JP2011135831A - エフィラ生産装置およびエフィラ生産方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水槽内にポリプ着生基盤16を設置してポリプを培養する水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に維持するポリプ培養モードと、水槽内の海水温度をポリプがストロビレーションを起こす温度まで冷却するストロビレーションモードとを切り替えることができる水温制御手段26を有するポリプ培養水槽100を用い、ポリプ培養モードでポリプを培養し、エフィラの販売需要に応じてストロビレーションモードに切り替え、エフィラが遊離したらエフィラを回収し、ポリプ培養モードに戻してポリプの培養を継続させる。ポリプ培養水槽を複数備え、順次ローテーションしてストロビレーションモードに切り替えるようにすることで、エフィラを年中連続的に生産できる。また、エフィラ回収路40を設けることで、生産されたエフィラを容易に回収できる。
【選択図】図1
Description
しかしながら、クラゲを適切に飼育する環境を整備するためには相当の投資を必要とし、またこのような投資を行ったとしてもクラゲを長期間安定して飼育することは難しいとされており、水生生物の飼育経験のない人では、クラゲの飼育に挫折して投資効果が得られないという問題があった。
図6に示すように、成熟した雌のクラゲが受精すると、その受精卵から「プラヌラ」呼ばれる幼生が生まれる。このプラヌラ幼生は、やがて岩などの基盤上に着生し、イソギンチャクのような触手を有する「ポリプ」に変態する。このポリプは、成長すると分裂または出芽によって増殖し、無性生殖によりコロニーを形成する。各ポリプは、海水温が下がると、徐々に身体に環状のくびれ(環溝)を生じ、各環溝について5枚ないし8枚の縁弁が形成される横分体形成(ストロビレーション)を起こし、「ストロビラ」となる。
エフィラは、このようなストロビレーションにより形成されたストロビラの各節が分離して海中に泳ぎだしたものであり、直径3mm程度の花のような形をした愛らしい形状をしており、腕状の縁弁を動かして遊泳するさまはクラゲにも劣らないヒーリング効果が生ずると考えられる。
しかしながら、エフィラは、自然界では冬期でないと採取することは困難であり、年中自由に購入できるようにすることは困難である。
また、ポリプ培養水槽のローテーションを規則的に行うことで、各ポリプ培養水槽内のポリプの数が平均化されるので、ストロビレーションにより生産されるエフィラの数量が概ね均一化され、安定した生産量を確保することができる。
尚、エフィラ計数手段は、エフィラ回収路の入口に超音波センサを設け、エフィラの通過による超音波の反射量の変化を検出することで進入するエフィラを計数するようにしてもよく、エフィラ回収路の入口に光の透過量を検出するセンサを設け、エフィラの通過による光の透過量の変化を検出することで進入するエフィラを計数するようにしてもよい。
また、ポリプ培養水槽のローテーションを規則的に行うことで、各ポリプ培養水槽内のポリプの数が平均化されるので、ストロビレーションにより生産されるエフィラの数量が概ね均一化され、安定した生産量を確保することができる。
エサ誘導照明手段は、基盤を透明部材で形成して基盤の裏面側に面光源を設けるようにしてもよく、基盤の表面側に点光源を配列するようにしてもよい。
前記水温制御手段を前記ポリプ培養モードに設定して前記ポリプ培養水槽内でポリプの培養を行い、エフィラの販売需要に応じて、前記水温制御手段を前記ストロビレーションモードに切り替えて同一の水槽内でポリプにストロビレーションを起こさせ、エフィラが遊離したら、前記水温制御手段を前記ポリプ培養モードに戻してポリプの培養を継続するようにしたものである。
前記複数のポリプ培養水槽において、前記水温制御手段を前記ポリプ培養モードに設定して前記ポリプ培養水槽内でポリプの培養を行い、エフィラの販売需要に応じて、前記複数のポリプ培養水槽から選択されたいずれかのポリプ培養水槽について、前記水温制御手段を前記ストロビレーションモードに切り替えて当該水槽内でポリプにストロビレーションを起こさせ、エフィラが遊離したら、前記水温制御手段を前記ポリプ培養モードに戻してポリプの培養を継続させることを、前記複数のポリプ培養水槽について順次ローテーションして行うようにしたものでもよい。
また、ポリプ培養水槽のローテーションを規則的に行うことで、各ポリプ培養水槽内のポリプの数が平均化されるので、ストロビレーションにより生産されるエフィラの数量が概ね均一化され、安定した生産量を確保することができる。
エフィラの販売需要に応じて、前記ポリプ培養水槽から、培養されたポリプが着生した前記基盤を前記ストロビレーション制御水槽に移設し、前記ストロビレーション制御水槽において、前記第2の水温制御手段を前記ポリプ培養温度モードから前記ストロビレーション温度モードに切り替えてポリプにストロビレーションを起こさせ、エフィラが遊離したら、前記第2の水温制御手段を前記ポリプ培養温度モードに戻し、前記移設した基盤を前記ポリプ培養水槽に戻すようにしたものでもよい。
