JP2011133883A - 画像形成装置、像担持体の駆動制御方法及びこの方法を実行するためのプログラム - Google Patents

画像形成装置、像担持体の駆動制御方法及びこの方法を実行するためのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】従来の制御方法では高い精度でキャンセルすることができなかった衝撃による像担持体のトルク変動でも、消費エネルギーの増大を抑えつつ、高い精度でキャンセルすることを課題とする。
【解決手段】中間転写体6への駆動伝達経路上に設けられる駆動伝達部材の中でその駆動伝達系に最も影響の大きいバネ特性である、最も弱いバネ特性を付与する歯車減速機構204,205よりも中間転写体側の駆動伝達経路上に存在する二次転写対向ローラ9に制動装置209を設け、転写紙の転写ニップ進入時に変動した中間転写体の駆動負荷トルク変動量(外乱)τrを推定するための推定用パラメータIm(i−1),ωm(i−1),ωr(i−1)を連続的にサンプリングして外乱τrを推定し、推定した外乱τrを打ち消すように制動装置209が付与する制動力を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、イオノグラフィー、磁気記録方式等の画像形成方式を採用した複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置、像担持体の駆動制御方法、及び、この駆動制御方法を実行するためのプログラムに関するものである。
この種の画像形成装置としては、感光体や中間転写体等の像担持体と転写部材とで転写ニップを形成し、像担持体上の可視像を転写ニップで用紙等の記録材上に転写するものが広く知られている。このような画像形成装置においては、記録材が転写ニップに進入する際の衝撃により、像担持体に対して瞬間的に大きな負荷トルクが生じる。これにより、像担持体の表面移動速度に変動が生じ、画像劣化が生じる。
このような記録材の転写ニップ進入時の衝撃による画質劣化を抑制し得る画像形成装置としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されたものが知られている。
特許文献1や特許文献2に記載された画像形成装置では、像担持体の駆動源に対して制動力を付与する制動装置を設け、記録材が転写ニップに進入する前から予め記録材進入時に発生する負荷相当の制動力(駆動負荷トルク)を像担持体に対して加えておく。また、記録材の転写ニップ進入時に生じる像担持体のトルク変動を実験やシミュレーション等により予め計測し、そのトルク変動プロファイル(トルク変動の波形)を保持しておく。そして、記録材が転写ニップへ進入するタイミングに合わせて、制動装置が付与している制動力を当該トルク変動プロファイルに従って減少もしくは除去することにより、像担持体の表面移動速度の変動を抑制する。
ところが、駆動源に予め制動力(駆動負荷トルク)を与えておき、記録材の転写ニップ進入時にその制動力を減少もしくは除去して、像担持体の表面移動速度の変動を抑制しようとする従来の画像形成装置には、次のような問題があった。
従来、記録材の転写ニップ進入時に生じる像担持体のトルク変動は、その記録材が同様のもの(例えば記録材の厚みが同じもの)であれば、そのトルク変動プロファイルは実質的に同じものとして取り扱うことができると考えられていた。そのため、従来の画像形成装置では、上述したとおり、画像形成に使用されることが予定される種類の記録材について転写ニップ進入時のトルク変動プロファイルを計測しておき、記録材の転写ニップ進入タイミングに合わせて、このトルク変動プロファイルに基づくトルク変動をキャンセルするように制動装置を制御していた。このような制御であっても、トルク変動プロファイルの計測条件と同じ条件下で、その計測に係る記録材と同じ種類の記録材に対して画像形成を行う場合には、記録材の転写ニップ進入時における像担持体のトルク変動を高い精度でキャンセルすることが可能である。
しかしながら、現実には、どのような種類の記録材が使用されるかは画像形成装置のユーザーによって異なるし、どのような環境下あるいは状況下で画像形成が行われるかも画像形成装置のユーザーによって異なる。そのため、実際の画像形成時における記録材転写ニップ進入時のトルク変動プロファイルは、予め計測しておいたトルク変動プロファイルとは一致しない場合が多い。特に、記録材転写ニップ進入時のトルク変動プロファイルは、記録材の厚さや材質が同じ記録材であっても、湿度の違い、転写ニップへ進入する際の記録材のスキューやカールの度合いの違い、記録材の目の向きの違い、記録材搬送方向における記録材の長さの違いなど、多種多様な要因によって変わってくる。そのため、実際の画像形成時に発生することが想定されるあらゆるトルク変動プロファイルを予め準備しておくことは、現実的には不可能である。また、仮に実際の画像形成時に発生することが想定されるあらゆるトルク変動プロファイルを予め準備しておくことができたとしても、準備した多数のトルク変動プロファイルの中から個々の画像形成ごとに最適なプロファイルを選択することは極めて困難である。
以上のとおり、予め準備しておいたトルク変動プロファイルに基づいて記録材の転写ニップ進入時の駆動源のトルク変動をキャンセルしようとする従来の画像形成装置では、多種多様な要因により画像形成ごとに異なってくる実際のトルク変動プロファイルのすべてに対応することはできない。よって、従来の画像形成装置では、像担持体のトルク変動を十分な精度でキャンセルすることができず、像担持体の表面移動速度の変動を抑制できない場合が多い。
また、従来の画像形成装置では、予め計測しておいたトルク変動プロファイルに基づく制動制御により像担持体のトルク変動をキャンセルするために、当該トルク変動プロファイルの位相と実際の記録材転写ニップ進入時のトルク変動プロファイルの位相とを互いに一致させることが必要となる。そのためには、実際に記録材が転写ニップへ進入するタイミングを高い精度で検知することが必要である。記録材が転写ニップへ進入するタイミングは、同じ種類の記録材であっても画像形成ごとに誤差が生じるため、通常は何らかのセンサを用いて記録材が転写ニップへ進入するタイミングを把握することになる。ここで、転写ニップへ進入する時の記録材の先端位置を直接検知することは困難であることから、一般には転写ニップへ進入する一定時間前の記録材の先端位置をセンサで検知することになる。そのため、記録材の搬送速度が目標の搬送速度からズレていると、センサの検知結果から把握される記録材の転写ニップ進入タイミングに誤差が生じる。また、センサ自身の検出誤差やセンサの組み付け誤差などによっても、センサの検知結果から把握される記録材の転写ニップ進入タイミングに誤差が生じる。このような誤差が原因で、実際には、記録材が転写ニップへ進入するタイミングを高い精度で検知することは困難である。そのため、記録材が転写ニップへ進入するタイミングを高い精度で検知することが必要となる従来の画像形成装置では、像担持体のトルク変動を十分な精度でキャンセルすることができず、像担持体の表面移動速度の変動を抑制できない場合が多い。
また、従来の画像形成装置のように、トルク変動プロファイルを予め計測しておき、そのトルク変動プロファイルに基づいて制動制御を行って像担持体のトルク変動をキャンセルしようとする制御方法では、そもそも、発生を予測し得ない又は高い精度で予測できない衝撃による像担持体のトルク変動に対して、これをキャンセルすることが不可能である。また、発生が高い精度で予測できるような衝撃であっても、その衝撃による像担持体のトルク変動プロファイルが一定しない場合には、これを高い精度でキャンセルすることは不可能である。
本発明は、以上の背景鑑みなされたものであり、その目的とするところは、発生を予測し得ない若しくは高い精度で予測できない衝撃、又は、トルク変動プロファイルが一定しない衝撃など、従来の制御方法では高い精度でキャンセルすることができなかった衝撃による像担持体のトルク変動でも、高い精度でキャンセルすることが可能な画像形成装置、像担持体の駆動制御方法、及び、この駆動制御方法を実行するためのプログラムを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体と、該像担持体を駆動させる駆動力を発生させる駆動源と、該駆動源で発生した駆動力を該像担持体へ伝達する駆動伝達手段と、該駆動源または、像担持体が目標の駆動角速度もしくは速度で駆動するように該駆動源を制御する駆動制御手段と、該駆動伝達手段から伝達される駆動力によって表面移動する像担持体の表面上に画像を作像する作像手段と、該像担持体の表面との間で転写ニップを形成する転写部材とを有し、該像担持体の表面上に作像された画像を該転写ニップに進入してくる記録材上に転写することで、記録材上に画像を形成する画像形成装置において、上記駆動源から上記像担持体への駆動伝達経路上に設けられる駆動伝達部材の中でその駆動伝達系に最も弱いバネ特性を付与する特定駆動伝達部材よりも像担持体側の駆動伝達経路上に存在する駆動伝達部材又は該像担持体それ自体に制動力を付与する制動手段と、像担持体の駆動負荷トルク変動量を推定するための推定用パラメータを検知する検知手段と、該検知手段で検知される推定用パラメータを所定のサンプリング間隔で連続的にサンプリングし、サンプリングした推定用パラメータに基づいて上記駆動負荷トルク変動量を推定するトルク変動量推定手段と、該トルク変動量推定手段により推定された駆動負荷トルク変動量を打ち消すように、上記制動手段が付与する制動力を制御する制動力制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記制動力の制御は、少なくとも記録材の転写ニップ進入時を含む期間内に行うことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記制動手段は、上記像担持体の表面移動と連動しながら回転する回転部材に回転負荷を加えるものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記制動力制御手段は、像担持体に発生し得る最大の駆動負荷トルクよりも大きい定常駆動負荷トルクと、上記トルク変動量推定手段により推定された駆動負荷トルク変動量とを加算もしくは減算し、その算出結果を上記制動手段の制御量に変換して、当該制御量で該制動手段を制御することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記検知手段は、上記駆動源の駆動角速度を決定するために該駆動源へ入力される駆動入力値と、該駆動源の駆動角速度と、上記像担持体の表面移動速度又