JP2011140181A - 光輝性樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents

光輝性樹脂成形品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光輝性装飾を隔てた電波通信を必要とする機器に用いられる光輝性樹脂成形品であって、電波通信の精度を向上し得る構成を提供する。
【解決手段】支持基材3の表面に光輝フィルム2を一体的に配設してなる光輝性樹脂成形品1にあって、光輝フィルム2の裏面に、導電材料からなる薄膜状のアンテナ本体7を絶縁材料11で被覆してなるシート状アンテナ4を形成する。そして、絶縁材料11による被覆を欠落させてアンテナ本体7を裏面側に露出させる接続部12を設けるとともに、前記支持基材3に、該支持基材3の裏面側から前記接続部12に電気的に接続するための接続用開口部6を形成するようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、表面に金属調の装飾が施された光輝性樹脂成形品及びその製造方法に関する。
従来の自動車では、利用者が携帯する携帯機と、車両の電子制御ユニットとの間で電波通信を行いドアの施錠・開錠を行うシステムが採用されており、自動車の外部ドアハンドルや携帯機には、電波通信用のアンテナが内蔵されている(例えば、特許文献1)。また、従来の自動車では、車両前後に装着されたエンブレムの裏側に、車間距離や障害物との距離を計測するレーダーが配設されている(例えば、特許文献2)。
特開2008−274581号公報 特開2000−49522号公報
上記外部ドアハンドルや携帯機、エンブレムの多くは、メッキや蒸着等によって金属調の光輝性装飾が施されており、上記施錠・開錠システムやレーダーの電波通信は、かかる光輝性装飾を隔てて行わなくてはならず、光輝性装飾を形成する金属薄膜による電波損失が問題となっている。
本発明は、かかる現状に鑑みて為されたものであり、光輝性装飾を隔てた電波通信を必要とする機器に用いられる光輝性樹脂成形品にあって、電波通信の精度を向上し得る構成の提供を目的とする。
本発明は、支持基材の表面に光輝フィルムを一体的に配設してなる光輝性樹脂成形品であって、光輝フィルムの裏面には、導電材料をアンテナ形状に形成してなる薄膜状のアンテナ本体を、絶縁材料で被覆してなるシート状アンテナが形成されており、前記アンテナ本体は、絶縁材料によって被覆されずに裏面側に露出する接続部を備えており、前記支持基材には、該支持基材の裏面側から前記接続部に電気的に接続するための接続用開口部が形成されていることを特徴とする光輝性樹脂成形品である。
本発明の光輝性樹脂成形品は、光輝フィルムの裏面にシート状アンテナを備えており、支持基材の接続用開口部を介して、かかるシート状アンテナを電波通信装置本体と接続すれば、シート状アンテナを介して光輝フィルムの真裏から電波を送受信することが可能となる。このように、光輝フィルムの真裏から電波を送受信すれば、従来構成よりも送受信方向に近い位置での送受信が可能となるため、本発明によれば、光輝フィルムの金属薄膜による電波損失を低減でき、電波通信の精度を向上可能となる。また、本発明のように、光輝フィルムと支持基材の間にアンテナを配設すれば、光輝性樹脂成形品の裏側に配設される従来のアンテナを削減できるため、光輝性樹脂成形品の裏側の構成を簡素化可能となる。
本発明にあって、前記アンテナ本体は、アンテナ形状をなす複数の導電層を、絶縁材料からなる中間層を介して複数積層し、各導電層を接続部で短絡してなるものである構成が提案される。
また、かかる構成にあって、前記シート状アンテナは、前記接続部以外の箇所に、前記中間層を貫通して、積層された導電層同士を短絡する導電性の短絡部を備えることが提案される。
