JP2011144426A - 冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性と形状凍結性に優れた冷延鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】組成は、C:0.010%以上0.030%未満、Si:0.05%以下、Mn:0.3%以下、P:0.05%以下、S:0.02%以下、Al:0.02%以上0.10%以下、N:0.005%以下で、残部が鉄および不可避不純物であり、平均のr値が1.2以下であり、かつ平均の全伸びが41%以上である。熱間圧延を行い、次いで、平均冷却速度:20℃/s以下で冷却し、巻取り温度:0℃以上かつ[{8×(C量+N量×12/14)}−1850]℃〜[{0.5×(C量+N量×12/14)}+520](ただし、式中C量、N量は鋼中のC含有量(ppm)、N含有量(ppm))℃の範囲で巻取った後、圧下率:55%以上で冷間圧延を行い、次いで、焼鈍温度:650℃〜800℃で焼鈍を行うことで得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、大型液晶テレビのバックライトシャーシなど、大型の平板形状をした部品の部材として最適な、成形性と形状凍結性に優れた冷延鋼板とその製造方法に関する。
薄型液晶TVやOA機器などには、曲げ・張出し成形を主体とする加工により成形された平板状の部品が数多く使われている。これらの部品に用いる部材(材料)には、製品の意匠性や薄型化などの観点から、部品形状への加工度に加え、平坦度が要求されることが多い。しかしながら、部材(材料)の平板面に曲げ・張出し成形を行うと平坦度が劣化する傾向にある。このような平坦度の劣化は、部材(材料)をプレス成型する時の部材(材料)の形状凍結性が悪いために生じる現象であるため、部材(材料)としての鋼板には、加工性とともに形状凍結性が要求される。
また、平坦度を悪化させる要因として、曲げ加工時に生じる稜線反りが良く知られている。その中の一つである曲げ端部に発生する反りは、材料のr値を低くすることによって低減されるといわれており、従来から、材料に低r値、低降伏強度を付与する技術が確立されている。
例えば、特許文献1には、降伏強度150MPa、圧延方向のr値0.67(圧延直角方向1.45)をもつ冷延鋼板を開発する技術が確立されている。
また、特許文献2には、巻き取り温度を調整することにより形状凍結性に優れた鋼板を開発する技術が開示されている。
特許文献3には、板面に平行な{100}面と{111}面の比が1.0以上である形状凍結性に優れた自動車用フェライト系薄鋼板が開示されている。
特許文献4には、形状凍結性に優れたフェライト系薄鋼板を得るために、{100}<011>〜{223}<110>方位群の強度と{112}<110>、{554}<225>、{111}<112>、{111}<110>の各方位の強度を制御すること、圧延方向のr値および圧延方向と直角方向のr値のうち、少なくとも一つを0.7以下にすることが開示されている。
特許第3532138号公報 特許第4126007号公報 特開2008−255491号公報 特開2003−55739号公報
しかしながら、近年では、薄型液晶TVやOA機器の大型化・高機能化にともない鋼板の加工が複雑化してきている。このような状況に対応するためには、部材(材料)の形状凍結性向上が必須であり、圧延方向(L方向)、圧延45°方向(D方向)、圧延直角方向(C方向)の全方向でr値を低減する必要がある。例えば、特許文献1および4において規定する{100}<011>〜{223}<110>方位を持つ結晶粒により、圧延方向および圧延直角方向のr値は低減するものの、圧延45°方向のr値を高くしてしまう場合には、圧延45°方向を長手とするような直線形張り出し成形後の形状凍結性を向上することができない。