はこれを検出するための回転体の角速度とを、上記推定用パラメータとして検知するものであり、上記トルク変動量推定手段は、上記特定駆動伝達部材を境に上記駆動源側と上記像担持体側とをそれぞれ1つの慣性系とし、かつ、これらの慣性系を該特定駆動伝達部材を含むねじりばね部で連結した2慣性系の解析モデルを用いて、上記駆動負荷トルク変動量を推定する外乱推定器で構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、像担持体と、該像担持体を駆動させる駆動力を発生させる駆動源と、該駆動源で発生した駆動力を該像担持体へ伝達する駆動伝達手段と、該駆動源または、像担持体が目標の駆動角速度もしくは速度で駆動するように該駆動源を制御する駆動制御手段と、該駆動伝達手段から伝達される駆動力によって表面移動する像担持体の表面上に画像を作像する作像手段と、該像担持体の表面との間で転写ニップを形成する転写部材とを有し、該像担持体の表面上に作像された画像を該転写ニップに進入してくる記録材上に転写することで、記録材上に画像を形成する画像形成装置が有する像担持体の駆動制御方法において、像担持体の駆動負荷トルク変動量を推定するための推定用パラメータを検知し、検知した推定用パラメータを所定のサンプリング間隔で連続的にサンプリングし、サンプリングした推定用パラメータに基づいて上記駆動負荷トルク変動量を推定し、推定した駆動負荷トルク変動量を打ち消すように、上記駆動源から上記像担持体への駆動伝達経路上に設けられる駆動伝達部材の中でその駆動伝達系に最も弱いバネ特性を付与する特定駆動伝達部材よりも像担持体側の駆動伝達経路上に存在する駆動伝達部材又は上記像担持体それ自体に、制動力を付与することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、像担持体と、該像担持体を駆動させる駆動力を発生させる駆動源と、該駆動源で発生した駆動力を該像担持体へ伝達する駆動伝達手段と、該駆動源または、像担持体が目標の駆動角速度もしくは速度で駆動するように該駆動源を制御する駆動制御手段と、該駆動伝達手段から伝達される駆動力によって表面移動する像担持体の表面上に画像を作像する作像手段と、該像担持体の表面との間で転写ニップを形成する転写部材とを有し、該像担持体の表面上に作像された画像を該転写ニップに進入してくる記録材上に転写することで、記録材上に画像を形成する画像形成装置のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、像担持体の駆動負荷トルク変動量を推定するための推定用パラメータを所定のサンプリング間隔で連続的にサンプリングし、サンプリングした推定用パラメータに基づいて該駆動負荷トルク変動量を推定するトルク変動量推定手段、及び、上記駆動源から上記像担持体への駆動伝達経路上に設けられる駆動伝達部材の中でその駆動伝達系に最も弱いバネ特性を付与する特定駆動伝達部材よりも像担持体側の駆動伝達経路上に存在する駆動伝達部材又は上記像担持体それ自体に制動力を付与する制動手段が付与する制動力を、上記トルク変動量推定手段により推定された駆動負荷トルク変動量を打ち消すように制御する制動力制御手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするものである。
本発明に至る過程において、本発明者らは、予め計測しておいたトルク変動プロファイルに基づく制動制御により像担持体のトルク変動をキャンセルするという従来の制御方法とは別の制御方法により、像担持体のトルク変動を高い精度で安定してキャンセルできる手法について検討し、次のような結論に達した。
図1は、後述する実施形態に係るプリンタにおける記録材転写ニップ進入時の中間転写ベルト(像担持体)に生じるトルク変動(太線のグラフ)を示すグラフである。
図示のグラフのように、像担持体のトルクは、記録材先端が転写ニップへ入り込む時に瞬間的な負荷の増大によって一時的に大きく落ち込む(駆動負荷トルクが増大する)。そして、記録材の先端が転写ニップへ入り込んだ後は、瞬間的に増大した負荷が解除されるため、像担持体のトルクは回復に向かう。このとき、図示のグラフのとおり、像担持体のトルクは、一時的に通常時のトルク値を大きく超えた後(オーバーシュート後)に通常時のトルク値に向かって減衰していく。
本発明者らの研究の結果、このようなオーバーシュートを含む大きい瞬間的なトルク変動を、駆動源に対するフィードバック制御によりキャンセルしようとしても、駆動源から像担持体への駆動伝達系にバネ特性が存在することが原因で、高い精度でキャンセルすることはできないことが判明した。
詳しく説明すると、駆動源から像担持体への駆動伝達経路上には、一般に、ギヤやタイミングベルトなど、駆動伝達系にバネ特性を付与する部材(特定駆動伝達部材)が存在する。このような特定駆動伝達部材が駆動伝達経路上に存在すると、駆動源に対するフィードバック制御の応答遅れが大きくなる。そのため、駆動源に対するフィードバック制御では、記録材転写ニップ進入時に生じるトルク変動のように短時間の大きなトルク変動を高い精度でキャンセルすることはできない。
具体例を挙げて説明すると、例えば、特定駆動伝達部材よりも駆動伝達経路上流側(駆動源側)の駆動情報(ここでは、一例として駆動源の出力軸の回転角速度とする。)に基づいて駆動源をフィードバック制御する場合を考える。この場合、記録材が転写ニップに進入した時に像担持体で生じるトルク変動は、特定駆動伝達部材を介して駆動源の出力軸に伝わり、これにより当該トルク変動が駆動源の出力軸の回転角速度変動に変換されて、駆動源の駆動制御にフィードバックされる。そのため、バネ特性を付与する特定駆動伝達部材の存在により、記録材の転写ニップ進入時における像担持体のトルク変動は、当該バネ特性によって決まる時間だけ遅れて駆動源の出力軸に伝わる。仮に、記録材の転写ニップ進入時における像担持体のトルク変動がこのような特定駆動伝達部材を介さずに駆動源の出力軸に伝わる構成であれば、駆動源に対するフィードバック制御の応答遅れは、フィードバック制御の単位サンプリング時間(サンプリング間隔)の遅れ分だけである。しかしながら、特定駆動伝達部材が介在すると、この単位サンプリング時間分の遅れに対し、更に当該バネ特性によって決まる遅れ時間分の遅れも、駆動源に対するフィードバック制御の応答遅れになる。
また、例えば、特定駆動伝達部材よりも駆動伝達経路下流側(像担持体側)の駆動情報(ここでは、一例として像担持体の表面移動の角速度情報とする。)に基づいて駆動源をフィードバック制御する場合を考える。この場合、記録材の転写ニップ進入時における像担持体のトルク変動が特定駆動伝達部材を介さずにフィードバックされる。しかしながら、この場合でも、フィードバック制御後の駆動源の駆動が像担持体へ伝達されるまでの駆動伝達経路上に、バネ特性を付与する特定駆動伝達部材が存在する。そのため、記録材の転写ニップ進入時における像担持体のトルク変動を、単位サンプリング時間分の遅れだけで迅速に駆動源に対してフィードバックできても、これが反映された駆動が像担持体へ伝達されるまでに、当該バネ特性によって決まる遅れ時間分だけ遅れが発生する。
以上のとおり、駆動伝達経路のいずれの箇所の駆動情報を用いて駆動源をフィードバック制御する場合でも、記録材の転写ニップ進入時における像担持体のトルク変動に対するフィードバック制御の対象が像担持体の駆動源である限り、そのフィードバック制御には、単位サンプリング時間分の応答遅れに加え、少なくとも当該特定駆動伝達部材により付与されるバネ特性に基づく遅れ時間分の応答遅れが発生してしまう。この応答遅れの時間は、記録材転写ニップ進入時に生じるトルク変動の時間に対して大きすぎるため、記録材転写ニップ進入時に生じるトルク変動を高い精度でキャンセルすることはできない。
以上の検討結果に基づき、本発明者らは研究を重ねた結果、記録材の転写ニップ進入時における像担持体のトルク変動に対するフィードバック制御の対象を、バネ特性を付与する特定駆動伝達部材よりも駆動伝達経路上流側で像担持体に制動力を付与する制動手段とすれば、単位サンプリング時間(サンプリング間隔)分の応答遅れが生じても、当該トルク変動を高い精度でキャンセルできるという知見を得た。このような制動手段が付与する制動力を実際に発生した像担持体のトルク変動に基づいてフィードバック制御するフィードバックループ内には、当該特定駆動伝達部材によるバネ特性が存在しない。したがって、このフィードバック制御において当該バネ特性による応答遅れは生じない。この場合でも、単位サンプリング時間(サンプリング間隔)分の応答遅れが生じるが、サンプリング間隔は現在の技術であれば記録材転写ニップ進入時に生じるトルク変動の時間に対して十分に短く設定することが可能であり、このトルク変動を高い精度でキャンセルできることが確認されている。
しかも、このように短いサンプリング間隔であるリアルタイムに近いフィードバック制御であれば、記録材の転写ニップ進入時に像担持体に加わる衝撃に限らず、発生を予測し得ない又は高い精度で予測できない衝撃であっても、あるいは、像担持体のトルク変動プロファイルが一定しないような衝撃であっても、その衝撃による像担持体のトルク変動をキャンセルすることができる。
本発明においては、特定駆動伝達部材よりも駆動伝達経路下流側(像担持体側)の駆動伝達経路上に存在する駆動伝達部材又は像担持体それ自体に制動力を付与する制動手段を設け、この制動手段を像担持体に実際に生じたトルク変動に基づいてフィードバック制御する。よって、サンプリング間隔を現状でも十分に設定可能な短い時間とすることで、そのサンプリング期間中に発生した衝撃による像担持体のトルク変動を高い精度でキャンセルできる。特に、記録材の転写ニップ進入時がサンプリング期間中に含まれるようにサンプリング期間を設定すれば、どのような記録材の種類、どのような使用環境下あるいは使用状況下であっても、記録材の転写ニップ進入時による衝撃で発生する像担持体のトルク変動も高い精度でキャンセルできる。
ただし、像担持体のトルク変動は、直接的に検知することができないパラメータである。そこで、本発明では、像担持体の駆動負荷トルク変動量を推定するために必要な推定用パラメータを検知し、その推定用パラメータに基づいて駆動負荷トルク変動量を推定するようにしている。この推定は、公知の外乱推定器などを利用することで実現できる。
以上より、本発明によれば、発生を予測し得ない若しくは高い精度で予測できない衝撃、又は、トルク変動プロファイルが一定しない衝撃など、従来の制御方法では高い精度でキャンセルすることができなかった衝撃による像担持体のトルク変動でも、高い精度でキャンセルすることができる。
