ここで開示されるハンドルにユーザインタフェースを備えるアブレーション装置、同装置を含むシステム、および同装置を使用して組織アブレーションを行う方法の目的および機能は、それらの様々な実施形態の説明について添付図面を参照しながら読めば、当業者に明らかになるだろう。
以下、本明細書開示されるハンドルユーザインタフェースを備えるアブレーション装置、同装置を含むシステム、および同装置を使用して組織アブレーションを行う方法の実施形態は、添付図面を参照して説明される。図の説明を通して、同様の参照番号は、類似または同一の要素を指し得る。図に示すように、また、本説明で使用しているように、および、対象物の相対的な位置を指す場合の因襲であるように、「近位」という語は利用者により近い装置の部分を指し、「遠位」という語は利用者からより遠い装置の部分を指す。
本説明は、「一実施形態において」、「複数の実施形態において」、「いくつかの実施形態において」または「他の実施形態において」という句を使い得る。これらは、それぞれ、本開示における、一つ以上の同一の実施形態または一つ以上の異なる実施形態を指す。本説明の目的において、「A/B」という形式の句はAまたはBを意味し、本説明の目的において、「Aおよび/またはB」という形式の句は「A、B」または「AおよびB」を意味する。本説明の目的において、「少なくとも一つのA、BまたはC」という形式の句は「(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、(A、B、およびC)」を意味する。
一般的に電磁エネルギーはエネルギーの小さい順または波長の大きな順に、電波、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、およびガンマ線に分類される。本説明中に用いられているように、一般的に「マイクロ波」は、周波数帯域が300メガヘルツ(MHz)(3×108サイクル/秒)から300ギガヘルツ(GHz)(3×1011サイクル/秒)までの電磁波を指す。本説明中に用いられているように、一般的に「アブレーション処置」は、マイクロ波アブレーション、高周波(RF)アブレーション、またはマイクロ波アブレーション支援による切除等、任意のアブレーション処置を指す。本説明中に用いられているように、一般的に「エネルギーアプリケータ」は、マイクロ波電気手術ジェネレータやRF電気手術ジェネレータ等の発電源からのエネルギーを組織に転送するために用いることができる任意の装置を指す。
本説明中に用いられているように、一般的に「伝送線」は、信号をある位置から別の位置に伝播するために用いることができる任意の伝送媒体を指す。本説明中に用いられているように、一般的に「スイッチ」または「スイッチ(複数形)」は、任意の電気的アクチュエータ、機械的アクチュエータ、電動機械的アクチュエータ(回転アクチュエータ、旋回アクチュエータ、トグル様アクチュエータ、ボタン等)、または、光アクチュエータを指す。
本説明中に用いられているように、「長さ」は、電気的長さまたは物理的長さを指し得る。一般に、電気的長さは、伝送媒体の長さを、媒体中で伝播する信号の波長の単位で表現するものである。電気的長さは、通常、波長、ラジアン、または、度の単位で表現される。例えば、電気的長さは、伝送媒体中で伝播する電磁波または電気信号の波長の倍数または約数として表現される。波長はラジアンまたは度等の角度の人工単位で表現される。伝送媒体の電気的長さは、その物理的長さに、(a)電気信号または電磁信号の媒体内伝播時間の、(b)自由空間における媒体物理長と等しい距離についての電磁波の伝播時間、に対する割合を乗じて表現され得る。一般に、電気的長さは物理的長さとは異なる。適切なリアクタンス成分(容量性または誘導性)を追加することで、電気的長さは、物理的長さよりも著しく短く、または長くなり得る。
本開示のさまざまな実施形態は、ハンドルアセンブリに配置されたユーザインタフェース(本開示では、ハンドルユーザインタフェースとも呼ぶ)を備える組織治療用アブレーション装置と、電磁放射を組織に導く方法とを提供する。実施形態は、マイクロ波周波数または他の周波数での電磁放射を利用して実装され得る。さまざまな実施形態において、ハンドルユーザインタフェースを備えたアブレーション装置を含む電気手術システムは、約500MHzから約10GHzの間で動作するように設計および設定されており、指向性放射パターンを提供し得る。
本開示によるアブレーション装置および同装置を含む電気手術システムのさまざまな実施形態は、マイクロ波アブレーション、および、マイクロ波アブレーション支援による切除のために組織を先行凝固させるための使用に適している。以下に説明されるさまざまな方法はマイクロ波アブレーションを対象としており、対象組織を完全に破壊するものだが、電磁放射を導くための方法は、たとえば、心臓組織内への電気インパルス伝導防止等のために、対象組織を部分的に破壊または損傷する他の治療でも利用され得ることを理解されたい。さらに、以下の説明はダイポールマイクロ波アンテナの使用について記述しているが、本開示の教示は、モノポール、ヘリカル、または他の適切な種類のマイクロ波アンテナにも提供され得る。
バッテリセル、バッテリパック、燃料セル、および/または高エネルギーコンデンサは、アブレーション装置に電力を供給するために使用され得ることを想定する。(図1、図5、図6にそれぞれ示す200、500、600等)。たとえば、コンデンサは、バッテリパックと組み合わせて使用され得る。このような場合、コンデンサは一気に放電してバッテリよりも速くエネルギーを提供することができるが、バッテリは典型的には電流を高速に出力することができない低速ドレイン装置である。バッテリは、コンデンサを充電するためにコンデンサに接続され得ると想定される。
バッテリパックは、少なくとも1つの使い捨てバッテリを含み得る。このような場合、使い捨てバッテリは約9ボルトから約30ボルトの間であり得、また、コントローラ20のバックアップ電源として有用であり得る。いくつかの実施形態において、伝送線(図1および図5に示す15等)は、アブレーション装置を電気手術発電源(図1の48等)に接続するために提供される。
