JP2011132362A - 導電性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、カーボンナノチューブを樹脂中へ分散剤の使用なしに分散することができ、カーボンナノチューブの添加量が少量であっても導電性や電磁波遮蔽性に優れた樹脂組成物、およびそれを用いた成形体、電磁波遮蔽シート、導電シートを提供することを目的とする。
【解決手段】導電性微粒子を含有する光および/又は熱硬化性樹脂組成物であって、導電性微粒子が、無機粒子の表面にカーボンナノチューブを担持させたものであることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は電磁波吸収シート、電磁波吸収シート積層体、導電シート、導電シート積層体に使用できる樹脂組成物に関し、更に詳しくは、カーボンナノ材料を担持した無機微粒子を含有する優れた導電性、電磁波吸収性を有する樹脂組成物及びそれを用いた電磁波吸収シート及び導電シートに関するものである。
従来から、導電性、熱伝導性、電磁波シールド性等の機能の付与に際し、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリイミド等の有機ポリマー中に、導電微粒子等を分散させ、それらを複合して、導電性、熱伝導性、電磁波シールド性等の機能を有する構造材料用複合材とすることは知られている。
特に、カーボンナノチューブ又はカーボンマイクロコイルは、静電気防止性、導電性、電磁波シールド性等を機能付与した複合材料分野での応用が期待されている。しかし、カーボンナノチューブを用いて、機能性を付与しようとすると、有機ポリマー中に大量にカーボンナノチューブを添加する必要がある。カーボンナノチューブの添加量が多くなると、凝集、ボイドやその他欠陥の影響で樹脂組成物の機械物性に悪影響を及ぼしてしまう。
従来、カーボンナノチューブの添加量を増大させることなく、導電性を付与する方法としては、カーボンナノチューブ、アミド系極性溶媒並びに非イオン性界面活性剤および/又はポリビニルピロリドンからなるカーボンナノチューブ分散液を調整し、ポリマーへ分散する方法(特許文献1参照)や、エステル系分散剤を用いて樹脂中へ分散する方法(特許文献2参照)が知られている。また、基材の片面に、表面側ほどカーボンナノチューブの含有濃度が高い導電層を設ける方法が知られている(特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献1、2記載の技術は、カーボンナノチューブを樹脂へ分散する際に分散剤を用いるため、分散剤が樹脂の物性に悪影響を及ぼしてしまう問題がある。また、特許文献3記載の技術は、樹脂成形物の表面に高濃度のカーボンナノチューブが添加されているため、成形物が摩擦されることにより、カーボンナノチューブが脱落し、脱落したカーボンナノチューブが環境を汚染したり、電子機器などに大きな損傷を与えるという問題がある。
特開2007−23149号公報 特開2007−77370号公報 特開2007−229989号公報
本発明の目的は、カーボンナノチューブを樹脂中へ分散剤の使用なしに分散することができ、カーボンナノチューブの添加量が少量で導電性や電磁波遮蔽性に優れた樹脂組成物、およびそれを用いた成形体、電磁波遮蔽シート、導電シートを提供することにある。
本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、上記性能を同時に満足させる樹脂組成物を見いだし本発明を完成した。即ち、本発明は
(1)導電性微粒子を含有する光及び/又は熱硬化性樹脂組成物であって、導電性微粒子が、無機粒子の表面にカーボンナノチューブを担持させたものであることを特徴とする硬化性樹脂組成物、
(2)無機粒子が金属酸化物であることを特徴とする上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物、
(3)無機粒子の平均粒子径が100μm以下であることを特徴とする上記(1)乃至(2)に記載の硬化性樹脂組成物、
(4)無機金属酸化物が、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ジルコニアから選択される少なくとも1種であることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物、
(5)カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の硬化性樹脂組成物、
(6)カーボンナノチューブが2〜3層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の硬化性樹脂組成物、
(7)上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物、
(8)溶剤を含有する、上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物、
(9)平面支持体上に上記(8)記載の硬化性樹脂組成物溶剤を除去した層を有するシート、
(10)上記(9)記載のシートを硬化して得られる、電磁波遮蔽シート、
(11)上記(9)記載のシートを硬化して得られる、導電シート、
に関する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、カーボンナノチューブを樹脂中へ分散剤なしに分散することができ、また、カーボンナノチューブの添加量が少量であっても、導電性や電磁波遮蔽性が良好であるため、本発明の硬化性樹脂組成物は、電磁波遮蔽シートや導電シート用材料としての導電性と信頼性が極めて高い。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は光および/又は熱硬化樹脂および、無機粒子の表面にカーボンナノチューブを担持させた導電性微粒子を含有する。