さらに、かかる構成にあって、前記アンテナ本体は3層以上の導電層を備えており、前記短絡部は、各導電層を短絡する部位が厚み方向に重なり合わないように、互い違いに配設されている構成が提案される。
本発明の光輝性樹脂成形品は、光輝性装飾の内側で電波を送受信する機器に好適に採用し得る。具体的な用途としては、車両の外部ドアハンドルの外側部分を構成するドアハンドルカバーや、車両の全部又は後部に配設されてレーダーを覆うエンブレムなどが挙げられる。
本発明の光輝性樹脂成形品の製造方法として、光輝フィルムの裏面に、絶縁性ペーストと導電性ペーストとを印刷することにより、シート状アンテナを形成するアンテナ形成工程と、該アンテナ形成工程の後に、光輝フィルムに凹凸形状を形成する賦形工程と、凹凸形状を形成した前記光輝フィルムを金型にセットしてフィルムインサート成形を行うことにより、光輝フィルムの裏面に支持基材が溶着した成形品を得る射出成形工程とを備える製造方法が提案される。かかる製造方法によれば、光輝フィルムの裏面にシート状アンテナを簡単に形成することができる。
以上に述べたように、本発明の光輝性樹脂成形品にあっては、光輝性樹脂成形品の光輝フィルムの真裏にシート状アンテナが配設されており、該シート状アンテナを介して光輝フィルムの真裏から電波通信を行うことによって、光輝性装飾の金属薄膜による電波損失を軽減可能となる。また、アンテナを光輝フィルムに内蔵することで、従来構成では、光輝性樹脂成形品の裏側に配設されていたアンテナを削減可能となる。このため、かかる光輝性樹脂成形品を採用すれば、外部ドアハンドルにあってはハンドルの内部スペースを有効活用可能となり、前記携帯機にあってはアンテナ削減分だけ小型化が可能となり、エンブレムにあってはエンブレムの裏側のスペースを有効活用可能となる。また、本発明の光輝性樹脂成形品の製造方法によれば、上記光輝性樹脂成形品を効率よく製造することができ、上記光輝性樹脂成形品を量産化可能となる。
(a)は、実施例1の光輝性樹脂成形品1の斜視図であり、(b)は、実施例1の光輝性樹脂成形品1を備えた外部ドアハンドルPの斜視図である。 実施例1の光輝性樹脂成形品1の分解斜視図である。 実施例1の光輝性樹脂成形品1の裏面図である。 (a)は、シート状アンテナ4の裏面図であり、(b)は、(a)中のA−A線断面図であり、(c)は、(a)中のB−B線断面図である。 実施例1の光輝性樹脂成形品1の製造工程を示す説明図である。 実施例2の光輝性樹脂成形品1aの斜視図である。 実施例2の光輝性樹脂成形品1aの分解斜視図である。
本発明に係る光輝性樹脂成形品は、電波通信を行う機器の外表面を構成する光輝性樹脂成形品一般に採用できる。特に、意匠や機能上の理由から、アンテナを外部に露出させるのが不適な機器に対して好適に用いられる。具体的には、車両のエンブレムや、外部ドアハンドルのドアハンドルカバー、ドアの施錠・開錠に用いる前記携帯機の筐体などが挙げられる。
本発明に係る光輝フィルムには、金属薄膜の表裏を樹脂で被覆してなる既知の光輝フィルムを採用できる。光輝フィルムは、全面が金属光沢を有している必要はなく、その一部に金属光沢以外の装飾を施すことができる。
金属薄膜は、樹脂フィルムに真空蒸着してなる真空蒸着膜や、樹脂フィルムにスパッタリングしてなるスパッタ膜が好適に用いられる。金属薄膜の材料は特に限定されないが、望ましいものとしては、アルミニウム、インジウム、ニッケル、クロム、ステンレスなどが挙げられ、特に、電波透過性に優れたインジウムが好適である。
本発明に係る支持基材の形状や材料は、既存の光輝性樹脂成形品と同じものを採用できる。支持基材の材料としては、ABS樹脂、ポリカABS、AES樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル樹脂などが挙げられる。
アンテナ本体の平面形状には、平面上に配置可能な線状アンテナの形状全般を採用でき、例えば、ループアンテナやダイポールアンテナ等の形状を採用できる。また、アンテナの具体的な形状は、必要とされる通信周波数や通信領域に応じて決定される。
