JP2011127561A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Osamu Igarashi
修 五十嵐
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武 佐藤
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Takeyuki Kato
丈幸 加藤
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Abstract

【課題】フィルタ再生動作に伴って排気系に残存する燃料を排除し、この残存燃料による悪影響を解消することができる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】ポスト噴射及び排気絞り弁の絞り動作によってパティキュレートフィルタの再生動作を行うものに対し、その再生動作の終了後、ポスト噴射を停止すると共に排気絞り弁の絞り動作を継続する。これにより、排気系内、特に可変ノズル式ターボチャージャの可変ノズルベーン機構における駆動シャフト55bとブッシュ59との間に再生動作中に流れ込んだ残存燃料を、排気系内圧力を高めることで大気中に排出でき、可変ノズルベーン機構の作動を良好に確保できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば自動車等に搭載される内燃機関(以下、エンジンという場合もある)に適用される排気浄化装置に係る。特に、本発明は、エンジンの排気系に備えられた排気絞り弁の制御の改良に関する。
従来より、自動車等に搭載されるディーゼルエンジンを駆動した際に排出される排気ガス中には、カーボンを主成分とする粒子状物質(Particulate Matter:以下PMという)が含まれており、これが大気汚染の原因になる。
上記PMが大気中に排出されることを阻止する装置として、ディーゼルエンジンの排気通路に配設されるパティキュレートフィルタが知られている。つまり、排気通路を通過する排気ガス中に含まれるPMをこのパティキュレートフィルタによって捕集することで排気の浄化を図っている(例えば下記の特許文献1)。
このパティキュレートフィルタとしては、例えばDPF(Diesel Particulate Filter)や、DPR(Diesel Particulate active Reduction system)触媒が知られている。
ところで、この種のパティキュレートフィルタを用いてPMの捕集を行う場合、捕集したPMの堆積量が増大するとパティキュレートフィルタの詰まりが生じてしまう。このパティキュレートフィルタの詰まりが生じた状況では、パティキュレートフィルタを通過する排気の圧力損失が著しく増大し、それに伴うエンジンの排気背圧増大によってエンジン出力の低下や燃費の悪化を招いてしまうことになる。
このような課題を解消するため、従来より、パティキュレートフィルタに捕集されたPMの捕集量(堆積量)がある程度の量に達した際にはフィルタ再生動作を行うようにしている。このフィルタ再生動作としては、排気温度を上昇させる等の手法によりフィルタ温度を高温化することで、上記堆積しているPMを酸化(燃焼)させて除去する。具体的には、下記の特許文献2にも開示されているように、エンジンの燃焼室に対する主燃料噴射後で排気弁が閉じられる前に少量の燃料を副次的に噴射するポスト噴射と、エンジンの排気通路においてパティキュレートフィルタの下流に設けられた排気絞り弁の絞り動作とが組み合わされて実行されることが挙げられる。これにより、排気通路に未燃燃料を供給すると共に排気温度を上昇させ、パティキュレートフィルタに捕集されているPMを燃焼除去し、パティキュレートフィルタを再生することができる。また、上記ポスト噴射に代えて、排気通路においてパティキュレートフィルタよりも上流側に燃料添加弁を設け、この燃料添加弁から排気通路に燃料成分を供給させるものも知られている。
特開2001−280115号公報 特開2004−162675号公報
ところで、ターボチャージャを備えたエンジンにおいて、上述したようなポスト噴射(または燃料添加)と排気絞り弁の絞り動作とが組み合わされてフィルタ再生動作が行われる場合、以下に述べるような不具合を招く可能性があった。以下ではフィルタ再生動作における排気系への燃料噴射としてポスト噴射を代表して説明する。
上記ポスト噴射によって排気系に噴射された燃料は、ターボチャージャのタービンホイールの周囲を流れた後、パティキュレートフィルタに向けて流されることになるが、その一部はタービンホイールを収容しているタービンハウジングの内壁面やその周辺部に付着することになる。この場合、タービンハウジングの内壁面やその周辺部の大部分は、排気ガスからの熱を受けていることで比較的高温となっており、付着した燃料の殆どは蒸発または燃焼により除去され、パティキュレートフィルタに向けて流される。
ところが、局部的に液相燃料が残存する領域が存在していることを本願発明の発明者らは見出した。その一つとして、上記ターボチャージャが可変ノズル式(可変容量型とも呼ばれる)である場合、排気流路を可変とするための可変ノズルベーン機構(リンク機構)を構成する駆動シャフトと、この駆動シャフトを回動自在に支持しているブッシュとの間が挙げられる。特に、これら駆動シャフト及びブッシュは上記リンク機構を収容するリンク室と外部(大気側)とにそれぞれ臨んで配置されているため、比較的温度の低い領域となっている。また、上記排気絞り弁の絞り動作に伴ってリンク室内の圧力が上昇した場合には、リンク室内圧と大気圧との差圧が大きくなることに起因して、この駆動シャフトとブッシュとの間(駆動シャフトの外周面とブッシュの内周面との間)に液相燃料が流れ込み易い(上記差圧により駆動シャフトとブッシュとの間に向けてリンク室から液相燃料が流れ込み易い)状況を招いてしまう。
このように駆動シャフトとブッシュとの間に燃料が流れ込んだ状態でフィルタ再生動作が終了し、その後、エンジンが停止する等して残存燃料が冷却された場合には、この残存燃料が樹脂化する等してデポジットとして堆積することになる。このような状況では、次回のエンジン駆動時に、駆動シャフトの回動動作が円滑に行えなくなり、可変ノズルベーン機構の作動に悪影響を与えてしまう可能性がある。
