JP2011148294A - 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの評価方法、及び液体吐出ヘッドを搭載する液体吐出装置。 - Google Patents
液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの評価方法、及び液体吐出ヘッドを搭載する液体吐出装置。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 吐出口部材に設けられる吐出口の開口の面積や吐出口の形状が、液滴の量に影響を与えるため、吐出口の開口の面積や形状を詳細に確認することが必要である。
【解決手段】 エネルギー発生素子2によるエネルギーにより液体を吐出するために用いられる吐出口3と、吐出口3と同じ形状であり、液体の吐出に用いられないダミー吐出口6とを備えた液体吐出ヘッドにおいて、ダミー吐出口6と対向する位置は、検査用部材1が設けられている。
【選択図】 図4
【解決手段】 エネルギー発生素子2によるエネルギーにより液体を吐出するために用いられる吐出口3と、吐出口3と同じ形状であり、液体の吐出に用いられないダミー吐出口6とを備えた液体吐出ヘッドにおいて、ダミー吐出口6と対向する位置は、検査用部材1が設けられている。
【選択図】 図4
Description
本発明は、液体を吐出することで記録動作を行う液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの評価方法、及び液体吐出ヘッドを搭載する液体吐出装置に関する。
インクジェット記録ヘッドに代表される液体吐出ヘッドは、液体を吐出口から吐出することで記録動作を行うことができる。吐出口は、液体を吐出するために用いられるエネルギーを発生するエネルギー発生素子を備えた液体吐出ヘッド用基板の上に設けられた吐出口部材に設けられる。吐出される液滴の大きさは、吐出口の開口面積に大きく依存するため、開口面積がばらつくと液滴の大きさが異なり、被記録物にムラが生じてしまうことになる。
実際に液滴を吐出することなく、吐出口の開口面積を確認する手法が、特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1に開示される液体吐出ヘッドは、液体を吐出する吐出口のほかに、ダミー吐出口を備えており、ダミー吐出口の画像の画素をカウントすることで吐出口の開口面積を見積もることができる。
特許文献2に開示される図を図15に示す。吐出口21と流路22を有する吐出口部材20が、発熱素子11を有する液体吐出ヘッド用基板14の上に設けられている。吐出口部材20の吐出口21を形成するために用いられる露光マスクには、吐出口21の近傍に幅の異なる複数のスリット形状のマスクが設けられている。このような露光マスクを用いて露光・現像を行うと吐出口部材20に、吐出口21と複数のスリット23が設けられる。この吐出口部材20に設けられたスリットの数やスリットの変形量を評価することで、吐出口21の径を見積もることができる。
しかしながら、特許文献1に開示される方法では、顕微鏡にて液体吐出ヘッドの画像取り込み、画像処理にて画素を2値化してカウントするとことが必要であり、開口径を見積もるのに時間がかかり、大量生産に不向きであるという懸念があった。
また、特許文献2に開示される方法は、吐出口の開口形状をスリットの形状に置き換えて確認するという間接的な測定法である。吐出口の開口形状に影響を与える要因が、常に同程度にスリットの形状にも影響を与えるかというところには疑問の余地がある。
本発明は、このような課題を鑑みて発明されたものであり、液滴を吐出することなく、吐出口の開口の状態をより正確に確認することができる液体吐出ヘッドを提供することを目的としている。
本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子を備えた面を有する液体吐出ヘッド用基板と、前記面と対向する対向部を有し、該対向部を貫通する複数の貫通孔が設けられた吐出口部材と、を備え、前記複数の貫通孔は、前記エネルギー発生素子に対応した液体の吐出口を含み、前記面の、前記複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔に対向する部分には、対向する前記貫通孔の状態を検査するために用いられる検査用部材が設けられていることを特徴とする。
このように、貫通孔と対向する位置に、開口の状態を検査するための部材を設けることにより、液滴を吐出することなく、吐出口の開口状態を確認することができる液体吐出ヘッドを提供することができる。
液体吐出ヘッドは、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に搭載可能である。そして、この液体吐出ヘッドを用いることによって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の被記録媒体に記録を行うことができる。
本明細書内で用いられる「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味することとする。
さらに「インク」とは広く解釈されるべきものであり、被記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、被記録媒体の加工、或いはインクまたは被記録媒体の処理に供される液体を言うものとする。ここで、インクまたは被記録媒体の処理としては、例えば、被記録媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化による定着性の向上や、記録品位ないし発色性の向上、画像耐久性の向上などのことを言う。
