JP2011134878A - 基板上への導電パターンの形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォトリソグラフィを用いずに配線パターンを形成することが可能で、基板上の配線パターンを形成すべき領域と配線パターンとの密着性を向上することができる基板上への導電パターンの形成方法を提供する。
【解決手段】導電パターンの形成方法は、基板11上の導電パターン(配線パターン16)を形成すべき領域に、めっき触媒を担持したカップリング剤を含む触媒液12を液体噴射ヘッド13から吐出する触媒液吐出工程と、めっき触媒を担持した状態で基板11上に付着したカップリング剤を非酸化雰囲気で焼成して触媒層15を形成する触媒層形成工程と、触媒層15上に無電解めっきで導電パターンを形成する無電解めっき工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板上への導電パターンの形成方法に係り、詳しくはフォトリソグラフィを用いずに配線パターン等の導電パターンを形成する基板上への導電パターンの形成方法に関する。
電子機器の小型化、高速化に伴い、それら装置に用いられる回路基板の多層化、微細配線化が求められている。従来、基板上へ電極パターンや配線パターン等の導電パターンを形成する場合、フォトリソグラフィを用いて形成する方法が一般的である。フォトリソグラフィを用いる方法は、基板上に導電膜をスパッタリング、真空蒸着、無電解めっき等により全面に成膜した後、この導電膜上にフォトレジストを塗布し、フォトレジストを露光、現像して得られたレジストパターンに応じて導電膜をエッチングすることにより、導電パターンを形成する。しかし、フォトリソグラフィを用いる方法は、成膜処理及びエッチング処理時に真空装置等の大掛かりな設備と複雑な工程を必要とし、また、材料使用効率が数%程度とそのほとんどを廃棄せざるを得ず、製造コストが高くなるという問題がある。
そこで、フォトリソグラフィを用いずに、液体吐出ヘッド(インクジェットヘッド)から液体材料を液滴状に吐出する液滴吐出法(いわゆるインクジェット法)を用いて、基板上に導電パターンを形成する方法が提案あるいは実施されている。インクジェット法を用いる場合、金属微粒子等を分散させたインク(導電性インク)をインクジェットヘッドから導電パターンを形成すべき領域に吐出した後、乾燥又は焼成することで導電パターンを形成する方法がある。また、カップリング剤を分散させたインクをインクジェットヘッドから回路パターンを形成すべき領域に吐出した後、パラジウム触媒をカップリング剤に付着させ、その後、無電解めっきを行って導電パターンを形成する方法もある(特許文献1参照)。
また、カップリング剤に触媒機能を有したインクをインクジェット法により、回路パターンを形成し、その後無電解めっきを行い、導電パターンを形成する方法もある。(特許文献2参照)
特許第3380880号公報 国際公開番号WO2005/044931号公報
しかし、インクジェット法を利用する方法のうち、前者の導電性インクをインクジェットヘッドから吐出して導電パターンを形成する方法では、厚みの厚い導電パターンを形成する場合は、導電性インクの、吐出、乾燥、焼成を何度も繰り返す必要がある。そのため、工数が大きくなるとともに高価な導電性インクを多く使用する必要があり、製造コストが高くなるという問題がある。
一方、後者のカップリング剤を分散させたインクをインクジェットヘッドから吐出した後、パラジウム触媒をカップリング剤に付着させて触媒パターンを形成し、その後、無電解めっきを行って導電パターンを形成する方法では、無電解めっき時間を調整することで
所望の厚さの導電パターンを形成することができる。しかし、この方法では、導電パターンを形成する場合、インクジェット法でカップリング剤を基板上に導電パターンの形状に対応した形状に付着させる工程を実施した後、パラジウム触媒をカップリング剤に付着させる工程を必要とする。そのため、パラジウム触媒がカップリング剤の付着した領域からはみ出した状態に付着される虞があり、課題であった。また、無電解めっき触媒をインクジェットヘッドから導電パターンを形成すべき領域に直接吐出して触媒パターンを形成する場合に比べて工数が大きくなる。