図1は、電気手術システム10を示し、アブレーション装置110を含む本開示の一実施形態に従うものである。アブレーション装置110は、一般的に、グリップ部35とハンドル本体33とを含むハンドルアセンブリ30を含み、その遠位端3において、エネルギーアプリケータまたはプローブ100を支持するように構成されている。図1および図3にともに示すように、ハンドル本体33は、頂部「T」、側部「S」、および底部「B」を含む。プローブ100は、本開示の後半でより詳細に説明されるように、一般に、給電線11(またはシャフト)によってハンドルアセンブリ30に接続された放射部を備えるアンテナアセンブリ12を含む。アンテナアセンブリ12および給電線11は、直径および長さ等、さまざまな寸法を備え得る。ハンドルアセンブリ30は、さまざまな実施形態において、給電線11を伝送線15と電気的に結合するように適合されている。図1に示すように、伝送線15は、コネクタ16に接続され得、さらに、マイクロ波電気手術ジェネレータやRF電気手術ジェネレータ等の電気手術発電源48にプローブ100を操作可能なように接続し得る。いくつかの実施形態では、伝送線15の遠位部は、たとえば、グリップ部35内および/またはハンドル本体33内等、ハンドルアセンブリ30内に配置される。
アブレーション装置110は、本開示の複数の実施形態において、(一般的には図1の200として示すように)ハンドルアセンブリ30上にユーザインタフェース含む。ユーザインタフェース200は、本開示の複数の実施形態において、コントローラ20を含み、かつ、電源オン・オフ引き金すなわちスイッチ21,放射線検出器24、および、音声、可視、または他の知覚アラームであり得る、認知可能な知覚アラートを提供するように適合された指示ユニット22を含む。コントローラ20は、コントローラ20のメモリ(図示されていない)に格納された一連の命令を実行することができる任意の種類の計算装置、計算回路、または、任意の種類のプロセッサまたは処理回路を含み得る。電源オン・オフ引き金すなわちスイッチ21、放射線検出器24および/または指示ユニット22はコントローラ20と電気的に結合され得る。
ユーザインタフェース200は、さらに、または、代替的に、プローブ100に送達される電力パラメータ(電圧、電力、および/または電流の強さ等)をユーザが調整できるように適合された強度コントローラ25を含む。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース200は、流体の圧力および/または流速を監視および/または調整するように適合され、かつ、異常な流体循環状態を示す信号を発生可能な流量監視システム26を含み得る。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース200は、プローブ100から反射された電力信号を監視するように適合された反射電力監視システム23を含み得る。強度コントローラ25、流量監視システム26および/または反射電力監視システム23は、コントローラ20に電気的に結合され得る。
指示ユニット22は音声および/または可視的表示装置を含み得る。指示ユニット22は、さまざまな実施形態において、電力が指示ユニット22に与えられると信号を発生するロジックまたは電気回路を含むアラーム、すなわち出力コンポーネント220を含む。いくつかの実施形態において、指示ユニット22は音声信号を発生するように適合され、出力コンポーネント220は、スピーカー225を備えた音声回路を含む。いくつかの実施形態において、指示ユニット22は可視的信号を発生するように適合され、出力コンポーネント220は発光ダイオード(LED)等の光源を含む。指示ユニット22は、さらに、ユーザに情報/フィードバックを提供するために、液晶ディスプレイ(LCD)などのフラットパネルディスプレイのような表示装置(図示されていない)、または他の適切な表示装置を含み得る。
図1に示した実施形態において、指示ユニット22は、ハンドル本体33の頂部「T」に並べて配置された第一LED221および第二LED222を含む。第一LED221および第二LED222は、それぞれ、情報/フィードバック(可視的フィードバック等)をユーザに提供することが想定される。たとえば、第一LED221の照明は電源がオンであることを示し得、第二LED222は電源がオフであることを示し得る。第一LED221および第二LED222は、単一色または多色であり得る。一実施形態において、第一LED221は緑色LEDであり、第二LED222は赤色LEDである。理解されるように、第一LED221は赤色LEDであり得、第二LED222は緑色LEDであり得る。第一LED221および第二LED222の形および大きさは、それぞれ、図1に示す構成と異なっていてよい。第一LED221および第二LED222の代わりに、単一のLEDが利用され得るものと考えられる。
指示ユニット22は、さらに、または、代替的に、1つ以上の音声指示装置を含む。図1および図3にともに示すように、スピーカー25は、ハンドル本体33の側部「S」上に配置され得る。任意の数および任意の大きさのスピーカーがハンドル本体33および/またはグリップ部35に組み込まれ得るものと考えられる。第一LED221および第二LED222のそれぞれ、および、スピーカー225の、たとえばハンドル本体33の遠位端3に対する位置は、図1に示す構成と異なっていてもよい。
ユーザインタフェース200は、さまざまな実施形態において、電源オン・オフスイッチ21を含む。図1に示す実施形態において、電源オン・オフスイッチ21は用心鉄212内に置かれた引き金211を含む。引き金211および用心鉄212の形および大きさは、図1に示す構成と異なっていてもよい。電源オン・オフスイッチは任意の適切なスイッチ構成を利用し得る。アブレーション装置110での利用に適切であり得るスイッチ構成の例は、押しボタン、引き金、ロッカー(図5に示す521等)タクト、スナップ、ロータリー、スライド(図6に示す621等)、およびサムホイールを含むが、それらに限定されない。