図1(a)は、本発明に係る液体吐出ヘッドを搭載可能な液体吐出装置を示す概略図である。図1(a)に示すように、リードスクリュー5004は、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011,5009を介して回転する。キャリッジHCはヘッドユニットを載置可能であり、リードスクリュー5004の螺旋溝5005に係合するピン(不図示)を有しており、リードスクリュー5004が回転することによって矢印a,b方向に往復移動される。このキャリッジHCには、ヘッドユニット40が搭載されている。
紙押え板5002は、キャリッジHCの移動方向に亘って記録紙Pをプラテン5000に対して押圧する。フォトセンサ5007,5008は、キャリッジHCのレバー5006を検知領域で検知することによって、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知素子である。ヘッドユニット40の前面を気密に覆うキャップ5022は、支持部材5016に支持されている。また、このキャップ5022内を吸引する吸引部材5015は、キャップ内開口5023を介してヘッドユニット40の吸引回復を行う。クリーニングブレード5017及びこのクリーニングブレード5017を前後方向に移動可能にする部材5019は、本体支持板5018に支持されている。クリーニングブレード5017は、この構成に限定されるものではなく、周知の他のクリーニングブレードが本実施形態に適用することもできる。また、吸引回復動作の吸引を開始するためのレバー5021は、キャリッジHCと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の伝達機構で移動制御される。
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復の各動作は、キャリッジHCがホームポジション側の領域に移動したときにリードスクリュー5004の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されている。
図1(b)は、図1(a)のような液体記録装置に搭載可能なヘッドユニット40の斜視図である。液体吐出ヘッド41(以下、ヘッドとも称する)は、接続端子7と接続するフレキシブルフィルム配線基板43により、液体記録装置と接続するコンタクトパッド44に導通している。また、ヘッド41は、支持基板に接合されることでヘッドユニット40に支持されている。ここでヘッドユニット40は、インクタンクと一体化したヘッド41の一例を示しているが、インクタンクを分離できる分離型とすることも出来る。
図2(a)と(b)は、本発明の特徴部である液体吐出ヘッド41を示した斜視図である。本発明の液体吐出ヘッド41は、エネルギー発生素子2を備えた液体吐出ヘッド用基板と、液体吐出ヘッド用基板の上に設けられた吐出口部材4とを有している。吐出口部材4は、エネルギー発生素子2が設けられた液体吐出ヘッド用基板5の面と対向する対向部を貫通して設けられた複数の貫通孔を有している。このような吐出口部材は、樹脂材料で設けられおり、複数の貫通孔はフォトリソグラフィー技術やエッチング技術を用いて一括して設けられている。ここで、吐出口部材4に設けられた貫通孔は、エネルギー発生素子2が設けられた液体吐出ヘッド用基板5の面と対向する位置に開口する第1の開口部と、液体を吐出する側に設けられた第2の開口部と、を連通することで設けられている。
複数の貫通孔の一部の貫通孔(第1の貫通孔)は、エネルギー発生素子2により発生されるエネルギーを利用して液体を吐出する吐出口3として用いられ、これらが所定のピッチで一列に配列し、吐出口列を構成されている。
さらに、複数の貫通孔の他の一部の貫通孔(第2の貫通孔)は、記録動作には用いられないダミー吐出口6(第2の開口)として用いられる。第2の貫通孔は、第1の貫通孔と実質的に互いに同じ寸法及び形状で設けることで、さらに信頼性高く用いることができる。
図2(a)に示すように、吐出口列に沿って連続してダミー吐出口6設けることで、吐出口3の状態とほぼ同じ状態にすることができる。また図2(b)のように、液体吐出ヘッドに複数のダミー吐出口6を吐出口3吐出口列の近傍に複数設けることで、液体吐出ヘッド全体の状態を確認することができる。これにより、さらに細かく液体吐出ヘッド全体の吐出口3の状態を見積もることができる。ここで、”近傍”とは、隣り合う吐出口3の距離程度のことをいう。
液体吐出ヘッド用基板に設けられるエネルギー発生素子2としては、電気熱変換素子(ヒーター)または、圧電素子(ピエゾ素子)等を用いることができる。吐出口列に対向する位置には、複数のエネルギー発生素子2が設けられており、複数配列することで素子列となっている。素子列の間の位置には、基体5を貫通して設けられ、エネルギー発生素子2に液体を供給する供給口45が設けられている。ここでは、供給口45が一つ設けられた液体吐出ヘッドを用いて説明するが、複数の供給口45を有する液体吐出ヘッドでも同様に本発明を適用することができる。さらに吐出口部材4には、吐出口3やダミー吐出口6と連通する流路46の凹部46aが設けられており、吐出口部材4と液体吐出ヘッド用基板とが接することで流路46が、設けられている。
(第1の実施形態)
図3は、このような液体吐出ヘッド41に設けられている1つのダミー吐出口6の一部透かしの断面斜視図である。ダミー吐出口と対向する位置には、吐出口の形状を評価するための基準部材として、複数の凸部を有する検査用部材1が設けられている。それ以外のダミー吐出口6と対向する位置に設けられている構成は、吐出口3と同じ寸法及び形状に設けられている。