そこで、最後者の基板上の導電パターンを形成すべき領域に、めっき触媒を担持したカップリング剤を含む触媒液を液体噴射ヘッドから吐出して一工程で導電パターンの形状に対応した形状の触媒パターンを形成することが考えられる。ところが、一般に、基板とカップリング剤との密着性を高めるために、カップリング剤の焼成が行われる。
カップリング剤に担持されたパラジウム触媒は、焼成を行うことでパラジウムが+2価(Pd2+)の状態から0価(Pd)の状態が支配的となり、触媒作用が発揮される。そのためにはパラジウムが0価(Pd)である必要があり、パラジウムが+2価(Pd2+)の状態や酸化パラジウム(PdO)の状態ではこのような機能が発現されなくなる。カップリング剤の焼成を大気下等の酸化雰囲気で行うと、パラジウムの一部が酸化パラジウム(PdO)になる。そのため、析出・密着に必要なパラジウムが損失してしまう。パラジウムと析出金属が金属間接合できないため、密着力が低下し、めっき皮膜も均一に成長することができなくなるという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、フォトリソグラフィを用いずに配線パターンを形成することが可能で、基板上の配線パターンを形成すべき領域と配線パターンとの密着性を向上することができる基板上への導電パターンの形成方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の導電パターンの形成方法は、基板上の導電パターンを形成すべき領域に、めっき触媒を担持したカップリング剤を含む触媒液を液体噴射ヘッドから吐出する触媒液吐出工程と、前記めっき触媒を担持した状態で前記基板上に付着した前記カップリング剤を非酸化雰囲気で焼成して触媒層を形成する触媒層形成工程と、前記触媒層上に無電解めっきで導電パターンを形成する無電解めっき工程とを備える。ここで、「基板上」とは、基板の表面のみを意味するのではなく、基板に形成された絶縁層の表面をも意味する。即ち、基板上に1層目の導電パターン(配線パターン)を形成する場合に限らず、基板上に導電パターンが複数層形成される多層配線板の2層目以降の導電パターンを形成する場合も含む。また、「非酸化雰囲気」とは、例えば、窒素ガスや不活性ガスの雰囲気である不活性雰囲気あるいは還元雰囲気等のように触媒が酸化されない雰囲気を意味する。
この構成によれば、フォトリソグラフィを用いずに導電パターンを形成することができる。また、触媒層形成工程において、めっき触媒を担持したカップリング剤が非酸化雰囲気で焼成されるため、大気の下(酸素の存在下)で焼成される場合と異なり、触媒の一部が酸化されないため、無電解めっき時にめっき浴中の金属イオン(例えば銅イオン)が析出し難い状態となるのを抑制することができる。したがって、触媒層上に形成される配線材料の膜(めっき膜)の密度が低下することが抑制され、形成された導電パターンと導電パターンを形成すべき領域との間の密着性が損なわれることが回避されることにより、導電パターンと導電パターンを形成すべき領域との密着性が向上する。
また、この導電パターンの形成方法においては、前記めっき触媒はパラジウムであり、
前記カップリング剤はシランカップリング剤であることが好ましい。この構成によれば、めっき触媒及びカップリング剤に市販品を使用することができ、入手が容易になる。また、パラジウムは接続配線の材料に適した多くの種類の金属を無電解めっきで析出させることができるため、めっき触媒として好ましい。
また、この導電パターンの形成方法においては、前記非酸化雰囲気は還元雰囲気であることが好ましい。カップリング剤に担持されたパラジウム触媒は、パラジウムが0価(Pd)の状態と、+2価(Pd2+)の状態がある。この構成によれば、めっき触媒を担持したカップリング剤が還元雰囲気で焼成されるため、酸化パラジウム(PdO)の生成が防止されるだけでなく、+2価(Pd2+)の状態のパラジウムが還元されて0価(Pd)の状態パラジウムになる。したがって、+2価(Pd2+)の状態のパラジウムが存在する場合に比べて、無電解めっきにより触媒層上に形成される金属被膜(めっき膜)とパラジウムとの金属結合の割合が高くなり、触媒層と導電パターンの密着性が向上する。