実施形態1におけるプリンタにおいて転写紙の転写ニップ進入時の衝撃による中間転写ベルトのトルク変動(太線)と、制御装置による中間転写ベルトのトルク変動(細線)とを示すグラフである。 同プリンタの画像形成部を示す概略構成図である。 同プリンタの中間転写ベルトの駆動制御に関わる構成を示す説明図である。 同プリンタの制御装置による中間転写ベルトの駆動制御系を説明するためのハードウェアブロック図である。 モータ角速度検出用エンコーダからのエンコーダ出力と基準クロックとを示す説明図である。 モータ角速度を検出するためにマイクロプロセッサが実行する割り込みルーチンを示すフローチャートである。 同中間転写ベルトの駆動制御系を示す2慣性系の解析モデルを説明するための説明図である。 同解析モデルにおける制動制御量設定部の制御ブロック図である。 同制御装置による制動装置の制動制御を行った場合(細線)と行わない場合(太線)とを比較した、中間転写ベルトの速度変動のグラフである。 実施形態2におけるプリンタの中間転写ベルトの駆動制御に関わる構成を示す説明図である。 同プリンタの制御装置による中間転写ベルトの駆動制御系を説明するためのハードウェアブロック図である。 同中間転写ベルトの駆動制御系を示す2慣性系の解析モデルを説明するための説明図である。 実施形態3におけるプリンタの中間転写ベルトの駆動制御に関わる構成を示す説明図である。 実施形態4に係るプリンタの概略構成図である。 同プリンタの中間転写ドラムの駆動制御に関わる構成を示す説明図である。 同プリンタの制御装置による中間転写ドラムの駆動制御系を説明するためのハードウェアブロック図である。 実施形態5の制御系の概要を示す説明図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明を、画像形成装置としての複写機に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
図2は、実施形態1に係る複写機の画像形成部を示す概略構成図である。この複写機は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の色ごとに潜像担持体としての感光体を個別に備えたタンデム型の画像形成装置である。図中には、各色に対応する部材にはその符号にY、C、M、Kの色分け符号を添え字してあるが、各色の部材は互いに実質的には同一構成であるため、文中では色分け符号を省略する。
感光体1は、帯電装置2により、表面が一様な電位となるように帯電され、露光部にて、形成する画像情報に基づき画像部/非画像部とを分けて、書き込み露光3が行われることで、表面に静電潜像が形成される。感光体表面上の静電潜像の画像部には、現像装置4による現像処理によってトナーが付着し、トナー像(画像)が形成される。トナー像はその後、一次転写部で、一次転写ローラ5に印加したバイアスの作用により、像担持体としての中間転写ベルト6に転写される。
各感光体1は、中間転写ベルト6の表面移動経路上に、中間転写ベルトに接して並んでおり、各感光体上に形成されたトナー像は、各一次転写部で、順番に位置を合わせるようにして、中間転写ベルトに転写される。中間転写ベルトは駆動ローラ7を含む複数のローラに張架され駆動されている。駆動ローラは後述する駆動源である駆動モータにより回転駆動されている。
中間転写ベルト上に形成されたフルカラーのトナー像は、二次転写部で搬送経路21を図2に示す矢印の方向に搬送される記録材としての転写紙上に転写される。転写紙は、画像形成装置の給紙部より搬送されてきて、レジストローラ対8にて先端位置を調整されて、二次転写部へ送られる。二次転写部では、中間転写ベルトの外側に配置された二次転写ローラ10と、ベルトの内側の二次転写対向ローラ9とで転写ニップが形成され、その転写ニップ内に電界を形成して転写紙にトナー像を転写する。二次転写ローラ10の軸は、加圧バネ14の加圧力によって、二次転写ローラが二次転写対向ローラに対して加圧される方向に付勢されている。二次転写ローラ10は、中間転写ベルト方向に加圧され、中間転写ベルト6または転写紙に接触しながら回転する。トナー像が転写された転写紙は、定着装置11を通過し、加熱、加圧により、トナー像が転写紙上に定着される。
このような画像形成工程においては、感光体1、中間転写ベルト6が一定の速度で駆動されていることが重要である。感光体に速度変動があると、画像が伸び縮みするために、速度変動が微小であっても一定の画像濃度であるべき部分に濃淡が生じる。また、感光体速度が一定に維持されていても、中間転写ベルトの速度に変動がある場合には、一次転写部分で、感光体との間で速度差が生じることから、同様に、画像の伸び縮み、濃淡が生じてしまう。特に、二次転写部の転写ニップに転写紙の先端が侵入するときの衝撃により中間転写ベルト6に瞬間的な負荷が生じ、中間転写ベルト6に速度変動が生じると、画質が大きく劣化する。以下、二次転写部の転写ニップに転写紙の先端が侵入するときの衝撃による画質劣化を抑制する方法について説明する。
図3は、本実施形態1における中間転写ベルト6の駆動制御に関わる構成を示す説明図である。
本実施形態1では、駆動ローラ7および従動ローラ9,201,202に掛け渡されている無端状のベルトからなる像担持体である中間転写ベルト6を等速駆動するように、駆動源であるDCモータ203および制動手段としての制動装置209を制御する。なお、図3に示しているように、駆動ローラ7、従動ローラ9,201は同一の径で構成されている。DCモータ203の回転トルク(駆動力)は、2つの歯車204,205からなる歯車減速機構から駆動ローラ7の回転軸206に伝達され、これにより駆動ローラ7が回転駆動して中間転写ベルト6が表面移動する。DCモータ203に対するフィードバック制御(モータ定速制御)は、DCモータ出力軸に配置されたモータ角速度検出用エンコーダ207の出力に基づき、駆動制御手段としての制御装置200にて行われる。
また、中間転写ベルト6を支持する従動ローラ201の回転軸には、図示しないカップリングを介した従動ローラ角速度検出用エンコーダ208が取り付けられている。
また、中間転写ベルト6の他の従動ローラである二次転写対向ローラ9には、図示しない剛性の高いジョイントで、制動手段としての制動装置209が取り付けられている。この制動装置209は、二次転写対向ローラ9に与える制動力の大きさが制御装置200により制御できるものであり、例えば入力電圧に応じて制動力を変更できるパウダーブレーキを利用することができる。
なお、制動装置209としては、中間転写ベルト6に対して制動力(駆動負荷トルク)を付与するものであって、その制動力の大きさを制御装置200により多段階で制御できるものであれば、どのようなものであってもよい。
ただし、制動装置209は、DCモータ203から中間転写ベルト6への駆動伝達経路上に設けられる駆動伝達部材の中でその駆動伝達系に最も影響の大きいバネ特性である、最も弱いバネ特性を付与する特定駆動伝達部材である歯車減速機構204,205よりも下流側(中間転写ベルト側)の駆動伝達経路上に存在する駆動伝達部材又は中間転写ベルトそれ自体に制動力を付与するものとする。したがって、制動装置209は、二次転写対向ローラ9でなくても、中間転写ベルト6を支持する他の支持ローラ7,201,202に設けてもよいし、中間転写ベルト6の外周面又は内周面に当接する他の部材を介して中間転写ベルト6に制動力を付与するものであってもよい。なお、転写紙の転写ニップ進入時に発生する衝撃の発生箇所である二次転写部になるべく近い箇所に制動装置209による制動力を付与する方が、その衝撃による中間転写ベルト6のトルク変動をキャンセルする上で効果的である。よって、本実施形態1のように、二次転写対向ローラ9を介して中間転写ベルト6に制動力を付与する構成が好ましい。
図4は、本実施形態1における制御装置200による中間転写ベルト6の駆動制御系を説明するためのハードウェアブロック図である。
本実施形態1における中間転写ベルト6の駆動制御系は、2つのフィードバック制御系に大別できる。第1のフィードバック制御系は、モータ角速度検出用エンコーダ207の出力信号に基づいて中間転写ベルト6の駆動源であるDCモータ203の角速度(以下「モータ角速度」という。)をフィードバック制御するモータ定速制御系である。第2のフィードバック制御系は、推定用パラメータであるDCモータ203の駆動電流(駆動入力値)と、推定用パラメータであるモータ角速度と、推定用パラメータである中間転写ベルト6の従動ローラ角速度(以下「従動ローラ角速度」という。)と、後述する解析モデルとから、トルク変動量推定手段としての後述する制動制御量設定部により、中間転写ベルト6に加わる負荷トルク変動量を推定し、その推定結果に基づいて制動装置209をフィードバック制御する制動制御系である。
本実施形態1における中間転写ベルト6の駆動制御系は、マイクロコンピュータ21、バス22、モータ駆動用インターフェイス装置24、DCモータを駆動させるモータ駆動装置25、検知手段としてのモータ駆動電流検出装置301、検知手段としてのモータ角速度検出用エンコーダ207、検知手段としての従動ローラ角速度検出用エンコーダ208、これらの検出用インターフェイス装置302,303,304、制動制御用インターフェイス装置305などから構成されている。マイクロコンピュータ21は、マイクロプロセッサ21a、リードオンリメモリ(ROM)21b、ランダムアクセスメモリ(RAM)21c等で構成されている。これらのマイクロプロセッサ21a、リードオンリメモリ(ROM)21b、ランダムアクセスメモリ(RAM)21c等はそれぞれバス22を介して接続されている。
DCモータ203の出力軸に取り付けられたモータ角速度検出用エンコーダ207は、制御装置200のモータ角速度検出用インターフェイス装置303に接続されている。このモータ角速度検出用インターフェイス装置303は、モータ角速度検出用エンコーダ207の出力を処理してデジタル値に変換するものである。詳しくは、モータ角速度検出用エンコーダ207から出力されるパルス数を計数するカウンタを備え、このパルス数に対応するモータ角速度を示すデジタル値を、バス22を介してマイクロコンピュータ21に送る。
モータ駆動用インターフェイス装置24は、マイクロコンピュータ21によるDCモータ駆動制御入力演算結果を示すデジタル値に基づいて、モータ駆動装置25を構成するパワー半導体(例えばトランジスタ)を動作させるパルス状の駆動信号(駆動電圧)を生成する。DCモータ203は、パルス状の駆動電圧が印加されることで、これに応じた角速度で駆動する。DCモータ203に流れる駆動電流は、例えば電流プローブ等で構成されるモータ駆動電流検出装置301により検出される。検出された電流値は、A/D変換装置等で構成されているモータ駆動電流検出用インターフェイス装置302を介してマイクロコンピュータ21に取り込まれる。