図3は、このような液体吐出ヘッド41に設けられている1つのダミー吐出口6の一部透かしの断面斜視図である。ダミー吐出口と対向する位置には、吐出口の形状を評価するための基準部材として、複数の凸部を有する検査用部材1が設けられている。それ以外のダミー吐出口6と対向する位置に設けられている構成は、吐出口3と同じ寸法及び形状に設けられている。
検査用部材1は、ダミー吐出口6と対向する位置に、中心を一致させた複数の径の円からなる同心円、中心を一致させた複数の大きさの正方形を配置した同心角、及びこれらの組み合わせの、少なくとも一部となっていることが好ましい。この凸部の厚さは、ダミー吐出口6から検査用部材1を確認した時に判別できる程度の凹凸となっていれば良い。なお、ダミー吐出口6はエネルギー発生素子2と対向するように図示されているが、エネルギー発生素子2がこのように対向することは必ずしも必要ではなく、異なる位置に設けることもできる。
ダミー吐出口6と、ダミー吐出口6の開口(径)を介して検査用部材1を確認できるか判断することで、ダミー吐出口6の大きさ、すなわち吐出口3の大きさを分類(ランク付け)することができる。さらに、ダミー吐出口6と、検査用部材1との位置ずれ量を確認することで、吐出口部材4と、液体吐出ヘッド用基板との位置ずれ量を見積もることができる。ダミー吐出口6は、吐出口3と同じ工程かつ同じ条件で設けられているため、ダミー吐出口6のランク付けを行うことにより、吐出口3のランク付けを行うことができる。なお、このような検査用部材1は、吐出口3に対向する位置には設けられていない。吐出口3にこのような部材が設けられていると、記録動作時に液体の吐出方向がずれるなどの影響が考えられるためである。
ダミー吐出口6の開口を介して検査用部材1を確認する方法としては、光学顕微鏡などで確認する方法のみならず、自動測定装置を用いて確認するという方法を用いることもできる。
この結果をもとに、液体吐出ヘッドの状態(ランク)を液体吐出装置の情報記録媒体(不図示)に書き込み、液体吐出ヘッド毎に吐出制御を行うことで、液体吐出ヘッドに固体差が生じていたとしても、記録物の記録品位を一定に保つことができる。
液体吐出ヘッドは、1枚のウエハーに複数の液体吐出ヘッドを半導体プロセスを用いて一括して作成し、ウエハーから切り出して用いられる。このような液体吐出ヘッドの検査用部材1の凸部は、吐出口部材4と膜厚と比較すると、十分に薄くなるように設けられている。検査用部材1は、凸部の厚さを小さくすることにより、複数の液体吐出ヘッドにおいてもばらつきのない状態を保つことができる。一方膜厚の厚い吐出口部材4は、ウエハー面内で製造時にばらつきが生じやすく、液体吐出ヘッドごとに吐出口3又はダミー吐出口6の大きさがばらつきやすいという状態にある。ばらつきの小さい検査用部材1を基準として、複数の液体吐出ヘッドのダミー吐出口6との大きさを判断することで、吐出口3の大きさを確実に評価することができる。これにより信頼性の高い、液体吐出ヘッドのランク付けを行うことができる。
以下、エネルギー発生素子2として電気熱変換素子(発熱素子)を用いた例を用いて説明する。このような液体吐出ヘッドにおいて液体は、発熱素子2で発生する熱エネルギーで膜沸騰を起こし、この圧力により吐出口から吐出され記録動作が行われる。
図4(a)は、ダミー吐出口6の上面模式図を示したものである。以下ダミー吐出口6の断面をもとに説明するが、検査用部材1以外は、吐出口3も同じ構成となっている。
図4(b)は、図4(a)のA−A’切断面図である。吐出口部材4には、吐出口3と同じ形状のダミー吐出口6が設けられている。基体5の上には、発熱素子2が設けられており、その上に発熱素子2を液体から保護するために設けられた絶縁保護層48が設けられている。絶縁保護層48は、窒化シリコンや窒化酸素などの絶縁材料を用いて、約1.0μm程度で設けることで発熱素子2の絶縁性も確保することができる。さらに、絶縁保護層48の上には、液体を吐出する時に発生する衝撃(キャビテーション)から発熱素子2を保護するために用いられる耐久保護層49が設けられている。耐久保護層49としては、Ta等のようなインク耐久性を有しかつ耐衝撃性に優れる材料を用いることができる。耐久保護層49の厚さとしては、0.2μm以上1.0μm以下程度設けられていることが好ましい。耐久保護層49の表面には、複数の凸部を有する検査用部材1が設けられており、これにより発熱素子2を備えた面を有する液体吐出ヘッド用基板50が設けられている。この凸部の厚さは、ダミー吐出口6から検査用部材1を確認した時に判別できる程度の凹凸となっていれば良く、0.1μm以上0.5μm以下程度とすることが好ましい。
図4(b)は、図4(a)のA−A’切断面図である。吐出口部材4には、吐出口3と同じ形状のダミー吐出口6が設けられている。基体5の上には、発熱素子2が設けられており、その上に発熱素子2を液体から保護するために設けられた絶縁保護層48が設けられている。絶縁保護層48は、窒化シリコンや窒化酸素などの絶縁材料を用いて、約1.0μm程度で設けることで発熱素子2の絶縁性も確保することができる。さらに、絶縁保護層48の上には、液体を吐出する時に発生する衝撃(キャビテーション)から発熱素子2を保護するために用いられる耐久保護層49が設けられている。耐久保護層49としては、Ta等のようなインク耐久性を有しかつ耐衝撃性に優れる材料を用いることができる。耐久保護層49の厚さとしては、0.2μm以上1.0μm以下程度設けられていることが好ましい。耐久保護層49の表面には、複数の凸部を有する検査用部材1が設けられており、これにより発熱素子2を備えた面を有する液体吐出ヘッド用基板50が設けられている。この凸部の厚さは、ダミー吐出口6から検査用部材1を確認した時に判別できる程度の凹凸となっていれば良く、0.1μm以上0.5μm以下程度とすることが好ましい。