また、この導電パターンの形成方法においては、前記無電解めっきは中性無電解銅めっきであることが好ましい。この構成によれば、無電解銅めっき浴がホルムアルデヒドを還元剤とする強アルカリ性の場合と異なり、めっき浴がカップリング剤と基板表面あるいは絶縁膜表面との密着性を低下させることを回避することができる。また、めっき浴がホルムアルデヒドを還元剤とする強アルカリ性の場合に比べて、環境に与える負荷が小さく、半導体の信頼性に問題となるアルカリ金属イオンの含有量も少ないため、半導体デバイスへも適用し易い。
また、この導電パターンの形成方法においては、前記触媒液吐出工程の前工程として少なくとも前記触媒液を吐出すべき領域に前記カップリング剤との化学結合を行うための官能基を出すための表面処理を行う表面処理工程を備えていることが好ましい。この構成によれば、基板上に吐出された触媒液に分散しているカップリング剤が導電パターンを形成すべき領域に付着し易くなり、触媒層が形成された状態において、カップリング剤の密度が表面処理を行わない場合に比べて高くなり、結果として導電パターンと基板との密着性が向上する。
また、この導電パターンの形成方法においては、前記触媒液は前記カップリング剤が有機溶媒に分散されており、前記触媒層形成工程における焼成温度は、前記有機溶媒の沸点以上また、消失する温度であることが好ましい。この構成によれば、めっき触媒を担持した状態で基板上に付着したカップリング剤が分散されていた有機溶媒が触媒層から離脱し易い状態で触媒層が形成されるため、触媒層に残存する有機溶媒の量が少なくなり、残存有機溶媒による悪影響が少なくなる。
(a)〜(d)は第1の実施形態における配線板の配線パターンを形成するための工程を示す模式図。 触媒パターンを形成すべき領域を示す模式図。 還元雰囲気で焼成した場合の模式図。 XPS分析結果を示すグラフ。 配線パターンが形成された基板の水洗処理後の状態を示す実体顕微鏡の測定画像であって、(a)触媒パターンを大気雰囲気の下で焼成した基板を示す画像、(b)触媒パターンを還元雰囲気の下で焼成した基板を示す画像。 (a)〜(e)は第2の実施形態における多層配線板の2層目の配線パターンを形成するための工程を示す模式図。
(第1の実施形態)
以下、本発明を配線板の配線パターンの形成に具体化した第1の実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
配線パターン(導電パターン)の形成方法は、表面処理工程と、触媒液吐出工程と、触媒層形成工程と、無電解めっき工程とを備えている。
表面処理工程は、基板表面の少なくとも導電パターンとしての配線パターンを形成すべき領域にカップリング剤との化学結合を行うための官能基を出すための表面処理を行う工程である。この実施形態では、表面処理として基板表面に水酸基(OH基)を生成するための親水化処理を行う。そして、図1(a)に示すように、基板11の表面全面への紫外線照射や酸素プラズマ処理が行われる。これにより、水酸基の生成が可能になる。基板11としては、ガラスエポキシ基板や紙フェノール基板等のリジッド基板、ポリイミドやポリエステルフィルム等のフレキシブル基板あるいはガラス基板等各種の材料を用いることができる。
触媒液吐出工程は、基板11の表面の導電パターンを形成すべき領域(図2にAで示す部分)に、めっき触媒を担持したカップリング剤を含む触媒液12を図1(b)に示すように、液体噴射ヘッド13から吐出して付着させる工程である。そして、基板11上に未焼成触媒層14が形成される。液体噴射装置として、例えば、液体噴射ヘッドとしてのインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンターが使用される。この実施形態では、触媒液12として、めっき触媒を担持したカップリング剤が溶媒に分散されたものが使用される。具体的には、分子中にめっき触媒としてのパラジウムを担持可能な官能基であるアミノ基を有するシランカップリング剤、例えばアルキル基上にN置換基(アミノ基)を有するアルキルトリアルコキシシラン類(いわゆる、アミノ系シランカップリング剤)、好ましくは以下の一般式で示される構造を有するものが挙げられる。
