JP2011133085A - 燃料収容ユニットおよび燃料電池モジュール - Google Patents

燃料収容ユニットおよび燃料電池モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP2011133085A
JP2011133085A JP2009294988A JP2009294988A JP2011133085A JP 2011133085 A JP2011133085 A JP 2011133085A JP 2009294988 A JP2009294988 A JP 2009294988A JP 2009294988 A JP2009294988 A JP 2009294988A JP 2011133085 A JP2011133085 A JP 2011133085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
storage alloy
hydrogen storage
container
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009294988A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kibune
研児 木船
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2009294988A priority Critical patent/JP2011133085A/ja
Publication of JP2011133085A publication Critical patent/JP2011133085A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

【課題】充填水素容量のロスを防ぎながら、水素吸蔵合金の伝熱性を向上させる。
【解決手段】燃料収容ユニットは、燃料電池に供給される水素を貯蔵する水素吸蔵合金150を収容するための容器110と、容器内壁に接触するように設けられ、水素吸蔵合金150の体積変化を許容しながら水素吸蔵合金150を容器内壁に付勢するための支持体130と、容器110内に設けられた水素流路170と、を備える。支持体130は、水素吸蔵合金150が膨張した状態で水素流路170における水素の流通を確保するよう構成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、燃料収容ユニットおよび燃料電池モジュールに関する。
燃料電池は水素と酸素とから電気エネルギを発生させる装置であり、高い発電効率を得ることができる。燃料電池の主な特徴としては、従来の発電方式のように熱エネルギや運動エネルギの過程を経ることがない直接発電であるので、小規模でも高い発電効率が期待できること、窒素化合物等の排出が少なく、騒音や振動も小さいので環境性が良いことなどが挙げられる。このように、燃料電池は燃料のもつ化学エネルギを有効に利用でき、環境にやさしい特性を持っているので、21世紀を担うエネルギ供給システムとして期待され、宇宙用から自動車用、携帯機器用まで、大規模発電から小規模発電まで、種々の用途に使用できる将来有望な新しい発電システムとして注目され、実用化に向けて技術開発が本格化している。
従来、燃料ガスとしての水素を燃料電池本体とは別に収容する燃料収容ユニットと、これを搭載した燃料電池モジュールが知られている。燃料収容ユニットは、水素を吸蔵・放出可能な水素吸蔵合金によって水素を収容し、燃料電池本体に供給している。水素吸蔵合金は、水素吸蔵時に発熱し、水素放出時に吸熱する。そのため、水素吸蔵時に生じた熱の放散と水素放出時に必要な熱の供給とを効率よく行えること、すなわち、水素吸蔵合金の伝熱性を向上させることが水素の収容性の向上につながる。また、水素吸蔵合金は、水素吸蔵時に体積が増大する。そのため、水素吸蔵合金を体積膨張できるように燃料収容ユニット内に収容する必要がある。
ここで、燃料収容ユニットへの水素吸蔵合金の収容構造としては、次の2通りが知られている。1つは、水素吸蔵合金粉末をそのまま収容する構造である。また、他の1つは、水素吸蔵合金粉末の圧縮成形体を収容する構造である。
粉末を収容する構造は、水素の吸蔵・放出を繰り返したときに、水素吸蔵合金の粒子が割れて微粉化してしまい、水素吸蔵合金の微粒子が重力によって容器の鉛直方向下方に偏在してしまう場合があった。この場合、水素吸蔵合金の膨張によって燃料収容ユニットに局所的な応力集中が起こり、燃料収容ユニットに損傷を与えるおそれがあった。また、水素吸蔵合金の容器鉛直方向下方への沈降により、アルミニウム粉末と水素吸蔵合金との接触効率が低下するため、伝熱性が低下していく。
一方、圧縮成形体を収容する構造は、粉末を圧縮成形するため、粉末を収容する構造で生じ得る粒子の偏在は軽減できる。しかしながら、粉末の場合には粉末間の隙間で体積変化をある程度吸収できるのに対して、圧縮成形体の場合には体積変化を吸収することができない。したがって、圧縮成形体の場合、水素の吸蔵・放出によって起こる体積変化が大きくなってしまう。そのため、圧縮成形体を収容する構造では、水素吸蔵合金の膨張を許容できるように、水素吸蔵合金と容器との間に予め隙間を設けるなどの対策が必要であった。しかしながら、予め隙間を設けた場合には、伝熱特性の向上を図ることが困難となってしまう。一方、隙間がなくなると伝熱特性は改善されるが、逆に水素流通性が低下するため、水素充填時間が長くなってしまったり、急激な負荷変動に対応できなかったりするおそれがあり、また、圧縮成形体の膨張によって圧縮成形体または容器壁面に応力が生じ、これらの割れや破壊に至るおそれがある。
これに対し、特許文献1には、水素吸蔵合金の圧縮体(ペレット)と容器との間に隙間を設け、この隙間にアルミニウム粉末の集合体を充填した構造が開示されている。この構造では、水素吸蔵合金の体積膨張が軟質なアルミニウム粉末間の空隙によって吸収される。また、水素吸蔵合金の熱はアルミニウム粉末を介して容器側に放出される。
また、特許文献2には、円筒状の容器内に、外側に拡がる拡張力を有する巻筒体からなる押当て機能材が収容され、容器内壁と押当て機能材の外壁との間に水素吸蔵合金が収容され、押当て機能材の内側に水素流路が形成された構造が開示されている。この構造は、押当て機能材がその拡張力で水素吸蔵合金を容器内壁に付勢することで放熱性を確保し、水素吸蔵合金が体積膨張した際は押当て機能材を構成する巻筒体の径が小さくなることで体積膨張を許容している。また、水素吸蔵合金が体積膨張しても、巻筒体の内側に水素流路が確保されており、これにより水素吸蔵合金に水素を供給することができる。
