JP2011135975A - 歯科用インプラントのフィクスチャー - Google Patents

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Abstract

【課題】オッセオインテグレーティッドインプラントのフィクスチャーに係り、初期の固定を堅固にして、オッセオインテグレーションを促し、荷重に対して過度の集中を回避して長期安定性を確保できる歯科用インプラントのフィクスチャーを提供する。
【解決手段】カラー部22と、わずかな括れ部を有する頚部24と、頚部から外形を徐々に小さくした円錐形状の一部を成す本体部26と、半球形状若しくは丸味を帯びた形状の根尖部28とを備え、円弧状の括れを有する頚部24には、鋭角で、断面形状が頚部外方に尖った平板32を複数個密接して設けている歯科用インプラントのフィクスチャーである。さらにフィクスチャーの本体部26から根尖部28にかけては、螺旋状に設けられたガイド突起42を備えて、フィクスチャーの埋入を行う。そして、ガイド突起の外径は、本体部の最大外径とほぼ等しくして、初期の固定を強固にする。
【選択図】図9

Description

本発明は、喪失した歯を補綴するための人工的な歯科用インプラントに係り、歯の咀嚼機能による加圧に適応したインプラントのフィクスチャー形状に関する。
虫歯や歯周病により喪失した歯の機能再獲得のために、金属やセラミックス等の人工材料により置換して喪失した口腔機能を補う手段としては、義歯を歯根に埋めたり、完全に歯根まで喪失した場合は、健康な歯にブリッジをかけ義歯を置いたり等の治療手段がある。さらに現在、この歯科置換医療の先端的治療法の一つとして、口腔インプラント治療が実施されている。口腔インプラント治療とは、喪失歯部位の顎骨にチタン製人工歯根を植立する手段である。
喪失歯部位の顎骨、すなわち歯槽骨に人工歯根を埋入する場合、通常の金属等の人工材料では、歯槽骨の結合組織が人工材料を取り囲み排除しようとするため、動揺が徐々に大きくなり人工歯根としての機能を失っていった。
1952年スウェーデンのペル・イングヴァール・ブローネマルクが、チタンと骨が完全に結合する事を偶然発見し、その後、チタンがある一定の条件で骨に埋入された場合、チタンに対する骨の拒否反応は全くといってよいほど起こらず、そればかりかチタンの表面を覆う酸素の膜を通して強い結合が生まれることを明らかにした。そして1965年、初めて人工歯根としての臨床応用をスタートした。以来、口腔インプラント治療は飛躍的な進歩を遂げることとなった。結合組織を介在することなくチタンと骨が直接結合する骨結合方式は、骨を表すラテン語のオス(os)と結合を表す英語のインテグレーション(integration)が組み合わされ、オッセオインテグレーション(osseointegration)と呼ばれている。
オッセオインテグレーションは、骨と金属が直接結合する現象であり、チタン表面の酸化膜と骨との接触面に働く力が生体の分子を酸化膜へと結合させ、骨性癒着を生じさせる。したがって、インプラントの成功は、いかにオッセオインテグレーションを獲得するかが重要となっている。
無機物質である骨や歯は、ハイドロキシアバタイトを主成分としており、オッセオインテグレーションの成長を促すために、フィクスチャー表面にハイドロキシアバタイトをコーティングする方法が提案されている(例えば特許文献1等参照)。
インプラントが体内に埋入された場合、異物の体内埋入に対して生体では埋入部周辺生体内のマクロファージ、および異物検知細胞により検知活動が開始されるが、ハイドロキシアパタイト、あるいはインプラントの基体を構成する金属材料表面にハイドロキシアパタイトがコーティングされていると、これらが骨の組織組成に近いため異物検知細胞は生体組織として判定し、細胞および骨の結合が早期に進行するからであるとされている。
歯槽骨に埋入されているフィクスチャーの力学的安定性の面からの考察として、形状的な工夫もされている。この場合、過度の圧力は骨の吸収となるが、「骨の力学的要請度に応じて骨の造り替えを行って強度を変えていく。」と言うWolffの法則を基本としている。過度の圧力を避け、いかに構造的に適度の圧力に分散させるかの形状的な検討はいくつかの例がある。