(RO)Si(CHNHY
式中、Rは、アルキル基を表し、好ましくはメチル基又はエチル基であり、nは自然数、Yは、H、C2nNH、CONH及びCのいずれかである。シランカップリング剤は水と接すると加水分解してシラノール基(Si−OH)を生成するため、触媒液12中では、アルコキシ基がシラノール基に変化し、アミノ基にパラジウムが担持された次式で示される構造となっている。
(HO)Si(CHNHYPd
そのため、図1(b)に示す基板11上に吐出された触媒液12からなる未焼成触媒層14は、基板11の表面に形成されたOH基と、シランカップリング剤のシラノール基(Si−OH)とが水素結合で結合された状態となっている。
触媒層形成工程は、基板11上に形成された未焼成触媒層14を構成するカップリング剤を非酸化雰囲気で焼成して、図1(c)に示すように、基板11上に触媒層15を形成する工程である。非酸化雰囲気とは不活性ガス雰囲気(例えば、窒素ガスやアルゴンガス雰囲気)あるいは還元雰囲気(例えば、窒素ガスやアルゴンガスに水素ガスが混合された雰囲気)を意味する。この実施形態では、非酸化雰囲気として還元雰囲気を採用し、例えば、容量%で「H3%/Ar」の混合ガス雰囲気を採用した。
そして、焼成により、基板11の表面に形成されたOH基と、シランカップリング剤のシラノール基(Si−OH)との脱水縮合反応が進み、シランカップリング剤と基板11とは水素結合より強固な共有結合で結合された状態となる。また、隣り合うシランカップリング剤のシラノール基(Si−OH)の間でも脱水縮合反応が進み、隣り合うシランカ
ップリング剤同士も強固な共有結合で結合された状態となる。その結果、触媒層15は基板11に対して十分な密着性を維持することができる状態になる。
カップリング剤が基板11に固定される脱水縮合反応を円滑に行わせるためには、焼成温度は、100℃以上、好ましくは120℃程度である。カップリング剤が分散された有機溶媒の沸点がこの温度以下であれば、焼成温度は100℃以上、好ましくは120℃程度となる。しかし、触媒液12の分散状態や触媒液12が液体噴射ヘッド13から吐出されて基板11表面に着弾した際の濡れ広がり状態が適切な状態になる有機溶媒の沸点は150℃以上のため、焼成温度はカップリング剤が分散されている有機溶媒の沸点以上である150〜250℃が好ましい。なお、実験では酸素濃度0.1〜20ppm程度であれば、酸素が存在しても問題は生じなかった。
無電解めっき工程は、触媒層15上に無電解めっきで導電層を形成する工程である。この実施形態では、無電解めっきとして中性無電解銅めっきにより銅めっきが行われて、図1(d)に示すように、触媒層15上に導電パターンとしての配線パターン16が形成されて配線板17が製造される。中性無電解銅めっきには、Co2+を還元剤とする無電解銅めっき浴が使用される。
めっき浴中のCo2+とCu2+には酸化還元電位に差があり、Cu2+はCo2+によって還元され、電子を受け取り触媒層15のパラジウム上に銅Cuとして析出する。一方、Co2+は酸化されCo3+になる。そして、触媒層15のパラジウム上に配線パターン16が形成される。
無電解銅めっきがホルムアルデヒドを還元剤とする一般的な無電解銅めっきでは、めっき浴が強アルカリ性(pH12〜13)のため、カップリング剤と基板表面との間に存在する共有結合の一部が切断され、基板表面と触媒層15間の密着性が低下する。しかし、無電解めっきが中性無電解めっきで行われるため、カップリング剤と基板11表面との間に存在する共有結合の切断が防止され、基板11表面と触媒層15間の密着性の低下が回避される。
次に、触媒層形成工程において非酸化雰囲気で焼成が行われた場合の利点を詳述する。カップリング剤に担持されたパラジウム触媒は、パラジウムが0価(Pd)の状態と、+2価(Pd2+)の状態がある。そして、めっき浴中の金属イオンを析出させるためにパラジウムが触媒として機能するには0価(Pd)の状態である必要があり、パラジウムが+2価(Pd2+)の状態や酸化パラジウム(PdO)の状態ではこのような機能が発現されにくくなる。