特開平5−248598号公報 特開2001−82697号公報
上述のアルミニウム粉末を充填する構造では、水素吸蔵合金の膨張・収縮が繰り返されると、水素吸蔵合金の体積変化に対するアルミニウム粉末の追従性が低下してしまう場合があった。この場合には、水素吸蔵合金とアルミニウム粉末との間の接触度合いが低下して、伝熱性が低下してしまうおそれがある。また、水素を吸蔵しないアルミニウム粉末を充填するため、燃料収容ユニットの充填可能な水素容量(充填水素容量)にロスが生じてしまう。
また、上述の容器内に巻筒体を設けた構成では、水素の流通経路を巻筒体中に確保できるが、水素吸蔵合金が粉末の場合は上述の微粉化の問題がある。また、容器内壁と巻筒体とが接触していないため、水素吸蔵合金の伝熱性を向上させる余地があった。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、充填水素容量のロスを防ぎながら、水素吸蔵合金の伝熱性を向上させることができる技術を提供することにある。
本発明のある態様は、燃料収容ユニットである。当該燃料収容ユニットは、燃料電池に供給される水素を貯蔵する水素吸蔵合金を収容するための容器と、容器内壁に接触するように設けられ、水素吸蔵合金の体積変化を許容しながら水素吸蔵合金を容器内壁に付勢するための支持体と、容器内に設けられた水素流路と、を備え、支持体は、水素吸蔵合金が膨張した状態で水素流路における水素の流通を確保するよう構成されたことを特徴とする。
この態様によれば、充填水素容量のロスを防ぎながら、水素吸蔵合金の伝熱性を向上させることができる。
上記態様において、支持体は、水素流路と水素吸蔵合金とを連絡する孔を有してもよい。
また、上記態様において、支持体は、弾性を有する板状体を有し、板状体は、水素吸蔵合金と面接触し、水素吸蔵合金の体積変化に応じて弾性変形してもよい。また、支持体は、板状体と、当該板状体を水素吸蔵合金の体積変化に応じて変位させながら水素吸蔵合金に付勢する弾性部材とを有してもよい。
また、上記態様において、支持体は、少なくとも2つの板状体を有し、水素流路は、2つの板状体の間に設けられ、容器は、水素流路を挟んで2つの水素吸蔵合金を収容可能に構成されてもよい。
また、上記態様において、支持体は、互いに独立に変形可能に分割されてもよい。また、容器に収容された水素吸蔵合金を備え、水素吸蔵合金は、互いに独立に体積変化するよう分割されてもよい。
本発明の他の態様は、燃料電池モジュールである。当該燃料電池モジュールは、電解質膜と、電解質膜の一方の面に設けられたカソードと、電解質膜の他方の面に設けられたアノードとを含む燃料電池と、上述したいずれかの態様の燃料収容ユニットと、燃料収容ユニットに収容された水素吸蔵合金から放出された水素を燃料電池に向けて供給する供給路と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、充填水素容量のロスを防ぎながら、水素吸蔵合金の伝熱性を向上させることができる。
実施形態1に係る燃料電池モジュールの外観を示す概略斜視図である。 図1のA−A線に沿った概略断面図である。 容器の外観を示す概略斜視図である。 図4(A)は、支持体の外観を示す概略斜視図であり、図4(B)は、図4(A)のB−B線に沿った概略断面図である。 図5(A)は、燃料収容ユニットの水素吸蔵前の状態を示す概略部分平面図であり、図5(B)は、燃料収容ユニットの水素吸蔵前の状態を示す概略部分斜視図である。 図6(A)は、燃料収容ユニットの水素吸蔵後の状態を示す概略部分平面図であり、図6(B)は、燃料収容ユニットの水素吸蔵後の状態を示す概略部分斜視図である。 図7(A)は、水素吸蔵前の支持体の状態を示す概略部分断面図であり、図7(B)は、水素吸蔵後の支持体の状態を示す概略部分断面図である。 図8(A)は、変形例に係る燃料収容ユニットにおける、水素吸蔵前の支持体の状態を示す概略部分断面図であり、図8(B)は、変形例に係る燃料収容ユニットにおける、水素吸蔵後の支持体の状態を示す概略部分断面図である。 図9(A)は、実施形態2に係る燃料収容ユニットにおける、水素吸蔵前の支持体の状態を示す概略部分断面図であり、図9(B)は、実施形態2に係る燃料収容ユニットにおける、水素吸蔵後の支持体の状態を示す概略部分断面図である。 実施形態3に係る燃料収容ユニットにおける、水素吸蔵合金と、支持体とが容器に組み込まれた状態を示す概略断面図である。 図11(A)、および図11(B)は、実施形態3に係る燃料収容ユニットにおける、支持体の外観を示す概略斜視図である。 他の変形例に係る燃料収容ユニットにおける、水素吸蔵合金と、支持体とが容器に組み込まれた状態を示す概略部分平面図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る燃料電池モジュールの外観を示す概略斜視図である。図2は、図1のA−A線に沿った概略断面図である。
燃料電池モジュール1は、燃料収容ユニット100と、レギュレータ部200と、燃料電池部300(燃料電池)とを主な構成として備える。
燃料収容ユニット100は、蓋体102と、底体106と、容器110とを備える。蓋体102は、略筒状である容器110の一方の開口を覆うように容器110に固定され、底体106は、容器110の他方の開口を覆うように容器110に固定されている。燃料収容ユニット100は、底体106がレギュレータ部200側を向くように配置されて、燃料電池部300のアノード側の側面に接するように設けられている。
蓋体102には水素充填口104が設けられている。水素充填口104は、容器110の水素吸蔵合金収容室112と連通しており、水素充填口104に水素が充填された外部ボンベ(図示せず)を接続することにより、水素吸蔵合金収容室112内に水素を注入することができる。
容器110は、燃料電池部300に供給される水素を貯蔵する水素吸蔵合金150を収容するための部材である。水素吸蔵合金150は、容器110の水素吸蔵合金収容室112に格納される。水素吸蔵合金150は、水素の吸蔵と、吸蔵した水素の放出とが可能であり、たとえば、希土類系のMmNi4.32Mn0.18Al0.1Fe0.1Co0.3(Mmはミッシュメタル)である。なお、水素吸蔵合金150は、希土類系の合金に限られず、たとえばTi−Mn系合金、Ti−Fe系合金、Ti−Zr系合金、Mg−Ni系合金、Zr−Mn系合金等であってもよい。具体的には、水素吸蔵合金150としてLaNi合金、MgNi合金、Ti1+xCr2−yMn(x=0.1〜0.3、y=0〜1.0)合金などを挙げることができる。
