距離上限31a5内であるモノ・場所に関して前記荷主らが参照権限31b3、31c3を有している場合であれば、前記参照可能距離上限31a5内であるモノ・場所と、該当貨物とが関係する期間の情報に限り、環境情報の参照権限を付与するものである。図5(a)のセンサマスタ31aにおけるセンサID“SS001”の場合、参照可能距離上限31a4は「2」である。このセンサがパレット10に取付されていたとすると、そのパレット10に積載されていた貨物5とパレット10との距離は「1」であるため、前記参照可能距離上限内となり、貨物5がそのパレット10に積載されていた期間は、その貨物5の荷主も環境情報の参照が可能である。
続いて、モノマスタ31b等を用いた移動履歴DB29のアクセス制御について、図5(b)のモノマスタ31bらを用いて説明する。モノマスタ31bも、前記センサマスタ31aと同様に、各「モノ」に関して、イベントテーブル29a、状態テーブル29bへのレコード登録権限を表す登録権限31b3、およびその情報を参照する参照権限31b4を保持する。登録権限31b3は貨物5にRFIDタグを貼付け、各物流拠点にリーダアンテナ等を設置している物流業者に付与される。一方、参照権限31b4については、登録権限のある物流業者のほか、貨物5の現在地を通知する必要がある貨物5の荷主にも権限を付与される。
図5(b)に示すモノマスタ31bの例では、モノ“M001”の登録権限31b3は物流委託先の物流業者である“E001”の権限“AC001”が、参照権限31b4には物流業者“E001”の権限“AC001”の他、貨物“M001”の荷主である“U010”の権限“AC010”が設定されている。これにより、荷主“U010”は貨物“M001”に関する移動履歴を含むレコードについて、移動履歴DB29のイベントテーブル29a、状態テーブル29bにおいて参照することができる。
次に、場所マスタ31cを用いたアクセス制御について、図5(c)に例示した場所マスタ31cを用いて説明する。場所マスタ31cは、場所ID31c1、種別31c2の他、参照権限31c3のみを保持する。参照権限31c3は、移動履歴DB29のイベントテーブル29aや状態テーブル29bにおける該当場所に関する情報を参照できるか否かを示す権限であり、通常は棚15やフロア、建物等の「場所」を設置した物流業者に付与されている。例えば、移動履歴DB29の参照を希望するユーザについて、ユーザ指定の場所の参照権限31c3がない場合、参照プログラム27は、その場所より階層関係上で上位の場所を関係情報DB32から検索し、該当する上位の場所について前記ユーザが参照権限31c3を有していた場合は、その場所に関する情報を移動履歴DB29から得てユーザに提供する。貨物5の荷主がイベントテーブル29aや状態テーブル29bの情報を参照する際に、棚15などの(階層関係上の)レベルでの権限がない場合、参照プログラム27は、棚より階層上位のフロア、さらには物流拠点の建屋など上位の場所を関係情報DB32から検索し、前記荷主に関して参照権限が付与されている場所があればその場所に関する情報を移動履歴DB29から得て提供する(以下ではこの処理を、場所マスタ権限確認・取得処理と記す)。
図5(c)の例では、場所ID“L001”が示す棚、場所ID“F002”が示すフロアに関する移動履歴DB29での情報は、参照権限“AC001”が設定されているから物流業者“E001”のみが参照可能である。また、場所IDB001が示す建物に関する移動履歴DB29での情報は、参照権限として限定する情報が設定されておらず、全てのユーザが参照可能である。
上記に示した状況例では、図3のイベントテーブル29aおよび状態テーブル29bに登録されている貨物“M001”の荷主“U010”に関して、前記場所マスタ31cにて参照権限が何ら設定されていない。従って、この荷主“U010”が自分の貨物“M001”の移動履歴を参照したいとしても、そのままでは前記テーブル29a、29bにおいて前記貨物“M001”に関連したレコード=場所ID“L001”を含んだレコードの参照ができない。そこで参照プログラム27は、図6に示した関係情報DB32で“L001”を基に検索を行い、“L001”の上位の場所IDである“F002”を取得する。ただし“F002”についても前記荷主は参照権限を有しないため、参照プログラム27は、さらにこの“F002”の上位の場所IDを関係情報DB32から検索し、上位の場所IDである“B001”を取得する。この場所ID“B001”に関しては、上述の通り、全てのユーザに対して参照権限を認めているから、荷主“U010”も参照権限を有している。そのため、貨物“M001”の移動履歴として“建物B001”の情報を移動履歴DB29で参照可能となる。
−−−処理手順例(アクセス制御あり)−−−
次に、環境情報に関する上述のごときアクセス制御を行った上で、ユーザ指定の貨物の環境情報を提供する際の、環境情報管理システム1が実行する処理について説明する。図12は図8の処理においてアクセス制御を適用した場合の、参照プログラム27の処理のフローチャートを示したものである。以下、この図に沿って処理を説明する。
この場合まず、ユーザが所定の端末等でサーバ1にアクセスしてきた際、サーバ1では前記ユーザについて、ユーザIDとパスワードの組みに関する照合などベーシック認証等により認証処理を行うことになる(当然ながら、事前のユーザ登録は済んでおり、サーバ1の記憶手段に認証用の情報が記憶されている)。この際、参照プログラム27はマスタ管理プログラム28を呼び出し、前記ユーザIDを基にユーザマスタ31dを検索し、前記ユーザ(=参照ユーザとする)に関して付与アクセス権限31d2の情報を取得する(S201)。
次に、図8のステップS101の処理と同様、前記参照ユーザがサーバ1の入力部22を介して、環境情報を参照したい貨物5の貨物ID=指定ID、期間、および前記距離上限値(センサと指定の貨物との間の階層関係上の距離の範囲)の各情報を入力したとする。前記参照プログラム27は、これら入力情報を参照要求として受け付ける(S202)。