放射線検出器24は、さまざまな実施形態において、コントローラ20に電気的に結合されており、電磁放射線を検出可能で、かつ、電気信号等の別のエネルギー形式に変換することができる任意の適切な装置を含み得る。いくつかの実施形態において、放射線検出器24は放射線吸収層および/またはシンチレータ結晶を含み得る。放射線検出器の実施形態の例は、2009年8月18日に出願された同一出願人による米国特許出願番号12/542,785、名称「マイクロ波アブレーションアンテナ放射線検出器」(MICROWAVE ABLATION ANTENNA RADIATION DETECTOR)に開示されており、その開示は参照によりその全体において本明細書に組み込まれている。放射線が放射線検出器24により検出された場合、本開示のアブレーション装置の実施形態は電源オフの状態(図4に示す「S1」等)に移行する。ユーザは、必要ならば修正アクションを実行した後、ハンドルユーザインタフェース上の電源オン・オフスイッチ(図1に示す21等)を動かして、処理を開始、再開しまたは再起動する。
いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース200は、ハンドル本体33上でスライドするように支持された強度コントローラ25を含む。図1と図3とで共同して示されているように、強度コントローラ25は、ハンドル本体33の外表面に形成されたガイドチャンネル1とガイドチャンネル2において各1つずつスライドするように支持されている一組のこぶ(図3に示す251と252等)を含む。こぶ251とこぶ252をハンドルアセンブリ30の両側部「S」上に提供することにより、強度コントローラ25は、ユーザのどちらの手からも簡単に操作され得るので、右利きまたは左利きのユーザによる操作が可能になる。
強度コントローラ25は、本開示の複数の実施形態において、スライド型ポテンショメーターであり、こぶ251とこぶ252は、相対的に低強度の設定に対応する第一位置(ハンドル本体33の近位端に最も近い位置等)、相対的に高強度の設定に対応する第二位置(ハンドル本体33の遠位端に最も近い位置等)、および、中強度の設定に対応する複数の中間位置を備える。理解されるように、近位端から遠位端までの強度設定は、高強度から低強度へのように、逆にしてもよい。強度コントローラ25のこぶ251およびこぶ252、ならびに、対応するガイドチャネル1およびガイドチャンネル2は、低強度設定から高強度設定まで、出力強度の選択が容易になるように、一連の位置を定義するような一連の連携したとびとびの位置または戻り止めを備え得る。一連の連携した不連続の位置または戻り止めは、さらに、執刀医にある程度の触感フィードバックを提供し得る。
強度コントローラ25は、電力パラメータ(たとえば、電圧、電力、および/または電流の強さ)および/または電力対インピーダンス曲線の形を調整するよう設定され、感知される出力強度に影響を与える。たとえば、こぶ251および252を遠位方向において側部でより大きく移動させると、アブレーション装置110に伝送される電力パラメータのレベルが大きくなる。強度設定は、事前設定され、かつ、電気手術器具/付属器具の選択、所望の手術効果、手術の専門性、および/または執刀医の希望等に基づいて参照テーブルから選択され得る。選択は自動的に行われてもよいし、ユーザによって手動で選択されてもよい。強度の値は、既定されていてもよいし、ユーザによって調整されてもよい。
図1に示すように、強度コントローラ25は、その上に、たとえば、目盛り記号「G」および/またはワット数レベル(「80W」または「140W」等)の印を含み得る。印は、たとえば、こぶ251およびこぶ252がスライドして動くことができるガイドチャネル1とガイドチャンネル2の側部に平行して、エッチング、スタンプ、成形、または同様の方法で付加され得る。印のデザインおよび位置は、図1に示す構成と異なっていてよい。
強度コントローラ25は、「クリック」の触感等、ある程度の触感フィードバックを提供するように適合され得る。さらに、または、代替的に、可聴フィードバックが、強度コントローラ25(可聴クリック等)、電気手術発電源48(可聴音等)、および/または、スピーカー225(可聴音等)から生成され得る。可聴音の例は、ビープ音、クリック音または時計音、ハムノイズ、一定音、パルス音、および音声を含む。
さまざまな設計の強度コントローラ、および、ハンドルアセンブリ30上における強度コントローラのさまざまな配置は、適切に使用され得る。強度コントローラの実施形態の例は、同一出願人による米国特許第7,156,844号、名称「制御が改善された電気手術ペンシル」(ELECTROSURGICAL PENCIL WITH IMPROVED CONTROLS)に開示されており、その開示は参照によりその全体において本明細書に組み込まれている。
スイッチ21および/または強度コントローラ25の代替として、または、これらに加えて、ユーザインタフェース200は音声入力技術を含み得る。音声入力技術は、コントローラ20に接続されたハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むか、または、コントローラ20に接続された別のデジタルモジュールを含み得る。音声入力技術は、音声認識、音声駆動、音声調整、および/または組み込みスピーチを含み得る。ユーザは、アブレーション装置の動作を、全体的にまたは部分的に音声コマンドを介して制御することが可能となり得るので、ユーザの片手または両手を自由にして他の機器の操作に使うことができる。音声または他の可聴出力もまた、ユーザにフィードバックを提供するために使用され得る。