特許文献2では、巻取り温度を下げることで鋼板のr値を低減させているが、巻き取り温度の過度な低減は全伸びを低下させるため、成形時の材料割れ・破断防止の観点から好ましくない。
特許文献3では、所定の熱間圧延温度域での圧下量、および摩擦係数を厳密に制御する必要があり、さらにMn、Si、P、Alなどの鋼中の成分組成で規定される巻取り温度に制御する必要があるため、安定して製造することが困難である。また、冷延鋼板に関しては、実質的に冷間圧延率を53%程度として製造した場合が開示されているが、このような低冷延率では形状凍結性を向上させるものの、1.0mm程度以下の薄鋼板の製造が困難となる。
本発明は、かかる事情に鑑み、成形性と形状凍結性に優れた冷延鋼板およびその製造方法を提供することにある。
発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究調査を重ねた。
その結果、以下の点を見いだした。複雑な加工を行っても反りが発生しない加工性と、高形状凍結性を両立するためには、冷間圧延後の焼鈍板において、高延性を保ったまま、r値を下げることが重要である。すなわち、平均の伸びを大きくすることで、絞り加工や張り出し加工した時の加工性を確保した上で、部品に要求される形状を確保することができる。さらには、r値を低減することにより、加工後にスプリングバックや反りの発生を抑制し、形状凍結性を確保できる。
そして、上記高延性かつ低r値化は、熱間圧延するに際し、熱延板組織および熱延後の鋼中に含まれる固溶C量および固溶N量を適正化させる目的で巻取り温度を制御することにより、実現される。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1]質量%で、C:0.010%以上0.030%未満、Si:0.05%以下、Mn:0.3%以下、P:0.05%以下、S:0.02%以下、Al:0.02%以上0.10%以下、N:0.005%以下で、残部が鉄および不可避不純物である組成を有し、平均のr値が1.2以下であり、かつ平均の全伸びが41%以上であることを特徴とする冷延鋼板。
[2]前記[1]において、さらに、質量%で、Ti、Bのうちの1種以上をTi:0.02%以下、B:0.005%以下の範囲内で含有することを特徴とする冷延鋼板。
[3]前記[1]または[2]に記載の鋼を用いて、熱間圧延を行い、次いで、平均冷却速度:20℃/s以下で冷却し、巻取り温度:0℃以上かつ[{8×(C量+N量×12/14)}−1850]℃〜[{ 0.5×(C量+N量×12/14)}+520](ただし、式中C量、N量は鋼中のC含有量(ppm)、N含有量(ppm))℃の範囲で巻取った後、圧下率:55%以上で冷間圧延を行い、次いで、焼鈍温度:650℃〜800℃で焼鈍することを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
[4]前記[3]において、前記焼鈍後、引き続き300℃〜400℃の温度で、60s〜300sの過時効処理を行うことを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%、ppmは、すべて質量%、質量ppmである。また、本発明が対象とする冷延鋼板には、冷延鋼板に電気亜鉛めっきや溶融亜鉛めっきなどの表面処理を施した鋼板をも含むものである。さらに、その上に化成処理などにより皮膜をつけた鋼板をも含むものである。
また、本発明の鋼板は、大型TVのバックライトシャーシ、冷蔵庫のパネルや、エアコン室外機など、平面部と曲げ、張り出し、軽度な絞り加工等を施す家電用途一般の部材に広く用いることができる。さらに、本発明を用いれば、例えば、板厚0.8mmの鋼板で、650×500mm程度(32V型)以上のバックライトシャーシを製造可能である。
本発明によれば、高い伸び、低いr値を得ることができ、絞り加工、曲げ加工、張り出し加工を行うことができる成形性と形状凍結性に優れた冷延鋼板が得られる。これにより大型の部品に要求される平板形状を確保可能であり、例えば、大型液晶テレビのバックライトシャーシなどの部材が製造できる。
