JP2011147556A - 動作支援装置 - Google Patents

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英祐 青木
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Abstract

【課題】ユーザに違和感を与えることなく、動力によって着座動作を補助する動作支援装置を提供する。
【解決手段】動作支援装置100は、ユーザの膝関節にトルクを加えるモータを有する脚装具12と、ユーザの膝関節角を検出するエンコーダ21bと、ユーザの体幹の前傾角度θbを検出するエンコーダ群21a、21b、及び21cと、モータを制御するコントローラ30を備える。コントローラ30は、エンコーダ21bによって検出される膝関節角θkが目標膝関節角に一致するようにモータをフィードバック制御する。コントローラ30は、エンコーダ群が検出する前傾角度θbが大きくなるに従って、検出される膝関節角θkと目標膝関節角の差に乗じる位置フィードバックゲインを低下させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、人の動作を補助する動作支援装置に関する。特に、人の着座動作を支援する動作支援装置に関する。
ユーザの脚や腕に装着し、アクチュエータの動力によってユーザの筋力を補強するいわゆるパワードスーツが研究されている。パワードスーツの応用として、ユーザの歩行動作、或いは、起立動作や着座動作を補助する動作支援装置が例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。特許文献1の装置は、主に歩行動作を補助する装置である。この装置は、アクチュエータの動力によって、歩行時の大腿の揺動を補助する。特許文献1では、着座動作に影響を与えないようなアクチュエータ制御ルールが提案されている。
特許文献2には、ユーザの脚に装着される脚装具(動作支援装置)であり、エアシリンダを備えている装置が開示されている。この装置は、エアシリンダが発生する動力によって、歩行動作、起立動作、或いは着座動作を補助する。
特開2000−166997号公報 特開2004−261622号公報
起立動作や着座動作においては、ユーザの膝に加わる負荷(正確には、膝を曲げた姿勢で体重を支えるために要する筋力の負荷)が大きい。そのため、起立動作や着座動作を補助するための動作支援装置は、ユーザの膝の負担を軽減することが重要である。膝の負担を軽減する手法として次の2通りが考えられる。一つは、膝関節に予め定められたトルク(目標トルク)を加える方法であり、他の一つは膝関節角が予め定められた軌道(目標軌道)を描くように膝関節をガイドする方法である。ここで、目標軌道は、自然な起立動作(或いは着座動作)において、膝関節角の経時的変化が描くべき軌道である。目標軌道が適切であれば、自然な起立動作(或いは着座動作)となるようにユーザの動作を補助することができる。いずれの場合も、動作支援装置は、ユーザの膝関節にトルクを加えることができるアクチュエータを備える。アクチュエータの出力トルクは、主に膝を伸ばす方向(即ち、体重を支える向き)に作用するように制御される。アクチュエータの出力トルクは、ユーザの動作を補助するためのトルクであるので、以後、補助トルクを称する場合がある。
目標トルクを加える方法はロボット工学におけるいわゆる力制御(トルク制御)に相当し、膝関節角が目標軌道を描くようにガイドする方法は位置制御(角度制御)に相当する。なお、特許文献2の装置では力制御を採用していると推定される。
目標トルク或いは目標軌道が予め定められている場合、ユーザが意図する動作と目標トルク或いは目標軌道が適合しないと、アクチュエータによる補助トルクがユーザに違和感を与える虞がある。本明細書は、着座動作の支援に特化し、ユーザに違和感を与えることをできるだけ抑えつつ、補助トルクによって着座動作を補助する技術を提供する。
