JP2011153276A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた発光効率と耐久性を有する有機電界発光素子及び、物理的衝撃に対する耐性の大きな有機電界発光素子の提供。
【解決手段】式(1)で表される化合物の前記有機電界発光素子用材料における含有量が、98.5%以上99.999%以下であり、特定の化合物の含有量の合計が、0.001%以上1%以下であり、その他の成分の含有量の合計が0.5%未満である有機電界発光素子用材料。
Figure 2011153276

(一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基を表す。Ra及びRbは複数存在する場合はそれぞれ独立にアルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシ基、アリール基等を表す。na及びnbは0から8の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は有機電界発光素子に関する。
有機電界発光素子(以下、「素子」、「有機EL素子」ともいう)は、低電圧駆動で高輝度の発光が得られることから活発に研究開発が行われている。有機電界発光素子は、一対の電極間に有機層を有し、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが有機層において再結合し、生成した励起子のエネルギーを発光に利用するものである。
近年、燐光発光材料を用いることにより、素子の高効率化が進んでいる。また、発光材料をホスト材料中にドープした発光層を用いるドープ型素子が広く採用されている。
例えば、特許文献1、2及び3には、燐光発光材料としてイリジウム錯体や白金錯体などを用い、更に含窒素ヘテロ環基とカルバゾール構造を含む特定構造の化合物をホスト材料として用いて、発光効率及び耐久性を向上させた有機電界発光素子が提案されている。
しかしながら、これら特許文献1、2及び3に記載の素子よりも更に高いレベルで発光効率と耐久性が両立された有機電界発光素子が求められている。
特許文献4には、有機EL素子における少なくとも1つの有機化合物層を、不純物濃度が1000ppm未満の有機化合物材料で構成することにより、素子の耐久性が改善されることが開示されている。しかしながら、特許文献4では、素子の性能への影響が小さい不純物や、意図的に含有させる事で素子性能を向上させる不純物の種類は特定されていない。
特開2009−64918号公報 特開2005−116247号公報 米国公開2005−0233169号 国際公開第00/41443号
特許文献3をはじめ、不特定の不純物を減らすことで素子性能が向上する例は既に報告があるが、素子性能に影響を与える不純物は、有機電界発光素子用材料の構造により様々である。有機化合物材料に含有される全ての不純物が、素子の性能に同じ程度の影響を与えるわけではなく、材料構造やその使用目的(例えば、素子のどの層に用いるか)により、不純物が素子に与える性能は異なるはずである。本発明の有機電界素子材料においては、特定構造の化合物を特定の範囲の含有量とすることで、特異的に膜状態での配列性を向上させ、素子特性の大幅な向上とともに、結晶化を抑制するため素子作製後物理的衝撃を与えた際に欠陥を生じる素子数を大きく低減し得ることが見出された。
すなわち、本発明の目的は、ビフェニル基のパラ位及びメタ位にカルバゾール基を有する化合物を使用した場合において、特定の化合物を一定量含有させ、またその他の化合物の含有量を制御する事で、優れた発光効率と耐久性を有し、物理的衝撃に強い有機電界発光素子を提供することである。
また、本発明の別の目的は、優れた発光効率と耐久性を有し、物理的衝撃に強い有機電界発光素子に有用な有機電界発光素子用材料を提供することである。更に、本発明の別の目的は、本発明の有機電界発光素子を含む発光装置、表示装置及び照明装置を提供することである。
本発明者らの検討によると、ビフェニル基のパラ位及びメタ位にカルバゾール基を有する特定化合物からなる有機電界発光素子用材料において、特定構造の化合物を意図的に含ませる事で素子性能と有機膜の物理的強度が大きく向上することを見出し、その他の化合物の含有量を低減することで、有機電界発光素子の発光効率と耐久性を高いレベルで両立し、物理的衝撃に強い素子を提供できることを見出した。
すなわち、本発明は下記の手段により達成することができる。
〔1〕
以下の一般式(1)で表される化合物を含む有機電界発光素子用材料において、該一般式(1)で表される化合物の前記有機電界発光素子用材料における含有量が、254nmを測定波長とする高速液体クロマトグラフィーにより測定した、前記有機電界発光素子用材料の全吸収強度面積に対する、前記一般式(1)で表される化合物の吸収強度面積の比で算出した際に、98.5%以上99.999%以下であり、以下の一般式(I−1)又は一般式(II−1)で表される化合物の前記有機電界発光素子用材料における含有量の合計が、0.001%以上1%以下であり、一般式(1)で表される化合物及び一般式(I−1)又は一般式(II−1)で表される化合物以外の成分の含有量の合計が0.5%未満であることを特徴とする有機電界発光素子用材料。
Figure 2011153276
(一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基を表す。Ra及びRbは複数存在する場合はそれぞれ独立にアルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又はアミノ基を表す。na及びnbは0から8の整数を表す。)
Figure 2011153276
(一般式(I−1)中、R、R、R、R、Ra、及びnaは、前記一般式(1)においてR、R、R、R、Ra、及びnaとそれぞれ同一である。)
Figure 2011153276
(一般式(II−1)中、R〜R、Rb及びnは、前記一般式(1)においてR〜R、Rb、及びnとそれぞれ同一である。)
〔2〕
na及びnbが0又は1を表すことを特徴とする〔1〕に記載の有機電界発光素子用材料。
〔3〕
前記Ra及びRbがそれぞれ独立にアルキル基、パーフルオロアルキル基、アリール基、シアノ基、又はハロゲン原子を表すことを特徴とする〔2〕に記載の有機電界発光素子用材料。
〔4〕
前記R〜Rが、全て水素原子を表すことを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の有機電界発光素子用材料。
〔5〕
前記材料に含まれる前記一般式(I−1)又は一般式(II−1)で表される化合物が、一般式(I−1)で表される化合物のみで構成されることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の有機電界発光素子用材料。
〔6〕
〔1〕〜〔5〕に記載の有機電界発光素子用材料を含有することを特徴とする発光層。
〔7〕
前記有機電界発光素子用材料が、前記有機層に含まれることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の有機電界発光素子。
〔8〕
前記有機電界発光素子用材料が、前記発光層に含まれることを特徴とする〔7〕に記載の有機電界発光素子。
〔9〕
発光層に、イリジウム錯体を含有することを特徴とする〔7〕又は〔8〕に記載の有機電界発光素子。
〔10〕
発光層と陰極との間に少なくとも一層の有機層を有し、該有機層のうち発光層に隣接する有機層が、最低3重項エネルギー55kcal/mol以上の化合物を含有してなる事を特徴とする〔7〕〜〔8〕のいずれかに記載の有機電界発光素子。
〔11〕
前記一対の電極間にある有機層の少なくとも一層が、溶液塗布法により成膜されたことを特徴とする〔7〕〜〔9〕のいずれかに記載の有機電界発光素子。
〔12〕
〔6〕〜〔11〕のいずれかに記載の有機電界発光素子を用いた発光装置。
〔13〕
〔6〕〜〔11〕のいずれかに記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。
〔14〕
〔6〕〜〔11〕のいずれかに記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
本発明によれば、優れた発光効率と耐久性を有し、物理的衝撃に強い有機電界発光素子を提供することができる。物理的衝撃に強い素子の提供は、素子や製品の輸送コストを低減するばかりでなく、携帯電話などの製品に搭載した際にもパネル欠陥を低減し、性能を向上させる事ができる。
本発明に係る有機電界発光素子の構成の一例を示す概略図である。 本発明に係る発光装置の一例を示す概略図である。 本発明に係る照明装置の一例を示す概略図である。
本発明において、置換基群A、置換基群B、置換基Zを下記のように定義する。
(置換基群A)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
(置換基群B)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、シアノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、前記置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
(置換基Z)
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、フェニル基、炭素数5〜10の芳香族ヘテロ環基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェノキシ基、フルオロ基、シリル基、アミノ基、シアノ基又はこれらを組み合わせて成る基を表す。複数の置換基Zは互いに連結して芳香族炭化水素環を形成しても良い。
下記、一般式(1)、一般式(2)の説明における水素原子は同位体(重水素原子等)も含み、また更に置換基を構成する原子は、その同位体も含んでいることを表す。 本発明において、「置換基」というとき、その置換基は置換されていてもよい。例えば、本発明で「アルキル基」と言う時、フッ素原子で置換されたアルキル基(例えばトリフルオロメチル基)やアリール基で置換されたアルキル基(例えばトリフェニルメチル基)なども含むが、「炭素数1〜6のアルキル基」と言うとき、置換されたものも含めた全ての基として炭素数が1〜6であることを示す。
本発明の有機電界発光素子は、基板上に、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該電極間に発光層を含む有機層とを有する有機電界発光素子であって、前記有機層の少なくとも一層に下記一般式(1)で表される化合物を少なくとも一つ含有する。
本発明者らの検討によると、有機材料をアモルファス状に製膜して用いる有機電界発光素子では、外部からの衝撃により有機膜の結晶化が起こり、素子性能を悪化させたり発光が得られなくなるなどの問題があった。物理的衝撃による結晶化を防ぐためには、骨格中に長鎖のアルキル基などを導入し材料そのものの結晶性を下げる事が考えられるが、置換基の導入は素子性能にも大きく影響を与えるものである上、合成が困難になる場合もある。
本発明の素子では前述のように一般式(1)で表される化合物の前記有機電界発光素子材料における含有量が、254nmを測定波長とする高速液体クロマトグラフィーにより測定した、前記有機電界発光素子材料の全吸収強度面積に対する、前記一般式(1)で表される化合物の吸収強度面積の比で算出した際に、98.5%以上99.999%以下であり、以下の一般式(I−1)又は一般式(II−1)で表される化合物の前記有機電界発光素子材料における含有量が、0.001%以上1%以下であり、一般式(1)で表される化合物及び一般式(I−1)又は一般式(II−1)で表される化合物成分の含有量が0.5%未満である材料を用いる事によって、膜状態での配列性を向上させ、素子特性の大幅な向上とともに、結晶化を抑制するため素子作製後物理的衝撃を与えた際に欠陥を生じる素子数が大きく低減する事が分かった。
〔一般式(1)で表される化合物〕
以下、一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 2011153276
(一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、ハロゲン原子、又はニトロ基を表す。Ra及びRbは複数存在する場合はそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又はアミノ基を表す。na及びnbは0から8の整数を表す。)
〜Rで表されるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、置換基を有する場合の置換基としては、前述の置換基Zが挙げられる。R〜Rで表されるアルキル基は、例えばメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基等が挙げられ、これらのうち、メチル基、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく、メチル基、トリフルオロメチル基、シクロヘキシル基がより好ましい。
〜Rで表されるアリール基は、縮環していてもよく、置換基を有していてもよい。置換基を有する場合の置換基としては、前述の置換基Zが挙げられ、置換基Zとしては、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。R〜Rで表されるアリール基は、好ましくは炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜18のアリール基である。炭素数6〜18のアリール基は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基である。例えば、フェニル基、ジメチルフェニル基、ジイソプロピルフェニル基、ジt−ブチルフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、t−ブチルナフチル基、アントラニル基、フェナンスリル基、クリセニル基等が挙げられ、これらのうちフェニル基、ジメチルフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、t−ブチルナフチル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基がより好ましく、フェニル基が更に好ましい。