触媒層形成工程において、カップリング剤の焼成を大気下等の酸化雰囲気で行うと、発明が解決しようとする課題で述べたように、パラジウム(Pd)は析出する金属と金属結合を形成するが、酸化パラジウム(PdO)は析出する金属と強い結合を形成することができない。このため、パラジウムの一部が酸化パラジウムになってしまうと、配線パターン16と触媒層15間の密着性の低下を引き起こす。しかし、焼成が非酸化雰囲気で行われるため、パラジウムの一部が酸化パラジウム(PdO)になることが防止され、無電解めっき工程において配線パターン16と触媒層15間の密着性の低下が防止される。また、この実施形態では焼成が非酸化雰囲気のうちの還元雰囲気で行われるため、酸化パラジウム(PdO)の生成が防止されるだけでなく、図3に示すように、+2価(Pd2+)の状態のパラジウムが還元されて0価(Pd)の状態パラジウムになる。したがって、パラジウムと析出する金属が金属結合をする割合が多くなり、触媒層15とめっき膜、即ち配線パターン16との密着性が向上する。
触媒液12としてパラジウム触媒がシランカップリング剤に担持された状態で溶媒に分散されたものを使用して未焼成触媒層14を形成したものについて、非酸化雰囲気(酸素濃度0.001ppm以下)と大気雰囲気で、焼成温度250℃で焼成を行った。得られた試料についてX線光電子分析装置(XPS)により触媒層15の表面状態の分析を行った。また、触媒層15上に無電解銅めっきを行った試料について水洗処理を行った。比較例として、大気下で焼成を行って得られた試料についても同様にXPS分析及び水洗処理を行った。XPSの測定結果を図4に示し、水洗処理後の実体顕微鏡の測定画像を図5に示す。なお、図4において、横軸は結合エネルギーであり、縦軸は光電子のカウント数(相対的な強度を示す)である。また、図5において、配線パターンが形成されていない基板の表面が黒色の部分で示され、基板の表面に形成された配線パターンが灰色の部分で示されている。
図4に示すように、還元雰囲気で焼成を行った試料の場合、結合エネルギー335eV付近にパラジウム(Pd)のメタルのピークが存在し、酸化パラジウム(PdO,PdO)の存在時に現れる結合エネルギー(336eV,338eV)付近のピークはほとんど存在しない。一方、大気下で焼成を行った試料の場合、結合エネルギー335eV付近にパラジウム(Pd)のメタルのピークが存在する他に、結合エネルギー338eV付近の酸化パラジウム(PdO)のピークが存在する。このことから、非酸化雰囲気で焼成を行うことにより、酸化雰囲気(大気)で焼成を行う場合と異なり、焼成の際にパラジウムが酸化パラジウムに変化することが防止されていることと、+2価(Pd2+)の状態のパラジウムが還元されて0価(Pd)の状態のパラジウムになっていることとが裏付けられる。
図5(a)に示すように、触媒層15を大気雰囲気の下で焼成した基板11にあっては、水洗処理によって配線パターン16の剥離が認められた。一方、図5(b)に示されるように、触媒層15を非酸化雰囲気の下で焼成した基板11においては、水洗処理による配線パターン16の剥離が認められなかった。つまり、触媒層15を非酸化雰囲気の下で焼成することにより、大気雰囲気の下で焼成する場合に比べて、触媒層15と配線パターン16との密着性が向上していることが確認できる。
上記実施形態の導電パターンの形成方法によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)配線パターン16の形成方法は、基板11上の配線パターン16を形成すべき領域に、触媒液12を液体噴射ヘッド13から吐出する触媒液吐出工程と、基板11上に付着したカップリング剤を非酸化雰囲気で焼成して触媒層15を形成する触媒層形成工程と、触媒層15上に無電解めっきで配線パターン16を形成する無電解めっき工程とを備える。したがって、フォトリソグラフィを用いずに導電パターン(配線パターン16)を形成することができる。また、焼成の際に酸化パラジウム(PdO)の生成が防止されるため、触媒層15上に形成される配線材料の膜(めっき膜)の密着性が低下することが抑制され、形成された触媒層15と配線パターン16の密着性が向上する。