着座動作を子細に観察すると、体幹の前傾角度が大きくなるとともに腰の位置が下がることが解る。発明者は、この点に着目し、体幹の前傾角度が大きくなるとともに、腰位置を下げることができるようなアクチュエータの制御ルールを模索した。ただし、前述したように、体幹の前傾角度に依存した目標トルクや目標軌道を採用するのでは、やはり違和感を与える可能性がある。そこで発明者は、センサによって検出される膝関節角を目標膝関節角に追従させる位置フィードバックを採用しながら、体幹の前傾角度が大きくなるに従って位置フィードバックゲインを下げるという制御ルールを創作した。位置フィードバックゲインを下げることによって、膝を伸ばす方向に作用するアクチュエータの出力トルクが小さくなる。アクチュエータが膝に加えるトルク(膝を伸ばす方向に作用する補助トルク)が低下するので腰位置が自然な感じで下がることになる。ここで、位置フィードバック制御が働いているので、腰位置が下がるほどにアクチュエータの出力トルクが増加する。腰位置は、ユーザの体重と筋力(膝関節角を調整する筋力)と出力トルクがバランスする位置まで自然な感じで下がる。ユーザさらに前傾すれば位置ゲインが小さくなりさらに腰位置が下がる。上記の如く前傾角度に応じて位置フィードバックゲインを調整することによって、アクチュエータの出力トルクで補助しながらも着座動作が自然な感じとなるようにユーザの着座動作を補助することが可能となる。即ち、ユーザに与える違和感を抑えながら着座動作を補助することができる。
なお、尻が座面へ着く直前には体幹の前傾角度は再び小さくなる。尻が座面の直上に到達した後は、一方的に腰位置が下がればよく、腰位置を維持する程の補助トルクを与える必要はない。従って、体幹の前傾角度が予め定められた閾値角度に達したら制御ルールを切り換えて(例えば位置フィードバックループを遮断して)アクチュエータの出力トルクを下げればよい。
上記した制御ルールを実現するための動作支援装置の一実施形態は、ユーザの膝関節にトルクを加えるアクチュエータを有する脚装具と、ユーザの膝関節角を検出する第1センサと、ユーザの体幹の前傾角度を検出する第2センサと、アクチュエータを制御するコントローラを備える。コントローラは、第1センサによって検出される膝関節角が目標膝関節角に一致するようにアクチュエータをフィードバック制御する。さらにコントローラは、第2センサが検出する前傾角度が大きくなるに従って、検出される膝関節角と目標膝関節角の差に乗じる位置フィードバックゲインを低下させる。
上記の動作支援装置は、体幹の前傾角度が大きくなるにつれて補助トルクが小さくなるので腰位置が自然な感じで低下する。このように上記の動作支援装置は、ユーザに与える違和感を抑えながらユーザの着座動作を補助することができる。
着座動作の途中で腰の降下速度が増大しないように、コントローラは、速度フィードバック制御も併用し、体幹の前傾角度が大きくなるに従って、膝関節角の角速度とその角速度に対する目標角速度の差に乗じる速度フィードバックゲインを上げるとよい。なお、その場合、動作支援装置は、膝関節角の角速度を検出する第3のセンサを備えるとよい。膝関節角の角速度は、膝関節角の時間差分で求めてよい。
動作支援装置の機械的構造の一例は、ユーザの大腿に装着される上部リンクと、下肢に装着される下部リンクと、上部リンクと下部リンクを連結する回転ジョイントで構成される。上部リンクと下部リンクがユーザに装着されると、回転ジョイントは膝関節の回転軸と同軸に位置するように構成されている。回転ジョイントにはモータが備えられており、そのモータが、上部リンクに対して下部リンクを揺動させる。モータによって下部リンクを揺動するが、ユーザの膝関節にトルクを加えることに相当する。
