JP2011138088A - ウェハレベルレンズアレイ、レンズモジュール及び撮像ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】リフロー工程の温度に起因する基板の歪みやレンズの割れ等の不具合を防止できるウェハレベルレンズアレイ、レンズモジュール及び撮像ユニットを提供する。
【解決手段】基板31と、基板31に設けられた複数のレンズ30と、を備えるウェハレベルレンズアレイであって、基板31には、該基板31の第1の表面から該第1の表面とは反対側の第2の表面にわたって該基板の厚み方向に貫通する複数の貫通孔32が形成され、レンズ30は、貫通孔32をそれぞれ埋めて設けられており、基板31とレンズ30の線膨張係数が同じ、若しくは、基板31の方が大きいときには31基板とレンズ30との線膨張係数の差が3.0×10−5/℃以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、基板の貫通孔にレンズが設けられたウェハレベルレンズアレイ、このウェハレベルレンズアレイを分離してなるレンズモジュール、このレンズモジュールを備えた撮像ユニットに関する。
近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器の携帯端末には、小型で薄型な撮像ユニットが搭載されている。このような撮像ユニットは、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子と、固体撮像素子上に被写体像を結像するレンズと、を備えている。
携帯端末の小型化・薄型化、そして携帯端末の普及により、それに搭載される撮像ユニットにも更なる小型化・薄型化が要請され、そして生産性が要請される。かかる要請に対して、複数のレンズが形成されたレンズ基板と、複数の固体撮像素子が形成されたセンサ基板とを一体に組み合わせ、その後に、それぞれにレンズ及び固体撮像素子を含むようにレンズ基板及びセンサ基板を切断して撮像ユニットを量産する方法が知られている。以下、レンズ基板に形成された複数のレンズの個々のレンズをウェハレベルレンズ(又は、単に、レンズ)と呼び、レンズ基板に形成されたレンズ群を、このレンズ基板を含めて、ウェハレベルレンズアレイと呼ぶ。
従来のウェハレベルレンズアレイとしては、ガラス等の光透過性材料で形成された平行平板の基板の表面に硬化性樹脂材料を滴下し、この樹脂材料を成形型にて所定の形状に整形した状態で硬化させ、複数のレンズを形成したものが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
しかしながら、特許文献1、2に開示されたウェハレベルレンズアレイでは、レンズが、硬化性樹脂材料からなる部分と該硬化性樹脂材料とは光学特性の異なる基板材料からなる部分を含み、それらの境界で反射を生じる。それにより、フレアやゴーストが発生して画像品質を悪化させるという光学性能上の不都合が起こり得る。
特許文献3に開示されたウェハレベルレンズアレイは、基板に貫通孔を設け、この貫通孔にレンズが配置される構造である。特許文献3の構造であれば、光が通過するレンズ部分においては、基板とレンズ部分との間に境界がなく、フレアやゴーストの発生を防止することが可能である。
特許第3926380号公報 国際公開第08/102648号 国際公開第09/076790号
ところで、上述の撮像モジュールを備えた撮像装置を製造する場合に、量産するためにプロセスの簡略化が図られている。製造工程の一例としては、複数のウェハレベルレンズアレイと固体撮像素子が形成されたセンサ基板とを貼り合せ、切断して撮像モジュールとし、この撮像モジュールに高温の半田等を用いるリフロー工程を行う。リフロー工程では、撮像モジュールが200℃以上(一般的には250℃〜270℃)の温度に晒される。リフロー工程時に、撮像モジュールの基板を形成する材料とレンズを形成する材料との線膨張係数の差によって、基板が歪んだり、レンズが割れたりするといった不具合が生じる。
特に、基板の貫通孔にレンズを埋めて設ける構成においては、リフロー工程時における基板を形成する材料とレンズを形成する材料との線膨張係数の差による影響をうけやすいと考えられる。
なお、特許文献3には、基板材料として、ガラス、有機・無機プラスチック材料、シリコン、金属、金属酸化物、セラミック等(コラム12、5〜16行目)が挙げられている。また、レンズ材料としてUV硬化樹脂(コラム19、1〜2行目)が挙げられている。しかし、基板の材料とレンズの材料との組み合わせについては特に言及しておらず、リフロー工程における線膨張係数の差については何ら考慮されていない。
本発明は、リフロー工程の温度に起因する基板の歪みやレンズの割れ等の不具合を防止できるウェハレベルレンズアレイ、レンズモジュール及び撮像ユニット提供する。
本発明は、基板と、該基板に設けられた複数のレンズと、を備えるウェハレベルレンズアレイであって、
前記基板には、該基板の第1の表面から該第1の表面とは反対側の第2の表面にわたって該基板の厚み方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、
前記レンズは、前記貫通孔をそれぞれ埋めて設けられており、
前記基板と前記レンズの線膨張係数が同じ、若しくは、前記基板の方が大きいときには前記基板と前記レンズとの前記線膨張係数の差が3.0×10−5/℃以下であるウェハレベルレンズアレイである。
本発明のウェハレベルレンズアレイは、基板とレンズの線膨張係数が同じであるか、若しくは、線膨張係数の差を上記範囲内とすることで、リフロー工程時の高温に晒されたときに基板とレンズの間で熱膨張によって発生する応力を抑えることができる。こうして、基板の歪みやレンズの割れ等の不具合を防止できる。
本発明によれば、リフロー工程の温度に起因する基板の歪みやレンズの割れ等の不具合を防止できるウェハレベルレンズアレイ、レンズモジュール及び撮像ユニットを提供できる。