エフィラの販売需要に応じて、前記複数のポリプ培養水槽から選択されたいずれかのポリプ培養水槽から、培養されたポリプが着生した前記基盤を前記ストロビレーション制御水槽に移設し、前記ストロビレーション制御水槽において、前記第2の水温制御手段を前記ポリプ培養温度モードから前記ストロビレーション温度モードに切り替えてポリプにストロビレーションを起こさせ、エフィラが分離したら、前記第2の水温制御手段を前記ポリプ培養温度モードに戻し、前記移設した基盤を元のポリプ培養水槽に戻すことを、前記複数のポリプ培養水槽について順次ローテーションして行うようにしたものでもよい。
また、ポリプ培養水槽のローテーションを規則的に行うことで、各ポリプ培養水槽内のポリプの数が平均化されるので、ストロビレーションにより生産されるエフィラの数量が概ね均一化され、安定した生産量を確保することができる。
水槽10は、例えば80cm×40cm程度のアクリル等の樹脂製またはガラス製の透明な水槽を使用する。
また、ポリプ着生基盤16は、水槽内に設置するものであり、例えばポリエチレン等の樹脂製またはガラス製の透明なシャーレ等を使用する。
また、水槽内の海水をエアレーションするためのエアーストーン36を備え、水槽内の海水に酸素を補給するとともに、水槽内に適度な水流を形成する。
エフィラ回収機構は、水槽内からエフィラを回収するためのエフィラ回収路40、水槽内のエフィラを光によってエフィラ回収路40に誘導するためのエフィラ誘導照明42、エフィラがエフィラ回収路40に回収されたらエフィラ回収路と水槽を遮断するエフィラ回収路遮断機構44、エフィラ回収路40に回収されたエフィラを取り出すためのエフィラ取出口46、エフィラ回収路40に進入するエフィラを計数する通過エフィラ計数センサ47、エフィラ回収路40に所定量のエフィラを自動回収するための制御を行うエフィラ回収制御装置48を備える。
このエフィラ誘導照明42は、例えばLED照明等の局所照明を用いることができる。また、エフィラ誘導照明として、防水式の局所照明を使用し、エフィラ回収路40の終端部の内側に設けるようにしてもよい。
エフィラ取出口46は、開閉コックを備えた排出口であり、エフィラ回収路遮断機構44によりエフィラ回収路40を水槽から遮断して開閉コックを開くことにより、エフィラ回収路40に回収されたエフィラが海水ごと排出される。
また、通過エフィラ計数センサは、光学式センサを用いることもできる。この場合は、例えばエフィラが通過する水路を挟んで一方側に線光源を他方側にラインセンサを設け、ラインセンサにより走査された透過光の時間変化を連続的に信号処理することによりエフィラを切り出し、通過するエフィラの数を計数する。
尚、エフィラ回収路に回収するエフィラの数はそれほど厳密である必要はないので、通過エフィラ計数センサにより計数するエフィラの数は概算数量でもよい。
また、ストロビレーション機能付ポリプ培養水槽100は、ポリプ着生基盤16に着生したポリプに対してエサを与える際に、ポリプの触手付近にエサを誘導するためのエサ誘導照明52を備える。このエサ誘導照明52は、ポリプのエサとして使用される後述のアルテミアが走光性を有することを利用してエサを誘導するものである。ここでは、ポリプ着生基盤16は透明部材により形成されているので、エサ誘導照明52は、例えばLED等を面状に配列した防水式の面光源を使用し、ポリプ着生基盤の裏面側から照明するように水槽内に設置されている。尚、エサ誘導照明52は、例えばLED等による点光源を使用し、ポリプ着生基盤16の表面側に配列するようにしてもよい。
また、ストロビレーション機能付ポリプ培養水槽100は、ポリプ培養照明50とエサ誘導照明52の点灯を制御する照明制御装置54を備える。照明制御装置54は、エフィラ生産制御盤からの指令により、ポリプを培養する際はポリプ培養照明50を例えば1日に8時間の割合で点灯させ、ポリプにエサを与える際はポリプ培養照明50を消灯してエサ誘導照明52を点灯させる制御を行う。
また、エフィラ生産制御盤110は、ストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100の照明制御装置54に対して照明制御指令を与えるために、ポリプ培養照明50の点灯制御を行うか否かを設定する「ポリプ培養ON/OFF」ボタン、エサ誘導照明52の点灯を設定する「エサやりON/OFF」ボタンを備える。
また、エフィラ生産制御盤110は、ストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100のエフィラ回収制御装置48に対してエフィラ回収指令を与える「エフィラ回収ON/OFF」ボタンを備える。