添加C、N量と適正巻取り温度(CT)と鋼板の平均全伸び(El)、平均r値との関係を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明の鋼板の化学成分について説明する。なお、以下の説明において、成分元素の含有量%は全て質量%を意味するものである。
C:0.010%以上0.030%未満
Cが0.030%以上の場合、炭化物の析出量が多くなり延性が低下する。一方、0.010%未満の場合、製造コスト上昇を招く。よって、Cは0.010%以上0.030%未満とする。
Si:0.05%以下
Siは固溶強化元素であり降伏強度を高め延性を劣化させる。そのため、0.05%以下とする。
Mn:0.3%以下
Mnは硫化物を形成して熱間脆性を改善する元素であるが、固溶強化元素でもあり降伏強度を高め延性を劣化させる。よって、Mnは0.3%以下とする。
P:0.05%以下
Pは固溶強化元素であり降伏強度を高め延性を劣化させる。そのため、0.05%以下とする。
S:0.02%以下
Sは、熱延板の段階で硫化物を形成し、冷延焼鈍後の結晶組織の異方性が増す原因となる。そのため、0.02%以下とする。
Al:0.02%以上0.10%以下
Alは、脱酸元素であり、0.02%以上の添加を必要とする。一方、過度に添加した場合には、焼鈍時に微細に析出して結晶組織の異方性が増す原因となるため、上限は0.10%とする。
N:0.005%以下
Nは鋼中に固溶した場合にはストレッチャーストレインの原因となる。また、微細に析出した場合には、結晶組織の異方性が増す原因となる。以上より、Nは少ないほど望ましく、0.005%以下とする。
上記の元素に加えて、本発明では、下記を目的としてTi、Bのうちの1種以上をTi:0.02%以下、B:0.005%以下の範囲内で含有することができる。
Ti:0.02%以下
Tiは、Nとの親和力が強く、高温で析出物を形成して上記Nの悪影響を緩和する効果を有する。このような効果を得る上では0.005%以上含有するのが好ましい。一方で、過度の添加は製造コスト上昇を招く。以上より、含有する場合は0.02%以下とする。
B:0.005%以下
Bは、侵入型固溶元素であり、鋼中に固溶した場合にr値を下げる働きをする。また、固溶Nを析出物として固定して、ストレッチャーストレインを抑制させる効果がある。このような効果を得るためには0.0002%以上含有するのが好ましい。一方で、過度の添加は、高降伏強度化と低延性化を招くため、含有する場合は、0.005%以下とする。
上記以外の成分は、鉄および不可避不純物からなる。不可避不純物としては、例えばスクラップから混入しやすい0.05%以下のCu、Crや、その他0.01%以下のSn、Nb、Mo、W、V、Ni等が挙げられる。
本発明の冷延鋼板は、圧延方向、圧延45°方向および圧延直角方向の平均のr値を1.2以下とする。
曲げ成形材の曲げ部に発生する反りはr値が高いほど大きくなる。平均のr値を1.2以下とすることで、成形後の形状凍結性を充分に向上させることができる。
なお、平均のr値は以下の方法により測定し求めることができる。圧延方向、圧延45°方向および圧延直角方向からJIS5号引張試験片をそれぞれ切り出し、JIS Z 2254に準拠した塑性ひずみ比試験を予歪み15%にて行う。そして、下記(a)式により求める。
平均のr値 r=(rL+2rD+rC)/4 ・・・(a)
ここで、rL:圧延方向のr値、rD:圧延45°方向のr値、rC:圧延直角方向のr値
本発明の鋼板は、平均の全伸びを41%以上とする。