液体吐出ヘッド用基板50の面の上側には、ダミー吐出口6と連通する流路46の凹部46aが設けられており、吐出口部材4と液体吐出ヘッド用基板とが接することで流路46が設けられている。吐出口部材4は、エポキシ樹脂などの熱可塑性樹脂の硬化物等で設けることができ、液体吐出ヘッド用基板の上に20.0μm以上100.0μm以下程度の厚さとで設けられている。
吐出口3は、発熱素子2と対向する位置に設けられており(不図示)、これと同様にダミー吐出口6も発熱素子2と対向するように設けられている。さらに、ダミー吐出口6と対向する位置であり、かつ発熱素子2の上側には、検査用部材1が位置するように設けられている。
液体吐出ヘッド用基板の面をダミー吐出口6の側から見たときに、ダミー吐出口6の開口を介して検査用部材1がどの程度確認できるかで、ダミー吐出口6の大きさ、すなわち吐出口3の大きさを分類し、液体吐出ヘッドのランク付けすることができる。
この結果を液体吐出ヘッドの状態を液体吐出装置の情報記録媒体(不図示)に書き込み、液体吐出ヘッド毎に制御を行うことで、液体吐出ヘッドに固体差が生じていたとしても、記録物の記録品位を一定に保つことができる。
図5に、このような検査用部材1として用いられる形状の例を示す。図5(a)に示す検査用部材1は、同心円状に設けられた第1の検査用部材8と第2の検査用部材9とで設けられている。
次に、このような検査用部材1を有する液体吐出ヘッドのランク付けの方法の一例を示す。
第1の検査用部材8は、吐出口3(ダミー吐出口6)の設計値より小さい円形となるように設け、第2の検査用部材9は、吐出口3(ダミー吐出口6)の設計値より大きい円形となるように設ける。また吐出口3の径に対する、吐出口3から吐出される液滴の量とを予め対応しておくことで、ダミー吐出口6と検査用部材1を重ね合わせた時の位置によって吐出口3の径を見積もり、吐出量ランクを判別する事が出来る。
第1の検査用部材8は、吐出口3(ダミー吐出口6)の設計値より小さい円形となるように設け、第2の検査用部材9は、吐出口3(ダミー吐出口6)の設計値より大きい円形となるように設ける。また吐出口3の径に対する、吐出口3から吐出される液滴の量とを予め対応しておくことで、ダミー吐出口6と検査用部材1を重ね合わせた時の位置によって吐出口3の径を見積もり、吐出量ランクを判別する事が出来る。
図5(a)のように、2つの部材で検査用部材1を設けた場合には、三段階のランク付けを行うことができる。第2の検査用部材9の径より大きいものを“ランク大”第1の検査用部材8の径より大きく、第2の検査用部材9の径より小さいものを“ランク中”、第1の検査用部材8の径より小さいものを“ランク小”とする。どのランクとなっているかどうかは、ダミー吐出口6の上側から目視又は測定装置などで、ダミー吐出口6の開口を介して検査することによって、判定することができる。
また、図5(b)に示すように、図5(a)に示す構成にさらに、中心点10を設けることもできる。中心点10を設けることにより、吐出口3の中心位置と、検査用部材1の中心位置とのずれ量を確認することができる。
さらに、中心点10を設計時に予定しているダミー吐出口6の中心位置とすることで、ダミー吐出口6の設計位置からの位置ずれ量を知る事ができ、同様に吐出口3も同じ量ずれていることを見積もり、吐出される液滴の着弾位置のずれを見積もることができる。この情報を液体吐出装置の情報記録媒体に記録して制御する事で、着弾位置の補正を行うこともできる。
また、検査用部材1を複数の径を有する部材で設けることで細かいランク付けを行うことができ、N段階のランク付けを行いたい場合は検査用部材1をN−1本とればよい。ダミー吐出口6の開口面積を詳細に求めたい場合には、図5(c)に示すように、検査用部材1を同心円目盛のように設けることもできる。
また図5(d)に示すように検査用部材1を同心円の一部としたり、図5(e)や図5(f)のように同心角の一部としても同様にランク付けを行うことができる。同心角にも、図5(g)や図5(h)に示すように検査用部材1を同心角目盛を設けることもできる。さらに円の一部と正方形の一部とを組み合わせて検査用部材1を設けることもできる。
次に、本実施形態の検査用部材1の製造方法の一例について説明する。
図6に本実施形態に係る液体吐出ヘッド用基板の製造方法を示す。図6は、図4(b)の液体吐出ヘッド用基板の一部を拡大して示している。図6(a)に示すように、最初に絶縁保護層48の上に、スパッタリング法などを用いて約0.5μmのTaによる耐久保護層49を設けた基体5を用意する。次に、図6(b)に示すように耐久保護層49の上に、フォトリソグラフィー法等を用いて、検査用部材1を設ける位置にレジストによるマスク材15を設ける。次に、図6(c)に示すようにドライエッチング法等のエッチング技術を用いてマスク材15が設けられていない耐久保護層49を約0.1μm除去する。次に、図6(d)に示すように、マスク材15を除去する。以上の工程により、検査用部材1を備えた液体吐出ヘッド用基板50を完成させることができる。
図6に本実施形態に係る液体吐出ヘッド用基板の製造方法を示す。図6は、図4(b)の液体吐出ヘッド用基板の一部を拡大して示している。図6(a)に示すように、最初に絶縁保護層48の上に、スパッタリング法などを用いて約0.5μmのTaによる耐久保護層49を設けた基体5を用意する。次に、図6(b)に示すように耐久保護層49の上に、フォトリソグラフィー法等を用いて、検査用部材1を設ける位置にレジストによるマスク材15を設ける。次に、図6(c)に示すようにドライエッチング法等のエッチング技術を用いてマスク材15が設けられていない耐久保護層49を約0.1μm除去する。次に、図6(d)に示すように、マスク材15を除去する。以上の工程により、検査用部材1を備えた液体吐出ヘッド用基板50を完成させることができる。