本発明の実施形態の一例を説明するための、撮像ユニットの断面図である。 本発明の実施形態の一例を説明するための、ウェハレベルレンズアレイの斜視図である。 図2のウェハレベルレンズアレイの断面図である。 図2のウェハレベルレンズアレイの変形例の断面図である。 図2のウェハレベルレンズアレイの製造方法の一例に係り、該製造方法に用いる成形型の断面図である。 図5の成形型を用いたウェハレベルレンズアレイの製造方法の一例を示す図である。 図5の成形型を用いたウェハレベルレンズアレイの製造方法の一例を示す図である。 図5の成形型を用いたウェハレベルレンズアレイの製造方法の一例を示す図である。 図5の成形型を用いたウェハレベルレンズアレイの製造方法の変形例を示す図である。 図1の撮像ユニットの製造方法の一例を示す図である。 図1の撮像ユニットの製造方法の他の例を示す図である。 図1の撮像ユニットの製造方法の他の例を示す図である。 図12の撮像ユニットの製造方法を、それに用いるウェハレベルレンズアレイ及びウェハレベルセンサアレイの断面で示す図である。 図1の撮像ユニットの製造方法の他の例を示す図である。
図1に示すように、撮像ユニット1は、固体撮像素子20を含むセンサモジュール2と、固体撮像素子20に被写体像を結像させるレンズ30を含むレンズモジュール3と、を備えている。
センサモジュール2は、基板部21、及び基板部21に設けられた固体撮像素子20を含んでいる。基板部21は、例えばシリコンなどの半導体材料で形成されており、平面視略矩形状に形成されている。固体撮像素子20は、基板部21の略中央部に設けられている。この固体撮像素子20は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどであり、基板部21に対して周知の成膜工程、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程、不純物添加工程、等を繰り返し、該基板部に電極、絶縁膜、配線、等を形成して構成されている。
レンズモジュール3は、基板部31、及び基板部31に設けられたレンズ30を含んでいる。基板部31は、センサモジュール2の基板部21と略同一の平面視略矩形状に形成されている。基板部31の中央部には、基板部31の第1の表面S1から第1の表面S1とは反対側の第2の表面S2にわたって基板部31を厚み方向に貫通する平面視略円形状の貫通孔32が設けられている。レンズ30は、基板部31の貫通孔32を埋めて設けられている。そして、レンズ30には、所定のレンズ面LS1,LS2が形成されている。
レンズモジュール3は、その基板部31とセンサモジュール2の基板部21との間にスペーサ4を介してセンサモジュール2に積層され、センサモジュール2に組み付けられている。スペーサ4と両モジュール2,3の基板部21,31とは、例えば接着剤などを用いて接合される。このスペーサ4は、レンズモジュール3のレンズ30がセンサモジュール2の固体撮像素子20上で被写体像を結像させるように、両モジュール2,3の基板部21,31の間に所定の距離を置く厚みとなっている。
スペーサ4は、両モジュール2,3の基板部21,31の間に所定の距離を置くことができる限り、その形状は特に限定されるものではなく、例えば四隅にそれぞれ設けられる柱状の部材であってもよい。また、スペーサ4は、図示の例のように、センサモジュール2の固体撮像素子20の周囲を取り囲んで両モジュール2,3の基板部21,31の間の空間を外より隔絶する枠状の部材であってもよく、これによれば、両モジュール2,3の基板部21,31の間から固体撮像素子20に付着するゴミ等の異物の影響を防止することができる。更に、スペーサが光を遮断する材料で形成されていれば、固体撮像素子20に入射する不要な光をスペーサ4によって遮ることができる。
なお、図示の例では、センサモジュール2に組み合わされるレンズモジュール3が1つであるが、複数のレンズモジュール3が組み合わされる場合もある。その場合には、複数のレンズモジュール3は、スペーサ4と同等のスペーサを介してセンサモジュール2に順次積層され、センサモジュール2に組み付けられる。
以上のように構成された撮像ユニット1は、携帯端末の回路基板にリフロー工程を行うことで実装される。即ち、回路基板には、撮像ユニット1が実装される位置に予めペースト状の半田が適宜印刷されており、そこに撮像ユニット1が載せられ、この撮像ユニット1を含む回路基板に赤外線の照射や熱風の吹付けといった加熱処理が施され、それにより半田を溶かして撮像ユニット1は回路基板に実装される。
上述のレンズモジュール3は、図2及び図3に示すレンズ基板31Aに複数のレンズ30が設けられたウェハレベルレンズアレイ3Aの基板31Aを切断し、それぞれにレンズ30及びレンズ30を保持する基板部31を含んで分離されて形成される。また、上述のセンサモジュール2も同様に、基板に複数の固体撮像素子が設けられたウェハレベルセンサアレイの該基板を切断し、それぞれに固体撮像素子及び該固体撮像素子を保持する基板部を含んで分離されて形成される。以下に、ウェハレベルレンズアレイ3Aについて詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、ウェハレベルレンズアレイ3Aは、平面視略円形状に形成された平行平板の基板31Aと、基板31Aに格子状に配列されて設けられた複数のレンズ30と、を備えている。基板31Aには、各レンズ30の配置箇所に対応して、基板31Aを第1の表面S1から第1の表面S1とは反対側の第2の表面S2にわたって基板31Aを厚み方向に貫通する平面視略円形状の貫通孔32が複数設けられている。
レンズ30は、貫通孔32を埋めて基板31Aに設けられている。レンズ30の貫通孔32内に収容される部分の外周面は、貫通孔32の内周面に密着している。それにより、レンズ30と基板31との接合強度が得られる。なお、外周面が貫通孔32の内周面に密着するレンズ30の形成について、その詳細は後述するが、ガラスや樹脂などをレンズ材料とした圧縮成形ないし射出成形を例示することができる。
そして、レンズ30には、それぞれ所定のレンズ面LS1,LS2が形成されている。図示の例では、レンズ面LS1,LS2は、いずれも凸の球面に形成されている。なお、これらのレンズ面LS1,LS2は凹の球面であってもよいし、非球面であっても良い。
