JP2011152854A - 衝突検出装置及び車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝突検出精度を向上することのできる衝突検出装置、及び適切なタイミングで乗員保護制御を行うことのできる車両制御装置を提供する。
【解決手段】車両M1の挙動のうち、回転成分の大きさを示す値である角加速度を取得する角加速度演算部6と、車両の横加速度を取得する横加速度センサ3,4と、を備え、角加速度及び横加速度に基づいて、車両M1の乗員保護を要する衝突を検出する。また、角加速度及び横加速度に基づいて、乗員保護制御を行うことができる。これによって、角加速度及び横加速度という二つのパラメータに基づいて、車両の衝突を検出することができるとともに乗員保護制御を行うことができる。この乗員保護装置1は、二つのパラメータを用いることによって、衝突判定のための条件を、車両の衝突を確実に検出できると共に誤検出を抑制できるような適切な条件に設定することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の衝突を検出する衝突検出装置及び当該衝突検出装置を用いた車両制御装置に関する。
従来の衝突検出装置として、車両の両壁部に設けられた加速度センサと、車体の中央部に設けられた加速度センサとを備え、各センサの検出結果に基づいて車両に障害物が衝突したことを検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この衝突検出装置は、各加速度センサより得られる速度変化量をパラメータとする二次元の相関マップ上に衝突判定閾値ラインを設定し、加速度が当該ラインを超えた場合に、衝突を検出する。
特開2005−81937号公報
しかしながら、上述のような衝突検出装置は、衝突の検出精度が不十分であった。例えば、上述の衝突検出装置は、車両が段差を走行した場合なども衝突検出してしまい、乗員保護制御が不要な場合であっても衝突を誤検出してしまう場合があった。このように衝突の誤検出をすることによって、不要なタイミングで乗員保護制御がなされる場合もあった。従って、衝突検出装置の検出精度を向上させることが従来求められていた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、衝突検出精度を向上することのできる衝突検出装置、及び適切なタイミングで乗員保護制御を行うことのできる車両制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る衝突検出装置は、車両の挙動のうち、回転成分の大きさを示す値である回転状態量を取得する回転状態量取得手段と、車両の横加速度を取得する横加速度取得手段と、を備え、回転状態量及び横加速度に基づいて、乗員保護を要する衝突を検出することを特徴とする。
一つのパラメータのみによって衝突検出を行う場合、衝突検出精度が十分に確保できないという問題がある。例えば、図8に示すように、角加速度のみによって衝突検出を行う場合について考える。図8中のグラフに示される「エアバッグOFF形態A〜D」という条件は乗員保護制御の必要がない非衝突条件であり、「Pole側突」という条件は乗員保護制御の必要がある衝突条件である。しかしながら、図8のAで示すように、非衝突条件である「エアバッグOFF形態A」での角加速度のピークが、衝突条件である「Pole側突」での角加速度のピークよりも大きくなる。閾値の決定時において、「エアバッグOFF形態A」のピークのみによって衝突判定の閾値を決定すると、衝突条件時における角加速度が閾値を越えず、確実に衝突検出をできない可能性がある。一方、閾値を下げすぎてしまうと、衝突条件のみならず非衝突条件時における角加速度も閾値を越えてしまい、乗員保護制御が不要な場合であっても衝突を誤検出してしまう可能性がある。このように、一つのパラメータで衝突検出を行う場合は、検出精度が不十分な場合がある。しかしながら、本発明に係る衝突検出装置は、回転状態量及び横加速度という二つのパラメータに基づいて、乗員保護を要する衝突を検出することができる。この衝突検出装置は、二つのパラメータを用いることによって、衝突判定のための条件を、車両の衝突を確実に検出できると共に誤検出を抑制できるような適切な条件に設定することができる。これによって、衝突検出精度を向上することができる。