さらに、このように設けられた液体吐出ヘッド用基板50の上に、フォトリソグラフィー技術やエッチング技術を用いて一括して設けた吐出口3とダミー吐出口6とを有し、エポキシ樹脂の硬化物からなる吐出口部材4を設ける。これにより図4(b)の液体吐出ヘッド41が完成する。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、耐久保護層49の一部を検査用部材1とする構成を示したが、本実施形態においては、耐久保護層49と検査用部材1を異なる材料で設ける構成を示す。検査用部材1の形状及びランク付けについては第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態においては、耐久保護層49の一部を検査用部材1とする構成を示したが、本実施形態においては、耐久保護層49と検査用部材1を異なる材料で設ける構成を示す。検査用部材1の形状及びランク付けについては第1の実施形態と同様である。
図7は、図4(a)のA−A’切断面図である。耐久保護層49の上に、金属材料などで検査用部材1が設けられている(図7(a))。また、検査用部材1の一部を絶縁保護層48の上に設けることもできる(図7(b))。このように検査用部材1の一部を絶縁保護層48の上に設けることで、検査用部材1よりも小さく耐久保護層49を設けたとしても、同様に評価を行うことができる。
検査用部材1に用いることのできる金属としては、検査時に判別が行いやすく、製造時に加工の行いやすい材料であることが好ましく、具体的にはアルミ、銅、銀及び金等を主成分とする材料を用いることができる。
次に、本実施形態の検査用部材1の製造方法の一例について説明する。
図8に本実施形態に係る液体吐出ヘッド用基板の製造方法を示す。図8は、図7(a)の液体吐出ヘッド用基板の一部を拡大して示している。図8(a)に示すように、最初に絶縁保護層48の上に、スパッタリング法などを用いて膜厚約0.5μmのTa等による耐久保護層49を設けた基体5を用意する。次に、図8(b)に示すように耐久保護層49の上に、スパッタ法等を用いてAlなどの金属層16を設ける。次に、図8(c)に示すように、金属層16の上にフォトリソグラフィー法等を用いて、検査用部材1を設ける位置にレジストによるマスク材15を設ける。次に、図8(d)に示すようにドライエッチング法等のエッチング技術を用いてマスク材15が設けられていない部分の金属層16を除去する。次に、図8(e)に示すように、マスク材15を除去する。以上の工程により、検査用部材1を備えた液体吐出ヘッド用基板50を完成させることができる。
図8に本実施形態に係る液体吐出ヘッド用基板の製造方法を示す。図8は、図7(a)の液体吐出ヘッド用基板の一部を拡大して示している。図8(a)に示すように、最初に絶縁保護層48の上に、スパッタリング法などを用いて膜厚約0.5μmのTa等による耐久保護層49を設けた基体5を用意する。次に、図8(b)に示すように耐久保護層49の上に、スパッタ法等を用いてAlなどの金属層16を設ける。次に、図8(c)に示すように、金属層16の上にフォトリソグラフィー法等を用いて、検査用部材1を設ける位置にレジストによるマスク材15を設ける。次に、図8(d)に示すようにドライエッチング法等のエッチング技術を用いてマスク材15が設けられていない部分の金属層16を除去する。次に、図8(e)に示すように、マスク材15を除去する。以上の工程により、検査用部材1を備えた液体吐出ヘッド用基板50を完成させることができる。
さらに、このように設けられた液体吐出ヘッド用基板50の上に、吐出口3とダミー吐出口6とを有し、エポキシ樹脂の硬化物からなる吐出口部材4を設けることで図4(b)の液体吐出ヘッド41が設けられる。
以上のように設けた検査用部材1であっても、第1の実施形態と同様にダミー吐出口6の開口を介して検査用部材1を確認できるか判断することで、ダミー吐出口6の大きさ、すなわち吐出口3の大きさを分類することができる。さらに、ダミー吐出口6と、検査用部材1との位置ずれ量を確認することで、吐出口部材4と、液体吐出ヘッド用基板との位置ずれ量を見積もることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、第2の実施形態に示した液体吐出ヘッド用基板の別の製造方法を図9に示す。図9は、図7(a)の液体吐出ヘッド用基板の一部を拡大して示している。図9(a)に示すように、最初に絶縁保護層48の上に、スパッタリング法などを用いて約0.5μmのTaによる耐久保護層49を設けた基体5を用意する。次に、図9(b)に示すように耐久保護層49の上に、フォトリソグラフィー法等を用いて、検査用部材1を設ける領域以外の部分にレジストによるマスク材17を設ける。次に、図9(c)に示すように、マスク材17と耐久保護層49との上に、スパッタリング法などを用いてAlなどの金属層16を設ける。次に、図9(d)に示すように、マスク材17と、マスク材17の上に設けられた金属層16の一部を除去する。以上の工程により、検査用部材1を備えた液体吐出ヘッド用基板50を完成させることができる。
本実施形態は、第2の実施形態に示した液体吐出ヘッド用基板の別の製造方法を図9に示す。図9は、図7(a)の液体吐出ヘッド用基板の一部を拡大して示している。図9(a)に示すように、最初に絶縁保護層48の上に、スパッタリング法などを用いて約0.5μmのTaによる耐久保護層49を設けた基体5を用意する。次に、図9(b)に示すように耐久保護層49の上に、フォトリソグラフィー法等を用いて、検査用部材1を設ける領域以外の部分にレジストによるマスク材17を設ける。次に、図9(c)に示すように、マスク材17と耐久保護層49との上に、スパッタリング法などを用いてAlなどの金属層16を設ける。次に、図9(d)に示すように、マスク材17と、マスク材17の上に設けられた金属層16の一部を除去する。以上の工程により、検査用部材1を備えた液体吐出ヘッド用基板50を完成させることができる。