底体106には水素送出口108が設けられている。水素送出口108は、一端が水素吸蔵合金収容室112と連通し、他端がレギュレータ部200と連通している。水素吸蔵合金収容室112に格納された水素吸蔵合金150から放出された水素は、水素送出口108を通ってレギュレータ部200に送り出される。燃料収容ユニット100の構造については後に詳細に説明する。
レギュレータ部200は、水素供給路202(供給路)と、レギュレータ204とを主な構成として備える。水素供給路202は、燃料収容ユニット100の内部と燃料電池部300の内部とを連通している。具体的には、水素供給路202は、燃料収容ユニット100および燃料電池部300の側面に沿って設けられており、水素供給路202の一端と燃料収容ユニット100の水素送出口108とがレギュレータ204を介して連通している。レギュレータ204により、外部ボンベから水素吸蔵合金150に水素が補充される際や、水素吸蔵合金150から水素が放出される際に、燃料電池部300に供給される水素の圧力が低減され、燃料電池部300のアノード触媒層が保護される。また、水素供給路202の他端には、水素供給路202と燃料電池部300の内部とを連通する水素供給口206が設けられている。
燃料電池部300は、筐体301と、筐体301に収容された膜電極接合体302とを主な構成として備える。筐体301には、膜電極接合体302のカソード側に対向する面(図1、2の上部)に複数の空気取入口304が設けられている。空気取入口304を通して、外部から筐体301の内部に酸化剤としての空気が流入可能である。
膜電極接合体302は、電解質膜306、カソード触媒層308(カソード)、およびアノード触媒層310(アノード)を含む。
電解質膜306は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示すことが好ましく、カソード触媒層308とアノード触媒層310との間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。電解質膜306は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基またはカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などが挙げられる。また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどが挙げられる。電解質膜306の厚さは、たとえば10〜200μmである。
カソード触媒層308は、電解質膜306の一方の面に設けられている。カソード触媒層308には、外部から空気取入口304を経由して空気が供給される。また、アノード触媒層310は、電解質膜306の他方の面に設けられている。筐体301とアノード触媒層310との間には、水素が充填される空間である燃料ガス室322が設けられており、燃料ガス室322には水素供給口206が接続されている。燃料収容ユニット100に収容された水素吸蔵合金150から放出された水素は、水素供給路202を通って燃料ガス室322に充填され、燃料ガス室322を経由してアノード触媒層310に供給される。一対のカソード触媒層308とアノード触媒層310との間に電解質膜306が狭持されることで単セルが構成される。単セルは、水素と空気中の酸素との電気化学反応により発電する。
カソード触媒層308およびアノード触媒層310は、それぞれイオン交換樹脂ならびに触媒粒子を有し、場合によってさらに炭素粒子を有する。
カソード触媒層308およびアノード触媒層310が有するイオン交換樹脂は、触媒粒子と電解質膜306とを接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を持つ。このイオン交換樹脂は、例えば電解質膜306と同様の高分子材料から形成されたものである。触媒金属としては、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Os、Ir、ランタノイド系列元素やアクチノイド系列元素の中から選ばれる単体や合金が挙げられる。また触媒を担持する炭素粒子としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどを用いることができる。なお、カソード触媒層308およびアノード触媒層310の厚さは、それぞれ、たとえば10〜40μmである。
ガスケット312は、カソード触媒層308の周囲に位置する電解質膜306(電解質膜306のカソード側の外周部)と筐体301のカソード側内周側面に設けられたカソード側固定部材314との間に設けられている。
ガスケット316は、アノード触媒層310の周囲に位置する電解質膜306(電解質膜306のアノード側の外周部)と筐体301のアノード側内周側面に設けられたアノード側固定部材318との間に設けられている。ガスケット316により、燃料ガス室322の密封性が高められ、燃料の漏洩が抑制されている。
続いて、燃料収容ユニット100の構成について、図3〜図7を参照しながら詳細に説明する。燃料収容ユニット100は、容器110と、支持体130と、水素流路170と、を主な構成として備える。
図3は、容器の外観を示す概略斜視図である。容器110は、燃料電池部300に供給される水素を貯蔵する水素吸蔵合金150を収容する。容器110と、外界あるいは燃料電池部300との接触面積を増大させて、外界あるいは燃料電池部300と、水素吸蔵合金150との間の伝熱効率を高めるために、容器110は矩形状であることが好ましい。より好ましくは、容器110は、扁平な直方体形状である。容器110は、たとえばSUSやアルミニウムなどの材料を切削あるいは形取りすることで形成することができる。蓋体102および底体106は、容器110とは別に作製されてネジなどの締結部材(図示せず)で容器110に固定される。
容器110には複数の水素吸蔵合金収容室112が設けられている。水素吸蔵合金収容室112は、蓋体102と接する容器110の端面から底体106と接する容器110の端面まで延びる筒状とされ、複数並んで配置されている。水素吸蔵合金収容室112は、その長手方向に垂直な断面が角の丸い矩形状となっている。これにより、断面が円形の場合と比べて水素吸蔵合金150の積載容量を増やすことができる。また、断面が円形の場合と比べて水素吸蔵合金収容室112内での水素吸蔵合金150の動きを規制することができる。