フィクスチャーのルート部(根幹部)が基本的に円筒形状である場合、この形状は、適合されたインプラントの手術後の所望される主たる安定性を得られず、数年もすれば、緩くなってくる。これは、骨性癒着した部分に過度な力が加わり、骨の吸収を生ずるからであり、このため、ストレートな円筒形状は最も相応しい形状とはなっていないとして、ルート部が、主として放物線形状の外側輪郭(外形)を有する形状が提案されている(例えば、特許文献2等参照)。
また、咀嚼機能は最大荷重がインプラントに垂直に加わるとして、インプラント底面部を水平とした形状の提案もある(例えば特許文献3等参照)。
自然の歯は帯結合の植立によって顎骨と結合している歯根膜を有し、咀嚼に対応する微小な可動性の機能を持っている。骨性癒着の歯は、この微小可動性機能がなく、繰り返しの加圧により必ず破損するため、人工歯根の植立後、本来の歯周靭帯のような線維組織が生成するような形状の人工歯根の提案も試みられている。ここで提案された人工歯根は、一端に歯冠部、反対端に根尖を有する円柱状であって、軸方向に沿って側面部に膨出部と陥凹部が交互に形成されることを特徴としている(例えば特許文献4等参照)。
また、人工歯根を、外筒と内部歯根の二重構造として、外筒と内部歯根を樹脂接着剤によって固着して、本来の歯周靭帯の機能をこの樹脂接着剤を緩衝材として代行させる方法の提案もある(例えば特許文献5等参照)。
特開2006−314760号文献 特表2003−513684号文献 特開2006−269558号文献 特開平6−154246号文献 特開平7−213540号文献
オッセオインテグレーションを原理としたオッセオインテグレーティドインプラントは、歯の欠損から生ずる口腔機能を回復するための補綴治療である。歯槽骨にインプラントを埋入し、骨と直接結合する方式であり、オッセオインテグレーションの成立と維持が長期的な成功に必須である。このオッセオインテグレーションの成立には、インプラントの材料、形状、表面性状のインプラントに起因する要素と、骨の状態や荷重状態が重要な要素となる。
荷重状態は、成立したオッセオインテグレーションが長期に維持されるためには最も重要な要素と考えられている。荷重状態が不適切でインプラント周囲の歯槽骨に過度に荷重が集中する部分があると、その結果、骨の微小損傷により骨吸収が生じてオッセオインテグレーションが喪失するからである。
歯は、その咀嚼機能や歯軋りなど、必然的にさまざまな方向からの荷重が加わると考えられ、食物を噛むという機能からすれば、荷重のコントロールはできず、インプラントを行った場合は、その物理的、形状的な効果により、荷重を集中させないで分散させる形状を考えなければならない。
本発明は、オッセオインテグレーティッドインプラントのフィクスチャーに係り、初期の固定を堅固にして、オッセオインテグレーションを促し、荷重に対して過度の集中を回避して長期安定性を確保できる歯科用インプラントのフィクスチャーを提供することを目的としている。
本発明は、カラー部と、わずかな括れ部を有する頚部と、頚部から外形を徐々に小さくした円錐形状の一部を成す本体部と、半球形状若しくは丸味を帯びた形状の根尖部とを備えた歯科用インプラントのフィクスチャーである。頚部の括れ部は円弧状に括れていても、外径が小さいストレートな側面部を有する形状でもよい。
各部の外径の関係は、カラー部を歯槽骨に埋入させない場合においては、カラー部及び頚部上端の外径をD1、前記頚部の括れ部の最小外径をD2、前記本体部の最大外径をD3とした場合に、D1≧D3>D2の関係を有する。また、カラー部の一部を歯槽骨に埋入させる場合においては、カラー部底面と頚部上端の外径をD1、前記頚部の括れ部の最小外径をD2、前記本体部の最大外径をD3とした場合に、D3≧D1>D2の関係を有し、頚部上端の外径と同一としたカラー部は、連続的に頚部と繋がり、カラー部の上部は頚部上端の外径より小さくする。さらに、長さ関係は、カラー部の長さをL1、前記頚部の長さをL2、前記本体部の長さをL3とした場合に、L1<L2<L3の関係を有する。