流量監視システム26は、本開示の実施形態において、流体がプローブ100を通る際の、プローブ100への流入の、および/または、プローブ100からの流出の圧力および/または流速を感知するセンサを含む。いくつかの実施形態において、センサは、ダイアフラムまたはピストン等、機械的センサである。他の実施形態において、センサは、測温抵抗体または電力変換器等、電気的センサである。流体監視システム26は、プローブ100および/または流動性があるようにプローブ100と結合された導管に対する流体の流入および/または流出速度の計測を実現するよう適合された流量センサを含み得る。流体監視システム26は、プローブ100および/または流動性があるようにプローブ100と結合された導管に対する流体圧力の計測を実現するよう調整された圧力センサを含み得る。LED(図6に示す623等)の色の変化は異常な流体循環状態を示すために使われてもよく、または、LEDの点滅速度は流体の速度および/または圧力を示すために使われてもよい。流体監視システムの実施形態の例は、同一出願人により2009年9月29日に出願された米国特許出願番号12/568,972、名称「流体冷却マイクロ波アブレーションプローブ用流速モニタ」(FLOW RATE MONITOR FOR FLUID COOLED MICROWAVE ABLATION PROBE)、2009年9月24日に出願された米国特許出願番号12/566,299、名称「アブレーションプローブへの流体の流れ阻害の光学的検出」(OPTICAL DETECTION OF INTERRUPTED FLUID FLOW TO ABLATION PROBE)、および、2009年9月29日に出願された米国特許出願番号12/569,685、名称「流体冷却マイクロ波アブレーションプローブ用流速モニタ」(FLOW RATE MONITOR FOR FLUID COOLED MICROWAVE ABLATION PROBE)に開示されており、その開示は参照によりその全体において本明細書に組み込まれている。
反射電力監視システム23は、コントローラ20に電気的に結合され、プローブ100から反射して戻ってきた電力信号を検出可能な任意の適切な装置を含み得る。たとえば、エネルギーはアブレーションされた組織から反射し、アンテナアセンブリ12により受信され得る。(アンテナと給電線とがインピーダンス整合されていない場合等において、)アンテナアセンブリ12に転送されないエネルギーは反射し、エネルギー源に戻り得る。反射電力監視システム23は、入射電力および反射電力を監視する電力センサを含み得る。電力センサは、アンテナアセンブリ12に利用される電気手術発電源48の出力電力を計測し得る。電力計測システムの実施形態の例は、同一出願人により2008年9月30日に出願された米国特許出願番号12/242,102、名称「マイクロ波アブレーションジェネレータ制御システム」(MICROWAVE ABLATION GENERATOR CONTROL SYSTEM)に開示されており、その開示は参照によりその全体において本明細書に組み込まれている。本開示でさらに詳しく後述するように、ハンドルユーザインタフェース200のコントローラ20は、反射電力標本を既定の閾値と比較した結果に基づいて、アブレーション装置110を電源オフの状態に移行させ得る。
ユーザインタフェース200は、本開示の実施形態において、表示項目同士をさらに区別できるようにするため、画面上および/またはスイッチ上に異なる色および/または明度のテキストを含む。ユーザフィードバックに含まれ得る形態は、たとえば、光のパルスパターン、音響フィードバック(指定された時間間隔で鳴り得るブザー、ベル、ビープ等)、言葉でのフィードバック、および/または、触覚振動性フィードバック(非同期モーターまたはソレノイド等)である。視覚、聴覚、触覚フィードバック(ユーザによって知覚される振動フィードバックのレベル等)は、強度に応じて増減し得る。さらに、ユーザがユーザインタフェース200を見ることなく適切なスイッチを押下または他に移動することができるように、スイッチは互いに異なる高さに置かれ、かつ/または、隆起した印または他のテクスチャ特徴(凹面または凸面等)を含み得る。
ユーザインタフェース200は、1つのまたは複数の分離したディスプレイ画面および入力装置(スイッチまたはボタン等)を含み得る。または、入力装置は、画面の全部または一部に組み込まれ得る。たとえば、ユーザが操作フィードバックを見ながら入力できるように、タッチスクリーン液晶ディスプレイ(LCD)が使用され得る。タッチスクリーンLCDは、抵抗膜方式、静電容量方式、または、超音波表面弾性波を含み得る。本方式は、画面コンポーネントの密閉を容易にしてアブレーション装置の消毒を助け、さらに、粒子および/または流体の汚染を防ぐことを容易にする。いくつかの実施形態において、使用中または準備中の画面参照において融通が利くように、ディスプレイ画面は旋回または回転するようにアブレーション装置に搭載される。ディスプレイ画面はアブレーション装置に、たとえば、ヒンジで連結されるか、または、ボールソケット型搭載され得る。
本開示の実施形態において、放射線検出器24および流量監視システム26等、さまざまなセンサによって監視されるアブレーション装置110の情報の少なくとも一部は、手術室内のビデオ画面または監視システムに提供され得る。たとえば、手術室監視システムの受信器へ、アブレーション装置組込みまたは付属の通信用送信機から、Bluetooth(登録商標)、ANT3(登録商標)、KNX(登録商標)、Z−Wave(登録商標)、X10(登録商標)、ワイヤレスUSB、Wi−Fi(登録商標)、IrDA(登録商標)、NanoNet(登録商標)、TinyOS(登録商標)、ZigBee(登録商標)、802.11 IEEE、および他の無線通信、赤外線通信、UHF通信、VHF通信を含む技術を介して、データが転送され得る。このような特徴は、アブレーション装置110のユーザ、または、他の手術室または病院の職員、または遠隔地にいる人々による監視を容易にし得る。