上記の機構を有する動作支援装置の場合、回転ジョイントの回転角度を検出するエンコーダが、ユーザの膝関節角を検出する第1センサの一例に相当する。上部リンクに対する下部リンクの回転角が、ユーザの膝関節角に対応するからである。また、動作支援装置は、膝関節角を検出するエンコーダのほか、ユーザの足首関節と股関節のそれぞれのピッチ軸周りの角度を検出するエンコーダ群を有するとよい。それらのエンコーダ群が、体幹の前傾角度を検出する第2センサの一例に相当する。足首関節、膝関節、及び、股関節のピッチ軸周りの角度から体幹の前傾角度が算出できるからである。なお、着座動作の場合、地面はほぼ水平であると仮定してよいことに留意されたい。即ち、3個のエンコーダから得られる体幹の前傾角度が、鉛直に対する相対的な前傾角度であると仮定してよい。また、膝関節角の時間差から膝関節角の角速度が得られることにも留意されたい。
着座動作においては、体幹の前傾角度は、足裏に加わる圧力の前後方向の中心位置にほぼ比例する。なお、圧力の中心位置は、重心の前後方向水平位置と基本的に等価である。即ち、上記した動作支援装置が実現する機能の観点からすると、体幹の前傾角度が大きくなることは、圧力の中心位置(即ち、重心の水平位置)が前方へ移動することと本質的に等価である。それゆえ、上記した第2センサは、前傾角度に代えてユーザの足裏に加わる圧力の前後方向の中心位置を検出するセンサであってもよい。その場合、コントローラは、第2センサによって検出される圧力の中心位置が前方へ移動するに従って位置フィードバックゲインを下げれるように構成される。
前傾角度に代えて圧力の中心位置を検出するセンサを採用する場合、足裏の前後2箇所に設けられた圧力センサが第2センサの一例に相当する。足裏の前後2箇所の圧力から圧力中心位置(重心の前後方向水平位置)が算出できるからである。なお、圧力中心位置を精密に検出する必要はないことに留意されたい。圧力中心の概ねの位置(或いは、圧力中心位置が移動したか否か)が検出できれば、上記した効果を得る動作支援装置が実現できる。
本明細書が開示する技術は、ユーザ与える違和感を抑えながら、動力によって着座動作を補助する動作支援装置を提供する。
動作支援装置の模式的側面図を示す(起立姿勢)。 動作支援装置の模式的側面図を示す(着座動作中)。 動作支援装置の模式的側面図を示す(着座直前)。 コントローラのブロック図を示す。 コントローラが実行する制御のフローチャート図を示す。 第2実施例の動作支援装置の模式的側面図を示す(着座動作中)。
図1から図3に、第1実施例の動作支援装置100の模式的側面図を示す。図1は起立姿勢におけるユーザと動作支援装置100の姿勢を示しており、図2は着座途中のユーザと動作支援装置100の姿勢を示しており、図3は着座直前のユーザと動作支援装置100の姿勢を示している。ここでいう起立姿勢とは、膝を真っ直ぐに伸ばして体全体が鉛直方向に沿っている状態を意味する。動作支援装置100は、ユーザの脚に沿って装着される脚装具12と、コントローラ30を備えている。動作支援装置100は、夫々の脚に装着される一対の脚装具12を備えているが、一対の脚装具12の夫々は構造が同じであるので以下では一方の脚装具についてのみ説明する。
脚装具12は、ユーザの大腿から足に亘って装着される。脚装具12は、腰リンク20、上部リンク14、下部リンク16、及び足リンク18が回転ジョイント22、24、及び26によって揺動可能に連結された多関節リンク機構を構成している。腰リンク20は、ユーザの腰に装着される。上部リンク14は、ユーザの大腿に装着される。下部リンク16は、ユーザの下肢に装着される。足リンク18はユーザの足に装着される。夫々のリンクはベルト(不図示)によってユーザに固定される。上部リンク14は、回転ジョイント22によって腰リンク20に揺動可能に連結されている。下部リンク16は、回転ジョイント24によって上部リンク14の下端に揺動可能に連結されている。足リンク18は、回転ジョイント26によって下部リンク16の下端に揺動可能に連結されている。回転ジョイント22は、脚装具12がユーザに装着されると、股関節のピッチ軸と同軸に位置する。回転ジョイント24は、膝関節のピッチ軸と同軸に位置する。回転ジョイント26は、足首関節のピッチ軸と同軸に位置する。なお、「ピッチ軸」とは、ユーザの横方向に伸びる軸を意味する。