インプラントは、上鵜構造(補綴物)とアバットメントとフィクスチャーから成っているが、フィクスチャーは歯槽骨に埋入され、擬似的な歯として構成される上鵜構造から、その取り付け要素であるアバットメントを介して上下の歯の咀嚼による咬合力が荷重される。この荷重は垂直方向のみならず側面からの荷重も加わるため、さまざまな方向からの荷重を想定して分散を図り、歯槽骨の一部に応力を集中する現象を回避する必要がある。
そのために、フィクスチャーの基本的な構造は、カラー部からわずかな括れを有する頚部に続き、さらに外径を徐々に小さくした円錐状の一部を成すフィクスチャーの本体部、そして、フィクスチャー本体部の末端である根尖部は半球状若しくは丸みを帯びた形状とする。
この基本形状は、垂直方向のみならずさまざまな方向からの荷重に対しての応力を分散するための構造である。すなわち、上鵜構造に力が加わったときに、フィクスチャー頚部の括れ部で、歯槽骨上端部への荷重を分散させ、下部を円弧状とすることで、フィクスチャー底部での荷重の分散を図っている。
わずかな括れを有する頚部のカラー部側の領域には、鋭角で、断面形状が頚部外方に尖った平板を複数個密接して設けている。これは、Wolff(ウルフ)の法則を利用した骨刺激のための突起である。微細な凹凸構造により、歯槽骨との接触面積を大きくすると共に、応力の分散の機能も果たしている。さらに頚部には、尖った平板を設けない領域を設けている。この領域は、インプラントの埋入時に歯槽骨との微小空間を設けることでインプラントの方向の補正をしやすくしている。また、長期的には、骨の吸収が生じた場合に、再度歯槽骨を切開して行うクリーニング作業でのクリーニング性を向上させる役割を持つ。
頚部外方に尖った平板の外径は、本体部の外径とほぼ等しくしている。これにより、初期固定が安定に行える。括れ構造と微細な凹凸による長期安定化と共に、初期の固定をも十分に行えることになる。
フィクスチャーの本体部から根尖部にかけては、螺旋状に設けられたガイド突起を備えて、フィクスチャーの埋入を行う。そして、ガイド突起の外径は、本体部の最大外径とほぼ等しくして、初期の固定を強固にする。根尖部のガイド突起は高さが高くなり、平面部が広くなることから、垂直方向の力をフィクスチャー下部において分散させることができる。
このような応力が分散して安定な力学的適応性を持つフィクスチャーに、生体的な結合効果による安定性化を図るために、フィクスチャー表面は、ハイドロキシアパタイトのコーティングやブラスト処理によりオッセオインテグレーションを促すこともよい。
カラー部は、表面を鏡面研磨しているため、歯槽骨に埋入してもオッセオインテグレーションは生じないが、一部を埋入させることで歯槽骨上端部との結合は生じないため、カラー部の一部を歯槽骨に埋入させて、歯槽骨の上端部への応力を減少させることができる。
本発明による歯科用インプラントのフィクスチャーにより、初期固定が十分にでき、咬合による荷重を分散させて骨の吸収を防ぐと共に、オッセオインテグレーションを促進して、長期に渡って安定なインプラントを行なうことができる効果を有する。
インプラントが歯槽骨に与える応力を解析のための解析モデルの図。 解析モデルをインプラント中心部で切断した図。 図2の歯槽骨部を表した図 100N荷重を加えた場合の歯槽骨でのミーゼス応力を示す図。 100N荷重を加えた場合に、10GPa以上のミーゼス応力となる歯槽骨部分。 本発明によるフィクスチャーA。 フィクスチャーAを歯槽骨に埋入したときの概略図。 本発明によるフィクスチャーB。 本発明によるフィクスチャーC。 本発明によるフィクスチャーD。 カラー部の一部までフィクスチャーDを歯槽骨に埋入したときの概略図。
インプラントは代用歯として使用されるが、咀嚼による咬合作用により、上鵜構造からアバットメントを介してフィクスチャーに咬合力が加えられることになる。フィクスチャーは歯槽骨に埋入されているため、上鵜構造に加えられた荷重は、フィクスチャーから歯槽骨に伝わり、歯槽骨に応力が発生する。この応力が適当な値である場合は、Wolffの法則により歯槽骨の再生、強化が行われるが、過剰な咬合力を加えた場合は、骨の破壊や吸収を引き起こし、ついには破綻する。