上記の特性に加えて、平均の全伸びを41%以上と大きくすることで、絞り加工や張り出し加工を行うことができ、部品に要求される形状を確保することができる。張出し成形において、過度に張出し高さが増すと材料の割れを招く。このような材料の割れを防止し、できるだけ張出しの成形高さを高くするには、材料の延性を高くするのが有効である。家電・建材用鋼板用途として平均の全伸びが41%以上であれば、加工を行った際に充分に部品に要求される形状を確保することができる。よって、本発明では、平均の伸びを41%以上とする。好ましくは44%以上である。
なお、平均の全伸びは以下の方法により測定し求めることができる。圧延方向、圧延45°方向および圧延直角方向からJIS5号引張試験片をそれぞれ切り出し、JIS Z 2241に準拠した引張試験を行う。そして、下記(b)式により求める。
平均の全伸び El=(ElL+2ElD+ElC)/4 ・・・(b)
ここで、ElL:圧延方向の伸び、ElD:圧延45°方向の伸び、ElC:圧延直角方向の伸び
次に本発明の鋼板の製造方法について説明する。本発明においては、上記の組成を有する鋼スラブを、熱間圧延し、次いで、平均冷却速度:20℃/s以下で冷却し、巻取り温度:0℃以上かつ[{8×(C量+N量×12/14)}−1850]℃〜[{ 0.5×(C量+N量×12/14)}+520](ただし、式中C量、N量は鋼中のC含有量(ppm)、N含有量(ppm))℃の範囲で巻取った後、圧下率:55%以上で冷間圧延を行い、次いで、焼鈍温度:650℃〜800℃で焼鈍を行うことにより、高い全伸び、低いr値を得ることができる。
加熱温度:1200℃以上(好適条件)
熱間圧延するに際し、加熱中にAlN等の析出物を一旦固溶させ、巻取り後に微細析出させる必要があることから、熱間圧延の加熱温度は1200℃以上とするのが好ましい。
仕上圧延終了温度:880℃以上(好適条件)
仕上げ圧延中にフェライト域に相転位を起こすと、熱延板の組織が不均一になり、材質が不安定になる恐れがある。そのため、仕上げ圧延はオーステナイト単相で行うことが好ましく、仕上圧延終了温度は、好適には880℃以上である。
平均冷却速度:20℃/s以下
仕上げ圧延の後は平均冷却速度:20℃/s以下で冷却する。なお、空冷(放冷)とする場合、10℃/s程度以下の冷却速度となるため、平均冷却速度20℃/s以下を満足する。水冷却を行うこともできるが、過度の冷却は熱延板の結晶粒を微細化し、それに伴って、焼鈍後の結晶粒が微細化し材料強度が上昇し延性が劣化する。そのため、平均冷却速度は20℃/sec以下とする。
巻取り温度(以下、CTと称することもある):0℃以上かつ[{8×(C量+N量×12/14)}−1850]℃〜[{ 0.5×(C量+N量×12/14)}+520](ただし、式中C量、N量は鋼中のC含有量(ppm)、N含有量(ppm))℃
次いで、熱延板をコイル形状に巻取る。この時の巻取り温度は0℃以上かつ[{8×(C量+N量×12/14)}−1850]℃〜[{ 0.5×(C量+N量×12/14)}+520]℃とする。この巻取り温度範囲は、発明者が実験により得られた結果を基に平均のr値、平均の全伸びと、C及びN含有量、CTの関係について解析して得たものである。なお、平均のr値、平均の全伸びと、C及びN含有量、CTの関係について解析したのは、下記のように考えたからである。すなわち、巻取り温度が高すぎるとセメンタイトやAlNが粗大に析出し、焼鈍時にr値低減に不利な再結晶粒の成長が促進されてしまう。これに加え焼鈍時r値低減に有利な再結晶方位を生成する、熱延鋼板中の固溶Cや固溶N量が減少してしまう。一方で、巻取り温度が低すぎると固溶C、N量が過度に増えてしまうことによって、冷延時に多くの変形帯をつくり、焼鈍時そこから生成する再結晶粒が増えることによって焼鈍板の結晶粒径が微細化して延性が低下する。さらに熱延板の結晶粒径が小さくなることによって、焼鈍板の結晶粒径が微細化して延性が低下してしまう。さらに、冷却水が固化して熱延板表面を傷つけないためには、0℃以上とする。なお、平均のr値を1.2以下でかつ平均の全伸びを44%とするには、巻取り温度は500℃以上かつ[{8×(C量+N量×12/14)}−1850]℃〜[{ 0.5×(C量+N量×12/14)}+520]℃とするのが好ましい。