本発明で用いる導電性微粒子は、表面にカーボンナノチューブを担持させた無機粒子である。担体となる無機粒子は、金属、金属合金、金属酸化物、金属炭化物および、金属硫化物等が挙げられる。カーボンナノチューブは、導電性の観点から1〜3層のものが好ましく、より好ましくは単層のものである。金属としては、アルミニウム、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミニウム、タングステン、白金、金などを挙げることができる。金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物および金属硫化物としては、前記金属の酸化物、窒化物、炭化物を挙げることができる。前記金属あるいは金属化合物のうち、樹脂等への相容性や配合のし易さから、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、アルミニウムで安定化した酸化マグネシウム、ゼオライトなどが挙げられる。
無機粒子の粒径は、100μm以下が好ましく、特に好ましくは0.03〜30μmである。100μmを越えると塗膜したときにシートの平滑性が劣るようになり好ましくない。
無機粒子表面にカーボンナノチューブを担持させるには、まず、最初に触媒を無機粒子表面に担持後、カーボンナノチューブを生成/成長させる。
無機粒子の表面に担持させる触媒としては特に限定される物ではないが、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt等のVIII族から選択される少なくとも1種の金属と、Cr、W、Mo等のVIa族からから選択される少なくとも1種の金属から構成される、二元金属触媒粒子であることが好ましい。更に好ましい二元金属触媒粒子の組み合わせとしては、Co−Cr、Co−W、Co−Mo、Ni−Cr、Ni−W、Ni−Mo、Ru−Cr、Ru−W、Ru−Mo、Rh−Cr、Rh−W、Rh−Mo、Pd−Cr、Pd−W、Pd−Mo、Ir−Cr、Ir−W、Ir−Mo、Pt−Cr、Pt−W、Pt−Moが挙げられ、Co−Mo、Co−W、Ni−M、Ni−Wが特に好ましい。
二元金属触媒粒子中のVIII族原子とVIa族金属との比率は、単層カーボンナノチューブの選択性に影響を与える。好ましいVIII族原子とVIa族金属との比率としては、1:10?15:1であり、より好ましくは1:5?2:1である。これら、二元金属触媒粒子は、単に2つの金属を混合することによって、調製したり、化合物前駆体2種を混合後、分解することにより得ることができる。一般的には、単層カーボンナノチューブを選択的に生産するには、VIa族金属の濃度は、VIII族金属の濃度よりも高くして用いられる。
二元金属触媒粒子を前記した無機粒子の表面に担持させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えばスパッタリング、真空蒸着、CVD、鍍金、無機粒子を触媒金属の化合物溶液に浸漬する方法などが挙げられる。
触媒を担持させた無機粒子の表面上にカーボンナノチューブを生成させ成長させる方法としては、公知のCVD法、レーザーアブレーション法、炭素アーク法などが挙げられるが、量産性等の観点からCVD法が好ましい。 CVD法によるカーボンナノチューブの製造は、一般的に原料となる炭素含有ガスを窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを混合して用いる。 炭素含有ガスとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素、エチレン、プロピレン、アセチレン等の不飽和脂肪族炭化水素、 一酸化炭素、アセトン、メタノール等の含酸素炭化水素、 トルエン、ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。炭素含有ガスは、1種で又は2種以上を混合して使用できる。二元金属触媒を担持させた無機粒子を、炭素含有ガスを混合した不活性ガス雰囲気下で加熱することにより、カーボンナノチューブ担持無機粒子を合成することができる。好ましい加熱温度は700〜1000℃であり、より好ましくは750?900℃である。
本発明において、無機粒子の表面にカーボンナノチューブを担持させて付着させる付着量は、触媒の担持量、供給する不活性ガス量、炭化水素の種類とその量、反応温度と時間等で制御することが可能である。またカーボンナノチューブの担持量が少なすぎると、導電性能が不十分であり、多すぎると樹脂等への相容性が低下し、分散不良につながりやすくなる。従ってカーボンナノチューブの付着量としては無機粒子に対する重量比で0.01〜20程度が好ましく、特に0.05〜10が好ましい。
カーボンナノチューブの付着量は、例えば熱分析を行い、700℃程度までの加熱減量などから求めることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、光照射及び/又は加熱により硬化可能な樹脂組成物であれば特に限定されず、例えば、不飽和二重結合を有する化合物を含有する硬化性樹脂組成物、エポキシ基、オキセタニル基等の環状エーテル基を有する化合物を含有する硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
上記不飽和二重結合を有する化合物としては特に限定されず、例えば、ビニル基、ビニルエーテル基、アリル基、マレイミド基、(メタ)アクリル基等を有する樹脂が挙げられ、なかでも反応性や汎用性の面より(メタ)アクリル基を有する樹脂が好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリル基とは、アクリル基又はメタクリル基のことをいう。