アンテナ本体は、アンテナ形状をなす複数の導電層を、絶縁材料からなる中間層を介して複数積層し、各導電層を接続部で短絡してなるものであることが望ましい。かかる構成では、製造時や製造後に加わる様々なストレスから導電層を保護することが可能となる。すなわち、製造時にシート状アンテナを賦形したり、シート状アンテナの裏面に支持基材を射出成形したりする場合には、アンテナ本体に熱や圧力、曲げ力などのストレスが加わることとなる。また、製造された光輝性樹脂成形品のアンテナ本体は、熱変化や衝撃、振動などのストレスに晒される。本構成では、アンテナ本体に加わるこれらのストレスを、中間層が緩和することによって、導電層の断線を防止することが可能となる。また、かかる構成では、アンテナ本体が複数の導電層からなる並列的で冗長な回路構成となるため、仮に導電層の一部が断線した場合でもアンテナ本体の機能を維持できるという特徴がある。特に、アンテナ本体に加わる曲げ力などのストレスは厚み方向に不均一であるから、厚み方向に積層された導電層は一部が断線しても他の導電層は断線していないことが多く、また、導電層間には中間層が配設されるため断裂が他の導電層に広がることがない。したがって、本構成のように、厚み方向に回路構成を並列化すればアンテナ本体の機能を効果的に保持可能となる。このように、かかる構成とすれば、中間層によって各導電層の断線を防止できるとともに、仮に導電層に断線が生じた場合でもアンテナ本体の機能が損なわれ難くなるため、アンテナ本体が、不良率や故障率の低い、信頼性の高いものとなる。
また、接続部以外の箇所に、前記中間層を貫通して、積層された導電層同士を短絡する導電性の短絡部を形成することが望ましい。かかる短絡部を設けて、隣接する導電層を電気的に短絡することによって、アンテナ本体の導電経路が網目状となって冗長性が増し、導電層が複数箇所で断線した場合でもアンテナ本体の機能が失われ難くなる。
また、前記アンテナ本体が3層以上の導電層を備える場合には、各導電層を短絡する短絡部が厚み方向に重なり合わないように、互い違いに配設することが望ましい。短絡部が厚み方向に重なり合っていると、短絡部が重なった部位において断線が生じた時に、一箇所の断線でアンテナ本体が機能しなくなるためである。
シート状アンテナは、例えば、ペースト状の導電材料と絶縁材料を繰返し印刷・乾燥することで形成できる。導電材料としては、銀や銅などの金属や、カーボンを用いることが挙げられ、シート状アンテナを印刷形成する場合には、銀ペーストや銅ペースト、カーボンペーストなどの既存の導電性ペーストを好適に使用できる。絶縁材料には、前記導電材料や光輝フィルム、支持基材との親和性が高い材料を用いることが望ましい。また、絶縁材料は、伸縮性に富み、前記導電材料よりも柔らかいことが望ましい。絶縁材料が柔軟であるほど、導電材料の変形や、導電材料への衝撃を緩和するクッションとして好適に働き、シート状アンテナが断線し難いものとなる。シート状アンテナを印刷によって形成する場合には、既存の絶縁性インキを絶縁材料として用いることができる。絶縁性インキの種類は特に限定されないが、比較的柔軟な1液型インキやUV硬化型インキを用いることが望ましく、特に、溶剤を含まず、溶剤により導電材料が腐食するおそれのない紫外線硬化型インキを用いることが望ましい。
本発明の光輝性樹脂成形品は、光輝フィルムの裏面に、絶縁性ペーストと導電性ペーストとを印刷することにより、シート状アンテナを形成するアンテナ形成工程と、該アンテナ形成工程の後に、光輝フィルムに凹凸形状を形成する賦形工程と、凹凸形状を形成した前記光輝フィルムを金型にセットしてフィルムインサート成形を行うことにより、光輝フィルムの裏面に支持基材が溶着した成形品を得る射出成形工程とによって製造可能である。