従動ローラ角速度検出用エンコーダ208は、上述したように、中間転写ベルト6を支持する従動ローラ201の回転軸に取り付けられており、制御装置200の従動ローラ角速度検出用インターフェイス装置304に接続されている。この従動ローラ角速度検出用インターフェイス装置304は、上述したモータ角速度検出用インターフェイス装置303と同様の構成であり、従動ローラ角速度検出用エンコーダ208の出力を処理してデジタル値に変換するものである。詳しくは、従動ローラ角速度検出用エンコーダ208から出力されるパルス数を計数するカウンタを備え、このパルス数に対応する従動ローラ201の角速度を示すデジタル値を、バス22を介してマイクロコンピュータ21に送る。
本実施形態1において、マイクロコンピュータ21は、中間転写ベルト6の駆動制御系の解析モデルとして、駆動伝達系に最大の影響を与えるバネ特性を付与する特定駆動伝達部材としての歯車減速機構204,205を境にDCモータ側と中間転写ベルト側とをそれぞれ1つの慣性系とし、DCモータ側の慣性系を示すモータ部と中間転写ベルト側の慣性系を示す転写ユニット部とを、歯車減速機構204,205を含むねじりばね部で連結した2慣性系の解析モデルを用いて、中間転写ベルト6に生じる駆動負荷トルクの変動量をリアルタイムで(厳密には単位サンプリング時間分だけ遅れて)算出する。詳しくは、この解析モデルに基づき、マイクロコンピュータ21は後述の外乱推定器として機能して、モータ駆動電流検出装置301で検出されるDCモータ203の駆動電流、モータ角速度検出用エンコーダ207で検出されるモータ角速度、従動ローラ角速度検出用エンコーダ208で検出される従動ローラ角速度から、中間転写ベルト6に生じている負荷トルク変動をリアルタイムで推定する。そして、この推定結果を基に、その推定に係るトルク変動プロファイルをキャンセルする制動装置209の制御量を決定し、その制御量を制動制御用インターフェイス装置305を介して制動装置209に与える。これにより、その制御量に従って制動装置209が二次転写対向ローラ9に与えている制動力(駆動負荷トルク)を変動させる結果、中間転写ベルト6に生じる負荷トルク変動がキャンセルされる。その結果、転写紙が二次転写部の転写ニップに進入する時の衝撃が中間転写ベルト6に加わっても、中間転写ベルト6のベルト速度は変動せずに一定速度を保つことができる。
ここで、角速度を検出する方法、すなわち、モータ角速度検出用エンコーダ207の出力を処理するモータ角速度検出用インターフェイス装置303と、従動ローラ角速度検出用エンコーダ208の出力を処理する従動ローラ角速度検出用インターフェイス装置304の処理方法について説明する。これらの検出用インターフェイス装置303,304の機能は互いに同じなので、以下、モータ角速度検出用インターフェイス装置303を例に挙げて説明する。
図5は、モータ角速度検出用エンコーダ207からのエンコーダ出力と基準クロックCLKとを示す説明図である。
図6は、モータ角速度を検出するためにマイクロプロセッサ21aが実行する割り込みルーチンを示すフローチャートである。
モータ角速度検出用インターフェイス装置303は、その出力がマイクロプロセッサ21aの割り込みに接続されており、また、基準クロックCLKをカウントするタイマーを備えている。図5において、エンコーダ出力パルスのエッジE1が到達する直前の状態から説明する。モータ角速度検出用インターフェイス装置303に設けられるカウンタ(例えば16進カウンタ)は、エンコーダ出力パルスを基準クロックCLKをもとに、与えられたカウント値(例えば0FFFFH)からデクリメントカウント処理を実行する。エッジE1がマイクロプロセッサ21aの割り込みへ到達すると、図6に示す割り込みルーチンが実行される。割り込みルーチンが開始されると、カウンタのデクリメントカウント値が、モータ角速度検出用インターフェイス装置303の内蔵レジスタにラッチされる(P1)。次に、ラッチされたデクリメントカウント値を、図4に示したRAM21cへ格納する(P2)。そして、Tnのパルス周期をカウントするためのカウント初期値(0FFFFH)を与え、再度デクリメントカウントを開始し(P3)、割り込みの処理を終了する。そして、次のエッジE2を検出したら、再びP1〜P3の処理を繰り返す。
パルスTnにおける速度V(i)は、次の式(1)から求められる。
V(i) = k/(Tclk×Ne×n) ・・・(1)
ここで、「Tclk」は基準クロックCLKの周期であり、「Ne」は単位角度当たりのエンコーダ分割数である。また、「n」、は基準クロックCLKのカウント数であり、本実施形態1では、(0FFFFH)−(デクリメントカウント数)に相当する。「k」は、速度への単位換算定数である。
図7は、本実施形態1における中間転写ベルト6の駆動制御系を示す2慣性系の解析モデルを説明するための説明図である。
上述したとおり、本実施形態1における中間転写ベルトの駆動制御系は、モータ部と転写ユニット部とからなる2つの慣性系の間の軸部にジョイント部を想定した2慣性系モデルとして考えることができる。特に、本実施形態1において転写ユニット部を1つの慣性系として考えられる理由は、中間転写ベルト6の剛性が高く(弾性が低く)、かつ、中間転写ベルト6に加えるテンションが強いことから、中間転写ベルト6の表面移動とこれを支持する各支持ローラ7,9,201,202の回転はすべりのない剛体と考えてよいためである。また、ジョイント部の軸回りのねじりばね特性及び粘性特性を1次共振要素として考慮する。また、中間転写ベルト6の駆動ローラ7の回転軸回りの粘性係数及びDCモータの出力軸回りの粘性係数をそれぞれの慣性系での減衰特性として考慮する。そして、このジョイント部は、実際に物理的に存在しない仮想的な一体軸のようなものを想定し、慣性のない、つまり、慣性モーメントを有さないものとして取り扱う。
次に、図7に示す解析モデルにおける各パラメータを決定する方法の一例について説明する。
まず、中間転写ベルト6の駆動制御系を設計するにあたって、図3で示すような中間転写ベルト6の駆動機構の試作機を作成し、実験において、その駆動制御系がフィードバック制御する対象となる入力をDCモータ203に入力される駆動電流とし、出力を中間転写ベルト6の駆動ローラ7の角速度までとする制御要素の周波数応答を測定する。
次に、この入出力モデルの伝達関数を特定する。図7に示す解析モデルのパラメータのうち、モータ部の粘性係数Dm、モータ部の定常負荷Xm、転写ユニット部の粘性係数Dr、転写ユニット部の定常負荷Xr以外は、設計値から容易に算出可能である。したがって、前記4つのパラメータの算出方法の一例についてのみ以下説明する。
モータ部の粘性係数Dm及びモータ部の定常負荷Xmを算出する場合、まず、試作機などにおいて、モータ部単体で以下の実験を行う。
一定電流でモータを駆動させた際のDCモータ203の駆動電流とモータ角速度を電流計及びタコジェネレータ等で実際に計測し、DCモータ203の駆動電流及びモータ角速度の時系列データを得る。モータ角速度の時系列データから、モータ部の機械的時定数を用いてモータ部の粘性係数Dmを算出し、回転運動の運動方程式よりモータ部の定常負荷Xmを算出する。つまり、モータ部に関しては、ギヤの慣性をもモータ軸に含めて考えて1つの慣性系(慣性モーメントは1つ)とみなし、モータ部の粘性係数Dmを1次遅れ要素と考えると、入力を駆動電流、出力をモータ角速度としたときの伝達関数Gm(s)及び時定数Taは、それぞれ、下記の式(2)及び式(3)に示すとおりである。ただし、下記の式において、「K」は1次遅れ系の比例定数であり、「s」はラプラス演算子であり、「Jm」はモータ部の慣性モーメントである。
Gm(s) = K/(Ta×s+1) ・・・(2)
Ta = Jm/Dm ・・・(3)
DCモータ203の回転を開始して時間Taを経過した時のモータ角速度は、その定常値(モータ回転開始から時間が十分に経った時のモータ角速度)の約63.2%に達することから逆算して、上述したモータ角速度の時系列データよりモータ部の機械的時定数Taを求め、既知のモータ部の慣性モーメントJmを代入して、モータ部の粘性係数Dmを算出する。そして、モータ部に関する回転運動の運動方程式より、モータ角速度の時系列データの最終値部分(定常値)のモータ角速度ωmを用いて慣性項を除くと、下記の式(4)が得られ、この式からモータ部の粘性係数Dmを求めることができる。ただし、下記の式において、「Ke」はDCモータ203のトルク定数であり、「j」はDCモータの駆動電流である。
Ke×j = Dm×ωm+Xm ・・・(4)
次に、転写ユニット部の粘性係数Dr及び転写ユニット部の定常負荷Xrを算出する場合は、例えば図3に示したような中間転写ユニット全体を用い、以下の実験を行う。
転写ユニット部の粘性係数Dr及び転写ユニット部の定常負荷Xrを算出する場合、一定電流でモータを駆動させた際のDCモータ203の駆動電流とモータ角速度並びに駆動ローラ7の角速度を、それぞれ電流計、タコジェネレータ、エンコーダ等で実際に計測し、駆動ローラ7の角速度の時系列データを得る。そして、モータ部の場合と同様、機械的時定数を用いて転写ユニット部の粘性係数Drを算出し、回転運動の運動方程式より転写ユニット部の定常負荷Xrを算出する。つまり、モータ部と転写ユニット部で2慣性系とみなし、モータ部の粘性係数Dm及び転写ユニット部の粘性係数Drを各慣性系での1次遅れ要素と考えると、入力をDCモータの駆動電流、出力を駆動ローラ7の角速度としたときの伝達関数Gr(s)及び時定数(モータ部+転写ユニット部の機械的時定数)Tbは、それぞれ、下記の式(5)及び(6)に示すとおりである。ただし、下記の式において、「Jr」は転写ユニット部の慣性モーメントであり、nは減速比である。
Gr(s) = K/(Tb×s+1) ・・・(5)
Tb = (n2×Jm+Jr)/(n2×Dm+Dr) ・・・(6)
上述したモータ部の時定数Taの場合と同様に、駆動ローラ7の角速度の時系列データより時定数Tbを求め、既知の慣性モーメントJm,Jrと既に算出済みのモータ部の粘性係数Dmを用いて、転写ユニット部の粘性係数Drを算出する。そして、モータ部の場合ど同様、転写ユニット部に関する回転運動の運動方程式より、駆動ローラ7の角速度の時系列データの最終値部分(定常値)の駆動ローラ7の角速度ωrを用いて慣性項を除くと、下記の式(7)が得られ、この式から転写ユニット部の定常負荷Xrを求めることができる。
Ke×j = Dm×ωm+Xm+(Dr×ωr+Xr)/n ・・・(7)