以下、本明細書の実施形態で開示されるプローブ100は、図1および図2を参照して説明される。給電線11は、任意の適切な柔軟性、半剛性または剛性のマイクロ波伝導性ケーブルから形成され得、かつ、電気手術発電源48に直接接続し得る。代替的に、給電線11は、アンテナアセンブリ12を伝送線15経由で電気手術発電源48に電気的に接続し得る。給電線11は、アンテナアセンブリの近位端から伝送線15の遠位端までのさまざまな長さを有し、約1インチから約12インチまでの長さ範囲であり得る。給電線11は、銅、金、銀、または同程度伝導率を備える他の導電性金属等、適切な導電性材料で形成され得る。給電線11は、組織および/または皮膚に穴を開けるのに必要な強度を一般に提供するステンレス鋼から作られ得る。給電線11を形成するために使われる導電性素材は、導電性向上、エネルギー損失削減等、特性向上のために、金または銀のような他の導電性素材等、他の素材でめっきされ得る。いくつかの実施形態において、給電線11はステンレス鋼を含み、その導電性向上のために、ステンレス鋼は銅または金等の導電性素材の層によって表面を覆われ得る。給電線11は、内部導体、内部導体を同軸で囲む誘電材料、および、誘電材料を同軸で囲む外部導体を含み得る。アンテナアセンブリ12は、給電線11の先端をアンテナアセンブリ12まで延ばす内部導体の一部から形成される得る。給電線11は、電力処理を向上させるために生理食塩水または水等の流体によって冷却されることがあり、かつ、ステンレス鋼カテーテルを含み得る。
いくつかの実施形態において、発電源48は、約500MHzから約2500MHzまでの使用可能な周波数のマイクロ波エネルギーを提供するよう設定される。他の実施形態において、発電源48は約500MHzから約10GHzまでの使用可能な周波数のマイクロ波エネルギーを提供するよう設定される。発電源48は、さまざまな周波数の電磁エネルギーを提供するよう設定され得る。伝送線15は、さらに、または代替的に、冷却材源18からプローブ100に冷却材を提供するよう設定された導管(図示されていない)を提供し得る。
アンテナアセンブリ12の遠位端に置かれた端カバー、すなわち先細部120は、最小限の抵抗で組織に挿入することができるように鋭い先端123を終点とし得る。端カバー、すなわち先細部120は、たとえば、丸型、平面型、正方形、六角形、または円柱円錐形の先端123等、他の形状を含み得る。
いくつかの変形では、アンテナアセンブリ12は遠位放射部105および近位放射部140を含む。接合部材130が提供され得る。接合部材130、または、その一部は、近位放射部140および遠位放射部105の間に配置され得る。いくつかの実施形態において、遠位放射部105および近位放射部140は、一般に粘着剤等の誘電材料で作られた接合部材130と一列に置かれており、さらに、遠位放射部105の少なくとも一部を通って伸びる内部導体によっても支持される。接合部材130は、任意の適切なエラストマー誘電材料またはセラミック誘電材料から任意の適切なプロセスによって形成され得る。いくつかの実施形態において、接合部材130は、オーバーモールド成形され、たとえば、ポリエーテルブロックアミド(例:PEBAX(登録商標)、アルケマ・グループ製、フランス・コロンブ)、ポリエーテルイミド(例:ULTEM(登録商標)および/またはEXTEM(登録商標)、SABIC、イノベーティブプラスチックス製、サウジアラビア)、および/または、ポリイミドベースのポリマー(例:VESPEL(登録商標)、イー・アイ・デュポン・ド・ヌムール・アンド・カンパニー製、アメリカ合衆国デラウェア州ウィルミントン)等の熱可塑性エラストマーを含む。接合部材130は、任意の適切なオーバーモールド成形合成物を用いて、任意の適切なプロセスで形成され得、かつ、セラミック基質の使用を含み得る。
いくつかの実施形態において、アンテナアセンブリ12は、冷却室(図示されていない)を備え得る。さらに、接合部材130は、冷却材の冷却室への流入および冷却室からの流出を容易にするために、冷却材の流入ポートおよび流出ポート(図示されていない)を含み得る。冷却室、および冷却材の流入ポートおよび流出ポートの例は、同一出願人により2009年3月10日に出願された米国特許出願番号12/401,268、名称「冷却され誘電的にバッファされたマイクロ波ダイポールアンテナ」(COOLED DIELECTRICALLY BUFFERED MICROWAVE DIPOLE ANTENNA)、および米国特許第7,311,703号、名称「マイクロ波アンテナ冷却用装置および方法」(DEVICES AND METHODS FOR COOLING MICROWAVE ANTENNAS)に開示されている。
いくつかの実施形態において、アンテナアセンブリ12は、遠位放射部105、接合部130、および/または近位放射部140の周囲に配置された外部ジャケット(図示されていない)を備え得る。外部ジャケットは、たとえば、ポリマー材料またはセラミック材料等、任意の適切な素材で形成され得る。外部ジャケットは、たとえば、熱収縮、オーバーモールド、コーティング、噴霧浸漬、パウダーコーティング、焼き付け、および/または、膜蒸着等、任意の適切な方法により適用され得る。外部ジャケットは、低導電性材料から形成された水冷カテーテルであり得る。
アブレーション処置等の処置の間、電気手術システム10を用いて、プローブ100は組織内に挿入されるか、組織付近に置かれ、そして、そこにエネルギーが供給される。超音波断層撮影またはコンピュータ断層撮影(CT)による誘導は、治療される組織領域にプローブ100を正確に導くために利用され得る。プローブ100は、たとえば従来の手術技法を用いて手術スタッフにより、経皮的または外科的に配置される。臨床医は、マイクロ波エネルギーが適用される時間の長さを予め決定し得る。適用時間は、腫瘍の大きさと位置、および、腫瘍が二次癌か原発癌か等の、多くの要素に依存し得る。プローブ100を用いてのマイクロ波エネルギー適用時間は、破壊されるべき組織領域内および/または周辺組織内の熱分布の進度に依存し得る。単一または複数のプローブ100は、数分等の短い処置時間でアブレーションを実現し、対象組織領域の癌細胞を破壊し得る。
複数のプローブ100は、実質的に同時に対象組織領域のアブレーションを行うことでできるだけ速く処置するために、さまざまな並べ方で配置され得る。複数のプローブ100は、相乗的に大きなアブレーションを作成するため、または、同時に別々の部位のアブレーションを行うために使用され得る。組織アブレーションの大きさおよび形状は、エネルギーアプリケータの設計、同時に使用されるエネルギーアプリケータの数、アブレーション時間およびワット数、ならびに組織の特徴等、さまざまな要素に影響される。
