JP2011129711A - 半導体膜の製造方法および薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大面積の基板上に低コストで微結晶性の半導体膜を形成することが可能な半導体膜の製造方法および薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
【解決手段】一次微結晶半導体膜11に対して成膜成分を有しないプラズマ処理を行うことにより、一次微結晶半導体膜11の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜12を形成し、この薄膜化微結晶半導体膜12から二次微結晶半導体膜13を形成する。一次微結晶半導体膜11のエッチングにより結晶性を乱す要因となっている部分が選択的に除去され、結晶性の良い薄膜化微結晶半導体膜12となる。二次微結晶半導体膜13は、薄膜化微結晶半導体膜12の良好な結晶性を引き継いで成長し、基材10との界面においてもアモルファス相が少なくなる。二次微結晶半導体膜13を形成する前に、薄膜化微結晶半導体膜12を、固相成長を起こす温度でアニール処理し、更に結晶性を高めてもよい。
【選択図】図1
【解決手段】一次微結晶半導体膜11に対して成膜成分を有しないプラズマ処理を行うことにより、一次微結晶半導体膜11の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜12を形成し、この薄膜化微結晶半導体膜12から二次微結晶半導体膜13を形成する。一次微結晶半導体膜11のエッチングにより結晶性を乱す要因となっている部分が選択的に除去され、結晶性の良い薄膜化微結晶半導体膜12となる。二次微結晶半導体膜13は、薄膜化微結晶半導体膜12の良好な結晶性を引き継いで成長し、基材10との界面においてもアモルファス相が少なくなる。二次微結晶半導体膜13を形成する前に、薄膜化微結晶半導体膜12を、固相成長を起こす温度でアニール処理し、更に結晶性を高めてもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、微結晶性の半導体膜の製造方法およびこれを用いた薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)の製造方法に関する。
従来より、低い移動度で利用できる製品向けとして水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)のTFTが広く用いられてきた。水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)は、大面積に均一な特性のボトムゲート型TFTを作製できる能力を持つものの、移動度は1cm2/Vs以下であること、また電流ストレスに弱いなどの弱点を有し、次世代高性能液晶パネルや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイには用いることができない。これは、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)という材料自体が有する問題点である。
近年では、アモルファスシリコン膜をエキシマレーザによりアニール処理した結晶性シリコンをチャネル領域に用いた、ポリシリコン(poly−Si)TFTが、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイの駆動素子として実用化されている。ポリシリコンTFTは、結晶粒径が大きく移動度を大きくすることができる反面、トランジスタ間の特性ばらつきが大きくなる。
そこで、結晶粒のサイズがポリシリコンよりも小さい微結晶シリコン(nc−Si)膜をチャネル領域に用いた、微結晶シリコンTFTの研究が進められている。微結晶シリコン(nc−Si)TFTは、アモルファスシリコンTFTよりもキャリア移動度が大きく、ポリシリコンTFTよりもトランジスタ間の特性ばらつきを小さくすることが可能である。微結晶シリコン膜は、例えば、アモルファスシリコン膜をレーザアニールなどによりナノメートルオーダーの結晶粒に結晶化させることにより形成されている(例えば、特許文献1参照。)。
Czang-Ho Lee 、外2名,"Applied Physics Letters",2005年,第86巻,222106
M.R.Esmaeili、外2名,"ECS Transactions",2006年,第3巻,第8号,p.93−97
しかしながら、従来のレーザアニールによる微結晶シリコン膜は、大面積の基板上に形成することが難しく、また、レーザを使用するので製造コストも増大してしまうという問題点があった。
なお、ちなみに、非特許文献1および非特許文献2では、直接CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法にてガラス基板上に微結晶シリコンTFTを作製する試みが行われている。この従来方法で形成された微結晶シリコンTFTは、成長開始時点すなわち基板界面付近ではある程度のアモルファス層(incubation layer)を有することが知られている。従って、膜の上層をキャリアが走行するトップゲート型TFTでは良好な特性が得られるが、膜の下層をキャリアが走行するボトムゲート型TFTではa−Si:H以下の特性となってしまうことが多かった(例えば、トップゲート型では非特許文献1、ボトムゲート型では非特許文献2参照。)。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、大面積の基板上に低コストで微結晶性の半導体膜を形成することが可能な半導体膜の製造方法およびこれを用いた薄膜トランジスタの製造方法を提供することにある。
本発明による半導体膜の製造方法は、以下の(A)〜(C)の工程を含むものである。
(A)基材に一次微結晶半導体膜を形成する工程
(B)一次微結晶半導体膜に対して成膜成分を有しないプラズマ処理を行うことにより、一次微結晶半導体膜の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜を形成する工程
