JP2011154256A - 光学フィルムの梱包保管方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚さが50μm以下の光学フィルムをロール状に巻き取った状態で、周辺温度の変化が大きい場所に保管する(輸送を含む)場合に、しわなどの欠陥が発生しにくい梱包保管方法を提供する。
【解決手段】厚さが50μm以下の光学フィルムをロール状に巻き取り、巻き取られたロール状のフィルムを、表面の熱輻射値が0.2未満の断熱シートで覆って梱包し、保管する。光学フィルムは、延伸された位相差フィルムであることができる。また光学フィルムが、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂又はセルロース系樹脂で構成される場合に有効であり、中でも脂環式オレフィンから導かれる構成単位を含む環状オレフィン系樹脂からなる位相差フィルムに対して有効である。
【選択図】なし

Description

本発明は、主に液晶表示装置に用いられる位相差フィルムをはじめとする各種光学フィルムを梱包し、保管する方法に関するものである。
液晶表示装置は、消費電力が小さく、低電圧で動作し、軽量でかつ薄型であるなどの特徴を生かして、各種の表示用デバイスに用いられている。液晶表示装置は、液晶セル、位相差フィルム、偏光フィルム又はそれに保護フィルムが貼合された偏光板、集光シート、拡散フィルム、導光板、光反射シートなど、多くの材料から構成されている。そのため、構成フィルムの枚数を減らしたり、フィルム又はシートの厚さを薄くしたりすることで、生産性の向上や軽量化、明度の向上などを目指した改良が盛んに行われている。
液晶表示装置の品質に大きく寄与する位相差フィルムをはじめとする光学フィルムは、薄肉化の傾向にあり、50μm 以下の光学フィルムも用いられるようになってきている。例えば、特開 2009-186998号公報(特許文献1)の実施例3には、環状オレフィン系樹脂の延伸フィルムである厚さ28μm の1/4波長板を用いることが記載されている。
また光学フィルムは一般に、生産メーカーで生産された後、次の生産メーカーへ、あるいは液晶パネルメーカーへ販売されるときに、ロール状に巻き取られて輸送される。例えば、位相差フィルムは、偏光フィルムと組み合わせて偏光板とされ、液晶セルに貼り合わされることが多い。その場合には、位相差フィルムメーカーで原反フィルムへの製膜及び延伸の操作を施して生産され、それがロール状に巻き取られた状態で偏光板メーカーへと輸送され、偏光板メーカーで偏光フィルムに貼り合わせて偏光板とされ、液晶パネルメーカーに販売されるのが一般的である。
こうして輸送される際、夏場であれば高温に、また冬場であれば低温にさらされることになる。そして、光学フィルムの厚さが50μm 以下になると、ロール状に巻き取った直後には均質な状態であっても、周辺温度の変化が大きい環境下に置かれた場合、例えば、上記のようにメーカーから次のメーカーへと販売され、輸送されるときに高温にさらされたり低温にさらされたりする場合に、その温度変化に伴って伸縮を繰り返す結果、そのフィルムを他のフィルム又は液晶セルに貼り合わせるためにロールから巻き出したときに、かなりのテンションをかけてもしわが残ってしまうことがあるという問題が明らかになってきた。このようなしわが残ると、そのフィルムを他のフィルムに貼り合わせ、液晶表示装置に適用したときに、局所的な表示ムラとして観察されるという問題が生じる。
特開2009−186998号公報
そこで本発明の課題は、厚さが50μm 以下の光学フィルムをロール状に巻き取った状態で、周辺温度の変化が大きい場所に保管する(輸送を含む)場合に、しわなどの欠陥が発生しにくい梱包保管方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために研究を行った結果、薄肉のフィルムをロール状に巻き取った状態でも、それを断熱状態で梱包し、保管すれば、周辺温度の影響を受けにくく、温度変化が大きい環境下で輸送又は保管された後、梱包を解いたときに、巻き取り直後の良好な状態が保たれることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、厚さが50μm 以下の光学フィルムをロール状に巻き取り、巻き取られたロール状フィルムを、表面の熱輻射値が 0.2未満の断熱シートで覆って梱包し、保管する、光学フィルムの梱包保管方法が提供される。
この方法で梱包保管される光学フィルムの典型的な例として、延伸された位相差フィルムを挙げることができる。また、梱包保管される光学フィルムは、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂などで構成することができる。中でも脂環式オレフィンから導かれる構成単位を含む環状オレフィン系樹脂で構成される光学フィルムは、薄肉化して適度のレターデーション値を与えることができるものの、50μm 以下の薄肉にしてロール状に巻き取った場合には、温度変化の大きい環境下にさらされたときに、上記の如きしわが発生しやすいことから、本発明の方法を適用するのに好適なものの一つである。
