JP2011126939A - 漂白剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維製品等に付着したカレー等の落ち難い汚れに対して、高い漂白効果を発揮する漂白剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)平均繊維径1〜1,000nmのナノセルロースファイバー、(b)過酸化水素及び水中で過酸化水素を放出する化合物から選ばれる1種以上の化合物、並びに(c)界面活性剤を含有する漂白剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、漂白剤組成物に関する。
繊維製品を対象とした漂白剤は塩素系と酸素系に分けられるが、塩素系漂白剤は使用できる繊維に制限があり、さらには色柄ものには使用できないことや特有の刺激臭を有していることから、これらの欠点のない酸素系漂白剤が最近著しく普及している。この酸素系漂白剤としては、漂白性能及び安定性の面から、漂白基剤として過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムが汎用されている。
酸素系漂白剤は、衣類等に付着した様々な食べこぼし、シミ汚れに効果的で色落ちの心配もないことから好んで使用されるが、カレー汚れ等に対しては効果が不十分であり、優れた漂白性能を発揮できる漂白剤が望まれていた。
特許文献1には、粉末セルロース等の水不溶性又は水難溶性繊維パウダーを含有することにより、繊維等の損傷、退色を抑制し、着色も生じずに高い漂白力を有する酸素系の漂白剤組成物が記載されている。
一方、ナノサイズまで微小化されたセルロース微粒子を含有する、噴霧器から噴霧可能な水性ゲル状組成物が知られている(特許文献2)。また、セルロースをナノレベルの微粒子化した水分散体が特異的なチキソトロピーを示すことが知られている(非特許文献1)
特開2004−331816号公報 特開2009−161483号公報 森高寛、"不思議で有用なチキソトロピー"、[online]、第一工業製薬社報 No.540 拓人2007春、[平成21年12月15日検索]、インターネット<URL:http://www.dks-web.jp/j/pdf_products/540_2.pdf>
特許文献1は、カレー汚れ等の落ち難い汚れに対しては十分な漂白効果が得られていない。特許文献2や非特許文献1は、繊維製品の漂白との関連を示唆していない。
本発明の課題は、より高い漂白効果を有し、繊維製品等に付着したカレー等の落ち難い汚れに対して、高い漂白効果を発揮する漂白剤組成物を提供することである。
本発明は、(a)平均繊維径1〜1,000nmのナノセルロースファイバー〔以下、(a)成分という〕、(b)過酸化水素及び水中で過酸化水素を放出する化合物から選ばれる1種以上の化合物〔以下、(b)成分という〕、並びに(c)界面活性剤〔以下、(c)成分という〕を含有する漂白剤組成物に関する。
本発明によれば、繊維製品等に付着したカレー等の落ち難い汚れに対して、高い漂白効果を発揮する漂白剤組成物が提供される。
<(a)成分>
本発明に用いられるナノセルロースファイバーは、平均繊維径が1〜1,000nmであり、好ましくは1〜500nm、より好ましくは3〜100nm、更に好ましくは5〜50nmである。ここで、(a)成分の平均繊維径は、市販品等で平均繊維径が既知のものはその値を採用することができる。また、平均繊維径が不明の試料については、原子間力顕微鏡(SEIKO社、SII 300HV)によって撮影されたセルロース繊維の直径等が確認できる画像において、50点以上抽出し、繊維径を測定し、平均繊維径を算出したものを採用してもよい。
本発明に用いられるナノセルロースファイバーとしては、特に限定されるものではないが、N−オキシル化合物を含む触媒の存在下、原料セルロース繊維を酸化及び微細化処理して得られるものが好ましく、更に水に分散されているナノセルロースファイバーの水分散体が好ましい。このようなナノセルロースファイバーは、例えば、次の工程(i)〜(iii)を含む方法により製造することができる。
工程(i):原料セルロース繊維からスラリーを得る工程
本工程では、原料となるセルロース繊維を含む成形体(絶対乾燥基準)に対して、約10〜1,000倍量(質量基準)の水を加え、ミキサー等で処理してからスラリーにする。ここでいう、絶対乾燥基準とは20℃、50%RHの環境下で自然乾燥したセルロース繊維の水分率をハロゲン水分計にて測定したものから絶対乾燥セルロース繊維量を算出するものである。
原料となるセルロース繊維を含む成形体としては、木材パルプ、非木材パルプ、再生セルロース、バクテリアセルロース、コットン等を含むシートを挙げることができる。成形体の大きさや形状は特に制限されないが、厚さは、好ましくは0.01〜10mm、より好ましくは0.03〜3mm、さらに好ましくは0.05〜1mmの範囲から選択することができ、シート状の成形体が好ましい。
工程(ii):工程(i)で得られたスラリーを酸化処理する工程