尚、上記エフィラ生産制御盤100の各ボタンは、照光式のボタンであり、各指令が設定されたらボタンの照明が点灯し、解除されたらボタンの照明が消灯する。
最初に、エフィラ生産制御盤100の水温制御を「ポリプ培養モード」に設定し、自然界から採取したポリプをポリプ着生基盤16に付着させてストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100内に設置する。
ポリプのエサには、例えば動物プランクトンのアルテミアを用いることができる。アルテミアは、乾燥卵が市販されているので、例えばこれを濾過海水または人工海水が入ったバットに入れ、水温を25℃程度に維持すると30時間程度で孵化してくるので、これを使用する。
ポリプに給餌する際はエフィラ生産制御盤110の照明制御の「ポリプ培養」をOFF、「エサやり」をONとし、給餌が終了したらエフィラ生産制御盤110の照明制御の「ポリプ培養」をON、「エサやり」をOFFに戻す。
ストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100の水温制御を「ストロビレーションモード」に設定して2〜3週間程度が経過すると、ポリプがストロビレーションを起こし、エフィラが遊離する。
エフィラ回収路40への所定量のエフィラの回収が完了すると、「エフィラ回収」ボタンが消灯するので、エフィラ取出口46の開閉コックを開いて回収されたエフィラを、例えばエフィラを販売する容器に海水ごと投入する。
このようなエフィラ回収路40へのエフィラの回収動作を繰り返し行い、水槽内のエフィラの回収を終えたら、エフィラ生産制御盤110の水温制御を「ポリプ培養モード」に戻し、ポリプの培養を継続させる。
以上のような手順により、ストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100内でポリプを培養しながらエフィラの生産を繰り返し行うことができる。
一方、エフィラ生産制御盤120は、複数のストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100A,100B,100Cに対してポリプの培養指令を与えるとともに、エフィラの販売需要に応じて複数のストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100A,100B,100Cに対して順次ローテーションしてストロビレーションを行わせる指令を与える。
また、エフィラ生産制御盤120は、現在選択されているストロビレーション対象水槽の水温制御装置26に対して水温制御指令を与えるために、対象水槽をポリプ培養モードに設定する「ポリプ培養モード」ボタンと、対象水槽をストロビレーションモードに設定する「ストロビレーションモード」ボタンを備え、「ストロビレーションモード」ボタンが押されたら、当該対象水槽の水温制御装置をストロビレーションモードに設定し、当該対象水槽についてエフィラの生産・回収を完了して「ポリプ培養モード」ボタンが押されたら、当該対象水槽の水温制御装置をポリプ培養モードに設定し、ストロビレーション対象水槽を次にストロビレーションの対象となる水槽にローテーションする。
また、エフィラ生産制御盤120は、現在選択されているストロビレーション対象水槽において生産されたエフィラを回収するために、現在選択されているストロビレーション対象水槽のエフィラ回収制御装置48に対してエフィラ回収指令を与える「エフィラ回収ON/OFF」ボタンを備える。
尚、照明制御の対象となる水槽を選択する「対象水槽選択」ボタンによって、現在選択中のストロビレーション対象水槽が選択された場合には選択をブロックする機能を設けるようにしてもよい。
各ストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100A,100B,100Cの水温制御装置は初期値としてポリプ培養モードに設定され、エフィラ生産制御盤120のストロビレーション対象水槽は初期値としてAが選択される。
そして、自然界から採取したポリプをポリプ着生基盤16に付着させて各ストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100A,100B,100C内に設置する。
ポリプ培養モード中の各ストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100A,100B,100Cでの給餌方法は、第1実施形態の場合と同様である。
また、ポリプ培養モード中の各ストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100A,100B,100Cでの照明制御は、エフィラ生産制御盤120の照明制御の「対象水槽選択」ボタンを押して対象水槽を選択した上で、第1実施形態の場合と同様に行う。