以上のように、巻取り温度は、コイル巻取り時に結晶粒径を粗大化させると同時に炭窒化物を凝集させ熱延板の固溶C、N量を適正化させるため、重要であり、成形性と形状凍結性に優れた冷延鋼板を得るために、巻取り温度を制御することは本発明において重要な要件である。
冷間圧延時の圧下率(冷圧率):55%以上
巻取り後、通常の方法にて酸洗し、圧下率55%以上で冷間圧延を行い、所望の板厚に成形する。低r値化には圧下率は低いほど好ましいが、過度に低くした場合、再結晶するための十分な駆動力が得られず、焼鈍後もひずみが残存した組織となり高強度化、低延性化してしまい、さらに、板厚1.0mm程度以下に仕上げようとした場合、熱延板を過度に薄くせざるを得ず、熱延コストの増加を招いてしまう。以上から圧下率は55%以上とする。なお、圧下率が高くなりすぎると、圧延荷重が大きくなりすぎ圧延が困難となって生産効率が低下する場合があるため、圧下率は85%程度以下とすることが好ましい。
焼鈍温度:650〜800℃
650℃以上800℃以下の焼鈍温度で焼鈍を行うことで粒成長を促す。焼鈍温度は過度に高くするとAlNが溶解し、鋼中に固溶Nが出現しストレッチャーストレインの原因となってしまう。一方で過度に低くすると冷間圧延時に導入されたひずみが解放されずに高YP化、低延性化につながる。よって、焼鈍温度は650℃以上800℃以下とする。
保持時間:30〜200s(好適条件)
上記の焼鈍温度に保持する時間が短いと、再結晶が完了しないか、あるいは、完了しても粒成長が抑制されるために、伸びが低下する。また、固溶Nの拡散が不十分となり、フェライト粒内での固溶Nが残存し、降伏強度が大きくなり、伸びが低下する。したがって、焼鈍時の保持時間は30s以上とすることが好ましい。一方、均熱時間が長くなると、粒が過度に成長し大きくなるため、加工時に肌荒れの問題を発生し、表面性状が悪くなる。したがって、加熱時の均熱時間は200s以下とすることが好ましい。
また、固溶Cを析出させて全伸びを向上するために、焼鈍後の冷却過程において、300℃〜400℃で60〜300s程度の過時効処理を行うことが好ましい。
過時効処理温度を400℃以下とするのはセメンタイト析出の駆動力を高め、析出を促進するためであり、300℃以上とするのはFeおよびCの拡散およびセメンタイトの析出を促進するためである。
また、過時効処理時間は、60s未満であるとその効果が小さく、300sを超えてもその効果が飽和し、生産効率を低下するためであるため、上記範囲とすることが好ましい。
焼鈍後には、板形状の矯正などを目的として調質圧延やレベリングを行っても良い。また、鋼板の表面に亜鉛、クロム、ニッケルといった耐食性を向上させる元素をめっきしたり、耐食性や摺動性などを向上させる化成処理を行っても良い。
なお、本発明の実施に当たり、溶製方法は、通常の転炉法、電炉法等、適宜適用することができる。溶製された鋼は、スラブに鋳造後、そのまま、あるいは、冷却して加熱し、熱間圧延を施す。熱間圧延では、前述の冷却速度で冷却し、前述の巻取り温度で巻取る。その後、通常の酸洗後に、前述の冷間圧延、焼鈍を施す。必要に応じて、480℃近傍で溶融亜鉛によるめっきを行ってもよい。また、めっき後、500℃以上に再加熱してめっきを合金化してもよい。あるいは、冷却途中で保持をおこなうなどの熱履歴をとってもよい。さらに、必要に応じて、0.5〜2%程度の伸び率で調質圧延を行ってもよい。また、焼鈍途中でめっきを施さなかった場合には、耐腐食性を向上させるために電気亜鉛メッキなどを行ってもよい。さらに、冷延鋼板やめっき鋼板の上に、化成処理などにより皮膜をつけてもよい。
以上により、成形性と形状凍結性に優れた冷延鋼板が得られる。