アンテナ形成工程では、絶縁性ペースト(絶縁材料)と導電性ペースト(導電材料)とを印刷して積層することにより、シート状アンテナを形成する。絶縁性ペースト及び導電性ペーストの印刷には、薄膜成形に用いられるスクリーン印刷等の印刷方法を採用できる。一層の導電層は、一回の導電性ペーストの印刷によって形成してもかまわないし、導電性ペーストを複数回刷り重ねることによって形成してもかまわない。
賦形工程は、圧空成形によって行うことが望ましい。ここで、圧空成形によって賦形工程を行う場合は、光輝フィルムの裏面を型面に押し当て、金属光沢を有する表面を型面で傷つけないようにすることが望ましい。また、圧空成形の際には光輝フィルムの表裏の圧力差を50〜300気圧にして成形することが望ましい。圧力差が50気圧であれば、フィルム材料のガラス転移点以下の温度で光輝フィルムを成形することができ、光輝フィルムのドローダウンによる熱源の近接、また、これによる白化を防ぎつつ、高圧力により圧空型に確実に倣った寸法精度の高い凹凸形状を形成できる。また、金属薄膜は、樹脂膜に比べて成形時にひび割れが生じやすく、また熱によって白化して光沢が劣化し易いなどの欠点があるが、本発明のように、金属薄膜の表裏を表面樹脂層と裏面樹脂層で支持してなる光輝フィルムを使用して、且つ、圧力差が50気圧以上の圧空成形によって80〜150℃程度の低温で成形すれば、金属薄膜にひび割れや白化を生じさせることなく、正確な凹凸形状を有する光輝フィルムを得ることができる。
射出成形工程は、既存のフィルムインサート成形によって行うことができる。この射出成形工程では、支持基材以外の樹脂部材を合わせて成形することができる。例えば、後述の実施例2における保護部材は、支持基材の成形時に前後して光輝フィルムの表面に射出成形することで成形できる。
また、本発明の製造方法には、上記工程以外にも、種々の工程を組み合わせることができる。例えば、光輝フィルムは上記工程間で適宜裁断することが可能である。
図1(a)は、本実施例の光輝性樹脂成形品1の斜視図である。この光輝性樹脂成形品1は、自動車の外部ドアハンドルのドアハンドルカバーであって、図1(b)に示すように、ドアハンドル本体Qの外側を覆うように取り付けられて、中空部Rを有する外部ドアハンドルPを構成する。図示省略しているが、ドアハンドルPの中空部Rには、光輝性樹脂成形品1のシート状アンテナ4に接続するための電波通信装置のリード線や、利用者を検知するタッチセンサ等が内蔵される。
この光輝性樹脂成形品1は、図1(a),図2に示すように、樹脂製の支持基材3の外側表面に金属光沢を有する光輝フィルム2を一体的に接合してなるものであって、湾曲した横長板状をなしている。また、光輝フィルム2と支持基材3の間には、本発明に係るシート状アンテナ4が光輝フィルム2及び支持基材3と一体的に配設される。支持基材3は黒色のAES樹脂からなるものであり、その表面は、長尺方向に沿って円弧状に湾曲しており、光輝フィルム2及びシート状アンテナ4は、支持基材3の表面形状に倣うように湾曲している。
光輝フィルム2は、金属薄膜と、該金属薄膜の表面側を覆う透明な表面樹脂層と、該金属薄膜の裏面側を覆う黒色の裏面樹脂層とを一体的に接合してなるものである。金属薄膜は、厚さ約500Åのインジウム薄膜からなるものであり、この金属薄膜によって光輝フィルムの表面に金属光沢が付与される。裏面樹脂層は、厚さ約200〜250μmの透光性を有するABS樹脂製フィルムで構成される。表面樹脂層は、金属薄膜の表面に接する厚さ約15〜30μmの透明なPET樹脂層と、該PET樹脂層の表面と接する厚さ約50〜150μmの透明なPMMA樹脂層とで構成される。PET樹脂層は金属薄膜形成時の基材を構成するものであり、PMMA樹脂層は、主に金属薄膜を保護するものである。かかる光輝フィルム2については、既知の光輝フィルムを好適に用い得るため、詳細な説明は省略する。