(メタ)アクリル基を有する樹脂としては例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、水酸基含有(メタ)アクリレートと多カルボン酸化合物の酸無水物の反応物であるハーフエステル,ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620等)、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、モノ又はポリグリシジル化合物と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
モノ又はポリグリシジル化合物と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレートに用いられるグリシジル化合物としては、特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン、ブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のポリフェノール類のグリシジルエーテル化物が挙げられる。
これらモノ又はポリグリシジル化合物と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレートは、そのエポキシ基に当量の(メタ)アクリル酸をエステル化反応させる事によって得ることができる。この合成反応は一般的に知られている方法により行うことが出来る。例えば、レゾルシンジグリシジルエーテルにその当量の(メタ)アクリル酸を、触媒(例えば、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン等)及び重合防止剤(例えば、メトキノン、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フェノチアジン、ジブチルヒドロキシトルエン等)と共に添加して、例えば80〜110℃でエステル化反応を行う。こうして得られた(メタ)アクリル化レゾルシンジグリシジルエーテルは、ラジカル重合性の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂である。
上記環状エーテル基を有する化合物としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フラン樹脂等が挙げられる。なかでも、反応速度や汎用性の観点からエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オキセタン樹脂が好適である。上記エポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリオキシプロピレンビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、その他にグリシジルアミン等も挙げられる。
上記エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、エピクロンN−740、N−770、N−775(以上、いずれも大日本インキ化学社製)、エピコート152、エピコート154(以上、いずれもジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンN−660、N−665、N−670、N−673、N−680、N−695、N−665−EXP、N−672−EXP(以上、いずれも大日本インキ化学社製);ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製);トリスフェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、EP1032S50、EP1032H60(以上、いずれもジャパンエポキシレジン社製);ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、XD−1000−L(日本化薬社製)、HP−7200(大日本インキ化学社製);ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート834、エピコート1001、エピコート1004(以上、いずれもジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン850、エピクロン860、エピクロン4055(以上、いずれも大日本インキ化学工業社製);ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピコート807(ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン830(大日本インキ化学工業社製);2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製);水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ST−5080(東都化成社製);ポリオキシプロピレンビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、EP−4000、EP−4005(以上、いずれも旭電化工業社製)等が挙げられる。