さらに、このように設けられた液体吐出ヘッド用基板50の上に、吐出口3とダミー吐出口6を有し、エポキシ樹脂の硬化物からなる吐出口部材4を設けることで図4(b)の液体吐出ヘッド41が設けられる。
(第4の実施形態)
第1の実施形態乃至第3の実施形態においては、対向する位置に検査用部材との大きさ及び位置を比較することでランク付けを行う形態を示したが、本実施形態においては検査装置で検査用部材との焦点が合うかを評価することでランク付けを行う形態を示す。検査用部材の形状以外は、第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態乃至第3の実施形態においては、対向する位置に検査用部材との大きさ及び位置を比較することでランク付けを行う形態を示したが、本実施形態においては検査装置で検査用部材との焦点が合うかを評価することでランク付けを行う形態を示す。検査用部材の形状以外は、第1の実施形態と同様である。
図10(a)は、このような液体吐出ヘッド41に設けられている1つのダミー吐出口6の一部透かしの断面斜視図である。図10(b)に、ダミー吐出口6の上面図を示す。検査用部材1は、第1の方向(X方向)と第1の方向と直交する第2の方向(Y方向)の2方向にわたって一定の間隔で規則的に設けられた複数のセル1aと、少なくとも1つの検査装置の焦点を合わせるために用いられるアライメントマーク1bとを有している。アライメントマークは、液体吐出ヘッド用基板をダミー吐出口6が設けられた側から見たときに、吐出口部材4の下側に位置するように設けられている。製造時のばらつきにより、ダミー吐出口6の開口の大きさは変化する可能性があるため、アライメントマーク1bは、ダミー吐出口6の下側から十分離れた位置に設けてあることが好ましい。
図11に、このような検査用部材1の一例を示す。検査用部材1は、図11(a)のように、縦と横に規則的に一定の間隔を設けて複数の正方形のセルを配列したり、図11(b)のように半ピッチずらして設けることができる。また、1つのセル形状を小さくするなどして、単位面積あたりのセルの数を増やすことによって、ダミー吐出口6の開口の面積を詳細に確認することができる。各セルの形状は、図11に示すように正方形のみならず、矩形・円形・楕円形等で設けることもできる。また、複数のセルが設けられている領域の面積は、ダミー吐出口6の開口の面積より大きくなるように設けられている。
検査用部材1のアライメントマーク1bの形状は、図11(a)や(b)のように正方形を組み合わせた形状や、図11(c)のような円形状を採用することができる。また、図11(d)のように、複数のアライメントマークを設け、2次元バーコード(QRコード)のようにすることもできる。複数のアライメントマークを設けることにより、焦点を容易に合わせることができる。
このようなダミー吐出口6の評価は、デジタルカメラやバーコードリーダーなどの検査機器を用いて行うことができる。検査機器は、吐出口部材4を介して検査用部材1のアライメントマークで焦点を合わせる。吐出口部材4は、材料特有の屈折率(光学定数)を有している。一方、ダミー吐出口6の開口は大気状態であり屈折率が1となっている。そのためダミー吐出口6の開口の下側に位置するように設けられているセルと検査機器との間の光路長は、アライメントマークと検査機器との間の光路長と異なるため、検査機器の焦点が合わない。そのためダミー吐出口6の開口の下側に位置するセルは、著しく画像情報が劣化して検査機器で確認することができない。この検査機器で確認することのできないセルの数で、ダミー吐出口6の開口の面積を計測することができる。吐出口部材4は、エポキシ樹脂等の、熱硬化性樹脂の硬化物を用いることができ、波長550nmで透過率80%以上90%以下となり屈折率が1.5となるように設けられている。
ダミー吐出口6は、吐出口3と同じ工程かつ同じ条件で設けられているため、ダミー吐出口6の開口の面積に応じてランク付けを行うことにより、吐出口3のランク付けを行うことができる。なお、このような検査用部材1は、吐出口3に対向する位置には設けられていない。吐出口3にこのような部材が設けられていると、記録動作時に液体の吐出方向がずれるなどの影響が考えられるためである。
この結果をもとに、液体吐出ヘッドの状態(ランク)を液体吐出装置の情報記録媒体(不図示)に書き込み、これに則して液体吐出ヘッド毎に吐出制御を行うことで、液体吐出ヘッドに固体差が生じていたとしても、記録物の記録品位を一定に保つことができる。さらに認識できないセルの領域の中心位置を算出して、ダミー吐出口6の設計中心位置と比較することで、ダミー吐出口6の設計位置からの位置ずれ量を知る事ができ、吐出口3から吐出される液滴の着弾位置のずれを見積もることもできる。この情報も同様に液体吐出装置の情報記録媒体に記録して制御する事で、着弾位置の補正を行うこともできる。
図12(a)は、本実施形態に係る1つのダミー吐出口6の上面模式図を示したものである。以下、ダミー吐出口6の断面をもとに説明するが、吐出口3も検査用部材1以外は、同じ構成で設けられている。