本工程では、工程(i)で得られたスラリーを、N−オキシル化合物を含む酸化触媒液を用いて、酸化処理する。N−オキシル化合物を含む酸化触媒液としては、N−オキシル化合物、他の酸化剤及びハロゲン化物を含む溶液又は懸濁液を使用する。
N−オキシル化合物としては、例えば、2,2,6,6,−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(TEMPO)等を用いることができる。N−オキシル化合物の使用量は、原料セルロース繊維(絶対乾燥基準)に対して、約0.1〜30質量%となる範囲が好ましい。また、酸化触媒液中のN−オキシル化合物の濃度は0.001〜30質量%の範囲が好ましい。
本工程に用いられる他の酸化剤としては、ハロゲンや、次亜ハロゲン酸,亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸又はそれらの塩、ハロゲン酸化物、窒素酸化物、過酸化物等を挙げることができ、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。他の酸化剤の使用量は、原料セルロース繊維(絶対乾燥基準)に対して、約1〜50質量%となる範囲が好ましい。
本工程に用いられるハロゲン化物としては、臭化物又はヨウ化物が好ましく、例えば、臭化アルカリ金属やヨウ化アルカリ金属等を挙げることができ、臭化ナトリウムが好ましい。ハロゲン化物の使用量は、原料セルロース繊維(絶対乾燥基準)に対して、約1〜30質量%となる範囲が好ましい。また、酸化触媒液中のハロゲン化物の濃度は0.01〜30質量%の範囲が好ましい。
酸化触媒液の溶媒としては水を使用することが好ましく、酸化触媒液の表面張力を低下させ、原料セルロース繊維に浸透させやすくする観点から、メタノール、エタノール等のアルコール、各種の界面活性剤を含有させることができる。アルコールは反応性の観点から2級以上のアルコールが好ましい。1級アルコールを使用すると、酸化触媒液と1級アルコール自身が反応する場合があるからである。
酸化触媒液の溶媒として、水とエタノール等の有機溶媒の混合物を使用する場合、有機溶媒の含有量は5〜80質量%が好ましく10〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%が更に好ましい。
酸化触媒液のpHは、酸化反応を効率良く進行させる点から9〜12の範囲であることが好ましい。酸化処理の温度(前記スラリーの温度)と時間は、1〜50℃で、1〜300分間が好ましい。酸化処理においては、原料セルロース繊維と酸化触媒液を機械的操作で接触させることが好ましい。本発明でいう機械的操作とは、攪拌等により、原料セルロース繊維又は酸化触媒液に機械的な運動を与えることを意味する。
そして、使用した触媒等を水洗等により除去し、必要に応じて乾燥処理した繊維状や粉末状の中間体を得ることができる。
工程(iii):工程(ii)で得られた繊維状や粉末状の中間体を微細化処理する工程
本工程では、工程(ii)で得られた中間体を水等の溶媒中に分散し、微細化処理を行う。微細化処理は、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等を用いて所望の繊維幅や長さに調整することができる。
このような微細化処理により、平均繊維径が1,000nm以下のナノセルロースファイバーを得ることができ、更に好ましくは平均アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)が10〜5,000であるナノセルロースファイバーを得ることができる。
その後、必要に応じて水洗等して、懸濁液状(目視的に無色透明又は不透明な液)又は必要に応じて乾燥処理した粉末状(但し、繊維状であり、粒を意味するものではない)のナノセルロースファイバーを得ることができる。
なお、懸濁液にするときは、水のみを使用したものでもよいし、水と他の有機溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)や界面活性剤、酸、塩基等との混合溶媒を使用したものでもよい。このような酸化処理及び微細化処理により、セルロース構成単位のC6位が選択的にカルボキシル基に酸化され、前記カルボキシル基含有量が好ましくは0.1〜2.0mmol/gのセルロースからなる平均繊維径が1,000nm以下の微細化されたナノセルロースファイバーを得ることができる。そして、酸化処理条件を調整することにより、前記のカルボキシル基含有量を所定範囲内にて増減させ、極性を変化させたり、該カルボキシル基の静電反発や前述の微細化処理により、ナノセルロースファイバーの平均繊維径や平均繊維長等を制御することができる。また、前記ナノセルロースファイバーは、上記カルボキシル基を有することから繊維間の静電反発力が強くなるため、ナノセルロースファイバーの水分散液の分散性は良好である。ここでの分散性が良好であるというのは、平均繊維径1,000nm以下の微細化されたナノセルロースファイバーが分散液中で凝集、沈降を起こしにくいことをいう。分散性は、水分散液の目視観察によって確認される。