(2)めっき触媒はパラジウムであり、カップリング剤はシランカップリング剤である。したがって、めっき触媒及びカップリング剤に市販品を使用することができ、入手が容易になる。また、パラジウムは接続配線の材料に適した多くの種類の金属を無電解めっきで析出させることができるため、めっき触媒として好ましい。
(3)触媒層形成工程において、非酸化雰囲気として還元雰囲気で焼成が行われる。したがって、カップリング剤に担持されたパラジウム触媒のうち、+2価(Pd2+)の状態のパラジウムが還元されて0価(Pd)の状態のパラジウムになる。その結果、+2
価(Pd2+)の状態のパラジウムが0価(Pd)の状態のパラジウムに変化しない場合に比べて、無電解めっきにより触媒層15上に形成される金属被膜(めっき膜)の金属結合の割合が高くなり、触媒層15と配線パターン16との密着性が向上する。
(4)無電解めっきは中性無電解銅めっきである。したがって、無電解銅めっき浴が強アルカリ性の場合と異なり、めっき浴がカップリング剤と基板11表面との密着性を低下させることを回避することができる。また、めっき浴が強アルカリ性の場合に比べて、環境に与える負荷が小さく、半導体の信頼性に問題となるアルカリ金属イオンの含有量も少ないため、半導体デバイスへも適用し易い。
(5)触媒液吐出工程の前工程として少なくとも触媒液12を吐出すべき領域にカップリング剤との親和性を高める表面処理を行う表面処理工程を備えている。したがって、基板11上に吐出された触媒液12に分散しているカップリング剤が配線パターン16を形成すべき領域に付着し易くなり、触媒層15が形成された状態において、カップリング剤の密度が表面処理を行わない場合に比べて高くなり、結果として配線パターン16と基板11との密着性が向上する。
(6)触媒液12はカップリング剤が有機溶媒に分散されており、触媒層形成工程における焼成温度は、有機溶媒の沸点以上である。したがって、めっき触媒を担持した状態で基板11上に付着したカップリング剤が分散されていた有機溶媒が触媒層15から離脱し易い状態で触媒層15が形成されるため、触媒層15に残存する有機溶媒の量が少なくなり、残存有機溶媒による悪影響が少なくなる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を図6にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、本発明を配線パターン16が複数層設けられた多層配線板の製造に具体化した点が第1の実施形態と異なり、第1の実施形態と基本的に同様の部分は詳しい説明を省略する。
1層目の配線パターン16が形成された基板11、即ち配線板17に対して、撥液部形成工程、絶縁膜形成工程、絶縁膜表面処理工程、触媒層形成工程、無電解銅めっき工程が順に実施される。撥液部形成工程では図6(a)に示すように、配線パターン16上のコンタクト部を形成すべき領域に、絶縁膜を形成するためのインクに対して撥液性を有する撥液剤18を液体噴射ヘッド13から吐出して撥液部19を形成する。撥液剤18としては、フッ素樹脂を溶媒に溶解させたもの、例えば、住友スリーエム株式会社製「EGC1720」(HFE(ハイドロフルオロエーテル)溶媒にフッ素樹脂を0.1wt%溶解させたもの)を用いることができる。この場合、HFEにアルコール系、炭化水素系、ケトン系、エーテル系、エステル系の溶剤を適宜混合することにより、液体噴射ヘッド13から安定して吐出可能な粘度に調整可能である。
絶縁膜形成工程では、図6(b)に示すように、基板11上の撥液部19を除いた領域に絶縁膜20を形成するためのインク21を液体噴射ヘッド13から吐出して、絶縁膜20を形成した後、焼成する。その結果、基板11は撥液部19を除いた部分に絶縁膜20が形成された状態になる。絶縁膜20を形成するためのインク21としては、例えば、市販のポリイミドワニス(デュポン社製、製品名「パイルML」)を溶剤(N−メチル−2−ピロリドン)で希釈して、粘度を調整したものを用いた。インク滴は親インク性の基板11表面及び配線パターン16に着弾した後は濡れ広がって、撥液部19以外の部分はすべてインク21で覆われる。また、インク21の表面は、セルフレベリング効果によって平坦となる。液体噴射装置にて何度かインク21の重ね塗りをする。そして、焼成により溶剤の除去とポリイミドの硬化とが行われる。
