JP2011137224A - 銅鍍金液のフィルド性評価方法、鍍金液のフィルド性評価装置、及びフィルド性評価用基板、並びにフィルド性評価用電極群及びその再利用方法 - Google Patents

銅鍍金液のフィルド性評価方法、鍍金液のフィルド性評価装置、及びフィルド性評価用基板、並びにフィルド性評価用電極群及びその再利用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ビアホールやトレンチ内等に銅金属を埋めこむ時に使用する銅鍍金液のフィルド性の評価を簡便・低コストで短時間に行うことができる銅鍍金液のフィルド性評価方法を提供する。
【解決手段】第二電極と、表面に少なくとも1つの有底構造を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに銅鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値(A)、又は特定の該電圧範囲における積分値(B)に基づいて前記銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁体から成るガラス基板やセラミック基板、またはプリント基板や配線基板などの有機高分子基板、または、半導体基板上に、設けられたビアホールやトレンチ内に銅金属を埋めこむ時に使用する銅鍍金液のフィルド性の評価方法及びフィルド性評価装置、並びにフィルド性評価用基板に関する。
近年、電子機器の発展は目覚ましく、様々な機器が発展を遂げながら製品として世に出ている。その機器の土台となっているのが配線技術であり、その中の一つとして、銅を用いた微細配線は、電子機器を支える、言わば生命線としての血管である。良質なその血管を得るために、さまざまな銅鍍金液が使われており、重要な産業となっている。製品製造において、その銅鍍金液の管理は必須であり、その性能であるフィルド性(埋め込み性)は、重要なポイントとなっている。フィルド性(埋め込み性)とは、次のように、表現できる。すなわち、基板表面から設けられた非貫通構造を有するビアホールやトレンチ内に銅金属を埋めこむと同時に下部ないし内部配線と導通接続させる鍍金工程において、基板表面の鍍金量に比べて、ビアホールやトレンチ内に優先的に銅鍍金される相対量である。その相対量が大きいと選択的にビアホールやトレンチ内に銅鍍金されたこととなり、フィルド性が高いとされる。高いフィルド性が求められるのは、ビアが銅鍍金で充填されビア上の銅表面と、基板表面上の配線が略平滑になったとき、基板平面状の配線厚さが小さいことが、微細配線形成にとって極めて重要であるからである。
この銅鍍金液のフィルド性を評価する方法として、旧来からなされてきた試験片を銅鍍金槽へ入れ、実際に鍍金を行い、目視や断面観察によりフィルド性を評価する方法がある。この方法は、現場の製品に応じた正確な判断を行うことができる反面、時間や労力がかかり、また実際の鍍金槽のある一部を使用するためかなり大がかりになってしまう(例えば、特許文献1参照)。これを改善するために、絶縁材料を隔てて隣接する電極を備える試験片を用いてブラインドビアホールの銅鍍金を調べる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法は、その電極を備える試験片の構造原理から2つポテンシオガルバノスタットが必要で、装置が複雑になり容易な持ち運びを困難にしている。また、その試験片は、穴底部と穴上面近傍に電極を備え、穴底部の電極同士及び穴上面近傍の電極同士は電気的に導通され、かつ、穴底部の電極と穴上面近傍の電極は電気的に絶縁されており、穴底部の電極のその絶縁材料に接しない面には絶縁層が形成されているため、その作製技術的および経済的な問題がある。
銅鍍金液のフィルド性を、液中の添加剤成分(レベラー、ブライトナー、ポリマー成分等と呼ばれるもの)の濃度管理に注目するCVS(Cyclic Voltammetry Stripping)という方法を利用して評価する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。この方法は、電位を周期的に変化させることで、電極表面に銅鍍金と電解溶出を繰り返し、鍍金された銅の量の尺度として、電解溶出分の電気量を使用する。そして、既知濃度液と、評価したい鍍金液の測定したその電気量の比率から、添加剤濃度を算出することができるとしている。しかしながら、このCVSを用いても、現場の銅鍍金液中の添加剤濃度管理をできない、ひいては銅鍍金液のフィルド性を評価できないという大きな問題が生じている。例えば、銅鍍金液中に含リン銅アノードを長時間、電流を流さないで浸漬した後、銅鍍金を行った場合、ビア用孔への銅金属のフィルド性が低下する現象が知られている。これは、ブライトナーを過剰に添加した場合と類似の現象であり、含リン銅アノード表面の金属銅と添加剤成分との反応により、液中に大きな鍍金促進効果を示す物質が生成したものと考えられている。この鍍金液を、CVSを用いて添加剤成分の濃度測定を行うと、含リン銅アノードを浸漬する前後で、添加剤成分の変化を検出できないという問題がある。
一方、回転電極を用いる発展した分析方法および装置がある(例えば、特許文献3、4参照)。銅電極をアノードとして電解銅鍍金を行い、高速回転電極と参照電極間の電位と、低速回転電極と参照電極間の電位との差から、ビア用孔への銅金属のフィルド性を評価することができる。
特開2001−7051号公報 特開2002−368384号公報 特開2005−226085号公報 特開2005−290413号公報
"Cyclic Voltammetry Stripping Analysis of Acid Copper Sulfate Plating Baths", R. Haak, C. Ogden, D. Tench, Plating and Surface Finishing, 1981 (April), 68(4), 52-55.
しかしながら、鍍金液のフィルド性の評価方法として上記の手法があるにもかかわらず、産業界において上記の手法は一般的普及に至っていない。上記の手法には、各種問題があり、特に回転電極を用いる前記方法は、電極を回転させるための機構が必要で、そのためその部分に対応する機構が必須であり、装置が大きくなってしまう。結果的に経済面でも課題が出てくる。装置が大きくなると鍍金現場の液を分析する場合、運ぶ労力やコストがかかり、また臨機応変な分析ができず、企業にとって負担となる。さらに、回転による液の流動性が安定するまで時間を要する(10〜40分とされている)。また定電流による分析を行うため、その安定化にも調整が必要で、ひいてはトータルの分析時間が長くなってしまう欠点がある。
本発明は上記旧来の方法の問題点に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、
本発明の目的は、ビアホールやトレンチ内等に銅金属を埋めこむ時に使用する銅鍍金液のフィルド性の評価を簡便・低コストで短時間に行うことができる銅鍍金液のフィルド性評価方法、及びそのようなフィルド性評価をし得る銅鍍金液のフィルド性評価装置及び該装置を持ち運び可能とした携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置、並びに該評価方法及び評価装置に使用し得るフィルド性評価用基板、フィルド性評価用電極群とその再利用方法を提供することにある。
(1)第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに銅鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値(A)、又は特定の該電圧範囲における積分値(B)に基づいて前記銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(2)前記第一電極の表面に、少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする前記(1)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
本明細書において、凹凸とは、高低差を有する全ての表面構造の状態を表し、その凹凸を有する表面のうち、表面の法線方向における最も高い位置にある最表面の平面部分の高さ位置がほぼ一定で、そこから側面および底部分を有する幾何学的凹部分もしくは穴の部分を成すものを有底構造と記述する。
(3)前記電流値(A)若しくは前記積分値(B)から、第二電極と、電極表面に有底構造を有する新たな第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに鍍金に使用する前の新建浴液、又はフィルド性の良い鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値(C)、若しくは特定の該電圧範囲における積分値(D)を差し引いた値(A−C又はB−D)、又はその他の数学的手法で算出された値に基づいて前記銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする前記(2)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(4)前記第一電極の表面に、最表面全体が導電体からなる少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする前記(1)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(5)前記電流値(A)若しくは前記積分値(B)から、第二電極と、最表面全体が導電体からなる有底構造を有する新たな第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに鍍金に使用する前の新建浴液、又はフィルド性の良い鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値(C)、若しくは特定の該電圧範囲における積分値(D)を差し引いた値(A−C又はB−D)、又はその他の数学的手法で算出された値に基づいて銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする前記(4)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(6)前記第一電極、前記第二電極、及び前記第三電極のそれぞれの面積と、各電極の相互位置関係とを予め決定しておき、該決定した各電極の面積と相互位置関係に基づいて設定された電極群を用いることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(7)第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに銅鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値と、予め決定した前記第一電極の面積とから得られる電流密度(E)に基づいて前記銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価方法。
ここでの第一電極の面積とは、第一電極の表面積を表し、凹凸、有底構造の有する表面において、凹凸の場合はその構造における曲面、有底構造においてはその側面を含めた全ての幾何学的面の面積の合計を表す。以下、電流密度に関して、それを算出する際には、ここに記述の表面積の総面積を用いる。
(8)前記第一電極の表面に、少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする前記(7)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(9)前記電流密度(E)から、第二電極と、電極表面に有底構造を有する新たな第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに鍍金に使用する前の新建浴液、又はフィルド性の良い鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値と、予め決定した前記第一電極の面積とから得られる電流密度(F)を差し引いた値(E−F)、又はその他の数学的手法で算出された値に基づいて前記銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする前記(7)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(10)前記第一電極の表面に、最表面全体が導電体からなる少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする前記(7)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(11)前記電流密度(E)から、第二電極と、最表面全体が導電体からなる有底構造を有する新たな第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに鍍金に使用する前の新建浴液、又はフィルド性の良い鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値と、予め決定した前記第一電極の面積とから得られる電流密度(F)を差し引いた値(E−F)、又はその他の数学的手法で算出された値に基づいて銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする前記(10)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(12)前記有底構造の開口形状が、四角形、円形、三角形、又は多角形星型、又は無定形であることを特徴とする前記(2)〜(6)のいずれか、又は前記(8)〜(11)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(13)前記有底構造の底部の開口面積が1nm〜1cmであることを特徴とする前記(2)〜(6)のいずれか、又は前記(8)〜(12)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(14)前記有底構造の有底部の深さが1nm〜1cmであることを特徴とする前記(2)〜(6)のいずれか、又は前記(8)〜(13)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(15)前記有底構造のピッチが1nm〜1cmであることを特徴とする前記(2)〜(6)のいずれか、又は前記(8)〜(14)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(16)前記有底構造のアスペクト比(深さ/穴径)が0.001〜1000であることを特徴とする前記(2)〜(6)のいずれか、又は前記(8)〜(15)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(17)前記有底構造の底面に対する側面の平均傾斜角度が30〜120°であることを特徴とする前記(2)〜(6)のいずれか、又は前記(8)〜(16)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(18)前記第一電極の表面の平均面粗さRa値が1nm以上であることを特徴とする前記(1)又は(7)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(19)前記第一電極、第二電極、及び第三電極が、ガラス、セラミック、シリカ、もしくは有機高分子からなる群より選ばれる1種の絶縁体からなる基板のいずれかの表面に形成されていることを特徴とする前記(1)〜(18)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(20)前記第一電極、第二電極および第三電極が少なくとも1つずつ存在することを特徴とする前記(19)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(21)有機材料から構成された絶縁基板と、該絶縁基板上に配置された前記第一、第二電極および第三電極からなる一組以上の電極群と、該電極群とそれぞれ導通接続され、前記第一、第二、第三配線からなる1層以上の構造で配置された一組以上の接続配線群と、該接続配線群と導通接続された一組以上の接続端子群と、を有する基板を用いることを特徴とする前記(1)〜(20)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(22)前記電極もしくは基板を、凹型タイプのコネクタの凹部に嵌合し、電気的に接続し分析に用いることを特徴とする前記(1)〜(17)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(23)評価すべき銅鍍金液を入れ、前記基板を該銅鍍金液に浸すことができる被評価液投入用容器を用いることを特徴とする前記(19)〜(22)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(24)前記被評価液投入用容器を設置することができ、その温度を所定の温度から±10℃以内の範囲で一定に調整可能な温調キットを用いることを特徴とする前記(23)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(25)使用している銅鍍金液槽から評価したい銅鍍金液を採集することができる器具を用いることを特徴とする前記(1)〜(24)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