〜Rで表されるヘテロアリール基としては、縮環していてもよく、置換基を有していてもよい。置換基を有する場合の置換基としては、前述の置換基Zが挙げられ、置換基Zとしては、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。R〜Rで表されるヘテロアリール基は、好ましくは、炭素数5〜8のヘテロアリール基であり、より好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換のヘテロアリール基であり、例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ピロリル基、インドリル基、カルバゾール基、フリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、チアジアゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンズイソオキサゾリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、イミダゾリジニル基、チアゾリニル基、スルホラニル基などが挙げられ、好ましくはピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピロリル基、インドリル基、カルバゾリル基、フリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基であり、より好ましくはピリジル基、ピリミジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピロリル基、インドリル基、カルバゾール基、イミダゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基であり、最も好ましくはピリジル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基である。
〜Rで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素を挙げることができる。
〜Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、シアノ基、アリール基、ヘテロアリール基又はハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、カルバゾリル基、シクロヘキシル基又はフッ素原子であり、R〜Rが全て水素原子を表すことがより好ましい。
また、R〜Rのうち、いずれかがアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、ハロゲン原子、又はニトロ基を表す場合は、好ましくはR、R、Rが、より好ましくはRがアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、ハロゲン原子、又はニトロ基を表し、更に好ましくはRがアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、ハロゲン原子、又はニトロ基を表し、R〜R及びR〜Rが水素原子を表す。Rに置換基を導入するとビフェニル部位とカルバゾール部位又はビフェニル部位のベンゼン環同士に立体的ひずみが生じず、化学的安定性と合成容易さの点で好ましいためである。
Ra及びRbで表されるアルキル基は、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換基を有する場合の置換基としては、前述の置換基Zを挙げることができ、好ましくはハロゲン原子でありフッ素原子であることがより好ましい。Ra及びRbで表されるアルキル基は、例えばメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ビニル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基等が挙げられ、これらのうち、メチル基、ビニル基、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−ブチル基、又はネオペンチル基が好ましく、メチル基、ネオペンチル基、又はt−ブチル基がより好ましい。
Ra及びRbで表されるアリール基は、縮環していてもよく、置換基を有していてもよい。置換基を有する場合の置換基としては、前述の置換基Zが挙げられ、置換基Zとしては、アルキル基、フェニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。Ra及びRbで表されるアリール基は、好ましくは炭素数6〜30のアリール基であり、より好ましくは炭素数6〜18のアリール基である。炭素数6〜18のアリール基は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基である。例えば、フェニル基、ジメチルフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、t−ブチルナフチル基、アントラニル基、フェナンスリル基、クリセニル基等が挙げられ、これらのうちフェニル基、ジメチルフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、t−ブチルナフチル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基がより好ましく、フェニル基が更に好ましい。
Ra及びRbで表されるヘテロアリール基としては、縮環していてもよく、置換基を有していてもよい。置換基を有する場合の置換基としては、前述の置換基Zが挙げられ、置換基Zとしては、アルキル基、フェニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。Ra及びRbで表されるヘテロアリール基は、好ましくは、炭素数5〜8のヘテロアリール基であり、より好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換のヘテロアリール基であり、
例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ピロリル基、インドリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、チアジアゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンズイソオキサゾリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、イミダゾリジニル基、チアゾリニル基、スルホラニル基、カルバゾール基などが挙げられ、好ましくはピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピロリル基、インドリル基、カルバゾール基、フリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基であり、より好ましくはピリジル基、ピリミジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピロリル基、インドリル基、カルバゾール基、イミダゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基であり、最も好ましくはピリジル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基である。
Ra及びRbとして好ましくはアルキル基、パーフルオロアルキル基、アリール基、シアノ基、又はハロゲン原子であり、より好ましくはアルキル基、シアノ基、フッ素原子、又はアリール基であり、更に好ましくはメチル基、シアノ基、t−ブチル基、フッ素原子、ネオペンチル基又はフェニル基である。
Ra及びRbがそれぞれ独立にアルキル基、シクロアルキル基、パーフルオロアルキル基、アリール基、シアノ基、又はハロゲン原子を表し、na及びnbが0又は1を表すことがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物におけるna又はnbが1〜8の整数を表す場合の、Ra又はRbの導入位置としては、カルバゾール骨格の3位及び6位が反応活性位であり、合成の容易さ、及び化学的安定性向上の観点から、3位又は6位であることが好ましい。
na及びnbはそれぞれ独立に0〜4を表すことが好ましく、0又は1を表すことがより好ましい。na及びnbが0を表す場合、一般式(1)におけるカルバゾール基は置換基を有さず無置換である。
一般式(1)で表される化合物は両電荷輸送性に優れ、素子内での安定性が高いため有機電界発光素子用材料として有用である。
一般式(1)で表される化合物の分子量は400以上1000以下であることが好ましく、450以上800以下であることがより好ましく、500以上700以下であることが更に好ましい。
化学的安定性等の観点から一般式(1)で表される化合物の膜状態での最低励起三重項(T)エネルギーは55kcal/mol以上80kcal/mol以下であることが好ましく、58kcal/mol以上70kcal/mol以下であることがより好ましく、60kcal/mol以上68kcal/molであることが更に好ましい。
エネルギーは、材料の薄膜の燐光発光スペクトルを測定し、その短波長端から求めることができる。例えば、洗浄した石英ガラス基板上に、材料を真空蒸着法により約50nmの膜厚に成膜し、薄膜の燐光発光スペクトルを液体窒素温度下でF−7000日立分光蛍光光度計(日立ハイテクノロジーズ)を用いて測定する。得られた発光スペクトルの短波長側の立ち上がり波長をエネルギー単位に換算することによりTエネルギーを求めることができる。
有機電界発光素子を高温駆動時や素子駆動中の発熱に対して安定して動作させる観点から、一般式(1)で表される化合物のガラス転移温度(Tg)は60℃以上400℃以下であることが好ましく、65℃以上300℃以下であることがより好ましく、80℃以上180℃以下であることが更に好ましい。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
上記一般式(1)で表される化合物として例示した化合物は、次のように合成する事ができる、最も一般的には、カルバゾール化合物に関してはアリールヒドラジンとシクロヘキサン誘導体との縮合体のアザーコープ転位反応の後、脱水素芳香族化による合成(L.F.Tieze,Th.Eicher著、高野、小笠原訳、精密有機合成、339頁(南江堂刊))が挙げられる。また、得られたカルバゾール化合物とハロゲン化アリール化合物のパラジウム触媒を用いるカップリング反応に関してはテトラヘドロン・レターズ39巻617頁(1998年)、同39巻2367頁(1998年)及び同40巻6393頁(1999年)等に記載の方法が挙げられる。反応温度、反応時間については特に限定されることはなく、前記文献に記載の条件が適用できる。また、例えば特許文献1第47段落以降に記載の方法により合成することができる。
本発明において、一般式(1)で表される化合物は、発光層に含有されることが好ましいが、その用途が限定されることはなく、有機層内のいずれの層に更に含有されてもよい。一般式(1)で表される化合物の導入層としては、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、電荷ブロック層のいずれかを挙げることができ、好ましくは正孔輸送層又は電子輸送層である。
一般式(1)で表される化合物は発光層の全質量に対して50〜99.5質量%含ませることが好ましく、70〜99質量%含ませることがより好ましく、80〜95質量%含ませることがより好ましい。一般式(1)で表される化合物を発光層以外の層に更に含有させる場合は、70〜100質量%含まれることが好ましく、85〜100質量%含まれることがより好ましい。
次に、一般式(1)で表される化合物を含む電荷輸送材料中の一般式(1)で表される化合物以外の化合物について説明する。
本発明では、一般式(1)で表される有機電界発光素子用材料中の、一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物の前記電荷輸送材料における含有量を、254nmを測定波長とする高速液体クロマトグラフィーにより測定した、前記電荷輸送材料の全吸収強度面積に対する、前記一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物の吸収強度面積の比で算出した際に、0.001%以上1%以下とする。
前記一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物は、前述の方法により算出された値が、0.001%以上0.5%以下であることがより好ましく、0.01%以上0.5%以下であることが最も好ましい。
一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物は、一般式(1)で表される化合物を合成する際に特許文献1第53段落に記載の合成経路における副生成物として微量生成する。これらの化合物は特許文献1第103段落にあるように、トルエンなどの有機溶媒から再結晶操作を経る事によって容易に分離する事ができるが、意図的にヘキサンや水、アルコールなどの溶解性の低い溶媒によって急激に粗結晶を析出させる事でこれらの化合物を含ませる事もできる。また、別途合成した一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物を一般式(1)で表される化合物に添加することで混合物を得る事もできる。一般式(I−1)又は一般式(II−1)で表される化合物は、一般式(I−1)で表される化合物のみで構成されることが好ましい。