本発明の方法によれば、輸送を含む保管中の温度変化に伴ってしわなどの欠陥が生じやすい厚さが50μm 以下の光学フィルムをロール状に巻き取った後、断熱状態が保たれるように梱包し、保管するので、温度変化を伴って保管された後でも、その光学フィルムは巻き取り直後の良好な状態を維持することができる。したがって、梱包を解いた後、偏光フィルムなどの他の部材に貼合するときの不都合を生じることがない。
以下、本発明の実施の形態を詳しく説明する。本発明では、厚さが50μm 以下の光学フィルムを保管の対象とする。この光学フィルムをロール状に巻き取り、得られるロール状フィルムを、表面の熱輻射値が 0.2未満の断熱シートで覆って梱包し、保管する。
[光学フィルム]
光学フィルムは一般に、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、光学特性の安定性などに優れる高分子材料からなることが好ましい。光学フィルムは例えば、位相差フィルムや、偏光板の少なくとも一方の面を構成する保護フィルムなどであることができる。これらいずれのフィルムに対しても、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂などが好適に用いられる。
〈オレフィン系樹脂〉
オレフィン系樹脂は、鎖状又は環状のオレフィンモノマーから導かれる単位を主体とする重合体からなるものである。具体的には例えば、ノルボルネン及び他のシクロペンタジエン誘導体の如き環状オレフィンモノマーが重合用触媒を用いて重合された環状オレフィン系樹脂や、エチレン及びプロピレンの如き鎖状オレフィンモノマーが重合用触媒を用いて重合された鎖状オレフィン系樹脂が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂としては、例えば、シクロペンタジエンとオレフィン類からディールス・アルダー反応によって得られるノルボルネン又はその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;ジシクロペンタジエンとオレフィン類又は(メタ)アクリル酸エステル類からディールス・アルダー反応によって得られるテトラシクロドデセン又はその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添よって得られる樹脂;ノルボルネン、テトラシクロドデセン及びそれらの誘導体類の少なくとも1種と、その他の環状オレフィンモノマーとを用いて、同様に開環メタセシス共重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;ノルボルネン、テトラシクロドデセン及びそれらの誘導体類の少なくとも1種と、ビニル基を有する芳香族及び/又は脂肪族化合物を付加共重合させて得られる樹脂などが挙げられる。
このような環状オレフィン系樹脂は、市販品を容易に入手することが可能である。市販品の例を挙げると、いずれも商品名で、 TOPAS ADVANCED POLYMERS GmbH にて製造され、日本ではポリプラスチックス株式会社から販売されている“TOPAS” 、JSR株式会社から販売されている“アートン”、日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノア”及び“ゼオネックス”、三井化学株式会社から販売されている“アペル”などがある。
鎖状オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系又はポリプロピレン系の樹脂が挙げられる。中でもポリプロピレン系樹脂、例えば、プロピレンの単独重合体である樹脂や、プロピレンを主体とし、それと共重合可能なコモノマーを、通常1〜20重量%の割合で、好ましくは3〜10重量%の割合で共重合させた樹脂などが、好ましいものとして挙げられる。
プロピレンを主体とする共重合体を用いる場合、プロピレンに共重合可能なコモノマーとしては、エチレン、1−ブテン、及び1−ヘキセンが好ましい。中でも、透明性に比較的優れることから、エチレンを1重量%以上、さらには3〜10重量%の割合で共重合させたものが好ましい。エチレンの共重合割合を1重量%以上とすることで、透明性を上げる効果が現れる。一方、その割合があまり多くなると、樹脂の融点が下がり、光学フィルムに要求される耐熱性が損なわれることがある。