表1に示す化学組成を有するスラブを溶製したのち、表2に示す仕上げ温度(FT)で熱間圧延を行い、表2に示す条件で冷却し、表2に示す巻取り温度(CT)で巻取り処理を行った。次いで、得られた熱延板に対して酸洗した後に70%の圧下率で冷間圧延し、730℃以上800℃以下の範囲の表2に示す焼鈍温度(AT)で焼鈍を行い、1%の伸長率で調質圧延を行って供試材を作製した。なお、冷延後の板厚は0.6〜0.8mmとし、焼鈍時の保持時間は50〜200sとした。また、一部鋼板は、焼鈍後表2に示す条件で過時効処理を行った。
以上により得られた供試材に対して、平均のr値と平均の全伸び(El)を測定した。測定方法は、供試材の圧延方向(L方向)、圧延45°方向(D方向)、圧延直角方向(C方向)からJIS5号引張試験片をそれぞれ切り出し、JIS Z 2241に準拠した引張試験およびJIS Z 2254に準拠した塑性ひずみ比試験を予歪み15%にて行った。そして、前述の(a)式および(b)式により平均のr値と平均の全伸び(El)を求めた。
得られた結果を条件と併せて表2に示す。また、図1にC、N量と適正巻取り温度(CT)と鋼板の平均全伸び(El)、平均r値との関係を示す。
なお、表2に巻取り条件として、巻取り温度が、0℃以上かつ[{8×(C量+N量×12/14 (ppm))}−1850]℃〜[{ 0.5×(C量+N量×12/14(ppm))}+520]℃を満足する場合を△、さらに500℃以上を満足する場合を○とし、これらを満足しない場合を×として記載した。
Figure 2011144426
Figure 2011144426
表2によれば、本発明の組成を有し、本発明の製造方法で製造した鋼板は、平均の全伸び(El)が41%以上であり平均のr値が1.2以下であった。これに対して組成が本発明の範囲外であるか、組成が本発明の範囲内であっても製造方法が本発明の範囲外である鋼板は、El、平均r値のいずれかが劣っていた。
また、図1に本発明に記す適正巻取り温度範囲を図中点線で囲った。この範囲内で製造することにより、平均の全伸び(El)が41%以上であり、平均のr値が1.2以下の鋼板が得られる。さらに、巻取り温度を500℃以上かつC量+N量×12/14を300ppm以下とすることにより、平均の全伸び(El)が44%以上の鋼板が得られる。
そして、以上の結果、本発明の冷延鋼板は、平均の全伸び及び平均のr値が制御され、成形性と形状凍結性に優れることになる。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.010%以上0.030%未満、Si:0.05%以下、Mn:0.3%以下、P:0.05%以下、S:0.02%以下、Al:0.02%以上0.10%以下、N:0.005%以下で、残部が鉄および不可避不純物である組成を有し、平均のr値が1.2以下であり、かつ平均の全伸びが41%以上であることを特徴とする冷延鋼板。
  2. さらに、質量%で、Ti、Bのうちの1種以上をTi:0.02%以下、B:0.005%以下の範囲内で含有することを特徴とする請求項1に記載の冷延鋼板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の鋼を用いて、熱間圧延を行い、次いで、平均冷却速度:20℃/s以下で冷却し、巻取り温度:0℃以上かつ[{8×(C量+N量×12/14)}−1850]℃〜[{ 0.5×(C量+N量×12/14)}+520](ただし、式中C量、N量は鋼中のC含有量(ppm)、N含有量(ppm))℃の範囲で巻取った後、圧下率:55%以上で冷間圧延を行い、次いで、焼鈍温度:650℃〜800℃で焼鈍することを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
  4. 前記焼鈍後、引き続き300℃〜400℃の温度で、60s〜300sの過時効処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の冷延鋼板の製造方法。
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