図12(b)は、図12(a)のB−B’切断面図である。吐出口部材4には、吐出口3と同じ形状のダミー吐出口6が設けられている。基体5の上には、発熱素子2が設けられており、その上に発熱素子2を液体から保護するために設けられた絶縁保護層48が設けられている。絶縁保護層48は、窒化シリコンや窒化酸素などの絶縁材料を用いて、約1.0μm程度で設けることで発熱素子2の絶縁性も確保することができる。さらに、絶縁保護層48の上には、液体を吐出する時に発生する衝撃(キャビテーション)から発熱素子2を保護するために用いられる耐久保護層49が設けられている。耐久保護層49としては、Ta等のようなインク耐久性を有しかつ耐衝撃性に優れる材料を用いることができる。耐久保護層49の厚さとしては、0.2μm以上1.0μm以下程度設けられていることが好ましい。耐久保護層49の表面には検査用部材1が設けられており、これにより発熱素子2を備えた面を有する液体吐出ヘッド用基板50が設けられている。本実施形態においては、検査用部材1は耐久保護層49の表面に凸を設けており、検査機器で検査した時に、判別できる程度に凸となっていれば良く、0.1μm以上0.5μm以下程度とすることが好ましい。
液体吐出ヘッド用基板50の面の上側には、ダミー吐出口6と連通する流路46の凹部46aが設けられており、吐出口部材4と液体吐出ヘッド用基板とが接することで流路46が設けられている。吐出口部材4は、エポキシ樹脂の硬化物で設けており、液体吐出ヘッド用基板の上に20.0μm以上100.0μm以下程度の厚さとで設けられている。エポキシ樹脂の硬化物は、波長550nmで透過率80%以上90%以下となり屈折率が1.5である。
吐出口3は、発熱素子2と対向する位置に設けられており(不図示)、これと同様にダミー吐出口6も発熱素子2と対向するように設けられている。さらに、ダミー吐出口6と対向する位置であり、かつ発熱素子2の上側には、QRコード形状の検査用部材1が位置するように設けられている。
図12(c)は、検査用部材1を抜き出したものである。本実施形態においては、24.0μm角の形状となっており、3点のアライメントマークと複数のセルから設けられている。検査用部材1のアライメントマーク3点は、液体吐出ヘッド用基板をダミー吐出口6が設けられた側から見たときに、吐出口部材4の下側に位置するように設けられている。3点でアライメントを行うことにより、確実に検査用部材1が設けられている位置に検査機器の焦点を合わせることができる。
さらに、液体吐出ヘッド用基板をダミー吐出口6が設けられた側から見たときに、ダミー吐出口6の開口と対向する位置に、1.0μm角の複数の正方形のセルを、規則的に配列した列を、半ピッチずらしてマトリックス状に複数配置して設けている。検査機器は、吐出口部材4を介して検査用部材1のアライメントマークで焦点を合わせる。このとき吐出口部材4は、屈折率が1.5であるのに対し、開口(大気)の屈折率は1である。そのためダミー吐出口6の開口の下側に位置するように設けられている一部のセルと検査機器との間の光路長と、アライメントマークと検査機器との間の光路長は異なり、検査機器の焦点が合わない。この焦点の合わないセルの数で、このダミー吐出口6の開口の面積を確認することで、液体を吐出したり吐出口3の径を測定することなく、吐出口3の開口の面積を見積もることができる。この結果をもとに液体吐出ヘッドのランク付けすることができる。
次に、このような検査用部材1を用いて吐出口のランクをつける方法を図13(a)のフロー図を用いて説明する。まず、ダミー吐出口6の側から液体吐出ヘッド用基板50を見たときに、バーコードリーダー(検査機器)で検査用部材1のアライメントマーク1bに吐出口部材4を介して焦点を合わせる(S−1)。次に、全体のセルの数から焦点があったセルの数を差し引くことで、ダミー吐出口6の開口の下側に位置し、認識できないセルの数を数値化する(S−2)。次に、認識できないセルの数によって、液体吐出ヘッドのランク付けを行う(S−3)。このときのランクの一例を図13(b)に示す。認識できないセルの数が83未満のときをAランク、83以上94未満のときをBランク、94以上107未満のときをCランク、107以上120未満をDランク、120以上をEランクとしている。このランク分けの数を多くすればするほど、高精度に液体吐出ヘッドのランク付けを行うことができる。次に、液体吐出装置に液体吐出ヘッドを搭載する際に、ランクを液体吐出装置の情報記録媒体(不図示)に書き込む(S−4)。
以上のようなランクをもとに液体吐出ヘッド毎に制御を行うことで、液体吐出ヘッドに固体差が生じていたとしても、吐出量をほぼ一定に保つことができ、記録物の記録品位を保つことができる。また、複数の液体吐出ヘッドを1つのヘッドユニットに設ける場合には、液体吐出ヘッドのランクをそろえることで更に記録物の記録品位を向上させることができる。
さらに認識できないセルの領域の中心位置を算出して、ダミー吐出口6の設計中心位置と比較することで、ダミー吐出口6の設計位置からの位置ずれ量を知る事ができ、吐出口3から吐出される液滴の着弾位置のずれを見積もることもできる。この情報も同様に液体吐出装置の情報記録媒体に記録して制御する事で、着弾位置の補正を行うこともできる。
なお本実施形態に示す検査用部材1は、第1の実施形態に示す製造方法を用いて設けることができる。
なお本実施形態に示す検査用部材1は、第1の実施形態に示す製造方法を用いて設けることができる。
(第5の実施形態)
第4の実施形態においては、耐久保護層49の一部を検査用部材1とする構成を示したが、本実施形態においては、耐久保護層49と検査用部材1を異なる材料で設ける構成を示す。検査用部材1によるアライメント方法及びランク付けについては第4の実施形態と同様である。本実施形態に示す検査用部材1は、第2の実施形態または第3の実施形態に示す製造方法を用いて設けることができる。
第4の実施形態においては、耐久保護層49の一部を検査用部材1とする構成を示したが、本実施形態においては、耐久保護層49と検査用部材1を異なる材料で設ける構成を示す。検査用部材1によるアライメント方法及びランク付けについては第4の実施形態と同様である。本実施形態に示す検査用部材1は、第2の実施形態または第3の実施形態に示す製造方法を用いて設けることができる。