前記ステップS202で受け付けた指定IDについて、前記参照プログラム27はマスタ管理プログラム28により、モノマスタ31bの検索をし、検索されたレコードにおける参照権限31b4に、前記ステップS201で取得した付与アクセス権限の情報(例:“AC001”など)が設定されているかチェックする(S203)。
前記ステップS203の処理により、付与アクセス権限が参照権限31b4に設定されていないと判定した場合(S204:No)、前記参照プログラム27は処理をステップS205へ、他方、付与アクセス権限が参照権限31b4に設定されていると判定した場合(S204:Yes)、処理をステップS206へ遷移させる。
前記参照ユーザのアクセス権限が参照権限31b4に設定されていない場合は、そもそも指定IDの情報を参照する権限がないため、「参照不可」であるとしてその旨を前記参照ユーザの端末や出力部23に出力し(S205)、このフローを終了する。
一方、前記参照ユーザのアクセス権限が参照権限31b4に設定されている場合、参照プログラム27は、図9に既に示したセンサ取得処理を行う(S206)。これにより、指定期間中に指定IDに関係する、指定上限距離内のセンサのリストを取得できる。
前記ステップS206のセンサ取得処理にて特定したセンサそれぞれについて、参照プログラム27は、ステップS213までの処理を行う(S207)。参照プログラム27は、マスタ管理プログラム28により、前記特定したセンサのセンサIDを基にセンサマスタ31aを検索し、参照権限31a4に、前記ステップS201で得た付与アクセス権限が設定されているか確認する(S208)。
前記ステップS208にて、前記参照権限31b4に付与アクセス権限が含まれている場合(S209:Yes)、そのセンサが計測した計測値について前記参照ユーザは参照可能である。そこで、前記参照プログラム27は、前記ステップS206で特定した他のセンサについての同様に処理を行うべく前記ステップS208に処理を遷移させる。他方、前記参照権限31b4に付与アクセス権限が含まれない場合(S209:No)、前記参照プログラム27はステップS210に処理を遷移させる。
一方、前記参照ユーザの付与アクセス権限がセンサの参照権限31a4に含まれない場合(S209:No)、参照プログラム27は参照可能距離上限31a5内に、指定IDに対応するモノと該当センサとの間の距離が収まるか判定する(S210)。これは、前記ステップS206のセンサ取得処理の際に各センサについて指定IDに対応するモノからの距離を算出したものをメモリ25に保持しておくことで利用し、参照可能距離上限31a5の数値と比較することとなる。
前記判定により、センサと指定IDの対応物との階層関係上の「距離」が参照可能距離上限31a5以内にある場合(s211:Yes)、指定IDと関係のあった期間のセンサの計測値の参照が可能となる。そこで、参照プログラム27は、前記ステップS206で取得した別のセンサについて同様の処理を行うべく、処理を前記ステップS207に遷移させる。他方、前記「距離」が参照可能距離上限を超える場合(s211:No)、参照プログラム27は、ステップS212の処理に移る。
前記「距離」が参照可能距離上限を超えたセンサについては、計測値も参照不可であるため、参照プログラム27は、前記ステップS206で取得したセンサのリストからそのセンサのセンサIDを削除し(S212)、別のセンサについての処理に移る(S212→S208)。参照プログラム27は、以上の処理(S208〜S212)を前記ステップS206で取得したセンサの数だけ行って(S213)、処理をステップS214に遷移させる。
続いて参照プログラム27は、上記のステップS207からステップS213までの処理を経てリストに残ったセンサについて、図8で示したステップS103の処理と同様に、期間ごとに最も距離の近いセンサを選択する(S214)。また参照プログラム27は、前記ステップS214で選択した期間毎のセンサについて、図8で示したステップS104の処理と同様に、環境情報参照プログラム273により環境情報履歴DB30を検索して計測値304の情報を取得する(S215)。
次に、参照プログラム27は、前記ステップS206のセンサ取得処理の際に移動履歴DB29、関係情報DB32から取得した、指定IDに関する状態テーブル29bのレコード、関係情報のレコードについて、先述した場所マスタ権限確認・取得処理を行う。これにより、指定IDの移動履歴として出力する場所情報およびパレット等のモノ情報は参照ユーザのアクセス権限のある場所・モノに限定することができる(S216)。
前記参照プログラム27は、前記ステップS215およびステップS216にて取得した計測値等の情報を、前記参照ユーザの端末ないし出力部23の画面等に出力する(S217)。このときの出力画面例を図13に示す。この例のように、移動履歴情報や関係情報はユーザの参照権限がある範囲(例えば、建物“B001”、建物“B102”への入出イベント)に限定して表示される。以上が、アクセス制御を用いて指定の貨物5の環境情報を提供する際の環境情報管理システム1が実行する処理の流れである。
なお、以上の処理のうち「センサ取得処理」では、センサの参照権限31a4、および参照可能距離上限31a5の確認を行わず、センサ取得処理で得られたセンサに対し纏めて参照権限31a4と参照可能距離上限31a5の確認を行うとしたが、センサ取得処理中のステップS006およびステップS014にてセンサの参照権限31a4と参照可能距離上限31a5の確認を行い、参照権限31a4がなく、かつ指定IDからの距離が参照可能距離上限31a5内にないセンサはこの時点で処理対象から削除する、としてもよい。
以上の処理により、例えば、環境情報管理システムのユーザである物流業者は、自社の資産であるセンサや拠点内の什器、パレット10などの物流資材などに関する情報は他社および荷主には公開せずに、貨物5の荷主に対してその貨物5が関係する環境情報のみを提供することが可能になる。
