以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図11にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10が略示されており、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。このため、中枠12は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、該窓口14aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口14aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠12に装着される。また、前枠14には、窓口14aのほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う上側ランプ部16aと、左側ランプ部16bと、右側ランプ部16cとが配置されている。各ランプ部16a〜16cは、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズで覆って構成されている。
前枠14には、窓口14aの左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ17aと、右スピーカ17bとが配置されている。左スピーカ17aと右スピーカ17bは、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ17a及び右スピーカ17bの装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠12の前面側であって前枠14の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)18が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿18の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル19が装着されている。また、前枠14には、下皿18の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ17cが配置されている。下スピーカ17cは、中枠12に装着されている。
上皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の図示しない払出口が設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路15aが連設されており、さらに右方側に貯留通路15a内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿15に貯留された遊技球は、貯留通路15aにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル19の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿18には、上皿15から溢れ出て流下した遊技球の出口18aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部18bが遊技球の出口18aに連設されている。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路20aが形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)21が装着されている。表示枠体21の略中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置22をセット(装着)するためのセット口21aが、開口形成されている。本実施形態では、演出表示装置22が表示手段を構成し、画像表示部GHが画像表示面を構成している。演出表示装置22には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置22の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置22の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
また、演出表示装置22(画像表示部GH)では、図柄変動ゲームに関連して背景画像が画像表示され、当該画像表示された背景画像の前面に重ね合わせて各図柄列(飾り図柄)が画像表示される。すなわち、本実施形態では、各図柄列に画像表示される飾り図柄とは別に、各図柄列の背後に背景画像を画像表示し、当該背景画像の前面で飾り図柄を変動させて図柄変動ゲームが行われる。このように、本実施形態において背景画像は、演出表示装置22(画像表示部GH)に画像表示される飾り図柄を除いて構成される画像である。また、本実施形態において背景画像は、図柄変動ゲームの開始時に各図柄列の背面に位置するように画像表示されている画像と把握することもできる。
図2に示すように、表示枠体21の左下の遊技領域H1には、7セグメント型の特別図柄表示装置23が設けられている。特別図柄表示装置23では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
そして、特別図柄表示装置23では、図柄変動ゲームの開始により同時に特別図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特別図柄が確定停止表示される。また、演出表示装置22では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾り図柄の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾り図柄が一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾り図柄が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置の表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特別図柄表示装置23と演出表示装置22では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
本実施形態において特別図柄表示装置23には、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特別図柄が選択され、その選択された特別図柄が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。なお、特別図柄表示装置23に大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。本実施形態の大当り遊技については後で詳細に説明する。
また、本実施形態において演出表示装置22には、各列毎に複数種類の飾り図柄が表示(変動表示、一旦停止表示、確定停止表示)されるようになっている。そして、本実施形態においては、演出表示装置22の表示領域を特別図柄表示装置23の表示領域よりも遥かに大きく形成し、演出表示装置22を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置23よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出が行われる演出表示装置22の表示内容に注目し、該演出表示装置22の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
演出表示装置22に確定停止表示された全列の図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ(例えば、[222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(飾り図柄の大当り図柄(大当り表示結果))となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置22に確定停止表示された全列の図柄が異なる図柄の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄の場合には、その図柄組み合わせ(例えば、[123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(飾り図柄のはずれ図柄(はずれ表示結果))となる。
また、本実施形態において、演出表示装置22における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置22において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。また、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識できる。リーチは、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一図柄となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチを認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾り図柄を一旦停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾り図柄を一旦停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾り図柄を一旦停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、演出表示装置22には、特別図柄表示装置23の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。特別図柄表示装置23に表示される特別図柄と、演出表示装置22に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特別図柄表示装置23に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特別図柄表示装置23にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示装置22では、図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
図2の説明に戻り、表示枠体21の左下の遊技領域H1であって、特別図柄表示装置23の左下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置(始動保留球数表示手段)Raが設けられている。そして、特別図柄保留記憶表示装置Raは、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体21の下方に配置される始動入賞口(上始動入賞口25と下始動入賞口26)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特別図柄用の保留記憶数は、前記始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、特別図柄保留記憶表示装置Raは、特別図柄保留発光部の点灯個数により保留中の図柄変動ゲームの回数(始動保留球の個数)を遊技者に報知する構成となっている。