ポリプロピレン系樹脂の中でも好ましいものとしては、20℃のキシレンに可溶な成分(cold xylene soluble 成分;CXS成分と略されることもある)が1重量%以下、さらには 0.5重量%以下であるプロピレンホモポリマーが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂も、市販品を容易に入手することが可能である。 市販品の例を挙げると、いずれも商品名で、株式会社プライムポリマーから販売されている“プライムポリプロ”、日本ポリプロ株式会社から販売されている“ノバテック”及び“ウィンテック”、住友化学株式会社から販売されている“住友ノーブレン”、サンアロマー株式会社から販売されている“サンアロマー”などが挙げられる。
〈アクリル系樹脂〉
アクリル系樹脂フィルムの好ましい具体例として、メタクリル酸メチル系樹脂からなるフィルムを挙げることができる。メタクリル酸メチル系樹脂とは、メタクリル酸メチル単位を50重量%以上含む重合体である。メタクリル酸メチル単位の含有量は、好ましくは70重量%以上であり、100重量%であってもよい。メタクリル酸メチル単位が100重量%の重合体は、メタクリル酸メチルを単独で重合させて得られるメタクリル酸メチル単独重合体である。
メタクリル酸メチル系樹脂は、通常、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体を、ラジカル重合開始剤及び必要に応じて使用される連鎖移動剤の共存下に重合する方法により、得ることができる。単官能単量体にメタクリル酸メチルと共重合し得る成分を配合して共重合させることもあるし、所望により多官能単量体を少量共重合させることもある。
メタクリル酸メチルと共重合し得る単官能単量体としては、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの如きメタクリル酸メチル以外のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸2−ヒドロキシエチルの如きアクリル酸エステル類;2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、及び2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ブチルの如きヒドロキシアルキルアクリル酸エステル類;アクリル酸及びメタクリル酸の如き不飽和酸類;クロロスチレン及びブロモスチレンの如きハロゲン化スチレン類;ビニルトルエン及びα−メチルスチレンの如き置換スチレン類;アクリロニトリル及びメタクリロニトリルの如き不飽和ニトリル類;無水マレイン酸及び無水シトラコン酸の如き不飽和酸無水物類;フェニルマレイミド及びシクロヘキシルマレイミドの如き不飽和イミド類などを挙げることができる。これらの単量体は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて、メタクリル酸メチルに共重合させることができる。
メタクリル酸メチルと共重合し得る多官能単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びテトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの如き、エチレングリコール若しくはそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;プロピレングリコール若しくはそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、及びブタンジオールジ(メタ)アクリレートの如き、2価アルコールの水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、若しくはこれらのハロゲン置換体の両末端水酸基をアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールの如き多価アルコールをアクリル酸又はメタクリル酸でエステル化したもの;水酸基を2個以上有する化合物の末端水酸基にグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、フタル酸、及びこれらのハロゲン置換体の如き二塩基酸類、又はこれらのアルキレンオキサイド付加物に、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートのエポキシ基を開環付加させたもの;アリル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼンの如き芳香族ジビニル化合物などが挙げられる。メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体に多官能単量体を共重合させる場合は、これらの中でも、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、又はネオペンチルグリコールジメタクリレートが好ましく用いられる。