絶縁膜表面処理工程では、図6(c)に示すように、絶縁膜20全体及び撥液部19にエキシマレーザー(例えば、172nmに発光中心波長を持つキセノンエキシマランプ)による紫外線照射(照射時間:5〜10分)が行われる。その結果、絶縁膜20は表面にOH基が形成されて表面改質が行われる。また、撥液部19は完全に除去(消失)されて絶縁膜20は、撥液部19があった部分に孔22が形成された状態になる。
触媒層形成工程では、図6(d)に示すように、表面処理された絶縁膜20上の2層目の配線パターン23を形成すべき領域に、触媒液12を液体噴射ヘッド13から吐出して、配線パターン23の形状に合わせた形状の未焼成触媒層14が描画される。触媒液12は撥液部19が除去された孔22には吐出されない。次いで、未焼成触媒層14が上述と同様に還元雰囲気で焼成されて、触媒の活性化と絶縁膜20への密着化とが行われる。
無電解めっき工程では、配線パターン16を形成する際と同様な条件で中性無電解銅めっきにより銅めっきが行われる。そして、図6(e)に示すように、触媒層15上に2層目の配線パターン23が形成されるとともに、絶縁膜20で被覆された1層目の配線パターン16と2層目の配線パターン23とを接続するコンタクト部24が形成される。
以上で2層の配線パターン16,23を備えた多層配線板25の製造が終了する。3層以上の配線パターン16,23を備えた多層配線板25を製造する場合は、2層目の無電解めっき工程が終了した後、撥液部形成工程から無電解めっき工程までの各工程を導電パターンの層数に対応して繰り返すことで所望の多層配線板25を製造することができる。
したがって、この第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(6)と同様な効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(7)液体噴射装置として、複数の液体(インク)を一つのヘッドの複数のノズル群に別々に供給するような構造の吐出ヘッド(インクジェットヘッド)を備えたインクジェットプリンターを使用すれば、一つの液体噴射装置で触媒層、撥液部、絶縁膜を形成することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 基板11の両面にビルドアップ構造が形成された多層配線板に適用してもよい。
・ 多層配線板の1層目がグランド層用のベタパターンの場合、基板11として片面銅箔基板あるいは両面銅箔基板を用いるとともに、第2の実施形態の撥液部形成工程から製造を開始するようにしてもよい。また、銅箔基板を用いて1層目の配線パターンが形成された配線基板を基にして、第2の実施形態の撥液部形成工程から製造を開始して、撥液部形成工程から無電解めっき工程までの各工程を配線パターンの層数に対応して繰り返すことにより多層配線板25を製造してもよい。
・ ICチップを基板として、ICチップ上に直接ビルドアップ構造を形成する多層配線板に適用してもよい。
・ 表面処理工程及び絶縁膜表面処理工程は、基板11あるいは絶縁膜20の少なくとも配線パターン16,23を形成すべき領域を表面処理すればよく、配線パターン16,23を形成すべき領域のみに表面処理を行うようにしてもよい。
・ 焼成工程は、非酸化雰囲気で焼成を行えばよく、還元雰囲気に限らず、不活性ガス雰囲気(例えば、窒素ガスやアルゴンガス雰囲気)であってもよい。しかし、還元雰囲気の方が好ましい。
・ 絶縁膜表面処理工程における紫外線照射の紫外光は、中心波長が172nmのエキシマ光に限らず、中心波長が248nmのフッ化クリプトンレーザーや中心波長が193
nmのフッ化アルゴンレーザーを用いてもよい。また、エキシマレーザーによる紫外線照射に限らず、エキシマレーザー以外の方法で紫外線照射を行ってもよい。