また、表示枠体21の左下の遊技領域H1であって、特別図柄表示装置23の左方には、普通図柄表示装置24が設けられている。この普通図柄表示装置24では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲームが行われるようになっている。普通図柄表示装置24では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普通図柄当りか否か(開閉羽根27の開動作により下始動入賞口26を開放するか否か)の内部抽選(普通図柄当り抽選)の抽選結果を表示するようになっている。
また、表示枠体21の左下の遊技領域H1であって、特別図柄表示装置23と普通図柄表示装置24の間には、複数個(本実施形態では4個)の普通図柄保留発光部を備えた普通図柄保留記憶表示装置Rbが設けられている。そして、普通図柄保留記憶表示装置Rbは、機内部で記憶した普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。
また、図2に示すように、表示枠体21の下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口25aを有する上始動入賞口25と遊技球の入球口26aを有する下始動入賞口26が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口25は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口25aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口26は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根27を備えており、開閉羽根27が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口26aを開放させる構成とされている。すなわち、下始動入賞口26は、入球口26aの状態が開閉羽根27の動作によって可変(開放/閉鎖)される構成となっている。
上始動入賞口25と下始動入賞口26の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1,SW2(図5に示す)が配設されている。上始動入賞口25と下始動入賞口26は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口26は開閉羽根27が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根27が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球がし難い状態とされる。
また、図2に示すように、下始動入賞口26の下方の遊技領域H1には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉28を備えた大入賞口(特別電動役物)29が配設されている。大入賞口29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図5に示す)が配設されている。大入賞口29は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉28の開動作によって大入賞口29が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。すなわち、大入賞口29は、常には大入賞口扉28によって入球を許容し得ない閉状態とされており、大当り遊技が付与されることによって不利な閉状態から遊技球の入球が許容される有利な開状態に変化する。大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示されることを契機に付与される。
また、図2に示すように、表示枠体21の左方の遊技領域H1には、普通図柄作動ゲート30が配設されている。普通図柄作動ゲート30の奥方には、該普通図柄作動ゲート30へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図5に示す)が設けられている。
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口29よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口31が形成されている。アウト球口31を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技について説明する。
大当り遊技は、大当り抽選で大当りに当選し、特別図柄表示装置23の図柄変動ゲームで、大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口29の大入賞口扉28が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口29の大入賞口扉28が開放されてから閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口29に、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間、例えば25(秒))が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始を契機として、演出表示装置22(画像表示部GH)に画像表示された背景画像を変化させる背景変化演出を実行可能に構成されている。以下、本実施形態のパチンコ遊技機10で実行可能な背景変化演出について詳しく説明する。
まず、画像表示部GHに表示可能な背景画像の種類について、図3及び図4にしたがって説明する。図3及び図4に示すように、本実施形態において画像表示部GHに表示可能な背景画像は、第1背景要素として「季節」を示す季節画像、及び第2背景要素として「場所」を示す場所画像の2つの背景要素(画像)の組み合わせから構成されている。
具体的に言えば、本実施形態の場所画像には、「庭園」を模した画像(左下がり斜線で示す)からなり、場所「庭園」を示す庭園画像GTと、「宮廷前」を模した画像(右下がり斜線で示す)からなり、場所「宮廷前」を示す宮廷前画像GMがある。また、本実施形態の場所画像には、「宮廷内」を模した画像(横縞で示す)からなり、場所「宮廷内」を示す宮廷内画像GNがある。以下の説明では、庭園画像GT、宮廷前画像GM、及び宮廷内画像GNを纏めて「場所画像GT,GM,GN」と示す場合がある。
また、本実施形態の季節画像には、例えば「桜」を模した画像からなり、季節「春」を示す春画像KSと、例えば「向日葵」を模した画像からなり、季節「夏」を示す夏画像KHとがある。また、本実施形態の季節画像には、例えば「紅葉」を模した画像からなり、季節「秋」を示す秋画像KMと、例えば「雪だるま」を模した画像からなり、季節「冬」を示す冬画像KYとがある。以下の説明では、春画像KS、夏画像KH、秋画像KM、及び冬画像KYを纏めて「季節画像KS,KH,KM,KY」と示す場合がある。
そして、本実施形態では、場所画像GT,GM,GNと、季節画像KS,KH,KM,KYとの組み合わせにより12種類の背景画像HA1〜HA4,HB1〜HB4,HC1〜HC4が用意されている。例えば、庭園画像GTと春画像KSとの組み合わせから構成される背景画像HA1からは、場所が「庭園」で季節が「春」であることを認識できる。同様に、宮廷内画像GNと夏画像KHとの組み合わせから構成される背景画像HC2からは、場所が「宮廷内」で季節が「夏」であることを認識できる。
本実施形態では、各場所画像GT,GM,GNのうち、同一(共通)の場所画像を含んで構成された背景画像から、同一の場所で季節が異なることを遊技者に認識させ得るようになっている。例えば、庭園画像GTを含む背景画像HA1〜HA4からは、場所「庭園」でそれぞれ季節が異なることを認識できる(図3(a)〜(d))。また、宮廷前画像GMを含む背景画像HB1〜HB4からは、場所「宮廷前」でそれぞれ季節が異なることを認識できる(図3(e)〜(h))。また、宮廷内画像GNを含む背景画像HC1〜HC4からは、場所「宮廷内」でそれぞれ季節が異なることを認識できる(図3(i)〜(l))。
同様に本実施形態では、各季節画像KS、KH,KM,KYのうち、同一(共通)の季節画像を含んで構成された背景画像から、同一の季節で場所が異なることを遊技者に認識させ得るようになっている。すなわち、春画像KSを含む背景画像HA1,HB1,HC1からは、季節「春」で場所が異なることを認識できる。夏画像KHを含む背景画像HA2,HB2,HC2からは、季節「夏」で場所が異なることを認識できる。秋画像KMを含む背景画像HA3,HB3,HC3からは、季節「秋」で場所が異なることを認識できる。冬画像KYを含む背景画像HA4,HB4,HC4からは、季節「冬」で場所が異なることを認識できる。
また、本実施形態では、画像表示部GHに表示可能な背景画像として、何れの季節画像KS、KH,KM,KYを含まず、場所「河畔」を示す河畔画像GS(縦縞で示す)から構成される特定背景としての背景画像HD1が用意されている(図3(m))。すなわち、背景画像HD1からは、特定の季節を認識させず、場所「河畔」のみを遊技者に認識させ得るようになっている。
次に、背景変化演出の実行に伴う背景の変化態様について、図4にしたがって説明する。図4に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10で実行可能な背景変化演出には、季節画像を変化対象として背景変化演出を実行する季節変化演出と、場所画像を変化対象として背景変化演出を実行する場所変化演出とがある。本実施形態では、「1回」の図柄変動ゲーム毎に、季節変化演出及び場所変化演出のうち何れか一方を「1回」、実行可能となっている。
季節変化演出は、複数回(本実施形態では4回)の季節変化演出が実行される場合において、季節画像KS,KH,KM,KYが規則的な変化態様を示すようになっている。具体的に言えば、季節変化演出は、季節変化演出の実行直前に画像表示部GHに画像表示されている背景画像を構成する場所画像GT,GM,GNを固定(維持)したまま、季節画像KS,KH,KM,KYを変化させるようになっている。また、季節変化演出は、春画像KS→夏画像KH→秋画像KM→冬画像KYの順序で、1回の季節変化演出の実行毎に1段階ずつ季節画像を変化させるようになっている。また、季節変化演出では、季節変化演出の実行直前の季節画像が冬画像KYである場合には、春画像KSへ再変化(ループ)させるようになっている。したがって、例えば、背景画像HA1(庭園,春)から季節変化演出を実行する場合には、季節変化演出の実行毎に、場所「庭園」のまま「春」→「夏」→「秋」→「冬」→「春」・・・というように、季節が巡っているかのように認識できる。本実施形態では、春画像KSが初期段階となり、冬画像KYが最終段階となる。
一方、場所変化演出は、複数回の場所変化演出が実行される場合において、場所画像GT,GM,GNが不規則的な変化態様を示すようになっている。具体的に言えば、場所変化演出は、場所変化演出の実行直前に画像表示部GHに画像表示されている背景画像を構成する季節画像KS,KH,KM,KYを固定(維持)したまま、場所画像GT,GM,GNを変化させるようになっている。すなわち場所変化演出では、季節画像KS,KH,KM,KYを固定したまま、庭園画像GTから宮廷前画像GM又は宮廷内画像GNへ、宮廷前画像GMから庭園画像GT又は宮廷内画像GNへ、宮廷内画像GNから庭園画像GT又は宮廷前画像GMへ場所画像を変化させる。例えば、背景画像HA1(庭園,春)から場所変化演出を実行する場合には、場所変化演出の実行によって、季節「春」を維持したまま、場所「庭園」から場所「宮廷前」又は場所「宮廷内」というように、季節を同じくして場所を移動したかのように認識できる。すなわち、場所変化演出では、場所変化演出の実行直前の背景画像を構成する場所画像とは異なる場所画像のうち、何れの場所画像へも変化し得るようになっている。