このため、インプラントへの咬合圧により歯槽骨に発生する応力を把握して、応力が集中しない形状とすることが必要であり、有限要素法による応力解析を行った。
図1は、インプラントによる歯槽骨への応力解析を行うための有限要素法による解析モデル10を示している。ここでは、インプラントの歯槽骨12に埋入される部分であるフィクスチャー形状と応力との関係を明らかにすることを目的としており、フィクスチャーにアバットメントを加えたインプラントモデル14としている。図1において、歯槽骨12におけるメッシュは、インプラントモデル14の近辺の応力を詳細に解析するために、他の部位よりも要素分割を細かくしたメッシュとした。X軸、Y軸、Z軸は図1に示したようにしている。
図2は、解析モデル10の断面を示している。インプラントモデル14の中心を切断した状態である。図3は、図2の解析モデル10の切断面からインプラントモデル14をなくした歯槽骨12の部分のみを表している。インプラントモデル14は、アバットメントとフィクスチャーを一体として構成した。アバットメント部14−1は円錐の上部をカットした形状とし、フィクスチャー部14−2は、円柱形状とし、底部の根尖部は丸みを付加した形状として、一般的なフィクスチャー形状をモデル化したものである。
実際の解析は、この半断面の解析モデルにより行っている。メッシュの数を少なくして、コンピュータでの実効的な容量を少なくすると共に、計算速度を向上させるためである。
解析モデルの要素は連続しており、インプラントモデル14と歯槽骨12の接合は完全に癒着しているものとしている。実際のインプラントの界面部分は、皮質骨及び海面骨に、結合組織が存在しており、さらに、インプラントと周囲組織との接合は、インプラント表面材質との関係から、チタンの場合は骨とチタンの間に無定形構造物が存在した物理的な接合であり、ヒドロキシアパタイトの場合は骨と化学的に結合しているとの指摘もある。
しかしながら、インプラントのフィクスチャー部は基本的に金属であり、フィクスチャー界面の形状が変わることはないから、フィックスチャー形状の歯槽骨に及ぼす力学的な応力関係は結合状態に依存せずに解析し、考察することができる。即ち、どのような結合状態であれ、フィクスチャー形状の応力に対する影響は把握でき、目的とする最適なフィクスチャー形状を考察するには十分である。
有限要素法による解析モデル10では、アバットメント上部に100Nの力を垂直から45度下方に傾けて加えてミーゼス応力を計算した。インプラントモデル12は、全体をチタンとして考え、ヤング率を116GPa、ポアソン比を0.3とした。歯槽骨12は、一様な物質として、ヤング率を0.23GPa、ポアソン比は0.4とした。
応力は、垂直応力3成分、せん断応力3成分で合わせて6つの成分があるが、ミーゼス応力による1つのスカラー値をメッシュごとに求めて表示させた。
インプラントモデル12への荷重は、垂直45度下方に、X軸の正方向に加えている。このときにモデル全体の変位を避けるため、図1の解析モデルにおいて、底面部を拘束点とした。
図4は、歯槽骨にかかるミーゼス応力の解析結果を示している。フィクスチャーの頚部と根尖部に集中し、最大14.22GPaであり、最小は歯槽骨底部の0.073GPaであった。
図5に10GPa以上のミーゼス応力部を取り出して示した。荷重が繰り返しかかることによるこの10GPa以上の部分を限界応力として、図5に示した部分は歯槽骨の吸収が生じるとすると、この部分は歯槽骨の破綻によりヤング率が低下し、さらに他の部分に応力が集中することになり、徐々にインプラント周囲の歯槽骨を吸収していくことから、ついにはインプラントの破綻へと至る。
有限要素法によるフィクスチャーの歯槽骨へ及ぼす応力についての解析結果から、従来のインプラントのフィクスチャー部14−2の形状では、歯槽骨上部とフィクスチャーの根尖部に対応する底部の歯槽骨に応力が集中する結果となった。
従って、フィクスチャーの上部と底部の形状を工夫して応力の分散を図ることが必要となり、以下図面を参照して、本発明による歯科用インプラントのフィクスチャーの実施形態を詳細に説明する。
(実施例1)