更に、レンズ面LS1,LS2が形成されるレンズ30の光軸方向の両端部30a,30bのうち少なくとも一方の端部は、貫通孔32より突出する。そして、貫通孔32より突出するレンズ30の端部には、基板31Aの第1の表面S1における貫通孔32の周辺部32a又は第2の表面S2における貫通孔32の周辺部32bに重なり合う延在部が設けられる。図示の例では、レンズ30の両端部30a,30bのいずれもが貫通孔32より突出しており、端部30aには基板31Aの第1の表面S1における貫通孔32の周辺部32aに重なり合う延在部33aが設けられ、端部30bには基板31Aの第2の表面S2における貫通孔32の周辺部32bに重なり合う延在部33bが設けられている。換言すれば、レンズ30の中心軸(光軸)Xからレンズ30の延在部33a,33bの先
端までの距離をdとし、延在部33a,33bが重なる基板31Aの表面における貫通孔32の開口半径をrとしたときに、d>rを満たし、延在部33a,33bは、基板31Aの表面に係合する。レンズ30の延在部33a,33bが貫通孔32の周辺部に重なり合って基板31の表面に密着することにより、レンズ30と基板31との接合強度が高められる。
これらの延在部33a,33bは、貫通孔32より突出したレンズ30の端部30a,30bの周縁の全周から、基板31の表面S1,S2に沿って外径側に広がって、平面視略円環状に形成されている。延在部33a,33bが略円環状に形成され、貫通孔32の周辺部32a,32bに全周にわたって重なり合うことにより、レンズ30と基板31Aとの接合が一層強固となる。更に、両延在部33a,33bで基板31Aを挟むことによって、レンズ30と基板31Aとの接合は、より一層強固となる。
なお、レンズ30の延在部の形状は、上述の延在部33a,33bのような略円環状のものに限られるものではない。延在部は、貫通孔32の周辺部の少なくとも一部に重なり合うものであればよく、例えば、レンズ30の端部30a,30bの周縁からそれぞれ放射状に延びる1又は複数の小片であってもよい。
また、レンズ30は延在部が設けられる構成に限定されない。レンズ30は、その端部30a,30bの周縁が基板31の表面S1,S2側に広がることなく、貫通孔32の内周面に位置する構成としてもよい。
このように構成されるレンズ30は、その全体が均質な材料で形成されるので、光学性能に優れる。即ち、レンズ30の光軸X上に、屈折率等の光学特性が互いに異なる材料同士の境界は形成されず、境界における反射、それによるフレアやゴーストの発生といった光学性能上の不都合が回避される。
そして、レンズ30は、その延在部33a,33bにより、基板部31との接合が確立されるので、例えば半田付けなどによる基板部31との接合作業を要せず、よって、生産性に優れる。
上述したウェハレベルレンズアレイ3Aのレンズ30は、その両端部30a,30bが、いずれも貫通孔32より突出し、また、レンズ面LS1,LS2がいずれも凸の球面であるが、これに限られるものではない。以下に、ウェハレベルレンズアレイ3Aのレンズ30の変形例を説明する。
図4Aに示す変形例のレンズ30は、その両端部30a,30bが、いずれも貫通孔32より突出し、端部30a,30bには延在部33a,33bが形成されている。そして、レンズ面LS1は凹の球面となっている。また、レンズ面LS2は凸の球面となっている。
図4Bに示す変形例のレンズ30は、その両端部30a,30bが、いずれも貫通孔32より突出し、端部30a,30bには延在部33a,33bが形成されている。そして、レンズ面LS1,LS2は、いずれも凹の球面となっている。
図4Cに示す変形例のレンズ30は、その両端部30a,30bが、いずれも貫通孔32より突出し、端部30a,30bには延在部33a,33bが形成されている。そして、レンズ面LS1は非球面となっている。また、レンズ面LS2は凸の球面となっている。
図4Dに示す変形例のレンズ30は、その両端部30a,30bが、いずれも貫通孔32より突出し、端部30a,30bには延在部33a,33bが形成されている。そして、レンズ面LS1,LS2は、いずれも非球面となっている。
図4Eに示す変形例のレンズ30は、その両端部30a,30bが、いずれも貫通孔32より突出し、端部30a,30bには延在部33a,33bが形成されている。そして、レンズ面LS1は、非球面であり、その中央部が貫通孔32内に進入している。また、レンズ面LS2は凸の球面となっている。
図4Fに示す変形例のレンズ30は、一方の端部30aは貫通孔32内に収容され、他方の端部30bが貫通孔32より突出しており、貫通孔32より突出している端部30bにのみ延在部33bが形成されている。そして、レンズ面LS1は凹の球面となっている。また、レンズ面LS2は凸の球面となっている。
図4Gに示す変形例のレンズ30は、一方の端部30aは貫通孔32内に収容され、他方の端部30bが貫通孔32より突出しており、貫通孔32より突出している端部30bにのみ延在部33bが形成されている。そして、レンズ面LS1は凹の球面となっている。また、レンズ面LS2は非球面となっている。
なお、レンズ30のレンズ面LS1,LS2の形状の組み合わせは、図3や図4A〜Gに示すものに限られず、凸若しくは凹の球面、又は非球面を種々に組み合わせることができる。
基板31Aに貫通孔32が形成され、レンズ30は貫通孔32を埋めて設けられることにより、図4Eに示すように、レンズ30の一方のレンズ面LS1の一部が貫通孔32内に進入するようなレンズ形状や、図4F及び図4Gに示すように、レンズ30の一方のレンズ面LS1及び該レンズ面LS1が形成される端部30aが貫通孔32内に収容されるようなレンズ形状を採ることも可能となり、レンズの設計自由度が高まる。即ち、レンズ設計によっては、レンズ面が基板に接触し得る非球面形状となる場合がある。ここで、基板に貫通孔がないものにあって、そのような非球面形状を設計通りに保とうとすると、基板に接触し得るレンズ面の部分の周囲を厚くして基板とレンズ面との接触を避けることが考えられるが、そうするとレンズ全体の厚みが増してしまい、レンズが大型化してしまう。他方、レンズの大型化を回避しようとすると、そのような非球面形状を採ることができず、レンズ設計の自由度が制限される。これに対し、上述のとおり、基板31に貫通孔32があれば貫通孔32内にレンズ面が潜り込むことが可能となり、レンズ面が基板31に接触しないような設計にとらわれずにレンズ設計の自由度が高まり、また、レンズ30を無駄に厚くする必要がなく、レンズ30の小型化(低背化)を達成することができる。