また、本発明に係る衝突検出装置において、回転状態量は、車両の角加速度であり、車両の角加速度に対して閾値が設定されており、車両の横加速度に対して閾値が設定されており、角加速度取得手段によって取得された角加速度、及び横加速度取得手段によって取得された横加速度のうち、少なくとも一方が閾値を越えている場合に、乗員保護を要する衝突を検出することが好ましい。図8に示す例のように一つのパラメータのみによって衝突検出を行う場合は、衝突検出を確実に検出できるように閾値を下げる必要性が生じる。これによって、衝突の誤検出が生じやすくなる。しかしながら、本発明に係る衝突検出装置は、取得した角加速度及び横加速度のうち、少なくとも一方のパラメータが閾値を越えていれば衝突検出を行うことができる。このように二つのパラメータによって多面的な判定を行うことによって、閾値を下げることなく衝突検出を行うことができる。これによって、衝突の誤検出も抑制することができる。
また、本発明に係る衝突検出装置において、角加速度及び横加速度のうち一方のパラメータが所定値以上の領域では、一方のパラメータの増加に従って他方のパラメータに対する閾値が減少することが好ましい。このように、一方のパラメータの増加に従って他のパラメータに対する閾値が減少する部分を設けることによって、各パラメータに対する閾値が常に一定とした場合に比して、早く衝突を検出することができる。
また、本発明に係る衝突検出装置において、角加速度及び横加速度に対して閾値を設定する際、当該閾値は、非衝突条件での車両の挙動から取得された角加速度及び横加速度の最大値に基づいて設定されることが好ましい。角加速度及び横加速度に対して閾値を設定するときは、非衝突条件での車両の挙動から取得された角加速度及び横加速度の最大値に基づいて閾値を設定することにより、容易に閾値を設定することができる。
また、本発明に係る衝突検出装置において、角加速度及び横加速度に対して閾値を設定する際、角加速度及び横加速度をパラメータとする二次元マップ上に、非衝突条件での車両の挙動から取得された角加速度及び横加速度によってグラフが描かれ、グラフに対して、角加速度が最大値となる点、あるいは横加速度が最大値となる点において接線が引かれ、接線に基づいて角加速度及び横加速度に対する閾値が設定されることが好ましい。これによって、角加速度及び横加速度のうち一方のパラメータが所定値以上の領域において、一方のパラメータの増加に従って他方のパラメータに対する閾値が減少する部分を二次元マップを利用して容易に設定することができる。
また、本発明に係る車両制御装置は、車両の挙動のうち、回転成分の大きさを示す値である回転状態量を取得する回転状態量取得手段と、車両の横加速度を取得する横加速度取得手段と、を備え、回転状態量及び横加速度に基づいて、乗員保護制御を行うことを特徴とする。
本発明に係る車両制御装置によれば、回転状態量及び横加速度という二つのパラメータに基づいて、車両の衝突を検出することができる。この衝突検出装置は、二つのパラメータを用いることによって、衝突判定のための条件を、車両の衝突を確実に検出できると共に誤検出を抑制できるような適切な条件に設定することができる。これによって、適切なタイミングで乗員保護制御を行うことができる。
本発明によれば、衝突検出精度を向上させると共に、適切なタイミングで乗員保護制御を行うことができる。
本発明の実施形態に係る衝突検出装置及び車両制御装置として機能する乗員保護装置のブロック構成を示した図である。 閾値の設定方法を説明するための二次元マップを示す図である。 閾値の設定方法を説明するための二次元マップを示す図である。 閾値の設定方法を説明するための二次元マップを示す図である。 閾値を定める判定ラインが設定された二次元マップを示す図である。 閾値を定める判定ラインが設定された二次元マップを示す図である。 本発明の実施形態に係る衝突検出装置及び車両制御装置として機能する乗員保護装置の処理内容を示すフローチャートである。 従来の衝突検出方法を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明に係る衝突検出装置及び車両制御装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態に係る衝突検出装置及び車両制御装置として機能する乗員保護装置1の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る衝突検出装置及び車両制御装置として機能する乗員保護装置1のブロック構成を示した図である。乗員保護装置1は、車両M1に障害物が衝突したことを検出する衝突検出装置としての機能を有すると共に、衝突を検出したときに乗員保護制御を実行する車両制御装置としての機能を有する。本発明における衝突は、衝突後において車両M1が垂直軸線周りの回転成分(ヨー方向の回転)を含む挙動をするような衝突である。例えば、車両M1に対して他車両が側突した場合、車両M1が横滑りすることによって構造物と衝突した場合、その他、車両M1に障害物が衝突することによって乗員保護が必要となった場合である。図1に示す例では、車両M1の後側の左側面部に他車両が衝突した場合、あるいは、横滑りする車両M1が構造物と衝突した場合における様子が示されている。車両M1には、ωという角速度が作用する。乗員保護装置1は、図1に示すように、ECU(Electronic Control Unit)2、前側横加速度センサ(横加速度取得手段)3、後側加速度センサ(横加速度取得手段)4を備えて構成されている。