図6は、フィクスチャーの形状を工夫することにより、応力の分散を図った本発明による実施例である。フィクスチャーA20において、円筒状のカラー部22の底部は頚部24に繋がっており、頚部24には円弧状の括れ部を形成している。括れ部からフィクスチャー本体部26の最大径となっている最大径部27を過ぎるとその後は徐々に径が細くなる円錐状の本体部26となり、本体部26の末端である根尖部28は、ほぼ半円形状としている。カラー部22の中心部にはアバットメントをねじ込む雌ネジ(図示せず)が、フィクスチャー本体部にかけて形成されている。
カラー部22及び頚部24上端の外径をD1、フィクスチャー頚部24の括れ部の最小径をD2、フィクスチャー本体部25の最大径をD3とすると、D1≧D3>D2の関係を有している。また、カラー部22の長さをL1、フィクスチャー頚部24の長さをL2、フィクスチャー本体部26と根尖部28を合わせた長さをL3とすると、L1<L2<L3の関係としている。
実際に試作したフィクスチャーA20の寸法は、D1=4mm、D2=3.3mm、D3=3.64mmであり、L1=1.7mm、L2=2.7mm、L3=7.8mmである。
有限要素法によって得られた結果からは、ストレート形状の円筒形によるフィクスチャー頚部には集中した応力が加わるが、本発明による実施例1によるフィクスチャーA20の形状では、フィクスチャー頚部24に括れ部を有しており、応力は分散される。また、フィクスチャー本体部26はわずかに径が細くなっている円錐形としており、根尖部28の半球状の形状とあわせて垂直に加わる応力を分散させている。
フィクスチャーA20の形状は、アバットメント側面からの荷重に対しても応力の分散効果がある。アバットメント側面からの荷重に対して作用点となるフィクスチャー頚部24は括れ部を有しており、円錐形状の本体部、また荷重の支点となる半円状の根尖部とともに、応力が分散される形状である。
図7は、本発明によるフィクスチャーA20を、歯槽骨に埋入した状態を示す図である。フィクスチャーA20は、フィクスチャー頚部24までが歯槽骨に埋入され、カラー部22は歯肉部16と対向している。
荷重に対する形状的な効果の他、フィクスチャー表面に、ハイドロキシアパタイトのコーティングやブラスト処理をすることにより、オッセオインテグレーションを促す効果も生じる。
(実施例2)
図8(a)は、図6に示したフィクスチャーA20の形状に対して、さらにフィクスチャー頚部24のカラー部側上方の一部の領域に、断面形状が頚部外方に尖った平板32を複数個密接して設けたフィクスチャーB30の形状である。図8(b)に密接し多平板部の拡大図を示した。この突起32−1〜32−5は、ネジ状に連続して設けてもよい。突起が歯槽骨を刺激する構造として、Wolff(ウルフ)の法則による骨刺激により歯槽骨の生成を促進する。微細な凹凸構造は、歯槽骨との接触面積を大きくすると共に、応力の分散の機能も果たしている。
頚部外方に尖った平板の外径は、本体部の外径R33とほぼ等しくする。また、実際に試作したフィクスチャーB30の寸法は、フィクスチャーA20と基本形状の寸法は同じであり、平板の突起部のピッチは0.17mmとし、カラー部22側の上部に幅1.4mmの領域に設けた。フィクスチャー頚部24の括れ部は、突起32−1〜32−5により本体部の外径R33とほぼ等しくしており、これにより、インプラントを埋入したときの初期な固定が安定に行える。括れ構造と微細な凹凸によるオッセオインテグレーションの促進による長期安定化に加えて、初期の固定安定化にも効果を有する。
頚部24の下方領域には、尖った平板の無い領域を設けている。長期的に骨の吸収が生じた場合に、再度歯槽骨を切開してクリーニングを行い、インプラントの治療を行う作業を必要とする場合もあり、この治療作業でのインプラント外周部をクリーニングし易くする構造としている。頚部すべてに突起状の平板を設けたのでは、外周表面のクリーニングが困難となるためである。
実施例2についても、フィクスチャーB30の表面に、ハイドロキシアパタイトのコーティングやブラスト処理をすることにより、オッセオインテグレーションを促す効果も生じさせてもよい。
(実施例3)
図8は、図7に示したフィクスチャーB30の形状に、初期の安定な固定と応力の分散を図るために、フィクスチャー本体部26と根尖部28にかけて、ネジ状のガイド突起42を設けたフィクスチャーC40の形状を示している。