このような不具合を抑制するための手段として、上記駆動シャフトとブッシュとの摺接面積を小さくするように設計することが考えられる。ところが、互いに摺接するこれら部材の摩耗を考慮すると、この摺接面積を小さくには限界があるため、この手段は実用性に欠ける。
また、可変ノズル式ではないターボチャージャを備えたエンジンの場合には、このターボチャージャをバイパスするウエストゲート通路に備えられたウエストゲートバルブの駆動部分においても同様に、上記残存燃料による悪影響が懸念される状況になる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フィルタ再生動作に伴って排気系内で残存する燃料を排除し、この残存燃料による悪影響を回避することができる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、フィルタ再生動作に起因して排気系内で残存している燃料を、このフィルタ再生動作で使用している排気絞り弁の絞り動作によって生じる圧力を利用して排気系から排出(掃気)するようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、排気通路に備えられた粒子状物質捕集用のフィルタと、このフィルタに捕集されている粒子状物質を燃焼除去するためのフィルタ再生動作の実行時に、排気系にフィルタ再生用燃料を供給する燃料供給手段と、フィルタ下流側に備えられ上記フィルタ再生動作の実行中に排気絞り動作を行う排気絞り弁とを備えた内燃機関の排気浄化装置を前提とする。この内燃機関の排気浄化装置に対し、上記フィルタ再生動作の終了後、フィルタ再生動作の中断時、または、フィルタ再生動作の実行中に、上記燃料供給手段からのフィルタ再生用燃料の供給を停止した状態で排気絞り弁の絞り動作を行う掃気動作を実行する掃気手段を備えさせている。
この特定事項により、燃料供給手段から排気系にフィルタ再生用燃料を供給する動作と排気絞り弁の排気絞り動作とによりフィルタ再生動作が行われることで、フィルタに捕集されている粒子状物質は燃焼除去される。ところが、この場合、燃料供給手段から供給されていたフィルタ再生用燃料が排気系内で残存することがある。特に、排気系内で比較的温度の低い領域で残存する可能性がある。この点に鑑み、上記フィルタ再生動作の終了後、フィルタ再生動作の中断時、または、フィルタ再生動作の実行中において、上記残存している燃料を排気系から除去するための掃気動作が実行される。この掃気動作は、上記燃料供給手段からのフィルタ再生用燃料の供給を停止した状態で排気絞り弁の絞り動作を行うものである。これにより、排気系内に液相燃料が供給されていない状況下で、排気系内の圧力が高められ、この圧力によって、上記残存している燃料は排出(例えば大気中に排出)されることになる。このように、フィルタ再生動作に使用している手段(上記排気絞り弁)を有効に利用して、このフィルタ再生動作の実行に伴って生じる不具合(残存燃料の発生)を解消することができる。
上記掃気手段として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、掃気手段は、フィルタ再生動作の終了直後に掃気動作を開始するようになっており、フィルタ再生動作の終了時点で排気絞り弁が全開状態であった場合にはフィルタ再生動作の終了と同時に排気絞り弁の絞り動作を開始し、フィルタ再生動作の終了時点で排気絞り弁が全閉状態であった場合にはフィルタ再生動作の終了後、継続して排気絞り弁の全閉状態を維持する構成としている。
本解決手段では、フィルタ再生動作の終了直後に掃気動作を開始するようにしているため、排気系内で残存している燃料の粘度が比較的低い段階で掃気動作による除去が可能になる。つまり、この残存燃料が冷却されて樹脂化してしまった場合には、排気系内の圧力上昇だけで除去することが難しくなるので、フィルタ再生動作の終了直後に掃気動作を実行することが有効である。
上記掃気手段による掃気動作としてより具体的には、フィルタ再生動作中において排気系内に残存している液相燃料の量に応じ、この液相燃料の量が多いほど掃気動作の実行期間を長く設定することが挙げられる。
つまり、排気系内に残存している液相燃料の量が多い場合には、その全てを排出するためには排気系内の圧力を大幅に高めることが必要になる。このため、液相燃料の量が多いほど掃気動作の実行期間を長く設定し、つまり、排気絞り弁の絞り動作を行う期間を長く設定し、排気系内の圧力を大幅に高めて残存燃料全ての排出を可能にする。
上記残存燃料の存在する領域、及び、その領域からの残存燃料を排出する動作として具体的には以下のものが挙げられる。つまり、上記排気系に可変ノズル式ターボチャージャの可変ノズルベーン機構が備えられており、この可変ノズルベーン機構には、ブッシュに挿通されて回動自在とされた駆動シャフトが備えられており、このブッシュの内面と駆動シャフト外面との間には、一端が排気通路に、他端が大気にそれぞれ連通する隙間が形成されている。そして、上記掃気手段による掃気動作によって排気通路内圧が高められ、上記隙間に残存している液相燃料が大気中に排出される構成としている。
これにより、残存燃料の悪影響によって可変ノズルベーン機構の駆動シャフトの回動動作に支障を来すといったことなく、可変ノズル式ターボチャージャの作動の信頼性の向上を図ることができる。
本発明では、フィルタ再生動作に起因して排気系内で残存している燃料を、このフィルタ再生動作で使用している排気絞り弁の絞り動作によって生じる圧力を利用して排気系から排出(掃気)するようにしている。このため、残存燃料による悪影響を解消することができる。
実施形態に係るエンジン及びその吸排気系の概略構成を示す図である。 エンジンECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 可変ノズルベーン機構をターボチャージャの外側から見た図である。 可変ノズルベーン機構をターボチャージャの内側から見た図である。 図3におけるV−V線に沿った断面図である。 従来の再生動作タイミングと、本発明の再生動作及び掃気動作のタイミングとを比較して示すタイミングチャート図である。 変形例1における再生動作及び掃気動作のタイミングを示すタイミングチャート図である。 変形例2における再生動作及び掃気動作のタイミングを示すタイミングチャート図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)に本発明を適用した場合について説明する。