各回転ジョイントはエンコーダ21を備えている。回転ジョイント22のエンコーダ21aは、腰リンク20と上部リンク14の相対回転角を検出する。エンコーダ21aが検出する角度は、ピッチ軸周りの股関節角に相当する。回転ジョイント24のエンコーダ21bは、上部リンク14と下部リンク16の相対回転角を検出する。エンコーダ21bが検出する角度は、ピッチ軸周りの膝関節角に相当する。回転ジョイント26のエンコーダ21cは、下部リンク16と足リンク18の相対回転角を検出する。エンコーダ21cが検出する角度は、ピッチ軸周りの足首関節角に相当する。3個のエンコーダ21が検出した角度から、ユーザの体幹の前傾角度θb(図2参照)が算出される。エンコーダ21bが、ユーザの膝関節角を検出する第1センサに相当する。3個のエンコーダ21(21a、21b、及び21c)が、体幹の前傾角度θbを検出する第2センサに相当する。
ユーザの膝関節に対応する回転ジョイント24にはモータ28が取り付けられている。モータ28は、上部リンク14に対して下部リンク16をピッチ軸周りに揺動させることができる。上部リンク14が大腿に装着されており、下部リンク16が下肢に装着されているので、モータ28の出力トルクが、ユーザの膝関節に加える補助トルクに相当する。モータ28は、ユーザの膝関節にトルクを加えるアクチュエータの一例に相当する。
以下の説明のため、回転ジョイント24のエンコーダ21bが検出する角度(即ち膝関節角)を符号θkで表す。膝関節角θkは、図2に示すように、大腿の長手方向に沿って伸びる直線と下肢の長手方向に沿って伸びる直線との間の角度で定義される。膝が曲がる方向が膝関節角θkの正値の方向に相当する。また、本明細書における説明では、体幹の前傾角度θbは、鉛直方向と体幹の長手方向との間の角度で定義される。
動作支援装置100の機能を説明する前に、ユーザの着座動作について説明する。図1が示すように、ユーザが起立姿勢をとっているとき、腰位置が最も高く、また前傾角度θbはほぼゼロである。図2が示すように、着座動作が進むにつれて、体幹の前傾角度θbが大きくなるとともに腰位置が下がる。図3が示すように、着座直前には前傾角度θbがゼロに戻っていくとともに、尻が座面の直上に位置する。
起立姿勢(図1)から前傾角度θbが大きくなるにつれて腰位置が下がる。この間、いわゆる「中腰」の姿勢となるときに、膝関節に高い負荷が加わる。なお、「膝関節に加わる負荷」とは、より厳密には、膝関節角を維持するために大腿及び下肢が発生すべき筋力の負荷を意味する。特に、膝関節が健常でないユーザの場合、起立姿勢から腰位置を下げていく動作が遅くなる傾向がある。即ち、中腰姿勢が長く続くので、動作支援装置100は、この期間において膝関節にトルクを加え、ユーザの体重の一部を支えることが好ましい。図2に示すように、動作支援装置100は、着座動作の間、膝関節を伸ばす向きのトルクTk(補助トルクTk)を出力し、ユーザの体重の一部を支える。
着座動作の後半において、即ち、図2が示す状態から図3が示す状態に移る過程において、前傾角度θbが減少に転じる頃には尻は座面の直上に位置する。尻が座面の直上に位置した後は、尻が座面に着くまで下ろせばよいので、動作支援装置100は、腰の降下速度が大きくならないようユーザの着座動作を補助することが好ましい。
図4と図5を参照して、動作支援装置100が実行する制御を説明する。図4は、コントローラ30のブロック図を示す。