フィクスチャー本体部26と根尖部28にかけて設けられた螺旋状のガイド突起42の外径は、フィクスチャー本体部の最大径R3とほぼ同じ径とした。これにより、根尖部28に向かってわずかに細くなるフィクスチャー本体部26とほぼ半球状の根尖部28にかけてのガイド突起は、根尖部28に近づくほどガイド突起42の高さが高くなり平面的な部分が広くなって、垂直方向の力をフィクスチャー下部において分散させることができる。
さらに、ガイド突起42は雄ネジ構造となっているので、フィクスチャーC40の埋入を、ねじ込むことにより行えるため簡単であり、初期の固定も一層の安定化が図れる。実施例3についても、フィクスチャーC40の表面に、ハイドロキシアパタイトのコーティングやブラスト処理をすることにより、オッセオインテグレーションを促す効果も生じさせてもよいことは勿論である。
フィクスチャーC40は、初期固定が十分にできる他、咬合による荷重を分散させて骨の吸収を防ぐと共に、オッセオインテグレーションを促進して、長期に渡って安定なインプラントを行なうことができる効果を有する。
(実施例4)
図10は、カラー部22の一部を歯槽骨に埋め込むタイプのフィクスチャーD50である。図11に、フィクスチャーDを歯槽骨に埋入した状態を示している。
図10において、カラー部22は鏡面研磨されており、オッセオインテグレーションが発生しないため、カラー部と歯槽骨が結合することはない。この性質を利用して、歯槽骨上端部に荷重が集中する現象を回避して、歯槽骨内部に荷重かかるようにしている。このために、頚部24の上端の外径D1は、フィクスチャー本体部の最大外径D3と同じか僅かに小さくしている。そして、カラー部22の上端部外径D4は、頚部上端部の外径D1より小さくなるようにして、歯槽骨上端部が頚部を覆うことができる形状としている。
そしてカラー部22は、頚部22の上端部徐々に外径を小さくして上端部へと繋がっている。このカラー部22のテーパ形状は、歯槽骨の上端部が頚部24を覆うことが可能な形状であることを必要としていることから、頚部24の上端部外径D1より小さい円筒形状としてもよい。
頚部24の括れ部は本実施例ではフィクスチャー本体部26の最大外径D3より小さい外径D2を持つ円筒形とした。頚部24のカラー部22側の一部には尖った平板32を設けた突起状平板部24−1と、尖った平板32の無い頚部円筒部24−2の領域を設けている。
さらに、フィクスチャー本体部26の最大外径部27には、頚部24とフィクチャー本体部26分ける境界部突起52を設けた。また、ガイド突起42も螺旋状に設けてフィクスチャーD50の埋入を補助している。
実際に試作した寸法は、カラー部の上端部の外径D4は3.5mm、カラー部22の長さL1は、1〜1.5mm、頚部24は長さL2を2.9mmとし、突起状平板部24−1の長さは、1.2mm、頚部円筒部24−2の長さは1.7mmであり、フィクチャー本体部26の長さは、6.9mmである。突起状平板32のピッチは0.17mmである。また、カラー部22の埋入量は、約0.5mmが望ましい。
フィクスチャーD50は、カラー部22の一部を埋入させるが、埋入の際に、頚部24の上端部の外径を僅かに最大外径D3より小さくすると、フィクスチャー50の方向を修正しやすくすることができる。一般に、フィクスチャーは埋入した場合に最初からその方向を希望の方向とはできない場合もあり、微調整を余儀なくされる場合もある。フィクスチャーD50は、このような場合に、上部の微小な空隙を利用して方向の調整をし易くしている。
インプラントは、長期的な安定性を要求されるが、場合によっては骨の吸収が生じ、歯槽骨を切開して、フィクスチャーをクリーニングする必要がある。このような場合に、頚部24の下部にある頚部円筒領域24−2は、クリーニング作業を容易にする効果を有する。突起状平板32が頚部24の全領域にあると、表面のクリーニングにかかる時間が長くなるからである。
さらに、頚部24とフィクスチャー本体部26の境界部には境界部突起52を設けている。これは、インプラントが長期間経過後にX線撮影して状態を観察する場合に、フィクスチャー上部からの骨の吸収が発生している場合に、位置的にクリーニングを行う目安とするものである。
