JP2011150540A - 経路生成装置と方法および経路生成装置を備える移動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自律移動する移動装置の移動経路を生成する経路生成装置10であって、移動開始位置から目標到達位置までの間に設定され移動経路の生成の指標となる複数の経由位置を記憶した記憶装置3と、移動装置の現在位置を検出する位置検出装置5と、移動装置の移動中において、現在位置に基づいて、複数の経由位置のうち移動装置が次に通過する経由位置に向かうための移動経路を所定の経路探索条件の下で探索し生成する経路探索装置9と、を備える。経路探索条件は、移動装置の設定進行方向変化速度が、移動経路の曲率と移動装置の移動速度とにより定まる必要進行方向変化速度以上であるという進行方向変化速度条件を含む。
【選択図】図2
Description
移動装置が自律移動・走行するために、移動装置は、既知の地図上に設定された移動経路に沿って移動するように制御される(例えば、下記特許文献1)。
移動開始位置から目標到達位置までの間に設定され前記移動経路の生成の指標となる複数の経由位置を記憶した記憶装置と、
前記移動装置の現在位置を検出する位置検出装置と、
移動装置の移動中において、前記現在位置に基づいて、前記複数の経由位置のうち移動装置が次に通過する経由位置に向かうための移動経路を経路探索条件の下で探索し生成する経路探索装置と、を備え、
前記経路探索条件は、移動装置の設定進行方向変化速度が、前記移動経路の曲率と移動装置の移動速度とにより定まる必要進行方向変化速度以上であるという進行方向変化速度条件を含み、
移動装置の設定進行方向変化速度は、移動装置に定められている、移動装置の進行方向変化量の時間変化率であり、
必要進行方向変化速度は、移動経路から反れることなく移動経路上を基準速度値で走行するために要求される移動装置の進行方向変化量の時間変化率である、ことを特徴とする経路生成装置が提供される。
移動開始位置から目標到達位置までの間に設定され前記移動経路の生成の指標となる複数の経由位置を記憶した記憶装置と、前記移動装置の現在位置を検出する位置検出装置と、を設け、
移動装置の移動中において、前記現在位置に基づいて、前記複数の経由位置のうち移動装置が次に通過する経由位置に向かうための移動経路を所定の経路探索条件の下で探索して生成し、
前記経路探索条件は、移動装置の設定進行方向変化速度が、前記移動経路の曲率と移動装置の移動速度とにより定まる必要進行方向変化速度以上であるという進行方向変化速度条件を含み、
移動装置の設定進行方向変化速度は、移動装置に定められている、移動装置の進行方向変化量の時間変化率であり、
必要進行方向変化速度は、移動経路から反れることなく移動経路上を基準速度値で走行するために要求される移動装置の進行方向変化量の時間変化率である、ことを特徴とする経路生成方法が提供される。
本実施形態による経路生成装置10は、図1に示すように、記憶装置3、位置検出装置5、経路探索装置9、障害物検出装置7を備える。
代わりに、位置検出装置5は、移動装置の移動速度、進行方向を随時検出し、検出した移動速度と進行方向と移動装置の初期位置情報に基づいて、移動装置の現在位置を演算して検出するものであってもよい。
なお、障害物検出装置7は、上記のものに限定されず他の公知の装置であってもよい。例えば、レーザ光を用いた障害物検出装置以外に、CCDカメラなどを用いた装置を障害物検出装置7としてもよい。
移動装置の設定進行方向変化速度は、移動装置の性能であり、移動装置に定められている、移動装置の進行方向変化量の時間変化率である。必要進行方向変化速度は、移動経路から反れることなく移動経路上を基準速度値で移動装置が走行するために要求される移動装置の進行方向変化量の時間変化率である。すなわち、必要進行方向変化速度は、移動装置が、移動経路から反れることなく当該移動経路における曲率が最大となる部分を基準速度値で通過するために要求される移動装置の進行方向変化量の時間変化率である。