上記オキセタン樹脂の市販品として、例えば、エタナコールEHO、エタナコールOXBP、エタナコールOXTP、エタナコールOXMA(以上、いずれも宇部興産社製)等が挙げられる。また、上記脂環式エポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、セロキサイド2021、セロキサイド2080、セロキサイド3000(以上、いずれもダイセル・ユーシービー社製)等が挙げられる。これらの環状エーテル基を有する化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物に含有される光反応開始剤としては、カチオン重合型とラジカル重合型が挙げられるが、特に制限が無い。ラジカル重合型光反応開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、4,4'−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等を挙げることができる。好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトンを挙げることができる。
また、カチオン重合型光反応開始剤としては、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボレート、トリスフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロボレート、4,4’−ビス[ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)スルフォニオ]フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルフォニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル[4−(1−メチルエチル)フェニル]ヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができる。
なお、本発明においては、光反応開始剤は単独で用いても良いし、複数種を混合して用いても良い。上記光反応開始剤の配合量としては、上記不飽和二重結合を有する化合物や環状エーテル基を有する化合物などの硬化性化合物100重量部に対して0.01?10重量部であり、好ましくは0.1?5重量部である。0.01重量部未満であると、光重合を開始する能力が不足して効果が得られないことがあり、10重量部を超えると、急激な光重合反応により、硬化時の内部応力によって、接着強度の低下等を引き起こすことがある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に含有される熱硬化剤は、加熱により硬化性化合物中の不飽和二重結合やエポキシ基等を反応させ、架橋させるためのものであれば特に制限は無く、例えば酸無水物、アミン類、フェノール類、イミダゾール類、ジヒドラジン類、ルイス酸、ブレンステッド酸塩類、ポリメルカプトン類、イソシアネート類、ブロックイソシアネート類等が挙げられる。
使用できる酸無水物の具体例としては、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物等の脂環式カルボン酸無水物等が挙げられる。
使用できるアミン類の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−キシリレンジアミン等の芳香族アミン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ポリエーテルジアミン等の脂肪族アミン、ジシアンジアミド、1−(o−トリル)ビグアニド等のグアニジン類、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジ、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]等のヒドラジド化合物類等が挙げられる。
使用できるフェノール類の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’ −ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フラン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂、ブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類等、下記式(1)
Figure 2011132362
(式中、x、y、z、l、m及びnは、それぞれ平均重合度であって、x=3〜7、y=1〜4、z=5〜15、l+m=2〜200の整数をそれぞれ示し、m/(l+m)≧0.04である。)
で示されるフェノール性水酸基含有ポリアミドーポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体や下記式(2)
Figure 2011132362
(式中、l、m及びnは、それぞれ平均重合度であって、l+m=2〜200の整数をそれぞれ示し、m/(l+m)≧0.04である。)
で示されるフェノール性水酸基含有ポリアミド等が挙げられる。
上記記載のフェノール性水酸基含有ポリアミド類は、例えば次の方法で合成できる。即ち、フェノール性水酸基を有するジカルボン酸を含有するジカルボン酸成分に対して過剰量のジアミンを加え、これらを例えば、亜リン酸エステルとピリジン誘導体の存在下で縮合剤を使用して、Nーメチルー2ーピロリドン等の有機溶媒中で窒素等の不活性雰囲気下にて加熱攪拌、縮合反応を行って、フェノール性水酸基を含有するポリアミドが得られる。また、ポリブタジエンやポリ(ブタジエン?アクリロニトリル)等とのブロック共重合体類は、例えば次の方法で合成できる。即ち、上記記載の方法で得られた、フェノール性水酸基を含有するポリアミドオリゴマーを生成させる。この結果、得られた両末端がアミノ基となったフェノール性水酸基含有ポリアミドオリゴマー溶液に、両末端にカルボキシル基をもつポリ(ブタジエンーアクリロニトリル)共重合体や、両末端にカルボキシル基をもつポリブタジエンを添加し、重縮合することにより得ることができる。また、ジカルボン酸をジアミンに対して過剰にして、両末端がカルボン酸基となったポリアミドを合成し、これに対して両末端がアミノ基のポリ(ブタジエンーアクリロニトリル)共重合体や両末端がアミノ基のポリブタジエンを反応させることもできる。尚、上記ジカルボン酸成分とジアミンは少なくともそのどちらか一方の全部又は一部がフェノール性水酸基を含有していれば良く、この条件を満たす限り、フェノール性水酸基を含有しないジカルボン酸又はジアミンを併用することができる。