ウェハレベルレンズアレイ3Aは、基板31とレンズ30の線膨張係数が同じ、若しくは、基板31の方が僅かに大きくなるように材料を選択する。基板31の方が大きいときには基板31とレンズ30との線膨張係数の差が3.0×10−5/℃以下であるものとする。ウェハレベルレンズアレイ3Aは、基板31とレンズ30の線膨張係数が同じ、若しくは、基板31の方がレンズ30よりも線膨張係数が僅かに大きいときに線膨張係数の差が3.0×10−5/℃以下である範囲において、後述する材料が選択的に用いられる。基板31の方がレンズ30よりも線膨張係数が僅かに大きくする理由としては、基板31の方がレンズ30よりも線膨張係数が小さいとレンズ30の方が基板31に比べて大きく膨張することとなり、レンズ30が基板31の貫通孔の内部で圧迫され、レンズ30に割れが生じやすくなるためである。実際に、レンズ30の材料をシリコンとし、基板31をLCPとした場合では、リフロー工程と同条件のテストで、レンズ30に割れ、基板31に歪みが生じることが確認できる。最も好ましくは、レンズ30と基板31のそれぞれの材料の熱膨張係数を同じとする構成である。
特に基板31の貫通孔にレンズ30を埋め込む構成においては、レンズ30と基板31のそれぞれの材料の熱膨張係数の影響が大きいため、レンズ30と基板31の線膨張係数の差をできる限り小さくする必要がある。
ウェハレベルレンズアレイ3Aのレンズ30を形成する材料としては、例えばガラスを用いることができる。ガラスは種類が豊富であり、高屈折率を有するものを選択できるので、大きなパワーを持たせたいレンズの素材として適している。また、ガラスは耐熱性に優れ、上述した撮像ユニット1のリフロー実装に好適である。
一般に、光学ガラスの線膨張係数は20℃で0.49〜1.43(単位は、10−5/℃。以下同様)であり、屈折率は波長589.3nmで1.4〜2.1である。また、石英ガラスの線膨張係数は0.01〜0.05(10−5/℃)であり、屈折率は約1.45である。
また、レンズ30を形成する材料として、樹脂を用いることもできる。樹脂は加工性に優れており、成形型等でレンズ面を簡易かつ安価に形成するのに適している。樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも用いることができる。特に、レンズ30を形成する材料としてエポキシ樹脂又はアクリル樹脂が好ましい。
また、上述した撮像ユニット1のリフロー実装を考慮すると、レンズ30を形成する材料は、軟化点が例えば200℃以上の比較的高いものが好ましく、250℃以上のものがより好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂(線膨張係数:7.0×10−5/℃〜12.0×10−5/℃、屈折率:1.50〜1.70)、アクリル樹脂(線膨張係数7.0×10−5/℃〜12.0×10−5/℃、屈折率:1.40〜1.60)、等を例示することができる。
熱硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂(線膨張係数:3〜16(10−5/℃)、屈折率:1.40〜1.55)、エポキシ樹脂(線膨張係数:4〜8(10−5/℃)、屈折率:1.50〜1.70)、フェノール樹脂(線膨張係数:3〜7(10−5/℃)、屈折率:1.50〜1.70)、等を例示でき、具体的には、富士高分子工業株式会社製SMX−7852・SMX−7877、株式会社東芝製IVSM−4500、東レ・ダウコーニング社製SR−7010、等を例示することができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂(線膨張係数:6〜7(10−5/℃)、屈折率:1.40〜1.70)、ポリサルフォン樹脂(線膨張係数:1.5〜6(10−5/℃)、屈折率:約1.63)、ポリエーテルサルフォン樹脂(線膨張係数:2〜6(10−5/℃)、屈折率:約1.65)、等を例示することができる。
また、無機微粒子を樹脂マトリックス中に分散させることによって得られる有機無機複合材料をレンズ材料に使用してもよい。無機微粒子としては、例えば酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫化亜鉛等の微粒子を挙げることができる。
無機微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、複数の成分による複合物であってもよい。また、無機微粒子には光触媒活性低減、吸水率低減などの種々の目的から、異種金属をドープしたり、表面層をシリカ、アルミナ等の異種金属酸化物で被覆したり、シランカップリング剤、チナネートカップリング剤、有機酸(カルボン酸類、スルホン酸類、リン酸類、ホスホン酸類等)又は有機酸基を持つ分散剤などで表面修飾してもよい。
無機微粒子の数平均粒子サイズは、小さすぎると物質の特性が変化する場合がある。また樹脂マトリックスと無機微粒子の屈折率差が大きい場合には、無機微粒子の数平均粒子サイズが大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となる。このため1nm〜15nmが好ましく、2nm〜10nmが更に好ましく、3nm〜7nmが特に好ましい。また、無機微粒子の粒子サイズ分布は狭いほど望ましい。このような単分散粒子の定義の仕方はさまざまであるが、例えば、特開2006−160992号に記載されるような数値規定範囲が好ましい粒径分布範囲に当てはまる。ここで、上述の数平均1次粒子サイズとは、例えばX線回折(XRD)装置あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)などで測定することができる。
無機微粒子の屈折率としては、22℃、589nmの波長において、1.90〜3.00であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましく、2.00〜2.70であることが特に好ましい。
無機微粒子の樹脂に対する含有量は、透明性と高屈折率化の観点から、5質量%以上であることが好ましく、10〜70質量%が更に好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。