操作において、波長ラムダ(λ)を備えるマイクロ波エネルギーは、近位の放射部140および遠位の放射部105に沿って等、アンテナアセンブリ12を通して伝送され、そして、組織等の周辺媒体に放射される。効率的な放射のためのアンテナ長は、放射されている媒体の誘電特性に依存する有効波長λeffに依存し得る。マイクロ波エネルギーはアンテナアセンブリ12を通って波長λで伝送されるが、このアンテナアセンブリ12は、たとえば、肝組織と乳房組織とが対照的であるように、周囲の媒体に応じて異なる有効波長λeffを備えてもよい。
図2において、図1のアンテナアセンブリ12の一実施形態が示されており、これは内部導体210、外部導体260を含み、かつ、内部導体210と外部導体260を分離する第一の誘電材料240が含まれ得る。いくつかの実施形態において、内部導体210は第一の導電性材料(ステンレス鋼等)から形成され、外部導体260は第二の導電性材料(銅等)から形成される。いくつかの実施形態において、外部導体260は、アンテナアセンブリ12の遠位部に沿って内部導体210を同軸で囲む。内部導体210および外部導体260は、任意の適切な導電性材料から形成され得る。
第一の誘電材料240は、セラミック、水、雲母、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(別名PTFEまたはテフロン(登録商標)、イー・アイ・デュポン・ド・ヌムール・アンド・カンパニー製、アメリカ合衆国デラウェア州ウィルミントン)、ガラス、または酸化金属を含むが、それらに限定されない、任意の適切な誘電材料から形成され得る。アンテナアセンブリ12は、外部導体260および/またはパック130、またはそれらの一部を囲む第二の誘電材料290を備え得る。第二の誘電材料290は、任意の適切な誘電材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、第二の誘電材料290は、第一の誘電材料240の誘電性とは異なる誘電性を備える材料から形成され得る。
いくつかの実施形態において、アンテナアセンブリ12は、任意の適切な導電性材料から形成され得る導体端部280を含む。いくつかの実施形態において、導体端部280は内部導体210に結合され、内部導体210と同一の材料から形成され得る。図2に示すように、導体端部280は、外部導体260との間に配置されたパック130により外部導体260から離して配置され得る。先細領域210、または、その一部は、導体端部280の近位部分を囲み得る。いくつかの実施形態において、導体端部280は実質的に円柱形で、かつ、ステンレス鋼から形成され得る。導体端部280の形および大きさは、図2に示す構成と異なっていてよい。いくつかの実施形態において、導体端部280の少なくとも一部は、第二の誘電材料290によって囲まれる。
図4は、本開示における状態図の一実施形態を示し、ハンドルユーザインタフェース振る舞いを、電源オン・オフの状態、流体循環の状態、放射線検出器の状態、および反射電力の状態について説明するものである。図4の状態図に従って操作し得る、本開示によるハンドルユーザインタフェースの実施形態は、図1のハンドルユーザインタフェース200を含む。図1に示したアブレーション装置の実施形態において、たとえば、ハンドルユーザインタフェース200は、電源オン・オフスイッチ21、流量監視システム26、放射線検出器24、および、反射電力監視システム23、および、強度コントローラ25を含む。本開示の他の実施形態における、ハンドルユーザインタフェースとともに構成されたアブレーション装置は、図5,図6、図8に示し、本開示の後半で説明する。以下において電源オン・オフ状態はマイクロ波(MW)電力の単位で説明されるが、図4の状態図で説明されるアブレーション装置の実施形態は、マイクロ波周波数での電磁放射、またはその他の周波数での電磁放射を使用して実装され得る。
図4に示すように、電源オン・オフスイッチを作動するアクション421は、電源オン・オフスイッチを作動した時点でMW電力がオンと判断されれば、本開示のアブレーション装置を電源オフ状態「S1」に移行し、電源オン・オフスイッチを作動した時点でMW電力がオフと判断されれば、電源オン状態「S2」に移行する結果となる。電源オフ状態「S1」のとき、本開示の実施形態において、MW電力はオフ、緑のLED(図1に示す221等)はオフ、かつ、赤いLED(図1に示す222等)は点灯している。電源オン状態「S2」のとき、MW電力はオフ、緑のLEDは点灯、かつ、赤いLEDはオフである。図4に点線で示されているように、電源オン・オフスイッチを作動するアクション421は、MW電力がオンと判断されれば、電源オフ状態「S1」からの移行をもたらし、代替的には、MW電力がオフと判断されれば電源オン状態「S2」からの移行をもたらす。
アブレーション装置が電源オン状態「S2」のとき、電力レベル制御サンプル525は、たとえば強度コントローラ25のユーザ操作等による電力レベル変更が入力済みか否かを判断するために使われ得る。たとえば、電力レベルがインクリメントされたと判断した場合には、MW電力が増加される。電力レベルの増加および/または減少に伴って、視覚、聴覚および/または触覚フィードバックが行われ得ると考えられる。
アブレーション装置が組織に対して適切に配置されていないときにプローブが通電されると、または、プローブが通電状態であるときにプローブが全体的にまたは部分的に組織から外されると、意図しない放射線被曝が発生し得る。本開示に実施形態において、放射線検出サンプル424は、放射線が検出されるか否かを判断するために使用され得る。ハンドルユーザインタフェースの実施形態(図1、図5、図6にそれぞれ示す200、500、600)は放射線が検出されたと判断される場合には、たとえば患者およびユーザの安全を確保する等のために、アブレーション装置を電源オフ状態「S1」に移行するよう適合されている。
本開示の実施形態において、反射電力、Prefのサンプル423は、プローブ100から反射した電力信号が検出されるか否かを判断するために使用され得る。図4に示されるように、Prefと既定の閾値を比較した結果に基づいて、ハンドルユーザインタフェースはアブレーション装置を電源オフ状態「S1」に移行させ得る。既定の閾値は、たとえば電気手術器具/付属器具の選択等に基づいて、参照テーブルから取得され得る。