未処理のナノセルロースファイバー水分散体は、ナノセルロースファイバーの凝集体が分散している状態であり、目視観察において凝集物、沈殿物が確認される。一方、本発明で用いるナノセルロースファイバーは、平均繊維径が1〜1,000nmの微細構造体であり、該構造体が凝集することなく、水中で均一に分散するため、目視観察において凝集物、沈殿物は確認されない。
本発明の漂白剤組成物中の(a)成分の含有量は、充分な漂白力を得る観点から、0.1〜5質量%であることが好ましい。本発明の漂白剤組成物が粉末組成物の場合は、より好ましくは0.3〜3質量%であり、更に好ましくは0.5〜2質量%である。また、本発明の漂白剤組成物が液体組成物の場合は、より好ましくは0.1〜3質量%であり、より好ましくは0.2〜2質量%であり、更に好ましくは0.3〜1.5質量%である。
<(b)成分>
(b)成分のうち、水中で過酸化水素を放出する化合物としては、無機過酸化物が好ましく、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過燐酸塩等の無機の過酸化物塩を挙げることができる。これらの中でも過炭酸塩、過ホウ酸塩が好ましく、特に過炭酸塩が好ましい。塩は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
無機過酸化物を用いる場合、粒、顆粒等の粒子状のものを用いることが好ましく、その平均粒径は、好ましくは200〜1,000μmであり、特に好ましくは250〜400μmである。また、漂白剤組成物のケーキングを防止するためには、孔径125μmの篩を通過するような微粉末の含有量が、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることが特に好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。また、液体組成物である場合は、(b)成分として過酸化水素を用いることが好ましい。
本発明の漂白剤組成物中の(b)成分の含有量は、充分な漂白力を付与するとともに、他成分との配合を考慮すると、過酸化水素として、1〜15質量%であることが好ましい。本発明の漂白剤組成物が粉末組成物の場合は、過酸化水素として、より好ましくは3〜15質量%であり、より好ましくは5〜13質量%であり、更に好ましくは7〜11質量%である。また、本発明の漂白剤組成物が液体組成物の場合は、過酸化水素として、より好ましくは1〜10質量%であり、より好ましくは1.5〜7質量%であり、更に好ましくは2〜5質量%である。
<(c)成分>
(c)成分の界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられるが、陰イオン界面活性剤又は非イオン界面活性剤が好ましい。
陰イオン界面活性剤としては、炭素数10〜18のアルコール、好ましくは直鎖又は分岐鎖の1級又は2級アルコールの硫酸エステル塩、炭素数8〜20のアルコールのエトキシレート化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩及び脂肪酸塩から選ばれる一種以上が挙げられる。これら陰イオン界面活性剤の対イオンとしては、アルカリ金属塩類が好ましく、特にナトリウム又はカリウムが挙げられる。
特に、アルキル鎖の炭素数が12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩及び炭素数12〜18のアルキル硫酸塩から選ばれる一種以上を含むことが好ましい。
また、非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーから選ばれる一種以上が挙げられる。
特に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、中でも、炭素数10〜18のアルコール、好ましくは直鎖又は分岐鎖の1級又は2級のアルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを4〜20モル付加したHLB値(グリフィン法で算出)が10.5〜15.0、更に11.0〜14.5であるようなポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含むことが好ましい。
両性界面活性剤としては特に限定されないが、アミンオキサイド類、例えば炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルアミンオキサイド、及びベタイン類から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。また、ベタイン類の具体例としては、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル−プロピルスルホベタイン等を挙げることができる。