前側横加速度センサ3は、車両M1の前側に設けられており、車両M1の前側に作用する横加速度を検出する機能を有している。図1では、前側横加速度センサ3は、Gy0という横加速度を検出している。前側横加速度センサ3は、検出した横加速度をECU2へ出力する。後側横加速度センサ4は、車両M1の後側に設けられており、車両M1の後側に作用する横加速度を検出する機能を有している。図1では、後側横加速度センサ4は、Gy1という横加速度を検出している。後側横加速度センサ4は、検出した横加速度をECU2へ出力する。前側横加速度センサ3と後側横加速度センサ4との間の距離は、図1においてrxで示される。
ECU2は、乗員保護装置1全体の制御を行う電子制御ユニットであり、例えばCPUを主体として構成され、ROM、RAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などを備えている。ECU2は、角加速度演算部(回転状態量取得手段)6、判定部7、閾値保持部8、乗員保護制御部9を備えて構成されている。
角加速度演算部6は、車両M1に作用する角加速度を演算する機能を有している。角加速度演算部6は、前側横加速度センサ3及び後側横加速度センサ4からの出力結果に基づいて、角加速度を演算する。具体的には、角加速度演算部6は、式(1)に各値を代入することによって角加速度を演算する。
Figure 2011152854
判定部7は、前側横加速度センサ3または後側横加速度センサ4で検出した横加速度、及び角加速度演算部6で演算した角加速度に基づいて、車両M1の衝突判定を行う機能を有している。判定部7は、角加速度及び横加速度のうち、少なくとも一方が各パラメータに対して設定された閾値を越えている場合に、車両M1が衝突したと判定する。具体的には、例えば図5に示すように、判定部7は、予め角加速度及び横加速度をパラメータとした二次元マップ上に設定された判定ラインTLに基づいて判定を行う。判定部7は、前側横加速度センサ3または後側横加速度センサ4で検出した横加速度、及び角加速度演算部6で演算した角加速度によって定められる座標点を二次元マップ上にプロットし、座標点が判定ラインTLを越えたときに、衝突と判定する。判定ラインTLは、角加速度及び横加速度に対する閾値によって二次元マップ上に描かれるラインである。なお、横加速度は、前側横加速度センサ3によるGy0と後側横加速度センサ4によるGy1があるが、判定部7は、大きい方の横加速度を用いて判定を行う。図1に示す例では、判定部7は、Gy1を用いて判定を行う。
閾値保持部8は、角加速度に対する閾値及び横加速度に対する閾値を保持する機能を有している。具体的に、閾値保持部8は、図5に示すように閾値によって二次元マップ上に描かれる判定ラインTLを保持しておき、必要なタイミングで判定部7に出力する機能を有している。閾値保持部8が保持する閾値、すなわち判定ラインTLは、乗員保護装置1が実際の走行時に衝突検出処理を行う前に、装置設計の段階で予め設定されている。閾値保持部8が保持する閾値は、試験段階において、非衝突条件における車両の挙動から取得された角加速度及び横加速度に基づいて設定される。閾値設定の具体的な内容については、後述する。
乗員保護制御部9は、車両の衝突が検出されたときに、乗員保護制御を行う機能を有している。乗員保護制御部9は、図示されないサイドエアバッグや、カーテンシールドエアバッグやプリテンショナーシートベルトなどの乗員保護装置と電気的に接続されており、車両の衝突が検出されたときに、これらの乗員保護装置へ制御信号を出力して作動させる。
次に、図2〜図5を参照して、閾値の設定方法について説明する。この閾値の設定は、装置設計の段階において、衝突試験の結果に基づいて行われる。まず、図2に示すように、非衝突条件における車両M1の挙動から角加速度及び横加速度のデータを取得し、当該データを角加速度及び横加速度をパラメータとする二次元マップ上にプロットする。また、衝突条件における車両M1の挙動から角加速度及び横加速度のデータを取得し、当該データを角加速度及び横加速度をパラメータとする二次元マップ上にプロットする。「非衝突条件における車両M1の挙動」とは、乗員保護を要する衝突以外の状況であって、車両M1に垂直軸線周りの回転成分が作用する状況での挙動である。非衝突条件では、乗員保護制御が必要とされない。具体的に、「非衝突条件における車両M1の挙動」としては、段差を走行する挙動が挙げられる。