また、以上の処理により、環境情報の計測値の情報1つずつにアクセス権限情報を付加することなく、アクセス制御が可能になる。
また、以上の処理により、貨物5の受取人が受取時に貨物5の状態を確認して腐食・破損などの問題が発覚した場合に、どの業者や拠点で問題の原因になるような環境情報の変化があったのかの確認を、棚15やフロア、センサなど内部情報は物流業者の外部に公開しないまま、環境情報の履歴を公開することで荷主や受取人に行わせることが可能になる。
−−−他の実施形態−−−
上述した実施形態では、フロアや棚15などの「場所」およびパレット10などの搬送物品にセンサを設置・取付するとした。だが、複数ある貨物のうち、ある貨物にセンサを取り付けるといった状況も想定できる。そこで、以下に示す実施形態では、複数ある貨物5のうち一部の貨物をサンプルとみなしてセンサ13を取り付け、そのセンサが計測した環境情報を、センサが取付されていない他の貨物に関する環境情報として提供する環境情報管理システムについて説明する。
図14は他の実施形態における環境情報管理システムを含むネットワーク構成を示す図である。この図が示すように、一部の貨物5にはセンサ13が取り付けられている。これらのセンサ13は、上述の実施形態におけるパレットセンサ12と同様、計測した環境情報を内部メモリに蓄積し、この蓄積情報を、通信可能な携帯端末9などの所定端末を介してサーバ1に送信する。
ここでの実施形態における、環境情報管理システムたるサーバ1の動作の概要について説明する。最初に、当該実施形態における「距離」の考え方について、図15を用いて説明する。上述の実施形態では、図7で示したようにセンサが設置・取付されているのはパレット10、コンテナなどの「モノ」、棚15やフロアなどの「場所」などであり、環境情報の参照対象である貨物5からみて階層関係上で上位の関係にあるモノ・場所であった。ここでの実施形態では、図15に示すように、環境情報の参照対象である貨物5と同位の貨物にセンサが取付されていると想定する。この実施形態における「距離」の定義は上述の実施形態とは異なり、参照対象のモノと階層関係上同位であり上位のモノ・場所を共有する他の「モノ」に設置されたセンサを検索するために、階層関係上を遡った上位のモノ・場所と参照対象の貨物等との距離となる。
例えば図15の例では、貨物“M001”から見てパレット“P002”は距離が「1」である。ユーザ指定の距離上限値が「1」の場合、「センサ取得処理」にてセンサを検索する範囲は“M001”と同じようにパレット“P002”に積載されていた他の貨物、例えば“M003”などの貨物に取付されたセンサを検索することになる。
また、貨物“M001”から見てコンテナ“C006”までの距離は「2」である。従って、ユーザ指定の距離上限値が「2」の場合は、前記の距離が「1」の場合の範囲に加えて、コンテナ“C006”に同様に積載されていたパレットである“P010”、さらにはこの“P010”に積載されていた貨物、例えば“M011”に取付されたセンサまでを検索範囲とすることになる。「場所」についても同様に、ユーザ指定の距離上限値が「1」の場合、例えば、棚“L004”に入出した貨物(例えば“M008”)までを検索範囲とし、ユーザ指定の距離上限値が「2」の場合は上記に加えフロア“F005”に置かれている他の棚(例えば“L007”)に入出した貨物(例えば“M009”)に取付されたセンサまでを検索範囲とすることになる。
−−−他の実施形態での処理手順例−−−
以下、上述の実施形態でのセンサ取得処理(図9)との違いを中心に処理を説明する。当該実施形態においても、上述の実施形態でのセンサ取得処理におけるステップS000と同一の処理を行うが、それ以降のステップS0001からステップS006までの処理に関しては上述の実施形態とは異なる処理となる。この間の処理のフローチャートを図16に記す。以降、この図に沿って処理を説明する。
前記ステップS000にて、前記参照プログラム27は、環境情報の参照対象である指定IDを検索対象IDとしてセットしたら、ステップS311までの処理をユーザ指定の距離上限値の範囲内において繰り返す(S301)。また、参照プログラム27は関係情報参照プログラム273を呼び出し、ユーザ指定の期間内において、検索対象IDが下位ID322となっているレコードを関係情報DB32から検索する(S302)。
ステップS302の検索処理にて該当するレコードが検索できた場合(S303:Yes)、参照プログラム27は、ステップS304へ処理を遷移させ、他方、該当するレコードが検索できない場合(S303:No)、他の「モノ」との関係により取得するセンサはないとしてステップS006へ処理を遷移させる。
ステップS302の検索の結果、該当するレコードが検索できた場合、参照プログラム27は、そのレコードにおいて上位ID321となっているモノのIDを取得し、指定IDからの距離の値と合わせてメモリ25に保持する(S304)。なお、該当するレコードが複数検索された場合、参照プログラム27は、それら全てのレコードから上位IDを取得する。上位IDが複数存在する場合、参照プログラム27は、ステップS304の処理も含めステップS310までの処理を、前記取得した全ての上位IDに対して行うこととなる。図15の例では、指定IDである“M001“”に対し“P002”が取得できる。さらに参照プログラム27は、このステップS304において、該当レコードが示す関係のあった期間と、ユーザ指定の期間とのANDを算出し、これらを前記メモリ25に保持する該当上位IDのリストに追加する。