本実施例で説明したフィクスチャーD50は、応力に対する長期的な安定化とともに、歯科医師の作業性をも向上させたフィクスチャー形状である。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態よる限定は受けない。
10 解析モデル
12 歯槽骨
14 インプラントモデル
14−1 アバットメント部
14−2 フィクスチャー部
16 歯肉部
20 フィクスチャーA
22 カラー部
24 頚部
24−1 突起状平板部
24−2 頚部円筒部
26 フィクスチャー本体部
27 最大径部
28 根尖部
30 フィクスチャーB
32、32−1〜5 突起
40 フィクスチャーC
42 ガイド突起
50 フィクスチャーD
52 境界部突起

Claims (11)

  1. カラー部と、
    わずかな括れ部を有する頚部と、
    頚部から外形を徐々に小さくした円錐形状の一部を成す本体部と、
    半球形状若しくは丸味を帯びた形状の根尖部と、
    を備えた歯科用インプラントのフィクスチャー。
  2. 請求項1に記載の範囲において、
    前記カラー部及び前記頚部上端の外径をD1、前記頚部の括れ部の最小外径をD2、前記本体部の最大外径をD3とした場合に、D1≧D3>D2の関係を有すること、
    を特徴とした歯科用インプラントのフィクスチャー。
  3. 請求項1に記載の範囲において、
    前記頚部上端の外径をD1、前記頚部の括れ部の最小外径をD2、前記本体部の最大外径をD3とした場合に、D3≧D1>D2の関係を有すること、
    を特徴とした歯科用インプラントのフィクスチャー。
  4. 請求項3に記載の範囲において、
    前記カラー部は、底部を前記頚部上端の外径と同一として連続的に前記頚部と繋がり、前記カラー部の上部は前記頚部上端の外径より小さいこと、
    を特徴とした歯科用インプラントのフィクスチャー。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の範囲において、
    前記カラー部の長さをL1、前記頚部の長さをL2、前記本体部の長さをL3とした場合に、L1<L2<L3の関係を有すること、
    を特徴とした歯科用インプラントのフィクスチャー。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の範囲において、
    前記頚部は、前記カラー部側の上部に、先端が鋭角で、断面形状が頚部外方に尖った平板を複数個密接して設けた領域と、尖った平板を設けない領域とを有すること、
    を特徴とした歯科用インプラントのフィクスチャー。
  7. 請求項6に記載の範囲において、
    前記平板先端部の外径は、本体部の最大外径とほぼ等しいこと、
    を特徴とした歯科用インプラントのフィクスチャー。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の範囲において、
    前記本体部から前記根尖部にかけては、螺旋状に設けられたガイド突起を備えていること、
    を特徴とした歯科用インプラントのフィクスチャー。
  9. 請求項8において、
    前記ガイド突起の外径は、前記本体部の最大外径とほぼ等しいこと、
    を特徴とした歯科用インプラントのフィクスチャー。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の範囲において、
    フィクスチャーの外周表面にハイドロキシアパタイトをコーティングしたこと、
    を特徴とした歯科用インプラントのフィクスチャー。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の範囲において、
    フィクスチャーの外周表面をブラスト処理すること、
    を特徴とした歯科用インプラントのフィクスチャー。
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