図5は、ハンドル本体530の形状、電源オン・オフスイッチ521の設定、および指示ユニット520の設定を除いては、図1のアブレーション装置110と類似している、本開示の一実施形態によるアブレーション装置500示す。アブレーション装置500は、コントローラ20、放射線検出器24、反射電力監視システム23、強度コントローラ25、および、図1の第一LED221と第二LED222とを含み、また、これ以上の説明は簡略化のため省略されている。
指示ユニット520は、一般に、視覚的な知覚アラームを提供するために適合されている。図5に示した実施形態において、指示ユニット520は、ハンドル本体533の頂部近位に整列配置された第一LED221および第二LED222を含む。第一LED221および第二LED222の形、大きさおよび位置は、図5に示す構成と異なっていてよい。指示ユニット520は、さらに、または、代替的に、音声および/または他の認知可能な知覚アラートを提供するために適合されている。
電源オン・オフスイッチ521は、一般に、電気回路のオン・オフを切り替える目的、または、ある電気回路を別のものに切り替える目的を達成するために適切な任意のスイッチであり得る。図5に示す実施形態において、電源オン・オフスイッチ521は、ロッカータイプのスイッチであり、回転軸を挟んで突き出ていてスイッチ521の押下可能なオペレータと交互に噛み合うようになっている2つの羽根部を一般に含む。
図6は、ハンドル本体630の形状、電源オン・オフスイッチ621の設定、および指示ユニット620の設定を除いては、図1のアブレーション装置110と類似している、本開示の一実施形態によるアブレーション装置600示す。アブレーション装置600は、少なくとも、放射線検出器24、強度コントローラ25、および、図1の第一LED221、第二LED222を含み、これ以上の説明は簡略化のため省略されている。
図6に示すように、指示ユニット520は、図1の第一LED221および第二LED222、および、第三LED623を含み得る。いくつかの実施形態において、第三LEDの色の変化は、異常な流体循環状態を示すために使われ得る。図6に示す実施形態において、電源オン・オフスイッチ621は、スライドタイプスイッチである。電源オン・オフスイッチ621の形、大きさ、および位置は、図6に示す構成と異なっていてよい。
本開示の複数の実施形態は、図7に示すように、フィードバックコントロールシステム701を含み得る。フィードバックコントロールシステム701は、フィードバックコントローラ703を含む。データポート(図示されていない)を備えたアブレーション装置(図5に示す500等)は、データポート経由でフィードバックコントローラ703に接続される。データポートは、有線接続(たとえば、FireWire(登録商標)、USB、RS232シリアル、RS485シリアル,USART、イーサネット(登録商標)等)、および/または無線接続(たとえばBluetooth(登録商標)、ANT3(登録商標)、KNX(登録商標)、Z−Wave(登録商標)、X10(登録商標)、無線USB、Wi−Fi(登録商標)、IrDA(登録商標)、NanoNet(登録商標)、TinyOS(登録商標)、ZigBee(登録商標)、802.11 IEEE、および他の無線、赤外線、UHF、VHF通信等)である。
図7について、フィードバックコントローラ703は、アブレーション装置によってフィードバックコントローラ703に送信されたデータを格納し、さらに、そのデータを処理および分析するように設定される。フィードバックコントローラ703は、さらに、ビデオディスプレイ704、ビデオプロセッサ705、および、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ストレージ装置等のコンピューティング装置706のような他の装置と接続される。ビデオプロセッサ705は、フィードバックコントローラ603によって、ビデオディスプレイ704での出力用に生成された出力データを処理するように適合されている。コンピューティング装置706は、フィードバックデータの処理に適合されている。一実施形態において、コントローラ524によって実行されたセンサフィードバック分析の結果は、コンピューティング装置706によって後で取得するために、内部的に格納され得る。
フィードバックコントローラの実施形態の例は、2008年8月12日に出願された同一出願人による米国特許出願番号12/189,834、名称「電動外科用ステープリング装置」(POWERED SURGICAL STAPLING DEVICE)に開示されており、その開示は参照によりその全体において本明細書に組み込まれている。
図8は、ハンドル本体833の形状、およびプローブ860の近位端に配置されたオスコネクタを除いては、図1のアブレーション装置110と類似している、本開示の一実施形態によるアブレーション装置800示す。アブレーション装置800は、図1のハンドルユーザインタフェースを含むが、これ以上の説明は簡略化のため省略されている。
ハンドル本体833は、オスコネクタ812と操作可能なように接続されている。複数の実施形態において、オスコネクタ812は、少なくとも係合位置と解放位置との間で可動である固定部材811を含む。複数の実施形態において、ハンドル本体833は、プッシュボタン等のユーザが操作可能なスイッチ815を含み得、固定部材811がメスコネクタ(図9に示す916等)と係合している係合位置から、固定部材811がメスコネクタから解放される解放位置まで、オスコネクタ812を移動させるように操作可能である。オスコネクタ812の形および大きさは、図8に示す構成と異なっていてよい。
図9は、貝殻形アセンブリ917、ルーメン934を定義するチューブ状部930、および、チューブ状部930の近位端905と結合されているメスコネクタ916を含む、本開示による指向性反射アセンブリ910の一実施形態を示す。メスコネクタ916は、図8のアブレーション装置800のオスコネクタ812と係合するよう適合されている。図10は、図8のアブレーション装置800の底面図であり、そのプローブ860に搭載された図9の指向性反射アセンブリ910とともに示されている。