実験においてDCモータ203に入力される駆動電流から駆動ローラ7の角速度もしくは角変位までの伝達関数を求める。DCモータ203が決定されれば、モータ部のトルク定数Keが求まるので、DCモータ203のトルク定数KeをDCモータ203に入力した駆動電流値に乗じることにより、DCモータ203のトルクから駆動ローラ7の角速度もしくは角変位までの伝達関数が簡単に求められる。
次に、図7に示す解析モデルにおけるジョイント部のねじりばね定数の算出について説明する。
ジョイント部のねじりばね定数Ksは、ジョイント部の粘性係数Dsを無視した状態で求める。2慣性系の場合、ジョイント部の粘性係数Dsを無視すれば、1次共振周波数fは、次の式(8)で求められる。
f = {Ks×(Jm+Jr)/(Jm×Jr)}1/2/2π ・・・(8)
この式(8)の左辺をジョイント部のねじりばね定数Ksに変換すると、次の式(9)が得られる。
Ks = (2π×f)2×(Jm×Jr)/(Jm+Jr) ・・・(9)
したがって、実験により1次共振周波数fを求め、この式(9)に既知のモータ部の慣性モーメントJm及び転写ユニット部の慣性モーメントJrを代入することで、ジョイント部のねじりばね定数Ksを算出することができる。なお、1次共振周波数fは、周波数応答実測結果のゲイン線図のピーク値のうち最も低い周波数として求められる。
このようにして、ねじりばね定数Ksが得られたら、次に、実測した1次共振の減衰特性と解析モデルによる1次共振の減衰特性とが略一致するように、ジョイント部の粘性係数Dsを決定する。1次共振の減衰特性とジョイント部の粘性係数Dsは1対1に対応している。よって、ジョイント部の粘性係数Dsを変えることで、1次共振の減衰特性も変わるため、ジョイント部の粘性係数Dsの値を変えてシミュレーションを行い、1次共振周波数付近の周波数について周波数応答実測結果と比較することで、ジョイント部の粘性係数Dsを決定することができる。
また、図7に示す解析モデルのモータ制御部について説明する。
図7において、モータ角速度検出用エンコーダ207の出力パルス信号を処理するモータ角速度検出用インターフェイス装置303から出力されるモータ角速度ωm(i−1)は、演算部(減算器)701に与えられる。この演算部701は、制御目標値(以下「目標モータ角速度」という。)Ref(i)と、DCモータ203のモータ角速度ωm(i−1)との差e(i)を算出する。この差e(i)は、制御コントローラ部702に入力される。制御コントローラ部702は、例えばP制御系で構成される。演算部701で算出されたe(i)は、比例定数Kpが乗じられてDCモータ203の駆動電圧u(i)が決定される。更に、この駆動電圧u(i)に基づいてモータ駆動用インターフェイス装置24及びモータ駆動装置25によりパルス状の駆動信号が生成され、この駆動信号によりDCモータ203が駆動される。
なお、ここでは、制御コントローラ部702の一例としてP制御系を用いているが、これに限定されるものではない。また、上記演算のすべては、マイクロコンピュータ21内の数値演算で行われ、簡単に実現することができる。
次に、図7に示す解析モデルの制動制御量設定部600について説明する。
本実施形態1において、DCモータの駆動電流Im(i−1)、モータ角速度ωm(i−1)、および、中間転写ベルト6の従動ローラ角速度ωr(i−1)は、これらのパラメータから中間転写ベルトユニットを現す中間転写ユニット部をひとつの慣性とみなした際の慣性体に生じるトルク変動である外乱τrを推定し、その推定値から外乱τrをキャンセルするための制動装置209の制動制御量を設定する制動制御量設定部600に与えられる。この制動制御量設定部600の出力Pb(i−1)は、図4に示す制動制御用インターフェイス装置305を介して制動装置209に入力される。ここでいう外乱τrが、転写紙の転写ニップ進入時に生じる中間転写ベルトのトルク変動に相当する。したがって、この外乱τrと制動装置209に入力される制動制御量設定部600の出力Pb(i−1)とが一致していれば、本解析モデルにおいて、転写ユニット部内で外乱τrが相殺され、この外乱τrが他の部分に影響を与えることはない。すなわち、本解析モデルにおいて外乱τrは無視できるものとなり、転写紙の転写ニップ進入時に生じる中間転写ベルトのトルク変動が生じないことになる。
図8は、制動制御量設定部600の制御ブロック図である。
この制動制御量設定部600は、図7に示した2慣性系の解析モデルを基にした外乱推定器601と、調整部602とから構成されている。図8において、「T」は、外乱推定器601を安定動作させるためのローパスフィルタの時定数である。
次に、調整部602について説明する。
C1は調整係数であり、外乱推定器601の出力τr'を補正し、最適化するためのものである。
転写紙の転写ニップ進入時に生じる中間転写ベルト6のトルク変動である外乱τrは、中間転写ベルト6に対して駆動負荷トルクを加える方向に働くものである。このトルク変動をキャンセルするためには、中間転写ベルト6に対して駆動負荷トルクを減らす方向に中間転写ベルト6のトルクを調整する必要がある。しかしながら、本実施形態1では、中間転写ベルト6のトルク調整を制動装置209が付与する制動量によって行うため、中間転写ベルト6に対して駆動トルクを加えることができない。よって、本実施形態1では、この外乱τrが生じる前に、転写紙の転写ニップ進入時に発生し得る最大の駆動負荷トルクよりも大きい任意の駆動負荷トルク(定常駆動負荷トルク)を予め中間転写ベルト6に与えておき、この定常駆動負荷トルクを外乱発生時に減少又は除去して、外乱τrをキャンセルするという制御が必要となる。したがって、本実施形態1では、外乱推定器601の外乱推定結果にはこの定常駆動負荷トルクC2を加算しておかなければならない。
すなわち、定常駆動負荷トルクC2と、制動制御量設定部600の外乱推定器601により推定された駆動負荷トルク変動量τr'とを加算し、その算出結果を調整係数C1を用いて制動装置209,1603の制御量Pb(i−1)に変換する。
ここで、定常駆動負荷トルクC2と調整係数C1は、シミュレーションを用いて求めることが可能である。また、定常駆動負荷トルクC2に関しては、転写紙の転写ニップ進入時に発生し得る最大の駆動負荷トルクよりも大きい値であればよいので、比較的容易に決定できることは明らかである。また、調整係数C1は、駆動負荷トルクを減少させる方向にトルクを働かせるために任意の負の値になる。
なお、制動制御量設定部600における演算処理は、すべて、上述した制御コントローラ部702と同様に、マイクロコンピュータ21内の数値演算で行われ、簡単に実現することができる。
以下、本実施形態1の効果に関するシミュレーション結果の一例について説明する。
図1において、太線で示すグラフは、転写紙が転写ニップに進入する際に生じる中間転写ベルト6のトルク変動を示している。一方、細線で示すグラフは、制動制御量設定部600の出力結果例を示している。なお、図1において、中間転写ベルト6のトルクがマイナス側であるほど、中間転写ベルトに大きい駆動負荷トルクが加わっていることになる。制動制御量設定部600の出力結果例が常にゼロ以下であることからわかるように、本実施形態1においては制動装置209により常に中間転写ベルト6に対して制動力(駆動負荷トルク)を付与している。図1において、両グラフの波形は互いにちょうど位相が反転した関係となっているので、これらを足し合わせると、トルク値がほぼ一定の波形を示すものとなる。
図9は、本実施形態1における制御装置200による制動装置209の制動制御を行った場合(細線)と行わない場合(太線)とを比較した、中間転写ベルト6の速度変動のグラフである。
このグラフが示すように、本実施形態1によれば、転写紙が転写ニップに進入する際に中間転写ベルトに衝撃が加わっても、これによる中間転写ベルト6の速度変動が十分に抑制されることが確認された。
〔実施形態2〕
次に、本発明を、上記実施形態1と同様に、画像形成装置としての複写機に適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
本実施形態2は、中間転写ベルト6の速度を検出する点を除き、上記実施形態1と同様であるので、以下、その相違点についてのみ説明する。
図10は、本実施形態2における中間転写ベルト6の駆動制御に関わる構成を示す説明図である。
上記実施形態1では、中間転写ユニット部をひとつの慣性とみなした際の慣性体に生じるトルク変動を求める際に、中間転写ベルト6の従動ローラ201の角速度を検知したが、本実施形態2では、中間転写ベルト6の外周面を観測して中間転写ベルト6の速度を直接的に検知し、従動ローラの角速度に換算することで、中間転写ユニット部をひとつの慣性とみなした際の慣性体に生じるトルク変動を求めている。ここで、中間転写ベルト6の表面移動速度検出法を具体的に示す。中間転写ベルト6の外周面上におけるベルト幅方向の端部領域にベルト一周にわたって形成された多数のマーカー1001と、これらのマーカー1001を検知するために中間転写ベルト6の外周面に対向配置されたマーカーセンサ1002とで、検知手段が構成されている。マーカー1001は、中間転写ベルトの表面移動方向に所定のピッチで等間隔に形成されている。マーカーセンサ1002は、フォトインタラプタ等から構成されており、マーカー1001がマーカーセンサ1002と対向した時にデジタル信号の1を出力する。また、マーカーセンサ1002は、マーカー間のベルト地肌部分がマーカーセンサ1002と対向した時にデジタル信号の0を出力する。マーカーセンサ1002からのデジタル信号をカウントすることにより、中間転写ベルト6の表面移動速度を検出することができる。
図11は、本実施形態2における制御装置200による中間転写ベルト6の駆動制御系を説明するためのハードウェアブロック図である。
本実施形態2において、マーカーセンサ1002の出力は、制御装置200のベルト速度検出用インターフェイス装置1101に入力され、ベルト速度の情報としてマイクロコンピュータに取り込まれる。このベルト速度検出用インターフェイス装置1101の機能は、上記実施形態1における従動ローラ角速度検出用インターフェイス装置304と同様である。
図12は、本実施形態2における中間転写ベルト6の駆動制御系を示す2慣性系の解析モデルを説明するための説明図である。
本実施形態2において、マーカーセンサ1002により検出される中間転写ベルト6のベルト速度は、従動ローラ201の角速度に当該従動ローラ201の半径rを乗じたもの、すなわち、図12に示す解析モデルにおけるブロック1201の出力値に相当する。よって、マーカーセンサ1002及びベルト速度検出用インターフェイス装置1101により検出されてマイクロコンピュータ21に取り込んだベルト速度(すなわちブロック1201の出力値)を、制動装置209が取り付けられている二次転写対向ローラ9の半径rで割れば、図7で示したωr(i−1)が得られる。したがって、本実施形態2における解析モデルは、図12に示すようになる。