従って、図2〜図5においては「段差」の条件でのグラフを示す。このグラフは実線で示されており、以下の説明では非衝突条件グラフと称する。「衝突条件における車両M1の挙動」とは、車両M1に垂直軸線周りの回転成分が作用するような衝突をしたときの車両M1の挙動である。衝突条件では、乗員保護制御が必要とされる。「衝突条件における車両M1の挙動」は、具体的に、他車両に側突された場合の車両M1の挙動や、ポールに車両M1が側突した場合の車両M1の挙動などが挙げられる。図2〜図5においては、29km/hで後席側でポールに側突した条件でのグラフが示されている。このグラフは一点鎖線で示されており、以下の説明では衝突条件グラフと称する。
まず、角加速度と横加速度とは次元が異なっている。従って、二次元マップを取得した後、各パラメータに対して正規化を行う。次に、図3に示すように、非衝突条件グラフのうち、角加速度が最大となる座標点をP1とし、横加速度が最大となる座標点をP2とする。次に、座標点P1に対して角加速度の値が一定となるラインL1が設定される。また、座標点P2に対して横加速度の値が一定となるラインL2が設定される。
次に、図4に示すように、非衝突条件グラフに対して、角加速度が最大値となる座標点P1において接線DL1が設定される。また、非衝突条件グラフに対して、横加速度が最大値となる座標点P2において接線DL2が設定される。接線DL1及び接線DL2のうち、車両の衝突を早く検知できるものが判定ラインとして選択される。図4で示す例では、衝突条件グラフは時計回りで変化している。衝突条件グラフは、座標点P3において接線DL1と交差し、その後、座標点P4において接線DL2と交差する。従って、接線DL1の方が車両の衝突を早く検知することができるため、接線DL1が判定ラインとして選択される。ただし、検出速度は遅れるが、接線DL2を判定ラインとして選択してもよい。
以上によって、図5に示すように、角加速度及び横加速度に対して設定される閾値によって描かれる判定ラインTLが、二次元マップ上に設定される。判定ラインTLは、ラインL1と、ラインL3と、ラインL2によって構成されている。ラインL3は、接線DL1のうち、ラインL1とラインL2に挟まれる範囲のラインである。角加速度に対する閾値は、判定ラインTLのラインL1とラインL3によって定められている。横加速度が所定値(ラインL1とラインL3との交点における値)より小さい領域では、角加速度に対する閾値は、ラインL1で定められるように、横加速度によらず一定値となる。横加速度が所定値(ラインL1とラインL3との交点における値)以上の領域では、角加速度に対する閾値は、ラインL3で定められるように横加速度の増加に従って減少する。一方、横加速度に対する閾値は、判定ラインTLのラインL2とラインL3によって定められている。角加速度が所定値(ラインL2とラインL3との交点における値)より小さい領域では、横加速度に対する閾値は、ラインL2で定められるように、角加速度によらず一定値となる。角加速度が所定値(ラインL2とラインL3との交点における値)以上の領域では、横加速度に対する閾値は、ラインL3で定められるように角加速度の増加に従って減少する。
実際の走行時において、判定部7は、上述のように設定された閾値、すなわち判定ラインTLを用いて衝突判定を行う。具体的には、判定部7は、取得された角加速度及び横加速度によって二次元マップ上にグラフを描き、当該グラフが判定ラインTLを越えたタイミングで衝突と判定する。判定部7は、グラフが判定ラインTLのラインL1,L2,L3のいずれかを越えると、衝突と判定する。すなわち、判定部7は、角加速度及び横加速度の少なくとも一方が閾値を越えたときに、衝突と判定する。具体的には、判定部7は、グラフが判定ラインTLのラインL1を越えたときは、取得された角加速度が閾値を越えたため、衝突と判定する。また、判定部7は、グラフが判定ラインTLのラインL2を越えたときは、取得された横加速度が閾値を越えたため、衝突と判定する。また、判定部7は、グラフが判定ラインTLのラインL3を越えたときは、取得された角加速度及び横加速度が閾値を越えたため、衝突と判定する。図5に示す例では、グラフは座標点P5において初めて判定ラインTLを越えるため、判定部7は座標点P5のタイミングで衝突と判定する。
なお、図6に示すように、角加速度に対する閾値及び横加速度に対する閾値がそれぞれ一定となるような判定ラインTLCを設定してもよい。判定ラインTLCは、図5の判定ラインTLのラインL1及びラインL2によって構成される。図6の判定ラインTLCでは、座標点P6で衝突の検出を行うことができる。