蓋体102には、水素充填口104と各水素吸蔵合金収容室112とをつなぐ分岐路(図示せず)が設けられており、底体106には、各水素吸蔵合金収容室112と水素送出口108とをつなぐ集合路(図示せず)が設けられている。水素充填口104から注入された水素は、分岐路を介して各水素吸蔵合金収容室112に供給される。また、各水素吸蔵合金収容室112の水素吸蔵合金150から放出された水素は、集合路を介して水素送出口108に送り出される。
水素吸蔵合金収容室112の内壁には、支持体130の後述する保持体134が係合するように構成されたガイドスリット114が設けられている。ガイドスリット114は、水素吸蔵合金収容室112の対向する一組の内壁のそれぞれに、蓋体102と接する側の容器110の端面から底体106と接する側の容器110の端面まで延びるように形成されている。
図4(A)は、支持体の外観を示す概略斜視図であり、図4(B)は、図4(A)のB−B線に沿った概略断面図である。支持体130は、容器内壁に接触するように設けられ、水素吸蔵合金150の体積変化を許容しながら水素吸蔵合金150を容器内壁に付勢するための部材である。具体的には、支持体130は、板状体132と、板状体132の両端を保持する1組の保持体134とを主な構成として備える。本実施形態では、支持体130は、2つの板状体132を有し、この2つの板状体132が所定の間隔をあけるようにして1組の保持体134で保持されている。2つの板状体132で挟まれた空間は、支持体130および水素吸蔵合金150が容器110に組み込まれた状態で水素流路170を構成する。また、支持体130は、蓋体102と接する側の容器110の端面から底体106と接する側の容器110の端面まで延びる程度の長さを有する。
板状体132は、弾性を有する部材からなり、水素吸蔵合金150の体積変化に応じて弾性変形可能である。板状体132は、たとえばステンレスや銅合金などの金属材料からなる。板状体132は、このような熱伝導性の高い材料からなるため、水素吸蔵合金150で発生した熱を容器110側に放出し、水素の放出に必要な熱を容器110側から水素吸蔵合金150に供給するための伝熱部材として機能することができる。板状体132は、板状体132の一方の主表面側の空間と他方の主表面側の空間とを連絡する孔136を有する。
保持体134は、略直方体形状であり、板状体132の一辺の長さと略同一の長さの溝部135を一側面に有する。1組の保持体134は、板状体132を挟んで、互いの溝部135が設けられた一側面が対向するように配置され、一方の保持体134の溝部135に板状体132の一側面側の端部が差し込まれ、他方の保持体134の溝部135に当該一側面と対向する側面側の端部が差し込まれる。このようにして、1組の保持体134は板状体132を保持している。本実施形態では、2つの板状体132に対応して、2つの溝部135が各保持体134に設けられている。水素吸蔵合金150の体積変化に応じた板状体132の弾性変形を許容するように、板状体132の端部は溝部135内で固定されておらず、自由端となっている。
図5(A)は、燃料収容ユニット100の水素吸蔵前の状態を示す概略部分平面図であり、図5(B)は、燃料収容ユニット100の水素吸蔵前の状態を示す概略部分斜視図である。図6(A)は、燃料収容ユニット100の水素吸蔵後の状態を示す概略部分平面図であり、図6(B)は、燃料収容ユニット100の水素吸蔵後の状態を示す概略部分斜視図である。なお、図5(B)では、説明の便宜上、容器および水素吸蔵合金の一部を切断して示している。また、図6(B)では、説明の便宜上、容器の一部を切断して示している。
図5(A)、および図5(B)に示すように、支持体130は、保持体134が容器110のガイドスリット114に係合するようにして容器110に組み込まれている。支持体130が容器110に組み込まれた状態で、水素吸蔵合金収容室112は2つの小室112a,112bに分割されている。小室112aおよび小室112bのそれぞれには、水素吸蔵合金150が収容されている。水素吸蔵合金150は、上述した水素吸蔵合金の粉末にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)デイスパージョンなどの結着剤を混合し、プレス機で圧縮成形した圧縮成形体(ペレット)である。必要に応じて、圧縮成形後に焼結処理がなされていてもよい。水素吸蔵合金150は、水素吸蔵合金収容室112の形状に合わせて、角の丸い矩形状である。
水素を吸蔵する前の状態で、水素吸蔵合金150は、ガイドスリット114が形成された容器内壁との間に隙間をもって小室112a,112b内に収容されている。また、水素吸蔵合金150は、一側面が板状体132の主表面と面接触し、当該一側面に対向する側面が容器内壁に接している。水素吸蔵合金150は、板状体132と、板状体132と対向する容器内壁とで挟まれて水素吸蔵合金収容室112内での動きが規制されている。水素吸蔵合金150の動きを規制するためには、水素を吸蔵する前の状態で板状体132が付勢力をもって水素吸蔵合金150と接していることが好ましい。しかしながら、板状体132は単に水素吸蔵合金150に接触しているだけでもよい。また、水素吸蔵合金150は、水素吸蔵時に水素吸蔵合金収容室112の長手方向に膨張することを考慮して、その長手方向の長さが水素吸蔵合金収容室112の長さよりも小さく設定されている。
水素流路170は、2つの板状体132の間に設けられている。したがって、容器110は、各水素吸蔵合金収容室112において、水素流路170を挟んで2つの水素吸蔵合金150を収容している。水素流路170は、一端が蓋体102の分岐路に接続され、他端が底体106の集合路に接続されている。
板状体132には複数の孔136が設けられているため、水素流路170と水素吸蔵合金150とが孔136を介して連通する。そのため、水素充填口104から注入され、水素流路170を流れる水素を、孔136を介して水素吸蔵合金150に供給することができる。また、水素吸蔵合金150から放出された水素を、孔136を介して水素流路170に送出することができる。