また、前記経路探索条件(即ち、初期状態の経路探索条件)は、前記移動経路の曲率が該移動経路の全範囲にわたって許容上限値以下になるという曲率条件と、を含んでよい。なお、上述の基準速度値が、移動装置の最低移動速度値として定められている場合には、上述の許容上限値は、例えば、移動装置が許容上限値以下の曲率の箇所をこの最低移動速度値の速度で進行する場合に、移動装置が横滑りおよび横転することなく、当該箇所を進行できるように設定される。上述の最低移動速度値は、移動装置が移動中に当該最低移動速度以上で移動するように設定されたものである。
κ(S)=a1+a2S+a3S2+・・・+an+1Sn ・・・(Eq1)
この式(Eq1)において、
nは、1または2以上の整数であり、
Sは、移動装置の現在位置から前記移動経路上の任意位置までの前記移動経路に沿った経路長さを示し、該Sの上限値は、該現在位置から前記移動経路の終了位置までの移動経路に沿った移動経路長さであり、
a1〜an+1は、係数である。
なお、ステップS1で使用される現在位置と、障害物検出装置7による障害物検出結果情報(障害物の位置と範囲)とは、ステップS1を開始する毎に、それぞれ位置検出装置5および障害物検出装置7により獲得され、局所地図に組み込まれる。
(A)前記複数の係数a1〜an+1および前記Sの上限値にそれぞれ所定の値を与えることで得られるκ(S)について、該κ(S)により定まる移動経路が前記経路探索条件(進行方向変化速度条件と干渉条件と曲率条件)を満たすかを判断する。
(B)前記(A)の処理を複数回行う場合に、前記(A)の処理を行うごとにa1〜an+1のうち少なくとも1つの値を変更して前記(A)の処理を行う。なお、前記Sの上限値は一定にしたまま前記(A)の処理を複数回行ってよいし、複数の前記(A)の処理うち少なくとも1回の処理で前記Sの上限値を変更してもよい。
経路探索装置9が、前記(A)または(B)の処理により、前記経路探索条件を満たす移動経路を見出せなかった場合には、ステップS3に進み、経路探索条件を満たす移動経路を見出せた場合、ステップS4へ進む。
これにより、所定時間経過毎に、局所地図の生成および経路探索を行う。これに対応して、位置検出装置5は、上記の所定時間経過毎に移動装置の現在位置を検出し、障害物検出装置7は、上記の所定時間経過毎に障害物の検出を行う。
ステップS5からステップS1に戻りステップS2へ戻った時、当該時点での設定移動経路が経路探索条件を変更して得られたものである場合には、このステップS2での経路探索は、障害物検出条件以外は初期の経路探索条件(例えば、初期の進行方向変化速度条件と干渉条件と曲率条件)に戻して行う。ステップS2へ戻った時点での設定移動経路が初期状態の曲率条件で移動経路が見出されたものである場合には、当該ステップS2で、障害物検出条件も初期状態に戻して経路探索を行う。
上述した第1実施形態の経路生成装置と方法によると、移動装置の設定進行方向変化速度が、前記移動経路の曲率と移動装置の移動速度とにより定まる必要進行方向変化速度以上であるという進行方向変化速度条件を含む経路探索条件の下で移動経路を探索する。このように、移動装置の設定進行方向変化速度を考慮した経路探索を行うことで、移動装置が、より確実に移動経路に沿って走行できるようになる。
これに対し、第1実施形態では、移動経路を見出せなかった場合に、指令速度値を調整し、移動装置がより低速で移動している状態で障害物検出装置7が障害物検出を行うので、障害物の誤検出により移動経路が見出せない可能性を効果的に小さくできる。
次に、第1実施形態の実施例について説明する。この実施例では、移動装置は車両であってよい。
κ(S)=a1+a2S+a3S2+a4S3 ・・・(Eq4)
この式(Eq4)において、
Sは、移動装置の現在位置から前記移動経路上の任意位置までの前記移動経路に沿った経路長さを示し、該Sの上限値は、該現在位置から前記移動経路の終了位置までの移動経路に沿った移動経路長さであり、
a1〜a4は、パラメータ(係数)である。
(1)移動経路の開始点、即ち、移動装置の現在位置における曲率についての境界条件(Eq5)
κ(0)=κ0=a1 ・・・(Eq5)
(2)探索・生成対象の移動経路(移動経路候補)の終了点Sf(即ち、Sの上限値)における曲率についての境界条件(Eq6)
κ(Sf)=κf=a1+a2Sf+a3Sf 2+a4Sf 3 ・・・(Eq6)