(26)第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とからなる電極群、又は前記第一電極、第二電極、及び第三電極を具備する基板と、
前記電極群又は前記基板を評価される銅鍍金液に接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加したとき、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値の測定、又は該電圧に関する電流の積分値の演算を行う測定器と、
を備えることを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価装置。
(27)前記第一電極の表面に、少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする前記(26)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
(28)前記第一電極の表面の平均面粗さRa値が1nm以上であることを特徴とする前記(26)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
(29)さらに、基板と測定器とを電気的に接続するコネクタ及び配線用部材を備えることを特徴とする前記(26)〜(28)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
(30)第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とからなる電極群、又は前記第一電極、第二電極、及び第三電極を具備する基板と、
前記電極群又は前記基板を評価される銅鍍金液に接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加したとき、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値の測定、又は該電圧に関する電流の積分値の演算を行う測定器と、
を収納し、持ち運びを可能とする携帯容器を少なくとも備えることを特徴とする携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
(31)前記第一電極の表面に、少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする前記(30)に記載の携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
(32)前記第一電極の表面の平均面粗さRa値が1nm以上であることを特徴とする前記(30)に記載の携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
(33)さらに、被評価液投入用容器と温調キットと、基板と測定器とを電気的に接続するコネクタ及び配線用部材と、銅鍍金液を採集することができる器具と、分析のための化学薬品、洗浄液、手袋、保護メガネ、ガラス器具と、から選ばれる少なくとも1種を備えることを特徴とする前記(30)〜(32)のいずれかに記載の携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
(34)第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とからなる電極群を具備することを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価基板。
(35)前記第一電極の表面に、少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする前記(34)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価基板。
(36)前記第一電極の表面の平均面粗さRa値が1nm以上であることを特徴とする前記(34)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価基板。
(37)第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とからなる電極群であって、
前記第一電極及び前記第二電極がいずれも2以上の層からなり、最表面層以外に、銅腐食性を有する液に対して耐食性を有する材料からなる層を有することを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価用電極群。
(38)前記第一電極の表面に、少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする前記(37)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価用電極群。
(39)前記第一電極の表面の平均面粗さRa値が1nm以上であることを特徴とする前記(37)に記載の銅鍍金液のフィルド性評価用電極群。
(40)前記(37)〜(39)のいずれかに記載の銅鍍金液のフィルド性評価用電極群を評価使用後に再利用する方法であって、
ある1の銅鍍金液のフィルド性評価の後、第一電極に付着した銅を銅腐食性を有する液により除去するとともに、第二電極に銅からなる層を形成することにより前記電極群を再利用することを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価用電極群の再利用方法。
本発明によれば、ビアホールやトレンチ内等に銅金属を埋めこむ時に使用する銅鍍金液のフィルド性の評価を簡便・低コストで短時間に行うことができる銅鍍金液のフィルド性評価方法、及びそのようなフィルド性評価をし得る銅鍍金液のフィルド性評価装置及び該装置を持ち運び可能とした携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置、並びに該評価方法及び評価装置に使用し得るフィルド性評価用基板、フィルド性評価用電極群とその再利用方法を提供することができる。
本発明のフィルド性評価用基板を示す上面図であり、(a)は配線パターンを示し、(b)は基板個片サイズのカバーレイに開口するクリアランスパターンを示す。 フィルド性評価用基板の有底構造の穴径及びピッチを異ならせた4例((a)〜(d))を示す上面図である。 本発明の銅鍍金液のフィルド性評価方法に用いる(A)温調キットの斜視図、及び(B)被評価液投入用容器の上方から見た図である。 本発明の携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置を示す斜視図である。 実施例2において、フィルド性評価用基板10の電極12を用いて測定した、新建浴液Aに関する電圧―電流曲線を示す図である。 実施例2において、フィルド性評価用基板10の電極22を用いて測定した、新建浴液Aに関する電圧―電流曲線を示す図である。 実施例3において、フィルド性評価用基板10の電極12を用いて測定した、液Bに関する電圧―電流曲線を示す図である。 実施例3において、フィルド性評価用基板10の電極22を用いて測定した、液Bに関する電圧―電流曲線を示す図である。 実施例4において、フィルド性評価用基板10の電極12を用いて測定した、液Cに関する電圧―電流曲線を示す図である。 実施例4において、フィルド性評価用基板10の電極22を用いて測定した、液Cに関する電圧―電流曲線を示す図である。 新建浴液A、B、及びCの−0.35Vにおける電流絶対値について、液の初期状態の値を100%として百分率で示した図である。 新建浴液A、B、及びCの−0.35Vにおける積分絶対値について、液の初期状態の値を100%として百分率で示した図である。 実施例5において、フィルド性評価用基板10の電極20を用いて測定した、新建浴液Dに関する電圧―電流曲線を示す図である。 新建浴液Dの−0.35Vにおける電流絶対値について、液の初期状態の値を100%として百分率で示した図である。 フィルド性および有底構造について説明するための概念図である。 実施例6において、フィルド性評価用基板10の電極24を用いて測定した、液Aに関する電圧―電流曲線を示す図である。 実施例7において、フィルド性評価用基板10の電極20を用いて測定した、液Eに関する電圧―電流曲線を示す図である。 実施例7において、フィルド性評価用基板10の電極20を用いて測定した、液Eに関する比較的低い電圧領域の電圧―電流曲線を示す図である。 実施例7において、フィルド性評価用基板10の電極20を用いて測定した、E液に関する比較的低い電圧領域の電圧―電流密度曲線を示す図である。 実施例8において、フィルド性評価用基板10の電極20を用いて測定した、E液に関してレベラー濃度を変化させた場合の電圧―電流曲線を示す図である。 実施例9において、フィルド性評価用基板10の電極20を用いて測定した、E液に関してポリマー濃度を変化させた場合の電圧―電流曲線を示す図である。 実施例10において、フィルド性評価用基板10の電極20を用いて測定した、E液に関してポリマー濃度を変化させた場合の電圧―電流曲線を示す図である。 実施例10において、フィルド性評価用基板10の電極20を用いて測定した、E液に関してブライトナー濃度を変化させた場合の電圧に対する電流の微分曲線を示す図である。
以下、本発明の銅鍍金液のフィルド性評価方法及び銅鍍金液のフィルド性評価装置、並びにフィルド性評価用基板について説明する。
<銅鍍金液のフィルド性評価方法>
本発明の銅鍍金液のフィルド性評価方法は、第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに銅鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値(A)、又は特定の該電圧範囲における積分値(B)に基づいて前記銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴としている。
また、本発明の銅鍍金液のフィルド性評価方法は、別の態様によると、第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに銅鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値と、予め決定した前記第一電極の面積とから得られる電流密度(E)に基づいて前記銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴としている。
本明細書における電流値や積分値を観測する際、そのための電圧値や電圧の範囲は、銅鍍金液の状況や、電極間どうしの距離、第三電極の種類の設定など評価する状態で、それらの絶対値は変化するが、基本的に評価できる値もしくは範囲であれば限定されることはない。しかしながら、負の方向へ印加する電圧が相対的に高くなってくる範囲では、電流が一気に流れ出し、観測における電流のノイズも多くそして大きくなることなどから、各電流−電圧曲線の違いは観測しづらくなり、観測に用いた電圧の中で、電流値や積分値を用いた評価のために適した、特定の電圧値や電圧範囲において評価することが好ましい。
以下に、まず、第一電極、第二電極、及び第三電極について説明する。
[第一電極(作用電極)]
第一電極は、表面に凹凸を有する電極であるが、その態様としては、電極表面に有底構造を有する第1の態様、最表面全体が導電体からなる有底構造を有する第2の態様、表面の平均面粗さRa値が1nm以上である第3の態様がある。まず、第1、第2の態様について説明する。
第1、第2の態様における有底構造を有する第一電極は、あらゆる形態、一種もしくは複数種の材質から成る凹型の構造を有する電極を意味するが、第2の態様が最も好ましい。すなわち、第一電極として、最表面全体が導電体からなる電極表面に有底構造を有する第一電極、すなわち、金、銀、銅などの貴金属もしくはそれ以外の金属もしくは炭素もしくは金属酸化体からなる電気導電体の電極で、電気化学的には作用電極に対応し、電極の最表面全体がそれら電気導電体から成っており、絶縁体や半導体がその最表面に存在しない電極が好ましい。
第1、第2の態様においては、第一電極表面に、あらゆる幾何学的な凹型の構造が自然数適宜存在する有底構造が形成される。当該凹型の穴の底は平面であってもよいし、曲面であってもよいし、円錐もしくは多角形錐もしくは無定形錐であってもよい。また、底面を点とする錐状のものも含む。カットする凹型の穴の側面もあらゆる幾何学構造を含み、その角度が電極表面法線と同じでも、斜めになっていてもよい。つまり、テーパ状や逆テーパ状でもよい。
また、有底構造の開口形状としては、四角形、円形、三角形、又は多角形星型、又は無定形であることが好ましい。
本明細書において、有底構造とは、高低差を有する全ての表面構造の状態のうち、図15の基板150に例を示すように、表面の法線方向(図15においては上向きのベクトル方向)における最も高い位置にある最表面の平面部分の高さ位置が、ほぼ一定で、そこから、側面および底部分を有する幾何学的な凹型の構造を有する部分もしくは幾何学的な穴の部分を表す。
好ましい形態は、その底の部分および電極最表面から底までの側面部分のあらゆる幾何学構造において、その有底構造を有する第一電極表面はすべて電気導電体で覆われている形態である。本発明の銅鍍金液のフィルド性評価方法においては、すべての幾何学構造含む有底構造を用いることが必要である。当該有底構造としては、中でも、マイクロメーターオーダーの円錐状もしくはトレンチを形成する直方体状の構造が最も好ましい。
前記有底構造の底部の開口面積は、先端技術も可能な限り駆使しセンサの小型化の観点からは、1nm〜50μmであることが好ましく、品質保証をするための易測定性の観点からは、100μm〜1cmであることが好ましく、基板製造所での取り扱い穴径の観点からは、2500μm〜0.25mmであることが好ましい。なお、上記の電極表面の凹凸形状についても、その凹部分における開口面積の寸法がこれらのレベルであることが望ましい。
また、前記有底構造の有底部の深さは、先端技術も可能な限り駆使しセンサの小型化の観点から、1nm〜1cmであることが好ましく、品質保証をするための易測定性の観点から、100nm〜1cmであることがより好ましく、基板製造所での取り扱いの観点から、すなわちめっきや、エッチング、さらには蒸着スパッタ技術、印刷技術などを用いることを考慮し、200nm〜100μmであることがさらに好ましい。なお、上記の電極表面の凹凸形状についても、その寸法がこれらのレベル、たとえば、平均面粗さRa値が1nm以上であることが望ましい。