有機無機複合材料に用いられる樹脂としては、公知の紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が使用できる。また、特開2007−93893号に記載された屈折率1.60より大きい樹脂、特開2007−211164号に記載された疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体、特開2007−238929号、特願2008−12645号、同2008−208427号、同2008−229629号、同2008−219952号に記載された高分子末端又は側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する樹脂、特願2008−197054号、同2008−198878号に記載された熱可塑性樹脂等を挙げることができる。有機無機複合材料には、必要に応じて、可塑剤、分散剤等の添加剤を加えることができる。
ウェハレベルレンズアレイ3Aの基板31Aの基材を形成する材料としては、熱伝導率が比較的小さいことが好ましい。それによれば、上述した撮像ユニット1のリフロー実装において、レンズ30へ伝わる熱量を低減し、レンズ30の軟化、それによるレンズの歪みを防止することができる。
上記の熱伝導率の観点から、基板31Aの基材を形成する好ましい材料として、例えば非金属材料を挙げることができる。ここで、非金属材料とは、その電気伝導率が1.0×106[S/m]未満であるものとして規定し、半導体も含むものである。非金属材料としては、ジルコニアやアルミナなどのセラミックス、ガラス、等を例示することができる。ジルコニアの熱伝導率は約3[W/(m・k)]、アルミナの熱伝導率は約32[W/(m・k)]である。また、光学ガラスの熱伝導率は0.5〜1.2[W/(m・k)]、石英ガラスの熱伝導率は約1.38[W/(m・k)]である。なお、金属材料として、例えばアルミの熱伝導率は約237[W/(m・k)]である。このように、セラミックスやガラスなどの非金属材料は、一般にアルミなどの金属材料に比べて熱伝導率が小さいので、上述した撮像ユニット1のリフロー実装において、レンズ30へ伝わる熱量を低減することができ、レンズ30の軟化、それによるレンズの歪みを防止することができる。
また、基板31Aの基材を形成する材料としては、レンズ30を形成する材料と線膨張係数が同じ、若しくは、レンズ30よりも線膨張係数が大きい場合にはその線膨張係数の差が3.0×10−5/℃以下であるものを用いる。また、より好ましくは、基板31の材料とレンズ30の材料との線膨張係数の差は、1.0×10−5/℃以下であり、更に好ましくは、0.5×10−5/℃以下である。レンズ30を形成する材料と基板31Aの基材を形成する材料との線膨張係数が近ければ、上述した撮像ユニット1のリフロー実装において、レンズ30の歪みや割れといった不具合を回避することができる。
特に好ましい基板の材料としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)又はLCP(液晶ポリマー)などの樹脂が挙げられる。PPSとしては、線膨張係数が0.5×10−5/℃〜8.0×10−5/℃の範囲であるものを用いることが好ましい。LCPとしては、樹脂の流動方向で0.5×10−5/℃〜2.0×10−5/℃、流動垂直方向で1.0×10−5/℃〜6.0×10−5/℃の範囲であるものを用いることが好ましい。LCPは、樹脂の流動方向と流動垂直方向とでは威光が異なるため線膨張係数も異なる。通常、LCPの線膨張係数は、流動垂直方向の方が、流動方向よりも大きい。
LCPとしては、例えば、東レ株式会社製の液晶ポリエステル樹脂「シベラス」(登録商標)やポリプラスチック株式会社製の「ベクトラ」(登録商標)等が例示できる。
レンズ30の材料を光学ガラス(線膨張係数:0.49×10−5/℃〜1.43×10−5/℃)や石英ガラス(線膨張係数:0.1×10−5/℃〜0.5×10−5/℃)とした場合に、基板31の材料としては、同じく光学ガラスや石英ガラスや、線膨張係数の差が3.0×10−5/℃以下である範囲で、上記のジルコニア(線膨張係数:約1.05×10−5/℃)やアルミナ(線膨張係数:約0.72×10−5/℃)などのセラミックスも適宜用いることができる。
また、基板31Aの基材を形成する材料としては、レンズ30を形成する材料と屈折率が近しいことが好ましい。レンズ30を形成する材料、及び基板31Aの基材を形成する材料の屈折率が近ければ、互いに接するレンズ30の貫通孔32内に収容される部分の外周面と貫通孔32の内周面との境界における内面反射を低減することができる。なお、貫通孔32の内周面に黒色インクを塗布するなどして反射防止層を設けてもよい。それによっても、互いに接するレンズ30の貫通孔32内に収容される部分の外周面と貫通孔32の内周面との境界における内面反射を低減することができる。
基板31Aの基材を形成する材料として、ガラスなどの赤外線透過率の比較的高い材料を用いる場合には、基板31Aの第1の表面S1又は第2の表面S2のうち少なくとも一方の表面において、貫通孔32以外の箇所表面に赤外線吸収層を設けてもよい。それによれば、上述の撮像ユニット1のリフロー実装を赤外線照射により行う場合に、センサモジュール2の固体撮像素子20に照射される赤外線を低減し、過熱による固体撮像素子20の劣化を防止することができる。
基板31Aの基材を形成する材料として、ガラスなどの可視光に対して透明な材料を用いる場合には、第1の表面S1又は第2の表面S2のうち少なくとも一方の表面において、貫通孔32以外の箇所を少なくとも可視光に対して不透明とする処理を施す。不透明化処理としては、例えば黒色インクを塗布し、或いはクロム薄膜を蒸着によって形成するといった処理を挙げることができる。なお、特開平9−188542に記載された紫外線透過黒色ガラスは、可視光を遮断し、かつ近紫外線のみを選択的に透過するものであり、かかる紫外線透過黒色ガラスは、上記の不透明化処理を要せず、かつレンズ材料に紫外線硬化性樹脂を用いた場合に、硬化に際してレンズ材料に満遍なく紫外線を照射することができ、好適である。
次に、上述したウェハレベルレンズアレイ3Aの製造方法の一例を説明する。
図5は、図4Aに示す形状のレンズ30を圧縮成形によりウェハレベルレンズアレイ3Aの基板31Aに形成するための成形型の構成例を示す図であり、図5Aは、成形型の型開き状態を示し、図5Bは、成形型の型閉じ状態を示している。
