JP2011132185A - 歯科用色調適合確認材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、試適作業後の水洗による除去性に優れ、製造も容易な歯科用色調適合確認材料を提供することにある。
【解決手段】
(a)多価アルコール、好適には25℃において液状の多価アルコールと、該液状の多価アルコール100質量部に対して0.01〜10質量部の25℃において固体状の多価アルコールを10〜79質量%、
(b)水を20〜60質量%、および
(c)充填材1〜30質量%
を含有する歯科用色調適合確認材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、歯科用セメントの色調適合性を確認するのに用いる歯科用色調適合確認材料に関する。
歯科用色調適合確認材料は、歯科医療において歯科医師がインレー、オンレー、ベニア等の歯科用補綴物を支台歯に合着する際に使用するセメントの色調を決定するために用いられる。一般的に、歯科用セメントは数種類の色調の中から選択して用いられるが、合着後の補綴物の審美性は、補綴物自体の色調と重合硬化した後の歯科用セメントの色調との組み合わせに依存しているため、審美的に優れた仕上がりを得るためには、合着後に適切な色調を呈する歯科用セメントを使用する必要がある。そのために、重合硬化後の歯科用セメントと同じ色調に設定された色調適合確認材料を用いて一時的に補綴物を支台歯に試適して、その審美性を確認するという作業が臨床において行われている。
試適で所望の色調が得られた場合には、補綴物は取り外され、水洗により補綴物の内面と支台歯とに付着している歯科用色調適合確認材料が除去された後、そのときの試適に使用した歯科用色調適合確認材料と同じ色調を呈する歯科用セメントを用いて補綴物が合着される。試適で所望の色調が得られなかった場合には、他の色調の色調適合確認材料を用いて再び試適が行われる。試適の作業は、所望の審美性が得られるまで繰り返される。
このような、歯科用色調適合確認材料は、試適作業の後、歯科用セメントを使用し、補綴物を歯面に合着を行うが、歯科用色調適合確認材料が歯面に残留していると、歯科用セメントの合着力が減少し、補綴物の脱落などの原因になる可能性がある。そのため、試適作業後の水洗による、優れた除去性を示す歯科用色調適合確認材料の開発が望まれていた。
例えば、特許文献1には、グリセリンと二種類のフィラーを含有する歯科用色調適合確認材料が記載されている。また、特許文献2には、室温で液体のポリエチレングリコールと室温で固体のポリエチレングリコール粒子とからなる歯科用色調適合確認材料が記載されている。
特開2007−137851号公報 米国特許第6,579,919号明細書
しかしながら、これらの組成の歯科用色調適合確認材料を用いても、上記試適作業後の水洗による除去性は今一歩満足できるものではなく、歯科用セメントの合着力の低下を引き起こしていた。
なお、特許文献1には、前記グリセリンと二種類のフィラーからなる組成に、任意添加剤として発明の効果を損なわない程度でさらに水を配合しても良いことが記載されている。しかし、実施例で使用した例は示されておらず、その具体的な配合量の説明もなく、上記発明の効果を損なわない程度の記載からして、その意図された量は少量としか読み取れない。
また、特許文献2において、室温で固体のポリエチレングリコール粒子の、同液体のポリエチレングリコール粒子に対する混合は、加熱により一晩かけて溶解させることで実施している。この加熱操作は極めて煩雑であった。
こうした背景にあって、本発明は、試適作業後の水洗による除去性に優れ、製造も容易な歯科用色調適合確認材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記技術課題を克服すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、多価アルコール、水、及び充填材をそれぞれ特定量で配合することにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、(a)多価アルコール10〜79質量%、(b)水20〜60質量%、および(c)充填材1〜30質量%を含有する歯科用色調適合確認材料である。
本発明に係る歯科用色調適合確認材料は、(a)多価アルコールおよび(c)充填材の他に、(b)水を20〜60質量%の多量に含有する。そのペースト性状は、上記用途への試適材料として好ましい諸特性を有し、さらに、水の作用により、試適作業後の水洗での除去性にも極めて優れる。