本発明では、(1)アルキル鎖の炭素数が12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、(2)炭素数12〜18のアルキル硫酸塩及び(3)炭素数10〜18のアルコール、好ましくは直鎖又は分岐鎖の1級又は2級のアルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを4〜20モル付加したHLB値(グリフィン法で算出)が10.5〜15.0であるポリオキシアルキレンアルキルエーテルの少なくとも何れかを含むことが好ましく、特に上記(3)のポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
本発明の漂白剤組成物中の(c)成分の含有量は、充分な漂白力を付与するという観点から、0.1〜20質量%であることが好ましい。中でも粉末組成物の場合は、より好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜8質量%であり、更に好ましくは2〜5質量%である。また、液体組成物の場合は、より好ましくは1〜20質量%であり、より好ましくは2〜15質量%であり、更に好ましくは3〜10質量%である。
<その他の成分>
〔(d)成分〕
本発明の漂白剤組成物は、漂白活性化剤〔以下、(d)成分という〕を含有することが好ましい。漂白活性化剤は、水中で過酸化水素と反応し、有機過酸を発生させる有機過酸前駆体である。漂白活性化剤としては、炭素数6〜14のアルカノイルオキシ基を有するアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸、炭素数6〜14のアルカノイルオキシ基を有するアルカノイルオキシベンゼンカルボン酸、及びこれらの塩から選ばれる化合物が好ましい。
(d)成分としては、下記一般式(d1)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2011126939
〔式中、R1は、炭素数5〜13のアルキル基、好ましくは直鎖アルキル基を示し、Yは、陰イオン性基、好ましくはスルホン酸基もしくはカルボン酸基又はそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩もしくはアンモニウム塩を示す。〕
式(d1)中、R1の炭素数が5以上であると汚れに対する吸着性が高くなり、充分な漂白、洗浄性能を発揮することができ、13以下であると低温の漂白条件においても充分な溶解性を付与することができるため好ましい。
かかる一般式(d1)に該当する化合物としては、下記一般式(d2)又は(d3)で表されるものが好ましい。
Figure 2011126939
〔式中、R2及びR3は、それぞれ、炭素数5〜13の直鎖アルキル基を示し、M1及びM2は、それぞれ、ナトリウム原子、カリウム原子又はアンモニウム基を示す。〕
(d)成分は、その安定性を高めるために、水溶性バインダー及びその他の成分とともに混合して造粒物にすることもできる。(d)成分の造粒物は、特開平11−217590号の段落0017〜0022の記載を参照することができる。
本発明の漂白剤組成物中の(d)成分の含有量は、充分な漂白力、洗浄力を付与するため、0.1〜10質量%であることが好ましい。本発明の漂白剤組成物が粉末組成物の場合は、好ましくは1〜8質量%であり、更に好ましくは2〜5質量%である。また、本発明の漂白剤組成物が液体組成物の場合は、好ましくは0.1〜7質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%であり、更に好ましくは0.8〜3質量%である。
〔(e)成分〕
本発明の漂白剤組成物は、分散剤(e)〔以下、(e)成分という〕を含有することができる。(e)成分としては、カルボン酸系重合体として、(e1)ポリアクリル酸、アクリル酸−アリルアルコール共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸系重合体、(e2)マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン−1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の多価カルボン酸系重合体が挙げられる。また、(e3)グリオキシル酸系重合体、(e4)多糖類(カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等)、等の高分子化合物が挙げられるが、重量平均分子量が数百〜10万のカルボン酸系重合体、特にアクリル酸系重合体が好ましい。
本発明の漂白剤組成物中の(e)成分の含有量は、充分な漂白力、洗浄力を付与するため、1〜5質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜4質量%であり、特に好ましくは2〜3質量%である。
〔(f)成分〕