(C)薄膜化微結晶半導体膜から二次微結晶半導体膜を形成する工程
(A)基材に一次微結晶半導体膜を形成する工程
(B)一次微結晶半導体膜に対して成膜成分を有しないプラズマ処理を行うことにより、一次微結晶半導体膜の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜を形成する工程
(C)薄膜化微結晶半導体膜から二次微結晶半導体膜を形成する工程
本発明の半導体膜の製造方法では、基材に一次微結晶半導体膜が形成され、この一次微結晶半導体膜に対して成膜成分を有しないプラズマ処理が行われる。これにより、一次部結晶半導体膜の一部がエッチングされて、薄膜化微結晶半導体膜が形成される。この薄膜化微結晶半導体膜は、一次微結晶半導体膜中のアモルファス成分や原子間の結合の弱い部位などが選択的に除去され、結晶性が良好なものとなっている。そののち、薄膜化微結晶半導体膜から二次微結晶半導体膜が形成される。二次微結晶半導体膜は、薄膜化微結晶半導体膜の良好な結晶性を引き継いで成長するので、結晶性の良好なものとなる。
本発明による薄膜トランジスタの製造方法は、基板上にゲート電極およびゲート絶縁膜を順に形成する工程と、ゲート絶縁膜の上に微結晶半導体よりなるチャネル層を形成する工程と、チャネル層の上にソースおよびドレインを形成する工程とを含み、チャネル層を形成する工程は、上記本発明の半導体膜の製造方法により行われるものである。
本発明の半導体膜の製造方法、または本発明の薄膜トランジスタの製造方法によれば、一次微結晶半導体膜に対して成膜成分を有しないプラズマ処理を行うことにより、一次微結晶半導体膜の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜を形成し、この薄膜化微結晶半導体膜から二次微結晶半導体膜を形成するようにしたので、従来の高価で複雑なアニール技術を用いずに、大面積の基板上に低コストで微結晶性の半導体膜を形成することが可能となり、次世代のTFT技術として展開可能なものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(半導体膜の製造方法;一次成長、プラズマ処理、二次成長の順で行う例)
2.第2の実施の形態(半導体膜の製造方法;プラズマ処理と二次成長との間に、誘導加熱処理を行う例)
3.第3の実施の形態(第1の実施の形態に対応する薄膜トランジスタの製造方法)
4.第4の実施の形態(第2の実施の形態に対応する薄膜トランジスタの製造方法)
5.適用例
6.実施例
1.第1の実施の形態(半導体膜の製造方法;一次成長、プラズマ処理、二次成長の順で行う例)
2.第2の実施の形態(半導体膜の製造方法;プラズマ処理と二次成長との間に、誘導加熱処理を行う例)
3.第3の実施の形態(第1の実施の形態に対応する薄膜トランジスタの製造方法)
4.第4の実施の形態(第2の実施の形態に対応する薄膜トランジスタの製造方法)
5.適用例
6.実施例
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体膜の製造方法を工程順に表したものである。まず、例えば厚みが0.5mm程度であり、ガラスまたは合成石英などの絶縁材料よりなる基材10を用意する。この基材10を洗浄したのちCVD装置(図示せず)のチャンバー内に投入し、図1(A)に示したように、洗浄する目的で水素(H2)ガスプラズマP1を照射する。照射条件としては、例えば、基材の温度250℃にて、水素(H2)プラズマP1を400W、120Paで5min.照射する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体膜の製造方法を工程順に表したものである。まず、例えば厚みが0.5mm程度であり、ガラスまたは合成石英などの絶縁材料よりなる基材10を用意する。この基材10を洗浄したのちCVD装置(図示せず)のチャンバー内に投入し、図1(A)に示したように、洗浄する目的で水素(H2)ガスプラズマP1を照射する。照射条件としては、例えば、基材の温度250℃にて、水素(H2)プラズマP1を400W、120Paで5min.照射する。
次いで、図1(B)に示したように、水素(H2)プラズマP1で清浄化した基材10に一次微結晶半導体膜11を形成する。成膜方法としては、例えば、シラン(SiH4)ガスと水素(H2)ガスとを混合した状態でプラズマを発生させ、100W、180Paの条件で、基材10に直接、厚みが5nmの微結晶シリコン(nc−Si)よりなる一次微結晶半導体膜11を成膜する。
図2は、図1(B)に示した一次微結晶半導体膜11の構成を拡大して模式的に表したものである。一次微結晶半導体膜11は、逆三角形の断面を有する多数の結晶粒11Aにより構成されている。また、これらの結晶粒11Aの基材10との界面付近の基部11B(図2において斜め格子を施した部分)には、アモルファス相が生成されていたり、結晶性の良くない結晶核が多量に残った状態となっている。そのため、この一次微結晶半導体膜11を、膜の下層をキャリアが走行するボトムゲート型TFTに採用した場合には、極めて低い移動度しか得られず、その特性は水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)TFTと同等以下のものになってしまう。
一次微結晶半導体膜11を形成したのち、図1(C)に示したように、一次微結晶半導体膜11に対して成膜成分を有しないプラズマ処理、すなわち水素(H2)ガスプラズマP2の照射を行う。照射条件は、例えば、100W、120Paで10min.とする。これにより、図3に拡大して示したように、一次微結晶半導体膜11の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜12を形成する。
このとき、水素(H2)ガスを用いたプラズマ処理により、一次微結晶半導体膜11は主に化学的なエッチングを受け、基材10との界面付近のアモルファス相が選択的に除去されると共に、弱いSi−Siボンドが切断される。これにより、一次微結晶半導体膜11のうち結晶性を乱す要因となっている部分が選択的にエッチングされて、比較的結晶性の良い部分が残り、基材10との界面にアモルファス相が少ない良質な結晶相を有する極めて薄い薄膜化微結晶半導体膜12が形成される。