なお、本実施形態2では、中間転写ベルト6の外周面に設けた多数のマーカー1001をマーカーセンサ1002で検知することで中間転写ベルト6の表面移動速度を直接的に検出する例について説明したが、例えばドップラーによる計測を利用して中間転写ベルト6の表面移動速度を直接的に検出してもよい。
〔実施形態3〕
次に、本発明を、上記実施形態1及び2と同様に、画像形成装置としての複写機に適用した更に他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態3」という。)について説明する。
本実施形態3は、中間転写ベルト6に対して制動装置209による制動力を付与する箇所が相違する点を除き、上記実施形態1と同様であるので、以下、その相違点についてのみ説明する。
図13は、本実施形態3における中間転写ベルト6の駆動制御に関わる構成を示す説明図である。
上記実施形態1では、制動装置209を二次転写対向ローラ9の回転軸に図示しないカップリングを介して取り付けた構成であったが、本実施形態3では、制動装置209を中間転写ベルト6の駆動ローラ7の回転軸に図示しないカップリングを介して取り付けている。上述したように、本実施形態において、中間転写ベルト6の駆動系は、中間転写ベルト6の外周面、中間転写ベルト6を支持する従動ローラ9,201,202及び駆動ローラ7が一体的に動くものとみなすことができる。よって、本実施形態3のように、駆動ローラ7に対して制動装置209による制動力を与えて中間転写ベルト6に駆動負荷トルクを付与する場合でも、従動ローラである二次転写対向ローラ9に対して制動装置209による制動力を付与する上記実施形態1の場合と同様の効果を発揮することができる。
〔実施形態4〕
次に、本発明を、上記実施形態1乃至3と同様に、画像形成装置としての複写機に適用した更に他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態4」という。)について説明する。
本実施形態4が上記実施形態1と主に相違する点は、像担持体がベルト状のものではなくドラム状のものである点である。
図14は、本実施形態4に係るプリンタの概略構成図である。
図14において、潜像担持体としての感光体ベルト401は、閉ループ状のNLのベルト基材の外周面上に、有機光半導体(OPC)等の感光層が薄膜状に形成された無端状の感光体ベルトである。この感光体ベルト401は、3本の支持回転体としての感光体搬送ローラ402〜404によって支持され、駆動モータ(図示せず)によって矢印A方向に回動する。
感光体ベルト401の周りには、矢印Aで示す感光体回転方向へ順に、帯電器405、露光手段としての露光光学系(以下「LSU」という。)406、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の現像器407〜410、中間転写ユニット411、感光体クリーニング手段412及び除電器413が設けられている。帯電器405は、−4kV〜−5kV程度の高電圧が図示しない電源装置から印加され、感光体ベルト401の帯電器405に対向した部分を帯電して一様な帯電電位を与える。
上記LSU406は、レーザ駆動回路(図示せず)により階調変換手段(図示せず)からの各色の画像信号を順次に光強度変調やパルス幅変調してその変調信号で半導体レーザ(図示せず)を駆動することにより露光光線414を得、この露光光線414により感光体ベルト401を走査して感光体ベルト401上に各色の画像信号に対応する静電潜像を順次に形成する。継ぎ目センサ415はループ状に形成された感光体ベルト401の継ぎ目を検知するものであり、継ぎ目センサ415が感光体ベルト401の継ぎ目を検知すると、感光体ベルト401の継ぎ目を回避するように、かつ、各色の静電潜像形成角変位が同一になるように、タイミングコントローラ416がLSU406の発光タイミングを制御する。
各現像器407〜410は、それぞれの現像色に対応したトナーを収納しており、感光体ベルト401上の各色の画像信号に対応した静電潜像に応じたタイミングで選択的に感光体ベルト401に当接し、感光体ベルト401上の静電潜像をトナーにより現像して各色の画像とすることで、4色重ねの画像によるフルカラー画像を形成する。
中間転写ユニット411は、アルミニウム等の金属の素管に導電性の樹脂等からなるベルト状のシートを巻いた像担持体であるドラム状の中間転写体(中間転写ドラム)417と、ゴム等をブレード状に形成した中間転写体クリーニング手段418とからなり、中間転写ドラム417上に4色重ねの画像が形成されている間は中間転写体クリーニング手段418が中間転写ドラム417から離間している。中間転写体クリーニング手段418は、中間転写ドラム417をクリーニングする時のみ中間転写ドラム417に当接し、中間転写ドラム417から記録媒体としての記録紙419に転写されずに残ったトナーを除去する。記録紙は、記録紙カセット420から給紙ローラ421により1枚ずつ転写紙40搬送路422に送り出される。
転写手段としての転写ユニット423は、中間転写ドラム417上のフルカラー画像を記録紙419に転写するものであり、導電性のゴム等をベルト状に形成した転写ベルト424と、中間転写ドラム417上のフルカラー画像を記録紙419に転写するための転写バイアスを中間転写ドラム417に印加する転写器425と、記録紙419にフルカラー画像が転写された後に記録紙419が中間転写ドラム417に静電的に張り付くのを防止するようにバイアスを中間転写ドラム417に印加する分離器426とから構成されている。
定着器427は、内部に熱源を有するヒートローラ428と、加圧ローラ429とから構成され、記録紙419上に転写されたフルカラー画像をヒートローラ428と加圧ローラ429との記録紙挟持回転に伴い圧力と熱を記録紙419に加えて記録紙419にフルカラー画像を定着させてフルカラー画像を形成する。
上記構成の画像形成は次のように動作する。ここで、静電潜像の現像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順で行われるものとして説明を進める。
感光体ベルト401と中間転写ドラム417は、それぞれの駆動源(図示せず)により、矢印A、B方向にそれぞれ駆動される。この状態で、まず、帯電器405に−4〜5kV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加され、帯電器405が感光体ベルト401の表面を一様に−700V程度に帯電させる。次に、継ぎ目センサ415が感光体ベルト401の継ぎ目を検知してから、感光体ベルト401の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体ベルト401にLSU406からブラックの画像信号に対応したレーザビームの露光光線414が照射され、感光体ベルト401は露光光線414が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、ブラック現像器407は所定のタイミングで感光体ベルト401に当接される。ブラック現像器407内のブラックトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体ベルト401上の露光光線414の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみブラックトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。ブラック現像器407により感光体ベルト401の表面に形成されたブラックトナー像は、中間転写ドラム417に転写される。感光体ベルト401から中間転写ドラム417に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段412により除去され、さらに除電器413によって感光体ベルト401上の電荷が除去される。
次に、帯電器405が感光体ベルト401の表面を一様に−700V程度に帯電させる。そして、継ぎ目センサ415が感光体ベルト401の継ぎ目を検知してから、感光体ベルト401の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体ベルト401にLSU406からシアンの画像信号に対応したレーザビームの露光光線414が照射され、感光体ベルト401は露光光線414が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体ベルト401には所定のタイミングでシアン現像器408が当接される。シアン現像器408内のシアントナーは負の電荷が予め与えられており、感光体ベルト401上の露光光線414の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみシアントナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。シアン現像器408により感光体ベルト401の表面に形成されたシアントナー像は、中間転写ドラム417上にブラックトナー像と重ねて転写される。感光体ベルト401から中間転写ドラム417に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段412により除去され、さらに除電器413によって感光体ベルト401上の電荷が除去される。
次に、帯電器405が感光体ベルト401の表面を一様に−700V程度に帯電させる。そして、継ぎ目センサ415が感光体ベルト401の継ぎ目を検知してから、感光体ベルト401の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体ベルト401にLSU406からマゼンタの画像信号に対応したレーザビームの露光光線414が照射され、感光体ベルト401は露光光線414が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体ベルト401には所定のタイミングでマゼンタ現像器409が当接される。マゼンタ現像器409内のマゼンタトナーは負の電荷が予め与えられており、感光体ベルト401上の露光光線414の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみマゼンタトナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。マゼンタ現像器409により感光体ベルト401の表面に形成されたマゼンタトナー像は、中間転写ドラム417上にブラックトナー像、シアントナー像と重ねて転写される。感光体ベルト401から中間転写ドラム417に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段412により除去され、さらに除電器413によって感光体ベルト401上の電荷が除去される。