また、本実施形態の背景変化演出には、各背景画像HA1〜HA4,HB1〜HB4,HC1〜HC4から背景画像HD1へ、及び背景画像HD1から背景画像HA1へ背景画像を変化させる特定場所変化演出がある。なお、背景画像HD1からは、特定場所変化演出の実行によって背景画像HA1(庭園,春)への移行のみが許容されている。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について、図5にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御手段としての主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板36と、演出表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38が装着されている。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38を統括的に制御する。演出表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置22の表示態様(図柄、背景、キャラクタ、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板38は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部16a〜16cの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ17a〜17cの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。本実施形態では、サブ統括制御基板36、演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38によって副制御手段が構成される。また、本実施形態では、サブ統括制御基板36が演出指示装置を構成し、演出表示制御基板37が演出制御装置を構成する。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。
また、主制御用CPU35aには、上始動入賞口25に入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口26に入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU35aには、大入賞口29に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、普通図柄作動ゲート30を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU35aには、特別図柄表示装置23と、普通図柄表示装置24と、特別図柄保留記憶表示装置Raと、普通図柄保留記憶表示装置Rbを搭載する図柄表示基板39が接続されている。また、主制御用CPU35aは、特別図柄用の大当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数や、普通図柄用の普通図柄当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する。そして、主制御用CPU35aは、更新後の値を主制御用RAM35cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換える乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、主制御用CPU35aは、時間を計測するタイマを更新する。主制御用RAM35cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
特別図柄用の大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。また、特図振分用乱数は、大当りとなる場合に特別図柄表示装置23に確定停止表示させる特別図柄としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。また、リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成し、リーチ演出を行うか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。また、変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択し、決定する際に用いる乱数である。普通図柄用の普通図柄当り判定用乱数は、普通図柄の当りとするか否かの普通図柄当り抽選(普通図柄当り判定)で用いる乱数である。
また、主制御用ROM35bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値、リーチ判定値、普通図柄当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が確定停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。また、変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間が定められている。また、変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用、及びはずれ演出用からなる演出内容毎に分類されている。
大当り演出では、図柄変動ゲームが、大当りとなるように展開される。具体的に言えば、大当り演出では、リーチ演出を経て演出表示装置22において大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるとともに、特別図柄表示装置23において大当り図柄が確定停止表示される。はずれリーチ演出では、演出表示装置22において図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置23においてはずれ図柄が確定停止表示される。はずれ演出では、演出表示装置22において図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置23においてはずれ図柄が確定停止表示される。なお、特別図柄表示装置23では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。すなわち、リーチ演出は、演出表示装置22の画像表示部GHに画像表示される飾り図柄を用いた図柄変動ゲームで行われる。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10に用意された変動パターンについて、図6にしたがって説明する。図6は、主制御用ROM35bに記憶された複数種類の変動パターンの一部を示している。
変動パターンP1は、はずれ演出用の変動パターンとされている。変動パターンP2A,P3A,P4Aは、はずれリーチ演出用の変動パターンとされている。変動パターンP2B,P3B,P4Bは、大当り演出用の変動パターンとされている。
また、変動パターンP2A,P2B(以下、まとめて「変動パターンP2」と示す)は、演出内容として「ノーマルリーチ演出NR」を特定可能な変動パターンとされている。ノーマルリーチ演出NRは、図柄変動ゲームの開始後、予め定めた複数の図柄列(本実施形態では左列と右列)に同一図柄を導出してリーチを形成し、残りの図柄列(本実施形態では中列)を所定時間の間、変動させて図柄を導出させる演出である。
また、変動パターンP3A,P3B(以下、まとめて「変動パターンP3」と示す)は、演出内容として「スーパーリーチ演出SR1」を特定し、変動パターンP4A,P4B(以下、まとめて「変動パターンP4」と示す)は、演出内容として「スーパーリーチ演出SR2」を特定可能な変動パターンとされている。スーパーリーチ演出SR1,SR2は、図柄変動ゲームの開始後、予め定めた複数の図柄列(本実施形態では左列と右列)に同一図柄を導出してリーチを形成した後、ノーマルリーチ演出NRを経由し、リーチ演出を発展させて行われる演出である。スーパーリーチ演出SR1,SR2は、キャラクタなどを登場させ、当該キャラクタの動作によって中列に図柄を導出させる演出である。通常、パチンコ遊技機では、ノーマルリーチ演出NRの大当り信頼度よりもスーパーリーチ演出SR1,SR2の大当り信頼度の方が高く設定されており、大当り抽選に当選した場合にはスーパーリーチ演出SR1,SR2を実行する変動パターンの選択率が高められている。
また、大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、特別図柄用の大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1470の全1471通りの整数)の中から定められている。リーチ判定値は、リーチ判定で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240の全241通りの整数)の中から定められている。普通図柄当り判定値は、普通図柄当り抽選で用いる判定値であり、普通図柄当り判定用乱数の取り得る数値(0〜106の全107通りの整数)の中から定められている。
次に、サブ統括制御基板36について、図5にしたがって説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。そして、統括制御用CPU36aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、統括制御用ROM36bには、統括制御プログラムに加え、各種演出を決定する際に参照する各種テーブルが記憶されている。
また、統括制御用CPU36aは、演出振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する。そして、統括制御用CPU36aは、更新後の値を統括制御用RAM36cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換える乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。なお、演出振分用乱数は、背景変化演出の実行可否の決定や、背景変化の変化内容を決定する際に用いる乱数である。
次に、演出表示制御基板37について説明する。
演出表示制御基板37には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU37aと、表示制御用CPU37aの表示制御プログラムを格納する表示制御用ROM37bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM37cが設けられている。表示制御用CPU37aには、演出表示装置22が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU37aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、表示制御用ROM37bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板35について説明する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に特別図柄入力処理を実行する。この特別図柄入力処理において主制御用CPU35aは、上始動入賞口25又は下始動入賞口26へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数を「1」加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の特別図柄保留発光部(保留ランプ)を点灯させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、特別図柄用の大当り判定用乱数の値、及び特図振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各乱数の値も取得しない。