続いて参照プログラム27は、前記ステップS304で取得した上位IDが、同様にステップS304でAND算出した期間内において上位ID321となっている他の下位ID322のレコードを関係情報DB32から検索する(S305)。この検索の結果、該当するレコードが有る場合、当該ステップにおいて参照プログラム27は、そのレコードが示す関係のあった期間と、前記ステップS304で算出した期間とのANDを算出する。図15の例では、ステップS304で取得した上位IDが“P002”の場合、貨物“M003”が取得できる。
また参照プログラム27は、前記ステップS305で取得した下位IDが、同じくステップS305で算出した期間内において上位ID321となっているレコードを関係情報DB32から検索する(S306)。この検索の結果、該当するレコードがある場合(S307:Yes)、参照プログラム27はS308へ処理を遷移させ、該当するレコードがない場合(S307:No)、S309へ処理を遷移させる。図15の例では、下位IDが“M003”の場合、このステップS306では該当するレコードは検索されない。
次に、ステップS306の検索処理で該当するレコードがなかった場合の処理(S307:No→S309〜S311)について説明する。この場合、参照プログラム27は、前記ステップS305で取得した下位IDを、指定IDからの距離と、同じくステップS305で算出した期間とともに、メモリ25に保持する下位IDリスト中に追加する(S309)。この下位IDリストは、ユーザ指定の期間の一部または全ての期間において、指定IDと上位のモノを介して間接的に関係のあった貨物IDのリストを意味する。図15の例では、“M003”がこのリストに追加される。
下位IDリストへの追加処理を行った参照プログラム27は、処理対象となっている、前記ステップS304で取得した上位IDを検索対象IDとしてセットする(S310)。そして参照プログラム27は、検索対象IDと指定IDとの距離がユーザ指定の距離上限値の範囲において、前記ステップS301からステップS311までの繰り返し処理を行う。ただし、ステップS302、ステップS304において「指定期間」となっている期間は、ステップS304で算出した期間に置き換えて処理を行う。
図15の例では、例えば“P002”を検索対象IDとする。この場合、ステップS304で得られる上位IDは“C006”であり、ステップS305で得られる他の下位IDは“P010”となる。この場合、ステップS306で、下位ID“P010”が上位IDとなっている関係情報DB32のレコードがあるため(下位IDは“M011”)、ステップS307の分岐ではステップS308へ処理が進む。以下、ステップS306で該当するレコードがある場合の処理(S308以降)について説明する。
前記ステップS307で該当するレコードが有るとなった場合(S307:Yes)、参照プログラム27は、そのレコードにおいて下位ID322を取得する(S308)。そして再度、ステップS306の処理に戻り、前記ステップS305で取得した下位IDが上位ID321になっているレコードの検索を行うこととなる。図15の例では、例えば、“M011”よりさらに下位のIDはないので、ここでステップS309の処理に移ることになる。以上の処理より、下位IDのリストとして“M003”のほか“M010”が追加される。
ステップS311以降の処理は、先の実施形態のセンサ取得処理におけるステップS006からの処理と同一である。ここで、前記ステップS006に関する説明にて示した、「取得した上位ID」は、この場合は「取得した下位IDリスト中のID」となる。これにより、貨物5に取付されているセンサが特定できる。図15の例だと、“M003”もしくは“M010”にセンサが取付されている場合、それらのセンサが取得できる。
一方、上述の実施形態でのステップS007からステップS015までの繰り返し処理についても、当該実施形態では処理が異なる。この間のステップS007からステップS015までの処理のフローチャートを図17に記す。以降、この図に沿って処理を説明する。ただし、当該実施形態における、前記ステップS007の「取得したモノID(指定IDを含む)」は、上述の実施形態と同一である。すなわち、指定IDと、指定期間中に指定IDと関係のあった、パレット等のその上位のモノIDのことである。
まず、図9でのステップS008と同様に、前記参照プログラム27は移動履歴参照プログラム271を呼び出し、移動履歴DB29の状態テーブル29bから、前記ステップS007からステップS015までの繰り返し処理の対象となっているモノIDに該当するレコードで、指定期間(ただし指定IDでない場合は指定IDと関係のあった期間と指定期間とのAND)中の全てまたは一部に開始日時・終了日時の期間の全てまたは一部が該当するレコードを検索する。ここで参照プログラム27は、該当するレコードがある場合、そのレコードの場所ID29b2を取得し、あわせて上記指定期間とレコードが示す期間とのANDを算出してメモリ等に保持すると共に、検索対象場所IDとしてこの場所IDをセットする(S401)。以下、ステップS402の処理はここで取得した全ての場所IDに対して行う。図15の例であれば、例えば、場所IDとして“L004”が取得できる。
次に参照プログラム27は、前記ステップS401にて算出した期間に、同じくステップS401で取得した場所に所在した他のモノIDを取得する、同一場所モノ取得処理を行う(S402)。この処理のフローチャートを図18に記す。以下、この図に沿ってステップS402の処理を説明する。
この場合、参照プログラム27は移動履歴参照プログラム271により、移動履歴DB29の状態テーブル29bにおいて、前記ステップS401で算出した期間に、同じくステップS401で取得した場所IDに所在する処理対象以外のモノIDのレコードを検索する(S501)。このステップS501において該当するレコードが検索できた場合(S502:Yes)、参照プログラム27は処理をS503へ遷移させる。一方、該当するレコードが検索出来なかった場合(S502:No)、前記参照プログラム27は、同一場所モノ取得処理の処理を終了する。