このプラズマ処理では、平行平板型プラズマ装置のプラズマポテンシャルよりも低いプラズマポテンシャルを有するプラズマ生成法を用いることが好ましい。すなわち、一次微結晶半導体膜11ないし成長の核となる薄膜化微結晶半導体膜12にプラズマダメージを与えずにエッチングを進行させることが可能なプラズマポテンシャルを有するプラズマ生成法を用いることが好ましい。具体的には、リモートプラズマ法、高密度プラズマ法、ICP(Inductively Coupled Plasma;高周波結合プラズマ)法など、プラズマポテンシャルが100V以下、より好ましくは50V以下のプラズマ生成法を用いることが好ましい。
薄膜化微結晶半導体膜12を形成したのち、真空を破ることなく例えばシラン(SiH4)ガスと水素(H2)ガスとを混合した状態でプラズマを発生させ、100W、180Paの条件で、図1(D)および図4に示したように、薄膜化微結晶半導体膜を種結晶として、厚みが40nmの微結晶シリコン(nc−Si)よりなる二次微結晶半導体膜13を成膜する。二次微結晶半導体膜13は、薄膜化微結晶半導体膜12の上層に、薄膜化微結晶半導体膜12の良好な結晶性を引き継いで成長する。そのため、二次微結晶半導体膜13は、基板10との界面においてもアモルファス相が少なく、下層の薄膜化微結晶半導体膜12から上層の二次微結晶半導体膜13への結晶性の連続性にも優れており、良好な結晶性を有するものとなる。
このように本実施の形態では、一次微結晶半導体膜11に対して成膜成分を有しないプラズマ処理を行うことにより、一次微結晶半導体膜11の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜12を形成し、この薄膜化微結晶半導体膜12を元に二次微結晶半導体膜13を形成するようにしたので、従来の高価で複雑なアニール技術を用いずに、大面積の基板10上に低コストで二次微結晶半導体膜13を形成することが可能となり、次世代のTFT技術として展開可能なものである。
また、一次微結晶半導体膜11のエッチングにより結晶性を乱す要因となっている部分を選択的に除去し、比較的結晶性の良い部分を残して薄膜化微結晶半導体膜12を形成し、これを種結晶として二次微結晶半導体膜13を形成するようにしたので、二次微結晶半導体膜13を、薄膜化微結晶半導体膜12の良好な結晶性を引き継いで成長させることが可能となる。よって、基材10との界面においてもアモルファス相が少なく、下層の薄膜化微結晶半導体膜12から上層の二次微結晶半導体膜13への結晶性の連続性にも優れた、良好な結晶性を有する二次微結晶半導体膜13を形成することが可能となる。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体膜の製造方法を工程順に表したものである。この製造方法は、薄膜化微結晶半導体膜12を形成したのち、二次微結晶半導体膜13を形成する前に、固相成長を起こす温度でアニール処理を行うことにより、二次微結晶半導体膜13の結晶性を更に高めるようにしたものである。よって、第1の実施の形態と同一の工程については、図1(A)ないし図1(C)を参照して説明する。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体膜の製造方法を工程順に表したものである。この製造方法は、薄膜化微結晶半導体膜12を形成したのち、二次微結晶半導体膜13を形成する前に、固相成長を起こす温度でアニール処理を行うことにより、二次微結晶半導体膜13の結晶性を更に高めるようにしたものである。よって、第1の実施の形態と同一の工程については、図1(A)ないし図1(C)を参照して説明する。
まず、図5(A)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、図1(A)に示した工程により、洗浄した基材10をCVD装置(図示せず)のチャンバー内に投入し、洗浄する目的で水素(H2)ガスプラズマP1を照射する。
次いで、図5(B)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、図1(B)に示した工程により、基材10に、例えば厚みが8nmの微結晶シリコン(nc−Si)よりなる一次微結晶半導体膜11を形成する。
続いて、図5(C)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、図1(C)に示した工程により、一次微結晶半導体膜11に対して成膜成分を有しないプラズマ処理、すなわち水素(H2)ガスプラズマP2の照射を行い、一次微結晶半導体膜11の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜12を形成する。
このプラズマ処理では、第1の実施の形態と同様に、平行平板型プラズマ装置のプラズマポテンシャルよりも低いプラズマポテンシャルを有するプラズマ生成法を用いることが好ましい。
そののち、図5(D)に示したように、薄膜化微結晶半導体膜12を、固相成長を起こす温度でアニール処理する。これにより、薄膜化微結晶半導体膜12中に残っていた残留歪みや弱いSi−Siボンドなどが緩和されて良好なSi−Siボンドへと変化し、結晶性を更に向上させることが可能となる。
アニール処理としては、例えば誘導加熱方式によるアニールが好ましい。誘導加熱方式では、短時間に高温にすることが可能である。よって、アニール前の薄膜化微結晶半導体膜12が極めて薄いこと、およびアニール処理時間が極めて短いことから、基材10が変形したり、薄膜化微結晶半導体膜12と基材10との間に新たな残留応力が発生したりするおそれが小さくなる。
具体的には、薄膜化微結晶半導体膜12が形成された基材10を、短時間、誘導加熱方式のアニール炉21に投入し、例えば真空中で、650℃、5min.の誘導加熱処理を行う。