また、主制御用CPU35aは、所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に特別図柄開始処理を実行する。この特別図柄開始処理において主制御用CPU35aは、まず、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動中(図柄変動ゲームの実行中)であるか否か、及び大当り遊技中であるか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、前記判定結果が否定の場合(変動中ではなく、かつ大当り遊技中ではない場合)、主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cに格納されている特別図柄用の保留記憶数を読み出し、その保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否か(保留中の図柄変動ゲームが存在するか否か)を判定する。この判定結果が否定の場合(保留記憶数が「0」である)、主制御用CPU35aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、前記判定結果が肯定の場合(保留記憶数が「0」よりも大きい)、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数を「1」減算した後、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した特別図柄用の大当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU35aは、読み出した大当り判定用乱数の値と主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。
大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU35aは、特図振分用乱数の値をもとに、特別図柄表示装置23で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。また、大当りを決定した主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。
一方、主制御用CPU35aは、大当り判定の判定結果が否定(特別図柄用の大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU35aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選(リーチ判定用乱数とリーチ判定値)で決定する。はずれリーチ演出の実行を決定した場合、主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置23に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとにはずれリーチ演出用の変動パターンを選択し、決定する。一方、はずれリーチ演出の非実行を決定した場合、主制御用CPU35aは、前述同様にはずれ図柄を決定する。また、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとにはずれ演出用の変動パターンを選択し、決定する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、所定の制御コマンドを生成し、その生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU35aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
そして、主制御用CPU35aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技の制御を開始し、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
主制御用CPU35aは、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニング演出の開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技(ラウンド演出)の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディング演出の開始を指示する。また、主制御用CPU35aは、大当り遊技において、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口29を開放させるための開放信号を出力する。開放信号は、大入賞口扉28のアクチュエータに対して出力され、前記開放信号によって前記アクチュエータが作動し、大入賞口扉28が開動作される。また、主制御用CPU35aは、大当り遊技において、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、ラウンド遊技中に大入賞口29へ入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU35aは、大当り遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより、大入賞口29を閉鎖させるための閉鎖信号を出力する。閉鎖信号は、大入賞口扉28のアクチュエータに対して出力され、前記閉鎖信号によって前記アクチュエータが作動し、大入賞口扉28が閉動作される。
そして、大当り遊技を終了させた主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了時点の特別図柄用の保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、次の図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了時点の特別図柄用の保留記憶数が「0」の場合、始動入賞口に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
次に、サブ統括制御基板36が実行する制御内容を説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置22に確定停止表示させる飾り図柄を決定し、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板37に出力する。
具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、大当りを認識し得る大当りの図柄組み合わせを決定する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得るはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御用CPU36aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識し得るはずれの図柄組み合わせを決定する。
そして、統括制御用CPU36aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38に出力する。
次に、統括制御用CPU36aが実行する大当り遊技に係る制御内容を説明する。
統括制御用CPU36aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、これらのコマンドに応じてオープニング演出の演出内容、ラウンド演出の演出内容、及びエンディング演出の演出内容を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、決定した演出内容を指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。
次に、演出表示制御基板37について説明する。
演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、これらのコマンドの指示内容にしたがって演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU37aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM37bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎に切り替える。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームにおいて飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を導出し、図柄停止コマンドの入力によって飾り図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
また、表示制御用CPU37aは、大当り遊技中において、オープニング演出用の演出指示コマンド、ラウンド演出用の演出指示コマンド、エンディング演出用の演出指示コマンドにしたがってオープニング演出、ラウンド演出及びエンディング演出を行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。すなわち、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームと同様に、表示制御用ROM37bの画像データを用いて演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成し、画像表示部GHの表示内容を制御する。
次に、背景変化演出の実行に係る制御構成について、図7〜図11にしたがって説明する。
図7には、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)が画像表示部GHに画像表示する背景画像を制御するために演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)に出力する制御コマンドが示されている。
図7に示すように、コマンド値[9000H]〜[900CH](「H」は16進法で表記されていることを示す)は、背景画像を特定するコマンド値(指定値)とされている。コマンド値[9020H]は、季節変化演出の実行を指示するコマンド値とされている。コマンド値[9030H]〜[9033H]は、場所変化演出の実行を指示するコマンド値とされている。コマンド値[9040H],[9041H]は、特定場所変化演出の実行を指示するコマンド値とされている。
本実施形態において、背景画像を特定可能なコマンド値のうちコマンド値[9001H]〜[900BH]は、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aが各種パラメータに基づいて算出(生成)するコマンド値とされている。このため、本実施形態の統括制御用ROM36b及び表示制御用ROM37bには、コマンド値[9001H]〜[900BH]が予め記憶されていない。その一方で、背景画像を特定可能なコマンド値のうち各種パラメータに基づいて算出しないコマンド値[900CH]、及び算出しない場合があるコマンド値[9000H]については、統括制御用ROM36b及び表示制御用ROM37bに予め記憶されている。また、背景変化演出の実行を指示するコマンド値[9020H],[9030H]〜[9033H],[9040H],[9041H]は、統括制御用ROM36bに予め記憶されている。なお、各種パタメータに基づいてコマンド値[9000H]〜[900BH]を算出する制御については、後述する。