−エンジンの構成−
先ず、本実施形態に係るディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)の概略構成について説明する。図1は本実施形態に係るエンジン1及びその吸排気系の概略構成図である。
この図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、基本的には、吸気系から供給される空気と燃料供給系から供給される燃料とを適宜の空燃比で混合して成る混合気を燃焼室2で燃焼させた後、その排気ガスを、排気系を経て大気に放出するようになっている。
上記吸気系は、シリンダヘッドに形成された吸気ポート3に接続されるインテークマニホールド21に吸気管22を接続して形成される吸気通路を備え、この吸気通路に、その空気流通方向上流側から順にエアクリーナ23、スロットルバルブ24を配置した構成となっている。
上記燃料供給系は、燃料供給路31に、その燃料供給方向上流側から順に燃料タンク32、サプライポンプ33、コモンレール34、複数の燃料噴射弁(インジェクタ)35,35,…を配置した構成となっている。サプライポンプ33は、エンジン1の図示しないクランクシャフトによって駆動されるもので、燃料タンク32から燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を、燃料供給路31を介してコモンレール34に供給する。コモンレール34は、サプライポンプ33から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各燃料噴射弁35,35,…に分配する。燃料噴射弁35は、所定電圧が印加されたときに開弁して、燃焼室2内に燃料を噴射供給する電磁駆動式の開閉弁である。また、圧電素子(ピエゾ素子)を備えたピエゾ式の燃料噴射弁を適用することもできる。
上記排気系は、シリンダヘッドに形成された排気ポート4に接続されるエキゾーストマニホールド41に排気管42を接続して形成される排気通路を有している。
また、本実施形態におけるエンジン1には、ターボチャージャ(過給機)5、インタークーラ6、排気再循環装置としてのEGR装置7、触媒装置8、排気絞り弁9が装備されている。
ターボチャージャ5は、一般的に公知のように排気ガス圧力を利用して吸入空気を昇圧過給するものであり、主としてコンプレッサハウジング内に収容されたコンプレッサインペラ5aと、タービンハウジング内に収容されたタービンホイール5bとを備えている。コンプレッサインペラ5aは、吸気管22途中に配置されており、タービンホイール5bは、エキゾーストマニホールド41の集合部と排気管42との間に配置されている。また、本実施形態に係るエンジン1に搭載されているターボチャージャ5は、可変ノズル式(可変容量型)ターボチャージャであって、タービンホイール5b側に可変ノズルベーン機構(図1では図示省略)が設けられており、この可変ノズルベーン機構に備えられたノズルベーンの開度を調整することにより、エンジン1の過給圧を調整することができるようになっている。この可変ノズルベーン機構の具体構成については後述する。
インタークーラ6は、ターボチャージャ5で昇圧過給した吸入空気を強制的に冷却するものであり、ターボチャージャ5のコンプレッサインペラ5aとスロットルバルブ24との間に配置されている。スロットルバルブ24は、その開度を無段階に調整することが可能な電子制御式の開閉弁であり、所定条件下において吸入空気の流路面積を絞り、この吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有している。
EGR装置7は、排気の一部(EGRガス)を吸気系に戻して燃焼室2へ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものであり、EGR通路7aに、その上流からEGRクーラ7b、EGRバルブ7cを配置した構成である。
上記EGRクーラ7bは、例えばEGR通路7aを通過する排気ガスとエンジン1の冷却水との間で熱交換を行うことにより排気ガスの温度を下げる熱交換器からなる。EGRバルブ7cは、EGR通路7a内を排気系側から吸気系側へ還流される排気ガスの還流量を制御するものである。
触媒装置8は、上記ターボチャージャ5より下流側の排気管42に配設されており、酸化触媒8aとパティキュレートフィルタ8bとを備えた構成とされている。酸化触媒8aは、排気通路において、パティキュレートフィルタ8bよりも上流側に設けられている。
パティキュレートフィルタ8bは、例えば一般的に公知のDPFやDPRと呼ばれるものが採用されている。
なお、DPFは、多孔質部材を設けた構成とされている。また、DPRは、例えば多孔質セラミックからなるハニカム構造体に酸化触媒(例えば白金等の貴金属を主成分とするもの)を担持させた構成であり、原理的には、排気ガス中の有害物質を酸化触媒で酸化させ、二酸化炭素と水蒸気に変換し、さらにPM(粒子状物質)をハニカム構造体の多孔質セラミック基材の微細孔に捕集する。
排気絞り弁9は、排気管42における上記触媒装置8の下流側に設けられて、排気流量を調整するものである。この排気絞り弁9の開度は、エンジンECU10により制御される。つまり、この排気絞り弁9のアクチュエータ93に対してエンジンECU10から駆動信号が送信され、その駆動信号に従って排気絞り弁9の開閉動作が行われるようになっている。
また、排気管42には、上記排気絞り弁9を迂回して排気ガスを流すためのウエストゲート通路91が設けられており、このウエストゲート通路91には開閉自在なウエストゲートバルブ92が備えられている。このウエストゲートバルブ92は電磁駆動式の開閉弁またはウエストゲート通路91の圧力変化に伴って開閉作動する弁で構成されている。例えば、後述するフィルタ再生動作において排気絞り弁9が全閉状態となった場合にウエストゲートバルブ92が開放することで、上記ウエストゲート通路91を経て排気ガスの排出が可能とされる。