図14は、図12(a)のB−B’切断面図である。耐久保護層49の上に、金属材料などで検査用部材1が設けられている(図14(a))。また、検査用部材1の一部を絶縁保護層48の上に設けることもできる(図14(b))。このように検査用部材1の一部を絶縁保護層48の上に設けることで、検査用部材1よりも小さく耐久保護層49を設けたとしても、同様に評価を行うことができる。
検査用部材1に用いることのできる金属としては、検査時に判別が行いやすく、製造時に加工の行いやすい金属材料であることが好ましく、具体的にはアルミ、銅、銀及び金等を主成分とする材料を用いることができる。
以上のような第4の実施形態または第5の実施形態に示す液体吐出ヘッドを用いて記録動作を長期間行うと、エポキシ樹脂の硬化物からなる吐出口部材4はインクに長期間浸漬されることで膨潤し、これに伴い吐出口3の形状も変化していく。そのため、バーコードなどの検査機器を液体吐出装置に設け、使用中の液体吐出ヘッドの検査用部材1の認識できないセル数を確認し、再度数値化することで、ダミー吐出口6の開口の面積を確認し、再度ランク付けを行うことができる。このランク付けを定期的に行い、吐出条件を調整することで、液体吐出ヘッドを常に同一の吐出量となるように調整することもできる。
1 部材
2 エネルギー発生素子
3 吐出口
4 吐出口部材
5 基体
6 ダミー吐出口
46 流路
41 液体吐出ヘッド
2 エネルギー発生素子
3 吐出口
4 吐出口部材
5 基体
6 ダミー吐出口
46 流路
41 液体吐出ヘッド
Claims (15)
- 液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子を備えた面を有する液体吐出ヘッド用基板と、
前記面と対向する対向部を有し、該対向部を貫通する複数の貫通孔が設けられた吐出口部材と、
を備え、
前記複数の貫通孔は、前記エネルギー発生素子に対応した液体の吐出口を含み、前記面の、前記複数の貫通孔のうちの一部の貫通孔に対向する部分には、対向する前記貫通孔の状態を検査するために用いられる検査用部材が設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記検査用部材は、複数の凸部で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記検査用部材は、中心を一致させた複数の径の円、中心を一致させた複数の大きさの正方形、及びこれらの組み合わせ、の少なくとも一部となるように設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記検査用部材は、中心点を有していることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記検査用部材は、前記貫通孔の設計値より小さい径の第1の検査用部材と、前記貫通孔の設計値より大きい径の第2の検査用部材と、を少なくとも有して設けられていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記面を前記吐出口部材の上側から見たときに、前記貫通孔を介して前記検査用部材が確認できるかどうかで、請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを評価する方法。
- 前記検査用部材は、検査機器の焦点を合わせるために用いられるアライメントマークと、第1の方向と該第1の方向と直交する第2の方向とに並んで設けられた複数のセルと、を含んで設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記複数のセルは、前記第1の方向と前記第2の方向とに沿って、一定の間隔を有して規則的に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記複数のセルが設けられている領域の面積は、前記貫通孔の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記アライメントマークは、前記基板を前記吐出口部材が設けられた側から見たときに、前記吐出口部材の下側に位置するように設けられていることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 前記複数のセルの一部は、前記基板を前記吐出口部材が設けられた側から見たときに、前記貫通孔の下側に設けられていることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 前記検査用部材は、QRコード形状に設けられていることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 前記吐出口部材は、エポキシ樹脂の硬化物で設けられていることを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項7乃至請求項13のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの前記アライメントマークに液体吐出ヘッドを検査する検査機器の焦点を合わせた時に、前記複数のセルのうちの焦点の合うセルの数を確認することで、前記検査用部材に対向する前記貫通孔の開口面積を見積もることを特徴とする液体吐出ヘッドを評価する方法。
- 請求項6または請求項14に記載の評価を行った液体吐出ヘッドを搭載する液体吐出装置であって、
前記液体吐出ヘッドの評価の結果をもとに吐出制御を行う手段を有することを特徴とする液体吐出装置。
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