JP2011139342A - アンテナ放射電力調整装置および方法 - Google Patents

アンテナ放射電力調整装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケーブル長差等に起因する損失(減衰量)を考慮してタグ動作電力を自動測定し、その上で実運用時にはその差を自動補正して各アンテナからエアー上に放出される実放射電力を同一レベルに合わせるアンテナ放射電力調整装置および方法を提供する。
【解決手段】まず基準タグ(図上の黒塗り四角)を用いてケーブル長差等に起因する損失(減衰量)を考慮してタグ動作電力を自動測定する。その測定結果でRW110のアンテナポートAからアンテナA(111)迄のケーブル長A(113)が5 m(減衰量= 2.5dB)で、RW110のアンテナポートBからアンテナB(112)迄のケーブル長B(114)が10 m(減衰量= 5dB)であるとき、RW110の各ポート出力の関係を、 B = A+(5-2.5)・・[dBm](ここでA ,B は、各出力ポートの放射電力[dBm]を表す) として、エアー上に放出される実放射電力が一致するように設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、RFID(Radio Frequency Identification )システムにおけるリーダライタ(Reader/Writer:以下ではRWと略記する)の送信電力調整技術に関し、特に、所定の受信レベルで応答する基準タグを所定の距離に設置し、リーダライタの質問信号に対して応答のあった送信レベルを基準として送信電力を調整(設定)する技術に関する。
RFIDシステム技術において、複数のRW及び複数のアンテナでゲートシステム等を構成する場合、設置上の都合で各RWから各アンテナ迄のケーブルの距離(ケーブル長)が異なり、その結果、ケーブル長の差に伴う損失(減衰量)差が発生し、RWから各アンテナに到達する電力値が異なってしまう。その際、ケーブル長の差に伴う損失(減衰量)差に何らの対策を施ない場合には、左右のアンテナから異なる強度の電波がエアー(動作空間)上に出力されてしまうことになる。
図13は、上述した従来のRFIDシステム技術における2つのアンテナからの放射電力の関係を示す図である。図13では、設置上の都合でRW510のアンテナポートA,BからアンテナA(511),アンテナB(512)迄のケーブル長が異なる従来のRFID技術を使用するゲートシステム等の構成例であり、ケーブル長A(513)は、RW510のアンテナポートAからアンテナA(511)迄の距離が5 m(減衰量= 2.5dB)の場合の例であり、またケーブル長B(514)は、RW510のアンテナポートBからアンテナB(512)迄の距離が10 m(減衰量= 5dB)の場合の例である。このケーブル長の違いに対して何らかの対策を施さずにそのまま減衰量差(電力差)有りで使用した場合には、各アンテナで読取率に差が出てしまうという問題、または、読取率の差がシステム的に影響しない(電波の弱い方で満足出来る等の場合)としても、一方では無駄に強い電波が出力されていることになり、例えば、アンテナA(511)の電波が他アンテナ(515)まで到達し、電波干渉等の悪影響を引き起こすという問題を生じていた。
これに対して以下の(1)、(2)のような対策を施した場合でも、次のような問題があった。
(1)ケーブル長を長い方に統一(短い方に統一することは物理的に不可能)して対処
こうすると、システムのコストアップが発生し、また、物理的に同じ長さとしても、製造バラツキ等による差分まで吸収するのは困難である。
(2)実際の損失を計算または実測してRW側の出力をアンテナ毎に補正して出力を合せ込んで対処
こうすると、精度は上がるが、現場毎に使用するケーブルの種類、長さを調べ(あるいは実測し)、全体の損失量を算出する必要が生じるため、現場におけるシステム設置作業が煩わしくなり、また、RWの送信出力を補正するためには、その都度システム設計(システム設定)の変更を余儀なくされる。
そのような状況下にあって例えば下記特許文献1に開示された通信システムには、通信エリアの境界に、設定用RFIDタグを設置し、RWの質問波に対して応答のあった可読最小送信レベルとなるように送信電力を設定する技術が示されている。
また下記特許文献2に開示されたリーダライタ装置には、ICタグの周辺環境の変化に伴う通信距離変動を補正するために、複数個所にタグを配置して、その読み取り結果と、予め用意されたアクセス条件テーブルとを比較して、本来タグが読めるべき空間上のエリアに向けて電波強度を強弱させて補正する技術が示されている。
特開2005−159533号公報(請求項8、図3,4、0032〜0035段落) 国際公開WO2006/106579
上記特許文献1に示された通信システムにあっては、通信エリアの境界に、設定用RFIDタグを設置し、RWの質問波に対して応答のあった可読最小送信レベルとなるように設定用タグを手動で調整しながら送信電力を設定するため、複数の(RWを含む)アンテナポートからアンテナまでの電力損失差を自動測定して、各ポート毎の基準電力を定め、複数のアンテナから送出される電波レベルを自動で合わせることはできないという課題があった。
また特許文献2に示されたリーダライタ装置にあっては、ICタグの周辺環境の変化に伴う通信距離変動を補正するために、複数個所にタグを配置して、その読み取り結果と、予め用意されたアクセス条件テーブルとを比較して、本来タグが読めるべき空間上のエリアに向けて電波強度を強弱させて補正するため、上記特許文献1と同様に、複数の(RWを含む)アンテナポートからアンテナまでの電力損失差を自動測定して、各ポート毎の基準電力を定め、複数のアンテナから送出される電波レベルを自動で合わせることはできないという課題があった。
本発明は、上記した課題を解決するために、各RWのアンテナポート毎、及び、各アンテナポートからアンテナまでのケーブル長差等に起因する損失(減衰量)を考慮してタグ動作電力を自動測定し、その上で実運用時にはその差を自動補正して各アンテナからエアー上に放出される実放射電力を同一レベルに合わせるアンテナ放射電力調整装置および方法を提供することを目的とする。
上記した従来例(2)の改善として、本発明は、複数のアンテナポートを持つリーダライタを使用し、複数のアンテナで構成されるRFIDシステムにおいて、各リーダライタのアンテナポート毎、及び、各アンテナポートからアンテナまでのケーブル長差等に起因する損失(減衰量)を考慮してタグ動作電力を自動測定し、その上で実運用時にはその差を自動補正して各アンテナからエアー上に放出される実放射電力を同一レベルに合わせるもので、以下に本発明の態様を列挙する。
本発明の一態様は、一定の読み取り電力で応答する基準タグを各アンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置したRFIDシステムのアンテナ放射電力調整装置であって、該アンテナ放射電力調整装置は、
前記基準タグに対しデータの送受信を行うリーダライタのアンテナポートに接続されたアンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置された前記基準タグを用いて前記リーダライタの各アンテナポートから各アンテナまでの総減衰量を受信し、受信した総減衰量に基づき、複数のアンテナについてタグ動作電力を測定するタグ動作電力測定手段と、
前記タグ動作電力を補正して前記複数のアンテナからエアーに放出される実放射電力を同レベルに合せるアンテナ放射電力調整手段と、を備え、
前記タグ動作電力測定手段は、
システム管理制御部からの動作電力測定指示に従い、前記タグ動作電力を測定するためのコマンドを前記リーダライタに送信するタグ動作電力測定部と、
該タグ動作電力測定部の指示で前記リーダライタがタグ読み取り電力を最小値から段階的に増加させながら、その都度前記基準タグからの応答確認を行い、前記基準タグからの応答を確認できた時点の電力値を前記基準タグの基準電力値としてタグ識別情報と共に管理テーブルに記録する基準電力記録部を含み、
前記アンテナ放射電力調整手段は、
運用管理制御部からの電力制御指示で指示電力値を保持する指示電力保持部と、
前記運用管理制御部からの電力制御指示によってアンテナ放射電力の補正が必要な場合には、前記指示電力保持部に保持された指示電力値を前記管理テーブルに記録された各アンテナポートに独立にもつ基準電力値に加える演算を行って補正値を算出する補正電力算出部と、
前記リーダライタにコマンドを送信して前記補正された電力値で前記アンテナからエアー上に放射するように指示する実放射電力指示部を含む、ことを特徴とする。
また本発明の別の態様は、前記複数のアンテナが異なるリーダライタのアンテナポートに接続されたアンテナ同士であることを特徴とする。
さらに本発明の別の態様は、一定の読み取り電力で応答する基準タグをそれぞれ対向させた2つのアンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置したRFIDシステムのアンテナ放射電力調整装置であって、該アンテナ放射電力調整装置は、