コントローラ30は、ゲイン調整部31、前傾角度算出部32、速度フィードバック部33、位置フィードバック部34、角速度算出部35、及び、メモリ36を備える。コントローラ30内には、膝関節角θkが目標角θr(目標膝関節角)に追従するように位置フィードバックループが構築されている。またコントローラ30内には、膝関節角の角速度dθkが目標角速度dθrに追従するように速度フィードバックループが構築されている。膝関節角の角速度dθkは、エンコーダ21bによって検出された膝関節角θkの時間差分から求められる。この処理は角速度算出部35によって実行される。エンコーダ21bと角速度算出部35が、膝関節角の角速度を検出する第3センサの一例に相当する。目標角θrと目標角速度dθrは、予め定められており、メモリ36に記憶されている。それらの具体的な値については後述する。また、ゲイン調整部31、前傾角度算出部32、速度フィードバック部33、位置フィードバック部34、及び、角速度算出部35は、具体的には、CPUと、そのCPUで各機能を実現するためのプログラムで構成される。
図4から理解されるように、モータ28への指令トルクTkは、次の式(数1)で与えられる。なお、指令トルクTkに従ってモータ28が駆動する結果、動作支援装置100はトルクTk(補助トルクTk)を出力する。
Figure 2011147556
ここで、Kpは位置フィードバックゲインであり、Kvは速度フィードバックゲインである。別言すれば、Kpは、目標角θr(目標膝関節角)と膝関節角θkとの差に乗じるゲインであり、Kvは目標角速度dθrと膝関節角の角速度dθkとの差に乗じるゲインである。これらのゲインは、ゲイン調整部31によって、着座動作の支援中に変更される。ゲイン調整部31は、体幹の前傾角度θbに応じて位置フィードバックゲインKpと速度フィードバックゲインKvを調整する。図4において、位置フィードバック部34と速度フィードバック部33を斜めに横切る矢印が、Kp、Kvを調整することを示している。なお、前述したように、前傾角度θbは、3個のエンコーダ21から算出される。前傾角度算出部32が、各エンコーダの検出値から前傾角度θbを算出する。
目標角θrと目標角速度dθrは予め与えられる。本実施例ではいくつかの目標角θrが予め定められている。一つは、後述する第1閾値であり、例えば10度に定められている。この第1閾値は、膝を軽く曲げた角度に相当する。第1閾値は、ユーザが自力でその膝関節角を保持できる程度の角度に設定される。第1閾値は、着座動作支援に先立って、軽く膝を曲げる姿勢までユーザの姿勢を誘導するために定められている。他の一つは、第2閾値であり、本実施例では90度に定められている。第2閾値については後述する。目標角速度dθrはゼロに定められている。
図5に、コントローラ30が実行する制御のフローチャートを示す。図5のフローチャートにおいて、ステップS2からS4までの処理は、着座動作支援に先立って軽く膝を曲げる姿勢までユーザの姿勢を誘導するための制御である。その制御を着座準備制御と称する。ステップS5からS10までの処理が、ユーザの着座動作を補助するための制御に相当する。その制御を着座動作支援制御と称する。
コントローラ30は、まず、センサデータを取得する(S2)。ステップS2では、コントローラ30は、膝関節に対応するエンコーダ21bの検出値(即ち、膝関節角θk)を取得する。コントローラ30は、膝関節角θkが第1閾値に達するまで、モータ28を低速で回転させる(S3、S4:NO)。前述したように第1閾値は約10度に設定されており、この値は、ユーザが自力で体重を支えられる程度の軽い膝曲げ姿勢に相当する。なお、ステップS2〜S4の着座準備制御では、図4に示したブロック図の構成においてKp=Kpc、Kv=0に設定される。Kpcは予め定められている大きな値である。即ち、着座準備制御においては、通常の位置フィードバック制御によって膝関節角θkが第1閾値まで誘導される。この間、目標角θrは、最初に検出された膝関節角θkから第1閾値まで補間によって生成される軌道に沿って変化する。
膝関節角θkが第1閾値に達すると(S4:YES)、着座動作支援制御に移る。コントローラ30はまず、第1閾値を目標角θrに設定するとともに、目標角速度dθrにゼロを設定する(S5)。