シート状アンテナ4は、図2に示すように、光輝フィルム2の裏面と、支持基材3の表面との間に一体的に設けられる。このシート状アンテナ4は、導電材料をアンテナ形状に形成してなる薄膜状のアンテナ本体7を、絶縁材料11によって被覆してなる厚さ100μm程度のものである。絶縁材料11はアンテナ本体7を構成する導電材料よりも柔軟な材料によって構成され、アンテナ本体7を電気的に被覆するとともに、物理的な衝撃や変形などからも保護する。具体的には、図3、4に示すように、アンテナ本体7の平面形状は五重のループ形状をなしており、その両端部を接続用の接続部12,12としている。アンテナ本体7は、絶縁材料11によって表裏両側を被覆され、その接続部12,12のみを裏面側に露出させている。支持基材3には、図2,3に示すように、支持基材3を厚み方向に貫通する接続用開口部6が、接続部12を臨む位置に形成されており、該接続用開口部6に接続用の端子等を挿入し、接続部12,12に当接させれば、アンテナ本体7を電波通信装置本体に接続できる。
アンテナ本体7は、図4(b),4(c)に示すように、導電材料からなる三層の導電層8を厚み方向に積層してなるものである。各導電層8は同一の五重ループ状をなしており、厚み方向に重なり合うように積層され、各導電層8の間は、絶縁材料11からなる中間層9によって隔てられている。中間層9によって隔てられた導電層8は、図4(c)に示すように、接続部12,12部分において相互に短絡されるとともに、中間層9を貫通する短絡部13によって所々で短絡される。短絡部13は導電層8と同じ導電材料からなり、中間層9を貫通して厚み方向に隣接する導電層8同士を短絡している。また、各導電層8を短絡する短絡部13は、図4(c)に示すように、互い違いに配設されて厚み方向に重なり合わないようになっている。
このように、本実施例のドアハンドルカバー(光輝性樹脂成形品)1は、光輝フィルム2の裏面にシート状アンテナ4が配設されているため、電波通信装置本体を、外部ドアハンドルPの中空部Rから接続用開口部6を介してシート状アンテナ4に接続すれば、該シート状アンテナ4によって電波を送受信可能となる。したがって、かかる外部ドアハンドルPを用いれば、外部ドアハンドルPを介して行う電波通信の一部又は全部をシート状アンテナ4を使用して行うことが可能となる。ここで、かかるシート状アンテナ4は、光輝フィルム2の真裏に配設されているため、光輝フィルム2の金属薄膜による電波損失が少なく、かかるシート状アンテナ4を用いることで、従来構成よりも電波通信の精度を向上できる。また、従来の外部ドアハンドルでは、中空部に配設したアンテナを介して電波通信を行っているが、本実施例のドアハンドルカバー1を用いた外部ドアハンドルPでは、中空部Rに設けるアンテナの一部又は全部を、シート状アンテナ4で代替できるから、中空部Rに設けるアンテナをなくしたり、小型化したりすることで、中空部Rのスペースを別の用途に活用可能となる。
また、本実施例にあっては、アンテナ本体7を三層の導電層8によって構成し、さらには、各導電層8を短絡部13によって所々で短絡させることで、冗長性のある導電経路が形成されているから、導電層8が複数箇所で断線した場合でも、両接続部12,12の間の導通を維持できるという利点がある。
また、本実施例にあっては、アンテナ本体7を、該アンテナ本体7を構成する導電材料よりも柔軟な絶縁材料11によって被覆するとともに、各導電層8の間に該絶縁材料11からなる中間層9を形成している。このため、かかるシート状アンテナ4では、絶縁材料11が緩衝材として機能することで、アンテナ本体7を変形や衝撃、熱による膨張・収縮などから好適に保護できる。
次に、上記光輝性樹脂成形品1の製造方法を説明する。上記光輝性樹脂成形品1は、以下に説明する各工程を順番に行うことによって製造される。
<光輝フィルム製造工程>