薄膜化微結晶半導体膜12のアニール処理を行ったのち、図5(E)に示したように、真空を破ることなく例えばシラン(SiH4)ガスと水素(H2)ガスとを混合した状態でプラズマを発生させ、100W、180Paの条件で、薄膜化微結晶半導体膜12から、厚みが40nmの微結晶シリコン(nc−Si)よりなる二次微結晶半導体膜13を成膜する。二次微結晶半導体膜13は、薄膜化微結晶半導体膜12の上層に、薄膜化微結晶半導体膜12の良好な結晶性を引き継いで成長する。そのため、二次微結晶半導体膜13は、基材10との界面においてもアモルファス相が少なく、下層の薄膜化微結晶半導体膜12から上層の二次微結晶半導体膜13への結晶性の連続性にも優れており、良好な結晶性を有するものとなる。
ここでは、薄膜化微結晶半導体膜12を、固相成長を起こす温度でアニール処理し、そののち二次微結晶半導体膜13を形成しているので、薄膜化微結晶半導体膜12の結晶性が更に向上している。よって、その薄膜化微結晶半導体膜12の更に向上した結晶性を引き継いで成長した二次微結晶半導体膜13は、更に良好な結晶性を有するものとなる。
薄膜化微結晶半導体膜12のアニール処理を行うために一度真空を破った場合は、アニール処理を行った薄膜化微結晶半導体膜12の表面に自然酸化膜が形成される場合が多い。そのため、二次微結晶半導体膜13を形成する前に、アニール処理を行った薄膜化微結晶半導体膜12に対して水素(H2)プラズマ処理を行うことが望ましい場合もある。
このように本実施の形態では、薄膜化微結晶半導体膜12を形成したのち、二次微結晶半導体膜13を形成する前に、薄膜化微結晶半導体膜12を、固相成長を起こす温度でアニール処理するようにしたので、薄膜化微結晶半導体膜12の結晶性を更に向上させることが可能となる。よって、その薄膜化微結晶半導体膜12を核として、更に良好な結晶性を有する二次微結晶半導体膜13を形成することが可能となる。
(第3の実施の形態)
図6および図7は、本発明の第3の実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を工程順に表したものである。この製造方法は、ボトムゲート型の薄膜トランジスタ1のチャネル層として、上記第1の実施の形態の二次微結晶半導体膜13を形成するものである。よって、第1の実施の形態と同一の工程は図1(A)ないし図1(D)を参照して説明する。
図6および図7は、本発明の第3の実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を工程順に表したものである。この製造方法は、ボトムゲート型の薄膜トランジスタ1のチャネル層として、上記第1の実施の形態の二次微結晶半導体膜13を形成するものである。よって、第1の実施の形態と同一の工程は図1(A)ないし図1(D)を参照して説明する。
まず、例えばガラスまたはプラスチックよりなる基板30に、例えばスパッタ法により、モリブデン(Mo)などの高融点金属膜(図示せず)を100nm程度の厚みで形成する。次いで、この高融点金属膜を、例えばフォトリソグラフィおよびエッチングにより所定の形状に成形することにより、図6(A)に示したように、ゲート電極31を形成する。
続いて、同じく図6(A)に示したように、ゲート電極31を形成した基板30の全面に、例えばプラズマCVD法により、酸化シリコン(SiO2),窒化シリコン(SiNx)または酸化窒化シリコン(SiON)などよりなるゲート絶縁膜32を、例えば160nm程度の厚みで形成する。
そののち、図6(B)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、図1(A)に示した工程により、ゲート電極31およびゲート絶縁膜32を形成した基板30をCVD装置(図示せず)のチャンバー内に投入し、洗浄する目的で水素(H2)ガスプラズマP1を照射する。
続いて、図6(C)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、図1(B)に示した工程により、ゲート絶縁膜32の上に、例えば厚みが5nmの微結晶シリコン(nc−Si)よりなる一次微結晶半導体膜11を形成する。
一次微結晶半導体膜11を形成したのち、図6(D)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、図1(C)に示した工程により、一次微結晶半導体膜11に対して成膜成分を有しないプラズマ処理、すなわち水素(H2)ガスプラズマP2の照射を行い、一次微結晶半導体膜11の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜12を形成する。
このプラズマ処理では、第1の実施の形態と同様に、平行平板型プラズマ装置のプラズマポテンシャルよりも低いプラズマポテンシャルを有するプラズマ生成法を用いることが好ましい。
薄膜化微結晶半導体膜12を形成したのち、図7(A)に示したように、第1の実施の形態と同様にして、図1(D)に示した工程により、薄膜化微結晶半導体膜12から、厚みが40nmの微結晶シリコン(nc−Si)よりなる二次微結晶半導体膜13を成膜する。二次微結晶半導体膜13は、薄膜化微結晶半導体膜12の上層に、薄膜化微結晶半導体膜12の良好な結晶性を引き継いで成長する。そのため、二次微結晶半導体膜13は、ゲート絶縁膜32との界面においてもアモルファス相が少なく、下層の薄膜化微結晶半導体膜12から上層の二次微結晶半導体膜13への結晶性の連続性にも優れており、良好な結晶性を有するものとなる。
二次微結晶半導体膜13を形成したのち、この二次微結晶半導体膜13の上に、例えばプラズマCVD法により、窒化シリコン(SiNx),酸化シリコン(SiO2)または酸窒化シリコン(SiON)などの絶縁膜を全面に形成する。続いて、図7(B)に示したように、この絶縁膜を、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、ゲート電極31と略同一形状に成形することにより、エッチングストッパー層34を形成する。
エッチングストッパー層34を形成したのち、二次微結晶半導体膜13およびエッチングストッパー層34の上に、例えばプラズマCVD法により、n+シリコンよりなる不純物含有シリコン膜を50nm程度の厚みで全面に形成する。続いて、図7(C)に示したように、不純物含有シリコン膜35の上にフォトレジストよりなるマスク(図示せず)を形成し、このマスクを用いたエッチングにより、不純物含有シリコン膜35および二次微結晶半導体膜13を、エッチングストッパー層34を覆う島状に成形する。これにより、二次微結晶半導体膜13はチャネル層33となる。