コントローラ30は、次にステップS6にて、3個のエンコーダ21のセンサデータを取得する。次にコントローラ30は、3個のエンコーダ21のセンサデータから体幹の前傾角度θbを算出する(S7)。コントローラ30は、前傾角度θbに基づいて位置フィードバックゲインKpと速度フィードバックゲインKvを算出し、算出された値を位置フィードバック部34のゲインKpと速度フィードバック部33のゲインKvに設定する(S8)。具体的にはコントローラ30は、次の式(数2)に基づいてKpとKvを算出し、設定する。なお、Kpa、Kvaは、予め定められている初期値である。
Figure 2011147556
式(数2)は、次のことを示している。前傾角度θbは、ゼロ付近から70度付近で変化する。着座動作の前半は、前傾角度θbはゼロ付近から70度付近へと増加する。前傾角度θbが大きくなるほど位置フィードバックゲインKpが小さくなり、速度フィードバックゲインKvが大きくなる。コントローラ30は、膝関節角θkが予め定められた第2閾値に達するまで、式(数2)に従ってフィードバックゲインの調整を続ける(S9:NO)。ここで、第2閾値は、90度に設定されている。
コントローラ30は、膝関節角θkが第2閾値に達すると(S9:YES)、位置フィードバックゲインKpをゼロに設定する(S10)。なお、図5のフローチャートでは図示を省略しているが、ステップS10以降は、コントローラ30は、式(数2)で示される速度フィードバックゲインKvの調整を続ける。さらに図示を省略しているが、最後は、ユーザによる制御動作OFFのスイッチ操作によって全ての制御を終了する。
式(数2)で与えられるフィードバックゲイン調整ルールの効果を説明する。前述したように、着座動作支援制御の開始時点では、ユーザの姿勢は、ユーザが自力で体重を支え得る程度の軽い膝曲げ姿勢(θk=第1閾値)となっている。ユーザが膝関節に加える筋力を緩めていくと、膝関節が曲がるとともに腰位置が下がる。このとき、腰位置の低下に連動してユーザの前傾角度θbが大きくなる。動作支援装置100は、膝を伸ばす方向に作用する補助トルクTkを出力しているが、前傾角度θbが大きくなるにつれて位置フィードバックゲインKpが小さくなり、補助トルクTkも小さくなる。ユーザの腰位置は、ユーザが膝を伸ばす方向に加える筋力と補助トルクTkの合力が体重によって膝を曲げる方向に作用するトルクとバランスする位置で止まることになる。ここで、ユーザの腰位置が低下するにつれて位置フィードバックゲインKpが小さくなり、補助トルクTkが小さくなる。すなわち、ユーザが筋力を弱めて腰位置が下がり始めると、補助トルクTkが徐々に小さくなるので、ユーザが筋力を大きく変えることなく、腰位置が徐々に低下する。動作支援装置100の以上の動作によって、ユーザは楽に(筋力の大きな調整を要せずに)腰位置を徐々に下げることができる。即ち、補助トルクTkの変化がユーザの着座動作によくマッチしており、動作支援装置100はユーザに与える違和感を抑制しながら、着座動作を補助することができる。
なお、ユーザが膝を伸ばす方向の筋力を急激に緩めた場合、速度フィードバックの効果によって腰の降下速度が和らげられる。膝関節角θkが大きくなるほど速度フィードバックゲインKvが大きくなるので、腰の低下速度を抑える効果が大きくなる。膝関節角θkが大きくなるほど、腰が下がる速度が遅くなる。そのような動作支援はユーザに安心感を与える。また、位置フィードバックゲインKpが小さくなるに従って速度フィードバックゲインKvが逆に大きくなる。位置フィードバックゲインKpが小さくなると、補助トルクのうち位置フィードバックに起因する成分「Kp(θr−θk)」が小さくなるので腰の低下速度が大きくなりがちである。動作支援装置100は、位置フィードバックゲインKpとは逆に速度フィードバックゲインKvを大きくすることによって、腰の低下速度が大きくなりすぎることを抑制する。