メタクリル酸メチル系樹脂は、その中に存在する官能基間の反応を行うことによって変性された樹脂であってもよい。このような官能基間の反応としては、例えば、メタクリル酸メチルのメチルエステル基と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの水酸基との高分子鎖内脱メタノール縮合反応、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基と2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの水酸基との高分子鎖内脱水縮合反応などが挙げられる。
メタクリル酸メチル系樹脂も市販品を容易に入手することが可能である。市販品の例を挙げると、いずれも商品名で、住友化学株式会社から販売されている“スミペックス”、三菱レイヨン株式会社から販売されている“アクリペット”、旭化成株式会社から販売されている“デルペット”、株式会社クラレから販売されている“パラペット”、株式会社日本触媒から販売されている“アクリビュア”などがある。
〈ポリエステル系樹脂〉
ポリエステル系樹脂フィルムの好ましい具体例として、ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなるフィルムを挙げることができる。ポリエチレンテレフタレート系樹脂とは、繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートで構成される樹脂であり、他のジカルボン酸成分及び/又はジオール成分を含んでいてもよい。他のジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、4,4′−ジカルボキシジフェニール、4,4′−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサンなどが挙げられる。また他のジオール成分としては、例えば、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
これらのジカルボン酸成分やジオール成分は、必要により2種類以上を組み合わせて用いることもできる。p−ヒドロキシ安息香酸やp−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸の如きオキシカルボン酸を併用することもできる。また、他の共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合などを含有するジカルボン酸成分又はジオール成分を用いることもできる。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂の製造方法としては、テレフタル酸及びエチレングリコール(並びに必要に応じて他のジカルボン酸又は他のジオール)を直接重縮合させる方法、テレフタル酸のジアルキルエステル及びエチレングリコール(並びに必要に応じて他のジカルボン酸のジアルキルエステル又は他のジオール)をエステル交換反応させながら重縮合させる方法、テレフタル酸(及び必要に応じて他のジカルボン酸)のエチレングリコールエステル(及び必要に応じて他のジオールエステル)を触媒の存在下で重縮合させる方法などが採用できる。さらに、必要に応じて固相重合を行って、分子量を向上させたり低分子量成分を低減させたりすることもできる。
〈セルロース系樹脂〉
セルロース系樹脂は、セルロースの水酸基における水素原子の一部又は全部が、アセチル基、プロピオニル基及び/又はブチリル基で置換された、セルロースの有機酸エステル又は混合有機酸エステルであり得る。例えば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、それらの混合エステルなどからなるものが挙げられる。これらの中でも、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどが好ましい。
〈フィルムへの製膜〉
以上説明した、環状オレフィン系樹脂や鎖状オレフィン系樹脂を包含するオレフィン系樹脂、メタクリル酸メチル系樹脂を包含するアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂を包含するポリエステル系樹脂、及びセルロース系樹脂をフィルムに製膜するためは、それぞれの樹脂に応じた方法を適宜選択すればよい。例えば、有機溶剤に溶解させた樹脂を金属製のバンド又はドラムに流延し、溶剤を乾燥除去してフィルムを得る溶剤キャスト法、樹脂をその溶融温度以上に加熱して混練し、ダイより押出して冷却ドラムで冷却することによりフィルムを得る溶融押出法などが採用できる。セルロース系樹脂は、溶剤キャスト法により製膜されることが多い。その他のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂は、生産性の観点から溶融押出法により製膜されることが多い。溶融押出法では、単層フィルムを押し出すこともできるし、多層フィルムを同時押出することもできる。