本発明の漂白剤組成物は、(f)成分として金属封鎖剤を配合することができる。金属封鎖剤としては、(f1)フィチン酸等のリン酸系化合物又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、(f2)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸およびその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等のホスホン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、(f3)2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等のホスホノカルボン酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、(f4)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、(f5)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、(f6)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸などの有機酸又はこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、(f7)ゼオライトAに代表されるアルミノケイ酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩、(f8)アミノポリ(メチレンホスホン酸)もしくはそのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、又はポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)もしくはそのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩等が挙げられる。これらの中で上記(f2)、(f5)、(f6)及び(f7)からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましく、上記(f2)からなる群より選ばれる少なくとも一種がさらに好ましい。
本発明の漂白剤組成物中の(f)成分の含有量は、充分な漂白力、洗浄力を付与するため、1〜5質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜4質量%であり、特に好ましくは2〜3質量%である。
〔酵素〕
本発明の漂白剤組成物は、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等の酵素を含有することができ、アミラーゼ及び/又はプロテアーゼを含有することがより好ましく、アミラーゼ及びプロテアーゼを含有することが特に好ましい。
本発明の漂白剤組成物には、洗浄剤や漂白剤に配合される公知の成分を配合することができる。その一例を以下に示す。
(1)酵素安定剤
酵素安定剤として、還元剤(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム)のカルシウム塩やマグネシウム塩、ポリオール、ホウ素化合物等を配合することができる。還元剤は、水道水中の塩素を除去することにより、酵素を安定化する。さらに亜硫酸ナトリウムは、前記効果とともに酸化防止剤としての効果も有している。
(2)香料
香料としては、従来洗剤に配合されている香料、例えば特開昭63−101496号公報記載の香料、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、トリシクロ[5.2.1.02,6]−デセ−3−エン−8−イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.02,6]−デセ−3−エン−8−イソプロピオネート、3−アミル−4−アセトキシテトラヒドロピラン、4−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、2−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α,α’−ジメチル−p−エチルヒドロシンナミックアルデヒド等を挙げることができる。もちろんその他の洗剤成分による劣化のないように、配合する各香料成分の種類及び場合により配合比率や配合量を考慮する。
本発明の漂白剤組成物は上記(a)、(b)、(c)成分、更には(d)〜(f)成分、酵素、その他の成分を含有するものであり、その形態は、液体、粉末、粒状であることができる。本発明の組成物は、衣料、寝具等の繊維製品の漂白、洗浄用に好適である。
本発明の漂白剤組成物は、弱アルカリ性洗剤と共に洗濯浴に希釈して洗濯機などで洗浄する方法を用いても差し支えないが、該組成物(原液)又は該組成物と水とを含有する水性媒体を、衣料等に付着した汚れに直接接触させて漂白処理する方法が高い効果を得るために好ましい。接触させる方法としては、繊維製品に該組成物(原液)又は該水性媒体を浸漬させる方法、汚れの付着している部分に直接塗布や滴下して付着させる方法、及びトリガー式スプレーヤーなどのスプレー付き容器に充填してスプレーする方法を挙げることができ、簡便性の点から汚れの付着している部分に直接塗布や滴下して付着させる方法が好ましい。接触させる時間としては漂白効果の点から好ましくは5〜480分、より好ましくは10〜360分、特に好ましくは20〜240分、特に好ましくは30〜120分が好適である。また、接触させる温度としては好ましくは2〜50℃、より好ましくは5〜40℃、更に好ましくは20〜35℃である。