第2閾値は90度に設定されている。式(数2)の第1式から明らかな通り、膝関節角θkが大きくなるにつれて位置フィードバックゲインKpが小さくなり、膝関節角θk=90度でKp=0となる。ステップS8とS9の処理によって、膝関節角θk=第2閾値(90度)に達したのちは、Kp=0に維持される。即ち、ステップS9からS10への移行において位置フィードバックゲインKpの変化が滑らかとなっている。
また、膝関節角θkが90度に達したときには、尻がイスの座面のほぼ真上に到達している。従って、後は尻が座面に着くまで腰を下げればよいだけである。動作支援装置100は、ステップS10以降、位置フィードバックゲインKpをゼロに設定し、腰の低下速度が増すと補助トルクTkが大きくなるような制御ルールを採用する。即ち、膝関節角θkが第2閾値に達したのちは、動作支援装置100は、腰位置に関わらずに、腰がゆっくり低下するように補助トルクTkを出力する。以上の制御にはイスの高さは無関係である。即ち、動作支援装置100は、イスの高さを知ることなく、自然な着座動作となるようにユーザの着座動作を補助することができる。
次に第2実施例の動作支援装置200を説明する。図6に、動作支援装置200の模式的側面図を示す。動作支援装置200は、体幹の前傾角度θbの代わりに、ユーザの足裏に加わる圧力の前後後方の中心位置に基づいて位置フィードバックゲインKpと速度フィードバックゲインKvを調整する。足リンク18に圧力センサ29a、29bを備える他は、第1実施例の動作支援装置100の構成と同じであるので、図6では符号の一部を省略している。また、動作支援装置200の脚装具12の構成等についての説明は省略する。
動作支援装置200は、その足リンク18に2個の圧力センサ29a、29bを備える。圧力センサ29aは足裏の前方、例えば母趾球に相当する位置に配置されている。圧力センサ29bは、足裏の後方、例えば踵に相当する位置に配置されている。図6の下方には、圧力センサ29aと29bの出力の一例を示すグラフを示してある。図6が示すように、ユーザが前傾すると重心G(重心位置)が前方に移動し、後方の圧力センサ29bの出力に比べて前方の圧力センサ29aの出力が大きくなる。即ち、圧力の前後方向の中心位置が前寄りとなる。ユーザが起立姿勢をとると、後方の圧力センサ29bの出力に比べて前方の圧力センサ29aの出力が小さくなる。即ち、圧力の前後方向の中心位置が後ろ寄りとなる。このように、前後の圧力センサ29a、29bのセンサデータから、圧力の前後方向の中心位置が求まる。そして、その中心位置が前方へ移動することは重心Gが前方へ移動することに相当し、さらにこのことは、体幹の前傾角度θbが大きくなることに相当する。逆に、圧力中心位置が後方へ移動することは重心Gが後方へ移動することに相当し、さらにこのことは前傾角度θbが小さくなることに相当する。従って、第1実施例の前傾角度θbの代わりに、足裏に加わる圧力の前後方向の中心位置を用いても、第1実施例の動作支援装置100と同様の効果を得ることができる。
今、圧力の中心位置を符号Pcで表すとともに、中心位置Pcの基準を次の通り定める。ユーザが起立姿勢をとったときの圧力中止位置をゼロに定め、前方に正値をとる。このとき、位置フィードバックゲインKpと速度フィードバックゲインKvの算出式は次の式(数3)で与えられる。
Figure 2011147556
ここで、Pconstは、中心位置Pcの想定され得る最大値にほぼ等しい値に設定される。第2実施例の動作支援装置200の場合、圧力センサ29a、29bが、ユーザの足裏に加わる圧力の前後方向の中心位置を検出する第2センサの一例に相当する。式(数3)の制御ルールによると、動作支援装置200は、圧力の中心位置Pcが前方へ移動するに従って、膝関節角θkと目標角θrの差に乗じる位置フィードバックゲインKpを下げる。また、動作支援装置200は、圧力の中心位置Pcが前方へ移動するに従って、膝関節角の角速度dθkと目標角速度dθrの差に乗じる速度フィードバックゲインKvを上げる。