溶融樹脂から製膜されたフィルムは、市販品を入手することもできる。環状オレフィン系樹脂からなる市販フィルムの例を挙げると、いずれも商品名で、日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノアフィルム”、JSR株式会社から販売されている“アートンフィルム”などがある。ポリプロピレン系樹脂からなる市販フィルムの例を挙げると、いずれも商品名で、 FILMAX 社から販売されている“FILMAX CPPフィルム”、サン・トックス株式会社から販売されている“サントックス”、東セロ株式会社から販売されている“トーセロ”、東洋紡績株式会社から販売されている“東洋紡パイレンフィルム”、東レフィルム加工株式会社から販売されている“トレファン”、日本ポリエース株式会社から販売されている“ニホンポリエース”、フタムラ化学株式会社から販売されている“太閤FC”などがある。メタクリル酸メチル系樹脂からなる市販フィルムの例を挙げると、いずれも商品名で、住友化学株式会社から販売されている“テクノロイ”、三菱レイヨン株式会社から販売されている“アクリライト”及び“アクリプレン”、旭化成株式会社から販売されている“デラグラス”、株式会社クラレから販売されている“パラグラス”及び“コモグラス”、株式会社日本触媒から販売されている“アクリビュア”などがある。ポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる市販フィルムの例を挙げると、いずれも商品名で、三菱化学株式会社から販売されている“ノバクリアー”、帝人化成株式会社から販売されている“帝人A−PETシート”などがある。セルロース系樹脂からなる市販フィルムの例を挙げると、いずれも商品名で、富士フイルム株式会社から販売されている“フジタックTD”、コニカミノルタオプト株式会社から販売されている“コニカミノルタTACフィルムKC”などがある。
〈梱包保管される光学フィルム〉
本発明では、厚さが50μm 以下の光学フィルムを梱包保管の対象とする。上述したような、溶融樹脂から製膜されたフィルムを偏光板の保護フィルムとする場合であって、当該保護フィルムが厚さ50μm 以下であり、通常の梱包状態では、輸送を含む保管中に環境温度の変化に伴って伸縮を繰り返す結果、しわなどの欠陥が生じてしまう場合に、本発明の方法を適用することができる。
また、上述したような溶融樹脂から製膜されたフィルムに延伸操作を施して、所望するレターデーション値が付与された位相差フィルムは、延伸操作が施されて内部応力が残っているためか、輸送を含む保管中の温度変化に伴って伸縮を繰り返す結果、通常の梱包状態では開梱したときに、最初に巻き取ったときの状態を維持できず、皺などの欠陥を生じることがあった。このような場合に、本発明の方法は有効である。位相差フィルムとする場合には、所望するレターデーション値に調整するため、1軸延伸、逐次2軸延伸、同時2軸延伸など、適宜の延伸操作が施される。
本発明者らのこれまでの経験によれば、環状オレフィン系樹脂フィルムを延伸して薄い位相差フィルムとし、それが通常の梱包状態で温度変化を受けた場合、例えば、低温に長い間置いた後常温に戻した場合には、開梱したときにしわなどの欠陥を生じていることがあった。環状オレフィン系樹脂からなる市販の位相差フィルムとして、例えば、積水化学工業株式会社から販売されている“エスシーナ位相差フィルム”、帝人化成株式会社から販売されている“ピュアエースER”などがある。また、日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノアフィルム”や、JSR株式会社から販売されている“アートンフィルム”にも、延伸して位相差が付与されたグレードがある。これら現状で市販されている位相差フィルムには、輸送を含む保管後に大きな欠陥は生じていないが、今後一層薄くなっていった場合に、上述したような欠陥が生じる可能性がある。このような場合の対策としても、本発明の方法は有効である。
[巻き取り工程]
本発明においては、光学フィルムは一旦ロール状に巻き取って保管される。光学フィルムの厚さが50μm 以下の場合には、巻き取り張力が大きすぎると、フィルムが伸びたり破断したりすることがあるため、厚さが50μm を超える光学フィルムを巻き取るときの巻き取り張力よりも低く設定することが好ましい。
[梱包工程]
ロール状に巻き取られた光学フィルムは、表面の熱輻射値が 0.2未満の断熱シートを用いて梱包保管される。この際、光学フィルムのロール状物を直接この断熱シートで覆うように梱包してもよいし、断熱シートで覆われた容器の中に光学フィルムのロール状物を収納して梱包してもよい。