本実施形態の各背景画像を特定するコマンド値[9000H]〜[900BH]は、コマンド値毎に異なる背景画像を特定している。各背景画像を指定するコマンド値は、先頭となるコマンド値[9000H]から等差間隔(本実施形態では「1」)で昇順に連続する4つのコマンド値毎に複数の背景ブロック(本実施形態では3つ)に区分けされている。そして、本実施形態では、3つの背景ブロック毎にそれぞれ異なる場所画像GT,GM,GNを含んで構成される背景画像を特定している。具体的に言えば、コマンド値[9000H]〜[9003H]からなる背景ブロックに属する各コマンド値は、何れも庭園画像GTを含む背景画像を特定しており、コマンド値[9004H]〜[9007H]からなる背景ブロックに属する各コマンド値は、何れも宮廷前画像GMを含む背景画像を特定している。同様に、コマンド値[9008H]〜[900BH]からなる背景ブロックに属する各コマンド値は、何れも宮廷内画像GNを含む背景画像を特定している。換言すれば、本実施形態では、背景画像を特定するコマンド値を複数の背景ブロックに区分けすることで、背景画像を複数の背景ブロックに区分けしていると把握することもできる。
また、各背景ブロックに属する各コマンド値は、それぞれ季節画像KS,KH,KM,KY(第1背景要素)を含んで構成された背景画像を特定している。具体的に言えば、本実施形態では、各背景ブロックに属するコマンド値のうち先頭(最小値)となるコマンド値から等差間隔(本実施形態では「1」)で連続する4つのコマンド値により、昇順に、季節変化演出の初期段階となる春画像KSから最終段階となる冬画像KYの順序で各季節画像を含む背景画像を特定している。また、各背景ブロックに属する各コマンド値は、相互に異なる季節画像を含んで構成された異なる背景画像を特定している。例えば、コマンド値[9004H]〜[9007H]からなる背景ブロックでは、先頭となるコマンド値[9004H]が春画像KSを含む背景画像HB1(宮廷前,春)を特定し、次のコマンド値[9005H]が夏画像KHを含む背景画像HB2(宮廷前,夏)を特定している。同様に、次のコマンド値[9006H]が秋画像KMを含む背景画像HB3(宮廷前,秋)を特定し、次のコマンド値[9007H]が冬画像KYを含む背景画像HB4(宮廷前,冬)を特定している。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、上記コマンド値の配列及び背景画像との対応付けから、背景画像を特定するコマンド値を各種パラメータに基づき算出(生成)可能としている。
すなわち、季節変化演出を実行する場合には、季節変化演出の実行直前の背景画像を特定するコマンド値を基準パラメータとし、当該基準パラメータに季節変化を示す変化パラメータとして「1」加算することにより、次の季節画像を含んで構成される背景画像のコマンド値を算出できる。本実施形態では、この基準パラメータが現在の背景に対応するパラメータとなる。また、本実施形態では、季節変化を示す変化パラメータが背景変化の変化内容に対応するパラメータ、及び第1パラメータとなる。例えば、背景画像HC1(宮廷内,春)を特定可能なコマンド値[9008H](基準パラメータ)に変化パラメータ「1」を加算することで、背景画像HC2(宮廷内,夏)を特定可能なコマンド値[9009H]を算出できる。
また、最終段階となる冬画像KYを含む背景画像を特定可能なコマンド値から、初期段階となる春画像KSを含む背景画像を特定可能なコマンド値を算出する場合には、変化パラメータ「1」の加算に加えて「−4」を加算する。本実施形態では、この加算する値「−4」が季節変化を最変化(ループ)させるための付加パラメータとなる。例えば、背景画像HC4(宮廷内,冬)を特定可能なコマンド値[900BH]に変化パラメータ「1」の加算と付加パラメータ「−4」の加算により、背景画像HC1(宮廷内,春)を特定可能なコマンド値[9008H]を算出できる。
また、場所変化演出を実行する場合には、場所変化演出の実行直前の背景画像を特定するコマンド値を基準パラメータとし、当該基準パラメータに場所変化を示す変化パラメータを加算することにより、季節画像を固定したまま、異なる場所画像を含んで構成される背景画像のコマンド値を算出できる。本実施形態の場所変化を示す変化パラメータは、「4」、「−4」、「8」、及び「−8」とされている。本実施形態の場所変化を示す変化パラメータは、何れも季節変化演出の段階数(季節画像の種類数)である「4」の倍数から構成されている。本実施形態では、場所変化を示す変化パラメータが背景変化の変化内容に対応するパラメータ、及び第2パラメータとなる。
例えば、本実施形態では、背景画像HA1〜HA4を特定する各コマンド値(基準パラメータ)に対して変化パラメータ「4」を加算することで、対応する季節画像を含む背景画像HB1〜HB4を特定可能なコマンド値を算出可能できる。また、例えば、背景画像HA1〜HA4を特定する各コマンド値(基準パラメータ)に対して変化パラメータ「8」を加算することで、対応する季節画像を含む背景画像HC1〜HC4を特定可能なコマンド値を算出できる。より具体的に言えば、例えば、背景画像HA1(庭園,春)のコマンド値[9000H]に変化パラメータ「4」を加算することで、背景画像HB1(宮廷前,春)のコマンド値[9004H]を算出できる。
また、コマンド値[900CH]は、背景画像HD1を特定可能なコマンド値とされている。前述のように、背景画像HD1は、各季節画像KS,KH,KM,KYを含まず、河畔画像GSから構成されている。本実施形態では、背景画像HD1を特定可能なコマンド値[900CH]が特定指定値となる。
本実施形態のコマンド値[9020H]は、季節変化演出の実行を指定するコマンド値とされている。このコマンド値[9020H]には、変化パラメータの値として「1」が設定されている。また、本実施形態のコマンド値[9030H]〜[9033H]は、場所変化演出の実行を指示するコマンド値とされている。これらのコマンド値[9030H]〜[9033H]には、変化パラメータの値として、それぞれ「4」、「−4」、「8」、及び「−8」が設定されている。
本実施形態においてコマンド値[9020H]は、季節変化演出の実行、及び背景変化の変化内容として「季節画像を1段階変化させること」を特定している。このため、本実施形態においてコマンド値[9020H]は、該コマンド値のみから「何れの背景画像へ変化させるか」迄を特定可能なコマンド値とはされていない。同様に、本実施形態のコマンド値[9030H]〜[9033H]は、場所変化演出の実行、及び背景変化の変化内容として「場所画像を変化させること」を特定している。このため、本実施形態においてコマンド値[9030H]〜[9033H]は、該コマンド値のみから「何れの背景画像へ変化させるか」迄を特定可能なコマンド値とはされていない。
その一方で、コマンド値[9040H]は、特定場所変化演出の実行、及び背景変化の変化内容として具体的に「背景画像HD1へ変化させること」を特定している。また、コマンド値[9041H]は、特定場所変化演出の実行、及び背景変化の変化内容として具体的に「背景画像HA1へ変化させること」を特定している。このため、コマンド値[9040H],[9041H]には、変化パラメータが設定されていない。
次に、統括制御用CPU36aが背景変化演出の実行可否、及び背景変化の変化内容を決定する際に用いる選択パターンSP0〜SP6を選択するための選択パターン選択テーブルTAについて、図8にしたがって説明する。選択パターン選択テーブルTAは、統括制御用ROM36bに記憶されている。
図8に示すように、選択パターン選択テーブルTAでは、各変動パターンP1〜P4と、背景画像との組み合わせ毎に、それぞれ選択パターンSP0〜SP6のうち何れか1つの選択パターンが対応付けられている。なお、図8において、変動パターンP2〜P4と背景画像HD1(河畔画像GS)の組み合わせでは、選択パターンを選択する処理を行わないことを示すため、斜線を施した。選択パターン選択テーブルTAでは、例えば、背景画像が背景画像HA1〜HA4(庭園画像GT)の場合であって、変動パターン指定コマンドで変動パターンP2Bが指定された場合には、選択パターンSP3が選択される。同様に、背景画像が背景画像HD1(河畔画像GS)の場合であって、変動パターン指定コマンドで変動パターンP1が指定された場合には、選択パターンSP0が選択される。
次に、統括制御用CPU36aが背景変化演出の実行可否、及び背景変化の変化内容を決定するための背景変化テーブルTB1〜TB4について、図9(a)〜(d)にしたがって説明する。背景変化テーブルTB1〜TB4は、統括制御用ROM36bに記憶されている。
図9(a)に示すように、背景画像が背景画像HA1〜HA4(庭園画像GT)の場合に参照される背景変化テーブルTB1では、各選択パターンSP0〜SP6と、背景変化演出を実行しない「背景変化なし」、及び背景変化の各変化内容との組み合わせ毎に、演出振分用乱数の取り得る値(0〜996の全997通りの整数値)が所定個数ずつ振り分けられている。背景変化テーブルTB1には、背景変化の変化内容として、場所「宮廷前」(宮廷前画像GM)へ変化させることになる「場所変化(+4)」と、場所「宮廷内」(宮廷内画像GN)へ変化させることになる「場所変化(+8)」と、背景画像HD1へ変化させる「背景画像HD1へ変化」の3つが設定されている。本実施形態では、統括制御用CPU36aが「背景変化なし」を決定した場合に、背景変化演出の実行否(非実行)を決定したことになり、背景変化の変化内容を決定した場合に、背景変化演出の実行可(実行)を決定したことになる。本実施形態の統括制御用CPU36aは、背景変化の各変化内容に対応するコマンド値を決定することで、背景変化の変化内容を決定することになる。なお、背景変化テーブルTB1〜TB3では、演出振分用乱数の値が振り分けられていない組み合わせに斜線を施した。
背景変化テーブルTB1では、例えば、選択パターンSP1が選択されている場合、806/977の確率で「背景変化なし」を、91/977の確率で「季節変化(+1)」を決定する。同様に、背景変化テーブルTB1では、選択パターンSP1が選択されている場合、33/977の確率で「場所変化(+4)」を、33/977の確率で「場所変化(+8)」を、34/977の確率で「背景画像HD1へ変化」を決定する。
また、図9(b)は、背景画像が背景画像HB1〜HB4(宮廷前画像GM)の場合に参照される背景変化テーブルTB2を示し、図9(c)は、背景画像が背景画像HC1〜HC4(宮廷内画像GN)の場合に参照される背景変化テーブルTB3を示している。背景変化テーブルTB2,TB3では、各選択パターンSP0〜SP4と、背景変化演出を実行しない「背景変化なし」及び背景変化の各変化内容との組み合わせ毎に、演出振分用乱数の取り得る値(0〜996の全997通りの整数値)が所定個数ずつ振り分けられている。
背景変化テーブルTB2には、背景変化の変化内容として、場所「庭園」(庭園画像GT)へ変化させることになる「場所変化(−4)」と、場所「宮廷内」(宮廷内画像GN)へ変化させることになる「場所変化(+4)」と、背景画像HD1へ変化させる「背景画像HD1へ変化」の3つが設定されている。同様に、背景変化テーブルTB3には、背景変化の変化内容として、場所「庭園」(庭園画像GT)へ変化させることになる「場所変化(−8)」と、場所「宮廷前」(宮廷前画像GM)へ変化させることになる「場所変化(−4)」と、背景画像HD1へ変化させる「背景画像HD1へ変化」の3つが設定されている。なお、本実施形態では、変動パターン指定コマンドの入力時における背景画像が背景画像HB1〜HB4,HC1〜HC4(宮廷前画像GM,宮廷内画像GN)の場合、選択パターン選択テーブルTAにおいて選択パターンSP5,SP6が選択されない。このため、背景変化テーブルTB2,TB3には、選択パターンSP5,SP6が対応付けられていない。