フェノール性水酸基含有ポリアミドに使用できるフェノール性水酸基を有するジカルボン酸の具体例としては、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、2ーヒドロキシフタル酸、3−ヒドロキシフタル酸、2−ヒドロキシテレフタル酸等が、又、フェノール性水酸基を有しないジカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジカルボキシルナフタレン、コハク酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、3,3′−メチレン二安息香酸等が挙げられる。
使用できるフェノール性水酸基を含有するジアミンの具体例としては、3,3′−ジアミン−4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフロロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ジフロロメタン、3,4−ジアミノ−1,5−ベンゼンジオ−ル、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビスフェニル、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)メタン等が、又、フェノール性水酸基を含有しないジアミンの具体例としては、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノナフタレン、ピペラジン、ヘキサネチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、m−キシレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニル等が挙げられ、3,4′−ジアミノジフェニルエーテルが好ましいが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
また、両末端に種々の官能基を持つポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体は、Goodrich社からHycar CTBNとして市販されており、これらを前記のフェノール性水酸基含有ポリアミドとブロック化するために使用することができる。
使用できるイミダゾール類の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等の各種イミダゾール類、及びそれらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類等が挙げられる。
これら熱硬化剤の配合量としては、上記硬化性化合物100重量部に対して0.5〜50重量部であり、好ましくは1〜40重量部である。0.5重量部未満であると、硬化不足により、接着性や耐薬品性等の硬化物特性が低下する。また、50重量部を超えると、熱硬化剤成分が過剰にあまり、耐熱性等の低下を招く。なお、上記熱硬化剤は2種以上を混合して用いることもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を含有させることもできる。この硬化促進剤としては、例えばトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、例えば、トリエチルアミン、テトラエタノールアミン、1,8−ジアザービシクロ〔5.4.0〕−7ーウンデセン(DBU)、N,N−ジメチルベンジルアミン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン又は2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メチルピペラジン等の第3級アミン系化合物、例えば1,8−ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート等のホウ素系化合物が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、他の添加物を加えることができる。例えば天然ワックス類、合成ワックス類および長鎖脂肪族酸の金属塩類等の可塑剤、酸アミド類、エステル類、パラフィン類等の離型剤、ニトリルゴム、ブタジエンゴム等の応力緩和剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化錫、水酸化錫、酸化モリブデン、硼酸亜鉛、メタ硼酸バリウム、赤燐、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム等の無機難燃剤、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモベンゼン、ブロム化フェノールノボラック等の臭素系難燃剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリング剤、溶融シリカ、結晶性シリカ、低α線シリカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスバルーン、タルク、アルミナ、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マグネシア、窒化ケイ素、窒化ホウ素、フェライト又は希土コバルト、や金、銀、ニッケル、銅、鉛、鉄粉、酸化鉄、砂鉄等の金属粉並びに黒鉛、カーボン、弁柄、黄鉛等の無機質充填剤または導電性粒子、染料や顔料等の着色剤、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイト繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維などの無機系繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、炭素繊維などの有機系繊維、酸化安定剤、光安定剤、耐湿性向上剤、チキソトロピー付与剤、希釈剤、消泡剤、他の各種の樹脂、粘着付与剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤等を配合することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、反応性官能基を有する硬化性化合物(A)、光反応開始剤及び/又は熱硬化剤(B)、無機粒子の表面にカーボンナノチューブを担持させた導電性微粒子(C)、並びに必要に応じ硬化促進剤及びその他の添加剤均一に混合して得ることができる。また、上記各成分を溶媒中で均一に混合することにより、導電性能を有する樹脂ワニスを得ることができる。溶媒としては、例えばトルエン、エタノール、セロソルブ、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒が挙げられるが、特に限定されない。溶媒の使用量は、樹脂組成物の使用目的により、適当な粘度となるように調整することが好ましいが、通常固形分100重量部に対して、50〜2000重量部である。
本発明の前記溶剤を含む硬化性樹脂組成物(樹脂ワニス)は、電磁波シールドシート、電界シールドシート、導電性シート等(以下、導電性シート類と称する)を構成する接着剤として好ましく使用できる。これら導電性シート類の構成は、シート状基材/接着剤/保護フィルムからなる三層構造であり、接着剤の厚さは一般に0.2〜1.6mmであるが、使用状況等により適宜決められる。導電性シート類に用いるシート状基材としては、特に限定されないが、基材に用いるベース樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などが挙げられ、具体的には、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。また、ポリイミドフィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ポリエステルフィルム、ポリパラバン酸フィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンスルファイドフィルム、アラミドフィルム、 種々の合成繊維、天然繊維、ガラス繊維、金属繊維等の織布、不織布の中から適宜選択して用いることができる。また、シート状基材としては、シート単層のものでも、シートを積層した多層のものでも、用いることができ、これらシート状基材の片面もしくは両面に、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、サンドブラスト処理等の表面処理を施してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、特に制限はなく、例えば、スピンコーター、ディップコーター、スプレーコーター、バーコーター、ロールコーター、コンマコーター等の公知の塗布方法を挙げることができ、これらの塗布方法により、所望のシート状基材の少なくとも一面に、所望の厚さの均一な塗膜を容易に設けることができる。
また、シート状基材に塗布された本発明の硬化性樹脂組成物の塗膜は、硬化あるいは乾燥させて、コーティング被膜とされ、この硬化あるいは乾燥の条件又は方法は、用いる樹脂成分の種類等に応じて適宜選択できる。通常、塗膜から溶剤を、室温又は加熱下で蒸発させることにより塗膜が得られる。また、この硬化方法等は、従来から知られた方法により行うことができる。硬化性樹脂組成物の塗布量は、用途に応じて、広い範囲から適宜選択することができるが、一般には、硬化後の膜厚が、0.005〜2mm程度、特に0.01〜1mm程度となる量とするのが好ましい。
本発明では、前記のように、シート状基材の少なくとも一面に、本発明の硬化性樹脂組成物を塗布し、溶剤を揮発あるいは反応させることにより、導電性シート類を得ることができる。導電性シート類の厚さとしては、広い範囲から選択できるが、取り扱い性等を考慮すると、通常は、0.1〜5mm程度、特に0.3〜3mm程度であるのが好ましい
以下、実施例を以て本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、%および部は、特記しない限り重量基準である。また、エポキシ当量、水酸基当量の単位はg/eqである。
合成例1