前記基準タグに対しデータの送受信を行うリーダライタのアンテナポートに接続されたアンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置された前記対向させたアンテナの前記基準タグを用いて、前記リーダライタの各アンテナポートからアンテナまでの総減衰量を受信し、受信した総減衰量に基づき、タグ動作電力を測定するタグ動作電力測定手段と、
前記タグ動作電力を補正して前記対向させた2つのアンテナからエアーに放出される実放射電力を同レベルに合せるアンテナ放射電力調整手段と、を備え、
前記タグ動作電力測定手段は、
システム管理制御部からの動作電力測定指示に従い、前記タグ動作電力を測定するためのコマンドを前記リーダライタに送信するタグ動作電力測定部と、
該タグ動作電力測定部の指示で前記リーダライタがタグ読み取り電力を最小値から段階的に増加させながら、その都度前記基準タグからの応答確認を行い、前記基準タグからの応答を確認できた時点の電力値を前記対向させたアンテナにおける前記基準タグの最高基準電力値としてタグ識別情報と共に管理テーブルに互い違いに記録する基準電力記録部を含み、
前記アンテナ放射電力調整手段は、
運用管理制御部からの電力制御指示で指示電力値を保持する指示電力保持部と、
前記運用管理制御部からの電力制御指示によってアンテナ放射電力の補正が必要な場合には、前記指示電力保持部に保持された指示電力値を前記管理テーブルに記録された前記対向させたアンテナのアンテナポートに独立にもつ最高基準電力値に加減演算を行って補正値を算出する補正電力算出部と、
前記リーダライタにコマンドを送信して前記補正された電力値で前記アンテナからエアー上に放射するように指示する実放射電力指示部を含む、ことを特徴とする。
また本発明の別の態様は、前記基準電力記録部に記録された前記対向させたアンテナにおける前記基準タグの最高基準電力値の双方が補正の必要が無い状態に設定されていた場合には、前記アンテナ放射電力調整手段は、前記記録された最高基準電力値をそのまま使用するよう前記リーダライタにコマンドを送信することを特徴とする。
また本発明の別の一態様は、一定の読み取り電力で応答する基準タグを各アンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置したRFIDシステムのアンテナ放射電力調整方法において、
前記基準タグに対しデータの送受信を行うリーダライタのアンテナポートに接続されたアンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置された前記基準タグを用いて、前記リーダライタの各アンテナポートから各アンテナまでの総減衰量を受信し、受信した総減衰量に基づき、複数のアンテナについてタグ動作電力を測定する工程は、
システム管理制御部からの動作電力測定指示に従い、前記タグ動作電力を測定するためのコマンドを前記リーダライタに送信する工程と、
該タグ動作電力測定部の指示で前記リーダライタがタグ読み取り電力を最小値から段階的に増加させながら、その都度前記基準タグからの応答確認を行い、前記基準タグからの応答を確認できた時点の電力値を前記基準タグの基準電力値としてタグ識別情報と共に管理テーブルに記録する工程と、を含み、
前記タグ動作電力を補正して前記複数のアンテナからエアーに放出される実放射電力を同レベルに合せるアンテナ放射電力調整工程は、
運用管理制御部からの電力制御指示で指示電力値を保持する工程と、
前記運用管理制御部からの電力制御指示によってアンテナ放射電力の補正が必要な場合には、前記指示電力保持部に保持された指示電力値を前記管理テーブルに記録された各アンテナポートに独立にもつ基準電力値に加える演算を行って補正値を算出する工程と、
前記リーダライタにコマンドを送信して前記補正された電力値で前記アンテナからエアー上に放射するように指示する工程と、を含む、ことを特徴とする。
さらに本発明の別の態様は、一定の読み取り電力で応答する基準タグをそれぞれ対向させた2つのアンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置したRFIDシステムのアンテナ放射電力調整方法であって、該アンテナ放射電力調整方法は、
前記基準タグに対しデータの送受信を行うリーダライタのアンテナポートに接続されたアンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置された前記対向させたアンテナの前記基準タグを用いて、前記リーダライタの各アンテナポートからアンテナまでの総減衰量を受信し、受信した総減衰量に基づき、タグ動作電力を測定する工程は、
システム管理制御部からの動作電力測定指示に従い、前記タグ動作電力を測定するためのコマンドを前記リーダライタに送信する工程と、
該タグ動作電力測定部の指示で前記リーダライタがタグ読み取り電力を最小値から段階的に増加させながら、その都度前記基準タグからの応答確認を行い、前記基準タグからの応答を確認できた時点の電力値を前記対向させたアンテナにおける前記基準タグの最高基準電力値としてタグ識別情報と共に管理テーブルに互い違いに記録する工程と、を含み、
前記タグ動作電力を補正して前記対向させた2つのアンテナからエアーに放出される実放射電力を同レベルに合せるアンテナ放射電力調整アンテナ放射電力調整工程は、
運用管理制御部からの電力制御指示で指示電力値を保持する工程と、
前記運用管理制御部からの電力制御指示によってアンテナ放射電力の補正が必要な場合には、前記指示電力保持部に保持された指示電力値を前記管理テーブルに記録された前記対向させたアンテナのアンテナポートに独立にもつ最高基準電力値に加減演算を行って補正値を算出する工程と、
前記リーダライタにコマンドを送信して前記補正された電力値で前記アンテナからエアー上に放射するように指示する工程と、を含む、ことを特徴とする。
また本発明の別の態様は、前記記録する工程において前記対向させたアンテナにおける前記基準タグの最高基準電力値の双方が補正の必要が無い状態に設定されていた場合には、前記アンテナ放射電力調整工程は、前記記録された最高基準電力値をそのまま使用するよう前記リーダライタにコマンドを送信することを特徴とする。
本発明によれば、各現場で実際に使用する構成差、あるいは同一構成でもバラツキによる減衰量差を意識することなく、アンテナからの実放射電力を自動で合わせることが可能となる。これにより現地における調整作業の大幅な削減が可能となる。
また本発明によれば、構成要素の変更時(設置構成の変更、修理時等)にも柔軟に対応が可能となる。
さらに本発明によれば、RFID技術を使用するゲートシステム等のアンテナ対向構成においても、自動的に同一電力に合わせることが可能となるとともに、適切な電波強度の設定も可能となる。
本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第1実施例の構成概要を示す図である。 本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第1実施例の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第1実施例における基準タグの動作電力測定の手順を説明する図である。 本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第1実施例における送信電力補正処理の手順を説明する図である。 本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第2実施例の構成概要を示す図である。 本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第2実施例の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第2実施例における送信電力補正処理の手順を説明する図である。 本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第3実施例の構成概要を示す図である。 本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第3実施例の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第3実施例における基準タグの動作電力測定の手順を説明する図である。 本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第3実施例における送信電力補正処理の手順を説明する図である。 本発明アンテナ放射電力調整方式に用いる基準タグの搭載例を示す図である。 従来システムにおけるアンテナ放射電力の関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第1実施例の構成概要を示す図である。図1において本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式は、まず基準タグ(図上の黒塗り四角)を用いてケーブル長差等に起因する損失(減衰量)を考慮してタグ動作電力を自動測定する。その結果としてRW110のアンテナポートAからアンテナA(111)迄のケーブル長A(113)が5 m(減衰量= 2.5dB)で、RW110のアンテナポートBからアンテナB(112)迄のケーブル長B(114)が10 m(減衰量= 5dB)であるとき、RW110の各ポート出力の関係を、
B = A+(5-2.5)・・[dBm](ここでA ,B は、各出力ポートの放射電力[dBm]を表す)
として、エアー上に放出される実放射電力が一致するように設定するものである。なお基準タグを図示のようにアンテナに内蔵させるのではなく、アンテナ外部に近接配置させても良い。
また図2は、本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第1実施例の構成を示す機能ブロック図である。図2において本発明のアンテナ放射電力調整方式は、アンテナ放射電力調整装置1、RW8、アンテナグループが2グループに分けられ且つタグRW制御部に接続されるアンテナへの長さが異なる同軸ケーブル9、および、基準タグを搭載するアンテナ10より構成される。そしてアンテナ放射電力調整装置1は、システム管理制御部2、通常運用制御部3および放射電力管理部4から構成されている。そのうち放射電力管理部4は、アンテナ放射電力調整装置1の中枢をなすもので、タグ動作電力測定・記録部5、基準電力管理テーブル6、および、電力補正処理部7から構成されている。
タグ動作電力測定・記録部5は、読取コマンド発行部11および応答確認・判定部12を備えており、システム管理制御部2から発せられるタグ動作電力測定指示にしたがって、読取コマンド発行部11がタグ認識コマンドなどをRW8に送出してタグ動作電力測定を指示する。また応答確認・判定部12は、RW8から応答を受信し、基準タグ(例えばアンテナ1-a(51)の基準タグ52)が応答したときの電力値などを含む応答内容を受信して基準電力管理テーブル6に記録する。基準電力管理テーブル6は、RW及びアンテナポート番号からなるアンテナ接続情報を展開しており、展開したアンテナ接続情報毎に応答があった基準タグのタグ識別情報(例えばタグIDやEPCコード(electronic product code)など)、基準電力の値、補正の有無、及び、グループを記録する。図示例では、RW8が1つのタグRW制御部20を持つ例を示したが、2以上のタグRW制御部を持つものであっても良い。また、タグRW制御部20が4つのアンテナポートPa ,Pb ,Pc ,Pd を持つことからアンテナポートを2グループに分け、そのグループ名(ここではグループA,B)をテーブル内に記録する。また基準電力管理テーブル6は、上位の通常運用制御部3より送出される送信電力設定コマンドを電力補正処理部7経由で受信し、受信した送信電力設定コマンド中に存在する指示電力を取り出してこれを一時保持する指示電力保持手段13を備えており、これに指示された指示電力を保持する。
電力補正処理部7は、上位の通常運用制御部3より送出される送信電力設定コマンドを下位のRW8に送出すると共に、同じく通常運用制御部3より送出される送信系コマンドを受信し、基準電力管理テーブル6に記録された基準電力と指示電力保持手段13に指示されて一時保持された指示電力とから補正値算出手段14により電力値を算出して、これを補正すべき電力値として同じくRW8に送出する。なお、RW8から受信した応答は、電力補正処理部7を介して通常運用制御部3に伝達する。この場合、タグ認識コマンド等における基準タグからの応答については電力補正処理部7で除去し、応答を通常運用制御部3には通知しないように動作モードを設定することも可能である。
またRW8は、4つのアンテナポートPa ,Pb ,Pc ,Pd を有するタグRW制御部20を備えている。なおここに示したアンテナポートの数は任意であり、これに限定されるものではない。そしてタグRW制御部20は、タグアクセス制御部25、送受信制御部+送信電力制御部26、および、アンテナ切替部27から構成されている。タグアクセス制御部25は、放射電力管理部4から送出される各種コマンドに基づいてタグに対するアクセスを実施するための制御を行う。送受信制御部+送信電力制御部26は、タグへのリード/ライトを所定の送信電力で行うよう制御する。またアンテナ切替部27は、アンテナポートPa ,Pb ,Pc ,Pd の切替えを実行し、所定のアンテナに所望の電力を供給してタグに対するリード/ライトを実行する。
各アンテナポートPa ,Pb ,Pc ,Pd(21〜24)とアンテナ1-a〜1-d(51,53,55,57)とを結ぶ同軸ケーブル41〜44は、アンテナの設置位置がそれぞれアンテナグループA,B内でも異なることから、そのケーブル長は一様なものとならない。そのためケーブル長による減衰量もそれぞれアンテナグループA,B内でも異なる。その結果、各アンテナに対してRW8から供給する送信電力は一律同じものとはならない。そのため本実施例では、アンテナグループA,B単位で上述する補正を実施することにより図1に示すように放出されるエアー上の実放射電力が各グループ内で一致するようにしている。なお図示例では、アンテナポートPa(21)に接続されたアンテナ1-a(51)における基準タグ52について同軸ケーブル41の長さを考慮した系列全体の電力測定を行う様子を破線で示し、その他のアンテナポートに接続されたアンテナにおける基準タグについて同軸ケーブルの長さを考慮した系列全体の電力測定を行う様子については示していないが、上述したのと同じなのでその説明を省略する。
このように本発明の第1実施例に係るアンテナ放射電力調整方式は、一定の読み取り電力で応答する基準タグを各アンテナに内蔵またはアンテナ外部に近接配置させておくと共に、システムの設置時(現場調整時)に、予め用意されたタグ動作電力を測定するコマンドを上位のシステム管理部2、タグ動作電力測定・記録部5から発行してタグ読み取り電力を最小値から段階的に増加させると共に、その都度基準タグからの応答確認を行い、基準タグからの応答を確認できた時点の電力値をその当該アンテナポートの基準電力値としてタグ識別情報の(タグIDやEPCコード等)と対応付けて放射電力管理部4の基準電力管理テーブル6に記録する。そして本処理を他の全アンテナポートに対しても行い、以降の運用時における電力制御指示、例えば通常運用制御部3からの送信系コマンドでは、通常運用制御部3から指示された電力値を基準電力管理テーブル6に記録された前記の各アンテナポート毎に独立にもつ基準電力値に加える演算を補正値算出手段14で行うことにより補正を実施して、グループ分けされた各グループ内の各アンテナからエアーに対する実放射電力を同レベルに自動的に合せる。
また上記においてアンテナ放射電力調整装置を具体的にどの装置に実装するかについては明示していないが、一般論としてはリーダライタRWの上位に位置する上位装置(図示せず)内に実装するのが普通である。しかし、これのみに限定されず、アンテナ放射電力調整装置の中枢をなす放射電力管理部をリーダライタRW内に実装し、上位装置(図示せず)内にはアンテナ放射電力調整装置のうちのシステム管理制御部、通常運用制御部を有たせるように構成しても良い。なお上位装置は、従来技術で説明したように通常、パソコンまたはサーバでもって構成され、RFIDシステム技術の開発に関係する当業者には周知であるのでその説明を省略する。
また図3は、本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第1実施例における基準タグの動作電力測定の手順を説明する図である。なお図示例ではステップを“S”と略記する。図3においてタグ動作電力測定処理は、通常、システム設置時及び保守時(故障時のハード交換後)において実行され、システム管理制御部1よりタグ動作電力測定指示がなされる。それに伴い全アンテナ接続情報(RW及びアンテナポート番号からなる)を放射電力管理部4内の管理テーブル6(図2参照)に展開する(ステップS11)。なお全アンテナ接続情報の管理テーブル6への展開は、本ステップにおける処理で実行せずにあらかじめ別の手段により行われるようにしても良い。次いで管理テーブル6のポインタをクリアし(ステップS12)、管理テーブル6の先頭に設定する。そして送信電力カウンタ(図示せず)を初期値に設定する(ステップS13)。この設定により送信電力カウンタは最小となる。次いでRW8に送信電力設定コマンドを発行する(ステップS14)。そして電力設定が正常に完了したかを判定する(ステップS15)。ここで電力設定が正常に完了しなかった場合には、電力設定異常を通知する(ステップS16)。しかし電力設定が正常に完了した場合には、RW8にタグ認識させるためのコマンドを発行する(ステップS17)。ここでコマンドパラメータとして、管理テーブル6のポインタの指す接続情報(RW及びアンテナポート番号)を付加する。そしてRW8からコマンド完了応答を受信する(ステップS18)。