また、図9(d)は、背景画像が背景画像HD1(河畔画像GS)の場合に参照される背景変化テーブルTB4を示している。背景変化テーブルTB4では、選択パターンSP0と、背景変化演出を実行しない「背景変化なし」、及び背景変化の変化内容との組み合わせ毎に、演出振分用乱数の取り得る値(0〜996の全997通りの整数値)が所定個数ずつ振り分けられている。背景変化テーブルTB4には、背景変化の変化内容として、背景画像HA1(庭園,春)へ変化させる「背景画像HA1へ変化」が設定されている。
なお、本実施形態では、変動パターン指定コマンドの入力時における背景画像が背景画像HD1(河畔画像GS)の場合、選択パターン選択テーブルTAにおいて選択パターンSP1〜SP6が選択されない。このため、背景変化テーブルTB4には、選択パターンSP1〜SP6が対応付けられていない。
次に、本実施形態の統括制御用CPU36aが変動パターン指定コマンドの入力時に行う背景処理について、図10のフローチャートにしたがって説明する。本実施形態では、以下の背景処理を実行する統括制御用CPU36aが変化内容決定手段、背景算出手段、特定変化決定手段、及び特定背景決定手段として機能する。
図10に示すように、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドの入力時(図柄変動ゲームの開始時)に演出表示装置22(画像表示部GH)に画像表示されている現在の背景画像を特定するコマンド値を統括制御用RAM36cの所定領域から取得する(ステップS1)。本実施形態では、この現在の背景画像のコマンド値が基準パラメータとなる。
次に、統括制御用CPU36aは、背景変化演出の実行可否を判定するとともに、背景変化演出を実行させる場合の背景変化の変化内容を決定する(ステップS2)。具体的に言えば、まず、統括制御用CPU36aは、現在の背景画像のコマンド値から現在の背景画像の種類を特定する。次に、統括制御用CPU36aは、特定した背景画像の種類、及び変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づき、選択パターン選択テーブルTAを参照して選択パターンを選択する。
次に、統括制御用CPU36aは、特定した背景画像の種類に応じて背景変化テーブルTB1〜TB4から1つの背景変化テーブルを選択する。そして、統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから取得した演出振分用乱数の値、及び選択した選択パターンに基づき、選択した背景変化テーブルを参照して背景変化演出の実行可否、及び背景変化演出を実行可の場合の背景変化の変化内容を決定する。すなわち、統括制御用CPU36aは、ステップS2の処理において「背景変化なし」を決定するか、背景変化演出の実行を指示する制御コマンドのコマンド値(背景変化の変化内容)を決定する。
次に、統括制御用CPU36aは、ステップS2の処理で「背景変化なし」を決定したか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS1の処理で取得した現在の背景画像のコマンド値を指定する背景画像コマンドを演出表示制御基板37に出力(送信)する(ステップS4)。その後、統括制御用CPU36aは、背景処理を終了する。
また、統括制御用CPU36aは、ステップS3の判定結果が否定の場合、ステップS2の処理で決定した背景変化の変化内容が「季節変化(+1)」であるか否かを判定する(ステップS5)。具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、ステップS2で決定したコマンド値が[9020H]であるか否かを判定する。ステップS5の判定結果が肯定の場合、ステップS1の処理で取得した現在の背景画像のコマンド値(基準パラメータ)に変化パラメータ「1」を加算する(ステップS6)。次に、統括制御用CPU36aは、ステップS6の処理で算出したコマンド値が、現在の背景画像のコマンド値が属する背景ブロックに含まれるコマンド値のうち最大のコマンド値以下か否かを判定する(ステップS7)。すなわち、統括制御用CPU36aは、ステップS7の判定処理によって、今回の季節変化演出が冬画像KYから春画像KSへの季節変化演出であるか否かを判定している。
ステップS7の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS6で算出したコマンド値を背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値とし、該コマンド値を統括制御用RAM36cの所定領域に設定する(ステップS8)。なお、このステップS8の処理で記憶されたコマンド値が、次回の図柄変動ゲームの開始時における「現在の背景画像のコマンド値」となる。次に、統括制御用CPU36aは、ステップS1で取得した現在の背景画像のコマンド値を指定する背景画像コマンド、及び季節変化演出の実行を指示する季節変化コマンド[9020H]を演出表示制御基板37に出力する(ステップS4)。その後、統括制御用CPU36aは、背景処理を終了する。
一方、ステップS7の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS6の処理で算出したコマンド値に付加パラメータ「−4」を加算する(ステップS9)。次に、統括制御用CPU36aは、ステップS9の処理で算出したコマンド値を、背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値とし、該コマンド値を統括制御用RAM36cの所定領域に設定する(ステップS8)。そして、統括制御用CPU36aは、ステップS4の処理を実行するとともに、背景処理を終了する。
また、ステップS5の判定処理が否定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS2の処理で決定した背景変化の変化内容が「場所変化(±4,±8)」であるか否かを判定する(ステップS10)。具体的に言えば、統括制御用CPU36aは、ステップS2で決定したコマンド値が[9030H]〜[9033H]であるか否かを判定する。ステップS10の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS1の処理で取得した現在の背景画像のコマンド値(基準パラメータ)に、決定したコマンド値に設定された変化パラメータ「±4」又は「±8」を加算する(ステップS11)。そして、統括制御用CPU36aは、ステップS11の処理で算出したコマンド値を背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値とし、該コマンド値を統括制御用RAM36cの所定領域に設定する(ステップS8)。その後、統括制御用CPU36aは、ステップS1で取得した現在の背景画像のコマンド値を指定する背景画像コマンド、及び場所変化演出の実行を指示する場所変化コマンド[9030H]〜[9033H]を演出表示制御基板37に出力する(ステップS4)。その後、統括制御用CPU36aは、背景処理を終了する。
また、ステップS10の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU36aは、背景変化の変化内容に対応する背景画像を特定するコマンド値を統括制御用ROM36bから取得する(ステップS12)。本実施形態では、ステップS3,S5,S10の判定結果が何れも否定の場合、背景変化の変化内容として「背景画像HA1へ変化(コマンド値[9041H])」又は「背景画像HD1へ変化(コマンド値[9040H])」が決定されていることになる。そして、統括制御用CPU36aは、コマンド値[9041H]が決定されている場合、背景画像HA1(庭園,春)を特定可能なコマンド値[9000H]を統括制御用ROM36bから取得する。また、統括制御用CPU36aは、コマンド値[9040H]が決定されている場合、背景画像HD1(河畔)を特定可能なコマンド値[900CH]を統括制御用ROM36bから取得する。そして、統括制御用CPU36aは、ステップS12の処理で取得したコマンド値を背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値とし、該コマンド値を統括制御用RAM36cの所定領域に設定する(ステップS8)。その後、統括制御用CPU36aは、ステップS1で取得した現在の背景画像のコマンド値を指定する背景画像コマンド、及び特定場所変化演出の実行を指示する場所変化コマンド[9040H],[9041H]を演出表示制御基板37に出力する(ステップS4)。その後、統括制御用CPU36aは、背景処理を終了する。
なお、本実施形態では、背景処理の実行によって、背景画像コマンドが図柄変動ゲームの開始毎に演出表示制御基板37に出力される。また、本実施形態では、背景画像コマンド及び背景変化コマンドを出力する場合、背景画像コマンド、背景変化コマンド(季節変化コマンド,場所変化コマンド)の順に演出表示制御基板37に出力されるようになっている。
次に、演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aが画像表示部GHに映し出す背景画像を制御するための処理(背景確認処理、及び背景変化処理)について説明する。本実施形態では、以下の処理を実行する表示制御用CPU37aが背景算出手段、実行制御手段、及び特定背景決定手段として機能する。
まず、表示制御用CPU37aがサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)から変動パターン指定コマンドと共に背景画像コマンドを入力した際に行う背景確認処理について説明する。
表示制御用CPU37aは、サブ統括制御基板36から変動パターン指定コマンドと共に背景画像コマンドを入力すると、該入力時点(図柄変動ゲームの開始時点)において画像表示部GHに画像表示させている現在の背景画像のコマンド値を表示制御用RAM37cから取得する。次に、表示制御用CPU37aは、入力した背景画像コマンドの値と、取得した現在の背景画像のコマンド値とが一致するか否かを判定する。入力した背景画像コマンドのコマンド値と現在の背景画像のコマンド値が一致しない場合(不一致の場合)、表示制御用CPU37aは、入力した背景画像コマンドで指定された背景画像に画像表示部GHの表示内容を書き換える。また、背景画像を書き換えた表示制御用CPU37aは、入力した背景画像コマンドのコマンド値を現在の背景画像のコマンド値として表示制御用RAM37cの所定領域に書き換えて記憶させ、背景確認処理を終了する。また、入力した背景画像コマンドのコマンド値と現在の背景画像のコマンド値が一致する場合、表示制御用CPU37aは、背景確認処理を終了する。
背景確認処理を実行する結果、本実施形態では、背景画像コマンドの値と現在の背景画像のコマンド値とが不一致の場合、図柄変動ゲームの開始と略同時に背景画像コマンドで指示される背景画像に書き換えられることになる。
次に、表示制御用CPU37aが背景画像コマンドとともに背景変化コマンド(季節変化コマンド、及び場所変化コマンド)を入力した際に行う背景変化処理について説明する。
まず、背景画像コマンドに続けて季節変化コマンド[9020H]を入力した場合について説明する。表示制御用CPU37aは、前述の背景確認処理の終了後、表示制御用RAM37cの所定領域から現在の背景画像のコマンド値を取得する。この取得された現在の背景画像のコマンド値が基準パラメータとなる。表示制御用CPU37aは、取得した現在の背景画像のコマンド値に季節変化コマンド[9020H]に設定された変化パラメータ「1」を加算してコマンド値を算出する。次に表示制御用CPU37aは、算出したコマンド値が現在の背景画像のコマンド値が属する背景ブロックに含まれるコマンド値のうち最大のコマンド値以下か否かのループ判定を行う。ループ判定の判定結果が肯定の場合、表示制御用CPU37aは、算出したコマンド値を背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値として表示制御用RAM37cの所定領域に記憶させる。一方、ループ判定の判定結果が否定の場合、表示制御用CPU37aは、算出したコマンド値に対し更に付加パラメータ「−4」を加算してコマンド値を算出するとともに、このコマンド値を変化後の背景画像のコマンド値として表示制御用RAM37cの所定領域に記憶させる。そして、表示制御用CPU37aは、算出した背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値で特定される背景画像へ変化する季節変化演出を行うように画像表示部GHの表示内容を制御する。