貝殻形アセンブリ917は、さまざまな実施形態において、外部911および内部912を含み、一般的にそのなかでプローブ860の遠位部861を受けるように設定された、内部912の平面表面「S」に定義される凹部を含み得る。
外部911は、たとえば、銅、ステンレス鋼、チタンニッケルーチタンやチタンーアルミニウムーバナジウム合金等のチタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、炭化タングステン合金、または、それらの組み合わせのような導電性材料を含み得る。外部911の一部は、放射指向性およびインピーダンス整合を助けるために、低誘電率領域から中誘電率領域の誘電材料を装填し得る。一般に、誘電体誘電率の値は、導電性部材911からの半径方向の距離に伴って増加する。いくつかの貝殻形または他の形状の、異なる誘電材料がともに入れ子になって外部911を形成し得る。
内部912は誘電材料を含み得る。いくつかの実施形態において、内部912は、誘電材料の層を含む。たとえば、内部912は1つ以上の薄層、1つ以上の厚層、または、薄層と厚層を混ぜ合わせたものを含み得る。内部912は、外部911で使われている誘電材料がある場合にはそれと同じか、または、異なる任意の適切な誘電材料から成り得る。内部912を形成するために使われる誘電材料の誘電率はさまざまで、貝殻形、または、複雑な誘電層で、アンテナ指向性および組織に伝達されるエネルギーを最適にする。複数の実施形態において、内部912を形成するために使われる誘電材料は、電磁場の指向的な影響を増すため、比較的高い誘電率k(k=80等)を有し得る。
貝殻形アセンブリ917は、所望の表面アブレーションの形状を提供するような方法、および、インピーダンス整合を助けるような方法で形成され得る。貝殻形アセンブリ917は、任意の適切な形状を有することができ、かつ外科手術の間に直面する狭い空間向けに設計され得る。貝殻形アセンブリの実施形態の例は、2009年9月28日に出願された同一出願人による米国特許出願番号12/568,524、名称「電気手術装置、これに結合可能な指向性反射アセンブリ、および同装置を含む電気手術システム」(ELECTROSURGICAL DEVICES, DIRECTIONAL REFLECTOR ASSEMBLIES COUPLEABLE THERETO, AND ELECTROSURGICAL SYSTEMS INCLUDING SAME)に開示されており、その開示は参照によりその全体において本明細書に組み込まれている
上記の、ハンドル上ユーザインタフェースを備えた組織治療用アブレーション装置は、加熱領域が電気手術装置の片側に集中し得る、指向性マイクロ波アブレーションを提供するために使用され得、それによって、臨床医は、腫瘍を直接貫通したり、必要以上の健康組織に影響を及ぼしたりすることなく、小腫瘍および/または硬腫瘍を対象とすることができるようになる。本開示の、ハンドル上ユーザインタフェースおよび指向性反射アセンブリを備えたアブレーション装置は、腫瘍と重要組織の間に電気手術装置を設置し、電磁波を腫瘍に向かわせ、かつ、敏感な組織から遠ざけることによって、臨床医が大血管、健常器官、または生命維持に必要な膜障壁のような重要組織をアブレーションしないようにすることを可能にし得る。
以下、本開示におけるエネルギーを組織に向ける方法を、図11を参照して説明する。ここで提供される方法のステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、組み合わせ、および、ここで提示した内容とは異なる順番で実施され得ることは理解されるであろう。
図11は、本開示の一実施形態におけるエネルギーを組織に向ける方法を示すフローチャートである。ステップ1110において、アブレーション装置(図1および図3に示す110等)が提供される。アブレーション装置は、ハンドルユーザインタフェース(図1に示す200等)、および、ハンドルユーザインタフェースに操作可能なように接続されたアンテナアセンブリ(図1および2に示す12等)を含むプローブ(図1に示す110等)を含む。ハンドルユーザインタフェースは、電源オン・オフスイッチ(図1に示す21等)、コントローラ(図1に示す20等)、および少なくとも1つのセンサ(図1に示す放射線検出器24等)を含み、コントローラは少なくとも一つのセンサから発生した電気信号に応じて電源オン・オフスイッチの操作をオーバーライドするように設定されている。コントローラは、アブレーション装置を電源オフの状態(図4に示す「S1」等)に移行させることにより電源オン・オフスイッチの操作をオーバーライドするように設定され得る。
ステップ1120において、アブレーション装置(図1に示す110等)は組織に配置される。アブレーション装置は、直接組織に挿入されるか、静脈等の内腔、針、またはカテーテルを通して挿入されるか、臨床医によって手術中に体内に置かれるか、または、他の適切な方法によって体内に置かれ得る。アブレーション装置は、指向性放射パターンで動作するよう設定され得る。
ステップ1130において、エネルギーは、エネルギー源(例えば図1に示す)からアンテナアセンブリ(図1および図2に示す12等)を通して伝送される。エネルギー源は、出力信号を生成するための、任意の適切な電気手術ジェネレータであり得る。いくつかの実施形態において、エネルギー源はマイクロ波エネルギー源であり、約500MHzから約10GHzまでの操作可能な周波数のマイクロ波エネルギーを提供するよう設定され得る。いくつかの実施形態において、エネルギー源は、選択された位相、振幅、および周波数を備える電力を供給する。
複数の実施形態は、説明と解説を目的とした添付図面を参照して詳細に説明されているが、発明の目的と装置はこれにより限定されると解釈されるべきではないことは理解されるであろう。本開示の範囲から逸脱することなく、前記実施形態に対するさまざまな修正が行われ得ることは、当業者にとって明らかであろう。