以上の如く構成されたエンジン1の各種動作は、上記エンジンECU10により制御される。このエンジンECU10は、一般的に公知のECU(Electronic Control Unit)とされ、例えば図2に示すように、CPU101、ROM102、RAM103ならびにバックアップRAM104等から構成されている。
なお、ROM102は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM103は、CPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM104は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。これらROM102、CPU101、RAM103ならびにバックアップRAM104は、双方向性バス107によって相互に接続されるとともに、入力インターフェース105や出力インターフェース106と接続されている。
このエンジンECU10は、各種のセンサ類の信号(運転パラメータ:車両の走行状態、エンジン1の運転状態に応じた信号)に基づいて、エンジン1の各種運転を制御するのであるが、ここでは本発明の特徴に関係する制御(例えばパティキュレートフィルタ8bの再生制御等)についてのみ説明し、本発明の特徴に無関係の制御についての説明は割愛する。
入力インターフェース105には、図2に示すように、水温センサ71、エアフローメータ72、吸気温センサ73、吸気圧センサ74、A/F(空燃比)センサ75、O2(酸素)センサ76、排気温度センサ77、レール圧センサ78、スロットル開度センサ79、アクセル開度センサ80、クランクポジションセンサ81、排気圧力センサ82等が接続されている。
水温センサ71は、エンジン1の冷却水温に応じた検出信号を出力する。エアフローメータ72は、吸気系のスロットルバルブ24よりも上流において吸入空気の流量(吸入空気量)に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ73は、インテークマニホールド21に配置され、吸入空気の温度に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ74は、インテークマニホールド21に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。A/Fセンサ75は、排気系の触媒装置8の上流側において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。O2センサ76は、排気系の触媒装置8の下流において排気中の酸素濃度に応じた検出信号を出力する。
排気温度センサ77は、触媒装置8において酸化触媒8aとパティキュレートフィルタ8bとの間に設けられており、酸化触媒8aの出口温度あるいはパティキュレートフィルタ8bの入口温度(排気温度)に応じた検出信号を出力する。レール圧センサ78は、コモンレール34内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。スロットル開度センサ79は、スロットルバルブ24の開度を検出する。アクセル開度センサ80は、アクセルペダルの踏み込み量に応じた検出信号を出力する。クランクポジションセンサ81は、エンジン1のクランクシャフト(図示省略)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス信号)を出力する。排気圧力センサ82は、触媒装置8において酸化触媒8aとパティキュレートフィルタ8bとの間に設けられており、パティキュレートフィルタ8bの入口圧力に応じた検出信号を出力する。
一方、出力インターフェース106には、スロットルバルブ24、燃料噴射弁35、EGRバルブ7c、排気絞り弁9等が接続され、エンジン1の運転状態等に応じてこれらバルブ及び弁が制御されるようになっている。
なお、本発明でいう排気浄化装置は、主として、触媒装置8、排気絞り弁9、エンジンECU10を含んだ構成とされる。
−ターボチャージャ5の可変ノズルベーン機構の構成−
次に、上記ターボチャージャ(可変容量型ターボチャージャ)5に備えられた可変ノズルベーン機構51の構成について図3〜図5を用いて説明する。ターボチャージャ5全体の構成(例えばターボハウジングやタービンホイール5bやコンプレッサインペラ5aの構成)については周知であるため、ここでの説明は省略する。
図3は、可変ノズルベーン機構51をターボチャージャ5の外側から見た正面図(可変ノズルベーン機構51をコンプレッサ側から見た図)である。尚、この図3では、可変ノズルベーン機構51の構成の理解を容易にするためにタービンハウジングを省略している。また、図4は、可変ノズルベーン機構51をターボチャージャ5の内側(タービンホイール5bの収容空間(タービンハウジング内)側)から見た図である。また、図5は図3におけるV−V線に沿った断面図である。
上記可変ノズルベーン機構51は、タービンハウジング50内に連通しているリンク室58(図5を参照)に収納されたユニゾンリング52(図3参照)と、このユニゾンリング52の内周側に位置し、ユニゾンリング52に一部が係合する複数のアーム53,53,…と、ユニゾンリング52に対してターボチャージャ軸心方向で対向するように配設されたノズルプレート(NVプレート)54(図4参照)と、上記複数本のアーム53,53,…を駆動させるためのメインアーム55と、上記アーム53に接続されてノズルベーン56を駆動するベーンシャフト57とを備えている。このベーンシャフト57は上記ノズルプレート54に回転自在に支持されて、各アーム53と各ノズルベーン56とをそれぞれ回動一体に連結している。
また、図示しないハウジングプレートと上記ノズルプレート54とが対向配置されて、この両者間で上記ノズルベーン56の配設空間を形成している。つまり、これらノズルプレート54とハウジングプレートとの間で排気ガスの流路が形成され、この流路内にノズルベーン56が配設された構成となっている。