(3)探索・生成対象の移動経路(移動経路候補)の終了点Sfにおける移動経路方向(移動経路の接線方向)についての境界条件(Eq7)
θ(Sf)=θf=a1Sf+a2Sf 2/2+a3Sf 3/3+a4Sf 4/4
・・・(Eq7)
なお、κ0,κf,θfは、既知であるとする。また、好ましくは、κfは、ゼロであり、θfは、移動経路の終了点と次の経由地点を結ぶ直線と同じ方向である。
a3Sf 2+a4Sf 3=κf−κ0−a2Sf ・・・(Eq8)
a3Sf 3/3+a4Sf 4/4=θf−κ0Sf−a2Sf 2/2 ・・・(Eq9)
が得られ、従って、上式(Eq8)、(Eq9)により、次の3式からなる関係式1が得られる。
[関係式1]
a1=κ0
a3=(−3κf−9κ0)/Sf 2−3a2/Sf+12θf/Sf 3
a4=4(κf+2κ0)/Sf 3+2a2/Sf 2−12θf/Sf 4
移動装置の設定進行方向変化速度について説明する。移動装置の設定進行方向変化速度は、移動装置が有する進行方向変化速度が一定である場合には、当該一定値であり、移動装置が有する進行方向変化速度が一定でない場合には、当該進行方向変化速度の最大値である。移動装置の設定進行方向変化速度ωは、次式(Eq10)で表される。
ω=dφ/dt ・・・(Eq10)
ここで、φは、一定の基準水平方向と、移動装置の進行方向とのなす角φであり、tは、時間であり、dは微分を示す。すなわち、ωは、前記なす角φの時間微分で表される。
ω=dφ/dt=d(V×α)/dt ・・・(Eq11)
ここで、Vは、上述した指令速度値である。すなわち、Vは、速度指令装置から出力された指令速度値である。αは、移動装置の旋回半径の逆数であり、次式(Eq12)で表わされる。
α=tanβ/W ・・・(Eq12)
ここで、βは、図3に示すように、移動装置の車体の前後方向Dbに対す前輪の回転角である。言い換えると、βは、前後方向Dbと前輪の向くDfとのなす角である。図3は、移動装置である車両の左右2つの前輪と左右2つの後輪を示す平面図である。前輪と後輪が路面と接触しながら、前輪と後輪の少なくともいずれか一方が回転駆動されることで、移動装置が走行する。この例では、前輪は、その中心Cfを通る鉛直軸周りに回転可能であるが、後輪は、回転不能である。図3のように、鉛直上方から見た場合に、前輪の中心Cfと後輪の中心Cbとを結ぶ直線の方向が、前後方向Dbである。
Wは、ホイールベースである。すなわち、Wは、車体の前後方向Dbにおける、前輪の中心Cfと後輪の中心Cbとの距離である。
なお、図3において、点Ciと点Cfとの距離が、移動装置の旋回半径1/αとなる。点Ciは、図3の平面において、前輪の中心Crを通り方向Dfを向く直線と直交する直線と、後輪の中心Cbを通り方向Dbを向く直線と直交する直線との交点である。
ω=d(V×tanβ/W)/dt
=(V/W)×d(tanβ)/dt
=(V/W)×{d(tanβ)/dβ}×dβ/dt ・・・(Eq13)
dβ/dtは、回転角βの時間変化率であり、移動装置の性能による値である。なお、dβ/dtは、一定である場合には、当該一定値であり、一定でない場合には、当該dβ/dtの最大値である。
経由位置が予め車両が走行可能な領域(例えば、舗装路)に設定されている場合に、雨上がり時の小さな水溜りや、穴などの小さな窪みなどが存在する領域に対して障害物検出装置7が障害物検出を行うと、レーザ光の反射光が障害物の有無を認識できるように障害物検出装置7に帰ってこない場合がある。従って、水溜りや穴などの窪みが、本来、移動装置が走行できるものであっても、当該領域は、障害物の有無が認識できない領域(以下、Unknown領域という)となる。
本実施例では、Unknown領域により実際には進行可能な領域が排除されないようにするため、移動経路候補上において、Unknown領域が占める割合が、所定の閾値以上になった場合に、移動経路候補が障害物と干渉すると判断し、この移動経路候補を排除する。当該所定の閾値は、車両が走行する領域の環境と生成する移動経路の長さに基づいて定めてよく、例えば数十パーセントまたは数パーセントであってよい。これにより、実際には車両が進行可能である移動経路候補が排除されてしまう可能性を適切に下げることができる。