チャネル層33を形成したのち、例えばスパッタ法により、厚みが50nm程度のチタン(Ti)膜、厚みが250nm程度のアルミニウム(Al)膜および厚みが50nm程度のチタン(Ti)膜を順に積層して電極材料膜を形成する。続いて、この電極材料膜を、フォトリソグラフィおよびエッチングにより所定の形状に成形し、図7(D)に示したように、ソース電極36Sおよびドレイン電極36Dを形成する。更に、不純物含有シリコン膜35をフォトリソグラフィおよびエッチングにより所定の形状に成形して、同じく図7(D)に示したように、ソース35Sおよびドレイン35Dを形成する。以上により、薄膜トランジスタ1が完成する。
この薄膜トランジスタ1では、図示しない配線層を通じてゲート電極31に所定のしきい値電圧以上の電圧(ゲート電圧)が印加されると、ソース35Sとドレイン35Dとの間のチャネル層33中に電流(ドレイン電流)が生じる。ここでは、チャネル層33として、一次微結晶半導体膜11の比較的結晶性の良い部分を薄膜化微結晶半導体膜12とし、この薄膜化微結晶半導体膜12を核として成長させた二次微結晶半導体膜13を用いているので、チャネル層33の結晶性が良好となっている。よって、チャネル層33の下層をキャリアが走行するボトムゲート型の薄膜トランジスタ1でも、キャリア移動度が向上する。
このように本実施の形態では、一次微結晶半導体膜11に対して成膜成分を有しないプラズマ処理を行うことにより、一次微結晶半導体膜11の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜12を形成し、この薄膜化微結晶半導体膜12から二次微結晶半導体膜13を形成し、この二次微結晶半導体膜13をチャネル層33として用いるようにしたので、チャネル層33の結晶性を高めることが可能となる。よって、チャネル層33の下層をキャリアが走行するボトムゲート型の薄膜トランジスタ1でも、高いキャリア移動度を得ることが可能となる。
また、今まで広く用いられてきたボトムゲート型水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)TFTの成膜装置やプロセスをそのまま用いることが可能となり、更に低コスト化を図ることが可能となる。
(第4の実施の形態)
図8および図9は、本発明の第4の実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を工程順に表したものである。この製造方法は、ボトムゲート型の薄膜トランジスタ1のチャネル層として、上記第2の実施の形態の二次微結晶半導体膜13を形成するようにしたものである。よって、第2の実施の形態と同一の工程は図5(A)ないし図5(E)を参照して説明する。
図8および図9は、本発明の第4の実施の形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を工程順に表したものである。この製造方法は、ボトムゲート型の薄膜トランジスタ1のチャネル層として、上記第2の実施の形態の二次微結晶半導体膜13を形成するようにしたものである。よって、第2の実施の形態と同一の工程は図5(A)ないし図5(E)を参照して説明する。
まず、図8(A)に示したように、第3の実施の形態と同様にして、図6(A)に示した工程により、基板30にゲート電極31およびゲート絶縁膜32を順に形成する。
次いで、図8(B)に示したように、第2および第1の実施の形態と同様にして、図5(A)に示した工程により、ゲート電極31およびゲート絶縁膜32を形成した基板30をCVD装置(図示せず)のチャンバー内に投入し、洗浄する目的で水素(H2)ガスプラズマP1を照射する。
続いて、図8(C)に示したように、第2および第1の実施の形態と同様にして、図5(B)に示した工程により、ゲート絶縁膜32の上に、例えば厚みが8nmの微結晶シリコン(nc−Si)よりなる一次微結晶半導体膜11を形成する。
そののち、図8(D)に示したように、第2および第1の実施の形態と同様にして、図5(C)に示した工程により、一次微結晶半導体膜11に対して成膜成分を有しないプラズマ処理、すなわち水素(H2)ガスプラズマP2の照射を行い、一次微結晶半導体膜11の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜12を形成する。
このプラズマ処理では、第2および第1の実施の形態と同様に、平行平板型プラズマ装置のプラズマポテンシャルよりも低いプラズマポテンシャルを有するプラズマ生成法を用いることが好ましい。
薄膜化微結晶半導体膜12を形成したのち、図8(E)に示したように、第2および第1の実施の形態と同様にして、図5(D)に示した工程により、薄膜化微結晶半導体膜12を、固相成長を起こす温度でアニール処理する。これにより、薄膜化微結晶半導体膜12中に残っていた残留歪みや弱いSi−Siボンドなどが緩和されて良好なSi−Siボンドへと変化し、結晶性を更に向上させることが可能となる。
アニール処理としては、例えば誘導加熱方式によるアニールが好ましい。誘導加熱方式では、短時間に高温にすることが可能である。よって、アニール前の薄膜化微結晶半導体膜12が極めて薄いこと、およびアニール処理時間が極めて短いことから、基板30が変形したり、薄膜化微結晶半導体膜12と基板30との間に新たな残留応力が発生したりするおそれが小さくなる。
具体的には、薄膜化微結晶半導体膜12が形成された基板30を、短時間、誘導加熱方式のアニール炉21に投入し、例えば真空中で、650℃、5min.の誘導加熱処理を行う。
薄膜化微結晶半導体膜12のアニール処理を行ったのち、図9(A)に示したように、第2および第1の実施の形態と同様にして、図5(E)に示した工程により、薄膜化微結晶半導体膜12から、厚みが40nmの微結晶シリコン(nc−Si)よりなる二次微結晶半導体膜13を成膜する。二次微結晶半導体膜13は、薄膜化微結晶半導体膜12の上層に、薄膜化微結晶半導体膜12の良好な結晶性を引き継いで成長する。そのため、二次微結晶半導体膜13は、ゲート絶縁膜32との界面においてもアモルファス相が少なく、下層の薄膜化微結晶半導体膜12から上層の二次微結晶半導体膜13への結晶性の連続性にも優れており、良好な結晶性を有するものとなる。