ストロビレーション対象水槽において、ポリプがストロビレーションを起こし、エフィラの遊離が完了したら、エフィラ生産制御盤120のエフィラ回収制御の「エフィラ回収」をONとして、第1実施形態と同様にして対象水槽でのエフィラの回収を行う。
エフィラの回収が完了したら、エフィラ生産制御盤120の水温制御を「ポリプ培養モード」に戻すことで、当該水槽ではポリプの培養が再開され、ストロビレーション対象水槽は次のBに更新される。
次に、ストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100Bにおいて、上記と同様にポリプにストロビレーションを起こさせてエフィラを生産したら、ストロビレーション対象水槽は次のCに更新される。
そして、ストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100Cにおいて、上記と同様にポリプにストロビレーションを起こさせてエフィラを生産したら、ストロビレーション対象水槽は再びAに戻る。
以上のようにして、複数のストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽100A,100B,100Cについて順次ローテーションしてストロビレーションを起こさせることで、エフィラを連続して生産することができる。
また、ここでは、複数のストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽の中から選択された1つのストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽についてストロビレーションを行わせるものとして説明したが、複数のストロビレーションストロビレーション制御機能付水槽について重複してストロビレーションを行わせるようにしてもよい。このようにすれば、前の水槽でストロビレーションが開始されてからエフィラが生産されるまでの間に、次の水槽でのストロビレーションを開始することができ、エフィラの生産をより連続的に行うことができる。
また、ポリプ培養水槽200は、水槽内でエフィラは生産されないので、当然のことながらエフィラを回収するエフィラ回収機構は有しない。
また、エフィラ生産制御盤210は、ストロビレーション制御水槽210の水温制御装置26に対して水温制御指令を与えるために、ストロビレーション制御水槽210をポリプの培養に適した温度に制御するモードに設定する「ポリプ培養温度モード」ボタンと、ストロビレーション制御水槽100をポリプがストロビレーションを起こす温度まで冷却するモードに設定する「ストロビレーション温度モード」ボタンを備える。
また、エフィラ生産制御盤210は、ストロビレーション制御水槽210のエフィラ回収制御装置48に対してエフィラ回収指令を与える「エフィラ回収ON/OFF」ボタンを備える。
最初に、ポリプ培養水槽200の水温制御装置26は水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に維持するポリプ培養モードに常時設定され、エフィラ生産制御盤220の水温制御は初期値として「ポリプ培養温度モード」に設定される。そして、自然界から採取したポリプをポリプ着生基盤16に付着させてポリプ培養水槽200内に設置する。
ポリプ培養水槽200においてポリプ着生基盤16上に所定量のポリプが培養されたら、ポリプへの給餌は停止し、ポリプ着生基盤16をストロビレーション制御水槽210に移設し、エフィラ生産制御盤220の水温制御を「ストロビレーション温度モード」に設定する。
ストロビレーション制御水槽210において、ポリプ着生基盤16に着生しているポリプがストロビレーションを起こし、エフィラの遊離が完了したら、エフィラ生産制御盤220のエフィラ回収制御の「エフィラ回収」をONとして、第1実施形態と同様にしてエフィラの回収を行う。
エフィラの回収を完了したら、エフィラ生産制御盤220の水温制御を「ポリプ培養温度モード」に戻し、ポリプ着生基盤16をポリプ培養水槽200に戻し、ポリプの培養を継続させる。
以上のような手順により、ポリプ培養水槽200でポリプを培養し、ストロビレーション制御水槽でポリプにストロビレーションを起こさせてエフィラを生産することを繰り返し行うことができる。
一方、エフィラ生産制御盤220は、複数のポリプ培養水槽200A,200B,200Cに対してポリプの培養指令を与えるとともに、エフィラの販売需要に応じて複数のポリプ培養水槽200A,200B,200Cから順次ローテーションしてポリプ着生基盤16を取り出してストロビレーション制御水槽に移設させ、ポリプにストロビレーションを行わせるように制御する。