次に、タグ(基準タグ)を検出できたかを判定する(ステップS19)。ここでタグを検出できなかった場合には、電力上限かを判定する(ステップS20)。電力上限を調べるのは、電波法に規定される既定の最大値を超えないかを確認するためで、規格上の限界値(UHF-RFIDの場合、最大30dBm)を超えるかを判定する。電力上限でなければ送信電力カウンタをインクリメントし、電力を0.5dB分だけ増加するよう制御して(ステップS21)、ステップS14〜ステップS19の処理を再度実行する。一方、ステップS20の処理で電力上限であると判定された場合には、タグ検出不可であることを通知する(ステップS22)。
上記ステップS19において、タグを検出できた場合には、ステップS23に進み、複数タグを検出したかを判定する。これは一つのタグだけが正常に読めたかを確認するために行われる。ここで複数タグを検出した場合には、タグ複数検出による異常を通知する(ステップS24)。一方、複数タグを検出しなかった場合(一つのみタグを検出した場合)には、ステップS25に進み、上記と同様にRW8にタグ認識のためのコマンドの発行と検出確認を3回実施する。そして3回連続でOKかを判定する(ステップS26)。これは検出の安定度を確認するために3回程度繰り返して読み取り確認を行うもので、回数は3回に限らずそれ以上実施することが望ましい。ステップS26で3回連続でOKを確認できなかった場合(本実施例では3回連続でOKとしているがこれに限定されない。任意に決定できるようにしても良い)には、ステップS20に進み、上述したのと同様、電力上限かを判定する。電力上限でなければ送信電力カウンタをインクリメントし、電力を0.5dB分だけ増加するよう制御して(ステップS21)、ステップS14〜ステップS26の処理を再度実行する。一方、ステップS20の処理で電力上限であると判定された場合には、タグ検出が不可であることを通知する(ステップS22)。
上記ステップS26において、3回連続でOKであれば、検出タグIDを管理テーブル6に記録する(ステップS27)。そして送信電力値を管理テーブル6に記録する(ステップS28)。記録する場合、安定度を考慮して、0.5dB程度のマージンを付加して記録することも可能である(但し、付加しても電力上限以下であることが不可欠)。次いで全アンテナについて測定が完了したかを判定する(ステップS29)。全アンテナについて完了していなければ、ステップS30に進み、管理テーブル6のポインタを1つ進め、ステップS13に戻り、ステップS13以降の処理を全アンテナが完了するまで実行する。またステップS29で全アンテナについて完了していればステップS31に進み、正常完了を通知する。
また図4は、本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第1実施例における送信電力補正処理の手順を説明する図である。なお図示例ではステップを“S”と略記する。図4における送信電力補正処理は、図3において説明したタグ動作電力測定後に実施されるもので、通常運用時に通常運用制御部3から発行される、送信電力設定コマンドおよび送信系コマンドにしたがって送信電力補正処理が開始される。
図4において、まず送信電力設定コマンドが発行された場合における送信電力補正処理を説明する。送信電力設定コマンドは、RW8に送信電力値を直接指示するコマンドであるが、本コマンドにはアンテナ接続情報が付加されていないためこの時点で補正を行うことはできない。よって、本コマンドでは指示電力保持手段13で指定された電力値を一時保持し、後述する送信系コマンド(アンテナ接続情報有り)を受けた時点で電力値を補正してRW8側に再設定する。
送信電力設定コマンドが通常運用制御部3から発行されると、本コマンド情報を一時退避する(ステップS41)。次いで指示電力値を管理テーブル6内の指示電力保持手段13に記録する(ステップS42)。そして一時退避した通常運用制御部3からのコマンドをRW8に対して発行する(ステップS43)。RW8から前記コマンドに対する応答を受信したらそのまま通常運用制御部3に通知する(ステップS44)。なお、タグ認識コマンド等の場合、基準タグからの応答については電力補正処理部7で除去し、応答を通常運用制御部3には通知しないように動作モードを設定することも可能である。そして処理を終了する。
次に、図4において送信系コマンドが発行された場合における送信電力補正処理を説明する。送信系コマンドは、電波を送出してタグと通信するコマンドであり、本コマンドにはアンテナ接続情報が付加されているが、電力値に関する情報は付加されない。
いま送信系コマンドが通常運用制御部3から発行されると、上記と同様、本コマンド情報を一時退避する(ステップS45)。次いで本コマンドで指定されるアンテナポートに対応する電力管理テーブル6の内容(基準電力、補正有無)を読み取る(ステップS46)。そして補正フラグがONかを判定する(ステップS47)。ここで補正不要の指定(出力を合わせる必要がない場合)はステップS48、S50〜S52をバイパスする。つまり補正フラグがONでなければ、ステップS43に進み、一時退避した通常運用制御部3からのコマンド(ここでは送信系コマンド)をRW8に対して発行する。RW8から前記コマンドに対する応答を受信したらそのまま通常運用制御部3に通知する(ステップS44)。そして処理を終了する。
しかし補正フラグがONであれば、ステップS48に進み、電力指示値は許容内かを判定する。ここでの判定処理は、通常運用制御部3から指示される電力値がグループ内で妥当か(許容内か)をチェックする。例えば、グループAの最大許容電力値が、規格値(最大30dBm)−グループA内の最大基準値(7 dBm) = 23 dBm 以下を判定する。そして電力指示値が許容内でなければ、ステップS49に進み、通常運用制御部3に電力設定異常を通知する。そして処理を終了する。また電力指示値が許容内であれば、ステップS50に進み、指示電力保持手段13に記録された電力値と電力管理テーブル6内の対応するアンテナポートの基準電力値を補正値算出手段14で加算して補正値を算出する。
図示の具体例について説明すれば、指示電力保持手段13には、RW番号がRW-1の場合における指示電力値が20 dBm として記録されており、また電力管理テーブル6におけるアンテナ接続情報RW-1-Paの基準電力値が5.5 dBm で、RW-1-Pbの基準電力値が7.0 dBmと格納されていることから、それぞれの加算値は、RW-1-Paは25.5 dBm で、RW-1-Pbは27.0 dBmとなり、これらの加算値を補正後の電力値としてRW8に送出指示することになる。すなわち、RW8に対して上記補正値を含む形での送信電力設定コマンドを発行する(ステップS51)。そのあとで正常に完了したかを判定する(ステップS52)。ここで正常完了でなければステップS49に進み、通常運用制御部3に電力設定異常を通知する。そして処理を終了する。一方、正常完了であれば、ステップS43に進み、一時退避した通常運用制御部3からのコマンド(ここでは送信系コマンド)をRW8に対して発行する。RW8から前記コマンドに対する応答を受信したらそのまま通常運用制御部3に通知する(ステップS44)。そして処理を終了する。
図5は、本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第2実施例の構成概要を示す図である。図5において本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式は、まず基準タグ(図上の黒塗り四角)を用いてケーブル長差等に起因する損失(減衰量)を考慮してタグ動作電力を自動測定する。その結果としてRW A(210)からアンテナA(211)迄のケーブル長212を含む総減衰量が2.5dBmで、RW B(310)からアンテナB(311)迄のケーブル長312を含む総減衰量3.5dBmであるとき、RW A(210)およびRW B(310)の送信電力の関係を、
B = A+(3.5-2.5)・・[dBm](ここでA ,B は、各RWの放射電力[dBm]を表す)
として、エアー上に放出される実放射電力が一致するように設定するものである。なお基準タグを図示のようにアンテナに内蔵させるのではなく、アンテナ外部に近接配置させても良い。
また図6は、本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第2実施例の構成を示す機能ブロック図である。図6に示す第2実施例に係る機能ブロックは、図2に示した第1実施例に係る機能ブロックと同様に、アンテナ放射電力調整装置1、RW8、異なるタグRW制御部に接続されるアンテナへの長さが異なる同軸ケーブル9、および、基準タグを搭載するアンテナ10より構成される。そしてアンテナ放射電力調整装置1は、システム管理制御部2、通常運用制御部3および放射電力管理部4から構成されている。そのうち放射電力管理部4は、アンテナ放射電力調整装置1の中枢をなすもので、タグ動作電力測定・記録部5、基準電力管理テーブル6、および、電力補正処理部7から構成されている。