次に、図7を参照して、本実施形態に係る乗員保護装置1の衝突検出処理及び車両制御処理について説明する。図7は、本発明の実施形態に係る衝突検出処理及び車両制御処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU2において、車両の運転中、所定のタイミングで繰り返し実行される。
まず、ECU2は、前側横加速度センサ3及び後側横加速度センサ4から横加速度を取得する(ステップS10)。次に、角加速度演算部6は、S10で取得した横加速度に基づいて、上述の式(1)を用いて車両M1に作用する角加速度を演算する(ステップS20)。次に、判定部7は、S10で取得した横加速度あるいはS20で取得した角加速度が閾値を越えたか否かを判定する(ステップS30)。具体的には、判定部7は、図5で示す二次元マップ上において、S10で取得した横加速度及びS20で取得した角加速度によって定められる座標点が判定ラインTLを越えているか否かで判定する。
S30において、閾値を越えていないと判定されると、乗員保護制御部9は、乗員保護制御を行わない(ステップS50)。S50の処理が終了すると、図7に示す処理は終了し、再びS10から処理を開始する。すなわち、横加速度あるいは角加速度が閾値を越えていないと判定されている間、繰り返しS10〜S50の処理を繰り返す。
一方、S30において、閾値を越えたと判定されると、乗員保護制御部9は、乗員保護制御を実行する(ステップS40)。具体的には、乗員保護制御部9は、図示されないサイドエアバッグや、カーテンシールドエアバッグやプリテンショナーシートベルトなどの乗員保護装置に対して制御信号を出力することによって、当該乗員保護装置を作動させる。S40の処理が終了すると、図7に示す処理は終了する。
次に、本発明の実施形態に係る衝突検出装置及び車両制御装置として機能する乗員保護装置1の作用・効果について説明する。
比較例として、一つのパラメータのみによって衝突検出を行う場合について説明する。例えば、図8に示すように、角加速度のみによって衝突検出を行う場合について考える。図8中のグラフに示される「エアバッグOFF形態」という条件は乗員保護制御の必要がない非衝突条件であり、「Pole側突」という条件は乗員保護制御の必要がある衝突条件である。しかしながら、図8のAで示すように、非衝突条件である「エアバッグOFF形態A」での角加速度のピークが、衝突条件である「Pole側突」での角加速度にピークよりも大きくなる。このとき、「エアバッグOFF形態A」のピークのみによって衝突判定の閾値を決定してしまうと、衝突条件時における角加速度が閾値を越えず、確実に衝突検出をできない可能性がある。一方、閾値を下げすぎてしまうと、衝突条件のみならず非衝突条件時における角加速度も閾値を越えてしまい、乗員保護制御が不要な場合であっても衝突を誤検出してしまう可能性がある。このように、一つのパラメータで衝突検出を行う場合は、検出精度が不十分な場合がある。
しかしながら、本実施形態に係る乗員保護装置1は、角加速度及び横加速度という二つのパラメータに基づいて、車両の衝突を検出することができる。この乗員保護装置1は、二つのパラメータを用いることによって、衝突判定のための条件を、車両の衝突を確実に検出できると共に誤検出を抑制できるような適切な条件に設定することができる。これによって、衝突検出精度を向上することができる。また、適切なタイミングで乗員保護制御を行うことができる。
また、本実施形態に係る乗員保護装置1において、車両の角加速度に対して閾値が設定されており、車両の横加速度に対して閾値が設定されており、角加速度演算部6によって取得された角加速度、及び横加速度センサ3,4によって取得された横加速度のうち、少なくとも一方が閾値を越えている場合に、車両の衝突を検出することができる。図8に示す例のように一つのパラメータのみによって衝突検出を行う場合は、衝突検出を確実に検出できるように閾値を下げる必要性が生じる。これによって、衝突の誤検出が生じやすくなる。しかしながら、本実施形態に係る乗員保護装置1は、取得した角加速度及び横加速度のうち、少なくとも一方のパラメータが閾値を越えていれば衝突検出を行うことができる。このように二つのパラメータによって多面的な判定を行うことによって、閾値を下げることなく衝突検出を行うことができる。これによって、衝突の誤検出も抑制することができる。
また、本実施形態に係る乗員保護装置1において、角加速度及び横加速度のうち一方のパラメータが所定値以上の領域(すなわち図5におけるラインL3に対応する領域)では、一方のパラメータの増加に従って他方のパラメータに対する閾値が減少する。このように、図5のラインL3のように、一方のパラメータの増加に従って他のパラメータに対する閾値が減少する部分を設けることによって、図6に示す判定ラインTLCのように、各パラメータに対する閾値が常に一定とした場合に比して、早く衝突を検出することができる。図5に示すような判定ラインTLを用いた場合、図6に示す判定ラインTLCを用いる場合に比して、衝突から乗員保護装置発動までの時間を1.5ms早くすることが可能となった。