また、エフィラ生産制御盤220は、複数のポリプ培養水槽200A,200B,200Cに対して照明制御指令を与えるために、照明制御の対象となる水槽を選択する「対象水槽選択」ボタンを備え、「対象水槽選択」ボタンにより選択された対象水槽の照明制御装置54に対して、ポリプ培養照明50の点灯制御を行うか否かを設定する「ポリプ培養ON/OFF」ボタン、エサ誘導照明52の点灯を設定する「エサやりON/OFF」ボタンを備える。
また、エフィラ生産制御盤220は、ストロビレーション制御水槽210の水温制御装置26に対して水温制御指令を与えるために、ストロビレーション制御水槽をポリプ培養温度モードに設定する「ポリプ培養温度モード」ボタンと、ストロビレーション制御水槽をストロビレーション温度モードに設定する「ストロビレーション温度モード」ボタンを備え、「ストロビレーション温度モード」ボタンが押されたら、水温制御装置26をストロビレーション温度モードに設定し、エフィラの生産・回収を完了して「ポリプ培養温度モード」ボタンが押されたら、水温制御装置26をポリプ培養温度モードに設定し、ポリプ培養水槽のストロビレーション対象水槽を次にストロビレーションの対象となるポリプ培養水槽にローテーションする。
また、エフィラ生産制御盤120は、ストロビレーション制御水槽210において生産されたエフィラを回収するために、エフィラ回収制御装置48に対してエフィラ回収指令を与える「エフィラ回収ON/OFF」ボタンを備える。
また、上記実施形態では、複数のポリプ培養水槽に対して照明制御を行うに当っては、対象水槽を「対象水槽選択」ボタンにより予め選択するものとして説明したが、複数のポリプ培養水槽のそれぞれについて照明制御のボタンを設けるようにしてもよい。
最初に、各ポリプ培養水槽200A,200B,200Cの水温制御装置26は常時ポリプ培養モードに設定され、エフィラ生産制御盤220のストロビレーション対象水槽は初期値としてAが選択される。また、ストロビレーション制御水槽210の温度制御装置26は初期値として「ポリプ培養温度モード」に設定される。そして、自然界から採取したポリプをポリプ着生基盤16に付着させて各ポリプ培養水槽200A,200B,200C内に設置する。
現在指定されているストロビレーション対象水槽のポリプ着生基盤16上で所定量のポリプが培養されたら、ポリプへの給餌を停止し、ポリプ着生基盤16をストロビレーション制御水槽210に移設し、エフィラ生産制御盤220の水温制御を「ストロビレーション温度モード」に設定する。
ストロビレーション制御水槽において、ポリプがストロビレーションを起こし、エフィラの遊離が完了したら、エフィラ生産制御盤220のエフィラ回収制御の「エフィラ回収」をONとして、第1実施形態と同様にしてエフィラの回収を行う。
エフィラの回収が完了したら、エフィラ生産制御盤220の水温制御を「ポリプ培養温度モード」に戻すことで、ストロビレーション制御水槽の海水温度はポリプ培養温度に戻り、ストロビレーション対象水槽は次のBに更新される。
そして、ストロビレーション制御水槽のポリプ着生基盤16を元のポリプ培養水槽に戻し、次のポリプ培養水槽200Bからポリプ着生基盤16を取り出し、ストロビレーション制御水槽210に移設して上記と同様の事を行うことでストロビレーション対象水槽は次のCに更新され、更にポリプ培養水槽200Cからポリプ着生基盤16を取り出し、ストロビレーション制御水槽に移設して上記と同様の事を行うことでストロビレーション対象水槽は再びAに戻る。
以上のようにして、複数のポリプ培養水槽200A,200B,200Cについて順次ローテーションしてポリプ着生基盤16をストロビレーション制御水槽に移設してストロビレーションを起こさせることで、エフィラを連続して生産することができる。
エフィラ収容瓶510は、例えば100ml程度のガラス瓶を用い、これに例えば5匹程度のエフィラを海水とともに収容することで、購入者はこれを卓上に置いてエフィラの遊泳の様子を自宅や職場で鑑賞することができる。
また、エサ収容瓶520は、エフィラのエサとなるアルテミアを海水と共に収容したものであり、購入者はエサ収容瓶520のエサを同梱のスポイト530で吸引してエフィラ収容瓶510にエフィラに与えて飼育する。
尚、エフィラのエサは、アルテミアの乾燥卵、人工海水、バットを同梱して購入者に孵化させて与えてもらうようにしてもよい。
また、エフィラ収容瓶内の海水にエアレーションを与えて適度な水流を作るエアーポンプをオプションとして提供するようにしてもよい。
また、エフィラ生産制御盤に、エフィラ培養温度条件、ストロビレーション温度条件、ポリプ培養温度とストロビレーション温度との温度変化条件等を設定する機能を設け、ポリプの培養状況やストロビレーションの発生状況に応じて水温制御の制御条件を変化させることができるようにしてもよい。
また、エフィラ生産制御盤において、水温制御装置26や照明制御装置54やエフィラ回収制御装置48の制御機能を含めて一括制御させるようにし、個々の制御装置を省略するようにしてもよい。