二次微結晶半導体膜13を形成したのち、この二次微結晶半導体膜13の上に、例えばプラズマCVD法により、窒化シリコン(SiNx),酸化シリコン(SiO2)または酸窒化シリコン(SiON)などの絶縁膜を全面に形成する。続いて、図9(B)に示したように、この絶縁膜を、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、ゲート電極31と略同一形状に成形することにより、エッチングストッパー層34を形成する。
エッチングストッパー層34を形成したのち、二次微結晶半導体膜13およびエッチングストッパー層34の上に、例えばプラズマCVD法により、n+シリコンよりなる不純物含有シリコン膜を50nm程度の厚みで全面に形成する。続いて、図9(C)に示したように、不純物含有シリコン膜35の上にフォトレジストよりなるマスク(図示せず)を形成し、このマスクを用いたエッチングにより、不純物含有シリコン膜35および二次微結晶半導体膜13を、エッチングストッパー層34を覆う島状に成形する。これにより、二次微結晶半導体膜13はチャネル層33となる。
チャネル層33を形成したのち、例えばスパッタ法により、厚みが50nm程度のチタン(Ti)膜、厚みが250nm程度のアルミニウム(Al)膜および厚みが50nm程度のチタン(Ti)膜を順に積層して電極材料膜を形成する。続いて、図9(D)に示したように、この電極材料膜を、フォトリソグラフィおよびエッチングにより所定の形状に成形し、ソース電極36Sおよびドレイン電極36Dを形成する。更に、同じく図9(D)に示したように、不純物含有シリコン膜35をフォトリソグラフィおよびエッチングにより所定の形状に成形して、ソース35Sおよびドレイン35Dを形成する。以上により、薄膜トランジスタ1が完成する。
この薄膜トランジスタ1では、図示しない配線層を通じてゲート電極31に所定のしきい値電圧以上の電圧(ゲート電圧)が印加されると、ソース35Sとドレイン35Dとの間のチャネル層33中に電流(ドレイン電流)が生じる。ここでは、チャネル層33となる二次微結晶半導体膜13を形成する前に、その核となる薄膜化微結晶半導体膜12をアニール処理しているので、チャネル層33の結晶性が更に良好となっている。よって、チャネル層33の下層をキャリアが走行するボトムゲート型の薄膜トランジスタ1でも、キャリア移動度が更に向上する。
このように本実施の形態では、チャネル層33となる二次微結晶半導体膜13を形成する際に、薄膜化微結晶半導体膜12を形成したのち、二次微結晶半導体膜13を形成する前に、薄膜化微結晶半導体膜12を、固相成長を起こす温度でアニール処理するようにしたので、薄膜化微結晶半導体膜12の結晶性を更に向上させることが可能となる。よって、その薄膜化微結晶半導体膜12を核として、更に良好な結晶性を有する二次微結晶半導体膜13を形成することが可能となり、チャネル層33の結晶性を更に高めることが可能となる。よって、チャネル層33の下層をキャリアが走行するボトムゲート型の薄膜トランジスタ1でも、高いキャリア移動度を得ることが可能となる。
<適用例1>
図10は、この薄膜トランジスタ1を駆動素子として備えた表示装置の回路構成を表すものである。表示装置40は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどであり、駆動パネル50上に、マトリクス状に配設された複数の画素10R,10G,10Bと、これらの画素10R,10G,10Bを駆動するための各種駆動回路とが形成されたものである。画素10R,10G,10Bはそれぞれ、赤色(R:Red),緑色(G:Green)および青色(B:Blue)の色光を発する液晶表示素子や有機EL素子などである。これら3つの画素10R,10G,10Bを一つのピクセルとして、複数のピクセルにより表示領域110が構成されている。駆動パネル50上には、駆動回路として、例えば映像表示用のドライバである信号線駆動回路120および走査線駆動回路130と、画素駆動回路150とが配設されている。この駆動パネル50には、図示しない封止パネルが貼り合わせられ、この封止パネルにより画素10R,10G,10Bおよび上記駆動回路が封止されている。
図10は、この薄膜トランジスタ1を駆動素子として備えた表示装置の回路構成を表すものである。表示装置40は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどであり、駆動パネル50上に、マトリクス状に配設された複数の画素10R,10G,10Bと、これらの画素10R,10G,10Bを駆動するための各種駆動回路とが形成されたものである。画素10R,10G,10Bはそれぞれ、赤色(R:Red),緑色(G:Green)および青色(B:Blue)の色光を発する液晶表示素子や有機EL素子などである。これら3つの画素10R,10G,10Bを一つのピクセルとして、複数のピクセルにより表示領域110が構成されている。駆動パネル50上には、駆動回路として、例えば映像表示用のドライバである信号線駆動回路120および走査線駆動回路130と、画素駆動回路150とが配設されている。この駆動パネル50には、図示しない封止パネルが貼り合わせられ、この封止パネルにより画素10R,10G,10Bおよび上記駆動回路が封止されている。
図11は、画素駆動回路150の等価回路図である。画素駆動回路150は、上記薄膜トランジスタ1として、トランジスタTr1,Tr2が配設されたアクティブ型の駆動回路である。トランジスタTr1,Tr2の間にはキャパシタCsが設けられ、第1の電源ライン(Vcc)および第2の電源ライン(GND)の間において、画素10R(または画素10G,10B)がトランジスタTr1に直列に接続されている。このような画素駆動回路150では、列方向に信号線120Aが複数配置され、行方向に走査線130Aが複数配置されている。各信号線120Aは、信号線駆動回路120に接続され、この信号線駆動回路120から信号線120Aを介してトランジスタTr2のソース電極に画像信号が供給されるようになっている。各走査線130Aは走査線駆動回路130に接続され、この走査線駆動回路130から走査線130Aを介してトランジスタTr2のゲート電極に走査信号が順次供給されるようになっている。このような表示装置40は、例えば次の適用例2〜6に示した電子機器に搭載することができる。