本発明の歯科用色調適合確認材料に含有される(a)多価アルコールについて説明する。本発明における(a)多価アルコールは、分子内に少なくとも2個の水酸基を有する水溶性の化合物であれば、従来公知の化合物を何等制限無く使用することができる。ここで、多価アルコールが水溶性とは、20℃での水への溶解度が20g/100ml以上であり、好ましくは該20℃において水と任意の割合で相溶することである。無論、疎水性の置換基等は有さないものがより適している。
上記多価アルコールの中でも、25℃において液状のものが、ペーストの流動性が良好であり、(c)充填材の分散性も良いため好ましい。ここで、25℃において液状とは、25℃で測定した粘度が3,000mPa・s以下、より好適には2,000mPa・s以下のものをいう。このような液状の性状を呈する多価アルコールは、高分子体であれば、その重量平均分子量は通常、1,000以下であり、より一般的には800以下である。
こうした液状の多価アルコールの具体例を示せば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(以下、「PPG」と略記する)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(以下、「PEG」と略記する)、ヘキシレングリコール、グリセリン、1,3―ブチレングリコール、1,2,6―ヘキサントリオール、エトキシル化グリセリン、プロポキシル化グリセリンなどを挙げることができる。これらは単独或いは2種以上を混合して用いてもよい。このうち特に、化合物を構成する炭素原子数を、その水酸基の数で割った値が0.5〜50、さらには1〜30であるのが上記水洗での除去性に優れているため好ましく、グリセリンや前記した分子量のPEGが最適である。
ただし、斯様に液状の多価アルコールを用いた場合、得られる歯科用色調適合確認材料は、該成分と充填材成分とが分離し易くなり、充填材成分の配合量を多めにしてペースト粘度を高めたとしても、それは静置保管中に相分離や液成分の浮出しが生じ易いものになる。これを防止するには、(a)多価アルコールとして、上記液状の多価アルコール100質量部に対して、さらに、重量平均分子量が1,000〜500,000である25℃において固体状の多価アルコールを配合させるのが効果的である。その配合量は、液状の多価アルコール100質量部に対して0.01〜100質量部が好適である。
ここで、25℃において固体状とは、25℃で測定した粘度が、ガラスの軟化温度の定義粘度である自重で1mm/minの速度で伸びる程度のもの(4.5×10mPa・sより大きい)であるが、通常は、上記重量平均分子量が1,000〜500,000の高分子体であれば満足する。
このような固体状の多価アルコールの具体例を示せば、前記重量平均分子量のPPG、前記重量平均分子量のPEG、前記重量平均分子量のポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略記する)等が挙げられる。このうち、液状の多価アルコールとの相溶性の良さから該液状の多価アルコールと同種のものを用いるのが好ましく、液状の多価アルコールと固体状の多価アルコールとが共に、ポリエチレングリコールであるのが最適である。
ところで、これら固体状の多価アルコールの、液状の多価アルコールに対する溶解速度は小さく、従来、このような態様で歯科用色調適合確認材料を製造しようとすると、固体状の多価アルコールを加熱溶融させて混合するしかなく、操作が非常に煩雑であった(前記特許文献2参照)。また、このように加熱して溶解させたとしても、良好に相溶させるには、重量平均分子量の上限は10,000を下回るものまでしか使用できなかった。しかして、この程度の重量平均分子量のものでは前記充填材の分離抑制効果は十分には高くはなく、そのため該多価アルコールは多めに配合しようとすると、加熱操作はさらに長時間化しなければならなかった。
これに対して、本発明の歯科用色調適合確認材料は、水が20〜60質量%の多量に配合されているため、各成分を常温下(10〜30℃)で混合すれば、該固体状の多価アルコールも簡単に溶解させることができる利点がある。この溶解性の高さは、重量平均分子量が10,000を越えるもの、特に、前記充填材の分離抑制効果に優れる重量平均分子量が10,000〜250,000、最も好ましくは20,000〜100,000のものでも良好に発揮される。こうした重量平均分子量が大きいものは前記充填材の分離抑制効果にも格別に優れるため、その配合量も少なめに抑えることができ(具体的には、液状の多価アルコール100質量部に対して0.01〜10質量部、より好適には0.1〜7質量部)、画して、これらは一層に溶解させ易いものにできる。