尚、エフィラ生産制御盤は、パーソナルコンピュータによって構成することもでき、必要なボタンやランプを画面上に表示させて操作できるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、エフィラ回収機構は、エフィラ回収路とエフィラ誘導照明とエフィラ回収路遮断機構とエフィラ取出口と通過エフィラ計数センサとエフィラ回収制御手段とを備え、所定量のエフィラを自動回収するものとして説明したが、エフィラ回収路とエフィラ誘導照明とエフィラ取出口のみを備え、産出されたエフィラをエフィラ誘導照明でエフィラ回収路に誘導してエフィラ取出口から手動で取り出すようにしてもよい。
また、エフィラ回収路は、水槽の外に設けるものとして説明したが、水槽内にエフィラを回収する区画を設け、エフィラ誘導照明によって当該区画にエフィラを誘導するようにしてもよい。
また、エフィラ取出口は、単に開口部を有し、エフィラ回収路に回収されたエフィラを例えばカップ等により当該開口部から取り出せるようにしたものでもよい。
また、生産されたエフィラを保管するための温度制御されたエフィラ保管水槽を別途備え、ストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽またはストロビレーション制御水槽から回収したエフィラをエフィラ保管水槽に入れて保管し、お客からの注文が入り次第、エフィラ保管瓶に所定量のエフィラを詰めて販売するようにしてもよい。
また、ポリプのエサを飼育するための温度制御されたエサ飼育水槽を別途設け、このなかに乾燥卵から孵化したアルテミアを入れて、例えば酵母菌などを与えて飼育し、本水槽から計量カップ等によってエサを収集してポリプに与えたり、エフィラ販売セットのエサ収容瓶に入れてエフィラとセット販売したりするようにしてもよい。
尚、本願発明では、生産するクラゲの幼生としてエフィラを対象としているが、横分裂形成により産出されるクラゲの幼生である限り本願発明の効果を奏するものであり、その種別によって限定されるものではない。
110 エフィラ生産制御盤(単一のストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽を用いた場合)
120 エフィラ生産制御盤(複数のストロビレーション制御機能付ポリプ培養水槽を用いた場合)
200 ポリプ培養水槽
210 ストロビレーション制御水槽
220 エフィラ生産制御盤(単一のポリプ培養水槽と単一のストロビレーション制御水槽を用いた場合)
230 エフィラ生産制御盤(複数のポリプ培養水槽と単一のストロビレーション制御水槽を用いた場合)
10、12、14 水槽
16 ポリプ着生基盤
20 ヒータ
22 冷却器
24 水温センサ
26 水温制御装置
30 吸水ポンプ
32 濾過器
34 排出パイプ
36 エアーストーン
40 エフィラ回収路
42 エフィラ誘導照明
44 エフィラ回収路遮断機構
46 エフィラ取出口
47 通過エフィラ計数センサ
48 エフィラ回収制御装置
50 ポリプ培養照明
52 エサ誘導照明
54 照明制御装置
500 エフィラ販売セット
510 エフィラ収容瓶
520 エサ収容瓶
530 給餌用スポイト
Claims (13)
- 水槽内の海水中にポリプが着生した基盤を設置してポリプを培養する水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に維持するポリプ培養モードと、水槽内の海水温度をポリプがストロビレーションを起こす温度まで冷却するストロビレーションモードとを切り替えることができる水温制御手段を有するポリプ培養水槽を備え、
前記ポリプ培養水槽において、前記水温制御手段を前記ポリプ培養モードに設定してポリプの培養を行い、エフィラの販売需要に応じて、前記水温制御手段を前記ストロビレーションモードに切り替えて同一の水槽内でポリプにストロビレーションを起こさせ、エフィラが遊離したら、前記水温制御手段を前記ポリプ培養モードに戻してポリプの培養を継続することで、エフィラを年中安定して生産できることを特徴とする、エフィラ生産装置。 - 水槽内の海水中にポリプが着生した基盤を設置してポリプを培養する水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に維持するポリプ培養モードと、水槽内の海水温度をポリプがストロビレーションを起こす温度まで冷却するストロビレーションモードとを切り替えることができる水温制御手段を有するポリプ培養水槽を複数備え、