Figure 2011153276
(一般式(I−1)中、R、R、R、R、Ra、及びnaは、前記一般式(1)においてR、R、R、R、Ra、及びnaとそれぞれ同一である。)
Figure 2011153276
一般式(II−1)中、R〜R、Rb及びnbは、前記一般式(1)においてR〜R、Rb及びnbとそれぞれ同一である。
本発明者らの検討によれば、前記一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物が有機電界発光素子用材料中に、254nmを測定波長とする高速液体クロマトグラフィーにより測定した、前記有機電界発光素子用材料の全吸収強度面積に対する、前記一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物の吸収強度面積の比で、0.001%〜1%の範囲で存在すると、素子を作製し物理的な衝撃を与えた時の欠陥素子数が大きく低減されることを見出した。その理由は明らかではないが、以下のように考えている。
所望の有機電界発光素子用材料と分子量が近く、構造が近い前記一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物は蒸着成膜の際に昇華温度が近いため膜中に均一に混入しやすい。また、所望の有機電界発光素子用材料と類似構造の化合物はHOMO、LUMOの値が近く、構造上軌道の重なりも大きいため、素子特性に悪影響を与える事はない。一方で、物理的な衝撃を与えられた際には、一般式(1)で表される化合物が分子の再配列によって部分的に結晶を形成しようとするのを、構造の異なる一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物が少量存在する事によって防いでいるものと考えられる。
本発明の有機電界発光素子用材料中の一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物や一般式(1)で表される化合物及び一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物の含有量、及び本発明の有機電界発光素子用材料の純度は、例えば、以下に記載の分析条件において、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により求めることができる。
(HPLCによる分析条件)
HPLC装置:島津製作所製HPLC(LC−10ADVPポンプ、CTO−10ACVPカラムオーブン、SIL−10ADVPオートサンプラー,RID−10A示差屈折検出器、CLASS−VP解析ソフト)
カラム:東ソーTSKgel ODS−100Z
移動層、流速:90%メタノール水溶液、1.0ml/min
カラム温度:40℃
本発明においては、254nmにおける吸収強度の面積比から算出された数値を、化合物の「含有量」及び有機電界発光素子用材料の「純度」として用いる。以下の記載において、特に断りが無ければ、化合物の「含有量」及び有機電界発光素子用材料の「純度」は、前述の方法により算出された数値を意味する。
本発明の有機電界発光素子用材料中に含まれ得る一般式(1)で表される化合物以外の化合物としては、前記一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物以外には、前記一般式(1)で表される化合物を合成する出発原料である3−ブロモフェニルカルバゾール類縁体や、反応中にこれらが分解して得られるもの、無機塩、反応溶媒等が挙げられる。
また、本発明の有機電界発光素子用材料の純度は、98.5%以上99.999%以下であることが好ましく、99.0%以上99.999%以下であることがより好ましく、99.5%以上99.999%以下であることが更に好ましい。
本発明の有機電界発光素子用材料において、前記一般式(I−1)又は(II−1)で表される化合物は、前述の高速液体クロマトグラフィーによる分析において検出されないことが好ましい。
すなわち、前記一般式(1)で表される化合物を含有する本発明の有機電界発光素子用材料において、前述の254nmを測定波長とする高速液体クロマトグラフィーにより測定した、前記有機電界発光素子用材料の全吸収強度面積に対する、前記一般式(1)で表される化合物、前記一般式(I−1)で表される化合物、前記一般式(II−1)で表される化合物の各吸収強度面積の合計の比は、100%であることが好ましい。
本発明の材料はカラムクロマトグラフィー、再結晶等による精製を行った後、昇華精製により精製することが好ましい。昇華精製により、無機塩や残留溶媒等を効果的に取り除くことができる。
〔有機電界発光素子〕
本発明の素子について詳細に説明する。
本発明の有機電界発光素子は、基板上に、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該電極間に発光層を含む有機層とを有する有機電界発光素子であって、前記有機層の少なくとも一層に本発明の有機電界発光素子用材料を少なくとも一つ含有する。
本発明の有機電界発光素子において、発光層は有機層であり、発光層と陰極の間に少なくとも一層の有機層を含み、発光層と陰極の間に発光層に隣接する有機層を有するほか、更に複数の有機層を有していてもよい。
発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明若しくは半透明であることが好ましい。
図1は、本発明に係る有機電界発光素子の構成の一例を示している。図1に示される本発明に係る有機電界発光素子10は、支持基板2上において、陽極3と陰極9との間に発光層6が挟まれている。具体的には、陽極3と陰極9との間に正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、正孔ブロック層7、及び電子輸送層8がこの順に積層されている。
<有機層の構成>
前記有機層の層構成としては、特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記透明電極上に又は前記背面電極上に形成されるのが好ましい。この場合、有機層は、前記透明電極又は前記背面電極上の前面又は一面に形成される。
有機層の形状、大きさ、及び厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
具体的な層構成として、下記が挙げられるが本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
有機電界発光素子の素子構成、基板、陰極及び陽極については、例えば、特開2008−270736号公報に詳述されており、該公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
<基板>
本発明で使用する基板としては、有機層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
<陽極>
陽極は、通常、有機層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
<陰極>
陰極は、通常、有機層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
基板、陽極、陰極については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0070〕〜〔0089〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
<有機層>
本発明における有機層について説明する。
〔有機層の形成〕
本発明の有機電界発光素子において、各有機層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法、スピンコート法、バーコート法等の溶液塗布プロセスのいずれによっても好適に形成することができる。有機層の少なくとも1層が溶液塗布プロセスにより形成されたことが好ましい。
〔発光層〕
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明は、有機電界発光素子用材料を含有する発光層にも関する。本発明の発光層は有機電界発光素子に用いることができる。 本発明の発光層は、前記燐光性有機金属錯体の他、少なくとも一種のホスト材料を更に含むことが好ましい。ホスト材料としては、正孔輸送性ホスト材料であっても、電子輸送性ホスト材料であってもよいが、両電荷輸送性ホスト材料が好ましい。
基板、陽極、陰極、有機層、発光層については、例えば、特開2008−270736、特開2007−266458に詳述されており、これらの公報に記載の事項を本発明に適用することができる。してもよい。更に、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいても良い。
(発光材料)
本発明における発光材料としては、燐光性発光材料、蛍光性発光材料等いずれも用いることができる。
本発明における発光層は、色純度を向上させるためや発光波長領域を広げるために2種類以上の発光材料を含有することができる。本発明の素子は発光層に、更に少なくとも1つの燐光性金属錯体を含有することが好ましい。
前記発光材料の少なくとも一種が白金錯体材料又はイリジウム錯体材料であることが好ましい。
本発明においては、白金錯体材料又はイリジウム錯体材料を含むことが好ましく、4座配位子を有する白金錯体材料又はイリジウム錯体材料を含むことがより好ましく、イリジウム錯体材料を含むことが更に好ましい。
蛍光発光材料、燐光発光材料については、例えば、特開2008−270736の段落番号〔0100〕〜〔0164〕、特開2007−266458の段落番号〔0088〕〜〔0090〕に詳述されており、これらの公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
白金錯体として好ましくは、下記一般式(C−1)で表される白金錯体である。
Figure 2011153276
(式中、Q、Q、Q及びQはそれぞれ独立にPtに配位する配位子を表す。L、L及びLはそれぞれ独立に単結合又は二価の連結基を表す。)
一般式(C−1)について説明する。Q、Q、Q及びQはそれぞれ独立にPtに配位する配位子を表す。この時、Q、Q、Q及びQとPtの結合は、共有結合、イオン結合、配位結合などいずれであっても良い。Q、Q、Q及びQ中のPtに結合する原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子が好ましく、Q、Q、Q及びQ中のPtに結合する原子の内、少なくとも一つが炭素原子であることが好ましく、二つが炭素原子であることがより好ましく、二つが炭素原子で、二つが窒素原子であることが特に好ましい。
炭素原子でPtに結合するQ、Q、Q及びQとしては、アニオン性の配位子でも中性の配位子でもよく、アニオン性の配位子としてはビニル配位子、芳香族炭化水素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントレン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばフラン配位子、チオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子及び、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。中性の配位子としてはカルベン配位子が挙げられる。
窒素原子でPtに結合するQ、Q、Q及びQとしては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としては含窒素芳香族ヘテロ環配位子(ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサゾール配位子、チアゾール配位子及びそれらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾイミダゾール配位子など))、アミン配位子、ニトリル配位子、イミン配位子が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アミノ配位子、イミノ配位子、含窒素芳香族ヘテロ環配位子(ピロール配位子、イミダゾール配位子、トリアゾール配位子及びそれらを含む縮環体(例えはインドール配位子、ベンゾイミダゾール配位子など))が挙げられる。
酸素原子でPtに結合するQ、Q、Q及びQとしては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはエーテル配位子、ケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子、含酸素ヘテロ環配位子(フラン配位子、オキサゾール配位子及びそれらを含む縮環体(ベンゾオキサゾール配位子など))が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アルコキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、アシルオキシ配位子、シリルオキシ配位子などが挙げられる。
硫黄原子でPtに結合するQ、Q、Q及びQとしては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはチオエーテル配位子、チオケトン配位子、チオエステル配位子、チオアミド配位子、含硫黄ヘテロ環配位子(チオフェン配位子、チアゾール配位子及びそれらを含む縮環体(ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アルキルメルカプト配位子、アリールメルカプト配位子、ヘテロアリールメルカプト配位子などが挙げられる。
リン原子でPtに結合するQ、Q、Q及びQとしては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはホスフィン配位子、リン酸エステル配位子、亜リン酸エステル配位子、含リンヘテロ環配位子(ホスフィニン配位子など)が挙げられ、アニオン性の配位子としては、ホスフィノ配位子、ホスフィニル配位子、ホスホリル配位子などが挙げられる。