光輝フィルム製造工程では、PET樹脂フィルム(PET樹脂層)の片面にインジウムを真空蒸着して金属薄膜を形成し、金属薄膜を形成したPET樹脂フィルムの両面に、PMMA樹脂フィルム(PMMA樹脂層)とABS樹脂フィルム(裏面樹脂層)を夫々接着し、金属薄膜と裏面樹脂層と表面樹脂層とからなる三層構造の光輝フィルム2を製造する。なお、PET樹脂フィルム(PET樹脂層)に対するインジウムの真空蒸着はインライン式の真空蒸着装置を用いて連続的に行うことができる。各フィルムの製造及び接着は、周知の方法によって可能であるため、詳細な説明は省略する。
<アンテナ形成工程>
アンテナ形成工程では、図5(a)に示すように、賦形前の平坦な光輝フィルム2の裏面に透明インキ(絶縁材料)と銀ペースト(導電材料)を繰返し印刷・乾燥することによって、光輝フィルム2の裏面にシート状アンテナ4を形成する。
<賦形工程>
賦形工程では、シート状アンテナ4形成後の光輝フィルム2に圧空成形を施して、光輝フィルム2及びシート状アンテナ4に、支持基材3の表面形状に合わせた凹凸形状を形成する。
<裁断工程>
裁断工程では、図5(b)に示すように、賦形した光輝フィルム2を金型にセットし得る形状に裁断する。
<射出成形工程>
射出成形工程では、まず、賦形、裁断した光輝フィルム2を、その表面が型面に密接するように金型にセットして型閉じし、光輝フィルム2の裏面側に溶融した黒色のAES樹脂を射出し、光輝フィルム2の裏面に支持基材3を成形する。この時、射出したAES樹脂が光輝フィルム2の裏面に溶着することによって、図5(c)に示すように、光輝フィルム2及びシート状アンテナ4の裏面に支持基材3が一体的に積層されてなる光輝性樹脂成形品1が得られる。
以上の製造方法にあっては、アンテナ形成工程において、賦形前の平坦な光輝フィルム2にシート状アンテナ4を印刷形成するため、薄く微細なシート状アンテナ4を比較的容易に製造できる。また、賦形工程において、光輝フィルム2とともにシート状アンテナ4を賦形することによって、シート状アンテナを破損させることなく成形できるという利点がある。
また、かかる製造方法にあっては、射出成形の金型にセットする前に光輝フィルム2及びシート状アンテナ4に予備賦形を施している。このように、高圧空にして予備賦形を施すことによって光輝フィルム2とシート状アンテナ4の寸法精度を向上できるため、光輝フィルム2と金型の隙間に生じた気泡によって成形不良が発生するなどの不具合を防止できる。
本実施例の光輝性樹脂成形品1aは、自動車の前部又は後部に取り付けられてレーダーを覆うエンブレムである。この光輝性樹脂成形品1aは、図6,7に示すように、表面側が金属光沢を有する光輝フィルム2と、該光輝フィルム2の表面を覆う透明な保護部材5と、光輝フィルム2を裏面から支持する支持基材3とを一体的に積層してなるものであって、楕円形の肉厚板状をなしている。
光輝フィルム2には、表面側に隆起するT字状の凹凸部20が形成される。シート状アンテナ4は、上記実施例1同様に光輝フィルム2の裏面に一体的に形成される。保護部材5は無色透明なPMMA樹脂からなるものであり、その裏面には該凹凸部20と嵌合する凹部21が形成され、その表面には緩やかに膨出した湾曲面が形成されている。支持基材3は黒色のAES樹脂からなるものであり、その表面には凹凸部20に裏側から嵌合する凸部22が形成される。また、支持基材3には、シート状アンテナ4を裏面側から臨む位置に接続用開口部6が形成される。また、支持基材3の裏面には、図示しない取付部が形成されており、光輝性樹脂成形品1aは該取付部を介して自動車本体に固定される。なお、かかる光輝性樹脂成形品1aは、上記実施例1同様に、光輝フィルム2の裏面にシート状アンテナ4を印刷形成し、賦形・裁断した後に、光輝フィルム2の両面に支持基材3と保護部材5を立て続けに射出成形することで製造できる。