前記ステップS501にて該当するレコードが検索できた場合(S502:Yes)、参照プログラム27は該当レコードからモノID29b1と、さらに、その場所に所在した期間の情報を取得し、前記ステップS401で算出した期間と前記取得した期間とのANDを算出する。参照プログラム27は関係情報参照プログラム273を呼び出し、前記取得したモノIDを基に、前記算出した期間においてこのモノIDが上位ID321となっているレコードを関係情報DB32で検索する(S503)。
前記ステップS503において該当するレコードが検索できた場合(S504:Yes)、参照プログラム27は処理をS505へ遷移させる。一方、該当するレコードが検索出来なかった場合(S504:No)、参照プログラム27は、ステップS506へ処理を遷移させる。図15の例であれば、前記ステップS501で取得できるレコードのモノIDに“M008”がある。この“M008”を上位にもつ関係情報のレコードはないので、前記ステップS506の処理へ移ることになる。例えば前記ステップS501で取得できるレコードのモノIDが“P002”などのパレットを示すものだとし、このパレットに積載される貨物5が前記ステップS503で算出した期間中にもパレット上にある場合、モノID“P002”を上位にもつ関係情報のレコードが検索できるためにステップS505の処理へ移る。
前記ステップS503にて該当するレコードがある場合、参照プログラム27は、そのレコードにおいて期間と下位ID322の情報を取得し、ステップS503で算出した期間と前記取得した期間とのANDを算出する。そして、ここで取得した下位ID=モノIDを上位ID321としてさらに前記ステップS503の処理を行い(このときはステップS505で算出した期間を条件として検索を行う)、下位のモノIDがなくなるまでステップS503からステップS505までの処理を繰り返すこととなる(S505)。
他方、前記ステップS503にて該当するレコードがない場合、参照プログラム27は、ステップS503で取得した、同一場所にあった他のモノIDで、最も下位のモノIDを下位IDリストに追加する(S506)。この下位IDリストが、同一場所モノ取得処理で得られるモノIDのリストになる。図15の例だと、処理対象のモノIDが“M001”だとすると、得られる下位IDには“M008”が含まれる。
以上が「同一場所モノ取得処理」の流れである。以下、図17のステップS403以降の説明に戻る。ステップS403からステップS411までの処理では、ステップS401で取得した場所IDからさらに上位の場所IDについて、該当場所に入出した貨物IDを取得する処理を行うこととなる。
まず、図9に示した前記ステップS009と同様、参照プログラム27は、ユーザ指定の距離上限値から、繰り返し処理対象のモノIDと指定IDとの間の距離と、「1」とを引いた値=回数まで、ステップS411までの処理を繰り返す(S403)。
次の処理も図9に示した前記ステップS010と同様、参照プログラム27は関係情報参照プログラム273を呼び出し、前記ステップS401で算出した期間の全てまたは一部で、ステップS401で取得した場所IDが下位ID322となっているレコードを関係情報DB32から検索する(S404)。
前記ステップS404にて該当するレコードが検索できた場合(S405:Yes)、参照プログラム27は処理をS406へ遷移させる。一方、該当するレコードが検索出来なかった場合(S405:No)、参照プログラム27は繰り返し処理を抜けてステップS412へ処理を遷移させる。
該当するレコードが検索できた場合(S405:Yes)、参照プログラム27はそのレコードから上位ID321を取得し、そのIDまでの指定IDからの距離を算出し、上位IDとこの距離の情報とをメモリに保持する。さらに参照プログラム27は、関係のあった期間と、前記ステップS401で算出した期間とのANDを算出する(S406)。なお、検索できた該当レコードが複数の場合、その上位IDすべてに対しステップS410までの処理をそれぞれ行う。図15の例であれば、前記ステップS401で取得した場所IDは“L004”であり、その上位IDとして“F005”が取得できる。
参照プログラム27は、前記ステップS406で取得した上位の場所IDおよび算出した期間を基に、再び「同一場所モノ取得処理」を行う(S407)。この処理を行うことで、前記上位の場所IDの単位で、該当場所に入出した移動履歴が存在するモノIDのリストが取得できる。
次に参照プログラム27は、前記ステップS406で算出した期間を条件に、ステップS406で取得した上位の場所IDで、ステップS401で取得した場所ID以外のIDを下位の場所IDに保持するレコードを関係情報DB32から検索する(S408)。
前記ステップS408で該当するレコードが検索できた場合(S409:Yes)、参照プログラム27はそのレコードから下位の場所IDを取得するとともに、関係のあった期間の情報を取得して、ステップS406で算出した期間とのANDを算出する。そして参照プログラム27は、前記取得した下位の場所IDと算出した期間とを基に、再び「同一場所モノ取得処理」を行う。こうした処理(S407〜S409:Yes→S407)を繰り返すことで、最も下位の場所にまで、入出のあった貨物の検索・取得の対象範囲を広げることができる。
前記ステップS408で該当するレコードが検索出来なかった場合(S409:No)、参照プログラム27はステップS410に処理を移す。図15の例だと、“F005”を基に関係情報DB32を検索することで“L007”が取得できる。また、この“L007”に対して「同一場所モノ取得処理」を行うことで、貨物“M009”が下位IDリストに追加されることになる。
次に参照プログラム27は、前記ステップS406で取得した、検索対象場所IDの上位の場所IDを検索対象場所IDとしてセットし(S410)、前記ステップS403からステップS411までの繰り返し処理の条件を満たす範囲であれば、ここでセットした検索対象場所IDで再度ステップS403からステップS411までの処理を行う。