、Q、Q及びQで表される基は、置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適宜適用できる。また置換基同士が連結していても良い(QとQが連結した場合、環状四座配位子のPt錯体になる)。
、Q、Q及びQで表される基として好ましくは、炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、シリルオキシ配位子であり、より好ましくは、炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子、アリールオキシ配位子であり、更に好ましくは炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子である。
、L及びLは、単結合又は二価の連結基を表す。L、L及びLで表される二価の連結基としては、アルキレン基(メチレン、エチレン、プロピレンなど)、アリーレン基(フェニレン、ナフタレンジイル)、ヘテロアリーレン基(ピリジンジイル、チオフェンジイルなど)、イミノ基(−NR−)(フェニルイミノ基など)、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、ホスフィニデン基(−PR−)(フェニルホスフィニデン基など)、シリレン基(−SiRR’−)(ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基など)、又はこれらを組み合わせたものが挙げられる。これらの連結基は、更に置換基を有していてもよい。
錯体の安定性及び発光量子収率の観点から、L、L及びLとして好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、イミノ基であり、更に好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基であり、更に好ましくは、単結合、メチレン基、フェニレン基であり、更に好ましくは単結合、ジ置換のメチレン基であり、更に好ましくは単結合、ジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基であり、特に好ましくは単結合、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基である。
一般式(C−1)で表される白金錯体のうち、より好ましくは下記一般式(C−2)で表される白金錯体である。
Figure 2011153276
(式中、L21は単結合又は二価の連結基を表す。A21、A22はそれぞれ独立にC又はNを表す。Z21、Z22はそれぞれ独立に含窒素芳香族ヘテロ環を表す。Z23、Z24はそれぞれ独立にベンゼン環又は芳香族ヘテロ環を表す。)
一般式(C−2)について説明する。L21は、前記一般式(C−1)中のLと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
21、A22はそれぞれ独立に炭素原子又は窒素原子を表す。A21、A22の内、少なくとも一方は炭素原子であることが好ましく、A21、A22が共に炭素原子であることが、錯体の安定性の観点及び錯体の発光量子収率の観点から好ましい。
21、Z22は、それぞれ独立に含窒素芳香族ヘテロ環を表す。Z21、Z22で表される含窒素芳香族ヘテロ環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環などが挙げられる。錯体の安定性、発光波長制御及び発光量子収率の観点から、Z21、Z22で表される環として好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、イミダゾール環、ピラゾール環であり、より好ましくはピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環であり、更に好ましくはピリジン環、ピラゾール環であり、特に好ましくはピリジン環である。
前記Z21、Z22で表される含窒素芳香族ヘテロ環は置換基を有していてもよく、炭素原子上の置換基としては前記置換基群Aが、窒素原子上の置換基としては前記置換基群Bが適用できる。炭素原子上の置換基として好ましくはアルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子である。置換基は発光波長や電位の制御のために適宜選択されるが、短波長化させる場合には電子供与性基、フッ素原子、芳香環基が好ましく、例えばアルキル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、フッ素原子、アリール基、芳香族ヘテロ環基などが選択される。また長波長化させる場合には電子求引性基が好ましく、例えばシアノ基、ポリフルオロアルキル基などが選択される。N上の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、錯体の安定性の観点からアルキル基、アリール基が好ましい。前記置換基同士は連結して縮合環を形成していてもよく、形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。
23、Z24は、それぞれ独立にベンゼン環又は芳香族ヘテロ環を表す。Z23、Z24で表される含窒素芳香族ヘテロ環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。錯体の安定性、発光波長制御及び発光量子収率の観点からZ23、Z24で表される環として好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラゾール環であり、更に好ましくはベンゼン環、ピリジン環である。
前記Z23、Z24で表されるベンゼン環、含窒素芳香族ヘテロ環は置換基を有していてもよく、炭素原子上の置換基としては前記置換基群Aが、窒素原子上の置換基としては前記置換基群Bが適用できる。炭素上の置換基として好ましくはアルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子である。置換基は発光波長や電位の制御のために適宜選択されるが、長波長化させる場合には電子供与性基、芳香環基が好ましく、例えばアルキル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アリール基、芳香族ヘテロ環基などが選択される。また短波長化させる場合には電子求引性基が好ましく、例えばフッ素基、シアノ基、ポリフルオロアルキル基などが選択される。N上の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、錯体の安定性の観点からアルキル基、アリール基が好ましい。前記置換基同士は連結して縮合環を形成していてもよく、形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。
一般式(C−2)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−4)で表される白金錯体である。
Figure 2011153276
(一般式(C−4)中、A401〜A414はそれぞれ独立にC−R又はNを表す。Rは水素原子又は置換基を表す。L41は単結合又は二価の連結基を表す。)
一般式(C−4)について説明する。
401〜A414はそれぞれ独立にC−R又はNを表す。Rは水素原子又は置換基を表す。
又はRで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
401〜A406として好ましくはC−Rであり、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。A401〜A406がC−Rである場合に、A402、A405のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基であり、特に好ましくは水素原子、フッ素基である。A401、A403、A404、A406のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基であり、特に好ましく水素原子である。
41は、前記一般式(C−1)中のLと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
407〜A414としては、A407〜A410とA411〜A414のそれぞれにおいて、N(窒素原子)の数は、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。発光波長を短波長側にシフトさせる場合、A408及びA412のいずれかがN原子であることが好ましく、A408とA412が共にN原子であることが更に好ましい。
407〜A414がC−Rを表す場合に、A408、A412のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましくは、水素原子、フェニル基、ポリフルオロアルキル基、シアノ基である。A407、A409、A411、A413のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、フェニル基、フッ素基である。A410、A414のRとして好ましくは水素原子、フッ素基であり、より好ましくは水素原子である。A407〜A409、A411〜A413のいずれかがC−Rを表す場合に、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。
一般式(C−2)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−5)で表される白金錯体である。
Figure 2011153276
(一般式(C−5)中、A501〜A512は、それぞれ独立に、C−R又はNを表す。Rは水素原子又は置換基を表す。L51は単結合又は二価の連結基を表す。)
一般式(C−5)について説明する。A501〜A506及びL51は、前記一般式(C−4)におけるA401〜A406及びL41と同義であり、好ましい範囲も同様である。
507、A508及びA509とA510、A511及びA512は、及びそれぞれ独立に、C−R又はNを表す。Rは水素原子又は置換基を表す。Rで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。A507、A508及びA509とA510、A511及びA512がC−Rである場合に、Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、フッ素原子、更に好ましくは、水素原子、アルキル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子である。また可能な場合は置換基同士が連結して、縮環構造を形成してもよい。A507、A508及びA509とA510、A511及びA512のうち少なくとも一つはNであることが好ましく、特にA510又はA507がNであることが好ましい。
一般式(C−1)で表される白金錯体のうち、より好ましい別の態様は下記一般式(C−6)で表される白金錯体である。
Figure 2011153276
(式中、L61は単結合又は二価の連結基を表す。A61はそれぞれ独立にC又はNを表す。Z61、Z62はそれぞれ独立に含窒素芳香族ヘテロ環を表す。Z63はそれぞれ独立にベンゼン環又は芳香族ヘテロ環を表す。YはPtに結合するアニオン性の非環状配位子である。)
一般式(C−6)について説明する。L61は、前記一般式(C−1)中のLと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
61はC又はNを表す。錯体の安定性の観点及び錯体の発光量子収率の観点からA61はCであることが好ましい。
61、Z62は、それぞれ前記一般式(C−2)におけるZ21、Z22と同義であり、また好ましい範囲も同様である。Z63は、前記一般式(C−2)におけるZ23と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
YはPtに結合するアニオン性の非環状配位子である。非環状配位子とはPtに結合する原子が配位子の状態で環を形成していないものである。Y中のPtに結合する原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、窒素原子、酸素原子がより好ましく、酸素原子が最も好ましい。
炭素原子でPtに結合するYとしてはビニル配位子が挙げられる。窒素原子でPtに結合するYとしてはアミノ配位子、イミノ配位子が挙げられる。酸素原子でPtに結合するYとしては、アルコキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、アシルオキシ配位子、シリルオキシ配位子、カルボキシル配位子、リン酸配位子、スルホン酸配位子などが挙げられる。硫黄原子でPtに結合するYとしては、アルキルメルカプト配位子、アリールメルカプト配位子、ヘテロアリールメルカプト配位子、チオカルボン酸配位子などが挙げられる。
Yで表される配位子は、置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適宜適用できる。また置換基同士が連結していても良い。
Yで表される配位子として好ましくは酸素原子でPtに結合する配位子であり、より好ましくはアシルオキシ配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、シリルオキシ配位子であり、更に好ましくはアシルオキシ配位子である。
一般式(C−6)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−7)で表される白金錯体である。
Figure 2011153276
(式中、A701〜A710は、それぞれ独立に、C−R又はNを表す。Rは水素原子又は置換基を表す。L71は単結合又は二価の連結基を表す。YはPtに結合するアニオン性の非環状配位子である。)