さらに、前記有底構造のピッチは、先端技術も可能な限り駆使しセンサの小型化の観点から、2nm〜50μmであることが好ましく、品質保証をするための易測定性の観点から、100μm〜1mmであることがより好ましく、基板製造所での取り扱い穴径の観点から、500μmを越えることが好ましい。なお、上記の電極表面の凹凸形状についても、その隣り合う凹部間の平均距離がこれらのレベルであることが望ましい。また、穴径を(Y)とすると、ピッチ(P)は、 Y<Pの範囲を網羅することができる。ただし、作用電極径が一定であれば、Pが増えると電極内での有底構造の穴数が減少する。最小一個になるが、この穴数の減少により、フィルド性の差を確認しにくくなるのでおのずと、その有効なピッチは制限されることとなる。そこで、実際のフィルドめっきをする基板の穴径とピッチにあわせて、作用電極径と有底穴径を設計する。有機基板では、穴径50μmであれば100μmピッチ〜500μmピッチが妥当な範囲である。しかしこれらは、この発明のY<Pの範囲を限定するものではない。すなわち、フィルド性の差を判断する電流感度および新建浴との差の積分の分解能に依存する。
さらに、前記有底構造のアスペクト比(深さ/穴径)は、フィルドビアで製造する基板の高密度配線化や多層化が先端技術も可能な限り駆使して製造された場合に、基板の有底構造が0.001〜1000で実現した場合にセンサ側の作用電極の有底構造が対応することが好ましく、この範囲はすべて測定が可能な範囲である。
さらに、前記有底構造の底面に対する側面の平均傾斜角度は、めっきされる基板の配線が、めっきや、エッチング、さらには蒸着スパッタ技術、印刷技術などを用いて基板を作製する観点から、30〜120°であることが好ましく、さらには、逆テーパの160°までに対応することが好ましく、この範囲はすべて測定が可能な範囲である。
第3の態様における第一電極は、その表面の凹凸における平均面粗さRa値が、1nm以上で表わされる。中でも平均面粗さRa値8nm〜500nmのものが好ましい。なお、平均面粗さRa値とは以下の式で求められ、対象とする面上における凹凸の度合いを表す数値である。また、当該Ra値は、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、SPA300HVを用いたAFM測定により得ることができる。
Figure 2011137224

(S0:対象とする面の合計面積、Z(X,Y):対象とする面のXY座標における凹凸の高さ、Z0:対象とする面における高さの平均値)
[第二電極(対極電極)]
第二電極は、電気化学的には、作用電極である第一電極に対する対極電極に対応し、金、銀、銅などの貴金属もしくはそれ以外の金属もしくは炭素もしくは遷移金属酸化体からなる電気導電体の電極であり、両電極間に第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向に時間変化する電圧が印加される。特に、電気導電体の中で銅が好ましい。
[第三電極(参照電極)]
第三電極は、電気化学的には参照電極に対応し、金、銀、銅などの貴金属もしくはそれ以外の金属もしくはそれら金属のハロゲン化物もしくは炭素もしくはカーボンペーストもしくは遷移金属酸化体からなる電極である。
本発明で用いる第一電極、第二電極、及び第三電極のそれぞれの面積と、各電極の相互位置関係は予め決定しておき、該決定した各電極の面積と相互位置関係に基づいて設定された電極群を用いることが好ましい。これにより、第二電極と、電極表面に有底構造を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに銅鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される時、安定した電圧値における電流値(A)、又は特定の該電圧範囲における積分値(B)が得られる。各電極の面積に制限はないが、先端技術も可能な限り駆使しセンサの小型化の観点からは、100nm〜0.05mmであることが好ましく、品質保証をするための易測定性の観点からは、1mm〜100cmであることが好ましく、基板製造所での取り扱い面積の観点からは、0.05mm〜40mmであることが好ましい。ただし、安定した電圧値における電流値(A)、又は特定の該電圧範囲における積分値(B)を得るために、第二電極の面積は、第一電極の面積よりも大きいことが好ましい。特に、第二電極は、第一電極の面積の1.5〜10倍の面積を有することが好ましい。各電極の位置は、空間的に規定され、その距離は電極の面積や形により制限される。電極面積が大きければ、となりあった電極を接近させることは難しく、電極面積が小さければ、となりあった電極を接近させることができる。各電極を円とした場合、その中心間距離は、先端技術も可能な限り駆使しセンサの小型化の観点からは、6nm〜2mmであることが好ましく、品質保証をするための易測定性の観点からは、2mm〜10cmであることが好ましく、基板製造所での取り扱いの観点からは、0.3mm〜15mmであることが好ましい。有機材料から構成された絶縁基板上の各電極の面積と位置関係を相対的に図2と同じとなるように規定した態様は、その経済性や作製の利便性、安定した電圧値における電流値(A)、又は特定の該電圧範囲における積分値(B)を得るための観点から、最も好ましい。なお、図2に示すフィルド性評価用基板の各電極の面積は、第一電極は1.8mmであり、第二電極は13mmであり、第三電極は1.0mmである。
本発明において、以上の各電極一組、すなわち第一、第二電極および第三電極の一組で、フィルド性の評価を行うことができるが、この組を複数用いてもよい。また、1つの第三電極に対して、複数の第一、第二電極を用いてもよい、さらに1対の第二−第三電極に対して、複数の第一電極を用いてもよい。さらには、保障のための第三電極を複数備え付けてもよい。これにより、様々な前処理や分析を一度に電極群を使って行うことができ、簡便な分析を行うことができる。ここでの前処理とは、電極の安定化のために電圧を変化させる工程であり、特に第一電極、第二電極の安定化のために行う。
本発明においては、以上の第一電極、第二電極、及び第三電極を用いて銅鍍金液のフィルド性評価を行う。すなわち、当該電極群に銅鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値(A)、又は特定の該電圧範囲における積分値(B)を測定(演算)する。測定(演算)のためのソフトウェアは、特に制限はなく、当該分野において一般的に使用されるすべてものを用いることができる。
このように簡便に得られた測定結果、つまり第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した際の第一、第二電極間に流れる電流の変化、すなわち、電圧―電流曲線から、特定の電圧値における電流値(A)、もしくは特定の該電圧範囲における積分値(B)に基づき、すぐに銅鍍金液のフィルド性を評価することができる。電圧や積分する電圧の範囲に限定はなく数学上のいかなる値もしくは範囲でよいが、例えば、日立化成工業(株)製のカーボンペースト(特開2006-14702号公報、特開2007-165708号公報、特開2007-165709号公報)を用いた参照電極を基準に得られた、例えば電圧―電流曲線の−0.35Vのおける電流値を読み取り、もしくは、例えば電圧が−0.2V〜−0.4Vや0V〜−0.35Vの電流の積分値を用いることができる。
前記で得られた電流値、電流の積分値が、ある基準値との比較により、どれだけ相違があるかで銅鍍金液のフィルド性を評価することができる。例えば、得られた電流値の絶対値もしくは電流の積分値絶対値が大きいほど銅鍍金液のフィルド性が低いと評価できる。また急激に鍍金液中のイオン濃度が変化するなど別の条件では、得られた電流値の絶対値もしくは電流の積分値絶対値が小さくなる場合もあり、その場合も基準値からの相違により、フィルド性を評価できる。得られる結果を他の電気化学的手法や液体分析法と組み合わせることでフィルド性の評価もできる。
あるいは、同様に、第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに銅鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値と、予め決定した前記第一電極の面積とから得られる電流密度(E)に基づいて銅鍍金液のフィルド性を評価することができる。
特定の電圧値における電流値、もしくは特定の該電圧範囲における積分値を用いる以外の数学的手法でも銅鍍金液のフィルド性を評価できる。本発明において銅鍍金に使用前の新建浴液、又はフィルド性の良い鍍金液から得られる電圧変化に伴う電流つまり電圧―電流曲線(ア)と、銅鍍金に使用中の銅鍍金液つまり鍍金槽にセットした後の分析対象となる銅鍍金液から得られる電圧変化に伴う電流つまり電圧―電流曲線(イ)との2つの関数(ア)と(イ)の類似性を、各値の相違および各微分値等の変化、相違を数値化しながら比べる数学的手法を用いることもできる。例えば、積分2乗誤差(ISE; Integrated square error)法を用いて、全電圧の点群に対する電流値の差の2乗の積分を用いて評価する方法がある。これらを用いることで銅鍍金液のフィルド性を評価できる。
なお、上述の「フィルド性が良い」とは、ビアホールやトレンチ以外の基板表面の鍍金量に比べて、ビアホールやトレンチ内に優先的に銅鍍金される相対量が大きく、フィルド性が高いことをいう。図15を参照して具体的に説明する。図15は、ビアホール152を有する、銅鍍金154をした基板150の断面を模式的に示している。図15に示すように、アスペクト比(D/Y)が1以上のものにおいて、T/(D+T−S)<0.5(Tはビアホールやトレンチ以外の基板表面に鍍金された銅の厚み、Dはビアホールやトレンチの深さ)かつS/T<0.5(Sはビアホールやトレンチ上部にできる段差の深さ)の条件を満たすことをいう。
本発明において銅鍍金に使用前の対応するフレッシュな新建浴液、又はフィルド性の良い鍍金液から得られる値と、銅鍍金に使用中の銅鍍金液つまり鍍金槽にセットした後の分析対象となる銅鍍金液から得られる値との比較から、すなわち、2つの液の得られる電圧―電流曲線において電流値、電流の積分値の差、もしくは2つの電圧―電流曲線の関数相関の比較から、銅鍍金液のフィルド性を評価することが好ましい。具体的には、前記電流値(A)若しくは前記積分値(B)から、第二電極と、電極表面に有底構造を有する新たな第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに鍍金に使用する前の新建浴液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値(C)、若しくは特定の該電圧範囲における積分値(D)を差し引いた値(A−C又はB−D)、又はその他の数学的手法で算出された値に基づいて、銅鍍金液のフィルド性を評価することが好ましい。
この場合において、電流値、電流の積分値の差は、実際のアンペア数の差でもよいが、もとになる対応するフレッシュな新建浴液、又はフィルド性の良い鍍金液から得られる値を基準として、例えば百分率で算出してもよい。電圧―電流曲線の関数相関の比較の一例として、標準偏差値や積分2乗誤差を用いてもよい。
あるいは、前記電流密度(E)から、第二電極と、電極表面に有底構造を有する新たな第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに鍍金に使用する前の新建浴液、又はフィルド性の良い鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値と、予め決定した前記第一電極の面積とから得られる電流密度(F)を差し引いた値(E−F)、又はその他の数学的手法で算出された値に基づいて前記銅鍍金液のフィルド性を評価することが好ましい。
その他の数学的手法で算出された値の一例として、得られた電圧―電流曲線の微分曲線を比較することでもよい。このように得られた値が、ある基準値との比較により、どれだけ相違があるかで銅鍍金液のフィルド性を評価することができる。例えば、得られた値の絶対値が大きいほど銅鍍金液のフィルド性が低いと評価できる場合がある。また別の条件では、得られた値の絶対値が小さくなる場合もあり、その場合も基準値からの相違により、フィルド性が評価できる。得られる結果を他の電気化学的手法や液体分析法と組み合わせることでフィルド性の評価もできる。
本発明においては、第一電極に印加する、第二電極に対して負の方向へ時間変化する電圧の開始電位は、0Vであっても、負の電位又は正の電位のいずれであってもよく、開始電位は任意であるが、日立化成工業(株)製のカーボンペースト(特開2006-14702号公報、特開2007-165708号公報、特開2007-165709号公報参照)を用いた参照電極を基準に0〜+0.6Vの範囲から選ばれる開始電圧が好ましい。
また、第一電極に印加する終了電位は、開始電位からみて負の側でありさえすればよく、第三電極の設定により様々な値と取るが、例えば、−0.7V〜−2Vが好ましい。第二電極に対する第一電極に印加される電圧の時間変化する速さは20〜40mV/秒がよいが、電極面積に応じて5桁程度大きくても、また逆に2桁程度小さくても分析は可能である。また、その変化する速さを上げることで信号の増強も行うことができ、短時間で効率よく分析できる。例えば、0Vから−0.7Vの負の方向へ40mV/秒で時間変化する電圧を印加した場合、17.5秒で一回の測定が終了することができ、短時間で簡便に分析ができる。
以上のように、本発明によると、フィルド性の評価に際し、従来のように機械的手法による電極の回転、振動がない静置状態で評価を行うことができ、電極を回転させる機構などが不要であり、本発明の評価方法を適用する装置の小型化、低コスト化を実現できるとともに、既述の従来の諸問題が生じることがない。また、銅鍍金液に含まれるすべての化学種に関係なくフィルド性の評価を行うことができる。
<フィルド性評価用電極群及びその再利用方法>
本発明のフィルド性評価用電極群は、第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とからなる電極群であって、前記第一電極及び前記第二電極がいずれも2以上の層からなり、最表面層以外に、銅腐食性を有する液に対して耐食性を有する材料からなる層を有することを特徴としている。
また、本発明の銅鍍金液のフィルド性評価用電極群の再利用方法は、ある1の銅鍍金液のフィルド性評価の後、第一電極に付着した銅を銅腐食性を有する液により除去するとともに、第二電極に銅からなる層を形成することにより前記電極群を再利用することを特徴としている。
つまり、本発明のフィルド性評価用電極群は、既述の電極群において、第一電極と第二電極とがいずれも2以上の層を有する積層構造であり、最表面層以外に、銅腐食性を有する液に対して耐食性を有する材料からなる層が位置する。本発明のフィルド性評価用電極群によると、当該電極群を銅鍍金液のフィルド性の評価に用いた後、本発明のフィルド性評価用電極群の再利用方法を適用することで再利用することができる。
第一電極及び前記第二電極がいずれも2以上の層からなるが、そのうち最表面層が既述の第一電極及び第二電極の説明において示した材料であり、その下層に銅腐食性を有する液に対して耐食性を有する材料からなる層を有していればよく、それ以外の層がどうであるかは問わない。
前記銅腐食性を有する液としては、硫酸、過酸化水素、過硫酸アンモニウム溶液、塩化第二鉄溶液、塩化第二銅溶液等が挙げられる。
一方、銅腐食性を有する液に対して耐食性を有する材料としては、金、タングステン、チタン、パラジウム、カーボン、ニッケルリン(NiP)等が挙げられる。当該耐腐食性を有する材料からなる層の厚さは、例えば、10nm〜200nmとすることができる。
以上の本発明のフィルド性評価用電極群は、以下のようにして銅鍍金液の評価に使用した後、再利用することができる。
(1)ある1の銅鍍金液のフィルド性評価の後、第一電極に付着した銅を銅腐食性を有する液により除去する。
本発明のフィルド性評価方法による評価後、第一電極には鍍金により銅が付着するが、この銅を、銅を銅腐食性を有する液、すなわちエッチング液により除去するのである。銅の除去後は、フィルド性評価前の状態に戻り、再利用に供することができる。
(2)第二電極に銅からなる層を形成する。
銅からなる層の形成方法は、鍍金や蒸着などが挙げられ、鍍金としては、電解鍍金か無電解鍍金であるかを問わない。銅からなる層は、200nm〜20μmの厚さで形成することが好ましい。また、前述の(1)、(2)のそれぞれにおける第一電極に付着した銅の除去、第二電極における銅からなる層の形成を、それぞれ電気化学的な反応を用いて行うこともできる。