タグ動作電力測定・記録部5は、読取コマンド発行部11および応答確認・判定部12を備えており、システム管理制御部2から発せられるタグ動作電力測定指示にしたがって、読取コマンド発行部11がタグ認識コマンドなどをRW8に送出してタグ動作電力測定を指示する。また応答確認・判定部12は、RW8から応答を受信し、基準タグ(例えばアンテナ1-a(51)の基準タグ52)が応答したときの電力値などを含む応答内容を受信して基準電力管理テーブル6に記録する。基準電力管理テーブル6は、RW及びアンテナポート番号からなるアンテナ接続情報を展開しており、展開したアンテナ接続情報毎に応答があった基準タグのタグ識別情報(例えばタグIDやEPCコード(electronic product code)など)、基準電力の値、及び、補正の有無を記録する。図示例では、RW8が2つのタグRW制御部20,30の異なるアンテナポート、すなわちタグRW制御部-1(20)ではアンテナポートPa(21)にまたタグRW制御部-2(30)ではアンテナポートPb(32)に同軸ケーブル41,45を介してそれぞれアンテナ51,61を接続する。
また基準電力管理テーブル6は、上位の通常運用制御部3より送出される送信電力設定コマンドを電力補正処理部7経由で受信し、受信した送信電力設定コマンド中に存在する指示電力を取り出してこれを一時保持する指示電力保持手段13を備えており、ここに指示されて指示電力を保持する。
電力補正処理部7は、上位の通常運用制御部3より送出される送信電力設定コマンドを下位のRW8に送出すると共に、同じく通常運用制御部3より送出される送信系コマンドを受信し、基準電力管理テーブル6に記録された基準電力と指示電力保持手段13に指示されて一時保持された指示電力とから補正値算出手段14により電力値を算出して、この補正された電力値を同じくRW8に送出する。なお、RW8から受信した応答は、電力補正処理部7を介して通常運用制御部3に伝達する。この場合、タグ認識コマンド等における基準タグからの応答については電力補正処理部7で除去し、応答を通常運用制御部3には通知しないように動作モードを設定することも可能である。
またRW8は、4つのアンテナポートPa ,Pb ,Pc ,Pd を有するタグRW制御部20,30を備えている。なおここに示したアンテナポートの数は任意であり、これに限定されるものではない。そしてタグRW制御部-1(20)は、タグアクセス制御部25、送受信制御部+送信電力制御部26、および、アンテナ切替部27から構成されている。タグRW制御部-2(30)の構成は、タグRW制御部-1(20)の構成と同じであるため、その詳細機能の説明を省略する。タグアクセス制御部25は、放射電力管理部4から送出される各種コマンドに基づいてタグに対するアクセスを実施するための制御を行う。送受信制御部+送信電力制御部26は、タグへのリード/ライトを所定の送信電力で行うよう制御する。またアンテナ切替部27は、アンテナポートPa ,Pb ,Pc ,Pd の切替えを実行し、所定のアンテナに所望の電力を供給してタグに対するリード/ライトを実行する。
アンテナポートPa(21)とアンテナ1-a(51)とを結ぶ同軸ケーブル41およびアンテナポートPb(42)とアンテナ2-b(61)とを結ぶ同軸ケーブル45は、アンテナの設置位置がそれぞれ異なることから、そのケーブル長は一様なものとならない。そのためケーブル長による減衰量もそれぞれ異なる。そのため本実施例では、アンテナ1-a(51)とアンテナ2-b(61)とからエアー上に放出される実放射電力が一致するように補正している。また図示例では、アンテナポートPa(21)に接続されたアンテナ1-a(51)における基準タグ52について同軸ケーブル41の長さを考慮した系列全体の電力測定を行う様子を破線で示し、アンテナポートPb(32)に接続されたアンテナ2-b(61)における基準タグ62について同軸ケーブル45の長さを考慮した系列全体の電力測定を行う様子については示していないが、上述したのと同じなので説明を省略する。
本発明の第2実施例に係るアンテナ放射電力調整方式は、図5に示したように、異なるリーダライタ配下のアンテナポートに接続されたアンテナ同士であっても、上記した第1実施例と同様の放射電力調整方法を適用させることで、各リーダライタの固体ばらつき等に由来する電力差も含めて補正することで、それぞれのアンテナからエアー上に放出される実放射電力を同一レベルに合せることができる。また本実施例においてアンテナ放射電力調整装置を具体的にどの装置に実装するかについては明示していないが、これについては上述した第1実施例で説明したのと同様なのでここでの説明を省く。
図7は、本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第2実施例における送信電力補正処理の手順を説明する図である。図示例ではステップを“S”と略記する。なお第2実施例における基準タグの動作電力測定の手順については、図3に示した第1実施例におけるそれと同じなので説明を省略するが、予め用意された基準タグの動作電力測定処理を行うことには変わりない。
図7における送信電力補正処理は、上述したタグ動作電力測定処理後に実施されるもので、通常運用の開始前に通常運用制御部3から発行される、送信電力設定コマンドおよび送信系コマンドにしたがって送信電力補正処理が開始される。
図7において、まず送信電力設定コマンドが発行された場合における送信電力補正処理を説明する。送信電力設定コマンドは、RW8に送信電力値を直接指示するコマンドであるが、本コマンドにはアンテナ接続情報が付加されていないためこの時点で補正を行うことはできない点は上述したとおりである。よって、本コマンドでは指示電力保持手段13で指定された電力値を一時保持し、後述する送信系コマンド(アンテナ接続情報有り)を受けた時点で電力値を補正してRW8側に再設定する。
送信電力設定コマンドが通常運用制御部3から発行されると、本コマンド情報を一時退避する(ステップS61)。次いで指示電力値を管理テーブル6内の指示電力保持手段13に記録する(ステップS62)。そして一時退避した通常運用制御部3からのコマンドをRW8に対して発行する(ステップS63)。RW8から前記コマンドに対する応答を受信したらそのまま通常運用制御部3に通知する(ステップS64)。なお、タグ認識コマンド等の場合、基準タグからの応答については電力補正処理部7で除去し、応答を通常運用制御部3には通知しないように動作モードを設定することも可能である。そして処理を終了する。
次に、図7において送信系コマンドが発行された場合における送信電力補正処理を説明する。送信系コマンドは、電波を送出してタグと通信するコマンドであり、本コマンドにはアンテナ接続情報が付加されるが、電力値に関する情報は付加されないことについては、上述したとおりである。
いま送信系コマンドが通常運用制御部3から発行されると、上記と同様、本コマンド情報を一時退避する(ステップS65)。次いで本コマンドで指定されるアンテナポートに対応する基準電力管理テーブル6の内容(基準電力、補正有無)を読み取る(ステップS66)。そして補正フラグがONかを判定する(ステップS67)。ここで補正不要の指定(出力を合わせる必要がない場合)はステップS68、S70〜S72をバイパスする。つまり補正フラグがONでなければ、ステップS63に進み、一時退避した通常運用制御部3からのコマンド(ここでは送信系コマンド)をRW8に対して発行する。RW8から前記コマンドに対する応答を受信したらそのまま通常運用制御部3に通知する(ステップS64)。そして処理を終了する。
しかし補正フラグがONであれば、ステップS68に進み、電力指示値は許容内かを判定する。ここでの判定処理は、通常運用制御部3から指示される電力値が妥当か(許容内か)をチェックする。例えば最大許容電力値が、規格値(最大30dBm)であり、RW-2の最大基準値(9 dBm) であれば、21 dBm 以下を判定する。そして電力指示値が許容内でなければ、ステップS69に進み、通常運用制御部3に電力設定異常を通知する。そして処理を終了する。また電力指示値が許容内であれば、ステップS70に進み、指示電力保持手段13に記録された電力値と電力管理テーブル6の基準電力値を補正値算出手段14で加算して補正値を算出する。
図示の具体例について説明すれば、指示電力保持手段13には、RW番号がRW-1及びRW-2の場合における指示電力値がそれぞれ20 dBm として記録されており、また電力管理テーブル6におけるアンテナ接続情報RW-1-Paの基準電力値が5.5 dBm で、アンテナ接続情報RW-2-Pbの基準電力値が9.0 dBmと格納されていることから、それぞれの加算値は、RW-1-Paは25.5 dBm で、RW-2-Pbは29.0 dBmとなり、これらの加算値を補正すべき電力値としてRW8に送出指示することになる。すなわち、RW8に対して上記補正値を含む形での送信電力設定コマンドを発行する(ステップS71)。そのあとで正常に完了したかを判定する(ステップS72)。ここで正常完了でなければステップS69に進み、通常運用制御部3に電力設定異常を通知する。そして処理を終了する。一方、正常完了であれば、ステップS63に進み、一時退避した通常運用制御部3からのコマンド(ここでは送信系コマンド)をRW8に対して発行する。RW8から前記コマンドに対する応答を受信したらそのまま通常運用制御部3に通知する(ステップS64)。そして処理を終了する。