ロール状に巻き取られた光学フィルムを、直接断熱シートで覆うように梱包する方法を具体的に説明すると、例えば、ロールの外周に上記断熱シートを巻く方法、袋状の断熱シートでロールを覆って開口部を閉じる方法、筒状の断熱シートでロールを覆って両端の開口部を閉じる方法、1枚の断熱シートでロール全体を筒状に覆い、ロールの両側面とシートの重ね合わせ部を閉じる方法などが採用できる。
ロール状に巻き取られた光学フィルムを、断熱シートで覆われた容器の中に収納して梱包する方法も、好ましい形態の一つである。その方法を具体的に説明すると、例えば、内面に断熱シートが貼り合わされた容器の中にロールを収納して梱包する方法、ロールを枠に固定し、その枠内と枠間を断熱シートで覆って容器に収納し、梱包する方法などが採用できる。
以上のようにして、断熱シートで覆われた状態で梱包保管されたロール状フィルムは、周辺温度の急激な変化があっても、その影響を受けることなく、巻き取り時の良好な状態で保管することができる。
[断熱シート]
本発明では、表面の熱輻射値が 0.2未満の断熱シートを用いる。断熱シートの断熱性の指標となる熱輻射値は、熱放射率とも呼ばれる値であって、ある温度の物体が熱放射を発するとき、その物体と同じ温度の黒体から放射される熱エネルギーに対する対象物体から放射される熱エネルギーの比を意味する。熱輻射値は、1から熱反射率を引いた値で定義され、以下の式(1)で表すことができる。
熱輻射値=1−熱反射率 (1)
例えば、熱反射率が0.9(%表示で90%)の物体であれば、その熱輻射値は0.1となり、熱反射率が0.97(%表示で97%)の物体であれば、その熱輻射値は0.03となる。熱輻射値は、市販の熱放射計を用いて測定することができる。
表面の熱輻射値が 0.2以上のシートを用いた場合には、断熱効果が不十分となり、保管される雰囲気の温度変化などによって光学フィルムの寸法変化が起こり、ロールにしわが発生しやすくなる。この断熱シートは、表面の熱輻射値が 0.2未満であればよく、その構造は特に限定されない。例えば、ポリエチレンの発泡体の表面にアルミニウムなどの金属を蒸着したもの、ポリエチレンの発泡体の表面にアルミニウムなどの金属箔を接着したもの、ポリエチレンエアーキャップの表面にアルミニウムなどの金属を蒸着したもの、ポリエチレンエアーキャップの表面にアルミニウムなどの金属箔を接着したものなどが挙げられる。断熱シートの中心になるポリエチレンの発泡体又はエアーキャップと金属の箔又は蒸着膜の間にさらに断熱層を設けた多層構造のものもある。さらに、断熱シートの表面に防汚処理などが施されていてもよい。
このような断熱シートは、遮熱シートなどとも呼ばれ、各種のものが販売されているので、目的に合ったものを適宜入手して使用できる。市販されている断熱シートの例を挙げると、株式会社シオンから販売されている“遮熱シート アポロ(APOLLO)”、MIMOマテリアル株式会社から販売されている“HMシート”、エンデバーハウス株式会社から販売されている“パーフェクトバリア アルミ遮熱シート”、古河電気工業株式会社から販売されている“ダンルーフシルバー”、株式会社吉谷から販売されている“熱反射(遮熱)シート”などがある。以下、各社のインターネットホームページに掲載されている情報をもとに、これらの製品について説明する。なお、以下に記載する各社ホームページのアドレスは、平成22年1月21日現在のものである。
株式会社シオンから販売されている“遮熱シート アポロ(APOLLO)”は、同社の遮熱シート「アポロ」の公式サイト(インターネット <URL : http://www.xion.co.jp/apollo/index.html>)によれば、ポリエチレン系発泡材の両面にアルミニウム箔を貼り付けた構造のものであり、その熱反射率は97%とされている。厚さ 1.7mmタイプと6mmタイプがあるが、本発明に用いる断熱シートとしては、1.7mm タイプのもので十分である。
MIMOマテリアル株式会社から販売されている“HMシート”は、同社の高性能遮熱シート「MHシート」のサイト(インターネット <URL : http://www.hm-sheet.com/> 及びそこにリンクされているページ)によれば、低熱伝導金属微粒子配合の発泡体を中心として、その両面にアルミニウム合金箔を貼り合わせ、さらにそれぞれの外側にPET(ポリエチレンテレフタレート)による防蝕コーティング加工が施された5層構造となっており、その熱反射率は97%、厚さは4mmである。
エンデバーハウス株式会社から販売されている“パーフェクトバリア アルミ遮熱シート”は、同社の「パーフェクトバリア」のサイト(インターネット <URL : http://www.endeavorhouse.co.jp/Barrier.htm> 及びそこからリンクされている <URL : http://www.endeavorhouse.co.jp/syanetukatarogu090601.pdf>)によれば、高純度アルミニウム箔/ポリエチレン/ポリエステルの積層構成となっており、その熱反射率は97%とされている。気密タイプと穴があいた透湿タイプがあり、それぞれに厚さ5mmのものと10mmのものが用意されている。本発明に用いる断熱シーとしては、気密タイプが向いており、厚さ5mmのもので十分である。