本発明の歯科用色調適合確認材料において、上記(a)多価アルコールの配合量は、本発明の歯科用色調適合確認材料の全質量に対し10〜79質量%である。この範囲において、試適後の水洗による除去性が高く、歯科材料としての取り扱い性にも優れたものになる。これらの効果のさらなる良好さを勘案すると、20〜70質量%の範囲であることが好ましく、30〜63質量%の範囲であることがより好ましい。(a)多価アルコールの配合量が10質量%未満の場合には、(b)水の配合量が相対的に多くなり、液成分と充填材成分の分離が生じる。一方、同配合量が79質量%を超えると、水洗による除去性が低下し、試適材料としての性能が低下する。
本発明において(b)水は、最も特徴的成分であり、前記したように水を配合したことにより、得られる歯科用色調適合確認材料は、試適後の水洗による除去性に優れたものになる。また、(a)多価アルコールとして、高分子量の固体状のものを用いた場合でも、簡単に溶解させることができるようになる。こうした水は、従来公知の方法で得られるものを使用すれば良く、具体的には工業用水、家庭用飲料用水、農業用水、蒸留水、精製水、イオン交換水などが挙げられる。
本発明の歯科用色調適合確認材料において、上記(b)水の配合量は、本発明の歯科用色調適合確認材料の全質量に対し20〜60質量%である。この範囲において、試適作業後の水洗による除去性が高く、歯科材料としての取り扱い性にも優れたものになる。これらの効果のさらなる良好さを勘案すると、25〜55質量%の範囲が好ましく、30〜50質量%の範囲がより好ましい。(b)水の配合量が20質量%未満の場合には、試適後の水による除去性が低下する。一方、同配合量が60質量%を超えると、静置保管した際の液成分と充填材成分との分離が大きくなる。
さらに、本発明で用いられる(c)充填材は、組成物をペースト化し付形性を付与するために配合されるものであり、従来公知の無機系充填材および/または有機系充填材を制限無く使用することができる。具体例を示すと、無機系充填材としては、二酸化ケイ素( 石英、ガラス、シリカなど)、アルミナ等の金属酸化物、セラミックス類、珪藻土、カオリン、モンモリロナイト等の粘土鉱物、活性白土、合成ゼオライト、マイカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
有機系充填材としては、ポリメチルメタクリレート(以下PMMAと略記する)、ポリエチルメタクリレート(以下PEMAと略記する)、多官能メタクリレートの重合体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン− ブタジエンゴム等を素材とした有機樹脂粒子が挙げられる。
これらの無機系充填材および/または有機系充填材は、単独或いは2種以上を混合して用いてもよい。また、これらはシランカップリング剤等の表面処理剤により処理されたものであっても良い。
これら(c)充填材は、一般には、平均一次粒子径が0.001〜70μmの範囲のものから選んで使用すれば良い。平均一次粒子径が0.001〜0.050μm、より好適には0.001〜0.030μmの無機微粒子が増粘性に優れるため好ましい。特に、シリカやアルミナ等の金属酸化物が好ましく、ヒュームドシリカが最適である。ここで、平均一次粒子径は、Mie散乱理論に基づく、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置により測定した、体積基準で表示したメジアン径の値を言う。
ただし、(c)充填材として、こうした無機微粒子のみを用いた場合、ペーストを塗布した際の被膜厚さが厚くできず、色調適合確認材料として使用する際の適度な被膜厚さである5〜50μm、より好ましくは10〜40μmを実現し難い場合がある。よって、これを抑制するためには、(c)充填材中に、さらに、上記求められる被膜厚さの平均一次粒子径(すなわち、5〜50μm、より好ましくは10〜40μm)の無機粒子または有機樹脂粒子を配合するのが好ましい。その配合量は、平均一次粒子径が0.001〜0.070μmの無機微粒子100質量部に対して0.01〜10質量部が効果的であり、0.02〜8質量部が特に効果的である。
本発明の歯科用色調適合確認材料において、上記(c)充填材の配合量は、本発明の歯科用色調適合確認材料の全質量に対し1〜30質量%である。この範囲において、試適作業後の水洗による除去性が高く、歯科材料としての取り扱い性にも優れたものになる。これらの効果のさらなる良好さを勘案すると、5〜25質量%の範囲がより好ましく、7〜20質量%の範囲が最も好ましい。(c)充填材の配合量が1質量%未満の場合には、良好なペースト性状を得ることが困難である。一方、同配合量が30質量%を超えると、液成分と充填材成分の分離が生じ、操作性が悪化するとともに試適後の水による除去性も低下する。