この可変ノズルベーン機構51は、タービンホイール5bの外周側に等間隔に配設された上記複数(例えば12枚)のノズルベーン56,56,…の回動角度(回動姿勢)を調整するための機構であり、上記メインアーム55に接続されている駆動リンク55aを所定の角度だけ回動させることにより、その回動力が、後述する駆動シャフト55b、メインアーム55、ユニゾンリング52、アーム53,53,…、ベーンシャフト57,57,…を介してノズルベーン56,56,…に伝わり、各ノズルベーン56,56,…が連動して回動する構成とされている。
具体的には、上記駆動リンク55aは駆動シャフト55bを中心に回動可能となっている。この駆動シャフト55bは、駆動リンク55aおよびメインアーム55と回動一体に連結されている。このため、駆動リンク55aの回動に伴って駆動シャフト55bが回動すれば、この回動力がメインアーム55に伝えられる。メインアーム55の内周側端部は駆動シャフト55bに固定され、外周側端部はユニゾンリング52に係合している。このため、駆動シャフト55bを中心としてメインアーム55が回動すると、この回動力がユニゾンリング52に伝えられる。ユニゾンリング52の内周面には各アーム53,53,…の外周側端部が嵌まり合っており、ユニゾンリング52が回動すると、この回動力はアーム53,53,…に伝えられる。具体的に、ユニゾンリング52はノズルプレート54に対して摺動可能に配設されており、その内周縁に設けられた複数の凹部52a,52a,…それぞれには、上記メインアーム55およびアーム53,53,…の外周側端部が嵌め合わされている。各アーム53,53,…はベーンシャフト57を中心として回動することが可能であり、アーム53の回動はベーンシャフト57に伝えられる。ベーンシャフト57はノズルベーン56と連結されているため、このノズルベーン56はベーンシャフト57およびアーム53とともに回動することになる。
上記駆動シャフト55bの支持構造としては、図5に示すように、タービンハウジング50に形成されたブッシュ支持孔50aの内部に略円筒形状のブッシュ59が嵌合固定されており、このブッシュ59の内部空間に駆動シャフト55bが挿通されている。これにより、駆動シャフト55bは、その外周面が上記ブッシュ59の内周面との間で摺動しながら回動可能となっており、この回動によって上記駆動リンク55aの回動力をメインアーム55に伝えるようになっている。
また、この駆動シャフト55bの回動を円滑に行うため、この駆動シャフト55bの外周面とブッシュ59の内周面との間には僅かな隙間が設けられている。つまり、駆動シャフト55bにおいてブッシュ59に挿通される部分の外径寸法はブッシュ59の内径寸法に対して所定寸法だけ小さく設定されており、これにより、駆動シャフト55bの回動が円滑に行え、上述したノズルベーン56の回動の円滑化が図られている。
上記タービンホイール5bを収容しているタービンハウジング50には図示しないタービンハウジング渦室が設けられており、このタービンハウジング渦室に排気が供給されて、この排気の流れがタービンホイール5bを回転させる。この際、上述したように各ノズルベーン56,56,…の回動位置が調整されて、その回動角度を設定することにより、タービンハウジング渦室からタービンホイール5bへ向かう排気の流量および流速を調整することが可能となっている。これにより、過給性能を調整することが可能になり、例えば、エンジン1の低回転時にノズルベーン56,56,…同士の間の流路面積(スロート面積)を減少させるように各ノズルベーン56,56,…の回動位置を調整すれば、排気ガスの流速が増加して、エンジン低速域から高い過給圧を得ることが可能になる。
また、上記可変ノズルベーン機構51の駆動リンク55aはモータロッド55c(図3を参照)に接続されている。このモータロッド55cは棒状部材であり、図示しない可変ノズルコントローラに接続されている。この可変ノズルコントローラはアクチュエータとしての直流モータ(DCモータ)に接続されており、この直流モータが回転することで、その回転力が歯車機構およびウォーム機構等を介してモータロッド55cに伝わり、このモータロッド55cの移動に伴って駆動リンク55aが回動することにより、上述した如く各ノズルベーン56,56,…が回動する構成となっている。
図3に示すように、モータロッド55cを図中矢印X方向に引くことで、ユニゾンリング52が図中矢印X1方向に回動し、図4に示すように、各ノズルベーン56,56,…が図中反時計回り方向に回動することでノズルベーン開度が大きく設定される。
一方、モータロッド55cを図3中の矢印Y方向に押すことで、ユニゾンリング52が図中矢印Y1方向に回動し、各ノズルベーン56,56,…が図4における図中時計回り方向に回動することでノズルベーン開度が小さく設定される。
尚、上記ノズルプレート54にはピン54a(図3参照)が差し込まれ、このピン54aにはローラ54bが嵌め合わされている。このローラ54bはユニゾンリング52の内周面をガイドする。これにより、ユニゾンリング52はローラ54bに保持されて所定方向に回動することが可能となっている。
−フィルタ再生動作−
本実施形態では、触媒装置8のパティキュレートフィルタ8bのPM捕集機能を回復させるためのフィルタ再生動作(フィルタクリーニング)が実行されるようになっている。
このフィルタ再生動作は、基本的に、パティキュレートフィルタ8bに向けて未燃燃料を供給すると共に、パティキュレートフィルタ8bの入口温度を昇温させることによって、パティキュレートフィルタ8bに捕集されたPMを燃焼除去するものである。具体的に本実施形態では、上記燃料噴射弁35からのポスト噴射と上記排気絞り弁9の絞り動作とが組み合わされて実行される。
上記ポスト噴射は、エンジン1の燃焼室2に対する主燃料噴射後で排気弁が閉じられる前に少量の燃料を副次的に噴射するものである。例えばピストンの圧縮上死点後のクランクシャフト回転角度(ATDC)で120°〜150°の範囲において少量の燃料噴射が行われる。これにより未燃燃料が排気系に供給されることになる。つまり、このポスト噴射を実行する上記燃料噴射弁35が、本発明でいうフィルタ再生用燃料を供給する燃料供給手段である。一方、上記排気絞り弁9の絞り動作は、この排気絞り弁9を必要に応じて全閉にすることで排気系の温度を高めるものである。これにより、上記ポスト噴射で噴射された燃料の排気系内での燃焼を促進させる。以下、このフィルタ再生動作の基本動作について説明する。