さらに、帯電器405が感光体ベルト401の表面を一様に−700V程度に帯電させる。そして、継ぎ目センサ415が感光体ベルト401の継ぎ目を検知してから、感光体ベルト401の継ぎ目を回避するように一定時間が経過した後に感光体ベルト401にLSU406からイエローの画像信号に対応したレーザビームの露光光線414が照射され、感光体ベルト401は露光光線414が照射された部分の電荷が消えて静電潜像が形成される。
一方、感光体ベルト401には所定のタイミングでイエロー現像器410が当接される。イエロー現像器410内のイエロートナーは負の電荷が予め与えられており、感光体ベルト401上の露光光線414の照射により電荷が無くなった部分(静電潜像部分)にのみイエロートナーが付着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。イエロー現像器410により感光体ベルト401の表面に形成されたイエロートナー像は中間転写ドラム417上にブラックトナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像と重ねて転写され、中間転写ドラム417上にフルカラー画像が形成される。感光体ベルト401から中間転写ドラム417に転写されなかった残留トナーは感光体クリーニング手段412により除去され、さらに除電器413によって感光体ベルト401上の電荷が除去される。
中間転写ドラム417上に形成されたフルカラー画像は、これまで中間転写ドラム417から離間していた転写ユニット423が中間転写ドラム417に接触し、転写ニップを形成する。そして、転写器425に+1kV程度の高電圧が電源装置(図示せず)から印加されることで、記録紙カセット420から搬送路422に沿って搬送されてきた記録紙419へ転写器425により一括して二次転写される。
また、分離器426には記録紙419を引き付ける静電力が働くように電圧が電源装置から印加され、記録紙419が中間転写ドラム417から剥離される。続いて、記録紙419は、定着器427に送られ、ここでヒートローラ428と加圧ローラ429とによる挟持圧、ヒートローラ428の熱によってフルカラー画像が定着されて排紙ローラ430により排紙トレイ431へ排出される。
また、転写ユニット423により記録紙419上に転写されなかった中間転写ドラム417上の残留トナーは中間転写体クリーニング手段418により除去される。中間転写体クリーニング手段418は、フルカラー画像が得られるまで中間転写ドラム417から離間した角変位にあり、フルカラー画像が記録紙419に転写された後に中間転写ドラム417に接触して中間転写ドラム417上の残留トナーを除去する。以上の一連の動作によって1枚分のフルカラー画像形成が終了する。
本実施形態4のプリンタにおいても、転写紙が転写ニップへ進入する際に発生する衝撃によって中間転写ドラム417の表面移動速度変動が生じると、上記実施形態1と同様の画質劣化が生じる。よって、本実施形態4では、中間転写ドラム417の表面移動速度変動を抑制するために、中間転写ドラム417のトルク変動をキャンセルする制動制御を行う。
図15は、本実施形態4における中間転写ドラム417の駆動制御に関わる構成を示す説明図である。
本実施形態4における基本構成は、上記実施形態1と同様であるが、中間転写ドラム417のドラム角速度を検出するためのドラム角速度検出用エンコーダ1602が、中間転写ドラム417の回転軸における駆動端(DCモータ203が接続されている側の端部)に取り付けられている。また、中間転写ドラム417の回転軸における駆動端とは反対側の端部には、図示しない剛性の高いジョイントで制動装置1603が取り付けられている。この制動装置1603は、上記実施形態1における制動装置209と同じものを利用できる。
図16は、本実施形態4における制御装置200による中間転写ドラム417の駆動制御系を説明するためのハードウェアブロック図である。
本実施形態4において、ドラム角速度検出用エンコーダ1602の出力は、制御装置200の検出用インターフェイス装置1701に入力され、中間転写ドラム417の角速度として、マイクロコンピュータ21に取り込まれる。この検出用インターフェイス装置1701の機能は、上記実施形態1における従動ローラ角速度検出用インターフェイス装置304と同様である。また、本実施形態4において、マイクロコンピュータ21は、決定した制動制御量を、制動制御用インターフェイス装置305を介して制動装置1603に与える。
本実施形態4における中間転写ドラムの駆動制御系の解析モデルは、上記実施形態1の場合と同様にモータ部と転写ユニット部の2慣性系からなるモデルと考えることができる。したがって、上記実施形態1の場合と同様の制動制御を行うことで、同様の効果が得られる。
〔実施形態5〕
実施形態1〜4までは、本発明をいわゆるモータ定速制御に用いた例を示したが、本発明は、モータ定速制御のみならず、被制御対象を直接制御した制御系への適用も可能である。そこで、その一例として、実施形態5では、中間転写ベルト6を中間転写ベルト6の従動軸201に取り付けたエンコーダ208の出力を元に制御した例を示す。
基本的な構成は、図2、3、4、5、6、8に示した実施形態1の構成と同様なので、ここでは、本実施形態5の特徴部分である制御系の概要について説明する。
図17は、本実施形態5の特徴部分である制御系の概要を示す図である。
図3に示したように、中間転写ベルト6を支持する従動ローラ201の回転軸には、従動ローラ角速度検出用エンコーダ208が取り付けられており、制御装置200(図4)に入力されている。従動ローラ角速度は中間転写ベルト速度と比例関係にあるため、一般に、従動軸エンコーダ出力を用いて中間転写ベルトの速度制御ができる。そこで、ここでもそれを用いる。すなわち、従動軸エンコーダ208の出力パルス信号を処理するモータ角速度検出用インターフェイス装置304から出力される角速度ωr(i−1)は、演算部(減算器)1に与えられる。この演算部1は、従動軸制御目標値Ref2(i)と、従動軸エンコーダ208の角速度ωr(i−1)との差e(i)を算出する。この差e(i)は、制御コントローラ部2に入力される。制御コントローラ部2は、例えばP制御系で構成される。演算部1で算出されたe(i)は、比例定数Kp2が乗じられてDCモータ203の駆動電圧u(i)が決定される。更に、この駆動電圧u(i)に基づいてモータ駆動用インターフェイス装置24及びモータ駆動装置25によりパルス状の駆動信号が生成され、この駆動信号によりDCモータ203が駆動される。
なお、ここでは、制御コントローラ部702の一例としてP制御系を用いているが、これに限定されるものではない。また、上記演算のすべては、マイクロコンピュータ21内の数値演算で行われ、簡単に実現することができる以上を繰り返すことで、中間転写ベルトは所望の速度で駆動される。このとき、図17に示すように図7と同様なトルク付加制御量設定部600を配置することで、転写ユニット部内で外乱τrが相殺され、すなわち外乱τrは無視できるものとなり、転写紙の転写ニップ進入時に生じる中間転写ベルトのトルク変動は生じない。
なお、上述した制御装置200により行われる制動装置209,1603に対する制御は、本プリンタのマイクロコンピュータ21が当該制御を実行するためのコンピュータプログラム実行することで実現されている。このコンピュータプログラムは、CD−ROM等の光ディスクやフレキシブルディスク等の磁気ディスクなどの記録媒体に記憶されたものをマイクロコンピュータ21内のROM21b等にインストールしてもよいし、記録媒体を用いずに通信ネットワークを介してマイクロコンピュータ21内のROM21b等にインストールしてもよい。
以上、上記実施形態1〜5に係るプリンタは、像担持体としての中間転写ベルト6又は中間転写ドラム417(以下「中間転写体」という。)と、中間転写体6,417を駆動させる駆動力を発生させる駆動源としてのDCモータ203と、DCモータ203で発生した駆動力を中間転写体6,417へ伝達する駆動伝達手段としての駆動伝達機構204,205と、DCモータ203が目標の駆動角速度Ref(i)で、もしくは、中間転写体が直接目標の駆動速度Ref2(i)で、駆動するようにDCモータ203を制御する駆動制御手段としてのマイクロコンピュータ21及びモータ駆動用インターフェイス装置24と、駆動伝達機構204,205から伝達される駆動力によって表面移動する中間転写体6,417の表面上に画像を作像する作像手段としての感光体1,301と、中間転写体6,417の表面との間で転写ニップを形成する転写部材としての二次転写ローラ10又は転写ベルト224とを有し、中間転写体6,417の表面上に作像された画像を転写ニップに進入してくる記録材としての転写紙上に転写することで、転写紙上に画像を形成する画像形成装置である。これらのプリンタは、DCモータ203から中間転写体6,417への駆動伝達経路上に設けられる駆動伝達部材の中でその駆動伝達系に最も影響の大きいバネ特性である、最も弱いバネ特性を付与する特定駆動伝達部材である歯車減速機構204,205よりも中間転写体6側の駆動伝達経路上に存在する駆動伝達部材である二次転写対向ローラ9又は中間転写体417それ自体に制動力を付与する制動手段としての制動装置209,1603と、転写紙の転写ニップ進入時を含むように設定された所定のサンプリング期間中に変動した中間転写体6,417の駆動負荷トルク変動量(外乱)τrを推定するための推定用パラメータであるDCモータ203の駆動電流Im(i−1)、モータ角速度ωm(i−1)及び中間転写体に従動するローラの角速度ωr(i−1)をそれぞれ検知する検知手段としてのモータ駆動電流検出装置301、モータ角速度検出用エンコーダ207及び従動軸角速度検出用エンコーダ208又はドラム角速度検出用エンコーダ1602と、これらにより検知される推定用パラメータIm(i−1),ωm(i−1),ωr(i−1)を所定のサンプリング間隔で連続的にサンプリングし、サンプリングした推定用パラメータに基づいて駆動負荷トルク変動量(外乱)τrを推定するトルク変動量推定手段としての制動制御量設定部600と、制動制御量設定部600により推定された駆動負荷トルク変動量(外乱)τrを打ち消すように、制動装置209,1603が付与する制動力を制御する制動力制御手段としてのマイクロコンピュータ21及び制動制御用インターフェイス装置305とを有している。これにより、サンプリング間隔を現状でも十分に設定可能な短い時間とすることで、転写紙の転写ニップ進入時における中間転写体6,417のトルク変動をリアルタイム(厳密には単位サンプリング時間分だけ遅れて)のフィードバック制御によって高い精度でキャンセルすることができる。よって、転写紙の転写ニップ進入時における中間転写体6,417のトルク変動プロファイルがどのようなものであっても、高い精度でキャンセルできるので、どのような転写紙の種類、どのような使用環境下あるいは使用状況下であっても、転写紙の転写ニップ進入時における中間転写体6,417のトルク変動を安定して高い精度でキャンセルして中間転写体6,417の表面移動速度の変動を抑制することができる。