一般式(C−7)について説明する。L71は、前記一般式(C−6)中のL61と同義であり、また好ましい範囲も同様である。A701〜A710は一般式(C−4)におけるA401〜A410と同義であり、また好ましい範囲も同様である。Yは一般式(C−6)におけるそれと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(C−1)で表される白金錯体として具体的には、特開2005−310733号公報の〔0143〕〜〔0152〕、〔0157〕〜〔0158〕、〔0162〕〜〔0168〕に記載の化合物、特開2006−256999号公報の〔0065〕〜〔0083〕に記載の化合物、特開2006−93542号公報の〔0065〕〜〔0090〕に記載の化合物、特開2007−73891号公報の〔0063〕〜〔0071〕に記載の化合物、特開2007−324309号公報の〔0079〕〜〔0083〕に記載の化合物、特開2006−93542号公報の〔0065〕〜〔0090〕に記載の化合物、特開2007−96255号公報の〔0055〕〜〔0071〕に記載の化合物、特開2006−313796号公報の〔0043〕〜〔0046〕が挙げられ、その他以下に例示する白金錯体が挙げられる。
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
一般式(C−1)で表される白金錯体化合物は、例えば、Journal of Organic Chemistry 53,786,(1988)、G.R.Newkome et al.)の、789頁、左段53行〜右段7行に記載の方法、790頁、左段18行〜38行に記載の方法、790頁、右段19行〜30行に記載の方法及びその組み合わせ、Chemische Berichte 113,2749(1980)、H.Lexyほか)の、2752頁、26行〜35行に記載の方法等、種々の手法で合成できる。
例えば、配位子、又はその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、若しくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、若しくは、塩基非存在下、室温以下、若しくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
本発明の発光層における一般式(C−1)で表される化合物の含有量は発光層中1〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。
イリジウム錯体として好ましくは、下記一般式(T−1)で表されるイリジウム錯体である。
〔一般式(T−1)で表される化合物〕
一般式(T−1)で表される化合物について説明する。
Figure 2011153276
(一般式(T−1)中、RT3’、RT3、RT4、RT5及びRT6は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−CN、ペルフルオロアルキル基、トリフルオロビニル基、−COR、−C(O)R、−NR、−NO、−OR、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。
Qは窒素を1つ以上含む5員又は6員の芳香族複素環又は縮合芳香族複素環である。
T3、RT4、RT5及びRT6は隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に置換基Zを有していてもよい。
T3’とRT6は、−CR−CR−、−CR=CR−、−CR−、−O−、−NR−、−O−CR−、−NR−CR−及び−N=CR−から選択される連結基によって連結されて環を形成してもよい。
Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。
Zはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、−R’、−OR’、−N(R’)、−SR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)N(R’)、−CN、−NO、−SO、−SOR’、−SOR’、又は−SOR’を表し、R’はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
(X−Y)は、補助配位子を表す。mは1〜3の整数、nは0〜2の整数を表す。m+nは3である。)
一般式(T−1)は、金属としてイリジウム(Ir)を有する錯体であり、本発明の電荷輸送材料と組み合わせる事により、特に駆動電圧の観点で良好な特性の素子を得る事ができる。
アルキル基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基Zを挙げることができる。R’、R、R、R、Rで表されるアルキル基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜6のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、i−プロピル基、シクロヘキシル基、t−ブチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基Zを挙げることができる。R’、R、R、R、Rで表されるシクロアルキル基として、好ましくは環員数4〜7のシクロアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数5〜6のシクロアルキル基であり、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
T3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるアルケニル基としては好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、1−プロペニル、1−イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。
T3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるアルキニル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばエチニル、プロパルギル、1−プロピニル、3−ペンチニルなどが挙げられる。
T3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるヘテロアルキル基は前記アルキル基の少なくとも1つの炭素がO、NR、又はSに置き換わった基を挙げることができる。
T3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるアリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
T3’、RT3、RT4、RT5、RT6で表されるヘテロアリール基としては、好ましくは、炭素数5〜8のヘテロアリール基であり、より好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換のヘテロアリール基であり、例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ピロリル基、インドリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、ベンズオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、チアジアゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンズイソオキサゾリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、イミダゾリジニル基、チアゾリニル基、スルホラニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、7ピリドインドリル基などが挙げられる。好ましい例としては、ピリジル基、ピリミジニル基、イミダゾリル基、チエニル基であり、より好ましくは、ピリジル基、ピリミジニル基である。
T3’、RT3、RT4、RT5及びRT6として好ましくは、水素原子、アルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロアルキル基、ジアルキルアミノ基、フルオロ基、アリール基、ヘテロアリール基、又はハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロ基、アリール基、又はハロゲン原子であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はハロゲン原子であり、特に好ましくは、水素原子、メチル基、イソブチル基、フェニル基、又はフッ素原子である。置換基Zとしては、アルキル基、アルコキシ基、フルオロ基、シアノ基、ジアルキルアミノ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
T3、RT4、RT5及びRT6は隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に置換基Zを有していてもよい。形成されるシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールの定義及び好ましい範囲はRT3’、RT3、RT4、RT5、RT6で定義したシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基と同じである。
環Qが表す芳香族複素環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、等が挙げられる。好ましくはピリジン環、ピラジン環であり、より好ましくはピリジン環である。
環Qが表す縮合芳香族複素環としては、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環等が挙げられる。好ましくはキノリン環、イソキノリン環であり、より好ましくはキノリン環である。
は1〜3であることが好ましく、2〜3であることがより好ましい。すなわち、nは0〜1であることが好ましい。錯体中の配位子の種類は1〜2種類から構成されることが好ましく、更に好ましくは1種類である。錯体分子内に反応性基を導入する際には合成容易性という観点から配位子が2種類からなることも好ましい。
一般式(T−1)で表される金属錯体は、主配位子若しくはその互変異性体と副配位子若しくはその互変異性体の組み合わせで構成されるか、該金属錯体の配位子の全てが主配位子又はその互変異性体で表される部分構造のみで構成されていてもよい。
更に従来公知の金属錯体形成に用いられる、所謂配位子として当該業者が周知の配位子(配位化合物ともいう)を必要に応じて補助配位子として有していてもよい。
従来公知の金属錯体に用いられる配位子としては、種々の公知の配位子があるが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」Springer−Verlag社 H.Yersin著 1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社 山本明夫著 1982年発行等に記載の配位子(例えば、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロアリール配位子(例えば、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)が挙げられる。副配位子として好ましくは、ジケトン類あるいはピコリン酸誘導体であり、錯体の安定性と高い発光効率が得られる観点からアセチルアセトネート(acac)であることが最も好ましい。下記一般式中、Mは金属原子を表す。
Figure 2011153276
以下に、補助配位子の例を具体的に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011153276
上記副配位子の例において、MはIr原子を表す。Rx、Ry及びRzはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。錯体合成方法が一般に知られ、また容易であるため、好ましくはI−1,I−4,又はI−5であり、最も好ましくはI−1である。これらの副配位子を有する錯体は、対応する配位子前駆体を用いることで公知の合成例と同様に合成できる。例えば国際公開2009−073245号広報パンフレット46ページに記載の方法と同様に、市販のジフルオロアセチルアセトンを用いて以下に示す方法で合成する事ができる。
Figure 2011153276
また、補助配位子として一般式(I−15)に示すモノアニオン性配位子を用いる事もできる。
Figure 2011153276
一般式(I−15)におけるRT7’、RT7〜RT10は、一般式(T−1)におけるRT3’、RT3〜RT6と同義であり、好ましいものも同様である。RT8’〜RT10’は、RT3’と同義である。
T8’は水素原子、アルキル基、アリール基、フルオロ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
T9’及びRT10’は水素原子を表すか、又は互いに結合して縮合4〜7員環式基を形成することが好ましく、該縮合4〜7員環式基は、シクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基であることがより好ましく、アリール基であることが更に好ましい。
T9’〜R T10’は更に置換基Zを有していてもよく、置換基Zとしてはアルキル基、アルコキシ基、フルオロ基、シアノ基、アルキルアミノ基、ジアリールアミノ基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
前記一般式(T−1)で表される化合物は、好ましくは下記一般式(T−2)で表される化合物である。
Figure 2011153276