上記排気圧力センサ82によって検出されているパティキュレートフィルタ8bの入口圧力が所定圧力に達した場合、パティキュレートフィルタ8bに捕集したPMの堆積量が増大しており、パティキュレートフィルタ8bの詰まりが生じてしまう可能性があるとしてフィルタ再生動作を開始する。ここで、フィルタ再生動作を開始するための閾値となる上記パティキュレートフィルタ8bの入口圧力は、実験またはシミュレーション等によって予め設定されている。
尚、前回のフィルタ再生動作の終了後、エンジン1の積算運転時間や車両の積算走行距離等が所定値に達した際にフィルタ再生動作を開始するようにしてもよい。更には、パティキュレートフィルタ8bの入口(上流側)圧力と出口(下流側)圧力との差圧を検出する差圧センサを設け、この差圧センサによって検出される差圧が所定値に達した際にフィルタ再生動作を開始するようにしてもよい。
このフィルタ再生動作が開始されると、上述した如く、上記燃料噴射弁35からのポスト噴射を開始すると共に、上記排気絞り弁9の絞り動作を開始する。この排気絞り弁9の絞り動作としては、上記エンジンECU10から送信される駆動信号に従ってアクチュエータ93が駆動して排気絞り弁9の開閉動作が行われる。本実施形態では、排気絞り弁9の開閉動作としては全開状態と全閉状態とが切り換えられるものとしている。
また、このフィルタ再生動作中における排気絞り弁9の開閉動作は、エンジン負荷に応じて全開状態と全閉状態とが切り換えられる。具体的には、エンジン負荷が低負荷領域にある場合には、排気絞り弁9を全閉状態とする。それに伴ってウエストゲートバルブ92が開放し、ウエストゲート通路91を経て排気ガスが排出される。これは、エンジン負荷が比較的低い状況では排気量が少ないため、ウエストゲート通路91のみを使用した排気を行いながら排気絞り弁9を全閉状態とすることによって排気系の温度を十分に高め、フィルタ再生動作を効率的に行うためである。
一方、エンジン負荷が高負荷領域または中負荷領域にある場合には、排気絞り弁9を全開状態とする。これは、エンジン負荷が比較的高い状況では排気量も多いため、ウエストゲート通路91の使用のみでは排気効率が低下してしまい、エンジン1の排気背圧増大によってエンジン出力の低下や燃費の悪化を招いてしまうことになるので、これを回避するためである。
尚、上記エンジン負荷は、上記アクセル開度センサ80によって検出されるアクセルペダルの踏み込み量に応じた検出信号に基づいて認識される。
このように、フィルタ再生動作中にあっては、エンジン負荷に応じて排気絞り弁9の全閉状態と全開状態とが適宜切り換えられながらパティキュレートフィルタ8bに堆積しているPMが除去されていく。
尚、排気絞り弁9の開度調整が可能な構成(例えばDuty制御によって排気絞り弁9の開度調整を可能とするもの)とされた場合には、エンジン負荷に応じて排気絞り弁9の開度が調整される。つまり、エンジン負荷が小さいほど排気絞り弁9の開度が小さく設定されることになる。
このフィルタ再生動作の終了タイミングとしては、上記エンジンECU10に予め備えられたタイマによりフィルタ再生動作時間を計測しておき、このフィルタ再生動作時間が所定時間(例えば20分間)に達して上記タイマがタイムアップした時点でフィルタ再生動作を終了させる。
また、フィルタ再生動作の開始前において上記パティキュレートフィルタ8bに堆積しているPMの量を推定しておき、このPMの略全量がパティキュレートフィルタ8bから除去された時点でフィルタ再生動作を終了させるようにしてもよい。
具体的には、エンジン運転状態(例えば、排気温度、燃料噴射量、エンジン回転数等)に応じたPM堆積量を予め実験等により調べてマップ化しておき、このマップを上記ROM102に格納しておく。そして、前回のフィルタ再生動作の終了時点から今回のフィルタ再生動作の開始時点までのエンジン運転状態に基づき、上記マップからPM堆積量(フィルタ再生動作の開始前におけるPM堆積量)を推定する。
このようにしてフィルタ再生動作の開始時点におけるPM堆積量を推定した後、今回のフィルタ再生動作中におけるエンジン負荷の変化に伴う上記排気絞り弁9の全閉状態期間と全開状態期間とによってPM除去量を推定し、このPM除去量を上記フィルタ再生動作の開始前におけるPM堆積量から減算していって、このPM堆積量が略「0」に達した時点でフィルタ再生動作を終了させるようにする。この場合にも、排気絞り弁9の全閉状態期間及び全開状態期間それぞれにおけるPM除去量を予め実験等により調べてマップ化して上記ROM102に格納しておく。
このようにしてフィルタ再生動作が終了すると、その終了時点から上記ポスト噴射も終了され、通常の燃料噴射制御に戻る。
また、上記フィルタ再生動作の終了タイミングとしては、上記排気圧力センサ82によって検出されているパティキュレートフィルタ8bの入口圧力が所定圧力まで低下した場合にフィルタ再生動作を終了させたり、パティキュレートフィルタ8bの上流側の圧力と下流側の圧力との差圧が所定の再生終了圧力値にまで低下した時点でフィルタ再生動作を終了させるようにしてもよい。
図5に示す如く、駆動シャフト55bの外周面とブッシュ59の内周面との間に形成されている僅かな隙間Sは、一端(駆動シャフト55bの軸線に沿う方向の一端:図中の左端)がリンク室58に連通し、他端(図中の右端)が大気に連通している。このため、上記フィルタ再生動作が行われている際には、上記排気絞り弁9の絞り動作に伴ってリンク室58内の圧力が上昇し、リンク室58の内圧と大気圧との差圧が大きくなる。このことに起因して、この駆動シャフト55bの外周面とブッシュ59の内周面との間の隙間Sに液相燃料(ポスト噴射によって排気系に供給された燃料)が流れ込んでしまう(図5において破線で示す矢印Aを参照)。
このような状態でフィルタ再生動作が終了し、その後、エンジン1が停止する等して上記残存燃料(駆動シャフト55bの外周面とブッシュ59の内周面との間の隙間Sの残存燃料)が冷却された場合には、この残存燃料が樹脂化する等してデポジットとして堆積することになって、次回のエンジン駆動時に、駆動シャフト55bの回動動作が円滑に行えなくなる可能性がある。
本実施形態では、この点に鑑み、上記フィルタ再生動作の終了後には、以下に述べるような掃気動作を行うようになっている。以下、この掃気動作について具体的に説明する。
−掃気動作−