<適用例2>
図12は、テレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有している。
図12は、テレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有している。
<適用例3>
図13は、デジタルスチルカメラの外観を表したものである。このデジタルスチルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有している。
図13は、デジタルスチルカメラの外観を表したものである。このデジタルスチルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有している。
<適用例4>
図14は、ノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有している。
図14は、ノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有している。
<適用例5>
図15は、ビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有している。
図15は、ビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有している。
<適用例6>
図16は、携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。
図16は、携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。
更に、本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例)
第3の実施の形態と同様にして、ボトムゲート型の薄膜トランジスタ1を作製した。まず、寸法が4インチ、厚みが0.5mm程度であり、合成石英よりなる基板30を用意し、この基板30に、スパッタ法により、モリブデン(Mo)よりなる高融点金属膜を100nm程度の厚みで形成した。次いで、この高融点金属膜を、フォトリソグラフィおよびエッチングにより所定の形状に成形することにより、ゲート電極31を形成した(図6(A))。
第3の実施の形態と同様にして、ボトムゲート型の薄膜トランジスタ1を作製した。まず、寸法が4インチ、厚みが0.5mm程度であり、合成石英よりなる基板30を用意し、この基板30に、スパッタ法により、モリブデン(Mo)よりなる高融点金属膜を100nm程度の厚みで形成した。次いで、この高融点金属膜を、フォトリソグラフィおよびエッチングにより所定の形状に成形することにより、ゲート電極31を形成した(図6(A))。
続いて、ゲート電極31を形成した基板30の全面に、プラズマCVD法により、酸化シリコン(SiO2)よりなるゲート絶縁膜32を、160nm程度の厚みで形成した(図6(A))。
そののち、ゲート電極31およびゲート絶縁膜32を形成した基板30をCVD装置(図示せず)のチャンバー内に投入し、洗浄する目的で水素(H2)ガスプラズマP1を照射した。照射条件としては、基板温度250℃にて、水素(H2)プラズマP1を400W、120Paで5min.照射した(図6(B))。
このように水素(H2)プラズマP1で清浄化した基板30に、一次微結晶半導体膜11を形成した。成膜方法としては、シラン(SiH4)ガスと水素(H2)ガスとを混合した状態でプラズマを発生させ、100W、180Paの条件で、基板30のゲート絶縁膜32上に直接、厚みが5nmの微結晶シリコン(nc−Si)よりなる一次微結晶半導体膜11を成膜した(図6(C))。
一次微結晶半導体膜11を形成したのち、一次微結晶半導体膜11に対して成膜成分を有しないプラズマ処理、すなわち水素(H2)ガスプラズマP2の照射を行った。照射条件は、100W、120Paで10min.とした。これにより、一次微結晶半導体膜11の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜12を形成した(図6(D))。
薄膜化微結晶半導体膜12を形成したのち、真空を破ることなくシラン(SiH4)ガスと水素(H2)ガスとを混合した状態でプラズマを発生させ、100W、180Paの条件で、薄膜化微結晶半導体膜12から、厚みが40nmの微結晶シリコン(nc−Si)よりなる二次微結晶半導体膜13を成膜した(図7(A))。
二次微結晶半導体膜13を形成したのち、この二次微結晶半導体膜13の上に、プラズマCVD法により、窒化シリコン(SiNx)よりなる絶縁膜を全面に形成した。続いて、この絶縁膜を、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、ゲート電極31と略同一形状に成形することにより、エッチングストッパー層34を形成した(図7(B))。
エッチングストッパー層34を形成したのち、二次微結晶半導体膜13およびエッチングストッパー層34の上に、プラズマCVD法により、n+シリコンよりなる不純物含有シリコン膜35を50nm程度の厚みで全面に形成した。続いて、不純物含有シリコン膜35の上にフォトレジストよりなるマスク(図示せず)を形成し、このマスクを用いたエッチングにより、不純物含有シリコン膜35および二次微結晶半導体膜13を、エッチングストッパー層34を覆う島状に成形した。これにより、二次微結晶半導体膜13はチャネル層33となった(図7(C))。
チャネル層33を形成したのち、スパッタ法により、厚みが50nm程度のチタン(Ti)膜、厚みが250nm程度のアルミニウム(Al)膜および厚みが50nm程度のチタン(Ti)膜を順に積層して電極材料膜を形成した。続いて、この電極材料膜を、フォトリソグラフィおよびエッチングにより所定の形状に成形し、ソース電極36Sおよびドレイン電極36Dを形成した(図7(D))。更に、不純物含有シリコン膜35をフォトリソグラフィおよびエッチングにより所定の形状に成形して、ソース35Sおよびドレイン35Dを形成した(図7(D))。以上により、薄膜トランジスタ1が完成した。