前記複数のポリプ培養水槽において、前記水温制御手段を前記ポリプ培養モードに設定してポリプの培養を行い、エフィラの販売需要に応じて、前記複数のポリプ培養水槽から選択されたいずれかのポリプ培養水槽について、前記水温制御手段を前記ストロビレーションモードに切り替えて当該水槽内でポリプにストロビレーションを起こさせ、エフィラが遊離したら、前記水温制御手段を前記ポリプ培養モードに戻してポリプの培養を継続させることを、前記複数のポリプ培養水槽について順次ローテーションして行われるように制御するエフィラ生産制御手段を備え、エフィラを年中安定して生産できることを特徴とする、エフィラ生産装置。 - 前記ポリプ培養水槽は、水槽内のエフィラを回収するためのエフィラ回収路と、前記エフィラ回収路に水槽内のエフィラを誘導するためのエフィラ誘導照明手段と、前記エフィラ回収路に誘導されたエフィラを取り出すエフィラ取出口とを備えたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のエフィラ生産装置。
- 前記ポリプ培養水槽は、前記エフィラ回収路と水槽との間を遮断するためのエフィラ回収路遮蔽手段と、前記エフィラ回収路に進入するエフィラの数を計数するエフィラ計数手段と、前記エフィラ計数手段により所定量のエフィラが計数されたときに前記エフィラ回収路遮断手段により前記エフィラ回収路を遮断するように制御するエフィラ回収制御手段を更に備えたことを特徴とする、請求項3に記載のエフィラ生産装置。
- 水槽内の海水中にポリプが着生した基盤を設置してポリプを培養する水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に維持する第1の水温制御手段を有するポリプ培養水槽と、
水槽内の海水中にポリプが着生した基盤を設置してポリプにストロビレーションを起こさせる水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に設定するポリプ培養温度モードと、水槽内の海水温度をポリプにストロビレーションを起こさせる温度に冷却するストロビレーション温度モードとを切り替えることができる第2の水温制御手段を有するストロビレーション制御水槽を備え、
前記ポリプ培養水槽内でポリプの培養を行い、エフィラの販売需要に応じて、前記ポリプ培養水槽から、培養されたポリプが着生した前記基盤を前記ストロビレーション制御水槽に移設し、前記ストロビレーション制御水槽において、前記第2の水温制御手段を前記ポリプ培養温度モードから前記ストロビレーション温度モードに切り替えてポリプにストロビレーションを起こさせ、エフィラが遊離したら、前記第2の水温制御手段を前記ポリプ培養温度モードに戻し、前記移設した基盤を前記ポリプ培養水槽に戻すことで、エフィラを年中安定して生産できることを特徴とする、エフィラ生産装置。 - 水槽内の海水中にポリプが着生した基盤を設置してポリプを培養する水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に維持する第1の水温制御手段を有する複数のポリプ培養水槽と、
水槽内の海水中にポリプが着生した基盤を設置してポリプにストロビレーションを起こさせる水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に設定するポリプ培養温度モードと、水槽内の海水温度をポリプにストロビレーションを起こさせる温度に冷却するストロビレーション温度モードとを切り替えることができる第2の水温制御手段を有するストロビレーション制御水槽を備え、
エフィラの販売需要に応じて、前記複数のポリプ培養水槽から選択されたいずれかのポリプ培養水槽から、培養されたポリプが着生した前記基盤を前記ストロビレーション制御水槽に移設し、前記ストロビレーション制御水槽において、前記第2の水温制御手段を前記ポリプ培養温度モードから前記ストロビレーション温度モードに切り替えてポリプにストロビレーションを起こさせ、エフィラが分離したら、前記第2の水温制御手段を前記ポリプ培養温度モードに戻し、前記移設した基盤を元のポリプ培養水槽に戻すことを、前記複数のポリプ培養水槽について順次ローテーションして行われるように制御するエフィラ生産制御手段を備え、エフィラを年中安定して生産できることを特徴とする、エフィラ生産装置。 - 前記ストロビレーション水槽は、水槽内のエフィラを回収するためのエフィラ回収路と、前記エフィラ回収路に水槽内のエフィラを誘導するためのエフィラ誘導照明手段と、前記エフィラ回収路に誘導されたエフィラを取り出すエフィラ取出口とを更に備えたことを特徴とする、請求項5または請求項6に記載のエフィラ生産装置。
- 前記ストロビレーション水槽は、前記エフィラ回収路と水槽との間を遮断するためのエフィラ回収路遮蔽手段と、前記エフィラ回収路に進入するエフィラの数を計数するエフィラ計数手段と、前記エフィラ計数手段により所定量のエフィラが計数されたときに前記エフィラ回収路遮断手段により前記エフィラ回収路を遮断するように制御するエフィラ回収制御手段を更に備えたことを特徴とする、請求項7に記載のエフィラ生産装置。