図8は、本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第3実施例の構成概要を示す図である。図8において本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式は、まず基準タグ(図上の黒塗り四角)を用いてケーブル長差等に起因する損失(減衰量)を考慮してタグ動作電力を自動測定する。その結果としてRW410のアンテナポートAからアンテナA(411)迄のケーブル長A(413)が5 m(減衰量= 2.5dB)で、RW415のアンテナポートBからアンテナB(412)迄のケーブル長B(414)が10 m(減衰量= 5dB)であるとき、RW410のポートAとRW415のポートBの送信電力の関係を、
B = A+(5-2.5)・・[dBm](ここでA ,B は、各出力ポートの放射電力[dBm]を表す)
として、エアー上に放出される実放射電力が一致するように設定するものである。なお基準タグを図示のようにアンテナに内蔵させるのではなく、アンテナ外部に近接配置させても良い。
図9は、本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第3実施例の構成を示す機能ブロック図である。図9において本発明のアンテナ放射電力調整方式は、アンテナ放射電力調整装置1、RW8、アンテナグループは同じにされるもののタグRW制御部に接続されるアンテナへの長さが異なる同軸ケーブル9、および、基準タグを搭載するアンテナ10より構成される。そしてアンテナ放射電力調整装置1は、システム管理制御部2、通常運用制御部3および放射電力管理部4から構成されている。そのうち放射電力管理部4は、アンテナ放射電力調整装置1の中枢をなすもので、タグ動作電力測定・記録部5、基準電力管理テーブル6、および、電力補正処理部7から構成されている。
タグ動作電力測定・記録部5は、読取コマンド発行部11および応答確認・判定部12を備えており、システム管理制御部2から発せられるタグ動作電力測定指示にしたがって、読取コマンド発行部11がタグ認識コマンドなどをRW8に送出してタグ動作電力測定を指示する。また応答確認・判定部12は、RW8から応答を受信し、基準タグ(例えばアンテナ1-a(51)に対向するアンテナ2-b(61)の基準タグ62)が応答したときの電力値などを含む応答内容を受信して基準電力管理テーブル6に記録する。基準電力管理テーブル6は、RW及びアンテナポート番号からなるアンテナ接続情報を展開しており、展開したアンテナ接続情報毎に応答があった基準タグのタグ識別情報(例えばタグIDやEPCコード(electronic product code)など)、基準電力の値、補正の有無、及び、グループを記録する。図示例では、RW8が2つのタグRW制御部20,30の異なるアンテナポート、すなわちタグRW制御部-1(20)ではアンテナポートPa(21)にまたタグRW制御部-2(30)ではアンテナポートPb(32)に同軸ケーブル41,45を介してそれぞれアンテナ51,61を接続している。なお本実施例ではゲートシステムのようなアンテナが対向する構成を念頭に置いているのでグループは同じ名称に設定されて記録される。また基準電力管理テーブル6は、上位の通常運用制御部3より送出される送信電力設定コマンドを電力補正処理部7経由で受信し、受信した送信電力設定コマンド中に存在する指示電力を取り出してこれを一時保持する指示電力保持手段13を備えており、これに指示された指示電力を保持する。
電力補正処理部7は、上位の通常運用制御部3より送出される送信電力設定コマンドを下位のRW8に送出すると共に、同じく通常運用制御部3より送出される送信系コマンドを受信し、基準電力管理テーブル6に記録された基準電力と指示電力保持手段13に指示されて一時保持された指示電力とから補正値算出手段14により電力値を算出して、これを補正すべき電力値として同じくRW8に送出する。なお、RW8から受信した応答は、電力補正処理部7を介して通常運用制御部3に伝達する。この場合、タグ認識コマンド等における基準タグからの応答については電力補正処理部7で除去し、応答を通常運用制御部3には通知しないように動作モードを設定することも可能である。
またRW8は、4つのアンテナポートPa ,Pb ,Pc ,Pd を有する第1及び第2のタグRW制御部20,30を備えている。なおここに示したアンテナポートの数は任意であり、これに限定されるものではない。そしてタグRW制御部-1(20)は、タグアクセス制御部25、送受信制御部+送信電力制御部26、および、アンテナ切替部27から構成されている。タグアクセス制御部25は、放射電力管理部4から送出される各種コマンドに基づいてタグに対するアクセスを実施するための制御を行う。送受信制御部+送信電力制御部26は、タグへのリード/ライトを所定の送信電力で行うよう制御する。またアンテナ切替部27は、アンテナポートPa ,Pb ,Pc ,Pd の切替えを実行し、所定のアンテナに所望の電力を供給してタグに対するリード/ライトを実行する。
アンテナポートPa(21)とアンテナ1-a(51)とを結ぶ同軸ケーブル41およびアンテナポートPb(42)とアンテナ2-b(61)とを結ぶ同軸ケーブル45は、アンテナ同士が対向しているもののアンテナの設置位置がそれぞれ異なることから、そのケーブル長は同じにならない。そのためケーブル長による減衰量も図8に示したようにそれぞれ異なる。また図示例では、アンテナポートPb(32)に接続されたアンテナ2-b(61)における基準タグ62が応答すべき基準タグとして設定され、アンテナポートPa(21)に接続されたアンテナ1-a(51)から同軸ケーブル41の長さを考慮した上でのタグ動作電力の測定を行って、その結果を基準電力として基準電力管理テーブル6に記録する。一方、図示していないが、アンテナポートPa(21)に接続されたアンテナ1-a(51)における基準タグ52が応答すべき基準タグとして設定され、アンテナポートPb(32)に接続されたアンテナ2-b(61)から同軸ケーブル45の長さを考慮した上でのタグ動作電力の測定を行って、その結果を基準電力として基準電力管理テーブル6に記録する。そうした上で本実施例では、アンテナ1-a(51)とアンテナ2-b(61)が放出するエアー上の実放射電力が一致するように補正する。
このように本発明の第3実施例に係るアンテナ放射電力調整方式は、ゲートシステムのようにアンテナを対向させる構成において、各アンテナに基準タグを搭載し、システムの設置時(現地調整時等)に、予め各アンテナポート先に接続されたアンテナ上の基準タグの識別情報(タグIDやEPCコード等)を各アンテナポートに対応付けてアンテナ放射電力調整装置内の基準電力管理テーブルに記録するとともに、タグ動作電力測定コマンドをアンテナ放射電力調整装置内のシステム管理制御部から発行し、アンテナ放射電力調整装置内の放射電力管理部からRW内のタグRW制御部を制御してタグ読み取り電力を最小値から段階的に増加させると共に、その都度基準タグからの応答確認を行い、対向するアンテナ側に実装された基準タグからの基準タグの識別情報(タグIDやEPCコード等)を確認できた時点の電力値をその当該アンテナポートの最高基準電力値として記録し、更に対向側のアンテナポートにおいても同様の処理を行い、以降の運用時におけるアンテナ放射電力調整装置内の通常運用制御部からの電力制御指示では、記録された最高基準電力値をそのまま使用するか或いは低下させて使用する場合には両アンテナポートを同一レベルで低下させるようにして実放射電力を調整するので、エアー上で実放射電力を一致させることが可能となる。
また上記においてアンテナ放射電力調整装置を具体的にどの装置に実装するかについては明示していないが、これについては上述した第1実施例で説明したのと同様なのでここでの説明を省く。
なお、本実施例は、アンテナからの放射電力を一致させる点では上記実施例1と同じとなるためそのことによる効果は同じものとなるが、それ以外に本実施例ではタグ動作電力の測定において最高基準電力値を自動測定でき、実運用で最高基準電力値より低下させた電力値を実放射電力として使用できるようになるためより適切な電力レベル(強さ)での運用を行うことができるという効果がある。
図10は、本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第3実施例における基準タグの動作電力測定の手順を説明する図である。なお図示例ではステップを“S”と略記する。図10においてタグ動作電力測定処理は、通常、システム設置時及び保守時(故障時のハード交換後)において実行され、システム管理制御部1よりタグ動作電力測定指示がなされることは図3に示したのと同じである。タグ動作電力測定指示に伴い全アンテナ接続情報(RW及びアンテナポート番号からなる)を放射電力管理部4内の管理テーブル6(図9参照)に展開し、またタグIDを予め設定する(ステップS81)。本実施例では予めアンテナを対向配置することを念頭にタグIDを登録することが必要である。例えばアンテナ1-a側にはアンテナ2-b内の基準タグのID(例.XX21)を登録し、これに対向するアンテナ2-b側にはアンテナ1-a内の基準タグのID(例.XX10)を登録する。次いで管理テーブル6のポインタをクリアし(ステップS82)、管理テーブル6の先頭に設定する。そして送信電力カウンタ(図示せず)を初期値に設定する(ステップS83)。この設定により送信電力カウンタは最小となる。次いでRW8に送信電力設定コマンドを発行する(ステップS84)。そして電力設定が正常に完了したかを判定する(ステップS85)。ここで電力設定が正常に完了しなかった場合には、電力設定異常を通知する(ステップS86)。しかし電力設定が正常に完了した場合には、RW8にタグ認識のための読取コマンドを管理テーブル上のタグIDで発行する(ステップS87)。ここでコマンドパラメータとして、管理テーブル6のポインタの指す接続情報(RWとアンテナポート番号と基準タグのID)を付加する。そしてRW8からコマンド完了応答を受信する(ステップS88)。