本発明においては、第一電極、第二電極および第三電極が、ガラス、セラミック、シリカ、もしくは有機高分子から選ばれる絶縁体からなる基板のいずれかの表面に形成することが好ましい。これにより一度に電極群をセットすることができ、簡便な分析を行うことができる。
より具体的には、本発明では、有機材料から構成された絶縁基板と、該絶縁基板上に配置された前記第一、第二電極および第三電極からなる一組以上もしくは各電極が1個以上の電極群と、該電極群とそれぞれ導通接続され、前記第一、第二、第三配線からなる1層以上の構造で配置された一組以上の接続配線群と、該接続配線群と導通接続された一組以上の接続端子群と、を有する基板を用いることが好ましい。
以下に、当該基板について説明する。
[基板]
絶縁基板の絶縁材料としては、既述のように特に制限はないが、ガラス、セラミック、シリカ、特に、ポリイミド、エポキシ、液晶ポリマー(有機高分子)などの有機材料を用いることができる。特に、好適に使用される有機絶縁材料としては、中でも、液晶ポリマーやテフロン(登録商標)が好ましい。
配線材料として、電解銅箔、圧延銅箔、銅薄膜、前記箔ないし膜に金などを鍍金ないしスパッタあるいは蒸着した材料、銅線、金銭、銀線、白金線、白金とイリジウムの合金線を用いることができる。配線基板では、サブトラクティブ、アディティブ、配線転写法等のプロセスが適用できる。また、絶縁材料および接着剤として、半硬化および/又は硬化した熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、シアノアクリレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート樹脂、フラン樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、などのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その硬化剤、硬化促進剤などを混合したものを加熱し半硬化状にしたもの、あるいは、硬化したものが使用できる。光硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、などのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その光開始剤、硬化剤、硬化促進剤などを混合したものを露光あるいは加熱し半硬化状にしたもの、あるいは硬化したものが使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、六フッ化ポリプロピレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオキシベンゾエート樹脂、液晶ポリマーなどのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その硬化剤、硬化促進剤などを混合したものを加熱し半硬化状にしたもの、あるいは硬化したものが使用できる。具体的には、日立化成工業(株)製LX-67、E-679FG、BE-67G、E-67、AS-3000E、E679、AS-5000I、KS7003が使用可能である。
熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、六フッ化ポリプロピレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオキシベンゾエート樹脂、液晶ポリマーなどのうちから選択された1種以上と、必要な場合に、その硬化剤、硬化促進剤などを混合したものを加熱し半硬化状にしたもの、あるいは硬化したものが使用できる。
具体的には、ジャパンゴアテックス社製STABIAXシリーズ,BCシリーズが使用できる。
図1(a)においては、基板上に電極を形成した例であって、電極12、18、20、22、24を第一電極とし、電極28を第二電極とし、電極26を第三電極とした例である。図1では、第一電極群は5個が配置されており、各電極は円形状に描かれているが、電極の形状は任意であり、例えば矩形であってもよい。各電極から、基板の端部のコネクタと嵌合して接続される測定用端子(接続端子)30までは、引き回し配線(図1(a)において、各電極と測定用端子30とを結ぶ線で示す。)により引き回されるが、電極との接続には、テーパ形状をつけ応力緩和して断線を防止することが通常行われる。また、この引き回し配線は、電極間を通り抜けるので、一定の基板の大きさでは、電極数が多くなったり、電極ピッチが狭くなったりすると、電極間を通り抜ける配線数を増やす必要から配線幅および配線の間隙を狭くする必要が生じる。従って、引き回し配線間の絶縁性確保が極めて重要になってくる。これを解決する別の基板の形態として下引き出し配線による多層化があり、本発明に含まれる。配線形成は、例えば、銅エッチングの後、ダイレクト金鍍金層を形成して行うことができる。
本発明においては、フィルド性を評価する銅鍍金液を入れ、基板を該液に浸すことができる被評価液投入用容器を用いることが好ましい。材質、形に制限はないが、図4に示すような、内側に掘った差し込み用の溝が基板の幅にあった円柱型の被評価液投入用容器が好ましい。材質はプラスチックの一例で、耐熱ポリプロピレン(PP)を使用すると、簡便に銅鍍金液のフィルド性を評価できる。
本発明は、前記被評価液投入用容器を設置することができ、その温度を所定の温度から±10℃以内の範囲で一定に調整できる図4に示すような温調キットを用いることができる。温度は、100℃以下の所定の温度で、100℃の高温から、氷点下の低温まで所定の温度に限定はないが、例えば20度で、±10℃以内の範囲で一定に調整できる温調キットが具備されており、温度変化による信号の誤差を軽減する。これらを用いることで簡便にかつ正確に銅鍍金液のフィルド性を評価できる。
本発明においては、使用している銅鍍金液槽からフィルド性を評価したい銅鍍金液を採集することができる器具を用いることが好ましい。採集に用いる道具に、制限はないが、ガラスまたは耐酸性のチューブ、もしくはそれらから成る採集用の容器を用いるのが好ましい。それらと駒込ピペットや注射器を組み合わせることが好ましい。フィルド性を評価したい銅鍍金液を採集する際、鍍金槽には様々な場所があるため、長さや折れ曲がりの多様性を有する耐酸性の有機ポリマーチューブが好ましい。材質としては、例えば、テフロン、シリコン樹脂、ポリパラフェニレンがある。
<銅鍍金液のフィルド性評価装置>
本発明の銅鍍金液のフィルド性評価装置は、第二電極と、表面に有底構造を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とからなる電極群、又は前記第一電極、第二電極、及び第三電極を具備する基板と、前記電極群又は前記基板を評価される銅鍍金液に接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加したとき、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値の測定、又は該電圧に関する電流の積分値の演算を行う測定器と、を備えることを特徴としている。
すなわち、本発明の銅鍍金液のフィルド性評価装置は、既述の本発明の銅鍍金液のフィルド性評価方法を実施し得る装置である。従って、既述のように、銅鍍金液のフィルド性の評価を簡便・低コストで短時間に行うことができる。また、フィルド性の評価に際し、従来のように機械的手法による電極の回転、振動がない静置状態で評価を行うことができ、電極を回転させる機構などが不要であり、装置の小型化、低コスト化を実現できるとともに、既述の従来の諸問題が生じることがない。また、銅鍍金液に含まれるすべての化学種に関係なくフィルド性の評価を行うことができる。
前記測定器は、例えば、電気化学測定を行うポテンシオスタットとそれを制御し、電流値を記録するコンピューター部分を備えることが好ましい。
また、本発明の銅鍍金液のフィルド性評価装置は、さらに基板と測定器とを電気的に接続するコネクタ及び配線用部材を備えることが好ましい。また、評価すべき銅鍍金液を入れ、基板を銅鍍金液に浸すことができる被評価液投入用容器を用いることができる。コネクタ、配線用部材、被評価液投入容器は、特に制限はなく、当該分野において一般的に使用されているものを用いることができる。
<携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置>
本発明の携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置は、第二電極と、表面に有底構造を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とからなる電極群、又は前記第一電極、第二電極、及び第三電極を具備する基板と、前記電極群又は前記基板を評価される銅鍍金液に接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加したとき、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値の測定、又は該電圧に関する電流の積分値の演算を行う測定器と、を収納し、持ち運びを可能とする携帯容器を少なくとも備えることを特徴としている。
本発明の携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置は、既述の本発明の銅鍍金液のフィルド性評価を携帯可能な携帯容器に収容に収容したものである。従って、該装置を現場などに持ち運ぶことで、現場にて銅鍍金液のフィルド性の評価を行うことができる。
本発明の携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置は、さらに、被評価液投入用容器と温調キットと、基板と測定器とを電気的に接続するコネクタ及び配線用部材と、銅鍍金液を採集することができる器具と、分析のための化学薬品、洗浄液、手袋、保護メガネ、ガラス器具と、から選ばれる少なくとも1種を備えることが好ましい。
以下に、図4を参照して説明する。
図4は、本発明の携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置(以下、「携帯型フィルド性評価装置」と称する。)の一例を示す斜視図である。図4に示す携帯型フィルド性評価装置100は、携帯容器として、持ち運び可能なトランクケース102を用いた例であり、トランクケース102は、本体、及び該本体とヒンジを介して結合し開閉可能な蓋部からなり、図4はトランクケース102を開いた状態を示している。トランクケース102の本体には、測定器の指令シグナル、データ処理を行うノート型パソコン104と、マウス106と、ACアダプター108と、その他ケーブル類などが収納されている。また、このノート型パソコンの下には、測定器が収納されている。また、蓋部の内側には小物収納用ポケット110が設けられており、小物収納用ポケット110にはセンサ基板と、前記測定器の電気化学測定用コントローラ(ソフトウエアバックアップであって、ノートパソコンにはインストール済みとすることができる)、コネクタおよび配線、その他測定に必要な機材(小物:例えば、手袋、保護めがね)、分析に使用する添加剤(例えば、硝酸銀溶液)などが収納される。なお、トランクケース102は、蓋部を閉じる際に、小物類を収納した小物収納用ポケット110がノート型パソコン104に当接しないように設計されている。また、ノートパソコンの下部には、測定器が収納される空間が設けられ、断熱材およびないし衝撃吸収材を介し、運搬中の振動が吸収されるようになっている。また、測定時の放熱も考慮されている。
携帯型フィルド性評価装置100を測定現場まで持ち運び、測定時においては、トランクケース102を開き、内側の小物収納用ポケット110に収納されたセンサ基板と、測定器、該測定器の電気化学測定用コントローラ、コネクタおよび配線などを取り出し、ノート型パソコン104と、測定器と、センサ基板とをコネクタおよび配線を介して接続する。ノート型パソコン104は本体から取り出して使用することも、本体に収納したままの状態で使用することもできる。また、家庭用電源を確保できない場所においてはACアダプタ108は使用できないため、ノート型パソコン104は内蔵バッテリにより稼働し、また、測定器などへの電源供給は前記内蔵バッテリを用いることができる。このとき、測定器とノート型パソコン104との間において、ソフトウエアからの指示やデータの授受はUSBインターフェースを介して行うが、このUSBインターフェースから電源供給される。
すなわち、携帯型フィルド性評価装置100は、測定に必要なものをすべてトランクケース102に収納し、またこのトランクケース102は蓋部を閉状態とすれば自由に持ち運び可能であり、所望の場所に持ち運びすることで、当該場所で自由に測定することができる。携帯容器として、図4に示すようにトランクケースを用いた場合、幅50cm以下、奥行き40cm以下、厚み20cm以下で、かつ総重量10Kg以下とすることができる。
なお、図4では、携帯容器としてトランクケースを用いた例を示したが、本発明はそれに限定されず、上記各機材のすべてもしくは一部を収納でき、持ち運び可能なものであればよい。
<銅鍍金液のフィルド性評価基板>
本発明の銅鍍金液のフィルド性評価基板は、第二電極と、表面に有底構造を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とからなる電極群を具備することを特徴としている。すなわち、本発明の銅鍍金液のフィルド性評価基板は、既述の本発明の銅鍍金液のフィルド性評価方法に使用し得る基板である。当該基板の詳細については、本発明の銅鍍金液のフィルド性評価方法において説明したのでここでは省略する。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<フィルド性評価用基板の作製>
まず、フィルド性評価方法に用いるフィルド性評価用基板を作製した。図1(a)は、本発明を適用したフィルド性評価用基板10の配線パターンを示し、図1(b)は、この配線パターンから、電極部を開口させるクリアランスパターン30を示し、このクリアランスパターン30の開口12A、14A、16A、18A、20A、22A、24A、26A、28Aは、それぞれ、図1(a)に示す電極12、14、16、18、20、22、24、26、28を開口させる開口部に対応する。これらの積層体が、基本的には使い捨てで使用するフィルド性評価用基板となる。図1(a)の電極パターン内部には、配線エッチングと同時に、基材の底部までエッチングで穴あけをするパターン、すなわち有底構造のパターンが存在する。これらの有底構造のパターンを図2(a)〜(d)に示す。以上のフィルド性評価用基板の作製は以下のようにして行った。
出発基材として、強い酸性液にも耐性のあるジャパンゴアテックス社製液晶ポリマーST225−BT4を用いた。尚、出発基材はこれに限定されるものではなく、日立化成工業(株)製E697FG等、耐薬品性のある他の基材も用いることができる。この基材の片面側に、接着材である日立化成工業(株)製KS7003を介して、18μmの電解銅箔を、回転速度10m/min、温度150℃の条件で、ヒートローラを用いて仮圧着した。これにより得られた積層体の接続を確実なものとするため、真空プレスを行った。真空度20hPa、製品圧2MPa/cmの条件下で、到達設定温度180℃、温度プロファイル40℃から120℃までを10minで上昇、120℃で15min維持、120℃〜180℃までを6minで上昇、180℃を60min維持、その後冷却して取り出した。この後、各種の穴あけ加工をし、レジストラミネート、露光、現像、エッチング、レジスト剥離のフォトリソ法により、パターニングを行った。この後、カバーレイを貼り付けるが、パターニングの中の電極を開口させるためのクリアランス部との位置精度を確保するため、二次元測長機で、基材の寸法収縮率を測定した。このデータにもとづき、カバーレイ開口データの位置にスケールファクターをかけて、カバーレイに穴あけを行った。カバーレイは、ジャパンゴアテックス社製液晶ポリマーBC025−BT4と日立化成工業(株)製接着材KS7003を仮圧着したものを用いた。カバーレイ層の形成も真空プレスで行った。真空度20hPa、製品圧2MPa/cm、の条件下で、到達設定温度180℃、温度プロファイル40℃から120℃までを10minで上昇、120℃で15min維持、120℃〜180℃までを6minで上昇、180℃を60min維持、その後冷却して取り出した。この後、個片サイズに、簡易金型で切断した。