図5に示す成形型は、一対の型部材として上側型部材112と下側型部材114とを備え、これら型部材の間でウェハレベルレンズアレイ3Aの基板31Aを挟み込み、基板31Aに予め形成された貫通孔32の内周面と両方の型部材112,114の対向面との間にレンズを形成するための成形空間Sを区画する。なお、ここでいう「上側」及び「下側」とは、本構成例を説明する図中の位置関係を示しているのみであり、例えばその位置関係は上下に入れ替えられてもよい。つまり、成形型は、上側型部材112及び下側型部材114のうち一方を第1型部材、他方を第2型部材とした場合に、第1型部材及び第2型部材を型閉じ状態、型開き状態とすることが可能であればそれらの位置関係は特に限定されない。
図5Bの点線は、形成されるレンズの中心線を示している。上側型部材112は、下側型部材114に対向する面に、中心線と重なる位置を中心に突出する凸部112aを有する。下側型部材114は、上側型部材112に対向する面に、中心線と重なる位置を中心に碗状に窪んだ凹部114aを有する。上側型部材112の凸部112a、及び下側型部材114の凹部114aによってレンズ面が規定される。形成されるレンズの形状に応じて、上側型部材112及び下側型部材114の形状は適宜変更される。
レンズ材料として紫外線硬化樹脂を使用する場合には、上側型部材112及び下側型部材114のうち少なくとも一方は、紫外線を透過するガラスなどの材料で形成される。
また、図5Bに示すように、上側型部材112には、型閉じ状態において成形空間Sと連通する段差状の逃げ部112sが形成されている。逃げ部112sは、凸部112aに連なって形成され、貫通孔32の孔径の外側まで延びている。逃げ部112は、レンズの成形時に、余分なレンズ材料を収容する機能を有する。逃げ部112の具体的な作用については、レンズを形成する工程においてあわせて説明する。また、下側型部材114にも同様に逃げ部114sが形成されていてもよい。
図6〜図8は、図5に示す成形型を用いたウェハレベルレンズアレイの製造方法の一例を示す図である。なお、以下の説明で用いる図では、ウェハレベルレンズアレイ3Aの基板31Aに形成された複数の貫通孔32それぞれにレンズ30を形成する手順において、1つのレンズ30に着目したときの各手順の状態を示している。
図6Aに示すように、先ず、上側型部材112及び下側型部材114を型開き状態とし、下側型部材114の上面に、予め貫通孔32が形成された基板31Aの位置決めを行い、基板31Aを配置する。このとき、下側型部材114の凹部114aの上方に、基板31Aの貫通孔32が位置する。
そして、図6Bに示すように、下側型部材114の凹部114aに、基板31Aの貫通孔32を通してレンズ材料Mを供給する。ここで、レンズ材料Mが常温で液状の樹脂である場合には、所定の量だけ滴下する。レンズ材料Mが常温で固体状のガラス又は樹脂である場合には、所定の体積のガラスを凹部114aに配置する。
レンズ材料Mを供給した後、図6Cに示すように、レンズ材料Mを凹部114aに覆い被せる。ここで、レンズ材料Mが液状の樹脂である場合には、滴下された樹脂が自然に広がることで、凹部114aに覆い被さる。一方、レンズ材料Mが固体状のガラス又は樹脂である場合には、図6Bの後で、レンズ材料Mを加熱溶融する工程を行うことで、溶かしたレンズ材料を凹部114a上方に行き渡らせる。
なお、上記の手順では、下側型部材114に基板31Aを配置した後で、レンズ材料Mを供給したが、先に下側型部材114の凹部114aにレンズ材料Mを供給し、その後、基板31Aを配置することも可能である。しかし、常温で液状のレンズ材料である場合に、先にレンズ材料の滴下を行うと、レンズ材料が基板31Aと下側型部材114との間に入り込むことに起因して基板31Aが浮き上がってしまい、基板31Aの平行度に影響を与える可能性がある。この場合には、先に基板31Aを配置し、その後、レンズ材料Mを供給することが好ましい。
図7は、図6の手順に続く工程を示す図である。図7Aに示すように、型閉じ状態にセットするため、レンズ材料Mが供給された下側型部材114に対して上側型部材112を位置決めし、その後、降下させる。なお、下側型部材114を上側型部材112に対して移動させてもよく、又は、上側型部材112と下側型部材114の両方を相互に移動させてもよい。
図7Bに示すように、上側型部材112を降下させることで、凸部112aでレンズ材料Mを押圧しつつ、該凸部112aの一部が基板31Aの貫通孔32の内部に進行する位置まで移動させる。
上記の成形型の配置のように、凹部114aにレンズ材料が保持された下側型部材114に対して上側型部材112の凸部112aを押し下げる構成とすれば、レンズ材料Mにエアが混入することを抑えることができる。また、凹部114aが形成された下側型部材114を下方位置とすることで、凸部の型部材を下方位置にする場合に比べて、レンズ材料を凹部によって保持させやすい。
図8は、成形型の型閉じ状態を示す図である。型閉じ状態では、上側型部材112が基板31Aの上面に当接し、下側型部材114の凹部114a、上側型部材112の凸部112a、基板31Aの貫通孔32によってレンズ材料Mが密閉された状態となる。このとき、上側型部材112の凸部112aによって凹のレンズ面LS1が形成され、下側型部材114の凹部114aによって凸のレンズ面LS2が形成される。そして、逃げ部112s,114sに入り込んだレンズ材料により、延在部33a,33bが形成される。
レンズ材料が熱硬化性樹脂である場合には、成形型を型閉じ状態とした後、レンズ材料に熱を加えてレンズ材料を硬化させる工程を行う。
レンズ材料が紫外線硬化性樹脂である場合には、成形型を型閉じ状態とした後、レンズ材料に紫外線を照射してレンズ材料を硬化させる工程を行う。
一方、レンズ材料が熱可塑性樹脂又はガラスである場合には、型閉じ状態にした後でレンズ材料を常温又は所定の温度まで冷却することで、レンズ材料を硬化させる工程を行う。
なお、レンズ材料によっては、硬化させる際の収縮に起因してレンズの一部に型の形状が適正に転写しない現象、所謂、ひけによる転写不良が発生することがある。このような場合には、以下に説明する工程を行うことが好ましい。