このように、本実施例の光輝性樹脂成形品(エンブレム)1aにあっても光輝フィルム2の真裏にシート状アンテナ4が配設されているため、該シート状アンテナ4を、裏面側に配設されることとなるレーダー本体と接続すれば、該シート状アンテナ4を介して電波を送受信可能となる。したがって、かかるエンブレム1aを用いれば、アンテナを外部に露出させることなく、従来よりもエンブレムの装飾面に近い位置で電波を送受信することが可能となり、意匠性を損なうことなく電波通信の精度を向上できる。また、レーダーのアンテナの一部又は全部をエンブレムに内蔵することができるから、レーダー本体を小型化でき、エンブレムの裏面側のスペースを別の用途に活用可能となる。
なお、本発明は、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、光輝フィルムの裏面に配設されるシート状アンテナは、電波の送受信の両方を担うものに限らず、一方のみを担うものであってもかまわない。また、ドアハンドルやエンブレム等の電波通信の全部を担うものに限らず、一部の領域や一部の周波数領域の電波通信を担うものであってもよい。また、本発明に係る接続用開口部は、上記実施例では単なる貫通孔であるが、かかる構成に限らず、シート状アンテナ4への接続を容易とするコネクタを配設したり、端子の係脱を補助する溝孔や爪部を配設することができる。
1,1a 光輝性樹脂成形品
2 光輝フィルム
3 支持基材
4 シート状アンテナ
5 保護部材
6 接続用開口部
11 絶縁材料
12 接続部
P 外部ドアハンドル
Q ドアハンドル本体

Claims (7)

  1. 支持基材の表面に光輝フィルムを一体的に配設してなる光輝性樹脂成形品であって、
    光輝フィルムの裏面には、導電材料をアンテナ形状に形成してなる薄膜状のアンテナ本体を、絶縁材料で被覆してなるシート状アンテナが形成されており、
    前記アンテナ本体は、絶縁材料によって被覆されずに裏面側に露出する接続部を備えており、
    前記支持基材には、該支持基材の裏面側から前記接続部に電気的に接続するための接続用開口部が形成されていることを特徴とする光輝性樹脂成形品。
  2. 前記アンテナ本体は、アンテナ形状をなす複数の導電層を、絶縁材料からなる中間層を介して複数積層し、各導電層を接続部で短絡してなるものであることを特徴とする請求項1記載の光輝性樹脂成形品。
  3. 前記シート状アンテナは、前記接続部以外の箇所に、前記中間層を貫通して、積層された導電層同士を短絡する導電性の短絡部を備えることを特徴とする請求項2記載の光輝性樹脂成形品。
  4. 前記アンテナ本体は3層以上の導電層を備えており、前記短絡部は、各導電層を短絡する部位が厚み方向に重なり合わないように、互い違いに配設されていることを特徴とする請求項3記載の光輝性樹脂成形品。
  5. 車両の外部ドアハンドルの外側部分を構成するドアハンドルカバーであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光輝性樹脂成形品。
  6. 車両の前部又は後部に配設されるエンブレムであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光輝性樹脂成形品。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光輝性樹脂成形品を製造するための光輝性樹脂成形品の製造方法であって、
    光輝フィルムの裏面に絶縁材料と導電材料を印刷することにより、シート状アンテナを形成するアンテナ形成工程と、
    該アンテナ形成工程の後に、光輝フィルムを賦形する賦形工程と、
    賦形した前記光輝フィルムを金型にセットしてフィルムインサート成形を行うことにより、光輝フィルムの裏面に支持基材が溶着した成形品を得る射出成形工程とを備えることを特徴とする光輝性樹脂成形品の製造方法。
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