なお、図2の(a)〜(d)に示す有底構造のパターンにおいて、(a)は穴径φ:0.05mm、ピッチ:0.1mmであり、(b)は穴径φ:0.05mm、ピッチ:0.2mmであり、(c)は穴径φ:0.075mm、ピッチ:0.15mmであり、(d)は穴径φ:0.075mm、ピッチ:0.3mmである。
切り出した個片の基板を、所定の治工具に載置し、特開2006-14702号公報、特開2007-165708号公報、又は特開2007-165709号公報(いずれも日立化成工業(株)による特許出願)に記載の液状組成物に関する技術に基づき日立化成工業(株)が調製した導電性カーボンペーストを、第三電極(参照電極)上に、被覆・塗布・乾燥し、形成した。また、検討の過程で、第二電極(対極)の引き出し配線側の断線するケースが認められた。これは、第二電極(対極)において電子が引き抜かれる陽極酸化を惹起し、第二電極(対極)の引き出し配線部分が溶解している証拠である。このため、引き出し配線の部分をカーボンペーストで被覆した。
このとき、導電性のカーボンペーストの接着性を確保するために、前処理として、プラズマアッシャーにて、酸素プラズマを照射した。条件は、酸素を100ml/分で流し、雰囲気を100Paとした上で、エネルギー300Wで照射時間60秒とした。塗布方法としては、インクジェット、ディスペンサーによる方法が可能であり、今回は、武蔵エンジニアリング製ディスペンサーを用いた。
その後、メタルマスクで、第三電極(参照電極)および第二電極(対極)をマスクし、第一電極(作用電極)の開口された部分が被覆されるように、銅を蒸着した。蒸着源は、抵抗過熱法による。蒸着レートは、5〜10Å/secとし、最終蒸着膜厚を2000Åとして成膜した。これにより、図2(a)〜(d)に示した有底部には、配線エッチングのときに見えていた基材部分が、銅で被覆された構造となる。つまり、最表面全体が導電体からなる有底構造が形成された。
図2において電極12、14、16、18、20、22、及び24が第一電極に対応する。また、電極28が第二電極に対応し、電極26が第三電極に対応する。符号30は、端子部である。
<フィルド性評価方法>
一例として、銅鍍金液のフィルド性の評価方法について説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[実施例2]
未使用の新建浴液A1.2mLを、図4に示す携帯容器100に具備された図3(A)、(B)に示す被評価液投入用容器90(外径1.4cm、高さ2.4cm、厚み2.5mm、材質:耐熱ポリプロピレン、以下PPと略す)に入れ、図3(A)に示す温調キット94に水道水をはり、被評価液投入用容器90を設置し、一例として、実施例1で示した面積や位置の規定された第一、第二、三電極がある図2(a)のタイプのフィルド性評価用基板Aをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。
まず前処理として、図2に示す電極24(第一電極)に電極28(第二電極)の安定化のためスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送った。その後、第一電極である電極12にスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送り(つまり、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した。)、その時の電流値を記録した。なお、第二電極の表面状態が均一で電気化学的電流を良好に流せる場合は、その安定化のための還元波は必要がない。以下も同様である。
次に、新建浴液A中へ含リン銅(1cm x 1cm x 厚1mm)の板を2枚沈め、一日放置した。これにより、新建浴液のフィルド性は低くなる。その液を同様に1.2mL、同じ被評価液投入用容器に入れ、一例として、実施例1で示した面積や位置の規定された第一、第二、三電極がある図2(a)のタイプのフィルド性評価用基板Bをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に前処理として図2の電極24に電極28の安定化のためスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送った。その後、第一電極である電極12にスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送り、その時の電流値を記録した。
さらに、フィルド性を低くした新建浴液Aに、エアレーションを24時間行った。これにより、フィルド性を回復できることがわかっている。その液をよく純水で洗浄し乾燥した同じ被評価液投入用容器に入れ、一例として、実施例1で示した面積や位置の規定された第一、第二、三電極がある図2(a)のタイプのフィルド性評価用基板Cをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に前処理として図2の電極24に電極28の安定化のためスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送った。その後、第一電極である電極12にスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送り、その時の電流値を記録した。なお、第一電極に印加される電圧のスイープ速度は40mV/秒に限定される必要は無く、電極面積に応じて5桁程度大きくても、また逆に2桁程度小さくても分析は可能である。
以上の結果、フィルド性評価用基板A、B、Cの電極12での電流曲線は、図5のグラフにおけるそれぞれ実線、点線、破線となっており、フィルド性悪化および回復(もとの実線にもどってくる)現象が観測された。再現性をみるための電極22を用いた結果が図6に示すグラフであり、同様の傾向を示している。フィルド性評価用基板A、B、Cでの電流曲線の測定に要した合計時間は3.5分であった。実際のフィルド性評価は、基準となる液を含めて2サンプルとして140秒ほどで行うことができる。一例として、電圧−0.35Vにおける電流値の絶対値を、実線の新建浴液の値を100として百分率の変化でまとめたのが、図11に示すグラフである(白丸:電極12,白三角:電極22)。また一例として電圧0V〜−0.35Vまでの電流値の積分値の絶対値を同様に百分率に変換しまとめたものが図12に示すグラフである(白丸:電極12,白三角:電極22)。いずれもフィルド性悪化および回復現象が、数値的に明確に示されている。以上より、本発明のフィルド評価方法により、短時間で簡便に銅鍍金液のフィルド性を評価できることが分かる。
[実施例3]
ある期間以上銅鍍金液を鍍金槽で使用し、しかしながらそのフィルド性は低下していない液Bから1.2mLを図4に示す携帯容器に具備された図3(A)、(B)に示す被評価液投入用容器90(外径1.4cm、高さ2.4cm、厚み2.5mm、材質:PP)に入れ、図3の温調キット94に水道水をはり、該被評価液投入用容器を設置し、一例として、実施例1で示した面積や位置の規定された第一、第二、三電極がある図2(a)のタイプのフィルド性評価用基板Dをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。まず前処理として、図2の電極22に電極28の安定化のためスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送った。その後、第一電極である電極12にスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送り、その時の電流値を記録した。
次に、液B100mLに含リン銅(5cm × 10cm × 厚1mm)の板を1枚沈め、一日放置した。これにより、液Bのフィルド性は低くなる。その液1.2mLを前記と同じ被評価液投入用容器に入れ、一例として、実施例1で示した面積や位置の規定された第一、第二、三電極がある図2(a)のタイプのフィルド性評価用基板Eをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に前処理として図2の電極24に電極28の安定化のためスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送った。その後、第一電極である電極12にスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送り、その時の電流値を記録した。
さらに、フィルド性を低くした液Bに、エアレーションを8時間行った。これにより、フィルド性を一部回復できることがわかっている。その液を同様によく純水で洗浄し乾燥した被評価液投入用容器に入れ、一例として、実施例1で示した面積や位置の規定された第一、第二、三電極がある図2(a)のタイプのフィルド性評価用基板Fをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に前処理として図2の電極24に電極28の安定化のためスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送った。第一電極である電極12にスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送り、その時の電流値を記録した。第一電極に印加される電圧のスイープ速度は40mV/秒に限定される必要は無く、電極面積に応じて5桁程度大きくても、また逆に2桁程度小さくても分析は可能である。
以上の結果、フィルド性評価用基板D、E、Fでの電流曲線は、図7におけるそれぞれ実線、点線、破線となっており、フィルド性悪化および一部回復(もとの実線にもどってくる)現象が観測された。再現性をみるための電極22を用いた結果が図8であり、同様の傾向を示している。フィルド性評価用基板D、E、Fでの電流曲線の測定に要した合計時間は3分であった。実際のフィルド性評価は、基準となる液を含めて2サンプルとして2分ほどで行うことができる。一例として、電圧−0.35Vにおける電流値の絶対値を、実線の新建浴液の値を100として百分率の変化でまとめたのが、図11に示すグラフである(黒丸:電極12,黒三角:電極22)。また一例として電圧0V〜−0.35Vまでの電流値の積分値の絶対値を同様に百分率に変換しまとめたものが図12に示すグラフである(黒丸:電極12,黒三角:電極22)。いずれもフィルド性悪化および一部回復現象が、数値的に明確に示されている。エアレーションを8時間と前実施例と比べ短くしたため、フィルド性の回復は完全ではなく、そのため百分率値のもどりも少なくなっている。以上より、本発明のフィルド性評価方法により、短時間で簡便に銅鍍金液のフィルド性を分析できることが分かる。
[実施例4]
ある期間以上銅鍍金液を鍍金槽で使用し、しかしながらそのフィルド性は低下していない、実施例3で使用した液Bとは組成の異なる液Cから1.2mLを、図4に示す携帯容器100に具備された図3(A)、(B)に示す被評価液投入用容器90(外径1.4cm、高さ2.4cm、厚み2.5mm、材質:PP)に入れ、図4の温調キット94に水道水をはり、該被評価液投入用容器90を設置し、一例として、実施例1で示した面積や位置の規定された第一、第二、三電極がある図2(a)のタイプのフィルド性評価用基板Gをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。まず前処理として、図2の電極24に電極28の安定化のためスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送った。その後、第一電極である電極12にスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送り、その時の電流値を記録した。
次に、該液C中へ含リン銅(1cm x 1cm x 厚1mm)の板を2枚沈め、一日放置した。これにより、該液のフィルド性は低くなる。その液を同様に大きさの同じ被評価液投入用容器に入れ、一例として、実施例1で示した面積や位置の規定された第一、第二、三電極がある図2(a)のタイプのフィルド性評価用基板Hをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に前処理として図2の電極24に電極28の安定化のためスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送った。その後、第一電極である電極12にスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送り、その時の電流値を記録した。
さらに、フィルド性を低くした該液Cに、エアレーションを29時間行った。これにより、フィルド性を完全に回復することがわかっている。その液を同様によく純水で洗浄し乾燥した被評価液投入用容器に入れ、一例として、実施例1で示した面積や位置の規定された第一、第二、三電極がある図2(a)のタイプのフィルド性評価用基板Iをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に前処理として図2の電極24に電極28の安定化のためスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送った。その後、第一電極である電極12にスイープ速度40mV/秒で0Vから電位を−0.7Vまで還元波を送り、その時の電流値を記録した。第一電極に印加される電圧のスイープ速度は40mV/秒に限定される必要は無く、電極面積に応じて5桁程度大きくても、また逆に2桁程度小さくても分析は可能である。
以上の結果、フィルド性評価用基板G、H、Iでの電流曲線は、図9に示すグラフにおけるそれぞれ実線、点線、破線となっており、フィルド性悪化および回復(もとの実線にもどってくる)現象が観測された。再現性をみるための電極22を用いた結果が図10に示すグラフであり、同様の傾向を示している。フィルド性評価用基板G、H、Iでの電流曲線の測定に要した合計時間は3.5分であった。実際のフィルド性評価は、基準となる液を含めて2サンプルとして140秒ほどで行うことができる。一例として、電圧−0.35Vにおける電流値の絶対値を、実線の新建浴液の値を100として百分率の変化でまとめたのが、図11に示すグラフである(十字丸:電極12,十字四角:電極22)。また一例として電圧0V〜−0.35Vまでの電流値の積分値の絶対値を同様に百分率に変換しまとめたものが図12に示すグラフである(十字丸:電極12,十字四角:電極22)。いずれもフィルド性悪化および回復現象が、数値的に明確に示されている。また、積分2乗誤差(ISE; Integrated square error)法を用いて、適切な範囲の全電圧の点群に対する電流値の差の2乗の積分を用いても同様の結果が得られ、あらゆる数学的な処理によってもフィルド性評価は可能である。以上の結果から、数値的に、一例として、図11に示すグラフの百分率の値が、基準となる始めの測定値を100として、例えば110以下になればフィルド性が回復したと評価できる。以上より、本発明により、短時間で簡便に銅鍍金液のフィルド性を評価できることが分かる。また、実施例2〜4で用いた液は、それぞれ液の履歴が違っており、含まれる化学種は違うものとなっている。それにもかかわらず、本発明によりフィルド性がよいと評価される液に対しては似た傾向の電流曲線が得られており、基準となるフィルド性のよい液で得られる値と比較することで、銅鍍金液中に含まれるすべての化学種に関係なく、短時間で簡便に銅鍍金液のフィルド性を分析できることが分かる。
[実施例5]
