JP2011133146A - 熱源利用空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
莫大な熱源量が必要で、装置の大きさが大きすぎるという基本的課題があった。
【解決手段】熱源を消費する吸着式除湿を除湿機能のみに限定し、50%以上の割合を占める冷却機能に水蒸発換気排熱式室内空気冷却器を開発し、且つ水蒸発換気冷却式室外空気冷却器と組み合わせるシステムを提示した。この方式によりエネルギー消費の少ない冷却装置を得た。これと吸着式除湿器と組み合わせて巧みに運転制御することにより上記の課題を解決した。
【選択図】 図2
Description
これを打開するための有効な手段として低温度の熱源を用いたデシカント除湿機構と、エネルギー消費を最小限に抑えて作動することができる換気の排熱を巧みに利用した冷房機構の組みあわせは有効な方式である点に着目し、この方式の具体化、実現化の技術が本発明の技術分野である。
さらに重要な課題として、装置の容積とコストが挙げられる。デシカント冷房装置の全体のコストを考えると、装置を小型化することによる材料費の低減と同時に、デシカントに利用する吸着材を塗布した吸着材エレメントの材料費の低減が重要である。従って、この吸着材エレメントを如何に小型化してその材料費を低減させ、冷房装置を小型化してコストの低減を図り、その状態で冷房能力を確保することが重要な課題となる。
以上の課題を解決するにはこの吸着剤エレメントの容積ベースの性能向上とコストダウンが必要であり、その構造機構の工夫が課題のひとつであると言える。
前述した様に、本発明では吸着材による除湿機能を活かすと同時に、動力や熱量などのエネルギーを必要としない新しい冷却方式を発明して提案する。さらに吸着剤の除湿方式とこの新しい冷却方式の両者を組み合わせて新しい冷房方式を構成するという技術を発明として提示して、前述した課題を解決しようとするものである。従って最も重要な課題は
この冷却方式を実現するためにその方式と細部構造、材料を具体化することであるといえる。
この方式では室内空気から除湿することは出来ないため、請求項3に提示した様に、デシカント方式の除湿装置を請求項1の冷却装置の入り口室内空気を除湿する方式を提示している。この二つの機能装置のドッキングが極めて高い効果を生むことは後述する。
他方の空気との熱交換器と一方の空気の熱交換器を管路でつなぎ、その管路内に水などの蒸発媒体を充填してその水の自然循環により伝熱させる所謂ヒートパイプ機能により熱交換させる事が可能である。
実際にはこれに加えて湿度の制御、具体的には除湿が必要となる。請求項3は請求項1、2と組み合わせてデシカント除湿機を組みこむ技術である。通常、デシカントを用いた冷房装置では、デシカント材と空気を接触させて除湿させると同時に温度上昇させる。図1では空気はA点からAA点に移動する。通常はこの空気を室外空気などで冷却した後に水を散水加湿して適温適湿な空気に調整して冷房を完了させる。
本発明では除湿され高温度化した空気(AA点)をそのまま請求項1、2、に記載した空気調和装置に導入して冷却するもので、室外空気による冷却と加湿による温湿度調整は不要である。但し、図2に示した様なデシカント除湿機21の前後の空気間で熱交換させて消費熱量を回収させて熱効率を向上させる事は有効である。
請求項5に示した冷却装置は請求項1と同等な技術を用いたに過ぎないが、請求項9や図1の様にその双方を1つの冷房装置に組み込んで同時に作動させる事による換気ロス低減の効果を実現させる上で画期的な発明である。
ここで分かることは、冷却装置室内機102の室外への排気風量と冷却装置室外機103の室内吹き出し風量を等しく設定すると、冷却装置室外機の全風量は冷却装置室内機の全風量の約20〜40%と小さな割合に設定してやる事が双方を一体化したときの最適運転を実現する条件となる。