上記のステップS3において、指令速度値を調整により減少させ、移動装置が調整させられた前記指令速度値に基づいて速度制御されている状態で障害物検出装置が障害物検出を行うようにすることで、障害物検出条件の変更を行ってよい。
移動装置が走行する装置(例えば、車両)である場合、曲率κ(S)の許容上限値は、例えば、次の、κturn、κslip、κrolloverのうちの最も小さいものである。
(1)車両の最小旋回可能半径を示す移動経路の曲率κturn。
(2)車両が横滑りを起こさない限界の曲率κslip。即ち、移動経路上における曲率κslipより大きい曲率κ(S)の箇所で車両が横滑りする。
(3)車両が横転を起こさない限界の曲率κrollover。即ち、移動経路上における曲率κrolloverより大きい曲率κ(S)の箇所で車両が横転する。
なお、通常は、曲率κslipおよび曲率κrolloverの値は、曲率κturnの値よりも小さい。また、曲率κslipおよび曲率κrolloverの値は、車両の速度により変化し、一般的に、車両の速度が大きいほど減少する。また、曲率κslipの値は、車両とその走行面との動摩擦係数にも依存する。
従って、κ(S)が次の大小関係を満足する場合には、曲率条件が満たされることになる。
κ(S)≦κturn、かつ、κ(S)≦κslip、かつ、κ(S)≦κrollover、
このような曲率κslipおよび曲率κrolloverは移動装置(例えば、車両)の特性などに基づいて求めることができる。参考のために述べると、曲率κslipは、例えば非特許文献2に記載された式(2)であってもよく、曲率κrolloverは、非特許文献2に記載された式(4)であってもよい。
経路探索装置9は、上記κ(S)により定められる移動経路を探索する時に、Sの上限値Sfを設定長さの値に固定して、上記パラメータa2の値を与えることで、上記関係式1からa1、a3、a4の値を定め、これにより、定まる移動経路候補が、進行方向変化速度条件と干渉条件と曲率条件を満たすかを判断する。
経路探索装置9は、経路探索に使用するパラメータ・係数などに所定の値を与えて経路探索を行う。そのために、記憶装置3は、予め設定されたこれらパラメータ・係数の値を記憶する。具体的には、記憶装置3は、経路長Sの上限値Sf、a2、κ0,κf,θfなどの各設定値を記憶する。
また、複数の移動経路候補を生成するために、a2の複数の値を設定しておく。例えば、a2の最小値a2minおよびa2の最大値a2maxと、この最小値からのa2の増加量da2とを設定しておき、経路探索装置9は、a2min、a2min+da2、a2min+2da2、a2+3da2・・・、a2maxのそれぞれついて移動経路候補が定まるようにしておく。これにより、複数(例えば、21本)の移動経路候補を生成できる。
記憶装置3は、曲率κ(S)の許容上限値を記憶する。
また、κslipやκrolloverが移動装置の速度(例えば、上述の最低移動速度値)などの変数に依存する場合には、これら変数とκslipとの関係式と、これら変数とκrolloverとの関係式も記憶装置3に記憶させる。これにより、経路探索装置9は、任意の時に、これら変数の値に基づいて当該関係式を用いてκslipとκrolloverを演算し、κturn、κslip、κrolloverの大小を比較し、これらのうち最小のものを許容上限値として特定する。なお、κturnは記憶装置3に記憶された固定値であってよい、
さらに、記憶装置3は、Unknown領域に関する上述の所定の閾値、後述する経路長増加量・増加率などを記憶する。
これら移動経路候補が、進行方向変化速度条件、干渉条件および曲率条件を満足するかを判断する。具体的には、進行方向変化速度条件に関しては、各移動経路候補について、上述した移動装置の設定進行方向変化速度ωが、該移動経路候補の必要進行方向変化速度以上であるかを判断し、そうである場合には、当該条件が満たされる。なお、経路探索装置9は、各移動経路候補毎に、上述の必要進行方向変化速度を算出し、この算出値を設定進行方向変化速度ωと比較することで、進行方向変化速度条件が満たされるかを判断する。干渉条件に関して、移動経路候補上にUnknown領域が存在しない場合には、上述のように移動経路候補が干渉条件を満たすかを判断する。移動経路候補上にUnknown領域が存在する場合、移動経路候補上においてUnknown領域が占める割合が所定の閾値より小さいかの判断をしてよい。この割合が所定の閾値より小さくない場合には、干渉条件が満たされないと判断してよい。曲率条件については、各移動経路候補について、κ(S)が、0≦S≦Sfの全範囲にわたって、上述したκ(S)の許容上限値以下であるかを判断する。許容上限値以下である場合には、曲率条件が満たされることになる。