液Aとは組成の異なる未使用の新建浴液D1.2mLを携帯容器(図5)に具備された図3(A)、(B)に示す被評価液投入用容器90(外径1.4cm、高さ2.4cm、厚み2.5mm、材質:PP)に入れ、図3の温調キット94に水道水をはり、該被評価液投入用容器90を設置し、一例として、実施例1で示した面積や位置の規定された第一、第二、三電極がある図2(a)のタイプのフィルド性評価用基板Jをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。まず前処理として、図2の電極22に電極28の安定化のためスイープ速度20mV/秒で0Vから電位を−0.4Vまで還元波を送った。その後、第一電極である電極20にスイープ速度20mV/秒で0Vから電位を−0.4Vまで還元波を送り、その時の電流値を記録した。
該液Dを長年含燐銅アノードを用いた銅鍍金槽で使用したことにより、フィルド性が極めて悪化した液を同様に同じ被評価液投入用容器に入れ、一例として、実施例1で示した面積や位置の規定された第一、第二、三電極がある図2(a)のタイプのフィルド性評価用基板Kをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に前処理として図2の電極22に電極28の安定化のためスイープ速度20mV/秒で0Vから電位を−0.4Vまで還元波を送った。その後、第一電極である電極20にスイープ速度20mV/秒で0Vから電位を−0.4Vまで還元波を送り、その時の電流値を記録した。
次に、該液Dを長年含燐銅アノードを用いた銅鍍金槽で使ったことにより、フィルド性が極めて悪化した液に過マンガン酸カリウムを約20mM程度となるように高濃度に加えた。これによりフィルド性は回復することが知られている。得られた液を同様に同じ被評価液投入用容器に入れ、一例として、実施例1で示した面積や位置の規定された第一、第二、三電極がある図2(a)のタイプのフィルド性評価用基板Lをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に前処理として図2の電極22に電極28の安定化のためスイープ速度20mV/秒で0Vから電位を−0.4Vまで還元波を送った。その後、第一電極である電極20にスイープ速度20mV/秒で0Vから電位を−0.4Vまで還元波を送り、その時の電流値を記録した。第一電極に印加される電圧のスイープ速度は20mV/秒に限定される必要は無く、電極面積に応じて5桁程度大きくても、また逆に2桁程度小さくても分析は可能である。
以上の結果、フィルド性評価用基板J、K、Lでの電流曲線は、図13におけるそれぞれ実線、点線、破線となっており、フィルド性悪化および回復(もとの実線にもどってくる)現象が観測された。フィルド性評価用基板J、K、Lでの電流曲線の測定に要した合計時間は2分ほどであった。実際のフィルド性評価は、基準となる液を含めて2サンプルとして80秒ほどで行うことができる。一例として、電圧−0.35Vにおける電流値の絶対値を、実線の液Dの値を100として百分率の変化でまとめたのが、図14に示すグラフである(×印:電極20)。本実施例で用いた液には、後半高濃度のMnイオンが含まれており、前実施例2〜4における液の化学種とは違うものとなっている。それにもかかわらず、本発明で得られるフィルド性のよい液に対しては似た傾向が得られており、基準となるフィルド性のよい液で得られる値と比較することで、銅鍍金液中に含まれるすべての化学種に関係なく、短時間で簡便に銅鍍金液のフィルド性を分析できる。
[実施例6]
未使用の新建浴液A1.2mLを、図4に示す携帯容器100に具備された図3(A)、(B)に示す被評価液投入用容器90(外径1.4cm、高さ2.4cm、厚み2.5mm、材質:耐熱ポリプロピレン、以下PPと略す)に入れ、図3(A)に示す温調キット94に水道水をはり、被評価液投入用容器90を設置し、一例として、図2(a)に示したものと同等に面積や位置の規定された第一、第二、三電極が配置されているが、基板素材としてポリイミドを用いたフィルド性評価用基板Mをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。ここで用いた第一電極は、平均面粗さRa値228nmを有し防錆処理を施した銅表面からなる電極24であり、第二電極は実施例1で示した電極28、第三電極は実施例1で示した電極26を用いた。
まず、第一電極である電極24にスイープ速度40mV/秒で−0.15Vから電位を−0.32Vまで還元波を送り(つまり、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した。)、その時の電流値を記録した。
次に、新建浴液A中へ含リン銅(1cm × 1cm × 厚1mm)の板を1枚沈め、二日放置した。これにより、新建浴液のフィルド性は低くなる。その液を同様に1.2mL、同じ被評価液投入用容器に入れ、前述と同じポリイミドから作製したフィルド性評価用基板Nをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に第一電極である電極24にスイープ速度40mV/秒で−0.15Vから電位を−0.32Vまで還元波を送り(つまり、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した。)、その時の電流値を記録した。
さらに、フィルド性を低くした新建浴液Aに、エアレーションを8時間行った。これにより、フィルド性を回復できることがわかっている。その液をよく純水で洗浄し乾燥した同じ被評価液投入用容器に入れ、前述と同じポリイミドから作製したフィルド性評価用基板Oをコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に第一電極である電極24にスイープ速度40mV/秒で−0.15Vから電位を−0.32Vまで還元波を送り(つまり、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した。)、その時の電流値を記録した。なお、第一電極に印加される電圧のスイープ速度は40mV/秒に限定される必要は無く、電極面積に応じて5桁程度大きくても、また逆に2桁程度小さくても分析は可能である。
以上の結果、フィルド性評価用基板M、N、Oの電極24での電流曲線は、図16のグラフにおけるそれぞれ実線、点線、破線となっており、電流値の絶対値は比較的小さいものの、フィルド性悪化および回復(もとの実線にもどってくる)現象が観測された。フィルド性評価用基板M、N、Oでの電流曲線の測定に要した合計時間は約1分であった。実際のフィルド性評価は、基準となる液を含めて2サンプルとして40秒ほどで行うことができる。以上より、本発明の表面に凹凸を有する第一電極を用いたフィルド性評価方法により、短時間で簡便に銅鍍金液のフィルド性を評価できることが分かる。
次いで、本発明の他の実施例について説明する。以下の実施例では、第一電極の材料として表面が非常に安定な金表面を用いているが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明における第一電極の表面は、水中において安定なすべての導電体を用いることができ、例えば銅表面も用いることができる。また、第一電極として原子レベルで平坦な金(111)表面を用いた場合、以下に示す本評価に用いる新建浴液と、評価する劣化した銅鍍金液との間に大きな差は観測されず、本発明に係る表面に凹凸を有する第一電極を用いることは、銅鍍金液のフィルド性の評価において効果がある。
[実施例7]
未使用の新建浴液E20mLを、20mL用ビーカーに入れ、市販の恒温槽(アズワン、TR−S)を用い、液温度を摂氏30度に安定化させた。その際、スターラーを用い450rpmで液を撹拌した。一例として、図2(a)に示したものと同様の面積や位置が規定された電極が配置されているが、基板素材としてガラエポを用いた新たなフィルド性評価用基板をコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。位置を固定した第一電極は、ダイレクト金鍍金表面からなる凹凸の構造を有する電極20であり、円径の穴φが約0.03mm、ピッチが約0.06mmのものを用いた。第一電極である電極20の表面積はすべて一定(例えばこの場合、1.78mm)となっている。位置を固定した第二電極は、直径約1mm長さ約5cmの銅ワイヤー、位置を固定した第三電極は、強酸中における安定な参照電極として知られるダブルジャンクション参照電極(HORIBA型式2565, AgCl / 飽和 KCl / 0.2N H2SO4)を用いた。
上記構成において、まず、第一電極である電極20にスイープ速度5mV/秒で+0.2Vから電位を−0.4Vまで還元波を送り(つまり、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した。)、その時の電流値を記録した。1シグナルの取得にかかった時間は2分であった。
次に、該新建浴液の一部をとって、含リン銅板を18時間浸漬したものを用意した。これにより、該新建浴液のフィルド性は低くなる。その含リン銅板浸漬液と、もとの新建浴液Eをある割合で混合し合計体積が20mLとした。含リン銅板浸漬液の体積比率は、図17、18に示すように0%(新建浴液E、太い実線)、5%(破線)、10%(細実線)、20%(破線一点線)、100%(含リン銅板浸漬液そのもの、点線)である。各液を20mL用容器に入れ、前述と同じガラエポから作製した新たな各フィルド性評価用基板をコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に第一電極である電極20にスイープ速度5mV/秒で+0.2Vから電位を−0.4Vまで還元波を送り(つまり、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した。)、その時の電流値を記録した。1シグナルの取得にかかった時間は2分であった。なお、第一電極に印加される電圧のスイープ速度は5mV/秒に限定される必要は無く、電極面積や評価する条件に応じて5桁程度大きくても、また逆に2桁程度小さくても評価は可能である。
以上の結果、安定した電流値のシグナルを得ることができ、フィルド性の低い液の比率が増えるに従って、電流値や積分値も対応した変化を示すことがわかった。例えば、図17に示したように、−200mVにおける電流の絶対値は、0%(新建浴液E、太い実線)の場合は約0.3mA、5%(破線)の場合は約0.55mA、10%(細実線)の場合は約0.7mA、20%(破線一点線)の場合は約0.8mA、100%(含リン銅板浸漬液そのもの、点線)の場合は約1.2mAである。−260mVから−100mVにおいても同様な傾向がある。このようにフィルド性が低くなるに従って電流の絶対値が大きくなることが解る。電流値をとる場合において、その基準点を決め、適宜各曲線を並行移動して計算してもよい。例えば、点(+100mV、−40μA)を原点基準として、各曲線の+100mVにおける電流値を、その原点基準に並行移動してから、各電流値を計測評価してもよい。原点となる基準点は、状況においてあらゆるとり方がある。また、ある電圧範囲の積分値を比較することもできる。例えば、−260mVから−100mVにおける各曲線の積分値をとると、含リン銅板浸漬液の体積比率が0%、5%、10%、20%、100%に従って、その積分値の絶対値は増加することが解る。積分値をとる場合において、その基準点を決め、適宜各曲線を並行移動して計算してもよい。例えば、点(+100mV、−40μA)を原点基準として、各曲線の+100mVにおける電流値を、その原点基準に並行移動してから、各積分値を計測評価してもよい。原点となる基準点は、状況においてあらゆるとり方がある。評価基準の設定については、得られる各電流値や各積分値において、含リン銅板浸漬液の体積比率が0%、つまり新建浴液の値に対して、評価する液の値が何倍になるかでフィルド性の良し悪し(高い低い)を判断できる。例えば、設定した値の2倍以上になる場合は、フィルド性が低いと判断し、2倍未満になる場合は、フィルド性は保たれていると判断できる。この何倍をどこに設定するかは状況に応じてすべての値を考えることができる。また、新建浴液の電圧-電流曲線に対して、積分2乗誤差などの関数相関、評価する液に対して得られる電圧-電流曲線の類似性を比べることでも評価することができる。
尚、本明細書における電流値や積分値を観測する際、そのための電圧値や電圧の範囲は、銅鍍金液の状況や、電極間どうしの距離、第三電極の種類の設定など評価する状態で、それらの値は変化するが、基本的に評価できる値もしくは範囲であれば限定されることはない。しかしながら、図17に示したように、例えば、−0.3V以下の電圧の絶対値が高くなる範囲では、電流が一気に流れ出し、ノイズも多くなることなどから、各電流−電圧曲線の違いは観測しづらくなっており、観測に用いた電圧の中で、特定の電圧値や電圧範囲において評価することが好ましい。
さらに、図18に示したように、−30mVにおける電流の絶対値は、0%(新建浴液E、太い実線)の場合は約75μA、5%(破線)の場合は約160μA、10%(細実線)の場合は約180μA、20%(破線一点線)の場合は約230μA、100%(含リン銅板浸漬液そのもの、点線)の場合は約275μAである。+25mVから−100mVにおいても同様な傾向がある。このようにフィルド性が低くなるに従って電流の絶対値が大きくなることが解る。電流値をとる場合において、その基準点を決め、適宜各曲線を並行移動して計算してもよい。例えば、点(+100mV、−40μA)を原点基準として、各曲線の+100mVにおける電流値を、その原点基準に並行移動してから、各電流値を計測評価してもよい。原点となる基準点は、状況においてあらゆるとり方がある。また、ある電圧範囲の積分値を比較することもできる。例えば、+25mVから−70mVにおける各曲線の積分値をとると、含リン銅板浸漬液の体積比率が0%、5%、10%、20%、100%に従って、その積分値の絶対値は増加することが解る。積分値をとる場合において、その基準点を決め、適宜各曲線を並行移動して計算してもよい。例えば、点(+100mV、−40μA)を原点基準として、各曲線の+100mVにおける電流値を、その原点基準に並行移動してから、各積分値を計測評価してもよい。原点となる基準点は、状況においてあらゆるとり方がある。評価基準の設定については、得られる各電流値や各積分値において、含リン銅板浸漬液の体積比率が0%、つまり新建浴液の値に対して、評価する液の値が何倍になるかでフィルド性の良し悪し(高い低い)を判断できる。例えば、ここでは設定した値の3倍以上になる場合は、フィルド性が低いと判断し、3倍未満になる場合は、フィルド性は保たれていると判断できる。この何倍をどこに設定するかは状況に応じてすべての値を考えることができる。さらに、図17の電圧の絶対値が比較的大きな部分の評価結果と図18の電圧の絶対値が比較的小さな低電位部分の評価結果とを組み合わせて、もしくは、優先順位を設けるなどをしても評価ができる。また、新建浴液の電圧-電流曲線に対して、積分2乗誤差などの関数相関、評価する液に対して得られる電圧-電流曲線の類似性を比べることでも評価は行える。尚、評価に用いる電圧の範囲は、制限はなく測定できるどの範囲を採用してもよい。
また、面積が決定された第一電極の一定の表面積に基づき、図17、図18の電流値を電流密度の値として評価することもできる。例えば図19に示すように、図18の縦軸である電流値を電流密度で表わし、電流密度の値により上記の評価ができる。本実施例以外の実施例においても同様である。
本実施例はその具体的内容により何ら限定されるものではない。本発明の技術思想の範囲内での変更及び他の態様は、全て本発明に含まれる。以上、評価方法における測定環境や形態に制限されることなく、本発明の評価方法は、銅鍍金液のフィルド性を簡便に評価できる。
[実施例8]
未使用の新建浴液E20mLを、20mL用ビーカーに入れ、市販の恒温槽(アズワン、TR−S)を用い、液温度を摂氏30度に安定化させた。その際、スターラーを用い450rpmで液を撹拌した。次いで、実施例7と同じフィルド性評価用基板を新たに用意し、コネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。
上記構成において、まず、第一電極である電極20にスイープ速度5mV/秒で+0.2Vから電位を−0.4Vまで還元波を送り(つまり、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した。)、その時の電流値を記録した。1シグナルの取得にかかった時間は2分であった。