フィルタ再生動作が終了し、掃気動作が開始されると、上記エンジンECU10から送信される駆動信号に従ってアクチュエータ93が駆動して排気絞り弁9が全閉状態とされる。つまり、上記フィルタ再生動作が排気絞り弁9の全閉状態で終了した場合には、この排気絞り弁9の全閉状態がフィルタ再生動作が終了しても継続されることになる。一方、上記フィルタ再生動作が排気絞り弁9の全開状態で終了した場合には、フィルタ再生動作が終了した後には排気絞り弁9が全閉状態に切り換えられることになる。このように、掃気動作は、ポスト噴射を停止した状態で排気絞り弁9が全閉状態となることにより行われる(掃気手段による掃気動作の実行)。尚、この場合、ウエストゲートバルブ92が開放し、ウエストゲート通路91を経て排気ガスが排出されることになる。
このような掃気動作が行われている期間中では、排気絞り弁9の絞り動作に伴ってリンク室58内の圧力が上昇している。つまり、リンク室58の内圧と大気圧との間に大きな差圧が生じている。このため、リンク室58内の圧力が駆動シャフト55bの外周面とブッシュ59の内周面との間の隙間Sに残留している液相燃料に作用し、この液相燃料は、この隙間Sから外部(大気中)へ排出されることになる(図5において実線で示す矢印Bを参照)。また、この掃気動作中にはポスト噴射は停止されているため、この隙間Sへの新たな液相燃料の流れ込みは生じない。
この掃気動作の継続時間としては、上記エンジンECU10に予め備えられたタイマにより掃気動作継続時間を計測しておき、この掃気動作継続時間が所定時間(例えば2分間)に達して上記タイマがタイムアップした時点で掃気動作を終了させる。
また、上記隙間Sに残留している液相燃料の量を推定しておき、この液相燃料の略全量が排出された時点で掃気動作を終了させるようにしてもよい。具体的には、直前に行われていたフィルタ再生動作において、排気絞り弁9が全閉状態とされていた時間の積算値が大きいほど、つまり、リンク室58内の圧力が高い状態となっている期間が長いほど上記隙間Sに残留している液相燃料の量が多いと推定し、この場合には掃気動作の継続時間を長く設定するようにしている。具体的に、この掃気動作の継続時間は30秒間〜2分間の間で調整される。これら値はこれに限定されるものではない。これにより、上記隙間Sに残存していた液相燃料の略全量が排出された時点で掃気動作を終了させることができ、隙間Sに液相燃料が残存した状態で掃気動作が終了してしまったり、必要以上に掃気動作が行われてしまうといったことを回避できる。
また、この掃気動作においても、上述したフィルタ再生動作の場合と同様に、エンジン負荷に応じて排気絞り弁9の全開状態と全閉状態とを切り換えるようにしてもよい。つまり、エンジン負荷が低負荷領域にある場合には、排気絞り弁9を全閉状態として上述した掃気動作を効果的に行い、エンジン負荷が高負荷領域または中負荷領域にある場合には、排気絞り弁9を全開状態とし、エンジン出力の低下や燃費の悪化を抑制するようにしている。
また、排気絞り弁9の開度調整が可能な構成とされた場合には、掃気動作中におけるエンジン負荷に応じて排気絞り弁9の開度を可変とするようにしてもよい。例えば、エンジン負荷が低負荷領域にある場合には、排気絞り弁9を全閉状態とするのに対し、エンジン負荷が高負荷領域または中負荷領域にある場合には、排気絞り弁9の態度を50%程度に設定し、エンジン出力の低下や燃費の悪化を抑制しながらも、上記掃気動作を実現できるようにしている。
図6は、従来のフィルタ再生動作タイミングと、本実施形態のフィルタ再生動作及び掃気動作のタイミングとを比較して示すタイミングチャート図である。この図6に示すように、本実施形態では、フィルタ再生動作の終了の度に上記掃気動作を行うようにしている。このため、上記隙間Sに残存燃料が生じてしまうことがなく、残存燃料が樹脂化する等してデポジットとして堆積することが原因で駆動シャフト55bの回動動作が円滑に行えなくなり、可変ノズルベーン機構51の作動に悪影響を与えてしまうといったことが回避される。
(変形例1)
次に、変形例1について説明する。本変形例は、フィルタ再生動作の終了タイミング及び掃気動作の実行タイミングが上記実施形態の場合と異なっている。その他、エンジン1の構成やフィルタ再生動作等については上記実施形態と同様であるため、ここではフィルタ再生動作の終了タイミング及び掃気動作の実行タイミングについてのみ説明する。
上記フィルタ再生動作の実行中に運転者によるイグニッションOFF操作が行われた場合には、上記隙間Sに残存燃料が生じたままエンジン1が停止されてしまう可能性がある。
本変形例1では、この点に鑑み、フィルタ再生動作の実行中にエンジン1が停止する可能性がある場合には、エンジン1の駆動中においてフィルタ再生動作を中断して、掃気動作を実行し(フィルタ再生動作の中断時に実行される掃気動作)、その後にエンジン1を停止するようにしている。
具体的には、図7(本変形例1におけるフィルタ再生動作及び掃気動作のタイミングを示すタイミングチャート図)に示すように、フィルタ再生動作の実行中にエンジン1が停止される可能性があることを推測し、エンジン1が停止されると推測した場合には、直ちにフィルタ再生動作を中断し、掃気動作に移行することで、エンジン1の停止後には、上記隙間Sに残存燃料が生じないようにする。
エンジン1が停止されることの推測動作としては、例えば、車速が「0」であり、自動変速機用のレンジセレクトレバーのポジションが「パーキングレンジ」に操作された場合に、運転者のイグニッションOFF操作によってエンジン1が停止される可能性があると推測して、フィルタ再生動作を中断し、掃気動作を開始する。つまり、ポスト噴射を停止し且つ排気絞り弁9を全閉状態にする。これにより、エンジン1が停止される直前に掃気動作が行われることで、上記隙間Sの残存燃料が除去された状態でエンジン1が停止することになる。その結果、残存燃料が樹脂化する等してデポジットとして堆積することが原因で可変ノズルベーン機構51の作動に悪影響を与えてしまうといったことが回避される。
また、上記動作に代えて、フィルタ再生動作の実行中に運転者によるイグニッションOFF操作が行われた場合には、そのイグニッションOFF操作の直後にエンジン停止を行うことなく、所定期間だけ掃気動作を行った後にエンジン停止を行うようにしてもよい。
(変形例2)