次に、指定IDタグを検出できたかを判定する(ステップS89)。ここで指定IDタグを検出できなかった場合には、電力上限かを判定する(ステップS90)。電力上限を調べるのは、電波法に規定される既定の最大値を超えないかを確認するためで、規格上の限界値(UHF-RFIDの場合、最大30dBm)を超えるかを判定する。電力上限でなければ送信電力カウンタをインクリメントし、電力を0.5dB分だけ増加するよう制御して(ステップS91)、ステップS84〜ステップS89の処理を再度実行する。一方、ステップS90の処理で電力上限であると判定された場合には、タグ検出不可であることを通知する(ステップS92)。
上記ステップS89において、指定IDタグを検出できた場合には、ステップS93に進み、上記と同様にRW8にタグ認識のための読取コマンドの発行と検出確認を3回実施する(ステップS93)。そして3回連続でOKかを判定する(ステップS94)。これは安定度の確認のため、3回程度繰り返して読み取り確認を行うもので、回数は3回に限らずそれ以上実施することが望ましい。ステップS94で3回連続してOKを確認できなかった場合には、ステップS90に進み、上述したのと同様、電力上限かを判定する。電力上限でなければ送信電力カウンタをインクリメントし、電力を0.5dB分だけ増加するよう制御して(ステップS91)、ステップS84〜ステップS94の処理を再度実行する。一方、ステップS90の処理で電力上限であると判定された場合には、タグ検出不可であることを通知する(ステップS92)。
上記ステップS94において、3回連続でOKを確認できれば、送信電力値を管理テーブル6に記録する(ステップS95)。次いで全アンテナについて測定が完了したかを判定する(ステップS96)。全アンテナについて完了していなければ、ステップS97に進み、管理テーブル6のポインタを1つ進め、ステップS83に戻り、ステップS83以降の処理を全アンテナが完了するまで実行する。またステップS96で全アンテナについて完了していればステップS98に進み、正常完了を通知する。
図11は、本発明の実施形態に係るアンテナ放射電力調整方式を具現するための第3実施例における送信電力補正処理の手順を説明する図である。なお図示例ではステップを“S”と略記する。図11における送信電力補正処理は、図10において説明したタグ動作電力測定後に実施されるもので、通常運用の開始前に通常運用制御部3から発行される、送信電力設定コマンドおよび送信系コマンドにしたがって送信電力補正処理が開始される。
図11において、まず送信電力設定コマンドが発行された場合における送信電力補正処理を説明する。送信電力設定コマンドは、RW8に送信電力値を直接指示するコマンドであるが、本コマンドにはアンテナ接続情報が付加されていないためこの時点で補正を行うことはできない点は上述したとおりである。よって、本コマンドでは指示電力保持手段13で指定された電力値を一時保持し、後述する送信系コマンド(アンテナ接続情報有り)を受けた時点で電力値を補正してRW8側に再設定する。
送信電力設定コマンドが通常運用制御部3から発行されると、本コマンド情報を一時退避する(ステップS101)。次いで指示電力値を管理テーブル6内の指示電力保持手段13に記録する(ステップS102)。そして一時退避した通常運用制御部3からのコマンドをRW8に対して発行する(ステップS103)。RW8から前記コマンドに対する応答を受信したらそのまま通常運用制御部3に通知する(ステップS104)。なお、タグ認識コマンド等の場合、基準タグからの応答については電力補正処理部7で除去し、応答を通常運用制御部3には通知しないように動作モードを設定することも可能である。そして処理を終了する。
次に、図11において送信系コマンドが発行された場合における送信電力補正処理を説明する。送信系コマンドは、電波を送出してタグと通信するコマンドであり、本コマンドにはアンテナ接続情報が付加されるが、電力値に関する情報は付加されないことについては、上述したとおりである。
いま送信系コマンドが通常運用制御部3から発行されると、上記と同様、本コマンド情報を一時退避する(ステップS105)。次いで本コマンドで指定されるアンテナポートに対応する基準電力管理テーブル6の内容(基準電力、補正有無)を読み取る(ステップS106)。そして補正フラグがONかを判定する(ステップS107)。ここで補正不要の指定(出力を合わせる必要がない場合)はステップS108、S110〜S112をバイパスする。つまり補正フラグがONでなければ、ステップS103に進み、一時退避した通常運用制御部3からのコマンド(ここでは送信系コマンド)をRW8に対して発行する。RW8から前記コマンドに対する応答を受信したらそのまま通常運用制御部3に通知する(ステップS104)。そして処理を終了する。
しかし補正フラグがONであれば、ステップS108に進み、電力指示値は許容内かを判定する。ここでの判定処理は、通常運用制御部3から指示される電力値がグループ内で妥当か(許容内か)をチェックする。例えば最大許容電力値が、規格値(最大30dBm)であり、グループA内の最大基準値(28 dBm) であれば、2 dBm 以下を判定する。そして電力指示値が許容内でなければ、ステップS109に進み、通常運用制御部3に電力設定異常を通知する。そして処理を終了する。また電力指示値が許容内であれば、ステップS110に進み、指示電力保持手段13に記録された電力値と電力管理テーブル6の基準電力値を補正値算出手段14で加減算して補正値を算出する。
図示の具体例について説明すれば、通常運用制御部3からの電力指定は、(+)なら加算、(-)なら減算、が指示されていることになり、いま指示電力保持手段13には、RW番号がRW-1及びRW-2の場合における指示電力値がそれぞれ -3 dBm として記録されてことから減算が指示されたことになる。そして電力管理テーブル6におけるアンテナ接続情報RW-1-Paの基準電力値が 27 dBm で、アンテナ接続情報RW-2-Pbの基準電力値が 28 dBmと記録されていることから、それぞれの加算値は、RW-1-Paでは-3 dBm 減算されて 24 dBm となり、RW-2-Pbでは-3 dBm 減算されて 25 dBmとなり、これらの加減算値を補正後の電力値としてRW8に送出指示することになる。すなわち、RW8に対して上記補正値を含む形での送信電力設定コマンドを発行する(ステップS111)。そのあとで正常に完了したかを判定する(ステップS112)。ここで正常完了でなければステップS109に進み、通常運用制御部3に電力設定異常を通知する。そして処理を終了する。一方、正常完了であれば、ステップS103に進み、一時退避した通常運用制御部3からのコマンド(ここでは送信系コマンド)をRW8に対して発行する。RW8から前記コマンドに対する応答を受信したらそのまま通常運用制御部3に通知する(ステップS104)。そして処理を終了する。
図12は、本発明アンテナ放射電力調整方式に用いる基準タグの搭載例を示す図である。図12に示すように基準タグ601は、アンテナケース内のアンテナエレメント602の上部のアンテナカバー側に貼り付けて構成する。そして図12に示すアンテナが直線偏波アンテナで構成した場合には、基準タグ601が直線偏波アンテナの偏波方向(図示せず)に合わせる形で貼り付けが行われるのが望ましい。
1 アンテナ放射電力調整装置
2 システム管理制御部
3 通常運用制御部
4 放射電力管理部
5 タグ動作電力測定・記録部
6 基準電力管理テーブル
7 電力補正処理部
8 リーダライタ(Reader / Writer)
9 同軸ケーブル
10 アンテナ
11 読取コマンド発行部
12 応答確認・判定部
13 指示電力保持手段
14 補正値算出手段
20,30 タグRW制御部
21〜24 アンテナポート
25 タグアクセス制御部
26 送受信制御部+送信電力制御部
27 アンテナ切替部
41〜44 同軸ケーブル
51 アンテナ1-a
52,54,56,58 基準タグ
53 アンテナ1-b
55 アンテナ1-c
57 アンテナ1-d
110 RW
111, 113 アンテナA
112, 114 アンテナB
210 RW A
211, 212 アンテナA
310 RW B
311, 312 アンテナB
410 RW A
415 RW B
411, 413 アンテナA
412, 414 アンテナB
601 基準タグ
602 アンテナエレメント

Claims (7)