次に、新建浴液Eにおいて、ポリマー、ブライトナー成分を規定濃度で一定とし、レベラー成分の濃度を変化させて評価を行った。図20において実線が新建浴液、点線がレベラー0%、破線一点線がレベラー33%、破線がレベラー300%に対応する。各液を20mL用容器に入れ、前述と同じガラエポから作製した新たな各フィルド性評価用基板をコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に第一電極である電極20にスイープ速度5mV/秒で+0.2Vから電位を−0.4Vまで還元波を送り(つまり、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した。)、その時の電流値を記録した。1シグナルの取得にかかった時間は2分であった。なお、第一電極に印加される電圧のスイープ速度は5mV/秒に限定される必要は無く、電極面積や評価する条件に応じて5桁程度大きくても、また逆に2桁程度小さくても評価は可能である。
以上の結果、安定した電流値のシグナルを得ることができ、抑制剤の一種として知られるレベラー成分の増減、すなわちフィルド性の良し悪し(高い低い)に応じて、-100mVから-400mVにおいて対応するシグナルの変化が観測できる(図20)。
例えば、図20に示したように、−200mVにおける電流の絶対値は、レベラー濃度が標準の新建浴液(太い実線)の場合:約0.36mA、レベラー33%(破線一点線)の場合:約0.42mA、レベラー0%(点線)の場合:約0.8mA、レベラー300%(破線)の場合:約0.25mAである。−260mVから−100mVにおいても同様な傾向がある。このようにレベラーの濃度に従って電流の絶対値が変化することが解る。すなわち、レベラーが0%の場合、抑制が効かなくなり、電流値が大きくなる。レベラーが33%の場合、抑制が現れ、電流値が標準の新建浴液に近づく。レベラーが300%の場合、抑制が効きすぎて、電流値が小さくなる。電流値をとる場合において、その基準点を決め、適宜各曲線を並行移動して計算してもよい。例えば、点(+100mV、0A)を原点基準として、各曲線の+100mVにおける電流値を、その原点基準に並行移動してから、各電流値を計測評価してもよい。原点となる基準点は、状況においてあらゆるとり方がある。また、ある電圧範囲の積分値を比較することもできる。例えば、−260mVから−100mVにおける各曲線の積分値をとると、レベラーの濃度に従って、その積分値の絶対値は変化することが解る。すなわち、レベラーが0%の場合、抑制が効かなくなり、積分値が大きくなる。レベラーが33%の場合、抑制が現れ、積分値が標準の新建浴液に近づく。レベラーが300%の場合、抑制が効きすぎて、積分値が小さくなる。積分値をとる場合において、その基準点を決め、適宜各曲線を並行移動して計算してもよい。例えば、点(+100mV、−40μA)を原点基準として、各曲線の+100mVにおける電流値を、その原点基準に並行移動してから、各積分値を計測評価してもよい。原点となる基準点は、状況においてあらゆるとり方がある。評価基準の設定については、得られる各電流値や各積分値において、新建浴液の値に対して、評価する液の値が何倍になるかでフィルド性の良し悪し(高い低い)を判断できる。例えば、設定した値の2倍以上になる場合は、フィルド性が低いと判断し、2倍未満になる場合は、フィルド性は保たれていると判断することができる。この何倍をどこに設定するかは状況に応じてすべての値を考えることができる。さらに、電圧の絶対値が比較的大きな部分の評価結果と電圧の絶対値が比較的小さな低電位部分の評価結果とを組み合わせること、もしくは、優先順位を設けることなどを行って評価することができる。また、新建浴液の電圧-電流曲線に対して、積分2乗誤差などの関数相関、評価する液に対して得られる電圧-電流曲線の類似性を比べることでも評価することができる。
尚、評価に用いる電圧の範囲は、制限はなく測定できるどの範囲を採用してもよい。その範囲は、銅鍍金液の状況や、電極間どうしの距離、第三電極の種類の設定など評価する状態で、それらの絶対値は変化するが、基本的に評価できる値もしくは範囲であれば限定されることはない。しかしながら、例えば、図20に示したように、−0.35V以下の電圧が高くなる範囲では、電流が一気に流れ出し、ノイズも多くなることなどから、各電流−電圧曲線の違いは観測しづらくなり、観測に用いた電圧の中で、特定の電圧値や電圧範囲において評価することが好ましい。以上の実施例はその具体的内容により何ら限定されるものではない。本発明の技術思想の範囲内での変更及び他の態様は、全て本発明に含まれる。
レベラー濃度の変化の点においても本発明の有用性が示されている。以上、評価方法における測定環境や形態に制限されることなく、本発明の評価方法は、銅鍍金液の組成の変化に応じて、銅鍍金液のフィルド性を簡便に評価できる。
[実施例9]
未使用の新建浴液E20mLを、20mL用ビーカーに入れ、市販の恒温槽(アズワン、TR−S)を用い、液温度を摂氏30度に安定化させた。その際、スターラーを用い450rpmで液を撹拌した。次いで、実施例7と同じフィルド性評価用基板を新たに用意し、コネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。
上記構成において、まず、第一電極である電極20にスイープ速度5mV/秒で+0.2Vから電位を−0.4Vまで還元波を送り(つまり、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した。)、その時の電流値を記録した。1シグナルの取得にかかった時間は2分であった。
次に、新建浴液Eにおいて、レベラー、ブライトナー成分を規定濃度で一定とし、ポリマー成分の濃度を変化させて評価を行った。図21において実線が新建浴液、点線がポリマー0%、破線がポリマー11%に対応する。各液を20mL用容器に入れ、前述と同じガラエポから作製した新たな各フィルド性評価用基板をコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に第一電極である電極20にスイープ速度5mV/秒で+0.2Vから電位を−0.4Vまで還元波を送り(つまり、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した。)、その時の電流値を記録した。1シグナルの取得にかかった時間は2分であった。なお、第一電極に印加される電圧のスイープ速度は5mV/秒に限定される必要は無く、電極面積や評価する条件に応じて5桁程度大きくても、また逆に2桁程度小さくても評価は可能である。
以上の結果、安定した電流値のシグナルを得ることができ、抑制剤の一種として知られるポリマー成分の増減、すなわちフィルド性の良し悪し(高い低い)に応じて、−100mVから−400mVにおいて対応するシグナルの変化が観測できる(図21)。
例えば、図21に示したように、−200mVにおける電流の絶対値は、ポリマー濃度が標準の新建浴液(太い実線)の場合:約0.4mA、ポリマー11%(破線一点線)の場合:約0.5mA、ポリマー0%(点線)の場合:約2.9mAである。−260mVから−100mVにおいても同様な傾向がある。このようにポリマーの濃度に従って電流の絶対値が変化することが解る。すなわち、ポリマーが0%の場合、抑制が効かなくなり、電流値が大きくなる。ポリマーが11%の場合、抑制が現れ、電流値が標準の新建浴液に近づく。電流値をとる場合において、その基準点を決め、適宜各曲線を並行移動して計算してもよい。例えば、点(+100mV、0A)を原点基準として、各曲線の+100mVにおける電流値を、その原点基準に並行移動してから、各電流値を計測評価してもよい。原点となる基準点は、状況においてあらゆるとり方がある。また、ある電圧範囲の積分値を比較することもできる。例えば、−260mVから−100mVにおける各曲線の積分値をとると、ポリマーの濃度に従って、その積分値の絶対値は変化することが解る。すなわち、ポリマーが0%の場合、抑制が効かなくなり、電流値が大きくなる。ポリマーが11%の場合、抑制が現れ、電流値が標準の新建浴液に近づく。積分値をとる場合において、その基準点を決め、適宜各曲線を並行移動して計算してもよい。例えば、点(+100mV、−40μA)を原点基準として、各曲線の+100mVにおける電流値を、その原点基準に並行移動してから、各積分値を計測評価してもよい。原点となる基準点は、状況においてあらゆるとり方がある。評価基準の設定については、得られる各電流値や各積分値において、新建浴液の値に対して、評価する液の値が何倍になるかでフィルド性の良し悪し(高い低い)を判断できる。例えば、設定した値の2倍以上になる場合は、フィルド性が低いと判断し、2倍未満になる場合は、フィルド性は保たれていると判断できる。この何倍をどこに設定するかは状況に応じてすべての値を考えることができる。さらに、電圧の絶対値が比較的大きな部分の評価結果と電圧の絶対値が比較的小さな低電位部分の評価結果とを組み合わせること、もしくは、優先順位を設けることなどを行って評価ができる。また、新建浴液の電圧-電流曲線に対して、積分2乗誤差などの関数相関、評価する液に対して得られる電圧-電流曲線の類似性を比べることでも評価は行える。
尚、評価に用いる電圧の範囲は、制限はなく測定できるどの範囲を採用してもよい。以上の実施例はその具体的内容により何ら限定されるものではない。本発明の技術思想の範囲内での変更及び他の態様は、全て本発明に含まれる。
ポリマー濃度の変化の点においても本発明の有用性が示されている。ポリマー成分11%の場合、フィルド性はさほど低くなく、この点においても本発明の有用性が示されている。以上、評価方法における測定環境や形態に制限されることなく、本発明の評価方法は、銅鍍金液の組成の変化に応じて、銅鍍金液のフィルド性を簡便に評価できる。
[実施例10]
未使用の新建浴液E20mLを、20mL用ビーカーに入れ、市販の恒温槽(アズワン、TR−S)を用い、液温度を摂氏30度に安定化させた。その際、スターラーを用い450rpmで液を撹拌した。次いで、実施例7と同じフィルド性評価用基板を新たに用意し、コネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。
以上の構成において、まず、第一電極である電極20にスイープ速度5mV/秒で+0.1Vから電位を−0.15Vまで還元波を送り(つまり、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した。)、その時の電流値を記録した。1シグナルの取得にかかった時間は50秒であった。
次に、新建浴液Eにおいて、レベラー、ポリマー成分を規定濃度で一定とし、ブライトナー成分の濃度を変化させて評価を行った。図22において実線が新建浴液、点線がブライトナー0%、破線がブライトナー300%に対応する。各液を20mL用容器に入れ、前述と同じガラエポから作製した新たな各フィルド性評価用基板をコネクタ、およびその先の測定器につなぎ、セットした。同様に第一電極である電極20にスイープ速度5mV/秒で+0.1Vから電位を−0.15Vまで還元波を送り(つまり、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加した。)、その時の電流値を記録した。1シグナルの取得にかかった時間は、50秒であった。なお、第一電極に印加される電圧のスイープ速度は5mV/秒に限定される必要は無く、電極面積や評価する条件に応じて5桁程度大きくても、また逆に2桁程度小さくても評価は可能である。
以上の結果、安定した電流値のシグナルを得ることができ、促進剤の一種として知られるブライトナー成分の増減、すなわちフィルド性の良し悪し(高い低い)に応じて、+100mVから-150mVにおいて対応するシグナルの変化が観測できる(図22)。
例えば、図22に示したように、−50mVにおける電流の絶対値は、ブライトナー濃度が標準の新建浴液(太い実線)の場合:約90μA、ブライトナー0%(点線)の場合:約85μA、ブライトナー300%(破線)の場合:約135μAである。−20mVから−150mVにおいても同様な傾向がある。このようにブライトナーの濃度に従って電流の絶対値が変化することが解る。すなわち、ブライトナーが0%の場合、促進が効かなくなり、電流値が小さくなる。ブライトナーが300%の場合、促進が現れ、電流値が大きくなる。電流値をとる場合において、その基準点を決め、適宜各曲線を並行移動して計算してもよい。例えば、点(+100mV、0A)を原点基準として、各曲線の+100mVにおける電流値を、その原点基準に並行移動してから、各電流値を計測評価してもよい。原点となる基準点は、状況においてあらゆるとり方がある。また、ある電圧範囲の積分値を比較することもできる。例えば、−20mVから−100mVにおける各曲線の積分値をとると、ブライトナーの濃度に従って、その積分値の絶対値は変化することが解る。すなわち、ブライトナーが0%の場合、促進が効かなくなり、積分値の絶対値が小さくなる。ブライトナーが300%の場合、促進が現れ、積分値の絶対値が大きくなる。積分値をとる場合において、その基準点を決め、適宜各曲線を並行移動して計算してもよい。例えば、点(+100mV、0A)を原点基準として、各曲線の+100mVにおける電流値を、その原点基準に並行移動してから、各積分値を計測評価してもよい。原点となる基準点は、状況においてあらゆるとり方がある。評価基準の設定については、得られる各電流値や各積分値において、新建浴液の値に対して、評価する液の値が何倍になるかでフィルド性の良し悪し(高い低い)を判断できる。例えば、設定した値の2倍以上になる場合は、フィルド性が低いと判断し、2倍未満になる場合は、フィルド性は保たれていると判断できる。この何倍をどこに設定するかは状況に応じてすべての値を考えることができる。さらに、電圧の絶対値が比較的大きな部分の評価結果と電圧の絶対値が比較的小さな低電位部分の評価結果とを組み合わせること、もしくは、優先順位を設けることなどを行って評価ができる。また、新建浴液の電圧-電流曲線に対して、積分2乗誤差などの関数相関、評価する液に対して得られる電圧-電流曲線の類似性を比べることでも評価は行える。尚、評価に用いる電圧の範囲は、制限はなく測定できるどの範囲を採用してもよい。
本発明により得られる電圧-電流曲線の、ある電圧範囲における微分曲線を用いることでも、フィルド性の評価は可能である。例えば、図23に示すように、−100mVから+100mVにおける電流の電圧に対する微分曲線において、ブライトナー濃度が標準の新建浴液(細い実線)の場合、ブライトナー0%(わかりやすくするため、太い破線とした)の場合、ブライトナー300%(わかりやすくするため点線とした)の場合、をそれぞれ表わしている。ブライトナー0%(太い破線)の微分曲線は、鍍金促進能力が強くなく、ほぼブライトナー濃度が標準の新建浴液(実線)の微分曲線と一致している。これに対して、ブライトナー300%(点線)の微分曲線は、鍍金促進能力が増大し、ブライトナー濃度が標準の新建浴液(実線)の微分曲線と違いが生じており、この違いを評価に用いることができる。例えば、−40mVから−20mVの部分における微分曲線の平均傾きの絶対値が、ある一定の値を超えた場合、例えば、図23においては、6×10-2を超えた場合に、フィルド性は低くなると判断できる。さらに、電圧範囲が違う微分曲線の評価結果と組み合わせて、もしくは、優先順位を設けるなどしても評価ができる。また、新建浴液の微分曲線に対して、積分2乗誤差などの関数相関、評価する液に対して得られる微分曲線の類似性を比べることでも評価をすることができる。尚、評価に用いる電圧の範囲は、制限はなく測定できるどの範囲を採用してもよい。微分曲線を用いる方法は、上記に記載のすべての実施例においても適用の可能性がある。
ブライトナー濃度の変化の点においても本発明の有用性が示されている。ブライトナー成分が0%の場合、鍍金促進能が低下し、例えば図22に示すように電流値の絶対値が減少している。一方、ブライトナー成分が300%の場合、鍍金促進能が増大し、電流値の絶対値の増加がみられる。尚、ブライトナー成分が300%の場合、フィルド性はいまだ保たれおり、電流値や積分値の評価からフィルド性はまだ保たれる値の範囲内にあり、本発明の有用性が示されている。