また、本実施形態に係る乗員保護装置1において、角加速度及び横加速度に対して閾値を設定する際、当該閾値は、非衝突条件での車両の挙動から取得された角加速度及び横加速度の最大値に基づいて設定される。角加速度及び横加速度に対して閾値を設定するときは、非衝突条件での車両の挙動から取得された角加速度及び横加速度の最大値に基づいて閾値を設定することにより、容易に閾値を設定することができる。
また、本実施形態に係る乗員保護装置1において、角加速度及び横加速度に対して閾値を設定する際、角加速度及び横加速度をパラメータとする二次元マップ上に、非衝突条件での車両の挙動から取得された角加速度及び横加速度によってグラフが描かれ、グラフに対して、角加速度が最大値となる点(すなわち図4における座標点P1)、あるいは横加速度が最大値となる点(すなわち図4における座標点P2)において接線が引かれ、接線に基づいて角加速度及び横加速度に対する閾値が設定される。これによって、ラインL3のように一方のパラメータの増加に従って他方のパラメータに対する閾値が減少する部分を二次元マップを利用して容易に設定することができる。
本発明に係る車両制御装置は、上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、角加速度が最大値となる点(図4における座標点P1)や横加速度が最大値となる点(図4における座標点P2)を用いて判定ラインTLのラインL1,L2を設定した。しかし、ラインL1,L2の値を各最大値と一致させなくとも、各最大値よりも数%大きい値や小さい値に設定してもよい。
上述の実施形態では、グラフに対する接線を用いて判定ラインTLのラインL3を設定したが、ラインL3の設定方法はこれに限定されず、角加速度及び横加速度の両方のパラメータの値が大きい領域において、一方のパラメータの増加に従って他方のパラメータに対する閾値が減少する部分を設けることができれば、例えば、単に座標点P1とP2を結ぶなど、どのような方法を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、衝突検出ためのパラメータとして角加速度を用いたが、車両の挙動のうち、回転成分の大きさを示す値であれば、どのようなパラメータを用いてもよい。
1…乗員保護装置(衝突検出装置、車両制御装置)、3,4…横加速度センサ(横加速度取得手段)、6…角加速度演算部(回転状態量取得手段)。

Claims (6)

  1. 車両の挙動のうち、回転成分の大きさを示す値である回転状態量を取得する回転状態量取得手段と、
    前記車両の横加速度を取得する横加速度取得手段と、を備え、
    回転状態量及び横加速度に基づいて、乗員保護を要する衝突を検出することを特徴とする衝突検出装置。
  2. 前記回転状態量は、前記車両の角加速度であり、
    前記車両の角加速度に対して閾値が設定されており、
    前記車両の横加速度に対して閾値が設定されており、
    前記回転状態量取得手段によって取得された角加速度、及び前記横加速度取得手段によって取得された横加速度のうち、少なくとも一方が閾値を越えている場合に、乗員保護を要する衝突を検出する請求項1記載の衝突検出装置。
  3. 角加速度及び横加速度のうち一方のパラメータが所定値以上の領域では、前記一方のパラメータの増加に従って他方のパラメータに対する閾値が減少する請求項2記載の衝突検出装置。
  4. 角加速度及び横加速度に対して閾値を設定する際、当該閾値は、非衝突条件での前記車両の挙動から取得された角加速度及び横加速度の最大値に基づいて設定される請求項2又は3のいずれか一項記載の衝突検出装置。
  5. 角加速度及び横加速度に対して閾値を設定する際、
    角加速度及び横加速度をパラメータとする二次元マップ上に、非衝突条件での前記車両の挙動から取得された角加速度及び横加速度によってグラフが描かれ、
    前記グラフに対して、角加速度が最大値となる点、あるいは横加速度が最大値となる点において接線が引かれ、
    前記接線に基づいて角加速度及び横加速度に対する閾値が設定される請求項3のいずれか一項記載の衝突検出装置。
  6. 車両の挙動のうち、回転成分の大きさを示す値である回転状態量を取得する回転状態量取得手段と、
    前記車両の横加速度を取得する横加速度取得手段と、を備え、
    回転状態量及び横加速度に基づいて、乗員保護制御を行うことを特徴とする車両制御装置。
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