次に、変形例2について説明する。本変形例は、掃気動作の実行タイミングが上記実施形態の場合と異なっている。その他、エンジン1の構成やフィルタ再生動作等については上記実施形態と同様であるため、ここでは掃気動作の実行タイミングについてのみ説明する。
図8は、本変形例2におけるフィルタ再生動作及び掃気動作のタイミングを示すタイミングチャート図である。この図8に示すように、本変形例では、フィルタ再生動作の実行中(フィルタ再生動作の途中)においても掃気動作を実行するようにしている(フィルタ再生動作の実行中に行われる掃気動作)。つまり、ポスト噴射を実行し且つ排気絞り弁9を全閉状態にするフィルタ再生動作の実行中であって、未だフィルタ再生動作が完了していないタイミングで所定期間だけポスト噴射を停止することにより掃気動作を開始する。そして、この掃気動作を所定期間だけ実施した後、ポスト噴射を再開し、フィルタ再生動作を実行する。また、図8に示すものでは、フィルタ再生動作の完了後にもポスト噴射を停止して掃気動作を所定期間だけ実施するようにしている。
本変形例2によれば、フィルタ再生動作の実行中(未だフィルタ再生動作が完了していないタイミング)で掃気動作を実行するようにしているため、上記隙間Sに多量の液相燃料が流れ込む前に掃気動作によって液相燃料を除去することが可能になる。その結果、掃気動作1回当たりの継続時間の短縮化を図ることができると共に、各掃気動作の積算時間も短縮化することが可能になる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態及び各変形例では、可変ノズル式のターボチャージャ5を備えたエンジン1に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、可変ノズル式ではないターボチャージャを備えたエンジンに対しても適用可能である。この場合、ターボチャージャをバイパスするウエストゲート通路に備えられたウエストゲートバルブの駆動部分に残存燃料が生じる場合があり、本発明を適用することによってこの残存燃料を除去することができて、ウエストゲートバルブの作動の信頼性を向上できる。
また、上記実施形態及び各変形例では、燃料噴射弁35からのポスト噴射によってフィルタ再生用の燃料を排気系に供給するものとしていた。本発明はこれに限らず、排気通路においてパティキュレートフィルタ8bよりも上流側に燃料添加弁を設け、この燃料添加弁から排気通路に燃料成分を供給させるものに対しても適用可能である。
また、上記実施形態及び各変形例では、触媒装置8のパティキュレートフィルタ8bをDPFやDPRとした例を挙げているが、このフィルタ8bは、DPNR(DieselParticulate−NOx Reduction system)とすることも可能である。
本発明は、排気絞り弁の絞り動作によりフィルタ再生動作を行う可変ノズル式ターボチャージャ付きエンジンに対し、フィルタ再生動作時に可変ノズルベーン機構に残存した燃料の除去が可能な排気浄化装置に適用可能である。
1 エンジン
35 燃料噴射弁
42 排気管
5 ターボチャージャ
51 可変ノズルベーン機構
55b 駆動シャフト
59 ブッシュ
8b パティキュレートフィルタ
9 排気絞り弁

Claims (4)

  1. 排気通路に備えられた粒子状物質捕集用のフィルタと、このフィルタに捕集されている粒子状物質を燃焼除去するためのフィルタ再生動作の実行時に、排気系にフィルタ再生用燃料を供給する燃料供給手段と、フィルタ下流側に備えられ上記フィルタ再生動作の実行中に排気絞り動作を行う排気絞り弁とを備えた内燃機関の排気浄化装置において、
    上記フィルタ再生動作の終了後、フィルタ再生動作の中断時、または、フィルタ再生動作の実行中に、上記燃料供給手段からのフィルタ再生用燃料の供給を停止した状態で排気絞り弁の絞り動作を行う掃気動作を実行する掃気手段を備えていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    上記掃気手段は、フィルタ再生動作の終了直後に掃気動作を開始するようになっており、フィルタ再生動作の終了時点で排気絞り弁が全開状態であった場合にはフィルタ再生動作の終了と同時に排気絞り弁の絞り動作を開始し、フィルタ再生動作の終了時点で排気絞り弁が全閉状態であった場合にはフィルタ再生動作の終了後、継続して排気絞り弁の全閉状態を維持するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  3. 請求項1または2記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    上記掃気手段は、上記フィルタ再生動作中において排気系内に残存している液相燃料の量に応じ、この液相燃料の量が多いほど掃気動作の実行期間を長く設定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  4. 請求項1、2または3記載の排気浄化装置において、
    上記排気系に可変ノズル式ターボチャージャの可変ノズルベーン機構が備えられており、この可変ノズルベーン機構には、ブッシュに挿通されて回動自在とされた駆動シャフトが備えられており、このブッシュの内面と駆動シャフト外面との間には、一端が排気通路に、他端が大気にそれぞれ連通する隙間が形成されていて、
    上記掃気手段による掃気動作によって排気通路内圧が高められ、上記隙間に残存している液相燃料が大気中に排出される構成とされていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013121517A1 (ja) 2012-02-14 2013-08-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
WO2013136463A1 (ja) 2012-03-14 2013-09-19 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2015218669A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 トヨタ自動車株式会社 機関システムの制御装置

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