本発明の歯科用色調適合確認材料は、(c)充填材が、対応する歯科用セメントに配合されているものと同種であり、その他、該歯科用セメントに顔料等が配合されておらず、そのままで両者の色調が同じである場合等には、特に顔料を配合せずに使用する場合もあり得る。通常は、対応する歯科用セメントと色調が異なっているため、さらに、(d)顔料を、(a)多価アルコール、(b)水、および(c)充填材の合計100質量部に対して0〜0.1質量部を含有させて、該歯科用セメントと同じ色調に一致させるのが好ましい。顔料としては、ベンガラ、フタロシアニンブルー、各種アゾ系顔料および酸化チタンが例示される。これら顔料は、単独で、または複数種類を組み合わせて配合することができる。
(d)顔料の配合量は、前記(a)多価アルコール、(b)水、および(c)充填材の合計100質量部に対して0〜0.1質量部であるが、十分に着色効果を発揮させ、他方、充填材の配合効果に影響を与えない観点からは0.0001〜0.01質量部であるのがより好ましい。
さらに、本発明の歯科用色調適合確認材料に必要に応じて、蛍光剤、紫外線吸収剤、抗菌性物質などを、本発明の効果を損わない程度の量で添加してもよい。
斯様な各成分からなる本発明の歯科用色調適合確認材料は、通常、25℃で測定した粘度が3,000〜50,000mPa・sであり、より好ましくは塗布性や被膜形成性等の取扱い性に優れた上記粘度が5,000〜30,000mPa・sのものとすることもできる。ここで、粘度は、回転型粘度計により測定した値を言う。例えば、BOHLIN社製CSレオメーター(CSO120HR)において、直径20mmΦ、角度1度のパラレルプレートを用い、Shere Stressを100〜10,000Paまで増大させ測定する方法などが例示できる。
歯科用色調適合確認材料としては、支台歯に補綴物を合着する際に、合着後に適切な色調を呈する歯科用セメントを選択するために、予め、該歯科用色調適合確認材料を補綴物に塗布して一時的に補綴物を支台歯に試適し、その審美性を確認する、同材料の通常の態様で使用すれば良い。色調の確認後は、補綴物は取り外され、水洗により補綴物の内面と支台歯とに付着している歯科用色調適合確認材料を除去すれば良い。支台歯上面に塗布する歯科用色調適合確認材料の被膜厚みは、5〜50μm、より好ましくは10〜40μmであるのが好適である。
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお実施例に表記する略記したものの詳細を以下の表1に示す。
略称の詳細
Figure 2011132185
実施例1
PEG200を50質量%(50g)と、水40質量%(40g)を200mlビーカー内で混合した。次いで、平均一次粒子径が0.012μmの表面処理されていないヒュームドシリカ1を10質量%(10g)および、顔料を(a)成分、(b)成分、および(c)成分の合計100重量部に対して0.001重量部(0.1g)を分散させ、歯科用色調適合確認材料を調製した。次いで下記(1)の方法により調製した歯科用色調適合確認材料の水除去性について調べた。また、下記(2)および(3)の方法により、液成分と充填材成分の分離およびペーストの被膜厚さを調べた。結果を表2および表3に示した。
(1)歯科用色調適合確認材料の水除去性
調製した歯科用色調適合確認材料を牛歯象牙質表面に0.2g盛り付け、表面に塗布した。次いで水圧0.3MPa、流量120ml/minで水を牛歯表面より垂直に充て、歯科用色調適合確認材料の残留量を目視にて観測し、歯科用色調適合確認材料が完全に除去された秒数を水除去性の値とし、除去時間が3〜4秒のものを◎、5〜6秒のものを○ならびに7〜8秒のものを△とした。
(2)歯科用色調適合確認材料の分離
調製した歯科用色調適合確認材料を1mlのツベルクリン用シリンジ(テルモ製、商品名「テルモシリンジ」)の目盛り0〜0.5mlの範囲に充填した。注射口をテープでシールした後、37℃の恒温室に保管し、1ヵ月後に吐出した際液成分の分離が0.2mm以下のものを○、0.2mm〜0.4mmのものを△、0.4mm以上のものを×と判断した。
(3)被膜厚さ測定
2枚重ねたΦ1.5mmガラス板の厚さdをマイクロメータで測定する。ガラス板の中心に、歯科用色調適合確認材料0.1gを盛る。もう1枚のガラス板で試料を挟み、15kg重の荷重をただちに印加する。印加開始から3分後にガラス板を取り出し、厚さdを測定する。なお、厚さは中心と外周4点の計5点の平均値とし、d−dを試料の被膜厚さとする。
(4)総合評価