- 前記ポリプ培養水槽は、ポリプに与えるエサを前記基盤に着生したポリプの近傍に誘導するためのエサ誘導照明手段を前記基盤の近傍に備えたことを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のエフィラ生産装置。
- 水槽内の海水中にポリプが着生した基盤を設置してポリプを培養する水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に維持するポリプ培養モードと、水槽内の海水温度をポリプがストロビレーションを起こす温度まで冷却するストロビレーションモードとを切り替えることができる水温制御手段を有するポリプ培養水槽を用いてエフィラを生産する方法であって、
前記水温制御手段を前記ポリプ培養モードに設定して前記ポリプ培養水槽内でポリプの培養を行い、エフィラの販売需要に応じて、前記水温制御手段を前記ストロビレーションモードに切り替えて同一の水槽内でポリプにストロビレーションを起こさせ、エフィラが遊離したら、前記水温制御手段を前記ポリプ培養モードに戻してポリプの培養を継続するようにしたことを特徴とする、エフィラ生産方法。 - 水槽内の海水中にポリプが着生した基盤を設置してポリプを培養する水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に維持するポリプ培養モードと、水槽内の海水温度をポリプがストロビレーションを起こす温度まで冷却するストロビレーションモードとを切り替えることができる水温制御手段を有する複数のポリプ培養水槽を用いてエフィラを生産する方法であって、
前記複数のポリプ培養水槽において、前記水温制御手段を前記ポリプ培養モードに設定して前記ポリプ培養水槽内でポリプの培養を行い、エフィラの販売需要に応じて、前記複数のポリプ培養水槽から選択されたいずれかのポリプ培養水槽について、前記水温制御手段を前記ストロビレーションモードに切り替えて当該水槽内でポリプにストロビレーションを起こさせ、エフィラが遊離したら、前記水温制御手段を前記ポリプ培養モードに戻してポリプの培養を継続させることを、前記複数のポリプ培養水槽について順次ローテーションして行うようにしたことを特徴とする、エフィラ生産方法。 - 水槽内の海水中にポリプが着生した基盤を設置してポリプを培養する水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に維持する第1の水温制御手段を有するポリプ培養水槽と、水槽内の海水中にポリプが着生した基盤を設置してポリプにストロビレーションを起こさせる水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に設定するポリプ培養温度モードと、ポリプにストロビレーションを起こさせる温度に冷却するストロビレーション温度モードとを切り替えることができる第2の水温制御手段を有するストロビレーション制御水槽を用いてエフィラを生産する方法であって、
エフィラの販売需要に応じて、前記ポリプ培養水槽から、培養されたポリプが着生した前記基盤を前記ストロビレーション制御水槽に移設し、前記ストロビレーション制御水槽において、前記第2の水温制御手段を前記ポリプ培養温度モードから前記ストロビレーション温度モードに切り替えてポリプにストロビレーションを起こさせ、エフィラが遊離したら、前記第2の水温制御手段を前記ポリプ培養温度モードに戻し、前記移設した基盤を前記ポリプ培養水槽に戻すようにしたことを特徴とする、エフィラ生産方法。 - 水槽内の海水中にポリプが着生した基盤を設置してポリプを培養する水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に維持する第1の水温制御手段を有する複数のポリプ培養水槽と、水槽内の海水中にポリプが着生した基盤を設置してポリプにストロビレーションを起こさせる水槽であって、水槽内の海水温度をポリプの培養に適した温度に設定するポリプ培養温度モードと、水槽内の海水温度をポリプにストロビレーションを起こさせる温度に冷却するストロビレーション温度モードとを切り替えることができる第2の水温制御手段を有するストロビレーション制御水槽を用いてエフィラを生産する方法であって、
エフィラの販売需要に応じて、前記複数のポリプ培養水槽から選択されたいずれかのポリプ培養水槽から、培養されたポリプが着生した前記基盤を前記ストロビレーション制御水槽に移設し、前記ストロビレーション制御水槽において、前記第2の水温制御手段を前記ポリプ培養温度モードから前記ストロビレーション温度モードに切り替えてポリプにストロビレーションを起こさせ、エフィラが分離したら、前記第2の水温制御手段を前記ポリプ培養温度モードに戻し、前記移設した基盤を元のポリプ培養水槽に戻すことを、前記複数のポリプ培養水槽について順次ローテーションして行うようにしたことを特徴とする、エフィラ生産方法。
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