古河電気工業株式会社から販売されている“ダンルーフシルバー”は、同社の「ダンルーフシルバー」のサイト(インターネット <URL : http://www.furukawa.co.jp/foam/danroof/index.htm> 及びそこからリンクされている <URL : http://www.furukawa.co.jp/foam/pdf/danroof.pdf> )によれば、発泡ポリエチレン(同社の“フォームエース”)の片面に高純度アルミニウム箔を貼合した構造になっており、その熱反射率は90%、厚さは2mmである。
株式会社吉谷から販売されている“熱反射(遮熱)シート”は、同社の「熱反射(遮熱)シート」のサイト(インターネット <URL : http://www.ystn.co.jp/dm/netuhansha1.html> 、及びそこからリンクされている <URL : http://www.ystn.co.jp/dm/netuhansha5.html>)によれば、2枚の多孔質シートがポリエチレンフィルムの両面に積層され、これに加えて、アルミニウム箔で被覆したポリエチレンを上記2枚の多孔質シートのそれぞれ外側に重ねた7層構造になっており、その熱反射率は97%、熱輻射値は 0.03、厚さは約8mmである。
[光学フィルムの光学特性]
本発明の方法により梱包保管された光学フィルムを、IPS(インプレーンスウィッチング)モードの液晶表示装置に用いる場合は、その面内レターデーションReが10nm以下であり、厚み方向のレターデーションRthの絶対値が10nm以下であるフィルムや、面内レターデーションReが30〜150nmの範囲にあり、Nz係数が1を超え2以下であるフィルムが好適である。ここで、面内レターデーションRe、厚み方向のレターデーションRth、及びNz係数は、フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx 、面内進相軸方向(面内で遅相軸と直交する方向)の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz、厚さをdとしたときに、それぞれ以下の式(2)〜(4)で定義される値である。
Re=(nx−ny)×d (2)
Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d (3)
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) (4)
レターデーション値やNz係数は、可視光の中心付近、例えば500〜700nmの間の任意の波長で測定された値であり得るが、本明細書においては、波長590nmで測定された値を採用している。
[偏光板]
以上のようにして梱包保管された光学フィルムは、接着剤や粘着剤を介して偏光フィルムに貼合し、偏光板とすることができる。偏光フィルムは通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向したものであって、ある方向の振動面を有する直線偏光を透過し、それと直交する方向の振動面を有する直線偏光を吸収する性質を有する。かかる偏光フィルムは、公知の方法によってポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造される。
上記光学フィルムのみでは液晶セルの光学補償が十分でない場合には、さらに別の位相差フィルムを加えて、所望の表示特性を満たすようにすることも好ましい。例えば、面内のレターデーション値Reが20〜120nmであり、Nz係数が −2以上−0.5以下である第2の位相差フィルムをさらに加えることも、表示特性を改善するうえで有効な方法である。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量を表す「%」は、特にことわらないかぎり重量基準である。また、フィルムの厚さ、レターデーション値及びNz係数は、それぞれ以下の方法によって求めた。
[厚さの測定]
株式会社ニコン製のデジタルマイクロメーター“MH-15M”を用いて、フィルムの厚さを測定した。
[レターデーション値及びNz係数の測定]
平行ニコル回転法を原理とする王子計測機器株式会社製の位相差計“KOBRA-21ADH” を用い、23℃において、波長590nmの光でフィルム面内のレターデーション値及びNz係数を測定した。
また以下の例では、断熱シートとして、MIMOマテリアル株式会社から販売されている高性能遮熱シート“HMシート”(商品名、表面の熱輻射値は 0.03)を使用した。先述のとおり、この“HMシート”は、低熱伝導金属微粒子配合の発泡体を中心として、その両面にアルミニウム合金箔を貼り合わせ、さらにそれぞれの外側にPETによる防蝕コーティング加工が施された5層構造のものである。