一般式(T−2)におけるRT3’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnは、一般式(T−1)におけるRT3’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnと同義であり、好ましいものも同様である。
T4’〜R T6’は、RT3’と同義である。
T4’は水素原子、アルキル基、アリール基、フルオロ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
T5’及びRT6’は水素原子を表すか、又は互いに結合して縮合4〜7員環式基を形成することが好ましく、該縮合4〜7員環式基は、シクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基であることがより好ましく、アリール基であることが更に好ましい。
T4’〜R T6’は更に置換基Zを有していてもよく、置換基Zとしてはアルキル基、アルコキシ基、フルオロ基、シアノ基、アルキルアミノ基、ジアリールアミノ基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
前記一般式(T−2)で表される化合物の好ましい形態の一つは、下記一般式(T−3)で表される化合物である。
Figure 2011153276
(一般式(T−3)中、RT3’、RT4’、RT5’、RT6’、RT3、RT4、RT5及びRT6は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−CN、ペルフルオロアルキル基、−NR、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。
T3’、RT4’、RT5’、RT6’、RT3、RT4、RT5及びRT6は隣り合う任意の2つが互いに結合して縮合環を形成しない。
Zはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、−R’、−OR’、−N(R’)、−SR’又は−CNを表し、R’はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
(X−Y)、m及びnは、一般式(T−2)における(X−Y)、m及びnと同義であり、好ましいものも同様である。
前記一般式(T−3)で表される化合物は、好ましくは下記一般式(T−3−1)で表される化合物である。
Figure 2011153276
一般式(T−3−1)におけるRT3’〜RT6’、RT3〜RT6、及びmは、一般式(T−3)におけるRT3’〜RT6’、R〜R、及びmと同義であり、好ましいものも同様である。
T7〜RT10は、RT3〜RT6と同義である。RT7’〜RT10’は、RT3’〜R T6’と同義である。
前記一般式(T−2)で表される化合物の好ましい別の形態は、下記一般式(T−4)で表される化合物である。
Figure 2011153276
一般式(T−4)におけるRT3’〜R’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnは、一般式(T−2)におけるRT3’〜RT6’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnと同義であり、好ましいものも同様である。RT7’は、RT3’と同義であり、好ましいものも同様である。
前記一般式(T−2)で表される化合物の好ましい別の形態は、下記一般式(T−5)で表される化合物である。
Figure 2011153276
一般式(T−5)におけるRT3’〜RT7’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnは、一般式(T−2)におけるRT3’〜RT6’、RT3〜RT6、(X−Y)、m及びnと同義であり、好ましいものも同様である。
一般式(T−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、以下に限定されるものではない。
Figure 2011153276
Figure 2011153276
上記一般式(T−1)で表される化合物として例示した化合物は、特開2009−99783号公報に記載の方法や、米国特許7279232号等に記載の種々の方法で合成できる。例えば、TR−1は、2−クロロメチルキノリンを出発原料として、米国特許7279232号のカラム24、1行〜カラム27、33行に記載の方法で合成することができる。また、TG−1は、2−ブロモ−3−メチルピリジンを出発原料として、米国特許7279232号のカラム29、1行〜カラム31、29行に記載の方法で合成することができる。合成後、カラムクロマトグラフィー、再結晶等による精製を行った後、昇華精製により精製することが好ましい。昇華精製により、有機不純物を分離できるだけでなく、無機塩や残留溶媒等を効果的に取り除くことができる。
一般式(T−1)で表される化合物は、発光層に含有されるが、その用途が限定されることはなく、更に有機層内のいずれの層に更に含有されてもよい。
発光層中の発光材料は、発光層中に一般的に発光層を形成する全化合物質量に対して、1質量%〜50質量%含有されるが、耐久性、外部量子効率の観点から3質量%〜20質量%含有されることが好ましく、5質量%〜15質量%含有されることがより好ましい。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、2nm〜500nmであるのが好ましく、中でも、外部量子効率の観点で、3nm〜200nmであるのがより好ましく、5nm〜100nmであるのが更に好ましい。
本発明の素子における発光層は、発光材料のみで構成されていても良く、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でも良い。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であっても良く、ドーパントは一種であっても二種以上であっても良い。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は一種であっても二種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。更に、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいても良い。
また、発光層は一層であっても二層以上の多層であってもよい。また、それぞれの発光層が異なる発光色で発光してもよい。
<ホスト材料>
本発明に用いられるホスト材料は、一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、正孔と電子の両電荷を輸送可能な化合物であるためである。
本発明に用いられるホスト材料として、一般式(1)で表される化合物の他、以下の化合物を含有していても良い。
ホスト材料は電子輸送材料及びホール輸送性材料を挙げることができ、電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。
例えば、ピロール、インドール、カルバゾール(例えばCBP(4,4’−ジ(9−カルバゾイル)ビフェニル))、アザインドール、アザカルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾ−ル、オキサゾ−ル、オキサジアゾ−ル、フルオレノン、トリフェニレンなどの縮環炭化水素芳香族化合物、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノ−ル誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾ−ルやベンゾチアゾ−ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体及びそれらの誘導体(置換基や縮環を有していてもよい)等を挙げることができる。
本発明に用いるホスト材料は、一般式(1)で表される化合物と組み合わせる場合、下記一般式(V)で表される化合物が好ましい。一般式(V)で表される化合物は、有機電界発光素子のホスト材料として一般的に用いられるmCP等の化合物と比較して電子輸送性に優れ、一般式(1)で表される化合物と組み合わせることで、両電荷輸送性を更に高める事ができる。
Figure 2011153276
一般式(V)中、oは、1〜3の整数を表し、好ましくは、2である。また、oが2又は3を表す場合、ベンゼン環に結合する部分構造は他の部分構造に対してメタ位に置換されることが望ましい。
本発明において、一般式(V)で表される化合物が発光層に含有される場合、一般式(V)で表される化合物は発光層中に30〜99質量%含まれることが好ましく、40〜97質量%含まれることが好ましく、50〜95質量%含まれることが特に好ましい。
一般式(V)で表される化合物を発光層以外の層(例えば電荷輸送層等)に導入する場合には、該層中において10質量%〜100質量%含まれることが好ましく、30質量%〜100質量%含まれることがより好ましい。
本発明における発光層において、前記ホスト材料の三重項最低励起エネルギー(Tエネルギー)が、前記燐光発光材料のTエネルギーより高いことが色純度、発光効率、駆動耐久性の点で好ましい。
また、本発明におけるホスト化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、発光効率、駆動電圧の観点から、発光層を形成する全化合物質量に対して15質量%以上99質量%以下であることが好ましい。
〔芳香族炭化水素化合物〕
本発明の有機電界発光素子は、前記発光層と陰極との間に前記少なくとも有機層を有し、該有機層に芳香族炭化水素化合物を含有することが好ましい。
芳香族炭化水素化合物は発光層と陰極の間の発光層に隣接する有機層に含有されることがより好ましいが、その用途が限定されることはなく、有機層内のいずれの層に更に含有されてもよい。本発明にかかる芳香族炭化水素化合物の導入層としては、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、電荷ブロック層のいずれか、若しくは複数に含有することができる。
芳香族炭化水素化合物が含有される発光層と陰極の間の発光層に隣接する有機層は電荷ブロック層又は電子輸送層であることが好ましく、電子輸送層であることがより好ましい。
芳香族炭化水素化合物は合成容易さの観点から炭素原子と水素原子のみからなることが好ましい。
芳香族炭化水素化合物を発光層以外の層に含有させる場合は、70〜100質量%含まれることが好ましく、85〜100質量%含まれることがより好ましい。芳香族炭化水素化合物を発光層に含有させる場合は、発光層の全質量に対して0.1〜99質量%含ませることが好ましく、1〜95質量%含ませることがより好ましく、10〜95質量%含ませることがより好ましい。
芳香族炭化水素化合物としては、下記一般式(Tp−1)で表される炭化水素化合物(以下単に「炭化水素化合物」と称する場合がある)が好ましい。
一般式(Tp−1)で表される炭化水素化合物は炭素原子と水素原子のみからなり、化学的安定性の点で優れるため、駆動耐久性が高く、高輝度駆動時の各種変化がおきにくいという効果を奏する。
一般式(Tp−1)で表される炭化水素化合物は、分子量が400〜1200の範囲であることが好ましく、より好ましくは400〜1000であり、更に好ましくは400〜800である。分子量が400以上であれば良質なアモルファス薄膜が形成でき、分子量が1200以下であると溶媒への溶解性や昇華及び蒸着適正の面で好ましい。
一般式(Tp−1)で表される炭化水素化合物はその用途が限定されることはなく、発光層に隣接する有機層だけでなく有機層内のいずれの層に更に含有されてもよい。
Figure 2011153276
(一般式(Tp−1)において、R12〜R23はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基を表す。ただし、R12〜R23が全て水素原子になることはない。)
12〜R23が表すアルキル基としては、置換基若しくは無置換の、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、又はtert−ブチル基である。
12〜R23として好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基(これらは更にアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基であることが更に好ましい。
フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基(これらは更にアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、若しくはトリフェニレニル基で置換されていてもよい)で置換されていてもよい、ベンゼン環であることが特に好ましい。
一般式(Tp−1)におけるアリール環の総数は2〜8個であることが好ましく、3〜5個であることが好ましい。この範囲とすることで、良質なアモルファス薄膜が形成でき、溶媒への溶解性や昇華及び蒸着適正が良好になる。
12〜R23は、それぞれ独立に、総炭素数が20〜50であることが好ましく、総炭素数が20〜36であることがより好ましい。この範囲とすることで、良質なアモルファス薄膜が形成でき、溶媒への溶解性や昇華及び蒸着適正が良好になる。
本発明の一の態様において、前記一般式(Tp−1)で表される炭化水素化合物は下記一般式(Tp−2)で表される炭化水素化合物であることが好ましい。
Figure 2011153276
(一般式(Tp−2)中、複数のArは同一であり、アルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基を表す。)
Arが表すアルキル基及びアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基としては、R12〜R23で挙げたものと同義であり、好ましいものも同様である。