このようにすることで、前回の経路探索では、移動経路候補上に障害物が存在していた場合でも、Sfを増加させることで、上記関係式1によりa3、a4の値も変化し、κ(S)により定まる移動経路候補の経路も前回と異なったものとなる。しかも、生成される移動経路候補の全長も大きくなる。これにより、例えば図4に模式的に示すように、障害物を回避するように延びる移動経路候補が生成される可能性が効果的に高まる。なお、図4において、複数の細い曲線は、前回生成された移動経路候補を示し、太い曲線は今回生成された移動経路候補(図4では、簡単のため1本のみ)を示す。
なお、ステップS4において、ステップS2で見出した進行方向変化速度条件、干渉条件および曲率条件を満たす移動経路候補が複数存在する場合には、経路探索装置9は、直前に通過した前回の経由位置と次の経由位置とを結ぶ直線を基準直線とし、この基準直線からの距離の積算値を求める。経路探索装置9は、積算値が最も小さくなる移動経路候補を選択し、選択した移動経路候補を新たな移動経路として、上述と同様に設定移動経路を更新し、ステップS5へ進む。
上記積算値は、例えば図5に示すすべての長さdLの総和である。具体的には、図5において、基準直線と対象の移動経路候補上の位置(x(S),y(S))との距離dLを、移動経路候補の開始点から終了点までにわたって、この移動経路候補に沿った距離dSごとの各位置に関して求め、求めた値dLの総和が上記積算値である。この時、基準直線の一方側にある移動経路候補上の位置についてはdLを正の値とし、基準直線の他方側にある移動経路候補上の位置についてはdLを負の値として、積算値を求める。これにより、次の経由位置に向かうための最短の移動経路を選択することが可能になる。
本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態による経路生成装置と方法は以下で述べる点で、第1実施形態と異なる。第2実施形態による経路生成装置と方法の他の内容は第1実施形態と同じであってよい。
(a)前記経路探索装置9は、前記1つ以上の移動経路候補が進行方向変化速度条件と干渉条件を満足するかを判断する。
(b)該移動経路候補のいずれも進行方向変化速度条件と干渉条件を満足しないと判断した場合に、前記1つ以上の移動経路候補を変更し、該変更された1つ以上の移動経路候補が前記進行方向変化速度条件と干渉条件を満足するかを判断する。
なお、ここでは、上記(a)、(b)において、曲率条件と障害物検出条件を考慮しない。
即ち、前記経路探索装置9は、上記κ(S)=a1+a2S+a3S2+・・・+an+1Snの式を用いて、次の処理(A)または(B)を行う。
(A)前記Sの上限値および前記複数の係数a1〜an+1にそれぞれ所定の値を与えることで得られるκ(S)について、該κ(S)により定まる前記移動経路候補が進行方向変化速度条件と干渉条件を満たすかを判断する。
(B)前記(A)の処理を複数回行う場合に、前記(A)の処理を行うごとにa1〜an+1のうち少なくとも1つの値を変更して前記(A)の処理を行い、これにより、複数回の処理で得られる複数の前記移動経路候補について進行方向変化速度条件と干渉条件を満たすかを判断する。
第2実施形態では、ステップS3において、前記係数a1〜an+1の少なくともいずれかの値を、対応する当該係数に前記(A)または(B)の処理で与えた値から変更することで、前記1つ以上の移動経路候補を変更し、前記(A)または(B)の処理を再び行う。