図6(A)、および図6(B)に示すように、水素吸蔵合金150は、水素流路170から供給された水素を吸蔵すると、膨張して体積が増大する。膨張によって、ガイドスリット114が形成された容器内壁と対向する水素吸蔵合金150の側面が当該内壁に当接し、これにより、当該内壁に向かう方向(図6(A)における左右方向)への水素吸蔵合金150のさらなる膨張が抑制される。また、膨張によって、板状体132と面接触する水素吸蔵合金150の一側面が板状体132を押圧する。また、水素吸蔵合金150の当該一側面に対向する側面が板状体132と対向する容器内壁を押圧するが、容器内壁の反力によって水素吸蔵合金150が板状体132側に変位し、板状体132がさらに押圧される。これにより、板状体132は水素流路170側に膨らむように弾性変形する。
小室112aに収容された水素吸蔵合金150と小室112bに収容された水素吸蔵合金150とがそれぞれ膨張するため、各水素吸蔵合金150に当接する2枚の板状体132は、互いに近づくように変形する。ここで、板状体132は、その両端が保持体134に差し込まれて保持されている。そのため、板状体132と面接触する水素吸蔵合金150が板状体132を押圧した場合、保持体134から遠い部分ほど、すなわち板状体132の中心線に近い部分ほど変形しやすい。特に、水素吸蔵合金150は断面形状が角の丸い矩形状であり、板状体132の保持体134に近い部分はあまり押圧されないため、その傾向が大きい。そのため、2つの板状体132の間に設けられた水素流路170は、板状体132が変形した場合であっても完全に閉塞されず、保持体134の近傍領域に水素の流通が可能な空間が残る。したがって、支持体130は、水素吸蔵合金150が膨張した状態であっても、水素流路170における水素の流通を確保することができる。このように、水素流路170における水素の流通を確保することができるため、水素充填口104から遠い側にある水素吸蔵合金150に対しても水素を確実に供給することができる。また、水素吸蔵時にも水素流路170の一部が確保されるため、水素流通経路における圧力損失の増大を防ぐことができる。
水素吸蔵合金150が膨張して板状体132が押圧された状態で、水素吸蔵合金150は板状体132の弾性力によって容器内壁に付勢される。すなわち、板状体132は、水素吸蔵合金150の体積変化を許容しながら水素吸蔵合金150を容器内壁に付勢することができる。これにより、水素吸蔵合金150による水素の吸蔵で発生した熱は容器110側に放出され、水素吸蔵合金150の水素吸蔵が効率よく行われる。また、板状体132は、両端が保持体134を介して容器内壁に接触し、かつ水素吸蔵合金150と面接触している。そのため、水素吸蔵合金150による水素の吸蔵で発生した熱を、板状体132を介して容器110側に放出することができる。
図7(A)は、水素吸蔵前の支持体の状態を示す概略部分断面図であり、図7(B)は、水素吸蔵後の支持体の状態を示す概略部分断面図である。図7(A)に示すように、水素吸蔵合金150が水素を吸蔵する前の状態では、板状体132の一方の主表面に水素吸蔵合金150が当接し、板状体132の他方の主表面の端部が溝部135の壁面に当接している。このようにして板状体132は容器110内で位置決めされている。
そして、図7(B)に示すように、水素吸蔵合金150が水素の吸蔵によって膨張すると、板状体132は、押圧されて水素流路170側に膨らむように湾曲する。板状体132の端部は、溝部135内で自由端となっているため、板状体132の変形によって溝部135から引き出される方向に移動する。これにより、板状体132は、水素吸蔵合金150の体積膨張に追従して変形することができる。また、板状体132の変形によって板状体132の端部は溝部135から引き出される方向に移動するが、板状体132の変形量が所定量を超えると、水素吸蔵前の状態で板状体132が当接していた壁面と対向する溝部135の壁面に板状体132の先端が引っかかる。また、水素吸蔵合金150に当接する主表面と反対側の板状体132の主表面が他方の板状体132に当接する。これらにより、板状体132のさらなる変形が抑制され、板状体132の保持体134からの抜け落ちが防止される。水素吸蔵合金150が水素を放出して体積が減少した場合には、板状体132は、その弾性力によって水素吸蔵合金150を容器内壁に付勢しながら初期状態(図7(A)に示す状態)に戻る。
以上説明したように、本実施形態に係る燃料収容ユニット100は、水素吸蔵合金150を収容するための容器110と、容器内壁に接触するように設けられ、水素吸蔵合金150の体積変化を許容しながら水素吸蔵合金150を容器内壁に付勢する支持体130と、水素流路170とを備える。そして、支持体130は、水素吸蔵合金150が膨張した状態で水素流路170における水素の流通を確保している。具体的には、水素吸蔵合金150の一面が容器内壁に接する状態で配置され、支持体130の板状体132が水素吸蔵合金150を容器内壁に付勢しながら水素吸蔵合金150の膨張に追随して変形する。これにより、水素吸蔵合金150を容器110に常に接触させることができる。したがって、水素吸蔵合金150と容器内壁との隙間に金属粉末を充填する場合と比べて、燃料収容ユニット100の充填水素容量ロスを抑えながら、水素吸蔵合金150と容器110との間の伝熱性を確保することができる。また、板状体132は、保持体134に近い部分が変形しにくいため、水素吸蔵合金150が膨張しても、水素流路170における水素の流通を確保することができる。
また、板状体132は、両端が保持体134を介して容器内壁に接続され、一方の主表面が水素吸蔵合金150に接触している。そのため、水素吸蔵合金150で発生した熱を支持体130を介して容器110側に放熱することができ、水素の放出に必要な熱を支持体130を介して容器110側から水素吸蔵合金150に供給することができる。そのため、水素吸蔵合金150の伝熱性をより高めることができる。板状体132にアルミニウムや銅などの高熱伝導性の金属を採用した場合には、さらなる伝熱性の向上が可能である。
また、支持体130の端部が容器内壁に接触した構造であるため、水素吸蔵合金収容室112の長手方向に垂直な断面の形状を矩形状とすることができ、したがって、水素吸蔵合金150の断面形状を矩形状とすることができる。これにより、水素吸蔵合金150の断面が円形である場合と比べて、容器110への水素吸蔵合金150の充填率および積載量を増やすことができ、体積容量密度のロスを低減することができる。