総合評価の方法は、除去時間の評価および液成分と充填材成分の分離の評価のひとつでも△の項目があれば総合評価を△とし、いずれかの項目でひとつでも×がある場合は総合評価を×とした。なお、いずれの評価項目も○であり、且つ被膜厚さが10〜25μmであるものを◎と評価した。
実施例2〜33
実施例2〜実施例33は上記実施例1と同様の方法で、表2および表3に示す歯科用色調適合確認材料を調製し、その評価を行った。結果を表2および表3に示した。
比較例1
水90重量%(90g)を200mlビーカーに準備した。次いで、平均一次粒子径ヒュームドシリカ1を9.5質量%(9.5g)およびPMMA1を0.5質量%(0.5g)添加し、顔料を(a)成分、(b)成分および(c)成分の合計100質量部に対して0.001質量部(0.1g)を分散させ、歯科用色調適合確認材料を調製し、その評価を行った。結果を表3に示した。
比較例2〜5
比較例2〜比較例5は上記比較例1と同様の方法で、表2に示す歯科用色調適合確認材料を調製し、その評価を行った。結果を表3に示した。
Figure 2011132185
Figure 2011132185
実施例1〜33はすべて総合評価が△以上であった。比較例1では、液成分を(a)多価アルコールを添加せず、(b)水のみにすることで、液成分と充填材成分の分離が大きくなり、総合評価は×となった。比較例2では、液成分を(b)水を添加せず、(a)PEG200およびPEG35,000のみにすることで、除去時間が12秒となり総合評価は×となった。比較例3では、(a)PEG200およびPEG35,000を5重量%、(b)水を85重量%、すなわち請求項記載の範囲外の(a)および(b)を添加し、(c)充填材をヒュームドシリカ1およびPMMA2を10重量%としたところ、液成分の分離が大きくなり、総合評価は×となった。比較例4の、(c)充填材を添加しない系では、ペースト性状を得ることができず、各項目の評価はできず、総合評価は×となった。比較例5では、液成分を(a)PEG200およびPEG35,000を50重量%、(b)水を10重量%ならびに(c)充填材をヒュームドシリカ1およびPMMA2を40重量%、すなわち請求項記載の範囲外の(b)および(c)を添加することで、ペースト性状が悪化し、除去時間が13秒となり総合評価は×となった。

Claims (11)

  1. (a)多価アルコール10〜79質量%、(b)水20〜60質量%、および(c)充填材1〜30質量%を含有する歯科用色調適合確認材料。
  2. (a)多価アルコールとして、25℃において液状のものを使用する請求項1記載の歯科用色調適合確認材料。
  3. 25℃において液状の多価アルコールが、ポリエチレングリコールである請求項1または請求項2記載の歯科用色調適合確認材料。
  4. (a)多価アルコールとして、さらに、重量平均分子量が10,000〜250,000である25℃において固体状の多価アルコールを、25℃において液状の多価アルコール100質量部に対して0.01〜10質量部使用してなる請求項2または請求項3記載の歯科用色調適合確認材料。
  5. 重量平均分子量が10,000〜250,000である25℃において固体状の多価アルコールが、ポリエチレングリコールである請求項4記載の歯科用色調適合確認材料。
  6. (c)充填材として、平均一次粒子径が0.001〜0.070μmの無機微粒子を使用する請求項1〜5のいずれか一項に記載の歯科用色調適合確認材料。
  7. (c)充填材として、さらに、平均一次粒子径が10〜50μmの無機粒子または有機樹脂粒子を、平均一次粒子径が0.001〜0.070μmの無機微粒子100質量部に対して0.01〜10質量部含有するものを使用してなる請求項6記載の歯科用色調適合確認材料。
  8. さらに、(d)顔料を、(a)多価アルコール、(b)水、および(c)充填材の合計100質量部に対して0〜0.1質量部を含有してなる請求項1〜7のいずれか一項に記載の歯科用色調適合確認材料。
  9. 少なくとも、(a)多価アルコール10〜79質量%、(b)水20〜60質量%、および(c)充填材1〜30質量%からなる各成分を混合することを特徴とする歯科用色調適合確認材料の製造方法。
  10. (a)多価アルコールが、25℃において液状のもの100質量部と、分子量が10,000〜250,000の25℃において固体状のもの0.01〜10質量部との混合物である請求項9記載の歯科用色調適合確認材料の製造方法。
  11. 25℃において液状の多価アルコールと分子量が10,000〜250,000の25℃において固体状の多価アルコールとが共に、ポリエチレングリコールである請求項10記載の歯科用色調適合確認材料の製造方法。
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