・ 絶縁膜20の表面を触媒液12との親和性の良い状態にする処理として、必ずしも同時に撥液部19の除去を良好に行うことができない処理を行い、撥液部19の除去処理を別に行うようにしてもよい。
・ 触媒液12に使用されるシランカップリング剤は、めっき触媒としてのパラジウムを担持可能な官能基としてアミノ基を有するものに限らず、例えば、イミダゾール基を有するものであってもよい。
・ めっき触媒の触媒金属はパラジウムに限らず、パラジウム以外の貴金属、例えば金であってもよい。
・ 中性無電解銅めっきは、Co2+を還元剤とする中性無電解銅めっき浴に限らず、他の中性無電解銅めっき浴を用いてもよい。
・ 無電解銅めっきは、中性無電解銅めっきに限らず、例えば、無電解銅めっき浴がホルムアルデヒドを還元剤とする強アルカリ性のめっき浴を用いる無電解銅めっきであってもよい。
・ 無電解めっきは、無電解銅めっきに限らない。例えば、無電解金めっきや無電解銀めっきであってもよい。しかし、無電解金めっきや無電解銀めっきでは無電解銅めっきに比べてコストが高くなる。
・ 配線パターン16,23を構成する金属被膜は、異なる金属層が積層された構成であってもよい。例えば、Ni層とCu層の積層構造としてもよい。Ni層はCuめっきの下地層として優れているため、Cu層はNi層の上に形成するのが好ましい。また、配線パターン16,23の表面にAu層を形成して、Cu層/Au層の2層構造やNi層/Cu層/Au層の3層構造としてもよい。配線パターン16,23の表面に金めっき層が形成されている場合は、表面に金めっき層が存在しない場合に比べて、配線パターン16,23の導電性及び耐酸化性を向上させることができる。
・ 基板11としてガラス基板を使用する場合、表面処理工程において紫外線照射に代えて、基板をアルカリ水溶液に浸漬してもよい。
11…基板、12…触媒液、13…液体噴射ヘッド、15…触媒層、16,23…導電パターンとしての配線パターン。

Claims (6)

  1. 基板上の導電パターンを形成すべき領域に、めっき触媒を担持したカップリング剤を含む触媒液を液体噴射ヘッドから吐出する触媒液吐出工程と、
    前記めっき触媒を担持した状態で前記基板上に付着した前記カップリング剤を非酸化雰囲気で焼成して触媒層を形成する触媒層形成工程と、
    前記触媒層上に無電解めっきで導電パターンを形成する無電解めっき工程と
    を備えることを特徴とする基板上への導電パターンの形成方法。
  2. 前記めっき触媒はパラジウムであり、前記カップリング剤はシランカップリング剤である請求項1に記載の基板上への導電パターンの形成方法。
  3. 前記非酸化雰囲気は還元雰囲気である請求項1又は請求項2に記載の基板上への導電パターンの形成方法。
  4. 前記無電解めっきは中性無電解銅めっきである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の基板上への導電パターンの形成方法。
  5. 前記触媒液吐出工程の前工程として少なくとも前記触媒液を吐出すべき領域に前記カップリング剤との親和性を高める表面処理を行う表面処理工程を備えている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の基板上への導電パターンの形成方法。
  6. 前記触媒液は前記カップリング剤が有機溶媒に分散されており、前記触媒層形成工程における焼成温度は、前記有機溶媒の沸点以上である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の基板上への導電パターンの形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021103514A (ja) * 2019-12-24 2021-07-15 ティーピーケイ アドバンスド ソリューションズ インコーポレーテッドTpk Advanced Solutions Inc タッチパネル及びその形成方法

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