次に、背景画像コマンドに続けて場所変化コマンド[9030H]〜[9033H]を入力した場合について説明する。表示制御用CPU37aは、前述の背景確認処理の終了後、表示制御用RAM37cの所定領域から現在の背景画像のコマンド値(基準パラメータ)を取得する。次に、表示制御用CPU37aは、現在の背景画像のコマンド値に場所変化コマンドに設定された変化パラメータ「±4」、「±8」を加算してコマンド値を算出する。表示制御用CPU37aは、算出したコマンド値を背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値として表示制御用RAM37cの所定領域に記憶させる。そして、表示制御用CPU37aは、算出した背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値で特定される背景画像へ変化する季節変化演出を行うように画像表示部GHの表示内容を制御する。
次に、背景画像コマンドに続けて場所変化コマンド[9040H],[9041H]を入力した場合について説明する。表示制御用CPU37aは、前述の背景確認処理の終了後、入力した場所変化コマンドで指定された背景変化の変化内容(背景画像HA1,HD1へ変化)に対応する背景画像のコマンド値を表示制御用ROM37bから取得する。具体的に言えば、場所変化コマンド[9040H]を入力した場合、表示制御用CPU37aはコマンド値[900CH]を取得する一方、場所変化コマンド[9041H]を入力した場合、表示制御用CPU37aはコマンド値[9000H]を取得する。表示制御用CPU37aは、取得したコマンド値を背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値として表示制御用RAM37cの所定領域に記憶させる。そして、表示制御用CPU37aは、取得した背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値で特定される背景画像へ変化する季節変化演出を行うように画像表示部GHの表示内容を制御する。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における背景変化演出の実行態様、及び背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値の算出態様について、図11にしたがって説明する。
まず、図11(a)に示すように、図柄変動ゲームの開始直前に背景画像HA1(庭園,春)が画像表示部GHに表示されている。次に、統括制御用CPU36aが変動パターン指定コマンドの入力を契機として「季節変化(+1)」を決定した場合、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aは、基準パラメータとしてのコマンド値[9000H]に変化パラメータ「1」を加算し、背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値[9001H]を算出する。そして、図11(b)に示すように、画像表示部GHでは、背景画像HA1(庭園,春)から背景画像HA2(庭園,夏)に変化する。同様に、統括制御用CPU36aが背景変化の変化内容として「季節変化(+1)」を決定した場合、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aは、基準パラメータとしてのコマンド値[9001H]に変化パラメータ「+1」を加算し、コマンド値[9002H]を算出する。統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aは、算出したコマンド値[9002H]を背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値とする。そして、図11(c)に示すように、画像表示部GHでは、背景画像HA2(庭園,夏)から背景画像HA3(庭園,秋)に変化する。
また、統括制御用CPU36aが背景変化の変化内容として「場所変化(+4)」を決定した場合、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aは、基準パラメータとしてのコマンド値[9002H]に変化パラメータ「4」を加算し、コマンド値[9006H]を算出する。統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aは、算出したコマンド値[9006H]を背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値とする。そして、図11(d)に示すように、画像表示部GHでは、背景画像HA3(庭園,秋)から背景画像HB3(宮廷前,秋)に変化する。
次に、図11(e)に示すように、季節変化演出の実行により背景画像HB4(宮廷前,冬)へ変化した後、さらに統括制御用CPU36aが背景変化の変化内容として「季節変化(+1)」を決定した場合、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aは、基準パラメータとしてのコマンド値[9007H]に変化パラメータ「1」を加算してコマンド値[9008H]を算出する。そして、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aは、算出したコマンド値[9008H]が現在の背景画像のコマンド値の属する背景ブロック[9004H]〜[9007H]のうち最大のコマンド値[9007H]を超えるため、さらに付加パラメータ「−4」を加算し、コマンド値[9004H]を算出する。そして、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aは、算出したコマンド値[9004H]を背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値とする。そして、図11(f)に示すように、画像表示部GHでは、背景画像HB4(宮廷前,冬)から背景画像HB1(宮廷前,春)に変化する。
次に、統括制御用CPU36aが背景変化の変化内容として「特定場所変化(背景画像HD1へ変化)」を決定した場合、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aは、変化内容に対応する背景画像のコマンド値[900CH]を取得し、取得したコマンド値を背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値とする。そして、図11(g)に示すように、画像表示部GHでは、背景画像HB1(宮廷内,春)から背景画像HD1(河畔)に変化する。
同様に、統括制御用CPU36aが背景変化の変化内容として「特定場所変化(背景画像HA1へ変化)」を決定した場合、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aは、変化内容に対応する背景画像のコマンド値[9000H]を取得し、取得したコマンド値を背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値とする。そして、図11(h)に示すように、画像表示部GHでは、背景画像HD1(河畔)から背景画像HA1(庭園,春)に変化する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態では、統括制御用CPU36aで決定した背景変化の変化内容に対応する変化パタメータと、演出表示装置22(画像表示部GH)に画像表示されている現在の背景画像に対応する基準パラメータ(コマンド値)とにより、背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値を算出する。そして、本実施形態では、この算出した背景画像のコマンド値で特定される背景画像へ変化させるように背景変化演出が実行される。このため、本実施形態では、変化パラメータ及び基準パラメータから、変化後の背景画像を特定するコマンド値を算出可能であることから、全ての背景画像を特定可能に予め情報(より具体的には、フラグやコマンド値)を記憶する必要がない。このため、本実施形態では、予め背景画像を各別に特定可能な情報を記憶保持する構成と比較して、背景画像の種類の増加に伴う記憶領域の消費量を抑制し、遊技演出の多様化に伴う制御負担増を抑制できる。
(2)本実施形態では、季節変化演出の最終段階となる冬画像KYから初期段階となる春画像KSへ変化(ループ)させる季節変化演出を実行させる場合であっても、変化パラメータ及び基準パラメータから算出したコマンド値に付加パラメータを加算することで、変化後の背景画像を特定するコマンド値を算出できる。したがって、遊技演出の多様化に伴う制御負担増を抑制できる。
(3)本実施形態では、現在の背景画像のコマンド値(基準パラメータ)に対し、季節変化を示す変化パラメータ(第1パラメータ)と場所変化を示す変化パラメータ(第2パラメータ)を加算(演算)することで、背景変化演出における変化後の背景画像を特定可能なコマンド値を算出できる。したがって、本実施形態では、予め背景画像を各別に特定可能な情報を記憶保持する構成と比較して、背景画像の種類の増加に伴う記憶領域の消費量を抑制し、制御負担増を抑制できる。
(4)本実施形態では、季節画像KS,KH,KM,KYを含まない背景画像HD1へ変化させる特定場所変化演出の実行が決定された場合、背景画像HD1を指定するコマンド値として予め定めたコマンド値[900CH]を一義的に決定する。このため、季節画像KS,KH,KM,KYを含まない背景画像を別途用意した場合であっても、適切なコマンド値を決定することができる。
(5)さらに、本実施形態では、季節変化演出及び場所変化演出に設定された背景画像の変化態様(ルール)とは異なる変化態様で背景画像を変化させようとする場合であっても、背景処理の処理内容を大幅に変更する必要がない。したがって、本実施形態では、より柔軟に背景画像の多様化を図ることができる。
(6)また、統括制御用CPU36aは、図柄変動ゲームの開始毎に、現在の背景画像を指定する背景画像コマンドを演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)に出力する。そして、表示制御用CPU37aは、背景画像コマンドを入力する毎に、該入力した背景画像コマンドのコマンド値と現在の背景画像のコマンド値が一致するか否かを判定し、不一致の場合には背景画像コマンドで指定されたコマンド値で特定可能な背景画像に画像表示部GHの表示内容を書き換えるようにした。このため、本実施形態では、図柄変動ゲームの開始毎に統括制御用CPU36aで管理する背景画像の種類と、表示制御用CPU37aで管理する背景画像の種類とが一致していない場合であっても、早期に一致させることができる。したがって、演出表示装置22(画像表示部GH)で行われる表示演出と、各ランプ部16a〜16cで行われる発光演出、及び各スピーカ17a〜17cで行われる音声演出との間における遊技演出上の矛盾の発生を抑制できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態において、第1背景要素となる「季節画像」と、第2背景要素となる「季節画像」の2つの背景要素から背景画像を構成したが、3つ以上の背景要素から背景画像を構成してもよい。例えば、第1背景要素として更に時間画像(朝、昼、夜)を加えたり、第2背景要素として更に天気画像(晴れ、曇り、雨)を加えたりしてもよい。すなわち、第1背景要素及び第2背景要素のうち何れか一方を複数として背景画像を構成したり、両背景要素を複数として背景画像を構成してもよい。