また、巻筒体で円筒状の合金を押圧する従来の構成では、巻筒体を中空の圧縮成形体に対して均等に圧縮しながら収容する必要があったため、製造工程が複雑であった。また、巻筒体がずれて配置されると、水素の吸蔵・放出にともなう圧縮成形体の体積変化によって、巻筒体と圧縮成形体の接触面において圧力分布が不均等となり、圧縮成形体が圧壊するなどの恐れがあった。これに対し、本実施形態の支持体130は、板状体132を水素吸蔵合金150の一側面に当接させて、水素吸蔵合金150を一方向に押圧している。そのため、従来の構成と比べて、製造工程の簡略化が可能であり、また、水素吸蔵合金150と板状体132の接触面における圧力分布を均一にすることができる。そのため、水素吸蔵合金150の圧壊を防ぐことができる。
また、支持体130は、2つの板状体132を有し、水素流路170は2つの板状体132の間に設けられ、容器110には水素流路170を挟んで2つの水素吸蔵合金150が収容されている。これにより、水素吸蔵合金収容室112の体積を同じくした場合に、水素流路170を水素吸蔵合金収容室112の片側に寄せて配置した場合と比べて、水素吸蔵合金150の各部から水素流路170までの距離を短くすることができる。そのため、水素吸蔵合金150の全体に均一に水素を供給することができる。
また、板状体132には、水素流路170と水素吸蔵合金150とを連絡する孔136が設けられている。そのため、水素充填口104から注入された水素を効率よく水素吸蔵合金150に供給することができる。また、水素吸蔵合金150から放出された水素を効率よくレギュレータ部200側に送出することができる。
さらに、本実施形態に係る燃料電池モジュール1は、上述の構成を備えた燃料収容ユニット100を搭載しているため、充填水素容量のロスを抑えながら、発電電力を増大させることができる。
(変形例)
実施形態1に係る燃料収容ユニットには、次のような変形例を挙げることができる。図8(A)は、変形例に係る燃料収容ユニットにおける、水素吸蔵前の支持体の状態を示す概略部分断面図であり、図8(B)は、変形例に係る燃料収容ユニットにおける、水素吸蔵後の支持体の状態を示す概略部分断面図である。
図8(A)に示すように、変形例に係る燃料収容ユニット100では、各保持体134が固定支柱138を有する。各保持体134は、2つの板状体132に対応して2つの固定支柱138を有する。そして、板状体132は、端部が固定支柱138に巻き付くように変形しており、端部が固定支柱138に巻き付くことで、板状体132が保持体134に連結されている。板状体132の端部は、固定支柱138に固定されておらず、自由端となっている。
そして、図8(B)に示すように、水素吸蔵合金150が水素の吸蔵によって膨張すると、板状体132が押圧されて水素流路170側に膨らむように湾曲する。板状体132の変形によって、板状体132の端部には保持体134から引き出される方向の力がかかり、固定支柱138に巻き付いていた端部の一部分が保持体134から引き出される。これにより、板状体132は、水素吸蔵合金150を容器内壁に付勢しながら、水素吸蔵合金150の膨張に追従して変形することができる。板状体132は、変形した状態で固定支柱138に巻き付いた部分が残るように設定されており、これにより、板状体132の保持体134からの抜け落ちが防止される。
(実施形態2)
実施形態2に係る燃料収容ユニットは、支持体130の構造が実施形態1と異なる。以下、本実施形態について説明する。なお、燃料電池モジュール1の構造や、支持体130を除く燃料収容ユニット100の他の部分の構造は実施形態1と基本的に同一である。実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。
図9(A)は、実施形態2に係る燃料収容ユニットにおける、水素吸蔵前の支持体の状態を示す概略部分断面図であり、図9(B)は、実施形態2に係る燃料収容ユニットにおける、水素吸蔵後の支持体の状態を示す概略部分断面図である。
図9(A)に示すように、本実施形態の支持体130は、2つの板状体132と、1対の保持体134とを主な構成として備える。各保持体134は、可動支柱140と、弾性部材142とを備える。可動支柱140は、2つの板状体132に対応して2つ設けられている。また、保持体134には可動支柱140の両端部が嵌めこまれるレール(図示せず)が設けられている。可動支柱140はこのレール内を移動できるようになっている。弾性部材142は、たとえばバネなどであり、2つの可動支柱140の間に配置されて、一端が一方の可動支柱140に連結され、他端が他方の可動支柱140に連結されている。板状体132は、端部が保持体134に差し込まれており、この端部に可動支柱140が当接している。板状体132は、可動支柱140を介して伝わる弾性部材142の付勢力によって水素吸蔵合金150側に付勢されている。
図9(B)に示すように、水素吸蔵合金150が水素の吸蔵によって膨張すると、水素吸蔵合金150によって板状体132が押圧される。その結果、板状体132が弾性部材142の付勢力に逆らって水素流路170側に変位する。板状体132は、弾性部材142の付勢力により、水素吸蔵合金150を容器内壁に付勢しながら、水素吸蔵合金150の体積膨張に追従して変位することができる。また、弾性部材142が収縮しきった状態で、板状体132が水素吸蔵合金150によってさらに押圧されると、板状体132の両端には水素吸蔵合金150側への力がかかり、板状体132の中央領域には水素流路170側への力がかかる。これにより、板状体132は、水素吸蔵合金150の膨張を許容する方向に弾性変形する。なお、本実施形態では、弾性部材142が板状体132を水素吸蔵合金150に付勢するとともに、板状体132を水素吸蔵合金150の体積変化に応じて変位させている。そのため、板状体132は弾性を有していなくてもよい。
2つの板状体132の間には、2つの可動支柱140と、弾性部材142とが介在している。そのため、水素吸蔵合金150が膨張して2つの板状体132が互いに近づくように変位しても、両者の間に、2つの可動支柱140の直径と収縮した弾性部材142の厚さ分の空間を保つことができる。したがって、水素吸蔵合金150が膨張した状態でも、水素流路170における水素の流通を確保することができる。
以上説明した実施形態2に係る燃料収容ユニット100によっても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態に係る燃料収容ユニット100では、弾性部材142によって、板状体132を水素吸蔵合金150の体積変化に応じて変位させながら水素吸蔵合金150に付勢している。したがって、板状体132が弾性を有していなくてもよい。そのため、実施形態1と比べて支持体130の部品点数は増えるが、板状体132の材料の選択自由度を高めることができ、燃料収容ユニット100の製造コストの削減を図り得る。
(実施形態3)
実施形態3に係る燃料収容ユニットは、支持体130および水素吸蔵合金150が分割された構造を有する。以下、本実施形態について説明する。なお、燃料電池モジュール1の構造や、支持体130および水素吸蔵合金150が分割されていることを除く燃料収容ユニット100の他の構造は実施形態1と基本的に同一である。実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。
図10は、実施形態3に係る燃料収容ユニットにおける、水素吸蔵合金と、支持体とが容器に組み込まれた状態を示す概略断面図である。図11(A)、および図11(B)は、実施形態3に係る燃料収容ユニットにおける、支持体の外観を示す概略斜視図である。なお、図10は、図3のC−C線の位置で切断した概略断面図に相当する。
図10に示すように、本実施形態に係る燃料収容ユニット100は、支持体130の長手方向の長さ(支持体130が容器110に収容された状態で、水素吸蔵合金収容室112の長手方向に平行な長さ)が水素吸蔵合金収容室112の長手方向の長さに比べて短い。そのため、本実施形態では、容器110の各水素吸蔵合金収容室112において、複数の支持体130が水素吸蔵合金収容室112の長手方向に積層されている。すなわち、支持体130は、互いに独立に変形可能に分割されている。
また、支持体130と同様に、水素吸蔵合金150も長手方向の長さ(水素吸蔵合金150が容器110に収容された状態で、水素吸蔵合金収容室112の長手方向に平行な長さ)が水素吸蔵合金収容室112の長手方向の長さに比べて短い。そのため、本実施形態では、容器110の各水素吸蔵合金収容室112において、複数の水素吸蔵合金150が水素吸蔵合金収容室112の長手方向に積層されている。すなわち、水素吸蔵合金150は、互いに独立に体積変化するよう分割されている。
図11(A)、および図11(B)に示すように、保持体134は、その長手方向に垂直な2つの面のうち、一方の面に凸部144が設けられ、他方の面に凹部146が設けられている。そして、複数の支持体130は、凹部146が設けられた面側から容器110に差し込まれる。これにより、複数の支持体130が容器110内で積層された状態で、隣接する2つの支持体130のうちの一方の支持体130の凸部144と他方の支持体130の凹部146とが嵌合して、隣接する支持体130同士が連結される。底体106の所定位置には、凸部144と同一形状の凸部(図示せず)が形成されており、この凸部は、底体106と接する支持体130の凹部146に挿入される。これにより、支持体130が底体106に連結される。
以上説明した実施形態3に係る燃料収容ユニット100によっても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態では、支持体130が互いに独立に変形可能に分割されている。そのため、水素吸蔵合金150の体積変化が場所によって異なる場合であっても支持体130を各場所に応じて変形させることができるため、支持体130に過剰な負荷がかかって破損してしまう事態を回避することができる。
また、本実施形態では、水素吸蔵合金150が互いに独立に体積変化するように分割されている。そのため、各水素吸蔵合金150の体積変化が互いに異なる場合であっても、各水素吸蔵合金150に過剰な負荷がかかって破損してしまう事態を回避することができる。
さらに、本実施形態では、支持体130の保持体134に凸部144と凹部146を設け、隣接する支持体130の凸部144と凹部146とを嵌合させることで、複数の支持体130を連結することができる。そのため、支持体130を簡単に積層することができ、燃料収容ユニット100の製造工程を簡略化することができる。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
例えば、上述の実施形態1では、保持体134に設けた溝部135に板状体132を差し込んでいるが、容器内壁に溝部135に相当する切り欠きを設け、保持体134を介することなく、直接容器内壁に板状体132を差し込むようにしてもよい。
また、上述の各実施形態では、2つの板状体132の間に水素流路170が設けられ、水素流路170を挟んで2つの水素吸蔵合金150が収容されているが、特にこの構成に限定されない。たとえば、図12に示すように、1つの板状体132を有する支持体130が容器内壁寄りに設けられていてもよい。図12は、他の変形例に係る燃料収容ユニットにおける、水素吸蔵合金と、支持体とが容器に組み込まれた状態を示す概略部分平面図である。この場合には、板状体132と容器内壁との間に水素流路170が配置され、板状体132を挟んで水素流路170と反対側に水素吸蔵合金150が収容される。この構成は、水素吸蔵合金150の長手方向に垂直な断面の面積が比較的小さい場合に適用することが好ましい。水素吸蔵合金150の断面積が大きくなると、水素流路170からの距離が長くなって、水素吸蔵合金150の全体に均一に水素を吸蔵させることが難しくなるためである。
また、水素吸蔵合金収容室112の大きさ等に応じて、2つの板状体132を有する支持体130を2以上設け、水素吸蔵合金収容室112内を3以上の小室に分割するようにしてもよい。
1 燃料電池モジュール、 100 燃料収容ユニット、 110 容器、 112 水素吸蔵合金収容室、 114 ガイドスリット、 130 支持体、 132 板状体、 134 保持体、 135 溝部、 136 孔、 138 固定支柱、 140 可動支柱、 142 弾性部材、 144 凸部、 146 凹部、 150 水素吸蔵合金、 170 水素流路、 306 電解質膜。

Claims (8)

  1. 燃料電池に供給される水素を貯蔵する水素吸蔵合金を収容するための容器と、
    容器内壁に接触するように設けられ、水素吸蔵合金の体積変化を許容しながら水素吸蔵合金を容器内壁に付勢するための支持体と、
    前記容器内に設けられた水素流路と、を備え、
    前記支持体は、水素吸蔵合金が膨張した状態で前記水素流路における水素の流通を確保するよう構成されたことを特徴とする燃料収容ユニット。
  2. 前記支持体は、前記水素流路と水素吸蔵合金とを連絡する孔を有する請求項1に記載の燃料収容ユニット。
  3. 前記支持体は、弾性を有する板状体を有し、
    前記板状体は、水素吸蔵合金と面接触し、水素吸蔵合金の体積変化に応じて弾性変形する請求項1または2に記載の燃料収容ユニット。