得られた実施例の薄膜トランジスタ1について、ドレイン電流-ゲート電圧(Id-Vg)特性を調べた。その結果を図17に示す。作製した薄膜トランジスタ1のW/L=25/20μm,Vd=5Vであった。移動度は2cm2/Vsで、従来の水素化アモルファスシリコンTFTの移動度が1cm2/Vs以下であるのに比べて、著しく良好な特性を示した。
すなわち、一次微結晶半導体膜11に対して成膜成分を有しないプラズマ処理を行うことにより、一次微結晶半導体膜11の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜12を形成し、この薄膜化微結晶半導体膜12から二次微結晶半導体膜13を形成するようにすれば、従来のレーザアニールによる結晶化技術を用いずに、結晶性の良好な二次微結晶半導体膜13を形成し、移動度の高いボトムゲート型薄膜トランジスタ1の作製が可能となることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例において説明した各層の寸法および材料、または成膜方法およびプロセス条件などは限定されるものではなく、他の寸法および材料としてもよく、または他の成膜方法およびプロセス条件としてもよい。
また、例えば、上記実施の形態および実施例では、一次微結晶半導体膜11のエッチングを水素(H2)ガスにより行う場合について説明したが、エッチングに使用するガス種は、水素(H2)ガスのほか、アルゴン(Ar)ガス、または、水素(H2)ガスとアルゴン(Ar)ガスとの混合ガスも使用可能である。特に、水素(H2)ガスとアルゴン(Ar)ガスとの混合ガスによるエッチングが好ましい。アルゴン(Ar)ガスは、水素(H2)ガスの更に高い励起状態を形成し、水素ガスによる化学的なエッチングを増進させ、一次微結晶半導体膜11の結晶性を乱す要因となっている部分を選択的に除去するという水素ガスの作用を高めることが可能となる。また、アルゴン(Ar)ガス自体が一次微結晶半導体膜11に衝突し、物理的にエッチングすることも可能である。
更に、例えば、上記実施の形態および実施例では、一次微結晶半導体膜11,薄膜化微結晶半導体膜12および二次微結晶半導体膜13が微結晶シリコン(Si)により構成されている場合について説明したが、本発明は、シリコン(Si)に限らず、シリコンゲルマニウム(SiGe)またはゲルマニウム(Ge)など他の半導体材料にも適用可能である。
加えて、第2および第4の実施の形態においては、薄膜化微結晶半導体膜12を誘導加熱方式によりアニール処理する場合について説明したが、薄膜化微結晶半導体膜12のアニール方式としては、誘導加熱方式のほか、各種レーザやプラズマジェット法などを使用することが可能である。
更にまた、例えば、上記実施の形態および実施例では、薄膜トランジスタとして、ボトムゲート構造を例に挙げて説明したが、これに限定されず、トップゲート構造であってもよい。加えてまた、本発明は、液晶ディスプレイおよび有機ELディスプレイのほか、無機エレクトロルミネッセンス素子、またはエレクトロデポジション型もしくエレクトロクロミック型の表示素子などの他の表示素子を用いた表示装置にも適用可能である。
更にまた、本発明により得られた二次微結晶半導体膜13は、薄膜トランジスタ用途だけでなく太陽電池の光電変換層にも応用可能である。本発明により得られる二次微結晶半導体膜13は良好な結晶性を有しているので、太陽電池の光電変換効率を著しく高めることが可能である。
1…薄膜トランジスタ、10…基板、11…一次微結晶半導体膜、12…薄膜化微結晶半導体膜、13…二次微結晶半導体膜、21…アニール炉、31…ゲート電極、32…ゲート絶縁膜、33…チャネル層、34…チャネル保護層、35S…ソース、35D…ドレイン、36S…ソース電極、36D…ドレイン電極、40…表示装置、50…駆動パネル、10R,10G,10B…画素、110…表示領域、120…信号線駆動回路、130…走査線駆動回路、150…画素駆動回路、Tr1,Tr2…トランジスタ。
Claims (8)
- 基材に一次微結晶半導体膜を形成する工程と、
前記一次微結晶半導体膜に対して成膜成分を有しないプラズマ処理を行うことにより、前記一次微結晶半導体膜の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜を形成する工程と、
前記薄膜化微結晶半導体膜から二次微結晶半導体膜を形成する工程と
を含む半導体膜の製造方法。 - 前記一次微結晶半導体膜および二次微結晶半導体膜がシリコン(Si)により構成されている
請求項1記載の半導体膜の製造方法。 - 前記エッチングが水素(H2)ガスによる
請求項1記載の半導体膜の製造方法。 - 前記エッチングが水素(H2)ガスとアルゴン(Ar)ガスとの混合による
請求項1記載の半導体膜の製造方法。 - 前記プラズマ処理において、平行平板型プラズマ装置のプラズマポテンシャルよりも低いプラズマポテンシャルを有するプラズマ生成法を用いる
請求項1記載の半導体膜の製造方法。 - 前記薄膜化微結晶半導体膜を形成する工程と、前記二次微結晶半導体膜を形成する工程との間に、前記薄膜化微結晶半導体膜を、固相成長を起こす温度でアニール処理する工程を含む
請求項1記載の半導体膜の製造方法。 - 前記アニール処理が、誘導加熱方式によるアニールである
請求項6記載の半導体膜の製造方法。 - 基板上にゲート電極およびゲート絶縁膜を順に形成する工程と、前記ゲート絶縁膜の上に微結晶半導体よりなるチャネル層を形成する工程と、前記チャネル層の上にソースおよびドレインを形成する工程とを含み、
前記チャネル層を形成する工程は、
前記ゲート絶縁膜の上に一次微結晶半導体膜を形成する工程と、
前記一次微結晶半導体膜に対して成膜成分を有しないプラズマ処理を行うことにより、前記一次微結晶半導体膜の一部をエッチングして薄膜化微結晶半導体膜を形成する工程と、
前記薄膜化微結晶半導体膜から二次微結晶半導体膜を形成する工程と
を含む薄膜トランジスタの製造方法。
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