本明細書が開示する動作支援装置の留意点について述べる。図5に示す制御フローチャートでは、膝関節角θkが第2閾値に達したときに位置フィードバックゲインKpをゼロに設定した(S10)。ステップS10では、そのような処理に代えて、モータ28の動力を遮断する処理を採用してもよい。モータ28と回転ジョイント24の機械的な回転粘性抵抗だけでも、腰が下がる速度を抑制する十分な効果が得られる場合があるからである。別言すると、その場合の動作支援装置のコントローラは、前傾角度が予め定められた閾値角度(前述の第2閾値=90度)に達した場合、或いは、圧力の中心位置が予め定められた閾値位置に達した場合、出力トルクを下げるようにアクチュエータの制御ルールを切り換える。また、実施例の動作支援装置の場合、コントローラは、前傾角度が予め定められた閾値角度に達した場合、或いは、圧力の中心位置が予め定められた閾値位置に達した場合、位置フィードバックゲインをゼロに設定する。なお、完全にゼロでなくとも、実質的にゼロであればよいことに留意されたい。圧力中心に関する閾値位置は、前傾角度θbが前述の第2閾値(=90度)となったときのユーザの姿勢に対応する圧力中心位置に設定される。
式(数2)、式(数3)のゲイン調整ルールは一例であって、本明細書が開示する技術はそれらの式に限定されないことに留意されたい。実施例の動作補助装置が採用する位置フィードバックゲインを下げるという制御ルールは、単純な位置フィードバック制御や力制御と異なり、いわゆるインピーダンス制御の範疇に入る。即ち、上記した制御ルールは、体幹の前傾角度が増加するにつれてアクチュエータのバネ定数を小さくするインピーダンス制御に相当する。但し、本明細書が開示するインピーダンス制御は、力センサを備え、力センサの出力に基づいて予め定められたバネ定数を実現するインピーダンス制御とは異なる。本明細書が開示するインピーダンス制御は、所望のバネ定数を実現するのではなく、ユーザの体重によって受動的に腰位置が低下するようにバネ定数を下げていく点に特徴がある。本明細書が開示する技術は、膝関節へトルクを加えるアクチュエータにインピーダンス制御を導入したことと、そのインピーダンス制御ルールにおけるバネ定数を体幹の前傾角度に連動させて調整することによって、ユーザに与える違和感を抑えながらユーザの着座動作を補助することを達成する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12:脚装具
14:上部リンク
16:下部リンク
18:足リンク
20:腰リンク
21:エンコーダ
22、24、26:回転ジョイント
28:モータ
29:圧力センサ
30:コントローラ
31:ゲイン調整部
32:前傾角度算出部
33:速度フィードバック部
34:位置フィードバック部
35:角速度算出部
100、200:動作支援装置

Claims (2)

  1. ユーザの着座動作を補助する動作支援装置であり、
    ユーザの膝関節にトルクを加えるアクチュエータを有する脚装具と、
    ユーザの膝関節角を検出する第1センサと、
    ユーザの体幹の前傾角度、又は、ユーザの足裏に加わる圧力の前後方向の中心位置を検出する第2センサと、
    第1センサによって検出される膝関節角が目標膝関節角に一致するようにアクチュエータをフィードバック制御するコントローラと、
    を備えており、
    コントローラは、体幹の前傾角度が大きくなるに従って、又は、圧力の中心位置が前方へ移動するに従って、検出される膝関節角と目標膝関節角の差に乗じる位置フィードバックゲインを下げることを特徴とする動作支援装置。
  2. ユーザの膝関節の角速度を検出する第3センサを備えており、
    コントローラは、体幹の前傾角度が大きくなるに従って、又は、圧力の中心位置が前方へ移動するに従って、検出される膝関節角の角速度と目標角速度の差に乗じる速度フィードバックゲインを上げることを特徴とする請求項1に記載の動作支援装置。
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