以上、上記すべての実施例で示したように、評価方法における測定環境や形態に制限されることなく、本発明の評価方法は、フィルド性の良し悪し(高い低い)に応じて、銅鍍金液のフィルド性を簡便に評価できる。以上の実施例はその具体的内容により何ら限定されるものではない。本発明の技術思想の範囲内での変更及び他の態様は、全て本発明に含まれる。
本発明は、銅鍍金液のフィルド性の評価だけではなく、その他の金属、例えば、アルミ、タングステン、銀、ニッケル等のフィルド性の評価にも使える。また持ち運びの容易な携帯型装置を備えているので、カドミウムをはじめとする金属イオンや関連する環境、製造分野にも適用可能であり、分析対象は、鍍金液だけでなく、エッチング液、水道水や、土壌分析、土壌から稲や野菜などの食物・植物に対する汚染対策の分析等にも活用が可能である。
10 フィルド性評価基板
12 14 18 20 22 24 26 28 電極
30 端子部
90 92 被評価液投入用容器
94 温度制御層

Claims (40)

  1. 第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに銅鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値(A)、又は特定の該電圧範囲における積分値(B)に基づいて前記銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  2. 前記第一電極の表面に、少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする請求項1に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  3. 前記電流値(A)若しくは前記積分値(B)から、第二電極と、電極表面に有底構造を有する新たな第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに鍍金に使用する前の新建浴液、又はフィルド性の良い鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値(C)、若しくは特定の該電圧範囲における積分値(D)を差し引いた値(A−C又はB−D)、又はその他の数学的手法で算出された値に基づいて前記銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする請求項2に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  4. 前記第一電極の表面に、最表面全体が導電体からなる少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする請求項1に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  5. 前記電流値(A)若しくは前記積分値(B)から、第二電極と、最表面全体が導電体からなる有底構造を有する新たな第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに鍍金に使用する前の新建浴液、又はフィルド性の良い鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値(C)、若しくは特定の該電圧範囲における積分値(D)を差し引いた値(A−C又はB−D)、又はその他の数学的手法で算出された値に基づいて銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする請求項4に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  6. 前記第一電極、前記第二電極、及び前記第三電極のそれぞれの面積と、各電極の相互位置関係とを予め決定しておき、該決定した各電極の面積と相互位置関係に基づいて設定された電極群を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  7. 第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに銅鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値と、予め決定した前記第一電極の面積とから得られる電流密度(E)に基づいて前記銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  8. 前記第一電極の表面に、少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする請求項7に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  9. 前記電流密度(E)から、第二電極と、電極表面に有底構造を有する新たな第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに鍍金に使用する前の新建浴液、又はフィルド性の良い鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値と、予め決定した前記第一電極の面積とから得られる電流密度(F)を差し引いた値(E−F)、又はその他の数学的手法で算出された値に基づいて前記銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする請求項7に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  10. 前記第一電極の表面に、最表面全体が導電体からなる少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする請求項7に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  11. 前記電流密度(E)から、第二電極と、最表面全体が導電体からなる有底構造を有する新たな第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とに鍍金に使用する前の新建浴液、又はフィルド性の良い鍍金液を接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加し、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値と、予め決定した前記第一電極の面積とから得られる電流密度(F)を差し引いた値(E−F)、又はその他の数学的手法で算出された値に基づいて銅鍍金液のフィルド性を評価することを特徴とする請求項10に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  12. 前記有底構造の開口形状が、四角形、円形、三角形、又は多角形星型、又は無定形であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項、又は請求項8〜11のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  13. 前記有底構造の底部の開口面積が1nm〜1cmであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項、又は請求項8〜12のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  14. 前記有底構造の有底部の深さが1nm〜1cmであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項、又は請求項8〜13のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  15. 前記有底構造のピッチが1nm〜1cmであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項、又は請求項8〜14のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  16. 前記有底構造のアスペクト比(深さ/穴径)が0.001〜1000であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項、又は請求項8〜15のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  17. 前記有底構造の底面に対する側面の平均傾斜角度が30〜120°であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項、又は請求項8〜16のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  18. 前記第一電極の表面の平均面粗さRa値が1nm以上であることを特徴とする請求項1又は7に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  19. 前記第一電極、第二電極、及び第三電極が、ガラス、セラミック、シリカ、もしくは有機高分子からなる群より選ばれる1種の絶縁体からなる基板のいずれかの表面に形成されていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  20. 前記第一電極、第二電極および第三電極が少なくとも1つずつ存在することを特徴とする請求項19に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  21. 有機材料から構成された絶縁基板と、該絶縁基板上に配置された前記第一、第二電極および第三電極からなる一組以上の電極群と、該電極群とそれぞれ導通接続され、前記第一、第二、第三配線からなる1層以上の構造で配置された一組以上の接続配線群と、該接続配線群と導通接続された一組以上の接続端子群と、を有する基板を用いることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  22. 前記電極もしくは基板を、凹型タイプのコネクタの凹部に嵌合し、電気的に接続し分析に用いることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  23. 評価すべき銅鍍金液を入れ、前記基板を該銅鍍金液に浸すことができる被評価液投入用容器を用いることを特徴とする請求項19〜22のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  24. 前記被評価液投入用容器を設置することができ、その温度を所定の温度から±10℃以内の範囲で一定に調整可能な温調キットを用いることを特徴とする請求項23に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  25. 使用している銅鍍金液槽から評価したい銅鍍金液を採集することができる器具を用いることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価方法。
  26. 第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とからなる電極群、又は前記第一電極、第二電極、及び第三電極を具備する基板と、
    前記電極群又は前記基板を評価される銅鍍金液に接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加したとき、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値の測定、又は該電圧に関する電流の積分値の演算を行う測定器と、
    を備えることを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価装置。
  27. 前記第一電極の表面に、少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする請求項26に記載の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
  28. 前記第一電極の表面の平均面粗さRa値が1nm以上であることを特徴とする請求項26に記載の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
  29. さらに、基板と測定器とを電気的に接続するコネクタ及び配線用部材を備えることを特徴とする請求項26〜28のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
  30. 第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とからなる電極群、又は前記第一電極、第二電極、及び第三電極を具備する基板と、
    前記電極群又は前記基板を評価される銅鍍金液に接触させ、第二電極に対して第一電極の電圧が負の方向へ時間変化する電圧を印加したとき、該第一電極及び第二電極間に流れる電流の変化が観測される電圧範囲において、特定の電圧値における電流値の測定、又は該電圧に関する電流の積分値の演算を行う測定器と、
    を収納し、持ち運びを可能とする携帯容器を少なくとも備えることを特徴とする携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
  31. 前記第一電極の表面に、少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする請求項30に記載の携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
  32. 前記第一電極の表面の平均面粗さRa値が1nm以上であることを特徴とする請求項30に記載の携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
  33. さらに、被評価液投入用容器と温調キットと、基板と測定器とを電気的に接続するコネクタ及び配線用部材と、銅鍍金液を採集することができる器具と、分析のための化学薬品、洗浄液、手袋、保護メガネ、ガラス器具と、から選ばれる少なくとも1種を備えることを特徴とする請求項30〜32のいずれか1項に記載の携帯型の銅鍍金液のフィルド性評価装置。
  34. 第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とからなる電極群を具備することを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価基板。
  35. 前記第一電極の表面に、少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする請求項34に記載の銅鍍金液のフィルド性評価基板。
  36. 前記第一電極の表面の平均面粗さRa値が1nm以上であることを特徴とする請求項34に記載の銅鍍金液のフィルド性評価基板。
  37. 第二電極と、表面に凹凸を有する第一電極と、それらの電位の少なくとも一部を同極性または異極性で供給する第三電極とからなる電極群であって、
    前記第一電極及び前記第二電極がいずれも2以上の層からなり、最表面層以外に、銅腐食性を有する液に対して耐食性を有する材料からなる層を有することを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価用電極群。
  38. 前記第一電極の表面に、少なくとも1つの有底構造を有することを特徴とする請求項37に記載の銅鍍金液のフィルド性評価用電極群。
  39. 前記第一電極の表面の平均面粗さRa値が1nm以上であることを特徴とする請求項37に記載の銅鍍金液のフィルド性評価用電極群。
  40. 請求項37〜39のいずれか1項に記載の銅鍍金液のフィルド性評価用電極群を評価使用後に再利用する方法であって、
    ある1の銅鍍金液のフィルド性評価の後、第一電極に付着した銅を銅腐食性を有する液により除去するとともに、第二電極に銅からなる層を形成することにより前記電極群を再利用することを特徴とする銅鍍金液のフィルド性評価用電極群の再利用方法。
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