・ 上記実施形態において、第1背景要素としての「季節画像」と第2背景要素としての「場所画像」から背景画像を構成したが、「季節画像」に代えて前述の「時間画像」を用いたり、「場所画像」に代えて前述の「天気画像」を用いたりしてもよい。
・ 上記実施形態において、第1,第2背景要素に含まれる画像の種類は適宜変更してもよい。例えば、第1背景要素としての季節画像は、2種類や3種類としたり、5種類以上としたりしてもよい。また、例えば、第2背景要素としての場所画像は、2種類、或いは4種類以上としてもよい。
・ 上記実施形態において、統括制御用CPU36aが図柄変動ゲームの開始毎に背景画像コマンドを表示制御用CPU37aに出力するように構成したが、所定回数(例えば2回や5回)の図柄変動ゲームが開始される毎に出力するようにしてもよい。このように構成しても、所定回数の図柄変動ゲームが開始される毎に、統括制御用CPU36aと表示制御用CPU37aで管理する背景画像が一致しているか否かを判定し、両CPUで管理する背景画像の種類を一致させることができる。
・ 上記実施形態において、統括制御用CPU36aは、季節変化コマンド[9020H]及び場所変化コマンド[9030H]〜[9033H]を出力する場合に、背景画像コマンドを出力しないように構成してもよい。また、統括制御用CPU36aは、背景画像コマンドを常に出力しないように構成してもよい。但し、統括制御用CPU36aと表示制御用CPU37aで管理する背景画像の種類の不一致を解消するため、上記実施形態のように統括制御用CPU36aが背景画像コマンドを出力するのがより好ましい。
・ 上記実施形態において、統括制御用CPU36aは、季節変化コマンド及び場所変化コマンドを出力するように構成したが、各変化コマンドに代えて算出した背景変化演出における変化後の背景画像を特定するコマンド値を指定する背景画像コマンドを出力するようにしてもよい。この場合、表示制御用CPU37aは、入力した背景画像コマンドのコマンド値と、現在の背景画像のコマンド値とが一致するか否かを判定し、不一致の場合に入力した背景画像コマンドのコマンド値で特定可能な背景画像へ変化させる背景変化演出を実行するように画像表示部GHの表示内容を制御するようにすればよい。このように構成することで、演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)側で、背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値を算出する必要がなく、表示制御用CPU37aの処理内容を簡略化できる。
・ 上記実施形態において、統括制御用CPU36aが季節変化コマンド及び場所変化コマンドの出力のみを行い、表示制御用CPU37aのみが背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値を算出するようにしてもよい。すなわち、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)において背景変化演出(季節変化演出、場所変化演出)の実行可否のみを決定するようにしてもよい。このように構成することで、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)側で、背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値を算出する必要がなく、統括制御用CPU36aの処理内容を簡略化できる。
・ 上記実施形態において、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aが背景変化演出における変化後の背景画像のコマンド値を算出するように構成したが、コマンド値に代えて背景画像を特定可能な情報(例えばフラグなど)を算出するように構成してもよい。この場合、統括制御用CPU36aが算出した情報に基づき背景画像コマンドのコマンド値に変換し、表示制御用CPU37aに出力するようにすればよい。
・ 上記実施形態において、季節画像KS,KH,KM,KYを含まない背景画像HD1を省略し、特定場所変化演出を実行しないように構成してもよい。また、季節画像KS,KH,KM,KYを含まない背景画像として、2種類以上の特定背景画像を用意してもよい。
・ 上記実施形態において、季節変化演出において最終段階の冬画像KYから更に季節変化演出を実行する場合、付加パラメータ「−4」を加算しなくてもよい。この場合、次の背景ブロックのうち春画像KSを含む背景画像へ変化させることができる。このように構成しても、季節画像KS,KH,KM,KYの変化態様を規則的なものとすることができる。
・ 上記実施形態において、季節変化演出で最終段階の冬画像KYから更に季節変化演出を実行する場合、基準パラメータの値に付加パラメータ「−4」を加算した後、変化パラメータ「1」を加算するようにしてもよい。また、この場合、付加パラメータ「−4」に変化パラメータ「1」を加算し、該加算後の値を基準パラメータの値に加算してもよい。このように構成しても、初期段階の春画像KSを含む背景画像のコマンド値を算出できる。
・ 上記実施形態において、背景画像を特定するコマンド値[9000H]〜[900BH]は、コマンド値が「1」増加する毎に次の季節画像を含む背景画像を特定可能に構成したが、コマンド値が「2」増加する毎、或いは「5」増加する毎に次の季節画像を特定するようにしてもよい。すなわち、等差間隔で連続するコマンド値により、初期段階から最終段階まで季節画像を変化させる順序として予め定めた順序に従って順に各背景画像を特定可能とすればよい。この場合、場所変化を示す変化パラメータは、季節変化演出の段回数に対しコマンド値の間隔値を乗じた値を単位値とするとともに、当該単位値の整数倍の値に設定するようにすればよい。
・ 上記実施形態において、背景ブロックは等差間隔で連続するコマンド値[9000H]〜[900BH]を区分けして構成したが、1の背景ブロックと次の背景ブロックとが「2」以上の間隔をあけて区分けされていてもよい。すなわち、各背景ブロックに属するコマンド値が等差間隔で連続するコマンド値とされ、各コマンド値により季節画像を異ならせた背景画像を特定可能に構成されておればよい。この場合、場所変化を示す第2パラメータとしての変化パメータを、現在の背景画像が属する背景ブロックとは異なる背景ブロックに属する背景画像であって、現在の背景画像と同一の季節画像を含んで構成された背景画像へ変化させる値に設定すればよい。
・ 上記実施形態において、背景画像を特定可能なコマンド値として16進法の値を用いたが、2進法や10進法の値を用いてもよい。
・ 上記実施形態において、1回の図柄変動ゲームでは、季節変化演出及び場所変化演出のうち何れか一方を実行するように構成したが、1回の図柄変動ゲームにて両変化演出を実行するように構成してもよい。この場合、基準パラメータの値に対し、季節変化コマンドに設定した変化パラメータ、及び場所変化コマンドに設定した変化パラメータを加算して、変化後の背景画像を特定するコマンド値を算出するようにすればよい。
・ 上記実施形態において、1回の図柄変動ゲームにおいて季節変化演出及び場所変化演出の何れかを1回実行するように構成したが、1回の図柄変動ゲーム中に複数回の季節変化演出及び場所変化演出を実行するようにしてもよい。
・ 上記実施形態において、背景画像は、「季節画像」及び「場所画像」の他に他の背景要素を含んで構成されていてもよい。
・ 上記実施形態において、サブ統括制御基板36を省略してもよい。この場合、統括制御用CPU36aが実行する背景処理を主制御基板35(主制御用CPU35a)又は演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)で実行するようにすればよい。
・ 上記実施形態において、演出表示装置22を液晶ディスプレイ型に構成したが、ドットマトリクス型や、背景画像を投影可能なドラム型の演出表示装置22としてもよい。
・ 上記実施形態において、背景画像を変化させる背景変化演出を実行可能な遊技機に具体化したが、背景画像に代えて、飾り図柄、登場キャラクタ、演出モードといった図柄変動ゲームに伴わせる情報画像を変化させる情報変化演出を実行可能な遊技機に具体化してもよい。例えば、飾り図柄であれば、第1情報要素として数字図柄の色彩を「青」→「黄」→「赤」→「青」→…というように規則的に変化させる一方で、第2情報要素として数字図柄の形態を「漢数字」、「アラビア数字」、「ローマ数字」というように不規則に変化させるようにする。また、例えば、登場キャラクタであれば、第1情報要素として登場キャラクタの衣装を「スーツ」→「袴」→「洋服」→「スーツ」→…のように規則的に変化させる一方で、第2情報要素として登場キャラクタの種類を「キャラA」、「キャラB」、「キャラC」というように不規則に変化させてもよい。すなわち、前記情報を複数の情報要素から構成し、上記実施形態と同様に、統括制御用CPU36aで決定した情報変化の変化内容に対応する変化パラメータの値と、演出表示装置22に画像表示されている現在の情報に対応する基準パラメータの値とにより、情報変化演出における変化後の情報を特定するコマンド値を算出するようにすればよい。そして、表示制御用CPU37aは、算出したコマンド値で特定可能な情報へ変化させる情報変化演出を実行するように画像表示部GHの表示内容を制御するようにする。この場合、統括制御用CPU36a及び表示制御用CPU37aが情報算出手段として機能する。なお、本別例(変更例)は、上記他の別例と組み合わせてもよい。
次に、上記実施形態及び別例(変更例)から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記図柄変動ゲームを含む遊技演出の実行を指示する演出指示装置と、前記演出指示装置の指示内容に基づき前記表示手段を制御する演出制御装置と、をさらに備え、前記演出指示装置には、前記変化内容決定手段、及び前記背景算出手段を設け、前記演出制御装置には、前記実行制御手段を設けた請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ロ)前記演出制御装置には、前記背景算出手段をさらに設けた技術的思想(イ)に記載の遊技機。
(ハ) 前記演出指示装置は、前記背景変化演出の実行後に開始される図柄変動ゲームの開始毎に前記変化後の背景を演出制御装置に指示し、前記演出制御装置の実行制御手段は、前記演出指示装置から指示された背景が前記現在の背景と不一致の場合に、前記演出指示装置から指示された背景に基づき前記背景変化演出を前記表示手段に実行させる技術的思想(ロ)に記載の遊技機。
(ニ)画像表示面に画像表示された情報とともに図柄変動ゲームを画像表示する表示手段を備え、前記図柄変動ゲームの開始を契機に前記情報を変化させる情報変化演出を実行させる遊技機において、前記情報の画像は、第1情報要素及び前記第1情報要素とは異なる第2情報要素を含んで構成され、前記第1情報要素は、複数回の情報変化演出が実行される場合において規則的な変化態様を示す一方で、前記第2情報要素は、複数回の情報変化演出が実行される場合において不規則的な変化態様を示し、前記情報変化演出を実行させる場合に、前記第1情報要素及び前記第2情報要素のうち少なくとも何れか一方の情報要素を変化対象とする情報変化の変化内容を決定する変化内容決定手段と、前記変化内容決定手段が決定した変化内容に対応するパタメータと、前記表示手段に画像表示されている現在の情報に対応するパラメータとにより、前記情報変化演出における変化後の情報を算出する情報算出手段と、前記情報算出手段が算出した変化後の情報に基づき前記情報変化演出を前記表示手段に実行させる実行制御手段と、を備えた遊技機。