デシカント除湿装置101の熱源としては、太陽熱、燃料電池排熱、ガスエンジンコジェネ排熱、ヒートポンプ凝縮熱、ガス燃焼熱など多くの種類の熱源を利用できる。
1、水蒸発潜熱を有効に使って、ファンモータと水ポンプ以外に熱源や動力源を使わずに室内空気の冷却を行う空気調和装置を提供できる。
2、室内空気を扱う空気調和装置と室外空気を扱う空気調和装置を組み合わせて、換気量として室内外の出入り空気量をバランスさせた空気調和装置を提供できる。
3、以上の装置に熱源を利用したデシカント除湿器を組み込んで除湿と冷却の双方を効率よく行う空気調和装置を提供できる。
5、以上の空気調和装置は圧縮機や冷凍サイクルを用いた従来の空気調和装置に比べ、製造減価の低減が期待でき、また一次エネルギー使用量の少ない空気調和装置を実現できる。
除湿運転作動有無にかかわらず、1000立方m/時間の風量の室内空気は室内ファン62を通して冷却装置室内機102に送られる。その室内空気は室内冷却用熱交換器1、2、3、を通過して冷却されてその75%が室内に吹き出させる。その他の25%である250立方m/時間の室内空気はUターンして室内水蒸発器4、5、6によって加湿加熱されて室外に放出される。この間に室内水蒸発器を冷却し、さらにその中心に配設されたヒートパイプチューブを冷却しその内面に水を凝縮させる。凝縮した水は重力によりヒートパイプ内を落下し冷却装置室内機に達し、そこで蒸発して該冷却装置室内機を冷却し、最終的に室内空気を冷却する。
以上の事例で分かる通り、この空気調和器によれば室内の冷却には殆ど動力も熱量も使わないし、除湿に対しても太陽熱や燃料電池の排熱などの低温度熱源を利用できる。しかしてエネルギー地球環境の点では極めて優れた冷房機能を提供できるものである。因みに
総合エネルギー効率COP=1.2以上が得られるから、電動圧縮機を用いた冷房機に比較して一次エネルギー使用量は少なく、地球環境に優れている冷房が提供できる。
暖房には暖房用放熱器24に太陽熱媒体を通じて暖房すれば、まさに一次エネルギー使用量最小の空調機が実現できるものである。
さらに温度と湿度が容易に設定できるから、従来の電動式圧縮機で室内熱交換器を冷やして冷房する方式に比べて、快適性、健康性などに優れた冷房運転が実現できる。
2 室内冷却用熱交換器2
3 室内冷却用熱交換器3
4 室内水蒸発器1
5 室内水蒸発器2
6 室内水蒸発器3
7 散水器
11 室外冷却用熱交換器1
12 室外冷却用熱交換器2
13 室外冷却用熱交換器3
14 室外水蒸発器1
15 室外水蒸発器2
16 室外水蒸発器3
21 デシカント除湿器
22 熱源媒体管路
23 熱回収器
24 熱回収放熱器
25 暖房用放熱器
26 温湿度センサー
51 デシカント切り替えダンパー1
52 デシカント切り替えダンパー2
53 室内ダンパー
61 室外ファン
62 室内ファン
63 室外ファン
101デシカント除湿装置
102冷却装置室内機
103冷却装置室外機
Claims (10)
- 装置内に導入した室内空気の全量を室内冷却用熱交換器で冷却した後に少量と多量の室内空気とに2分割し、前記多量の室内空気を室内に吹き出させて室内を冷房し、前記少量の室内空気を室内水蒸発器によって加湿した後に屋外に排気するとともに、前記室内冷却用熱交換器と前記室内水蒸発器とを熱交換関係に構成して前記室内冷却用熱交換器から前記室内水蒸発器へと伝熱させて熱移動させることにより、装置内に導入した前記室内空気の全量を、分割後に室内水蒸発器に置いて加湿されて同時に冷却された前記少量の室内空気によって冷却させる様に構成したことを特徴とした空気調和装置。