平均粒径が15μmの溶融破砕シリカ(商品名:RD−8(龍森製))上に1%担持したコバルト/モリブデン比が1:1の二元金属触媒粒子は、湿式含浸法よって調整した。すなわち、適量の窒化コバルトとヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物を脱イオン水に溶解し、この溶液をシリカに徐々に滴下した。セラミック製乳鉢で、シリカ上に金属を分散した。二元金属触媒粒子は、数時間、周辺条件下で乾燥させ部分的に乾燥させた。その後、80℃で12時間乾燥し、その後、空気気流下で450℃で焼成した。得られた二元金属触媒粒子0.1gを、8mmのアーク内径を持っている垂直なクォーツ管型反応器に入れた。このクォーツ管型反応器を、熱電対と温度コントロールを備えていた炉の中に設置した。水素ガス(85cm/分)は反応炉の先端から流し、炉の温度を室温から450℃まで、20℃/分の昇温速度で加温した。450℃到達後、追加で30分間に反応炉中に水素気流を導入した。 その後、反応炉はヘリウムガス中で600〜700℃まで上昇し、次いで、一酸化炭素ガスを導入して、CO:He=50:50%の混合ガスを100cm/分の流速で反応炉に挿入した。 シリカ担持した二元金属触媒は、2時間COガスと接触時間させた。反応後、ヘリウム気流下で室温まで冷却し、黒色の1%単層カーボンナノチューブを担持したシリカを得た。
実施例1
(電磁波シールド用組成物の実施例)
表1の実施例1の欄に示す組成物(数値は部、以下実施例2〜4、比較例1においても同様)を溶解混合後、三本ロールにて混練し、本発明の硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、50mmφ×3mmtの金型中に流し入れ、150℃×1h次いで、200℃×1hで加熱硬化し、本発明の硬化物を得た。この様にして得られた評価用のサンプルは、表面抵抗計(三菱アナリテック製 Loresta−GP MCP−T600)で、表面抵抗値の測定し、結果を表2に示した。
実施例2
表1の実施例2の欄に示す組成物を溶解混合後、三本ロールにて混練し、本発明の硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、50mmφ×3mmtの金型中に流し入れ、150℃×1h次いで、200℃×1hで加熱硬化し、本発明の硬化物を得た。この様にして得られた評価用のサンプルは、表面抵抗計(三菱アナリテック製 Loresta−GP MCP−T600)で、表面抵抗値の測定し、結果を表2に示した。
実施例3
表1の実施例3の欄に示す組成物を溶解混合後、三本ロールにて混練し、本発明の硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、50mmφ×3mmtの金型中に流し入れ、150℃×1h次いで、200℃×1hで加熱硬化し、本発明の硬化物を得た。この様にして得られた評価用のサンプルは、表面抵抗計(三菱アナリテック製 Loresta−GP MCP−T600)で、表面抵抗値の測定し、結果を表2に示した。
実施例4
表1の実施例4の欄に示す組成物を溶解混合後、三本ロールにて混練し、本発明の硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、50×70mmのガラス基板上に80μm厚になるよう塗布し、高圧水銀灯にて紫外線を2J/cmの積算光量で硬化させ、本発明の硬化物を得た。この様にして得られた評価用のサンプルは、表面抵抗計(三菱アナリテック製 Loresta−GP MCP−T600)で、その表面・裏面をそれぞれ表面抵抗値の測定し、結果を表2に示した。
比較例1
表1の比較例1の欄に示す組成物を溶解混合後、三本ロールにて混練し、本発明の硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、50mmφ×3mmtの金型中に流し入れ、150℃×1h次いで、200℃×1hで加熱硬化し、本発明の硬化物を得た。この様にして得られた評価用のサンプルは、表面抵抗計(三菱アナリテック製 Loresta−GP MCP−T600)で、表面抵抗値の測定し、結果を表2に示した。
Figure 2011132362
尚、表1において略号は下記のものを示す。
エポキシ樹脂:YD−8125(ビスフェノールA型エポキシ樹脂;東都化成製;エポキシ当量170)
アクリレート樹脂:KAYARAD DPHA(多官能アクリレート樹脂;日本化薬製)
熱硬化剤:2−エチル−4−メチルイミダゾール
光重合開始剤:イルガキュア184
導電微粒子A:合成例1で得られた、1%単層カーボンナノチューブ担持シリカ
導電微粒子B:単層カーボンナノチューブ
Figure 2011132362

Claims (11)

  1. 導電性微粒子を含有する光および/又は熱硬化性樹脂組成物であって、導電性微粒子が、無機粒子の表面にカーボンナノチューブを担持させたものであることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 導電性微粒子の無機粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 導電性微粒子のうち担持無機粒子の平均粒子径が100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 導電性微粒子の無機金属酸化物が、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ジルコニアから選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. カーボンナノチューブが2〜3層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1乃至4に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  8. 溶剤を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 平面支持体に請求項8記載の硬化性樹脂組成物溶剤を除去した層を有するシート。
  10. 請求項9記載のシートを硬化して得られる、電磁波遮蔽シート。
  11. 請求項9記載のシートを硬化して得られる、導電シート。
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