以上のステップS403からの処理を、ステップS403で算出した数=回数の範囲内の限りにおいて参照プログラム27は行う(S411)。ただし、前記ステップS404における「S401で算出した期間」を、ステップS406で算出した期間に置き換えて処理を行う。
前記参照プログラム27は、関係情報参照プログラム273を呼び出し、以上の繰り返し処理で取得した下位IDリストのIDそれぞれについて、これらのIDが上位ID321となっており、下位ID322にセンサIDがあるレコードで、前記ステップS409で算出した期間の全てまたは一部に該当するレコードを関係情報DB32で検索する。該当するレコードがあった場合、参照プログラム27はそのレコードからセンサIDを取得し、マスタ管理プログラム28にてそのセンサIDを基にセンサマスタ31aから環境情報種別31a2を参照し、ユーザ指定の環境情報種別に一致するか判定する。ここで一致すると判定した場合、参照プログラム27は該当センサIDをメモリに保持するとともに、ステップS409で算出した期間のANDと、該当する関係情報DB32のレコードの期間とのANDをさらに算出する(S412)。
参照プログラム27は上記の処理を、指定IDと、指定期間中に指定IDと関係のあった、パレット等その上位のモノIDそれぞれに対して行う。以降の処理は先の実施形態にある図9の「センサ取得処理」のステップS015以降の処理と同一である。
以上は他の実施形態におけるセンサ取得処理の流れであるが、この処理を用いて、アクセス制御を行わない場合、アクセス制御を行う場合、どちらも先の実施形態にて述べた処理により、当該実施形態においても環境情報を参照することができる。
なお、以上の処理では、関係情報DB32のレコードをたどっていくことで、最も下位のモノIDまたは場所IDまでを取得することとしたが、モノマスタ31bおよび場所マスタ31cに階層レベルの項目を追加し、参照プログラム27等がその階層レベルを都度確認することで、そのIDがどの階層レベルなのかを把握し、最も下位の階層レベルのIDなのかを確認する、としてもよい。
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、先の実施形態と他の実施形態とが混在した状況、つまり一部の貨物にも、パレットやコンテナなどの上位のモノの一部または全て、または棚などの場所にもセンサが取り付けられている状況においても、それぞれの実施形態で述べた処理を行うことで対応が可能である。
また各実施形態では貨物の輸送・管理業務を例に説明を行ったが、対象とする業務はモノの移動履歴と、その環境の環境情報履歴が収集できるいかなる業務、例えば製造加工業務や小売販売業務等においても適用可能である。また、上記の実施形態ではRFIDタグの使用を想定しているが、バーコードタグや二次元コードタグ等、モノを識別する固有のIDを保持するデータキャリアであれば、いずれのものを使用してもかまわない。また、各実施形態では、環境情報として温度、湿度、照度などを想定するとしたが、他の環境を表す情報、例えば気体等の濃度、臭気、或いは加速度(衝撃)などを想定してかまわない。
また、以上の実施形態では、サーバ1が移動履歴や環境情報履歴などを一元管理するとして説明したが、ネットワークを介した複数機器に情報や機能を分散して保持するなどの場合でも、サーバが各機器と協働して仮想的に一体となって機能するなど、本発明のシステムとして必要な機能を発現する構成であれば、機器や情報の所在場所や構成等に拘泥しない。
以上説明したように本実施形態によれば、複数のセンサが物品の周りに存在する場合でも、物品の環境情報に最も近い環境情報を提供することが可能になる。また、大量の環境情報を収集する場合においても、それぞれのアクセスユーザごとにアクセス可能とする環境情報の選別・判定を行うアクセス制御を実現することができる。
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、前記処理部が、前記関係物品の情報の取得に際し、該当期間において該当参照対象物品に関係づけされた他物品ないし搬送物品である関係物品の情報の取得と、該当期間において前記関係物品に関係づけされた他物品ないし搬送物品である関係物品の情報の取得とを、予め設定された、もしくは入力部でユーザによる指定を受けた、関係情報データベースでの前記参照対象物品と他物品ないし搬送物品との階層関係における階層間距離の範囲内で繰り返し実行するとしてもよい。
この場合、前記処理部は、前記関係場所の情報の取得に際し、前記繰り返しにより情報が得られた関係物品ないし前記参照対象物品を収容していた場所である関係場所の情報を関係情報データベースで取得し、前記取得した前記関係物品ないし前記関係場所に関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベースで特定し、ここで特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報を環境情報履歴データベースから取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部に出力するとすれば好適である。
また、前記処理部が、前記取得した前記関係物品ないし前記関係場所のうち、該当参照対象物品との階層間距離が最短のものに関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベースで特定し、ここで特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報を環境情報履歴データベースから取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部に出力する、としてもよい。