また、上記実施形態1〜5においては、中間転写体6,417が駆動している間は、その全周にわたって、制動制御量設定部600により推定された駆動負荷トルク変動量(外乱)τrを打ち消すように制動装置209,1603を制御している。よって、転写紙が転写ニップに進入する際の衝撃による中間転写体6,417のトルク変動だけでなく、転写紙の後端が転写ニップを抜ける時の衝撃、中間転写体6,417に対して接離する部材の接離時の衝撃などの他の原因に基づく中間転写体6,417のトルク変動も打ち消すことが可能である。
また、上記実施形態1〜5においては、上記制動力の制御が少なくとも転写紙の転写ニップ進入時を含む期間内に行われるように設定されているので、転写紙の転写ニップ進入時の衝撃による画質劣化を抑制できる。
また、上記実施形態1〜3および5において、制動装置209は中間転写ベルト6の表面移動と連動しながら回転する回転部材である二次転写対向ローラ9あるいは駆動ローラ7に回転負荷を加えるものである。この場合でも、二次転写対向ローラ9あるいは駆動ローラ7の回転と中間転写ベルト6の表面移動とが一体とみなして考えることができる構成であれば、中間転写体6,417のトルク変動を高い精度でキャンセルして中間転写体6,417の表面移動速度の変動を抑制することができる。
また、上記実施形態1〜5においては、中間転写体6,417に発生し得る最大の駆動負荷トルク(転写紙の転写ニップ進入時に発生する駆動負荷トルク)よりも大きい定常駆動負荷トルクC2と、制動制御量設定部600の外乱推定器601により推定された駆動負荷トルク変動量τr'とを加算し、その算出結果を調整係数C1を用いて制動装置209,1603の制御量Pb(i−1)に変換して、当該制御量Pb(i−1)で制動装置209,1603を制御する。これにより、制動装置209,1603を用いて、中間転写体6,417の駆動負荷トルク変動量(外乱)τrをより高い精度でキャンセルすることができる。
また、上記実施形態1〜5においては、上記推定用パラメータとして、DCモータ203の駆動角速度を決定するためにDCモータ203へ入力される駆動入力値である駆動電流Im(i−1)と、DCモータ203の駆動角速度であるモータ角速度ωm(i−1)と、中間転写体6,417の表面移動速度又はこれに従動する回転体201の角速度ωr(i−1)とを検知し、歯車減速機構204,205を境にDCモータ203側と中間転写体6,417側とをそれぞれ1つの慣性系とし、かつ、これらの慣性系を当該歯車減速機構204,205を含むねじりばね部で連結した2慣性系の解析モデルを用いた外乱推定器601により、駆動負荷トルク変動量(外乱)τrを推定する。これにより、駆動負荷トルク変動量(外乱)τrを高い精度で推定することができる。
6 中間転写ベルト
7 駆動ローラ
8 レジストローラ対
9 二次転写対向ローラ
201,202 従動ローラ
10 二次転写ローラ
21 マイクロコンピュータ
24 モータ駆動用インターフェイス装置
25 モータ駆動装置
200 制御装置
203 DCモータ
204,205 歯車減速機構
207 モータ角速度検出用エンコーダ
208 ベルト従動軸角速度検出用エンコーダ
209,1603 制動装置
301 モータ駆動電流検出装置
302 モータ駆動電流検出用インターフェイス装置
303 モータ角速度検出用インターフェイス装置
304 従動ローラ角速度検出用インターフェイス装置
305 制動制御用インターフェイス装置
417 中間転写ドラム
600 制動制御量設定部
601 外乱推定器
602 調整部
701 演算部
702 制御コントローラ部
1001 マーカー
1002 マーカーセンサ
1101 ベルト速度検出用インターフェイス装置
1602 ドラム角速度検出用エンコーダ
1701 検出用インターフェイス装置
特許第3528342号広報 特開平2−53083公報

Claims (7)

  1. 像担持体と、
    該像担持体を駆動させる駆動力を発生させる駆動源と、
    該駆動源で発生した駆動力を該像担持体へ伝達する駆動伝達手段と、
    該駆動源または、像担持体が目標の駆動角速度もしくは速度で駆動するように該駆動源を制御する駆動制御手段と、
    該駆動伝達手段から伝達される駆動力によって表面移動する像担持体の表面上に画像を作像する作像手段と、
    該像担持体の表面との間で転写ニップを形成する転写部材とを有し、
    該像担持体の表面上に作像された画像を該転写ニップに進入してくる記録材上に転写することで、記録材上に画像を形成する画像形成装置において、
    上記駆動源から上記像担持体への駆動伝達経路上に設けられる駆動伝達部材の中でその駆動伝達系に最も弱いバネ特性を付与する特定駆動伝達部材よりも像担持体側の駆動伝達経路上に存在する駆動伝達部材又は該像担持体それ自体に制動力を付与する制動手段と、
    像担持体の駆動負荷トルク変動量を推定するための推定用パラメータを検知する検知手段と、
    該検知手段で検知される推定用パラメータを所定のサンプリング間隔で連続的にサンプリングし、サンプリングした推定用パラメータに基づいて上記駆動負荷トルク変動量を推定するトルク変動量推定手段と、
    該トルク変動量推定手段により推定された駆動負荷トルク変動量を打ち消すように、上記制動手段が付与する制動力を制御する制動力制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記制動力の制御は、少なくとも記録材の転写ニップ進入時を含む期間内に行うことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    上記制動手段は、上記像担持体の表面移動と連動しながら回転する回転部材に回転負荷を加えるものであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記制動力制御手段は、像担持体に発生し得る最大の駆動負荷トルクよりも大きい定常駆動負荷トルクと、上記トルク変動量推定手段により推定された駆動負荷トルク変動量とを加算もしくは減算し、その算出結果を上記制動手段の制御量に変換して、当該制御量で該制動手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記検知手段は、上記駆動源の駆動角速度を決定するために該駆動源へ入力される駆動入力値と、該駆動源の駆動角速度と、上記像担持体の表面移動の位置、速度又は角速度とを、上記推定用パラメータとして検知するものであり、
    上記トルク変動量推定手段は、上記特定駆動伝達部材を境に上記駆動源側と上記像担持体側とをそれぞれ1つの慣性系とし、かつ、これらの慣性系を該特定駆動伝達部材を含むねじりばね部で連結した2慣性系の解析モデルを用いて、上記駆動負荷トルク変動量を推定する外乱推定器で構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 像担持体と、該像担持体を駆動させる駆動力を発生させる駆動源と、該駆動源で発生した駆動力を該像担持体へ伝達する駆動伝達手段と、該駆動源または、像担持体が目標の駆動角速度もしくは速度で駆動するように該駆動源の駆動角速度を制御する駆動制御手段と、該駆動伝達手段から伝達される駆動力によって表面移動する像担持体の表面上に画像を作像する作像手段と、該像担持体の表面との間で転写ニップを形成する転写部材とを有し、該像担持体の表面上に作像された画像を該転写ニップに進入してくる記録材上に転写することで、記録材上に画像を形成する画像形成装置が有する像担持体の駆動制御方法において、
    像担持体の駆動負荷トルク変動量を推定するための推定用パラメータを検知し、
    検知した推定用パラメータを所定のサンプリング間隔で連続的にサンプリングし、
    サンプリングした推定用パラメータに基づいて上記駆動負荷トルク変動量を推定し、
    推定した駆動負荷トルク変動量を打ち消すように、上記駆動源から上記像担持体への駆動伝達経路上に設けられる駆動伝達部材の中でその駆動伝達系に最も弱いバネ特性を付与する特定駆動伝達部材よりも像担持体側の駆動伝達経路上に存在する駆動伝達部材又は上記像担持体それ自体に、制動力を付与することを特徴とする像担持体の駆動制御方法。
  7. 像担持体と、該像担持体を駆動させる駆動力を発生させる駆動源と、該駆動源で発生した駆動力を該像担持体へ伝達する駆動伝達手段と、該駆動源または、像担持体が目標の駆動角速度もしくは速度で駆動するように該駆動源の駆動角速度を制御する駆動制御手段と、該駆動伝達手段から伝達される駆動力によって表面移動する像担持体の表面上に画像を作像する作像手段と、該像担持体の表面との間で転写ニップを形成する転写部材とを有し、該像担持体の表面上に作像された画像を該転写ニップに進入してくる記録材上に転写することで、記録材上に画像を形成する画像形成装置のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
    像担持体の駆動負荷トルク変動量を推定するための推定用パラメータを所定のサンプリング間隔で連続的にサンプリングし、サンプリングした推定用パラメータに基づいて該駆動負荷トルク変動量を推定するトルク変動量推定手段、及び、
    上記駆動源から上記像担持体への駆動伝達経路上に設けられる駆動伝達部材の中でその駆動伝達系に最も弱いバネ特性を付与する特定駆動伝達部材よりも像担持体側の駆動伝達経路上に存在する駆動伝達部材又は上記像担持体それ自体に制動力を付与する制動手段が付与する制動力を、上記トルク変動量推定手段により推定された駆動負荷トルク変動量を打ち消すように制御する制動力制御手段として、上記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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