  1. 一定の読み取り電力で応答する基準タグを各アンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置したRFIDシステムのアンテナ放射電力調整装置であって、該アンテナ放射電力調整装置は、
    前記基準タグに対しデータの送受信を行うリーダライタのアンテナポートに接続されたアンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置された前記基準タグを用いて、前記リーダライタの各アンテナポートから各アンテナまでの総減衰量を受信し、受信した該総減衰量に基づき、複数のアンテナについてタグ動作電力を測定するタグ動作電力測定手段と、
    前記タグ動作電力を補正して前記複数のアンテナからエアーに放出される実放射電力を同レベルに合せるアンテナ放射電力調整手段と、を備え、
    前記タグ動作電力測定手段は、
    システム管理制御部からの動作電力測定指示に従い、前記タグ動作電力を測定するためのコマンドを前記リーダライタに送信するタグ動作電力測定部と、
    該タグ動作電力測定部の指示で前記リーダライタがタグ読み取り電力を最小値から段階的に増加させながら、その都度前記基準タグからの応答確認を行い、前記基準タグからの応答を確認できた時点の電力値を前記基準タグの基準電力値としてタグ識別情報と共に管理テーブルに記録する基準電力記録部を含み、
    前記アンテナ放射電力調整手段は、
    運用管理制御部からの電力制御指示で指示電力値を保持する指示電力保持部と、
    前記運用管理制御部からの電力制御指示によってアンテナ放射電力の補正が必要な場合には、前記指示電力保持部に保持された指示電力値を前記管理テーブルに記録された各アンテナポートに独立にもつ基準電力値に加える演算を行って補正値を算出する補正電力算出部と、
    前記リーダライタにコマンドを送信して前記補正された電力値で前記アンテナからエアー上に放射するように指示する実放射電力指示部を含む、
    ことを特徴とするアンテナ放射電力調整装置。
  2. 前記複数のアンテナが異なるリーダライタのアンテナポートに接続されたアンテナ同士であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ放射電力調整装置。
  3. 一定の読み取り電力で応答する基準タグをそれぞれ対向させた2つのアンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置したRFIDシステムのアンテナ放射電力調整装置であって、該アンテナ放射電力調整装置は、
    前記基準タグに対しデータの送受信を行うリーダライタのアンテナポートに接続されたアンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置された前記対向させたアンテナの前記基準タグを用いて、前記リーダライタの各アンテナポートからアンテナまでの総減衰量を受信し、受信した総減衰量に基づき、タグ動作電力を測定するタグ動作電力測定手段と、
    前記タグ動作電力を補正して前記対向させた2つのアンテナからエアーに放出される実放射電力を同レベルに合せるアンテナ放射電力調整手段と、を備え、
    前記タグ動作電力測定手段は、
    システム管理制御部からの動作電力測定指示に従い、前記タグ動作電力を測定するためのコマンドを前記リーダライタに送信するタグ動作電力測定部と、
    該タグ動作電力測定部の指示で前記リーダライタがタグ読み取り電力を最小値から段階的に増加させながら、その都度前記基準タグからの応答確認を行い、前記基準タグからの応答を確認できた時点の電力値を前記対向させたアンテナにおける前記基準タグの最高基準電力値としてタグ識別情報と共に管理テーブルに互い違いに記録する基準電力記録部を含み、
    前記アンテナ放射電力調整手段は、
    運用管理制御部からの電力制御指示で指示電力値を保持する指示電力保持部と、
    前記運用管理制御部からの電力制御指示によってアンテナ放射電力の補正が必要な場合には、前記指示電力保持部に保持された指示電力値を前記管理テーブルに記録された前記対向させたアンテナのアンテナポートに独立にもつ最高基準電力値に加減演算を行って補正値を算出する補正電力算出部と、
    前記リーダライタにコマンドを送信して前記補正された電力値で前記アンテナからエアー上に放射するように指示する実放射電力指示部を含む、
    ことを特徴とするアンテナ放射電力調整装置。
  4. 前記基準電力記録部に記録された前記対向させたアンテナにおける前記基準タグの最高基準電力値の双方が補正の必要が無い状態に設定されていた場合には、前記アンテナ放射電力調整手段は、前記記録された最高基準電力値をそのまま使用するよう前記リーダライタにコマンドを送信することを特徴とする請求項3に記載のアンテナ放射電力調整装置。
  5. 一定の読み取り電力で応答する基準タグを各アンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置したRFIDシステムのアンテナ放射電力調整方法において、
    前記基準タグに対しデータの送受信を行うリーダライタのアンテナポートに接続されたアンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置された前記基準タグを用いて、前記リーダライタの各アンテナポートから各アンテナまでの総減衰量を受信し、受信した該総減衰量に基づき、複数のアンテナについてタグ動作電力を測定する工程は、
    システム管理制御部からの動作電力測定指示に従い、前記タグ動作電力を測定するためのコマンドを前記リーダライタに送信する工程と、
    該タグ動作電力測定部の指示で前記リーダライタがタグ読み取り電力を最小値から段階的に増加させながら、その都度前記基準タグからの応答確認を行い、前記基準タグからの応答を確認できた時点の電力値を前記基準タグの基準電力値としてタグ識別情報と共に管理テーブルに記録する工程と、を含み、
    前記タグ動作電力を補正して前記複数のアンテナからエアーに放出される実放射電力を同レベルに合せるアンテナ放射電力調整工程は、
    運用管理制御部からの電力制御指示で指示電力値を保持する工程と、
    前記運用管理制御部からの電力制御指示によってアンテナ放射電力の補正が必要な場合には、前記指示電力保持部に保持された指示電力値を前記管理テーブルに記録された各アンテナポートに独立にもつ基準電力値に加える演算を行って補正値を算出する工程と、
    前記リーダライタにコマンドを発行して前記補正された電力値で前記アンテナからエアー上に放射するように指示する工程と、を含む、
    ことを特徴とするアンテナ放射電力調整方法。
  6. 一定の読み取り電力で応答する基準タグをそれぞれ対向させた2つのアンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置したRFIDシステムのアンテナ放射電力調整方法であって、該アンテナ放射電力調整方法は、
    前記基準タグに対しデータの送受信を行うリーダライタのアンテナポートに接続されたアンテナに内蔵または、該アンテナの外部に近接配置された前記対向させたアンテナの前記基準タグを用いて前記リーダライタの各アンテナポートからアンテナまでの総減衰量を受信し、受信した該総減衰量に基づき、タグ動作電力を測定する工程は、
    システム管理制御部からの動作電力測定指示に従い、前記タグ動作電力を測定するためのコマンドを前記リーダライタに送信する工程と、
    該タグ動作電力測定部の指示で前記リーダライタがタグ読み取り電力を最小値から段階的に増加させながら、その都度前記基準タグからの応答確認を行い、前記基準タグからの応答を確認できた時点の電力値を前記対向させたアンテナにおける前記基準タグの最高基準電力値としてタグ識別情報と共に管理テーブルに互い違いに記録する工程と、を含み、
    前記タグ動作電力を補正して前記対向させた2つのアンテナからエアーに放出される実放射電力を同レベルに合せるアンテナ放射電力調整アンテナ放射電力調整工程は、
    運用管理制御部からの電力制御指示で指示電力値を保持する工程と、
    前記運用管理制御部からの電力制御指示によってアンテナ放射電力の補正が必要な場合には、前記指示電力保持部に保持された指示電力値を前記管理テーブルに記録された前記対向させたアンテナのアンテナポートに独立にもつ最高基準電力値に加減演算を行って補正値を算出する工程と、
    前記リーダライタにコマンドを送信して前記補正された電力値で前記アンテナからエアー上に放射するように指示する工程と、を含む、
    ことを特徴とするアンテナ放射電力調整方法。
  7. 前記記録する工程において前記対向させたアンテナにおける前記基準タグの最高基準電力値の双方が補正の必要が無い状態に設定されていた場合には、前記アンテナ放射電力調整工程は、前記記録された最高基準電力値をそのまま使用するよう前記リーダライタにコマンドを送信することを特徴とする請求項6に記載のアンテナ放射電力調整方法。
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