また、前記処理部が、ネットワークで結ばれた端末とネットワークインターフェイスなどの通信部を介して通信し、前記端末が得ている、物品、前記物品の梱包や積載を担っている搬送物品、および前記物品ないし前記搬送物品を収容している構造物内外の場所の各識別情報を取得し、この識別情報を、物品、搬送物品、および構造物内外の場所、の各間の階層関係の情報とし、前記識別情報の取得日時を、前記階層関係が維持されている期間の情報として記憶部に格納して関係情報データベースを生成する、としてもよい。
また、前記記憶部は、各物品が搬送物品に梱包、積載された時刻と、各物品ないし各搬送物品が所定場所に所在した時刻を移動履歴として保持する移動履歴データベースと、各センサが計測した環境情報に対する参照権限を有するユーザの情報と、各センサが計測した環境情報を参照対象物品の環境情報として提供してよい前記階層関係上の物品等の範囲を示す、該当センサからの距離上限値を保持するセンサマスタデータベースと、前記移動履歴データベースにおける各物品の移動履歴に対する参照権限を有するユーザの情報を保持する物品マスタデータベースとをさらに備えるとしてもよい。
この場合、前記処理部は、前記関係物品ないし前記関係場所に関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベースで特定し、ここで特定したセンサに関する参照権限を該当ユーザが有しているか前記センサマスタデータベースで照合し、前記ユーザが該当センサに関する参照権限を有しない者であった場合、前記関係物品の移動履歴に対する参照権限を前記ユーザが有しているか前記物品マスタデータベースで照合し、前記ユーザが該当関係物品に関する参照権限を有する者であった場合、前記特定したセンサと前記関係物品との階層間距離が前記距離上限値内であるか判定し、前記階層間距離が前記距離上限値内である場合に、前記特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報に限って環境情報履歴データベースから取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部に出力する、とすれば好適である。
1 サーバ(環境情報管理システム)
2 ネットワーク
3、4、12 センサ
5 貨物(物品)
6、11 RFIDタグ
7 ゲート型リーダアンテナ
8 ハンディ型リーダアンテナ
9 携帯端末
10 パレット(搬送物品)
15 棚
21 通信部
22 入力部
23 出力部
24 CPU(処理部)
25 記憶部
26 登録プログラム
261 移動履歴登録プログラム
262 環境情報登録プログラム
263 関係情報登録プログラム
27 参照プログラム
271 移動履歴参照プログラム
272 環境情報参照プログラム
273 関係情報参照プログラム
28 マスタ管理プログラム
29 移動履歴データベース
30 環境情報履歴データベース
31 マスタデータベース
31a センタマスタデータベース
31b モノマスタデータベース(物品マスタデータベース)
32 関係情報データベース

Claims (7)

  1. 複数のセンサが計測した温度や湿度などの環境情報を管理するコンピュータシステムであって、
    各センサの計測環境に所在する、物品、各物品の梱包や積載を担う搬送物品、および物品ないし搬送物品を収容する構造物内外の場所、の各間の階層関係と当該階層関係が維持されている期間とに関する情報を保持する関係情報データベースと、
    各センサが計測した環境情報をその測定時刻に対応付けて保持する環境情報履歴データベースと、を格納した記憶部と、
    環境情報の参照対象となる物品および期間の指定を入力部を介してユーザから受け付け、該当期間において該当参照対象物品に関係づけされた他物品ないし搬送物品である関係物品、当該関係物品ないし前記参照対象物品を収容していた場所である関係場所、の少なくともいずれかの情報を関係情報データベースで取得し、ここで取得した前記関係物品ないし前記関係場所に関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベースで特定し、ここで特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報を環境情報履歴データベースから取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部に出力する処理部と、
    を備えることを特徴とする環境情報管理システム。
  2. 前記処理部が、
    前記関係物品の情報の取得に際し、該当期間において該当参照対象物品に関係づけされた他物品ないし搬送物品である関係物品の情報の取得と、該当期間において前記関係物品に関係づけされた他物品ないし搬送物品である関係物品の情報の取得とを、予め設定された、もしくは入力部でユーザによる指定を受けた、関係情報データベースでの前記参照対象物品と他物品ないし搬送物品との階層関係における階層間距離の範囲内で繰り返し実行し、
    前記関係場所の情報の取得に際し、前記繰り返しにより情報が得られた関係物品ないし前記参照対象物品を収容していた場所である関係場所の情報を関係情報データベースで取得し、
    前記取得した前記関係物品ないし前記関係場所に関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベースで特定し、ここで特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報を環境情報履歴データベースから取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部に出力する、
    ことを特徴とする環境情報管理システム。
  3. 前記処理部が、