本発明の他の態様において、前記一般式(Tp−1)で表される炭化水素化合物は、下記一般式(Tp−3)で表される炭化水素化合物であることが好ましい。
Figure 2011153276
(一般式(Tp−3)中、Lはアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基で置換されていてもよいフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基又はこれらを組み合わせて成るn価の連結基を表す。nは1〜6の整数を表す。)
Lが表すn価の連結基を形成するアルキル基、フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、又はトリフェニレニル基としては、R12〜R23で挙げたものと同義である。
Lとして好ましくは、アルキル基又はベンゼン環で置換されていてもよいベンゼン環、フルオレン環、又はこれらを組み合わせて成るn価の連結基である。
以下にLの好ましい具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。なお具体例中*でトリフェニレン環と結合する。
Figure 2011153276
nは1〜5であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。
本発明の他の態様において、前記一般式(Tp−1)で表される炭化水素化合物は、下記一般式(Tp−4)で表される炭化水素化合物であることが好ましい。
Figure 2011153276
(一般式(Tp−4)において、複数存在する場合のArは同一であり、Arはアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基で置換、又はこれらを組み合わせてなる基を表す。p、及びqはそれぞれ独立に0又は1を表すが、pとqが同時に0になることはない。p、及びqが0を表す場合、Arは水素原子を表す。)
Arとして好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基を組み合わせてなる基であり、より好ましくは、メチル基、t−ブチル基、フェニル基、トリフェニレニル基を組み合わせてなる基である。 Arは、メタ位が炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基、又はこれらを組み合わせてなる基で置換されたベンゼン環であることが特に好ましい。
本発明にかかる炭化水素化合物を有機電界発光素子の発光層のホスト材料や発光層に隣接する層の電荷輸送材料として使用する場合、発光材料より薄膜状態でのエネルギーギャップ(発光材料が燐光発光材料の場合には、薄膜状態での最低励起三重項(T)エネルギー)が大きいと、発光がクエンチしてしまうことを防ぎ、効率向上に有利である。一方、化合物の化学的安定性の観点からは、エネルギーギャップ及びTエネルギーは大き過ぎない方が好ましい。一般式(Tp−1)で表される炭化水素化合物の膜状態でのTエネルギーは、52kcal/mol以上80kcal/mol以下であることが好ましく、55kcal/mol以上68kcal/mol)以下であることがより好ましく、58kcal/mol以上63kcal/mol以下であることが更に好ましい。特に、発光材料として燐光発光材料を用いる場合には、Tエネルギーが上記範囲となることが好ましい。
有機電界発光素子を高温駆動時や素子駆動中の発熱に対して安定して動作させる観点から、本発明にかかる炭化水素化合物のガラス転移温度(Tg)は80℃以上400℃以下であることが好ましく、100℃以上400℃以下であることがより好ましく、120℃以上400℃以下であることが更に好ましい。
以下に、本発明にかかる炭化水素化合物の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
上記本発明にかかる炭化水素化合物として例示した化合物は、国際公開第05/013388号パンフレット、国際公開第06/130598号パンフレット、国際公開第09/021107号パンフレット、US2009/0009065、国際公開第09/008311号パンフレット及び国際公開第04/018587号パンフレットに記載の方法で合成できる。
合成後、カラムクロマトグラフィー、再結晶等による精製を行った後、昇華精製により精製することが好ましい。昇華精製により、有機不純物を分離できるだけでなく、無機塩や残留溶媒等を効果的に取り除くことができる。
本発明の発光素子において、炭化水素化合物は発光層と陰極の間の発光層に隣接する有機層に含有されるが、その用途が限定されることはなく、有機層内のいずれの層に更に含有されてもよい。本発明にかかる炭化水素化合物の導入層としては、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、電荷ブロック層のいずれか、若しくは複数に含有することができる。
炭化水素化合物が含有される発光層と陰極の間の発光層に隣接する有機層は電荷ブロック層又は電子輸送層であることが好ましく、電子輸送層であることがより好ましい。
(電荷輸送層)
電荷輸送層とは、有機電界発光素子に電圧を印加した際に電荷移動が起こる層をいう。具体的には正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層又は電子注入層が挙げられる。好ましくは、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層又は発光層である。塗布法により形成される電荷輸送層が正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層又は発光層であれば、低コストかつ高効率な有機電界発光素子の製造が可能となる。また、電荷輸送層として、より好ましくは、正孔注入層、正孔輸送層又は電子ブロック層である。
(正孔注入層、正孔輸送層)
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。
本発明に関し、有機層として、電子受容性ドーパントを含有する正孔注入層又は正孔輸送層を含むことが好ましい。また、一般式(T-1)で表される金属錯体を正孔注入層に用いる事も好ましい。
(電子注入層、電子輸送層)
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。これらの層に用いる電子注入材料、電子輸送材料は低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層については、例えば、特開2008−270736、特開2007−266458に詳述されており、これらの公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0165〕〜〔0167〕に詳述されており、これらの公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
(正孔ブロック層)
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、本発明における一般式(1)で表される化合物のほか、アルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナト)4−フェニルフェノレート(Aluminum (III)bis(2−methyl−8−quinolinato)4−phenylphenolate(BAlqと略記する))等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(2,9−Dimethyl−4,7−diphenyl−1,10−phenanthroline(BCPと略記する))等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
(電子ブロック層)
電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が、陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陽極側で隣接する有機層として、電子ブロック層を設けることができる。
電子ブロック層を構成する有機化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが適用できる。
電子ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
電子ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
本発明の有機電界発光素子は前記電極が陰極を含み、前記発光層と該陰極の間に有機層を有することが好ましい。発光層に隣接する有機層は、溶液における最低励起三重項(T)エネルギーは58kcal/mol以上である化合物を含むことが好ましく、62kcal/mol〜75kcal/molである化合物を含むことがより好ましい。最低励起三重項(T)エネルギーが58kcal/mol以上である化合物としてはカルバゾール化合物を挙げることができる。
カルバゾール化合物は下記一般式(a)で表されるカルバゾール化合物であることが好ましい。
Figure 2011153276
(一般式(a)中、Rは該骨格の水素原子に置換し得る置換基を表し、Rは複数存在する場合はそれぞれ同じでも異なってもよい。nは0〜8の整数を表す。)
一般式(a)で表される化合物を、電荷輸送層中で用いる場合は、一般式(a)で表される化合物は50〜100質量%含まれることが好ましく、80〜100質量%含まれることが好ましく、95〜100質量%含まれることが特に好ましい。
また、一般式(a)で表される化合物を、複数の有機層に用いる場合はそれぞれの層において、上記の範囲で含有することが好ましい。
一般式(a)で表される化合物は、いずれかの有機層に、一種類のみを含有していてもよく、複数の一般式(a)で表される化合物を任意の割合で組み合わせて含有していてもよい。
一般式(a)で表される化合物を含む電荷輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、3nm〜200nmであるのがより好ましく、5nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、該電荷輸送層は発光層に接して設けられている事が好ましい。
該電荷輸送層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
Rが表す置換基としては具体的にはハロゲン原子、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、芳香族複素環基が挙げられ、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下の置換又は無置換のアリール基が好ましく、炭素数6以下のアルキル基である事がより好ましい。
nは0〜8の整数を表し、0〜4が好ましく、0〜2がより好ましい。
一般式(a)を構成する水素原子は、水素の同位体(重水素原子等)も含む。この場合化合物中の全ての水素原子が水素同位体に置き換わっていてもよく、また一部が水素同位体を含む化合物である混合物でもよい。
一般式(a)で表される化合物は、種々の公知の合成法を組み合わせて合成することが可能である。最も一般的には、カルバゾール化合物に関してはアリールヒドラジンとシクロヘキサン誘導体との縮合体のアザーコープ転位反応の後、脱水素芳香族化による合成(L.F.Tieze,Th.Eicher著、高野、小笠原訳、精密有機合成、339頁(南江堂刊))が挙げられる。また、得られたカルバゾール化合物とハロゲン化アリール化合物のパラジウム触媒を用いるカップリング反応に関してはテトラヘドロン・レターズ39巻617頁(1998年)、同39巻2367頁(1998年)及び同40巻6393頁(1999年)等に記載の方法が挙げられる。反応温度、反応時間については特に限定されることはなく、前記文献に記載の条件が適用できる。
本発明の一般式(a)で表される化合物は、真空蒸着プロセスで薄層を形成することが好ましいが、溶液塗布などのウェットプロセスも好適に用いることが出来る。化合物の分子量は、蒸着適性や溶解性の観点から2000以下であることが好ましく、1200以下であることがより好ましく、800以下であることが特に好ましい。また蒸着適性の観点では、分子量が小さすぎると蒸気圧が小さくなり、気相から固相への変化がおきず、有機層を形成することが困難となるので、250以上が好ましく、300以上が特に好ましい。
以下に、本発明における一般式(a)で表される化合物の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
(保護層)
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
保護層については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0169〕〜〔0170〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
(封止容器)
本発明の素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
封止容器については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0171〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
(駆動)
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明の有機電界発光素子の外部量子効率としては、5%以上が好ましく、7%以上がより好ましい。外部量子効率の数値は20℃で素子を駆動したときの外部量子効率の最大値、若しくは、20℃で素子を駆動したときの100〜300cd/m付近での外部量子効率の値を用いることができる。