上述した第2実施形態の経路生成装置と方法によると、移動装置の設定進行方向変化速度が、前記移動経路の曲率と移動装置の移動速度とにより定まる必要進行方向変化速度以上であるという進行方向変化速度条件を含む経路探索条件の下で移動経路を探索する。このように、移動装置の設定進行方向変化速度を考慮した経路探索を行うことで、移動装置が、より確実に移動経路に沿って走行できるようになる。
また、自律移動する移動装置は、第1実施形態または第2実施形態の経路生成装置10と、該経路生成装置10により生成された移動経路に沿って移動するように移動装置を制御する制御装置と、を備える。
制御装置は、上述の速度指令装置から出力される指令速度値、移動装置の現在の速度などに基づいて移動装置の速度制御を行う上述の速度制御装置を有する。また、移動装置は、位置検出装置5により検出された現在位置、上記生成された移動経路、移動装置の現在の進行方向などに基づいて移動装置の進行方向制御を行う方向制御装置を有する。速度制御装置は、経路探索装置9が指令速度値を減少させる場合には、減少させられた指令速度値に基づいて移動装置の速度制御を行う。
この移動装置は、上述と同様に移動経路をより確実に見出せるので、移動装置の自律移動を継続して行える。
また、上述した基準速度値は、上述の最低移動速度値でもなく、上述の一定の指令速度値でもない所望の設定値であってもよい。この場合、移動装置は、当該設定値以上の速度で移動する場合には、精度よく移動経路に沿って移動することができる。なお、この場合、他の点は、上述と同じであってよい。
9 経路探索装置、10 経路生成装置
Claims (5)
- 自律移動する移動装置の移動経路を生成する経路生成装置であって、
移動開始位置から目標到達位置までの間に設定され前記移動経路の生成の指標となる複数の経由位置を記憶した記憶装置と、
前記移動装置の現在位置を検出する位置検出装置と、
移動装置の移動中において、前記現在位置に基づいて、前記複数の経由位置のうち移動装置が次に通過する経由位置に向かうための移動経路を経路探索条件の下で探索し生成する経路探索装置と、を備え、
前記経路探索条件は、移動装置の設定進行方向変化速度が、前記移動経路の曲率と移動装置の移動速度とにより定まる必要進行方向変化速度以上であるという進行方向変化速度条件を含み、
設定進行方向変化速度は、移動装置に定められている、移動装置の進行方向変化量の時間変化率であり、
必要進行方向変化速度は、移動経路から反れることなく移動経路上を基準速度値で走行するために要求される移動装置の進行方向変化量の時間変化率である、ことを特徴とする経路生成装置。 - 前記基準速度値は、予め定められた移動装置の最低移動速度値である、ことを特徴とする請求項1に記載の経路生成装置。
- 移動装置は、移動装置に設けられた速度指令装置から出力された一定の指令速度値に基づいて速度制御されるようになっており、
前記基準速度値は、前記一定の指令速度値である、ことを特徴とする請求項1に記載の経路生成装置。 - 請求項1、2または3に記載の経路生成装置と、該経路生成装置により生成された移動経路に沿って移動するように移動装置を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする移動装置。
- 自律移動する移動装置の移動経路を生成する経路生成方法であって、
移動開始位置から目標到達位置までの間に設定され前記移動経路の生成の指標となる複数の経由位置を記憶した記憶装置と、前記移動装置の現在位置を検出する位置検出装置と、を設け、
移動装置の移動中において、前記現在位置に基づいて、前記複数の経由位置のうち移動装置が次に通過する経由位置に向かうための移動経路を所定の経路探索条件の下で探索して生成し、
前記経路探索条件は、移動装置の設定進行方向変化速度が、前記移動経路の曲率と移動装置の移動速度とにより定まる必要進行方向変化速度以上であるという進行方向変化速度条件を含み、
設定進行方向変化速度は、移動装置に定められている、移動装置の進行方向変化量の時間変化率であり、
必要進行方向変化速度は、移動経路から反れることなく移動経路上を基準速度値で走行するために要求される移動装置の進行方向変化量の時間変化率である、ことを特徴とする経路生成方法。
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