    前記取得した前記関係物品ないし前記関係場所のうち、該当参照対象物品との階層間距離が最短のものに関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベースで特定し、ここで特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報を環境情報履歴データベースから取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部に出力する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の環境情報管理システム。
  4. 前記処理部が、
    ネットワークで結ばれた端末とネットワークインターフェイスなどの通信部を介して通信し、前記端末が得ている、物品、前記物品の梱包や積載を担っている搬送物品、および前記物品ないし前記搬送物品を収容している構造物内外の場所の各識別情報を取得し、この識別情報を、物品、搬送物品、および構造物内外の場所、の各間の階層関係の情報とし、前記識別情報の取得日時を、前記階層関係が維持されている期間の情報として記憶部に格納して関係情報データベースを生成する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の環境情報管理システム。
  5. 前記記憶部は、
    各物品が搬送物品に梱包、積載された時刻と、各物品ないし各搬送物品が所定場所に所在した時刻を移動履歴として保持する移動履歴データベースと、
    各センサが計測した環境情報に対する参照権限を有するユーザの情報と、各センサが計測した環境情報を参照対象物品の環境情報として提供してよい前記階層関係上の物品等の範囲を示す、該当センサからの距離上限値を保持するセンサマスタデータベースと、
    前記移動履歴データベースにおける各物品の移動履歴に対する参照権限を有するユーザの情報を保持する物品マスタデータベースとをさらに備え、
    前記処理部は、
    前記関係物品ないし前記関係場所に関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベースで特定し、ここで特定したセンサに関する参照権限を該当ユーザが有しているか前記センサマスタデータベースで照合し、前記ユーザが該当センサに関する参照権限を有しない者であった場合、前記関係物品の移動履歴に対する参照権限を前記ユーザが有しているか前記物品マスタデータベースで照合し、前記ユーザが該当関係物品に関する参照権限を有する者であった場合、前記特定したセンサと前記関係物品との階層間距離が前記距離上限値内であるか判定し、前記階層間距離が前記距離上限値内である場合に、前記特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報に限って環境情報履歴データベースから取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部に出力する、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の環境情報管理システム。
  6. 各センサの計測環境に所在する、物品、各物品の梱包や積載を担う搬送物品、および物品ないし搬送物品を収容する構造物内外の場所、の各間の階層関係と当該階層関係が維持されている期間とに関する情報を保持する関係情報データベースと、各センサが計測した環境情報をその測定時刻に対応付けて保持する環境情報履歴データベースと、を格納した記憶部を備え、複数のセンサが計測した温度や湿度などの環境情報を管理するコンピュータシステムが、
    環境情報の参照対象となる物品および期間の指定を入力部を介してユーザから受け付ける処理と、
    該当期間において該当参照対象物品に関係づけされた他物品ないし搬送物品である関係物品、当該関係物品ないし前記参照対象物品を収容していた場所である関係場所、の少なくともいずれかの情報を関係情報データベースで取得する処理と、
    前記取得した前記関係物品ないし前記関係場所に関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベースで特定する処理と、
    前記特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報を環境情報履歴データベースから取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部に出力する処理と、
    を実行することを特徴とする環境情報管理方法。
  7. 各センサの計測環境に所在する、物品、各物品の梱包や積載を担う搬送物品、および物品ないし搬送物品を収容する構造物内外の場所、の各間の階層関係と当該階層関係が維持されている期間とに関する情報を保持する関係情報データベースと、各センサが計測した環境情報をその測定時刻に対応付けて保持する環境情報履歴データベースと、を格納した記憶部を備え、複数のセンサが計測した温度や湿度などの環境情報を管理するコンピュータシステムに、
    環境情報の参照対象となる物品および期間の指定を入力部を介してユーザから受け付ける処理と、
    該当期間において該当参照対象物品に関係づけされた他物品ないし搬送物品である関係物品、当該関係物品ないし前記参照対象物品を収容していた場所である関係場所、の少なくともいずれかの情報を関係情報データベースで取得する処理と、
    前記取得した前記関係物品ないし前記関係場所に関し前記該当期間において関係付けされているセンサを前記関係情報データベースで特定する処理と、
    前記特定したセンサが前記該当期間において計測した環境情報を環境情報履歴データベースから取得し、ここで取得した環境情報を前記参照対象物品の環境情報として出力部に出力する処理と、
    を実行させることを特徴とする環境情報管理プログラム。
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