図9は、ウェハレベルレンズアレイの製造方法の変形例を示す図である。レンズ材料が硬化時に収縮する場合には、レンズ面LS1を形成する凸部112a、及びレンズ面LS2を形成する凹部114aの全体にレンズ材料Mが行き渡るまで上側型部材112を押し下げた際に、上側型部材112と基板31Aとの間に隙間gがおかれるよう、レンズ材料Mを予め多めに供給しておく。次いで、基板31Aとの間に隙間gを残す位置まで上側型部材112を押し下げてレンズ材料Mを押圧していく(主加圧工程)。次いで、レンズ材料Mを硬化させる。その際に、レンズ材料Mの収縮に応じて、基板31Aとの間に隙間gのストロークの間で上型112を下降させ、レンズ材料Mを押圧し続ける(硬化時加圧工程)。これによれば、レンズ材料Mの収縮によっても、凸部112a及び凹部114aがレンズ材料Mに密着した状態を維持できるので、凸部112a及び凹部114aの形状が適正にレンズ材料Mに転写される。ここで、硬化時加圧工程でかける圧力としては、例えば、上側型部材112の自重による圧力としても良い。
レンズ30の形成が終了すると、上側型部材112と下側型部材114を再び型開き状態とし、基板31Aに形成された複数の貫通孔32それぞれにレンズ30が形成された構成であるウェハレベルレンズアレイ3Aを取り出す。
以上のようにして製造されたウェハレベルレンズアレイ3Aは、その基板をダイサーなどで格子状に切断され、それぞれにレンズ30を含んだ複数のレンズモジュール3に分離される。分離されたレンズモジュール3は、上述のとおり、センサモジュール2との組み合わせにおいて撮像ユニット1を構成する。以下に、撮像ユニット1の製造方法の例を説明する。
図10Aから10Dは、ウェハレベルレンズアレイ3Aをレンズモジュール3に分離し、分離されたレンズモジュール3をセンサモジュール2に組み付ける例を示す。図10Bに示すように、ウェハレベルレンズアレイ3Aの基板31Aの一方の表面S2に、スペーサ4が接合される。スペーサ4は、ウェハレベルレンズアレイ3Aの基板31Aの格子状の各切断ラインLに沿うように、帯板を格子状に配した一体の部材となっており、各切断ラインLの両側に跨るように配されている。
そして、図10Cに示すように、ウェハレベルレンズアレイ3Aの基板31Aが、各切断ラインLに沿って切断され、複数のレンズモジュール3に分離される。各切断ラインLに沿ってかつそれらの両側に跨っているスペーサ4も同時に切断され、スペーサ4は、各切断ラインLを境界として分割され、各切断ラインLで隣り合うレンズモジュール3にそれぞれ付属する。
そして、図10Dに示すように、分離されたレンズモジュール3は、スペーサ4を介してセンサモジュール2に積層され、センサモジュール2に組み付けられる。
このように、ウェハレベルレンズアレイ3Aに予めスペーサ4を接合しておき、その後に、スペーサ4ごとウェハレベルレンズアレイ3Aの基板31Aを切断するようにすれば、分離されたレンズモジュール3にそれぞれスペーサ4を接合する場合に比べて、レンズモジュール3の生産性を向上させ、ひいては撮像ユニット1の生産性を向上させることができる。
図11は、複数のレンズモジュール3をセンサモジュール2に組み合わせる例を示す。複数のレンズモジュール3を組み合わせる場合に、それらのレンズモジュール3をセンサモジュール2に順次組み付けてもよいが、図示の例は、複数のレンズモジュール3を予め組み上げた集合体3Bをセンサモジュール2に組み付けるものである。
図11Aに示すように、複数のウェハレベルレンズアレイ3Aは、スペーサ4を介して予め積層され、その後に、図11Bに示すように、積層された複数のウェハレベルレンズアレイ3Aは、まとめて切断ラインLで切断され、複数のレンズモジュール3が予め組み上げられた集合体3Bに分離される。そして、図11Cに示すように、分離された複数のレンズモジュール3の集合体3Bは、スペーサ4を介してセンサモジュール2に積層され、センサモジュール2に組み付けられる。
このように、複数のレンズモジュール3を予め組み上げた集合体3Bをセンサモジュール2に組み付けるようにすれば、それらのレンズモジュール3をセンサモジュール2に順次組み付ける場合に比べて、撮像ユニット1の生産性を向上させることができる。なお、複数のレンズモジュール3のそれぞれのレンズ30、換言すれば複数のウェハレベルレンズアレイ3Aのそれぞれレンズ30は、図示の例では同一のレンズであるが、異なるレンズであってもよい。
以上の例は、分離されたレンズモジュール3又はそれらの集合体3Bをセンサモジュール2に組み付けるものであるが、図12に示すように、ウェハレベルレンズアレイ3Aを、スペーサ4を介してウェハレベルセンサアレイ2Aに組み付けて一体とし、その後に、両アレイ2A,3Aの基板21A,31A及びスペーサ4をまとめてダイサーCなどで格子状に切断して複数の撮像ユニット1に分離するようにしてもよい。
まず、ウェハレベルセンサアレイ2Aについて説明すると、ウェハレベルセンサアレイ2Aは、シリコンなどの半導体材料で形成されたセンサ基板21Aと、基板21Aに設けられたCCDイメージセンサやCOMSイメージセンサなどの複数の固体撮像素子20と、を備えている。ウェハレベルセンサアレイ2Aの固体撮像素子20は、組み付けられるウェハレベルレンズアレイ3Aのレンズ30の配列に対応して格子状に配列されている。
図13Aに示すように、ウェハレベルレンズアレイ3Aの基板31Aの一方の表面S2にスペーサ4が接合される。そして、図13Bに示すように、ウェハレベルレンズアレイ3Aは、スペーサ4を介してウェハレベルセンサアレイ2Aに積層され、一体とされる。その後、図13Cに示すように、一体とされたウェハレベルレンズアレイ3A及びウェハレベルセンサアレイ2A並びにスペーサ4は、まとめて切断ラインLで切断され、複数の撮像ユニット1に分離される。
また、図14Aから図14Cに示す例は、複数のウェハレベルレンズアレイ3Aを、スペーサ4を介してウェハレベルセンサアレイ2Aに組み付けて一体とし、その後に、全てのアレイ2A,3Aの基板21A,31A及びスペーサ4をまとめて格子状に切断して複数の撮像ユニット1に分離するものである。
図14Aに示すように、複数のウェハレベルレンズアレイ3Aは、スペーサ4を介して予め積層され、その後に、図14Bに示すように、これらのウェハレベルレンズアレイ3Aは、スペーサ4を介してウェハレベルセンサアレイ2Aに積層され、一体とされる。そして、図14Cに示すように、一体とされた複数のウェハレベルレンズアレイ3A及びウェハレベルセンサアレイ2A並びにスペーサ4は、まとめて切断ラインLで切断され、複数の撮像ユニット1に分離される。