接触処理後の衣料等は水道水ですすぎ洗いをするか、弱アルカリ洗剤と共に洗濯し、すすぎ洗いをすることが好適であり、特に弱アルカリ性洗剤で洗濯することが洗浄効果をより効率よく除去する上で好ましい。すすぎ後は脱水し、自然乾燥または乾燥機により乾燥する。
本発明の漂白剤組成物を用いた漂白方法では、本発明の漂白剤組成物から調製された、pHが9以上、好ましくは9.5〜11である水性媒体を繊維製品に接触させることが好ましい。このpHは、漂白時のpHである。接触時間は、5分以上、更に30〜120分が好ましい。また、水性媒体の温度或いは接触時の周囲温度は2〜50℃が好ましく、より好ましくは5〜40℃、更に好ましくは20〜35℃である。
実施例1、2及び比較例1、2
表1、2に示す漂白剤組成物を、過酸化水素の濃度が粉末組成物の場合0.05質量%、液体組成物の場合0.06質量%となるように水で希釈した水溶液を調製する。この水溶液に、下記で調製したカレー汚染布を各4枚ずつ入れ、2時間25℃浸漬する。その後、汚染布を取り出し、濃度0.0667質量%の市販洗剤(花王アタック)水溶液に投入し、ターゴトメーターにて普通洗浄した(80rpm×10分)。水道水ですすぎ、乾燥させて、次式により漂白率を算出した。
Figure 2011126939
反射率は日本電色工業(株)製ND−300Aで460nmフィルターを使用して測定した。
<カレー汚染布の調製>
ハウス食品製レトルトカレー(カレーマルシェ:2009年6月製造)の固形分をメッシュで除去した後、得られた液を煮沸するまで加熱した。この液に木綿金布#2003を浸し、15分間煮沸した。そのまま火よりおろし、2時間放置後、布を取りだし、余分に付着しているカレー液をへらで除去し自然乾燥させた。その後プレスし、10cm×10cmの試験片として実験に供した。
Figure 2011126939
ここで、本発明のナノセルロースファイバーを含有する実施例1−1は、ナノセルロースファイバーを含有しない比較例1−1や従来技術に相当する粉末セルロースを約4倍量含有する比較例1−3と比較すると、繊維製品等に付着したカレー等の落ち難い汚れに対する漂白性能の点で、優れていることが分かった。
Figure 2011126939
ここで、本発明のナノセルロースファイバーを含有する実施例2−1は、ナノセルロースファイバーを含有しない比較例2−1や従来技術に相当する粉末セルロースを約4倍量含有する比較例2−3と比較すると、漂白性能の点で優れていることが分かった。
表2中、( )内の数値は過酸化水素としての配合量である。また、表1、2で特記したものは以下のものである。
*1 ナノセルロースファイバー:第一工業製薬(株)から「ナノウォープ」として入手可能なものを使用(平均繊維径は10〜20nm)
*2 非イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンラウリルエーテル(オキシエチレン平均付加モル数6.4、HLB11.8)
*3 陰イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(オキシエチレン平均付加モル数2)
*4 漂白活性化剤:デカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸ナトリウム
*5 粉末セルロース:試薬Cica Merck Cellulose Microcrystalline(平均繊維径20〜30μm、平均繊維長40〜50μm)

Claims (4)

  1. (a)平均繊維径1〜1,000nmのナノセルロースファイバー、(b)過酸化水素及び水中で過酸化水素を放出する化合物から選ばれる1種以上の化合物、並びに(c)界面活性剤を含有する漂白剤組成物。
  2. (a)成分が、平均繊維径3〜100nmのナノセルロースファイバーである請求項1記載の漂白剤組成物。
  3. (c)成分が、アルキル鎖の炭素数が12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数12〜18のアルキル硫酸塩及び炭素数10〜18のアルコールにアルキレンオキシドを4〜20モル付加したHLB値(グリフィン法で算出)が10.5〜15.0であるポリオキシアルキレンアルキルエーテルから選ばれる1種以上の界面活性剤である、請求項1又は2記載の漂白剤組成物。
  4. 更に(d)漂白活性化剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の漂白剤組成物。
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