本発明の有機電界発光素子の内部量子効率は、30%以上であることが好ましく、50%以上が更に好ましく、70%以上が更に好ましい。素子の内部量子効率は、外部量子効率を光取り出し効率で除して算出される。通常の有機EL素子では光取り出し効率は約20%であるが、基板の形状、電極の形状、有機層の膜厚、無機層の膜厚、有機層の屈折率、無機層の屈折率等を工夫することにより、光取り出し効率を20%以上にすることが可能である。
本発明の有機電界発光素子は、350nm以上700nm以下に極大発光波長(発光スペクトルの最大強度波長)を有するものが好ましく、より好ましくは450nm以上600nm以下、更に好ましくは470nm以上580nm以下、特に好ましくは490nm以上550nm以下である。
(本発明の発光素子の用途)
本発明の発光素子は、発光装置、ピクセル、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、又は光通信等に好適に利用できる。特に、照明装置、表示装置等の発光輝度が高い領域で駆動されるデバイスに好ましく用いられる。
(発光装置)
次に、図2を参照して本発明の発光装置について説明する。
本発明の発光装置は、前記有機電界発光素子を用いてなる。
図2は、本発明の発光装置の一例を概略的に示した断面図である。
図2の発光装置20は、透明基板(支持基板)2、有機電界発光素子10、封止容器11等により構成されている。
有機電界発光素子10は、基板2上に、陽極(第一電極)3、有機層11、陰極(第二電極)9が順次積層されて構成されている。また、陰極9上には、保護層12が積層されており、更に、保護層12上には接着層14を介して封止容器16が設けられている。なお、各電極3、9の一部、隔壁、絶縁層等は省略されている。
ここで、接着層14としては、エポキシ樹脂等の光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤を用いることができ、例えば熱硬化性の接着シートを用いることもできる。
本発明の発光装置の用途は特に制限されるものではなく、例えば、照明装置のほか、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子ペーパ等の表示装置とすることができる。
(照明装置)
次に、図3を参照して本発明の実施形態に係る照明装置について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る照明装置の一例を概略的に示した断面図である。
本発明の実施形態に係る照明装置40は、図3に示すように、前述した有機EL素子10と、光散乱部材30とを備えている。より具体的には、照明装置40は、有機EL素子10の基板2と光散乱部材30とが接触するように構成されている。
光散乱部材30は、光を散乱できるものであれば特に制限されないが、図3においては、透明基板31に微粒子32が分散した部材とされている。透明基板31としては、例えば、ガラス基板を好適に挙げることができる。微粒子32としては、透明樹脂微粒子を好適に挙げることができる。ガラス基板及び透明樹脂微粒子としては、いずれも、公知のものを使用できる。このような照明装置40は、有機電界発光素子10からの発光が散乱部材30の光入射面30Aに入射されると、入射光を光散乱部材30により散乱させ、散乱光を光出射面30Bから照明光として出射するものである。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に、置換基の有無は本発明の効果に殆ど影響を与えず、以下に示す実施例で用いられる化合物に置換基を有していても同様の効果が得られる。
実施例で使用した一般式(1)で表される化合物は、特許文献1第47段落以降等を参考に合成した。例えば、化合物(8)は特許文献1第103段落に記載の方法で合成できる。該段落にあるように、トルエンなどの有機溶媒から再結晶操作を経る事によって純品の化合物(8)を単離する事ができる。
一般式(Tp−1)で表される化合物は国際公開第05/013388号パンフレット、国際公開第06/130598号パンフレット、国際公開第09/021107号パンフレットを参考に合成した。例えば、化合物(A)は国際公開第05/013388号の第93項〜第94項に記載の方法で合成できる。
なお、本実施例に用いた有機材料は全て昇華精製したものを用い、高速液体クロマトグラフィー(東ソーTSKgel ODS−100Z)により分析した。
<実施例1>
[素子の作製]
厚み0.5mm、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極(ITO膜)上に真空蒸着法にて以下の有機化合物層を順次蒸着した。
第1層:CuPc :膜厚10nm
第2層:NPD :膜厚30nm
第4層:表1中に示したホスト材料及び発光材料(質量比93:7):膜厚30nm
第5層:E−1:膜厚10nm
第6層:Alq :膜厚20nm
この上に、フッ化リチウム0.1nm及び金属アルミニウム100nmをこの順に蒸着し陰極とした。
この積層体を、大気に触れさせることなく、窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れ、封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、有機電界発光素子を得た。同一の素子を21個用意した。
この素子のうちの1つを発光させた結果、各素子とも発光材料に由来する発光が得られた。
(有機電界発光素子の性能評価)
得られた素子に対し、効率、駆動電圧の観点で評価した。なお、各種測定は以下のように行なった。結果を表1に示す。なお、表1及び2中、その他の成分の量を記載した欄における記号「<」は不等号を意味し、例えば「<0.001%」は、その他の成分が0.001%未満であったことを意味する。
Figure 2011153276
(a) 効率
東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加し発光させ、その輝度をトプコン社製輝度計BM−8を用いて測定した。発光スペクトルと発光波長は浜松ホトニクス製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。これらを元に輝度が1000cd/m付近の外部量子効率を輝度換算法により算出し、表1においては本発明の素子1−1の値を1.0として相対値で示した。効率は数字が大きいほど好ましい。
(b) 耐久性
各素子を輝度が5000cd/mになるように直流電圧を印加して発光させ続け、輝度が4000cd/mになるまでに要した時間を耐久性の指標とし、表1においては本発明の素子1−1の値を1.0として相対値で示した。耐久性は数字が大きいほど好ましい。
表1に示すとおり、その他の成分が0.5%を超えて含まれると素子の耐久性・効率ともに低下する事が分かる。また、第5層材料として炭化水素材料を用いた素子は素子の耐久性・効率が向上し、特にトリフェニレン骨格を含むE−1〜E−3でその効果が大きい。また、発光材料は耐久性の観点でIr錯体を用いる事が好ましく、その中でもIr−1〜Ir−6の発光材料を用いた時に素子特性の良好な素子を得る事ができる。
<実施例2>
残りの素子20個に対し、物理的衝撃に対する耐性を比較する試験を行った。落下試験は床面を鋼板とし、垂直落下高30cmの地点から自然落下させた。この後素子を全て発光させ、実施例1と同様に効率を評価した。20個のうち、発光効率が落下試験を経ない素子の半分に達しない素子の割合を「欠陥率」とし、物理的衝撃に対する耐性の指標とした。欠陥率は数字が小さいほど好ましい。結果を表2に示す。
Figure 2011153276
表2に示すとおり、比較素子2−1では先行文献に記載の、不純物を含まない材料を用いているが、素子の欠陥率が高い。一方でホスト材料中に一般式I−1又はII−1で表される化合物を含む場合素子の欠陥率が飛躍的に低下している事が分かる。
<実施例3>
厚み0.5mm、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極(ITO膜)上にPEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))/PSS(ポリスチレンスルホン酸)水溶液(BaytronP(標準品))をスピンコート(4000rpm、60秒間)し、120℃で10分間乾燥することにより、ホール輸送性バッファ層を形成させた。
次いで、表3中に示したホスト材料を1質量%、及び表3中に示した発光材料を0.05質量%含有するトルエン溶液を先のバッファ層上にスピンコート(2000rpm、60秒間)し、発光層を形成させた。
この発光層の上に、E−1を真空蒸着法により10nm蒸着して電子輸送層とし、更に電子注入層としてAlqを真空蒸着法により20nm蒸着した。更にフッ化リチウム0.1nm及び金属アルミニウムを100nmをこの順に蒸着し陰極とした。
この積層体を、大気に触れさせること無く、窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れ、封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、本発明の素子3−1〜3−5及び比較素子3−1を得た。得られた素子に対して素子2−1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2011153276
表3に示すとおり、溶液塗布法を用いて素子を作製した場合においても同様の効果が得られる事が分かる。
〔実施例使用化合物〕
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
Figure 2011153276
2・・・基板
3・・・陽極
4・・・正孔注入層
5・・・正孔輸送層
6・・・発光層
7・・・正孔ブロック層
8・・・電子輸送層
9・・・陰極
10・・・有機電界発光素子
11・・・有機層
12・・・保護層
14・・・接着層
16・・・封止容器
20・・・発光装置
30・・・光散乱部材
30A・・・光入射面
30B・・・光出射面
31・・・透明基板
32・・・微粒子
40・・・照明装置

Claims (14)

  1. 以下の一般式(1)で表される化合物を含む有機電界発光素子用材料において、該一般式(1)で表される化合物の前記有機電界発光素子用材料における含有量が、254nmを測定波長とする高速液体クロマトグラフィーにより測定した、前記有機電界発光素子用材料の全吸収強度面積に対する、前記一般式(1)で表される化合物の吸収強度面積の比で算出した際に、98.5%以上99.999%以下であり、以下の一般式(I−1)又は一般式(II−1)で表される化合物の前記有機電界発光素子用材料における含有量の合計が、0.001%以上1%以下であり、一般式(1)で表される化合物及び一般式(I−1)又は一般式(II−1)で表される化合物以外の成分の含有量の合計が0.5%未満であることを特徴とする有機電界発光素子用材料。
    Figure 2011153276
    (一般式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、ハロゲン原子、ニトロ基を表す。Ra及びRbは複数存在する場合はそれぞれ独立にアルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、又はアミノ基を表す。na及びnbは0から8の整数を表す。)
    Figure 2011153276
    (一般式(I−1)中、R、R、R、R、Ra、及びnaは、前記一般式(1)においてR、R、R、R、Ra、及びnaとそれぞれ同一である。)
    Figure 2011153276
    (一般式(II−1)中、R〜R、Rb及びnは、前記一般式(1)においてR〜R、Rb、及びnとそれぞれ同一である。)
  2. na及びnbが0又は1を表すことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子用材料。
  3. 前記Ra及びRbがそれぞれ独立にアルキル基、パーフルオロアルキル基、アリール基、シアノ基、又はハロゲン原子を表すことを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光素子用材料。
  4. 前記R〜Rが、全て水素原子を表すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機電界発光素子用材料。
  5. 前記材料に含まれる前記一般式(I−1)又は一般式(II−1)で表される化合物が、一般式(I−1)で表される化合物のみで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機電界発光素子用材料。
  6. 請求項1〜5に記載の有機電界発光素子用材料を含有することを特徴とする発光層。
  7. 前記有機電界発光素子用材料が、前記有機層に含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  8. 前記有機電界発光素子用材料が、前記発光層に含まれることを特徴とする請求項7に記載の有機電界発光素子。
  9. 発光層に、イリジウム錯体を含有することを特徴とする請求項7又は8に記載の有機電界発光素子。
  10. 発光層と陰極との間に少なくとも一層の有機層を有し、該有機層のうち発光層に隣接する有機層が、最低3重項エネルギー58kcal/mol以上の化合物を含有してなる事を特徴とする請求項7〜8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  11. 前記一対の電極間にある有機層の少なくとも一層が、溶液塗布法により成膜されたことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  12. 請求項6〜11のいずれかに記載の有機電界発光素子を用いた発光装置。
  13. 請求項6〜11のいずれかに記載の有機電界発光素子を用いた表示装置。
  14. 請求項6〜11のいずれかに記載の有機電界発光素子を用いた照明装置。
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