[実施例1]
(a)光学フィルムの作製と梱包保管
環状オレフィン系樹脂のフィルム(日本ゼオン株式会社から販売されている“ゼオノアフィルム”)を延伸して位相差フィルムとし、これをロール状に巻き取った。この位相差フィルムは、厚さが35.8μm、面内レターデーション値Reが 76.2nm、Nz係数が1.37 であった。このロール状位相差フィルムの外周に上記した断熱シートを巻きつけて梱包した。こうして梱包された状態のロール状フィルムを、周辺温度が22℃の場所から周辺温度が5℃の場所に移動し、この温度で2日間保管した。その後、このロール状フィルムを梱包されたまま再度、周辺温度が22℃の場所に移動し、この温度で1日保管した。以上の保管状態を経た後のロール状フィルムを梱包から解き、その外観を目視で観察したところ、巻き取り直後の良好な状態を保っていた。
(b)偏光板の作製
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光フィルムの一方の面に、表面にケン化処理が施された厚さ80μm のトリアセチルセルロースフィルム(透明保護フィルム)を、他方の面には、上記(a)の保管を経た後の環状オレフィン系樹脂からなる位相差フィルムを偏光フィルムの吸収軸と位相差フィルムの長手方向が平行となるように、それぞれ接着剤を介して接着し、透明保護フィルム/偏光フィルム/位相差フィルムの3層構成からなる偏光板を作製した。
(c)第2の位相差フィルムの作製
スチレン−無水マレイン酸系共重合樹脂(ノヴァケミカル社から販売されている“ダイラーク D332”、Tg=131℃)をコア層とし、平均粒径200nm のアクリル系ゴム粒子が約20%配合されているメタクリル酸メチル系樹脂(Tg=105℃)をスキン層として3層共押出を行い、コア層の両面にスキン層が形成された樹脂3層フィルムを得た。この樹脂3層フィルムを延伸して第2の位相差フィルムを作製した。その光学特性を測定したところ、面内レターデーション値Reが55.0nm、Nz係数が−1.1であった。
(d)複合偏光板の作製
上記(b)で作製した偏光板の位相差フィルム面に、上記(c)で作製した第2の位相差フィルムを、アクリル系粘着剤を介して貼合し、複合偏光板を作製した。
(e)液晶表示装置への組込みと評価
IPSモードの液晶セルを備える液晶表示装置(パナソニック株式会社から販売されている“VIERA”、型番:TH-37LZ85)からバックライトを取り外し、さらに液晶セルのバックライト側に配置されていた偏光板を取り外して、そのガラス面を洗浄した。次に、この液晶セルのバックライト側に、上記(d)で作製した複合偏光板を、その吸収軸が元々配置されていた偏光板の吸収軸と同じになるように、かつ第2の位相差フィルムが液晶セル側となるように、アクリル系粘着剤を介して貼合し、液晶パネルを作製した。最後に、一旦取り外しておいたバックライトを再び設置して、液晶表示装置を組み立てた。この液晶表示装置について、バックライトを点灯させて30分後に、表示ムラの有無を観察したところ、局所的な表示ムラは見られず、良好な表示状態であった。
[比較例1]
実施例1の(a)において、環状オレフィン系樹脂からなる位相差フィルムをロール状に巻き取った後、断熱シートで梱包することなく、周辺温度が22℃の場所から周辺温度が5℃の場所に移動し、この温度で2日間保管した。その後、このロール状フィルムを再度周辺温度が22℃の場所に移動し、この温度で1日保管した。以上の保管状態を経た後のロール状フィルムの外観を目視で観察したところ、巻き取り直後の良好な状態とは異なり、局所的にしわが発生する外観不良を呈していた。
以上の保管状態を経た後の位相差フィルムを用いる以外は、実施例1の(b)〜(e)と同様にして偏光板を作製し、それから複合偏光板を作製し、その複合偏光板を液晶表示装置に組み込んで評価した。その結果、バックライトを点灯させて30分後でも、局所的な表示ムラが見られた。

Claims (4)

  1. 厚さが50μm 以下の光学フィルムをロール状に巻き取り、巻き取られたロール状フィルムを、表面の熱輻射値が 0.2未満の断熱シートで覆って梱包し、保管することを特徴とする光学フィルムの梱包保管方法。
  2. 前記光学フィルムは、延伸された位相差フィルムである請求項1に記載の方法。
  3. 前記光学フィルムは、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂又はセルロール系樹脂で構成される請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記光学フィルムは、脂環式オレフィンから導かれる構成単位を含む環状オレフィン系樹脂で構成される請求項2に記載の方法。
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