このように、ウェハレベルレンズアレイ3Aをウェハレベルセンサアレイ2Aに組み付けて一体とし、その後に、全てのアレイ2A,3Aの基板21A,31A及びスペーサ4をまとめて格子状に切断して複数の撮像ユニット1に分離するようにすれば、分離されたレンズモジュール3又はそれらの集合体3Bをセンサモジュール2に組み付ける場合に比べて、撮像ユニット1の生産性を一層向上させることができる。
次に、基板とレンズとの線膨張係数差による、リフロー後の影響を調べるため以下のような測定を行った。
実施例1は、基板の材料にPPS(線膨張係数:5.0×10−5/℃)を使用し、レンズの材料にアクリル樹脂(線膨張係数:8.0×10−5/℃)を使用した。
実施例2は、基板の材料にPPS(線膨張係数:6.0×10−5/℃)を使用し、レンズの材料にエポキシ樹脂(線膨張係数:7.0×10−5/℃)を使用した。
実施例3は、基板の材料にLCP(線膨張係数:4.0×10−5/℃)を使用し、レンズの材料にアクリル樹脂(線膨張係数:5.0×10−5/℃)を使用した。
比較例1は、基板の材料にLCP(線膨張係数:0.5×10−5/℃)を使用し、レンズの材料にアクリル樹脂(線膨張係数:8.0×10−5/℃)を使用した。
比較例2は、基板の材料にPPS(線膨張係数:2.0×10−5/℃)を使用し、レンズの材料にアクリル樹脂(線膨張係数:8.0×10−5/℃)を使用した。
本測定の結果を下記表1に示す。
Figure 2011138088
実施例1は、リフロー後のウェハレベルレンズアレイのレンズのうち一部にゆがみが生じたものの、基板に割れやゆがみが発生しなかった。
実施例2,3は、リフロー後のウェハレベルレンズアレイにおける基板とレンズのいずれにも、割れやゆがみなどの不具合が確認されなかった。
比較例1,2は、リフロー後のウェハレベルレンズアレイにおける基板とレンズのいずれにも、割れやゆがみなどの不具合が確認された。
本測定の結果、基板の材料とレンズの材料の線膨張係数の差が3.0×10−5/℃以下とすることで、リフロー後のウェハレベルレンズアレイに不具合が生じることを抑えることができ好ましいことがわかった。また、より好ましくは、基板の材料とレンズの材料との線膨張係数の差を、1.0×10−5/℃以下とすることで不具合をより一層抑えることができることがわかった。
本明細書は次の事項を開示するものである。
(1)基板と、該基板に設けられた複数のレンズと、を備えるウェハレベルレンズアレイであって、
前記基板には、該基板の第1の表面から該第1の表面とは反対側の第2の表面にわたって該基板の厚み方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、
前記レンズは、前記貫通孔をそれぞれ埋めて設けられており、
前記基板と前記レンズの線膨張係数が同じ、若しくは、前記基板の方が大きいときには前記基板と前記レンズとの前記線膨張係数の差が3.0×10−5/℃以下であるウェハレベルレンズアレイ。
(2)上記(1)に記載のウェハレベルレンズアレイであって、
前記線膨張係数の差が1.0×10−5/℃以下であるウェハレベルレンズアレイ。
(3)上記(1)又は(2)に記載のウェハレベルレンズアレイであって、
前記基板の材料がPPS又はLCPであり、前記レンズの材料がエポキシ樹脂又はアクリル樹脂であるウェハレベルレンズアレイ。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載のウェハレベルレンズアレイの前記基板を切断し、それぞれに前記レンズ及びs該レンズを保持する基板部を含んで分離されたレンズモジュール。
(5)上記(4)に記載の少なくとも1つのレンズモジュールと、
基板部と、該基板部に設けられた固体撮像素子を含むセンサモジュールと、を備え、
前記センサモジュールの前記基板部上に、スペーサを介して前記レンズモジュールの前記基板部を順次積層してなる撮像ユニット。
1 撮像ユニット
2 センサモジュール
3 レンズモジュール
3A ウェハレベルレンズアレイ
4 スペーサ
20 固体撮像素子
21 センサモジュールの基板部
21A センサ基板
30 レンズ
30a,30b レンズの端部
31 レンズモジュールの基板部
31A レンズ基板
32 貫通孔
33a,33b 延在部
LS1,LS2 レンズ面

Claims (5)

  1. 基板と、該基板に設けられた複数のレンズと、を備えるウェハレベルレンズアレイであって、
    前記基板には、該基板の第1の表面から該第1の表面とは反対側の第2の表面にわたって該基板の厚み方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、
    前記レンズは、前記貫通孔をそれぞれ埋めて設けられており、
    前記基板と前記レンズの線膨張係数が同じ、若しくは、前記基板の方が大きいときには 前記基板と前記レンズとの前記線膨張係数の差が3.0×10−5/℃以下であるウェハレベルレンズアレイ。
  2. 請求項1に記載のウェハレベルレンズアレイであって、
    前記線膨張係数の差が1.0×10−5/℃以下であるウェハレベルレンズアレイ。
  3. 請求項1又は2に記載のウェハレベルレンズアレイであって、
    前記基板の材料がPPS又はLCPであり、前記レンズの材料がエポキシ樹脂又はアクリル樹脂であるウェハレベルレンズアレイ。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のウェハレベルレンズアレイの前記基板を切断し、それぞれに前記レンズ及び該レンズを保持する基板部を含んで分離されたレンズモジュール。
  5. 請求項4に記載の少なくとも1つのレンズモジュールと、
    基板部と、該基板部に設けられた固体撮像素子を含むセンサモジュールと、を備え、
    前記センサモジュールの前記基板部上に、スペーサを介して前記レンズモジュールの前記基板部を順次積層してなる撮像ユニット。
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