- 請求項1に記載の空気調和装置に於いて、前期室内冷却用熱交換器を空気の流れ方向に沿って、熱的に分離された状態で2個以上設置し、一方前記室内水蒸発器を空気の流れ方向に沿って熱的に分離された状態で同数個設置し、
前記室内空気の全量が最初に熱交換する最上流の前記室内冷却用熱交換器と前記少量の空気が最後に加湿される場所である最下流にある前記室内水蒸発器とが、また室内空気の全量が最後に熱交換する最下流の前記室内冷却用熱交換器と前記少量の室内空気が最初に加湿される最上流の前記室内水蒸発器とを夫々熱交換関係に構成したことを特徴とした空気調和装置。 - 吸着剤で空気の湿分を吸着し、該吸着剤を熱源により加熱して吸着した湿分を脱着し、これを繰り返し行う方式の水分吸着式除湿機、即ち通称デシカント除湿機と呼ばれる除湿装置を組み込んで前記空気調和装置に入る室内空気の除湿を行うようにしたことを特徴とした請求項1及び2に記載の空気調和装置。
- 室内空気の湿度を検知し、該湿度が設定値以上の時のみ前記水分吸着式除湿機を作動させ、設定値以下の時には作動させないことを特徴とした請求項3に記載の空気調和装置。
- 装置内に導入した室外空気の全量を室外冷却用熱交換器で冷却した後に少量と多量の空気に2分割し、前記多量の室外空気を室内に吹き出させて室内を冷房し、前記少量の室外空気を室外水蒸発器によって加湿した後に室外に排気するとともに、前記室外冷却用熱交換器と前記室外水蒸発器とを熱交換関係に構成して前記室外冷却用熱交換器から前記室外水蒸発器へと伝熱させて熱移動させることにより、装置内に導入した前記室外空気の全量を、分割後に室外水蒸発器に置いて加湿されて同時に冷却された前記少量の室外空気によって冷却させる様に構成したことを特徴とした空気調和装置。
- 請求項5に記載の空気調和装置に於いて、前期室外冷却用熱交換器を空気の流れに沿って、熱的に分離された状態で2個以上設置し、一方前記室外水蒸発器を空気の流れ方向に沿って、熱的に分離された状態で同数個設置し、
前記室外空気の全量が最初に熱交換する最上流の前記室外冷却用熱交換器と前記少量の空気が最後に加湿される場所である最下流にある前記室外水蒸発器とが、また室外空気の全量が最後に熱交換する最下流の前記室外冷却用熱交換器と前記少量の室外空気が最初に加湿される最上流の前記室外水蒸発器とを夫々熱交換関係に構成したことを特徴とした空気調和装置。 - 吸着剤で空気の湿分を吸着し、該吸着剤を熱源により加熱して吸着した湿分を脱着し、これを繰り返し行う方式の水分吸着式除湿機、即ち通称デシカント除湿機と呼ばれる除湿装置を組み込んで前記空気調和装置に入る室外空気の除湿を行うようにしたことを特徴とした請求項5及び6に記載の空気調和装置。
- 室内空気湿度を検知し、該湿度が設定値以上の時のみ前記水分吸着式除湿機を作動させ、設定値以下の時は作動させないことを特徴とした請求項7に記載の空気調和装置。
- 請求項1、2、3、4の何れか一項に記載の空気調和装置と、請求項5、6、7、8の何れか一項に記載の空気調和装置の双方を合わせて一体の装置としたことを特徴とした空気調和装置。
- 前記室内冷却用熱交換器乃至と前記室内水蒸発器及び前記室外冷却用熱交換器と前記室外水蒸発器とを連通する管路を用い、該管路の管内に水乃至は冷媒液を注入して自然蒸発循環方式のヒートパイプとなし、該ヒートパイプによって前記室内冷却用熱交換器と前記室内水蒸発器及び前記室外冷却用熱交換器と前記室外蒸発器との間で伝熱を行わせたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9の何れか一項に記載の空気調和装置。
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