  4. 前記支持体は、板状体と、当該板状体を水素吸蔵合金の体積変化に応じて変位させながら水素吸蔵合金に付勢する弾性部材とを有する請求項1または2に記載の燃料収容ユニット。
  5. 前記支持体は、少なくとも2つの板状体を有し、
    前記水素流路は、前記2つの板状体の間に設けられ、
    前記容器は、前記水素流路を挟んで2つの水素吸蔵合金を収容可能に構成された請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料収容ユニット。
  6. 前記支持体は、互いに独立に変形可能に分割された請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料収容ユニット。
  7. 前記容器に収容された水素吸蔵合金を備え、
    前記水素吸蔵合金は、互いに独立に体積変化するよう分割された請求項1乃至6のいずれか1項に記載の燃料収容ユニット。
  8. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に設けられたカソードと、前記電解質膜の他方の面に設けられたアノードとを含む燃料電池と、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の燃料収容ユニットと、
    前記燃料収容ユニットに収容された水素吸蔵合金から放出された水素を前記燃料電池に向けて供給する供給路と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池モジュール。
JP2009294988A 2009-12-25 2009-12-25 燃料収容ユニットおよび燃料電池モジュール Pending JP2011133085A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009294988A JP2011133085A (ja) 2009-12-25 2009-12-25 燃料収容ユニットおよび燃料電池モジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009294988A JP2011133085A (ja) 2009-12-25 2009-12-25 燃料収容ユニットおよび燃料電池モジュール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011133085A true JP2011133085A (ja) 2011-07-07

Family

ID=44346036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009294988A Pending JP2011133085A (ja) 2009-12-25 2009-12-25 燃料収容ユニットおよび燃料電池モジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011133085A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014098532A (ja) * 2012-11-16 2014-05-29 Ricoh Co Ltd 蓄放熱装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014098532A (ja) * 2012-11-16 2014-05-29 Ricoh Co Ltd 蓄放熱装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8361668B2 (en) Devices for managing heat in portable electronic devices
US6268077B1 (en) Portable fuel cell power supply
EP1962358A2 (en) Fuel cell stack and fuel cell system having the same
Kim et al. Ultra compact direct hydrogen fuel cell prototype using a metal hydride hydrogen storage tank for a mobile phone
JP2003068325A (ja) 燃料電池
Wang et al. Constructing a stable cobalt-nitrogen-carbon air cathode from coordinatively unsaturated zeolitic-imidazole frameworks for rechargeable zinc-air batteries
JP5548474B2 (ja) 複合膜および燃料電池
US20100248058A1 (en) Fuel cell module
US7309535B2 (en) Air breathing fuel cell having bi-cell unit cells
JP2011133085A (ja) 燃料収容ユニットおよび燃料電池モジュール
JP5362406B2 (ja) 燃料電池
JP2010251300A (ja) 燃料電池システム
JP2008059817A (ja) 燃料電池のセル構造及び燃料電池スタック
JP2008010158A (ja) 燃料電池及び燃料電池を備える電子機器
WO2013065083A1 (ja) 燃料電池システム
JP2012009412A (ja) 燃料電池システムおよびその制御方法
WO2007139059A1 (ja) 燃料電池
JP5434035B2 (ja) 燃料電池のスタック構造
KR101903803B1 (ko) 연료전지시스템
JP2004207208A (ja) 液体燃料電池およびそれを用いた発電装置
WO2013145776A1 (en) Fuel cell system comprising a detachable fuel cartridge including a hydrogen storage alloy
US20130260284A1 (en) Fuel cell system
JP2015079562A (ja) 燃料電池及び燃料電池システム
JP2004186097A (ja) 燃料電池
US8277995B2 (en) Fuel cell power generation system